JP2002144849A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2002144849A
JP2002144849A JP2000339037A JP2000339037A JP2002144849A JP 2002144849 A JP2002144849 A JP 2002144849A JP 2000339037 A JP2000339037 A JP 2000339037A JP 2000339037 A JP2000339037 A JP 2000339037A JP 2002144849 A JP2002144849 A JP 2002144849A
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JP
Japan
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air
temperature
seat
control
air conditioning
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JP2000339037A
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English (en)
Inventor
Shinji Aoki
青木  新治
Takeshi Yoshinori
毅 義則
Yuichi Kajino
祐一 梶野
Tsuyoshi Sakai
剛志 酒井
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 季節に係わらず乗員の温感に合った快適な車
室内空調およびシート空調を可能にした車両用空調装置
を実現することにある。 【解決手段】 空調風を車室内に吹き出す空調ユニット
21と、シートへ空調風を吹き出すシート空調ユニット
4と、空調ユニット21を制御するECU37とを備
え、この制御装置37は、熱負荷の検出値Tr、Ta
m、Tsおよび設定温度Tsetから目標吹出温度TA
Oを求め、この目標吹出温度TAOに基づいて求めた制
御量で空調ユニット21を制御する空調制御およびシー
ト空調ユニット4を制御するシート空調制御を有し、か
つ、このシート空調制御は、車室内空調が安定状態にあ
るときに制御量を決める第1の空調制御(154)と過
渡状態にあるときに制御量を決める第2の空調制御(1
51)とを有するように配設したことを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度調節された空
調風を車室内に吹き出す空調ユニットに加え、シート空
調装置を設けた車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用空調装置として、
例えば、特開平10−297243号公報に記載された
ものがあり、この公報記載の従来技術では、シート空調
装置と車両の空調装置とを設け、シート温度またはシー
ト空調装置の運転状態もしくは設定情報に基づいて、空
調装置の運転状態もしくは設定情報を修正する制御ユニ
ットを備えて、この制御ユニットはシート空調装置の設
定温度を空調装置の設定温度として空調運転できるよう
に構成されている。
【0003】また、逆に空調装置の運転状態もしくは設
定情報に基づいて、シート空調装置の運転状態もしくは
設定情報を修正する制御ユニットを備えて、この制御ユ
ニットは、空調装置の設定温度をシート空調装置の設定
温度として空調運転できるように構成されている。具体
的には、両装置の一方の設定情報(例えば、設定温度)
に基づいて、両装置が同一運転状態で空調運転を行うも
のであり、両装置の他の一方の設定情報(例えば、設定
温度)を変更すると先の設定情報が変更して空調運転を
行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両空
調の空調負荷が大きくて車両空調能力が高いときに空調
装置の設定温度に基づいて、シート空調装置を大能力で
運転させると安定状態において過剰の空調能力が与えら
れ、夏季は過冷房、冬季は過暖房となり乗員の所望する
シートの温熱状態から外れ不快感を与える問題がある。
【0005】特に、空調装置の空調風を取り入れてシー
トに温風または冷風をあてるシート空調装置において
は、上述した不具合が顕著であり、空調装置の温感レベ
ルが安定状態でもシート側の温感レベルは冷え過ぎまた
は暖めすぎとなり易く不快感を与える。この結果、夏季
の冷房運転では冷やし過ぎによる腰痛、疲労感の要因と
なり、冬季の暖房運転においては、温風による顔の火照
り等が発生する。これは、シート空調装置がシートに着
席した乗員との接触面空調であるために発生する問題で
ある。
【0006】また、上記従来技術では、シート空調装置
側からシート空調の設定情報を変更すると空調装置側の
設定情報も変更できるようになっている。これにより、
シート空調装置が取付けられていない座席に着席した他
の乗員には、空調装置が所望の空調状態とならないため
不快感が発生する問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は、上記点に鑑みて
なされたもので、季節に係わらず乗員の温感に合った快
適な車室内空調およびシート空調を可能にできる車両用
空調装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1ないし請求項15に記載の技術的手段を採
用する。
【0009】すなわち、請求項1の発明では、温度調節
された空調風を車室内に吹き出す空調ユニット(21)
と、乗員の座るシートへ空調風を吹き出すシート空調ユ
ニット(4)と、車両の熱負荷の検出値(Tr、Ta
m、Ts)に応じて空調ユニット(21)およびシート
空調ユニット(4)を制御する制御装置(37)とを備
え、この制御装置(37)は、車両の熱負荷の検出値
(Tr、Tam、Ts)および乗員の設定する設定温度
(53)に基づいて車室内への目標吹出温度(TAO)
を求める目標吹出温度演算手段(130)と、目標吹出
温度(TAO)に基づいて求めた第1の制御量に応じて
空調ユニット(21)を制御する空調制御手段と、目標
吹出温度(TAO)に基づいて求めた第2の制御量に応
じてシート空調ユニット(4)を制御するシート空調制
御手段とを有し、かつ、シート空調制御手段は、車室内
空調が安定状態にあるときに第2の制御量を決める第1
のシート空調制御手段(154)と、車室内空調が過渡
状態にあるときに第2の制御量を決める第2のシート空
調制御手段(151)とを有することを特徴としてい
る。
【0010】請求項1の発明によれば、空調ユニット
(21)およびシート空調ユニット(4)を制御する制
御装置(37)に、空調ユニット(21)を第1の制御
量で制御する空調制御手段と、シート空調ユニット
(4)を第2の制御量で制御するシート空調制御手段と
を有し、かつ、車室内空調が安定状態にあるときに第2
の制御量で決める第1のシート空調制御手段(154)
と、車室内空調が過渡状態にあるときに第2の制御量で
決める第2のシート空調制御手段(151)とを有する
ことにより、車室内空調の空調ユニット(21)の制御
を行うとともに、接触面空調であるシート空調ユニット
(4)を制御することが可能となる。
【0011】例えば、車室内空調が安定状態に達しても
日射が強く炎天下などの車両の熱負荷が大きいときに
は、空調ユニット(21)の空調制御手段は、空調風の
吹出温度を低くして風量を増加させるなどの第1の制御
量による制御が行われるが、このようなときにシート空
調ユニット(4)ではむしろ過冷房による不快感を乗員
に与える。
【0012】また、暖房時の車両の熱負荷が大きいとき
にも同じように空調ユニット(21)の空調制御手段
は、空調風の吹出温度が高くして風量を増加させるなど
の第1の制御量による制御が行われるが、このようなと
きにシート空調ユニット(4)では過暖房による不快感
を乗員に与える。
【0013】そこで、シートに吹き出す空気の吹出温度
および風量を乗員の温感レベルによる評価で求めた第2
の制御量を用いた第1のシート空調制御手段(154)
で別の制御を行うことで従来の過冷房および過暖房を防
止できる。この結果により、車室内空調とシート空調の
快適性の向上が図れる。
【0014】次に、炎天下に暫く駐車させた後に乗車す
るときなど、シートの表面温度が高く急速な冷房を必要
とするような車室内空調が過渡状態のときには、吹出温
度および風量を最大限の空調能力を発揮させて吹出温度
を低くさせ最大風量の第2の制御量を用いた第2のシー
ト空調制御手段(151)で制御することで急速な冷房
が可能となる。この第2のシート空調制御手段(15
1)は、空調ユニット(21)の空調制御手段でも同じ
ような制御を行うことにより、車室内空調とシート空調
の即効性の向上が図れる。
【0015】しかも、制御装置(37)に、シート空調
制御手段の第2の制御量を求めるのに、空調ユニット
(21)と共用の車両の熱負荷の検出値(Tr、Ta
m、Ts)、設定温度(53)、目標吹出温度演算手段
(130)および目標吹出温度(TAO)を用いること
により、空調ユニット(21)の構成部品と共用でき別
体の部品等を設けずに精度の良好なシート空調ユニット
(4)の制御が可能となる。この結果、シート空調ユニ
ット(4)の製品コストの低減が図れる。
【0016】請求項2の発明では、第1のシート空調制
御手段(154)の第2の制御量は、目標吹出温度(T
AO)が第1の所定値以下および目標吹出温度(TA
O)が第2の所定値以上のときに風量を増加させる制御
量である空調制御手段の第1の制御量に対して、風量を
減少させる制御量であることを特徴としている。
【0017】請求項2の発明によれば、空調ユニット
(21)の第1の制御量は、例えば目標吹出温度(TA
O)が第1の所定値以下のとき、すなわち、冷房運転に
おいて、設定温度(Tset)と隔たりがある場合に
は、吹出温度が低いほど風量を多くする制御を行ってい
るが、第1のシート空調制御手段(154)の第2の制
御量は、低い吹出温度で高風量の風量制御をすると冷え
過ぎによる腰痛、疲労感の要因となり、これを解消する
ために吹出温度に対応した風量を温感レベルによる評価
を実験で求め、その結果より、具体的には低い吹出温度
ほど低風量の制御量で制御を行うことで乗員の不快感を
解消させることにより快適性の向上が図れる。
【0018】また、目標吹出温度(TAO)が第2の所
定値以上のとき、すなわち、暖房運転において、設定温
度(Tset)と隔たりがある場合には、吹出温度が高
いほど風量を多くする制御を行っているが、第1のシー
ト空調制御手段(154)の第2の制御量は、高い吹出
温度で高風量の風量制御をすると暖め過ぎによる顔の火
照りや低い吹出温度で低風量による膝寒さなどの要因と
なり、これを解消するために吹出温度に対応した風量を
温感レベルおよび快適感などによる評価を実験で求め、
その結果より、具体的には高い吹出温度ほど低風量の制
御量で制御を行うことで乗員の不快感を解消させること
により快適性の向上が図れる。
【0019】従って、これらの第2の制御量は、空調制
御手段の第1の制御量と異なった制御を行う。
【0020】請求項3の発明では、シート空調ユニット
(4)は、空調ユニット(21)からの空調風と車室内
からの空気とを取り入れこの両者の混合割合を調整する
切替制御手段(43)を有し、かつ第1のシート空調制
御手段(154)は、目標吹出温度(TAO)に基づい
て求めた目標シート吹出温度(TAOseat)が所定
の吹出温度以下のときに切替制御手段(43)を制御し
て、空調ユニット(21)からの空調風を遮断し、車室
内からの空気を取り入れることを特徴としている。
【0021】請求項3の発明によれば、シート空調で
は、接触空調となるために乗員の皮膚温に影響を受け
る。そこで、シート吹出温度と皮膚温との関係を温感レ
ベルによる評価を実験で求め、その結果より、目標吹出
温度(TAO)に基づいて求めた目標シート吹出温度
(TAOseat)が所定の吹出温度以下のときに切替
制御手段(43)を制御して空調風を遮断させ、車室内
からの空気を取り入れることにより、不快となる皮膚温
に達する前に室内空気を取り入れため過冷房を防止する
ことができ快適なシート空調が得られる。
【0022】請求項4の発明では、第1のシート空調制
御手段(154)は、検出値(Tr、Tam、Ts)の
うちで内気温度(Tr)が所定の内気温度以下のときに
シート空調ユニット(4)の制御を停止させることを特
徴としている。
【0023】請求項4の発明によれば、例えば、車室内
空調の設定温度(53)が低く設定されていて車室内が
やや涼しい領域に達しているときには、シート空調ユニ
ット(4)に取り入れる室内空気が低いと不快となる皮
膚温に達してしまう。そこで、所定の内気温度以下のと
きにシート空調ユニット(4)の制御を停止させること
で過冷房を防止できる。
【0024】請求項5の発明では、温度調節された空調
風を車室内に吹き出す空調ユニット(21)と、乗員の
座るシートへ空調風を吹き出すシート空調ユニット
(4)と、車両の熱負荷の検出値(Tr、Tam、T
s)に基づいて求めた第1の制御量および第2の制御量
に応じて空調ユニット(21)およびシート空調ユニッ
ト(4)を各々制御する制御装置(37)とを備え、制
御装置(37)は、車両の熱負荷の検出値(Tr、Ta
m、Ts)に基づいて車室内への目標吹出温度(TA
O)を求め、空調ユニット(21)を制御する第1の制
御量を決める目標吹出温度演算手段(130)と、検出
値(Tr、Tam、Ts)に基づいてシートへの目標シ
ート吹出温度(TAOseat)を求め、シート空調ユ
ニット(4)を制御する第2の制御量を決める目標シー
ト演算手段(140)とを有し、かつ、目標シート演算
手段(140)は、車室内空調が安定状態にあるときに
第2の制御量を決める第1の目標シート演算手段(15
4)と、車室内空調が過渡状態にあるときに第2の制御
量を決める第2の目標シート演算手段(151)とを有
することを特徴としている。
【0025】請求項5の発明によれば、請求項1に記載
の制御装置(37)では、第1の制御量で制御する空調
ユニット(21)の空調制御手段と第2の制御量で制御
するシート空調ユニット(4)のシート空調制御手段と
は、空調ユニツト(21)の構成部品である熱負荷の検
出値(Tr、Tam、Ts)および設定温度(53)の
入力情報から目標吹出温度演算手段(130)と目標吹
出温度(TAO)に基づいて求めたが、これに限らず、
第1の制御量で制御する空調ユニット(21)は、請求
項1と同じの目標吹出温度演算手段(130)と、第2
の制御量で制御するシート空調ユニット(4)は、熱負
荷の検出値(Tr、Tam、Ts)の入力情報からシー
トへの目標シート吹出温度(TAOseat)を求める
目標シート演算手段とを有し、かつ、安定状態にあると
きに第1の目標シート演算手段(154)と、過渡状態
にあるときに第2の目標シート演算手段(151)とを
有することにより、車室内空調の空調ユニット(21)
の制御を行うとともに、接触面空調であるシート空調ユ
ニット(4)を制御することが可能となる。
【0026】請求項6の発明では、第1の目標シート演
算手段(154)の第2の制御量は、目標吹出温度(T
AO)が第1の所定値以下および目標吹出温度(TA
O)が第2の所定値以上のときに風量を増加させる制御
量である空調制御手段の第1の制御量に対して、風量を
減少させる制御量であることを特徴としている。
【0027】請求項6の発明によれば、第1のシート空
調制御手段(154)の第2の制御量は、請求項2で述
べたように、空調制御手段の第1の制御量に対して異な
った制御を行うことで不快感を解消できる。すなわち、
冷房運転のときには、低い吹出温度ほど低風量の制御量
で制御を行い、暖房運転のときには、高い吹出温度ほど
低風量の制御量で制御を行うことで乗員の不快感を解消
させることにより快適性の向上が図れる。
【0028】請求項7の発明では、シート空調ユニット
(4)は、空調ユニット(21)からの空調風と車室内
からの空気とを取り入れこの両者の混合割合を調整する
切替制御手段(43)を有し、かつ第1の目標シート演
算手段(154)は、第2の制御量に基づいて、目標シ
ート吹出温度(TAOseat)が所定の吹出温度以下
のときに切替制御手段(43)を制御して、空調ユニッ
ト(21)からの空調風を遮断し、車室内からの空気を
取り入れることを特徴としている。
【0029】請求項7の発明によれば、請求項3で述べ
たことと同様の効果を奏でる。
【0030】請求項8の発明では、第1の目標シート演
算手段(154)は、検出値(Tr、Tam、Ts)の
うちで内気温度(Tr)が所定の内気温度以下のときに
シート空調ユニット(4)の制御を停止させる制御量で
あることを特徴としている。
【0031】請求項8の発明によれば、請求項4で述べ
たことと同様の効果を奏でる。
【0032】請求項9の発明では、シート空調ユニット
(4)は、空調ユニット(21)からの空調風と車室内
からの空気とを取り入れこの両者の混合割合を調整する
切替制御手段(43)を有し、かつ、制御装置(37)
は、切替制御手段(43)を制御して空調風と車室内か
らの空気とを混合させる室内風切替制御手段(155)
を有していることを特徴としている。
【0033】請求項9の発明によれば、空調ユニット
(21)の空調制御手段では、上述した熱負荷の大きい
ときにシート空調ユニット(4)では過冷房および過暖
房になり易く乗員に不快感を与えやすい。これを防止す
るために第1のシート空調制御手段(154)で対応し
たが吹出温度がさらに低下または上昇するときには、切
替制御手段(43)により車室内の空気を取り入れて混
合調節させることにより、過冷房および過暖房を防止さ
せて快適性の向上が図れる。
【0034】請求項10の発明では、シート空調ユニッ
ト(4)は、空調ユニット(21)に連結され空調ユニ
ット(21)の吹出モードのうちで常時通風されている
サイドフェイス開口部(321)から空調風を取り入れ
ることを特徴としている。
【0035】請求項10の発明によれば、常時通風され
ているサイドフェイス開口部(321)から空調風を取
り入れることにより、冷風および温風との混合を行う冷
温風制御ドア(42)およびダクト(321a )など
の部品が不要となるため部品点数を少なくできる。
【0036】請求項11の発明では、制御装置(37)
は、車室内空調が安定状態または過渡状態のいずれかを
判定する空調状態判定手段(150)を有するととも
に、この空調状態判定手段(150)は、目標吹出温度
(TAO)を求める設定温度(Tset)および車室内
温度(Tr)とに基づいた安定状態判別式で判定するこ
とを特徴としている。
【0037】請求項11の発明によれば、過冷房および
過暖房を防止するための第1のシート空調制御手段(1
54)への切り替えを設定温度(Tset)と車室内温
度(Tr)とに基づいた安定状態判別式で判定すること
により、例えば、本発明では、安定状態判別式を設定温
度(Tset)と車室内温度(Tr)との偏差(Σ=|
Tset−Tr|≦δ)を用いて判定値δを車室内温度
(Tr)が安定しているときにシート空調が過冷房か過
暖房になっているかを実験より求めた任意値で決めてお
き車室内温度(Tr)の推移を検出することにより、車
室内空調を過渡状態か安定状態かの判定が容易にできる
とともに、車室内温度(Tr)が安定したか否かを検出
して判定することでシート空調における過冷房または過
暖房を未然に防止できるとともに快適なシート空調がで
きる。
【0038】請求項12および請求項14の発明では、
制御装置(37)は、車室内空調が安定状態または過渡
状態のいずれかを判定する空調状態判定手段(150)
を有するとともに、空調状態判定手段(150)は、目
標吹出温度(TAO)を求める設定温度(Tset)、
シート空調ユニット(4)を操作するシート空調操作手
段(54)内に設けられ暖かめ領域から涼しめ領域まで
の選択幅を有し、かつ乗員が設定するシート設定温度
(Sset)および車室内温度(Tr)とに基づいた安
定状態判別式で判定することを特徴としている。
【0039】請求項12および請求項14の発明によれ
ば、上述の安定状態判別式に、シート空調操作手段(5
4)内に設けられたシート設定温度(Sset)を含め
ることにより、例えば、本発明では、安定状態判別式を
Σ=|(Tset+Sset)−Tr|≦δとしてシー
ト設定温度(Sset)を追加することにより、シート
空調では、接触面空調であることから個人差による温熱
感への影響が大きいため、個人差のバラツキに対応した
暖かめから涼しめまでの可変幅を備えたシート空調の制
御ができる。
【0040】請求項13の発明では、空調状態判定手段
(150)は、シート設定温度(Sset)の設定変更
に応じて安定状態判別式の判定値を変更することを特徴
としている。
【0041】請求項13の発明によれば、上述の安定状
態判別式の判定値δは、実験より求めた任意の値を一定
にして判定していたが、シート設定温度(Sset)の
設定または設定変更に対応して変更する判定値δとする
ことにより、個人差のバラツキを安定状態判別式に反映
でき暖かめから涼しめまでの可変幅を備えたシート空調
の制御ができる。
【0042】請求項15の発明では、制御装置(37)
は、車室内空調が過渡状態から安定状態に切り替わった
直後のときに、過渡状態に応じた制御量から安定状態に
応じた制御量に徐々に可変する第1の空調切替制御手段
(153)を有していることを特徴としている。
【0043】請求項15の発明によれば、第1のシート
空調制御手段(154)あるいは第1の目標シート演算
手段(154)と、第2のシート空調制御手段(15
1)あるいは第2の目標シート演算手段(151)とが
異なる制御量に対して、例えば、上述では吹出温度と風
量の制御量がそれぞれ異なる制御を行うため、吹出温度
に対応する風量が過渡状態から安定状態に切り替わった
直後は、例えばある周期ごとに風量を所定レベルに1レ
ベルごと段階的に切り替える制御量で制御を行う第1の
空調切替制御手段(153)を用いることで第1のシー
ト空調制御手段(154)あるいは第1の目標シート演
算手段(154)に移行させることにより、違和感なき
制御量の変更ができ乗員への不快感を与えない。
【0044】なお、上記各手段の括弧内符号は、後述す
る実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す一実施形
態について説明する。図1〜図10は本発明を車両用空
調装置に適用した場合の一実施形態を示す。まず、図1
に基づいて空調ユニット21の構成を説明する。送風ダ
クト22の上流側には、車室外の空気(外気)を吸入す
る外気吸込口23a、23bと車室内の空気(内気)を
吸入する内気吸入口24a、24bとが設けられ、これ
ら各吸入口23a、23b、24a、24bから吸入す
る内外気の混合割合が内外気ドア25a、25bによっ
て切り替えるようになっている。
【0046】上記送風ダクト22内には、送風機26が
設けられ、この送風機26の下流側に、冷凍サイクル
(図示せず)を構成する蒸発器28、エアミックスドア
29およびエンジン冷却水が循環するヒータコア30が
設けられている。上記エアミックスドア29の開度を調
節することによって、ヒータコア30を通過する空気と
通過しない空気の混合割合を調節して、空調風の温度を
調整するようになっている。
【0047】そして、送風ダクト22の下流側には、車
両の前面ガラスに向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹
出口(図示せず)にダクトを介して接続されるデフロス
タ開口部31と、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出
すフェイス吹出口(図示せず)にダクトを介して接続さ
れるフェイス開口部32と、乗員の足元に向け空調風を
吹き出すフット吹出口(図示せず)にダクトを介して接
続されるフット開口部33とが設けられ、これら各開口
部31、32、33の上流側に、それぞれ制御ドア3
4、35、36が設けられている。
【0048】以上のように構成された空調ユニット21
は、電子制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)37によっ
て制御される。このECU37には、車両の熱負荷を検
出するために、内気温度センサ38、外気温度センサ3
9、日射量を検出する日射センサ40から検出した検出
信号Tr、Tam、Tsが入力される。さらに、このE
CU37には、インストルメントパネルの中央部に設け
られたエアコン操作パネル44から操作信号が入力され
る。
【0049】このエアコン操作パネル44には、図2に
示すように、空調運転をオン/オフするA/Cスイッチ
48と、運転モードを自動/手動に切り替えるオートス
イッチ49と、吹出口の切替えをフェイス、バイレベ
ル、フット、フットデフロスタ、デフロスタのいずれか
を手動で切り替える5つの吹出モード切替スイッチ50
と、吸気モードを外気吸入/内気循環に手動で切り替え
る吸気モード切替スイッチ51と、送風量を手動で切り
替える送風切替スイッチ52と、空調制御の目標値とな
る設定温度を手動設定する温度設定スイッチ53とが設
けられている。なお、オートスイッチ49は、吹出モー
ド切替スイッチ50、吸気モード切替スイッチ51、送
風切替スイッチ52の運転モードの切り替えを自動制御
させる操作スイッチである。
【0050】一方、車両のシート3には、着座部3bな
らびに背当て部3cのそれぞれに複数の空気吹出口3a
を備えている。そして、シート空調ユニット4は、空気
吹出口3aに温風、冷風、または送風を供給する。各空
気吹出口3aは着座部3bの内部に形成された通風路3
dならびに背当て部3cの内部に形成された通風路3e
にそれぞれ連通している。各通風路3d、3eは、空気
供給ダクト8を介してシート空調ユニット4の吐出口4
aを介して連通されている。なお、図1では、シート3
の下部から空気供給ダクト8を引き出す構造を示したが
シート3の側部から空気供給ダクト8を引き出すように
しても良い。また、シート空調ユニット4を着座部3b
の下部に配設しても良い。
【0051】次に、シート空調ユニット4には、吐出口
4aの上流側に車室内空気(内気)を吸入する内気吸込
口4bと冷風取入口4cと温風取入口4dとが形成され
ている。冷風取入口4cは、フェイス開口部32から分
岐された冷風ダクト32aと連通させ、温風取入口4d
は、フット吹出口33から分岐された温風ダクト33a
とが連通されている。
【0052】そして、これらの取入口4c、4dの下流
側に冷風または温風および送風を制御する冷温風制御ド
ア42と、車室内に連通する内気吸込口4bと、この内
気を取り入れ、開度調節可能な室内気制御ドア43と、
シート3へ圧送する送風機41とが設けられている。ま
た、吐出口4aの近傍にシート3への吹出空気温度To
を検出するシート吹出温度センサ47を設けている。な
お、これらの制御ドア42、43は、サーボモータ(図
示せず)などのアクチュエータにて駆動されるようにな
っている。
【0053】このシート空調ユニット4は、前席の左右
2つのシートと後席のシートの左右両側にそれぞれ埋設
され、各席の乗員が自席のシート空調ユニット4の動作
レベルを任意に調整できるように、例えば、前席のドア
の内側部と後席のシートの中央部にシート空調操作パネ
ル54が合計4個設けられている。
【0054】各席のシート空調操作パネル54には、図
3(a)に示すように、シート空調ユニット4の設定温
度を手動設定するためのシート温度設定スイッチ55
と、シート空調ユニット4をオン/オフするシート空調
運転スイッチ57と、上述した室内気制御ドア43を駆
動させて内気吸込口4bを開/閉する室内気スイッチ5
8とが設けられている。
【0055】このシート温度設定スイッチ55は、回転
式のダイヤルスイッチにより構成され、涼しめゾーン5
5aと暖かめゾーン55bとにシート設定温度Sset
を選択するようになっている。
【0056】特に、シート空調では、接触面空調である
がために温感レベルの個人差のバラツキが大きいため、
涼しめゾーン55aから暖かめゾーン55bの選択幅
を、例えば、平均的な温度25℃を基準にしてどの程度
涼しくするか、または暖かくするかを示す指標で表わ
し、図3(b)に示すように、乗員の感じる温感レベル
を、例えば11段階にランク付けしたものであり、やや
涼しいから非常に寒いまでの5段階の涼しめゾーン55
aと、やや暖かいから非常に暑いまでの5段階の暖かめ
ゾーン55bとに選択するように区分されている。
【0057】そこで、例えば、乗員が「寒い」と感じる
場合には、シート設定温度Ssetを「2」に設定変更
し、「暖かい」と感じる場合には、シート設定温度Ss
etを「−4」に設定変更することできめこまかなシー
ト空調制御を行う。
【0058】なお、本実施形態では、複数のシート空調
操作パネル54がECU37と接続されているが、最初
にシート空調ユニット4のシート空調運転スイッチ57
をオンしたシート空調操作パネル54の入力信号によっ
て、空調ユニット21の動作がシート空調ユニット4の
動作と関連付けて制御されるようになっている。従っ
て、他の座席のシート空調ユニット4は、シート空調運
転スイッチ57がオンされていれば、最初にオンされた
シート空調ユニット4と同じ動作をするため、シート温
度設定スイッチ55の設定変更を受け入れないようにな
っている。また、室内気スイッチ58は、シート空調ユ
ニット4に車室内空気を取り入れシート3へ吹き出すと
きに作動させるスイッチである。この室内気スイッチ5
8をON(開)させると内気吸込口4bを全開させるよ
うに室内気制御ドア43を回動させて車室内空気を取り
入れるものである。
【0059】次に、前述したECU37は、マイクロコ
ンピュータを主体として構成され、内蔵のROM(図示
せず)には、図4に示す制御プログラムが記憶されてい
る。このECU37は、図4の制御プログラムを実行す
ることにより、車両の空調ユニット21の吹出温度制御
を行うとともに、乗員が設定したシート設定温度Sse
tに適合するようにシート空調ユニット4の吹出温度お
よび風量を制御するものである。
【0060】以下、このECU37による空調制御内容
を図4のフローチャートに従って説明する。まず、エア
コン操作パネル44のA/Cスイッチ48およびシート
空調操作パネル54のシート空調運転スイッチ57を作
動させると、ステップ100で、以降の演算処理に使用
するカウンタやフラグを初期設定する初期化処置を実行
した後、ステップ110に移行して、乗員が設定した温
度設定スイッチ53およびシート温度設定スイッチ55
の操作により、入力された設定温度 T1setおよびシ
ート設定温度Ssetとを読み込むとともに、内気温度
センサ38、外気温度センサ39、日射センサ40およ
びシート吹出温度センサ47より検出された内気温度T
r、外気温度Tam、日射量Tsおよびシート吹出温度
Toの各データを読み込む。
【0061】次いで、ステップ120に移行して乗員が
設定した設定温度 T1set 、外気温度Tamおよび
日射量Tsから設定温度Tsetを次の(1)式より算
出する。
【0062】 Tset=f( T1set , Tam, Ts ) = T1set +ΔTam +ΔTs ・・・・・・(1) ここで、ΔTam=(10− Tam )/20 ・・・・・・
図5(a)参照 ΔTs=− Ts/1000 ・・・・・・図5(b)参照 以上のようにして、設定温度Tsetを算出した後、ス
テップ130(目標吹出温度演算手段)に移行して車室
内を設定温度Tsetに維持するための必要な目標吹出
温度TAOを次の(2)式により算出する。
【0063】TAO=K1× Tset−K2×Tr−
K3× Tam−K4× Ts+C・・・・・・(2) ここ
で、K1、K2、K3、K4は係数、Cは定数である。
【0064】これにより、空調ユニツト21から車室内
に吹き出す空調風の運転モード、吹出温度、風量などの
空調制御方法が確定されるものである。
【0065】これにより、ステップ131において、空
調ユニット21の空調制御が行われる。空調ユニット2
1では、算出された目標吹出温度TAOに基づいて、制
御ドア34、35、36を切り替え吹出モードおよび内
外気吸入口の吸込モードを自動設定するとともに、エア
ミックスドア29の目標開度を求め空調風の温度制御が
行われる。また、送風機26を図6に示すような目標吹
出温度TAOと送風量の風量制御(第1の制御量)によ
り、車室内に吹き出す空調風を設定温度Tsetに到達
するように空調制御を行うものである。運転直後の大き
な冷暖房能力が必要なときに大風量で送風しできるだけ
速く快適領域になるように空調制御を行い、内気温度T
rが設定温度Tsetに近づき能力が要らなくなってき
たら送風量を少なくなるように風量制御して車室内の空
調制御を行うものである。
【0066】また、冬季の始動時などでエンジン冷却水
の暖まり具合に対応して送風量をゼロから徐々に増加さ
せていくことにより、冷風の吹き出しによる不快感をな
くすウォームアップ制御と、夏季の始動時などでは、蒸
発器28が十分に冷えてから送風を開始することにより
温風吹き出しによる不快感をなくす遅延制御(クールダ
ウン制御)とを優先に行われた後上述した空調制御を行
うものである。
【0067】一方の、シート空調ユニット4側は、ステ
ップ140に移行して、上記(2)式により算出した目
標吹出温度TAOをベースとして、シート空調ユニット
4の目標シート吹出温度TAOseatを推定する。こ
れは、ステップ110で読み込んだシート設定温度Ss
et、シート吹出温度Toおよび内気温度Trなどをも
とにシート3の熱負荷を算出して温度上昇もしくは温度
降下を見込んだ目標シート吹出温度TAOseatを算
出するものである。これにより、車室内に対する空調ユ
ニット21の空調動作(目標吹出温度TAO)に関連づ
けて、シート3より吹き出す空調風のシート吹出温度を
推定するものである。
【0068】そして、ステップ150(空調状態判定手
段)に移行し、その時点の車室内空調が安定状態である
か過渡状態であるかを、次のような安定状態判定式を演
算してして判定する。すなわち、ECU37で求めた設
定温度Tsetと内気温度Trとの偏差(Σ=|Tse
t−Tr|)の所定時間の偏差値で判定するものであ
る。
【0069】例えば、設定温度Tsetおよび検出値の
内気温度Trのバラツキを平均化させるために、4秒周
期で設定温度Tsetと内気温度Trとの偏差を4秒毎
に累積し、2分間(n回)の偏差値により求め、所定値
δと比較し、Σ>δならば過渡状態、Σ≦δならば安定
状態と判断するものである。
【0070】なお、所定値δは、内気温度Trが安定し
ているときにシート空調が過冷房かまたは過暖房になっ
ているかを実験より求めた任意の値である。
【0071】ここで、上述の安定状態判定式の具体例
を、冷房および暖房運転で簡単に説明する。まず、冷房
運転の過渡状態のときには内気温度Trが高いために安
定状態判定式を満足しない。例えば、ここでは計算を簡
単にするためにn=4回およびδ=20とおいて、設定
温度Tsetが25に設定されていて内気温度Trが3
2のときにはΣ=28となり、Σ>δゆえ過渡状態と判
定され、その後内気温度Trが低下してTr=30とな
るとΣ=20となり、Σ≦δゆえ安定状態と判定するも
のである。
【0072】また、逆に暖房運転の過渡状態のときには
内気温度Trが低いために安定状態判定式を満足しな
い。例えば、n=4回およびδ=20とおいて、設定温
度Tsetが25に設定されていて内気温度Trが17
のときにはΣ=32となり、Σ>δゆえ過渡状態と判定
され、その後内気温度Trが上昇してTr=20となる
とΣ=20となり、Σ≦δゆえ安定状態と判定するもの
である。
【0073】そして、車室内空調が過渡状態と判定され
たときには、ステップ151(第2のシート空調制御手
段)に移行する。
【0074】ここで、シート空調ユニット4の第2の空
調制御が行われる。具体的には、図7に示すように、目
標吹出温度TAOに基づいて算出された目標シート吹出
温度TAOseatに対応する送風機41の風量制御
(第2の制御量)であり、シート3への吹出温度の空調
制御を行うものである。この空調制御は、車室内空調が
過渡状態か安定状態かによって過渡状態のときの風量制
御イ(第2の空調制御)と、安定状態のときの風量制御
ロ(第1の空調制御)とは異なる風量制御を行うように
設定している。
【0075】破線で示されている制御特性イ(第2の空
調制御)が過渡状態における目標シート吹出温度TAO
seatに対応する送風量との関係を示し、シート3に
吹き出す空調風をシート設定温度Ssetに到達するよ
うに空調制御を行うものである。これにより、運転直後
の冷暖房能力が必要なときに大風量で送風しできるだけ
速く快適領域になるように空調制御を行い、シート吹出
温度Toがシート設定温度Ssetに近づき能力が要ら
なくなってきたら送風量を少なくなるように風量制御し
て車室内の空調制御を行うものである。これは、上述し
た空調ユニット21の風量制御(第1の制御量)と近似
している。
【0076】なお、一方の実線で示した制御特性ロ(第
1の空調制御)は、後で述べる安定状態における目標シ
ート吹出温度TAOseatに対応する送風機41の風
量制御を示す特性で、目標シート吹出温度TAOsea
tが低いほどおよび逆に高いほど送風量を低下させた風
量制御を行うものである。
【0077】そして、車室内の内気温度Trが設定温度
Tsetに近づいてくると上述した偏差値が所定値以下
となり車室内空調が安定状態と判定されたときには、ス
テップ152に移行する。ここでは、過度状態から安定
状態に切り替わった直後かどうかを判定するものであ
り、安定状態に切り替わった直後であればステップ15
3(第1の空調切替制御手段)に移行する。
【0078】そして、ステップ153(第1の空調切替
制御手段)は、図7の実線で示した安定状態の制御特性
ロ(第1の空調制御)における送風機41の風量制御を
行うが、この制御量は、上述したように今までの過渡状
態の制御量とは異なった送風量に切り替えるため、この
ステップ153では、送風量の切り替えを段階的に行っ
て所定の送風量に切り替えるように第1の空調切替制御
(第1の空調切替制御手段)を行う。
【0079】具体的には、4秒周期ごとに1レベルごと
に変化させて所定の送風量になるように徐々に切り替え
るものである。そして、所定の送風量に切り替われば、
ステップ154(第1のシート空調制御手段)にて、図
7の実線で示した安定状態の制御特性ロにおける第1の
空調制御を継続させ、シート吹出温度Toがシート設定
温度Ssetに達するようにシート空調装置の制御を行
うものである。
【0080】ここで、本発明の要部となる安定状態にお
けるシート空調ユニット4の制御特性ロ(第1の空調制
御)について詳しく説明する。図7に示す制御特性ロ
(第1の空調制御)の目標シート吹出温度TAOsea
tに対応する送風量の風量制御を以下の実験結果より求
めたので説明する。
【0081】まず、図8に示す実験結果は、冷房運転に
おいて空調ユニット21の目標吹出温度TAOによる温
度制御された空調風を車室内に吹き出すとともに、シー
ト空調ユニット4にも目標シート吹出温度TAOsea
tに相当した空調風を取り入れて、図7に示す過渡状態
の制御特性イ(第2の空調制御)による空調制御を行
い、シート3への吹出温度Toによる乗員の皮膚温を測
定し、その時の血流値および温感レベルSseatとの
関係を表わしたものである。なお、シート3への吹出温
度Toは、車両側の熱負荷を変化させることで空調ユニ
ット21の目標吹出温度TAOを変化させて吹出温度T
oを可変させたものであり、皮膚温が低い方が車両側の
熱負荷が大きく目標吹出温度TAOが低くなり吹出温度
Toも低くなっている。
【0082】これによると、冷房をし続けて約20分後
のデータであるが車両の熱負荷が大きくてシート3への
吹出温度Toが低いほど皮膚温が低下して血流値が低下
してくる。例えば、皮膚温33.4℃以下で温感レベル
Sseatが−1(やや涼しい)以下となると寒すぎに
よる疲労感、腰痛などの問題が生じることになる。これ
は、シート空調では皮膚へ直接風を与える接触面空調で
あるため、車両の熱負荷が大きくて吹出温度が低いほど
車室内が温調制御される前にシート3側が冷え過ぎとな
り乗員に不快感を招くことが分かった。この結果より、
皮膚温34℃を確保するためにシート吹出温度を約2
4.5℃以上とすることとした。
【0083】次に、図9(a)に示すのがシート吹出温
度に対応する吹出風速および温感レベルSseatとの
関係を実験で評価した結果を示すものである。これによ
ると、シート吹出温度を同じとすると、吹出風速を低下
させることで温感レベルSseatが向上することが分
かった。
【0084】これにより、シート吹出温度に対応する温
感レベルSseatが0(無感)以上となる吹出風速を
基に送風量に置き換えて送風量との関係を求めたのが図
9(b)の特性である。従って、冷房運転の安定状態に
おける第1の空調制御は、この特性による送風量制御を
行うとともに、シート吹出温度が24.5℃に達したと
きに室内気制御ドア43を内気吸気口4bが全開となる
ように開閉制御させて空調ユニット21からの空調風の
取入れを遮蔽させることとした。これにより、室内側は
約25℃の空気温度となっているため皮膚温を34℃以
下にならず冷え過ぎを防止できる。
【0085】また、さらに冷え過ぎを防止するために内
気温度Trが、例えば23℃以下となったときに、室内
気制御ドア43を内気吸気口4bが全開の状態を維持す
るとともに、送風機41を停止させシート3からの空調
風の吹き出しを停止する。これにより、車室内空調の設
定温度 T1setが低く設定されていて車室内がやや涼
しい領域に達しておればシート空調を停止するようにな
っている。
【0086】なお、制御装置37においては、図9
(b)に示すシート吹出温度に基づいて目標シート吹出
温度TAOseatに換算した制御量を演算するもので
図7の制御量で送風機41および室内気制御ドア43を
制御するようにしてある。ちなみに、上述したシート吹
出温度24.5℃は、目標シート吹出温度TAOsea
tに換算すると約20℃相当になっている。
【0087】また、この第1の空調制御の制御量は、上
述した空調ユニット21の風量制御である図6とは異な
るものである。すなわち、空調ユニット21側では目標
吹出温度TAOが所定値以下では風量を多くするモード
であるが、シート空調ユニット4側では逆に送風量を低
下させることで温感レベルSseatを向上させ快適性
を確保するものである。以上が第1の空調制御のうちで
冷房運転における風量制御である。
【0088】次に、暖房運転の場合には、空調ユニット
21の目標吹出温度TAOによる温度制御された空調風
を車室内に吹き出すとともに、シート空調ユニット4で
は、図7に示す過渡状態の制御特性イを用いた第2の空
調制御を行い、シート吹出温度と吹出風速、温感レベル
Sseatおよび快適感との関係を実験した結果が図1
0(a)に示すものである。これによると、シート吹出
温度が低く低風速であると、温感レベルSseatが−
1(やや涼しい)のときに快適感がやや不快で膝さむの
要因となるとともに、シート吹出温度が高く高風速であ
ると顔の火照りを生じ不快を感ずる結果を得た。
【0089】このことより、シート吹出温度に対応する
快適感1(やや快適)以上の吹出風速を基に送風量に置
き換えて送風量との関係を求めたのが図10(b)の特
性であり、暖房運転の安定状態にはこの特性に基づいた
第1の空調制御を行うものである。
【0090】なお、制御装置37においては、冷房運転
と同様に、図10(b)に示すシート吹出温度に基づい
て目標シート吹出温度TAOseatに換算した制御量
を演算するもので図7の制御量で送風機41を制御する
ようにしてある。
【0091】また、この第1の空調制御の制御量も冷房
運転と同様に、空調ユニット21の風量制御である図6
とは異なるものである。すなわち、空調ユニット21側
では目標吹出温度TAOが所定値以上では風量を多くす
るモードであるが、シート空調ユニット4側では逆に送
風量を低下させることで暖め過ぎを防止し快適性を確保
するものである。以上がステップ154における第1の
空調制御であり、乗員の温感レベルSseat によっ
て送風量の制御量を求めたものである。
【0092】次に、ステップ155(室内風切替制御手
段)について説明する。夏季の炎天下など日射が強く、
外気温度が高いときには、空調ユニット21は、ECU
37で算出した設定温度Tsetが低く設定されて大能
力の目標吹出温度TAOで運転される。このようなとき
にシート空調ユニット4側では、過冷房になり易いので
シート吹出温度Toが目標シート吹出温度TAOsea
tよりも低いときには、室内気制御ドア43の開度調節
により内気吸込口4bからの車室内空気と空調ユニット
21からの冷風とを混合させた室内風切替制御を行い所
定の吹出温度制御を行うものである。
【0093】なお、冬季の暖房運転においても空調ユニ
ット21が大能力で運転されシート吹出温度Toが目標
シート吹出温度TAOseatよりも高いときも同じよ
うに室内気制御ドア43の開度調節により内気吸込口4
bからの車室内空気と空調ユニット21からの温風とを
混合させた室内風切替制御を行い所定の吹出温度制御を
行うものである。
【0094】以上の空調制御内容を行うシート空調ユニ
ツト4の冷房モード、暖房モード、中間モードにおける
その他の作動について説明する。
【0095】まず、空調ユニット21が冷房モードのと
きには、すなわち、目標吹出温度TAOが内気温度Tr
より低い値なので冷房モードと判定され、フェイス開口
部32が開口されて車両側のフェイス吹出口から冷風が
吹出されるとともに、冷風ダクト32aにも冷風が分岐
されて送り込まれる。ここで、シート空調ユニット4側
では、シート設定温度Ssetとシート吹出温度Toと
目標吹出温度TAOより求めた目標シート吹出温度TA
Oseatにて運転される。目標シート吹出温度TAO
seatがシート吹出温度Toより低い値なので冷房モ
ードと判定して冷温風制御ドア42を冷風側に開口させ
るとともに、室内気制御ドア43は内気吸込口4bを全
閉させて、上述した過渡状態の制御特性イを用いた第2
の空調制御または安定状態の制御特性ロを用いた第1の
空調制御で送風機41を作動させてシート3へ冷風を吹
き出しシート空調の吹出温度制御を行うものである。
【0096】そして、シート3に着席している乗員がシ
ート温度設定スイッチ55を作動させてシート設定温度
Ssetの設定を変更したときには、例えば、シート設
定温度Sset 「0」から冷側に1ランク変更させた
場合には、目標シート吹出温度TAOseatを1ラン
ク変更値を低下させて吹出温度制御と風量制御で対応さ
せるものである。逆にシート設定温度Sset 「0」
から暖側に1ランク変更させた場合には、目標シート吹
出温度TAOseatを1ランク変更値を上昇させて吹
出温度制御と風量制御で対応させるものである。
【0097】次に、空調ユニット21が暖房モード、す
なわち、目標吹出温度TAOが内気温度Trより高い値
なので暖房モードと判定され、フット開口部33が開口
されて車両側のフット吹出口から温風が吹出されるとと
もに、温風ダクト33aにも温風が分岐されて送り込ま
れる。ここで、シート空調ユニット4側では、シート設
定温度Ssetとシート吹出温度Toと目標吹出温度T
AOより求めた目標シート吹出温度TAOseatにて
運転される。目標シート吹出温度TAOseatがシー
ト吹出温度Toより高い値なので暖房モードと判定して
冷温風制御ドア42を温風側に開口させるとともに、室
内気制御ドア43は内気吸込口4bを全閉させ送風機4
1を作動させてシート3へ温風を吹き出し上述した第2
の空調制御または第1の空調制御で吹出温度制御を行う
ものである。
【0098】そして、シート3に着席している乗員がシ
ート温度設定スイッチ55を作動させてシート設定温度
Ssetの設定を変更したときには、例えば、シート設
定温度Sset 「0」から冷側に1ランク変更させた
場合には、目標シート吹出温度TAOseatを1ラン
ク変更値を低下させて吹出温度制御と風量制御で対応さ
せるものである。逆にシート設定温度Sset 「0」
から暖側に1ランク変更させた場合には、目標シート吹
出温度TAOseatを1ランク変更値を上昇させて吹
出温度制御と風量制御で対応させるものである。
【0099】次に、空調ユニット21が中間モードの場
合には、フェイス開口部32とフット開口部33とが開
口されて車両側のフェイス吹出口から冷風がフット吹出
口から温風が吹出されるとともに、冷風ダクト32aに
冷風が温風ダクト33aに温風が分岐されて送り込まれ
る。この場合には、シート空調ユニット4のシート設定
温度Ssetの設定が中間の 「0」または冷側に設定
されたときには、冷温風制御ドア42を冷風側に開口さ
せて冷風を送り込みシート吹出温度Toが低下したとき
に、室内空気と冷風と混合させる吹出温度制御を行うと
ともに、上述した第2の空調制御または第1の空調制御
で吹出温度制御を行うものである。
【0100】逆に、シート設定温度Ssetの設定が暖
側に設定されたときには、冷温風制御ドア42を温風側
に開口させて温風を送り込みシート吹出温度Toが上昇
したときに、室内空気と温風を混合させる吹出温度制御
を行うとともに、上述した第2の空調制御または第1の
空調制御で吹出温度制御を行うものである。なお、これ
らの冷風と温風の混合を冷温風制御ドア42で冷風と温
風の混合割合を調整することにより、吹出温度制御を行
うことでも良い。
【0101】以上の構成による実施形態によれば、空調
ユニット21を制御する制御装置37に、シート空調ユ
ニット4のシート空調制御を、車室内空調が安定状態の
ときに第1の空調制御と、車室内空調が過渡状態のとき
に第2の空調制御で異なった制御を有することにより、
車室内空調の空調ユニット21の制御を行うとともに、
接触面空調であるシート空調ユニット4を制御すること
が可能となる。
【0102】例えば、車室内空調が安定状態に達しても
日射が強く炎天下などの車両の熱負荷が大きいときに
は、空調ユニット21の空調制御は、空調風の吹出温度
を低くして風量を増加させるなどの制御が行われるが、
このようなときにシート空調ユニット4ではむしろ過冷
房による不快感を乗員に与える。また、暖房時の車両の
熱負荷が大きいときにも同じように空調ユニット21の
空調制御は、空調風の吹出温度を高くして風量を増加さ
せるなどの制御が行われるが、このようなときにシート
空調ユニット4では過暖房による不快感を乗員に与え
る。
【0103】そこで、シート3に吹き出す空調風の吹出
温度および風量を乗員の温感レベルSseatによる評
価で求めた第1の空調制御で別の制御を行うことで従来
の過冷房および過暖房を防止できる。この結果により、
車室内空調とシート空調の快適性の向上が図れる。
【0104】また、炎天下に暫く駐車させた後に乗車す
るときなど、シートの表面温度が高く急速な冷房を必要
とするような車室内空調が過渡状態のときには、吹出温
度および風量を最大限の空調能力を発揮させて吹出温度
を低くさせた第2の空調制御で制御することで急速な冷
房が可能となる。この第2の空調制御は、空調ユニット
21の空調制御と同じような制御を行うことにより、車
室内空調とシート空調の即効性の向上が図れる。
【0105】また、空調ユニット21を制御する制御装
置37に、上述の第2の空調制御および第1の空調制御
を、空調ユニット21と共用の熱負荷検出値Tr、Ta
m、Ts、温度設定スイッチ53、および目標吹出温度
TAOを用いることにより、空調ユニット21の構成部
品と共用でき別体の部品等を設けずに精度の良好なシー
ト空調ユニット4の制御が可能となる。この結果、シー
ト空調ユニット4の製品コストの低減が図れる。
【0106】さらに、空調ユニット21の空調制御は、
例えば、冷房運転で設定温度Tsetと隔たりがある場
合には吹出温度が低いほど風量を多くする制御を行って
いるが、上述した第1の空調制御は、低い吹出温度で高
風量の風量制御をすると冷え過ぎによる腰痛、疲労感の
要因となり、これを解消するために吹出温度に対応した
風量を温感レベルSseatによる評価を実験で求め、
その結果より、具体的には低い吹出温度ほど低風量の送
風量で制御を行うことで乗員の不快感を解消させること
により快適性の向上が図れる。
【0107】また、同じように、暖房運転で設定温度T
setと隔たりがある場合には、吹出温度が高いほど風
量を多くする制御を行っているが、上述した第1の空調
制御は、高い吹出温度で高風量の風量制御をすると暖め
過ぎによる顔の火照りや低い吹出温度で低風量による膝
寒さなどの要因となり、これを解消するために吹出温度
に対応した風量を温感レベルSseatおよび快適感な
どによる評価を実験で求め、その結果より、具体的には
高い吹出温度ほど低風量の制御量で制御を行うことで乗
員の不快感を解消させることにより快適性の向上が図れ
る。
【0108】また、第1の空調制御は、第2の空調制御
に対して、上述したように吹出温度と風量が異なる制御
を行うため、吹出温度に対応する風量が車室内空調が過
渡状態から安定状態に切り替わった直後は、ある周期ご
とに風量を所定レベルに1レベルごと段階的に切り替え
る制御を行う第1の空調切替制御を用いることで第1の
空調制御に移行させることにより、違和感なき制御量の
変更ができ乗員への不快感を与えない。
【0109】また、空調ユニット21の空調制御では、
上述した熱負荷の大きいときに、過冷房および過暖房に
なり易いこれを防止するために第1の空調制御で対応し
たが吹出温度がさらに低下または上昇するときには、室
内気制御ドア43により車室内空気を取り入れて混合調
節させる室内風切替制御を行うことにより、過冷房およ
び過暖房を防止させて快適性の向上が図れる。
【0110】また、第1の空調制御において、目標シー
ト吹出温度TAOseatが所定の温度(例えば、約2
0℃)以下のときに室内気切替ドア43を切り替えて室
内側から室内空気を取り入れることにより過冷房を防止
させることができる。さらに、車室内温度(Tr)が2
3℃以下のときに送風機41を停止させシート3からの
空調風の吹き出しを停止することにより、車室内空調の
設定温度 T1setが低く設定されていて車室内がやや
涼しい領域のときには、過冷房による不快を招き易いの
でシート空調を停止させておくと良い。
【0111】また、第1の空調制御または第2の空調制
御のいずれかに切り替えるための空調状態判定手段(ス
テップ150)を設定温度(Tset)と車室内温度
(Tr)との偏差(Σ=|Tset−Tr|≦δ)を用
いた安定状態判別式て゛判定値δを車室内温度(Tr)
が安定しているときにシート空調が過冷房か過暖房にな
っているかを実験より求めた任意値で決めておき車室内
温度(Tr)の推移を検出することにより、車室内空調
を過渡状態か安定状態かの判定が容易にできるととも
に、車室内温度(Tr)が安定したか否かを検出して判
定することでシート空調における過冷房または過暖房を
未然に防止できるとともに快適なシート空調ができる。
【0112】(ステップ150に示す空調状態判定方法
の他の例1)上述した実施形態では、ECU37で求め
た設定温度Tsetと内気温度Trとの偏差(Σ=|T
set−Tr|≦δ)を用いた安定状態判別式で、車室
内空調が安定状態か過渡状態かのいずれかを判定する空
調状態判定手段(ステップ150)について説明した
が、これに限らず、 ECU37で求めた設定温度Ts
et、内気温度Trおよび乗員が設定したシート設定温
度Ssetを用いた次の(3)式より算出する安定状態
判別式にて判定しても良い。
【0113】 Σ=|(Tset+Sset)−Tr|≦δ …(3) ここで、設定温度Tset、シート設定温度Ssetお
よび検出値の内気温度Trのバラツキを平均化させるた
めに、4秒周期で設定温度Tsetと内気温度Trとの
偏差を4秒毎に累積し2分間(n回)の偏差値により求
め、所定値δと比較し、Σ>δならば過渡状態、Σ≦δ
ならば安定状態と判断するものである。なお、所定値δ
は内気温度Trが安定しているときにシート空調が過冷
房かまたは過暖房になっているかを実験より求めた任意
の値である。
【0114】次に、この安定状態判別式について説明す
る。まず、空調ユニット21が冷房モードの過渡状態の
ときには、内気温度Trが高いために安定状態判別式を
満足しない。例えば、ここでは計算を簡単にするために
n=4回および判定値δ=20とおいて、設定温度がT
set=25、Sset=0と設定されているときに内
気温度TrがTr =32のときでは、(3)式の左辺
が28となり右辺20を超えてしまい安定状態判別式を
満足しない。すなわち、このときには過渡状態と判定し
て、ステップ151のシート空調ユニット4を過渡状態
の制御特性イ(図7に示す)を用いた第2の空調制御で
行い乗員を冷やす。
【0115】その後、内気温度Trが30に低下してく
ると、(3)式の左辺が20となり安定状態判別式を満
足する。すなわち、このときには安定状態と判定して、
ステップ152およびステップ153を経由してステッ
プ154のシート空調ユニット4を安定状態の制御特性
ロ(図7に示す)を用いた第1の空調制御およびステッ
プ155の室内風切替制御を行い過冷房を回避するよう
に制御するものである。
【0116】そして、シート3に着席している乗員が、
シート温度設定スイッチ55を作動させてシート設定温
度Ssetを暖かめゾーン55bの、例えば「2」に設
定変更した場合には、内気温度Trが32より低くなれ
ば安定状態と判定して第1の空調制御を行う。その結
果、シート吹出温度がより高い時点で安定状態の第1の
空調制御に切り換わるため暖かめ好みの乗員向けのシー
ト空調ができる。
【0117】また、逆に、シート設定温度Ssetを涼
しめゾーン55aの、例えば「−2」に設定変更した場
合には、内気温度Trが28より低くなれば安定状態と
判定して第1の空調制御を行う。その結果、シート吹出
温度が低くなってから第1の空調制御に切り換わるため
涼しめ好みの乗員向けのシート空調ができる。
【0118】次に、暖房モードの過渡状態のときには内
気温度Trが低いために安定状態判別式が満足しない。
例えば、n=4、δ=20の場合に、Tset=25、
Sset=0に設定されていて内気温度TrがTr =
17では、(3)式の左辺が32となり右辺20を超え
てしまい安定状態判別式を満足しない。すなわち、この
ときには過渡状態と判定して、シート空調ユニット4を
ステップ151の第2の空調制御を行い乗員を暖める。
【0119】その後、内気温度Trが20に上昇してく
ると、(3)式の左辺が20となり安定状態判別式を満
足する。すなわち、このときには安定状態と判定して、
ステップ152およびステップ153を経由してステッ
プ154の第1の空調制御およびステップ155の室内
風切替制御を行い過暖房を回避するように制御するもの
である。
【0120】そして、シート3に着席している乗員が、
シート温度設定スイッチ55を作動させてシート設定温
度Ssetを暖かめゾーン55bの、例えば「2」に設
定変更した場合には、内気温度Trが22より高くなる
と安定状態と判定して第1の空調制御を行う。その結
果、シート吹出温度がより高い時点で第1の空調制御に
切り換わるため暖かめ好みの乗員向けのシート空調がで
きる。
【0121】また、逆に、シート設定温度Ssetを涼
しめゾーン55aの、例えば「−2」に設定変更した場
合には、内気温度Trが18より高くなれば安定状態と
判定して第1の空調制御を行う。その結果、シート吹出
温度がやや低い時点で第1の空調制御に切り換わるため
涼しめ好みの乗員向けのシート空調ができるものであ
る。
【0122】以上の空調状態判定方法によれば、設定温
度Tset、内気温度Trおよび乗員が設定したシート
設定温度Ssetによる(3)式の安定状態判別式を用
いることにより、シート空調では接触面空調であること
から個人差による温熱感への影響が大きいため、個人差
のバラツキに対応した暖かめ好みから涼しめ好みまでの
可変幅を備えたシート空調の制御ができる。その結果、
最初に述べた安定状態判別方法を用いた場合よりもより
快適な空調制御が可能である。
【0123】(ステップ150に示す空調状態判定方法
の他の例2)また、上述した実施形態では、安定状態判
別式をΣ=|Tset−Tr|≦δをおいて、δを所定
値として一定と定めて説明したが、これに限らず、δを
シート設定温度Ssetに対応した変数としても良い。
【0124】まず、冷房運転で、シート設定温度Sse
tを暖かめゾーン55bの、例えば「2」に設定変更し
た場合は、変数δを変更することで暖かめ好みに対応が
できる。例えば、n=4、δ=20、Tset=25の
場合、内気温度Trが30より低くなると安定状態判別
式を満足し安定状態と判定して第1の空調制御を行う。
ここで、変数δを28に変更することにより、内気温度
Trが32より低くなると安定状態と判定して第1の空
調制御を行う。その結果、シート吹出温度より、より高
い時点で第1の空調制御に切り換えることができ暖かめ
好みのシート空調が得られる。
【0125】また、逆に、シート設定温度Ssetを涼
しめゾーン55aの、例えば「−2」に設定変更した場
合は、変数δを変更することで涼しめ好みに対応ができ
る。例えば、変数δを12に変更することにより、内気
温度Trが28より低くなると安定状態と判定して第1
の空調制御を行う。その結果、シート吹出温度より低い
時点で第1の空調制御に切り換えることができ涼しめ好
みのシート空調が得られる。
【0126】次に、暖房運転で、シート設定温度Sse
tを暖かめゾーン55bの「2」に設定変更した場合で
も、変数δを変更することで暖かめ好みに対応ができ
る。例えば、n=4、δ=20、Tset=25の場
合、内気温度Trが20より高くなると安定状態と判定
して第1の空調制御を行う。ここで、変数δを12に変
更することにより、内気温度Trが22より高くなると
安定状態と判定して第1の空調制御を行う。その結果、
シート吹出温度より、より高い時点で第1の空調制御に
切り換えることができ暖かめ好みのシート空調が得られ
る。
【0127】また、逆に、シート設定温度Ssetを涼
しめゾーン55aの「−2」に設定変更した場合は、変
数δを変更することで涼しめ好みに対応ができる。例え
ば、変数δを28に変更することにより、内気温度Tr
が18より高くなると安定状態と判定して第1の空調制
御を行う。その結果、シート吹出温度より低い時点で第
1の空調制御に切り換えることができ涼しめ好みのシー
ト空調が得られる。
【0128】以上の空調状態判定方法によれば、シート
設定温度Ssetの設定変更に対応して、変数δを変更
することにより、上記した他の例1と同様の個人差のバ
ラツキに対応した暖かめ好みから涼しめ好みまでの可変
幅を備えたシート空調の制御ができる。
【0129】また、上記した他の例1で述べた安定状態
判別式(Σ=|(Tset+Sset)−Tr|≦δ)
において、所定値δを変数に変えてシート設定温度Ss
etの設定変更に対応して変数δを変更することによ
り、より暖かめ好みからより涼しめ好みまでの可変幅を
拡大でき、より快適なシート空調が得られる。
【0130】(ステップ150に示す空調状態判定方法
の他の例3)また、上述した安定状態判別式(Σ=|
(Tset+Sset)−Tr|≦δ、但し、δは変
数)においては、設定温度Tsetの設定変更か、シー
ト設定温度Ssetの設定変更かの区別がつかなく、シ
ート吹出温度はある温度以下に吹き出したくないとき
に、設定温度Tsetを下げた場合にはシート3から低
い温度の吹き出しがある場合がある。そこで、設定温度
Tsetのみが設定変更されたときには、変数δを変更
してある温度以下の風をシート3から吹き出さないよう
にしても良い。
【0131】例えば、冷房運転のときの標準は、n=
4、δ=20、Tset=25、 Sset=0とする
と、設定温度TsetのみをTset=27に設定変更
すると、内気温度Trが32より低いとシート空調は、
安定状態と判定する。しかし、シート設定温度Sset
は変更しておらず、やや涼しめの好みの乗員に対して不
快となる。そこで、設定温度Tsetのみを設定変更し
たときには、変数δを12に変更することで内気温度T
rが30より低くなるまで安定状態と判定しないため涼
しめの好みのシート空調ができる。
【0132】そして、逆に、設定温度TsetのみをT
set=23に設定変更すると、内気温度Trが28よ
り低いとシート空調は、安定状態と判定する。しかし、
シート設定温度Ssetは変更しておらず、やや暖かめ
の好みの乗員に対して不快となる。そこで、設定温度T
setのみを設定変更したときには、変数δを28に変
更することで内気温度Trが30より低くなるまで安定
状態と判定しないため暖かめの好みのシート空調ができ
る。
【0133】以上の空調状態判定方法によれば、設定温
度Tsetのみが設定変更されたときに、設定温度Ts
etに対応した変数δを変更することにより、シート空
調側の安定状態の判別を変えることなく第1の空調制御
を行うことができるとともに、乗員への不快もなく個人
差に応じた涼しめの好みから暖かめの好みのシート空調
ができる。
【0134】(他の実施形態)以上の実施形態では、シ
ート吹出温度センサ47を用いてシート3への吹出空気
温度Toと目標シート吹出温度TAOseatとの比較
で空調制御を説明したが、シート吹出温度センサ47を
設けず、内気温度Trなど空調ユニット21の検出セン
サの温度データをもとにシート吹出温度Toを推定させ
てこのデータとの比較で空調制御することも良い。これ
により、空調ユニット21の構成品と共用ができ、別体
の検出部品などを設けずにシート3への空調制御が可能
となる。
【0135】また、以上の実施形態では、空調ユニット
21から冷風または温風をシート空調ユニット4に導
き、シート3の空気吹出口3aから冷風または温風を吹
き出すシート空調の空調制御を説明したが、これに限ら
ず、シート空調ユニット4内にペルチェ素子を用いた加
熱冷却装置を組み込んだシート空調の空調制御にも適用
できる。図11に示すように、シート3の着座部3bお
よび背当て部3cの通風路3d、3e内にペルチェ素子
を用いた加熱冷却器60を組み込んで、これらの上流側
に送風機61を組み込んでシート空調ユニット4の吐出
口4aに接続されている。これにより、空調ユニット2
1から冷風または温風をシート空調ユニット4に導いた
空気を、加熱冷却器60で加熱または冷却させたのちに
シート3の空気吹出口3aより冷風または温風を吹き出
すように構成されている。
【0136】この構成においてもECU37は、空調ユ
ニット21の内気温度Tr、外気温度Tam、日射量T
sおよび温度設定スイッチT1setより目標吹出温度
TAOを求め、この目標吹出温度TAOにより、シート
3へ吹き出す空調風の目標シート吹出温度TAOsea
tを算出して、この目標シート吹出温度TAOseat
に対応する送風機61の風量制御および加熱冷却器60
の出力制御を過渡状態と安定状態に分けて空調制御を行
うことができる。ECU37に加熱冷却器60の出力制
御を付加することにより、空調ユニット21の目標吹出
温度TAOが小能力で運転されたときには、加熱冷却器
60で能力の増加が可能となる。この結果、シート空調
の快適性をさらに向上できる。
【0137】また、以上の実施形態の制御装置37は、
目標吹出温度TAOと送風量の風量制御(第1の制御
量)により制御する空調ユニット21の空調制御と、目
標シート吹出温度TAOseatと送風量の風量制御
(第2の制御量)により制御するシート空調ユニット4
のシート空調制御とは、ともに、空調ユニツト21の構
成部品である熱負荷の検出値Tr、Tam、Tsおよび
温度設定スイッチ53の入力情報から算出した目標吹出
温度TAOに基づいて求めたが、これに限らず、シート
空調ユニット4の空調制御を熱負荷の検出値Tr、Ta
m、Tsの入力情報からシートへの目標シート吹出温度
TAOseatに基づいて目標シート吹出温度TAOs
eatと送風量の風量制御(第2の制御量)を求めると
ともに、このシート空調ユニット4の空調制御(目標シ
ート演算手段)を車両内空調が安定状態にあるときに第
1の空調制御(第1の目標シート演算手段)と過渡状態
にあるときに第2の空調制御(第2の目標シート演算手
段)を有することでも良い。
【0138】これにより、車室内空調の空調ユニット2
1の制御を行うとともに、接触面空調であるシート空調
ユニット4を制御することが可能となる。
【0139】また、以上の実施形態の設定温度Tset
は、乗員が設定した温度設定スイッチ53の操作によ
り、ECU37に入力された設定温度T1setに基づ
いて(1)式にて外気温度Tamおよび日射量Tsによ
り算出されたものであるが、これに限らず、乗員が設定
した設定温度T1setを直接用いても良いことはもち
ろんである。
【0140】また、以上の実施形態では、空調ユニット
21から取り入れる空調風を、冷風をフェイス開口部3
2、温風をフット開口部33からシート空調ユニット4
に取り入れて説明したが、これに限らず、サイドフェイ
ス開口部から取り入れても良。図12(a)、(b)に
示すように、空調ユニット21には、車室内左右両端部
の乗員頭部側または車両側面窓ガラスに向けて風を吹き
出すために左右のサイドフェイス吹出口に通ずる左右の
サイドフェイス開口部321が設けられている。本実施
形態では、この左右のサイドフェイス開口部321の一
方からシート空調ユニット4にダクト321aを介して
空調風を取り入れたものである。この左右のサイドフェ
イス開口部321は、吹出モードが変更されても常時通
風されるように開閉制御されているものである。サイド
フェイス開口部321から取り入れることにより、冷風
および温風との混合を行う冷温風制御ドア42とダクト
321aが一本で良いため部品点数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるシート空調ユニット
の構成を示す全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による空調ユニットのエア
コン操作パネルの構成を示す正面図である。
【図3】(a)は、シート空調ユニットのシート空調操
作パネルの構成を示す正面図、(b)は、乗員の温感レ
ベルと設定温度との関係を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるシート空調ユニット
の空調制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】(a)は外気温度TamとΔTamとの関係を
示す図、(b)は日射量TsとΔTsとの関係を示す図
である。
【図6】空調ユニツトの送風量と目標吹出温度との関係
を示す図である。
【図7】シート空調ユニツトの送風量と目標シート吹出
温度との関係を示す図である。
【図8】皮膚温と血流値および温感レベルとの関係を示
す図である。
【図9】(a)は、温感レベルとシート吹出温度との関
係を示す図、(b)は、送風量とシート吹出温度との関
係を示す図である。
【図10】(a)は、温感レベルおよび快適感と吹出風
速およびシート吹出温度との関係を示す図、(b)は、
送風量とシート吹出温度との関係を示す図である。
【図11】他の実施形態における加熱冷却器を組み込ん
だシート空調を示す概略構成図である。
【図12】(a)は、他の実施形態におけるサイドフェ
イス開口部に接続されたシート空調を示す斜視図、
(b)は、シート空調ユニットの概略構成図である。
【符号の説明】
4…シート空調ユニット 21…空調ユニット 37…ECU(制御装置) 43…室内気制御ドア(切替制御手段) 53…温度設定スイッチ(設定温度) 54…シート空調操作パネル(シート空調操作手段) 130…目標吹出温度の算出(目標吹出温度演算手段) 140…目標シート吹出温度の算出(目標シート演算手
段) 150…空調状態判定手段 151…第2の空調制御(第2のシート空調制御手段、
第2の目標シート演算手段) 153…第1の空調切替制御(第1の空調切替制御手
段) 154…第1の空調制御(第1のシート空調制御手段、
第1の目標シート演算手段) 155…室内風切替制御(室内風切替制御手段) 321…サイドフェイス開口部 Sset…シート設定温度 Tr…内気温度(熱負荷の検出値、車室内温度) Tam…外気温度(熱負荷の検出値) Ts…日射量(熱負荷の検出値) TAO…目標吹出温度 TAOseat…目標シート吹出温度 Tset…設定温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶野 祐一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 酒井 剛志 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3L011 AF02 BV01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度調節された空調風を車室内に吹き出
    す空調ユニット(21)と、 乗員の座るシートへ空調風を吹き出すシート空調ユニッ
    ト(4)と、 車両の熱負荷の検出値(Tr、Tam、Ts)に応じて
    前記空調ユニット(21)および前記シート空調ユニッ
    ト(4)を制御する制御装置(37)とを備え、 前記制御装置(37)は、車両の熱負荷の前記検出値
    (Tr、Tam、Ts)および乗員の設定する設定温度
    (53)に基づいて車室内への目標吹出温度(TAO)
    を求める目標吹出温度演算手段(130)と、前記目標
    吹出温度(TAO)に基づいて求めた第1の制御量に応
    じて前記空調ユニット(21)を制御する空調制御手段
    と、前記目標吹出温度(TAO)に基づいて求めた第2
    の制御量に応じて前記シート空調ユニット(4)を制御
    するシート空調制御手段とを有し、かつ、前記シート空
    調制御手段は、車室内空調が安定状態にあるときに前記
    第2の制御量を決める第1のシート空調制御手段(15
    4)と、車室内空調が過渡状態にあるときに前記第2の
    制御量を決める第2のシート空調制御手段(151)と
    を有することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のシート空調制御手段(15
    4)の前記第2の制御量は、前記目標吹出温度(TA
    O)が第1の所定値以下および前記目標吹出温度(TA
    O)が第2の所定値以上のときに風量を増加させる制御
    量である前記空調制御手段の前記第1の制御量に対し
    て、風量を減少させる制御量であることを特徴とする請
    求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記シート空調ユニット(4)は、前記
    空調ユニット(21)からの空調風と車室内からの空気
    とを取り入れこの両者の混合割合を調整する切替制御手
    段(43)を有し、かつ前記第1のシート空調制御手段
    (154)は、前記目標吹出温度(TAO)に基づいて
    求めた目標シート吹出温度(TAOseat)が所定の
    吹出温度以下のときに前記切替制御手段(43)を制御
    して、前記空調ユニット(21)からの空調風を遮断
    し、車室内からの空気を取り入れることを特徴とする請
    求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のシート空調制御手段(15
    4)は、前記検出値(Tr、Tam、Ts)のうちで内
    気温度(Tr)が所定の内気温度以下のときに前記シー
    ト空調ユニット(4)の制御を停止させることを特徴と
    する請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 温度調節された空調風を車室内に吹き出
    す空調ユニット(21)と、 乗員の座るシートへ空調風を吹き出すシート空調ユニッ
    ト(4)と、 車両の熱負荷の検出値(Tr、Tam、Ts)に基づい
    て求めた第1の制御量および第2の制御量に応じて前記
    空調ユニット(21)および前記シート空調ユニット
    (4)を各々制御する制御装置(37)とを備え、 前記制御装置(37)は、車両の熱負荷の前記検出値
    (Tr、Tam、Ts)に基づいて車室内への目標吹出
    温度(TAO)を求め、前記空調ユニット(21)を制
    御する前記第1の制御量を決める目標吹出温度演算手段
    (130)と、前記検出値(Tr、Tam、Ts)に基
    づいてシートへの目標シート吹出温度(TAOsea
    t)を求め、前記シート空調ユニット(4)を制御する
    前記第2の制御量を決める目標シート演算手段(14
    0)とを有し、かつ、前記目標シート演算手段(14
    0)は、車室内空調が安定状態にあるときに前記第2の
    制御量を決める第1の目標シート演算手段(154)
    と、車室内空調が過渡状態にあるときに前記第2の制御
    量を決める第2の目標シート演算手段(151)とを有
    することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の目標シート演算手段(15
    4)の前記第2の制御量は、前記目標吹出温度(TA
    O)が第1の所定値以下および前記目標吹出温度(TA
    O)が第2の所定値以上のときに風量を増加させる制御
    量である前記空調制御手段の前記第1の制御量に対し
    て、風量を減少させる制御量であることを特徴とする請
    求項5に記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 前記シート空調ユニット(4)は、前記
    空調ユニット(21)からの空調風と車室内からの空気
    とを取り入れこの両者の混合割合を調整する切替制御手
    段(43)を有し、かつ前記第1の目標シート演算手段
    (154)は、前記第2の制御量に基づいて、前記目標
    シート吹出温度(TAOseat)が所定の吹出温度以
    下のときに前記切替制御手段(43)を制御して、前記
    空調ユニット(21)からの空調風を遮断し、車室内か
    らの空気を取り入れることを特徴とする請求項5に記載
    の車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の目標シート演算手段(15
    4)は、前記検出値(Tr、Tam、Ts)のうちで内
    気温度(Tr)が所定の内気温度以下のときに前記シー
    ト空調ユニット(4)の制御を停止させる制御量である
    ことを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
  9. 【請求項9】 前記シート空調ユニット(4)は、前記
    空調ユニット(21)からの空調風と車室内からの空気
    とを取り入れこの両者の混合割合を調整する切替制御手
    段(43)を有し、かつ前記制御装置(37)は、前記
    切替制御手段(43)を制御して前記空調ユニット(2
    1)からの空調風と車室内からの空気とを混合させる室
    内風切替制御手段(155)を有していることを特徴と
    する請求項1または請求項5に記載の車両用空調装置。
  10. 【請求項10】 前記シート空調ユニット(4)は、前
    記空調ユニット(21)に連結され、前記空調ユニット
    (21)の吹出モードのうちで常時通風されているサイ
    ドフェイス開口部(321)から空調風を取り入れるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項5に記載の車両用
    空調装置。
  11. 【請求項11】 前記制御装置(37)は、車室内空調
    が安定状態または過渡状態のいずれかを判定する空調状
    態判定手段(150)を有するとともに、前記空調状態
    判定手段(150)は、前記目標吹出温度(TAO)を
    求める設定温度(Tset)および車室内温度(Tr)
    とに基づいた安定状態判別式で判定することを特徴とす
    る請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の車
    両用空調装置。
  12. 【請求項12】 前記制御装置(37)は、車室内空調
    が安定状態または過渡状態のいずれかを判定する空調状
    態判定手段(150)を有するとともに、前記空調状態
    判定手段(150)は、前記目標吹出温度(TAO)を
    求める設定温度(Tset)、乗員が設定するシート設
    定温度(Sset)および車室内温度(Tr)とに基づ
    いた安定状態判別式で判定することを特徴とする請求項
    1ないし請求項10のいずれか一項に記載の車両用空調
    装置。
  13. 【請求項13】 前記空調状態判定手段(150)は、
    前記シート設定温度(Sset)の設定変更に応じて前
    記安定状態判別式の判定値を変更することを特徴とする
    請求項12に記載の車両用空調装置。
  14. 【請求項14】 前記シート設定温度(Sset)は、
    前記シート空調ユニット(4)を操作するシート空調操
    作手段(54)によって設定される設定温度であり、暖
    かめ領域から涼しめ領域までの選択幅を有していること
    を特徴とする請求項12または請求項13に記載の車両
    用空調装置。
  15. 【請求項15】 前記制御装置(37)は、車室内空調
    が過渡状態から安定状態に切り替わった直後のときに、
    過渡状態に応じた制御量から安定状態に応じた制御量に
    徐々に可変する第1の空調切替制御手段(153)を有
    していることを特徴とする請求項1ないし請求項14の
    いずれか一項に記載の車両用空調装置。
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