JP2018144300A - 洗浄液、インクと洗浄液のセット、収容容器、インクジェット印刷装置並びにインクジェット印刷方法 - Google Patents

洗浄液、インクと洗浄液のセット、収容容器、インクジェット印刷装置並びにインクジェット印刷方法 Download PDF

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通彦 南場
Michihiko Nanba
通彦 南場
正博 木戸
Masahiro Kido
正博 木戸
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Shizuka Kozuki
しず香 上月
高橋 宏明
Hiroaki Takahashi
宏明 高橋
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悠太 中村
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Abstract

【課題】定着性を高めるために特定の樹脂を含有するインクを用いた場合であっても、該インクが付着した被付着体に対して優れた洗浄性を有し、かつ高い吐出安定性を付与し、これにより非浸透性記録媒体に対して優れた画像堅牢性および画像光沢度を有する画像が得られる洗浄液を提供する。【解決手段】水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクが付着した被付着体を洗浄するための洗浄液であって、前記洗浄液は水、溶剤および特定のアルキレングリコール系界面活性剤を含有し、前記水および前記溶剤からなる混合液のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、10.0(cal/cm3)1/2以下である洗浄液。【選択図】図4

Description

本発明は、洗浄液、インクと洗浄液のセット、組成物収容容器、インクジェット印刷装置並びにインクジェット印刷方法に関する。
広告、看板等の産業用途において、耐光性、耐水性、耐摩耗性等の耐久性を向上させるため、例えば、プラスチックフィルム等の非浸透性記録媒体が使用されており、前記非浸透性記録媒体に用いられるインクが種々開発されている。
このようなインクとしては、例えば、有機溶剤を溶媒として用いた溶剤系インク、重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型インクなどが広く用いられている。しかし、前記溶剤系インクは、有機溶剤蒸発による環境への影響が懸念される。前記紫外線硬化型インクは、安全性の面から使用する重合性モノマーの選択肢が限られる場合がある。
そこで、環境負荷が少なく、非浸透性記録媒体に直接記録できる水性インクが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
前記インクは非浸透性記録媒体への定着性を確保するために、樹脂を含有するようになってきている。しかし、インクに樹脂を含有させると、連続記録時に、前記インクが記録ヘッド等に付着し、凝集、及び乾燥することにより、インクの吐出安定性が低下することがある。前記インクの吐出安定性を確保するために記録ヘッド等に付着したインクを洗浄する必要がある。
しかし、樹脂を含有するインクは、記録ヘッドに強固に付着するため、これまでの洗浄液では洗浄力が不十分であるという問題があった。
そこで、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、グリセリン、及び水を含む洗浄液が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、樹脂を含む記録インクと活性剤と溶剤を含有する置換インクとのインクセットが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、溶媒系のハンセン溶解度パラメーターを規定した洗浄組成物が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
本発明の目的は、定着性を高めるために特定の樹脂を含有するインクを用いた場合であっても、該インクが付着した被付着体に対して優れた洗浄性を有し、かつ高い吐出安定性を付与し、これにより非浸透性記録媒体に対して優れた画像堅牢性および画像光沢度を有する画像が得られる洗浄液を提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクが付着した被付着体を洗浄するための洗浄液であって、
前記洗浄液は水、溶剤および下記構造式1で示される界面活性剤を含有し、前記水および前記溶剤からなる混合液のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、10.0(cal/cm1/2以下である洗浄液。
(構造式1中、Rはアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立して、1〜20の整数を示す。)
本発明によれば、定着性を高めるために特定の樹脂を含有するインクを用いた場合であっても、該インクが付着した被付着体に対して優れた洗浄性を有し、かつ高い吐出安定性を付与し、これにより非浸透性記録媒体に対して優れた画像堅牢性および画像光沢度を有する画像が得られる洗浄液を提供することができる。
図1は、シリアル型画像形成装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、図1の装置のメインタンクの一例を示す斜視説明図である。 図3は、図1の装置の加熱手段の一例を示す概略図である。 図4は、本発明における洗浄手段の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
(洗浄液)
本発明の洗浄液は、下記で説明する特定のインクが付着した被付着体を洗浄するために用いられ、前記洗浄液は水、溶剤および前記構造式1で示される界面活性剤を含有し、前記水および前記溶剤からなる混合液のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、10.0(cal/cm1/2以下であることを特徴としている。
<界面活性剤>
本発明の洗浄液は、下記構造式1で示される界面活性剤を含有する。
下記構造式1で示される界面活性剤を用いることにより、記録ヘッドに固着した樹脂成分を効率よく洗浄することが可能である。その理由は定かではないが、下記構造式1で示されるの界面活性剤と、インクに含まれるポリエーテルポリウレタン樹脂粒子との親和性が高くなり、記録ヘッドと樹脂固形物の界面に入り込み易くなるためと推察する。
(構造式1中、Rはアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立して、1〜20の整数を示す。)
構造式1で示される界面活性剤は、市販されているものを使用することができ、例えば日油株式会社製の商品名
ユニルーブ50MB-11、R=ブチル、 (9,10)
ユニルーブ50MB-26 、R=ブチル、(17,17)
ノニオンA-10R、R=ラウリル、 (6,5)
ノニオンA-13PR、R=ラウリル、 (5,5)
ユニセーフ5P-4、R=セチル、 (5,4)
ユニセーフ5P-8、R=セチル、 (5,8)
ユニセーフ10P-4、R=セチル、 (10,4)
ユニセーフ10P-8、R=セチル、 (10,8)
ユニセーフ20P-4、R=セチル、 (20,4)
ユニセーフ20P-8、R=セチル、 (20,8)
ユニルーブMT-0612B、R=デシル、 (12,6)
ユニルーブMT-0620B、R=デシル、 (20,6)
等が挙げられる。なお、括弧内の数値は、構造式1における(m,n)を示す。
本発明において、Rのアルキル基は炭素数が4〜20が好ましく、10〜16がさらに好ましい。mは、5〜20の整数が好ましく、10〜16の整数がさらに好ましい。nは4〜17の整数が好ましく、6〜8の整数がさらに好ましい。
また、本発明の洗浄液における構造式1で示される界面活性剤の含有量は、0.1〜2質量%以上が好ましく、0.8〜1.2質量%がさらに好ましい。
<<混合液>>
前記混合液は、水および溶剤からなり、ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、10(cal/cm1/2以下である。
[ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項]
前記混合液のハンセン溶解度パラメーター(以下、「HSP」とも称することがある)の水素結合項(以下、「δH」とも称することがある)としては、10(cal/cm1/2以下であり、5.0(cal/cm1/2以上10.0(cal/cm1/2以下が好ましい。前記ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、10(cal/cm1/2以下であると、洗浄力を向上することができる。
前記ハンセンの溶解度パラメーター(HSP)は、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメーター(SP)を、分散項(δD)、極性項(δP)、水素結合項(δH)の3成分に分割し、3次元空間に表したものである。前記分散項(δD)は、Van Der Waalsの近接力に基づく項である。前記極性項(δP)は分極項とも呼ばれ、ダイポールモーメント、誘電率などに起因する項である。前記水素結合項(δH)には、水素結合に基づく分子間力、さらに、他に分類できないπ−π相互作用なども含まれている。本発明においてはこの水素結合項(δH)を使用する。
なお、前記分散項(δD)、前記極性項(δP)、及び前記水素結合項(δH)の3成分は、ハンセンやその研究後継者らにより多く求められており、Polymer Handbook (fourth edition)、VII−698〜711に詳しく記載されている。また、HSPの定義と計算は、下記の文献に記載されている。
Charles M. Hansen著、Hansen Solubility Parameters: A Users Handbook(CRCプレス、2007年)。
多くの溶媒や樹脂についてのハンセン溶解度パラメーターの値が調べられており、例えば、Wesley L.Archer著、Industrial Splvents Handbookに記載されている。
前記混合液のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項(δH)としては、下記式により求めることができる。
混合液のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項(δH)=[{(水のδH)×(混合液中の水の体積%)}/100]+[{(溶剤のδH)×(混合液中の溶剤の体積%)}/100]
−溶剤−
前記溶剤としては、ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項を調整できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶剤が好ましく、水溶性有機溶剤がより好ましい。なお、水溶性とは、例えば、25℃の水100gに5g以上溶解することを意味する。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート(HSPのδH:2.00(cal/cm1/2)、炭酸エチレン(HSPのδH:2.49(cal/cm1/2)などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール(HSPのδH:12.7(cal/cm1/2)、ジエチレングリコール(HSPのδH:9.27(cal/cm1/2)、1,2−プロパンジオール(HSPのδH:3.31(cal/cm1/2)、1,3−プロパンジオール(HSPのδH:11.3(cal/cm1/2、比重:1.005)、1,2−ブタンジオール(HSPのδH:10.2(cal/cm1/2、比重:1.002)、1,3−ブタンジオール(HSPのδH:9.37(cal/cm1/2、比重:1.005)、1,4−ブタンジオール(HSPのδH:10.2(cal/cm1/2)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(HSPのδH:8.19(cal/cm1/2)、2,3−ブタンジオール(HSPのδH:8.19(cal/cm1/2)、トリエチレングリコール(HSPのδH:9.07(cal/cm1/2)、1,5−ペンタンジオール(HSPのδH:9.65(cal/cm1/2)、1,6−ヘキサンジオール(HSPのδH:8.68(cal/cm1/2)、グリセリン(HSPのδH:13.3(cal/cm1/2)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(HSPのδH:6.29(cal/cm1/2、比重:0.927)、3−エチル−3−オキタセンメタノール(HSPのδH:6.05(cal/cm1/2、比重:1.019)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(HSPのδH:6.83(cal/cm1/2)、エチレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:6.00(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(HSPのδH:6.14(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(HSPのδH:5.95(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(HSPのδH:2.73(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:5.17(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(HSPのδH:5.12(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル(HSPのδH:4.78(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(HSPのδH:2.14(cal/cm1/2)、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(HSPのδH:4.87(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン(HSPのδH:4.39(cal/cm1/2、比重:1.1)、N−メチル−2−ピロリドン(HSPのδH:3.51(cal/cm1/2)、ε−カプロラクタム(HSPのδH:1.90(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド(HSPのδH:9.27(cal/cm1/2)、N−メチルホルムアミド(HSPのδH:7.76(cal/cm1/2)、N,N−ジメチルホルムアミド(HSPのδH:5.51(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(HSPのδH:10.2(cal/cm1/2)、ジエタノールアミン(HSPのδH:9.67(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含硫黄化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド(HSPのδH:4.98(cal/cm1/2)、スルホラン(HSPのδH:4.24(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、5(cal/cm1/2以下である溶剤が好ましく、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル(HSPのδH:4.87(cal/cm1/2)、2−ピロリドン(HSPのδH:4.39(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(HSPのδH:2.73(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(HSPのδH:2.14(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル(HSPのδH:4.78(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)、下記一般式(1)で表される化合物(Rがメチル基を表す、δH:4.63(cal/cm1/2、比重:0.99)、下記一般式(1)で表される化合物(Rがエチル基を表す、δH:3.65(cal/cm1/2、比重:0.97)、下記一般式(1)で表される化合物(Rがブチル基を表す、δH:3.26(cal/cm1/2)がより好ましく、下記一般式(1)で表される化合物(Rがメチル基を表す、δH:4.63(cal/cm1/2)、下記一般式(1)で表される化合物(Rがエチル基を表す、δH:3.65(cal/cm1/2)が特に好ましい。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。)
前記溶剤のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項としては、5(cal/cm1/2以下が好ましい。前記水素結合項が、5(cal/cm1/2以下であると、洗浄性を向上することができ、吐出信頼性を向上することができる。
前記溶剤のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項は、Charles M.Hansen Consulting(Horsholm、Denmark、hansen−solubility.com)のソフトウェアHSPiPを用いて求めることもできる。以下に、ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項の不明な溶剤における、HSPiPソフトウェアを用いたハンセン溶解度パラメーターの水素結合項の求め方を説明する。
2015年10月現在、http://www.pirika.com/から入手可能な、HSPiPバージョン4.1ソフトウエアを用いて求めることができる。
前記溶剤のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項は、改良SMILES表記法を用いて化学構造(主鎖、官能基)から、HSPiP中のHSP予測ツールを用いて求めることができる。本発明においては、HSPiPバージョン3.0.38のデータベースに登録されている溶媒(各種HSPの文献参照)に関してはその値を使用し、データベースに無い溶媒に関しては、前記HSPiPにより推算される値を使用する。
前記溶剤の含有量としては、特に限定されないが、洗浄液全量に対して、30質量%以上90質量%以下が好ましく、50質量%以上85質量%以下がさらに好ましく、60質量%以上80質量%以下がとくに好ましい。
混合液における水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の洗浄液における水と溶剤からなる混合液の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
本発明の洗浄液は、必要に応じて、その他の界面活性剤、消泡剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
(インク)
本発明に用いるインクは、水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクであり、必要に応じてその他の成分を含有してなる。
一般的に、溶剤系インクは、インク中の有機溶剤により非浸透性記録媒体を膨潤させながら定着するため、非浸透性記録媒体に対する定着性に優れるが、安全性に課題がある。一方、従来の水性インクは、インク塗膜が記録媒体上に留まるため、インク塗膜の記録媒体への定着性が不十分であり、高速記録性に劣るという問題があった。また、屋外用途を想定した場合、記録物の耐擦過性についても、屋内向けとは比較できないほどの強靭な耐擦過性、画像硬度などの性質が求められている。しかし、従来の水性インクでは溶剤系インクに匹敵する十分な前記性質が得られていないという課題がある。
インクに含まれる成分のうち、樹脂粒子の選定は記録する非浸透性記録媒体へのインクの定着性を左右するため、その果たす役割は非常に大きい。本発明者らは、ウレタン樹脂粒子のうち、ポリオール成分にポリエーテルポリオールを用いることで、インクの定着性が著しく向上することを見出した。その理由については定かではないが、ポリエーテルポリオールを用いることで、インク塗膜と非浸透性記録媒体のような基材との親和性が向上したためと考えられる。また、更にポリエーテルポリオールは、インクの吐出手段であるヘッドに固形物として付着した場合に、本発明の洗浄液を用いて洗浄することで、良好に洗浄されることを見出した。
また、前記インクは、非浸透性記録媒体への定着性に優れ、高速記録時においても、インクが記録媒体に着弾した後、隣接するインク滴が合一し、収縮する現象(ビーディング)を抑制することができ、高品位の画像を得ることができる。また、定着速度の向上は、乾燥性向上も高めることができ、密着性を向上できることから、記録後の記録媒体巻き取り時に裏紙への転写を抑制できる。
<ポリエーテルポリウレタン樹脂粒子>
本発明に用いるインクはポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有する。ポリエーテルポリウレタン樹脂粒子は、例えば、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を用いることができる。ポリエーテルポリオールを用いることにより基材と塗膜の親和性が向上し、耐擦過性及び高い画像光沢度を得られる。
またポリエーテルポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は特に制限は無いが、耐擦過性や画像光沢性の点から、−20℃以上である材料を好適に使用することができる。更に、Tgが0℃以上であることにより、インク内での分散安定性が向上するために保存安定性に優れる。また、Tgが0℃以上であることで堅牢性(耐擦過性)も顕著に向上する。なお、ポリエーテルポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、10〜40℃が好ましく、14〜30℃がさらに好ましい。
−ポリエーテルポリオール−
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の少なくとも1種を出発原料として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものなどが挙げられる。
前記活性水素原子を2個以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非常に優れた耐擦過性を付与できるインク用バインダーを得る点から、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−ポリイソシアネート−
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、インクは、ポスターや看板などの屋外向けの用途としても用いられるため、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、前記長期耐候性の点から、脂環式ジイソシアネートが好ましい。
更に、少なくとも1種の脂環式ジイソシアネートを使用することにより、目的とする塗膜強度、及び耐擦過性を得やすくなる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。
[ポリエーテルポリウレタン樹脂粒子の製造方法]
前記ポリエーテルポリウレタン樹脂粒子は、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができ、例えば、次の方法などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記ポリエーテルポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できる有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記鎖延長剤としては、例えば、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物などが挙げられる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類;ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類;コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の活性水素基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類;水などが挙げられる。これらは、インクの保存安定性が低下しない範囲内であれば、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂粒子は、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や溶剤などの材料と混合してインクを得ることが好ましい。
溶剤、色材、及び水と配合して水性のインクを調整する作業の容易性や、前記インク中にできるだけ均一に分散させること等を考慮すると、樹脂粒子が水を分散媒として安定に分散した状態である、樹脂エマルジョンの状態でインクに添加することが好ましい。
前記樹脂粒子は、インクへ添加する溶剤に溶解することで容易に造膜し、膜状の記録層が形成される。溶剤及び水の蒸発に伴い樹脂粒子の造膜が促進される。そのため、本発明のインクを使用すると、加熱工程を有さない記録を行うことも可能である。
前記樹脂粒子を、水を分散媒として分散させるにあたり、樹脂粒子としては、分散剤を利用した強制乳化型の樹脂粒子、分子構造中にアニオン性基を有する、いわゆる自己乳化型の樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも、記録物の強度を上げる点から、分子構造中にアニオン性基を有する自己乳化型の樹脂粒子が好ましい。
前記自己乳化型の樹脂粒子のアニオン性基の酸価としては、水分散性、耐擦過性、及び耐薬品性の点から、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/mg以上50mgKOH/mg以下がより好ましい。
前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基などが挙げられる。これらの中でも、良好な水分散安定性を維持する点から、一部又は全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基が好ましい。前記アニオン性基を樹脂中に導入するには、前記アニオン性基を持ったモノマーを使用すればよい。
前記アニオン性基を有する樹脂粒子の水分散体を製造する方法としては、水分散体にアニオン性基の中和に使用できる塩基性化合物を添加する方法などが挙げられる。
前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミン;モノエタノールアミン等のアルカノールアミン;Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記強制乳化型の樹脂粒子を用いて水分散体を製造する方法としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等の界面活性剤を用いる方法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性の点から、ノニオン性界面活性剤を用いる方法が好ましい。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、メチルタウリル酸塩、スルホコハク酸塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシドなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩が好ましい。
前記強制乳化型の樹脂粒子を用いて水分散体を製造する場合、前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強制乳化型の樹脂粒子全量に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上30質量%以下の範囲内であれば、好適に樹脂粒子が造膜し、付着性や耐水性に優れたインクが得られ、記録物がブロッキングすることなく好適に用いられる。
前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、インクジェット記録装置に使用することを考慮すると、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上500nm以下がより好ましく、10nm以上200nm以下が特に好ましい。前記体積平均粒径が、10nm以上1,000nm以下であると、有機溶剤と樹脂粒子表面との接触部位が増加し、樹脂粒子の造膜性が高まり、強靭な樹脂の連続被膜が形成されるため、高い強度の記録物を得ることができる。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
前記樹脂粒子の定性及び定量としては、例えば、「プラスチック材料の各動特性の試験法と評価結果(22);安田武夫著、プラスチックス:日本プラスチック工業連盟誌/「プラスチックス」編集委員会編」に詳述されているような手順で確認することができる。具体的には、赤外線分光分析(IR)、熱分析(DSC、TG/DTA)、熱分解ガスクロマトグラフィ(PyGC)核磁気共鳴法(NMR)などで分析することにより確認することができる。
前記樹脂粒子のガラス転移温度としては、Thermo plus EVO2(Rigaku製)や、DSC6200(セイコーインスツルメンツ株式会社製)のような示差走査熱量計を用いて測定することができる。具体的には、下記の連続する温度プログラム1〜4の条件で測定を行い、温度プログラム3で測定された値をガラス転移温度とする。前記温度プログラムにおいて測定を行い、温度プログラム3の測定値を用いるのは、測定値の再現性を確保するためである。
温度プログラム:
1.30℃以上250℃以下:昇温速度30℃/分間、保持時間1分間
2.250以上−100℃以下:冷却速度30℃/分間、保持時間30分間
3.−100以上250℃以下:昇温速度5℃/分間、保持時間1分間
4.250以上30℃以下:冷却速度30℃/分間、保持時間2分間
本発明のインクは、加熱を行うと、残留溶剤が低減して接着性が向上することができる。特に、樹脂粒子の最低造膜温度(以下、「MFT」とも称することがある)が80℃を超える場合、樹脂の造膜不良なく、画像堅牢性を向上できる点から、加熱をすることが好ましい。また、加熱は、印刷中や、記録媒体にインクを付与した後、記録後に行うことが可能である。
なお、本発明のインクを得るために樹脂エマルジョンの最低造膜温度を調整する場合、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度(以下、「Tg」とも称することがある)をコントロールすることで調整することができ、樹脂粒子が共重合体である場合には、前記共重合体を形成するモノマーの比率を変えることにより調整することができる。なお、前記最低造膜温度とは、樹脂粒子をアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていったときに透明な連続フィルムが形成される最低温度のことをいい、前記最低造膜温度未満の温度領域では、エマルジョンは白色粉末状となる点をいう。前記最低造膜温度は、例えば、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)、「TP−801 MFTテスター」(テスター産業株式会社製)などの市販の最低造膜温度測定装置により測定することができる。
また、前記最低造膜温度は、樹脂粒子の体積平均粒径によっても変化するため、樹脂粒子の体積平均粒径の制御因子により樹脂粒子の最低造膜温度を狙いの値とすることができる。
<溶剤>
溶剤に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、有機溶剤、好ましくは水溶性有機溶剤などが挙げられる。なお、水溶性とは、例えば、25℃の水100gに5g以上溶解することを意味する。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶剤として下記一般式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物は、樹脂溶解性が高いことから、樹脂粒子の造膜性が良くなるために、耐擦過性の優れた印字画像を得ることが出来る。
(ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、エーテル結合を有していてもよい炭素数1以上8以下の炭化水素基を表す。)
前記炭素数1以上8以下の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。
前記エーテル結合を有する炭素数1以上8以下の炭化水素基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などが挙げられる。
これらの中でも、Rは、吐出安定性の点から、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基が好ましく、ペンチル基、ヘキシル基がより好ましく、R、及びRは、メチル基が好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−2−エチルヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−オクトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−オクトキシプロピオンアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶剤の含有量としては、インクの乾燥性、及び吐出信頼性の点から、インク全量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物の含有量としては、インク全量に対して、5質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上25質量%以下がより好ましい。前記含有量が、5質量%以上であると、耐擦過性を向上でき、30質量%以下であると、吐出信頼性を向上できる。
<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水の含有量は、インク全量に対して、15質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下がより好ましい。前記含有量が、15質量%以上であると、高粘度になることを防止し、吐出安定性を向上でき、60質量%以下であると、非浸透性記録媒体への濡れ性が好適となり、画像品位を向上できる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、色材、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、ヒンダードフェノールやヒンダードフェノールアミンのようなゴム及びプラスチックス用無色老化防止剤などが挙げられる。
<色材>
前記色材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、顔料、染料などが挙げられる。これらの中でも、顔料が好ましい。
前記顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。
前記無機顔料として、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他、中空樹脂粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。
前記顔料としては、黒色用としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、カラー用としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289;C.I.アシッドブルー9、45、249;C.I.アシッドブラック1、2、24、94;C.I.フードブラック1、2;C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、33、50、55、58、86、132、142、144、173;C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227;C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202;C.I.ダイレクドブラック19、38、51、71、154、168、171、195;C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249;C.I.リアクティブブラック3、4、35などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
前記顔料の数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、最大個数換算で最大頻度は20nm以上150nm以下が好ましい。前記数平均粒径が、20nm以上であると、分散操作、分級操作が容易になり、150nm以下であると、インクとしての顔料分散安定性が良くなるばかりでなく、吐出安定性にも優れ、画像濃度などの画像品質も高くなり好ましい。
前記数平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
前記色材の含有量としては、画像濃度、定着性、及び吐出安定性の点から、インク全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上15質量%以下であると、吐出信頼性が高く、また高い彩度の画像を得ることができる。
前記顔料の含有量としては、インク全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上15質量%以下であると、画像濃度、定着性、及び吐出安定性を向上できる。
<界面活性剤>
本発明のインクは濡れ性の観点から界面活性剤を含有してもよい。
インクに使用される界面活性剤には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記記界面活性剤の含有量としては、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上であると、非浸透性記録媒体への濡れ性が確保できるため、画像品質が向上でき、5質量%以下であると、インクが泡立ちにくくなるため、優れた吐出安定性が得られる。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
[インクの製造方法]
前記インクの製造方法としては、例えば、前記水、前記溶剤、前記樹脂粒子、並びに必要に応じて前記界面活性剤、前記その他の成分を、撹拌混合することにより製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
本発明のインクは、インクジェット記録用に好適に用いることができる。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
また、カラー記録の際にカラーインクより前に、ホワイトインクを塗布することによって記録媒体が着色されたもの(着色記録媒体)であっても記録媒体の色を白に揃えることができ、カラーインクの発色を向上させることができる。
前記着色記録媒体としては、着色された紙や前記フィルム、生地、衣服、セラミックスなどが代表例である。
<組成物収容容器>
前記組成物収容容器は、本発明の前記洗浄液、インクをそれぞれ個別に容器に収容してなる。
前記組成物収容容器としては、前記洗浄液、インクをそれぞれ個別に容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて、その形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが挙げられる。
本発明のインクジェット印刷装置は、水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクを吐出する吐出手段と、インク流路または記録ヘッドに残留したインクを本発明の洗浄液により洗浄する洗浄手段とを有する。
本発明のインクジェット印刷方法は、水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクを吐出させて記録媒体に印刷する吐出工程と、インク流路または記録ヘッドに残留したインクを本発明の洗浄液により洗浄する洗浄工程と、を有する。
以下、本発明の印刷装置(記録装置)およびインクジェット印刷方法(記録方法)について具体的に説明する。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
<<吐出工程及び吐出手段>>
前記吐出手段としては、特に制限はなく、例えば、インクジェットヘッドなどが挙げられる。
前記インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれの場合も含まれる。
<<加熱工程及び加熱手段>>
前記加熱工程は、画像を記録した記録媒体を加熱する工程であり、加熱手段により実施することができる。
前記インクジェット記録方法としては、前記記録媒体としての非浸透性記録媒体に高画像品質な記録ができるが、より一層高画質で耐擦過性、及び記録媒体への密着性の高い画像の形成、並びに高速の記録条件にも対応できるようにするために、記録後に前記非浸透性記録媒体を加熱することが好ましい。記録後に加熱工程を含むと、インク中に含有される樹脂粒子の造膜が促進されるため、記録物の画像硬度を向上させることができる。
前記加熱温度としては、乾燥性、及び造膜温度の点から、高いことが好ましく、40℃以上100℃以下がより好ましく、50℃以上90℃以下が特に好ましい。前記加熱温度が、40℃以上120℃以下であると、非浸透性記録媒体の熱によるダメージを防止し、インクヘッドが温まることによる不吐出が生じることを抑制することができる。
図3は、図1の装置の加熱手段の一例を示す概略図である。図3に示すように、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッドを駆動することにより、停止している記録媒体142にインク滴を吐出して画像を記録する。記録媒体を下ざさえするガイド部材153上であり、かつ搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架される搬送ベルト151上を搬送される記録媒体142に形成された画像に、温風発生部として加熱ファン201により温風202を吹き付けることにより乾燥させる。
なお、搬送ベルト151の記録媒体142と反対側には、ヒーター群203が設けられており、画像形成された記録媒体142を加熱可能である。
<洗浄工程及び洗浄手段>
前記洗浄工程は、インクが付着した被付着体として例えばインク流路又は記録ヘッドに残留したインクを洗浄液により洗浄する工程であり、前記洗浄手段は、インクが付着した被付着体として例えばインク流路又は記録ヘッドに残留したインクを洗浄液により洗浄する手段である。
インク流路の洗浄工程および洗浄手段としては、特に限定されないが、インクカートリッジの代わりに、洗浄液が充填されているカートリッジを装着して、洗浄液をインク流路に供給し、排出する工程を繰り返す;外部から洗浄液をインク流路に加圧供給する;吐出ヘッドの側から外部のポンプを用いて、洗浄液を吸引する態様等が挙げられる。
記録ヘッドに残留したインクを洗浄する洗浄工程および洗浄手段としては、例えば次の態様が挙げられる。
まず、例えば押圧部材上に払拭部材を設置し、該払拭部材に洗浄液を付与する。前記押圧部材としては、前記払拭部材を介して、前記記録ヘッドの例えばノズル面を押圧可能な部材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、押圧ローラ、押圧ローラと押圧ベルトの組み合わせ、ワイパー、ブレードなどが挙げられる。これらの中でも、押圧ローラが好ましい。
前記払拭部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不織布、布などが挙げられる。これらは、ロール状に巻回したものが好ましく、発塵し難く信頼性が高い点から、ロール状の不織布が好ましい。
前記洗浄液の付与量は、記録時間により制御される。この場合、前記洗浄液の付与量が複数の設定値から選択されることが好ましい。前記複数の設定値としては、洗浄液の付与方法(例えば、「圧力」、「付与回数」、「付与ノズル数」)などが挙げられる。
前記洗浄液の付与量は、洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズルにかける圧力により制御されることが好ましい。また、前記洗浄液が複数の洗浄液付与ノズルから付与される場合には、前記洗浄液の前記払拭部材への付与量は前記洗浄液付与ノズルの数により制御されることが好ましい。また、前記洗浄液の前記払拭部材への付与量は、前記洗浄液付与ノズルからの洗浄液の付与回数により制御されることが好ましい。
前記洗浄液付与手段としては、洗浄液を一定量付与することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノズル、スプレイ、ディスペンサー、塗布装置などが挙げられる。
図4は、本発明における洗浄手段の一例を示す概略図である。この図4の洗浄手段300は、インク吐出ヘッドのノズルプレート301のインク吐出側のノズル面301aを洗浄する手段である。
洗浄手段300は、払拭部材としての不織布303と、洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズル302と、押圧部材としての押圧ローラ305と、払拭処理後の不織布を巻き取る巻き取りローラ304とを有している。
洗浄液は、図示しない洗浄液供給チューブを介して洗浄液タンク(洗浄液収容容器)から供給される。前記洗浄液供給チューブの途中に設けられたポンプを駆動することにより、洗浄液付与ノズル302から洗浄液が、払拭部材としての不織布303に、記録時間により応じた洗浄液の付与量で付与される。なお、不織布303はロール状に巻回されている。
そして、図4に示すように、洗浄液が付与された不織布303が押圧部材としての押圧ローラ305によってインク吐出ヘッド301のノズル面301aに当接し押圧されることにより、ノズル面301aが清浄される。払拭処理が終了後、不織布303は巻取りローラ304により巻き取られる。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(顔料分散体の調製例)
<ブラック顔料分散体の調製>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して自己分散型ブラック顔料分散体(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)・・・15質量部
・アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)・・・2質量部
・イオン交換水・・・83質量部
<ポリエーテルポリウレタン樹脂エマルジョン1の調製>
攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた容量2Lの反応器に、メチルエチルケトンを100質量部、ポリエーテルポリオール(1)(iPA/AA=6/4(モル比)とEG/NPG=1/9(モル比)から得られたポリエーテルポリオール、数平均分子量=3,000、平均官能基数=2。なお、iPA:イソフタル酸、AA:アジピン酸、EG:エチレングリコール、NPG:ネオペンチルグリコールである)を345質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸DMPAを9.92質量部仕込み、60℃にて均一に混合した。
その後、トリエチレングリコールジイソシアネートTEGDIを45.1質量部、ジオクチルチンジラウレートDOTDLを0.08質量部仕込み、72℃で3時間反応させて、ポリウレタン溶液を得た。
このポリウレタン溶液に、IPAを80質量部、MEKを220質量部、TEAを3.74質量部、水を596質量部仕込んで転相させた後、ロータリーエバポレーターにてMEKとIPAを除去して、ポリエーテルポリウレタン樹脂エマルジョン1を得た。
得られた水性エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分30質量%、pH8に調整した。
このエマルジョン1を用いて、「Thermo plus EVO2」(Rigaku製)で測定したガラス転移温度(Tg)は30℃であった。
<ポリエーテルポリウレタン樹脂エマルジョン2の調製>
上記ポリエーテルポリウレタン樹脂エマルジョン1の調製において、ポリエーテルポリールの数平均分子量を2000になるよう調整した以外は上記調製法と同様に作製した。
このエマルジョン2を用いて、「Thermo plus EVO2」(Rigaku製)で測定したガラス転移温度(Tg)は14℃であった。
<ポリエーテルポリウレタン樹脂エマルジョン3の調製>
上記ポリエーテルポリウレタン樹脂エマルジョン1の調製において、ポリエーテルポリールの数平均分子量を1000になるよう調整した以外は上記調製法と同様に作製した。
このエマルジョン3を用いて、「Thermo plus EVO2」(Rigaku製)で測定したガラス転移温度(Tg)は−7℃であった。
<ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョン1の調製>
上記ポリエーテルポリウレタン樹脂エマルジョン1の調製において、ポリエーテルポリオールの代わりにポリエステルポリオールを添加した以外は、上記調製法と同様に作製した。
このポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョン1を用いて、「Thermo plus EVO2」(Rigaku製)で測定したガラス転移温度(Tg)は20℃であった。
(インク実施例1)
自己分散型ブラック顔料分散体20質量%、フッ素系界面活性剤:旭硝子株式会社製、商品名:サーフロンS-141)1.0質量%、ポリエーテルポリウレタン樹脂エマルジョン1を16.7質量%、1,2−プロパンジオール20質量%、2,3−ブタンジオール3質量%、3−メトキシ−3−メチルブタノール6質量%、2−メチル−2,4−ペンタンジオール3質量%、防腐剤として商品名:プロキセルLV(アビシア社製)0.1質量%、及び高純水を残量となるように添加し、混合撹拌して、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:BetafineポリプロピレンプリーツフィルターPPGシリーズ、3M社製)にてろ過することにより、インク1を作製した。
(インク実施例2〜4およびインク比較例1)
インク調製例1において、下記表1に記載の組成、及びに含有量に変更した以外は、インク調製例1と同様にして、インク2〜5のインクを作製した。
なお、表1において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・フッ素系界面活性剤:旭硝子株式会社製、商品名:サーフロンS-141
・1,2−プロパンジオール:株式会社ADEKA製
・2,3−ブタンジオール:東京化成工業株式会社製
・3−メトキシ−3−メチルブタノール:株式会社クラレ製
・2−メチル−2,4−ペンタンジオール:和光純薬工業株式会社製
・防腐剤:アビシア株式会社製、商品名:プロキセルLV
(洗浄液実施例1)
1,2−ブタンジオール(HSPのδH:10.39(cal/cm1/2、比重:1.04)5.0質量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(HSPのδH:6.29cal/cm1/2、比重:0.927)15質量%、2−ピロリドン(HSPのδH:4.39(cal/cm1/2、比重:1.10)60質量%、アルキレングリコール界面活性剤(商品名:ユニセーフ20P-8 日油株式会社社製)1.0質量%、消泡剤(2,4,7,9−テトラメチル−4,7−デカンジオール、日信化学工業株式会社製)0.10質量%、及びイオン交換水(HSPのδH:11.85(cal/cm1/2)残量を添加して、1時間撹拌し洗浄液1を得た。
(洗浄液実施例2〜4および洗浄液比較例1〜2)
<洗浄液2〜6の調製>
洗浄液実施例1において、表2に示す組成、及び含有量に変更した以外は、洗浄液実施例1と同様にして、洗浄液2〜6を得た。
なお、表2において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・1,2−プロパンジオール:株式会社ADEKA製
・1,2−ブタンジオール:東京化成工業株式会社製
・1,3−ブタンジオール:東京化成工業株式会社製
・1,2−ヘキサンジオール:東京化成工業株式会社製
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール:株式会社クラレ製
・2−ピロリドン:東京化成工業株式会社製、比重:1.10
・アルキレングリコール系界面活性剤(前記構造式1で示される化合物):日油株式会社製、商品名:ユニセーフ 20P−8
・アルキレングリコール系界面活性剤(前記構造式1で示される化合物):日油株式会社製、商品名:ユニルーブ MT−0612B
・ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤:信越化学工業株式会社製、商品名:KF−945
・消泡剤:2,4,7,9−テトラメチル−4,7−デカンジオール、日信化学工業株式会社製
(インクと洗浄液のセット実施例1)
前記インク1、及び前記洗浄液1を組み合わせて、インクと洗浄液のセット実施例1とした。
(インクと洗浄液のセット実施例2〜7、及びインクと洗浄液のセット比較例1〜3)
インクと洗浄液のセット実施例1において、下記表3の組合せに変更した以外は、インクと洗浄液のセット実施例1と同様にして、インクと洗浄液のセット実施例2〜7、及びインクと洗浄液のセット比較例1〜3とした。
得られたインクと洗浄液のセットを用いて、下記のようにして、「耐擦過性」、「定着性(ビーディング)」、「画像光沢度」、「密着性」、「保存安定性」、及び「洗浄性」を評価した。結果を表3に示す。
なお、屋外用途への利用を考慮して、「定着性(ビーディング)」、及び「耐擦過性」の評価については、一般の紙に記録する場合と比べてかなり厳しい評価基準を採用した。
[ベタ画像の形成]
インク1〜5をインクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に充填し、ポリ塩化ビニルフィルム(CPPVWP1300、桜井株式会社製、以下、「PVCフィルム」とも称することがある)記録媒体に対し、インク付着量が0.6g/cmで、ベタ画像を記録した。記録後、前記ベタ画像を80℃に設定したホットプレート(NINOS ND−1、アズワン株式会社製)上で1時間乾燥させた。
なお、前記IPSiO GXe5500改造機は、IPSiO GXe5500機を、150cmの印字幅で30m/hrの記録速度相当の記録をA4サイズで再現できるように改造し、また、前記ポットプレートを設置し、記録後の加熱条件(加熱温度、加熱時間)を変えることができるように改造した。
<耐擦過性>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像を乾いた木綿(カナキン3号)で400gの荷重をかけて擦過し、画像の状態を目視で観察し、下記評価基準に基づいて、「耐擦過性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:50回以上擦っても画像が変化しなかった
A:50回擦った段階で多少の傷が残るが画像には影響しなかった
B:31回以上49回以下擦っても画像が変化しなかった
C:30回以下擦っても画像が変化しなかった
<定着性(ビーディング)>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像の記録ムラを目視により観察し、下記評価基準に基づいて、「定着性(ビーディング)」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
A:非常に良好(ビーディングが全くなかった)
B:良好(わずかにビーディングが観察された)
C:普通(ビーディングがあった)
D:不良(著しいビーディングがあった)
<画像光沢度>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像の60°光沢度を、光沢度計(BYK Gardener社製、4501)により4回測定し、光沢値の平均値を求め、下記評価基準に基づいて、「画像光沢度」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
〔評価基準〕
AA:光沢値が100以上
A:光沢値が90以上100未満
B:光沢値が80以上90未満
C:光沢値が80未満
<密着性>
前記ベタ画像の形成方法と同様にして、PPフィルム記録媒体(東洋紡製、P2161)に形成されたベタ画像に対し、布粘着テープ(ニチバン株式会社製、123LW−50)を用いた碁盤目剥離試験により、試験マス目100個の残存マス数をカウントし、下記評価基準に基づいて、記録媒体に対する「密着性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
〔評価基準〕
AA:残存マス数が98個以上
A:残存マス数が90個以上98個未満
B:残存マス数が70個以上90個未満
C:残存マス数が70個未満
<保存安定性>
調製したインクを50mLのガラス容器に40mL入れ、50℃の恒温槽で2週間静置した後、インク粘度の変化率を測定し「保存安定性」を評価した。評価基準は下記に示す。このうち、B以上であることが実使用上望ましい。
A:インク粘度変化率が±3%以内
B:インク粘度変化率が±5%以内(評価Aは満たさない)
C:インク粘度変化率が±10%以内(評価A、Bは満たさない)
D:インク粘度変化率が10%を超えるか、−10%未満
<洗浄性>
SUS316板(3cm×4cm)を、各インクと洗浄液のセットにおけるインクに、60分間浸漬させた。その後、大気中で0.1MPaの加圧条件下、常温(25℃)で2時間静置し乾燥させて、インク乾固物が付着したSUS316板を得た。
得られたインク乾固物が付着したSUS316板を、各インクと洗浄液のセットにおける洗浄液30mLを用いて3分間繰り返しかけ洗いした。かけ洗い終了後、SUS316板を目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、「洗浄性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:繰り返しかけ洗い洗浄し30秒以内にインク乾固物が全く確認できなくなった
A:繰り返しかけ洗い洗浄し1分以内にインク乾固物が全く確認できなくなった(評価AAは満たさない)
B:繰り返しかけ洗い終了後、インク乾固物が全く確認できなくなった(評価AA、Aは満たさない)
C:インク乾固物が僅かに残存していることが確認できた
D:洗浄前後でインク乾固物に変化が見られなかった
インクと洗浄液のセット実施例1、2及び3は、本発明の好ましい実施例であり、PPフィルム記録媒体に対する密着性に優れ、非浸透性記録媒体に印字した際にも高い画像光沢度が得られると共に、耐擦過性、ビーディングに優れた画像を得られ、洗浄性、保存安定性にも優れることが分かる。
インクと洗浄液のセット実施例4はインク中の樹脂粒子のTgがやや低めでありインクと洗浄液のセット実施例1,2には劣るが、高い画像堅牢性、高い光沢度、保存安定性を有している。
インクと洗浄液のセット実施例5は、インク中の樹脂粒子のTgがかなり低い例であり、インクと洗浄液のセット実施例1〜4に比べ画像堅牢性、光沢度が劣る結果となった。
インクと洗浄液のセット実施例6、7はそれぞれ洗浄液の混合溶媒にδHが5以下の溶剤を含まない例であり、インクと洗浄液のセット実施例1〜5に比較して洗浄性が劣る結果となった。
インクと洗浄液のセット比較例1は、インク中にポリエーテルポリオールを含むウレタン樹脂粒子を含むインクではない例であり、インクと洗浄液のセット実施例1〜3に比べ耐擦過性が劣り、且つ洗浄性も悪化する結果となった。
インクと洗浄液のセット比較例2は、洗浄液中の混合溶媒におけるハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、10(cal/cm1/2以下でない例であり、インクと洗浄液のセット実施例1〜3に比べ洗浄性が劣る結果となった。
インクと洗浄液のセット比較例3は、洗浄液中にアルキレングリコール系界面活性剤を含まない例であり、インクと洗浄液のセット実施例1〜3に比べ洗浄性が劣る結果となった。
前記表3の結果から、本発明のインクが屋外用途に適したものであることが分かる。また、インクと洗浄液のセット実施例1〜7のインクセットは、耐擦過性、耐溶剤性、定着性、画像光沢度、密着性、吐出安定性及び洗浄性に優れていた。
133 キャリッジ
142 記録媒体
151 搬送ベルト
153 ガイド部材
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
201 加熱ファン
202 温風
203 ヒータ群
300 洗浄手段
301 ノズルプレート
301a ノズル面
302 洗浄液付与ノズル
303 不織布
304 巻き取りローラ
305 押圧ローラ
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2005−220352号公報 特開2011−094082号公報 特許第5618250号公報 特開2014−162819号公報 特表2013−518138号公報

Claims (8)

  1. 水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクが付着した被付着体を洗浄するための洗浄液であって、
    前記洗浄液は水、溶剤および下記構造式1で示される界面活性剤を含有し、前記水および前記溶剤からなる混合液のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、10.0(cal/cm1/2以下である洗浄液。
    (構造式1中、Rはアルキル基を表し、m、nはそれぞれ独立して、1〜20の整数を示す。)
  2. 前記ポリエーテルポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度が0℃以上である請求項1に記載の洗浄液。
  3. 水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクと、請求項1または2に記載の洗浄液とからなる、インクと洗浄液のセット。
  4. 水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクと、請求項1または2に記載の洗浄液とを、それぞれ個別に容器中に収容してなる収容容器。
  5. 水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクを吐出する吐出手段と、インク流路または記録ヘッドに残留したインクを請求項1または2に記載の洗浄液により洗浄する洗浄手段と、を有するインクジェット印刷装置。
  6. 水、溶剤およびポリエーテルポリウレタン樹脂粒子を含有するインクを吐出させて記録媒体に印刷する吐出工程と、インク流路または記録ヘッドに残留したインクを請求項1または2に記載の洗浄液により洗浄する洗浄工程と、を有するインクジェット印刷方法。
  7. 前記記録媒体を加熱する加熱工程を含む請求項6に記載のインクジェット印刷方法。
  8. 前記加熱工程における加熱温度が、40℃以上100℃以下である請求項7に記載のインクジェット印刷方法。



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