JP2018164359A - パワー半導体モジュール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】3相インバータを構成するパワー半導体モジュール装置1の冷却性能を高めると同時に、アーム間の温度差を小さくする。【解決手段】3相インバータを構成する半導体モジュール2の下面にヒートシンク3が配置される。ヒートシンク3は、6個のアームの各々に対応して、6個の冷媒室16a〜16fに区画されている。外部配管を交差させることで、U相上アームS1→V相下アームS4→W相下アームS6→W相上アームS5→V相上アームS3→U相下アームS2、の順に冷媒が直列に通流するように構成されている。インバータとしてのスイッチングパターンにおいて、同時にON作動する2つのアームの温度差が小さくなる。【選択図】図7

Description

この発明は、直流電源から3相交流を生成するインバータとして用いられるパワー半導体モジュール装置、特に液冷式の冷却機構を具備したパワー半導体モジュール装置に関する。
比較的大きな電力を扱う電力変換装置にあっては、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等の半導体スイッチング素子を例えば「2in1」や「6in1」型等の半導体モジュールとして構成した上で、この半導体モジュールに液冷式の冷却機構を組み合わせたパワー半導体モジュール装置が広く用いられている。
特許文献1には、3相インバータとして、U相,V相,W相の各相毎に一対の「2in1」型半導体モジュールを用い、各相毎に並行して冷媒(冷却水)を供給するようにした構成が開示されている。すなわち、上下アームを有する「2in1」型半導体モジュールが1つの相に対して2個ずつ互いに隣接して配置されており、その下面に配置したヒートシンクの中を、冷媒が略U字形の流路に沿って流れるように構成されている。各相のヒートシンクは、それぞれ冷媒入口と冷媒出口とを備えており、インバータ全体としては、3つの冷媒入口と3つの冷媒出口とを備えている。
特開2012−64609号公報
特許文献1にはU相,V相,W相の各々に対応する3つのヒートシンクの流路を実際にどのように接続するかは記載されていないが、仮にポンプで送られる冷媒の流れを3本の流路に並列に分流して各々のヒートシンクに並行して供給するように構成したとすると、各々を流れる冷媒の流量が低下し、全体的な冷却性能が低くなる。
また仮に、第1のヒートシンクの冷媒出口と第2のヒートシンクの冷媒入口とを接続するとともに第2のヒートシンクの冷媒出口を第3のヒートシンクの冷媒入口に接続して、3つのヒートシンクに直列に冷媒が流れるように構成すると、各々を通過する流量ならびに冷却性能が高く得られるが、最初に冷媒が流入する部位に位置するアームの温度(つまり半導体スイッチング素子の温度)と、最後に冷媒が流出する部位に位置するアーム(半導体スイッチング素子)の温度と、の間で大きな温度差が生じてしまう。従って、インバータとしてのスイッチング動作に際して、素子間で発生する損失が不均一となる。
なお、特許文献1の構成では、U相,V相,W相の1つの相における上アームと下アームとを冷媒が連続して流れる構成であるため、3つのヒートシンクをどのように接続しても、各アームの冷却性能を均一化することは困難である。
この発明は、U相、V相およびW相の各々について第1アームと第2アームとを有し、インバータのスイッチング動作を行う半導体モジュールと、
この半導体モジュールに重ねて配置され、かつ冷媒の通流によって冷却されるヒートシンクと、
を備えたパワー半導体モジュール装置であって、
上記ヒートシンクは、各アームにそれぞれ対応する6個の区画に区分されており、
これら6個の区画を、U相第1アーム、V相第2アーム、W相第2アーム、W相第1アーム、V相第1アーム、U相第2アーム、の順に冷媒が直列に通流する、ことを特徴としている。
このような構成では、6個の区画の全体を1つの冷媒の流れが直列に流れるため、流速が高く得られるとともに、各アームの区画を通過する流量が大となり、装置全体としての冷却性能が高くなる。
一方、6個の区画は、冷媒が順に流れることから、冷媒の入口側から出口側へ向かって冷媒温度が徐々に高くなる傾向を有しているが、インバータとしての実際のスイッチング動作においては、負荷を通して同時に電流が流れる2つのアームの間の冷媒温度の差は比較的に小さい。例えば、U相第1アームとV相第2アームが同時にON作動したときに、両者の区画は連続しているため、両者の温度差は非常に小さい。最大でも、同時に電流が流れる2つのアームの区画の間に1つの区画が介在するに過ぎず、2つのアームに対する冷却性の差が小さいものとなる。
また、この発明の異なる態様においては、
上記ヒートシンクは、各アームにそれぞれ対応する6個の区画に区分されており、
これら6個の区画を、U相第1アーム、V相第2アーム、W相第1アーム、W相第2アーム、V相第1アーム、U相第2アーム、の順に冷媒が直列に通流する、ことを特徴としている。
このような構成では、やはり実際のスイッチング動作の下において、同時に電流が流れる2つのアームの区画の間に最大で2つの区画が介在するに過ぎず、2つのアームに対する冷却性の差が小さいものとなる。
この発明の具体的な一つの態様では、上記ヒートシンクの各々の区画は、個々に区分された冷媒室を備えている。この各区画の冷媒室を順次に流れる冷媒によって、半導体モジュールの各アームがそれぞれ冷却される。
また具体的な一つの態様では、半導体モジュールの6個のアームが「2×3」の形に配置されており、対角線上に位置するU相第1アームの区画とV相第2アームの区画とを接続した冷媒通路と、同じく対角線上に位置するU相第2アームの区画とV相第1アームの区画とを接続した冷媒通路と、が互いに交差して設けられている。
上記の2つの冷媒通路は、例えば、ヒートシンクの外側に設けた外部配管としてそれぞれ構成される。
あるいは、上記の2つの冷媒通路は、ヒートシンクの各区画間の隔壁に設けた開口部からそれぞれ構成される。
あるいは、上記の2つの冷媒通路は、ヒートシンクの外側面に積層された複数の流路形成板によってそれぞれ構成される。
この発明によれば、冷媒の流れを複数本の流路に分流せずに半導体モジュール全体を通して冷媒が直列に流れていくので、流速を高く確保でき、冷却性能の向上が図れる。そして、実際のスイッチング動作において同時にON作動する2つのアームの間での冷却性の差ひいては両者の温度差を小さくすることができる。
この発明に係るパワー半導体モジュール装置の第1実施例を示す斜視図。 このパワー半導体モジュール装置の分解斜視図。 同じく下面側から見た分解斜視図。 パワー半導体モジュール装置の平面図。 パワー半導体モジュールの回路構成を示す回路図。 ヒートシンクの区画の構成を冷媒の流れとともに示す平面図。 第1実施例のパワー半導体モジュール装置における冷媒の流れを示す説明図。 比較例の冷媒の流れを示す説明図。 第2の比較例の冷媒の流れを示す説明図。 第3の比較例の冷媒の流れを示す説明図。 第2実施例におけるヒートシンクの区画の構成を冷媒の流れとともに示す平面図。 第2実施例のパワー半導体モジュール装置における冷媒の流れを示す説明図。 流路形成板の積層によって冷媒通路を構成した第3実施例を示す斜視図。 ヒートシンクの隔壁を通して冷媒通路を構成した第4実施例を示す斜視図。 同じく第4実施例のヒートシンクを異なる方向から見た斜視図。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図6は、この発明に係るパワー半導体モジュール装置1の第1実施例を示している。このパワー半導体モジュール装置1は、図2に示すように、3相インバータとしてのスイッチング動作を行う半導体モジュール2と、この半導体モジュール2の下面に重ねて配置される液冷式のヒートシンク3と、両者の接合面に配置されるシール用のガスケット4と、を備えている。
図5は、半導体モジュール2によって構成されるインバータの回路構成を示しており、半導体スイッチング素子例えばIGBTとこれに並列に接続されたダイオードとを含む上下のアームによって1つの相が構成されている。すなわち、U相上アームS1とU相下アームS2が直流電源(P,N)の間に直列に接続され、その中間接続点からU相出力端子が引き出されている。同様に、V相上アームS3とV相下アームS4の中間接続点からV相出力端子が引き出されており、W相上アームS5とW相下アームS6の中間接続点からW相出力端子が引き出されている。半導体モジュール2は、これら6個のアームS1〜S6が1個のパッケージ6の中に一体化されたいわゆる「6in1」型の半導体モジュールとして構成されている。U相,V相,W相の出力端子は、図5に示すように、負荷として例えばモータMに接続される。また、インバータ回路は平滑コンデンサCを含んでいるが、この平滑コンデンサCは半導体モジュール2の外部に設けられる。
図4に示すように、半導体モジュール2のパッケージ6は、全体として長方形状に構成されているが、より詳しくは、U相,V相,W相にそれぞれ対応する3個の長方形状のパッケージ部6U,6V,6Wに区分されており、これら3個のパッケージ部6U,6V,6Wの長辺同士が隣接した形で一体化されている。各々のパッケージ部6U,6V,6Wの一方の短辺には、入力端子であるP端子7およびN端子8が設けられており、他方の短辺には、各相の出力端子9U,9V,9Wがそれぞれ設けられている。また、図4には、パッケージ6内部の素子の配置を併せて図示してあるが、図示するように、各パッケージ部6U,6V,6Wの出力端子9U,9V,9W側の半分の領域に上アームS1,S3,S5がそれぞれ配置され、P端子7およびN端子8側の半分の領域に下アームS2,S4,S6がそれぞれ配置されている。従って、6個のアームS1〜S6は、半導体モジュール2全体としては、「2×3」のマトリクス状に配置されている。図示例では、各アームS1〜S6がそれぞれ2個のIGBT素子11と2個のダイオード12とを含んで構成されている。
なお、各パッケージ部6U,6V,6Wは、図1および図2に示すように、各々の長辺に沿った部位に、複数の制御信号用端子13を備えている。
ヒートシンク3は、図2、図3に示すように、半導体モジュール2のパッケージ6の周縁に接合される長方形状のフランジ部15と、パッケージ6との間に冷媒室16を構成するように窪んで形成されたカップ部17と、を備えている。ヒートシンク3は、例えば、アルミニウム等の熱伝達に優れた金属を用いて鋳造等により構成することができる。
カップ部17の内部には、図4および図6に示すように、縦・横に公差する隔壁19が一体に形成されており、この隔壁19によって、冷媒室16は6個の区画16a〜16fに区分されている。換言すれば、6個の個々に独立した冷媒室16a〜16fが長方形のカップ状にそれぞれ形成されている。これら6個の区画ないし冷媒室16a〜16fは、ヒートシンク3の上に重なる半導体モジュール2の6個のアームS1〜S6にそれぞれ対応して位置している。
ヒートシンク3と半導体モジュール2との間に介在するガスケット4は、図2に示すように、ヒートシンク3の外周縁および隔壁19の上縁に沿った形状に一体に成形されたいわゆる成形ガスケットであり、ヒートシンク3と半導体モジュール2との間をシールするとともに、6個の冷媒室16a〜16fを互いに分離するように各冷媒室16a〜16fの間をシールしている。このガスケット4は、断面が円形のいわゆるOリングとして構成されており、ヒートシンク3側に形成された凹溝20に断面の一部が嵌合している。なお、図示例のガスケット4に代えて、いわゆる液体ガスケットや複数個のOリング等の他の形態のシール部材を用いることも可能である。
発熱体となる半導体モジュール2の底面には、図3に示すように、6個の個々の冷媒室16a〜16fに対応して、冷媒(冷却水)との熱交換を高めるための複数のピン型フィン22が設けられている。このピン型フィン22は、半導体モジュール2がヒートシンク3に組み付けられた状態では、冷媒室16a〜16fの中に突出している。
6個の個々の冷媒室16a〜16fは、図6に示すように、長方形のカップ状をなす各冷媒室16a〜16fの長手方向に沿って冷媒が流れるように、一方が入口となり他方が出口となる一対の円形の開口部24,25をそれぞれ備えている。2つの開口部24,25は特に変わるものではないが、ここでは、説明の便宜のために、図6において各冷媒室16a〜16fの左側に位置する開口部を第1開口部24と呼び、右側に位置する開口部を第2開口部25と呼ぶこととする。これら2つの開口部24,25は、各冷媒室16a〜16fの短辺の中央位置において底面に開口している。
図3に示すように、ヒートシンク3の底面には、各冷媒室16a〜16fに冷媒を所定の順序で通流させるためのいくつかの外部配管が設けられている。具体的には、U相上アームS1に対応する冷媒室16aの第1開口部24には、図外の冷媒ポンプからヒートシンク3へ冷媒を導入するための入口パイプ27が接続されており、U相下アームS2に対応する冷媒室16bの第1開口部24には、ヒートシンク3から熱交換後の冷媒を排出するための出口パイプ28が接続されている。また、冷媒室16aの第2開口部25とV相下アームS4に対応する冷媒室16dの第1開口部24とは、略U字形をなす第1中間パイプ29によって互いに接続されている。冷媒室16bの第2開口部25とV相上アームS3に対応する冷媒室16cの第1開口部24とは、略U字形をなす第2中間パイプ30によって互いに接続されている。図3から明らかなように、第1中間パイプ29と第2中間パイプ30は、互いに交差している。つまり、「2×3」の形に配列されている6個の冷媒室16a〜16fの中で、対角線上に位置する冷媒室16aと冷媒室16dとが第1中間パイプ29によって互いに接続され、かつ同じく対角線上に位置する冷媒室16bと冷媒室16cとが第2中間パイプ30によって互いに接続されている。
さらに、冷媒室16cの第2開口部25とW相上アームS5に対応する冷媒室16eの第1開口部24とは、略U字形をなす第3中間パイプ31によって互いに接続されている。同様に、冷媒室16dの第2開口部25とW相下アームS6に対応する冷媒室16fの第1開口部24とは、略U字形をなす第4中間パイプ32によって互いに接続されている。そして、冷媒室16eの第2開口部25と冷媒室16fの第2開口部25とは、略U字形をなす第5中間パイプ33によって互いに接続されている。
図6には、上記の中間パイプ29〜33によって構成される冷媒通路がそれぞれ符号29〜33の矢印でもって示されている。この図に示すように、入口パイプ27から冷媒室16aに流入した冷媒は、第1中間パイプ29を介して対角線上に位置する冷媒室16dに流れ、この冷媒室16dから長辺方向に隣接する冷媒室16fに流れる。冷媒室16fから短辺方向に隣接する冷媒室16eに流れ、この冷媒室16eから長辺方向に隣接する冷媒室16cに流れる。そして、冷媒室16cから第2中間パイプ30を介して対角線上に位置する冷媒室16bに流れ、最終的に出口パイプ28から図外の冷媒ポンプへと戻ることとなる。つまり、図4に示した6個のアームS1〜S6との関係では、図7に矢印で示すように、U相上アームS1、V相下アームS4、W相下アームS6、W相上アームS5、V相上アームS3、U相下アームS2、の順に冷媒が直列に通流する。
次に、上記第1実施例の冷却構造による利点について説明する。
図8は、比較例として、矢印Cで示すように「U相の上下アーム→V相の上下アーム→W相の上下アーム」の順に冷媒が流れるようにした冷却構造を示している。熱の移送に必要な冷媒循環量が一定であると仮定すると、このように広く冷媒が流れる構成では、流速が低くなる。しかも、各アームの下面を通過する冷媒の流量が少なくなる。
このような構成に比較して、上記第1実施例では、流路断面積が基本的に1/2となり、流速が高くなるとともに、各アームの下面を全ての冷媒が通過するため、基本的に冷却性能が高く得られる。
図9に示す第2の比較例は、矢印Cで示すように「U相上アームS1→V相上アームS3→W相上アームS5→W相下アームS6→V相下アームS4→U相下アームS2」の順に、つまり全体としてU字形の流路となるように冷媒が流れるようにした例である。このような構成では、流速ならびに各アームに対する流量を高く確保できるが、インバータとしてのスイッチング動作を考慮したときに、同時にON作動する2つのアームにおける冷却性の差異が大きくなる。例えば、U相出力端子9UとV相出力端子9Vとの間に負荷を通して電流が流れるときには、U相上アームS1とV相下アームS4とが同時にONとなるが、図9の冷媒の流れでは、これら2つのアームS1,S4の間に、3つのアームS3,S5,S6が介在し、各々の箇所で1段階ずつ冷媒温度が上昇するため、両者の温度差が大きくなる。
図10に示す第3の比較例は、矢印Cで示すように「U相上アームS1→U相下アームS2→V相上アームS3→V相下アームS4→W相上アームS5→W相下アームS6」の順に、つまり3回U字形に折り返す形で冷媒が流れるようにした例である。この例では、やはり流速ならびに各アームに対する流量を高く確保できるものの、インバータとしてのスイッチング動作を考慮したときに、同時にON作動する2つのアームにおける冷却性の差異が大きくなる。例えば、W相出力端子9WとU相出力端子9Uとの間に負荷を通して電流が流れるときには、W相下アームS6とU相上アームS1とが同時にONとなるが、図10の冷媒の流れでは、これら2つのアームS1,S6の間に、4つのアームS2,S3,S4,S5が介在し、各々の箇所で1段階ずつ冷媒温度が上昇するため、両者の温度差がさらに大きくなる。
これに対し、図7に冷媒の流れを示した上記実施例の冷却構造においては、インバータとしてのスイッチング動作の下で同時にON作動する2つのアームの間の温度差が小さくなる。例えばU相上アームS1とV相下アームS4とでは、冷媒が連続して流れるので、他のアームが介在することによる冷媒温度の上昇がない。また例えばW相下アームS6とU相上アームS1との間では、V相下アームS4が介在するに過ぎず、他のアームの介在による冷媒温度の上昇が1段階に留まる。同様に、インバータとしてのいずれのスイッチングパターンにおいても、2つのアームの間に介在するアームは0個もしくは1個であり、図9や図10に示した比較例に比べて、2つのアームに対する冷却性ひいては2つのアームの温度差が小さくなる。これにより、各アームで発生する損失のバラツキを抑制することができる。また、前述したように図8の比較例に比べて冷媒の流速ならびに各アームに対する流量が高く得られるため、同時にON作動する2つのアームの温度差を小さく保ちつつ、冷却性能が高く得られる。
しかも、上記実施例の構成では、冷媒の流れに沿って基本的な温度勾配を有する6個の冷媒室16a〜16fが「2×3」のマトリクスの中で図9の比較例のように単純に並んでおらず、一部が入れ替わった配置となるため、隣接する冷媒室16a〜16fの間での熱交換が促進され、各冷媒室16a〜16fの温度がより均一化される。例えば、最も温度が高くなり易い最下流の冷媒室16bが、冷媒温度の低い冷媒室16aと冷媒室16dとに2辺で接した形となり、相互の熱交換によって温度差が縮小する。
次に、図11および図12は、この発明の第2実施例を示している。この第2実施例においては、図11に矢印で示すように、冷媒室16cの第2開口部25と冷媒室16fの第1開口部24とが、略U字形をなす第3中間パイプ31’によって互いに接続されており、冷媒室16dの第2開口部25と冷媒室16eの第1開口部24とが、略U字形をなす第4中間パイプ32’によって互いに接続されている。そして、第3中間パイプ31’と第4中間パイプ32’とは、互いに交差して配置されている。つまり、対角線上に位置する冷媒室16cと冷媒室16fとが互いに接続され、同じく対角線上に位置する冷媒室16dと冷媒室16eとが互いに接続されている。なお、他の配管構成は、前述した第1実施例と同様である。
従って、この第2実施例においては、図12に冷媒の流れを矢印で示すように、U相上アームS1、V相下アームS4、W相上アームS5、W相下アームS6、V相上アームS3、U相下アームS2、の順に冷媒が直列に通流する。このような構成でも、第1実施例と同様に図8の比較例に比べて冷媒の流速ならびに各アームに対する流量が高く得られるため、冷却性能が高く得られる。そして、インバータとしてのスイッチングパターンを考えると、同時にON作動する2つのアームの間には、最大で2個のアームが介在するに過ぎない。そのため、図9や図10に示した比較例に比べて、2つのアームに対する冷却性ひいては2つのアームの温度差が小さくなる。
次に、図13に示す第3実施例は、冷媒室16a〜16fの間を接続する冷媒通路を、上述した外部配管に代えて、複数の流路形成板41の積層体によって構成した例を示している。例えば、第1,第2実施例の第1,第2中間パイプ29,30に相当する互いに交差する2本の冷媒通路が、図示する4枚の流路形成板41a〜41dを積層することによって構成されている。
流路形成板41a〜41dの各々には、冷媒室16a〜16dの第2開口部25ないし第1開口部24に対応する円形の開口部42と、2つの開口部42の間の流路となる凹部43と、が適宜な形で形成されており、4枚の流路形成板41a〜41dを図示せぬシール部材(ガスケット等)とともに積層することで、第1開口部24と第2開口部25とを接続する流路が構成される。図示例では、第1流路形成板41aの凹部43aおよび第3流路形成板41cの凹部43cによって対角線上に位置する2つの冷媒室16a,16dが接続され、第2流路形成板41bの凹部43bおよび第4流路形成板41dの凹部43dによって対角線上に位置する2つの冷媒室16b,16cが接続される。他の冷媒通路についても同様の構成となっている。
このような構成においては、前述した第1,第2実施例の作用効果に加えて、流路形成板41の内部における熱交換によって冷媒温度が均一化する作用が得られる。すなわち、第1流路形成板41aおよび第3流路形成板41cの内部を流れる冷媒と、第2流路形成板41bおよび第4流路形成板41dの内部を流れる冷媒と、が1層毎に互い違いに流れる対向流となるので、両者間で効果的に熱交換が行われ、温度差が縮小する。なお、図示例では、流路形成板41(換言すれば内部の偏平な流路)が4層の構成となっているが、圧力損失の点で許容される範囲内でより多層とすれば、この流路形成板41の積層体内部での熱交換作用をより大きく得ることができる。
図14および図15は、冷媒通路の構成を変更した第4実施例を示している。この第4実施例においては、各冷媒室16a〜16fの間を接続する冷媒通路が、ヒートシンク3の隔壁19を貫通する開口部51によってそれぞれ形成されている。図示例は、図12に示した第2実施例の流路構成と等価な流路構成を有する例であって、4個の冷媒室16a〜16dに関しては、これら4個の冷媒室16a〜16dを仕切る隔壁19が十字に交差した交差部に、冷媒室16aと冷媒室16dとを連通する斜めに延びた一対の開口部51と、冷媒室16bと冷媒室16cとを連通する斜めに延びた一対の開口部51と、がそれぞれ高さ違いに形成されている。同様に、4個の冷媒室16c〜16fに関しては、これら4個の冷媒室16c〜16fを仕切る隔壁19が十字に交差した交差部に、冷媒室16cと冷媒室16fとを連通する斜めに延びた一対の開口部51と、冷媒室16dと冷媒室16eとを連通する斜めに延びた一対の開口部51と、がそれぞれ高さ違いに形成されている。また、冷媒室16eと冷媒室16fとの間には、短辺側の内壁面に沿って中央の隔壁19を貫通する一対の開口部51が設けられている。
従って、外部配管に依存せずにヒートシンク3の内部で図12に示した第2実施例と同様の冷媒の流れを実現することができる。開口部51は、例えば、ヒートシンク3を鋳造する際に中子により同時に成形するようにしてもよく、二次的に機械加工するようにしてもよい。
この第4実施例においても、第3実施例と同様に、例えば冷媒室16aと冷媒室16dとを連通する一対の開口部51と、冷媒室16bと冷媒室16cとを連通する一対の開口部51と、でそれぞれ冷媒が交互に対向流となって流れるため、やはり両者間で熱交換がなされ、冷媒温度の均一化に寄与する。なお、交差して形成される開口部51をより多数つまりより多段の構成とすれば、熱交換作用をより大きく得ることができる。
なお、図示しないが、ヒートシンク3の底壁を厚肉に構成し、図3に示した中間パイプ29〜33と同様のレイアウトの通路を底壁の内部に鋳造するようにすることも可能である。
以上、この発明を「6in1」型の半導体モジュール2を用いた実施例に基づいて説明したが、本発明は、「6in1」型の半導体モジュールに限定されるものではない。例えば、U相、V相、W相にそれぞれ対応する「2in1」型の半導体モジュールを3個並列に配置した構成や、「2in1」型の半導体モジュールを6個具備するパワー半導体モジュール装置などにも同様に適用することができる。
1…パワー半導体モジュール装置
2…半導体モジュール
3…ヒートシンク
4…ガスケット
7…P端子
8…N端子
9U,9V,9W…出力端子
16a〜16f…冷媒室(区画)
27…入口パイプ
28…出口パイプ
29〜33…中間パイプ
41a〜41d…流路形成板
51…開口部
S1〜S6…アーム

Claims (7)

  1. U相、V相およびW相の各々について第1アームと第2アームとを有し、インバータのスイッチング動作を行う半導体モジュールと、
    この半導体モジュールに重ねて配置され、かつ冷媒の通流によって冷却されるヒートシンクと、
    を備えたパワー半導体モジュール装置であって、
    上記ヒートシンクは、各アームにそれぞれ対応する6個の区画に区分されており、
    これら6個の区画を、U相第1アーム、V相第2アーム、W相第2アーム、W相第1アーム、V相第1アーム、U相第2アーム、の順に冷媒が直列に通流する、ことを特徴とするパワー半導体モジュール装置。
  2. U相、V相およびW相の各々について第1アームと第2アームとを有し、インバータのスイッチング動作を行う半導体モジュールと、
    この半導体モジュールに重ねて配置され、かつ冷媒の通流によって冷却されるヒートシンクと、
    を備えたパワー半導体モジュール装置であって、
    上記ヒートシンクは、各アームにそれぞれ対応する6個の区画に区分されており、
    これら6個の区画を、U相第1アーム、V相第2アーム、W相第1アーム、W相第2アーム、V相第1アーム、U相第2アーム、の順に冷媒が直列に通流する、ことを特徴とするパワー半導体モジュール装置。
  3. 上記ヒートシンクの各々の区画は、個々に区分された冷媒室を備える、ことを特徴とする請求項1または2に記載のパワー半導体モジュール装置。
  4. 6個のアームが「2×3」の形に配置されており、
    対角線上に位置するU相第1アームの区画とV相第2アームの区画とを接続した冷媒通路と、同じく対角線上に位置するU相第2アームの区画とV相第1アームの区画とを接続した冷媒通路と、が互いに交差して設けられている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパワー半導体モジュール装置。
  5. 上記の2つの冷媒通路が、ヒートシンクの外側に設けた外部配管としてそれぞれ構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のパワー半導体モジュール装置。
  6. 上記の2つの冷媒通路が、ヒートシンクの各区画間の隔壁に設けた開口部からそれぞれ構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のパワー半導体モジュール装置。
  7. 上記の2つの冷媒通路が、ヒートシンクの外側面に積層された複数の流路形成板によってそれぞれ構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のパワー半導体モジュール装置。
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