JP2018175776A - カバードステント - Google Patents

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亮 岩澤
Akira Iwasawa
亮 岩澤
美枝子 石川
Mieko Ishikawa
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Abstract

【課題】狭窄血管の拡張処置のみならず、同時並行的に動脈瘤等の瘤成長回避処置等が可能なカバードステントを提供する。【解決手段】カバードステント100は、生体吸収性繊維112を用いた編み目状組織の筒体により形成され、筒体の径が拡縮可能なステント本体110と、ステント本体110の筒体の内側表面に、筒体に螺旋状に巻き付けられたカバー材120とを含んで構成されている。このカバー材120は、血管内皮細胞を培養するに好適な素材であって、このカバー材120は、発泡体、不織布、薄膜およびこれらの複合体のいずれかで構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、狭窄や動脈瘤等の血管病変を低侵襲で治療するためのステントに関し、特に、一般のステントの主用途である狭窄血管の拡張処置のみならず、たとえば動脈瘤等の瘤成長回避処置等にも利用することのできるカバードステントに関する。
従来、血管、胆管、食道、気管、尿道、その他の臓器等の生体内の管腔または体腔に生じた狭窄部または閉塞部等の病変部に、中空管状の医療用具であるステントを留置して、病変部を開存状態に維持するステント留置法が行われている。
たとえば、虚血性心疾患を治療する場合に、患者の脚または腕の動脈に小さな切開を施してイントロデューサーシース(導入器)を留置し、イントロデューサーシースの内腔を通じて、ガイドワイヤを先行させながら、ガイドカテーテル(単にカテーテルと記載する場合がある)と呼ばれる長い中空のチューブを血管内に挿入して冠動脈の入口に配置した後ガイドワイヤを抜き取り、予め別の細いガイドワイヤを挿入させたバルーンカテーテルをガイドカテーテルの内腔に挿入し、ガイドワイヤを先行させながらバルーンカテーテルをX線造影下で患者の冠動脈中の病変部(狭窄部または閉塞部)まで進めて、バルーンを病変部内に位置させてバルーンを膨らませる。これにより、病変部の血管内腔は拡張され開存状態を維持し、それにより血管内腔を通る血流は増加する。そして、再狭窄率を低下させるために、バルーンで拡張させた病変部にステントが留置される。
なお、バルーンをステントに内包させて病変部まで搬送し、バルーンをステントともに膨らませて病変部の血管内腔を拡張させて、バルーンを回収して病変部にステントを留置させるようにしても構わない。
このステントの血管への留置は、血管内に挿入されるカテーテルを用いて行われる。このステントは、血管に挿入される際、カテーテルより脱落することなくかつ円滑に挿入し得るように、外周径が小さく縮径された状態でカテーテルに装着されて血管内に挿入され、病変部において外周径が大きく拡径されることにより、拡張された血管内腔の開存状態を維持する。
このような一般的なステントの主用途である狭窄血管の拡張処置のみならず、ステント基材の表面をカバー材で被覆してなるカバードステントが、頭頚部動脈瘤等の開口部の広い動脈瘤の閉塞処置等に利用できることから、近年注目を浴びている。また、カバードステントは、カバー材表面に薬剤を塗布して局所的に送達することにより、新規なDDS(Drug Delivery System:薬剤搬送システム)としても期待されている。
特開2008−194380号公報(特許文献1)は、このようなカバードステントを開示する。この特許文献1に開示されたカバードステントは、拡縮可能な管状のステント基材を、抽出したコラーゲン類からなるカバー材で被覆してなることを特徴とするものである。そして、この特許文献1には以下の記載がある。このカバードステントに用いられるステント基材は、バルーン拡張型ステントおよび自己拡張型ステントのいずれをも利用することができ、長さが5〜80mm程度であり、直径が長さの10〜100%程度の管状であることが好ましい。また、柔軟に拡縮しうるようにメッシュ状であって、特に斜交格子状であり、かつ格子の延在方向が螺旋方向となるものが好ましい。このカバードステントに用いられるカバー材は、抽出したコラーゲン類からなるものであり、抽出したコラーゲン類は、細胞接着・増殖促進性、低抗原性、高生体親和性、生分解性に優れた生体高分子であるので、このカバードステントを血管内に移植した際に、血栓の発生を抑制するとともに、速やかに血管内組織に置き換わり得るものである。
特開2008−194380号公報
たとえば、動脈において血管狭窄するとともに動脈瘤を形成している病変部に対して低侵襲で治療するためには、ステントにより血管狭窄を狭窄回避処置するとともに動脈瘤へ血液が流れないようにして動脈瘤が成長することを回避する瘤成長回避処置とを同時並行的に処置しなければならない場合がある。このような場合に、カバードステントが好適に用いられる。この場合、カバーステントのステント基材およびカバー材には、狭窄回避処置を好適に行うために性能(拡縮性能)が求められることに加えて、瘤成長回避処置を好適に行うための性能(血流遮断性能)が求められる。
しかしながら、
(1)特許文献1に開示されたカバードステントのステント基材は柔軟に拡縮しうるようにメッシュ状等であったとしてもカバー材がそのような柔軟な拡縮性を備えないので(少なくともカバー材の拡縮性はステント基材の拡縮性に劣ることは明らか)、カバードステントを縮径してカテーテルへ収納することが困難で、かつ、カバードステントを拡径して血管内腔の開存状態を維持するという狭窄回避処置を(病変部への搬送を含めて)好適に行うことができない可能性があり、
(2)さらに、特許文献1に開示されたカバードステントのカバー材は、病変部の血管内腔に移植した際に血栓の発生を抑制し血管内組織に速やかに置き換わり得るものであったとしてもカバードステントを血管内腔に移植した直後から血管内組織に速やかに置き換わるものではないので瘤成長回避処置を好適に行うことができない可能性がある。
なお、狭窄回避処置と瘤成長回避処置とを同時並行的に処置するのではなく瘤成長回避処置のみを処置する場合であっても、動脈瘤を形成している病変部までカテーテルに収納してカバードステントを搬送しなければならないことにかわりはない。このため、カバードステントを縮径させてカテーテルに収納するので、瘤成長回避処置が可能なカバードステントに拡縮機能(狭窄回避処置に必要な機能に略同じことになる)が必要となる。その結果、本発明に係るカバードステントは、狭窄回避処置と瘤成長回避処置とを同時並行的に処置する用途に限定されるものはない。
本発明は、従来技術の上記の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、狭窄血管の拡張処置のみならず、たとえば、同時並行的に動脈瘤等の瘤成長回避処置等にも利用することのできるカバードステントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るカバードステントは以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係るカバードステントは、線材を用いた編み目状組織の筒体により形成され、前記筒体の径が拡縮可能なステント本体と、前記ステント本体の筒体の内側表面および外側表面の少なくともいずれかに、前記筒体に螺旋状に巻き付けられたカバー材とを含む。
好ましくは、前記筒体に螺旋状に巻き付けられる前の前記カバー材の平面形状は、長方形であって、前記長方形の形状および螺旋状に巻き付けられる角度は、前記ステント本体の筒体の径が拡縮可能な形状および角度であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記カバー材は、発泡体、不織布、薄膜およびこれらの複合体のいずれかであるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記線材および前記カバー材の少なくともいずれかは、生体吸収性材料からなるように構成することができる。
本発明のカバードステントによれば、たとえば、狭窄血管の拡張処置のみならず、同時並行的に動脈瘤等の瘤成長回避処置等にも利用することができる。
本発明に係るカバードステントの拡径状態の全体図であって、(A)は内面にカバー材を保持したカバードステント100の全体図、(B)は外面にカバー材を保持したカバードステント200の全体図である。 本発明に係るカバードステントの拡径状態の断面図であって、(A)は内面にカバー材を保持したカバードステント100の断面図、(B)は外面にカバー材を保持したカバードステント200の断面図である。 本発明に係るカバードステントの縮径状態の全体図であって、(A)は内面にカバー材を保持したカバードステント100の全体図、(B)は外面にカバー材を保持したカバードステント200の全体図である。 本発明に係るカバードステントの分解図である。 本発明に係るカバードステントがカテーテル300に内包された状態を示す説明図である。 従来のステント500を使用した、動脈瘤を備えた血管狭窄の治療方法を説明するための図である。 本発明に係るカバードステント100、200を使用した、動脈瘤を備えた血管狭窄の治療方法を説明するための図である。
以下、本発明に係るカバードステント100、200について、図面に基づき詳しく説明する。
[構成:全体構成]
本実施の形態に係るカバードステント100は、図1(A)、図2(A)および図3(A)に示すように、線材(より詳しくは生体吸収性繊維112)を用いた編み目状組織の筒体により形成され、筒体の径が拡縮可能なステント本体110と、ステント本体110の筒体の内側表面に、筒体に螺旋状に巻き付けられたカバー材120とを含んで構成されている。または、本実施の形態に係るカバードステント200は、図1(B)、図2(B)および図3(B)に示すように、線材(生体吸収性繊維112)を用いた編み目状組織の筒体により形成され、筒体の径が拡縮可能なステント本体110と、ステント本体110の筒体の外側表面に、筒体に螺旋状に巻き付けられたカバー材120とを含んで構成されている。なお、本発明に係るカバードステントは、ステント本体110の筒体の内側表面および外側表面の少なくともいずれかにカバー材120が螺旋状に巻き付けられたものであればよく、カバードステント100およびカバードステント200に代えて、ステント本体110の筒体の内側表面および外側表面にカバー材120が螺旋状に巻き付けられたものであっても構わない。
そして、このカバー材120はステント本体110の筒体の径が拡縮可能なように螺旋状に巻き付けられており、かつ、このカバー材120自体が螺旋状で形成されているために、ステント本体110とカバー材120とがともにその径を拡縮可能に構成されている。このように構成しているので、ステント本体110とカバー材120とで構成されるカバードステント100としての筒径は、縮径した場合にカテーテルの内径よりも小さく、拡径した場合にカテーテル治療に好適な大きさを備えることができる。たとえば、拡径した場合のカバードステント100の筒径は、5mm〜80mm、好ましくは15mm〜25mm程度である。また、カバードステント100の長さ、および、線材により編成される編み目状組織における編目の密度については、カテーテル治療に好適な長さおよび密度を備える。
以下においてこれらのカバードステント100およびカバードステント200(ならびに内側表面および外側表面にカバー材120が巻き付けられたカバードステント)についてさらに詳しく説明するが、これらのカバードステントは、カバー材120が巻き付けられる位置および個数(内側表面のみに1個、外側表面のみに1個、内側表面および外側表面に計2個)が異なるだけであるので、カバードステント100で代表させて説明する場合がある。
[構成:ステント本体]
図1〜図3および図4(A)に示すように、このカバードステント100のステント本体110は、線材(生体吸収性繊維112)を用いた編み目状組織の筒体であって、その筒体の径が拡縮可能に形成されている。図4(A)は、カバードステント100を構成す
るステント本体110のみを示した図である。なお、図4(A)においては、線材(生体吸収性繊維112)の編み目についての理解を容易にするために紙面奥側に配置された線材(生体吸収性繊維112)については図示していない。
ステント本体110を構成している線材は限定されるものではないが生体吸収性材料を採用することができ、本実施の形態においては、線材として生体吸収性繊維112が採用されている。
この生体吸収性繊維112は、たとえば、ポリグリコール酸、ポリラクチド(D、L、DL体)、ポリカプロラクトン、グリコール酸−ラクチド(D、L、DL体)共重合体、グリコール酸−ε−カプロラクトン共重合体、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体、ポリ(p−ジオキサノン)、グリコール酸−ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体等から選択される少なくとも1種とされ、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、撚糸、組み紐などのいずれかに加工した形態で使用されるが、モノフィラメント糸の形態で使用されるのが好ましい。
さらに、この生体吸収性繊維112の素材は、生分解性合金であっても構わない。このような生分解性合金の一例として、原材料としてマグネシウムをベースとする合金が挙げられる。
生体吸収性繊維112の直径は、0.001mm〜1.5mm程度とされ、適用するカテーテル治療に適切な繊維径および種類が選定される。また、生体吸収性繊維112の断面は、生体内組織を損傷しないことを条件として、円、楕円、その他の異形(たとえば星形)などのいずれであってもよい。さらに、生体吸収性繊維112の表面は、プラズマ放電、電子線処理、コロナ放電、紫外線照射、オゾン処理等により親水化処理してもよい。また、生体吸収性繊維112は、X線不透過材(たとえば、硫酸バリウム、金チップ、白金チップ等)の塗布または含浸処理や、薬剤(たとえば、心房中隔欠損症のカテーテル治療に適した薬剤)の付着処理、コラーゲン、ゼラチン等の天然高分子あるいはポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の合成高分子でコーティング処理してもよい。
ステント本体110は、生体吸収性繊維112が、たとえば、モノフィラメント糸として所望される外径のシリコーン製ゴム管(図示省略)の回りに複数(たとえば、8口または12口)の給糸口をもつ組紐機を用いて組み紐状織物に製作され、または、丸編機(図示省略)で、略同一径の筒体の編み目状組織に編成される。
[構成:カバー材]
次に、ステント本体110の筒体の径が拡縮可能なように巻き付けられているカバー材120について、図1〜図3ならびに図4(B)および図4(C)を参照して説明する。図4(B)および図4(C)は、カバードステント100を構成するカバー材120のみを示した図である。なお、図4(B)はステント本体110に螺旋状に巻き付けられた後のカバー材120単体の全体図であって、図4(C)はステント本体110に螺旋状に巻き付けられる前のカバー材120単体の平面形状を示す図である。
このカバー材120は、ステント本体110の筒体に螺旋状に巻き付けられる前は、その平面形状が長方形であって(立体的には薄く長細い直方体形状)、長方形の形状(図4(C)に示す幅W)および螺旋状に巻き付けられる角度(図4(C)に示す角度α)は、ステント本体110の筒体の径が拡縮可能な形状および角度である。
このカバー材120は、上述したように生体吸収性繊維112を組み紐状織物に製作されたステント本体110、または、丸編機(図示省略)で、略同一径の筒体の編み目状組織に編成されたステント本体110に対して、そのステント本体110の主たる形状である筒体の内側表面または外側表面の少なくともいずれかに、細い方の幅がWで示される薄く長細いカバー材120を角度αで螺旋状に巻き付けて、ステント本体110に一体化させてカバードステント100を完成させる。
このようにカバー材120をステント本体110の筒体の径が拡縮可能なように螺旋状に巻き付け、かつ、このカバー材120自体が螺旋状で形成されているために、ステント本体110とカバー材120とがともにその径を拡縮可能に構成され、結果としてこのカバードステント100の径が拡縮可能に構成されている。
さらに、このカバー材120は、血管内皮細胞を培養するに好適な素材であって、このカバー材120は、発泡体、不織布、薄膜およびこれらの複合体のいずれかである。
さらに、このカバー材120は、生体吸収性材料により構成されていても構わない。なお、このカバー材120に採用可能な生体吸収性材料については線材として採用される生体吸収性繊維112と同じであるのでここでの詳細な説明は繰り返さない。
このカバー材120の素材として、血管内皮細胞を培養するに特に好適な素材として、本願の出願人を含む特許第3603179号公報に開示された基材を採用することができる。このカバー材120の素材として用いられるこの基材は、血管内皮細胞を培養するに好適な発泡体、不織布、薄膜およびこれらの複合体のいずれかである。さらに具体的には、この公報に記載されているように、生体吸収性材料からなる発泡体を生体吸収性材料からなる補強材(繊維状、不織布状、フィルム状)によって強化した基材を本実施の形態に係るカバードステント100のカバー材120に採用することができる。
ここで、発泡体と補強材を構成する生体吸収性材料の組み合わせは任意であり、血管の場合には発泡体として乳酸−カプロラクトン共重合体、補強材として動脈の場合ポリ乳酸、静脈の場合ポリグリコール酸の組み合わせが例示できる。さらに、発泡体の孔径は細胞が適当に接着し、増殖すると同時に心血管系組織として移植した際に血液漏れしないことが好ましく、その孔径は通常1mm以下、好ましくは5〜100μmである。
以上のように、本実施の形態に係るカバードステント100は、以下の特徴を備える。(第1の特徴)カバードステント100は、線材として生体吸収性繊維112を用いた編み目状組織の筒体により形成され、筒体の径が拡縮可能なステント本体110と、ステント本体110の筒体の内側表面および外側表面の少なくともいずれかに設けられたカバー材120とで構成される。
(第2の特徴)ステント本体110の筒体の径が拡縮可能なように(ひいてはカバードステント100全体の径が拡縮可能なように)ステント本体110にカバー材120が螺旋状に捲き付けられている。
(第3の特徴)カバー材120は血管内皮細胞を培養するに好適な素材であって、発泡体、不織布、薄膜およびこれらの複合体のいずれか(特に好ましくは特許第3603179号公報に開示された基材)である。
このような特徴を備えたカバードステント100をカテーテル治療に使用した場合について、図5〜図7を参照して説明する。
[使用態様]
図5に本実施の形態に係るカバードステント100がカテーテル300に内包された状態を示す説明図を、図6に従来のステント500を使用した動脈瘤を備えた血管狭窄の治療方法を説明するための図を、図7に本実施の形態に係るカバードステント100を使用した動脈瘤を備えた血管狭窄の治療方法を説明するための図を、それぞれ示す。ここで、従来のステント500は、本実施の形態に係るカバードステント100のステント本体110のみで構成されカバー材120を備えないステントである。
図5は後述する組織構築が完了した本実施の形態に係るカバードステント100の全体がカテーテル300に収納されている状態を示し、カテーテル300の内部(内壁310により形成される空間)にカバードステント100の全体が収納されている。このカバードステント100は、病変部においてカテーテル300の開口部320から矢示X方向に押し出される。
まず、治療前に、このカバードステント100のカバー材120に血管内皮細胞を培養する。すなわち、このカバードステント100のカバー材120に血管内皮細胞が播種して培養して、このカバードステント100から血液が漏洩しないように(動脈瘤への血流を止めることができるように)、カバー材120を細胞増殖のための最適な足場として、カバー材120に血管内皮細胞を組織構築させる。
この血管内皮細胞の組織構築についても、上述した特許第3603179号公報に開示されたように、播種する細胞としては、心血管系組織ではほぼ共通の細胞種を用いることができ、内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞で、これらの2種または3種の混合培養細胞
が例示でき、混合培養細胞を使用して、組織構築を行なう。使用する細胞の培養条件、播種方法については、上述した特許第3603179号公報に開示されたように、「A.細胞単離、細胞培養、細胞数増大」、「B.細胞隔離、内皮細胞純化」および「C.組織構築」を参考にして、カバー材120に血管内皮細胞を組織構築した。
このような組織構築が完了すると、図5に示すようにカテーテル300に収納されて治療が開始される。なお、以下においては、本実施の形態に係るカバードステント100の使用態様に特有の事項についてのみ説明し、一般的な事項については、公知のカテーテル治療と同じ説明であるのでここでの詳細な説明は繰り返さない。
図6(A)および図7(A)に示すように、生体(ここでは人間)の血管(ここでは動脈)400に動脈瘤450が形成されている疾患に対して、従来のステント500および本実施の形態に係るカバードステント100を用いた場合についてそれぞれ説明する。なお、血管400の狭窄状態および閉塞状態は図示していない。
カテーテル300を用いて病変部に従来のステント500を搬送して、バルーンにより病変部の血管内腔を拡張させて、再狭窄率を低下させるために、バルーンで拡張させた病変部にステント500が留置される。
この場合においては、図6(B)に示すように、ステント500はカバー材120を備えずステント本体はステント本体110のみで構成されているので、図6(B)の白抜き矢示に示すように、その編み目状組織を通って血管400を流れる血液が動脈瘤450に流れる。その結果、動脈瘤450は血栓化しないで、場合によっては図6(C)に示すように拡大してしまう。さらに、カバー材を備えない単なるステント500では、たとえば再狭窄を回避するための薬剤をカバー材に担持させることもできないので(DDS機能なし)、図6(C)に示すように長期的には血管内腔に血栓が形成されたり、狭窄による再閉塞が発生したりする。
一方、カテーテル300を用いて病変部に本実施の形態に係るカバードステント100を搬送して、バルーンにより病変部の血管内腔を拡張させて、再狭窄率を低下させるために、バルーンで拡張させた病変部にカバードステント100が留置される。このとき、ステント本体110の筒体の径が拡縮可能なように(ひいてはカバードステント100全体の径が拡縮可能なように)ステント本体110にカバー材120が螺旋状に捲き付けられているので、カバードステント100をカテーテルに容易に内包することができ病変部までカバードステント100を確実に搬送することができるとともに、バルーンで拡張させた病変部に拡径されたカバードステント100を留置できるので、病変部の血管内腔を拡張させた状態を維持することができる。
この場合においては、図7(B)に示すように、カバードステント100のカバー材120には血管内皮細胞が組織構築されているので、図7(B)に示すように、血管400を流れる血液が動脈瘤450に流れない。その結果、動脈瘤450は血栓化する。さらに、このカバードステント100のカバー材120に、たとえば再狭窄を回避するための薬剤をカバー材に担持させることもできるので(DDS機能あり)、図7(C)に示すように長期的には血管内腔に血栓が形成されたり、狭窄による再閉塞が発生したりすることを抑制させることも可能である。
以上のようにして、本実施の形態に係るカバードステント100によると、狭窄血管の拡張処置のみならず、たとえば、同時並行的に動脈瘤等の瘤成長回避処置等にも利用することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、狭窄や動脈瘤等の血管病変を低侵襲で治療するためのステントに関し、狭窄血管の拡張処置のみならず、たとえば、同時並行的に動脈瘤等の瘤成長回避処置等にも利用することのできるカバードステントに、特に好ましい。
100、200 カバードステント
110 ステント本体
112 (ステント本体を構成する)生体吸収性繊維
120 カバー材
300 カテーテル
400 血管(動脈)
450 動脈瘤
500 従来のステント

Claims (4)

  1. 線材を用いた編み目状組織の筒体により形成され、前記筒体の径が拡縮可能なステント本体と、
    前記ステント本体の筒体の内側表面および外側表面の少なくともいずれかに、前記筒体に螺旋状に巻き付けられたカバー材とを含む、カバードステント。
  2. 前記筒体に螺旋状に巻き付けられる前の前記カバー材の平面形状は、長方形であって、
    前記長方形の形状および螺旋状に巻き付けられる角度は、前記ステント本体の筒体の径が拡縮可能な形状および角度であることを特徴とする、請求項1に記載のカバードステント。
  3. 前記カバー材は、発泡体、不織布、薄膜およびこれらの複合体のいずれかであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のカバードステント。
  4. 前記線材および前記カバー材の少なくともいずれかは、生体吸収性材料からなることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のカバードステント。
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