JP2018145016A - ガラス板 - Google Patents

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Naoya Wada
直哉 和田
尚明 宮本
Naoaki Miyamoto
尚明 宮本
正文 伊藤
Masabumi Ito
正文 伊藤
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Abstract

【課題】光源の光量を有効利用することができるガラス板を提供する。【解決手段】本実施形態のガラス板12は、光出射面26及び光反射面32を有し、光出射面26及び光反射面32に対して垂直な入光端面28を有する。また、光出射面26と入光端面28とに隣接して入光側面取り面40が備えられ、かつ光反射面32と入光端面28とに隣接して入光側面取り面40が備えられている。そして、入光側面取り面40と光出射面26とが交差する点を第1交差点P1とし、入光側面取り面40と入光端面28とが交差する点を第2交差点P2としたときに、P1とP2とを結ぶ線分Lの、入光端面28に対する傾き角度θが、0.01≦tanθ≦0.75を満たす。【選択図】 図4

Description

本発明は、ガラス板に関する。
液晶テレビ、デジタルサイネージ等に代表される液晶表示装置は、バックライトを構成する面状発光装置と、面状発光装置の光出射面に対向して配置される液晶パネルとを備える。面状発光装置は直下型とエッジライト型とがあるが、光源の小型化を図ることができるエッジライト型が多用されている。エッジライト型の面状発光装置は、光源、導光板、反射シート、及び各種光学シート(拡散シート・輝度向上シート等)等を有している。内部透過率が高く、剛性も高く、かつ耐熱性にも優れたガラス板を、面状発光装置の導光板として用いることが特許文献1、2に開示されている。
ガラス板は、導光板として用いられるアクリル板よりも剛性が高く、耐熱性にも優れるが、ガラス板を切断したままの状態にしておくと、エッジが鋭利で危険な上に、ガラス板の強度低下につながるおそれがある。このため、エッジを面取りする面取り加工が行われる。これにより、ガラス板のエッジには、ガラス板の主平面及び端面に対して傾斜した面取り面が備えられる。面取り面の形状は、特許文献3に開示の如く、ガラス板の主平面及び端面に対し垂直な断面において、主平面及び端面に対する傾き角度が45°である形状のものが一般的である。
特開2013−093195号公報 特開2013−030279号公報 再表2013/31548号公報
本発明は、例えば光源の光量を有効利用することができる面状発光装置に導光板として用いることができるガラス板を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、主平面と主平面に対して垂直な端面とを有し、かつ主平面と端面との間で、主平面及び端面に隣接して面取り面が備えられたガラス板であって、主平面及び端面に対して垂直な断面において、面取り面と主平面とが交差する第1交差点と、面取り面と端面とが交差する第2交差点と、を結ぶ線分の端面に対する傾き角度θが、0.01≦tanθ≦0.75を満たす、ガラス板を提供する。
本発明のガラス板によれば、例えば面状発光装置の導光板として用いた場合に光源の光量を有効利用することができる。
液晶表示装置の概略構成を示した液晶表示装置の側面図 ガラス板の平面図 ガラス板の全体斜視図 ガラス板の断面拡大図(一部を省略した。) 実施形態であるガラス板の製造方法の工程図 ガラス板のガラス素材の平面図 ガラス素材が切り出されたガラス基材の平面図 入光側面取り面の断面形状が円弧状のガラス板の要部拡大断面図 厚さが1.7mmのガラス板において、tanθに対する非導波光の割合を示したプロットした図 図9の非導波光の割合をシミュレーションによって算出するための必要なデータを示した表 厚さが2.5mmのガラス板において、tanθに対する非導波光の割合を示したプロットした図 図11の非導波光の割合をシミュレーションによって算出するための必要なデータを示した表
次に、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。
なお、図面中の記載において、同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する符号を付すことにより、重複する説明を省略する。また、図面は、特に指定しない限り、部材又は部品間の相対比を示すことを目的としない。よって、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
〔液晶表示装置10〕
図1は、液晶表示装置10の概略構成を示した液晶表示装置10の側面図である。図2は、液晶表示装置10に組み込まれた実施形態のガラス板12の平面図である。
図1の如く、液晶表示装置10は、ガラス板12を有する面状発光装置14と、液晶パネル16とを備えて構成される。液晶表示装置10は、例えば液晶テレビ、デジタルサイネージ等の薄型化が図られた電子機器に搭載される。
〈液晶パネル16〉
液晶パネル16は、厚さ方向の中央に配設される液晶層を挟むように配向層、透明電極、ガラス基板及び偏光フィルターが積層されて構成される。また、液晶層の片面には、カラーフィルターが配設されている。液晶層の分子は、透明電極に駆動電圧を印加することにより配光軸周りに回転し、これにより所定の表示を行う。
〈面状発光装置14〉
面状発光装置14としては、薄型化を図るためエッジライト型が採用されている。面状発光装置14は、光源18、ガラス板12、反射シート20、各種光学シート22(拡散シート・輝度向上シート等)、及び反射ドット24A〜24Cを有している。
光源18からガラス板12の内部に入射した光は、図1の矢印で示すように、ガラス板12の光出射面26の内面、及び光反射面32の内面にて繰り返し全反射されながら進行する。また、反射ドット24A〜24C及び反射シート20によって進行方向を変えた光が、ガラス板12の液晶パネル16と対向した光出射面26から外部に出射される。外部に出射された光は、各種光学シート(拡散シート・輝度向上シート等で構成され、単一であっても複数であってもよい。)22によって拡散された後、液晶パネル16に入射する。
光源18は、特に限定されるものではないが、LED(Light Emitting Diode)、熱陰極管、又は冷陰極管を用いることができる。光源18は、ガラス板12の入光端面28と対向する位置に配置される。
また、光源18の背面側にリフレクタ30が設けられることによって、光源18から放射状に発射される光のガラス板12への入射効率が高められている。
反射シート20は、アクリル樹脂等の樹脂シートの表面に光反射部材を被膜することにより構成される。反射シート20は、ガラス板12の光反射面32に対向するように配設される。加えて、反射シート20は、非入光端面34、36、38(図2参照)に配設されてもよい。反射シート20は、いずれも、ガラス板12から空間を空けて配設されてもよいし、ガラス板12に粘着剤によって貼合されてもよい。光反射面32とは、ガラス板12の光出射面26に対向する主平面である。また、入光端面28とは、光源18と対向するガラス板12の端面である。非入光端面34、36、38とは、入光端面28を除くガラス板12の端面である。
なお、反射シート20を非入光端面に配設する場合は、非入光端面34、36、38のうち、少なくとも入光端面28に対向する非入光端面38に配設されればよい。これにより、入光端面28から入射した光は、ガラス板12の内部で繰り返し全反射されながら光源から離れる方向へ(図1及び図2における右方向に向けて)進行し、非入光端面38に到達した際に、反射シート20によってガラス板12の内部に再度反射される。また、反射シート20を非入光端面34、36にも配設した場合には、ガラス板12の内部で散乱した光を、非入光端面34、36に到達した際に、反射シート20によってガラス板12の内部に再度反射させることができる。これにより、光源18の光量を有効利用することができる。
反射シート20を構成する樹脂シートの材質として、アクリル樹脂を例示するが、これに限定されず、例えば、PET樹脂等のポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、及びそれらを組み合わせてなる材料等を用いることができる。
反射シート20を構成する光反射部材としては、例えば、樹脂に気泡や粒子を内包させた膜や、金属蒸着膜等を用いることができる。
反射シート20には粘着層が設けられ、ガラス板12に貼合されてもよい。反射シート20に設けられる粘着層としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム等を用いることができる。
反射シート20の厚さは特に限定されないが、例えば0.01〜0.50mmのものを用いることができる。
各種光学シート22には、乳白色のアクリル樹脂製フィルム等を用いることができる。各種光学シート22は、ガラス板12の光出射面26から出射した光を拡散するため、液晶パネル16の背面側には輝度ムラのない均一な光が照射される。なお、各種光学シート22は、ガラス板12に当接しないよう所定位置に対向して配設される。
〈ガラス板12の物性〉
ガラス板12は、透明度の高いガラスによって構成されている。実施形態では、ガラス板12として用いられるガラスの材料として、多成分系の酸化物ガラスが用いられている。
具体的には、ガラス板12として、50mm長での、波長400〜700nmにおける平均内部透過率が90%以上であるガラスを用いることが好ましい。これにより、ガラス板12に入射した光の減衰を極力抑えることができる。50mm長での透過率は、ガラス板12を主平面に垂直な方向で割断することにより、当該ガラス板の中心部分から、縦50mm×横50mmの寸法で採取され、相互に対向する第1および第2の割断面が、算術平均粗さRa≦0.03μmとなるようにされたサンプルAにおいて、前記第1の割断面から法線方向の50mm長で、50mm長での測定が可能な分光測定装置(たとえば、UH4150:日立ハイテクノロジーズ社製)によって、スリット等で入射光のビーム幅を板厚よりも狭くしたうえで、測定する。このようにして得られた50mm長での透過率から、表面での反射による損失を除去することにより、50mm長での内部透過率が得られる。50mm長での、波長400〜700nmにおける平均内部透過率は、92%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、98%以上が更に好ましく、99%以上が特に好ましい。
ガラス板12として用いられるガラスの鉄の含有量の総量Aは、100質量ppm以下であることが、上述した50mm長での波長400〜700nmにおける平均内部透過率を満たすうえで好ましく、40質量ppm以下であることがより好ましく、20質量ppm以下であることがさらに好ましい。一方、ガラス板12として用いられるガラスの鉄の含有量の総量Aは、5質量ppm以上であることが、多成分系の酸化物ガラス製造時において、ガラスの熔解性を向上させるうえで好ましく、8質量ppm以上であることがより好ましく、10質量ppm以上であることがさらに好ましい。なお、ガラス板12として用いられるガラスの鉄の含有量の総量Aは、ガラス製造時に添加する鉄の量により調節できる。
本明細書においては、ガラスの鉄の含有量の総量Aを、Feの含有量として表しているが、ガラス中に存在する鉄がすべてFe3+(3価の鉄)として存在しているわけではない。通常、ガラス中にはFe3+とFe2+(2価の鉄)が同時に存在している。Fe2+およびFe3+は、波長400〜700nmの範囲に吸収が存在するが、Fe2+の吸収係数(11cm−1 Mol−1)はFe3+の吸収係数(0.96cm−1 Mol−1)よりも1桁大きいため、波長400〜700nmにおける内部透過率をより低下させる。そのため、Fe2+の含有量が少ないことが、波長400〜700nmにおける内部透過率を高めるうえで好ましい。
ガラス板12として用いられるガラスのFe2+の含有量Bは、20質量ppm以下であることが、有効光路長で上述した可視光域の平均内部透過率を満たすうえで好ましく、10質量ppm以下であることがより好ましく、5質量ppm以下であることがさらに好ましい。一方、ガラス板12として用いられるガラスのFe2+の含有量Bは、0.01質量ppm以上であることが、多成分系の酸化物ガラス製造時において、ガラスの熔解性を向上させるうえで好ましく、0.05質量ppm以上であることがより好ましく、0.1質量ppm以上であることがさらに好ましい。
なお、ガラス板12として用いられるガラスのFe2+の含有量は、ガラス製造時に添加する酸化剤の量、または溶解温度等により調節できる。ガラス製造時に添加する酸化剤の具体的な種類とそれらの添加量については後述する。Feの含有量Aは、蛍光X線測定によって求めた、Feに換算した全鉄の含有量(質量ppm)である。Fe2+の含有量BはASTM C169−92に準じて測定した。なお、測定したFe2+の含有量はFeに換算して表記した。
ガラス板12として用いられるガラスの組成の具体例を以下に示す。但し、ガラス板12として用いられるガラスの組成はこれらに限定されない。
ガラス板12として用いられるガラスの一構成例(構成例A)は、酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを60〜80%、Alを0〜7%、MgOを0〜10%、CaOを0〜20%、SrOを0〜15%、BaOを0〜15%、NaOを3〜20%、KOを0〜10%、Feを5〜100質量ppm含む。
ガラス板12として用いられるガラスの別の一構成例(構成例B)は、酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを45〜80%、Alを7%超30%以下、Bを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜6%、SrOを0〜5%、BaOを0〜5%、NaOを7〜20%、KOを0〜10%、ZrOを0〜10%、Feを5〜100質量ppm含む。
ガラス板12として用いられるガラスのさらに別の一構成例(構成例C)は、酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを45〜70%、Alを10〜30%、Bを0〜15%、MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で5〜30%、LiO、NaOおよびKOを合計で0%以上、3%未満、Feを5〜100質量ppm含む。
しかしながら、ガラス板12として用いられるガラスはこれらに限定されるものではない。
上記した成分を有する本実施形態のガラス板12のガラスの組成の各成分の組成範囲について、以下に説明する。なお、各組成の含有量の単位はいずれも酸化物基準の質量百分率表示または質量ppm表示であり、それぞれ単に「%」「ppm」と表す。
SiOは、ガラスの主成分である。
SiOの含有量は、ガラスの耐候性、失透特性を保つため、構成例Aにおいては、好ましくは60%以上、より好ましくは63%以上であり、構成例Bにおいては、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上であり、構成例Cにおいては、好ましくは45
%以上、より好ましくは50%以上である。
一方、SiOの含有量は、溶解を容易にし、泡品質を良好なものとするために、またガラス中の二価鉄(Fe2+)の含有量を低く抑え、光学特性を良好なものとするため、構成例Aにおいては、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下であり、構成例Bにおいては、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、構成例Cにお
いては、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下である。
Alは、構成例B及びCにおいてはガラスの耐候性を向上させる必須成分である。本実施形態のガラスにおいて実用上必要な耐候性を維持するためには、Alの含有量は、構成例Aにおいては、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上であり、構成例Bにおいては、好ましくは7%超、より好ましくは10%以上であり、構成例Cにお
いては、好ましくは10%以上、より好ましくは13%以上である。
但し、二価鉄(Fe2+)の含有量を低く抑え、光学特性を良好なものとし、泡品質を良好なものとするため、Alの含有量は、構成例Aにおいては、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下であり、構成例Bにおいては、好ましくは30%以下、より好ましくは23%以下であり、構成例Cにおいては、好ましくは30%以下、より好まし
くは20%以下である。
は、ガラス原料の溶融を促進し、機械的特性や耐候性を向上させる成分であるが、揮発による脈理(ream)の生成、炉壁の侵食等の不都合が生じないために、Bの含有量は、ガラスAにおいては、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下であり、構成例B及びCにおいては、好ましくは15%以下、より好ましくは、12%以下である。
LiO、NaO、及び、KOといったアルカリ金属酸化物は、ガラス原料の溶融を促進し、熱膨張、粘性等を調整するのに有用な成分である。
そのため、NaOの含有量は、構成例Aにおいては、好ましくは3%以上、より好ましくは、8%以上である。NaOの含有量は、構成例Bにおいては、好ましくは7%以上、より好ましくは、10%以上である。但し、溶解時の清澄性を保持し、製造されるガラスの泡品質を保つために、NaOの含有量は、構成例A及びBにおいては、20%以下とするのが好ましく、15%以下とするのがさらに好ましく、構成例Cにおいては、3
%以下とするのが好ましく、1%以下とするのがより好ましい。
また、KOの含有量は、構成例A及びBにおいては、好ましくは10%以下、より好ましくは、7%以下であり、構成例Cにおいては、好ましくは2%以下、より好ましくは
、1%以下である。
また、LiOは、任意成分であるが、ガラス化を容易にし、原料に由来する不純物として含まれる鉄含有量を低く抑え、バッチコストを低く抑えるために、構成例A、B及びCにおいて、LiOを2%以下含有させることができる。
また、これらアルカリ金属酸化物の合計含有量(LiO+NaO+KO)は、溶解時の清澄性を保持し、製造されるガラスの泡品質を保つために、構成例A及びBにおいては、好ましくは5%〜20%、より好ましくは8%〜15%であり、構成例Cにおいて
は、好ましくは0%〜2%、より好ましくは、0%〜1%である。
MgO、CaO、SrO、及びBaOといったアルカリ土類金属酸化物は、ガラス原料の溶融を促進し、熱膨張、粘性等を調整するのに有用な成分である。
MgOは、ガラス溶解時の粘性を下げ、溶解を促進する作用がある。また、比重を低減させ、ガラス板に疵をつきにくくする作用があるために、構成例A、B及びCにおいて、含有させることができる。また、ガラスの熱膨張係数を低く、失透特性を良好なものとするために、MgOの含有量は、構成例Aにおいては、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下であり、構成例Bにおいては、好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下であり、構成例Cにおいては、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下で
ある。
CaOは、ガラス原料の溶融を促進し、また粘性、熱膨張等を調整する成分であるので、構成例A、B及びCにおいて含有させることができる。上記の作用を得るためには、構成例Aにおいては、CaOの含有量は、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上である。また、失透を良好にするためには、構成例Aにおいては、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下であり、構成例Bにおいては、好ましくは6%以下であり、より好ましくは4%以下である。
SrOは、熱膨張係数の増大及びガラスの高温粘度を下げる効果がある。かかる効果を得るために、構成例A、B及びCにおいて、SrOを含有させることができる。但し、ガラスの熱膨張係数を低く抑えるため、SrOの含有量は、構成例A及びCにおいては、15%以下とするのが好ましく、10%以下とするのがより好ましく、構成例Bにおいては、5%以下とするのが好ましく、3%以下とするのがより好ましい。
BaOは、SrO同様に熱膨張係数の増大及びガラスの高温粘度を下げる効果がある。上記の効果を得るためにBaOを含有させることができる。但し、ガラスの熱膨張係数を低く抑えるため、構成例A及びCにおいては、15%以下とするのが好ましく、10%以下とするのがより好ましく、構成例Bにおいては、5%以下とするのが好ましく、3%以下とするのがより好ましい。
また、これらアルカリ土類金属酸化物の合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO)は、熱膨張係数を低く抑え、失透特性を良好なものとし、強度を維持するために、構成例Aにおいては、好ましくは10%〜30%、より好ましくは13%〜27%であり、構成例Bにおいては、好ましくは1%〜15%、より好ましくは3%〜10%であり、構成例Cにおいては、好ましくは5%〜30%、より好ましくは10%〜20%である。
本実施形態のガラス板12のガラスのガラス組成においては、ガラスの耐熱性及び表面硬度の向上のために、任意成分としてZrOを、構成例A、B及びCにおいて、10%以下、好ましくは5%以下含有させてもよい。10%以下とすることでガラスが失透しにくくなる。
本実施形態のガラス板12のガラスのガラス組成においては、ガラスの熔解性向上のため、Feを、構成例A、B及びCにおいて、5〜100ppm含有させてもよい。なお、Fe量の好ましい範囲は上述のとおりである。
また、本実施形態のガラス板12のガラスは、清澄剤としてSOを含有してもよい。この場合、SO含有量は、質量百分率表示で0%超、0.5%以下が好ましい。0.4%以下がより好ましく、0.3%以下がさらに好ましく、0.25%以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態のガラス板12のガラスは、酸化剤及び清澄剤としてSb、SnO及びAsのうちの一つ以上を含有してもよい。この場合、Sb、SnOまたはAsの含有量は、質量百分率表示で0〜0.5%が好ましい。0.2%以下がより好ましく、0.1%以下がさらに好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
ただし、Sb、SnO及びAsは、ガラスの酸化剤として作用するため、ガラスのFe2+の量を調節する目的により上記範囲内で添加してもよい。ただし、環境面からはAsを実質的に含有しないことが好ましい。
また、本実施形態のガラス板12のガラスは、NiOを含有してもよい。NiOを含有する場合、NiOは、着色成分としても機能するので、NiOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、10ppm以下とするのが好ましい。特に、NiOは、波長400〜700nmにおけるガラス板の内部透過率を低下させないという観点から、1.0ppm以下とするのが好ましく、0.5ppm以下とすることがより好ましい。
本実施形態のガラス板12のガラスは、Crを含有してもよい。Crを含有する場合、Crは、着色成分としても機能するので、Crの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、10ppm以下とするのが好ましい。特に、Crは、波長400〜700nmにおけるガラス板の内部透過率を低下させないという観点から、1.0ppm以下とするのが好ましく、0.5ppm以下とすることがより好ましい。
本実施形態のガラス板12のガラスは、MnOを含有してもよい。MnOを含有する場合、MnOは、可視光を吸収する成分としても機能するので、MnOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、50ppm以下とするのが好ましい。特に、MnOは、波長400〜700nmにおけるガラス板の内部透過率を低下させないという観点から、10ppm以下とするのが好ましい。
本実施形態のガラス板12のガラスは、TiOを含んでいてもよい。TiOを含有する場合、TiOは、可視光を吸収する成分としても機能するので、TiOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、1000ppm以下とするのが好ましい。TiOは、波長400〜700nmにおけるガラス板の内部透過率を低下させないという観点から、含有量を500ppm以下とすることがより好ましく、100ppm以下とすることが特に好ましい。
本実施形態のガラス板12のガラスは、CeOを含んでいてもよい。CeOには鉄のレドックスを下げる効果があり、全鉄量に対するFe2+量の比率を小さくすることができる。一方で、鉄のレドックスを3%未満に下がることを抑制するためにも、CeOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、1000ppm以下とするのが好ましい。また、CeOの含有量は、500ppm以下とするのがより好ましく、400ppm以下とするのがさらに好ましく、300ppm以下とするのが特に好ましく、250ppm以下とするのが最も好ましい。
本実施形態のガラス板12のガラスは、CoO、V及びCuOからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含んでいてもよい。これらの成分を含有する場合、可視光を吸収する成分としても機能するので、前記成分の含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、10ppm以下とするのが好ましい。特に、これら成分は、波長400〜700nmにおけるガラス板の内部透過率を低下させないように、実質的に含有しないことが好ましい。
〈ガラス板12の形状〉
図3は、ガラス板12の全体斜視図であり、図4は、ガラス板12の断面拡大図である。なお、図4では、主平面と入光端面28に対して垂直な断面の一部を、拡大して表示している。
平面視矩形状のガラス板12は、光出射面26、光反射面32、入光端面28、非入光端面34、36、38、入光側面取り面40、及び非入光側面取り面42を有している。
ここで、光出射面26及び光反射面32が本実施形態の主平面に相当し、入光端面28が本実施形態の端面に相当する。また、入光側面取り面40が本実施形態の面取り面に相当する。
光出射面26は、液晶パネル16と対向する面である。実施形態では、光出射面26を平面視において矩形状としたが、光出射面26の形状はこれに限定されるものではない。また、光出射面26の大きさは、液晶パネル16に対応して決定されるため、特に限定されるものではないが、導光板としてガラス板12を使用する場合には、例えば、500mm×500mm以上のサイズが好適である。ガラス板12は高い剛性を有するため、サイズが大きいほどその効果を発揮する。
光反射面32は、光出射面26と対向する面である。光反射面32は、光出射面26に対して平行となるよう構成されている。また、光反射面32の形状及びサイズは、光出射面26と同一となるよう構成されている。
なお、光反射面32は光出射面26に対して必ずしも平行とする必要はなく、段差や傾斜を設けた構成としてもよい。また、光反射面32のサイズも光出射面26と異なるサイズとしてもよい。
光反射面32には、複数の円形状の反射ドット24A、24B、24Cが備えられる。反射ドットの配置は、図2の如く碁盤目状であってもよいし、その他の任意のパターンであってもよいし、ランダムであってもよいが、光出射面26から出射する光の輝度の分布が均一になるよう、適宜調整される。反射ドット24A〜24Cは、樹脂をドット状に印刷等の方法で形成したものであり、散乱粒子または気泡を含有していてもよい。入光端面28から入射した光の輝度は強いが、その輝度は、ガラス板12の内部で繰り返し反射しながら進行するに従い漸次低下していく。
このため実施形態では、入光端面28から非入光端面38に向けて、反射ドット24A、24B、24Cの大きさを異ならせている。具体的には、入光端面28に近い領域における反射ドット24Aの直径(L)は小さく設定されており、これより光の進行方向に向かうに従い反射ドット24Bの直径(L)、及び反射ドット24Cの直径(L)が大きくなるよう設定されている(L<L<L)。反射ドットの直径は、光出射面26から出射する光の輝度の分布が均一になるよう、適宜調整される。
このように、反射ドット24A、24B、24Cの大きさをガラス板12の内部の光の進行方向に向けて変化させることにより、光出射面26から出射する出射光の輝度を均一化でき、輝度ムラの発生を抑制することができる。なお、反射ドット24A、24B、24Cの大きさに代えて、反射ドット24A、24B、24Cの数密度をガラス板12の内部の光の進行方向に向けて変化させることによっても、同等の効果を得ることができる。また、反射ドット24A、24B、24Cに代えて、入射した光を反射するような溝を光反射面32に形成することによっても、同等の効果を得ることができる。
ガラス板12の非入光端面34、36、38は、光源18からの光は入光されないため、その表面を入光端面28ほどに高精度に加工する必要はなく、その表面粗さRaは、0.8μm以下であればよい。ただし、端面で光が散乱されて輝度ムラが生じるのを抑制するために、非入光端面34、36、38の表面粗さRaは、好ましくは0.4μm以下であり、さらに好ましくは0.1μm以下である。なお、本明細書において、表面粗さRaと記載した場合、JIS B 0601〜JIS B 0031による算術平均粗さ(中心線平均粗さ)を指すものとする。
入光端面28は、ガラス板12であるガラスの製造時に鏡面加工される。入光端面28の表面粗さRaは、光源18からの光をガラス板12の内部に有効に入光させるために0.1μm以下であり、好ましくは0.03μm未満であり、さらに好ましくは0.001μm以下であり、特に好ましくは0.0005μm以下である。よって、光源18からガラス板12の内部に入光される光の入光効率が高められている。非入光端面34、36、38の表面粗さRaは、生産効率を向上させる観点から入光端面28の表面粗さRaと同等でもよく、若しくは大きくしてもよい。
〈入光側面取り面40(面取り面)〉
光出射面26と入光端面28との間、及び光反射面32と入光端面28との間には、入光側面取り面40が備えられている。すなわち、光出射面26と入光端面28との間で、光出射面26及び入光端面28に隣接して入光側面取り面40が備えられている。同様に、光反射面32と入光端面28との間で、光反射面32及び入光端面28に隣接して入光側面取り面40が備えられている。
実施形態では、光出射面26と入光端面28との間、光反射面32と入光端面28との間の双方に入光側面取り面40を備えたものを例示しているが、いずれか一方にのみ入光側面取り面40を備えた構成としてもよい。また、入光側面取り面40の表面粗さRaは、0.8μm以下であることが好ましく、0.4μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。入光側面取り面40の表面粗さRaを0.8μm以下とすることで、ガラス板12から出射される光の輝度ムラの発生も抑制することができる。他の観点で言えば、入光側面取り面40の表面粗さRaを0.8μm以下とすることで、入射する光を効率的にガラス板12に取り込むことができる。また、入光側面取り面40の表面粗さRaを0.4μm以下とすることで、カレット発生量を抑制できる。一方、入光側面取り面40の表面粗さRaの下限は限定されず、Raが小さいほどガラス板12の輝度ムラの発生を抑制することができるが、その分後述する面取り工程(S12)に時間を要する。生産効率向上の観点からは、入光側面取り面40の表面粗さRaは入光端面28の表面粗さRaよりも大きいことが好ましい。ここで、非入光端面34、36、38の各非入光側面取り面42の表面粗さRaは、0.8μm以下であることが好ましい。このようにすることで、非入光端面及び/若しくは非入光側面取り面に反射テープを設けたとき、一旦非入光端面及び/若しくは非入光側面取り面から抜けた光が反射テープで反射され、非入光側面取り面から効率的に再入光させることができる。
なお、入光側面取り面40の形状及び作用、効果については、後述するガラス板12の特徴の欄にて説明する。
実施形態のように薄型化が要求されている面状発光装置14では、ガラス板12の厚さも薄くする必要がある。このため、実施形態に係るガラス板12の厚さは0.7〜3.0mmである。ガラス板12の厚さが3.0mm以下であることで、面状発光装置14を薄くすることができ、0.7mm以上であることで、十分な剛性を得ることができる。なお、ガラス板12の厚さは、この値に限定されるものではないが、この厚さであっても、厚さ4mm以上のアクリル製の導光板を有する面状発光装置と比較して、十分な強度を備えた面状発光装置14を提供できる。
〔ガラス板12の製造方法〕
図5、図6、図7は、ガラス板12の製造方法を説明するための図である。図5は、ガラス板12の製造方法を示す工程図である。図6は、ガラス素材44の平面図であり、図7は、ガラス基材46の平面図である。
ガラス板12を製造するには、まず図6のガラス素材44を用意する。ガラス素材44の厚さは0.7〜3.0mmであり、50mm長での、波長400〜700nmにおける平均内部透過率が90%以上のものである。ガラス素材44は、ガラス板12の既定形状よりも大きい形状とされている。
<切断工程>
ガラス素材44には、まず図5のステップ(S)10で示す切断工程が実施される。切断工程(S10)では、切削装置を用いて図6の破線で示す各位置(1箇所の入光端面側の位置と3箇所の非入光端面側の位置)において切断加工が実施される。なお、切断加工は必ずしも3箇所の非入光端面側の位置に対して実施されなくてもよく、1箇所の入光端面側の位置と対向する1箇所の非入光端面側の位置のみを切断加工してもよい。
切断加工を実施することにより、図6のガラス素材44から図7のガラス基材46が切り出される。なお、実施形態では、ガラス板12が平面視で矩形状とされているため、1箇所の入光端面側の位置と3箇所の非入光端面側の位置に対して切断加工を実施したが、切断位置は、ガラス板12の形状に応じて適宜選定される。
なお、ガラス素材44の切断方法としては、例えばスクライブ割断法やレーザー切断法などを実施することができる。生産性の観点からはスクライブ割断法が好ましい。また、入光側面取り面40を円弧形状とする場合、切断面が円弧形状とすることができるレーザー切断法が好ましい。
<第1面取り工程>
図5の如く、切断工程(S10)が終了すると、第1面取り工程(S12)が実施される。第1面取り工程(S12)では、研削装置を用いて光出射面26と非入光端面38との間、及び光反射面32と非入光端面38との間の双方に非入光側面取り面42をそれぞれ形成する。
なお、光出射面26と非入光端面34との間、光反射面32と非入光端面34との間、光出射面26と非入光端面36との間、及び光反射面32と非入光端面36との間の全て、或いはいずれか一箇所に非入光側面取り面42を形成する場合には、この第1面取り工程(S12)において面取り加工を実施する。
また、第1面取り工程(S12)において、光出射面26と入光端面28との間、又は光反射面32と入光端面28との間を面取り加工することが、生産性の観点から好ましい。その場合、得られる入光側面取り面40’(不図示)の表面粗さRaは、後述する第2面取り工程において得られる入光側面取り面40の表面粗さRaよりも大きいことが、生産性の観点から好ましい。これにより、入光側面取り面40’が形成されるが、この段階においては後述するP1とP2とを結ぶ線分Lの、入光端面28に対する傾き角度θは特に限定されない。
第1面取り工程(S12)においては、非入光端面34、36、38に対し、研削処理又は研磨処理も実施される。非入光端面34、36、38に対する研削処理又は研磨処理を実施する時期は、非入光側面取り面42を形成する前段でも後段でもよく、同時に行うこととしてもよい。なお、非入光端面34、36については、切断加工を実施した面をそのまま非入光端面34、36として使用してもよい。
第1面取り工程(S12)においては、入光端面28に対し、研削処理又は研磨処理も実施されることが、生産性の観点から好ましい。入光端面28に対する研削処理又は研磨処理を実施する時期は、入光側面取り面42を形成する前段でも後段でもよく、同時に行うこととしてもよい。
第1面取り工程(S12)は、後述する鏡面加工工程(S14)及び第2面取り工程(S16)と同時、もしくはそれらの後段で行うこともできるが、それらよりも前段で行うことが好ましい。これにより、ガラス板12の形状に応じた加工を第1面取り工程(S12)で比較的速いレートで実施することができるため生産性が向上する。
<鏡面加工工程>
第1面取り工程(S12)が終了すると、次に鏡面加工工程(S14)が実施される。鏡面加工工程(S14)では、図7に示すガラス基材46の入光端面28に対して鏡面加工が実施され、これによって表面粗さRaが0.1μm以下の入光端面28が形成される。
<第2面取り工程>
鏡面加工工程(S14)にてガラス基材46に入光端面28が形成されると、続いて第2面取り工程(S16)を実施し、光出射面26と入光端面28との間、及び光反射面32と入光端面28との間を研削処理又は研磨処理する。これにより、入光側面取り面40が形成される。これにより形成された入光側面取り面40において、後述するP1とP2とを結ぶ線分Lの、入光端面28に対する傾き角度θは、0.01≦tanθ≦0.75を満たす。これにより、光源18の光量損失を抑えることができる。なお、第2面取り工程(S16)は鏡面加工工程(S14)よりも前段で実施することもでき、また、鏡面加工工程(S14)と同時に実施することもできる。
入光側面取り面40を形成する際、研削処理又は研磨処理を実施する工具としては砥石を用いてもよく、また砥石の他に、布、皮、ゴム等からなるバフやブラシ等を用いてもよく、その際、酸化セリウム、アルミナ、カーボランダム、コロイダルシリカ等の研磨剤を用いてもよい。中でも寸法安定性の観点から、研磨具としては砥石を用いることが好ましい。
以上のS10〜S16に示す各工程を経ることにより、ガラス板12が製造される。なお、反射ドット24A、24B、24Cは、ガラス板12が製造された後に光反射面32に対して印刷等の方法で形成される。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
〔ガラス板12及び面状発光装置14の特徴〕
図1の如く、面状発光装置14のガラス板12として、光源18の光量を有効利用するためには、入光端面28からガラス板12の内部に入射した光を、反射ドット24A〜Cが付与されていない状態において、外部に漏光させることなく、ガラス板12の内面で繰り返し全反射させながら進行させることが要求される。
しかしながら、特許文献3に開示された、通常の形状の面取り面を有するガラス板では、面取り面からガラス板の内部に入射した光が、屈折により進行方向を大きく曲げられてしまうため、ガラス板内を導波することなく外部に漏光するという問題があった。このような漏光現象は、入光端面の近傍位置で多発することも確認された。つまり、従来のガラス板では、光源の光量を損失させることなく有効利用することができるものは存在していなかった。
そこで、本実施形態では、光源18の光量を有効利用することができる面状発光装置14、及び面状発光装置14に導光板として用いることができるガラス板12を提供する。
次に、図4に基づいて説明する。図4は、ガラス板12の特徴を拡大して示した説明図であり、主平面である光出射面26及び光反射面32と、端面である入光端面28とに対して垂直な断面図である。
繰り返し説明するが、ガラス板12は、光出射面26及び光反射面32を有し、光出射面26及び光反射面32に対して垂直な入光端面28を有する。また、光出射面26と入光端面28とに隣接して入光側面取り面40が備えられ、光反射面32と入光端面28とに隣接して入光側面取り面40が備えられている。
そして、光出射面26及び入光端面28に対して垂直な断面において、入光側面取り面40と光出射面26とが交差する点を第1交差点P1とし、入光側面取り面40と入光端面28とが交差する点を第2交差点P2としたときに、P1とP2とを結ぶ線分Lの、入光端面28に対する傾き角度θが、0.01≦tanθ≦0.75を満たしている。なお、光反射面32側の入光側面取り面40も同様の構成なので、光反射面32側の入光側面取り面40の説明は省略する。
本願発明者は、ガラス板12として、光源18の光量を有効利用可能な入光側面取り面40の形状を鋭意検討し、入光側面取り面40を備えたガラス板であっても、光源18の光量損失を最小限に抑えることができるガラス板12を見出した。
すなわち、図4の如く、光出射面26及び入光端面28に対して垂直な断面において、入光側面取り面40と光出射面26とが交差する第1交差点P1と、入光側面取り面40と入光端面28とが交差する第2交差点P2とを結ぶ線分Lの入光端面28に対する傾き角度θが、0.01≦tanθ≦0.75を満たすガラス板を提供する。
このような形状の入光側面取り面40から入射した光源18の光は、ガラス板12の光出射面26の内面及び光反射面32の内面で繰り返し全反射されながら、ガラス板12の内部を進行する。これにより、実施形態によれば、光源18の光量を有効利用することができるガラス板12、及び面状発光装置14を提供することができる。
なお、図4では、断面形状が直線状の入光側面取り面40を示したが、入光側面取り面40の断面形状は円弧状であるものも含む。その場合、図8のガラス板12の要部拡大断面図の如く、光出射面26及び入光端面28に対して垂直な断面において、入光側面取り面40を形成する円弧を均等に2分割する円弧上の点を点P3とし、点P3における上記円弧の接線Tの入光端面28に対する傾き角度θが、0.01≦tanθ≦0.75を満たす。
上記tanθが0.01以上であれば、面取り部が極端に小さくなりすぎず、ガラス板12のエッジを取り除き強度を向上させるという当初の目的を果たせないおそれが減る。上記tanθが0.75以下であれば、ガラス板12からの漏光が少なくなり、ガラス板12を導光板として用いた場合に、輝度が高くなる。漏光をより低減させるために、上記θは、0.01≦tanθ≦0.5を満たすことが好ましく、0.01≦tanθ≦0.4を満たすことがより好ましく、0.01≦tanθ≦0.3を満たすことがさらに好ましく、0.01≦tanθ≦0.2を満たすことが特に好ましい。特に上記θが、0.01≦tanθ≦0.2を満たす場合は、漏光を完全になくすことができる。
一般的な面取り形状では、上記θが45°であり、tanθは1となるが、この場合、入光側面取り面40からガラス板12に入射した際に、光の進行方向が屈折により大きく曲げられてしまう。進行方向を大きく曲げられた光は、ガラス板12内を導波することなく、容易にガラス板12から漏れ出てしまう。tanθを0.75以下とすることにより、屈折の影響を抑制でき、結果的に漏光を低減できることを、本願発明者は見出した。
また、実施形態のガラス板12は、入光側面取り面40の表面粗さRaが0.1μm以下であることが好ましい。これにより、光源18からの光は入光側面取り面40で散乱あるいは乱反射されることなく、ガラス板12の内部に入射する。これにより、光源18の光を更に有効利用することができる。
更に、実施形態のガラス板12は、好適には、50mm長での、波長400〜700nmにおける平均内部透過率が90%以上なので、内部透過率の高いガラス板12となる。これにより、光源18の光をより一層有効利用することができる。
〔実施例〕
本願発明者は、上記tanθの範囲を見出すに当たり、光線追跡ソフト(Light Tools:サイバーネットシステム社製)を用いて、光線本数100万本でシミュレーションを行った。本シミュレーションに用いたモデルでは、700mm×700mmのサイズの矩形のガラス板12に対向するよう、入光端面28から0.5mmの距離を空けて、光源18を配し、光源18を取り囲むようにリフレクタ30を配した。また、ガラス板12は、面取り面40を有し、その傾斜角およびサイズは後述する通り、種々変化させてシミュレーションを行った。光源18は並列された複数の点光源からなり、波長400nm〜700nmの範囲で発光し、ランバーシアンの配光特性を持つものとした。リフレクタ30はσ=15°のガウス反射特性を持ち、拡散反射率は98%であるとした。ガラス板12は光出射面26、及び光反射面32を有し、光反射面32には反射ドットは形成されていないものとした。また、ガラス板12と対向するよう、光反射面32から0.1mmの距離を空けて反射シート20を配設した。反射シートは、σ=15°のガウス反射特性を持ち、拡散反射率は98%であるとした。
非導波光の量および、導波光の量をより正しく見積もるために、本モデルにおいては、ガラスの吸収はないものと仮定した。ガラスの屈折率は、波長435.8nmにおいて1.532、波長486.1nmにおいて1.527、波長546.1nmにおいて1.523、波長587.6nmにおいて1.521、波長656.3nmにおいて1.519であるとし、これらの値を適当なセルマイヤー係数によって補間したものを使用した。
図9は、厚さtが1.7mmのガラス板12において、複数のtanθに対する非導波光の割合(%)を中実の菱形(Solid rhombus:◆)、中実の正方形(Solid Square:■)、中実の三角形(Solid Triangle:▲)の印でプロットした図である。図10は、図9の非導波光の割合(%)をシミュレーションによって算出するための条件とシミュレーションの結果を示した表である。
また、図11は、厚さtが2.5mmのガラス板12において、複数のtanθ値に対する非導波光の割合(%)を中実の菱形(Solid rhombus:◆)、中実の正方形(Solid Square:■)、中実の三角形(Solid Triangle:▲)の印でプロットした図である。図12は、図11の非導波光の割合(%)をシミュレーションによって算出するための条件とシミュレーションの結果を示した表である。
aとは、図4の如く、光出射面26に沿って延長された第1延長線Laと、入光端面28に沿って延長された第2延長線Lbとが交差する点を第3交差点P3とした場合における、第1交差点P1から第3交差点P3までの長さである。また、bとは、第2交差点P2から第3交差点P3までの長さである。つまり、a/b=tanθであり、a/b値が0.75以下であることが本実施形態の特徴である。
更に、図10、図12に記載した非導波光とは、ガラス板12において、光出射面26から漏れ出る光の合計量を意味し、非導波光(%)とは、光源18の光量を100%としたときの、前記検出点での漏光量の割合を示している。
また、導波光とは、ガラス板12の内部で全反射されながら進行する光を意味し、導波光(%)とは、光源18の光量を100%としたときの、入光端面28から非入光端面38に向けて690mm離間した位置で検出される光量の割合を示している。なお、導波光(%)と非導波光(%)との合算値が100%とならない理由は、リフレクタ30または反射シート20によって光が吸収されることによるものである。
〈シミュレーション結果〉
図9、図11によれば、bを0.1mmに設定し、aを0.01mm、0.02mm、0.03mm、0.05mm、0.07mm、0.1mmとした場合の非導波光(%)が中実の菱形(Solid rhombus:◆)印でそれぞれプロットされている。同様に、bを0.2mmに設定し、aを0.01mm、0.03mm、0.05mm、0.1mm、0.15mm、0.2mmとした場合の非導波光(%)が中実の正方形(Solid Square:■)印でそれぞれプロットされている。同様に、bを0.3mmに設定し、aを0.01mm、0.03mm、0.05mm、0.1mm、0.2mm、0.3mmとした場合の非導波光(%)が中実の三角形(Solid Triangle:▲)印でそれぞれプロットされている。
ここで、tanθが1であるときに比べて、非導波光(%)が低減していることを評価基準とすると、図9、図10の如く、厚さtが1.7mmのガラス板12の場合では、a/b値が0.75以下(tanθ≦0.75)であれば、評価基準を満たすことができた。また、a/b値が0.2以下(tanθ≦0.2)であれば、非導波光(%)がゼロとなることがわかった。なお、その評価基準を満たすためには、aが0.01〜0.05mmであり、bが0.1〜0.3mmであることが好ましいことも判明した。
また、図11、図12の如く、厚さtが2.5mmのガラス板12の場合でも、a/b値が0.75以下(tanθ≦0.75)であれば、評価基準を満たすことができた。また、a/b値が0.2以下(tanθ≦0.2)であれば、非導波光(%)がゼロとなることがわかった。このように、tanθの好ましい範囲は、ガラス板12の厚みによらないことがわかった。なお、その評価基準を満たすためには、aが0.01〜0.05mmであり、bが0.1〜0.3mmであることが好ましいことも判明した。
したがって、a/b値が0.75以下(tanθ≦0.75)であるガラス板12によれば、ガラス板12の厚みによらず、光源18の光量を有効利用することができる。よって、実施例のガラス板12を備えた面状発光装置14によれば、電子機器の薄型化を達成しつつ消費電力を削減することができる。
10…液晶表示装置、12…ガラス板、14…面状発光装置、16…液晶パネル、18…光源、20…反射シート、22…各種光学シート、24A、24B、24C…反射ドット、26…光出射面、28…入光端面、30…リフレクタ、32…光反射面、34、36、38…非入光端面、40…入光側面取り面、42…非入光側面取り面、44…ガラス素材、46…ガラス基材

Claims (7)

  1. 主平面と前記主平面に対して垂直な端面とを有し、かつ前記主平面と前記端面との間で、前記主平面及び前記端面に隣接して面取り面が備えられたガラス板であって、
    前記主平面及び前記端面に対して垂直な断面において、前記面取り面と前記主平面とが交差する第1交差点と、前記面取り面と前記端面とが交差する第2交差点と、を結ぶ線分の前記端面に対する傾き角度θが、0.01≦tanθ≦0.75を満たす、ガラス板。
  2. 前記傾き角度θが、0.01≦tanθ≦0.2を満たす、請求項1に記載のガラス板。
  3. 前記端面の表面粗さRaが0.1μm以下である、請求項1又は2に記載のガラス板。
  4. 前記ガラス板は、50mm長での、波長400〜700nmにおける平均内部透過率が90%以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス板。
  5. 前記ガラス板の厚さは0.7〜3.0mmであり、
    前記主平面に沿って延長された第1延長線と、前記端面に沿って延長された第2延長線とが交差する点を第3交差点とし、
    前記第1交差点から前記第3交差点までの長さが0.01〜0.05mmであり、
    前記第2交差点から前記第3交差点までの長さが0.1〜0.3mmである、請求項1から4のいずれか1項に記載のガラス板。
  6. 前記端面の表面粗さRaの値は、前記面取り面の表面粗さRaの値より小さいことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のガラス板。
  7. 前記面取り面の表面粗さRaが0.8μm以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載のガラス板。
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