JP2018200943A - 現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システム - Google Patents
現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018200943A JP2018200943A JP2017104624A JP2017104624A JP2018200943A JP 2018200943 A JP2018200943 A JP 2018200943A JP 2017104624 A JP2017104624 A JP 2017104624A JP 2017104624 A JP2017104624 A JP 2017104624A JP 2018200943 A JP2018200943 A JP 2018200943A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- developer
- concentration
- development processing
- replenisher
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/70—Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
- G03F7/70483—Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/26—Processing photosensitive materials; Apparatus therefor
- G03F7/30—Imagewise removal using liquid means
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/002—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor using materials containing microcapsules; Preparing or processing such materials, e.g. by pressure; Devices or apparatus specially designed therefor
- G03F7/0022—Devices or apparatus
- G03F7/0025—Devices or apparatus characterised by means for coating the developer
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/26—Processing photosensitive materials; Apparatus therefor
- G03F7/30—Imagewise removal using liquid means
- G03F7/3042—Imagewise removal using liquid means from printing plates transported horizontally through the processing stations
- G03F7/3071—Process control means, e.g. for replenishing
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/26—Processing photosensitive materials; Apparatus therefor
- G03F7/30—Imagewise removal using liquid means
- G03F7/32—Liquid compositions therefor, e.g. developers
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L21/00—Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
- H01L21/02—Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
- H01L21/027—Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Coating Apparatus (AREA)
Abstract
【課題】基板の現像に用いられる現像液を最適な状態に管理する役務に最適な現像液の濃度管理装置及び基板の現像処理システムを提供する。【解決手段】基板処理システムは、現像液の濃度管理装置B、現像処理装置A、現像液の新液を調製する調製装置E、使用後の現像液を再生する再生装置Fとが、配管で接続されている。現像液の濃度管理装置Aは、現像処理装置Bの現像液の物性または成分濃度を測定し、現像液の原液や新液、再生液を供給し、現像液を最適な濃度に管理する。供給された補充液は、配管に設けられた積算流量計151、152、153、154、155により計測される。積算流量計151、152、153、154、155により計測された補充液の積算流量に基づいて、現像液の濃度管理の料金、または、基板の現像処理料金の算出が可能となる。【選択図】図1
Description
本発明は、現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システムに係り、特に、半導体又は液晶パネルにおける回路基板の現像工程等で、フォトレジスト膜を現像するために繰り返し用いられるアルカリ性を示す現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システムに関する。
半導体や液晶パネル等における微細配線加工を実現するフォトリソグラフィーの現像工程には、基板の上に製膜されたフォトレジストを溶解する薬液として、アルカリ性を示す現像液(以下、「アルカリ性現像液」ともいう)が用いられている。アルカリ性現像液は、その性能が最大限に発揮されるように、必要に応じた所定の濃度に維持管理されて使用される。現像液の濃度管理は、現像液の成分濃度の監視と測定された濃度に基づく補充液の補給によりなされる。補給される補充液としては、現像液の原液や純水のほか、新しく調製されたアルカリ性現像液(以下、「新液」ともいう)や再利用可能に再生処理されたアルカリ性現像液(以下、「再生液」ともいう)等が用いられる。
また、アルカリ性現像液は空気中の二酸化炭素を吸収し、炭酸塩を生じて劣化しやすい。また、アルカリ性現像液はフォトレジストの溶解によりフォトレジスト塩を生じ、現像処理に有効なアルカリ成分が消費される。そのため、繰返し使用されるアルカリ性現像液は、アルカリ成分ばかりでなく、フォトレジストや二酸化炭素も含む多成分系となっている。そして、それらの成分のそれぞれが異なる寄与度で現像性能に影響を及ぼしている。したがって、アルカリ性現像液の現像性能を高精度に維持管理するためには、これらの成分が現像性能に及ぼす影響をあわせて考慮した現像液管理が必要であった。
従来は、アルカリ性現像液の濃度を維持管理するため、アルカリ性現像液を使用して基板を処理する者(以下、「基板製造者」ともいう)は、現像液の濃度管理装置を購入して使用していた。基板製造者は、アルカリ性現像液の濃度を管理すべく補給される補充液として、現像液の原液や新液などを調達しなければならなかった。また、基板製造者は、自前で新液を調製するときは、アルカリ性現像液をその原料から自動で調製する調製装置を購入し、これを運用しなければならなかった。また、基板製造者は、再生液を自前で用意するためには、使用された現像液を再利用可能に再生処理する再生装置を購入しなければならなかった。
アルカリ性現像液の管理装置として、例えば、下記の特許文献1には、アルカリ性現像液の成分濃度と相関のある複数の特性値を測定し、測定した複数の測定値に基づいて多変量解析法によりアルカリ性現像液の成分濃度を算出し、この測定値および算出値に基づいて現像液に補充液を送液することが記載されている。
また、特許文献2には、現像液の密度を測定し、現像液の密度値と吸収二酸化炭素濃度値との間の対応関係を用いて、現像液の吸収二酸化炭素濃度が所定の管理値又は管理値以下となるように、現像液に補充液を供給する現像液管理装置が記載されている。特許文献3には、現像液の溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を指標として特定される領域ごとに所定の現像性能となることが確認された現像液の導電率値を有する導電率データが格納されたデータ記憶部を備え、現像液の溶解フォトレジスト濃度の測定値および吸収二酸化炭素濃度の測定値により特定される濃度領域のデータ記憶部に格納された導電率値を制御目標値として、現像液に補充液を補給する現像液管理装置が記載されている。
しかしながら、従来のように濃度管理装置や調製装置、再生装置を購入して使用する態様では、基板製造者が、濃度管理装置や再生装置を購入し、これらを運転し維持管理することが必要であった。また、濃度管理装置や、調製装置、再生装置を製造販売する者(以下、「装置販売者」ともいう)にとっても、装置販売時点しかこれらの装置の対価を得る機会がなかった。
そのため、基板製造者は、濃度管理装置や調製装置、再生装置を購入するための一時的に多額の費用負担と、購入後の運転及び維持管理に係る数々の手間や負担と、を背負わなければならなかった。また、装置販売者は、限られた市場の中で、装置の購入を希望する基板製造者を次々に探して装置を販売しなければ、充分な利益を上げることが難しい、という問題を抱えていた。
本発明は、上記の諸課題に鑑みてなされたものである。発明者は、装置を販売するのではなく、濃度管理装置や調製装置、再生装置を用いて基板の処理に最適な所望の状態に現像液を維持管理する役務を基板製造者に提供すること、を発案した。この新規なビジネスモデルでは、基板製造者が上記のような負担を背負うことなく常に最適な状態に維持された現像液を使用することができ、かつ、装置販売者が継続して収益を上げることができる。本発明は、上記発案の新規なビジネスモデルにおいて、上記役務を提供する者がその役務の提供に用いる現像液の濃度管理装置を提供することを目的とする。また、濃度管理装置や調製装置、再生装置を基板製造者の運用する現像処理装置に接続して構築される上記役務を提供するのに最適な基板の現像処理システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の現像液の濃度管理装置は、繰り返し使用される、アルカリ性を示す現像液の成分濃度と相関のある現像液の複数の特性値を測定する測定手段と、測定手段により測定された複数の特性値に基づいて、多変量解析法により、現像液の成分濃度を算出する演算手段と、演算手段により算出された現像液の成分濃度値に基づいて、現像液の成分濃度が所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、現像液に補充液を供給する制御手段と、制御手段により供給される補充液の積算流量を計測する積算流量計と、を備える。
本発明によれば、多変量解析法を用いた演算手段により多成分系であるアルカリ性現像液の成分濃度を算出しているので、複数の現像液成分の影響を受けている特性値からでも精度よく現像液の成分濃度を算出することが可能である。算出した現像液の成分濃度に基づいて所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、補充液を供給することで、精度よく現像液の濃度管理を行うことができる。
また、補充液の積算流量を計測する積算流量計を備えることで、所定期間(例えば、一週間又は一ヶ月等)ごとに補充液の量を把握することができる。そのため、例えば、この所定期間における補充液の供給量にこれらの単位当たりの料金を乗じて得た供給料金に、その他の諸経費などに基づく基本料金を加算した金額を、「現像液の濃度管理の料金」として算出することが可能となる。そして、算出した料金を基板製造者に請求することができる。
前記目的を達成するために、本発明の現像液の濃度管理装置は、密度計と、密度計により測定されたアルカリ性を示す現像液の密度に基づいて、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との間の対応関係から、現像液の吸収二酸化炭素濃度が所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、現像液に補充液を供給する制御手段と、制御手段により供給される補充液の積算流量を計測する積算流量計と、を備える。
本発明によれば、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との対応関係(特許文献2の図1参照)により、密度計により測定された現像液の密度値から供給すべき補充液の量が分かるので、現像液の吸収二酸化炭素濃度を所定の管理値又は所定の管理値以下となるように補充液を供給して管理することができる。
また、補充液の積算流量を計測する積算流量計を備えることで、所定期間(例えば、一週間又は一ヶ月等)ごとに補充液の量を把握することができる。そのため、例えば、この所定期間における補充液の供給量にこれらの単位当たりの料金を乗じて得た供給料金に、その他の諸経費などに基づく基本料金を加算した金額を、「現像液の濃度管理の料金」として算出することが可能となる。そして、算出した料金を基板製造者に請求することができる。
前記目的を達成するために、本発明の現像液の濃度管理装置は、繰り返し使用される、アルカリ性を示す現像液の導電率、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を測定する測定手段と、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を指標として特定される濃度領域ごとに所定の現像性能となることが予め確認された現像液の導電率値を有する導電率データが格納されているデータ記憶部、及び、データ記憶部に格納された導電率データのうち、測定手段により測定された現像液の溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度の測定値により特定される濃度領域の導電率値を制御目標値として、現像液の導電率が制御目標値となるように現像液に補充液を供給する制御部、を備えた制御手段と、制御手段により供給される補充液の積算流量を計測する積算流量計と、を備える。
本発明によれば、現像液がどのような溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度となろうとも、現像液中の現像作用に活性を有する成分が一定に維持されるので、所望の現像性能を維持でき、所望の線幅及び残膜厚を維持できる現像処理を実現できる。
また、補充液の積算流量を計測する積算流量計を備えることで、所定期間(例えば、一週間又は一ヶ月等)ごとに補充液の量を把握することができる。そのため、例えば、この所定期間における補充液の供給量にこれらの単位当たりの料金を乗じて得た供給料金に、その他の諸経費などに基づく基本料金を加算した金額を、「現像液の濃度管理の料金」として算出することが可能となる。そして、算出した料金を基板製造者に請求することができる。
前記目的を達成するために、本発明の基板の現像処理システムは、現像液を用いて基板を処理する現像処理装置と、現像処理装置で繰り返し使用される現像液の濃度を管理する現像液の濃度管理装置と、現像処理装置に接続され、濃度管理装置により現像液に供給される補充液が現像処理装置に送液される配管と、配管に積算流量計と、を備え、濃度管理装置が、現像液の成分濃度と相関のある複数の特性値を測定する測定手段と、測定手段により測定された複数の特性値に基づいて、多変量解析法により、現像液の成分濃度を算出する演算手段と、演算手段により算出された現像液の成分濃度値に基づいて、現像液の成分濃度が所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、現像液に補充液を供給する制御手段と、を備える。
前記目的を達成するために、本発明の基板の現像処理システムは、現像液を用いて基板を処理する現像処理装置と、現像処理装置で繰り返し使用される現像液の濃度を管理する現像液の濃度管理装置と、現像処理装置に接続され、濃度管理装置により現像液に供給される補充液が現像処理装置に送液される配管と、配管に積算流量計と、を備え、濃度管理装置が、密度計と、密度計により測定された現像液の密度に基づいて、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との間の対応関係から、現像液の吸収二酸化炭素濃度が所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、現像液に補充液を供給する制御手段と、を備える。
前記目的を達成するために、本発明の基板の現像処理システムは、現像液を用いて基板を処理する現像処理装置と、現像処理装置で繰り返し使用される現像液の濃度を管理する現像液の濃度管理装置と、現像処理装置に接続され、濃度管理装置により現像液に補給される補充液が現像処理装置に送液される配管と、配管に積算流量計と、を備え、濃度管理装置が、現像液の導電率、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を測定する測定手段と、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を指標として特定される濃度領域ごとに所定の現像性能となることが予め確認された現像液の導電率値を有する導電率データが格納されているデータ記憶部、及び、データ記憶部に格納された導電率データのうち、測定手段により測定された現像液の溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度の測定値により特定される濃度領域の導電率値を制御目標値として、現像液の導電率が制御目標値となるように現像液に補充液を供給する制御部、を備えた制御手段と、を備える。
本発明によれば、補充液が現像処理装置に送液される配管に積算流量計を備えているので、所定期間(例えば、一週間又は一ヶ月等)ごとに現像処理装置に供給した補充液の量を把握することができる。そのため、例えば、この所定期間における補充液の供給量にこれらの単位当たりの料金を乗じて得た供給料金に、その他の諸経費などに基づく基本料金を加算した金額を、現像処理のために提供した現像液管理の役務の提供に係る料金、すなわち、「現像処理料金」として算出することが可能となる。そして、算出した料金を基板製造者に請求することが可能となる。
本発明の別の態様においては、現像液を新液として調製する現像液の調製装置と、現像処理装置及び調製装置に接続され、調製装置により調製された新液が濃度管理装置により現像処理装置で繰り返し使用されている現像液に供給される新液用配管と、をさらに備え、新液用配管に積算流量計を備えることが好ましい。
この態様によれば、調製装置により調製された現像液の新液を供給する新液用配管に積算流量計が備え付けられているので、所定期間(例えば、一週間又は一ヶ月等)ごとに現像処理装置に供給した現像液の新液の量を把握することができる。そのため、例えば、この所定期間における新液の供給量に単位当たりの料金を乗じて得た供給料金に、その他の諸経費などに基づく基本料金を加算した金額を、現像処理のために提供した現像液管理の役務の提供に係る料金、すなわち、「現像処理料金」として算出することが可能となる。そして、算出した料金を基板製造者に請求することが可能となる。
本発明の別の態様においては、現像処理装置で使用された現像液を再生液として再利用可能に再生する現像液の再生装置と、現像処理装置及び再生装置に接続され、再生装置により再生された再生液が濃度管理装置により現像処理装置で繰り返し使用されている現像液に供給される再生液用配管と、をさらに備え、再生液用配管に積算流量計を備えることが好ましい。
この態様によれば、再生装置により再生された現像液の再生液を供給する再生液用配管に積算流量計が備え付けられているので、所定期間(例えば、一週間又は一ヶ月等)ごとに現像処理装置に供給した現像液の再生液の量を把握することができる。そのため、例えば、この所定期間における再生液の供給量に単位当たりの料金を乗じて得た供給料金に、その他の諸経費などに基づく基本料金を加算した金額を、現像処理のために提供した現像液管理の役務の提供に係る料金、すなわち、「現像処理料金」として算出することが可能となる。そして、算出した料金を基板製造者に請求することが可能となる。
本発明によれば、現像液に供給される補充液、新液又は再生液の積算流量を計測する積算流量計を備えるので、所定期間に供給した補充液、新液又は再生液の供給量を把握することができ、この供給量に基づいた合理的な料金の計算が可能となる。このため、基板の現像処理に最適な所望の状態に現像液を維持管理する役務を基板製造者に提供するという、この業界に今までなかった新しいビジネスの方法を実現することができる。そのため、本発明によれば、この役務を提供する者は、装置を販売していた従来の場合と比べ、限られた市場の中で装置購入希望者を次々と探さなくても、継続的に安定な収益を確保することができる。
本発明によれば、基板製造者は、現像液の濃度を管理する濃度管理装置、現像液を新たに調製する調製装置、現像液を再生処理する再生装置などを購入したり運転したり維持管理したりする負担を背負わずに、現像液に供給された補充液、新液又は再生液の積算流量に基づいた現像液管理の役務提供の料金を支払うだけで、常時所望の状態に管理された現像液を使用することができる。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。ただし、これらの実施の形態に記載されている装置等の形状、大きさ、寸法比、その相対配置などは、とくに特定的な記載がない限り、本発明の範囲に図示されているもののみに限定するものではない。単なる説明例として、模式的に図示しているに過ぎない。
また、以下の説明では、現像液の具体例として、半導体や液晶パネル基板の製造工程で
主に使われる2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(以下、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドをTMAHという。)を、適宜用いて説明する。
主に使われる2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(以下、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドをTMAHという。)を、適宜用いて説明する。
ただし、本発明が適用される現像液はこれに限定されるものではない。本発明の現像液の濃度管理装置や基板の現像処理システムが適用できる他の現像液の例として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなどの無機化合物の水溶液や、トリメチルモノエタノールアンモニウムハイドロオキサイド(コリン)などの有機化合物の水溶液を挙げることができる。
従来、アルカリ性現像液を用いて、基板を現像処理して基板の製造をする基板製造者は、現像液の濃度管理装置や調製装置、再生装置を購入し、これを現像処理装置に接続し、これらの装置を運転して、現像液を使用した基板の現像処理を行っていた。そのため、基板製造者は、現像液の濃度管理装置や調製装置、再生装置を購入する際の一時的に多額の費用負担、装置の運転の際の補充液や必要原料の調達の負担、装置の運転や維持管理に関連するその他の数々の手間や負担を負わなければならなかった。
また、装置販売者側から見ると、従来の装置そのものを販売するビジネスでは、装置販売時点にしか装置の対価回収の機会がなく、装置購入希望者を次々探して装置を売らなければ十分な利益を上げることが難しかった。
本発明者は、これらの諸点に鑑み、新規なビジネスの方法を発案した。すなわち、現像液の濃度管理装置や調製装置、再生装置を用いて基板製造者の使用する現像液の濃度を所定の濃度に管理する役務を提供するビジネスである。これらの新規なビジネスの方法について説明する。
まず、現像液を管理する役務を提供するビジネスについて説明する。
現像液管理の役務提供者は、現像液の濃度管理装置を用いて基板製造者が使用している現像液を基板製造者の望む所定の濃度又は所定の濃度範囲に管理する。現像液の濃度管理は、現像液に補充液を供給することにより行われる。現像液の濃度管理装置は、現像液の濃度を繰り返し測定して常時監視し、適切な補充液が必要量供給されるように補充液を供給する配管に備えられた制御弁を制御する。補充液は、補充液を供給する配管に備えられた積算流量計により積算流量を計測されながら、供給される。役務提供者は、供給された補充液の積算流量を監視することで、所定期間(例えば、一週間又は一ヶ月等)ごとの積算流量に基づいて、現像液の濃度管理の役務提供に係る料金を算出し、これを当該所定期間ごとに基板製造者に請求する。これが、薬液の濃度を管理する役務を提供するビジネスの概要である。
現像液の濃度を管理する役務に使用する現像液の濃度管理装置は、役務提供者の所有物件として、役務提供者が運転及び維持管理を行い、濃度管理に使用する。したがって、基板製造者は、濃度管理装置を購入する必要がないし、その運転や維持管理をする必要もない。ただ単に、役務提供者に現像液の濃度を管理してもらうだけである。
役務提供者は、自らの所有する現像液の濃度管理装置を基板製造者の工場に置かせてもらい、基板製造者の運用する現像処理装置に接続する。
濃度管理は、現像液の濃度測定と、測定された現像液の濃度に基づく補充液の補給と、により実現される。濃度管理に用いられる補充液としては、現像液の原液や新液、純水などが用いられる。ただし、これに限定されない。例えば、使用された現像液の再生処理を組み合わせるなどして、濃度管理してもよい。
例えば、現像液として多用されているTMAH水溶液を2.38%の濃度に管理する場合には、例えば、次のような濃度管理がなされる。すなわち、現像液の濃度管理装置は、アルカリ成分濃度(TMAH濃度)、溶解フォトレジスト濃度および吸収二酸化炭素濃度を繰り返し測定して常時監視し、アルカリ成分濃度がおよそ2.38%の濃度になるように、溶解フォトレジスト濃度が所定の設定濃度を超えないように、また、吸収二酸化炭素濃度が、所定の管理値又は管理値以下となるように、補充液を補給して濃度管理する。
この場合、補充液としては、現像液の原液、現像液の新液、純水、などが補給される。現像液の原液とは、濃度の濃い現像液、例えば、20%ないし25%程度のTMAH水溶液である。現像液の新液とは、未使用の現像液、つまり溶解樹脂等の不要物を含まない新鮮な現像液である。例えば、未使用の2.38%TMAH水溶液である。使用された現像液から溶解樹脂などの不要物を除去した現像液の再生液を補充液として使用してもよい。
濃度測定は、現像処理装置で繰り返し使用されている現像液をサンプリングし、現像液の濃度管理装置の測定部で行われる。アルカリ成分濃度は現像液の導電率を測定することで、溶解フォトレジスト濃度は現像液の特定波長における吸光度を測定することで、また、吸収二酸化炭素濃度は現像液の密度を測定することで行われる。これらの成分濃度と対応する現像液の物性値との間には、良好な相関関係があることが知られている(現像液の吸収二酸化炭素濃度と密度との間の相関関係について特許文献2の図1を参照)。このような相関関係を用いれば、測定された導電率値からアルカリ成分濃度が、測定された吸光度値から溶解フォトレジスト濃度が、測定された密度から吸収二酸化炭素濃度が導き出される。
濃度測定の結果、アルカリ成分濃度が2.38%より低い時には、現像液の濃度管理装置は、補充液として現像液の原液を補給する。逆に、2.38%より高い時には、現像液の濃度管理装置は、補充液として純水又は現像液の新液を補給する。同様に、溶解フォトレジスト濃度が所定の設定濃度を越えたときには、現像液の管理装置は、補充液として現像液の新液を供給する。再生液を供給してもよい。また、吸収二酸化炭素濃度が所定の管理値を超えたときは、現像液の管理装置は、補充液として現像液の新液を供給する。なお、補充液の供給を制御する方法は、アルカリ性濃度、溶解フォトレジスト濃度、吸収二酸化炭素濃度が所定の値となるように、補充液を供給する方法の他に、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を指標として特性される濃度領域ごとに所定の現像性能となることが確認された導電率値を有する導電率データに基づいて、導電率値を制御目標値となるように現像液に補充液を供給することもできる。補充液の供給量を決定する方法については、後述する。
補充液は、配管を介して、補充液を貯留している貯留容器や新液を調製して供給する調製装置や再生液を供給する再生装置から基板製造者の現像処理装置へ送液される。補充液が補給される配管には、積算流量計と現像液の濃度管理装置により制御される制御弁とが設置されている。制御弁が開の時に単位時間あたりに流れる流量が制御弁ごとに予め設定されていれば、濃度管理装置は、供給すべき補充液の流れる配管に設けられた制御弁を所定時間開にすることで、適量の補充液を供給することができる。補充液を供給する際、積算流量計は、補充液の積算流量を測定する。これは、現像処理装置に供給された補充液の供給量である。
役務提供者は、例えば一か月ごとなどの所定期間ごとに、積算流量計により測定された補充液の積算流量(供給量)に基づいて基板の現像処理料金を算出する。役務提供者は、基板の現像処理に使用する現像液を管理する役務の提供の対価として、算出した基板の現像処理料金を基板製造者に請求する。
基板製造者は、所定期間ごとに基板の現像処理料金を支払うことで、濃度管理装置の購入や運転及び維持管理をすることなく、濃度管理された現像液を使用し続けることができる。一方、役務提供者は、装置を販売していた時と比べて、継続して安定な収益を上げることが可能となる。
ここで、基板の現像処理料金としては、種々の態様があり得る。以下に、基板の現像処理料金の具体例を、いくつか例示する。ただし、基板の現像処理料金の算出の仕方は、これらに限定されない。本発明に関連する基板の現像処理料金の算出の仕方は、補充液の積算流量(供給量)に基づく各種の料金算出方法を含むものである。
第一に、基板の現像処理料金として、所定期間に供給した補充液の供給料金を基準に料金を計算するものがある。補充液を販売する、という考え方によるものである。
例えば、所定期間をひと月ごととする。積算流量計で補充液の積算流量を計測しているので、今月検針時点における積算流量から前月検針時点における積算流量を差し引くことにより、今月補給した補充液の供給量が求められる。これをQ(L/月)とする。補充液の供給単価をA(円/L)とする。そうすると、今月の補充液の供給料金が、Q×A(円/月)と求められる。補充液が複数ある場合には、複数ある補充液のそれぞれについて、供給量をQ1、Q2、Q3、・・・(L/月)、供給単価をA1、A2、A3、・・・(円/L)として、補充液の供給料金は、ΣQi×Ai (i=1、2、3、・・・) (円/L)と求められる。これを、今月の基板の現像処理料金として、基板製造者に請求する。
この変形例として、上記のように計算した補充液の供給料金に各種の料金を加算して得た料金を、月々の基板の現像処理料金とするものがある。加算する各種の料金の代表的なものとして、基本料金がある。現像液管理の役務提供に係る契約時に、月々の基本料金を定め、これを補充液の供給の有無に関わらず、基板の現像処理料金に含めて請求するものである。もちろん、基本料金という名目いかんに関わらず、設備維持管理費や装置運転員の人件費、原料調達費、その他の諸経費などを、加算する料金に含めてもよい。加算される料金(例えば基本料金)をZ(円/月)とすれば、月々の基板の処理料金は、Q×A+Z(円/月)となる。補充液が複数あり、加算される料金が種々の料金の和Z=ΣZjであるときは、月々の基板の処理料金は、ΣQi×Ai +ΣZj(i、j=1、2、3、・・・)(円/月)となる。
また別の変形例としては、補充液の供給料金に割増率Bをかけて得た金額を、月々の基板の現像処理料金とする場合もある。例えば、補充液の原料の調達にかかる諸経費や装置の維持管理費などは、補充液の供給量(これは装置の運転時間とも関係する。)に連動するものととらえることが合理的である。このような場合には、割増率Bを補充液の供給料金Q×A(円/月)にかけて、月々の基板の現像処理料金は、Q×A×B(円/月)と求められる。割増率Bを補充液の供給単価A(円/L)に含めてしまうのでもよい。さらに、基本料金などが加算される場合には、月々の基板の処理料金は、Q×A×B+Z(円/月)となる。より一般的には、月々の基板の現像処理料金は、(ΣQi×Ai)×B+ΣZj(i、j=1、2、3、・・・)(円/月)と求められる。
第二に、基板の現像処理料金として、所定期間に提供した現像液管理の役務により基板製造者にもたらされた経済的な利益に所定の割合をかけて得た額を、基板製造者に請求する、というものである。現像液管理の役務の提供により基板製造者に生じさせた経済的な利益を、基板製造者と役務提供者とで分け合いましょう、という考え方によるものである。これは、例えば、現像液管理を実施していなかった基板製造者に対して、現像管理の役務を提供する場合などに、好適に適用される。
現像液管理をしない場合、基板製造者は、現像液を所定回数使用したのち全量廃棄して、新しい現像液に交換していた。このため、現像液の液性能は、液の交換のたびに大きく変動していた。一方、現像液の濃度管理を実施すると、基板製造者は、次のような様々な効能を享受することができる。すなわち、現像液の使用量が大幅に削減される。現像液の廃液量も大幅削減される。また、現像液の液性能が常時一定となるため、半導体や液晶基板の製造品質が安定し、製造歩留まりが向上する。液交換のために製造装置を停止する必要がなく、製造装置の稼働率が向上し、半導体や液晶基板の製造量が増加する。
このような場合における基板の現像処理料金の算出の具体例として、現像液使用量の削減による現像液コストの軽減額の数割分を所定期間の基板の現像処理料金とするもの、を挙げることができる。
例えば、所定期間をひと月ごととする。基板製造者が本発明に係る現像液管理の役務の提供を受ける前、すなわち、現像液の濃度管理を実施していなかった頃に、基板製造者が購入したひと月当たりの現像液の購入量をR(L/月)とし、その購入単価をC(円/L)とする。現像液購入量Rの変動が大きい場合には、過去の適当な期間における現像液購入量の平均値をRとする。
本発明に係る現像液管理の役務の提供により供給される補充液の供給量は、積算流量計により測定された積算流量から、Q(L/月)と求められる。補充液の供給単価A(円/L)をかけて、月々の補充液の供給料金は、Q×A(円/月)と求められる。
そうすると、基板製造者が本発明に係る現像液の濃度管理の役務の提供を受けたことにより得ることのできる現像液コストの軽減額は、R×C−Q×A(円/月)となる。月々の基板の現像処理料金は、割合をDとして、(R×C−Q×A)×D(円/月)と求められる。もちろん、これに基本料金などを加算してもよい。割合Dとしては、例えば、一割(0.1)とか、二割(0.2)とか、三割(0.3)などである。
変形例として、現像液の廃液量の削減による廃液処理コストの軽減額の数割分を所定期間の基板の現像処理料金としてもよい。
現像液の濃度管理実施前の現像液の月々の廃液処理費用をS(円/月)、現像液の濃度管理実施後の月々の廃液処理費用をT(円/月)(ただしS>Tとする。)とすると、濃度管理により削減された廃液処理費用の軽減額は、S−T(円/月)である。基板製造者は、濃度管理により、月々Q×A(円/月)の補充液の供給料金を支払うから、基板製造者の廃液量削減に絡む経済的な利益の額は、(S−T)−Q×A(円/月)となる。月々の基板の処理料金は、これに割合Dをかけて、((S−T)−Q×A)×D(円/月)と求められる。これに基本料金などを加算してもよい。
他の変形例として、基板製造者の経済的な利益の額に、現像液コストの軽減額や廃液処理費用の軽減額の代わりに、歩留まり向上や製品品質の向上、装置稼働率の向上等によりもたらされた基板製造者側の収益増加額などを用いるようにしてもよい。また、現像液コストの軽減額、廃液処理費用の軽減額、基板製造者の収益増加額などを総和した額から補充液の供給料金Q×A(円/月)を差し引いた額を、基板製造者の現像液の濃度管理による総合的な経済的利益の額とみて、月々の基板の処理料金を算出するのでもよい。この場合、収益増加額等を総和して得られた額をU(円/月)とすれば、基板の現像処理料金は、(U−Q×A)×D(円/月)となる。これに基本料金などを加算してもよい。
さらなる変形例として、既に現像液の濃度管理を実施していた基板製造者に、本発明に係る現像液の濃度管理の役務を提供することにより、基板製造者に様々な経済的利益を生じさせることができる。これらを、同様に、月々の基板の現像処理料金として計算し、基板製造者に請求する。
多くの基板製造者は、既に現像液の濃度管理を実施している場合であっても、依然として、現像液の濃度管理装置を購入して、自ら運転し、維持管理して、現像液の濃度管理をしている。そのため、基板製造者は、現像液の濃度管理に、原料や資材の調達の諸経費や装置の運転員の人件費などの費用を負担している。また、古い現像液管理装置をいまだに使っていたり、現像液の成分ごとに充分最適化されていない濃度測定原理に基づいた現像液管理装置を使っていたりすることも多い。
このような場合の基板製造者に対し、従来の現像液管理を本発明に係る現像液管理の役務に置き換えることで、基板製造者に、現像液コストや廃液コストの削減、歩留まり向上、製品品質の向上と安定、設備稼働率の向上、製品製造数量の向上などに伴う経済的な利益をもたらすことができる。このような場合にも、上記と同様に、補充液の積算流量に基づいて得た経済的利益の額の数割分を、基板の現像処理料金として算出して、基板製造者に請求することが可能である。
なお、上記では、現像液の濃度管理の役務に対し、基板の現像処理料金として算出し、基板製造者に請求する方法で説明したが、現像液の濃度管理料金として算出し、基板製造者に請求してもよい。
次に、使用された現像液を再利用可能に再生処理して得られた再生液を補充液の一つとして供給して現像液を管理する役務を提供するビジネスについて説明する。
再生液を供給して現像液を管理する役務の役務提供者は、再生装置を用いて現像処理装置で使用された現像液に蓄積した不要成分を取り除き、基板製造者の望む所定の濃度又は所定の濃度範囲に調整し、再利用可能に再生する。再生処理は、濾過、電析、晶析、膜分離などの技術を使って、蓄積された不要成分を除去することにより、行われる(再生処理の方式は、これらに限定されない。対象とする薬液や除去すべき成分に応じて、適宜好適な技術が選択され、適用される。)。再生装置は、再生された現像液(再生液)を供給する配管に備えられた制御弁を開とすることにより、再生液を現像処理装置に供給する。再生液は、再生液を供給する配管に備えられた積算流量計により積算流量を計測されながら、供給される。役務提供者は、供給された再生液の積算流量を監視することで、所定期間ごと(例えば、一週間又は一ヶ月等)の積算流量に基づいて、再生液を供給して現像液を管理する役務の役務提供に係る料金を算出し、これを当該所定期間ごとに基板製造者に請求する。これが、使用された現像液を再生処理して得られた再生液を供給して現像液を管理する役務を提供するビジネスの概要である。
使用された現像液を再生処理して得られた再生液を供給して現像液を管理する役務に使用する再生装置は、役務提供者の所有物件として、役務提供者が運転及び維持管理を行い、現像液の再生処理に使用する。したがって、基板製造者は、再生装置を購入する必要がないし、その運転や維持管理をする必要もない。ただ単に、役務提供者に現像液の再生処理をしてもらうだけである。
役務提供者は、自らの所有する再生装置を基板製造者の工場に置かせてもらい、基板製造者の運用する現像処理装置に接続する。
再生処理は、現像液が使用されたことにより現像液中に蓄積された不要物を、濾過、電析、晶析、膜分離などの分離除去技術を用いて現像液中から取り除くことにより実現される。適宜、補充液の補給などにより、現像液の各成分を調節するようになっていてもよい。ただし、再生処理に使用される分離技術は、これらに限定されない。現像液中に蓄積された不要物とは、例えば、現像処理により基板から溶出したレジスト成分などである。
再生された現像液の再生液は、配管を介して、基板製造者の現像処理装置へ送液される。再生液が補給される配管には、制御弁と積算流量計が設置されている。制御弁が開の時に単位時間あたりに流れる流量が予め設定されていれば、この制御弁を所定時間開にすることで、適量の再生液を供給することができる。再生液の供給の際、積算流量計は、再生液の積算流量を測定する。これは、現像処理装置に供給された再生液の供給量である。
役務提供者は、例えば一か月ごとなどの所定期間ごとに、積算流量計により測定された再生液の積算流量(供給量)に基づいて再生液の供給に伴う基板の現像処理料金を算出する。役務提供者は、再生液の供給による現像液管理の役務の提供の対価として、算出した基板の現像処理料金を基板製造者に請求する。
基板製造者は、所定期間ごとに再生液の供給に伴う基板の現像処理料金を支払うことで、再生装置の購入や運転及び維持管理をすることなく、再生処理された薬液を入手して基板処理に使用することができる。一方、役務提供者は、装置を販売していた時と比べて、継続して安定な収益を上げることが可能となる。
ここで、再生液の供給に伴う基板の現像処理料金としては、種々の態様があり得る。以下に、その基板の現像処理料金の具体例を、いくつか例示する。ただし、基板の現像処理料金の算出の仕方は、これらに限定されない。本発明の基板の現像処理料金の算出の仕方は、再生液の積算流量(供給量)に基づく各種の料金算出方法を含むものである。
第一に、再生液の供給に伴う基板の再生処理料金として、所定期間に供給した再生液の供給料金を基準に料金を計算するものがある。再生液を販売する、という考え方によるものである。
例えば、所定期間をひと月ごととする。積算流量計で再生液の積算流量を計測しているので、今月検針時点における積算流量から前月検針時点における積算流量を差し引くことにより、今月供給した再生液の供給量が求められる。これをK(L/月)とする。再生液の供給単価をE(円/L)とする。そうすると、今月の再生液の供給料金が、K×E(円/月)と求められる。これを、今月の再生液の供給に伴う基板の現像処理料金として、基板製造者に請求する。
この変形例として、上記のように計算した再生液の供給料金に各種の料金を加算して得た料金を、月々の再生液の供給に伴う基板の現像処理料金とするものがある。加算する各種の料金の代表的なものとして、基本料金がある。現像液の再生処理による現像液管理の役務提供に係る契約時に、月々の基本料金を定め、これを再生液の供給の有無に関わらず、基板の現像処理料金に含めて請求するものである。もちろん、基本料金という名目いかんに関わらず、設備維持管理費や装置運転員の人件費、原料調達費、その他の諸経費などを、加算する料金に含めてもよい。加算される料金(例えば基本料金)をZ(円/月)とすれば、月々の基板の現像処理料金は、K×E+Z(円/月)となる。加算される料金が種々の料金の和Z=ΣZjであるときは、月々の基板の現像処理料金は、K×E +ΣZj(j=1、2、3、・・・)(円/月)となる。
また別の変形例としては、再生液の供給料金に割増率Fをかけて得た金額を、月々の再生液の供給に伴う基板の現像処理料金とする場合もある。例えば、再生液の資材や原料の調達にかかる諸経費、装置の維持管理費などは、再生液の供給量(これは装置の運転時間とも関係する。)に連動するものととらえることが合理的である。このような場合には、割増率Fを再生液の供給料金K×E(円/月)にかけて、月々の基板の現像処理料金は、K×E×F(円/月)と求められる。割増率Fを再生液の供給単価E(円/L)に含めてしまうのでもよい。さらに、基本料金などが加算される場合には、月々の基板の現像処理料金は、K×E×F+Z(円/月)となる。より一般的には、月々の基板の現像処理料金は、(K×E)×F +ΣZj(j=1、2、3、・・・)(円/月)と求められる。
第二に、再生液の供給に伴う基板の現像処理料金として、所定期間に提供した現像液の再生処理による現像液管理の役務により基板製造者にもたらされた経済的な利益に所定の割合をかけて得た額を、基板製造者に請求する、というものである。現像液の再生処理による現像液管理の役務の提供により基板製造者に生じさせた経済的な利益を、基板製造者と役務提供者とで分け合いましょう、という考え方によるものである。これは、例えば、現像液の再生処理を実施していなかった基板製造者に対して、現像液の再生処理による現像液管理の役務を提供する場合などに、好適に適用される。
現像液の再生処理をしない場合、基板製造者は、現像液を所定回数使用したのち全量廃棄して、新しい現像液に交換していた。このため、現像液の廃液量が非常に多く、新たな現像液も多量に調達しなければならなかった。一方、現像液を再生処理して再利用すると、基板製造者は、次のような様々な効能を享受することができる。すなわち、新たな現像液の使用量が大幅に削減される。現像液の廃液量も大幅削減される。
このような場合における再生液の供給に伴う基板の現像処理料金の算出の具体例として、現像液使用量の削減による現像液コストの軽減額の数割分を所定期間の基板の現像処理料金とするもの、を挙げることができる。
例えば、所定期間をひと月ごととする。基板製造者が本発明に係る現像液の再生処理による現像液管理の役務の提供を受ける前、すなわち、現像液の再生処理を実施していなかった頃に、基板製造者が購入したひと月当たりの現像液の購入量をM(L/月)とし、その購入単価をG(円/L)とする。現像液購入量Mの変動が大きい場合には、過去の適当な期間における現像液購入量の平均値をMとする。
本発明に係る現像液の再生処理による現像液管理の役務の提供により供給される再生液の供給量は、積算流量計により測定された積算流量から、K(L/月)と求められる。補充液の供給単価E(円/L)をかけて、月々の再生液の供給料金は、K×E(円/月)と求められる。
そうすると、基板製造者が本発明に係る現像液の再生処理による現像液管理の役務の提供を受けたことにより得ることのできる現像液コストの軽減額は、M×G−K×E(円/月)となる。月々の基板の現像処理料金は、割合をFとして、(M×G−K×E)×F(円/月)と求められる。もちろん、これに基本料金などを加算してもよい。割合Fとしては、例えば、一割(0.1)とか、二割(0.2)とか、三割(0.3)などである。
変形例として、現像液の廃液量の削減による廃液処理コストの軽減額の数割分を所定期間の現像液の再生処理に伴う基板の現像処理料金としてもよい。
再生処理実施前の現像液の月々の廃液処理費用をN(円/月)、再生処理実施後の月々の廃液処理費用をP(円/月)(ただしN>Pとする。)とすると、現像液の再生処理により削減された廃液処理費用の軽減額は、N−P(円/月)である。基板製造者は、現像液の再生処理により、月々K×E(円/月)の再生液の供給料金を支払うから、基板製造者の廃液量削減に絡む経済的な利益の額は、(N−P)−K×E(円/月)となる。月々の現像液の再生処理に伴う基板の現像処理料金は、これに割合Fをかけて、((N−P)−K×E)×F(円/月)と求められる。これに基本料金などを加算してもよい。
他の変形例として、基板製造者の経済的な利益の額に、製造液コストの軽減額や廃液処理費用の軽減額などを総和した額を用いてもよい。製造液コストの軽減額や廃液処理費用の軽減額などを総和した額から補充液の供給料金K×E(円/月)を差し引いた額を、基板製造者の現像液の再生処理による総合的な経済的利益の額とみて、月々の基板の現像処理料金を算出してもよい。この場合、現像液コストの軽減額や廃液処理費用の軽減額などを総和した額をV(円/月)とすれば、基板の現像処理料金は、(V−K×E)×F(円/月)となる。これに基本料金などを加算してもよい。
さらなる変形例として、既に現像液の再生処理を実施していた基板製造者に、本発明に係る現像液の再生処理の役務を提供することにより、基板製造者に様々な経済的利益を生じさせることができる。これらを、同様に、月々の基板の現像処理料金として計算し、基板製造者に請求する。
多くの基板製造者は、既に現像液の再生処理を実施している場合であっても、依然として、現像液再生装置を購入して、自ら運転し、維持管理して、現像液の再生処理をしている。そのため、基板製造者は、現像液の再生処理に、原料や資材の調達の諸経費や装置の運転員の人件費などの費用を負担している。また、古い再生処理装置をいまだに使っていることも多い。
このような場合の基板製造者に対し、従来の再生処理を本発明に係る現像液の再生処理による現像液管理の役務に置き換えることで、基板製造者に、現像液コストや廃液コストの削減などに伴う経済的な利益をもたらすことができる。このような場合にも、上記と同様に、補充液の積算流量に基づいて得た経済的利益の額の数割分を、再生液の供給に伴う基板の現像処理料金として算出して、基板製造者に請求することが可能である。
基板製造者の望む成分濃度の現像液を現像液の原料から現像液の新液として自動的に調製して供給する調製装置を用いて現像液の新液を調製し、補充液の一つとして基板製造者の運用する現像処理装置に供給することにより、現像液管理の役務を提供するビジネスについても、再生液の供給による現像液管理の役務の場合と同様に考えることができる。この場合の基板の現像処理料金については、再生液を新液と置き換えて同じように考えればよく、説明が重複するので、具体的な説明は省略する。
次に、本発明に係る現像液の濃度管理装置及び基板の現像処理システムについて説明する。現像液の濃度管理の役務を提供するビジネスを実現するには、濃度管理に要する補充液の供給量を測定することが可能な、補充液の供給配管に備えられた積算流量計が必要不可欠である。以下、このような積算流量計を備えた現像液の濃度管理装置及び基板の現像処理システムを、図面を参照しながら説明する。
〔第一実施形態〕
図1は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aを備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。
図1は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aを備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。
現像処理プロセスでは、現像液が露光処理後のフォトレジスト膜の不要部分を溶かすことにより、現像が行われる。現像液に溶解したフォトレジストは、現像液のアルカリ成分との間にフォトレジスト塩を生じる。このため、現像液を適切に管理していなければ、現像処理が進行するにつれて、現像液は現像活性を有するアルカリ成分が消費されて劣化し、現像性能が悪化していく。同時に、現像液中には溶解したフォトレジストがアルカリ成分とのフォトレジスト塩として蓄積されていく。
現像液に溶解したフォトレジストは、現像液中で界面活性作用を示す。このため、現像液に溶解したフォトレジストは、現像処理に供されるフォトレジスト膜の現像液に対するぬれ性を高め、現像液とフォトレジスト膜とのなじみを良くする。したがって、適度にフォトレジストを含む現像液では、現像液がフォトレジスト膜の微細な凹部内にもよく行き渡るようになり、微細な凹凸を有するフォトレジスト膜の現像処理を良好に実施できる。
また、近年の現像処理では、基板が大型化したことに伴い、大量の現像液が繰り返し使用されるようになったため、現像液が空気に曝される機会が増えている。ところが、アルカリ性現像液は、空気に曝されると空気中の二酸化炭素を吸収する。吸収された二酸化炭素は、現像液のアルカリ成分との間に炭酸塩を生じる。このため、現像液を適切に管理していなければ、現像液は現像活性を有するアルカリ成分が吸収された二酸化炭素により消費され減少する。同時に、現像液中には吸収された二酸化炭素がアルカリ成分との炭酸塩として蓄積されていく。
現像液中の炭酸塩は、現像液中でアルカリ性を示すため、現像作用を有する。例えば2.38%TMAH水溶液の場合、現像液中に二酸化炭素がおよそ0.4wt%程度以下であれば、現像が可能である。
このように、現像液に溶解されたフォトレジストや吸収された二酸化炭素は、現像処理に不要なものという従来の認識とは異なり、実際には現像液の現像性能に寄与している。そのため、溶解フォトレジストや吸収二酸化炭素を完全に排除するような現像液管理をするのではなく、現像液中にわずかに溶存することを許容しつつ、これらを最適な濃度に維持管理する現像液管理が必要である。
また、現像液中に生じたフォトレジスト塩や炭酸塩は、その一部が解離して、フォトレジストイオンや炭酸イオン、炭酸水素イオンなど、多様な遊離イオンを生じる。そして、これらの遊離イオンは、現像液の導電率に様々な寄与率で影響を及ぼしている。
従来のアルカリ性現像液の成分濃度分析は、現像液のアルカリ成分濃度が現像液の導電率値と良好な直線関係を有すること、及び、現像液の溶解フォトレジスト濃度が現像液の吸光度値と良好な直線関係を有すること、を利用するものであった(以下、これを「従来法」という。)。
現像液の導電率値は、現像液中に含まれるイオンなどの荷電粒子数とその電荷量に依存する物性値である。現像液中には、上記のとおり、アルカリ成分のみならず、現像液に溶解したフォトレジストや現像液に吸収された二酸化炭素に由来する各種遊離イオンが存在する。したがって、成分濃度の分析精度を高めるためには、これらの遊離イオンが現像液の導電率値に及ぼす影響をも加味した演算手法を用いることが必要である。
現像液の吸光度値は、その測定波長の光を選択的に吸収する特定の成分の濃度と直線関係を有する物性値である(ランベルト-ベールの法則)。しかし、多成分系においては、測定波長によりその程度が異なるものの、通常、対象成分の吸光スペクトルに他の成分の吸光スペクトルが重なってくる。したがって、成分濃度の分析精度を高めるためには、現像液に溶解したフォトレジストのみならず、他の成分が現像液の吸光度値に及ぼす影響をも加味した演算手法を用いることが必要である。
本実施形態においては、演算手法に多変量解析法(例えば、重回帰分析法)を用いている。多変量解析法(例えば、重回帰分析法)を用いることで、従来法と比較し、精度よく現像液の各成分の濃度を算出できる。また、吸収二酸化炭素濃度を測定することができる。多変量解析法(例えば、重回帰分析法)により算出した現像液の成分濃度を用いれば、現像液の溶解フォトレジスト濃度や吸収二酸化炭素濃度を良好な状態に維持管理することができる。
まず、多変量解析法の例として、重回帰分析について説明する。重回帰分析は、構成と予測の二段階からなる。n成分系の重回帰分析において、校正標準溶液をm個用意したとする。i番目の溶液中に存在するj番目の成分の濃度をCijと表す。ここで、i=1〜m、j=1〜nである。m個の標準溶液について、それぞれ、p個の特性値(例えば、ある波長における吸光度とか導電率などの物性値)Aik(k=1〜p)を測定する。濃度データと特性データは、それぞれ、まとめて行列の形(C,A)に表すことができる。
これらの行列を関係づける行列を校正行列といい、ここでは記号S(Skj;k=1〜p、j=1〜n)で表す。
既知のCとA(Aの内容は、同質の測定値のみならず異質の測定値が混在しても構わない。例えば、導電率と吸光度と密度。)からSを行列演算により算出するのが校正段階である。この時、p≧n、且つ、m≧npでなければならない。Sの各要素は全て未知数であるから、m>npであることが望ましく、その場合は次のように最小二乗演算を行う。
ここで、上付きのTは転置行列を、上付きの−1は逆行列を意味する。
濃度未知の試料液についてp個の特性値を測定し、それらをAu(Auk;k=1〜p
)とすれば、それにSを乗じて求めるべき濃度Cu(Cuj;j=1〜n)を得ることができる。
)とすれば、それにSを乗じて求めるべき濃度Cu(Cuj;j=1〜n)を得ることができる。
これが予測段階である。
アルカリ現像液の一例として示す2.38%TMAH水溶液においては、アルカリ成分、溶解フォトレジスト、吸収二酸化炭素の3成分からなる他成分系(n=3)とみなして、当該現像液の特性値として3つの物性値(p=3)、すなわち、現像液の導電率値、特定波長における吸光度値、及び、密度値から、重回帰分析法により各成分濃度を算出することができる。
多変量解析法(例えば、重回帰分析法)は、複数の成分の濃度を演算して求めるのに有効である。現像液の複数の特性値a、b、c、…を測定して、それらの測定値から多変量解析法(例えば、重回帰分析法)により成分濃度A、B、C、…を求めることができる。この際、求めるべき成分濃度につき、少なくともこの成分濃度と相関のある特性値が、少なくともひとつは測定されて演算に用いられることが必要である。
ここで、成分濃度と「相関のある」現像液の特性値とは、その特性値がその成分濃度と関係があり、その成分濃度の変化に応じて特性値が変わるような関係にあることをいう。例えば、現像液の成分濃度のうち少なくとも成分濃度Aと相関のある現像液の特性値aとは、特性値aが成分濃度を変数とする関数により求められるときに、変数の一つに少なくとも成分濃度Aを含むことをいう。特性値aが成分濃度Aのみの関数であってもよいが、通常は、成分濃度Aのほかに、成分濃度BやCなどを変数とする多変数関数となっているときに、多変量解析法(例えば、重回帰分析法)を用いる意義が大きい。
また、成分濃度は、全体に対するその成分の相対量を示す尺度である。繰り返し使用される現像液のような経時的に成分が増減する混合液の成分濃度は、その成分単独で決まらず、通常、他の成分の濃度の関数となる。そのため、現像液の特性値と成分濃度の関係は、平面的なグラフで表示することが困難なことが多い。このような場合には、検量線を用いる演算法などでは、現像液の特性値から成分濃度を算出することができない。
しかし、多変量解析法(例えば、重回帰分析法)によれば、算出しようとする成分濃度と相関のある複数の特性値の測定値が一組揃えば、これを演算に用いて、成分濃度が一組算出される。一見すると測定困難な成分濃度であっても、特性値を測定することで成分濃度を測定できる、という顕著な効果を、多変量解析法(例えば、重回帰分析法)による成分濃度測定では得ることができる。
以上のとおり、多変量解析法(例えば、重回帰分析法)を用いることで、現像液のアルカリ成分濃度、溶解フォトレジスト濃度、及び、吸収二酸化炭素濃度を、現像液の特性値(例えば、導電率、特定波長における吸光度、及び、密度)の測定値に基づいて算出することができる。したがって、従来法に比べ、高精度に各成分濃度を算出することができる。
また、多変量解析法(例えば、重回帰分析法)を用いているので、現像液の成分濃度を算出する演算に、現像液の特定の成分濃度と直線関係にない現像液の特性値をも採用することができる。採用するのに好適な現像液の特性値として、現像液の導電率、特定波長における吸光度、密度のほかに、現像液の光の屈折率、超音波伝播速度、粘度、pH、滴定終点、などを挙げることができる。
次に、基板の現像処理システムについて図1を用いて説明する。図1は、現像液の3つの成分の濃度(例えば、アルカリ成分濃度、溶解フォトレジスト濃度、吸収二酸化炭素濃度)を測定して補充液を供給する配管に備えられた制御弁を制御する濃度管理装置を備える基板の現像処理システムである。基板の現像処理システムは、主に、現像液の濃度管理装置Aと、現像処理装置Bと、補充液が現像処理装置Bに送液される配管81、82、83と、配管81、82、83に備えられた積算流量計151、152、153、及び、制御弁41、42、43と、から構成される。そのほか、補充液の貯留容器である現像液原液貯留容器91、現像液新液貯留容器92等とも接続されている。
まず、現像処理装置Bについて簡単に説明する。
現像処理装置Bは、主に、現像液貯留槽61、オーバーフロー槽62、現像室フード64、ローラーコンベア65、現像液シャワーノズル67などからなる。現像液貯留槽61には現像液が貯留されている。現像液は、補充液が補充されて組成管理される。現像液貯留槽61は、液面計63とオーバーフロー槽62を備え、補充液を補給することによる液量の増加を管理している。現像液貯留槽61と現像液シャワーノズル67とは、現像液管路80により接続され、現像液貯留槽61内に貯留された現像液が現像液管路80に設けられた循環ポンプ72によりフィルター73を介して現像液シャワーノズル67に送液される。ローラーコンベア65は、現像液貯留槽61の上方に備えられ、フォトレジスト膜の製膜された基板66を搬送する。現像液は現像液シャワーノズル67から滴下され、ローラーコンベア65により搬送される基板66は滴下される現像液の中を通過することで現像液に浸される。その後、現像液は、現像液貯留槽61に回収され、再び貯留される。このように、現像液は、現像工程で循環して繰り返し使用される。なお、小型のガラス基板における現像室内は、窒素ガスを充満させるなどにより、空気中の二酸化炭素を吸収しないような処理が施される場合もある。なお、劣化した現像液は廃液ポンプ71を作動することにより廃液(ドレン)される。
また、現像処理装置Bは、現像液貯留槽61内に貯留された現像液を撹拌するための循環攪拌機構Dが接続されている。循環攪拌機構Dは、途中に循環ポンプ74及びフィルター75が設けられた循環管路90からなり、循環管路90が現像液貯留槽61の底部と側部に接続されている。循環ポンプ74を作動させると、現像液貯留槽61に貯留された現像液は、循環管路90を介して循環する。これにより、現像液貯留槽61に貯留された現像液の清浄化と撹拌が行われる。
次に、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aについて説明する。本実施形態の濃度管理装置Aは、測定手段1と、演算手段2と、制御手段3と、を備えている。
現像処理装置Bに接続されることが想定されている濃度管理の役務の提供に適した現像液の濃度管理装置としては、さらに、補充液が供給される配管81、82、83と接続され、現像液の濃度管理装置の内部を通るこれらの配管81、82、83に、現像液の濃度管理装置の内部部品として、制御手段3により制御される制御弁41、42、43と、補充液の積算流量を計測する積算流量計151、152、153と、を備えていることが好ましい。
しかし、現像処理システムを構成する現像液の濃度管理装置Aとしては、制御弁41、42、43や、積算流量計151、152、153を、濃度管理装置Aの内部部品として備えていることが必須、というわけではない。図1に示すように、濃度管理装置Aと制御弁41、42、43及び積算流量計151、152、153とが別体として、現像処理システムを構成していてもよい。
以下の各実施態様においても、同様である。
現像液の濃度管理装置Aは、サンプリング配管15及び戻り配管16により現像液貯留槽61と接続されている。測定手段1と演算手段2とは、測定データ用信号線51、52、53により接続されている。
測定手段1は、サンプリングポンプ14と、第一の検出器11、第二の検出器12、及び、第三の検出器13と、を備えている(第一の検出器11、第二の検出器12、及び、第三の検出器13を特性値検出手段と称する場合がある。また、「第一の…」、「第二の…」、「第三の…」などの用語は、測定手段1における各検出器の測定順序を限定するものではない。ただ単に、各検出器を区別するための便宜のために用いているに過ぎない。以下の説明中においても同様である。)。特性値検出手段11、12、13は、サンプリングポンプ14の後段に直列に接続される。測定手段1は、さらに、測定精度を高めるために、サンプリングした現像液を所定の温度に安定させる温度調節手段(図示せず)を備えていることが好ましい。サンプリング配管15は、測定手段1のサンプリングポンプ14に接続されており、戻り配管16は、特性値検出手段末端の配管と接続されている。
特性値検出手段11、12、13は、測定及び管理をしたい現像液の成分の濃度と相関を有する現像液の特性値を検出するための計測装置である。例えば、現像液のアルカリ成分濃度、溶解フォトレジスト濃度、及び、吸収二酸化炭素濃度を測定して管理したい場合には、現像液の導電率値を検出する導電率計、現像液の特定波長(例えば560nm)における吸光度値を検出する吸光光度計、現像液の密度値を検出する密度計、などが、特性値検出手段11、12、13となる。
図1では、測定手段1は、演算手段2や制御手段3と一体となって濃度管理装置Aを構成し、かつ、現像液をサンプリングして現像液の特性値を測る態様を描いたが、これに限定されない。特性値検出手段11、12、13の各検出器は、その採用する測定原理や検出対象となる現像液の特性値に応じて、最適な設置態様で備えられていることが望ましい。例えば、検出器が現像処理装置Bの現像液貯留槽61に直接取り付けられていたり、検出器のプローブ部分が現像液貯留槽61に浸漬されていたり、または、検出器が現像液管路80に取り付けられていたりしてもよい。この際、測定手段1は、演算手段2や制御手段3と別体となることもある。
演算手段2は、多変量解析法による演算ブロック21を含んでいる。演算手段2は、さらに、多変量解析法とは異なる演算方法による演算ブロックを含んでいてもよい。例えば、検出した現像液の特性値から検量線法により対応する現像液の成分濃度を算出する演算ブロックなどである。多変量回析法による演算ブロック21は、測定データ用信号線51により測定手段1に備えられた第一の検出器11と、測定データ用信号線52により測定手段1に備えられた第二の検出器12と、測定データ用信号線53により測定手段1に備えられた第三の検出器13と、接続されている。
次に、現像液の濃度管理装置Aによる現像液の特性値の測定動作、及び、現像液の成分濃度の演算動作について説明する。
サンプリングポンプ14によって現像液貯留槽61から採取された現像液は、サンプリング配管15を通って、現像液の濃度管理装置Aの測定手段1内に導かれる。その後、温度調節手段を備えている場合は、サンプリングされた現像液は温度調節手段に送液され、所定の測定温度(例えば25℃)に維持されて、特性値検出手段11、12、13に送液される。測定後の現像液は、戻り配管16を通って、現像液貯留槽61に戻される。
特性値検出手段11、12、13により測定された現像液の特性値の測定値は、それぞれ、測定データ用信号線51、52、53を介して、多変量解析法の演算ブロック21に送られる。演算ブロック21は、これらの測定値を多変量解析法により演算して現像液の成分濃度を算出する。こうして、現像液の濃度管理装置Aにより現像液の成分濃度が測定される。
演算手段2は、演算データ用信号線54により制御手段3に接続されている。演算手段と制御手段とは、例えばコンピュータなどにより、一体に構成されていてもよい。
制御手段3は、制御ブロック31を含む。制御ブロック31は、補充液供給用の配管81、82、83に設けられた制御弁41、42、43と、制御信号用信号線55、56、57により、接続されている。制御手段3は、演算手段2で算出された現像液の濃度に応じて、どの補充液をどれだけ補充するかを決め、補充液を送液する配管に設けられた制御弁を開閉制御する。
補充液供給用の配管81、82、83には、さらに、それぞれ、供給された補充液の積算流量を測る積算流量計151、152、153が備えられている。純水供給用の配管83には、積算流量計を設けないこともある。
現像液原液貯留容器91、現像液新液貯留容器92は窒素ガスで加圧されており、制御手段3が制御弁41、42、43を開閉することにより、補充液が合流管路89を通って現像液に補給される。供給される補充液は、循環ポンプ74により循環管路90を経由して現像液貯留槽61に戻され、攪拌される。
なお、補充液とは、例えば、現像液の原液、新液、純水などのことをいう。再生液を含める場合もある。原液とは、アルカリ成分濃度の濃厚な未使用の現像液(例えば20〜25%TMAH水溶液)である。新液とは、アルカリ成分濃度が現像工程で使用される濃度と同じ濃度で未使用の現像液(例えば2.38%TMAH水溶液)である。再生液とは、使用済みの現像液から不要物(例えばフォトレジスト成分)を除去して再利用可能にした現像液である。これらは、補充液としての用途や効果が異なる。例えば、原液は、アルカリ成分濃度を高めるための補充液で、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を下げる。新液は、アルカリ成分濃度を維持あるいは緩やかに増減し、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を下げるための補充液である。純水は、各成分濃度を下げるための補充液である。再生液は、溶解フォトレジスト濃度を下げるための補充液である。以下の実施例の説明においても、同様である。
制御手段3は、演算手段2で算出された現像液の成分濃度と予め記憶しておいた成分濃度の管理目標値とを比較する。制御手段3は、成分濃度を管理目標値に維持するために補給することが必要な補充液の選択、補充液の供給量の計算又は補充液を送液する配管に設けられた制御弁を開とすべき時間の計算をする。制御手段3は、制御信号用信号線55、56、57を介して、補充液供給用の配管81、82、83に設けられた制御弁41、42、43のいずれか適切な制御弁に、開閉制御の信号を送る。
制御信号を受けた制御弁は、その制御信号に基づいて、所定時間流路を開にする。制御弁は、予め開時の流量が設定されている。そのため、所定時間流路を開にすることで、所定量の補充液が供給される。
例えば、TMAH水溶液(現像液)のアルカリ成分濃度を2.38%に管理する制御は次のようになる。演算手段2により算出されたアルカリ成分の濃度が2.38%よりも低い時は、配管(現像液原液供給配管)81に設けられた制御弁41を所定時間開けて、現像液原液貯留容器(補充液貯留容器)91に用意しておいた現像液の原液(20%TMAH水溶液)を補給する。アルカリ成分の濃度が2.38%よりも高い時は、配管(純水供給配管)83に設けられた制御弁43を所定時間開けて、純水を補給する。
同様に、溶解フォトレジスト濃度を所定の管理濃度以下に管理する制御は、次のようになる。演算手段2により算出された溶解フォトレジスト濃度が所定の管理値よりも高い時は、配管(現像液新液供給配管)82に設けられた制御弁42を所定時間開けて、現像液新液貯留容器(補充液貯留容器)92に用意しておいた現像液の新液(未使用の2.38%TMAH水溶液)を補給する。補充液として再生液を補給することができるシステム構成となっているときは、再生液を補給するのでもよい。
現像液の吸収二酸化炭素濃度を所定の管理値以下に管理する制御についても、同様に、次のようになる。演算手段2により算出された現像液の吸収二酸化炭素濃度が、所定の管理値よりも高い時は、配管(現像液新液供給用配管)82に設けられた制御弁42を所定時間開けて、現像液新液貯留容器(補充液貯留容器)92に用意しておいた現像液の新液(未使用の2.38%TMAH水溶液)を補給する。
補充液は、補充液貯留部Cの現像液原液貯留容器91、現像液新液貯留容器92に貯留されている。現像液原液貯留容器91、現像液新液貯留容器92は、加圧ガス用バルブ46、47を備えた窒素ガス用管路が接続されており、この管路を介して供給される窒素ガスにより加圧されている。また、現像液原液貯留容器91、現像液新液貯留容器92にはそれぞれに補充液用の配管81、82が接続され、通常開いた状態のバルブ48、49を介して補充液が送液される。補充液用の配管81、82及び純水用の配管83には制御弁41、42、43が備えられており、制御弁41、42、43は制御手段3により開閉制御される。制御弁が動作することにより、現像液原液貯留容器91、現像液新液貯留容器92に貯留されていた補充液が圧送され、また、純水が送液される。その後、補充液は合流管路89を経て、循環攪拌機構Dと合流し、現像液貯留槽61に補給され攪拌される。
補給により現像液原液貯留容器91内及び現像液新液貯留容器92内に貯留された補充液が減少すると、その内圧が下がって供給量が不安定となるため、補充液の減少に応じて加圧ガス用バルブ46、47を適宜開いて窒素ガスを供給し、現像液原液貯留容器91、現像液新液貯留容器92の内圧が保たれるように維持される。現像液原液貯留容器91、現像液新液貯留容器92が空になったときは、バルブ48、49を閉じて、補充液を満たした新しい補充液貯留槽と交換するか、または、別途調達した補充液を空になった現像液原液貯留容器91、現像液新液貯留容器92に再び充填する。
このようにして、TMAH水溶液のアルカリ成分濃度が2.38%に、溶解フォトレジスト濃度と吸収二酸化炭素濃度が所定の管理値以下に、濃度管理される。濃度管理は、例えば、PID制御などにより行われる。
補充液供給用の配管81、82、83には、積算流量計151、152、153が設けられている。積算流量計151、152、153は、補充液供給用の配管81、82、83を介して供給された補充液の積算流量を測定する。現像液の濃度管理装置Aにより供給された補充液は、積算流量計151、152、153を通過した後、合流管路89で合流し、循環管路90を介して、現像液貯留槽61に補給される。積算流量計151、152、153は、通信機能を備えていることが望ましい。通信機能を備えていれば、積算流量をネットワークに接続することができる。測定された積算流量の測定値を、ネットワークを介して、把握することができる。
積算流量計151、152、153は、直接的にネットワークに接続される場合に限らず、間接的にネットワークに接続されるのでもよい。例えば、積算流量計151、152、153が、現像液の濃度管理装置A内で、現像液の濃度管理装置Aの演算や制御の機能をつかさどるコンピュータに接続され、ネットワークには現像液の濃度管理装置Aが接続されるような態様で、間接的にネットワークに接続されるのでもよい。
また、積算流量計151、152、153が接続されるネットワークは、工場内のローカルエリアネットワークでもよいし、インターネットなどの広域的なネットワークでもよい。
以上のように、本実施形態の現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システムにより現像液の濃度管理が実現され、基板製造者は常時最適な状態に管理された現像液を用いて基板を現像処理することができる。この際、補充液を供給する配管81、82、83に備えられた積算流量計151、152、153により、供給された補充液の積算流量が計測される。補充液の積算流量が計測されるので、補充液の供給量に基づく合理的な料金の算出が可能となる。
図1に示した本実施形態の現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システムは、あくまで例示であり、この態様に限定されない。図1の現像液の濃度管理装置Aでは、補充液供給用の配管81、82、83、制御弁41、42、43等が別体として構成された装置を示すが、補充液供給用の配管81、82、83、制御弁41、42、43等を一体に構成された装置とすることもできる。測定手段1の内部構成なども、図1に限定されず、現像液の種類などにより各種の態様を取り得る。
通信機能を備えた積算流量計としては、例えば、KEYENCE社のコリオリ式デジタル流量センサFD−Sシリーズなどが知られている。通信ユニットを取り付けることにより、測定した積算流量データなどの様々なデータを、パソコンなどと通信することができる。したがって、積算流量を遠隔でモニターすることができる。
〔第二実施形態〕
図2は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aと現像処理装置Bと調製装置Eと、現像処理装置Bに補充液として現像液の原液を供給する配管81、純水を供給する配管83、調製装置Eにより調製された現像液の新液を供給する新液用配管84と、それらの配管のそれぞれに濃度管理装置Aにより制御される制御弁41、43、44、及び、積算流量計151、153、154と、を備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。
図2は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aと現像処理装置Bと調製装置Eと、現像処理装置Bに補充液として現像液の原液を供給する配管81、純水を供給する配管83、調製装置Eにより調製された現像液の新液を供給する新液用配管84と、それらの配管のそれぞれに濃度管理装置Aにより制御される制御弁41、43、44、及び、積算流量計151、153、154と、を備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。
図2では、補充液として供給される現像液の新液が、調製装置Eにより、その原料となる現像液の原液と純水とから自動的に調製され供給される。調製装置Eは、新液用配管84を介して現像処理装置Bと接続されている。新液用配管84は、制御弁44と積算流量計154とを備えている。
また、図2においては、現像液原液貯留容器91からの現像液原液の供給を送液ポンプ77により送液する態様を示している。液の送液は、ガスで加圧する方法に限定されず、送液ポンプにより行うこともできる。
そのほか、現像液の濃度管理装置A及び現像処理装置Bの構成や動作については、第一実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
調製装置Eは、主に、現像液の新液を調製する新液調製槽301と、調製された新液を貯留しておく新液貯留槽302と、調製装置Eの動作を制御する制御装置(例えばコンピュータ)331を備えている。調製装置Eは、現像液原液貯留容器91と、現像液原液供給配管86を介して接続されている。現像液原液貯留容器91は、調製装置Eに接続されるものと現像処理装置Bに接続されるものとを共通の一つの容器として描いたが、別々に用意されていてもよい。また、調製装置Eは、純水供給配管87と接続されている。
新液調製槽301は、現像液原液供給配管86を介して現像液原液貯留容器91と接続され、現像液の原液の供給を受けられるようになっている。新液調製槽301は、純水供給配管87と接続され、純水の供給を受けられるようになっている。現像液原液供給配管86及び純水供給配管87には、制御弁341、342が備えられている。制御弁341、342は、制御装置331により動作制御される。また、現像液原液供給配管86には、現像液原液を送液するための送液ポンプ78が備えられている。
新液調製槽301は、濃度計311と液面計312を備える。濃度計311及び液面計312は、それぞれ信号線351、352を介して制御装置331と接続され、測定した新液調製槽301の濃度情報や液面位置情報が制御装置331に送られる。また、新液調製槽301と新液貯留槽302とは、連通管380により接続される。新液貯留槽302は液面計322を備えている。液面計322は、信号線353により制御装置331と接続されており、新液貯留槽302の液面位置情報が制御装置331に送られる。新液貯留槽302は、別途、濃度計を備えていてもよい。
現像液の新液を調製する際は、制御装置331により制御弁341及び342が適宜動作制御されて、新液調製槽301に現像液の原液や純水が供給される。新液調製槽301では、現像液の原液と純水とが混合され、所定濃度の現像液が調製される。濃度計311は、新液調製槽301で調製される現像液の濃度を常時監視する。
新液調製槽301の濃度を監視した結果、例えば、調製された現像液の濃度が薄いときは、制御装置331により純水供給配管87に備えられた制御弁342が閉じられる。そのため、現像液の原液の供給が相対的に増え、新液調製槽301内の現像液の濃度が上昇する。また、例えば、調製された現像液の濃度が濃いときは、制御装置331により現像液原液供給配管86に備えられた制御弁341が閉じられ、純水により新液調製槽301内の現像液の濃度が薄められる。制御装置331は、濃度計311の濃度情報に基づいて新液調製槽301で調製される現像液を所定の濃度にする。
新液調製槽301内の液面位置が所定の下限値より下がったときは、制御装置331は、制御弁341、342を開いて、現像液原液及び純水の供給量を増やし、液面位置の回復を図る。新液調製槽301内の液面位置が所定の上限値より上がったときは、制御装置331は、制御弁341及び342を閉じて、現像液原液及び純水の供給をやめる。新液貯留槽302の液面位置についても同様である。両槽の液面は、調製された新液を現像処理装置Bに供給することにより減少する。制御装置331は、液面計312、322の液面位置情報に基づいて、両槽の液面位置が所定の範囲内に収まるように調製される現像液の液量を制御する。
新液調製槽301内の現像液は、その一部が循環管路381に備えられた循環ポンプ371により抜き取られ再び戻されることにより、循環攪拌される。新液貯留槽302内の現像液も、同様に、その一部が循環管路382に備えられた循環ポンプ372により抜き取られ再び戻されることにより、循環攪拌される。
新液調製槽301で調製された現像液は、連通管380を通って、新液貯留槽302に送られる。新液貯留槽302内の現像液の液量が減少することにより、新液調製槽301内の現像液は、新液貯留槽302へ自然送液される。連通管380は適度な内径と長さとを備え、新液調製槽301内の濃度変動が新液貯留槽302に及ばないようにする濃度変動の平準化の効果を有する。
新液貯留槽302に貯留された現像液の新液は、送液ポンプ373により、新液用配管84を介して現像処理装置Bに送液される。この際、新液用配管84に備えられた積算流量計154により、供給された新液の積算流量が計測される。新液用配管84の制御弁343は信号線354を介して制御装置331と接続されており、制御弁343は制御装置331により動作制御される。調製した現像液の新液を送液するときは、制御装置331は制御弁343を開にする。
例えば、制御装置331を現像処理装置Bと接続しておく。この場合、現像処理装置Bから新液供給リクエスト信号を受けたときに、制御装置331が制御弁343を開にするようにできる。また、現像液の濃度管理装置Aと制御装置331とを接続しておけば、現像液の濃度管理装置Aが補充液として新液を補給するタイミングで、調製装置Eから現像処理装置Bに現像液の新液を供給するようにすることもできる。この場合、新液用配管84には制御弁44があるので、制御弁343を省略してもよい。
図2に示した本実施形態の基板の現像処理システムは、あくまで例示である。本実施形態の現像処理装置と現像液の濃度管理装置と調製装置と積算流量計を備えた基板の現像処理システムは、この態様に限定されない。
第二実施形態の基板の現像処理システムにおいても、現像液の濃度管理が実現され、基板製造者は常時最適な状態に管理された現像液を用いて基板を現像処理することができる。この際、補充液を供給する配管81、83、新液用配管84に備えられた積算流量計151、153、154により供給された補充液の積算流量が計測される。補充液の積算流量が計測されるので、補充液の供給量に基づく合理的な料金の算出が可能となる。
〔第三実施形態〕
図3は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aと現像処理装置Bと再生装置Fと積算流量計151、152、153、155とを備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。
図3は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aと現像処理装置Bと再生装置Fと積算流量計151、152、153、155とを備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。
図3では、現像処理装置Bで使用された現像液が再生装置Fにより再利用可能に再生される。再生装置Fにより再生された再生液は、補充液の一つとして現像処理装置Bに供給される。再生装置Fは、再生液用配管85を介して現像処理装置Bと接続されている。再生液用配管85は、制御弁45と積算流量計155とを備えている。
また、図3の現像液の濃度管理装置Aは、現像液の濃度管理装置A内に、制御弁41、42、43、45や配管81、82、83、再生液用配管85を備える態様である。また、現像液原液貯留容器91、及び、現像液新液貯留容器92については、第一実施形態と同様、窒素ガスで加圧することにより現像液の原液、及び、現像液の新液が送液される態様である。
なお、図3では、積算流量計151、152、153、155は濃度管理装置Aの外部に備えられた態様を描いたが、これに限定されない。制御弁41、42、43、45と同じように、積算流量計151、152、153、155も、濃度管理装置A内に、その内部部品として、備えられていてもよい。
そのほか、現像液の濃度管理装置A及び現像処理装置Bの構成や動作については、第一実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
再生装置Fは、主に、使用された現像液から不要物を取り除いて現像液を再生するフィルター461、462、463と、再生液を貯留しておく再生液貯留槽493と、再生装置Fの動作を制御する制御装置(例えばコンピュータ)431を備えている。再生装置Fは、現像処理装置Aから廃液(ドレン)された現像液を貯留する使用済み現像液貯留容器99と使用済み現像液送液配管88を介して接続されている。使用済み現像液送液配管88には送液ポンプ76が設けられ、使用済み現像液貯留容器99内の現像液が再生装置Fに送液される。
フィルター461、462、463は、使用済み現像液送液配管88と接続されており、現像処理装置Bから廃液(ドレン)された現像液が送液される。フィルター461、462、463は、現像液中の不要物、例えば現像液中に懸濁したレジスト残渣など、を除去する。フィルター461、462、463により再生された現像液は、再生液貯留槽493に貯留される。
再生液貯留槽493に貯留された再生液は、送液ポンプ471により制御弁441を通って、再生装置Fと現像処理装置Bとを接続する再生液用配管85に送液され、再生液用配管85を介して現像処理装置Bに送液される。この際、再生液用管路85に備えられた積算流量計155により、供給された再生液の積算流量が計測される。
制御弁441及び送液ポンプ471は、それぞれ信号線451、452により制御装置431と接続されている。制御弁441及び送液ポンプ471は、制御装置431により動作制御される。再生液を送液するときは、制御装置431は、送液ポンプ471を駆動し、制御弁441を開にする。
例えば、制御装置431を現像処理装置Bと接続しておく。この場合、現像処理装置Bから再生液供給リクエスト信号を受けたときに、制御装置431が制御弁441を開にするようにできる。また、現像液の濃度管理装置Aと制御装置431とを接続しておけば、現像液の濃度管理装置Aが補充液として再生液を補給するタイミングで、再生装置Fから現像処理装置Bに再生液を供給するようにすることもできる。この場合、再生液用配管85には制御弁45があるので、制御弁441を省略してもよい。
図3に示した本実施形態の基板の現像処理システムは、あくまで例示である。本実施形態の現像処理装置と現像液の濃度管理装置と再生装置と積算流量計を備えた基板の現像処理システムは、この態様に限定されない。
また、現像液を再生するのに用いられる原理は、フィルターによる濾過に限定されない。例えば、フィルターによる濾過の代わりに、晶析、電析、膜分離など、を用いることができる。薬液や分離すべき不要物の性質などに応じて、適宜ふさわしい原理による設備を用いるのが望ましい。
また、図3では、フィルターが3つ並列に接続された態様を描いたが、フィルターの個数は3つに限定されない。一つでもよい。フィルターは、使用により経時的に目詰まりを起こすことがあるので、その時のメンテナンスの都合を考慮して、複数のフィルターを並列に備えていることが望ましい。
第三実施形態の基板の現像処理システムにおいても、現像液の濃度管理が実現され、基板製造者は常時最適な状態に管理された現像液を用いて基板を現像処理することができる。この際、補充液を供給する配管81、82、83、再生液用配管85に備えられた積算流量計151、153、153、155により供給された補充液の積算流量が計測される。補充液の積算流量が計測されるので、補充液の供給量に基づく合理的な料金の算出が可能となる。
なお、第二実施形態において調製装置Eを備える基板の現像処理システムを説明し、第三実施形態において再生装置Fを備える基板の現像処理システムをそれぞれ説明したが、調製装置E及び再生装置Fの両方を備える構成としてもよい。
〔第四実施形態〕
図4は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aと、現像処理装置Bと、を備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。図4に示す基板の現像処理システムの現像液の濃度管理装置Aは、現像液の濃度管理装置A内に、制御弁41、42、43や補充液供給用の配管81、82、83が配置された態様を示している。しかし、これに限定されず、制御弁41、42、43や配管81、82、83は、現像液の濃度管理装置Aの外に存在する態様でもよい。制御手段3が、制御弁41、42、43の動作を制御して、現像液に補充液を補給できるように、制御弁41、42、43と連絡していればよい。
図4は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aと、現像処理装置Bと、を備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。図4に示す基板の現像処理システムの現像液の濃度管理装置Aは、現像液の濃度管理装置A内に、制御弁41、42、43や補充液供給用の配管81、82、83が配置された態様を示している。しかし、これに限定されず、制御弁41、42、43や配管81、82、83は、現像液の濃度管理装置Aの外に存在する態様でもよい。制御手段3が、制御弁41、42、43の動作を制御して、現像液に補充液を補給できるように、制御弁41、42、43と連絡していればよい。
第四実施形態に係る現像液の濃度管理装置A及び基板の現像処理システムは、現像液中の吸収二酸化炭素濃度と現像液の密度値との間に比較的良好な対応関係(直線関係)(特許文献2の図1参照。)が得られることを利用し、測定された密度値又は算出された吸収二酸化炭素濃度値に基づいて現像液の吸収二酸化炭素濃度を補充液の補給により管理する。なお、現像処理装置A、補充液貯留部C等の第一実施形態と同様の構成については、その説明を省略する場合がある。
測定手段1は、サンプリングポンプ14と、第一の検出器11、第二の検出器12、及び、第三の検出器13(第一の検出器11、第二の検出器12、及び、第三の検出器13を特性値検出手段と称する場合がある)、サンプリングした現像液を測定前に所定の測定温度(例えば25℃)に温度調整するための恒温槽(図示せず)などを備えている。
測定手段1で密度を測定するだけでよい場合は、例えば、第一の検出器11として密度計を備えていればよく、他の特性値を測定する検出器(例えば12、13)は不要である。しかし、アルカリ性現像液の成分測定は、吸収二酸化炭素濃度のみならず、アルカリ成分の濃度や、現像液に溶解したフォトレジスト濃度を測定する場合が多い。そのため、図4では、アルカリ成分濃度や溶解フォトレジスト濃度などを測定するために必要な他の検出器も含めた特性値検出手段11、12、13を記載している。このうち一つが密度計である。以下の現像液の濃度管理装置Aの説明では、図4の特性値検出手段11、12、13のうち検出器11を密度計とする。
演算手段2は、測定された密度値から現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との間の対応関係を用いて吸収二酸化炭素濃度値を算出する演算ブロック24を備えている。演算ブロック24には、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との対応関係が予め入力されている。演算ブロック24は、測定された現像液の密度値から対応する吸収二酸化炭素濃度値を求める機能を備えている。
また、演算手段2は、吸収二酸化炭素以外の他の現像液の成分濃度を算出する演算ブロックを備えていてもよい。例えば、多変量解析法により現像液のアルカリ成分濃度や溶解フォトレジスト濃度を算出する演算ブロックなどである。
次に、現像液の濃度管理装置Aによる、成分濃度測定方法について説明する。測定手段1は、サンプリング配管15により現像液貯留槽61と接続される。現像液は、サンプリングポンプ14により測定手段1内に送液される。測定手段1に送液された現像液は、まず恒温槽で所定の測定温度(例えば25℃)に温度調整される。密度計11は、現像液の密度を測定する。他の検出器12、13も、それぞれ現像液の特性値を測定する。測定後の現像液は、戻り配管16から現像液の濃度管理装置A外に排出され現像液貯留槽61に戻される。
密度計11は、信号線51により演算手段2の演算ブロック24と接続されている。密度計11により測定された現像液の密度値は、信号線51を介して演算ブロック24に送られる。
検出器12、13は、信号線52、53により演算手段2と接続されている。検出器12、13により測定された現像液の特性値は、信号線52、53を介して演算手段2に送られる。
現像液の密度値の測定データを受け取った演算ブロック24は、密度の測定データに基づいて、現像液の吸収二酸化炭素濃度を算出する。現像液の吸収二酸化炭素濃度は、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との間の対応関係を用いて算出される。すなわち、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との間の対応関係から、測定された現像液の密度値に対応する吸収二酸化炭素濃度値を得て、これを現像液の吸収二酸化炭素濃度の測定値とする。
このようにして、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aは、現像液の密度の測定値に基づいて、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との対応関係から、現像液の吸収二酸化炭素濃度を測定することができる。
なお、演算手段2は、密度の測定値から吸収二酸化炭素濃度を算出する演算ブロック24のほかに、現像液のアルカリ成分濃度や溶解フォトレジスト濃度など、他の成分濃度を算出する演算ブロックを備えていてもよい。そうすることで、現像液のアルカリ成分濃度、溶解フォトレジスト濃度、及び、吸収二酸化炭素濃度を測定することができる。
密度計を用いて測定された現像液の密度値に基づいて、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との間の対応関係から、現像液の吸収二酸化炭素濃度を制御する濃度管理を実現するにあたり、現像液の吸収二酸化炭素濃度を算出することは、必須というわけではない。現像液の吸収二酸化炭素濃度を算出しなくても、現像液の吸収二酸化炭素濃度を所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、制御することは可能である。
特許文献2の図1にあるように、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との間には良好な対応関係(吸収二酸化炭素濃度が増加すると密度が増加する直線関係)があることが知られている。そのため、吸収二酸化炭素濃度の所定の管理値に対応する密度の管理値を、この対応関係から得ることができる。したがって、現像液の吸収二酸化炭素濃度を所定の管理値となるようにする制御は、現像液の密度を対応する所定の密度値となるようにする制御と同じことである。現像液の吸収二酸化炭素濃度を所定の管理値以下となるようにする制御は、現像液の密度を対応する所定の密度値以下となるようにする制御と同じことである。ゆえに、測定された現像液の密度値から現像液の吸収二酸化炭素濃度を算出することは、現像液の吸収二酸化炭素濃度を所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように制御するのに、必須ではない。
この意味で、図4の演算手段2や演算ブロック24は、無くてもよい。この場合には、密度計11は、測定データ用信号線51により、制御手段3に接続される。密度計11で測定された現像液の密度の測定データは、直接、制御手段3に送られる。
制御手段3は、演算手段2で算出された吸収二酸化炭素濃度に基づいて、現像液の吸収二酸化炭素濃度が所定の管理値又は管理値以下となるように、現像液に補充液を補給して制御するための制御ブロック32を備えている。現像液の吸収二酸化炭素濃度を対応する現像液の密度により管理する場合には、制御ブロック32には、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との対応関係に基づいて決定される吸収二酸化炭素濃度の管理値に対応する密度の管理値が設定されている。制御手段3は、演算手段2で算出された現像液の吸収二酸化炭素濃度により、又は、密度計11から受け取った現像液の密度の測定値により、以下のように制御を行う。
現像液の吸収二酸化炭素濃度を所定の管理値となるように、又は、対応する所定の密度の管理値となるように管理する場合は、次のような管理を行う。すなわち、算出された現像液の吸収二酸化炭素濃度値が所定の管理値となるように、又は、測定された現像液の密度値が吸収二酸化炭素濃度の管理値に対応する密度の管理値となるように、現像液に補充液を補給する。濃度管理されなければ、現像液は二酸化炭素を吸収し、吸収二酸化炭素濃度及び密度が増加する傾向にあることに鑑み、補給する補充液は現像液の吸収二酸化炭素濃度を薄めるように作用する補充液を補給すればよい。
現像液の二酸化炭素濃度を所定の管理値以下となるように、又は、対応する所定の密度の管理値以下となるように管理する場合は、次のような管理を行う。すなわち、現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との対応関係は単調増加の関係であることから、測定された現像液の密度値が吸収二酸化炭素濃度の管理値に対応する密度の管理値以下となるように、現像液に補充液を補給する。補給する補充液は現像液の吸収二酸化炭素濃度を薄めるように作用する補充液を補給すればよい。
ここで、「所定の管理値」とは、現像液が最適な現像性能を発揮するときの吸収二酸化炭素濃度値として予め知られている管理値である。例えば現像液の液性能を現像処理により得られる線幅や残膜厚で評価するときには、これらを所望の最適値にすることができる現像液の吸収二酸化炭素濃度値である。以下の説明においても、同様である。
現像液の吸収二酸化炭素濃度の管理としては、例えば、現像液として2.38%TMAH水溶液を使用する場合、現像液の吸収二酸化炭素濃度は0.40(wt%)以下に管理するのが好ましい。より好ましくは、0.25(wt%)以下に管理するのが良い。
現像液に補給される補充液としては、例えば、現像液の原液や新液、純水などがある。これらの補充液は、現像液の吸収二酸化炭素濃度を薄めるためのものである。これらの補充液は、現像液のアルカリ成分濃度や溶解フォトレジスト濃度を管理するためにも、補給される。
補充液供給用の配管81、82、83には、積算流量計151、152、153が設けられている。積算流量計151、152、153は、補充液供給用の配管81、82、83を介して供給された補充液の積算流量を計測する。この計測された補充液の積算流量に基づいて、合理的な料金の算出が可能である。
なお、図4に示す基板の現像処理システムについては、現像液の調製装置、及び、現像液の再生装置は記載していないが、現像液の調製装置、及び、現像液の再生装置のいずれか一方、または、両方を有する構成とすることもできる。現像液の調製装置、及び、現像液の再生装置の構成については、それぞれ、第二実施形態及び第三実施形態と共通するので、その説明を省略する。
〔第五実施形態〕
図5は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aと、現像処理装置Bと、を備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。図5に示す基板の現像処理システムの現像液の濃度管理装置Aは、現像液の濃度管理装置Aの内部部品として、制御弁41、42、43を図示している。制御手段22が、制御弁41、42、43の動作を制御して、現像液に補充液を補給できるように、制御弁41、42、43と連絡していればよい。制御弁41、42、43は、現像液の濃度管理装置Aの外に存在する態様でもよい。なお、現像処理装置B、補充液貯留部C等の第一実施形態と同様の構成については、その説明を省略する場合がある。
図5は、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aと、現像処理装置Bと、を備える基板の現像処理システムを説明するための模式図である。図5に示す基板の現像処理システムの現像液の濃度管理装置Aは、現像液の濃度管理装置Aの内部部品として、制御弁41、42、43を図示している。制御手段22が、制御弁41、42、43の動作を制御して、現像液に補充液を補給できるように、制御弁41、42、43と連絡していればよい。制御弁41、42、43は、現像液の濃度管理装置Aの外に存在する態様でもよい。なお、現像処理装置B、補充液貯留部C等の第一実施形態と同様の構成については、その説明を省略する場合がある。
第五実施形態に係る現像液の濃度管理装置A及び基板の現像処理システムの発明者は、現像液としてTMAH水溶液の管理を行う場合を想定して、溶解フォトレジスト濃度、吸収二酸化炭素濃度を様々に変化させて、その溶解フォトレジスト濃度と吸収二酸化炭素濃度における現像液のフォトレジストに対する現像性能と、現像液の導電率値との関係を求めた。
発明者は、吸収二酸化炭素濃度を0.0〜1.3(wt%)の間で変化させ、溶解フォトレジスト濃度を0.0〜0.40(wt%)(0.0〜1.3(abs)相当)の間で変化させたTMAH水溶液の現像液のサンプルを調製した。発明者は、これらのサンプルについて、現像液の導電率、吸収二酸化炭素濃度、および、溶解フォトレジスト濃度を測定し、現像性能、導電率、吸収二酸化炭素濃度、および、溶解フォトレジスト濃度成分との相関を確かめる実験を行った。吸収二酸化炭素濃度を一つの項目とし縦又は横に配列し、溶解フォトレジスト濃度を他の項目とし、横又は縦に配列したマトリックス(組み合わせ表)を作成した。吸収二酸化炭素濃度と溶解フォトレジスト濃度との組み合わせ毎に、フォトレジストに対する所定の現像性能を満足する、現像液の導電率を求め、各欄に記入し、マトリックスを完成させた。
ここで、所定の現像性能とは、現像工程で実現しようとしている線幅や残膜厚が実現されるときの現像液の現像性能を意味する。
代表的な各サンプルの吸収二酸化炭素濃度、溶解フォトレジスト濃度、および、導電率の測定結果を例示する。吸収二酸化炭素濃度が0.0(wt%)で、溶解フォトレジスト濃度が0.0(wt%)(0.0(abs)相当)である場合(いわゆる新液)、所定の現像性能を発揮できる現像液の導電率は54.58(mS/cm)であった。
吸収二酸化炭素濃度が0.0(wt%)で、溶解フォトレジスト濃度が0.25(wt%)(0.8abs相当)である場合、所定の現像性能を発揮できる現像液の導電率は54.55(mS/cm)であり、溶解フォトレジスト濃度が0.40(wt%)(1.3abs相当)である場合、現像液の導電率は54.53(mS/cm)であった。
また、溶解フォトレジスト濃度が0.0(wt%)(0.0(abs)相当)で、吸収二酸化炭素濃度が0.6(wt%)である場合、現像液の導電率は54.60(mS/cm)であり、吸収二酸化炭素濃度が1.3(wt%)である場合、現像液の導電率は54.75(mS/cm)であった。
また、吸収二酸化炭素濃度が0.6(wt%)で、溶解フォトレジスト濃度が0.22(wt%)(0.7abs相当)である場合、現像液の導電率は54.60(mS/cm)であり、溶解フォトレジスト濃度が0.40(wt%)(1.3abs相当)である場合、現像液の導電率は54.58(mS/cm)であった。
また、吸収二酸化炭素濃度が1.3(wt%)で、溶解フォトレジスト濃度が0.22(wt%)(0.7abs相当)である場合、現像液の導電率は54.75(mS/cm)であり、溶解フォトレジスト濃度が0.40(wt%)(1.3abs相当)である場合、現像液の導電率は54.75(mS/cm)であった。
なお、上述の実験においては、ある濃度領域において、吸収二酸化炭素濃度が大きくなると、導電率の管理値が大きくなる傾向にあり、溶解フォトレジスト濃度が大きくなると、導電率の管理値が小さくなる傾向が見られた。
上述の実験では、各サンプルの現像液の導電率は導電率計により測定した値を用いた。吸収二酸化炭素濃度は滴定分析法により測定した値を用いた。溶解フォトレジスト濃度は重量調製値を用いた。滴定は、塩酸を滴定試薬とする中和滴定である。滴定装置として、三菱化学アナリテック社製の自動滴定装置GT−200を使用した。
なお、上述の導電率、吸収二酸化炭素濃度、及び溶解フォトレジスト濃度は、導電率、吸収二酸化炭素濃度、及び溶解フォトレジスト濃度と現像性能との関係性を見出すためであり、各数値に限定されない。
上述したように、現像性能を発揮できる導電率は、吸収二酸化炭素濃度及び溶解フォトレジスト濃度により様々に異なっていることが理解できる。このように、現像液の管理において、吸収二酸化炭素、及び溶解フォトレジストを含む現像液では、導電率を管理値とし、さらに吸収二酸化炭素濃度、及び溶解フォトレジスト濃度を測定し、各測定結果に基づいて導電率の管理値を異ならせることにより、所定の現像性能を発揮させることができる。
つまり、現像液の溶解フォトレジスト濃度、及び吸収二酸化炭素濃度を指標として特定される濃度領域ごとに、所定の現像性能となることが予め確認された現像液の導電率値を有する導電率データ(マトリックス)を記憶し、導電率データ(マトリックス)を利用することで、所定の現像性能を発揮させることができる、現像液の管理が可能となる。
現像液の濃度管理装置Aは、測定手段1と制御手段22と、を備えている。現像液の濃度管理装置Aは、サンプリング配管15及び戻り配管16により現像液貯留槽61と接続されている。また、図5においては、制御弁41、42、43が備えられた補充液供給用の配管81、82、83が現像液の濃度管理装置A内に配置された態様を示し、補充液供給用の配管81、82、83は、合流管路89を経て、循環攪拌機構Dの循環管路90に接続されている。
測定手段1は、サンプリングポンプ14と、第一の検出器11、第二の検出器12、及び、第三の検出器13(第一の検出器11、第二の検出器12、及び、第三の検出器13を特性値検出手段と称する場合がある)を備えている。本実施形態においては、溶解フォトレジスト濃度、及び、吸収二酸化炭素濃度を指標として用いられた導電率データを利用し、現像液の管理を行う。特性値検出手段11、12、13は、導電率計、溶解フォトレジスト濃度を測定する計測装置(検出した特性値から溶解フォトレジスト濃度を算出する演算機能を内包する)、吸収二酸化炭素濃度を測定する計測装置(検出した特性値から吸収二酸化炭素濃度を算出する演算機能を内包する)となる。
本実施形態の濃度管理装置Aの測定手段1は現像液の成分濃度を演算する機能を各検出器が内包する態様で図示したが、これに限定されない。本実施形態の濃度管理装置Aは、第一実施形態の濃度管理装置Aのように、濃度管理装置Aが演算手段を備え、現像液の特性値を検出する各検出器が測定した現像液の特性値を用いて、溶解フォトレジスト濃度や吸収二酸化炭素濃度などの成分濃度を算出する態様となっていてもよい。
制御手段22は、データ記憶部23と制御部33とを備えている。データ記憶部23と制御部33とは、制御手段22内で信号線54により接続されている。データ記憶部23には、アルカリ性を示す現像液の溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を指標として特定される濃度領域ごとに所定の現像性能となることが予め確認された、使用する現像液の導電率値を有する導電率データが格納されている。
制御手段22は、測定手段1の特性値検出手段11、12、13と信号線51、52、53により接続されている。測定手段1で測定された導電率値、溶解フォトレジスト濃度値、及び、吸収二酸化炭素濃度値が制御手段22へと送られる。
制御手段22の制御部33は、現像液に補充液を送液する配管81、82、83に設けられた制御弁41、42、43と、信号線55、56、57により接続されている。
続いて、本実施形態の現像液の濃度管理装置Aの動作について説明する。
現像液貯留槽61からサンプリングされた現像液は、測定手段1内に送液され、温度調節される。現像液は、その後、特性値検出手段11、12、13に送液され、導電率、溶解フォトレジスト濃度、及び吸収二酸化炭素濃度が測定される。各測定データは制御手段22に送られる。
制御部33には、現像液の溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を指標として特定される濃度領域ごとに所定の現像性能となることが予め確認された現像液の導電率値を有する導電率データの導電率値に対応する、導電率の管理値が設定されている。制御部33は、測定手段1から受け取った測定データにより、以下のように制御を行う。
制御部33は、測定手段1から受け取った溶解フォトレジスト濃度と吸収二酸化炭素濃度とに基づいて、データ記憶部23に記憶されている導電率データのうち、測定された溶解フォトレジスト濃度及び測定された吸収二酸化炭素濃度により特定される濃度領域の導電率値を求める。求めた導電率値を現像液の導電率の制御目標値として設定する。
制御部33は、測定手段1から受け取った測定された導電率と、制御目標値として設定された導電率とを比較し、比較結果に応じて次のような管理を行う。すなわち、制御目標値として設定された導電率が、測定された導電率と同じ場合、基本的に現像液に補充液を加えない。また、制御目標値として設定された導電率が、測定された導電率より大きい場合、現像液の導電率を上げるように作用をする補充液を現像液に補給すればよい。また、制御目標値として設定された導電率が、測定された導電率より小さい場合、現像液の導電率を下げるように作用をする補充液を現像液に補給すればよい。
ここで、現像液に補給される補充液としては、例えば、現像液の原液や新液、純水などである。
補充液を供給するための制御弁41、42、43の制御は、例えば、次のように行われる。制御弁の開時に流れる流量が調整されていれば、制御弁を開けている時間を管理することにより、補給すべき液量の補充液を補給することができる。制御部33は、測定手段1から受け取った測定された導電率と、制御目標値として設定された導電率に基づいて、補給すべき液量の補充液が流れるように、所定時間制御弁を開けるように制御弁に制御信号を発する。
制御の方式は、制御量を目標値に合わせる制御に用いられる各種の制御方法を採用し得る。特に、比例制御(P制御)、積分制御(I制御)、微分制御(D制御)、及び、これらを組み合わせた制御(PI制御など)が好ましい。より好ましくは、PID制御が適している。
本実施形態では、現像液の導電率、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を測定し、測定された溶解フォトレジスト濃度値及び吸収二酸化炭素濃度値とにより特定される予め用意された導電率データ中の導電率値を制御目標値として、測定される現像液の導電率値がこの制御目標値となるように、現像液に補充液を補給して現像液を管理する態様を説明したが、これに限定されない。
例えば、現像液がTMAH水溶液の場合、アルカリ成分の濃度が2.38%付近において、現像液の導電率とアルカリ成分濃度とが良好な直線関係にあること、及び、現像液の特定波長における吸光度と溶解フォトレジスト濃度とが良好な直線関係にあること、が知られている。
そのため、このような関係が得られる範囲においては、本実施形態の導電率をこの導電率とアルカリ成分濃度との間の直線関係上の対応するアルカリ成分濃度に置き換え、溶解フォトレジスト濃度をこの特定波長における吸光度と溶解フォトレジスト濃度との間の直線関係上の対応する特定波長における吸光度に置き換えた現像液の濃度管理が可能である。つまり、現像液のアルカリ成分濃度、特定波長における吸光度及び吸収二酸化炭素濃度を測定し、測定された特定波長における吸光度値及び吸収二酸化炭素濃度値とにより特定される予め用意されたアルカリ成分濃度データ中のアルカリ成分濃度値を制御目標値として、測定される現像液のアルカリ成分濃度値がこの制御目標値となるように、現像液に補充液を補給して現像液を管理する態様も、本実施形態の現像液管理と同じことである。
以上により、本実施形態に係る現像液の濃度管理装置Aによれば、現像液がどのような溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度となろうとも、現像液中の導電率で、現像液を管理することにより、現像作用に活性を有する成分が維持されるので、所望の現像性能を維持でき、所望の線幅及び残膜厚を維持できる現像処理を実現できる。
また、本実施形態に係る現像液の濃度管理装置Aによれば、現像性能が予め確認された現像液の導電率値の導電率データを使用して制御目標管理値とすることで、現像液の溶解フォトレジスト濃度が0.0〜0.40(wt%)(0.0〜1.3(abs)相当)であり、かつ吸収二酸化炭素濃度が0.0〜1.3(wt%)であっても、所望の現像活性を有する現像液として使用することができる。すなわち、本実施形態に係る現像液管理装置Aによれば、現像液の溶解フォトレジスト濃度が0.25(wt%)以上(0.8(abs)相当)、かつ吸収二酸化炭素濃度が0.6(wt%)以上であっても、現像液を廃液することなく使用でき、現像液の廃液量を減らすことが可能となる。
補充液供給用の配管81、82、83には、積算流量計151、152、153が設けられている。積算流量計151、152、153は、補充液供給用の配管81、82、83を介して供給された補充液の積算流量を計測する。この計測された補充液の積算流量に基づいて、合理的な料金の算出が可能である。
なお、図5に示す基板の現像処理システムについては、現像液の調製装置、及び、現像液の再生装置の図は記載されていないが、現像液の調製装置、及び、現像液の再生装置のいずれか一方、または、両方を有する構成とすることもできる。現像液の調製装置、及び、現像液の再生装置の構成については、それぞれ、第二実施形態及び第三実施形態と共通するので、その説明を省略する。
以上、本発明によれば、基板製造者は、現像液の濃度管理装置や現像液の濃度管理装置を購入したり、維持管理したりする負担を負わず、現像液の濃度管理料金又は基板の現像処理料金を支払うだけで、所望の濃度に管理された現像液を使用でき、新液や再生液を入手して使用することができる。そのため、基板製造者は、装置の購入や維持管理に係るコストの削減、現像液の調達や廃液処理に係るコストの削減、生産ラインの稼働率や歩留まりの向上、製造する基板の品質の向上などに伴う多様な経済的メリットを享受できる。
また、本発明によれば、役務提供者は、本発明により実現可能となるビジネス方法により、装置を販売する場合に比べ、継続的に安定な収益を得ることができる。
A…現像液の濃度管理装置、B…現像処理装置、C…補充液貯留部、D…循環攪拌機構、E…調製装置、F…再生装置
1…測定手段、2…演算手段、3、22…制御手段、11…第一の検出器、12…第二の検出器、13…第三の検出器、14…サンプリングポンプ、15…サンプリング配管、16…戻り配管、21、24…演算ブロック、23…データ記憶部、31、32…制御ブロック、33…制御部、41、42、43、44、45…制御弁、46、47…加圧ガス用バルブ、48、49…バルブ、51、52、53…測定データ用信号線(信号線)、54…演算データ用信号線(信号線)、55、56、57、58、59…制御信号用信号線(信号線)、61…現像液貯留槽、62…オーバーフロー槽、63…液面計、64…現像室フード、65…ローラーコンベア、66…基板、67…現像液シャワーノズル、71…廃液ポンプ、72、74…循環ポンプ、73、75…フィルター、76、77、78…送液ポンプ、80…現像液管路、81、82、83…配管、84…新液用配管、85…再生液用配管、86…現像液原液供給配管、87…純水供給配管、88…使用済み現像液送液配管、89…合流管路、90…循環管路、91…現像液原液貯留容器、92…現像液新液貯留容器、93…窒素ガス用配管、151、152、153、154、155…積算流量計、301…新液調製槽、302…新液貯留槽、311…濃度計、312、322…液面計、331…制御装置、341、342、343…制御弁、351、352、353、354…信号線、371、372…循環ポンプ、373…送液ポンプ、380…連通管、381、382…循環管路、431…制御装置、441…制御弁、451、452…信号線、461、462、463…フィルター、471…送液ポンプ、493…再生液貯留槽
1…測定手段、2…演算手段、3、22…制御手段、11…第一の検出器、12…第二の検出器、13…第三の検出器、14…サンプリングポンプ、15…サンプリング配管、16…戻り配管、21、24…演算ブロック、23…データ記憶部、31、32…制御ブロック、33…制御部、41、42、43、44、45…制御弁、46、47…加圧ガス用バルブ、48、49…バルブ、51、52、53…測定データ用信号線(信号線)、54…演算データ用信号線(信号線)、55、56、57、58、59…制御信号用信号線(信号線)、61…現像液貯留槽、62…オーバーフロー槽、63…液面計、64…現像室フード、65…ローラーコンベア、66…基板、67…現像液シャワーノズル、71…廃液ポンプ、72、74…循環ポンプ、73、75…フィルター、76、77、78…送液ポンプ、80…現像液管路、81、82、83…配管、84…新液用配管、85…再生液用配管、86…現像液原液供給配管、87…純水供給配管、88…使用済み現像液送液配管、89…合流管路、90…循環管路、91…現像液原液貯留容器、92…現像液新液貯留容器、93…窒素ガス用配管、151、152、153、154、155…積算流量計、301…新液調製槽、302…新液貯留槽、311…濃度計、312、322…液面計、331…制御装置、341、342、343…制御弁、351、352、353、354…信号線、371、372…循環ポンプ、373…送液ポンプ、380…連通管、381、382…循環管路、431…制御装置、441…制御弁、451、452…信号線、461、462、463…フィルター、471…送液ポンプ、493…再生液貯留槽
Claims (12)
- 繰り返し使用される、アルカリ性を示す現像液の成分濃度と相関のある前記現像液の複数の特性値を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記複数の特性値に基づいて、多変量解析法により、前記現像液の成分濃度を算出する演算手段と、
前記演算手段により算出された現像液の成分濃度値に基づいて、前記現像液の成分濃度が所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、前記現像液に補充液を供給する制御手段と、
前記制御手段により供給される補充液の積算流量を計測する積算流量計と、
を備える現像液の濃度管理装置。 - 密度計と、
前記密度計により測定されたアルカリ性を示す現像液の密度に基づいて、前記現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との間の対応関係から、前記現像液の吸収二酸化炭素濃度が所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、前記現像液に補充液を供給する制御手段と、
前記制御手段により供給される補充液の積算流量を計測する積算流量計と、
を備える現像液の濃度管理装置。 - 繰り返し使用される、アルカリ性を示す現像液の導電率、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を測定する測定手段と、
前記溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を指標として特定される濃度領域ごとに所定の現像性能となることが予め確認された前記現像液の導電率値を有する導電率データが格納されているデータ記憶部、及び、前記データ記憶部に格納された前記導電率データのうち、前記測定手段により測定された前記現像液の溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度の測定値により特定される濃度領域の導電率値を制御目標値として、前記現像液の導電率が前記制御目標値となるように前記現像液に補充液を供給する制御部、を備えた制御手段と、
前記制御手段により供給される補充液の積算流量を計測する積算流量計と、
を備える現像液の濃度管理装置。 - 現像液を用いて基板を処理する現像処理装置と、
前記現像処理装置で繰り返し使用される前記現像液の濃度を管理する現像液の濃度管理装置と、
前記現像処理装置に接続され、前記濃度管理装置により前記現像液に供給される補充液が前記現像処理装置に送液される配管と、
前記配管に積算流量計と、を備え、
前記濃度管理装置が、
前記現像液の成分濃度と相関のある複数の特性値を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された前記複数の特性値に基づいて、多変量解析法により、前記現像液の成分濃度を算出する演算手段と、
前記演算手段により算出された現像液の成分濃度値に基づいて、前記現像液の成分濃度が所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、前記現像液に補充液を供給する制御手段と、を備える、
基板の現像処理システム。 - 前記現像液を新液として調製する現像液の調製装置と、
前記現像処理装置及び前記調製装置に接続され、前記調製装置により調製された前記新液が前記濃度管理装置により前記現像処理装置で繰り返し使用されている現像液に供給される新液用配管と、をさらに備え、
前記新液用配管に積算流量計を備える請求項4に記載の基板の現像処理システム。 - 前記現像処理装置で使用された前記現像液を再生液として再利用可能に再生する現像液の再生装置と、
前記現像処理装置及び前記再生装置に接続され、前記再生装置により再生された前記再生液が前記濃度管理装置により前記現像処理装置で繰り返し使用されている現像液に供給される再生液用配管と、をさらに備え、
前記再生液用配管に積算流量計を備える請求項4に記載の基板の現像処理システム。 - 現像液を用いて基板を処理する現像処理装置と、
前記現像処理装置で繰り返し使用される前記現像液の濃度を管理する現像液の濃度管理装置と、
前記現像処理装置に接続され、前記濃度管理装置により前記現像液に供給される補充液が前記現像処理装置に送液される配管と、
前記配管に積算流量計と、を備え、
前記濃度管理装置が、
密度計と、
前記密度計により測定された前記現像液の密度に基づいて、前記現像液の密度と吸収二酸化炭素濃度との間の対応関係から、前記現像液の吸収二酸化炭素濃度が所定の管理値となるように、又は、所定の管理値以下となるように、前記現像液に補充液を供給する制御手段と、を備える、
基板の現像処理システム。 - 前記現像液を新液として調製する現像液の調製装置と、
前記現像処理装置及び前記調製装置に接続され、前記調製装置により調製された前記新液が前記濃度管理装置により前記現像処理装置で繰り返し使用されている現像液に供給される新液用配管と、をさらに備え、
前記新液用配管に積算流量計を備える請求項7に記載の基板の現像処理システム。 - 前記現像処理装置で使用された前記現像液を再生液として再利用可能に再生する現像液の再生装置と、
前記現像処理装置及び前記再生装置に接続され、前記再生装置により再生された前記再生液が前記濃度管理装置により前記現像処理装置で繰り返し使用されている現像液に供給される再生液用配管と、をさらに備え、
前記再生液用配管に積算流量計を備える請求項7に記載の基板の現像処理システム。 - 現像液を用いて基板を処理する現像処理装置と、
前記現像処理装置で繰り返し使用される前記現像液の濃度を管理する現像液の濃度管理装置と、
前記現像処理装置に接続され、前記濃度管理装置により前記現像液に補給される補充液が前記現像処理装置に送液される配管と、
前記配管に積算流量計と、を備え、
前記濃度管理装置が、
前記現像液の導電率、溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を測定する測定手段と、
前記溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度を指標として特定される濃度領域ごとに所定の現像性能となることが予め確認された前記現像液の導電率値を有する導電率データが格納されているデータ記憶部、及び、前記データ記憶部に格納された前記導電率データのうち、前記測定手段により測定された前記現像液の溶解フォトレジスト濃度及び吸収二酸化炭素濃度の測定値により特定される濃度領域の導電率値を制御目標値として、前記現像液の導電率が前記制御目標値となるように前記現像液に補充液を供給する制御部、を備えた制御手段と、を備える、
基板の現像処理システム。 - 前記現像液を新液として調製する現像液の調製装置と、
前記現像処理装置及び前記調製装置に接続され、前記調製装置により調製された前記新液が前記濃度管理装置により前記現像処理装置で繰り返し使用されている現像液に供給される新液用配管と、をさらに備え、
前記新液用配管に積算流量計を備える請求項10に記載の基板の現像処理システム。 - 前記現像処理装置で使用された前記現像液を再生液として再利用可能に再生する現像液の再生装置と、
前記現像処理装置及び前記再生装置に接続され、前記再生装置により再生された前記再生液が前記濃度管理装置により前記現像処理装置で繰り返し使用されている現像液に供給される再生液用配管と、をさらに備え、
前記再生液用配管に積算流量計を備える請求項10に記載の基板の現像処理システム。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017104624A JP2018200943A (ja) | 2017-05-26 | 2017-05-26 | 現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システム |
KR1020170161415A KR20180129601A (ko) | 2017-05-26 | 2017-11-29 | 현상액의 농도 관리 장치, 및, 기판의 현상 처리 시스템 |
CN201721635816.7U CN207502917U (zh) | 2017-05-26 | 2017-11-29 | 显影液的浓度管理装置以及基板的显影处理*** |
CN201711234540.6A CN108957967A (zh) | 2017-05-26 | 2017-11-29 | 显影液的浓度管理装置以及基板的显影处理*** |
TW106141782A TW201901310A (zh) | 2017-05-26 | 2017-11-30 | 顯影液的濃度管理裝置及基板的顯影處理系統 |
TW106217786U TWM560040U (zh) | 2017-05-26 | 2017-11-30 | 顯影液的濃度管理裝置及基板的顯影處理系統 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017104624A JP2018200943A (ja) | 2017-05-26 | 2017-05-26 | 現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018200943A true JP2018200943A (ja) | 2018-12-20 |
Family
ID=62507006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017104624A Pending JP2018200943A (ja) | 2017-05-26 | 2017-05-26 | 現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システム |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018200943A (ja) |
KR (1) | KR20180129601A (ja) |
CN (2) | CN207502917U (ja) |
TW (2) | TWM560040U (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102541033B1 (ko) * | 2022-11-28 | 2023-06-13 | 프로티앤에스(주) | 사용자 직책 및 업무 기반 pc 권한 제어 장치 및 방법 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003297798A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-17 | Seiko Epson Corp | 処理装置および半導体装置の製造方法 |
JP2004319568A (ja) * | 2003-04-11 | 2004-11-11 | Sharp Corp | 薬液装置およびエッチング装置ならびにエッチング液濃度の管理方法 |
JP2006228815A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理システム、処理流体使用代価算出方法および基板処理装置 |
JP2017028089A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 株式会社平間理化研究所 | 現像液の成分濃度測定方法及び装置、並びに、現像液管理方法及び装置 |
JP2017028091A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 株式会社平間理化研究所 | 現像液の管理方法及び装置 |
JP2017028090A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 株式会社平間理化研究所 | 現像液の成分濃度測定装置、成分濃度測定方法、現像液管理装置、及び現像液管理方法 |
-
2017
- 2017-05-26 JP JP2017104624A patent/JP2018200943A/ja active Pending
- 2017-11-29 KR KR1020170161415A patent/KR20180129601A/ko unknown
- 2017-11-29 CN CN201721635816.7U patent/CN207502917U/zh not_active Expired - Fee Related
- 2017-11-29 CN CN201711234540.6A patent/CN108957967A/zh active Pending
- 2017-11-30 TW TW106217786U patent/TWM560040U/zh not_active IP Right Cessation
- 2017-11-30 TW TW106141782A patent/TW201901310A/zh unknown
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003297798A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-17 | Seiko Epson Corp | 処理装置および半導体装置の製造方法 |
JP2004319568A (ja) * | 2003-04-11 | 2004-11-11 | Sharp Corp | 薬液装置およびエッチング装置ならびにエッチング液濃度の管理方法 |
JP2006228815A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理システム、処理流体使用代価算出方法および基板処理装置 |
JP2017028089A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 株式会社平間理化研究所 | 現像液の成分濃度測定方法及び装置、並びに、現像液管理方法及び装置 |
JP2017028091A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 株式会社平間理化研究所 | 現像液の管理方法及び装置 |
JP2017028090A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 株式会社平間理化研究所 | 現像液の成分濃度測定装置、成分濃度測定方法、現像液管理装置、及び現像液管理方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20180129601A (ko) | 2018-12-05 |
TW201901310A (zh) | 2019-01-01 |
CN207502917U (zh) | 2018-06-15 |
CN108957967A (zh) | 2018-12-07 |
TWM560040U (zh) | 2018-05-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN100354031C (zh) | 超滤处理装置的运行支援装置 | |
TWI700561B (zh) | 顯影液的成分濃度測定方法及裝置、與顯影液管理方法及裝置 | |
JP6713658B2 (ja) | 現像液の成分濃度測定装置、成分濃度測定方法、現像液管理装置、及び現像液管理方法 | |
TWI676086B (zh) | 顯影液之管理方法及裝置 | |
JP2018200943A (ja) | 現像液の濃度管理装置、及び、基板の現像処理システム | |
CN207529428U (zh) | 药液的浓度管理装置、再生装置及费用的计算*** | |
JP2018200942A (ja) | 基板処理装置の薬液管理システム、基板処理装置の薬液管理料金の算出方法、及び、基板処理装置の薬液管理料金算出システム | |
JP2018200941A (ja) | 基板処理システム、及び、基板の処理料金算出システム | |
JP6712415B2 (ja) | 現像液管理装置 | |
TW201827950A (zh) | 顯影裝置 | |
KR20180087118A (ko) | 현상액의 성분 농도 측정 장치, 및 현상액 관리 장치 | |
CN108345182A (zh) | 显影液的浓度监视装置及显影液管理装置 | |
TW201827948A (zh) | 顯影液管理裝置 | |
TW201827949A (zh) | 顯影裝置 | |
CN108345184A (zh) | 显影装置 | |
TW201841080A (zh) | 顯影液的濃度監視裝置及顯影液管理裝置 | |
Rajagopaul et al. | Enabling Water Fluoridation on Small Drinking Water Treatment Plants |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200513 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200623 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210212 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20210730 |