JP2018145206A - 原薬の化学的安定性や服用感を向上した、口腔内崩壊錠 - Google Patents

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一博 五丁森
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俊哉 谷口
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Abstract

【課題】シロドシン等の原薬の化学的な安定性や苦味等の服用感が顕著に改善された効果を有する口腔内崩壊錠を提供すること。【解決手段】核粒子の周囲がコーティング層で被覆されていることを特徴とするシロドシン等の原薬を含む顆粒が、非腸溶性高分子を含むコーティング層で更に被覆されていることを特徴とする被覆顆粒、を含有する口腔内崩壊錠を提供すること。好ましくは素錠全重量に対して2.0〜14.0重量%の、原薬を含む顆粒が、素錠全重量に対して0.5〜2.0重量%の非腸溶性高分子で被覆されていることを特徴とする被覆顆粒を含有し、非腸溶性高分子は胃溶性高分子又は水不溶性高分子である。【選択図】なし

Description

本発明は、原薬として1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−[(2R)−({2−[2−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチル}アミノ)プロピル]インドリン−7−カルボキサミド、すなわちシロドシン(日本医薬品一般名称)等を含有する錠剤に関する。
シロドシンは、下部尿路組織である前立腺、尿道、***部のα1A受容体サブタイプに選択的に結合し、尿道内圧の上昇を抑制する作用機構をもち、前立腺肥大に伴う排尿障害の治療薬に用いられる化合物(原薬)である(非特許文献1参照)。シロドシンと薬理学的に関連するα遮断薬としては、プラゾシン塩酸塩、テラゾシン塩酸塩水和物、ウラジピルなどが挙げられる。
シロドシンは化学的な安定性が低いことや極めて強い苦味を有することが特徴であり、口腔内崩壊錠の剤形で医療現場に提供する上ではそれらの改善が必須である。
シロドシンの口腔内崩壊錠において利用可能な先行技術は、特許文献1、2等にて紹介されている。特許文献1、2ではシロドシンを含有する粒子をシロドシン100重量部に対して80〜400重量部の非腸溶性高分子等で覆うことで苦味を改善する技術が紹介されている。しかし上記の特許文献1、2では、化学的な安定性を改善する方法や、苦味以外の服用感、特にざらつき感を改善する方法については満足に示されておらず、多量の非腸溶性高分子で顆粒を覆うことは其の粒子径の増加につながるためにざらつき感を感じる原因になると考えられる。
そこで本発明者は先行技術に対して、口腔内崩壊錠に含まれるシロドシンの化学的な安定性及び苦味等の服用感(好ましくは苦味とざらつき感の両方)を共に改善することを目的として、シロドシンを含有する口腔内崩壊錠の処方及び製造方法に関する検討を開始した。
WO2014/157137号公報 WO2016/051782号公報
医薬品インタビューフォーム「ユリーフ(登録商標)錠2mg、ユリーフ(登録商標)錠4mg」、2013年11月(改訂第4版)
本発明が解決しようとする課題は、原薬の化学的な安定性や苦味等の服用感が改善された、口腔内崩壊錠又は其の製造方法を提供することである。
本発明者は、口腔内崩壊錠に含まれるシロドシンの化学的な安定性及び服用時におけるシロドシンの苦味とざらつき感を共に改善するため、其の錠剤処方や製造方法に関して鋭意検討を重ねた。その結果、シロドシンを含むコーティング液を噴霧して製造した顆粒を非腸溶性高分子で覆うことでシロドシンの化学的な安定性及び苦味が共に改善され、特に低量の非腸溶性高分子で覆った場合には苦味とざらつき感が共に改善されることを発見した。その知見に基づき、本発明者はさらに鋭意検討を重ねて下記の発明を完成させた。
本発明はまず、特定の原薬を含む顆粒を製造した上でそれを非腸溶性高分子で被覆することによって当該原薬の化学的な安定性や苦味等の服用感が顕著に改善可能なことを主に見出したものであり、其の好ましい構成は下記(1)〜(10)において記述されているものである。
(1)核粒子の周囲がコーティング層で被覆されていることを特徴とする原薬を含む顆粒が、非腸溶性高分子を含むコーティング層で更に被覆されていることを特徴とする被覆顆粒、を含有する口腔内崩壊錠。
(2)原薬がシロドシンである、前記(1)に記載の口腔内崩壊錠。
(3)素錠全重量に対して2.0〜14.0重量%の、原薬を含む顆粒が、素錠全重量に対して0.5〜2.0重量%の非腸溶性高分子で被覆されていることを特徴とする被覆顆粒を含有する、前記(1)又は(2)に記載の口腔内崩壊錠。
(4)核粒子100.0重量部に対して原薬が20.0〜50.0重量部含まれた顆粒を含有する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
(5)素錠全重量に対して2.0〜14.0重量%の、原薬であるシロドシンを含む顆粒が、素錠全重量に対して0.5〜2.0重量%の非腸溶性高分子で被覆されていることを特徴とする被覆顆粒、を含有する口腔内崩壊錠。
(6)非腸溶性高分子が胃溶性高分子又は水不溶性高分子である、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
(7)非腸溶性高分子が胃溶性高分子であり、胃溶性高分子がアミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体、及びポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートから選ばれる、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
(8)非腸溶性高分子が水不溶性高分子であり、水不溶性高分子がエチルセルロース、酢酸セルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、及び酢酸ビニル樹脂から選ばれる、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
(9)原薬及び結合剤を含有するコーティング液を賦形剤に噴霧することで原薬を含む顆粒を製造する工程を介する、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠、を製造する方法。
(10)デンプン又はデンプン誘導体を含有する造粒液を、非腸溶性高分子で被覆された被覆顆粒に噴霧して更なる顆粒を製造する工程を介する、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠、を製造する方法。
また本発明は、シロドシンの化学的な安定性を改善するという課題を解決する上では、錠剤中にて炭酸マグネシウム等の塩基性の無機酸塩をシロドシンを含む顆粒、の外に含有することが好ましいことも更に見出したものであり、其の好ましい構成は下記(11)〜(13)においても記述されているものである。下記(11)〜(13)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠は、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠であること又は前記(9)又は(10)のいずれかに記載の製造方法によって製造されることが好ましい。
(11)シロドシンを含む顆粒と、顆粒外の塩基性の無機酸塩を含有する口腔内崩壊錠。
(12)塩基性の無機酸塩が炭酸、ケイ酸又は燐酸の金属塩である、前記(11)に記載の口腔内崩壊錠。
(13)塩基性の無機酸塩が炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム又は炭酸アンモニウムである、前記(11)又は(12)に記載の口腔内崩壊錠。
本発明は、口腔内崩壊錠について原薬の化学的な安定性や苦味等の服用感を顕著に改善する優れた効果を有するものである。
以下で本発明の錠剤の処方及び製造方法等を詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。
本発明の錠剤の剤形は口腔内崩壊錠であることが好ましく、より好ましくは素錠(フィルムコーティング層や糖衣層等で覆われていない、打錠等により成形したままの錠剤を指す。以下同じ。)である口腔内崩壊錠である。口腔内崩壊錠は口腔内で迅速に崩壊する錠剤として普通錠と区別して提供されるもので、口腔内崩壊時間が60秒未満のものであり、40秒未満であるものが特に好ましい。本発明の錠剤の形状は特に限定されず、円形錠{円形平錠(隅角錠等含む)、円形R錠(隅角錠、2段R錠等含む)等}や異形錠等のいずれの形状でもよいが、円形錠であることが特に好ましい。尚、本発明の錠剤を打錠により圧縮成形する際の打圧は、400〜800kgfの範囲内にあることが好ましい。
本発明の錠剤は、苦味等の不快な味を有する原薬を含むが、特にシロドシンを含むことが好ましく、また一種類の原薬のみを含む単剤であることが好ましい。本発明の錠剤を製造するために使用されるシロドシンのメディアン径(d50)は20.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは2.0〜10.0μmである。必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。
本明細書におけるシロドシンの粒子径分布は、例えばレーザー回析・散乱法(体積基準)によって測定されたものである。本発明の錠剤において、シロドシンは、素錠の全重量に対して好ましくは0.5〜10.0重量%の範囲で、より好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲で素錠中に含有される。使用可能なシロドシンの結晶形はα、β、γ型、非晶質形態等が挙げられる。錠剤中においてシロドシンは、非腸溶性高分子で周囲が覆われて存在することが好ましい。
本発明の錠剤を製造するために使用可能な添加物としては、一般的に使用されている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味剤、コーティング剤、可塑剤、遮光剤、界面活性剤等を挙げることができる。
具体的な賦形剤としては、乳糖、結晶セルロース、D-マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール、白糖、ショ糖、ブドウ糖、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン等を挙げる事ができ、好ましくはD-マンニトール、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、トウモロコシデンプンから選択される。賦形剤は、素錠の全重量に対して50.0〜95.0重量%、好ましくは70.0〜90.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
具体的な結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポビドン、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、トウモロコシデンプン、ポリエチレングリコール等を挙げる事ができ、好ましくはトウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロースから選択される。結合剤は、素錠の全重量に対して0.01〜5.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲で素錠中に含有される。
具体的な崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、カンテン末等を挙げる事ができ、好ましくはクロスポビドンである。崩壊剤は、素錠の全重量に対して1.0〜40.0重量%、好ましくは2.0〜15.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
具体的な滑沢剤としては、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、硬化油等を挙げる事ができ、好ましくはフマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウムから選択される。滑沢剤は、素錠の全重量に対して0.1〜10.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
具体的な矯味剤としては、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、l−メントール等を挙げる事ができ、好ましくはスクラロース、l−メントールから選択され、最も好ましくはスクラロースである。矯味剤は、素錠の全重量に対して1.0〜5.0重量%の範囲で素錠中に含有されていることが好ましい。
具体的なコーティング剤としては、ヒプロメロース,エチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、タルク等の広範な種類を、下記で具体的な種類が列挙されている非腸溶性高分子に加えて、挙げる事ができる。コーティング剤は、素錠の全重量に対して0.5〜10.0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲で素錠中に含有される。
具体的な可塑剤としては、ゴマ油、ヒマシ油、綿実油・ダイズ油混合物、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、中鎖脂肪酸トリグリセリド、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ステアリン酸等を挙げる事ができ、好ましくはステアリン酸、トリアセチンから選択される。可塑剤は、素錠の全重量に対して0.01〜1.0重量%の範囲で素錠中に含有されていることが好ましい。
具体的な遮光剤としては、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、褐色酸化鉄、三二酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号等を挙げる事ができ、好ましくは黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄から選択される。遮光剤は、素錠の全重量に対して0.01〜1.0重量%の範囲で素錠中に含有されていることが好ましい。
具体的な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、ショ糖脂肪酸エステル、セタノール、ソルビタン脂肪酸エステル、トリオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、マクロゴール400、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール等が挙げられるが、好ましくはラウリル硫酸ナトリウムである。界面活性剤は、素錠の全重量に対して0.01〜1.0重量%の範囲で素錠中に含有される。本発明において界面活性剤は、水溶液に対する非腸溶性高分子の溶解を促進させることを主な目的として用いられる。
本発明の錠剤は、原薬を含む顆粒が非腸溶性高分子を含むコーティング層で被覆されていることを特徴とする被覆顆粒(以下、“本発明に係る被覆顆粒”と呼ぶ。)を含有するものである。其の原薬を含む顆粒は、原薬である核粒子の周囲がコーティング層で被覆されていること乃至は核粒子の周囲が原薬を含むコーティング層で被覆されていることを特徴とする顆粒(以下、“本発明に係る顆粒”と呼ぶ。)であることが好ましいが、より好ましくは核粒子の周囲が原薬を含むコーティング層で被覆されていることを特徴とする顆粒である。
本発明に係る顆粒においては、原薬は核粒子100.0重量部に対して10.0重量部以上、より好ましくは20.0〜50.0重量部、更により好ましくは25.0〜40.0重量部の範囲で含まれる。核粒子は賦形剤又は原薬であり、好ましくは賦形剤であり、特に好ましくは部分アルファー化デンプンである。核粒子のメディアン径(d50)は120.0μm以下、好ましくは20.0〜100.0μm、より好ましくは40.0〜75.0μmである。本発明に係る顆粒は、素錠全重量に対して好ましくは2.0〜14.0重量%、より好ましくは6.0〜10.0重量%の範囲で素錠中に含有される。また本発明に係る顆粒が有するコーティング層においては、コーティング剤を含むことが好ましく、コーティング剤は原薬100.0重量部に対して2.0重量部以上、好ましくは8.0重量部以上の範囲で含有される。本発明に係る顆粒や本発明に係る被覆顆粒は表面の凹凸が少ない方が本発明においてより好ましいものとなる。
本発明に係る被覆顆粒のメディアン径(d50)は150.0μm以下、好ましくは120.0μm以下、より好ましくは50.0〜100.0μmである。更に、本発明に係る被覆顆粒については、累積10%粒子径(d10)が10.0μm以上であって好ましくは20.0μm以上であり、累積90%粒子径(d90)が400.0μm以下であって好ましくは300.0μm以下であることが望ましい。非腸溶性高分子は、素錠全重量に対して好ましくは0.5〜2.0重量%、より好ましくは0.8〜1.2重量%の範囲で素錠中に含有される。本発明に係る被覆顆粒中において、非腸溶性高分子はシロドシン100.0重量部に対して20.0重量部以上、好ましくは30.0〜100.0重量部、より好ましくは40.0〜70.0重量部の範囲内で含まれる。
本発明に係る非腸溶性高分子は、胃溶性高分子又は水不溶性高分子であることが好ましい。
胃溶性高分子とは、胃内環境を想定した酸性のpH値(5.0以下)をもつ水溶液溶媒に対して良好な溶解性を示すことを特徴とする、分子量が10000以上の高分子であることが望ましい。具体的に使用可能な胃溶性高分子としては、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートを挙げる事ができ、好ましくはアミノアルキルメタクリレートコポリマーEである。
水不溶性高分子とは、水溶媒(実質的に水のみからなる)又は水溶液溶媒に対してほぼ乃至は全く溶解しないこと(詳細な定義は、第十七改正日本薬局方に記載される溶解性を示す用語の一つ、“ほとんど溶けない”、の定義を参考として、「溶質1gを溶かすに要する溶媒量が10000mL以上であること」、とする。)を特徴とする、分子量が10000以上の高分子であることが望ましい。具体的に使用可能な水不溶性高分子としては、酢酸セルロース、エチルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体等を挙げる事ができ、好ましくはエチルセルロースである。
本発明に係る被覆顆粒等の造粒物(顆粒)の製造方法の具体的な例として、流動層造粒法、微粒子コーティング法が挙げられる。前記の製造方法の操作法に困難はなく、常法にしたがって容易に目的の被覆顆粒等の造粒物を製造することができる。例えば、流動層造粒機中のシロドシンを含む顆粒(本発明に係る顆粒であることが好ましい。)に非腸溶性高分子を含むコーティング液を噴霧・乾燥してコーティング(被覆)することで、本発明に係る被覆顆粒は得られる。本発明に係る被覆顆粒を製造する上で用いられる本発明に係る顆粒を製造する方法は、シロドシン及びコーティング剤を含有するコーティング液を賦形剤に噴霧する工程を介したものであることが好ましい。本発明の錠剤を製造する工程は、本発明に係る被覆顆粒に(望ましくは賦形剤及び崩壊剤を加えた混合物に)、結合剤(望ましくはデンプン等の多糖類又は其の誘導体)を含む造粒液を噴霧することで更なる造粒物を製造する工程を介することが好ましい。本発明に係る被覆顆粒に賦形剤及び崩壊剤を加えた混合物を含む造粒物は、当該造粒物100.0重量部に対して、当該賦形剤を50.0重量部以上、当該崩壊剤を4.0重量部以上含むものであって、素錠中に含有されることが望ましい。其の造粒物は、口腔内で速やかに砕けることが期待され、本発明の錠剤を服用した際に口腔内でのざらつき感を生じる原因とはならない。
本発明の錠剤は、シロドシンを含む顆粒(本発明に係る被覆顆粒であるものが好ましい。)と、顆粒外の塩基性の無機酸塩を含むことが好ましく、其の製造方法はシロドシンを含む顆粒と顆粒中に含有されていない(顆粒外の)塩基性の無機酸塩を混合して打錠する工程を介するものであることが好ましい。塩基性の無機酸塩は、素錠の全重量に対して0.1重量%以上、好ましくは0.5〜10.0重量%の範囲で素錠中に含有されていることが好ましい。塩基性の無機酸塩として具体的には、炭酸、ケイ酸又は燐酸の金属塩(特にアルカリ土類金属塩が好ましい。)等から選択され、より具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素二カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸等から選択され、より好ましくはケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムから選択され、最も好ましくは炭酸マグネシウムである。
また、包装用シートとアルミ箔等で錠剤を挟んで覆い、加熱シールすることで、本発明の錠剤を含むPTPシート製品を得ることは可能である。其の包装用シートに使用される具体的な素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。尚、湿度に対する本発明の錠剤の安定性を改善するためには、乾燥機能を有した素材を用いてPTPシート製品を製造したり、PTPシート製品をアルミピロー包装したり、乾燥剤を錠剤と共に瓶に封入する等の周知の方法を行うことが可能である。
部分アルファー化デンプン(旭化成社製:PCS PC−10)295.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース10.0gを精製水846.5gに溶解した液にシロドシン(γ型)100.0gを懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得た。
得られた顆粒243.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE38.25g、ラウリル硫酸ナトリウム3.75g、ステアリン酸5.70g、及びタルク13.5gを精製水321.3gに溶解・懸濁したコーティング液を噴霧・乾燥して被覆顆粒を得て、それを30メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した被覆顆粒60.84g、D−マンニトール384.96g、クロスポビドン30.0g及び結晶セルロース81.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、トウモロコシデンプン18.0g、黄色三二酸化鉄0.6g、及び三二酸化鉄0.6gを精製水582.0gに加温懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得て、それを24メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した顆粒192.0g、スクラロース6.0g、l−メントール0.16gをポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウム2.0gを加えて混合して混合物を得た。得られた混合物を卓上型単発式打錠機を用いて直径8.0mmに打圧500kgfで圧縮成型し、1錠質量が200.16mgの下記組成の口腔内崩壊錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
・1次顆粒部
シロドシン(γ型) 4.0
部分α化デンプン 11.8
ヒドロキシプロピルセルロース 0.4
・・被覆顆粒(2次顆粒)部
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE 2.55
ラウリル硫酸ナトリウム 0.25
ステアリン酸 0.38
タルク 0.90
・・・3次顆粒部
D−マンニトール 128.32
クロスポビドン 10.0
結晶セルロース 27.0
トウモロコシデンプン 6.0
黄色三二酸化鉄 0.2
三二酸化鉄 0.2
・外添加部
スクラロース 6.0
l−メントール 0.16
ステアリン酸マグネシウム 2.0
部分アルファー化デンプン(旭化成社製:PCS PC−10)295.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース10.0gを精製水846.5gに溶解した液にシロドシン(γ型)100.0gを懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得た。
得られた顆粒243.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE30.00g、ラウリル硫酸ナトリウム2.94g、ステアリン酸4.47g、及びタルク10.59gを精製水252.0gに溶解・懸濁したコーティング液を噴霧して被覆顆粒を得て、それを30メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した被覆顆粒58.20g、D−マンニトール387.6g、クロスポビドン30.0g及び結晶セルロース81.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、トウモロコシデンプン18.0g、黄色三二酸化鉄0.6g及び三二酸化鉄0.6gを精製水582.0gに加温懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得て、24メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した顆粒192.0g、スクラロース6.0g、l−メントール0.16gをポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウム2.0gを加えて混合して混合物を得た。得られた混合物を卓上型単発式打錠機を用いて直径8.0mmに打圧500kgfで圧縮成型し、1錠質量が200.16mgの下記組成の口腔内崩壊錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
・1次顆粒部
シロドシン(γ型) 4.0
部分α化デンプン 11.8
ヒドロキシプロピルセルロース 0.4
・・被覆顆粒(2次顆粒)部
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE 2.00
ラウリル硫酸ナトリウム 0.196
ステアリン酸 0.298
タルク 0.706
・・・3次顆粒部
D−マンニトール 129.2
クロスポビドン 10.0
結晶セルロース 27.0
トウモロコシデンプン 6.0
黄色三二酸化鉄 0.2
三二酸化鉄 0.2
・外添加部
スクラロース 6.0
l−メントール 0.16
ステアリン酸マグネシウム 2.0
部分アルファー化デンプン(旭化成社製:PCS PC−10)295.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース10.0gを精製水846.5gに溶解した液にシロドシン(γ型)100.0gを懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得た。
得られた顆粒243.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE18.00g、ラウリル硫酸ナトリウム1.80g、ステアリン酸2.70g、及びタルク6.0gを精製水219.0gに溶解・懸濁したコーティング液を噴霧して被覆顆粒を得て、それを30メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した被覆顆粒54.30g、D−マンニトール391.50g、クロスポビドン30.0g及び結晶セルロース81.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、トウモロコシデンプン18.0g、黄色三二酸化鉄0.6g及び三二酸化鉄0.6gを精製水582.0gに加温懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得て、24メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した顆粒192.0g、スクラロース6.0g、l−メントール0.16gをポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウム2.0gを加えて混合して混合物を得た。得られた混合物を卓上型単発式打錠機を用いて直径8.0mmに打圧500kgfで圧縮成型し、1錠質量が200.16mgの下記組成の口腔内崩壊錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
・1次顆粒部
シロドシン(γ型) 4.0
部分α化デンプン 11.8
ヒドロキシプロピルセルロース 0.4
・・被覆顆粒(2次顆粒)部
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE 1.20
ラウリル硫酸ナトリウム 0.12
ステアリン酸 0.18
タルク 0.40
・・・3次顆粒部
D−マンニトール 130.5
クロスポビドン 10.0
結晶セルロース 27.0
トウモロコシデンプン 6.0
黄色三二酸化鉄 0.2
三二酸化鉄 0.2
・外添加部
スクラロース 6.0
l−メントール 0.16
ステアリン酸マグネシウム 2.0
部分アルファー化デンプン(旭化成社製:PCS PC−10)295.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース10.0gを精製水846.5gに溶解した液にシロドシン(γ型)100.0gを懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得た。
得られた顆粒243.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、エチルセルロース水分散液(固形分:30%)127.50g、トリアセチン10.5g、及びD−マンニトール10.5gを精製水237.0gに溶解・懸濁したコーティング液を噴霧して被覆顆粒を得て、それを30メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した被覆顆粒60.45g、D−マンニトール385.35g、クロスポビドン30.0g及び結晶セルロース81.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入し、トウモロコシデンプン18.0g、黄色三二酸化鉄0.6g及び三二酸化鉄0.6gを精製水582.0gに加温懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得て、24メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した顆粒192.0g、スクラロース6.0g、l−メントール0.16gをポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウム2.0gを加えて混合して混合物を得た。得られた混合物を卓上型単発式打錠機を用いて直径8.0mmに打圧500kgfで圧縮成型し、1錠質量が200.16mgの下記組成の口腔内崩壊錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
・1次顆粒部
シロドシン(γ型) 4.0
部分α化デンプン 11.8
ヒドロキシプロピルセルロース 0.4
・・被覆顆粒(2次顆粒)部
エチルセルロース 2.55
トリアセチン 0.7
D−マンニトール 0.7
・・・3次顆粒部
D−マンニトール 128.45
クロスポビドン 10.0
結晶セルロース 27.0
トウモロコシデンプン 6.0
黄色三二酸化鉄 0.2
三二酸化鉄 0.2
・外添加部
スクラロース 6.0
l−メントール 0.16
ステアリン酸マグネシウム 2.0
部分アルファー化デンプン(旭化成社製:PCS PC−10)354.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース12.0gを精製水845.0gに溶解した液にシロドシン(β型)120.0gを懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得た。
続いて、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE60.00g、ラウリル硫酸ナトリウム6.0g、ステアリン酸9.0g、及びタルク21.0gを精製水504.0gに溶解・懸濁したコーティング液を噴霧・乾燥して被覆顆粒を得て、それを30メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した被覆顆粒582.0g、D−マンニトール4148.4g、クロスポビドン300.0g及び結晶セルロース810.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:GPCG‐5型)に投入し、トウモロコシデンプン180.0g、黄色三二酸化鉄6.0g、及び三二酸化鉄4.5gを精製水2400.0gに加温懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得て、それを24メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した顆粒6030.9g、スクラロース180.0g、l−メントール4.8g及び結晶セルロース9.6gをポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウム90.0gを加えて混合して混合物を得た。得られた混合物をロータリー打錠機を用いて直径8.0mmに打圧600kgfで圧縮成型し、1錠質量が210.51mgの下記組成の口腔内崩壊錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
・1次顆粒部
シロドシン(β型) 4.0
部分α化デンプン 11.8
ヒドロキシプロピルセルロース 0.4
・・被覆顆粒(2次顆粒)部
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE 2.00
ラウリル硫酸ナトリウム 0.20
ステアリン酸 0.30
タルク 0.70
・・・3次顆粒部
D−マンニトール 138.28
クロスポビドン 10.0
結晶セルロース 27.0
トウモロコシデンプン 6.0
黄色三二酸化鉄 0.2
三二酸化鉄 0.15
・外添加部
スクラロース 6.0
l−メントール 0.16
結晶セルロース 0.32
ステアリン酸マグネシウム 3.0
部分アルファー化デンプン(旭化成社製:PCS PC−10)354.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:MP−01−SPC型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース12.0gを精製水845.0gに溶解した液にシロドシン(β型)120.0gを懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得た。
続いて、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE60.00g、ラウリル硫酸ナトリウム6.0g、ステアリン酸9.0g、及びタルク21.0gを精製水504.0gに溶解・懸濁したコーティング液を噴霧・乾燥して被覆顆粒を得て、それを30メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した被覆顆粒582.0g、D−マンニトール3848.0g、クロスポビドン300.0g及び結晶セルロース810.0gを噴流流動層造粒機(パウレック社製:GPCG‐5型)に投入し、トウモロコシデンプン180.0g、黄色三二酸化鉄6.0g、及び三二酸化鉄4.5gを精製水2400.0gに加温懸濁した液を噴霧・乾燥して顆粒を得て、それを24メッシュの篩にて篩過して整粒した。
整粒した顆粒5730.9g、炭酸マグネシウム300.0g、スクラロース180.0g、l−メントール4.8g及び結晶セルロース9.6gをポリエチレン製の袋にて混合した後、更にステアリン酸マグネシウム90.0gを加えて混合して混合物を得た。得られた混合物をロータリー打錠機を用いて直径8.0mmに打圧600kgfで圧縮成型し、1錠質量が210.51mgの下記組成の口腔内崩壊錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
・核顆粒(1次顆粒)部
シロドシン(β型) 4.0
部分α化デンプン 11.8
ヒドロキシプロピルセルロース 0.4
・・被覆顆粒(2次顆粒)部
アミノアルキルメタクリレートコポリマーE 2.00
ラウリル硫酸ナトリウム 0.20
ステアリン酸 0.30
タルク 0.70
・・・3次顆粒部
D−マンニトール 128.28
クロスポビドン 10.0
結晶セルロース 27.0
トウモロコシデンプン 6.0
黄色三二酸化鉄 0.2
三二酸化鉄 0.15
・外添加部
スクラロース 6.0
炭酸マグネシウム 10.0
l−メントール 0.16
結晶セルロース 0.32
ステアリン酸マグネシウム 3.0
[試験例1]
成人男性である被験者3名其々に、実施例1〜4に記載の口腔内崩壊錠の其々について、口腔内に1錠のみ含んでもらって舌を軽く動かしながら口腔内で崩壊させることを行ってもらった。その際に口腔内で感じた、各口腔内崩壊錠のざらつき感と苦味について上記の各被験者に評価してもらい、其の評価結果の概要を下記の表1に示した。各被験者による前記評価は、ざらつき感については、有:ざらつき感が目立って感じられる、無:ざらつき感が目立って感じられない、のいずれかの項目から、苦味については、0:苦くない、1:少し苦い、2:苦い、3:非常に苦い、のいずれかの数値項目から最も適当なものを被験者に選択してもらうことで行った。
[表1]
Figure 2018145206
ざらつき感:各実施例において、被験者全員に共通してざらつき感が目立って感じられないとの評価がされた。
苦味:各実施例において、被験者全員の苦味の評価(数値)を基に算出した平均の数値を表1に示した。
表1において、実施例1〜4の口腔内崩壊錠は、いずれもざらつき感を目立って感じることがなく、苦味においても服用に問題ない程度まで顕著に低減されたものであることが示された。すなわち、シロドシンを含む顆粒(本発明に係る顆粒であることが好ましい。)を低量の非腸溶性高分子で被覆することで、其の粒子径を低く保ってざらつき感をほぼ乃至は全く感じない程度まで低減することが可能であって、更に苦味も、シロドシンが極めて強い苦味を有するにも関わらず、驚くべき程度まで低減することが可能であることが示唆された。よって本発明により得られる、シロドシンを含有する口腔内崩壊錠はざらつき感や苦味が共に顕著に低減され、服用感が改善された優れた製剤であることが示された。
[試験例2]
実施例5、6の錠剤並びに比較対象として適当な市販錠剤を、保存開始時及び、温度60℃の密封条件下又は温度60℃相対湿度75%の開放条件下で7日間保存した後に、原薬由来の総類縁体の生成量を測定した。其の測定は高速液体クロマトグラフィー法(定量方法は面積百分率法を使用した。)によって行った。上記の測定結果は下記の表2に示す。
[表2]
Figure 2018145206
表2において、実施例5、6の口腔内崩壊錠はいずれも、比較対象として適当な市販錠剤と比べて、化学的な安定性がより有意に優れていることが示された。また開放条件下で保存した場合においては、炭酸マグネシウムを含む実施例6は炭酸マグネシウムを含まない実施例5に比べて化学的な安定性が有意に優れていることが示された。よって本発明により得られる、シロドシンを含有する口腔内崩壊錠は化学的な安定性が顕著に改善された製剤であることが示された。
[参考例1]
シロドシン120.0g、D−マンニトール4860.0g及び部分α化デンプン600.0gを流動層造粒機(パウレック社製:GPCG−5型)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース240.0gを精製水2160gに溶解した液を噴霧、造粒して、シロドシンを含有する造粒物を得た。得られた造粒物を乾燥し、24メッシュの篩にて篩過して整粒品を得た。得られた整粒品5820gにタルク60.0g及びステアリン酸マグネシウム60.0gを加え、混合した。次いで、この混合物をロータリー式打錠機(菊水製作所製:VIRGO型)を用いて長径11mm、短径6mmに圧縮成型し、1錠質量が198.0mgの素錠を得た。
得られた錠剤をコーティング機(パウレック社製:PRC−15型)に投入し、これに予めヒプロメロース102.0g、酸化チタン48.0g及びタルク30.0gを精製水2.70kgに加え、均一分散させた液を噴霧・乾燥し、1錠質量204.0mgになるまでコーティングして1層フィルムコーティング錠を得た。得られた其の1層コーティング錠に、予めヒプロメロース84.0g、酸化チタン9.00g及びタルク27.0gを精製水1.80kgに加え、均一分散させた液を噴霧・乾燥し、1錠質量208.0mgになるまでコーティングして下記の2層フィルムコーティング錠(普通錠)を得た。得られた2層フィルムコーティング錠はレーザー印字に適しており、良好な品質を有するものである。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
・素錠
シロドシン 4.0
D−マンニトール 162.0
部分α化デンプン 20.0
ヒドロキシプロピルセルロース 8.0
タルク 2.0
ステアリン酸マグネシウム 2.0
・フィルムコーティング層1
ヒプロメロース 3.4
酸化チタン 1.6
タルク 1.0
・フィルムコーティング層2
ヒプロメロース 2.8
酸化チタン 0.3
タルク 0.9
上記の製造方法で示された様に普通錠を製造する場合においては、本発明を用いずとも良好な品質の製剤を製造することが充分に可能である。但し普通錠(特にフィルムコーティング錠)は、口腔内崩壊錠のような口腔内での迅速な崩壊性をもたないため、嚥下を困難とする患者には望まれない可能性がある。本発明は医療現場に必要とされる口腔内崩壊錠を製造する上で特に必要とされるものである。
本発明によれば、原薬の化学的な安定性や苦味等の服用感が顕著に改善された効果を有する口腔内崩壊錠が得られ、医療現場に高品質な錠剤を提供することが可能となる。


Claims (13)

  1. 核粒子の周囲がコーティング層で被覆されていることを特徴とする原薬を含む顆粒が、非腸溶性高分子を含むコーティング層で更に被覆されていることを特徴とする被覆顆粒、を含有する口腔内崩壊錠。
  2. 原薬がシロドシンである、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。
  3. 素錠全重量に対して2.0〜14.0重量%の、原薬を含む顆粒が、素錠全重量に対して0.5〜2.0重量%の非腸溶性高分子で被覆されていることを特徴とする被覆顆粒を含有する、請求項1又は2に記載の口腔内崩壊錠。
  4. 核粒子100.0重量部に対して原薬が20.0〜50.0重量部含まれた顆粒を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
  5. 素錠全重量に対して2.0〜14.0重量%の、原薬であるシロドシンを含む顆粒が、素錠全重量に対して0.5〜2.0重量%の非腸溶性高分子で被覆されていることを特徴とする被覆顆粒、を含有する口腔内崩壊錠。
  6. 非腸溶性高分子が胃溶性高分子又は水不溶性高分子である、請求項1〜5のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
  7. 非腸溶性高分子が胃溶性高分子であり、胃溶性高分子がアミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ジエチルアミノエチル共重合体、及びポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートから選ばれる、請求項1〜5のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
  8. 非腸溶性高分子が水不溶性高分子であり、水不溶性高分子がエチルセルロース、酢酸セルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、及び酢酸ビニル樹脂から選ばれる、請求項1〜5のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
  9. 原薬であるシロドシンが含まれる被覆顆粒と、顆粒外の塩基性の無機酸塩を含有する請求項2〜8のいずれかに口腔内崩壊錠。
  10. 塩基性の無機酸塩が炭酸、ケイ酸又は燐酸の金属塩である、請求項9に記載の口腔内崩壊錠。
  11. 塩基性の無機酸塩が炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム又は炭酸アンモニウムである、請求項9に記載の口腔内崩壊錠。
  12. 原薬及び結合剤を含有するコーティング液を賦形剤に噴霧することで原薬を含む顆粒を製造する工程を介する、請求項1〜11のいずれかに記載の口腔内崩壊錠、を製造する方法。
  13. デンプン又はデンプン誘導体を含有する造粒液を、非腸溶性高分子で被覆された被覆顆粒に噴霧して更なる顆粒を製造する工程を介する、請求項1〜12のいずれかに記載の口腔内崩壊錠を製造する方法。
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