JP2018154057A - 印判およびその製造方法、ならびに台木付印判製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第1の実施形態に係る印判の構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明に係る印判の印影の外観図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る印判およびその印材の構成を説明する模式図であり、(a)は印判の外観図、(b)は(a)のA−A線部分断面図、(c)は印材の断面図である。本明細書において、印判とは、凸状の領域が面一な凹凸を片面(印面)に有するシート状の部材であり、専ら、台木(印台)に固定されて使用される。
印判1に用いられる熱膨張性シート10の構成について、図2(c)を参照して以下に説明する。熱膨張性シート10は、一様な厚さのシート状の部材で、基材2と、基材2上の全面に均一な厚さに設けられた熱膨張層3と、熱膨張層3上の全面に均一な厚さに設けられたインク受容層4と、を備える。熱膨張性シート10は、表面に光熱変換層5を、または裏面に光熱変換層5A(図7参照)を、それぞれ構成する黒色インクを、あるいはさらに表面に色インクを印刷されるための被印刷物であり、本発明に係る印判に限られず、表面に凹凸を有する立体造形物を製造するためのものを流用することができる。このような熱膨張性シート10は、印判1以上の寸法であればよく、光熱変換層5を形成するための印刷機に対応した寸法とし、例えばA4用紙サイズである。
基材2は、軟質な熱膨張層3を表面で支持して、熱膨張性シート10を被印刷物として十分な、また、熱膨張層3が部分的に膨張したときに、皺を生じたり大きく波打ったりしない程度の強度(剛性)を有し、また、耐熱性を有する。本明細書において、耐熱性とは、印判1の製造における温度、特に熱膨張層3を膨張させるための加熱温度に対する耐熱性を指す。具体的には、基材2は、厚口の紙等からなる。
熱膨張性シート10の熱膨張層3は、印判1の印材の主要部材である。熱膨張層3は、部分的に膨張することにより、印判1の表面に凹凸を形成する。このような熱膨張層3は、立体造形物を製造する公知の熱膨張性シートに適用される、熱膨張性のマイクロカプセルを含有し、熱可塑性樹脂をバインダとして基材2上に均一な厚さt0に形成された膜である。マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成され、揮発性溶媒を内包し、前記熱可塑性樹脂や揮発性溶媒の種類にもよるが、約80℃以上に加熱されると、加熱温度、さらには加熱時間に応じた大きさに膨張する。すなわち、印判1は、熱膨張性シート10の熱膨張層3が加熱された領域で限定的に発泡して、気泡によって膨張して厚さが増大し、その結果、基材2に固定されていない熱膨張層3の上面がインク受容層4ごと***して、表面に凹凸が形成される。熱膨張層3へのこのような部分的な加熱は、熱膨張性シート10の表面に形成された黒色インクからなる光熱変換層5(図2(b)参照)、または後記の変形例のように、熱膨張性シート10の裏面(基材2の裏面)に形成された同じく黒色インクからなる光熱変換層5A(図7参照)が、光を変換して熱を放出することによって行われる。熱膨張層3は、熱膨張性シート10の用途によっては地色を白くするように、酸化チタン等の白色顔料を含有していてもよい。熱膨張層3は、最大で膨張前の10倍程度の厚さに膨張し、所望の凹凸差に応じて、膨張前の熱膨張性シート10における、すなわち膨張させない領域(底面)における厚さt0が設計される。
インク受容層4は、熱膨張層3が一般に疎水性で膨張前においてインクを付着させ難いことから、光熱変換層5を構成する黒色インク等を付着させるために、熱膨張性シート10の最表面に設けられる。インク受容層4は、一般的なインクジェットプリンタ印刷用紙に使用されるものが適用され、空隙にインクを吸収させる多孔質のシリカ、アルミナや、膨潤してインクを吸収する高吸水性ポリマー等からなる。
熱膨張層3は印判1の主要部品であり、前記したように、印判1の印面(表面)に凹凸を形成するように厚さが領域毎に異なる膜である。熱膨張層3は、印判1の表面の光熱変換層5を形成された領域(頂面)において、最も厚くかつ均一な厚さtTである。また、熱膨張層3は、光熱変換層5を形成されていない領域(底面)は、好ましくは膨張前の厚さt0であるが、厚さが均一でなくてよい。熱膨張層3は、狭い間隔で離間した光熱変換層5,5に挟まれた領域が、その両側の光熱変換層5,5によってその直下で膨張して上面が***する際に、引き上げられるように***する。したがって、熱膨張層3は、幅が一定未満の底面においては狭いほど厚くなり、前記一定以上の幅の底面においては膨張しないので均一な厚さt0になる。熱膨張層3の底面の最大厚さtBMAXは、頂面との段差(tT−tBMAX)に基づいて、印判1の表面にスタンプインクを付着させて紙等の被押印物に押印したときに、特に頂面において軟質な熱膨張層3が潰されて、厚さtBMAXの底面が被押印物に接触してスタンプインクを転写することのない値に設定される。一方、熱膨張層3は、膨張高さ(tT−t0)が大きいと、光熱変換層5の端の直下において厚さtTに到達せず頂面の端からの立下りが丸くなるので、印判1でスタンプインクを転写される黒地の領域が小さくなり、また、幅の狭い頂面を形成するのが困難になって、印影に細い線等を用いることができない。また、熱膨張層3は、膨張高さ(tT−t0)が大きくなるにしたがい、熱可塑性樹脂材料にもよるが、頂面において軟らかくなるため、印判1で転写される印影の形状が押圧に大きく依存し易く、特に線状等の幅の狭い頂面から転写された像が歪み易く、また、底面の狭い領域でも両側の頂面からスタンプインクが転写されて白抜きが潰され(消え)易い。そのため、印影に細い(狭い)線および白抜きの線等を用いることができない。言い換えると、印影の線が太く、押圧によってある程度変形して転写されてもよい場合には、熱膨張層3の膨張高さ(tT−t0)を大きく設計することができる。このような印判1は、頂面が軟質であるので、例えば被押印物の表面にある程度の凹凸があっても印影を押印し易い。
光熱変換層5は、前記したように、印判1の表面に、図1に示す印影iの鏡像の形状に形成されている。光熱変換層5は、特定の波長域の光、例えば近赤外線(波長780nm〜2.5μm)を吸収して、熱に変換して放出する層であり、光熱変換成分として具体的にはカーボンブラックを含有する、一般的な印刷用の黒色(K)インク等の印刷材料からなる。光熱変換層5は、濃淡、すなわちカーボンブラックの濃度(黒色濃度)に応じて光を照射されたときの発熱温度が変化し、この温度に応じて膨張前の熱膨張層3を膨張させて、印判1の表面に凹凸を形成する。本実施形態において、光熱変換層5は、一様な濃度の灰色で印刷されている。光熱変換層5の黒色濃度は、熱膨張性シート10の熱膨張層3の仕様(膨張温度、上限温度等)および膨張前後の厚さt0,tT、光の照射量(光の強度、照射時間)等に応じて設定される。なお、本明細書において、「光」とは、別途記載のない限り、光熱変換層5のカーボンブラックによって熱に変換される近赤外線とする。
印判1を支持する台木の構成について、図3を参照して説明する。図3は、本発明に係る印判を支持する台木の構成を説明する模式図であり、(a)は外観図、(b)は部分断面図である。台木は、一般的なゴム印等に使用されるものであり、印判1と同じかそれよりも大きな平坦な面を有した、手で把持し易い形状で、前記平坦な面にゴム等のシート状、薄板状の印判を接触させた状態で支持する。本実施形態に係る印判1は、前記したように厚口の紙からなる基材2に軟質な熱膨張層3等が積層されて、全体で可撓性を有するので、台木の平坦な面に裏面(基材2の裏面)を対面させて固定されることによって、頂面を面一な状態に支持されて使用される。ここでは、印判1を支持する台木8は、印判1の取付け、取外しの容易な交換可能な構造を有する。台木8は、概形が、印判1よりも一回り大きな長方形を底面とする角柱(直方体)であり、本体81と、前記底面の一方(上面)に設けられて本体81に着脱自在な枠体82と、を備える。なお、図3(b)において、印判1は、基材2および熱膨張層3のみを示す。
(印判の製造装置)
本発明に係る印判の製造に使用する装置について、図4を参照して簡潔に説明する。図4は、印判の製造に使用する装置の概要を説明する断面図である。印判1の製造には、熱膨張性シート10に光熱変換層5を印刷する印刷機(図示省略)、熱膨張性シート10に近赤外線を照射することにより光熱変換層5を加熱して熱膨張層3を膨張させる光照射装置9、印判1の形状に切り出す鋏やカッターナイフのような刃物または打抜き機等が使用される。
光熱変換層形成工程S11において、図6(a)、(b)に示すように、熱膨張性シート10の表面(インク受容層4上)に、印影i(図1参照)の鏡像のパターンの光熱変換層5を黒色インクで印刷する。このとき、光熱変換層5と同時に、印判1の外形(輪郭)に一致する切取線6を印刷することができる。切取線6は、黒色インクを用いず、一般的な印刷用のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色インクのような、実質的に光吸収性のない印刷材料で印刷することが好ましい。切取線6は、後続の光照射工程S13で、当該切取線6を印刷された領域において熱膨張層3を膨張させることのないように、光熱変換層5と比較して光熱変換効率が大幅に低く、そのために、光熱変換層5を印刷するための黒色インクよりも光熱変換成分濃度の低い印刷材料を選択する。したがって、4色(CMYK)以上に対応した印刷機を用いて、光熱変換層5と切取線6を同時に印刷する。また、切取線6は、図6(a)では破線状に形成されているがこれに限られず、後続の切断工程S14で目印として視認することができればよい。このような切取線6が光熱変換層5と同時に印刷されるように、光熱変換層5(印影の鏡像)の印刷用データは切取線6を含むものとする。
光照射工程S13において、熱膨張性シート10の光熱変換層5を印刷した側の面(表面)に、光照射装置9を用いて光を照射する。光が光熱変換層5に入射し、吸収されると熱に変換され、図6(c)に示すように、熱膨張性シート10は、熱膨張層3が、光熱変換層5の黒色濃度に対応した温度に加熱されて膨張して、表面がインク受容層4と共に***して凹凸を形成される。ここでは、光熱変換層5の黒色濃度は一様であるため、熱膨張層3が光熱変換層5を被覆した領域において一定の厚さtTになる。熱膨張層3の加熱温度は当該熱膨張層3の材料にもよるが、約80℃以上とし、光熱変換層5の黒色濃度に対応して100〜120℃の範囲における温度に設定することが好ましい。このような温度に変換される量の光が光熱変換層5に入射するように、光照射装置9の光源91の出力や搬送速度を設定する。
切断工程S14において、図6(c)に示す熱膨張層3が膨張した熱膨張性シート10を、表面の切取線6を目印に、一点鎖線で表した所定の位置で切り出して印判1を得る。切取線6が光吸収性の実質的にない色インクで印刷されていることにより、図6(c)に示すように、この部分で熱膨張層3が***せず、鋏等による作業の妨げにならない。印判1の加工は、印判1の輪郭の形状に対応した打抜き機で打抜き加工してもよく、また、本実施形態に係る印判1の外形は長方形であるので輪郭を1辺ずつ断裁機で切断することもできる。
台木取付工程S21において、台木8の枠体82を開いて、本体81の載置面に裏面(基材2の裏面)を向けて印判1を載置して、枠体82で周縁を挟んで固定する。なお、必要に応じて、本体81と印判1の間にクッション材83を敷く。
印判1は、表面の光熱変換層5に加えて、裏面(基材2の裏面)にも所望の像を印刷されていてもよい(図示せず)。例えば、裏面に印影の正像を印刷されていることによって、印判1は、印影を容易に視認することができ、台木8に取り付ける際の取り違え等を防止することができる。そのために、光照射工程S13よりも前に、光熱変換層形成工程S11と同様に印刷機で、熱膨張性シート10の裏面に印影の正像を印刷する。この場合には、熱膨張性シート10の表面に切取線6を印刷せずに、印影の正像と共に切取線を裏面に印刷してもよい。なお、この熱膨張性シート10の裏面への印刷は、光熱変換層形成工程S11の前後どちらで行ってもよい。熱膨張性シート10の裏面に印刷される印影の正像および切取線は、切取線6と同様、黒色インクを用いず、一般的な印刷用の色インクで印刷することが好ましい。あるいは、熱膨張性シート10の裏面に黒色インクで印影の正像等を印刷してもよいが、光照射工程S13で、光が熱膨張層3および基材2を透過して裏面に印刷された黒色インクに到達しても、熱膨張層3の膨張に影響しないような十分に低い黒色濃度とする。なお、印判1の裏面に色インクで(または黒色インクで淡く)印刷されるパターンは、印影の正像や切取線の他に、印判1に関する注釈(例えば、印影の上側を示す三角形、「持出禁止」の文字等)であってもよい。
第1の実施形態に係る印判の製造方法においては印影の鏡像を形成する必要があるが、正像を形成して印影を押印する印判を製造することもできる。以下、第2の実施形態に係る印判について、図1および図7を参照して説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る印判の構成を説明する模式図であり、(a)は外観図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は裏側の外観図である。前記実施形態(図1〜6参照)と同一の要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
印判1Aに用いられる熱膨張性シート10Aの構成について、図9(a)を参照して以下に説明する。図9(a)は、本発明の第2の実施形態に係る印判の印材の構成を説明する断面図である。熱膨張性シート10Aは、一様な厚さのシート状の部材で、基材21と、基材21上の全面に均一な厚さに設けられた熱膨張層3と、を備える。熱膨張性シート10Aは、裏面に光熱変換層5Aを構成する黒色インクを印刷されるための被印刷物であり、熱膨張性シート10と同様、光熱変換層5Aを形成するための印刷機に対応した寸法とし、例えばA4用紙サイズである。
本発明の第2の実施形態に係る印判の製造方法について、図8および図9を参照して説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る印判の製造方法の流れを示すフローチャートである。図9(b)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る印判の製造方法における工程を説明する模式図であり、(b)は光熱変換層形成工程、(c)は基材固定工程、(d)は光照射工程のそれぞれにおける断面図で、図7(a)のC−C線断面図に相当する。図8に示すように、本実施形態に係る印判の製造方法は、熱膨張性シート10Aの裏面に光熱変換層5Aを形成する光熱変換層形成工程S11Aと、熱膨張性シート10Aの裏面に光透過基材22を貼り合わせる基材固定工程S12と、熱膨張性シート10Aの裏面に光を照射する光照射工程S13Aと、熱膨張性シート10Aを切断して所望の形状に加工する切断工程S14と、を順に行う印判製造工程S10Aによって印判1Aを製造するものであり、その後、必要に応じて、印判1Aを台木に取り付ける台木取付工程S21を行う。以下、第2の実施形態に係る印判1Aを製造する各工程について、特に第1の実施形態に係る印判1を製造する工程と相違する工程を詳細に説明する。なお、第2の実施形態に係る印判の製造に使用する装置は、第1の実施形態にて説明したものを使用することができる。
光熱変換層形成工程S11Aにおいて、図9(b)に示すように、熱膨張性シート10Aの裏面(基材21の裏面上)に、印影i(図1参照)の正像のパターンの光熱変換層5A(図7(c)参照)を黒色インクで印刷する。このとき、第1の実施形態の光熱変換層形成工程S11と同様、光熱変換層5Aと同時に、印判1Aの外形(輪郭)に一致する切取線6Aを印刷することができる。切取線6Aは、第1の実施形態の切取線6と同様に、色インクのような、黒色インクよりも光熱変換成分濃度の低い印刷材料で印刷することが好ましい。また、熱膨張性シート10Aの裏面に、切取線6Aの他に、第1の実施形態の変形例で説明した印判1Aに関する注釈を色インクで印刷してもよい。
基材固定工程S12において、図9(c)に示すように、熱膨張性シート10Aの裏面に光透過基材22を接着層23で貼り合わせる。この段階で、光透過基材22は、熱膨張性シート10Aと同じまたはそれよりも大きく、光照射装置9に対応した寸法とする。また、熱膨張性シート10Aと光透過基材22を貼り合わせた後に、必要に応じて、断裁して端を切り落として光照射装置9に対応した寸法に加工してもよい。
光照射工程S13Aにおいて、熱膨張性シート10Aの光透過基材22を貼り合わせた側(裏面)に光照射装置9を用いて光を照射する。光を照射する面以外は、第1の実施形態の光照射工程S13にて説明した通りである。光が光透過基材22および接着層23を透過して光熱変換層5Aに吸収されて熱に変換されると、この熱が厚さ方向に基材21を経由して熱膨張層3に伝播して、図9(d)に示すように、熱膨張性シート10Aは、熱膨張層3が加熱されて膨張して、表面が***して凹凸を形成される。
切断工程S14において、図9(d)に示す熱膨張層3が膨張した熱膨張性シート10Aおよびこれに貼り合わされた光透過基材22を、裏面から視認される切取線6Aを目印に、第1の実施形態と同様に、一点鎖線で表した所定の位置で切り出して印判1Aを得る。
台木取付工程S21において、印判1Aを、第1の実施形態と同様に、台木8(図3参照)に取り付けて、またはその他の所望の台木に貼り付ける等して固定する。特に、本実施形態に係る印判1Aは、裏面に印影の正像である光熱変換層5Aが光透過基材22を透過して視認されるので、透明なアクリル樹脂製の台木に貼り付けられることにより、印影が視認可能となる。
光照射工程S13Aの前に切断工程S14を行ってもよい。また、基材固定工程S12において、予め印判1Aの外形に加工された光透過基材22を熱膨張性シート10Aに貼り合わせてもよい。このとき、熱膨張性シート10Aを印判1Aの外形に切断してから光透過基材22と貼り合わせてもよいし、先に光透過基材22を貼り合わせて、光透過基材22の外形に沿って熱膨張性シート10Aを切断してもよい。これらの場合、第1の実施形態の変形例にて説明したように、印判1Aの裏面全体に同時に光を照射することのできる光照射装置を用いることが好ましい。光を下方へ照射する前記光照射装置の場合、熱膨張性シート10Aの裏面を上に向けて光透過基材22をガラス板(載置台)の下面に接触させて、クリップ等で周縁部を把持する等して固定する。また、光透過基材22が予め印判1Aの外形に加工されている場合には、耐熱性と高い強度を有するポリカーボネート板等を適用することができる。熱膨張性シート10Aは、このような光透過基材22に貼り合わされることにより、光照射工程S13Aで光照射装置の載置台に固定されなくても変形しない。また、このような高い強度の光透過基材22により、印判1Aは印面が平坦に保持されているので、そのまま、あるいはつまみ状の持ち手を裏面(光透過基材22)の中央部に接着する等して、使用することができる。
〔付記〕
《請求項1》
所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの前記一面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の鏡像を描画する印影描画ステップと、
前記熱膨張性シートの前記一面側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の鏡像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を***させる光照射ステップと、を行うことを特徴とする印判製造方法。
《請求項2》
所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの他面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の正像を描画する印影描画ステップと、
前記熱膨張性シートの前記他面側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の正像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を***させる光照射ステップと、を行うことを特徴とする印判製造方法。
《請求項3》
前記印影描画ステップよりも後のステップであり、かつ、前記光照射ステップよりも前のステップとして、前記熱膨張性シートの前記他面側に、前記光照射ステップで照射する光を透過する光透過基材を貼り付ける基材固定ステップを行うことを特徴とする請求項2に記載の印判製造方法。
《請求項4》
前記光照射ステップよりも前のステップとして、前記熱膨張性シートの他面側に前記印影の正像を描画する表示印影描画ステップを行うことを特徴とする請求項1に記載の印判製造方法。
《請求項5》
前記熱膨張性シートを切断して所望の形状に加工する切断ステップをさらに行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の印判製造方法。
《請求項6》
前記切断ステップを前記印影描画ステップよりも後に行い、
前記切断ステップで切断される切断線を、前記印影描画ステップで描画することを特徴とする請求項5に記載の印判製造方法。
《請求項7》
前記印影描画ステップおよび前記表示印影描画ステップよりも後のステップとして、前記熱膨張性シートを切断して所望の形状に加工する切断ステップを行い、
前記切断ステップで切断される切断線を、前記表示印影描画ステップで描画することを特徴とする請求項4に記載の印判製造方法。
《請求項8》
前記切断線を、前記印影描画ステップで前記印影を描画するために用いられる前記印刷材料よりも光熱変換成分濃度が低濃度な印刷材料で描画することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の印判製造方法。
《請求項9》
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の印判製造方法を行って印判を製造する印判製造ステップと、台木に他面側を向けて前記印判を固定する台木取付ステップと、を行うことを特徴とする台木付印判製造方法。
《請求項10》
請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の印判製造方法を行って印判を製造する印判製造ステップと、台木に他面側を向けて前記印判をその周縁に接触させた枠体で固定する台木取付ステップと、を行い、
前記印判製造ステップは、前記切断ステップで前記枠体に対応させた外形に加工して前記印判を製造することを特徴とする台木付印判製造方法。
《請求項11》
所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層を印面に備えることを特徴とする印判。
《請求項12》
前記熱膨張層上にインク受容層を有し、印面の凸状の領域に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が付着している請求項11に記載の印判。
1,1A 印判
2 基材
21 基材
22 光透過基材
3 熱膨張層インク受容層
4 インク受容層
5,5A 光熱変換層
5c 切取補助線
6,6A 切取線
8 台木
i 印影
S10,S10A 印判製造工程
S11,S11A 光熱変換層形成工程
S12 基材固定工程
S13,S13A 光照射工程
S14 切断工程
S21 台木取付工程
Claims (12)
- 所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの前記一面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の鏡像を描画する印影描画ステップと、
前記熱膨張性シートの前記一面側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の鏡像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を***させる光照射ステップと、を行うことを特徴とする印判製造方法。 - 所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの他面側に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で印影の正像を描画する印影描画ステップと、
前記熱膨張性シートの前記他面側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記印影の正像が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記一面を***させる光照射ステップと、を行うことを特徴とする印判製造方法。 - 前記印影描画ステップよりも後のステップであり、かつ、前記光照射ステップよりも前のステップとして、前記熱膨張性シートの前記他面側に、前記光照射ステップで照射する光を透過する光透過基材を貼り付ける基材固定ステップを行うことを特徴とする請求項2に記載の印判製造方法。
- 前記光照射ステップよりも前のステップとして、前記熱膨張性シートの他面側に前記印影の正像を描画する表示印影描画ステップを行うことを特徴とする請求項1に記載の印判製造方法。
- 前記熱膨張性シートを切断して所望の形状に加工する切断ステップをさらに行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の印判製造方法。
- 前記切断ステップを前記印影描画ステップよりも後に行い、
前記切断ステップで切断される切断線を、前記印影描画ステップで描画することを特徴とする請求項5に記載の印判製造方法。 - 前記印影描画ステップおよび前記表示印影描画ステップよりも後のステップとして、前記熱膨張性シートを切断して所望の形状に加工する切断ステップを行い、
前記切断ステップで切断される切断線を、前記表示印影描画ステップで描画することを特徴とする請求項4に記載の印判製造方法。 - 前記切断線を、前記印影描画ステップで前記印影を描画するために用いられる前記印刷材料よりも光熱変換成分濃度が低濃度な印刷材料で描画することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の印判製造方法。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の印判製造方法を行って印判を製造する印判製造ステップと、台木に他面側を向けて前記印判を固定する台木取付ステップと、を行うことを特徴とする台木付印判製造方法。
- 請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の印判製造方法を行って印判を製造する印判製造ステップと、台木に他面側を向けて前記印判をその周縁に接触させた枠体で固定する台木取付ステップと、を行い、
前記印判製造ステップは、前記切断ステップで前記枠体に対応させた外形に加工して前記印判を製造することを特徴とする台木付印判製造方法。 - 所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層を印面に備えることを特徴とする印判。
- 前記熱膨張層上にインク受容層を有し、印面の凸状の領域に、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が付着している請求項11に記載の印判。
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