JP2018170459A - プリント基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、プリント基板に対しても、高密度化に対応するために、配線ピッチが狭いファインピッチ化と、層間接続等のための貫通穴径の極小化の要求が増えてきている。
従来、プリント基板における極小径の貫通穴の形成は、通常、プリント基板材料において絶縁基材の両面に備わる銅層のうち、片側の銅層をエッチングして極小径の開口部を設け、次いで、銅層の開口部から露出した絶縁基材に対しレーザ加工で、1穴ずつ貫通穴を形成することによって行っていた(例えば、次の特許文献1参照)。
しかし、ドリル加工やルータ加工による方法は、レーザ加工方法と同様、貫通穴を1穴ずつ形成することになるため、生産性が悪い。また、極小径の貫通穴を形成するためにはドリルやルータの径も極小化したものを用いる必要があるが、ドリルやルータの径が細いと、折れや破損の虞が高くなる。しかも、ドリル加工やルータ加工では、回転するドリルやルータが振動によって振れが生じ易いために、極小径の貫通穴を高精度に加工することが難しい。尚、本願では、「極小径」とは、概ねφ50μm以下であって、主に、φ20〜φ40μmの貫通穴の穴径の大きさを指す。
前記第1のレジストマスクの前記第1の開口部から露出している部位における前記銅層にエッチング加工を施して溶解除去し、前記絶縁基材を露出させる工程と、前記第1のレジストマスクを除去する工程と、前記プリント基板材料の両面に第2のレジスト層を形成し、前記第1のレジストマスクの前記第1の開口部を形成した位置に、径が該第1の開口部よりも僅かに大きな第2の開口部を有する、第2のレジストマスクを形成する工程と、前記第2のレジストマスクと該第2のレジストマスクの前記第2の開口部から露出している部位における前記銅層をブラスト加工用マスクとして用いて、前記銅層の開口部から露出している部位における前記絶縁基材にブラスト加工を施して貫通穴を形成する工程と、前記第2のレジストマスクを除去する工程、を含むことを特徴としている。
上述のように、従来、プリント基板における極小径の貫通穴の形成には、銅層をエッチングして極小径の開口部を設け、露出した絶縁基材に対しレーザ加工する方法があるが、加工時間が長くかかり、生産性が悪くコスト高となり、しかも、加工端面が炭化して、導電性を有してしまう虞等の問題がある。また、その他の貫通穴を形成する方法として、ドリル加工やルータ加工による方法や、プレス加工による方法があるが、ドリル加工やルータ加工による方法には、生産性が悪いことに加えて、ドリルやルータの折れや破損、加工精度の問題があり、プレス加工による方法には、金型のコストや、極小径の貫通穴を形成するための金型部の折れや破損の虞等の問題がある。
ブラスト加工は、プリント基板材料における加工対象部位のみを露出させるようにレジストマスクで覆った状態にして、微細砥粒を圧縮エアで高速噴射して加工対象部位の基板を除去する加工方法である。
本発明者が、他の加工方法と比較検討したところ、ブラスト加工は、レーザ加工とは異なり加工面の炭化がなく、ドリル加工とは異なり、極小径の貫通穴を精度よく加工でき、また、複数の貫通穴を同時形成でき、さらに、プレス加工とは異なり設計の自由度も広く、製造コストも低減できることが判明した。
より詳しくは、絶縁基材に対する極小径の貫通穴の形成をブラスト加工で行うようにすれば、レーザ加工で極小径の貫通穴を形成する場合における、加工端面が炭化して導電性を有してしまう虞がない。また、複数の貫通穴を同時に形成できるため、生産性が高く、コストを低減することができる。
また、ドリル加工やルータ加工で極小径の貫通穴を形成する場合における、ドリルやルータの折れや破損の虞がなく、回転するドリルやルータが振動によって偏心することがないため、極小径の貫通穴を高精度に加工し易い。
また、プレス加工で極小径の貫通穴を形成する場合における、金型部の折れや破損の虞もなく、貫通穴の大きさや位置が異なるごとに対応した別個の精密金型も不要となる。
ブラスト加工では、加工対象以外の部位にレジストマスクを形成したプリント基板材料に対し、微細砥粒を圧縮エアで高速噴射して加工対象部位のプリント基板材料を除去するが、加工の際に砥粒がレジストマスクに衝突することで、露出面のプリント基板材料とともにレジストマスクも削り取られる。このため、微細砥粒の噴射時間が長時間に及ぶと、レジストマスクで覆われていた部位のプリント基板材料が露出し、微細砥粒が衝突することで削り取られてしまい、プリント基板としての製品の品質が悪くなる虞がある。
ブラスト加工において、レジストマスクで覆われている部位を露出させることなく、極小径の貫通穴を形成するための方策としては、加工対象以外の部位に形成するレジストマスクに用いるレジスト層の層厚を厚くすることが考えられる。
しかし、レジスト層の層厚を厚くすると、露光及び現像を経てレジスト層に形成されるマスク形状の加工精度及びマスク形成の信頼度が低下し、その結果、ブラスト加工により形成される極小径の貫通穴の加工精度及び歩留りが低下してしまう。
本発明のプリント基板の製造方法のように、絶縁基材に対する貫通穴の形成をブラスト加工で行うようにすれば、レーザ加工で極小径の貫通穴を形成する場合における、加工端面が炭化して導電性を有してしまう虞がない。また、複数の貫通穴を同時に形成できるため、生産性が高く、コストを低減することができる。
また、ドリル加工やルータ加工で極小径の貫通穴を形成する場合における、ドリルやルータの折れや破損の虞がなく、回転するドリルやルータが振動によって偏心することがないため、極小径の貫通穴を高精度に加工し易い。
また、プレス加工で極小径の貫通穴を形成する場合における、金型部の折れや破損の虞もなく、貫通穴の大きさや位置が異なるごとに対応した別個の精密金型も不要となる。
そして、本発明のプリント基板の製造方法のように、第1のレジストマスクの第1の開口部を形成した位置に、径が第1の開口部よりも僅かに大きな第2の開口部を有する、第2のレジストマスクを形成し、第2のレジストマスクと第2のレジストマスクの第2の開口部から露出している部位における銅層をブラスト加工用マスクとして用いて、銅層の開口部から露出している部位における絶縁基材にブラスト加工を施すようにすれば、絶縁基材に対する貫通穴の形成は、高精度に加工された銅層の開口部を介して行われ、しかも銅層は薄肉であるため、ブラスト加工により形成される絶縁基材の貫通穴の加工精度が格段と高くなる。また、ブラスト加工時にブラスト加工用マスクとして用いる銅層における開口部の周囲の部分は、第1のレジストマスクの第1の開口部を形成した位置に、径が第1の開口部よりも僅かに大きな第2の開口部を有する第2のレジストマスクにより保護される。その結果、銅層における開口部の周囲の部分は、ブラスト加工時に微細砥粒に削り取られずに済み、絶縁基材に形成する貫通穴の加工精度が高精度に保たれる。
上述のように、第1のレジストマスクの形成に用いる第1のレジスト層の層厚は、薄いほど露光及び現像を経て形成される第1のレジストマスクの第1の開口部の加工精度が向上し、第1の開口部から露出している部位における銅層にエッチング加工を施して溶解除去することにより形成される銅層の開口部の加工精度が向上する。
これに対し、第2のレジストマスクは、ブラスト加工時に、ブラスト加工用マスクとして用いる銅層を保護するために用いる。このため、第2のレジストマスクの形成に用いる第2のレジスト層の層厚は、ブラスト加工により第2のレジストマスクで覆われている部位が削り取られて銅層を露出させることのないよう厚くすることが望まれる。
しかるに、第2のレジストマスクの形成に用いる第2のレジスト層に、第1のレジストマスクの形成に用いる第1のレジスト層よりも層厚が厚いものを用いるようにすれば、第1のレジストマスクを介して、銅層の開口部の加工精度を向上させ易くなるとともに、第2のレジストマスクを介して、ブラスト加工時に、第2のレジストマスクで覆われている部位が削り取られて銅層を露出させることなく、銅層を保護し易くなる。
このように第1のレジストマスクをさらにブラスト加工用マスクとして用いて、第1の開口部及び銅層の開口部から露出している部位における絶縁基材にブラスト加工を施して凹部を形成するようにすれば、その後の第2のレジストマスクと第のレジストマスクの第2の開口部から露出している部位における銅層をブラスト加工用マスクとして用いたブラスト加工において除去すべき部位の絶縁基材の厚さを減らすことができる。その結果、第2のレジストマスクの形成に用いる第2のレジスト層として層厚の薄いものを用いることができ、その分、コストを抑えることができる。また、第2のレジストマスクの第2の開口部から僅かに露出する銅層における開口部の周囲の部分への、ブラスト加工時における微細砥粒の衝突量を減らすことができ、より高精度な貫通穴を形成することができる。
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかるプリント基板の製造工程の一例を示す説明図である。
本実施形態の製造方法では、極小径の貫通穴を有するプリント基板を、以下の工程によって製造する。
なお、以下の製造の各工程において実施される、薬液洗浄や水洗浄等を含む前処理・後処理等は、便宜上説明を省略する。
まず、絶縁基材1aの両面に銅層1bを有するプリント基板材料1を準備する(図1(a)参照)。
絶縁基材1aは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等を、単体または複数樹脂を混合したものを用いることができる。また、各種添加剤や柔軟剤をさらに調合したものや、補強材としてガラス等の無機繊維、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、各種天然繊維等の有機繊維を使用したものを用いることもできる。
次に、現像し、プリント基板材料1の両面に夫々の第1の開口部2aを有する、第1のレジストマスク2を形成する(図1(c)参照)。
これにより、貫通穴が導通し、配線が形成されたプリント基板が完成する。
そして、本実施形態のプリント基板の製造方法によれば、第1のレジストマスク2の第1の開口部2aを形成した位置に、径が第1の開口部2aよりも僅かに大きな第2の開口部3aを有する、第2のレジストマスク3を形成し、第2のレジストマスク3と第2のレジストマスク3の第2の開口部3aから露出している部位における銅層1bをブラスト加工用マスクとして用いて、銅層1bの開口部1b−1から露出している部位における絶縁基材1aにブラスト加工を施すようにしたので、絶縁基材1aに対する貫通穴1a−2の形成は、高精度に加工された銅層1bの開口部1b−1を介して行われ、しかも銅層1bは薄肉であるため、ブラスト加工により形成される絶縁基材1aの貫通穴1a−2の加工精度が格段と高くなる。また、ブラスト加工時にブラスト加工用マスクとして用いる銅層1bにおける開口部1b−1の周囲の部分は、第1のレジストマスク2の第1の開口部2aを形成した位置に、径が第1の開口部2aよりも僅かに大きな第2の開口部3aを有する第2のレジストマスク3により保護される。その結果、銅層1bにおける開口部1b−1の周囲の部分は、ブラスト加工時に微細砥粒に削り取られずに済み、絶縁基材1aに形成する貫通穴1a−2の加工精度が高精度に保たれる。
図2は本発明の第2実施形態にかかるプリント基板の製造工程の一例を示す説明図である。
本実施形態の製造方法では、第1実施形態と同様に、プリント基板材料1の準備(図2(a)参照)、第1のドライフィルムレジスト2’のラミネート(図2(b)参照)、第1のレジストマスク2の形成(図2(c)参照)、銅層1bの開口部1b−1の形成による絶縁基材1aの露出(図2(d1)参照)を行った後に、絶縁基材1aを露出させるエッチング加工に用いた第1のレジストマスク2を、さらにブラスト加工用マスクとして用いて、第1のレジストマスク2が除去されない範囲で、加工対象となる絶縁基材1aの厚さ及び最小の開口径(ここでは極小径の貫通穴の径として、例えばφ20μm)により定まる所定の砥粒径のブラスト加工用砥粒を用いて、所定の圧力、所定の噴射量で、スリットノズルを適宜移動させながらブラスト加工用砥粒を噴射して、プリント基板材料1の両側からブラスト加工を行い、第1のレジストマスク2の第1の開口部2a及び銅層1bの開口部1b−1から露出している部位における絶縁基材1aを、両側から略4分の1程度の厚さ分ずつ掘り込み、凹部1a−1’、1a−2’を形成する(図2(d2)参照)。なお、凹部1a−1’、1a−2’を形成するためのブラスト加工は、プリント基板材料1の片側ずつ行ってもよい。
以後は、第1実施形態と同様に、第1のレジストマスク2の剥離(図2(e)参照)、第2のレジスト層3’の形成(図2(f)参照)、径が第1の開口部2aよりも僅かに大きな第2の開口部3aを有する、第2のレジストマスク3の形成(図2(g)参照)、一方の側からのブラスト加工による凹部1a−1の形成(図2(h)参照)、他方の側からのブラスト加工による貫通穴1a−2の形成(図2(i)参照)、第2のレジストマスク3の剥離(図2(j)参照)を行う。これにより、絶縁基材1a及び両面の銅像1aを貫通する、極小径の貫通穴を含む、所定径の貫通穴1−1が形成されたプリント基板材料1が得られる。
さらに、第1実施形態と同様に、配線パターンの形成を行うことで、プリント基板が完成する。
その他の作用効果は、第1実施形態と略同じである。
本実施例では、最小径が例えばφ30μmである極小径の貫通穴を含むプリント基板の製造を行った。
まず、プリント基板材料1として、厚さ60μmの絶縁基材1aの両面に厚さ10μmの銅層1bを有する多層用銅張積層板を準備した(図1(a)参照)。
次に、プリント基板材料1の両面に、厚さ15μmの第1のドライフィルムレジスト2’をラミネートし(図1(b)参照)、露光・現像を行って、貫通穴を形成すべき部分に第1の開口部2aを有する、第1のレジストマスク2を形成した(図1(c)参照)。
次に、第1のレジストマスク2が形成されたプリント基板材料1にエッチング加工を施し、第1のレジストマスク2の第1の開口部2aから露出する部位における銅層1bを溶解除去して絶縁基材1aを露出させた(図1(d)参照)。
次に、第1のレジストマスク2を剥離した(図1(e)参照)。
次に、部分的に絶縁基材1aが露出したプリント基板材料の両面に、第1のレジストマスクよりも厚い50μmの厚さの第2のレジスト層3’を形成し(図1(f)参照)、露光・現像を行って、第1のレジストマスク2の第1の開口部2aを形成した位置に、径が第1の開口部2aよりも10〜40μm大きな第2の開口部3aを有する、第2のレジストマスク3を形成した(図1(g)参照)。
次に、第2のレジストマスク3と第2のレジストマスク3の第2の開口部3aから露出している部位における銅層1bをブラスト加工用マスクとして用いて、加工する絶縁基材1aの厚さ(60μm)及び最小の開口径(φ30μm)により定まる所定の砥粒径のブラスト加工用砥粒を用いて、所定の圧力、所定の噴射量で、スリットノズルを適宜移動させながらブラスト加工用砥粒を噴射して、プリント基板材料1の一方の側からブラスト加工を行い、銅層1bの開口部1b−1から露出している部位における絶縁基材1aを略半分の厚さ分掘り込み、凹部1a−1を形成した(図1(h)参照)。
次に、プリント基板材料1の他方の側から、一方の側と同様にブラスト加工を行い、絶縁基材1aを掘り込み、凹部1a−1の底面を貫通させ(図1(i)参照)、絶縁基材1aに最小径φ30μmの貫通穴を含む、所定径の貫通穴1a−2を形成した。
次に、第2のレジストマスク3を剥離し(図1(j)参照)、絶縁基材1a及び両面の銅像1aを貫通する、最小径がφ30μmの貫通穴を含む、所定径の貫通穴1−1が形成されたプリント基板材料1を得た。
次に、プリント基板材料1に形成した貫通穴1−1に、スルーホールめっき又はビアフィルめっき等を施すことにより導体を形成して層間接続を行い(不図示)、次に、プリント基板材料1の両面に、第3のドライフィルムレジストをラミネートし、第1のレジストマスク2と同様の形成方法を用いて、銅層1bによる配線パターンを形成するための第3のレジストマスクを形成し、次に、第3のレジストマスクから露出する銅層1bにエッチング加工を施し所定の配線パターンを形成し、その後、第3のレジストマスクを除去し、貫通穴が導通し、配線が形成されたプリント基板を完成させた。
本実施例では、実施例1と同様に、プリント基板材料1の準備(図2(a)参照)、第1のドライフィルムレジスト2’のラミネート(図2(b)参照)、第1のレジストマスク2の形成(図2(c)参照)、銅層1bの開口部1b−1の形成による絶縁基材1aの露出(図2(d1)参照)を行った後に、絶縁基材1aを露出させるエッチング加工に用いた第1のレジストマスク2を、さらにブラスト加工用マスクとして用いて、第1のレジストマスク2が除去されない範囲で、加工対象となる絶縁基材1aの厚さ(60μm)及び最小の開口径(φ20μm)により定まる所定の砥粒径のブラスト加工用砥粒を用いて、所定の圧力、所定の噴射量で、スリットノズルを適宜移動させながらブラスト加工用砥粒を噴射して、プリント基板材料1の両側からブラスト加工を行い、第1のレジストマスク2の第1の開口部2a及び銅層1bの開口部1b−1から露出している部位における絶縁基材1aを略4分の1程度の厚さ分ずつ掘り込み、凹部1a−1’、1a―2’を形成した(図2(d2)参照)。
以後は、実施例1と同様に、第1のレジストマスク2の剥離(図2(e)参照)、第2のドライフィルムレジスト3’のラミネート(図2(f)参照)、径が第1の開口部2aよりも僅かに大きな第2の開口部3aを有する、第2のレジストマスク3の形成(図2(g)参照)、一方の側からのブラスト加工による凹部1a−1の形成(図2(h)参照)、他方の側からのブラスト加工による貫通穴1a−2の形成(図2(i)参照)、第2のレジストマスク3の剥離(図2(j)参照)を行い、絶縁基材1a及び両面の銅像1aを貫通する、極小径がφ30μmの貫通穴を含む、所定径の貫通穴1−1が形成されたプリント基板材料1を得た。
さらに、実施例1と同様に、配線パターンの形成を行い、プリント基板を完成させた。
図3は比較例にかかるプリント基板の製造工程の一例を示す説明図である。
比較例では、実施例1と同様に、プリント基板材料1の準備(図3(a)参照)をした後に、プリント基板材料1の両面に、厚さ50mのレジスト層4’を形成した(図3(b)参照)。
次に、実施例1と同様に、露光・現像を行って、貫通穴を形成すべき部分に開口部4aを有する、レジストマスク4を形成し(図3(c)参照)、次に、レジストマスク4が形成されたプリント基板材料1にエッチング加工を施し、レジストマスク4の開口部4aから露出する部位における銅層1bを溶解除去して絶縁基材1aを露出させた(図3(d)参照)。
次に、絶縁基材1aを露出させるエッチング加工に用いたレジストマスク4を、さらにブラスト加工用マスクとして用いて、加工対象となる絶縁基材1aの厚さ(60μm)及び最小の開口径(φ30μm)により定まる所定の砥粒径のブラスト加工用砥粒を用いて、所定の圧力、所定の噴射量で、スリットノズルを適宜移動させながらブラスト加工用砥粒を噴射して、プリント基板材料1の一方の側からブラスト加工を行い、銅層1bの開口部1b−1から露出している部位における絶縁基材1aを略半分の厚さ分掘り込み、凹部1a−1を形成した(図3(e)参照)。
次に、プリント基板材料1の他方の側から、一方の側と同様にブラスト加工を行い、絶縁基材1aを掘り込み、凹部1a−1の底面を貫通させ(図3(f)参照)、絶縁基材1aに最小径φ30μmの貫通穴を含む、所定径の貫通穴1a−2を形成した。
次に、レジストマスク4を剥離し(図3(g)参照)、絶縁基材1a及び両面の銅像1aを貫通する、最小径がφ30μmの貫通穴を含む、所定径の貫通穴1−1が形成されたプリント基板材料1を得た。
さらに、実施例1と同様に、配線パターンの形成を行い、プリント基板を完成させた。
実施例1と実施例2の製造方法によって夫々のプリント基板材料1に形成された設計値の最小径がφ30μmとφ20μmである極小径の貫通穴と、比較例1の製造方法によってプリント基板材料1に形成された設計値の最小径がφ30μmである極小径の貫通穴を測定した。なお、貫通穴のサンプル数は夫々、100個とした。
その結果、実施例1、実施例2の製造方法によって夫々のプリント基板材料1に形成された設計値の最小径がφ30μmとφ20μmである極小径の貫通穴については、それぞれの最***径は27μmと17μmで貫通率は100%と、非常に安定した加工結果となった。
これに対し、比較例の製造方法によって夫々のプリント基板材料1に形成された設計値の最小径がφ30μmである極小径の貫通穴については、最***径は20μmであったが貫通率は90%と、安定した加工が難しい結果となった。
1a 絶縁基材
1−1 貫通穴
1a−1、1a−1’、1a−2’ 凹部
1a−2 貫通穴
1b 銅層
1b−1 銅層の開口部
2 第1のレジストマスク
2a 第1の開口部
2’ 第1のレジスト層(第1のドライフィルムレジスト)
3 第2のレジストマスク
3a 第2の開口部
3’ 第2のレジスト層
4 レジストマスク
4a 開口部
4’ レジスト層
Claims (3)
- 絶縁基材の両面に銅層を有するプリント基板材料を準備する工程と、
前記プリント基板材料の両面にレジスト層を形成し、前記プリント基板材料の所定位置における両側の前記銅層に極小径の開口部を含む、所定径の開口部を形成するための第1の開口部を有する、第1のレジストマスクを形成する工程と、
前記第1のレジストマスクの前記第1の開口部から露出している部位における前記銅層にエッチング加工を施して溶解除去し、前記絶縁基材を露出させる工程と、
前記第1のレジストマスクを除去する工程と、
前記プリント基板材料の両面にレジスト層を形成し、前記第1のレジストマスクの前記第1の開口部を形成した位置に、径が該第1の開口部よりも僅かに大きな第2の開口部を有する、第2のレジストマスクを形成する工程と、
前記第2のレジストマスクと該第2のレジストマスクの前記第2の開口部から露出している部位における前記銅層をブラスト加工用マスクとして用いて、前記銅層の開口部から露出している部位における前記絶縁基材にブラスト加工を施して貫通穴を形成する工程と、
前記第2のレジストマスクを除去する工程、
を含むことを特徴とするプリント基板の製造方法。 - 前記第2のレジストマスクの形成に用いるレジスト層には、前記第1のレジストマスクの形成に用いるレジスト層よりも層厚が厚いものを用いることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
- 前記絶縁基材を露出させる工程と前記第1のレジストマスクを除去する工程との間に、前記絶縁基材を露出させるエッチング加工に用いた前記第1のレジストマスクを、さらにブラスト加工用マスクとして用いて、前記第1のレジストマスクの前記第1の開口部及び前記銅層の開口部から露出している部位における前記絶縁基材にブラスト加工を施して凹部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
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