JP2018159645A - 物理量センサー、物理量センサーの製造方法、物理量センサーデバイス、電子機器および移動体 - Google Patents

物理量センサー、物理量センサーの製造方法、物理量センサーデバイス、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた温度特性を有する物理量センサー、物理量センサーの製造方法、物理量センサーデバイス、電子機器および移動体を提供する。【解決手段】物理量センサーは、可動イオンを含有する絶縁性の基体と、前記基体に設けられた素子片と、前記基体に設けられ、前記素子片と電気的に接続されている配線と、前記基体と前記配線との間に設けられ、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第1絶縁層と、を有する。また、物理量センサーは、記配線を覆い、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第2絶縁層を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、物理量センサー、物理量センサーの製造方法、物理量センサーデバイス、電子機器および移動体に関するものである。
例えば、加速度を検出することのできる加速度センサーとして、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1の加速度センサーは、アルカリ金属イオンを含むガラス基板と、ガラス基板に陽極接合された素子片と、ガラス基板に設けられ、素子片と電気的に接続された配線と、を有している。
特開平6−347475号公報
上述したように、特許文献1の加速度センサーでは、アルカリ金属イオンを含むガラス基板を用いているが、このガラス材料は、高温環境下で電気抵抗率が著しく低下する性質を有している。そのため、高温環境下では配線からガラス基板へ電荷が漏れてしまい、センサー特性が変動してしまう。このように、特許文献1の加速度センサーでは、温度特性が悪いという問題がある。
本発明の目的は、優れた温度特性を有する物理量センサー、物理量センサーの製造方法、物理量センサーデバイス、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の物理量センサーは、可動イオンを含有する絶縁性の基体と、
前記基体に設けられた素子片と、
前記基体に設けられ、前記素子片と電気的に接続されている配線と、
前記基体と前記配線との間に設けられ、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第1絶縁層と、を有することを特徴とする。
これにより、低温、常温環境下ではもちろんのこと、特に、高温環境下における配線から基体への電荷の漏れ(リーク)を効果的に抑制することができる。そのため、環境温度に影響されることなく、配線から基体への電荷のリークを抑制することができ、環境温度によるセンサー特性の変化が小さく、優れた温度特性を発揮することができる物理量センサー1となる。
本発明の物理量センサーでは、前記配線を覆い、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第2絶縁層を有することが好ましい。
これにより、第1絶縁層と第2絶縁層とで配線を覆うことができ、配線と基体2との接触をより確実に抑制することができる。そのため、配線から基体への電荷のリークをより確実に抑制することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層は、互いに同じ材料を含むことが好ましい。
これにより、第1絶縁層と第2絶縁層との熱膨張係数差をより小さくすることができ、熱膨張係数の差に起因する応力の発生を効果的に抑制することができる。そのため、温度によって変化する応力歪が素子片に加わり難くなり、物理量センサーは、より優れた温度特性を発揮することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記第2絶縁層は、低融点ガラスで構成されていることが好ましい。
これにより、第2絶縁層の構成が簡単なものとなる。
本発明の物理量センサーでは、前記基体との間に前記素子片を収納するように前記基体に接合されている蓋部を有し、
前記蓋部および前記基体は、前記第2絶縁層を介して接合されていることが好ましい。
これにより、物理量センサーの製造工程の削減を図ることができると共に、装置構成が簡単なものとなる。
本発明の物理量センサーでは、前記基体は、凹部を有し、
前記凹部内に、前記配線および前記第1絶縁層が設けられていることが好ましい。
これにより、基体の主面からの配線の突出が防止され、基体と素子片とをより容易にかつ確実に接合することができる。
本発明の物理量センサーの製造方法は、可動イオンを含有する絶縁性の基体を準備する工程と、
前記基体上に、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層上に配線を形成する工程と、
前記基体上に、前記配線と電気的に接続されている素子片を配置する工程と、を有することを特徴とする。
これにより、低温、常温環境下ではもちろんのこと、特に、高温環境下における配線から基体への電荷の漏れ(リーク)を効果的に抑制することができる物理量センサーが得られる。そのため、環境温度に影響されることなく、配線から基体への電荷のリークを抑制することができ、環境温度によるセンサー特性の変化が小さく、優れた温度特性を発揮することができる物理量センサーとなる。
本発明の物理量センサーの製造方法では、前記配線を形成する工程と前記素子片を配置する工程との間に、前記配線を覆い、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第2絶縁層を形成する工程を有することが好ましい。
これにより、第1絶縁層と第2絶縁層とで配線を覆うことができ、配線と基体との接触をより確実に抑制することができる。そのため、配線から基体への電荷のリークをより確実に抑制することができる。
本発明の物理量センサーの製造方法では、前記基体と前記素子片とは、陽極接合されていることが好ましい。
これにより、基体と素子片とをより強固に接合することができる。
本発明の物理量センサーデバイスは、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い物理量センサーデバイスが得られる。
本発明の電子機器は、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の移動体は、本発明の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い移動体が得られる。
本発明の第1実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1に示す物理量センサーが有する配線の断面図である。 図1に示す物理量センサーが有する素子片に印加する電圧を示す図である。 図1に示す物理量センサーの製造工程を示すフローチャートである。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る物理量センサーデバイスを示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。 本発明の第7実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。 本発明の第8実施形態に係る移動体を示す斜視図である。
以下、本発明の物理量センサー、物理量センサーの製造方法、物理量センサーデバイス、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーを示す平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、図1に示す物理量センサーが有する配線の断面図である。図4は、図1に示す物理量センサーが有する素子片に印加する電圧を示す図である。図5は、図1に示す物理量センサーの製造工程を示すフローチャートである。図6ないし図14は、それぞれ、図1に示す物理量センサーの製造方法を説明するための断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側および図2、図3、図6ないし図14中の上側を「上」とも言い、図1中の紙面奥側および図2、図3、図6ないし図14中の下側を「下」とも言う。また、各図に示すように、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印方向先端側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。なお、図1では、説明の便宜上、第1、第2絶縁層の図示を省略している。
図1に示す物理量センサー1は、X軸方向の加速度Axを検出することのできる加速度センサーである。このような物理量センサー1は、基体2と、基体2上に配置された素子片3と、素子片3を覆うように基体2に接合された蓋部8と、を有している。以下、これら各部について、順に詳細に説明する。
(基体)
図1に示すように、基体2は、矩形の平面視形状を有する板状をなしている。また、基体2は、上面側に開放する凹部21を有している。このような凹部21は、素子片3と基体2との接触を防止(抑制)するための逃げ部として機能する。また、基体2は、上面側に開放する3つの溝部22、23、24(凹部)を有している。
このような基体2としては、例えば、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオン(可動イオン)を含有するガラス材料(例えば、テンパックスガラス(登録商標)、パイレックスガラス(登録商標)のような硼珪酸ガラス)で構成されたガラス基板を用いることができる。これにより、例えば、後述するように、シリコン基板から形成された素子片3を陽極接合法により基体2に接合することができる。そのため、素子片3を基体2に強固に接合することができる。また、光透過性を有する基体2を得ることもできる。そのため、物理量センサー1の外側から、基体2を介して素子片3の状態(例えば、素子片3が凹部21の底面に貼り付いてしまう現象である「スティッキング」の有無や配線の状態)を視認することができる。
また、図1に示すように、溝部22、23、24には素子片3と電気的に接続された配線72、73、74が設けられている。また、配線72、73、74の一端部は、それぞれ、蓋部8の外側に露出しており、外部装置(例えば、後述する回路素子1020)との電気的な接続を行う電極パッドPとして機能する。
配線72、73、74の構成材料としては、特に限定されず、例えば、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、Ti(チタン)、タングステン(W)等の金属材料、これら金属材料を含む合金、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO、IGZO等の酸化物系の透明導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
より具体的には、例えば、配線72、73、74は、図3に示すように、チタン(Ti)で構成された下地層7aと、下地層7a上に積層され、白金(Pt)で構成された電極層7bと、電極層7b上に積層され、チタン−タングステン合金(TiW)で構成された被覆層7cと、からなる構成とすることができる。この場合、例えば、下地層7aの厚さを150nm以上250nm以下とし、電極層7bの厚さを50nm以上60nm以下とし、被覆層7cの厚さを80nm以上120nm以下とすることができる。なお、これら3つの層のうち、下地層7aは、後述する第1絶縁層91と配線72、73、74との密着性を向上させる機能を有しており、被覆層7cは、後述する第2絶縁層92と配線72、73、74との密着性を向上させる機能を有している。これにより、基体2からの配線72、73、74や第2絶縁層92の剥離を効果的に抑制することができる。
(蓋部)
図1に示すように、蓋部8は、矩形の平面視形状を有する板状をなしている。また、図2に示すように、蓋部8は、下面側(基体2側)に開放する凹部81を有している。このような蓋部8は、凹部81内に素子片3を収納するようにして、基体2の上面に接合されている。そして、蓋部8および基体2によって、その内側に素子片3を収納する収納空間Sが形成されている。
また、図2に示すように、蓋部8は、収納空間Sの内外を連通する連通孔82を有している。この連通孔82を介して、収納空間Sを所望の雰囲気に置換することができる。また、連通孔82内には封止部材83が配置され、封止部材83によって連通孔82が気密封止されている。
封止部材83としては、連通孔82を封止できれば、特に限定されず、例えば、金(Au)/錫(Sn)系合金、金(Au)/ゲルマニウム(Ge)系合金、金(Au)/アルミニウム(Al)系合金等の各種合金、低融点ガラス等のガラス材料等を用いることができる。
収納空間Sは、気密空間である。また、収納空間Sは、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入されて、使用温度(−40℃〜120℃程度)で、ほぼ大気圧となっていることが好ましい。収納空間Sを大気圧とすることで、粘性抵抗が増してダンピング効果が発揮され、素子片3(後述する可動部323)の振動を速やかに収束させることができる。そのため、物理量センサー1の加速度Axの検出精度が向上する。
このような蓋部8としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。ただし、蓋部8としては、特に限定されず、例えば、ガラス基板やセラミックス基板を用いてもよい。また、基体2と蓋部8との接合方法としては、特に限定されず、基体2や蓋部8の材料によって適宜選択すればよいが、例えば、陽極接合、プラズマ照射によって活性化させた接合面同士を接合させる活性化接合、ガラスフリット等の接合材による接合、基体2の上面および蓋部8の下面に成膜した金属膜同士を接合する拡散接合等が挙げられる。
本実施形態では、図2に示すように、接合材の一例である低融点ガラス89(ガラスフリット)を介して基体2と蓋部8とが接合されている。基体2と蓋部8とを重ね合わせた状態では、溝部22、23、24を介して収納空間Sの内外が連通してしまうが、低融点ガラス89を用いることで、基体2と蓋部8とを接合すると共に、溝部22、23、24を封止することができる。そのため、より容易に、収納空間Sを気密封止することができる。なお、基体2と蓋部8とを陽極接合等(溝部22、23、24を封止できない接合方法)で接合した場合には、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)を用いたCVD法等で形成されたSiO膜によって溝部22、23、24を塞ぐことができる。
(素子片)
図1に示すように、素子片3は、基体2に固定されている固定電極部31と、基体2に対して変位可能な可動電極部32と、を有している。
このような素子片3は、例えば、リン(P)、ボロン(B)等の不純物がドープされたシリコン基板をパターニングすることで形成することができる。また、素子片3は、陽極接合法によって基体2の上面に接合されている。ただし、素子片3の材料や、素子片3と基体2との接合方法は、特に限定されない。
可動電極部32は、一対の支持部321、322と、可動部323と、一対の連結部324、325と、可動電極指326と、を備えている。支持部321、322は、凹部21を介してX軸方向に対向するように配置されており、それぞれ、基体2の上面に接合(固定)されている。そして、支持部322が導電性バンプB1(導電性部材)を介して配線72と電気的に接続されている。なお、導電性バンプB1を省略し、支持部322と配線72とが直接接触することで、これらが電気的に接続されていてもよい。このことは、後述する導電性バンプB2、B3についても同様である。
そして、これら支持部321、322の間に可動部323が位置している。また、可動部323は、X軸方向プラス側の端部において、連結部324を介して支持部321に連結され、X軸方向マイナス側の端部において、連結部325を介して支持部322に連結されている。連結部324、325は、それぞれ、X軸方向に弾性変形可能であり、加速度Axが加わると、可動部323は、連結部324、325を弾性変形させつつ、支持部321、322に対してX軸方向に変位する。そして、可動部323には、Y軸方向両側に延出し、かつ、X軸方向に間欠的に並設された複数の可動電極指326が設けられている。
また、固定電極部31は、複数の第1固定電極指311と、複数の第2固定電極指312と、を有している。
複数の第1固定電極指311は、各可動電極指326のX軸方向プラス側に配置されており、対応する可動電極指326に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並んでいる。一方、複数の第2固定電極指312は、各可動電極指326のX軸方向マイナス側に配置されており、対応する可動電極指326に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並んでいる。このような第1固定電極指311および第2固定電極指312は、それぞれ、その基端部において、基体2の上面に接合(固定)されている。
また、各第1固定電極指311は、導電性バンプB2(導電性部材)を介して配線73と電気的に接続されている。また、各第2固定電極指312は、導電性バンプB3(導電性部材)を介して配線74と電気的に接続されている。
次に、物理量センサー1の作動について説明する。物理量センサー1の作動時には、例えば、図4中の電圧V1が可動電極部32(可動電極指326)に印加され、電圧V2が第1固定電極指311および第2固定電極指312に印加される。そして、物理量センサー1にX軸方向の加速度Axが加わると、その加速度Axの大きさに基づいて、可動部323が連結部324、325を弾性変形させながらX軸方向に変位する。このような変位に伴って、可動電極指326と第1固定電極指311とのギャップおよび可動電極指326と第2固定電極指312とのギャップがそれぞれ変化し、その変化量に応じて、可動電極指326と第1固定電極指311との間の静電容量および可動電極指326と第2固定電極指312との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化する。そのため、これら静電容量の変化に基づいて加速度Axを検出することができる。
以上、物理量センサー1の構成について簡単に説明した。次に、物理量センサー1の配線72、73、74の周囲の構成について、より詳細に説明する。なお、配線72、73、74の周囲の構成は、それぞれ、同じである。そのため、以下では、配線72の周囲の構成について代表して説明し、配線73、74の周囲の構成については、その説明を省略する。
図3に示すように、物理量センサー1は、基体2と配線72との間に設けられ、可動イオン(アルカリ金属イオン)の含有量が基体2よりも少ない絶縁性の第1絶縁層91を有している。より具体的には、溝部22の底面には、可動イオンの含有量が基体2よりも少ない絶縁性の第1絶縁層91が配置されており、第1絶縁層91の上面には、配線72が配置されている。
可動イオン(アルカリ金属イオン)を含む基体2は、常温では十分に高い電気抵抗率を有しているが、高温環境下では電気抵抗率が小さくなる性質を有している。そのため、例えば、従来のように、溝部22の底面に直接配線72を配置した構成では、常温では、配線72から基体2への電荷の漏れが十分に抑制されているのに対して、高温では、配線72から基体2へ電荷が漏れてしまう。これにより、温度によって物理量センサー1のセンサー特性が変化してしまう。このような温度特性の悪さ(特に、高温環境下での信頼性の低さ)から、高温環境下での使用が制限され、例えば、温度が100℃以上に上昇することが想定される車載用としては好適に使用することができない。
そこで、物理量センサー1では、基体2と配線72との間に第1絶縁層91を配置している。前述したように、第1絶縁層91は、基体2よりも可動イオンの含有量が少ないため、基体2と比べて高温時でも電気抵抗率が低下し難い(十分に高い電気抵抗率を維持することができる)。そのため、基体2の電気抵抗率が低下する高温環境下において、従来構成と比較して、配線72から基体2への電荷の漏れ(リーク)を抑制することができる。また、配線72、73、74間での短絡についても効果的に抑制することができる。このような構成によれば、環境温度に影響されることなく、配線72から基体2への電荷のリークを抑制することができるため、環境温度による物理量センサー1のセンサー特性の変化が小さく、優れた温度特性を発揮することができる。
なお、第1絶縁層91の可動イオンの含有量をN1[原子%]とし、第1絶縁層91の可動イオンの含有量をN2[原子%]としたとき、N1とN2の比率は、特に限定されないが、N1/N2≦0.5であることが好ましく、N1/N2≦0.3であることがより好ましく、N1/N2≦0.1であることがさらに好ましい。また、N1=0[原子%]、すなわち、第1絶縁層91が可動イオンを含んでいないことがますます好ましい。これにより、第1絶縁層91の高温環境下における電気抵抗率の低下をより効果的に抑制することができ、物理量センサー1は、より優れた温度特性を発揮することができる。なお、前記では、N1、N2を原子%で議論したが、重量%で議論しても同様である。
本実施形態では、第1絶縁層91は、酸化シリコン(SiO)で構成されている。これにより、可動イオンを実質的に含まず、低温、常温、高温(例えば、動作保証温度である−40℃以上120℃以下)の全域において十分に高い電気抵抗率を有する第1絶縁層91となる。そのため、環境温度に関わらず、第1絶縁層91によって、配線72から基体2への電荷のリークをより効果的に抑制することができる。また、後述する製造方法でも説明するように、第1絶縁層91の形成が容易となる。ただし、第1絶縁層91の構成材料としては、酸化シリコンに限定されず、例えば、窒化シリコン(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)等を用いてもよい。
また、第1絶縁層91の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、100nm以上300nm以下であることが好ましい。これにより、第1絶縁層91の過剰な厚肉化を防止しつつ、第1絶縁層91にピンホールが形成されてしまうことを抑制することができる。そのため、第1絶縁層91によって、配線72から基体2への電荷のリークをより効果的に抑制することができる。
また、第1絶縁層91の幅W1(Z軸方向から見た平面視で、延在方向に直交する方向の長さ)は、配線72の幅W2(Z軸方向から見た平面視で、延在方向に直交する方向の長さ)よりも大きくなっている。そして、Z軸方向から見た平面視で、第1絶縁層91の幅方向の両端部が配線72から露出している。これにより、より確実に、配線72と基体2との間に第1絶縁層91を位置させることができ、配線72から基体2への電荷のリークをより効果的に抑制することができる。また、製造時において、第1絶縁層91に対する配線72の位置ずれを許容することができ、より確実に、配線72を第1絶縁層91上に形成することができる。すなわち、配線72が基体2上に直接形成されてしまうことを効果的に抑制することができる。そのため、物理量センサー1の製造の歩留まりが向上する。
また、図3に示すように、物理量センサー1は、配線72上に配置され、配線72を覆うように配置された第2絶縁層92を有している。第2絶縁層92は、配線72の上面および側面を覆っており、第1絶縁層91上(配線72から露出している部分)に広がって設けられている。これにより、第1絶縁層91と第2絶縁層92とで配線72の全周を覆うことができ、配線72と基体2との接触をより確実に抑制することができる。そのため、配線72から基体2への電荷のリークをより確実に抑制することができる。
本実施形態では、第2絶縁層92は、酸化シリコン(SiO)で構成されている。これにより、可動イオンを実質的に含まず、低温、常温、高温(例えば、作動保証温度である−40℃以上120℃以下)の全域において十分に高い電気抵抗率を有する第2絶縁層92となる。そのため、環境温度に関わらず、第2絶縁層92によって、配線72から基体2への電荷のリークをより効果的に抑制することができる。また、後述する製造方法でも説明するように、第2絶縁層92の形成が容易となる。ただし、第2絶縁層92の構成材料としては、酸化シリコンに限定されず、例えば、窒化シリコン(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)等を用いてもよい。
ここで、本実施形態のように、第2絶縁層92は、第1絶縁層91と同じ材料で構成されていることが好ましい。つまり、第1絶縁層91および第2絶縁層92は、互いに同じ材料を含んでいることが好ましい。これにより、第1絶縁層91と第2絶縁層92の親和性が高まり、これらの接合強度を高めることができる。また、第1絶縁層91と第2絶縁層92との熱膨張係数差をより小さくすることができ、熱膨張係数の差に起因する応力の発生を抑制することができる。そのため、環境温度によって変化し得る応力歪が素子片3に加わり難くなり、物理量センサー1は、より優れた温度特性を発揮することができる。ただし、第1絶縁層91および第2絶縁層92が異なる材料で構成されていてもよい。この場合は、互いの熱膨張係数がなるべく近い材料を選択することが好ましい。
また、第2絶縁層92の厚さとしては、特に限定されないが、例えば、100nm以上300nm以下であることが好ましい。これにより、第2絶縁層92の過剰な厚肉化を防止しつつ、第2絶縁層92にピンホールが形成されてしまうことを抑制することができる。そのため、第2絶縁層92によって、配線72から基体2への電荷のリークをより効果的に抑制することができる。
また、第2絶縁層92の上面は、溝部22内に位置している。すなわち、第2絶縁層92の上面と溝部22の底面との離間距離D1は、溝部22の深さD2よりも小さい。このように、第2絶縁層92を溝部22から突出しないように形成することで、後述する製造方法でも説明するように、基体2と素子片3との接合をより確実に行うことができる。
以上、物理量センサー1について説明した。このような物理量センサー1は、前述したように、可動イオンを含有する絶縁性の基体2と、基体2に設けられた素子片3と、基体2に設けられ、素子片3と電気的に接続されている配線72(73、74)と、基体2と配線72(73、74)との間に設けられ、可動イオンの含有量が基体2よりも少ない絶縁性の第1絶縁層91と、を有している。これにより、低温、常温環境下ではもちろんのこと、特に、高温環境下における配線72、73、74から基体2への電荷の漏れ(リーク)を効果的に抑制することができる。そのため、環境温度に影響されることなく、配線72、73、74から基体2への電荷のリークを抑制することができ、環境温度によるセンサー特性の変化が小さく、優れた温度特性を発揮することができる物理量センサー1となる。特に、本実施形態の物理量センサー1は、微小な電荷を取り扱う静電容量型のセンサーであるため、前述の効果は、物理量センサー1により大きなメリットをもたらすものである。また、比較的厳しい環境下(−40℃以上120℃以下の環境下)での使用が想定される車載用等としてもより好適に用いることのできる物理量センサー1となる。
また、前述したように、物理量センサー1は、各配線72、73、74を覆い、可動イオンの含有量が基体2よりも少ない絶縁性の第2絶縁層92を有している。これにより、第1絶縁層91と第2絶縁層92とで各配線72、73、74を覆うことができ、各配線72、73、74と基体2との接触をより確実に抑制することができる。そのため、各配線72、73、74から基体2への電荷のリークをより確実に抑制することができる。なお、第2絶縁層92は、省略してもよい。
また、前述したように、物理量センサー1では、第1絶縁層91および第2絶縁層92は、互いに同じ材料を含んでいる。これにより、第1絶縁層91と第2絶縁層92との熱膨張係数差をより小さくすることができ、熱膨張係数の差に起因する応力の発生を効果的に抑制することができる。そのため、温度によって変化する応力歪が素子片3に加わり難くなり、物理量センサー1は、より優れた温度特性を発揮することができる。
また、前述したように、物理量センサー1では、基体2は、凹部としての溝部22、23、24を有し、溝部22内に、配線72および第1絶縁層91が設けられ、溝部23内に、配線73および第1絶縁層91が設けられ、溝部24内に、配線74および第1絶縁層91が設けられている。これにより、基体2の上面からの各配線72、73、74の突出が防止され、後述する製造方法でも説明するように、基体2と素子片3とをより容易にかつ確実に接合することができる。なお、溝部22、23、24は、省略してもよい。この場合、第1絶縁層91は、基体2の上面に配置することができる。
次に、物理量センサー1の製造方法について説明する。図5に示すように、物理量センサー1の製造方法は、可動イオンを含有する絶縁性の基体2を準備する準備工程と、基体2上に、可動イオンの含有量が基体2よりも少ない絶縁性の第1絶縁層91を形成する第1絶縁層形成工程と、第1絶縁層91上に配線72、73、74を形成する配線形成工程と、配線72、73、74を覆うように第2絶縁層92を形成する第2絶縁層形成工程と、基体2上に、配線72、73、74と電気的に接続されている素子片3を配置する素子片配置工程と、基体2に蓋部8を接合する蓋部接合工程と、を有している。以下、このような製造方法について詳細に説明する。
(準備工程)
まず、図6に示すように、例えば、硼珪酸ガラスで構成されたガラス基板からなる基体2を準備し、フォトリソグラフィー技法とウェットエッチング技法とを用いて、基体2の上面に開口する凹部21および溝部22、23、24を形成する。なお、本実施形態では、凹部21を形成する工程と、溝部22、23、24を形成する工程とを別々に行い、凹部21の深さを溝部22、23、24の深さよりも深くしている。ただし、凹部21の深さと溝部22、23、24の深さの関係は、特に限定されない。
(第1絶縁層形成工程)
次に、図7に示すように、溝部22、23、24の底面に第1絶縁層91を成膜(形成)する。第1絶縁層91の形成方法としては、特に限定されず、例えば、スパッタリング、蒸着等によって絶縁層(シリコン酸化膜)を成膜し、その後、この絶縁層をフォトリソグラフィー技法とウェットエッチング技法とを用いてパターニングする方法が挙げられる。
(配線形成工程)
次に、図8に示すように、溝部22の第1絶縁層91上に配線72を形成し、溝部23の第1絶縁層91上に配線73を形成し、溝部24の第1絶縁層91上に配線74を形成する。配線72、73、74の形成方法としては、特に限定されず、例えば、スパッタリング、蒸着等によって配線層を成膜し、その後、フォトリソグラフィー技法とウェットエッチング技法とを用いてパターニングする方法が挙げられる。
(第2絶縁層形成工程)
次に、図9に示すように、各配線72、73、74上に第2絶縁層92を形成し、第2絶縁層92で各配線72、73、74を覆う。第2絶縁層92の形成方法としては、特に限定されず、例えば、スパッタリング、蒸着等によって絶縁層(シリコン酸化膜)を成膜し、その後、この絶縁層をフォトリソグラフィー技法とウェットエッチング技法とを用いてパターニングする方法が挙げられる。
次に、図10に示すように、導電性バンプB1を配置する箇所において、第2絶縁層92を除去し、除去した部分に導電性バンプB1を配置する。これにより、配線72と電気的に接続された導電性バンプB1が得られる。図示しないが、導電性バンプB2、B3についても同様にして配線73、74上に配置する。なお、導電性バンプB1、B2、B3は、溝部22、23、24の開口から突出していることが好ましい。これにより、次の素子片配置工程において、導電性バンプB1、B2、B3と基板30とをより確実に接触させることができる。
(素子片配置工程)
次に、図11に示すように、素子片3の母材であり、シリコン基板からなる基板30を準備し、この基板30を陽極接合法により基体2の上面に接合する。ここで、前述したように、溝部22、23、24の開口からはみ出ないように、第1絶縁層91、配線72、73、74および第2絶縁層92が形成されているため、基板30の下面をより確実に基体2の上面に接触させることができる。そのため、陽極接合をより確実に行うことができる。
次に、必要に応じてCMP(化学機械研磨)を用いて基板30を薄肉化した後、基板30にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散)して導電性を付与する。次に、基板30をエッチング(好ましくは、RIE(反応性イオンエッチング)等のドライエッチング)によってパターニングする。これにより、図12に示すように、素子片3が得られる。
(蓋部接合工程)
次に、図13に示すように、蓋部8を準備し、低融点ガラス89を用いて蓋部8を基体2に接合する。これにより、収納空間Sが形成されると共に、収納空間Sに素子片3が収納される。次に、蓋部8の連通孔82内に球状の封止部材83を配置し、連通孔82と封止部材83との隙間を介して収納空間Sを所望の雰囲気に置換する。次に、封止部材83にレーザーを照射して、封止部材83を溶融させることで連通孔82を封止する。これにより、所望の雰囲気に置換された状態で、収納空間Sが封止される。以上により、図14に示すように、物理量センサー1が得られる。
このような物理量センサー1の製造方法は、前述したように、可動イオンを含有する絶縁性の基体2を準備する工程(基体準備工程)と、基体2上に、可動イオンの含有量が基体2よりも少ない絶縁性の第1絶縁層91を形成する工程(第1絶縁層形成工程)と、第1絶縁層91上に配線72、73、74を形成する工程(配線形成工程)と、基体2上に、配線72、73、74と電気的に接続されている素子片を配置する工程(素子片配置工程)と、を有している。このような製造方法によれば、低温、常温環境下ではもちろんのこと、特に、高温環境下における配線72、73、74から基体2への電荷の漏れ(リーク)を効果的に抑制することができる物理量センサー1が得られる。そのため、環境温度に影響されることなく、配線72から基体2への電荷のリークを抑制することができ、環境温度によるセンサー特性の変化が小さく、優れた温度特性を発揮することができる物理量センサー1となる。
また、前述したように、物理量センサー1の製造方法は、配線72、73、74を形成する工程(配線形成工程)と素子片3を配置する工程(素子片配置工程)との間に、配線72、73、74を覆い、可動イオンの含有量が基体2よりも少ない絶縁性の第2絶縁層92を形成する工程を有している。これにより、第1絶縁層91と第2絶縁層92とで各配線72、73、74を覆うことができ、各配線72、73、74と基体2との接触をより確実に抑制することができる。そのため、各配線72、73、74から基体2への電荷のリークをより確実に抑制することができる。
また、前述したように、物理量センサー1の製造方法は、基体2と素子片3とは、陽極接合されている。これにより、基体2と素子片3とをより強固に接合することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図15は、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。なお、図15は、図1中のB−B線断面図に対応する断面図である。
本実施形態に係る物理量センサー1は、主に、第2絶縁層92の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態の物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図15では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図15に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、第2絶縁層92が低融点ガラスで構成されている。これにより、第2絶縁層92の構成が簡単となる。なお、低融点ガラスとは、特に限定されないが、例えば、軟化点が600℃以下であり、比較的低温度で軟化するガラス材料のことを言う。また、第2絶縁層92を構成する低融点ガラス中には、他の材料(例えば、製造中に不可避的に混入する材料)が含有されていてもよい。
また、第2絶縁層92は、基体2と蓋部8とを接合する低融点ガラス89を兼ねており、配線72、73、74を覆う機能を有すると共に、基体2と蓋部8とを接合する機能を有している。すなわち、物理量センサー1は、基体2との間に素子片3を収納するように基体2に接合されている蓋部8を有し、蓋部8および基体2は、第2絶縁層92を介して接合されている。このように、第2絶縁層92が低融点ガラス89を兼ねることで、物理量センサー1の製造工程の削減を図ることができると共に、装置構成が簡単なものとなる。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図16は、本発明の第3実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。なお、図16は、図1中のB−B線断面図に対応する断面図である。
本実施形態に係る物理量センサー1は、主に、第1絶縁層91および基体2の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態の物理量センサー1と同様である。
なお、以下の説明では、第3実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図16では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図16に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、第1絶縁層91が基板状となっており、基体2の下面に接合されている。また、基体2には、基体2を厚さ方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔220、230、240が形成されており、これら貫通孔220、230、240の下側開口が第1絶縁層91の上面で塞がれることで、溝部22、23、24が形成されている。そして、溝部22、23、24の底面(すなわち、第1絶縁層91の上面)に配線72、73、74が配置されている。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る物理量センサーデバイスについて説明する。
図17は、本発明の第4実施形態に係る物理量センサーデバイスを示す断面図である。
図17に示すように、物理量センサーデバイス1000は、ベース基板1010と、ベース基板1010上に設けられた物理量センサー1と、物理量センサー1上に設けられた回路素子1020(IC)と、物理量センサー1と回路素子1020とを電気的に接続するボンディングワイヤーBW1と、ベース基板1010と回路素子1020とを電気的に接続するボンディングワイヤーBW2と、物理量センサー1および回路素子1020をモールドするモールド部1030と、を有している。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した各実施形態のいずれかのものを用いることができる。
ベース基板1010は、物理量センサー1を支持する基板であり、例えば、インターポーザー基板である。このようなベース基板1010の上面には複数の接続端子1011が配置されており、下面には複数の実装端子1012が配置されている。また、ベース基板1010内には、図示しない内部配線が配置されており、この内部配線を介して、各接続端子1011が、対応する実装端子1012と電気的に接続されている。このようなベース基板1010としては、特に限定されず、例えば、シリコン基板、セラミック基板、樹脂基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板等を用いることができる。
また、物理量センサー1は、基体2を下側(ベース基板1010側)に向けてベース基板1010上に配置されている。そして、物理量センサー1は、接合部材を介してベース基板1010に接合されている。
また、回路素子1020は、物理量センサー1上に配置されている。そして、回路素子1020は、接合部材を介して物理量センサー1の蓋部8に接合されている。また、回路素子1020は、ボンディングワイヤーBW1を介して物理量センサー1の各電極パッドPと電気的に接続され、ボンディングワイヤーBW2を介してベース基板1010の接続端子1011と電気的に接続されている。このような回路素子1020には、物理量センサー1を駆動する駆動回路や、物理量センサー1からの出力信号に基づいて加速度を検出する検出回路や、検出回路からの信号を所定の信号に変換して出力する出力回路等が、必要に応じて含まれている。
また、モールド部1030は、物理量センサー1および回路素子1020をモールドしている。これにより、物理量センサー1や回路素子1020を水分、埃、衝撃等から保護することができる。モールド部1030としては、特に限定されないが、例えば、熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、トランスファーモールド法によってモールドすることができる。
以上のような物理量センサーデバイス1000は、物理量センサー1を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、信頼性の高い物理量センサーデバイス1000が得られる。
なお、物理量センサーデバイス1000の構成としては、上記の構成に限定されず、例えば、物理量センサー1がセラミックパッケージに収納された構成となっていてもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る電子機器について説明する。
図18は、本発明の第5実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図18に示すモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューター1100は、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したものである。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されている。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した各実施形態のいずれかのものを用いることができる。
このようなパーソナルコンピューター1100(電子機器)は、物理量センサー1を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る電子機器について説明する。
図19は、本発明の第6実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図19に示す携帯電話機1200(PHSも含む)は、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したものである。この図において、携帯電話機1200は、アンテナ(図示せず)、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されている。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した各実施形態のいずれかのものを用いることができる。
このような携帯電話機1200(電子機器)は、物理量センサー1を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る電子機器について説明する。
図20は、本発明の第7実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図20に示すデジタルスチールカメラ1300は、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したものである。この図において、ケース(ボディー)1302の背面には表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。そして、撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押すと、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。このようなデジタルスチールカメラ1300には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されている。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した各実施形態のいずれかを用いることができる。
このようなデジタルスチールカメラ1300(電子機器)は、物理量センサー1を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、前述した実施形態のパーソナルコンピューターおよび携帯電話機、本実施形態のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル端末、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、移動体端末基地局用機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ネットワークサーバー等に適用することができる。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る移動体について説明する。
図21は、本発明の第8実施形態に係る移動体を示す斜視図である。
図21に示す自動車1500は、本発明の物理量センサーを備える移動体を適用した自動車である。この図において、自動車1500には、加速度センサーとして機能する物理量センサー1が内蔵されており、物理量センサー1によって車体1501の姿勢を検出することができる。物理量センサー1の検出信号は、車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。ここで、物理量センサー1としては、例えば、前述した各実施形態のいずれかのものを用いることができる。
このような自動車1500(移動体)は、物理量センサー1を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、物理量センサー1は、他にも、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
また、移動体としては、自動車1500に限定されず、例えば、飛行機、ロケット、人工衛星、船舶、AGV(無人搬送車)、二足歩行ロボット、ドローン等の無人飛行機等にも適用することができる。
以上、本発明の物理量センサー、物理量センサーの製造方法、物理量センサーデバイス、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前述した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、素子片がX軸方向の加速度を検出することのできる構成について説明したが、素子片の構成としては、これに限定されず、例えば、Y軸方向の加速度を検出することのできる構成であってもよいし、Z軸方向の加速度を検出することのできる構成であってもよい。また、前述した実施形態では、物理量センサーが1つの素子片を有する構成について説明したが、素子片の数としては、特に限定されず、2つ以上であってもよい。2つ以上の場合は、例えば、異なる軸方向の加速度を検出することのできる素子片を有することが好ましい。
また、前述した実施形態では、素子片が加速度を検出することのできる構成について説明したが、素子片が検出する物理量としては、加速度に限定されず、例えば、角速度であってもよい。この場合、素子片としては、例えば、X軸まわりの角速度を検出することができる構成、Y軸まわりの角速度を検出することができる構成、Z軸まわりの角速度を検出することができる構成のいずれかとすることができる。また、これらから選択した2つ以上の素子片を有していてもよい。もちろん、上述した加速度を検出することのできる素子片と組み合わせてもよい。
1…物理量センサー、2…基体、21…凹部、22、23、24…溝部、220、230、240…貫通孔、3…素子片、30…基板、31…固定電極部、311…第1固定電極指、312…第2固定電極指、32…可動電極部、321、322…支持部、323…可動部、324、325…連結部、326…可動電極指、7a…下地層、7b…電極層、7c…被覆層、72、73、74…配線、8…蓋部、81…凹部、82…連通孔、83…封止部材、89…低融点ガラス、91…第1絶縁層、92…第2絶縁層、1000…物理量センサーデバイス、1010…ベース基板、1011…接続端子、1012…実装端子、1020…回路素子、1030…モールド部、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1108…表示部、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1208…表示部、1300…デジタルスチールカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1310…表示部、1500…自動車、1501…車体、1502…車体姿勢制御装置、1503…車輪、Ax…加速度、B1、B2、B3…導電性バンプ、BW1、BW2…ボンディングワイヤー、D1…離間距離、D2…深さ、P…電極パッド、S…収納空間、V1…電圧、V2…電圧、W1、W2…幅

Claims (12)

  1. 可動イオンを含有する絶縁性の基体と、
    前記基体に設けられた素子片と、
    前記基体に設けられ、前記素子片と電気的に接続されている配線と、
    前記基体と前記配線との間に設けられ、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第1絶縁層と、を有することを特徴とする物理量センサー。
  2. 前記配線を覆い、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第2絶縁層を有する請求項1に記載の物理量センサー。
  3. 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層は、互いに同じ材料を含む請求項2に記載の物理量センサー。
  4. 前記第2絶縁層は、低融点ガラスで構成されている請求項2に記載の物理量センサー。
  5. 前記基体との間に前記素子片を収納するように前記基体に接合されている蓋部を有し、
    前記蓋部および前記基体は、前記第2絶縁層を介して接合されている請求項4に記載の物理量センサー。
  6. 前記基体は、凹部を有し、
    前記凹部内に、前記配線および前記第1絶縁層が設けられている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  7. 可動イオンを含有する絶縁性の基体を準備する工程と、
    前記基体上に、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第1絶縁層を形成する工程と、
    前記第1絶縁層上に配線を形成する工程と、
    前記基体上に、前記配線と電気的に接続されている素子片を配置する工程と、を有することを特徴とする物理量センサーの製造方法。
  8. 前記配線を形成する工程と前記素子片を配置する工程との間に、前記配線を覆い、可動イオンの含有量が前記基体よりも少ない絶縁性の第2絶縁層を形成する工程を有する請求項7に記載の物理量センサーの製造方法。
  9. 前記基体と前記素子片とは、陽極接合されている請求項7または8に記載の物理量センサーの製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする物理量センサーデバイス。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする電子機器。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを有することを特徴とする移動体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001044639A (ja) * 1999-05-27 2001-02-16 Hoya Corp 多層プリント配線板及びその製造方法
JP2016183971A (ja) * 2016-06-08 2016-10-20 セイコーエプソン株式会社 機能素子、機能素子の製造方法、物理量センサーおよび電子機器

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