JP2018194415A - 漏れ検出方法及び漏れ検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】漏れ検出を短時間で行える漏れ検出方法及び漏れ検出装置を提供する。【解決手段】真空に排気されているチャンバ2に収容された熱交換器100からの漏れを検出する漏れ検出方法である。漏れ検出方法は、熱交換器100にArを導入する流動体導入工程と、チャンバ2のAr圧力を取得する圧力取得工程と、圧力と時間との相関曲線を取得する相関曲線取得工程と、漏れ出るArの量と真空排気量とが平衡状態になったときの予測圧力を相関曲線から取得する平衡圧力取得工程と、予測圧力に基づいて、熱交換器100からチャンバ2に漏れ出るArの量を取得する漏れ量取得工程と、を含む。これにより、チャンバ内に漏れ出るArと真空排気量とが平衡するまで待つ必要なく、短時間で漏れ量を測定することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、漏れ検出方法及び漏れ検出装置に関する。
従来、ガスリークテスト法によるヘリウムガスを利用した漏れ検出装置が特許文献1に開示されている。
特開2005−140504号公報
従来の装置では、内部の容積が大きい自動車部品等に対して漏れ検出を行う場合、測定するチャンバ内の圧力が一定になるまでに時間がかかっていた。そのため、漏れ検出を短時間で行うことができなかった。
本発明の目的は、漏れ検出を短時間で行える漏れ検出方法及び漏れ検出装置を提供することにある。
本発明の第一の態様は、真空に排気されているチャンバ(2)に収容された被試験体(100、200、300、400)の漏れを検出する漏れ検出方法である。漏れ検出方法は、被試験体に流動体(220、320、420)を導入する流動体導入工程(S4、S15)と、被試験体からチャンバ(2)に漏れ出る流動体の量に基づいた検出値を取得する圧力取得工程(S5、S17)と、検出値と時間との相関曲線を得る相関曲線取得工程(S6、S18)と、チャンバに漏れ出る流動体の量と真空排気量とが平衡するときの検出値を予測平衡値として相関曲線から取得する平衡圧力取得工程(S7、S19)と、予測平衡値に基づいて、被試験体からチャンバに漏れ出る流動体の量を取得する漏れ量取得工程(S8、S20)と、を含む。
漏れ検出方法。
本発明の第二の態様は、被試験体(100、200、300、400)の漏れを検出する漏れ検出装置(1、10、20、30)である。漏れ検出装置は、被試験体を収容するチャンバ(2)と、チャンバを真空に排気する排気部(3)と、被試験体に流動体(220、320、420)を送出する流動体送出部(4)と、被試験体からチャンバに漏れ出る流動体の量に基づいた検出値を取得する圧力取得部(67)と、検出値と時間との相関曲線を求める相関曲線取得部(68)と、チャンバに漏れ出る流動体の量と真空排気量とが平衡するときの検出値を予測平衡値として相関曲線から取得可能な平衡圧力取得部(69)と、予測平衡値に基づいて、被試験体からチャンバに漏れ出る流動体の量を取得可能な漏れ量取得部(70)と、を備える。
チャンバ内に漏れ出る流動体の量と真空排気量とが平衡に達したと仮定したときの、チャンバ内に漏れ出る流動体の量に基づいた予測平衡値を取得できる。この予測平衡値に基づいて、被試験体から漏れ出る流動体の量がわかる。そのため、チャンバ内に漏れ出る流動体の量と真空排気量とが平衡に達するまで待つ必要がなくなり、短時間で被試験体から漏れ出る流動体の漏れ量が分かる。
第一実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 第一実施形態に係る漏れ検出方法のフローチャートである。 圧力と時間との関係を示す特性図である。 第二実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 第二、第三、第四実施形態に係る漏れ検出方法のフローチャートである。 第二実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 第二実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 圧力と時間との関係を示す特性図である。 第三実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 第三実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 第三実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 第四実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 第四実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 第四実施形態に係る漏れ検出装置の概略構成図である。 その他の実施形態に係る漏れ検出方法のフローチャートである。
以下、本発明に係る複数の漏れ検出方法及び漏れ検出装置について、図面に基づいて説明する。なお、以下の複数の実施形態について同一の構成部位には同一の符号を付し説明を省略する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係る漏れ検出装置1について、図1から図3に基づいて説明する。漏れ検出装置1は、チャンバ2、「排気部」としてのチャンバ真空ポンプ3、「流動体送出部」としての気体送出部4、漏れマスタ5及び発光取得部6を備える。本実施形態においては、漏れ検出を行う被試験体は熱交換器100である。
熱交換器100は例えば、自動車のラジエータやエバポレータ、コンデンサなどに使用される。熱交換器100は、「開口部」としての流入口101及び排出口102を有する。熱交換器100は、アルミニウム製の一対のヘッダーパイプ103、104、ヘッダーパイプ103、104間に互いに平行に連結される複数の熱交換チューブ105及び隣接する熱交換チューブ105の間に介在するようにろう付けされたコルゲートフィン106を備える。実使用時には、流入口101から排出口102までポンプを介して冷却水や冷媒等が流動する。流入口101から排出口102までの間にピンホールなどがあると冷却水漏れに繋がるので漏れ検出を行う必要がある。
チャンバ2は、ゲートバルブ21及びテストバルブ22を有する。チャンバ2内部の収容空間に被試験体が搬入可能である。
ゲートバルブ21はチャンバ真空ポンプ3とチャンバ2との連通状態を制御する。ゲートバルブ21が開状態のとき、チャンバ真空ポンプ3はチャンバ2を真空にすることが可能である。ゲートバルブ21が閉状態のとき、チャンバ真空ポンプ3とチャンバ2とは遮断される。
テストバルブ22は発光取得部6とチャンバ2との連通状態を制御する。テストバルブ22が開状態のとき、発光取得部6とチャンバ2とは連通する。テストバルブ22が閉状態のとき、発光取得部6とチャンバ2とは遮断される。
チャンバ真空ポンプ3は、チャンバ2を真空に排気することが可能である。チャンバ真空ポンプ3は例えば、油回転式ポンプとターボ分子ポンプとの組み合わせから構成される。なお、真空に排気するということを、チャンバ2の周囲に比べてチャンバ2の圧力が十分低い状態にすることと定義する。
気体送出部4は、気体源41、気体源バルブ44、送出管47、被試験体真空ポンプ48及び被試験体バルブ49を有する。
気体源41は、例えばガスボンベであり、被試験体に導入する「流動体」としてのAr(アルゴン)ガスが充填されている。
気体源バルブ44は、開状態のとき気体源41と被試験体とを連通させ、閉状態のとき気体源41と被試験体とを遮断する。
送出管47は、3つの接続部をもち、それぞれ、被試験体と気体源41と被試験体真空ポンプ48とに接続する。
被試験体真空ポンプ48は被試験体及び送出管47を排気可能であり、例えば、油回転式ポンプとターボ分子ポンプとの組み合わせから構成される。
被試験体バルブ49は、開状態のとき被試験体と被試験体真空ポンプ48とを連通させ、閉状態のとき被試験体と被試験体真空ポンプ48とを遮断する。
漏れマスタ5は漏れテストバルブ51を有する。
漏れテストバルブ51は、開状態のときチャンバ2と漏れマスタ5とを連通させ、閉状態のときチャンバ2と漏れマスタ5とを遮断する。
漏れマスタ5は、チャンバ2との差圧が一定になるように制御されたArガス又は気液混合体を孔径が既知のピンホールから放出可能である。したがって、一定の差圧のArガス又は気液混合体が一定の大きさのピンホールから漏れている場合のチャンバ2内の圧力についての基準データを作成することが可能である。
発光取得部6は検出器60、光ファイバ61、石英管62、誘導コイル63、インピーダンス整合器64、高周波電源65、発光部真空ポンプ66、圧力取得部67、相関曲線取得部68、平衡圧力取得部69及び漏れ量取得部70を有する。
検出器60は、例えば、分光器、または、光学バンドパスフィルタと、パワーメータ、または、フォトダイオードとの組み合わせで構成されている。検出器60は、ガスがプラズマにより励起された励起光の波長ごとの強度データを電圧データに変換する。
光ファイバ61は、石英管62内部で発光した漏出ガスの励起光を検出器60に送ることが可能である。
石英管62は、一方の端がチャンバ2と連通し、他方の端が後述する発光部真空ポンプ66と連通する。被試験体から漏れたガスはチャンバ2に拡散し石英管62に到達する。
誘導コイル63は、石英管62を外部から巻回しており高周波電力を加えることで石英管62内部のガスを誘導結合プラズマ化して発光させる。
インピーダンス整合器64は、誘導コイル63に高周波電力を加える際にインピーダンスのマッチングを行い、安定してプラズマを発生させる。
高周波電源65は、インピーダンス整合器64を通じて誘導コイル63に高周波電力を供給可能である。
発光部真空ポンプ66は、石英管62を真空に排気することが可能である。発光部真空ポンプ66は例えば、油回転式ポンプとターボ分子ポンプとの組み合わせから構成される。発光部真空ポンプ66により、石英管62は常時真空に排気された状態である。
圧力取得部67は、例えば計算機で構成され、検出器60と電気的に接続している。圧力取得部67は、検出器60が取得した電圧データを「検出値」としての圧力データに変換し、チャンバ2内の圧力を取得する。
相関曲線取得部68は、例えば計算機で構成され、圧力取得部67と電気的に接続している。相関曲線取得部68は、時間に対するチャンバ2の圧力変化である相関曲線を取得する。
平衡圧力取得部69は、例えば計算機で構成され、相関曲線取得部68と電気的に接続している。平衡圧力取得部69は、相関曲線のカーブフィッティングを行い、チャンバ2内で気体が平衡状態になったと仮定したときの「予測平衡値」としての予測平衡圧力を取得する。複数の既知の漏れ量のときの平衡圧力と、圧力と時間との相関曲線とはあらかじめ漏れマスタ5等を用いて測定されている。平衡圧力と相関曲線とは平衡圧力取得部69のメモリなどに保存される。
漏れ量取得部70は、予測平衡圧力と既知の漏れ量における平衡圧力とを比較し漏れ量を取得する。
なお、漏れ量の単位はPa・m3/secであり、圧力が1Paのガスが1秒間で何m3漏れるかということを表している。以後、漏れ量について単位は省略する。
漏れ検出装置1を用いて、熱交換器100の漏れ検出を行う方法について説明する。
図2のフローチャートに従って、漏れ検出を行う。
ステップS1の搬入工程について説明する。
熱交換器100は、流入口101あるいは排出口102のどちらかを閉止フランジ等により閉塞した状態でチャンバ2に搬入される。ここでは、排出口102が閉止フランジ107により閉塞されたものとする。搬入された熱交換器100の流入口101に送出管47を接続フランジ108を介して接続する。
ステップS2のチャンバ排気工程について説明する。
その後、ゲートバルブ21を開状態にして、チャンバ2内をチャンバ真空ポンプ3により10Pa程度の真空に排気する。以後、チャンバ2内を真空に排気するというときの真空度は10Pa程度であるものとする。
ステップS3の被試験体排気工程について説明する。
被試験体バルブ49を開状態にして、熱交換器100内部及び送出管47を被試験体真空ポンプ48により排気する。排気後には、被試験体バルブ49を閉状態にする。
ステップS4の流動体導入工程について説明する。
送出バルブ46を開状態にして、気体源41より流れ出るArを流入口101から熱交換器100の内部に流入させる。熱交換器100にピンホール等が存在するならばArが漏れてチャンバ2の中に流出する。ここで、Arはリークチェックに一般的に使用されるHeに比べると、透過性、吸着性及びコストが低いという特徴がある。また、このときの熱交換器100内のArの圧力は例えば400気圧(4×106Pa)程度になるように調整する。
ステップS5の圧力取得工程について説明する。ゲートバルブ21を閉状態にして、テストバルブ22を開くと発光取得部6とチャンバ2とが連通する。熱交換器100にピンホール等が存在し、内部のArが漏れているときArは発光取得部6にまで拡散する。発光取得部6の石英管62内に拡散したArは、誘導コイル63から加えられる高周波により誘導結合プラズマ化となり、発光する。発光スペクトルは光ファイバ61により誘導され検出器60に入力される。入力された発光スペクトルは分光器により波長毎に分光される。波長毎の発光強度はフォトダイオードにより波長毎の電圧データに変換され記録される。
圧力取得部67は、Ar特有の輝線の波長に対応した電圧データをArの圧力データに変換する。
ステップS6の相関曲線取得工程について説明する。
相関曲線取得部68は、複数の時間で測定された圧力データから、圧力と時間との相関曲線を取得する。
ステップS7の平衡圧力取得工程について説明する。
図3に基づいて、計測を開始してからのチャンバ2内のArガス圧力の時間経過について説明する。図3(a)において、t=0で熱交換器100にAr漏れが発生したとする。このとき、発光部真空ポンプ66にてチャンバ2が排気されているため、Arは排気されてしまう。そのため、排気されるArと漏れるArとがつりあい、チャンバ2内のAr圧力が一定値になり平衡するまで時間がかかる。平衡となった圧力を100%としたときAr圧力と時間との相関曲線を表す時定数τは式(1)で表される。
τ=V/S・・・(1)
V:チャンバ容積、 S:チャンバ真空ポンプ排気速度
排気速度Sはガス種によって変わる。一般的にターボ分子ポンプやクライオポンプを使用したとき、Arガスの排気速度はHeガスの排気速度よりも大きい。
図3(a)において、漏れ出るArガスが真空排気量と平衡したときの圧力を平衡圧力とする。時定数τは、平衡圧力での圧力を100%としたとき、圧力が平衡圧力の67%になるまでの時間としても表される。ここで、チャンバ2内のArガスが真空排気量と平衡するまでにはおよそ10τの時間を要する。式(1)より、排気速度Sが大きく、チャンバ容積Vが小さい場合は時定数τも小さくなるため、Arガスが平衡するまでの時間を短くできる。しかし、本実施形態において、熱交換器100の体格は大きいためそれを導入するチャンバ2も大きくなければならない。また、発光部真空ポンプ66の排気速度もあまり大きくすることはできない。本実施形態の例では、チャンバの容積は100L、排気速度は60L/minである。したがって時定数τは100秒となる。そのため、チャンバ2内でArガスが平衡し、熱交換器100からの正確な漏れ量を計測するにはおよそ1000秒を要する。
複数の既知の漏れ出るガス量と真空排気量とが平衡するまでの圧力と時間との相関曲線は、漏れマスタ5を用いてあらかじめ取得される。図3(b)に基づいて説明する。漏れ量をX1、X2、X3としたときの圧力と時間との相関曲線と、平衡に達したときの平衡圧力X1p、X2p、X3pとは、平衡圧力取得部69の内部のメモリ等にあらかじめ保存される。
本実施形態においては、Arガスの圧力をtyまでしか測定せず、相関曲線は実線で示す時刻tyまでしか得られないとする。平衡圧力取得部69は、点線で示す相関曲線Y1を時刻tyまでの相関曲線からカーブフィッティング等で演算して求める。平衡圧力取得部69は、漏れ出るArガス量と真空排気量とが平衡に達したと仮定したときの圧力である「予測平衡値」としての予測平衡圧力Ypを相関曲線Y1から求める。予測平衡圧力Ypは、漸近的に増加する相関曲線Y1の値が、ほぼ一定値になったときの値である。
ステップS8の漏れ量取得工程について説明する。
漏れ量取得部70は、予測平衡圧力Ypと平衡圧力X1p、X2p、X3pとの比較とから、熱交換器100の漏れ量Yを求める。例えば、図3(b)より、予測平衡圧力Ypが平衡圧力X1pとX2pとの間にあることから、漏れ量Yは漏れ量X1と漏れ量X2との間の値であると求まる。
ステップS9の取り出し工程について説明する。
テストバルブ22を閉状態にし、発光取得部6とチャンバ2とを分離する。送出バルブ46を停止して気体源41からの熱交換器100へのArガス導入を停止する。図示しないリーク弁等から大気を導入しチャンバ2内を大気圧にする。送出管47と熱交換器100の流入口101との接続を取り外し、チャンバ2内から熱交換器100を取り出す。
本実施形態の漏れ検出装置1を用いて熱交換器100の漏れ量を測定することの効果について説明する。
(a)熱交換器100のような大体格製品ではチャンバ2の容積Vを小さくしにくい。ゆえに時定数τも小さくならないため、チャンバ2内のAr圧力が安定するまでに長時間を有する。本実施形態によれば、チャンバ2内のArガスの圧力が一定になるまで待たなくても、あらかじめ取得した相関曲線と比較し計算することにより短時間で熱交換器の漏れ量を測定できる。
(b)Arガスを使用しているので排気速度Sを大きくでき、Ar圧力の安定に要する時間を短くできる。Arガスは分子が大きくOリングや密閉部を透過しにくいため測定の精度が安定する上、Oリング等の内部に残ることもないので定期的にOリングを交換する必要がない。Arガスは吸着しにくいため、測定を繰り返してもバックグラウンドの誤差が蓄積することもなく測定精度が高い。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態に係る漏れ検出装置10について図4に基づいて説明する。
本実施形態で漏れ検出を行う被試験体は、コモンレール200である。コモンレール200は、その外部に製造過程での油や洗浄液が付着している。また、油や洗浄液などが「残留液」としての液体溜210となりコモンレール200の内部空間201内に残留している。コモンレール200は高圧の燃料をインジェクタ等に分配するために用いられる。コモンレール200は、内部空間201、「開口部」としての噴射口202、203、204、205、「開口部」としての圧力センサ取り付け口206、及び供給口207を有する。内部空間201は、燃料の蓄圧室として用いられる。噴射口202、203、204、205は、燃料を噴射するのに用いる。圧力センサ取り付け口206はコモンレール内の圧力を計測する圧力センサを取り付けるのに用いられる。
漏れ検出装置10は、第一実施形態の気体送出部4に代えて、気液混合体送出部40を備える。
気液混合体送出部40は、高圧液体源42、混合槽43、高圧液体源バルブ45、及び送出バルブ46を有する。
高圧液体源42は、コモンレール200に導入する高圧液体が充填されている。例えば、ガソリン等の液体が充填されたボンベと、圧力を印加可能な圧力ポンプとの組み合わせからなる。
混合槽43は、その内部で気体と高圧液体とを混合し、「流動体」としての気液混合体を作成することが可能である。
高圧液体源バルブ45は、開状態のとき高圧液体源42と混合槽43とを連通させ、閉状態のとき高圧液体源42と混合槽43とを遮断する。
送出バルブ46は、開状態のとき混合槽43とコモンレール200とを連通し、閉状態のとき混合槽43とコモンレール200とを遮断する。
被試験体真空ポンプ48はコモンレール200及び送出管47を排気可能であり、例えば、油回転式ポンプとターボ分子ポンプとの組み合わせから構成される。
高圧液体源バルブ45を開放して高圧液体を混合槽43に満たした後、気体源バルブ44を開放し高圧液体に気体を満たすなどして気液混合体を作成する。
漏れ検出装置10は、駆動信号発生部7及び駆動部71、72、73、74、75を備える。
駆動部71、72、73、74は、噴射口202、203、204、205に接続され、駆動信号発生部7が送信する信号にしたがって噴射口202、203、204、205を開閉可能である。
駆動部75は、圧力センサ取り付け口206に接続され、駆動信号発生部7が送信する信号にしたがって、圧力センサ取り付け口206を開閉可能である。
駆動部71、72、73、74、75は、真空にしたチャンバ2の内部で動作する必要があるため、例えば、ソレノイドバルブ等が用いられる。供給口207には送出管47が接続フランジ208を介して接続される。気液混合体は、供給口207から導入される。
供給口207から各噴射口202、203、204、205、及び圧力センサ取り付け口206までの間にピンホールなどがあると燃料漏れに繋がるので漏れ検出を行う必要がある。
漏れ検出装置10を用いて、コモンレール200の漏れ計測を行う方法について図5のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS11の搬入工程について説明する。
チャンバ2の内部にコモンレール200を導入し、駆動部71、72、73、74、75を噴射口202、203、204、205、及び圧力センサ取り付け口206に接続する。また、供給口207には接続フランジ208を介して送出管47を接続する。
ステップS12のチャンバ排気工程について説明する。
第一実施形態におけるステップS2のチャンバ排気工程と同様であり、説明を省略する。
ステップS13の被試験体排気工程について説明する。
被試験体バルブ49を開状態にして、コモンレール200の内部空間201及び送出管47を被試験体真空ポンプ48により排気する。排気後には、被試験体バルブ49を閉状態にする。このとき、液体溜210からも少量揮発するが完全に揮発することはできず、液体溜210は残留し続ける。
ステップS14の気液混合工程について説明する。
高圧液体源バルブ45と気体源バルブ44を開状態にして、高圧液体と気体とを混合槽43で混合させる。これにより、高圧液体に気体が溶け込む。本実施形態においては、液体はガソリンで気体はArである。これによりガソリンにArが溶け込んだ気液混合体220が形成される(図6参照)。気液混合体の圧力は、比較的低圧の例えば20MPaから高圧の例えば300Mpaまで選択可能である。本実施形態においては、気液混合体220の圧力は100MPaとする。
ステップS15の流動体導入工程について説明する。
送出バルブ46が開状態になると、気液混合体220は、供給口207からコモンレール200の内部空間201に入っていく。これにより気液混合体220と液体溜210とが接触するが、コモンレール200の内部空間201は細管であるため短時間では混合しない。この状態を図6に示す。例えば、コモンレール200の噴射口202、203、204、205などの先端部には液体溜210が残留している。液体溜210が、気液混合体220と完全に混じり合うには時間を要する。
ステップS16の追い出し工程について説明する。
駆動信号発生部7により、駆動部71、72、73、74、75が各噴射口202、203、204、205、及び圧力センサ取り付け口206を開状態にする。液体溜210は気液混合体220に押し出され各噴射口202、203、204、205、及び圧力センサ取り付け口206からチャンバ2に排出される。液体溜210を排出した後、駆動信号発生部7により、駆動部71、72、73、74、75が各噴射口202、203、204、205、及び圧力センサ取り付け口206を閉状態にする。液体溜210が排出されるとき、少量の気液混合体220がチャンバ2の中に排出される。そのためArがチャンバ2内に少量拡散するが、排出される気液混合体220は少量であり、放出されるArの量は少ないため、短時間でチャンバ2の内部からチャンバ真空ポンプ3により排出される。コモンレール200の内部空間201が全て気液混合体220に満たされている状態を図7に示す。
ステップS17の圧力取得工程について説明する。
ゲートバルブ21を閉状態にしてテストバルブ22を開くと発光取得部6とチャンバ2とが連通する。コモンレール200にピンホール等が存在した場合、内部の気液混合体220が漏れる。漏れた気液混合体220に含まれるArが拡散する。拡散したArは発光取得部6に到達する。発光取得部6の石英管62内に拡散したArは、誘導コイル63から加えられる高周波により誘導結合プラズマとなり、発光する。発光スペクトルは光ファイバ61により誘導され検出器60に入力される。入力された発光スペクトルは分光器により波長毎に分光される。波長毎の発光強度はフォトダイオードにより波長毎の電圧データに変換され記録される。
圧力取得部67は、Ar特有の輝線の波長に対応した電圧データをArの圧力データに変換する。
ステップS18の相関曲線取得工程は、第一実施形態におけるステップS6の相関曲線取得工程と同様であり説明を省略する。
ステップS19の平衡圧力取得工程については、第一実施形態におけるステップS7の平衡圧力取得工程と同様であり説明を省略する。
ステップS20の漏れ量取得工程については、第一実施形態におけるステップS8の漏れ量取得工程と同様であり説明を省略する。
ステップS21の取り出し工程について説明する。テストバルブ22を閉状態にし、発光取得部6とチャンバ2とを分離する。送出バルブ46を閉状態にして混合槽43からのコモンレール200への気液混合体220の導入を停止する。図示しないリーク弁等から大気を導入しチャンバ2内を大気圧にする。チャンバ2を開放し、送出管47及び駆動部71、72、73、74、75とコモンレール200との接続を取りはずし、コモンレール200をチャンバ2から取り出す。
本実施形態の漏れ検出装置10を用いコモンレール200の漏れ量を測定することの効果について説明する。本実施形態の漏れ検出装置10を用いると、第一実施形態の効果に加えて以下の効果が得られる。
(c)比較例として、図6に示すように、コモンレール200の噴射口202、203、204、205などの先端部に液体溜210が残留している状態で液体溜210と同じ成分を含む油等を導入して漏れ検出を行った場合について説明する。この場合、仮に噴射口付近にピンホール等があったとしても漏れ出すのは液体溜210由来の成分である。そのため、コモンレール200の外部についた油や洗浄液と同じであり、揮発した油や揮発した洗浄液由来の成分を発光取得部6で検出したとしても、コモンレール200から漏れたものか、あるいは外部に付着していたものなのかを判別することは不可能である。
一方、本実施形態の漏れ検出装置10とそれを使用した漏れ検出方法では、液体溜210を追い出すために、気液混合体220から発生したArを確実に検出できる。コモンレール200の外部についた油や洗浄液にはArが含まれていない。したがって、Arガスを検出した場合、そのArはコモンレール200の外部に付着した油や洗浄液に由来するものではなく、コモンレール200から漏れたものであると区別をつけることができる。
(d)Arガス圧力と時間経過について図8に基づいて説明する。駆動部71、72、73、74、75を有さない場合、液体溜210を追い出すことはできない。そのため、液体溜210が気液混合体220と混じりあうか、液体溜210がピンホール等から漏れ出て揮発しきるまで、Arガスは検出されない。そのため、図8(a)に示すように、待ち時間t1が発生する。待ち時間t1は、液体溜210の量により変動する値であって制御できないため、待ち時間t1の値は測定ごとに異なり短時間測定は困難であった。さらに言えば、十分な時間が経過し漏れがないと判断した場合でも、実際は液体溜210の近くのピンホールから漏れているが、外部についた油や洗浄液と判断がつかないため漏れがないと誤判断してしまうこともある。
一方、本実施形態の漏れ検出装置10とそれを使用した漏れ検出方法では、液体溜210を追い出すことができる。そのため、図8(b)に示すように液体溜210と気液混合体220とが混合する、あるいは液体溜210がすべて漏れ出るまでの待ち時間t1を要することなく、短時間で測定できる。
(e)比較例として、気液混合体220を用いず、気体Arのみを用いた場合について説明する。コモンレール200は実際に自動車などに使用される場合、数十から数百Mpaの圧力が印加される。そのため、より検査の信頼性を上げようと試みるならば、気体Arに数十から数百Mpaの圧力を加える必要がある。なぜならば、高圧印加により製品が変形して発生する漏れや、高圧によってピンホールが拡大するなどの影響は実際に高圧を印加しなければ分からないからである。しかし、高圧ガス保安法により、5Mpa以上の圧力を印加するには、高圧ガス保安法第5条第2項に記載の届け出等をしなければならず、安全上のコストが高い。
一方、本実施形態の漏れ検出装置10とそれを使用した漏れ検出方法では、気液混合体220を使用する。液体については安全上の制限がなく高圧を印加できるため、実使用圧による漏れ検出ができる。そのため、実使用圧で検出が可能であり、漏れ検査の信頼性があがる。また、高圧の液体ほどArはよく溶け、わずかな漏れであってもArを多量に発生させることができるため、比較的安価な装置であってもArを検出することができる。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態に係る漏れ検出装置20について図9に基づいて説明する。
本実施形態で漏れ検出を行う被試験体は、高圧ポンプ300である。高圧ポンプ300は燃料を加圧して、高圧にするのに用いられる。高圧ポンプ300は、その外部に製造過程での油や洗浄液が付着している。また、油や洗浄液などが「残留液」としての液体溜310となり高圧ポンプ300の内部に残留している。
高圧ポンプ300は、加圧室301、燃料入り口302及び燃料吐出口303を有する。燃料入り口302から入った燃料は、加圧室301にてプランジャ304により高圧にされた後、燃料吐出口303から吐出される。加圧室301に吸入された燃料の一部は、プランジャ304の外周面と、シリンダ305の内壁面との隙間を流れることがある。プランジャ304の外周面と、シリンダ305の内壁面との隙間を流れてきたオーバーフロー燃料が内燃機関側にリークするのを抑制するために、シリンダ305にはオーバーフロー燃料を「開口部」としてのOF燃料出口306に導く回収通路307が形成されている。燃料入り口302、加圧室301,燃料吐出口303及びOF燃料出口306とはそれぞれ連通している。燃料入り口302及び燃料吐出口303には接続フランジ309を介して送出管47が接続可能である。液体溜310が、高圧ポンプ300のOF燃料出口306近傍やプランジャ304の下部近傍に残留している。
漏れ検出装置20は、駆動部76を備える。
駆動部76は、OF燃料出口306に接続され、駆動信号発生部7が送信する信号にしたがって、OF燃料出口306を開閉可能である。駆動部76は、真空にしたチャンバ2の内部で動作する必要があるため、例えば、ソレノイドバルブ等が用いられる。
燃料入り口302、燃料吐出口303及びOF燃料出口306までの間にピンホール等があると燃料漏れに繋がるので漏れ検出を行う必要がある。
漏れ検出装置20を用いて、高圧ポンプ300の漏れ計測を行う方法について図5のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS11の搬入工程について説明する。
チャンバ2の内部に高圧ポンプ300を導入し、駆動部76をOF燃料出口306に接続する。また、燃料入り口302及び燃料吐出口303に接続フランジ309を介して送出管47を接続する。
ステップS12のチャンバ排気工程について説明する。
第一実施形態におけるステップS2のチャンバ排気工程と同様であり、説明を省略する。
ステップS13の被試験体排気工程について説明する。
被試験体バルブ49を開状態にして、高圧ポンプ300の内部及び送出管47を被試験体真空ポンプ48により排気する。排気後には、被試験体バルブ49を閉状態にする。このとき、液体溜310からも少量揮発するが完全に揮発することはできず、液体溜310は残留し続ける。
ステップS14の気液混合工程について説明する。
高圧液体源バルブ45と気体源バルブ44を開状態にして、高圧液体と気体とを混合槽43で混合させる。これにより、高圧液体に気体が溶け込む。本実施形態においては、液体はガソリンで気体はArである。これによりガソリンにArが溶け込んだ「流動体」としての気液混合体320が形成される(図10参照)。気液混合体の圧力は、比較的低圧の例えば20MPaから高圧の例えば300Mpaまで選択可能である。本実施形態においては、気液混合体320の圧力は100MPaとする。
ステップS15の流動体導入工程について説明する。
送出バルブ46が開状態になると、気液混合体320が燃料入り口302及び燃料吐出口303から高圧ポンプ300の内部に入っていく。これにより気液混合体320と液体溜310とが接触するが、高圧ポンプ300の内部は細管であるため短時間では混合しない。この状態を図10に示す。例えば、高圧ポンプ300のOF燃料出口306近傍やプランジャ304の下部近傍に残留している液体溜310が、気液混合体320と完全に混じり合うには時間を要する。
ステップS16の追い出し工程について説明する。
駆動信号発生部7により、駆動部76がOF燃料出口306を開状態にする。液体溜310は気液混合体320に押し出されOF燃料出口306からチャンバ2に排出される。液体溜310を排出した後、駆動信号発生部7により、駆動部76がOF燃料出口306を閉状態にする。液体溜310が排出されるとき、少量の気液混合体320がチャンバ2の中に排出される。そのためArがチャンバ2内に少量拡散するが、排出される気液混合体320は少量であり、放出されるArの量は少ないため、短時間でチャンバ2の内部からチャンバ真空ポンプ3により排出される。高圧ポンプ300の内部空間が全て気液混合体320に満たされている状態を図11に示す。
ステップS17の圧力取得工程について説明する。
ゲートバルブ21を閉状態にしてテストバルブ22を開くと発光取得部6とチャンバ2とが連通する。高圧ポンプ300にピンホール等が存在した場合、内部の気液混合体320が漏れる。漏れた気液混合体320に含まれるArが拡散する。拡散したArは発光取得部6にまで到達する。発光取得部6の石英管62内に拡散したArは、誘導コイル63から加えられる高周波により誘導結合プラズマとなり発光する。発光スペクトルは光ファイバ61により誘導され検出器60に入力される。入力された発光スペクトルは分光器により波長毎に分光される。波長毎の発光強度はフォトダイオードにより波長毎の電圧データに変換され記録される。
圧力取得部67は、Ar特有の輝線の波長に対応した電圧データをArの圧力データに変換する。
ステップS18の相関曲線取得工程は、第一実施形態におけるステップS6の相関曲線取得工程と同様であり説明を省略する。
ステップS19の平衡圧力取得工程については、第一実施形態におけるステップS7の平衡圧力取得工程と同様であり説明を省略する。
ステップS20の漏れ量取得工程については、第一実施形態におけるステップS8の漏れ量取得工程と同様であり説明を省略する。
ステップS21の取り出し工程について説明する。テストバルブ22を閉状態にし、発光取得部6とチャンバ2とを分離する。送出バルブ46を閉状態にして混合槽43からの高圧ポンプ300への気液混合体320の導入を停止する。図示しないリーク弁等から大気を導入しチャンバ2内を大気圧にする。チャンバ2を開放し、送出管47及び駆動部76と高圧ポンプ300との接続を取りはずし、高圧ポンプ300をチャンバ2から取り出す。
本実施形態の漏れ検出装置20と漏れ検出方法とを用いると、第二実施形態と同様の効果が得られる。
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態に係る漏れ検出装置30について図12に基づいて説明する。
本実施形態で漏れ検出を行う被試験体は、インジェクタ400である。インジェクタ400は、その外部に製造過程での油や洗浄液が付着している。また、油や洗浄液などが「残留液」としての液体溜410となりインジェクタ400の内に残留している。インジェクタ400はガソリンエンジンなどにおいて、液体の燃料を吸入空気に噴射するために使用される。
インジェクタ400は、燃料噴出孔401、燃料入り口402及び「駆動部」としての弁部材404等を有する。燃料入り口402から入った燃料は、「開口部」としての燃料噴出孔401から噴出される。燃料入り口402には接続フランジ403を介して送出管47が接続可能である。燃料噴出孔401は、弁部材404により開閉が可能である。ソレノイド405は、駆動信号発生部7と接続しており、駆動信号発生部7からの信号に応じて弁部材404の開閉動作を行う。弁部材404の下部近傍に液体溜410が残留している。
図12では、インジェクタ400は閉状態であり、弁部材404が燃料噴出孔401を閉塞している。燃料噴出孔401と弁部材404との間に漏れがあると燃料漏れに繋がる。本実施形態においては、燃料噴出孔401と弁部材404との間の閉塞具合であるいわゆる弁密を検出する。
漏れ検出装置30を用いて、インジェクタ400の漏れ計測を行う方法について図5のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS11の搬入工程について説明する。
チャンバ2の内部にインジェクタ400を導入する。駆動信号発生部7からの信号線をインジェクタ400に接続し、ソレノイド405を動作可能にする。燃料入り口402に接続フランジ403を介して送出管47を接続する。
ステップS12のチャンバ排気工程について説明する。
第一実施形態におけるステップS2のチャンバ排気工程と同様であり、説明を省略する。
ステップS13の被試験体排気工程について説明する。
被試験体バルブ49を開状態にして、インジェクタ400の内部及び送出管47を被試験体真空ポンプ48により排気する。排気後には、被試験体バルブ49を閉状態にする。このとき、液体溜410からも少量揮発するが完全に揮発することはできず、液体溜310は残留し続ける。
ステップS14の気液混合工程について説明する。
高圧液体源バルブ45と気体源バルブ44を開状態にして、高圧液体と気体とを混合槽43で混合させる。これにより、高圧液体に気体が溶け込む。本実施形態においては、液体はガソリンで気体はArである。これによりガソリンにArが溶け込んだ「流動体」としての気液混合体420が形成される(図13参照)。気液混合体の圧力は、比較的低圧の例えば20MPaから高圧の例えば300Mpaまで選択可能である。本実施形態においては、気液混合体420の圧力は100MPaとする。
ステップS15の流動体導入工程について説明する。
送出バルブ46が開状態になると、気液混合体420が燃料入り口402からインジェクタ400の内部に入っていく。これにより気液混合体420と液体溜410とが接触するが、インジェクタ400の燃料噴出孔401近傍は細管であるため短時間では混合しない。この状態を図13に示す。例えば、インジェクタ400の弁部材404の下部近傍に残留している液体溜410が、気液混合体420と完全に混じり合うには時間を要する。
ステップS16の追い出し工程について説明する。
駆動信号発生部7により、ソレノイド405が弁部材404を駆動させて、燃料噴出孔401を開状態にする。液体溜410は気液混合体420に押し出され燃料噴出孔401からチャンバ2に排出される。液体溜410を排出した後、駆動信号発生部7により、ソレノイド405が弁部材404を駆動させて、燃料噴出孔401を閉状態にする。インジェクタ400の内部空間は全て気液混合体420に満たされている。液体溜410が排出されるとき、少量の気液混合体420がチャンバ2の中に排出される。そのためArがチャンバ2内に少量拡散するが、排出される気液混合体420は少量であり、放出されるArの量は少ないため、短時間でチャンバ2の内部からチャンバ真空ポンプ3により排出される。インジェクタ400の内部空間が全て気液混合体420に満たされている状態を図14に示す。
ステップS17の圧力取得工程について説明する。
ゲートバルブ21を閉状態にしてテストバルブ22を開くと発光取得部6とチャンバ2とが連通する。弁密が悪い場合やピンホール等が存在した場合、内部の気液混合体420が漏れる。漏れた気液混合体420に含まれるArが拡散する。拡散したArは発光取得部6にまで到達する。発光取得部6の石英管62内に拡散したArは、誘導コイル63から加えられる高周波により誘導結合プラズマとなり発光する。発光スペクトルは光ファイバ61により誘導され検出器60に入力される。入力された発光スペクトルは分光器により波長毎に分光される。波長毎の発光強度はフォトダイオードにより波長毎の電圧データに変換され記録される。
圧力取得部67は、Ar特有の輝線の波長に対応した電圧データをArの圧力データに変換する。
ステップS18の相関曲線取得工程は、第一実施形態におけるステップS6の相関曲線取得工程と同様であり説明を省略する。
ステップS19の平衡圧力取得工程については、第一実施形態におけるステップS7の平衡圧力取得工程と同様であり説明を省略する。
ステップS20の漏れ量取得工程については、第一実施形態におけるステップS8の漏れ量取得工程と同様であり説明を省略する。
ステップS21の取り出し工程について説明する。テストバルブ22を閉状態にし、発光取得部6とチャンバ2とを分離する。送出バルブ46を閉状態にして混合槽43からのインジェクタ400への気液混合体420の導入を停止する。図示しないリーク弁等から大気を導入しチャンバ2内を大気圧にする。チャンバ2を開放し、送出管47及び駆動信号発生部7からの信号線とインジェクタ400との接続を取りはずし、インジェクタ400をチャンバ2から取り出す。
本実施形態の漏れ検出装置30と漏れ検出方法とを用いると、第二、第三実施形態と同様の効果が得られる。
(その他の実施形態)
(a)上記実施形態において、流動体に用いる気体はArである。これに代えて、N2やCO2、または他のガスでも上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(b)上記実施形態において、圧力取得部67は、検出器60から取得した電圧データを「検出値」としての圧力データに変換しチャンバ2内の圧力を取得している。これに代えて、以下の構成にしてもよい。圧力取得部67は、電圧を検出器60から取得した後、圧力に変換せず、相関曲線取得部68に電圧を送信する。相関曲線取得部68は、電圧と時間との相関曲線を取得する。平衡圧力取得部69は、相関曲線からチャンバ2内に漏れ出る流動体と真空排気とが平衡に達したときの「予測平衡値」としての予測平衡電圧を取得する。漏れ量取得部70は、予測平衡電圧と既知の漏れ量の平衡電圧とから計算により漏れ量を取得する。この場合、圧力取得部67が、検出器60から取得する電圧データが「検出値」となる。このようにしても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(c)上記実施形態において、被試験体は熱交換器100、コモンレール200、高圧ポンプ300、インジェクタ400である。本発明が適用可能な被試験体はこれらに限らない。
(d)第二、第三、第四実施形態において、使用した液体はガソリンである。これに代えて軽油、ドライソル、水、アルコール等でも第二、第三、第四実施形態と同様の効果を得ることができる。
(e)第二、第三、第四実施形態において、予測平衡圧力は相関曲線から取得したが、これに代えて、実際の平衡圧力を取得しても良い。この場合のフローチャートを図15に示す。ステップS11からステップS16までは第二、第三、第四実施形態と同様であり説明を省略する。
ステップS27の平衡圧力取得工程について説明する。
圧力取得部67は、圧力が一定値と見なせるようになるまで、時間に対して圧力を取得し続ける。このとき、一定値とみなした圧力を「平衡検出値」としての平衡圧力とする。
ステップS28の漏れ量取得工程について説明する。
平衡圧力を取得後、漏れ量取得部70は、図3(b)における予測平衡圧力Ypの代わりに平衡圧力を用いて、漏れ量を求める。
このような構成であっても、ステップS16の追い出し工程を含んでいるため、図8(a)における待ち時間t1を削減できる。そのため、漏れ検出にかかる時間を短縮する効果を得ることができる。
1、10、20、30 漏れ検出装置
2 チャンバ
3 チャンバ真空ポンプ(排気部)
4 気体送出部(流動体送出部)、 40 気液混合体送出部(流動体送出部)
5 漏れマスタ
6 発光取得部、
67 圧力取得部、 68 相関曲線取得部
69 平衡圧力取得部、 70 漏れ量取得部
7 駆動信号発生部
71、72、73、74、75、76 駆動部、 404 弁部材(駆動部)
100 熱交換器 200 コモンレール 300 高圧ポンプ 400 インジェクタ
210、310、410 液体溜(残留液)
220、320、420 気液混合体(流動体)

Claims (10)

  1. 被試験体(100、200、300、400)の漏れを検出する漏れ検出方法であって、
    真空に排気されているチャンバ(2)に収容された前記被試験体に流動体(220、320、420)を導入する流動体導入工程(S4、S15)と、
    前記被試験体から前記チャンバに漏れ出る前記流動体の量に基づいた検出値を取得する圧力取得工程(S5、S17)と、
    前記検出値と時間との相関曲線を取得する相関曲線取得工程(S6、S18)と、
    前記チャンバに漏れ出る前記流動体の量と真空排気量とが平衡するときの前記検出値を予測平衡値として前記相関曲線から取得する平衡圧力取得工程(S7、S19)と、
    前記予測平衡値に基づいて、前記被試験体から前記チャンバに漏れ出る前記流動体の量を取得する漏れ量取得工程(S8、S20)と、
    を含む漏れ検出方法。
  2. 前記被試験体の内部に残留した残留液(210、310、410)を前記被試験体から排出する追い出し工程(S16)を、
    さらに含む請求項1に記載の漏れ検出方法。
  3. 前記流動体はアルゴンガスである、請求項1または2に記載の漏れ検出方法。
  4. 前記流動体として気体と液体とが混合した気液混合体を用いる、請求項2に記載の漏れ検出方法。
  5. 前記被試験体(100)は熱交換器である、請求項3に記載の漏れ検出方法。
  6. 前記被試験体(200)はコモンレールである、請求項4に記載の漏れ検出方法。
  7. 前記被試験体(300)は高圧ポンプである、請求項4に記載の漏れ検出方法。
  8. 前記被試験体(400)はインジェクタである、請求項4に記載の漏れ検出方法。
  9. 被試験体(100、200、300、400)の漏れを検出する漏れ検出装置(1、10、20、30)であって、
    内部に前記被試験体を収容可能なチャンバ(2)と、
    前記チャンバを真空に排気する排気部(3)と、
    前記被試験体に流動体(220、320、420)を送出する流動体送出部(4、40)と、
    前記被試験体から前記チャンバに漏れ出る前記流動体の量に基づいた検出値を取得可能な圧力取得部(67)と、
    前記検出値と時間との相関曲線を取得可能な相関曲線取得部(68)と、
    前記チャンバに漏れ出る前記流動体の量と真空排気量とが平衡するときの前記流動体の量に基づいた前記検出値を予測平衡値として前記相関曲線から取得可能な平衡圧力取得部(69)と、
    前記予測平衡値に基づいて、前記被試験体から前記チャンバに漏れ出る前記流動体の量を取得可能な漏れ量取得部(70)と、
    を備える漏れ検出装置。
  10. 前記被試験体の開口部を開閉させることが可能な駆動部(71、72、73、74、75、76、404)と、
    前記駆動部に開閉させる信号を送ることが可能な駆動信号発生部(7)と、
    をさらに備える請求項9に記載の漏れ検出装置。
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