JP2014033016A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の発熱体の間での冷却媒体による冷却効率の差を小さくすることができる半導体装置を提供すること。
【解決手段】インバータ装置10は、第1、第3、第5のスイッチング素子Q1,Q3,Q5及び複数のダイオードDと、冷却器20を有する。冷却器20は、U相用冷媒流路32、V相用冷媒流路42、及びW相用冷媒流路52を備え、各冷媒流路32,42,52は、流入口31c,41c,51c及び流出口31d,41d,51dを個別に備えるとともに、各流入口31c,41c,51cには各供給路34,44,54が接続されている。
【選択図】図3
【解決手段】インバータ装置10は、第1、第3、第5のスイッチング素子Q1,Q3,Q5及び複数のダイオードDと、冷却器20を有する。冷却器20は、U相用冷媒流路32、V相用冷媒流路42、及びW相用冷媒流路52を備え、各冷媒流路32,42,52は、流入口31c,41c,51c及び流出口31d,41d,51dを個別に備えるとともに、各流入口31c,41c,51cには各供給路34,44,54が接続されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、複数の発熱体と、冷媒流路を内部に有し、発熱体が外面に熱的に結合されるとともに、プレートフィンを冷媒流路における冷却媒体の流通方向に延ばして備える冷却器と、を有する半導体装置に関する。
半導体装置においては、冷却器による半導体素子の冷却効率が望まれている。図6(a)及び図6(b)に示すように、特許文献1に開示の電力変換装置80のケース81内には、制御基板82が配置されるとともに、制御基板82上には平滑用コンデンサ83が配置されている。また、制御基板82上には2本の冷却通路84,85が平滑用コンデンサ83を挟む状態に配置されている。冷却通路84,85はそれぞれ平滑用コンデンサ83の長さ方向に沿って直線状に延びている。冷却通路84,85は、それぞれ制御基板82上に支持された溝部84a,85aと、溝部84a,85a上に支持された蓋部84b,85bとから形成されている。
また、冷却通路84,85の一端には冷却流体が流入する流入口86,87が設けられるとともに、冷却通路84,85の他端には冷却流体が流出する流出口88,89が設けられている。半導体素子である上アームパワーモジュール90(発熱体)は、冷却通路84を形成する蓋部84bの上面に熱的に結合され、下アームパワーモジュール91(発熱体)は、冷却通路85を形成する蓋部85bの上面に熱的に結合されている。
冷却通路84での冷却流体の流通方向に沿って3つの上アームパワーモジュール90が並ぶとともに、冷却通路85での冷却流体の流通方向に沿って3つの下アームパワーモジュール91が並んでいる。そして、冷却通路84,85を流れる冷却流体によって、上アームパワーモジュール90及び下アームパワーモジュール91が冷却される。
ところが、特許文献1の電力変換装置80においては、冷却流体は、流入口86,87側から流出口88,89に流れるに連れて各上アームパワーモジュール90及び各下アームパワーモジュール91と熱交換されていき、流出口88,89に近づくに連れて冷却効率が低下していく。このため、複数の上アームパワーモジュール90及び下アームパワーモジュール91の中でも、流入口86,87に近い上アームパワーモジュール90及び下アームパワーモジュール91と、流出口88,89に近い上アームパワーモジュール90及び下アームパワーモジュール91との間で冷却流体による冷却効率に差が生じてしまう。
本発明は、複数の発熱体の間での冷却媒体による冷却効率の差を小さくすることができる半導体装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の半導体素子を有する複数の発熱体と、冷媒流路を内部に有し、前記発熱体が外面に熱的に結合されるとともに、プレートフィンを前記冷媒流路における冷却媒体の流通方向に延ばして備える冷却器と、を有し、前記冷却媒体が供給路を流れて前記冷媒流路に供給されるように構成された半導体装置であって、前記冷却器は、前記冷媒流路を複数備え、各冷媒流路は前記冷却媒体の流入口及び流出口を個別に備えるとともに、各流入口には前記供給路が接続され、前記複数の発熱体は、それぞれ個別に対応する前記冷媒流路内の冷却媒体と熱交換可能に設けられるとともに、各冷媒流路では各発熱体の複数の半導体素子を各冷媒流路毎で別々に冷却するように前記冷却媒体が流れることを要旨とする。
これによれば、冷却媒体は、供給路を通ってそれぞれ個別に流入口から各冷媒流路に流入し、プレートフィンによって流れが乱されることなく各冷媒流路を流れる。よって、冷媒流路を流れる冷却媒体は、他の冷媒流路を流れた後に、その冷媒流路に流入するわけではなく、各冷媒流路には、熱交換されていない冷却媒体が流入する。したがって、各発熱体は、各冷媒流路を流れる冷却媒体により個別に熱交換され、発熱体同士の間での冷却効率の差を小さくすることができる。
また、前記複数の冷媒流路は、それぞれ別々の流路形成部材の内側に形成され、前記冷却器は前記流路形成部材を複数備えていてもよい。
これによれば、複数の冷媒流路を個別に設けた冷却器を簡単に製造することができる。
これによれば、複数の冷媒流路を個別に設けた冷却器を簡単に製造することができる。
また、半導体装置は、前記複数の発熱体が複数電気的に接続されることによってインバータ及びコンバータのうち少なくとも一方を構成していてもよい。
これによれば、インバータ及びコンバータの少なくとも一方は、複数の発熱体を有するため、それら発熱体の間での冷却効率の差を抑えることで、インバータ及びコンバータの少なくとも一方を効率良く冷却することができる。
これによれば、インバータ及びコンバータの少なくとも一方は、複数の発熱体を有するため、それら発熱体の間での冷却効率の差を抑えることで、インバータ及びコンバータの少なくとも一方を効率良く冷却することができる。
また、前記複数の前記流出口それぞれには、排出路が繋がっていてもよい。
これによれば、各流出口を介して冷媒流路から流出した冷却媒体を纏めて流すことができる。
これによれば、各流出口を介して冷媒流路から流出した冷却媒体を纏めて流すことができる。
本発明によれば、複数の発熱体の間での冷却媒体による冷却効率の差を小さくすることができる。
以下、本発明の半導体装置を電気自動車に搭載されるインバータ装置に具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
まず、インバータ装置10の電気的構成について説明する。インバータ装置10は電気自動車に搭載され、電気自動車の3相モータ15を駆動させる。
まず、インバータ装置10の電気的構成について説明する。インバータ装置10は電気自動車に搭載され、電気自動車の3相モータ15を駆動させる。
図1に示すように、インバータ回路11は、発熱体としての6個のスイッチング素子Q1〜Q6を有し、各スイッチング素子Q1〜Q6には、半導体素子が使用される。この実施形態では各スイッチング素子Q1〜Q6としてIGBT(絶縁ゲートバイポーラ型トランジスタ)が使用されている。インバータ回路11は、第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2、第3及び第4のスイッチング素子Q3,Q4、第5及び第6のスイッチング素子Q5,Q6がそれぞれ直列に接続されている。各スイッチング素子Q1〜Q6のコレクタとエミッタ間には、半導体素子及び発熱体としてのダイオードDが、逆並列に、即ちカソードがコレクタにアノードがエミッタに対応する状態に接続されている。第1、第3及び第5のスイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDの組はそれぞれ上アームと呼ばれ、第2、第4及び第6のスイッチング素子Q2,Q4,Q6とダイオードDの組はそれぞれ下アームと呼ばれる。また、第1、第3及び第5のスイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDの組は、それぞれ半導体素子からなる発熱体であり、第2、第4及び第6のスイッチング素子Q2,Q4,Q6とダイオードDの組はそれぞれ半導体素子からなる発熱体である。
スイッチング素子Q1,Q3,Q5のコレクタがそれぞれ配線12を介して直流電源13のプラス端子に接続され、スイッチング素子Q2,Q4,Q6のエミッタがそれぞれ配線14を介して直流電源13のマイナス端子に接続される。スイッチング素子Q1,Q2の間の接合点は3相モータ15のU相端子Uに、スイッチング素子Q3,Q4の間の接合点は3相モータ15のV相端子Vに、スイッチング素子Q5,Q6の間の接合点は3相モータ15のW相端子Wに、それぞれ接続される。
次に、インバータ装置10の構造について詳しく説明する。
図2に示すように、インバータ装置10は、U相の上アームの第1のスイッチング素子Q1とダイオードDの組、V相の上アームの第3のスイッチング素子Q3とダイオードDの組、及びW相の上アームの第5のスイッチング素子Q5とダイオードDの組を備える。なお、U相の下アームの第2のスイッチング素子Q2とダイオードDの組、V相の下アームの第4のスイッチング素子Q4とダイオードDの組、及びW相の下アームの第6のスイッチング素子Q6とダイオードDの組を備えるインバータ装置については、上アームのインバータ装置10と構成が同じであるため、説明を省略する。
図2に示すように、インバータ装置10は、U相の上アームの第1のスイッチング素子Q1とダイオードDの組、V相の上アームの第3のスイッチング素子Q3とダイオードDの組、及びW相の上アームの第5のスイッチング素子Q5とダイオードDの組を備える。なお、U相の下アームの第2のスイッチング素子Q2とダイオードDの組、V相の下アームの第4のスイッチング素子Q4とダイオードDの組、及びW相の下アームの第6のスイッチング素子Q6とダイオードDの組を備えるインバータ装置については、上アームのインバータ装置10と構成が同じであるため、説明を省略する。
インバータ装置10の冷却器20について説明する。
冷却器20は、U相用流路形成部材31と、V相用流路形成部材41と、W相用流路形成部材51とを並設して形成されている。図3(a)及び図4に示すように、U相用流路形成部材31は、矩形状の底板31aと、この底板31aを覆う矩形箱状の筐体31bとから形成され、U相用流路形成部材31内にはU相用冷媒流路32が形成されている。底板31aの一対の長辺のうち一方の長辺寄りで、かつ長辺方向の一端寄りには、U相用流入口31cが形成されるとともに、他方の長辺寄りで、かつ長辺方向の一端寄りにはU相用流出口31dが形成されている。そして、U相用冷媒流路32には、複数のプレートフィン33が底板31aの短辺方向へ延びる状態で立設されている。
冷却器20は、U相用流路形成部材31と、V相用流路形成部材41と、W相用流路形成部材51とを並設して形成されている。図3(a)及び図4に示すように、U相用流路形成部材31は、矩形状の底板31aと、この底板31aを覆う矩形箱状の筐体31bとから形成され、U相用流路形成部材31内にはU相用冷媒流路32が形成されている。底板31aの一対の長辺のうち一方の長辺寄りで、かつ長辺方向の一端寄りには、U相用流入口31cが形成されるとともに、他方の長辺寄りで、かつ長辺方向の一端寄りにはU相用流出口31dが形成されている。そして、U相用冷媒流路32には、複数のプレートフィン33が底板31aの短辺方向へ延びる状態で立設されている。
U相用流路形成部材31において、底板31aの外面には、U相用流入口31cを囲む状態にU相用供給路34の一端が接続されるとともに、このU相用供給路34の他端には、冷媒供給路60が接続されている。また、U相用流路形成部材31において、底板31aの外面には、U相用流出口31dを囲む状態にU相用排出路35の一端が接続されるとともに、このU相用排出路35の他端には冷媒排出路61が接続されている。U相用供給路34及びU相用排出路35は、U相用流路形成部材31、V相用流路形成部材41、及びW相用流路形成部材51の長辺方向の一端側及び下側に配置されている。U相用供給路34とU相用排出路35は、U相用流路形成部材31を挟んで配置されるとともに、同一直線上に配置されている。また、U相用供給路34とU相用排出路35は、V相用流路形成部材41及びW相用流路形成部材51から離間して設けられている。
図2に示すように、U相用流路形成部材31において、筐体31bの外面における長辺方向一端寄りには、第1のスイッチング素子Q1が接合されるとともに、他端寄りの外面にはダイオードDが接合されている。すなわち、U相用流路形成部材31の外面には、U相の上アームを構成する第1のスイッチング素子Q1とダイオードDが接合されている。よって、第1のスイッチング素子Q1とダイオードDは、U相用流路形成部材31の長辺方向に沿って配列されている。
図3(b)及び図4に示すように、V相用流路形成部材41は、矩形状の底板41aと、この底板41aを覆う矩形箱状の筐体41bとから形成され、V相用流路形成部材41内にはV相用冷媒流路42が形成されている。底板41aの一対の長辺のうち一方の長辺寄りで、かつ長辺方向中央には、V相用流入口41cが形成されるとともに、他方の長辺寄りで、かつ長辺方向中央にはV相用流出口41dが形成されている。V相用冷媒流路42には、複数のプレートフィン43が底板41aの短辺方向へ延びる状態で立設されている。
V相用流路形成部材41において、底板41aの外面には、V相用流入口41cを囲む状態にV相用供給路44の一端が接続されるとともに、このV相用供給路44の他端には、冷媒供給路60が接続されている。また、底板41aの外面には、V相用流出口41dを囲む状態にV相用排出路45の一端が接続されるとともに、このV相用排出路45の他端には冷媒排出路61が接続されている。V相用供給路44及びV相用排出路45は、U相用流路形成部材31、V相用流路形成部材41、及びW相用流路形成部材51の長辺方向中央及び下側に配置されている。V相用供給路44とV相用排出路45は、V相用流路形成部材41を挟んで配置されるとともに、同一直線上に配置されている。また、V相用供給路44とV相用排出路45は、U相用流路形成部材31及びW相用流路形成部材51から離間して設けられている。
図2に示すように、V相用流路形成部材41において、筐体41bの長辺方向一端寄りの外面には、第3のスイッチング素子Q3が接合されるとともに、他端寄りの外面にはダイオードDが接合されている。すなわち、V相用流路形成部材41の外面には、V相の上アームを構成する第3のスイッチング素子Q3とダイオードDが接合されている。よって、第3のスイッチング素子Q3とダイオードDは、V相用流路形成部材41の長辺方向に沿って配列されている。
図3(c)及び図4に示すように、W相用流路形成部材51は、矩形状の底板51aと、この底板51aを覆う矩形箱状の筐体51bとから形成され、W相用流路形成部材51内にはW相用冷媒流路52が形成されている。底板51aの一対の長辺のうち一方の長辺寄りで、かつ長辺方向他端寄りには、W相用流入口51cが形成されるとともに、他方の長辺寄りで、かつ長辺方向他端寄りにはW相用流出口51dが形成されている。W相用冷媒流路52には、複数のプレートフィン53が底板51aの短辺方向へ延びる状態で立設されている。
W相用流路形成部材51において、底板51aの外面には、W相用流入口51cを囲む状態にW相用供給路54の一端が接続されるとともに、このW相用供給路54の他端には、冷媒供給路60が接続されている。また、W相用流路形成部材51において、底板51aの外面には、W相用流出口51dを囲む状態にW相用排出路55の一端が接続されるとともに、このW相用排出路55の他端には冷媒排出路61が接続されている。W相用供給路54及びW相用排出路55は、U相用流路形成部材31、V相用流路形成部材41、及びW相用流路形成部材51の長辺方向他端側及び下側に配置されている。W相用供給路54とW相用排出路55は、W相用流路形成部材51を挟んで配置されるとともに、同一直線上に配置されている。また、W相用供給路54とW相用排出路55は、U相用流路形成部材31及びV相用流路形成部材41から離間して設けられている。
図2に示すように、W相用流路形成部材51において、筐体51bの長辺方向一端寄りの外面には、第5のスイッチング素子Q5が接合されるとともに、他端寄りの外面にはダイオードDが接合されている。すなわち、W相用流路形成部材51の外面には、W相の上アームを構成する第5のスイッチング素子Q5とダイオードDが接合されている。よって、第5のスイッチング素子Q5とダイオードDは、W相用流路形成部材51の長辺方向に沿って配列されている。
冷却器20において、冷媒供給路60を流れた冷却媒体としての冷媒は、U相用冷媒流路32、V相用冷媒流路42、及びW相用冷媒流路52に個別に流入する。さらに、冷媒は、U相用冷媒流路32、V相用冷媒流路42、及びW相用冷媒流路52から個別に排出され、冷媒排出路61を流れる。ここで、冷媒供給路60と冷媒排出路61を結ぶ直線の延びる方向であり、冷媒が冷媒供給路60から冷媒排出路61に向けて進む方向を、冷媒の進行方向とすると、U相用流路形成部材31、V相用流路形成部材41、及びW相用流路形成部材51は、その長辺方向が冷媒の進行方向に垂直になっている。また、U相用流路形成部材31、V相用流路形成部材41、及びW相用流路形成部材51は、冷媒の進行方向に沿って並設されている。さらに、冷媒の進行方向に並設されたU相用流路形成部材31とV相用流路形成部材41とは離間し、V相用流路形成部材41とW相用流路形成部材51とは離間している。
次に、インバータ装置10の作用を記載する。
冷媒供給路60を流れた熱交換前の冷媒は、U相用供給路34、V相用供給路44、及びW相用供給路54に分流する。そして、U相用供給路34を流れた冷媒は、U相用流入口31cからU相用流路形成部材31内に流入し、U相用冷媒流路32を流れる。U相用冷媒流路32では、冷媒はプレートフィン33によって複数に分流され、U相用流路形成部材31の短辺方向に沿って流れる。分流された冷媒は、U相用流路形成部材31のプレートフィン33間の間隙それぞれに流れる。
冷媒供給路60を流れた熱交換前の冷媒は、U相用供給路34、V相用供給路44、及びW相用供給路54に分流する。そして、U相用供給路34を流れた冷媒は、U相用流入口31cからU相用流路形成部材31内に流入し、U相用冷媒流路32を流れる。U相用冷媒流路32では、冷媒はプレートフィン33によって複数に分流され、U相用流路形成部材31の短辺方向に沿って流れる。分流された冷媒は、U相用流路形成部材31のプレートフィン33間の間隙それぞれに流れる。
U相の上アームを構成する第1のスイッチング素子Q1とダイオードDは、U相用冷媒流路32での冷媒の流れる方向に垂直な方向に配列されている。このため、第1のスイッチング素子Q1とダイオードDが冷媒と熱交換される。そして、プレートフィン33の間を流れ、熱交換された冷媒は、U相用流出口31dからU相用冷媒流路32外へ流出され、U相用排出路35を流れて冷媒排出路61に排出される。
V相用供給路44を流れた冷媒は、V相用流入口41cからV相用流路形成部材41内に流入し、V相用冷媒流路42を流れる。V相用冷媒流路42に流入する冷媒は、U相用流路形成部材31及びW相用流路形成部材51を流れた冷媒ではなく、冷媒供給路60を流れた直後の冷媒である。
そして、V相用冷媒流路42では、冷媒はプレートフィン43によって複数に分流され、V相用流路形成部材41の短辺方向に沿って流れる。分流された冷媒は、プレートフィン間の間隙それぞれにほぼ同じ流量で流れる。V相の上アームを構成する第3のスイッチング素子Q3とダイオードDは、V相用冷媒流路42での冷媒の流れる方向に垂直な方向に配列されている。このため、第3のスイッチング素子Q3とダイオードDがほぼ同等に冷媒と熱交換される。そして、プレートフィン43の間を流れ、熱交換された冷媒は、V相用流出口41dからV相用冷媒流路42外へ流出され、V相用排出路45を流れて冷媒排出路61に排出される。
W相用供給路54を流れた冷媒は、W相用流入口51cからW相用流路形成部材51内に流入し、W相用冷媒流路52を流れる。W相用冷媒流路52に流入する冷媒は、U相用流路形成部材31及びV相用流路形成部材41を流れた冷媒ではなく、冷媒供給路60を流れた直後の冷媒である。
そして、W相用冷媒流路52では、冷媒はプレートフィン53によって複数に分流され、W相用流路形成部材51の短辺方向に沿って流れる。分流された冷媒は、プレートフィン53間の間隙それぞれに流れる。W相の上アームを構成する第5のスイッチング素子Q5とダイオードDは、W相用冷媒流路52での冷媒の流れる方向に垂直な方向に配列されている。このため、第5のスイッチング素子Q5とダイオードDが冷媒と熱交換される。そして、プレートフィン53の間を流れ、熱交換された冷媒は、W相用流出口51dからW相用冷媒流路52外へ流出され、W相用排出路55を流れて冷媒排出路61に排出される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)冷却器20は、U相用流路形成部材31とV相用流路形成部材41とW相用流路形成部材51を備え、各流路形成部材31,41,51は個別に流入口31c,41c,51cを備える。そして、各流入口31c,41c,51cには冷媒供給路60が接続されている。よって、各冷媒は、冷媒供給路60を通ってそれぞれ個別に流入口31c,41c,51cから各冷媒流路32,42,52に流入する。したがって、各冷媒流路32,42,52には、熱交換されていない冷媒が流入するため、第1、第3及び第5のスイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDを、各冷媒流路32,42,52で別々冷却することができる。よって、第1、第3及び第5のスイッチング素子Q1,Q3,Q5同士の間、及びダイオードD同士の間での冷却効率の差を小さくすることができる。
(1)冷却器20は、U相用流路形成部材31とV相用流路形成部材41とW相用流路形成部材51を備え、各流路形成部材31,41,51は個別に流入口31c,41c,51cを備える。そして、各流入口31c,41c,51cには冷媒供給路60が接続されている。よって、各冷媒は、冷媒供給路60を通ってそれぞれ個別に流入口31c,41c,51cから各冷媒流路32,42,52に流入する。したがって、各冷媒流路32,42,52には、熱交換されていない冷媒が流入するため、第1、第3及び第5のスイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDを、各冷媒流路32,42,52で別々冷却することができる。よって、第1、第3及び第5のスイッチング素子Q1,Q3,Q5同士の間、及びダイオードD同士の間での冷却効率の差を小さくすることができる。
(2)冷却器20は、U相用流路形成部材31とV相用流路形成部材41とW相用流路形成部材51を備え、各流路形成部材31,41,51は個別に流入口31c,41c,51cを備える。そして、熱交換していない冷媒によって、いずれのスイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDを冷却することができ、スイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDを安定した状態で駆動させることができる。
(3)各冷媒流路32,42,52では、冷媒は各スイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDの配列方向に垂直な方向に冷媒が流れる。そして、この冷媒の流れる方向に沿って各プレートフィン33,43,53が設けられている。よって、プレートフィン33,43,53によって冷媒の流れが乱されず、また、スイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDの配列方向に沿って冷媒を分流させて各スイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDをほぼ均等に冷却することができる。
(4)各冷媒流路32,42,52での冷媒の流れる方向は、各スイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDの配列方向に垂直になっている。このため、各スイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDの配列方向に沿って冷媒が流れる場合と比べると、冷媒を流すために必要な冷媒流路32,42,52の長さを短くすることができ、冷却器20、ひいてはインバータ装置10をコンパクトにすることができる。
(5)各冷媒流路32,42,52は、それぞれ各流路形成部材31,41,51内に形成されている。よって、各冷媒流路32,42,52を個別に分けるための構成を簡単に作ることができ、複数の冷媒流路32,42,52を個別に設けた冷却器20を簡単に製造することができる。
(6)インバータ装置10は、インバータ回路11を備え、複数のスイッチング素子Q1,Q3,Q5及びダイオードDを備えるが、各流路形成部材31,41,51を用いてスイッチング素子Q1,Q3,Q5間での冷却効率の差を小さくしている。よって、インバータ装置10においては、複数のスイッチング素子Q1,Q3,Q5及びダイオードDを効率良く駆動させることができる。
(7)各流路形成部材31,41,51の各流入口31c,41c,51cは、各供給路34,44,54を介して一本の冷媒供給路60に接続されている。このため、冷媒を冷媒供給路60から各供給路34,44,54に分流させることができる。したがって、例えば、各供給路34,44,54が個別に冷媒の供給源に接続される場合と比べると、各供給路34,44,54を短くして冷却器20、ひいてはインバータ装置10をコンパクトにすることができる。
(8)各流路形成部材31,41,51の各流出口31d,41d,51dは、各排出路35,45,55を介して一本の冷媒排出路61に接続されている。このため、各流出口31d,41d,51dを介して各冷媒流路32,42,52から流出した冷媒を纏めて流すことができる。したがって、例えば、各排出路35,45,55が個別に冷媒の排出先に接続される場合と比べると、各排出路35,45,55を短くして冷却器20ひいては、インバータ装置10をコンパクトにすることができる。
(9)冷却器20での冷媒の進行方向に対し、U相用流路形成部材31とV相用流路形成部材41とW相用流路形成部材51は、長辺方向が垂直になる状態に並設されている。よって、各流路形成部材31,41,51内の冷媒で、各スイッチング素子Q1,Q3,Q5及びダイオードDを同様に冷却することができながらも、冷却器20をコンパクトにすることができる。
(10)U相用流路形成部材31に接続されたU相用排出路35は、V相用流路形成部材41及びW相用流路形成部材51と非接触に設けられている。このため、U相用冷媒流路32で熱交換された冷媒により、V相用冷媒流路42及びW相用冷媒流路52の冷媒が加熱されることを防止できる。V相用流路形成部材41に接続されたV相用排出路45は、W相用流路形成部材51と非接触に設けられている。このため、V相用冷媒流路42で熱交換された冷媒により、W相用冷媒流路52の冷媒が加熱されることを防止できる。
また、V相用流路形成部材41に接続されたV相用供給路44は、U相用流路形成部材31と非接触に設けられている。このため、V相用冷媒流路42に供給される前の冷媒が、U相用冷媒流路32で熱交換された冷媒によって加熱されることを防止できる。W相用流路形成部材51に接続されたW相用供給路54は、U相用流路形成部材31及びV相用流路形成部材41と非接触に設けられている。このため、W相用冷媒流路52に供給される前の冷媒が、U相用冷媒流路32及びV相用冷媒流路42で熱交換された冷媒によって加熱されることを防止できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、スイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDの配列方向が、冷媒進行方向に対して垂直になるように配置したが、垂直でなくてもよい。各冷媒流路32,42,52では複数の半導体素子を各冷媒流路32,42,52毎で別々に冷却するように配置すればよい。
○ 実施形態では、スイッチング素子Q1,Q3,Q5とダイオードDの配列方向が、冷媒進行方向に対して垂直になるように配置したが、垂直でなくてもよい。各冷媒流路32,42,52では複数の半導体素子を各冷媒流路32,42,52毎で別々に冷却するように配置すればよい。
○ 実施形態では、各流路形成部材31,41,51の各流出口31d,41d,51dに、各排出路35,45,55を介して一本の冷媒排出路61を接続したが、各流出口31d,41d,51dに接続した各排出路35,45,55をそれぞれ冷媒の排出先に直接接続して、冷媒排出路61を無くしてもよい。
○ 実施形態では、各流路形成部材31,41,51の各流入口31c,41c,51cに、各供給路34,44,54を介して一本の冷媒供給路60を接続したが、各流入口31c,41c,51cに接続した各供給路34,44,54をそれぞれ冷媒の供給源に直接接続して、冷媒供給路60を無くしてもよい。
○ 実施形態では、U相用冷媒流路32、V相用冷媒流路42、及びW相用冷媒流路52をそれぞれ別々のU相用流路形成部材31、V相用流路形成部材41、及びW相用流路形成部材51内に形成したが、これに限らない。一つの冷却器の空間を仕切壁等で区画して、一つの冷却器内にU相用冷媒流路32、V相用冷媒流路42、及びW相用冷媒流路52を設けてもよい。
○ 実施形態では、U相用流路形成部材31(U相用冷媒流路32)、V相用流路形成部材41(V相用冷媒流路42)、及びW相用流路形成部材51(W相用冷媒流路52)の順に並設したが、並設の順番は任意に変更してもよい。
○ 半導体装置は、コンバータであってもよい。
○ 実施形態では、各供給路34,44,54及び各排出路35,45,55は、各流路形成部材31,41,51の下側に配置されたが、各供給路34,44,54及び各排出路35,45,55は、各流路形成部材31,41,51の横側や上側に配置されていてもよい。
○ 実施形態では、各供給路34,44,54及び各排出路35,45,55は、各流路形成部材31,41,51の下側に配置されたが、各供給路34,44,54及び各排出路35,45,55は、各流路形成部材31,41,51の横側や上側に配置されていてもよい。
○ 図5に示すように、冷却器20は、インバータ回路11の冷却用にU相用流路形成部材31、V相用流路形成部材41、及びW相用流路形成部材51を備えるとともに、コンバータ回路の冷却用にコンバータ用流路形成部材22を備えていてもよい。また、コンバータ用流路形成部材22には、コンバータ用供給流路22a及びコンバータ用排出流路22bが接続されている。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記供給路は、その接続された前記流路形成部材とは別の流路形成部材には非接触になっている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の半導体装置。
(イ)前記供給路は、その接続された前記流路形成部材とは別の流路形成部材には非接触になっている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の半導体装置。
Q1〜Q6…半導体素子及び発熱体としての第1のスイッチング素子、D…半導体素子及び発熱体としてのダイオード、20…冷却器、31,41,51…流路形成部材、31c,41c,51c…流入口、31d,41d,51d…流出口、32,42,52…冷媒流路、33,43,53…プレートフィン、34,44,54…供給路、35,45,55…排出路。
Claims (4)
- 複数の半導体素子を有する複数の発熱体と、
冷媒流路を内部に有し、前記発熱体が外面に熱的に結合されるとともに、プレートフィンを前記冷媒流路における冷却媒体の流通方向に延ばして備える冷却器と、
を有し、前記冷却媒体が供給路を流れて前記冷媒流路に供給されるように構成された半導体装置であって、
前記冷却器は、前記冷媒流路を複数備え、各冷媒流路は前記冷却媒体の流入口及び流出口を個別に備えるとともに、各流入口には前記供給路が接続され、
前記複数の発熱体は、それぞれ個別に対応する前記冷媒流路内の冷却媒体と熱交換可能に設けられるとともに、各冷媒流路では各発熱体の複数の半導体素子を各冷媒流路毎で別々に冷却するように前記冷却媒体が流れることを特徴とする半導体装置。 - 前記複数の冷媒流路は、それぞれ別々の流路形成部材の内側に形成され、前記冷却器は前記流路形成部材を複数備える請求項1に記載の半導体装置。
- 前記複数の発熱体が複数電気的に接続されることによってインバータ及びコンバータのうち少なくとも一方を構成する請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
- 前記複数の前記流出口それぞれには、排出路が繋がっている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の半導体装置。
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