JP2018039913A - インク、インクジェット印刷装置、インクジェット印刷方法 - Google Patents

インク、インクジェット印刷装置、インクジェット印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高光沢性、インク供給安定性および吐出信頼性に優れたインクの提供。
【解決手段】個別液室と、該個別液室にインクを流入させるための流入流路と、インクを前記個別液室から流出させるための流出流路と、を有するインクを吐出するインク吐出ヘッドを備えたインク吐出装置に用いるインクにおいて、前記インクが、水と、ジメチルプロピオンアミド系化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物からなる溶剤と、少なくとも二種の樹脂粒子と、を含有するインク。
Figure 2018039913

【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクジェット印刷装置、及び、インクジェット印刷方法に関する。
産業用途において、耐光性、耐水性、耐摩耗性などの耐久性を向上させるために、例えば、プラスチックフィルムなどの非浸透性基材が使用されており、前記非浸透性基材に用いられるインクが開発されている。
前記インクとして、例えば、有機溶剤をビヒクルとして使用した溶剤系インクジェットインクや、重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型インクジェットインクが広く用いられている。しかし、前記溶剤系インクジェットインクは、溶剤蒸発による環境への影響が懸念されるという問題がある。紫外線硬化型インクジェットインクは、安全性の面から使用するモノマーの選択肢が限られる場合がある。
そのため、環境負荷が少なく、非浸透性基材に直接記録できる水性インクが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、吐出ヘッドの大型化を回避するためにインクを循環するようにした吐出ヘッドが知られている(特許文献3参照)。
本発明は、高光沢性、インク供給安定性および吐出信頼性に優れたインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは以下に記載するとおりのものである。
個別液室と、該個別液室にインクを流入させるための流入流路と、インクを前記個別液室から流出させるための流出流路と、を有するインクを吐出するインク吐出ヘッドを備えたインク吐出装置に用いるインクにおいて、
前記インクが、水と、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物と、少なくとも二種の樹脂粒子と、を含有するインク。
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを示し、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを示す)
本発明によれば、非浸透性基材を含む各種基材に印刷した際に高光沢性を有する画像を提供でき、かつ印字工程においてインクの供給安定性および吐出信頼性を備えたインク吐出装置を提供できる。
図1は、本発明のインク吐出装置の機構部の一例を示す概略側面図である。 図2は、図1のインク吐出装置の要部平面説明図である。 図3は、本発明のインク吐出装置におけるインク吐出ヘッドの一例を示す外観斜視図である。 図4は、図3のインク吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向の断面説明図である。 図5は、図3のインク吐出ヘッドのノズル配列方向と平行な方向の一部断面説明図である。 図6は、図3のインク吐出ヘッドのノズル板の平面説明図である。 図7Aは、図3のインク吐出ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図である。 図7Bは、図3のインク吐出ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図である。 図7Cは、図3のインク吐出ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図である。 図7Dは、図3のインク吐出ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図である。 図7Eは、図3のインク吐出ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図である。 図7Fは、図3のインク吐出ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図である。 図8Aは、図3のインク吐出ヘッドの共通液室部材を構成する各部材の平面説明図である。 図8Bは、図3のインク吐出ヘッドの共通液室部材を構成する各部材の平面説明図である。 図9は、本発明に係るインク循環システムの一例を示すブロック図である。 図10は、図4のA−A’断面図である。 図11は、図4のB−B’断面図である。 図12は、本発明のインク吐出装置におけるインク吐出ヘッドの一例を示す断面説明図である。 図13は、図12のインク吐出ヘッドの断面説明図である。 図14Aは、本発明のインク吐出装置におけるインク吐出ヘッド及びインク供給部の一例を示す説明図である。 図14Bは、図14Aに示すインク吐出ヘッドの拡大説明図である。
(インク)
本発明のインクは、水と、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物と、少なくとも二種の樹脂粒子と、を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを示し、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを示す)
前記インクに含まれる成分において、樹脂粒子は印刷により形成された画像の性能に大きな影響を与える材料の一つである。前記樹脂粒子としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂など様々な種類が挙げられるが、樹脂粒子にはそれぞれの特性があり、例えば、アクリル樹脂は好適な画像硬度が得えられるが、耐溶剤性に乏しく、一種の樹脂で、二つの特性を同時に満たすことは困難であるという課題がある。前記課題を解決するために、二種以上の樹脂粒子を同時に使用することが考えられる。しかし、樹脂粒子同士の混和性、及び相溶解性が乏しい場合、それぞれの特性をつぶし合い所望の効果が得られないという課題がある。
また、循環経路を流路に持つインク吐出ヘッドを使用する場合、その流路に空気に触れる部分があったり、微細な経路を有したりすると、樹脂の凝集が起こりやすい。さらに、樹脂粒子は吐出装置のノズル付近で乾燥により皮膜を形成しやすく、吐出不良の原因となりうる。
前記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、インクに、少なくとも二種の樹脂粒子を使用する際に、前記樹脂粒子を溶解できる有機溶剤を含有させることで、インクが付着した印刷媒体を乾燥させる過程において、前記樹脂粒子の混和性を高めることができることを見出した。また、樹脂の相溶解性を高められるような溶剤を用いることで循環経路を持つヘッド内での樹脂の凝集の問題を抑制することができた。さらに、インク中の樹脂粒子の総含有量に対して、所定の範囲内の前記溶剤を用いることで2種類以上の樹脂粒子からなる樹脂膜の均一性が得られ光沢を高められることを見出した。また、2種以上の樹脂の存在により理由は定かではないが、吐出装置のノズル付近での皮膜形成を緩和でき、結果吐出信頼性を向上できたと考えられる。
<一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物>
下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物の少なくともいずれかは、少なくとも2種の樹脂粒子を含有するインクを用いて画像を印刷した際に、インクの乾燥工程において少なくとも2種の樹脂が好適に混和した状態が得られ、その結果少なくとも2種の樹脂粒子の特性の相乗効果を引き出すことができる。
これらの中でも、高光沢性の点から、前記一般式(1)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを示し、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを示す)
前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の中でも、高光沢性の点から、前記一般式(1)で表される化合物を用いることが好ましい。
<<一般式(1)で表される化合物>>
一般式(1)で表される化合物は、下記の通りである。
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
前記、炭素数1以上5以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、下記構造式(1−1)で表される3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド;下記構造式(1−2)で表される3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド;3−メトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミドなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、密着性、耐擦過性、非転写性、及び高光沢性の点から、下記構造式(1−1)で表される3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドが好ましい。
Figure 2018039913
Figure 2018039913
前記一般式(1)で表される化合物を含有することで、有機溶剤と前記樹脂粒子との相溶性を高め、分散性を向上させることができる。また、前記一般式(1)で表される化合物は、各種非浸透性基材への浸透性も高いため、インク基材への十分な濡れ性を確保できる。その結果、更に光沢性に優れた画像を得ることができる。
また、前記一般式(1)で表される化合物としては、樹脂粒子と、ある程度の親和性を持ちつつ比較的沸点の低い、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール等の有機溶剤を併用することで、インク中における樹脂粒子の分散安定性を確保でき、かつ記録後の画像ベタ部の均一性を向上させることができ、光沢性に優れた画像を得ることができる。
本発明に用いるインクは、樹脂粒子の分散安定性に優れるインクであり、微細な経路を有する循環経路を持つヘッド内で循環させた場合に、樹脂粒子が凝集することなく分散性が維持される。その結果、長時間の使用においても樹脂粒子が流路に固着することなくインクを循環させることが可能となり、インクの流量が安定し、吐出安定性を達成することが可能となった。
前記一般式(1)で表される化合物の市販品としては、例えば、商品名「エクアミドM−100」(出光興産株式会社製、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、前記一般式中、R:メチル基、R:メチル基、R:メチル基)、商品名「エクアミドB100」(出光興産株式会社製、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、前記一般式中、R:メチル基、R:メチル基、R:ブチル基)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<<一般式(2)で表される化合物>>
一般式(2)で表される化合物は、下記の通りである。
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを示し、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを示す)
前記一般式(2)中のRは水素原子が好ましい。
前記炭素数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
前記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、下記構造式(2−1)で表される3−メチル−3−オキセタンメタノール、下記構造式(2−2)で表される3−エチル−3−オキセタンメタノールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
Figure 2018039913
Figure 2018039913
前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の合計の含有量としては、インク全量に対して、5質量%以上55質量%以下が好ましく、10質量%以上45質量%以下がより好ましい。前記含有量が、5質量%以上55質量%以下であると、均一に混合される効果が高まり、インクジェット印刷方法に用いた場合に良好な吐出性を得ることができる。また、非浸透性基材への濡れ性が優れたインクを製造しやすくなる。
前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の少なくともいずれかのインク中の含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)法により確認することができる。具体的に、インク全体をGCMSにかけ、含まれている溶剤の定性分析を行う。溶剤の種類が特定できたら、各溶剤の濃度の検量線を作成し、インク中に含まれる各溶剤の定量をすることができる。
<樹脂粒子>
前記樹脂粒子としては、少なくとも二種を用いる。
前記樹脂粒子としては、特に制限はないが、例えば、ポリエステル樹脂粒子;ポリウレタン樹脂粒子;エポキシ樹脂粒子;ポリアミド樹脂粒子;ポリエーテル樹脂粒子;アクリル樹脂粒子;アクリル−シリコーン樹脂粒子;フッ素系樹脂等の縮合系合成樹脂粒子;ポリオレフィン樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリビニルアルコール系樹脂粒子、ポリビニルエステル系樹脂粒子、ポリアクリル酸系樹脂粒子、不飽和カルボン酸系樹脂等の付加系合成樹脂粒子;セルロース類、ロジン類、天然ゴム等の天然高分子などが挙げられる。これらは、2種以上を併用して用いる。
少なくとも二種の樹脂粒子のうちの一つは、これらの樹脂粒子の中でも、インクの分散安定性と高光沢性の点から、ポリウレタン樹脂粒子が好ましい。インクの分散安定性に優れることで、より吐出信頼性が向上する。
また、少なくとも二種の樹脂粒子としてインクの供給安定性に優れるという点から、ポリウレタン樹脂粒子とポリ塩化ビニル樹脂粒子との併用が好ましい。
前記樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
<<ポリウレタン樹脂粒子>>
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、特に制限はなく、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂粒子などが挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−ポリエーテルポリオール−
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を出発原料として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものなどが挙げられる。
前記出発原料としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、非常に優れた耐擦過性を付与できるインク用バインダーを得る点から、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−ポリカーボネートポリオール−
また、前記ポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるもの、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記炭酸エステルとしては、例えば、メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4’−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−ポリエステルポリオール−
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ−ルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、これらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
−ポリイソシアネート−
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明のインクは、ポスターや看板などの屋外向けの用途としても用いられるため、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、前記長期耐候性の点から、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートが好ましい。
更に、少なくとも1種の脂環式ジイソシアネートを使用することにより、画像を形成した場合に塗膜強度、及び耐擦過性を得ることができるので好ましい。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。
<<ポリウレタン樹脂粒子の製造方法>>
本発明のインクに用いるポリウレタン樹脂粒子は、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができ、例えば、次の方法などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
ポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できる有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記鎖延長剤としては、例えば、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類;ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類;コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記その他の活性水素基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類;水などが挙げられる。これらは、インクの保存安定性が低下しない範囲内であれば、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、高光沢性の点から、ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子が好ましい。前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子である場合、屋外用途のような過酷な環境において使用される記録物にも高光沢性を維持するインクが得られる。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、市販品を使用してもよく、例えば、ユーコートUX−485(ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子)、ユーコートUWS−145(ポリエステル系ウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA−368T(ポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA−200(ポリエーテル系ウレタン樹脂粒子)(以上、三洋化成工業株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<<ポリ塩化ビニル系樹脂粒子>>
前記ポリ塩化ビニル系樹脂粒子としては、インク中に含まれる顔料や他の樹脂粒子との混和性を確保する点から、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル共重合体が好ましく、非極性基材に対する密着性に特に優れる点から、塩化ビニル−エチレン共重合体がより好ましい。
前記ポリ塩化ビニル系樹脂粒子としては、特に制限はなく、市販品を使用することができ、市販のポリ塩化ビニル樹脂エマルション、市販のポリ塩化ビニル−アクリル共重合体のエマルション、市販の塩化ビニル−エチレン共重合体のエマルションなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記市販のポリ塩化ビニル樹脂エマルションとしては、例えば、日信化学工業株式会社製のビニブラン(登録商標)シリーズのうち品番985(固形分濃度:40質量%、アニオン性)が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記市販の塩化ビニル−アクリル共重合体のエマルションとしては、例えば、日信化学工業株式会社製のビニブラン(登録商標)シリーズのうち品番278(固形分濃度:43質量%、アニオン性)、700(固形分濃度:30質量%、アニオン性)、701(固形分濃度:30質量%、アニオン性)、711(固形分濃度:50質量%、アニオン性)、721(固形分濃度:30質量%、アニオン性)、700FS(固形分濃度:30質量%、アニオン性)、701RL35(固形分濃度:30質量%、アニオン性)、701RL(固形分濃度:30質量%、アニオン性)、701RL65(固形分濃度:30質量%、アニオン性)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記市販の塩化ビニル−エチレン共重合体のエマルションとしては、例えば、住化ケムテックス(株)製のスミエリート(登録商標)シリーズのうち品番1010(固形分濃度:50±1質量%、アニオン性)、1210(固形分濃度:50±1質量%、アニオン性)、1320(固形分濃度:50±1質量%、アニオン性)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
その他の市販品としては、ポリ塩化ビニル樹脂にヒドロキシル成分を導入したWacker Chemie AG社製のVINNOLシリーズのうち品番E15/48A(固形分濃度:50質量%、アニオン性)、E22/48A(固形分濃度:30質量%、アニオン性)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<<ポリエステル樹脂粒子>>
前記ポリエステル樹脂粒子としては、画像の耐水性を得るために、乳化剤やスルホン酸塩など乾燥後の被膜に残存する親水性成分を含有しないものが好ましい。
前記前記ポリエステル樹脂粒子としては、特に制限はなく、市販品を用いることができ、前記市販品のポリエステル樹脂エマルションとしては、例えば、ユニチカ株式会社製のエマルションエリーテル(登録商標)シリーズのうち品番KZA−1449(固形分濃度:30質量%、アニオン性)、KZA−3556(固形分濃度:30質量%、アニオン性)、KZA−0134(固形分濃度:30質量%、アニオン性)、高松油脂株式会社製のペスレジンAシリーズのうち品番A−124GP(固形分濃度:30質量%)、A−125S(固形分濃度:30質量%)、A−160P(固形分濃度:25質量%)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<<アクリル樹脂粒子>>
前記アクリル樹脂粒子としては、インク中の顔料粒子や、被記録材料との親和性を考慮し、他モノマーとの共重合体として用いたり、変性アクリル樹脂を用いることが好ましい。
前記アクリル樹脂粒子としては、特に制限はなく、市販品を使用することができ、前記市販品のアクリル樹脂粒子としては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂微粒子、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂微粒子、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂微粒子、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂微粒子、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂微粒子、サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂微粒子、ローム・アンド・ハース社製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂微粒子、東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂微粒子、御国色素株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、前記樹脂粒子は、特に制限はなく、水性のエマルションの状態で供給されたものを用いるのが好ましい。溶剤、着色剤、及び水と配合して水性のインクを調製する作業の容易性や、前記インク中にできるだけ均一に分散させること等を考慮すると、樹脂粒子が水を分散媒として安定に分散した状態である、樹脂エマルションの状態でインクに添加することが好ましい。
前記樹脂粒子としては、実使用上はインク化する際に添加される水溶性有機溶剤によって造膜が容易となっており、溶剤及び水の蒸発に伴い樹脂粒子の造膜が促されることから、本発明のインクを使用する際に必ずしも加熱工程は必要ではないが、加熱工程を設けることで、更なる高速印刷の効果を得ることができる。
前記樹脂粒子を水性媒体中に分散させるにあたり、分散剤を利用した強制乳化型のものを用いることもできるが、塗膜に分散剤が残り強度を下げることを防止する点から、分子構造中にアニオン性基を有する、いわゆる自己乳化型の樹脂粒子が好適である。
前記自己乳化型の樹脂粒子のアニオン性基の酸価としては、水分散性、耐擦性、及び耐薬品性の点から、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/mg以上50mgKOH/mg以下が好ましい。
前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基などが挙げられる。これらの中でも、良好な水分散安定性を維持する点から、一部又は全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基が好ましい。前記アニオン性基を樹脂中に導入するには、前記アニオン性基を持ったモノマーを使用すればよい。
前記アニオン性基を有する樹脂粒子の水分散体を製造する方法としては、水分散体にアニオン性基の中和に使用できる塩基性化合物を添加することが挙げられる。
前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリンなどの有機アミン;モノエタノールアミンなどのアルカノールアミン;Na、K、Li、Caなどを含む金属塩基化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記強制乳化型の樹脂粒子を用いて水分散体を製造する方法としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などの界面活性剤を用いることができる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性の点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンが好ましい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、メチルタウリル酸塩、スルホコハク酸塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシドなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩が好ましい。
前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、樹脂粒子全量に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上30質量%以下の範囲内であれば、好適に樹脂粒子が造膜し、付着性や耐水性に優れたインクが得られ、記録物がブロッキングすることなく好適に用いられる。
また、前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に、インクジェット印刷装置に使用することを考慮すると、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径が10nm以上1,000nm以下の樹脂粒子を用いることで、インクを循環させる循環手段を有するインク吐出装置に用いた場合に、優れたインク供給性や吐出信頼性を得られると共に、印刷媒体など被印刷物上でインクが乾燥する過程で樹脂粒子が有機溶剤に溶解しやすく、樹脂の広がりの効果を得やすいことから高光沢の画像を形成しやすい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明においては、インク中に少なくとも二種の樹脂粒子を含有するが、前記樹脂粒子の合計含有量としては、インクの分散安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上15質量%以下が好ましく、インク層の平滑性がより向上し、高い光沢度を得ることができるとともに、基材への定着性も向上する点から、5質量%以上12質量%以下がより好ましい。
本発明において、インク中に少なくとも二種の樹脂を含有するが、本発明における少なくとも二種の樹脂とは、樹脂の成分が異なることを意味し、同じ成分の樹脂で重量平均分子量が異なるだけの樹脂粒子は、同一の樹脂粒子とする。ただし、主骨格を形成する成分が同じでも、側鎖が異なっていたり、共重合により他の成分を含んだりしている場合は異なる種類の樹脂とする。
前記樹脂粒子の定性及び定量としては、例えば、下記参考文献1に詳述されているような手順で確認することができる。具体的には、以下に示すような測定装置を用いた分析により確認することができる。
[参考文献1]
「プラスチック材料の各動特性の試験法と評価結果(22);安田武夫著、プラスチックス:日本プラスチック工業連盟誌/「プラスチックス」編集委員会編」
<<赤外線分光分析(IR)>>
樹脂粒子の持っている各種の官能基の吸収波長を測定し、既知の樹脂粒子のIRスペクトルと比較することによる樹脂粒子の定性分析を行うことができる。また、各樹脂粒子の官能基の吸収の吸光度を比較することにより、数種類のモノマーや樹脂粒子の相対量の比較を行うことができる。
<<熱分析(DS/A、TG/DTA)>>
示差走査型熱量分析(DS/A)や示差熱分析(DTA)を用いて樹脂粒子の融点、ガラス転移点等を測定することによりポリマーを同定することができる。
<<熱分解ガスクロマトグラフィ(PyGC)>>
熱分解生成物をガスクロマトグラフィにより分離し、組成分析や構造解析を行うことができる。
なお、PyGCに質量分析計を直結し、熱分解により生成した分解生成物を同定しておくとより正確な分析を行うことができる。
<<核磁気共鳴法(NMR)>>
既知の樹脂粒子のスペクトルと比較して、樹脂粒子の同定、及び確認を行うことができる。未知樹脂粒子の場合は分子構造の推定を行うことができる。さらに共重合体や複数のポリマーのブレンド物の組成比やブレンド比の定量分析を行うことができる。
前記測定装置を用いて樹脂粒子の分析を行う前に、前処理として遠心分離によりインク中の着色剤成分を沈降させ、樹脂粒子を含んだ上澄みを回収したり、適当な有機溶剤を用いて樹脂粒子を抽出したりしておくことも分析精度を高める手段として有効である。
本発明のインクは、記録後に加熱を行うと、残留溶剤が低減して接着性が向上する。特に、樹脂粒子の最低造膜温度(以下、「MFT」とも称することがある)が80℃を超える場合、樹脂の造膜不良をなくし、画像堅牢性を向上する点から、加熱をすることが好ましい。
なお、本発明のインクを得るために樹脂エマルションの最低造膜温度を調整する場合、例えば、樹脂のガラス転移点(以下、「Tg」とも称することがある)をコントロールすることで調整することができ、樹脂粒子が共重合体である場合には、共重合体を形成するモノマーの比率を変えることにより調整することができる。本発明において最低造膜温度とは、エマルションをアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていったときに透明な連続フィルムが形成される最低温度のことをいい、最低造膜温度未満の温度領域では、エマルションは白色粉末状となる点をいい、具体的には、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)、「TP−801 MFTテスター」(テスター産業株式会社製)などの市販の最低造膜温度測定装置で測定される値のことをいう。
また、樹脂の粒子径の制御によっても変化するため、これらの制御因子により樹脂の最低造膜温度を狙いの値とすることが可能である。
<質量比(S/A)>
インク中の前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物の合計の含有量S(質量%)と、前記樹脂粒子の総固形分濃度A(質量%)との質量比(S/A)としては、0.5以上5以下が好ましく、1.0以上4.0以下がより好ましい。前記質量比(S/A)が、0.5以上5以下であると、画像形成において複数使用した樹脂粒子を良好に混和させることができ、かつ循環経路を有する吐出ヘッド装置におけるインクの供給安定性を確保でき、さらに吐出安定性が良好である。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、例えば、水溶性有機溶剤などが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネイト;炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、高光沢性、及び粒子の凝集の防止の点から、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。また、高い耐擦過性、耐溶剤性、及び樹脂の造膜を促進する点から、沸点が200℃未満である、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオールが好ましい。
前記有機溶剤の含有量としては、特に制限はなく、インク全量に対して、20質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。前記含有量が、20質量%以上70質量%以下であると、乾燥性に優れ、かつ、良好な吐出安定性が得られる。
<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水;超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水の含有量としては、インク全量に対して、15質量%以上60質量%以下が好ましい。前記含有量が、15質量%以上であると、高粘度になることを防止し、吐出安定性を向上でき、60質量%以下であると、非浸透性基材への濡れ性が好適となり、画像品位を向上できる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、顔料;界面活性剤;防腐防黴剤;防錆剤;pH調整剤;ヒンダードフエノールやヒンダードフエノールアミンのようなゴム及びプラスチックス用無色老化防止剤などが挙げられる。
<<顔料>>
前記顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料として、例えば、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。
前記顔料の含有量としては、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下が好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上10質量%以下であると、画像濃度、定着性、及び吐出安定性を向上できる。
前記顔料の具体例としては、黒色用としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、カラー用としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
その他、顔料(例えば、カーボンブラック)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料などが使用できる。
また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、前記顔料を水中に分散可能なもの、すなわち、顔料粒子を含有させた樹脂微粒子であってもよい。
この場合、インクに含有される顔料としては、すべて樹脂微粒子に封入または吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、前記顔料がインク中に分散していてもよい。
前記顔料の数平均粒径としては、特に制限はなく、最大個数換算で最大頻度が20nm以上150nm以下が好ましい。数平均粒径が、20nm以上であると、分散操作、分級操作が容易になり、150nm以下であると、インク組成物としての顔料分散安定性が良くなるばかりでなく、吐出安定性にも優れ、画像濃度などの画像品質も高くなり好ましい。
前記数平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
分散剤を用いて顔料を分散する場合には、従来公知のものであればいずれも使用することができ、例えば、高分子分散剤、水溶性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<<界面活性剤>>
前記界面活性剤は、印刷媒体への濡れ性を確保するために含有することができる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分散安定性、及び画像品質の点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
また、組成によってはフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤を併用又は単独使用することできる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤の含有量としては、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上であると、非浸透性基材への濡れ性が確保できるため、画像品質が向上でき、5質量%以下であると、インクが泡立ちにくくなるため、優れた吐出安定性が得られる。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
本発明のインクとしては、例えば、インクジェット用に好適に用いることができる。
<インクの製造方法>
前記インクの製造方法としては、例えば、水、有機溶剤、一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物、樹脂粒子、及び必要に応じて、その他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、適宜撹拌混合して製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
<粘度>
前記インクの粘度としては、印刷媒体に記録した場合の文字品位等の画像品質の点から、25℃で、2mPa・s以上が好ましく、3mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。 前記粘度が、2mPa・s以上であると、吐出安定性を向上できる。
(インクカートリッジ)
前記インクカートリッジは、ブラックインクを容器中に収容するインクカートリッジと、カラーインクを容器中に収容するインクカートリッジとを含む。
前記インクカートリッジとしては、前記インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて、その形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが挙げられる。
(インクジェット印刷方法)
本発明のインクジェット印刷方法は、刺激を印加し、前記インクを吐出させて印刷媒体に画像を記録するインク吐出工程を有し、必要に応じて、加熱工程を有することが好ましく、さらに、その他の工程を有してなる。
また、本発明のインクジェット印刷方法は、インクの循環を休止する工程、インクを吐出する前に、前記インクを循環させる工程、インクを吐出して印刷する印刷工程を有しても良い。長時間印刷を行わない場合や、印刷装置の電源を落とした場合でも、本発明のインクを用いることにより、インクを吐出する前に、インクを循環させる工程を設け、その後インクを吐出して印刷することで、安定した吐出が可能となり、良好な印刷方法を提供することが可能である。
更に、印刷を行わない工程で、インクを循環させる際に、インクを吐出させない強さで前記インクに圧力を与える工程を有することで、より良好な吐出安定性が得られる。
<<インク吐出工程>>
前記インク吐出工程は、前記インクに、刺激を印加し、前記インクを吐出させて画像を記録する工程である。
前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記インクに用いられるインクの吐出の態様としては、例えば、インク流路内の前記インクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる、いわゆるピエゾ方式(例えば、特公平2−51734号公報参照);発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させる、いわゆるサーマル方式(例えば、特公昭61−59911号公報参照);インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、前記振動板と前記電極との間に発生させる静電力によって前記振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電方式(例えば、特開平6−71882号公報参照)などが挙げられる。
前記吐出させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3pl以上40pl以下が好ましく、その吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下が好ましく、その駆動周波数としては、1kHz以上が好ましく、その解像度としては、300dpi以上が好ましい。
<<加熱工程>>
前記加熱工程は、画像を記録した前記印刷媒体を加熱する工程である。
前記インクジェット印刷方法としては、前記非浸透性基材に高画像品質な記録ができるが、より一層高画質で耐擦性、及び密着性の高い画像の形成、並びに高速の記録条件にも対応できるようにするために、記録後に前記非浸透性基材を加熱することが好ましい。記録後に加熱工程を有すると、インク中に含有される樹脂の造膜が促進されるため、記録物の画像硬度を向上させることができる。
前記加熱工程に用いる装置としては、多くの既知の装置を使用することができ、例えば、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等の装置などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記加熱温度としては、インク中に含まれる水溶性有機溶媒の種類や量、及び添加する樹脂エマルションの最低造膜温度に応じて変更することができ、さらに印刷する基材の種類に応じても変更することができる。
前記加熱温度としては、乾燥性、及び造膜温度の点から、高いことが好ましく、40℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上90℃以下が特に好ましい。前記加熱温度が、40℃以上120℃以下であると、印刷する非浸透性基材の熱によるダメージを防止し、インクヘッドが温まることによる不吐出が生じることを抑制することができる。
また、本発明における印刷方法の一例としては、顔料を含まないクリアインク、又は着色剤として白色(ホワイト)の顔料を含有するインク(ホワイトインク)を印刷媒体に塗布する工程と、顔料を有するインクを用いて記録する記録工程とを有する記録方法とすることもできる。この際、クリアインク、又はホワイトインクは、印刷媒体の全面に塗布することも可能であり、また、印刷媒体の一部に塗布しても良い。印刷媒体の一部に塗布する場合は、例えば、記録を行う箇所と同一の箇所に塗布しても良いし、又は印刷を行う箇所と一部共通する箇所に塗布しても良い。
前記ホワイトインクを用いる場合、以下の記録方法を用いることも有効である。ホワイトインクを印刷媒体に塗布し、その上に、ホワイト以外の色のインクで記録する。この方法によれば、例えば、透明フィルムを用いた場合であっても、本発明のホワイトインクを印刷媒体表面に付着させるため、記録の視認性を確保することができる。本発明のインクは、非浸透性基材に対しても良好な乾燥性、高光沢、耐擦過性等を有するので、視認性を向上させるために透明フィルム等の非多孔質基材にホワイトインクを塗布することが可能である。
また、透明フィルムの上に記録を行った後、ホワイトインクを塗布することによっても、同様の視認性に優れた画像を得ることが可能となる。ホワイトインクの代わりにクリアインクを用いれば、保護層としても機能することが可能である。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
実施態様の一例として、前記ホワイトインクを印刷媒体の全面に塗布する場合は、インクジェット印刷方法以外の塗工方法で塗工し、ホワイト以外の色のインクで記録する場合は、インクジェット印刷方法で記録する態様が可能である。
別の実施態様として、ホワイトインクを用いた記録も、ホワイト以外の色のインクを用いた記録も、インクジェット印刷方法で記録する態様が可能である。
ホワイトインクの代わりにクリアインクを用いた場合も同様である。
ここで、前記インクを用いて記録を行うことができるインクジェット印刷装置について、図面を参照しながら説明する。なお、非浸透性基材を用いる場合について説明するが、紙などの浸透性基材に対しても同様に記録することができる。また、前記インクジェット印刷装置には、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)、ライン型ヘッドを備えたライン型などがあるが、図1は、シリアル型インクジェット印刷装置の一例を示す概略図である。図2は、図1の装置の本体内の構成を示す概略図である。
図1に示すように、前記インクジェット印刷装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した給紙トレイ102と、排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。111は上カバー、112は前カバーの前面である。
装置本体101内には、図2に示すように、左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とで、キャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134の複数のインク吐出口を、主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどが使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135)を搭載している。サブタンク135には、インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填された本発明のインクカートリッジ201から、前記インクが供給されて補充される。
本発明のインク吐出装置における記録ヘッド134は、インクを前記個別液室に流入させるための前記流入流路、及びインクを前記個別液室から流出させるための前記流出流路を有してもよいが、詳細は後述する。
一方、給紙トレイ102の基材積載部(圧板)141上に積載した基材142を給紙するための給紙部として、基材積載部141から基材142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、前記分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
前記給紙部から給紙された基材142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、基材142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる基材142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる基材142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は無端状ベルトであり、加熱ヒーター式搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した基材吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応して加熱ヒーター式ガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された基材142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から基材142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、基材142はファンヒータにより熱風乾燥された後、排紙ローラ172の下方の、排紙トレイ103に出力される。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される基材142を取り込んで反転させて再度、カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
前記インクジェット印刷装置においては、給紙部から基材142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された基材142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、基材142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。
そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している基材142にインク滴を吐出して1行分を記録し、基材142を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は基材142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、基材142を、排紙トレイ103に排紙する。
本発明のインク吐出装置におけるインク吐出ヘッドは下記のような特徴を持つものを使用してもよい。一例について、図3、図4、図5、図6、図7A〜図7F、図8A、及び図8Bを参照して説明する。図3は、本発明のインク吐出装置におけるインク吐出ヘッドの一例を示す外観斜視図である。図4は、図3のインク吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向の断面説明図である。図5は、図3のインク吐出ヘッドのノズル配列方向と平行な方向の一部断面説明図である。図6は、図3のインク吐出ヘッドのノズル板の平面説明図である。図7A〜図7Fは、図3のインク吐出ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図である。図8A及び図8Bは、図3のインク吐出ヘッドの共通液室部材を構成する各部材の平面説明図である。
前記インク吐出ヘッドは、ノズル板1と、流路板2と、壁面部材としての振動板部材3とが積層接合されており、振動板部材3を変位させる圧電アクチュエータ11と、共通液室部材20と、カバー29とを備えている。
ノズル板1は、前記インクを吐出する複数のノズル4を有している。
流路板2は、ノズル4に通じる個別液室6と、前記流入流路としての個別液室6に通じる流体抵抗部7、及び流体抵抗部7に通じる液導入部8が形成されている。また、流路板2は、ノズル板1側から複数枚の板状部材41〜45を積層接合して形成され、これらの板状部材41〜45と振動板部材3を積層接合して流路部材40が構成されている。
振動板部材3は、液導入部8と共通液室部材20で形成される共通液室10とを通じる開口としてのフィルター部9を有している。
振動板部材3は、流路板2の個別液室6の壁面を形成する壁面部材である。この振動板部材3は2層構造(限定されない)とし、流路板2側から薄肉部を形成する第1層と、厚肉部を形成する第2層で形成され、第1層で個別液室6に対応する部分に変形可能な振動領域30を形成している。
ここで、ノズル板1には、図6に示すように、複数のノズル4が千鳥状に配置されている。
流路板2を構成する板状部材41には、図7Aに示すように、個別液室6を構成する貫通溝部(溝形状の貫通穴の意味)6aと、流体抵抗部51、前記流出流路としての循環流路52を構成する貫通溝部51a、52aが形成されている。
同じく板状部材42には、図7Bに示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6bと、循環流路52を構成する貫通溝部52bが形成されている。
同じく板状部材43には、図7Cに示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6cと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53aが形成されている。
同じく板状部材44には、図7Dに示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6dと、流体抵抗部7なる貫通溝部7aと、液導入部8を構成する貫通溝部8aと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53bが形成されている。
同じく板状部材45には、図7Eに示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6eと、液導入部8を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部8b(フィルター下流側液室となる)と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53cが形成されている。
振動板部材3には、図7Fに示すように、振動領域30と、フィルター部9と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53dが形成されている。
このように、流路部材を複数の板状部材を積層接合して構成することにより、簡単な構成で複雑な流路を形成することができる。
以上の構成により、流路板2及び振動板部材3からなる流路部材40には、各個別液室6に通じる流路板2の面方向に沿う流体抵抗部51、循環流路52及び循環流路52に通じる流路部材40の厚み方向の循環流路53が形成される。なお、循環流路53は後述する循環共通液室50に通じている。
一方、共通液室部材20には、前記メインタンクや前記インクカートリッジから前記インクが供給される共通液室10と循環共通液室50が形成されている。
第1共通液室部材21には、図8Aに示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25aと、下流側共通液室10Aとなる貫通溝部10aと、循環共通液室50となる底の有る溝部50aが形成されている。
第2共通液室部材22には、図8Bに示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25bと、上流側共通液室10Bとなる溝部10bが形成されている。また、第2共通液室部材22には、図3に示すように、共通液室10のノズル配列方向の一端部と供給ポート71を通じる供給口部となる貫通穴71aが形成されている。
第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22には、循環共通液室50のノズル配列方向の他端部(貫通穴71aと反対側の端部)と循環ポート81を通じる貫通穴81a、81bが形成されている。
なお、図8A及び図8Bにおいて、底の有る溝部については面塗りを施して示している(以下の図でも同じである)。
このように、共通液室部材20は、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22によって構成され、第1共通液室部材21を流路部材40の振動板部材3側に接合し、第1共通液室部材21に第2共通液室部材22を積層して接合している。
ここで、第1共通液室部材21は、液導入部8に通じる共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと、循環流路53に通じる循環共通液室50とを形成している。また、第2共通液室部材22は、共通液室10の残部である上流側共通液室10Bを形成している。
このとき、共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと循環共通液室50とはノズル配列方向と直交する方向に並べて配置されるとともに、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置される。
これにより、循環共通液室50の寸法(大きさ)が流路部材40で形成される個別液室6、流体抵抗部7及び液導入部8を含む流路に必要な寸法による制約を受けることがなくなる。
そして、循環共通液室50と共通液室10の一部が並んで配置され、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置されることにより、ノズル配列方向と直交する方向のヘッドの幅を抑制することができ、ヘッドの大型化を抑制できる。共通液室部材20は、ヘッドタンクや前記インクカートリッジから前記インクが供給される共通液室10と循環共通液室50を形成する。
一方、振動板部材3の個別液室6とは反対側に、振動板部材3の振動領域30を変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ11を配置している。
この圧電アクチュエータ11は、図5に示すように、ベース部材13上に接合した圧電部材12を有し、圧電部材12にはハーフカットダイシングによって溝加工して1つの圧電部材12に対して所要数の柱状の圧電素子12A、12Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。
ここでは、圧電部材12の圧電素子12Aは駆動波形を与えて駆動させる圧電素子とし、圧電素子12Bは駆動波形を与えないで単なる支柱として使用しているが、すべての圧電素子12A、12Bを駆動させる圧電素子として使用することもできる。
そして、圧電素子12Aを振動板部材3の振動領域30に形成した島状の厚肉部である凸部30aに接合している。また、圧電素子12Bを振動板部材3の厚肉部である凸部30bに接合している。
この圧電部材12は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極が設けられ、外部電極にフレキシブル配線部材15が接続されている。
このように構成したインク吐出ヘッドにおいては、例えば、圧電素子12Aに与える電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12Aが収縮し、振動板部材3の振動領域30が下降して個別液室6の容積が膨張することにより、個別液室6内に前記インクが流入する。
その後、圧電素子12Aに印加する電圧を上げて圧電素子12Aを積層方向に伸長させ、振動板部材3の振動領域30をノズル4に向かう方向に変形させて個別液室6の容積を収縮させることにより、個別液室6内の前記インクが加圧され、ノズル4から前記インクが吐出される。
そして、圧電素子12Aに与える電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材3の振動領域30が初期位置に復元し、個別液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室10から個別液室6内に前記インクが充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。また、上述した実施形態では、個別液室6に圧力変動を与える手段として積層型圧電素子を用いて説明したが、これに限定されず、薄膜状の圧電素子を用いることも可能である。更に、個別液室6内に発熱抵抗体を配し、発熱抵抗体の発熱によって気泡を生成して圧力変動を与えるものや、静電気力を用いて圧力変動を生じさせるものを使用することができる。
次に、本実施形態にかかるインク吐出ヘッドを用いた前記インク循環システムの一例を、図9を用いて説明する。
図9は、本発明に係るインク循環システムの一例を示すブロック図である。
図9に示すように、前記インク循環システムは、メインタンク、インク吐出ヘッド、供給タンク、循環タンク、コンプレッサ、真空ポンプ、送液ポンプ、レギュレータ(R)、供給側圧力センサ、循環側圧力センサなどで構成されている。供給側圧力センサは、供給タンクとインク吐出ヘッドとの間であって、インク吐出ヘッドの供給ポート71(図3参照)に繋がった供給流路側に接続されている。循環側圧力センサは、インク吐出ヘッドと循環タンクとの間であって、インク吐出ヘッドの循環ポート81(図3参照)に繋がった循環流路側に接続されている。
循環タンクの一方は、第一送液ポンプを介して供給タンクと接続されており、循環タンクの他方は第二送液ポンプを介してメインタンクと接続されている。これにより、供給タンクから供給ポート71を通ってインク吐出ヘッド内に前記インクが流入し、循環ポートから排出されて循環タンクへ排出され、更に第1送液ポンプによって循環タンクから供給タンクへ前記インクが送られることによって前記インクが循環する。
また、供給タンクには、図示しないコンプレッサが接続され、供給側圧力センサで所定の正圧が検知されるように制御される。一方、循環タンクには、図示しない真空ポンプがつなげられていて、循環側圧力センサで所定の負圧が検知されるよう制御される。これにより、インク吐出ヘッド内を通って前記インクを循環させつつ、メニスカスの負圧を一定に保つことができる。
また、インク吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出すると、供給タンク及び循環タンク内の前記インク量が減少していくため、適宜メインタンクから第二送液ポンプを用いて、メインタンクから循環タンクに前記インクを補充することが望ましい。メインタンクから循環タンクへの前記インク補充のタイミングは、循環タンク内のインクの液面高さが所定高さよりも下がったら前記インク補充を行うなど、循環タンク内に設けた液面センサなどの検知結果によって制御することができる。
次に、インク吐出ヘッド内における前記インクの循環について説明する。図3に示すように、共通液室部材20の端部に、共通液室に連通する供給ポート71と、循環共通液室50に連通する循環ポート81が形成されている。供給ポート71及び循環ポート81は夫々チューブを介して前記インクを貯蔵する供給タンク及び循環タンク(図10及び図11参照)につなげられている。そして、供給タンクに貯留されている前記インクは、供給ポート71、共通液室10、液導入部8、流体抵抗部7を経て、個別液室6へ供給される。
更に、個別液室6内の前記インクが圧電素子12の駆動によりノズル4から吐出される一方で、吐出されずに個別液室6内に留まった前記インクの一部もしくは全ては流体抵抗部51、循環流路52、53、循環共通液室50、循環ポート81を経て、循環タンクへと循環される。
なお、前記インクの循環は、インク吐出ヘッドの動作時のみならず、動作休止時においても実施することができる。動作休止時に循環することによって、個別液室内の前記インクは常にリフレッシュされると共に、前記インクに含まれる成分の凝集や沈降を抑制できるので好ましい。
<吐出制御について>
このようなインク吐出ヘッドにおいては、例えば、図12に示すように、圧電部材112に印加する電圧を基準電位Veから下げることによって圧電部材112が収縮し、振動板部材102が変形して個別液室105の容積が膨張する。これにより、個別液室105内にインクが流入する。
その後、図13に示すように、圧電部材112に印加する電圧を上げて圧電部材112を積層方向に伸長させ、振動板部材102をノズル104方向に変形させて個別液室105の容積を収縮させる。これにより、個別液室105内のインクが加圧され、ノズル104から液滴301が吐出される。
そして、圧電部材112に印加する電圧を基準電位Veに戻すことによって振動板部材102が初期位置に復元し、個別液室105が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室110から個別液室105内にインクが充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
<インク供給動作について>
次に、本発明のインク吐出装置におけるインク供給部の概要について、図14A及び図14Bを参照して説明する。なお、図14Aは、本発明のインク吐出装置におけるインク吐出ヘッド及びインク供給部の一例を示す説明図であり、図14Bは、図14Aに示すインク吐出ヘッドの拡大説明図である。
インク吐出装置はインク902を収納したインクカートリッジ901を通じてインク吐出装置にインクを供給する。インクカートリッジ901のインク902は、インク供給チューブ905を介してインクタンク910に送液ポンプ906を稼働させることにより供給する。インクタンク910には液面より高いところにインクタンク内の空気を抜くための大気開放弁912が設けられている。
本構成では、インクタンク910からヘッド供給チューブ913を介してフィルターユニット914にインク911を送液できる。フィルターユニット914にはフィルター919が設けられており、インク中の粗大成分をトラップしてヘッド915に流入しないようにしている。供給されたインクは、フィルターユニット914からヘッド915にインクが供給され、印刷に使用されなかったインクは、フィルターユニット914のフィルターの無い経路を通じてヘッド循環チューブ916へ排出される。ヘッド循環チューブ916には循環弁918とヘッド循環ポンプ917が設けられており、ヘッド循環ポンプ917を駆動させることによりヘッド915のインクを、インクタンク911に循環させることができる。
インク供給動作は、初期充填動作としては以下のように行われる。
まず、大気開放弁912を開けた状態で送液ポンプ906を稼働させてインクカートリッジ901からインクタンク910にインク902を送液し、満タン検知センサ920に検知されるまで供給動作を続ける。満タン検知センサ920が満タンであることを検知すると送液ポンプ906が停止し、大気開放弁912を閉じる。
その後、循環弁918を開け、ヘッド循環ポンプ917を駆動させることにより、フィルターユニット914からヘッド915にインクを充填させて、ヘッド循環チューブ916にインクを充填させる。
また、ヘッド循環ポンプ917が駆動する際に前記微駆動動作を行うことにより、前記個別液室内に流入するインクの濡れを促進し、前記個別液室の壁面に付着している気泡を動かすことができる。このため、循環するインクの動きで濡れと気泡排出を促進させ、インク吐出ヘッドのインク充填性を向上させることができる。
その後、ヘッド915のノズル面から負圧発生に必要な量のインクを吸引し、ノズル面をワイピングすることにより印刷環境を整えることができる。
装置が起動している場合は、循環弁918を開け、ヘッド循環ポンプ917を駆動させて、インクを循環させる。インクの吐出時にもヘッドのインクを循環させることにより、
ヘッドやフィルターユニットにおける、インク中に含まれる成分の凝集や沈降のような分離状態を抑制することができる。また、ノズルからの乾燥に対して、ヘッド中の前記個別液室のインクが流動することにより局所的な乾燥を抑制することができ、ノズル抜けを抑制することができる。
また、装置を休止状態にした後、インクを吐出する前に、インクを循環させる工程を設けても良い。
インクを循環させる際に、インクを吐出させない強さでインクに刺激を与える工程を設けても良い。
インク経路を洗浄する場合には、インクカートリッジ901に洗浄液をインクの代わりにセットし、上記の循環させることにより装置のインク経路を希釈しやすく、インク置換
も容易に行うことができる。
<記録物>
記録物は、印刷媒体上に、前記インクにより記録された画像を有する。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
また、カラー記録の際にカラーインクより前に、ホワイトインクを塗布することによって印刷媒体が着色されたもの(着色印刷媒体)であっても印刷媒体の色を白に揃えることができ、カラーインクの発色を向上させることができる。
前記着色印刷媒体としては、着色された紙や前記フィルム、生地、衣服、セラミックなどが代表例である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」であり、「%」
は、評価基準中のものを除き、「質量%」である。
<樹脂粒子の調製>
樹脂粒子の調製例を以下に述べる。
なお、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子及びポリエステル樹脂粒子としては下記の市販品を用いた。
・ポリ塩化ビニル樹脂エマルション(Wacker Chemie AG社製、商品名:VINNOL E15/48A、固形分濃度:50%)
・ポリ塩化ビニル−エチレン共重合体(住化ケムテックス株式会社製、商品名:スミエリート1210、固形分濃度:50±1質量%)
・塩化ビニル−アクリル共重合体(日信化学工業株式会社製、商品名:ビニブラン711、固形分濃度:50質量%)
・ポリエステルエマルション(高松油脂株式会社製、商品名:ペスレジンA−124GP、固形分濃度:30質量%)
<<ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションの調製>>
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物(数平均分子量(Mn):1200)1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、「DMPA」とも称することがある)220g、及びN−メチルピロリドン(以下、「NMP」とも称することがある)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4,340gを抜き出して、強攪拌下、水5,400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションを得た。
前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションを用いて、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定した最低造膜温度は55℃であった。
<<ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションの調製>>
温度計、窒素ガス導入管、攪拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリエーテルポリオール(「PTMG1000」三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)100.2部、2,2―ジメチロールプロピオン酸15.7部、イソホロンジイソシアネート48.0部、有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1部を、触媒としてジブチルスズジレウレート(以下、「DMTDL」とも称することがある)0.06部を使用し反応させた。
前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7部を供給し、更に反応を継続した。
前記反応物の平均分子量が20,000以上60,000以下の範囲に達した時点で、メタノール1.4部を投入し前記反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48%水酸化カリウム水溶液を13.4部加えることで前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、次いで、水715.3部を加え十分に攪拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分30質量%のポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションを得た。
前記ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションについて、前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションの調製例1と同様にして「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定した最低造膜温度は43℃であった。
<<ポリエステル系ウレタン樹脂エマルションの調製>>
ポリエーテルポリオール(「PTMG1000」三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)を、ポリエステルポリオール(「ポリライトOD−X−2251」DIC株式会社製、平均分子量:2,000)に変更した以外は、前記ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルションの調製例2と同様にして、固形分30質量%のポリエステル系ウレタン樹脂エマルションを得た。
前記ポリエステル系ウレタン樹脂エマルションについて、前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションの調製と同様にして「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定した最低造膜温度は74℃であった。
<<アクリル樹脂エマルションの調製>>
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g、及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20gにスチレン615g、ブチルアクリレート30g、及びメタクリル酸350gを撹拌化に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の間反応させ、水性エマルションを得た。
得られた水性エマルションを常温まで冷却した後、イオン交換水及び水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分濃度30質量%、pH8のアクリル樹脂エマルションを得た。
前記アクリル樹脂エマルションについて、前記ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルションの調製例1と同様にして、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定した最低造膜温度は53℃であった。
<顔料分散液の調製>
<<ブラック顔料分散液の調製>>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してブラック顔料分散液を得た。
カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)・15部
アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)・・・2部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83部
<<シアン顔料分散液の調製>>
カーボンブラック顔料を、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)に変更した以外は、ブラック顔料分散液の調製例1と同様にして、シアン顔料分散液を得た。
<<マゼンタ顔料分散液の調製>>
カーボンブラック顔料を、ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、ブラック顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液を得た。
<<イエロー顔料分散液の調製>>
カーボンブラック顔料を、ピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、ブラック顔料分散液の調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液を得た。
<<ホワイト顔料分散液の調製>>
酸化チタン(商品名:STR−100W、堺化学工業株式会社製)25部、顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)5部、水70部を混合し、ビーズミル(商品名:リサーチラボ、株式会社シンマルエンタープライゼス製)にて、0.3mmΦのジルコニアビーズを充填率60%、8m/sにて5分間分散し、白色顔料分散液を得た。
(実施例1)
<ブラックインク1の調製>
ブラック顔料分散液20%、ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルション(固形分濃度30%)を樹脂固形分換算で10%、ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルション(固形分濃度30%)を固形分換算で1%、1,2−プロパンジオール12%、1,2−ブタンジオール5%、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(商品名:エクアミドM−100、出光興産株式会社製)20%、防腐剤として商品名:プロキセルLV(アビシア株式会社製)0.1%、界面活性剤(商品名:ソフタノールEP−5035、株式会社日本触媒製)0.01%、及び高純水6.2%を混合攪拌し、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することによりインク1を作製した。
(実施例2〜15、及び比較例1〜6)
実施例2〜15、及び比較例1〜6について、表1〜表3に記載のインクの組成及び含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして、インク2〜21を作製した。表1〜表3に実施例1〜15及び比較例1〜6のインクの組成及び含有量を示す。
Figure 2018039913
Figure 2018039913
Figure 2018039913
なお、表1〜3において、有機溶剤としては下記の市販品を用いた。
・3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(出光興産株式会社製、商品名:エクアミドB−100)
・3−メチル−3−オキセタンメタノール(東京化成工業株式会社製、商品名:3−メチル−3−オキセタンメタノール)
・3−エチル−3−オキセタンメタノール(東京化成工業株式会社製、商品名:3−エチル−3−オキセタンメタノール)
得られた実施例1〜15及び比較例1〜6のインク1〜21をインクジェットプリンター(商品名:IPSiO GXe5500、株式会社リコー製)改造機に充填し、ポリ塩化ビニルフィルム(以下、「PVCフィルム」とも称することがある)基材に対し、ベタ画像を印刷し、80℃で1時間乾燥させた。作製した画像に対し、以下のようにして、「高光沢性」、「インク供給安定性」および「吐出信頼性」を評価した。結果を表54に示す。
なお、前記GXe5500改造機は、GXe5500機を記録中に基材を加熱できるように改造したものである。
更に、循環機構を有するインク吐出ヘッドを有するインク吐出装置に改造したものである。
(実施例16)
得られた実施例15のインク15をバーコーター(松尾産業株式会社製、番手5)によりホットプレート上で50℃に加熱したPETフィルムに塗布し、そのまま5分間乾燥させた後、前記実施例3のインク3を充填したインクジェットプリンター(IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)改造機を用いて、白ベタ画像上にマゼンタベタ画像を形成した。次いで、この記録物を80℃で1時間乾燥させた。作製した画像に対し、後述する評価方法によって「高光沢性」、「インク供給安定性」および「吐出信頼性」を評価した。結果を表4に示す。
(実施例17)
実施例17は、実施例3のインク3を用いて、25℃で一晩放置により乾燥させた。作製した画像に対し、以下のようにして「高光沢性」を評価した。
<高光沢性>
基材に作製した画像のベタ部の60°光沢度を光沢度計(商品名:4501、BYK Gardener社製)により4回測定し、平均値を求め、下記評価基準に基づいて、「高光沢性」を評価した。
前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
−評価基準−
AA:光沢値が100以上であった
A:光沢値が90以上100未満であった
B:光沢値が80以上90未満であった
C:光沢値が80未満であった
<インク供給安定性>
インクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に、図14A、図14Bに示す、循環手段を搭載したプリンターに、インク1〜15を充填し、インクを循環させながら24時間連続循環運転後、単位時間当たりのインク供給量を測定し、初期の流量と比較しどのくらいの割合で減少しているか評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。結果を表4に示す。
−評価基準−
AA:流量変化1%未満
A:流量低下が1%以上5%未満
B:流量低下が5%以上10%未満
C:流量低下が10%以上20%未満
D:流量低下が20%以上
<吐出信頼性>
インクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に、図14A、図14Bに示す、循環手段を搭載したプリンターに、インク1〜21を充填し、30分間循環を休止した状態で放置した後、インクを循環させながら前記インクを吐出させない強さで前記インクに刺激を与える工程を設けた後、インクを循環させながらPVCフィルム上にノズルチェックパターンを印刷して、全ノズル数384に対してインクが吐出された吐出ノズル数を確認し、以下の基準で評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
評価結果を表4に示す。
−評価基準−
A:吐出ノズル数が384
B:吐出ノズル数が368以上384未満
C:吐出ノズル数が192以上368未満
D:吐出ノズル数が192未満
Figure 2018039913
実施例1、2はポリウレタン樹脂粒子とポリ塩化ビニル樹脂を同時に使用していない例であり、実施例3のポリウレタン樹脂とポリ塩化ビニル樹脂との組み合わせに比べインク供給安定性が劣っている。
実施例3、4及び実施例8は本発明の特に好ましい例であり、高光沢性の画像を得ることができ、かつインクの供給安定性や吐出信頼性に優れたインク吐出装置であることが分かる。
実施例5〜7、および実施例12〜14は一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物のうち、最も好適である3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドを選択しなかった例であり、実施例3に比べ若干高光沢が劣っている。
実施例9は、一般式(1)で表される化合物がやや少なかった例であり、使用した2種類の樹脂粒子の混和性に若干劣り、実施例3比べ高光沢性、インクの供給安定性が劣る結果となった。
実施例10は、一般式(1)で表される化合物がやや少なかった例であり、使用した2種類の樹脂粒子の混和性に若干劣り、実施例3比べ高光沢性、インクの供給安定性が劣る結果となった。
実施例5は、ポリウレタン樹脂粒子を使用していない例であり、実施例2のポリウレタン樹脂とポリ塩化ビニル樹脂との組み合わせに比べ、高光沢性、吐出信頼性が劣っている。
実施例9〜11は、最も含有量の多い樹脂粒子にポリウレタン樹脂粒子を、最も含有量の多い樹脂粒子以外の樹脂粒子にポリエステル樹脂を使用した例であり、実施例3のポリウレタン樹脂とポリ塩化ビニル樹脂との組み合わせに比べ高光沢性、インク供給安定性、吐出信頼性のいずれかが劣っている。
実施例12〜14は、最も含有量の多い樹脂粒子にポリウレタン樹脂を、最も含有量の多い樹脂粒子以外の樹脂粒子にアクリル樹脂を使用した例であり、実施例3のポリウレタン樹脂とポリ塩化ビニル樹脂との組み合わせに比べ高光沢性、インク供給安定性、吐出信頼性のいずれかが劣っている。
実施例16は、白色インク上に画像を記録した例であり、実施例3と同様に光沢性に優れていた。
実施例17は、記録後に加熱工程を含まないが、実施例3と同等の光沢が得られている。
比較例1は、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を含まない例であり、実施例3に比べインクの供給安定性や吐出信頼性及び光沢が劣っている。
比較例2〜5は、樹脂粒子を一種しか用いなかった例であり、実施例3に比べ特に吐出信頼性が劣っている。
比較例6は、吐出装置に循環機構を有するインク吐出ジェットを導入しなかった例であり、特に吐出信頼性が実施例3に比べ劣位となっている。
溶剤系インクジェットインクは、インク中の溶剤により記録基材を膨潤させながら定着するため、基材に対する密着性に優れるが、前記水性インクは、最終記録物はインク塗膜が記録基材にのっているだけの構成となるため、インク膜の基材密着性が不十分であるという問題がある。
また、非浸透性基材は非常に光沢があるものが多く、記録した際に記録部が非記録部に対して違和感のない光沢でないと、記録物としての一体感が損なわれてしまうため、高光沢性が得られるインクが求められるが、溶剤系インクジェットインクは樹脂が系中に溶解しているため、乾燥後に平滑な膜となるため、高光沢性が得られるが、水性インクは樹脂粒子の融着によりインク膜を形成しているために、前記溶剤系インクジェットインクよりも光沢度が低下しやすくなるという問題がある。さらに、樹脂を多く使用することから、吐出装置内での循環の際や、ノズル近傍での樹脂の凝集が起こりやすく、インクの供給安定性や吐出信頼性の改良が必要である。
前記評価結果から、本発明のインクが屋外用途に適したものであることが分かる。また、実施例1〜15のインクは、溶剤系インクジェットインクと比較しても遜色のない高光沢性を有していた。かつ、インクの供給安定性や吐出信頼性も確保されていた。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 個別液室と、該個別液室にインクを流入させるための流入流路と、インクを前記個別液室から流出させるための流出流路と、を有するインクを吐出するインク吐出ヘッドを備えたインク吐出装置に用いるインクにおいて、
前記インクが、水と、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物と、少なくとも二種の樹脂粒子と、を含有するインク。
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを示し、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを示す)
<2> 一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物のインク中の総含有量S(質量%)と、前記樹脂粒子のインク中の総固形分濃度A(質量%)との質量比(S/A)が、1.0以上4.0以下である上記<1>に記載のインク。
<3> 前記一般式(1)で表される化合物が、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドである上記<1>又は<2>に記載のインク。
<4> 前記二種の樹脂粒子のうちの少なくとも一種が、ポリウレタン樹脂粒子である上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインク。
<5> 前記二種の樹脂粒子が、ポリウレタン樹脂粒子及びポリ塩化ビニル樹脂粒子である上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインク。
<6> 個別液室と、該個別液室にインクを流入させるための流入流路と、インクを前記個別液室から流出させるための流出流路とを有する、インクを吐出するインク吐出ヘッドと、上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載されたインクと、を有するインクジェット印刷装置。
<7> 前記インクを前記流入流路から前記流出流路に向かって循環させる循環手段を有する上記<6>に記載のインクジェット印刷装置。
<8> インク吐出ヘッドとして、インクを個別液室に流入させるための流入流路と、インクを前記個別液室から流出させるための流出流路と、を有するインク吐出ヘッドを用い、熱エネルギー及び力学的エネルギーのいずれかをインクに作用させてインクを吐出して印刷する印刷工程を有し、インクとして、水と、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物と、少なくとも二種の樹脂粒子と、を含有するインクを用いることを特徴とするインクジェット印刷方法。
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
Figure 2018039913
(ただし、前記一般式(2)中、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを示し、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを示す)
<9> 印刷工程が、インクを循環させながらインクを吐出して印刷する印刷工程である上記<8>に記載のインクジェット印刷方法。
<10> インクの循環を休止する工程と、インクを吐出する前に、前記インクを循環させる工程とを有する上記<9>に記載のインクジェット印刷方法。
<11> 前記インクを循環させる際に、前記インクを吐出させない強さで前記インクに圧力を与える工程を有することを特徴とする上記<9>又は<10>に記載のインクジェット印刷方法。
<12> 印刷後に印刷物を加熱する加熱工程を有する上記<8>から<11>のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
(図1、2について)
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバーの前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 基材積載部
142 基材
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 加熱ヒーター式搬送ローラ
158 テンションローラ
161 加熱ヒーター式ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
201インクカートリッジ
(図3〜図14について)
1 ノズル板
2 流路板
3 振動板部材
4 ノズル
6 個別液室
6a、6b、6c、6d、6e 貫通溝部
7 流体抵抗部
7a 貫通溝部
8 液導入部
8a 貫通溝部
8b 貫通溝部
9 フィルター部
10 共通液室
10A 下流側共通液室
10a 貫通溝部
10B 上流側共通液室
10b 溝部
11 圧電アクチュエータ
12 圧電部材
12A、12B 圧電素子
13 ベース部材
15フレキシブル配線部材
20 共通液室部材
21 第1共通液室部材
22 第2共通液室部材
25a、25b 圧電アクチュエータ用貫通穴
29 カバー
30 振動領域
30a、30b 凸部
40 流路部材
41、42、43、44、45 板状部材
50 循環共通液室
50a 溝部
51 流体抵抗部
51a 貫通溝部
52 循環流路
52a、52b 貫通溝部
53 循環流路
53a、53b、53c、53d 貫通溝部
71 供給ポート
71a 貫通穴
81 循環ポート
81a、81b 貫通穴
102 動板部材
104 ノズル
105 個別液室
110 共通液室
112 圧電部材
301 液滴
901 インクカートリッジ
902 インク
905 インク供給チューブ
906 送液ポンプ
910 インクタンク
911 インク
912 大気開放弁
913 ヘッド供給チューブ
914 フィルターユニット
915 ヘッド
916 ヘッド循環チューブ
917 ヘッド循環ポンプ
918 循環弁
919 フィルター
920 満タン検知センサ
特開2005−220352号公報 特開2011−094082号公報 特開2015−071289号公報

Claims (12)

  1. 個別液室と、該個別液室にインクを流入させるための流入流路と、インクを前記個別液室から流出させるための流出流路と、を有するインクを吐出するインク吐出ヘッドを備えたインク吐出装置に用いるインクにおいて、
    前記インクが、水と、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物と、少なくとも二種の樹脂粒子と、を含有するインク。
    Figure 2018039913
    (ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
    Figure 2018039913
    (ただし、前記一般式(2)中、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを示し、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを示す)
  2. 一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物のインク中の総含有量S(質量%)と、前記樹脂粒子のインク中の総固形分濃度A(質量%)との質量比(S/A)が、1.0以上4.0以下である請求項1に記載のインク。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドである請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記二種の樹脂粒子のうちの少なくとも一種が、ポリウレタン樹脂粒子である請求項1から3のいずれか1項に記載のインク。
  5. 前記二種の樹脂粒子が、ポリウレタン樹脂粒子及びポリ塩化ビニル系樹脂粒子である請求項1から4のいずれか1項に記載のインク。
  6. 個別液室と、該個別液室にインクを流入させるための流入流路と、インクを前記個別液室から流出させるための流出流路とを有する、インクを吐出するインク吐出ヘッドと、請求項1から5のいずれか1項に記載されたインクと、を有するインクジェット印刷装置。
  7. 前記インクを前記流入流路から前記流出流路に向かって循環させる循環手段を有する請求項6に記載のインクジェット印刷装置。
  8. インク吐出ヘッドとして、インクを個別液室に流入させるための流入流路と、インクを前記個別液室から流出させるための流出流路と、を有するインク吐出ヘッドを用い、熱エネルギー及び力学的エネルギーのいずれかをインクに作用させてインクを吐出して印刷する印刷工程を有し、インクとして、水と、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物と、少なくとも二種の樹脂粒子と、を含有するインクを用いることを特徴とするインクジェット印刷方法。
    Figure 2018039913
    (ただし、前記一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R、R、及びRは同一であっても、異なっていてもよい)
    Figure 2018039913
    (ただし、前記一般式(2)中、Rは、メチル基及びエチル基のいずれかを示し、Rは、水素原子、炭素数1以上8以下のアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基のいずれかを示す)
  9. 印刷工程が、インクを循環させながらインクを吐出して印刷する印刷工程である請求項8に記載のインクジェット印刷方法。
  10. インクの循環を休止する工程と、インクを吐出する前に、前記インクを循環させる工程とを有する請求項9に記載のインクジェット印刷方法。
  11. 前記インクを循環させる際に、前記インクを吐出させない強さで前記インクに圧力を与える工程を有することを特徴とする請求項9又は10に記載のインクジェット印刷方法。
  12. 印刷後に印刷物を加熱する加熱工程を有する請求項8から11のいずれか1項に記載のインクジェット印刷方法。
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