JP2018164991A - 樹脂製物品及び離型シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ビロード調の表面を有し、容易にかつ安定的に製造可能な樹脂製物品及び当該樹脂製物品を製造するために用いられる離型シートを提供する。【解決手段】ビロード調の表面を有する樹脂製物品は、支持層と、前記支持層上に設けられている樹脂層とを備え、樹脂層には、長手方向が一方向に延在する複数の凸条部を含む凹凸構造が形成されており、凸条部の短手方向に沿った断面視において、凸条部は略二等辺三角形状を有し、凸条部の頂角の角度が60°以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、樹脂製物品及びそれを製造するために用いられる離型シートに関する。
人工皮革、合成皮革等とも称される樹脂皮革は、例えば、衣料、鞄、靴、財布、スマートフォンカバー表皮材、インテリア資材、インスツルメントパネル材、カーシート表皮材、ステアリングホイール表皮材等の車両用内装材や自動二輪車のシート材等の物品として用いられる。樹脂皮革は、表面に剥離性を有する離型シート上に、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂組成物を塗布して硬化させた後に、当該離型シートを剥離することで製造される。樹脂皮革は、樹脂組成物により構成される表皮層により、天然皮革に似た質感や色合い等を有する。
近年、樹脂皮革に対して、様々な外観を有することが求められている。例えば、滑らかな表面、深みのある色艶、光沢感を兼ね備えるビロード調の外観を有することが求められており、このような外観を得るための様々な工夫が樹脂皮革の表面に施されている。従来、例えば、基材の一方面に設けられた樹脂層の表面に微細凹凸を形成することで、当該樹脂層の可視光に対する正反射率を所定の範囲に設定し、ビロード調の表面を有する樹脂皮革が提案されている(特許文献1参照)。
また、様々な物品、例えば家具等の表面に用いられる化粧板として、メラミン樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いた熱硬化性樹脂化粧板が広く用いられている。これらの熱硬化性樹脂化粧板は、耐衝撃性、耐汚染性、鉛筆硬度等の表面特性に優れており、テーブルトップ、流し台、デスクの天板等に広く利用されている。熱硬化性樹脂化粧板は、一般に絵柄層を有するか、単色に着色された原紙に、メラミン樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を塗布又は含浸させ、さらに必要に応じて熱硬化性樹脂を含浸させたオーバーレイ紙、コア紙を重ね、金属板の間に挟んで加圧成形又は加熱加圧成形により製造される。熱硬化性樹脂化粧板においても、樹脂皮革と同様、様々な外観を有することが求められている。
特開2015−206154号公報
特許文献1に記載の樹脂皮革においては、樹脂層の可視光に対する正反射率を所定の範囲に設定することで、ビロード調の表面を有することができる。樹脂層の可視光に対する正反射率を所定の範囲に設定するために、樹脂層の表面に微細凹凸を形成している。この微細凹凸が、サイズや配置がランダムな錘状(円錐状、角錐状等)であるため、離型シートの剥離時に微細凹凸に変形等が生じる可能性が高く、所定の範囲の正反射率を示す樹脂層を形成することに対する難易度が極めて高いという問題がある。
上記課題に鑑みて、本発明は、ビロード調の表面を有し、容易にかつ安定的に製造可能な樹脂製物品及び当該樹脂製物品を製造するために用いられる離型シートを提供することを一目的とする。
本発明の一実施形態として、支持層と、前記支持層上に設けられている樹脂層とを備え、前記樹脂層には、長手方向が一方向に延在する複数の凸条部を含む凹凸構造が形成されており、前記凸条部の短手方向に沿った断面視において、前記凸条部は略二等辺三角形状を有し、前記凸条部の頂角の角度が60°以下である樹脂製物品が提供される。
前記凸条部の頂角の角度を30°以上60°以下とすることができ、前記凸条部の短手方向に沿った断面視において、前記凸条部の前記頂角を通る前記支持層に対する垂線と前記頂角を構成する第1の辺とのなす角度を第1角度とし、前記垂線と前記頂角を構成する第2の辺とのなす角度を第2角度としたとき、前記第1角度と前記第2角度との差分を0°以上30°以下にすることができる。
前記樹脂層を構成する樹脂材料の可視光透過率が10%以下であればよく、隣接する前記凸条部間の前記頂角の間隔が、20μm〜80μmであればよく、前記凸条部の短手方向に沿った断面視において、隣接する前記凸条部の間に位置する凹条部は、角が丸められた略V字状を有することができる。
本発明の一実施形態として、上記記載の樹脂製物品を製造するために用いられる離型シートであって、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する離型層を含み、前記離型層の前記第1面側には、前記樹脂層の前記凹凸構造に対応する対応凹凸構造が前記第1面側に形成されている離型シートが提供される。
本発明によれば、ビロード調の表面を有し、容易にかつ安定的に製造可能な樹脂製物品及び当該樹脂製物品を製造するために用いられる離型シートを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂製物品の一態様である樹脂皮革の概略構成を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態における樹脂皮革の樹脂表皮層の概略構成を示す部分拡大断面図である。 図3は、本発明の一実施形態における樹脂皮革の概略構成を示す斜視図である。 図4は、本発明の一実施形態における離型シートの概略構成を示す断面図である。 図5(A)〜(D)は、本発明の一実施形態における樹脂皮革の製造方法を断面図にて示す工程フロー図である。 図6は、本発明の一実施形態における離型シートの作製方法の一例を示す概略図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る樹脂製物品の一態様である熱硬化性樹脂化粧板の概略構成を示す断面図である。 図8(A)〜(B)は、本発明の一実施形態における熱硬化性樹脂化粧板の製造方法を断面図にて示す工程フロー図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本明細書に添付した図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりしている場合がある。
本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
〔樹脂皮革〕
図1は、本実施形態に係る樹脂製物品の一態様である樹脂皮革の概略構成を示す断面図であり、図2は、本実施形態における樹脂皮革の樹脂表皮層の概略構成を示す部分拡大断面図であり、図3は、本実施形態における樹脂皮革の概略構成を示す斜視図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態における樹脂皮革1は、支持層2と、支持層2上に積層されてなる樹脂表皮層3とを備える。樹脂表皮層3の表面には、複数の凸条部41及び凹条部42を含む凹凸構造4が形成されている。
支持層2としては、例えば、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン、アセテート等の再生又は半合成繊維;ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン等の合成繊維等の繊維からなる織布、不織布、網布、紙、ポリエステルやポリオレフィン等の樹脂フィルム、金属板、ガラス板等、一般に、樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)に用いられるものから、樹脂皮革の種類や用途に応じて適宜選択され得る。支持層2の厚みは、樹脂表皮層3を支持可能な厚みであれば特に限定されるものではない。
樹脂表皮層3は、樹脂材料及び所望により添加剤を含有する樹脂組成物により構成される。当該樹脂材料としては、一般に樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の製造に用いられる樹脂材料、例えば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。樹脂表皮層3は、上記添加剤として、可塑剤、安定剤、着色剤等を含んでいてもよい。樹脂表皮層3の厚みとしては、表面に凹凸構造4を形成可能な厚みであればよく、樹脂皮革1の用途等に応じて適宜設定され得る。
樹脂表皮層3を構成する樹脂材料としては、所定の方法にて測定される可視光透過率が10%以下である材料を用いるのが好ましく、1%以下である材料を用いるのがより好ましい。かかる可視光透過率は、樹脂材料からなる樹脂シート(厚さ100μm)を試料とし、JIS K 7375従って全光線透過率を計測することで求められ得る。
樹脂表皮層3の色は、特に限定されるものではないが、当該樹脂表皮層3を着色するための顔料、染料等が樹脂表皮層3に含まれていてもよく、顔料が含まれているのが好ましい。樹脂表皮層3に含まれる顔料としては、例えば、カーボンブラック、ペリレン系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、酸化鉄、チタン白等が挙げられる。
凹凸構造4に含まれる複数の凸条部41は、それらの長手方向を所定の一方向に延在させてなるものである。凸条部41の短手方向(長手方向に直交する方向)に沿った断面視において、凸条部41は略二等辺三角形状を有する。なお、略二等辺三角形状とは、断面視における凸条部41の頂角41aを通る法線(支持層に対する垂線)と、凸条部41を構成する第1の辺41bとにより形成される角度を第1角度θ1とし、当該法線と凸条部41を構成する第2の辺41cとにより形成される角度を第2角度θ2としたとき、第1角度θ1と第2角度θ2との差分が0°以上30°以下であることを意味し、好ましくは当該差分が0°以上15°以下である。
凸条部41の頂角41aの角度(θ1+θ2)は、60°以下であり、好ましくは30°以上60°以下であり、より好ましくは35°以上55°以下である。凸条部41の頂角41aの角度が60°を超えると、樹脂皮革1においてビロード調の外観が得られなくなる。また、凸条部41の頂角41aの角度が30°未満であると、樹脂皮革1を製造するために用いられる離型シート10(図4参照)の製造が極めて困難となるおそれがある。なお、凸条部41の頂角41aの角度(θ1+θ2)、第1角度θ1及び第2角度θ2は、例えば、電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製,電界放出形走査電子顕微鏡SU8000等)等を用いて、任意に選択した5箇所の凸条部41の切断面を観察して測定した角度の算術平均値として算出され得る。
隣接する凸条部41の間隔P41(断面視における頂角41aの間隔)は、20μm以上80μm以下であるのが好ましく、25μm以上75μm以下であるのがより好ましい。当該間隔P41が20μm未満であると、樹脂表皮層3の表面における回折光の影響が大きくなり、虹色の光沢が奏されるおそれがある。当該間隔P41が80μmを超えると、必然的に凸条部41の高さを高くせざるを得なくなり、樹脂皮革1の製造の難易度が上昇してしまうおそれがある。なお、凸条部41の間隔P41は、例えば、電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製,電界放出形走査電子顕微鏡SU8000等)等を用いて、任意に選択した5箇所の凸条部41を上面視にて観察して測定した間隔の算術平均値として算出され得る。
凸条部41の寸法D41は、頂角41aの角度、隣接する凸状部41の間隔P41、凸条部41の高さT41(凹条部42の最下端42aと凸条部41の頂角41aとの間における法線方向の長さ)等に応じて適宜設定され得るものではあるが、例えば、20μm以上80μm以下程度に設定され得る。凸条部41の寸法D41が20μm未満であると、寸法の制御が困難であり、ビロード調の樹脂皮革1が安定的に製造され難くなるおそれがある。凸条部41の寸法D41が80μmを超えると、必然的に凸条部41の高さを高くせざるを得なくなり、樹脂皮革1の製造の難易度が上昇してしまうおそれがある。なお、凸条部41の寸法とは、凸条部41の短手方向に沿った、隣接する凹条部42の最下端42a間の長さを意味するものとする。
凸条部41の高さT41は、例えば、17μm以上150μm以下程度に設定され得る。凸条部41の高さT41が17μm未満であると、ムラが目立ちやすくなるおそれがあり、150μmを超えると、樹脂皮革1の製造の難易度が上昇してしまうおそれがある。
隣接する凸条部41間に位置する凹条部42の形状は、例えば、最下端に位置する角42aが丸められた略V字状であればよい。凹条部42の形状が角42aを丸めた略V字状であることで、樹脂皮革1を安定的に、かつ高精度で製造することができる。
凹条部42の略V字状の角42aの曲率半径Rは、15μm以下であるのが好ましく、1μm以上10μm以下であるのがより好ましい。凹条部42の略V字状の角42aの曲率半径Rが15μmを超えると、入射角の小さい光線の反射率が大きくなるため、樹脂皮革1においてビロード調の外観が奏され難くなるおそれがある。凹条部42の略V字状の角42aの曲率半径Rが1μmより小さいと、樹脂皮革1の製造に用いられる離型シート10(図4参照)から樹脂皮革1(樹脂表皮層3)を剥離し難しくなり、離型シート10が破壊されてしまい繰り返し使用ができなくなるおそれがある。
本実施形態における樹脂皮革1の用途としては、樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の一般的な用途が挙げられる。樹脂皮革1の用途としては、例えば、衣料、鞄、靴、財布、スマートフォンカバー表皮材、インテリア資材、インスツルメントパネル材、カーシート表皮材、ステアリングホイール表皮材等の車両用内装材や自動二輪車のシート材等が挙げられる。
本実施形態における樹脂皮革1によれば、樹脂表皮層3の表面に高精度で形成された凹凸構造4(凸条部41及び凹条部42)によりビロード調の外観を呈することができる。
〔樹脂皮革の製造方法〕
本実施形態における樹脂皮革の製造方法を説明する。図4は、本実施形態における樹脂皮革を製造するために用いられる離型シートの概略構成を示す断面図であり、図5(A)〜(D)は、本実施形態における樹脂皮革の製造方法を断面図にて示す工程フロー図である。
本実施形態における樹脂皮革の製造方法においては、図5(A)に示すように、まず、樹脂皮革1の樹脂表皮層3の表面に形成される凹凸構造4に対応する凹凸構造14を有する離型シート10を準備する。
図4に示すように、離型シート10は、第1面11A及びそれに対向する第2面11Bを有する基材11と、基材11の第1面11A上に設けられ、基材11側に位置する第2面12B及びそれに対向する第1面12Aを含み、第1面12A側に凹凸構造14が形成されてなる離型層12とを有する。
基材11としては、離型層12の形成が可能である限りにおいて特に制限はなく、一般に樹脂皮革製造用の離型シートや工程紙に用いられる従来公知の材質の基材を用いることができる。具体的には、上記基材11として、クラフト紙、上質紙、キャストコート紙等の紙基材;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル基材;各種ナイロン等のポリアミド、ポリプロピレン等の樹脂フィルム;合成紙、金属箔、織布、不織布等が用いられ得る。これらは、単独、又は2種以上を積層して上記基材11として用いられ得る。離型シート10を用いて樹脂皮革を製造する際に、熱劣化を生じさせにくく、離型層12との密着性が高いという観点で、上記基材11として紙基材を用いるのが好ましい。
基材11の厚みは特に限定されるものではなく、基材11の材質等に応じて適宜設定され得るが、例えば50μm以上200μm以下程度に設定されるのが好ましい。
なお、基材11の第1面11Aには、離型層12との密着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、オゾン処理等の易接着性処理やプライマーコート等の表面処理等が施されていてもよい。
離型層12を構成する材料としては、第1面12Aに凹凸構造14を形成することが可能であり、また離型シートを用いて樹脂皮革を製造する際に、樹脂皮革を容易に剥離可能な材料であれば、特に限定されるものではない。例えば、離型層12を構成する材料として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリビニルアルコール等の従来公知の樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート、シリコーン樹脂等が挙げられる。活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
離型層12は、上記熱可塑性樹脂を含むのが好ましく、特にポリプロピレンを含むのが好ましい。離型層12が熱可塑性樹脂、特にポリプロピレンを含むことで、離型層12の第1面12A側に凹凸構造14を高精度に形成することができ、また離型シート10を用いて樹脂皮革を製造する際に、樹脂皮革を容易に剥離することができる。なお、離型層12は、透明(可視光の透過率が80%以上程度)であってもよく、半透明又は不透明であってもよい。また、離型層12は着色されていてもよい。
離型層12の厚みは、第1面12A側に凹凸構造14を形成することができる程度の厚みであればよく、例えば、5μm以上200μm以下、好ましくは10μm以上100μm以下に設定され得る。
なお、離型層12の第1面12A上に、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を塗布・乾燥させることで形成可能な剥離層(図示省略)が設けられていてもよい。剥離層が設けられていることで、樹脂皮革を製造する際に、離型シート10の剥離性をより向上させ得る。なお、剥離層が設けられる場合、剥離層の厚みは、離型層12の第1面12A側に形成されている凹凸構造14の機能を損なわない程度の厚みであればよく、例えば、0.01μm以上0.5μm以下程度に設定され得る。
離型層12の表面に形成されている凹凸構造14の形状は、樹脂皮革1の凹凸構造4に対応する形状であり、樹脂皮革1の凸条部41に対応する凹条141及び凹条部42に対応する凸条142を含む。
離型層12の第1面12Aに形成されている凹凸構造14は、樹脂皮革1を製造する際に、樹脂皮革1(樹脂表皮層3)に転写されることで当該樹脂皮革1にビロード調の外観を付与可能な構造等を有する。例えば、凹凸構造14の凹条141の断面視における下端部の角度は、例えば、60°以下程度に設定され、隣接する凹条141の間隔は20μm以上80μm以下程度に設定される。また、凹条141の寸法(隣接する凸条142の頂角間の長さ)は、例えば、20μm以上80μm以下程度に設定され、深さは、例えば、17μm以上150μm以下程度に設定され得る。
続いて、図5(B)に示すように、離型シート10の離型層12の第1面12Aに、従来公知の方法により樹脂表皮層形成用組成物を塗布し、乾燥して樹脂表皮層3を形成する。樹脂表皮層形成用組成物としては、所望とする可視光透過率を有するものを用いるのが好ましいが、樹脂皮革1の種類に応じて適宜選択される。例えば、樹脂皮革1がポリウレタンレザーの場合、樹脂表皮層形成用組成物として、ポリウレタン及び任意の添加剤を含み、固形分が20質量%以上50質量%以下程度のポリウレタンペースト等が用いられ得る。また、樹脂皮革がポリ塩化ビニルレザーの場合、樹脂表皮層形成用組成物として、ポリ塩化ビニル及び任意の添加剤を含むゾル等が用いられ得る。
次に、図5(C)及び(D)に示すように、樹脂表皮層3上に接着層(図示省略)を介して支持層2を積層させて乾燥及び熟成した後、離型シート10を剥離する。これにより、ビロード調の外観を有する樹脂皮革1が製造され得る。接着層としては、樹脂皮革(合成皮革、人工皮革)の製造に用いられる従来公知の接着層を用いることができる。
本実施形態における樹脂皮革の製造方法によれば、ビロード調の外観を有する樹脂皮革1を安定的に製造することができる。
〔離型シートの製造方法〕
本実施形態における樹脂皮革1の製造方法において用いられる離型シート10を作製する方法の一例を説明する。図6は、本実施形態における離型シートの作製方法の一例を示す概略図である。
離型シート10の凹凸構造14に対応する凹凸構造(凸条及び凹条を含む凹凸構造)が一面に形成されてなる転写版20を準備し、当該転写版20の凹凸構造を、基材11の第1面11A上に形成された樹脂材料膜12’に転写する。好適には、図6に示すように、転写版20をロール本体21に巻きつけた転写ロール22を準備して、基材11の第1面11A上に樹脂材料膜12’が形成されてなる原反を搬送しながら、転写ロール22を押し付けることで、離型層12の第1面12Aに凹凸構造14が形成される。このようにして、離型シート10を作製することができる。
〔熱硬化性樹脂化粧板〕
図7は、本実施形態に係る樹脂製物品の一態様である熱硬化性樹脂化粧板の概略構成を示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態における熱硬化性樹脂化粧板1’は、支持層2’と、支持層2’上に積層されてなる熱硬化性樹脂層3’とを備える。熱硬化性樹脂層3’の表面には、複数の凸条部41’及び凹条部42’を含む凹凸構造4’が形成されている。熱硬化性樹脂化粧板1’としては、例えば、高圧メラミン樹脂化粧板、低圧メラミン樹脂化粧板、ジアリルフタレート(DAP)樹脂化粧板、ポリエステル化粧板、グアナミン樹脂化粧板、フェノール樹脂化粧板等が挙げられ、高圧メラミン樹脂化粧板が好適である。高圧メラミン樹脂化粧板は、優れた鉛筆硬度、耐熱性、耐汚染性、耐薬品性等の特性を有するため、壁、天井、床等の建築物の内装材又は外装材;窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具の表面化粧板;キッチン、家具、弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板;車両の内装材又は外装材等として好適に用いることができる。
支持層2’は、コア層2a’と、コア層2a’上に積層されてなる絵柄印刷層2b’とを有する。
コア層2a’は、熱硬化性樹脂化粧板1’に必要な厚さ、強度を付与するために設けられるものであり、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、ポリエステル樹脂、グアナミン樹脂等の熱硬化性樹脂、好適にはフェノール樹脂、メラミン樹脂等を含浸率45質量%以上60質量%以下で含浸させた繊維質基材等が挙げられる。なお、熱硬化性樹脂の含浸率(質量%)は、「基材(繊維質基材)の質量」に対する「含浸した熱硬化性樹脂の質量(熱硬化性樹脂含浸後の基材の質量と含浸前の基材の質量との差分)」の百分率として算出され得る。
コア層2a’を構成する繊維質基材としては、例えばクラフト紙、不織布等が挙げられ、坪量150g/m2以上250g/m2以下程度のものが好適である。コア層2a’は、熱硬化性樹脂を含浸させた繊維質基材が複数枚積層されてなるものであってもよく、当該繊維質基材の積層枚数は、熱硬化性樹脂化粧板1’に必要とされる厚さに応じて適宜設定され得る。
絵柄印刷層2b’としては、例えば、絵柄を印刷した多孔質基材等が挙げられる。多孔質基材としては、絵柄が印刷可能である限り、特に制限されるものではなく、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、紙にポリ塩化ビニル樹脂をゾル又はドライラミネートしたビニル壁紙原反、上質紙、コート紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等の紙類等が挙げられる。
多孔質基材に絵柄を印刷する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、公知の着色剤(顔料又は染料)を結着材樹脂とともに溶剤又は分散媒中に溶解又は分散させて得られるインキを用いた印刷法等が挙げられる。より具体的には、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、多孔質基材の全面にベタ状の絵柄を印刷する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が採用され得る。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等が用いられたり、他の印刷法と組み合わせて用いられたりしてもよい。
印刷法に用いられるインキとしては、多孔質基材のVOCを低減する観点から、水性組成物を用いてもよい。多孔質基材に絵柄を印刷する際、前処理として多孔質基材にベタ印刷層を形成してもよい。
インキに含まれる着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、1種を単独で用いられてもよいし、2種以上を混合して用いられてもよい。これらの着色剤は、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等とともに用いられてもよい。
結着材樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂の他、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂、カゼイン樹脂等も併用され得る。より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子等も使用され得る。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂等が変性したもの、天然ゴム等の混合物、その他の樹脂を使用してもよい。結着材樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。
溶剤又は分散媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤又は分散媒は、単独で又は2種以上を混合して使用され得る。
熱硬化性樹脂層3’としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンを含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸率30質量%以上200質量%以下、好適には50質量%以上150質量%以下で含浸させた多孔質基材等が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤等を含んでいてもよい。硬化剤としては、例えば、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等に含まれ得るイソシアネート、有機スルホン酸塩;エポキシ樹脂等に含まれ得る有機アミン等が挙げられる。重合開始剤(ラジカル開始剤)としては、例えば、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂に含まれ得るメチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等が挙げられる。
多孔質基材としては、熱硬化性樹脂が含浸可能である限り、特に制限されるものではなく、例えば、熱硬化性樹脂の浸透性を有する繊維質基材等が挙げられる。かかる繊維質基材としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、紙にポリ塩化ビニル樹脂をゾル又はドライラミネートしたビニル壁紙原反、上質紙、コート紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等の紙類;ガラス繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機繊維質をシート状に形成した紙類似シート;ポリエステル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂繊維からなる不織布又は織布等が挙げられる。熱硬化性樹脂の含浸性の観点から、チタン紙、薄葉紙、クラフト紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙が好適であり、特にチタン紙が好適である。
多孔質基材は、着色されていてもよく、多孔質基材の製造段階(多孔質基材が紙類であればその抄造段階で着色剤(顔料、染料等)を配合することで、多孔質基材に着色することができる。着色剤としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料;フタロシアニンブルー等の有機顔料;各種染料等を使用することができる。着色剤は、少なくとも1種含まれていればよく、2種以上を含有せしめる場合において、着色剤の配合量は、所望とする色合い等に応じて適宜設定され得る。また、多孔質基材には、必要に応じて充填材、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
多孔質基材の坪量は、特に制限されるものではなく、例えば、40g/m2以上150g/m2以下であるのが好ましい。また、多孔質基材の厚さは、熱硬化性樹脂化粧板1’の用途、使用方法等に応じて適宜設定され得るが、例えば、50μm以上170μm以下程度である。
なお、熱硬化性樹脂層3’の一方面(絵柄印刷層2b’に当接する面)に、密着性向上を目的とした表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理等が挙げられる。
熱硬化性樹脂層3’は、例えば、多孔質基材を熱硬化性樹脂に浸漬させる方法;キスコーター、コンマコーター等のコーターを用いて熱硬化性樹脂を多孔質基材に塗布する方法、スプレー装置、シャワー装置等により熱硬化性樹脂を多孔質基材に噴き付ける方法等により多孔質基材に熱硬化性樹脂を含浸させ、当該多孔質基材を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させることにより作製され得る。多孔質基材の加熱温度及び加熱時間は、熱硬化性樹脂の種類等に応じて適宜設定され得る。例えば、熱硬化性樹脂としてイソシアネート硬化型不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン硬化型ポリウレタン樹脂を用いた場合、40℃以上60℃以下の温度で1日以上5日以下程度加熱すればよい。また、熱硬化性樹脂としてポリシロキサン樹脂を用いた場合、80℃以上150℃以下の温度で1分以上30分以下程度加熱すればよい。さらに、熱硬化性樹脂としてメラミン樹脂を用いた場合、90℃以上160℃以下の温度で30秒以上30分以下加熱すればよい。必要に応じて、加圧し、かつ加熱して熱硬化性樹脂を硬化させてもよい。
熱硬化性樹脂層3’に形成されている、複数の凸条部41’及び凹条部42’を含む凹凸構造4’は、上述した樹脂皮革1の樹脂表皮層3に形成されている凸条部41及び凹条部42(図1〜図3参照)と略同様の構成を有するため、ここでの詳細な説明を省略するものとする。
上述した熱硬化性樹脂化粧板1’においては、熱硬化性樹脂層3’の表面に高精度で凹凸構造4’(凸条部41’及び凹条部42’)が形成されていることで、ビロード調の外観を呈することができる。
〔熱硬化性樹脂化粧板の製造方法〕
図8は、本実施形態における熱硬化性樹脂化粧板の製造方法を断面図にて示す工程フロー図である。
図8(A)に示すように、熱硬化性樹脂層3’、絵柄印刷層22’及びコア層21’をこの順に積層するとともに、熱硬化性樹脂層3’上に離型シート10を積層してなる積層体を、2枚の金属板51,52の間に挟み、5.9MPa以上9.8MPa以下の圧力で加圧しながら、110℃以上160℃以下の温度で10分以上60分以下の時間、加熱する。
熱硬化性樹脂層3’の表面に凹凸構造4’(凸条部41’及び凹条部42’)を形成するために用いられる離型シート10としては、上述した樹脂皮革1(図1〜図3参照)を製造するために用いられるものと同様のものが使用可能であるが、好適には、耐熱性及び平滑性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル基材11と、耐熱性を有する熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等からなる離型層12とを含むものが用いられ得る。
次に、図8(B)に示すように、金属板51,52の間に挟まれ、加圧、加熱された積層体から、離型シート10を剥離する。これにより、離型シート10の離型層12に形成されている凹凸構造14が熱硬化性樹脂層3’に転写されてなる熱硬化性樹脂化粧板1’が製造され得る。
本実施形態における熱硬化性樹脂化粧板の製造方法によれば、ビロード調の外観を有する熱硬化性樹脂化粧板1’を安定的に製造することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態において、基材11を備える離型シート10を用いて樹脂皮革1及び熱硬化性樹脂化粧板1’を製造する方法を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではなく、例えば、離型シート10は、離型層12のみを備え、基材11を備えていなくてもよい。
上記実施形態において、樹脂皮革1の樹脂表皮層3が単層により構成される例を挙げて説明したが、この態様に限定されるものではなく、例えば、樹脂皮革1は、支持層2上に順に積層された第1樹脂表皮層と第2樹脂表皮層との2層により構成される樹脂表皮層3を備えていてもよく、この場合において、凹凸構造4は第2樹脂表皮層の表面に形成されていればよい。また、熱硬化性樹脂化粧板1’においても同様に、熱硬化性樹脂層3’が複数の熱硬化性樹脂層により構成されていてもよい。
上記実施形態において、凹凸構造4が樹脂表皮層3の表面に形成されている態様を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではなく、支持層2及び樹脂表皮層3に凹凸構造4が形成されていてもよい。この態様の樹脂皮革1は、例えば、支持層2上に樹脂表皮層3を構成する樹脂膜を形成し、当該樹脂膜に加熱押圧処理(熱エンボス処理)を施すことにより製造され得る。また、熱硬化性樹脂化粧板1'においても同様に、凹凸構造4’が絵柄印刷層2b’及び熱硬化性樹脂層3’に形成されていてもよいし、コア層2a’、絵柄印刷層2b’及び熱硬化性樹脂層3’に形成されていてもよい。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)転写版の準備
銅板(210mm×297mm)の表面に機械切削により凹凸構造を形成し、転写版20を作製した。転写版20に形成した凹凸構造の凸条の形状は二等辺三角形状とし、当該凸条の頂角を30°、間隔を50μm、凹凸構造の凹条の略V字状の角の曲率半径Rを2μmとした。
(2)離型シートの製造
紙製の基材11(厚み:150μm)の第1面11A上に、ポリプロピレンを塗布して離型層12(厚み:50μm)を形成し、下記の条件で離型層12の第1面12Aに転写版20を加熱押圧して凹凸構造を転写し、基材11と、第1面12A上に凹凸構造14が形成されてなる離型層12とを備える離型シート10を製造した。
(転写条件)
・シリンダー温度:120℃
・押圧力:150kgf/cm
(3)樹脂皮革の製造
上記離型シート10の離型層12の第1面12A上に、樹脂表皮層形成用組成物(下記に示す組成の樹脂表皮層用ポリウレタン組成物)をバーコート法で塗布し、100℃以上120℃以下の範囲内で2分間、加熱乾燥させて樹脂表皮層3を形成した。その後、樹脂表皮層3上に接着剤を用いて支持層2を貼り合わせ、乾燥、熟成後、離型シート10を剥離して樹脂皮革1を製造した。
(樹脂表皮層形成用組成物)
・ポリウレタン(レザミンNE−8811,大日精化工業社製) 100質量部
・着色剤(セイカセブンNET−5794ブラック,大日精化工業社製) 15質量部
・トルエン 25質量部
・イソプロピルアルコール 25質量部
〔実施例2〕
転写版20に形成した凹凸構造の凸条の頂角を50°に変更したした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔実施例3〕
転写版20に形成した凹凸構造の凸条の頂角を60°に変更したした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔比較例1〕
転写版20に形成した凹凸構造の凸条の頂角を70°に変更したした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔比較例2〕
転写版20に形成した凹凸構造の凸条の頂角を90°に変更したした以外は、実施例1と同様にして転写版20を準備し、離型シート10及び樹脂皮革1を製造した。
〔比較例3〕
樹脂表皮層3に凹凸構造4を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして離型シート及び樹脂皮革を製造した。
〔試験例1〕外観評価試験
実施例1〜3及び比較例1〜3の樹脂皮革1を被験試料として、当該各被験試料を机の上に置き、照度400ルクス(明るいオフィス相当)環境下で各被験試料の外観について、各被験者が下記評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。なお、表1における外観評価は、全被験者による評価の平均点が2.5点以上のものを「◎」、2.0点以上2.5点未満のものを「○」、2.0点未満のものを「△」とした。
<評価基準>
ビロード調に見える:3点
どちらともいえない:2点
ビロード調に見えない:1点
Figure 2018164991
表1に示す結果から、樹脂表皮層3に形成されている凹凸構造4の凸条部41の頂角の角度が60°以下であることで、樹脂皮革1にビロード調の外観を付与可能であることが確認された。
〔試験例2〕可視光透過率測定試験
実施例1〜3及び比較例1〜3において用いた樹脂表皮層形成用組成物を用いて厚み0.1mmの樹脂シートを作製し、当該樹脂シートの可視光透過率を、透過率計測装置(村上色彩技術研究所社製,製品名:HR−100)を用いて測定した。その結果、当該可視光透過率は0.8%であった。
1…樹脂皮革
2…支持層
3…樹脂表皮層(樹脂層)
4…凹凸構造
41…凸条部
42…凹条部
10…離型シート
11…基材
12…離型層
14…凹凸構造

Claims (7)

  1. 支持層と、前記支持層上に設けられている樹脂層とを備え、
    前記樹脂層には、長手方向が一方向に延在する複数の凸条部を含む凹凸構造が形成されており、
    前記凸条部の短手方向に沿った断面視において、前記凸条部は略二等辺三角形状を有し、前記凸条部の頂角の角度が60°以下である樹脂製物品。
  2. 前記凸条部の頂角の角度が30°以上60°以下である請求項1に記載の樹脂製物品。
  3. 前記凸条部の短手方向に沿った断面視において、前記凸条部の前記頂角を通る前記支持層に対する垂線と前記頂角を構成する第1の辺とのなす角度を第1角度とし、前記垂線と前記頂角を構成する第2の辺とのなす角度を第2角度としたとき、前記第1角度と前記第2角度との差分が0°以上30°以下である請求項1又は2に記載の樹脂製物品。
  4. 前記樹脂層を構成する樹脂材料の可視光透過率が10%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製物品。
  5. 隣接する前記凸条部間の前記頂角の間隔が、20μm〜80μmである請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂製物品。
  6. 前記凸条部の短手方向に沿った断面視において、隣接する前記凸条部の間に位置する凹条部は、角が丸められた略V字状を有する請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂製物品。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂製物品を製造するために用いられる離型シートであって、
    第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する離型層を含み、
    前記離型層の前記第1面側には、前記樹脂層の前記凹凸構造に対応する対応凹凸構造が前記第1面側に形成されている離型シート。
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