JP2018167591A - 車両用空調システム - Google Patents

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将徳 森川
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貴文 増田
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洋 中島
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Kouji Fujii
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Abstract

【課題】内燃機関の燃料消費量の増加を抑えつつ、乗員の快適性の低下を抑えることが可能な車両空調システムを提供する。【解決手段】室内側送風機およびシート側送風機51の双方を作動させて車室内を暖めるシート暖房運転時には、シート側送風機51を停止させた状態で室内側送風機を作動させて車室内を暖める非シート暖房運転に比べて、ヒータコアの加熱能力不足を補うために内燃機関EGに対して要求する要求発熱量を減少させる。これにより、シート暖房運転時に内燃機関EGを運転効率のよい状態で作動させて、内燃機関EGの燃料消費量を抑えることができる。また、シート空調ユニット50は、室内空調ユニット10よりも乗員の近くに位置しており、直接的に乗員を暖めることができるので、シート暖房運転時に要求発熱量を減少させたとしても、乗員の快適性への影響が小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、車両走行用の駆動力を出力する内燃機関の冷却水を熱源として車室内を空調する車両用空調システムに関する。
従来、車室内の前方に配置されたフロント空調ユニットから送風ダクトを通じてシートへ空調空気を供給し、シートの表面から空調空気を吹き出す車両用シート空調装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の車両用シート空調装置では、車両走行用の駆動力を発生させる内燃機関の冷却水を熱源として車室内を暖房する構成としているものがある。
特開平11−28928号公報
ところで、上述のような車両用シート空調装置は、フロント空調ユニットの内部に、内燃機関の冷却水を熱源として車室内へ吹き出す空気を加熱する加熱器が配置されている。そして、車室内の暖房時に、加熱器で加熱した空気を車両前方のインストルメントパネルに設けられた開口部やシートの表面から吹き出すことで、車室内を暖房する構成となっている。
ここで、車両用シート空調装置は、シートの表面から空気を吹き出すことで、乗員の快適性の向上を図ることが可能となるが、フロント空調ユニットからシートの表面まで空気を送風する必要があり、空気を送風する送風機の負荷が増える。このことは、車両におけるエネルギ消費量の増大を招き、内燃機関の燃料消費率が悪化する要因となることから好ましくない。
本発明は上記点に鑑みて、内燃機関の燃料消費量の増加を抑えつつ、乗員の快適性の低下を抑えることが可能な車両用空調システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、車両走行用の駆動力を出力する内燃機関の冷却水を熱源として車室内を空調する車両用空調システムを対象としている。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
車室内へ向けて空気を送風する室内側送風機(13)、内燃機関の冷却水を熱源として室内側送風機により送風された送風空気を加熱する加熱器(17)を含んで構成される室内空調ユニット(10)と、
シート(2)に形成されたシート通風路(3)に空気を送風するシート側送風機(51)、室内空調ユニットで温度調整された空気の少なくとも一部をシート側送風機の空気吸入側に導く送風ダクト(52)を含んで構成されるシート空調ユニット(50)と、
室内側送風機およびシート側送風機の双方を作動させて車室内を暖めるシート暖房運転、シート側送風機を停止させた状態で室内側送風機を作動させて車室内を暖める非シート暖房運転を切り替える暖房切替部(115d)と、
加熱器による送風空気の加熱能力不足を補うために内燃機関に対して要求する要求発熱量(Qr)を算出する要求熱量算出部(100a)と、
要求発熱量を加味して内燃機関の必要発熱量(Qn)を決定する必要熱量決定部(100b)と、
必要発熱量の増加に伴って内燃機関の作動時の運転効率が低下し、必要発熱量の減少に伴って運転効率が上昇するように内燃機関の作動を制御する作動制御部(100c)と、を備える。
そして、要求熱量算出部は、シート暖房運転時に非シート暖房運転時に比べて要求発熱量を減少させるように構成されている。
これによれば、シート暖房運転時には、非シート暖房運転時に比べて、要求発熱量を減少させるので、内燃機関が運転効率のよい状態で作動する。このため、内燃機関の燃料消費量を抑えることができる。
そして、シート空調ユニットは、室内空調ユニットよりも乗員の近くに位置しており、直接的に乗員を暖めることができるので、シート暖房運転時に要求発熱量を減少させたとしても、乗員の快適性への影響が小さい。
従って、車両用空調システムにおいて、内燃機関の燃料消費量の増加を抑えつつ、乗員の快適性の低下を抑えることが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の車両用空調システムの概略構成図である。 図1に示す室内空調ユニットの概略構成図である。 第1実施形態の車両用空調システムの制御装置を示すブロック図である。 第1実施形態の車両用空調システムの制御装置が実行する室内空調ユニットの加熱能力の調整処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の車両用空調システムの制御装置による必要発熱量の決定手法を説明する説明図である。 シート暖房運転時、非シート暖房運転時、暖房停止時の内燃機関における点火進角の時間変化の一例を示す図である。 シート暖房運転時、非シート暖房運転時、暖房停止時の内燃機関における冷却水の温度の時間変化を示す図である。 第2実施形態の車両用空調システムの制御装置が実行する室内空調ユニットの加熱能力の調整処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の車両用空調システムの制御装置による必要発熱量の決定手法を説明する説明図である。 第3実施形態の車両用空調システムの概略構成図である。 図10に示す赤外線センサの分解斜視図である。 図10に示す赤外線センサの要部を示す斜視図である。 第3実施形態の車両用空調システムの制御装置が実行する室内空調ユニットの加熱能力の調整処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。
また、各実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。
以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。車両用空調システム1は、内燃機関EGから車両走行用の駆動力を得る車両に適用され、内燃機関EGの冷却水を熱源として車室内を空調するシステムである。図1に示すように、車両用空調システム1は、主たる構成要素として、室内空調ユニット10、シート空調ユニット50、制御装置100を備えている。
まず、室内空調ユニット10は、車室内最前部のインストルメントパネルIPの内側に配置されている。図2に示すように、室内空調ユニット10は、その外殻を構成する空調ケース11の内部に室内側送風機13、蒸発器14、ヒータコア18等が収容されている。空調ケース11の空気流れ最上流側には、車室内空気(以下、内気と呼ぶ)および車室外空気(以下、外気と呼ぶ。)を切り替え導入する内外気切替箱12が配置されている。内外気切替箱12は、空調ケース11内に内気を導入する内気導入口12a、空調ケース11内に外気を導入する外気導入口12bが形成されている。また、内外気切替箱12には、制御装置100からの制御信号に応じて内気導入口12aおよび外気導入口12bの開口面積を調整する内外気切替ドア12cが配置されている。
内外気切替箱12の空気流れ下流側には、室内側送風機13が配置されている。室内側送風機13は、内外気切替箱12を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風機である。室内側送風機13は、制御装置100からの制御信号に応じて回転数を変更可能な電動送風機で構成されている。なお、室内側送風機13のファンとしては、遠心式ファン、軸流ファン、クロスフローファン等を採用することができる。
室内側送風機13の空気流れ下流側には、蒸発器14が配置されている。蒸発器14は、内部を流通する冷媒と室内側送風機13から送風された送風空気とを熱交換させて、当該送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。具体的には、蒸発器14は、圧縮機31、凝縮器32、気液分離器33および膨張弁34等とともに、蒸気圧縮式の冷凍サイクル30を構成している。
圧縮機31は、冷凍サイクル30において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。本実施形態の圧縮機31は、内燃機関EGからの駆動力が伝達されることで駆動するように構成されている。圧縮機31は、制御装置100からの制御信号に応じて、内燃機関EGからの駆動力が伝達される駆動状態と、駆動力が伝達されない停止状態に変更される。なお、圧縮機31は、電動圧縮機で構成されていてもよい。
凝縮器32、内部を流通する冷媒と、外気とを熱交換させることにより、圧縮機31から吐出された冷媒を凝縮させる室外熱交換器である。気液分離器33は、凝縮器32で凝縮された冷媒の気液を分離して余剰冷媒を蓄えるとともに、液相冷媒を下流側に流すレシーバである。膨張弁34は、気液分離器33から流出した液相冷媒を減圧膨張させる減圧機構である。蒸発器14は、膨張弁34で減圧膨張された冷媒を蒸発させて、冷媒に吸熱作用を発揮させる熱交換器である。
また、空調ケース11内の蒸発器14の空気流れ下流側には、蒸発器14を通過した後の空気が流れる温風通路15、冷風バイパス通路16、並びに、温風通路15および冷風バイパス通路16から流出した空気を混合させる混合空間17が形成されている。
温風通路15には、蒸発器14通過後の空気を加熱するためのヒータコア18が配置されている。ヒータコア18は、内燃機関EGを冷却する冷却水と蒸発器14を通過した後の送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する加熱器である。
具体的には、ヒータコア18と内燃機関EGは、冷却水配管41によって接続されて、ヒータコア18とエンジンEGとの間を冷却水が循環する冷却水回路40が構成されている。そして、冷却水回路40には、冷却水を循環させるための冷却水ポンプ40aが配置されている。冷却水ポンプ40aは、制御装置100から出力される制御信号によって回転数が制御される電動ポンプで構成されている。
一方、冷風バイパス通路16は、蒸発器14を通過した後の空気を、ヒータコア18を通過させることなく、混合空間17に導くための空気通路である。従って、混合空間17にて混合された送風空気の温度は、温風通路15を通過する空気および冷風バイパス通路16を通過する空気の風量割合によって変化する。
そこで、本実施形態では、蒸発器14の空気流れ下流側であって、温風通路15および冷風バイパス通路16の入口側に、温風通路15および冷風バイパス通路16へ流入させる冷風の風量割合を変化させるエアミックスドア19を配置している。エアミックスドア19は、混合空間17内の空気温度を調整する温度調整部材として機能する。エアミックスドア19は、制御装置100から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、空調ケース11の送風空気流れ最下流部には、混合空間17で温度調整された送風空気を吹き出す第1〜第3吹出開口部20〜22が設けられている。
第1吹出開口部20は、車室内の乗員の上半身に向けて空気を吹き出す開口部である。第2吹出開口部21は、乗員の足元または後述する送風ダクト52に空気を吹き出す開口部である。また、第3吹出開口部22は、車両前面の窓ガラスWの内側に向けて空気を吹き出す開口部である。
そして、各吹出開口部20〜22の空気流れ上流側には、開口面積を調整する第1〜第3モードドア20a〜22aが配置されている。各モードドア20a〜22aは、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替部を構成している。各モードドア20a〜22aは、制御装置100から出力される制御信号によってその作動が制御される。
次に、シート空調ユニット50について説明する。図1に示すように、シート空調ユニット50は、室内空調ユニット10で温度調整された空気をシート2の表面から吹き出すことで、乗員に快適性を付与する空調ユニットである。シート空調ユニット50は、車両の前方に配置されたシート2に対して取り付けられている。シート2は、乗員の下半身を支えるシートクッション部2aと、乗員の上半身を支えるシートバック部2bを有している。
シート2には、シート空調ユニット50から供給される空気を図示しないシート表面の空気吹出部に導くシート通風路3が形成されている。本実施形態のシート通風路3は、シートクッション部2a、シートバック部2bの空気吹出部の双方から空気が吹き出されるように、シート2の内部で枝分かれしている。また、シート通風路3の空気流れ最上流部には、シート空調ユニット50に接続する接続ダクト5が配置されている。
接続ダクト5は、一端側がシート通風路3の空気入口側に接続され、他端側がシート空調ユニット50のシート側送風機51の空気流出口側に接続されている。接続ダクト5は、シート2と床6との間に配置されている。接続ダクト5は、上下方向や前後方向へのシート位置の移動に対応可能なように、蛇腹状のダクトで構成されている。なお、接続ダクト5としては、可撓性を有するダクトであれば、蛇腹状のダクト以外のダクトを採用してもよい。
シート空調ユニット50は、シート2に形成されたシート通風路3に空気を送風するシート側送風機51、室内空調ユニット10で温度調整された空気の少なくとも一部をシート側送風機51の空気吸入側に導く送風ダクト52を含んでいる。
シート側送風機51は、シート2の下面に対向する床6の下に配置されている。シート側送風機51は、送風ダクト52側から吸い込んだ空気を、接続ダクト5を介してシート通風路3側へ吹き出す。
本実施形態のシート側送風機51は、制御装置100からの制御信号に応じて回転数を変更可能な電動送風機で構成されている。なお、シート側送風機51のファンとしては、遠心式ファン、軸流ファン、クロスフローファン等を採用することができる。
送風ダクト52は、シート側送風機51と同様に、車両の床6に配置されている。送風ダクト52は、一端側が室内空調ユニット10に設けられた第2吹出開口部21に接続され、他端側がシート側送風機51の空気吸入側に接続されている。
次に、図3を参照して、本実施形態の電気制御部である制御装置100について説明する。制御装置100は、空調用制御装置110、および駆動用制御装置120を有している。空調用制御装置110および駆動用制御装置120は、CPU、ROMおよびRAM等を含むマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。そして、空調用制御装置110および駆動用制御装置120は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
まず、空調用制御装置110は、室内空調ユニット10およびシート空調ユニット50の作動を制御する装置である。空調用制御装置110の出力側には、室内空調ユニット10の構成機器である内外気切替ドア12c、室内側送風機13、エアミックスドア19、第1〜第3モードドア20a〜22a等が接続されている。また、空調用制御装置110の出力側には、冷凍サイクル30の構成機器である圧縮機31、冷却水回路40の構成機器である冷却水ポンプ40a、シート空調ユニット50の構成機器であるシート側送風機51等が接続されている。
空調用制御装置110の入力側には、内気温Trを検出する内気センサ111、外気温Tamを検出する外気センサ112、車室内の日射量Tsを検出する日射センサ113が接続されている。また、空調用制御装置110の入力側には、内燃機関EGから流出した冷却水の温度Twを検出する冷却水温度センサ114等の種々の空調制御用のセンサ群が接続されている。
さらに、空調用制御装置110の入力側には、インストルメントパネルIP付近に配置された操作パネル115が接続されている。操作パネル115には、各種操作スイッチとして、空調作動スイッチ115a、運転モードの切替スイッチ115b、車室内温度の設定スイッチ115c、シート空調ユニット50のシート作動スイッチ115d等が設けられている。
空調作動スイッチ115aは、室内側送風機13を作動させて室内空調ユニット10で車室内へ吹き出す空気の温度調整を実施するための要求信号を空調用制御装置110に出力するスイッチである。
シート作動スイッチ115dは、室内側送風機13およびシート側送風機51を作動させて室内空調ユニット10で温度調整された空気をシート2から吹き出すシート空調運転を実施するための要求信号を空調用制御装置110に出力するスイッチである。
例えば、車室内を暖める暖房運転時にシート作動スイッチ115dがオンされると、空調用制御装置110は、室内側送風機13およびシート側送風機51の双方を作動させて車室内を暖めるシート暖房運転を実行する。
一方、車室内を暖める暖房運転時にシート作動スイッチ115dがオフされると、空調用制御装置110は、シート側送風機51を停止させた状態で室内側送風機13を作動させて、車室内を暖める非シート暖房運転を実行する。本実施形態では、シート作動スイッチ115dが、シート暖房運転と非シート暖房運転を切り替える暖房切替部として機能する。
続いて、駆動用制御装置120は、内燃機関EGの作動を制御する装置である。駆動用制御装置120の出力側には、内燃機関EGの駆動用の構成機器である内燃機関EGを始動させるスタータ121、内燃機関EGに燃料を供給する燃料噴射弁の駆動回路122等が接続されている。
駆動用制御装置120の入力側には、アクセルペダルの踏み込み量であるスロットル開度Swを検出するスロットル開度センサ123、内燃機関EGの回転数Neを検出するエンジン回転数センサ124等の種々のセンサ群が接続されている。
本実施形態の制御装置100は、空調用制御装置110および駆動用制御装置120が双方向に通信可能に接続されている。これにより、制御装置100は、空調用制御装置110および駆動用制御装置120の一方の装置に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、他方の装置の出力側に接続された各種機器の作動を制御することが可能となっている。
例えば、空調用制御装置110が駆動用制御装置120に対して内燃機関EGの運転効率の増減を要求する要求信号を出力することによって、内燃機関EGの運転効率を変化させることが可能となっている。
この点について説明すると、内燃機関EGの始動時等では、内燃機関EGの冷却水の温度が低く、室内空調ユニット10による送風空気の加熱能力が不足することがある。このため、制御装置100は、室内空調ユニット10による送風空気の加熱能力不足を補うために、あえて内燃機関EGの作動時の運転効率が低下するように、内燃機関EGを制御可能となっている。
ここで、本実施形態の制御装置100は、その出力側に接続された制御対象となる各種機器を制御する制御部が一体に構成されたものである。そして、制御装置100は、制御対象となる各構成機器の作動を制御するハードウェアやソフトウェアが各構成機器の作動を制御する制御部として機能する。
例えば、本実施形態の制御装置100は、空調用制御装置110および駆動用制御装置120の少なくとも一方で、暖房運転時にヒータコア18による送風空気の加熱能力不足を補うために内燃機関EGに対して要求する要求発熱量Qrを算出する構成となっている。本実施形態では、制御装置100における要求発熱量Qrを算出するハードウェアやソフトウェアが要求熱量算出部100aを構成している。
また、本実施形態の制御装置100は、空調用制御装置110および駆動用制御装置120の少なくとも一方で、要求熱量算出部100aで算出した要求発熱量Qrを加味して内燃機関EGにおける必要発熱量Qnを決定する構成となっている。本実施形態では、制御装置100における必要発熱量Qnを決定するハードウェアやソフトウェアが必要熱量決定部100bを構成している。
さらに、本実施形態の制御装置100は、必要発熱量Qnの増加に伴って内燃機関EGの作動時の運転効率が上昇し、必要発熱量Qnの減少に伴って運転効率が低下するように、駆動用制御装置120で内燃機関EGの作動を制御する構成となっている。本実施形態では、制御装置100における内燃機関EGの作動を制御するハードウェアやソフトウェアが作動制御部100cを構成している。
次に、本実施形態の車両用空調システム1の作動について説明する。車両用空調システム1は、内燃機関EGの始動後、空調作動スイッチ115aがオンされると、制御装置100が各種構成機器を制御して車室内の空調運転を開始する。
本実施形態の車両用空調システム1は、運転モードの切替スイッチ115bが冷房モードに設定されている際に、制御装置100が各種構成機器を制御して、車室内を冷却する冷房運転を行う。
以下、制御装置100が実行する冷房モード時の各種構成機器の基本的な制御態様について説明する。まず、制御装置100は、冷凍サイクル30の圧縮機31を内燃機関EGからの駆動力が伝達される駆動状態に制御する。
また、制御装置100は、各種センサ群の検出信号および操作パネル115の操作信号に基づいて、目標吹出温度TAOを算出する。TAOは操作パネル115の設定スイッチ115cにより設定した設定温度Tsetに車室内温度に近づけるために必要な吹出空気温度である。具体的には、制御装置100は、設定スイッチ115cで設定された設定温度Tset、内気温Tr、外気温Tam、日射量Tsに基づいて、以下の数式F1を用いてTAOを算出する。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C…(F1)
なお、数式F1に示すKset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
そして、制御装置100は、TAOに基づいて、室内側送風機13の回転数、内外気切替ドア12c、各モードドア20a〜22a、エアミックスドア19の開度等を決定し、決定した制御状態が得られるように各種機器に制御信号を出力する。制御装置100は、操作信号および検出信号の読込み→TAOの算出→新たな制御状態の決定→制御信号の出力といったルーチンを繰り返す。
これにより、冷房運転時には、室内空調ユニット10において、室内側送風機13からの送風空気が蒸発器14で冷却される。そして、室内空調ユニット10で冷却された空気によって車室内の冷房が実現される。
具体的には、シート作動スイッチ115dがオフ状態の場合には、室内空調ユニット10で冷却された空気が、車室内へ吹き出されることで、乗員に対して間接的に冷風が供給される。
一方、冷房運転時にシート作動スイッチ115dがオン状態の場合には、図1の白抜き矢印で示すように、室内空調ユニット10で冷却された空気がシート空調ユニット50によってシート2から吹き出されることで、乗員に対して直接的に冷風が供給される。
続いて、車両用空調システム1は、運転モードの切替スイッチ115bが暖房モードに設定されている際に、制御装置100が各種構成機器を制御して、車室内を暖める暖房運転を行う。
以下、制御装置100が実行する暖房モード時の各種構成機器の基本的な制御態様について説明する。まず、制御装置100は、ヒータコア18に対して内燃機関EGの冷却水が流入するように、冷却水ポンプ40aを作動させる。
続いて、制御装置100は、冷房運転時と同様にTAOを算出する。そして、制御装置100は、TAOに基づいて、室内側送風機13の回転数、内外気切替ドア12c、各モードドア20a〜22a、エアミックスドア19の開度等を決定し、決定した制御状態が得られるように各種機器に制御信号を出力する。制御装置100は、操作信号および検出信号の読込み→TAOの算出→新たな制御状態の決定→制御信号の出力といったルーチンを繰り返す。
これにより、暖房運転時には、室内空調ユニット10において、室内側送風機13からの送風空気がヒータコア18で加熱される。そして、室内空調ユニット10で加熱された空気によって車室内の暖房が実現される。
具体的には、非シート暖房運転時には、室内空調ユニット10で加熱された空気が、車室内へ吹き出されることで、乗員に対して間接的に温風が供給される。一方、シート暖房運転時には、図1の白抜き矢印で示すように、室内空調ユニット10で加熱された空気がシート空調ユニット50によってシート2から吹き出されることで、乗員に対して直接的に温風が供給される。
ところで、シート暖房運転時には、シート側送風機51を作動させて、室内空調ユニット10で暖めた空気をシート2の表面まで送風する必要があり、非シート暖房運転時に比べて車両におけるエネルギ消費量が増大してしまう。このことは、内燃機関EGの燃料消費率が悪化する要因となり、好ましくない。
これに対して、本実施形態では、制御装置100の制御処理によって、シート暖房運転時と非シート暖房運転時におけるヒータコア18による送風空気の加熱能力、すなわち、室内空調ユニット10の加熱能力を変更する構成としている。
以下、本実施形態の制御装置100が実行する室内空調ユニット10の加熱能力を調整する調整処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。なお、図4は、運転モードの切替スイッチ115bが暖房モードに設定された際に、制御装置100が実行する処理の流れを示している。
図4に示すように、制御装置100は、まず、冷却水温度センサ114で内燃機関EGの始動時の冷却水の水温Twoを検出し、制御装置100のメモリに記憶する(S10)。そして、冷却水温度センサ114で内燃機関EGの現在の冷却水の水温Twを検出する(S11)。以下では、説明の便宜上、内燃機関EGの始動時の冷却水の水温を始動時水温Twoと呼び、内燃機関EGの現在の冷却水の水温を現状水温Twと呼ぶ。
続いて、現在の暖房運転がシート暖房運転であるか否かを判定する(S12)。この判定処理では、シート作動スイッチ115dのオン・オフに基づいて判定する。すなわち、シート作動スイッチ115dのオンされている場合にシート暖房運転であると判定し、シート作動スイッチ115dのオンされている場合にシート暖房運転でないと判定する。
ステップS12の判定処理の結果、シート暖房運転でないと判定された場合、すなわち現在の暖房運転が非シート暖房運転である場合、基準要求発熱量Qcを算出する(S13)。この基準要求発熱量Qcは、ヒータコア18による送風空気の加熱能力不足を補うのに必要とされる熱量であり、ヒータコア18による送風空気の加熱能力不足に相関性を有する物理量に基づいて制御装置100が算出する。
制御装置100は、内燃機関EGの冷却水の温度が高くなるに伴って基準要求発熱量Qcが減少し、冷却水の温度が低くなるに伴って基準要求発熱量Qcが増加するように、基準要求発熱量Qcを算出する。
より具体的には、制御装置100は、始動時水温Two、現状水温Tw、基準要求発熱量Qcの関係を予め規定した基準要求発熱量マップを参照して、ステップS10、S11で検出した始動時水温Two、現状水温Twに基づいて基準要求発熱量Qcを算出する。
一方、ステップS12の判定処理の結果、シート暖房運転であると判定された場合、ステップS13と同様に、基準要求発熱量Qcを算出する(S14)。なお、ステップS14における基準要求発熱量Qcの算出手法は、ステップS13の内容と同様であるため、その説明を省略する。
続いて、シート暖房運転時に、内燃機関EGに対して要求する要求発熱量Qrを減少させる熱量である減少発熱量ΔQを算出する(S15)。この減少発熱量ΔQは、ヒータコア18による送風空気の加熱能力不足に相関性を有する物理量に基づいて制御装置100が算出する。
制御装置100は、内燃機関EGの冷却水の温度が高くなるに伴って減少発熱量ΔQが増加し、冷却水の温度が低くなるに伴って減少発熱量ΔQが減少するように、減少発熱量ΔQを算出する。
より具体的には、制御装置100は、始動時水温Two、現状水温Tw、および減少発熱量ΔQの関係を予め規定した減少発熱量マップを参照して、ステップS10、S11で検出した始動時水温Two、現状水温Twに基づいて減少発熱量ΔQを算出する。なお、制御装置100は、減少発熱量ΔQの上限値が基準要求発熱量Qcとなるように算出する(ΔQ≦Qc)。
ステップS13〜S15の制御処理の後、エンジン回転数センサ124で検出された内燃機関EGの回転数Neを読み込む(S16)。また、スロットル開度センサ123で検出されたスロットル開度Swを読み込む(S17)。
そして、内燃機関EGの回転数Neおよびスロットル開度Swに基づいて、内燃機関EGの駆動に要求される内燃機関EGの発熱量である駆動用発熱量Qdを算出する(S18)。具体的には、制御装置100は、回転数Ne、スロットル開度Sw、および駆動用発熱量Qdの関係を予め規定した駆動用発熱量マップを参照して、ステップS16、S17で検出した回転数Ne、スロットル開度Swに基づいて駆動用発熱量Qdを算出する。
続いて、車両走行時および車室内空調時に内燃機関EGに必要とされる必要発熱量Qnを決定する(S19)。制御装置100は、内燃機関EGの作動に必要な駆動用発熱量Qdだけでなく、車室内空調に必要な要求発熱量Qrを加味して必要発熱量Qnを決定する。
ここで、制御装置100は、シート暖房運転時に非シート暖房運転時に比べて要求発熱量Qrを減少させる。具体的には、本実施形態の制御装置100は、非シート暖房運転時に、基準要求発熱量Qcを要求発熱量Qrとし(Qr=Qc)、当該要求発熱量Qrおよび駆動用発熱量Qdを加算した値を必要発熱量Qnに決定する(Qn=Qd+Qr)。
一方、本実施形態の制御装置100は、シート暖房運転時に、図5に示すように、基準要求発熱量Qcから減少発熱量ΔQを減算した値を要求発熱量Qrとする(Qr=Qc−ΔQ)。そして、当該要求発熱量Qrおよび駆動用発熱量Qdを加算した値を必要発熱量Qnに決定する(Qn=Qd+Qr)。
ここで、本実施形態の制御装置100は、シート暖房運転時に、内燃機関EGの冷却水の温度が高くなるに伴って、減少発熱量ΔQを増加させる。このため、シート暖房運転時には、内燃機関EGの冷却水の温度が高くなるに伴って要求発熱量Qrが減少することになる。
図4に戻り、ステップS19で算出した必要発熱量Qnに基づいて、内燃機関EGの作動時の運転効率に影響力の大きい燃料の点火時期を算出する(S20)。本実施形態の制御装置100は、必要発熱量Qnの増加に伴って運転効率が低下し、必要発熱量Qnの減少に伴って運転効率が上昇するように、内燃機関EGの点火時期を規定する点火進角を算出する。
ここで、内燃機関EGは、点火進角をある程度進角させると、運転効率が向上して発熱量が減少する。一方、内燃機関EGは、点火進角を遅角側に設定すると、運転効率が悪化して発熱量が増加する。このため、本実施形態の制御装置100は、必要発熱量Qnの増加に伴って点火進角が遅角側となり、必要発熱量Qnの減少に伴って点火進角が進角側となるように、点火進角を算出する。
続いて、制御装置100は、ステップS20で算出した点火時期で内燃機関EGが作動するように、内燃機関EGの燃料噴射弁の駆動回路122に対して制御信号を出力する(S21)。
ここで、図6は、シート暖房運転時、非シート暖房運転時、暖房停止時の内燃機関EGにおける点火進角の時間変化の一例を示している。また、図7は、シート暖房運転時、非シート暖房運転時、暖房停止時の内燃機関EGにおける冷却水の温度の時間変化の一例を示している。なお、図6、図7では、実線がシート暖房運転時の変化、一点鎖線が暖房停止時の変化、二点鎖線が非シート暖房運転時の変化を示している。
本実施形態では、シート暖房運転時に非シート暖房運転時に比べて要求発熱量を減少させている。このため、シート暖房運転時には、非シート暖房運転時に比べて必要発熱量が減少して、図6に示すように、点火進角が暖房停止時の点火進角に近づく。この結果、シート暖房運転時には、非シート暖房運転時に比べて、内燃機関EGを運転効率の良い状態で作動させることができる。
ところで、図7に示すように、シート暖房運転時には、非シート暖房運転時に比べて内燃機関EGの冷却水の温度が若干低下してしまうが、シート暖房運転時は、乗員に対して直接的に温風が供給されることから、乗員の快適性への影響は小さい。
以上説明した本実施形態の車両用空調システム1は、シート暖房運転時に非シート暖房運転時に比べて、内燃機関EGに対して要求する要求発熱量Qrを減少させる構成としている。これによれば、シート暖房運転時には、非シート暖房運転時に比べて内燃機関EGを運転効率のよい状態で作動させることができる。このため、内燃機関EGの燃料消費量を抑えることができる。
そして、シート空調ユニット50は、室内空調ユニット10よりも乗員の近くに位置しており、直接的に乗員を暖めることができるので、シート暖房運転時に要求発熱量Qrを減少させたとしても、乗員の快適性への影響が小さい。
従って、本実施形態の車両用空調システム1では、内燃機関EGの燃料消費量の増加を抑えつつ、乗員の快適性の低下を抑えることが可能となる。
ここで、シート暖房運転時に非シート暖房運転時に比べて、過度に要求発熱量Qrを減少させると、内縁機関EGの燃料消費量を大幅に低減できるものの、乗員の快適性に影響が大きくなってしまうことが懸念される。
これに対して、本実施形態では、減少発熱量ΔQをヒータコア18による送風空気の加熱能力不足に相関性を有する冷却水に基づいて算出している。これによれば、シート暖房運転時に非シート暖房運転時に比べて要求発熱量Qrを減少させても、乗員の快適性を適切に維持することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図8、図9を参照して説明する。本実施形態では、シート暖房運転時に、要求発熱量Qrを減少させる熱量を目標吹出温度TAOに基づいて算出する点が第1実施形態と相違している。
図8は、本実施形態の制御装置100が実行する室内空調ユニット10の加熱能力を調整する調整処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8は、運転モードの切替スイッチ115bが暖房モードに設定された際に、制御装置100が実行する処理の流れを示している。
図8に示すように、制御装置100は、まず、各種センサ群の検出信号および操作パネル115の操作信号を読み込む(S30)。そして、各種センサ群の検出信号および操作パネル115の操作信号に基づいて、目標吹出温度TAOを算出する(S31)。TAOの算出手法については、第1実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
続いて、暖房運転がシート暖房運転であるか否かを判定する(S32)。この結果、シート暖房運転でないと判定された場合、基準要求発熱量Qcを算出する(S33)。
ここで、TAOは、前述の数式F1に示すように、設定温度Tsetと内気温Trとの温度差が大きくなる程増加する。そして、設定温度Tsetと内気温Trとの温度差が大きく乖離した状態は、ヒータコア18による送風空気の加熱能力不足となっている状態でもある。
そこで、本実施形態の制御装置100は、TAOが高くなるに伴って基準要求発熱量Qcが増加し、TAOが低くなるに伴って基準要求発熱量Qcが減少するように、基準要求発熱量Qcを算出する。より具体的には、制御装置100は、TAOと基準要求発熱量Qcとの関係を予め規定した基準要求発熱量マップを参照して、ステップS31で算出したTAOに基づいて基準要求発熱量Qcを算出する。
一方、ステップS32の判定処理の結果、シート暖房運転であると判定された場合、ステップS33と同様に、基準要求発熱量Qcを算出する(S34)。なお、ステップS34における基準要求発熱量Qcの算出手法は、ステップS33の内容と同様であるため、その説明を省略する。
続いて、シート暖房運転時の減少発熱量ΔQを算出する(S35)。本実施形態の制御装置100は、TAOが高くなるに伴って減少発熱量ΔQが減少し、TAOが低くなるに伴って減少発熱量ΔQが増加するように、減少発熱量ΔQを算出する。より具体的には、制御装置100は、TAOと減少発熱量ΔQとの関係を予め規定した減少発熱量マップを参照して、ステップS31で算出したTAOに基づいて減少発熱量ΔQを算出する。
続いて、内燃機関EGの回転数Neを読み込む(S36)。また、スロットル開度センサ123で検出されたスロットル開度Swを読み込む(S37)。そして、内燃機関EGの回転数Neおよびスロットル開度Swに基づいて、駆動用発熱量Qdを算出する(S38)。なお、図8に示すステップS36〜S38の制御処理は、第1実施形態で説明した図4のステップS16〜S18の制御処理と同様であることから、その詳細な説明については省略する。
続いて、車両走行時および車室内空調時に内燃機関EGに必要とされる必要発熱量Qnを決定する(S39)。具体的には、本実施形態の制御装置100は、非シート暖房運転時に、基準要求発熱量Qcを要求発熱量Qrとし(Qr=Qc)、当該要求発熱量Qrおよび駆動用発熱量Qdを加算した値を必要発熱量Qnに決定する(Qn=Qd+Qr)。
一方、本実施形態の制御装置100は、シート暖房運転時に、図9に示すように、基準要求発熱量Qcから減少発熱量ΔQを減算した値を要求発熱量Qrとする(Qr=Qc−ΔQ)。そして、当該要求発熱量Qrおよび駆動用発熱量Qdを加算した値を必要発熱量Qnに決定する(Qn=Qd+Qr)。
ここで、本実施形態の制御装置100は、シート暖房運転時に、TAOが低くなるに伴って、減少発熱量ΔQを増加させる。このため、シート暖房運転時には、TAOが低くなるに伴って要求発熱量Qrが減少することになる。
図8に戻り、ステップS39で算出した必要発熱量Qnに基づいて、内燃機関EGの作動時の運転効率に影響力の大きい燃料の点火時期を算出する(S40)。そして、制御装置100は、ステップS20で算出した点火時期で内燃機関EGが作動するように、内燃機関EGの燃料噴射弁の駆動回路122に対して制御信号を出力する(S41)。
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様であり、本実施形態の車両用空調システム1では、第1実施形態と同様に、内燃機関EGの燃料消費量の増加を抑えつつ、乗員の快適性の低下を抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、減少発熱量ΔQをヒータコア18による送風空気の加熱能力不足に相関性を有するTAOに基づいて算出している。これによれば、シート暖房運転時に非シート暖房運転時に比べて要求発熱量Qrを減少させても、乗員の快適性を適切に維持することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図10〜図13を参照して説明する。本実施形態では、シート暖房運転時に、要求発熱量Qrを減少させる熱量を、赤外線センサ130の検出値に基づいて算出する点が第1実施形態と相違している。
図10に示すように、本実施形態では、インストルメントパネルIPに赤外線センサ130が設けられている。赤外線センサ130は、非接触型の温度センサであり、シート2の表面付近の温度を検出する温度検出部を構成している。赤外線センサ130は、IRセンサと称されることもある。
図11に示すように、本実施形態の赤外線センサ130は、入力される赤外線量の変化に対応した起電力の変化を温度変化として出力するサーモパイル型の検出素子131を有する。
具体的には、赤外線センサ130は、検出素子131が台座131cに配置されるとともに、カップ状のケース131bによって覆われている。ケース131bの底部に貫通穴131dが形成されており、当該貫通穴131dにレンズ131eがはめ込まれている。
また、検出素子131は、図12に示すように、基板131a上に設置されるセンサチップ132、およびセンサチップ132を覆うように配設される赤外線吸収膜133を有する。なお、赤外線吸収膜133は、温度の検出領域となるシート2付近からレンズ131eを介して入射される赤外線を吸収して熱に変換する役割を果たす。
このように構成される赤外線センサ130は、制御装置100の入力側に接続されている。換言すれば、制御装置100には、その入力側に赤外線センサ130が接続されている。
次に、本実施形態の制御装置100が実行する室内空調ユニット10の加熱能力を調整する調整処理について、図13を参照して説明する。なお、図13は、運転モードの切替スイッチ115bが暖房モードに設定された際に、制御装置100が実行する処理の流れを示している。
図13に示すように、制御装置100は、まず、赤外線センサ130の検出値、すなわち、シート2付近の温度を読み込む(S51)。そして、暖房運転がシート暖房運転であるか否かを判定する(S52)。この結果、シート暖房運転でないと判定された場合、基準要求発熱量Qcを算出する(S53)。
ここで、シート2に乗員が着座している場合、赤外線センサ130では、シート2に着座した乗員の身体の表面温度を検出することになる。そして、乗員の身体の表面温度が低い状態は、ヒータコア18による送風空気の加熱能力不足となっている状態と考えられる。
そこで、本実施形態の制御装置100は、赤外線センサ130の検出温度が高くなるに伴って基準要求発熱量Qcが減少し、赤外線センサ130の検出温度が低くなるに伴って基準要求発熱量Qcが増加するように、基準要求発熱量Qcを算出する。より具体的には、制御装置100は、赤外線センサ130の検出温度と基準要求発熱量Qcとの関係を予め規定した基準要求発熱量マップを参照して、ステップS51で読み込んだ赤外線センサ130の検出値に基づいて基準要求発熱量Qcを算出する。
一方、ステップS52の判定処理の結果、シート暖房運転であると判定された場合、ステップS53と同様に、基準要求発熱量Qcを算出する(S54)。なお、ステップS54における基準要求発熱量Qcの算出手法は、ステップS53の内容と同様であるため、その説明を省略する。
続いて、シート暖房運転時の減少発熱量ΔQを算出する(S55)。本実施形態の制御装置100は、赤外線センサ130の検出温度が高くなるに伴って減少発熱量ΔQが増加し、赤外線センサ130の検出温度が低くなるに伴って減少発熱量ΔQが減少するように、減少発熱量ΔQを算出する。より具体的には、制御装置100は、赤外線センサ130の検出温度と減少発熱量ΔQとの関係を予め規定した減少発熱量マップを参照して、ステップS51で検出した赤外線センサ130の検出値に基づいて減少発熱量ΔQを算出する。
続いて、内燃機関EGの回転数Neを読み込む(S56)。また、スロットル開度センサ123で検出されたスロットル開度Swを読み込む(S57)。そして、内燃機関EGの回転数Neおよびスロットル開度Swに基づいて、駆動用発熱量Qdを算出する(S58)。なお、図13に示すステップS56〜S58の制御処理は、第1実施形態で説明した図4のステップS16〜S18の制御処理と同様であることから、その詳細な説明については省略する。
続いて、車両走行時および車室内空調時に内燃機関EGに必要とされる必要発熱量Qnを決定する(S59)。具体的には、本実施形態の制御装置100は、非シート暖房運転時に、基準要求発熱量Qcを要求発熱量Qrとし(Qr=Qc)、当該要求発熱量Qrおよび駆動用発熱量Qdを加算した値を必要発熱量Qnに決定する(Qn=Qd+Qr)。
一方、本実施形態の制御装置100は、シート暖房運転時に、基準要求発熱量Qcから減少発熱量ΔQを減算した値を要求発熱量Qrとする(Qr=Qc−ΔQ)。そして、当該要求発熱量Qrおよび駆動用発熱量Qdを加算した値を必要発熱量Qnに決定する(Qn=Qd+Qr)。
ここで、本実施形態の制御装置100は、シート暖房運転時に、赤外線センサ130の検出温度が高くなるに伴って、減少発熱量ΔQを増加させる。このため、シート暖房運転時には、赤外線センサ130の検出温度が高くなるに伴って要求発熱量Qrが減少することになる。
続いて、ステップS59で算出した必要発熱量Qnに基づいて、内燃機関EGの作動時の運転効率に影響力の大きい燃料の点火時期を算出する(S60)。そして、制御装置100は、ステップS60で算出した点火時期で内燃機関EGが作動するように、内燃機関EGの燃料噴射弁の駆動回路122に対して制御信号を出力する(S61)。
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様であり、本実施形態の車両用空調システム1では、第1実施形態と同様に、内燃機関EGの燃料消費量の増加を抑えつつ、乗員の快適性の低下を抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、減少発熱量ΔQをヒータコア18による送風空気の加熱能力不足に相関性を有する赤外線センサ130の検出温度に基づいて算出している。これによれば、シート暖房運転時に非シート暖房運転時に比べて要求発熱量Qrを減少させても、乗員の快適性を適切に維持することが可能となる。
特に、赤外線センサ130は、シート2に着座した乗員の身体の表面温度を検出することができるので、乗員が感じる暖房不足に対応して、要求発熱量Qrを調整することができる点で有利である。
ここで、本実施形態では、シート2付近の温度を赤外線センサ130によって検出する例について説明したが、これに限定されず、例えば、シート2に対して温度センサを設け、当該温度センサによりシート2付近の温度を検出する構成としてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態の如く、ヒータコア18による送風空気の加熱能力不足に相関性を有する物理量に基づいて基準要求発熱量Qcを算出することが望ましいが、これに限定されない。例えば、ヒータコア18による送風空気の加熱能力不足に相関性を有する物理量によらず、基準要求発熱量Qcを一定量としてもよい。
(2)上述の各実施形態の如く、ヒータコア18による送風空気の加熱能力不足に相関性を有する物理量に基づいて減少発熱量ΔQを算出することが望ましいが、これに限定されない。例えば、ヒータコア18による送風空気の加熱能力不足に相関性を有する物理量によらず、減少発熱量ΔQを一定量としてもよい。
(3)上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
(4)上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
(5)上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
10 室内空調ユニット
13 室内側送風機
17 ヒータコア(加熱器)
50 シート空調ユニット
51 シート側送風機
52 送風ダクト
100a 要求熱量算出部
100b 必要熱量決定部
100c 作動制御部
115d シート作動スイッチ(暖房切替部)

Claims (5)

  1. 車両走行用の駆動力を出力する内燃機関(EG)の冷却水を熱源として車室内を空調する車両用空調システムにおいて、
    前記車室内へ向けて空気を送風する室内側送風機(13)、前記内燃機関の冷却水を熱源として前記室内側送風機により送風された送風空気を加熱する加熱器(17)を含んで構成される室内空調ユニット(10)と、
    シート(2)に形成されたシート通風路(3)に空気を送風するシート側送風機(51)、前記室内空調ユニットで温度調整された空気の少なくとも一部を前記シート側送風機の空気吸入側に導く送風ダクト(52)を含んで構成されるシート空調ユニット(50)と、
    前記室内側送風機および前記シート側送風機の双方を作動させて前記車室内を暖めるシート暖房運転、前記シート側送風機を停止させた状態で前記室内側送風機を作動させて前記車室内を暖める非シート暖房運転を切り替える暖房切替部(115d)と、
    前記加熱器による前記送風空気の加熱能力不足を補うために前記内燃機関に対して要求する要求発熱量(Qr)を算出する要求熱量算出部(100a)と、
    前記要求発熱量を加味して前記内燃機関の必要発熱量(Qn)を決定する必要熱量決定部(100b)と、
    前記必要発熱量の増加に伴って前記内燃機関の作動時の運転効率が低下し、前記必要発熱量の減少に伴って前記運転効率が上昇するように前記内燃機関の作動を制御する作動制御部(100c)と、を備え、
    前記要求熱量算出部は、前記シート暖房運転時に前記非シート暖房運転時に比べて前記要求発熱量を減少させる車両用空調システム。
  2. 前記要求熱量算出部は、
    前記シート暖房運転時に減少させる前記要求発熱量の減少発熱量(ΔQ)を、前記加熱器による前記送風空気の加熱能力不足に相関性を有する物理量に基づいて算出し、
    前記シート暖房運転時に前記非シート暖房運転時に比べて前記要求発熱量を前記減少発熱量の分だけ減少させる請求項1に記載の車両用空調システム。
  3. 前記要求熱量算出部は、前記冷却水の温度が高くなるに伴って前記要求発熱量が減少するように、前記減少発熱量を増加させる請求項2に記載の車両用空調システム。
  4. 前記要求熱量算出部は、前記室内空調ユニットから前記車室内へ吹き出す吹出空気の目標吹出温度(TAO)が低くなるに伴って前記要求発熱量が減少するように、前記減少発熱量を増加させる請求項2に記載の車両用空調システム。
  5. 前記シートの表面付近の温度を検出する温度検出部(130)を備え、
    前記要求熱量算出部は、前記温度検出部で検出された検出温度の上昇に伴って前記要求発熱量が減少するように、前記減少発熱量を増加させる請求項2に記載の車両用空調システム。
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