JP2018183913A - 窓材 - Google Patents

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【課題】 強固な接着力を有する樹脂製の窓材を提供する。【解決手段】 樹脂製の窓材であって、樹脂板と、上記樹脂板の少なくとも周縁に形成されたセラミック層とからなり、上記セラミック層は、ドロップレットを表面に含むことを特徴とする窓材。【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂製の窓材に関する。
窓材の材料としては、これまでガラス材料が多く用いられてきたが、軽量化の観点から、樹脂材料も検討されている。樹脂材料からなる窓材を嵌め殺し窓の枠(フレーム)へ取り付ける場合、窓材には接着性が要求される。しかしながら、樹脂材料はもともと接着性が悪いため、接着性を改善するための改良が行われてきた。
特許文献1には、窓固定位置への充分な接着強度を有し、且つ良好な耐候性をも有する車両窓用樹脂板として、車内側面と車外側面とを有する樹脂板材と、該樹脂板材の車内側面および車外側面に設けられた保護膜とを備えた車両窓用樹脂板において、上記樹脂板材の車内側面に設けられた保護膜の車内側面の少なくとも一部に接着用樹脂層が形成されてなることを特徴とする車両窓用樹脂板が記載されている。特許文献1では、接着用樹脂層の材料として、アクリルウレタン系樹脂が例示されている。
特開2001−322424号公報
しかしながら、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルなどの透明度の優れた樹脂材料はもともと接着力が弱いため、特許文献1に記載の車両窓用樹脂板においても、より強固な接着力を得るためには、大きな面積が必要となる。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、強固な接着力を有する樹脂製の窓材を提供することを目的とする。
本発明の窓材は、樹脂製の窓材であって、樹脂板と、上記樹脂板の少なくとも周縁に形成されたセラミック層とからなり、上記セラミック層は、ドロップレットを表面に含むことを特徴とする。
ドロップレットとは、イオンプレーティング(Ion Plating:IP)法による成膜法に特有のものであり、成膜時に陰極材料が放出されることによって膜表面に生じる粒状突起物のことである。イオンプレーティング法は、物理蒸着(Physical Vapor Deposition:PVD)法の一種であり、イオンを利用して物体表面に薄膜を合成する手法のことである。イオンプレーティング法を用いるメリットとしては、成膜処理が他の手法に比べて早いことや、イオンの力を併用した蒸着であるので被覆された膜の基板との密着性が高いこと等が挙げられる。
本発明の窓材においては、セラミック層の表面にドロップレットが含まれている。セラミックからなる被膜は、もともと接着力を強固にすることができる上に、ドロップレットによって静止摩擦係数が大きくなり、ドロップレットが接着剤等へのアンカーとなって、接着力をさらに強固にすることができる。したがって、例えば、本発明の窓材を嵌め殺し窓として使用する際には、接着剤を通して枠(フレーム)に強固に接着することができる。
本発明の窓材において、上記セラミック層は、上記樹脂板の周縁に枠状に形成されていることが好ましい。
本発明の窓材を嵌め殺し窓として使用する場合、セラミック層が樹脂板の周囲に枠状に形成されていると、セラミック層の位置が嵌め殺し窓での接着剤の塗布位置に対応しているため、無駄なく効率的に接着力を強固にすることができる。
本発明の窓材は、輸送機器の窓材として使用されることが好ましい。
本発明の窓材を自動車等の輸送機器の窓材として使用する際には、バックミラーの支持具や標章等をセラミック層上に接着剤で貼り付ける場合において、これらを強固に接着することができる。また、セラミック層上にブラックアウト層を形成する場合においても、ブラックアウト層を強固に接着することができる。
本発明の窓材が輸送機器の窓材として使用される場合、上記セラミック層は、上記樹脂板の室内側の周縁に形成されていることが好ましい。
セラミック層が樹脂板の室内側の周縁に形成されている場合、上記樹脂板の上縁中央に形成される上記セラミック層の幅が、上記樹脂板の上縁中央以外の周縁に形成される上記セラミック層の幅より大きいことが好ましい。
樹脂板の室内側の上縁中央の幅が広くようにセラミック層が形成されていると、例えば自動車のフロントガラスに用いる際に、バックミラーの支持具や標章等の貼り付け部の接着力を強固にすることができる。そのため、フロントガラス用として好適に使用することができる。
本発明の窓材が輸送機器の窓材として使用される場合、上記セラミック層は、上記樹脂板の室内側の全面に形成されていてもよい。
本発明の窓材が輸送機器の窓材として使用される場合、上記窓材は、標章の貼り付け部を有し、上記セラミック層は、上記標章の貼り付け部に形成されていることが好ましい。
標章の貼り付け部は、室内側に限らず室外側にあってもよく、室内側及び室外側のいずれであっても、標章の貼り付け部にセラミック層を形成することによって標章をはがれにくくすることができる。また、標章の貼り付け部が室内側にある場合には、室外からも標章を確認することができるように、標章の貼り付け部は透明となっていることが好ましい。
本発明の窓材が輸送機器の窓材として使用される場合、本発明の窓材は、さらに、上記セラミック層上に形成されたブラックアウト層を有することが好ましい。
上述のとおり、セラミック層は表面にドロップレットを含むため、ブラックアウト層を強固に接着することができる。ブラックアウト層としては、例えば黒色顔料を含んだ接着剤などを利用することができる。
本発明の窓材において、上記セラミック層は、SiOxからなることが好ましい。
SiOxからなるセラミック層は、無色透明であるので、視認性及び意匠性に影響を与えることなく接着力を強固にすることができる。また、標章を貼らない場合であっても、視野の妨げとなることがない。
本発明の窓材において、上記セラミック層は、SiOからなることがより好ましい。
SiOは化学的に安定な元素比を有するので、安定なセラミック層を得ることができる。
本発明の窓材において、上記セラミック層は、イオンプレーティング法によって形成されたイオンプレーティング膜であることが好ましい。
上述のとおり、イオンプレーティング法によってセラミック層を形成することにより、セラミック層の表面にドロップレットを付着させることができる。
図1は、本発明の窓材の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る輸送機器の窓材を模式的に示す平面図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係る輸送機器の窓材を模式的に示す平面図である。 図4は、本発明の第3実施形態に係る輸送機器の窓材を模式的に示す平面図である。 図5は、本発明の第4実施形態に係る輸送機器の窓材を模式的に示す平面図である。 図6(a)は、実施例1のサンプル表面のSEM写真であり、図6(b)は、比較例2のサンプル表面のSEM写真である。 図7(a)は、実施例1のサンプル表面のAFM写真であり、図7(b)は、比較例1のサンプル表面のAFM写真であり、図7(c)は、比較例2のサンプル表面のAFM写真である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明の窓材について説明する。
本発明の窓材は、樹脂製の窓材であって、樹脂板と、上記樹脂板の少なくとも周縁に形成されたセラミック層とからなり、上記セラミック層は、ドロップレットを表面に含むことを特徴とする。
上述のとおり、上記セラミック層は、イオンプレーティング法によって形成されたイオンプレーティング膜であることが好ましい。
イオンプレーティング法では、固体陰極からの蒸発物質によってプラズマを形成するため、放電の発生及び維持のためにガスを導入する必要のないことが特徴である。そのため、不純物の混入がないというメリットがある。しかしながら、一般にイオンプレーティング法では、細かな陰極材料(ドロップレット)が陰極から飛散することがデメリットとなっている。ドロップレットの問題を解決するために、一般には、基材を陰極材料が直接見えない位置に配置し、陰極材料から生成するプラズマを、磁場を用いて湾曲又は屈曲させながら基材まで導く等の方法によりドロップレットが除去されている。これに対し、本発明では、ドロップレットを除去することなく、基材である樹脂板にドロップレットを積極的に付着させることにより、接着剤との接合強度を高くすることができる。すなわち、本発明では、陰極で発生したドロップレットが、直線的に基材に導かれ、基材の表面に付着している。
図1は、本発明の窓材の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す窓材1は、樹脂板10と、樹脂板10を覆うセラミック層20とからなる。樹脂板10は、基材11と、基材11を覆うハードコート層13とからなり、セラミック層20は、ハードコート層13上に設けられている。樹脂板10は、さらに、基材11とハードコート層13との間に、プライマー層12を有する。
セラミック層20は、ドロップレット30を表面に含む。図1では、ドロップレット30を円形で示しているが、ドロップレット30の形状は特に限定されない。また、ドロップレット30の一部又は全部が、セラミック層20内に入り込んでいてもよい。
本発明の窓材において、セラミック層の表面に含まれるドロップレットは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いたセラミック層の表面観察によって確認することができる。また、セラミック層の表面の静止摩擦係数が他の方法で得られたセラミック層の1.5倍以上の値であることによっても、セラミック層の表面にドロップレットが含まれていると確認することができる。
なお、セラミック層の表面の静止摩擦係数は、セラミック層の上に測定具を載せ、測定具が滑り始める傾斜角の正接(tan)の値から算出する。
本発明の窓材において、セラミック層は、樹脂板の少なくとも周縁に形成されている。樹脂板の周縁とは、樹脂板の主面において、縁部を含む所定幅の範囲をいう。セラミック層は、樹脂板の主面に加えて、樹脂板の側面に形成されていてもよい。セラミック層の幅は特に限定されないが、例えば10〜50mmである。
本発明の窓材において、セラミック層は、樹脂板の周縁に枠状に形成されていることが好ましい。この場合、セラミック層の幅は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。また、セラミック層は、連続的に枠状に形成されていてもよいし、不連続に枠状に形成されていてもよい。
本発明の窓材において、セラミック層は、樹脂板の主面全体に形成されていてもよい。
本発明の窓材において、セラミック層は、樹脂板の1つの主面に形成されていてもよいし、樹脂板の複数の主面に形成されていてもよい。セラミック層が樹脂板の複数の主面に形成されている場合、それぞれの主面に形成されるセラミック層の範囲は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の窓材は、輸送機器の窓材として使用されることが好ましい。輸送機器の窓材としては、フロントガラス、リアガラス、サイドガラス、ルーフ等が挙げられる。なお、輸送機器としては、自動車、列車、航空機、船舶、二輪車、自転車等が挙げられる。二輪車、自転車など、居住空間がない輸送機器においては、シートがある側を室内側、その反対側を室外側とする。
以下、本発明の窓材の一実施形態として、輸送機器である自動車用の窓材を例にとって説明する。
以下に示す各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能である。第2実施形態以降では、第1実施形態と共通の事項についての記述は省略し、異なる点についてのみ説明する。
また、各実施形態を特に区別しない場合、単に「本発明の窓材」という。
図2は、本発明の第1実施形態に係る輸送機器の窓材を模式的に示す平面図である。
図2に示す窓材100は、三角窓に適用した自動車用の窓材である。図2に示す窓材100では、三角形の樹脂板10の室内側の周縁に、セラミック層20が形成されている。図1と同様、セラミック層20は、図示しないドロップレットを表面に含む。セラミック層20の幅は、例えば10〜50mmである。
図2に示す窓材100では、例えば、樹脂板10の面のうち、セラミック層20を形成しない面をマスキングし、イオンプレーティング法によってセラミック層20を形成した後、マスキングを剥がすことにより、樹脂板10の周縁にのみセラミック層20を形成することができる。以下の窓材においても同様である。
図3は、本発明の第2実施形態に係る輸送機器の窓材を模式的に示す平面図である。
図3に示す窓材110は、自動車のフロントガラス用の窓材である。図3に示す窓材110では、略四角形の樹脂板10の室内側の周縁に、セラミック層20が形成されている。図1と同様、セラミック層20は、図示しないドロップレットを表面に含む。
図3に示す窓材110では、樹脂板10の上縁中央に形成されるセラミック層20の幅が、樹脂板10の上縁中央以外の周縁に形成されるセラミック層20の幅よりも大きくなっている。樹脂板10の上縁中央に形成されるセラミック層20上には、バックミラーの支持具や標章等を接着することができる。樹脂板10の上縁中央以外の周縁に形成されるセラミック層20の幅は、例えば10〜50mmである。
図4は、本発明の第3実施形態に係る輸送機器の窓材を模式的に示す平面図である。
図4に示す窓材120は、樹脂板10の周縁に形成されたセラミック層20上にブラックアウト層40が形成されていることを除いて、図3に示す窓材110と同じ構成を有している。図4に示す窓材120では、樹脂板10の上縁中央に形成されるセラミック層20の一部にブラックアウト層40が形成されていないが、ブラックアウト層40が形成される範囲は特に限定されない。ブラックアウト層としては、例えば黒色顔料を含んだ接着剤などが利用できる。
ブラックアウト層40は、車両実装の際、接着剤等の実装部材を隠し、見栄えを良くするために用いられている。ブラックアウト層40は、例えば、上述の接着剤などを樹脂板10の一方の主面の周縁に塗布し硬化させることにより形成することができる。
本発明の窓材が自動車等の輸送機器の窓材として使用される場合、セラミック層は、図2〜図4に示すように、樹脂板の室内側の周縁に形成されていることが好ましい。また、図3及び図4に示すように、樹脂板の上縁中央に形成されるセラミック層の幅が、樹脂板の上縁中央以外の周縁に形成されるセラミック層の幅より大きいことが好ましい。
本発明の窓材が自動車等の輸送機器の窓材として使用される場合、セラミック層は、樹脂板の室内側の全面に形成されていてもよい。
図5は、本発明の第4実施形態に係る輸送機器の窓材を模式的に示す平面図である。
図5に示す窓材130は、自動車のフロントガラス用の窓材である。図5に示す窓材130では、略四角形の樹脂板の室内側の全面に、セラミック層20が形成されている。図1と同様、セラミック層20は、図示しないドロップレットを表面に含む。
本発明の窓材が自動車等の輸送機器の窓材として使用される場合、窓材は、標章の貼り付け部を有し、セラミック層は、標章の貼り付け部に形成されていることが好ましい。標章の貼り付け部に貼り付ける標章としては、例えば、車検標章等が挙げられる。なお、標章の貼り付け部は、室内側に限らず室外側にあってもよい。また、標章の貼り付け部が室内側にある場合には、室外からも標章を確認することができるように、標章の貼り付け部は透明となっていることが好ましい。
本発明の窓材において、セラミック層の材質は特に限定されず、例えば、SiOx(好ましくはx=1〜2)、SiO、SiC、SiNx、Al等のセラミックを用いることができる。中でも、セラミック層は、SiOxからなることが好ましく、SiOからなることがより好ましい。
本発明の窓材において、セラミック層の厚さは、10nm以上であることが好ましく、1000nm以下であることが好ましい。セラミック層の厚さが上記範囲であると、充分な量のドロップレットを得ることができる上にドロップレットが脱落しにくいので、静止摩擦係数が高く、付着力の強いセラミック層を得ることができる。
本発明の窓材において、樹脂板の形状は、特に限定されるものではなく、平板、曲板、半円筒、円筒状の他、その断面の外縁の形状は、楕円形、多角形等の任意の形状であってもよい。
例えば、本発明の窓材を自動車等の輸送機器の窓材として使用する場合、樹脂板は、曲面状に湾曲していることが好ましい。
本発明の窓材において、樹脂板の厚さは、1〜10mmであることが好ましい。
樹脂板の厚さが上記範囲であると、例えば自動車等の輸送機器の窓材として使用する場合の機械的強度を確保することができ、さらに、樹脂板の全体に歪み等が発生しにくくなる。
本発明の窓材において、樹脂板は、基材と、上記基材を覆うハードコート層とからなり、セラミック層は、ハードコート層上に設けられていることが好ましい。
樹脂板には、セラミック層が接している。このため、樹脂板には、セラミック層との接合性が求められる。セラミック層は樹脂板を構成する樹脂に比べて硬い素材であるので、樹脂からなる基材上にセラミック層を直接形成するのではなく、基材よりも硬く、セラミック層との接合性のよいハードコート層を基材上に形成し、ハードコート層上にセラミック層を形成した方が、セラミック層と樹脂板との界面で発生する応力を緩和することができる。このため、ハードコート層を有する窓材は、セラミック層の耐久性を高めることができる。
本発明の窓材において、樹脂板は、さらに、基材とハードコート層との間に、プライマー層を有することが好ましい。樹脂板が基材とハードコート層との間にプライマー層を有すると、弾性を有する層が形成されるので、層間に生じる歪みをプライマー層が吸収し、層間の界面に発生する応力を緩和することができる。
本発明の窓材において、樹脂板を構成する基材は、樹脂材料からなる。樹脂材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)等が挙げられる。これらの中では、ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートが好ましく、ポリカーボネートがより好ましい。ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートは、強度が高く、また、透明度が高いので、樹脂板の基材として好適に使用することができる。
本発明の窓材において、樹脂板を構成する基材は、無色である必要はなく、有色であってもよい。
本発明の窓材においては、樹脂板とセラミック層との密着性を向上させるため、あるいはすりガラスとするため、サンドブラスト処理や化学薬品等によって樹脂板を構成する基材の表面が粗化されていてもよい。
本発明の窓材において、樹脂板を構成するハードコート層は、例えば、樹脂材料からなる。
ハードコート層を形成する樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、シリカハイブリッドコンポジット、アクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。シリカハイブリッドコンポジットとは、シリカと樹脂の複合材料である。このほかにも、ハードコート層を形成する材料は、シリカゾル等の無機ゾルを硬化した無機コートであってもよい。これらは1種又は2種以上使用することができる。これらの材料を用いてハードコート層を形成することにより、ハードコート層とセラミック層との密着性を向上させることができ、セラミック層により付与される耐摩耗性等をより充分に発揮することができる。
本発明の窓材において、ハードコート層の厚さは特に限定されないが、高い表面硬度を得る観点から、1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。
本発明の窓材において、プライマー層は、樹脂板を構成する基材とハードコート層とを接着させるために設けられる層であり、樹脂材料からなる。
プライマー層を構成する樹脂材料は、樹脂板を構成する基材及びハードコート層に対する接着性が良好であることが重要であり、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂材料では、良好な接着性が得られる。これらは、1種又は2種以上使用することができる。これらの材料は基材およびハードコート層との接着性に優れるため、プライマー層を介して基材及びハードコート層を強固に接着することができる。中でも、プライマー層を形成する材料は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂又はエポキシ樹脂が好ましく、アクリル樹脂がより好ましい。なお、アクリル樹脂は、例えばアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体である。
本発明の窓材において、プライマー層の厚さは特に限定されないが、基材及びハードコート層との接着性の観点から、1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
<サンプルの作製>
[実施例1]
ポリカーボネート製の基材の表面にアクリル系のプライマー層を形成した後、シリコーン樹脂からなるハードコート層を形成することにより、樹脂板を作製した。
得られた樹脂板の表面に、イオンプレーティング法により、SiOからなるセラミック層を形成した。以上により、実施例1のサンプルを得た。
イオンプレーティング法の成膜条件を以下に示す。
(成膜条件)
イオンプレーティング装置内に、陰極(ターゲット)から発生したドロップレットが、直線的に基材に導かれる位置関係に基材を配置した。すなわち、陰極と基材は互いに見える位置関係に配置されている。
装置条件は以下のとおりである。
ターゲット :SiO
雰囲気 :Ar
圧力 :2.5×10−2Pa
プラズマ出力:200W
製膜時間 :720sec
実施例1のサンプルにおいて、セラミック層の厚さは、100nmであった。
レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK−X200)を用い、以下の手順でセラミック層の厚さを計測した。セラミック層を形成する前に、樹脂板の表面に油性マーカーでマーキングし、セラミック層を形成後にアルコールで油性マーカーとともにセラミック層を除去し、セラミック層のある部分とない部分の段差をレーザー顕微鏡の形状測定モードで測定することにより、セラミック層の厚さを得た。
[比較例1]
セラミック層を形成せず、実施例1で作製した樹脂板をそのまま比較例1のサンプルとして使用した。
[比較例2]
実施例1で作製した樹脂板の表面に、プラズマCVD法により、SiOからなるセラミック層を形成した。以上により、比較例2のサンプルを得た。
プラズマCVD法の成膜条件を以下に示す。
(成膜条件)
装置条件は以下のとおりである。
原料ガス :TMS(テトラメチルシラン)+酸素
キャリアガス:Ar
圧力 :10Pa
プラズマ出力:400W
製膜時間 :4449sec
比較例2のサンプルにおいて、セラミック層の厚さは、3500nmであった。
<表面観察>
実施例1、比較例1及び比較例2のサンプルについて、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて表面観察を行った。
図6(a)は、実施例1のサンプル表面のSEM写真であり、図6(b)は、比較例2のサンプル表面のSEM写真である。
図6(a)及び図6(b)では、樹脂板の表面にセラミック層が形成されていることが確認できる。図6(b)では、セラミック層の表面にドロップレットが存在することが確認できないのに対し、図6(a)では、セラミック層の表面にドロップレット30が存在することが確認できる。なお、スケールの1目盛りは、0.1μmである。
<静止摩擦係数>
実施例1、比較例1及び比較例2のサンプルの上に測定具として下面にシリコーンゴムを貼り付けた錘を載せ、測定具が滑り始める傾斜角の正接(tan)の値からシリコーンゴムに対する静止摩擦係数を算出した。実施例1及び比較例2では、セラミック層の上にゴムを載せた。結果を表1に示す。
<粒子サイズ>
実施例1、比較例1及び比較例2のサンプルについて、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて表面観察を行った。
図7(a)は、実施例1のサンプル表面のAFM写真であり、図7(b)は、比較例1のサンプル表面のAFM写真であり、図7(c)は、比較例2のサンプル表面のAFM写真である。
得られたAFM写真から、実施例1、比較例1及び比較例2のサンプルの粒子サイズを測定した。結果を表1に示す。
<テープ剥離試験>
実施例1、比較例1及び比較例2のサンプルの表面に粘着テープ(NICHIBAN社製、品番エルパックLP−24)を貼り付けた後に剥がし、サンプルの表面を観察した。結果を表1に示す。
表1に示すように、ドロップレットは、イオンプレーティング法によってセラミック層を形成した実施例1でのみ存在しており、セラミック層を形成していない比較例1、及び、プラズマCVD法によってセラミック層を形成した比較例2では存在していなかった。実実施例1におけるドロップレットの大きさは、100〜200nm程度の大きさであり、セラミック層を構成する粒子サイズよりも圧倒的に大きなサイズであることからもわかる。
シリコーンゴムに対する静止摩擦係数を比較した場合、イオンプレーティング法によってセラミック層を形成した実施例1の値が突出して高かった。これは、ドロップレットがセラミック層の表面に存在することによって、粒子サイズの大きい突起がセラミック層の表面に形成されていることが大きく影響していると考えられる。
テープ剥離試験では、イオンプレーティング法によってセラミック層を形成した実施例1でのみ、粘着テープの粘着剤がセラミック層に付着した。これは、ドロップレットが粘着剤へのアンカーとなって、接着力が高くなったためと考えられる。
1,100,110,120,130 窓材
10 樹脂板
11 基材
12 プライマー層
13 ハードコート層
20 セラミック層
30 ドロップレット
40 ブラックアウト層

Claims (11)

  1. 樹脂製の窓材であって、
    樹脂板と、前記樹脂板の少なくとも周縁に形成されたセラミック層とからなり、
    前記セラミック層は、ドロップレットを表面に含むことを特徴とする窓材。
  2. 前記セラミック層は、前記樹脂板の周縁に枠状に形成されている請求項1に記載の窓材。
  3. 輸送機器の窓材として使用される請求項1又は2に記載の窓材。
  4. 前記セラミック層は、前記樹脂板の室内側の周縁に形成されている請求項3に記載の窓材。
  5. 前記樹脂板の上縁中央に形成される前記セラミック層の幅が、前記樹脂板の上縁中央以外の周縁に形成される前記セラミック層の幅より大きい請求項4に記載の窓材。
  6. 前記セラミック層は、前記樹脂板の室内側の全面に形成されている請求項3に記載の窓材。
  7. 前記窓材は、標章の貼り付け部を有し、
    前記セラミック層は、前記標章の貼り付け部に形成されている請求項3に記載の窓材。
  8. さらに、前記セラミック層上に形成されたブラックアウト層を有する請求項3〜7のいずれか1項に記載の窓材。
  9. 前記セラミック層は、SiOxからなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の窓材。
  10. 前記セラミック層は、SiOからなる請求項9に記載の窓材。
  11. 前記セラミック層は、イオンプレーティング法によって形成されたイオンプレーティング膜である請求項1〜10のいずれか1項に記載の窓材。
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