JP2018140389A - 凝集沈殿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】沈殿槽の内側に汚泥濃縮槽が配置され、処理水の水質をさらに改善することができる凝集沈殿装置の提供。【解決手段】原水中の凝集フロックを沈降分離させる沈殿槽2と、沈殿槽2に取り囲まれ凝集フロックを沈殿槽2から越水させて収集し濃縮させる汚泥濃縮槽3と、汚泥濃縮槽3を通る中心線CLを有し中心線CLの周りを回転し原水を沈殿槽2に供給する原水供給機構10とを有し、原水供給機構10は中心線CL上に位置し原水が導入される原水導入部19と沈殿槽2の内部空間下部に開口し原水を沈殿槽2に供給する原水供給口15と原水導入部19と原水供給口15とに連通し汚泥濃縮槽3の上方を中心線CLから離れる方向に延びる配管部13とを有する、凝集沈殿装置1。【選択図】図1

Description

本発明は凝集沈殿装置に関し、特に沈殿槽に原水を供給する原水供給機構の構成に関する。
水処理装置のひとつである凝集沈殿装置は用水処理、排水処理などに広く利用されている。特許文献1には、沈殿槽内で原水中の懸濁物質、凝集フロックを沈降分離させ、沈殿槽内でスラッジブランケットを形成して原水を清澄化する凝集沈殿装置が開示されている。沈殿槽の内部には、内部流路を備え、沈殿槽の中央を上下方向に延びる回転シャフトと、回転シャフトに接続されて径方向に延びる複数の吐出管と、が設けられている。吐出管には長手方向に沿って複数の吐出口が設けられている。原水は回転シャフトの内部流路を通り、吐出管に導入され、吐出管の吐出口から吐出される。凝集フロックは沈殿槽の下部の汚泥濃縮部に堆積して濃縮汚泥となり、定期的に引き抜かれる。しかし、汚泥濃縮部とスラッジブランケットが区画されていないため、濃縮汚泥を引き抜いた際にスラッジブランケットの界面が低下し不安定となり、処理水の水質が悪化する可能性がある。
特許文献2には、原水中の凝集フロックを沈降分離させる沈殿槽と、沈殿槽に取り囲まれ、凝集フロックを沈殿槽から越水させて収集し濃縮させる汚泥濃縮槽と、を備える凝集沈殿装置が開示されている。沈殿槽と汚泥濃縮槽が同心円状に隣接配置され、さらに沈殿層と汚泥濃縮層が区画されているため、汚泥濃縮槽から濃縮汚泥を引抜く際に、沈殿槽のスラッジブランケットが受ける影響が小さく、処理水の水質の悪化が生じにくい。原水は沈殿槽の側壁を貫通する供給配管に接続されたリング状配管から供給される。
特許第4142321号公報 実開昭63−176503号公報
沈殿槽の中でスラッジブランケットを形成する凝集沈殿装置では、沈殿槽内に原水を均一に分散させることが重要である。原水を均一に分散できない場合、原水の偏流によってスラッジブランケットが乱され、これにより処理水中に微細フロックが流出して、処理水の水質が低下しやすい。特許文献2に記載の凝集沈殿装置では固定式のリング状配管を用いているため、特許文献1に記載の回転シャフトと複数の吐出管を備えた凝集沈殿装置のように原水を均一に分散させることができない。また、万が一、一部の吐出口が汚泥で部分的または全体的に閉塞した場合は、残りの吐出口から原水が供給するため、原水を均一に分散することができない。
そこで、特許文献2に記載の凝集沈殿装置に特許文献1に記載の回転シャフトと複数の吐出管を適用すれば、それぞれの問題点を解消した凝集沈殿装置を得ることができる。しかしながら、特許文献2に開示された凝集沈殿装置は沈殿槽の内側に汚泥濃縮槽が配置されているため、特許文献1の回転シャフトと複数の吐出管を適用することができない。
本発明は、沈殿槽の内側に汚泥濃縮槽が配置され、処理水の水質をさらに改善することができる凝集沈殿装置を提供することを目的とする。
本発明の凝集沈殿装置は、原水中の凝集フロックを沈降分離させる沈殿槽と、沈殿槽に取り囲まれ、凝集フロックを沈殿槽から越水させて収集し濃縮させる汚泥濃縮槽と、汚泥濃縮槽を通る中心線を有し、中心線の周りを回転し、原水を沈殿槽に供給する原水供給機構と、を有している。原水供給機構は、中心線上に位置し原水が導入される原水導入部と、沈殿槽の内部空間下部に開口し原水を沈殿槽に供給する原水供給口と、原水導入部と原水供給口とに連通し、汚泥濃縮槽の上方を中心線から離れる方向に延びる配管部と、を有する。
本発明の凝集沈殿装置では、汚泥濃縮槽が沈殿槽に取り囲まれ、さらに沈殿層と汚泥濃縮層が区画されているため、汚泥濃縮槽から濃縮汚泥を引抜く際に、沈殿槽のスラッジブランケットが受ける影響が小さく、処理水の水質の悪化が生じにくい。回転式の原水供給機構を用いているため、原水を均一に分散させることができる。また、原水が、汚泥濃縮槽の上方を中心線から離れる方向に延びる配管部を通って、原水供給機構の原水供給口から供給されるため、原水供給機構と汚泥濃縮槽の配置上の干渉も回避できる。従って、本発明によれば、処理水の水質をさらに改善することができる。
第1の実施形態に係る凝集沈殿装置の模式的断面図である。 第2の実施形態に係る凝集沈殿装置の模式的断面図である。 第3の攪拌翼が設けられた原水供給機構の第3の配管部の斜視図である。 第1の配管部の変形例を示す凝集沈殿装置の模式的断面図である。
以下、図面を参照して本発明の凝集沈殿装置のいくつかの実施形態を説明する。本発明の凝集沈殿装置は如何なる由来の排水でも処理することができる。本発明の凝集沈殿装置で処理が可能な排水は、例えば、電子産業等でのエッチング工程で排出されるフッ素含有排水、火力発電所等で排出されるフッ素含有脱硫排水、液晶パネルや半導体工場から排出されるリン含有排水、下水処理場から排出されるリン含有排水、製鉄所等から排出される鉄鋼系排水を含む。以下の実施形態では、フッ素含有排水の処理に用いられる凝集沈殿装置について説明する。
原水はまずカルシウム反応槽(図示せず)に導入され、消石灰が添加され、攪拌される。原水中のフッ素が消石灰と反応してフッ化カルシウムが生成される。原水は次に無機凝集反応槽(図示せず)に導入され、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)等の無機凝集剤が添加され、攪拌される。これによって、原水中に凝集フロックが形成される。原水は次に高分子凝集剤反応槽(図示せず)に導入され、ポリアクリルアミド等の高分子凝集剤が添加され、攪拌される。これによって、凝集フロックが粗大化される。以上の処理をされた原水が凝集沈殿装置に導入される。
図1は、本発明の一実施形態に係る凝集沈殿装置の模式的断面図である。凝集沈殿装置1は、原水中の凝集フロックを沈降分離させる沈殿槽2と、沈殿槽2に取り囲まれ、凝集フロックを収集し濃縮する汚泥濃縮槽3と、を有している。沈殿槽2と汚泥濃縮槽3は円筒形状を有し、沈殿槽2と汚泥濃縮槽3の上下方向の中心線CLは一致している。沈殿槽2と汚泥濃縮槽3のいずれかまたは両方は多角形の形状を有していてもよい。凝集フロックが沈殿槽2から越水して汚泥濃縮槽3に収集されるように、汚泥濃縮槽3の頂部は沈殿槽2の頂部より低くされている。汚泥濃縮槽3の側面の下部に汚泥の取出しノズル4が設けられている。汚泥濃縮槽3の底面が沈殿槽2の底面より低い位置にあるため、汚泥の取出しノズル4と引き抜き配管32を沈殿槽2の外部に設けることができる。このため、沈殿槽2の内部を横断する汚泥取出しラインを設ける必要がない。沈殿槽2の側面の下部には汚泥の取出しノズル5が、頂部には処理水の取出しノズル6が設けられている。沈殿槽2の側壁7の外部に環状の受け槽8が設けられ、処理水の取出しノズル6は受け槽8に接続されている。側壁7を越水した処理水がいったん受け槽8に収集された後、取出しノズル6から排出されるため、沈殿槽2の最上部の処理水を効率よく収集することができる。
沈殿槽2の内部には原水供給機構10が設けられている。原水供給機構10は、汚泥濃縮槽3の中心線CLと同軸の回転軸11と、回転軸11を取り囲み、回転軸11に沿って上下方向に延びる第1の配管部12と、第1の配管部12に接続され、汚泥濃縮槽3の上方を中心線CLから径方向外側且つ下側に延びる複数の第2の配管部13と、各第2の配管部13に接続され、それぞれの原水供給口15まで上下方向に延びる第3の配管部14と、を有している。回転軸11は汚泥濃縮槽3に挿入され、回転軸11の上部はモータ16に接続されている。回転軸11の下端は汚泥濃縮槽3の底板17に支持された軸受18で回転支持されている。第1の配管部12の上方は回転軸11に支持された原水導入部19となっている。第1の配管部12は回転軸11の外周面の一部を内包している。第1の配管部12は原水導入部19を介して回転軸11に支持されている。本実施形態では2つの第2の配管部13が180度の間隔で配置されているが、第2の配管部13の個数はこれに限定されず、沈殿槽2が大きい場合は3個以上の第2の配管部13を設けることもできる。複数の第2の配管部13を設けることで、原水を沈殿槽2に均一に供給することができる。第2の配管部13は一つだけでもよく、この場合、原水供給口15は一つだけ設けられる。原水供給口15は沈殿槽2の内部空間下部に開口し、原水を沈殿槽2に供給する。原水供給口15は沈殿槽2の底面2aと対向する下向きの開口であるが、斜め下向きの開口であってもよい。あるいは、第3の配管部14の端部をL字形状に形成し、原水供給口15から横向きの原水が吐出されるようにしてもよい。第1の配管部12は回転軸11に固定されている。この結果、原水供給機構10全体が中心線CLの周りを旋回ないし回転する。このため、万が一一部の第3の配管部14の原水供給口15が部分的または全体的に閉塞した場合も、原水供給機構10が回転しているため、原水を均等に分散することができる。
原水供給機構10の第1の配管部12から供給された原水は複数の第2の配管部13で分流し、第3の配管部14の原水供給口15から沈殿槽2に供給される。原水供給口15と沈殿槽2の底面2aとの間隔は小さいため、原水供給機構10から供給された原水は沈殿槽2の底面2aに当たり上昇流となる。沈殿槽2内の凝集フロックは重力による下向きの力と、原水供給口15から供給された原水の上昇流による上向きの力を受けて、沈殿槽2の内部を浮遊する。新たに供給された原水に含まれる凝集フロックは沈殿槽2の内部を浮遊する凝集フロックに捕捉され、合体する。これによって、凝集フロックの一部またはすべてが除去された処理水だけが上昇流となって沈殿槽2の上部に達する。
この結果、沈殿槽2の下部に凝集フロックの層(スラッジブランケット51)が、上部にスラッジブランケット51から分離した処理水の層52が形成される。スラッジブランケット51の頂部界面は徐々に上昇していく。スラッジブランケット51の頂部界面が汚泥濃縮槽3の側壁の頂部に達すると、凝集フロックは汚泥濃縮槽3の側壁7を越水して汚泥濃縮槽3に収集される。以降、原水の通水中はスラッジブランケット51の界面から凝集フロックの越水が続き、スラッジブランケット51は一定の高さを保つ。スラッジブランケット51の上部では沈降速度が遅く細かな凝集フロックが浮遊しているため、細かな凝集フロックが汚泥濃縮槽3に越水し、沈降速度の高い大きな凝集フロックでスラッジブランケット51を形成することができる。これにより沈殿槽2の通水線速度を増加させることが可能となる。汚泥濃縮槽3は原水の上昇流がないため、凝集フロックは重力で汚泥濃縮槽3内を沈降して濃縮汚泥となる。濃縮汚泥は取出しノズル4から取り出される。
汚泥の取出しノズル4には汚泥取出しライン32が、汚泥の取出しノズル5には汚泥取出しライン31が接続されている。汚泥取出しライン32には第1の弁34が、汚泥取出しライン31には第2の弁33が設置されている。汚泥取出しライン31,32は合流し、その下流に汚泥引抜ポンプ35が設けられている。通常は汚泥の取出しノズル4から濃縮汚泥を引抜くため、第1の弁34を開き、第2の弁33を閉じる。沈殿槽2の汚泥は長期間滞留すると腐敗を生じ処理水の水質を悪化させることがあるため、定期的に第1の弁34を閉じ、第2の弁33を開いて、汚泥の取出しノズル5から汚泥を引抜くことが望ましい。この操作は沈殿槽2の汚泥が腐敗しない程度の間隔で行えば十分である。第1の弁34と第2の弁33を自動弁として、タイマーなどを用いて汚泥取出しライン31,32を切り替えることが望ましいが、沈殿槽2下部の汚泥の腐敗が頻繁に起こらない場合、第1の弁34と第2の弁33は手動弁でもよい。
汚泥濃縮槽3の内部の回転軸11の側面には第1の攪拌翼26,27が設けられている。第1の攪拌翼26,27は汚泥濃縮槽3に堆積した濃縮度が高い汚泥を常時攪拌し、固着を防止する。特に汚泥濃縮槽3の底面の近傍に設けられた第1の攪拌翼27は底部に堆積した汚泥を攪拌するだけでなく掻き寄せる機能も有する。第1の攪拌翼27は、汚泥濃縮槽3の底面に堆積した汚泥を掻き寄せ、汚泥の取出しノズル4からの排出を容易にする。第1の攪拌翼26,27は回転軸11に固定された平板であり、攪拌及び掻き寄せが可能な限りその形状は限定されない。第1の攪拌翼26,27は鉛直面と平行でもよいし、非平行でもよい。本実施形態では第1の攪拌翼26,27は同じ構造を有している。第1の攪拌翼26,27は原水供給機構10に設けられているため、駆動のための動力源や動力の伝達機構を独立して設ける必要がない。
汚泥濃縮槽3を沈殿槽2の内側に同心配置することで次の利点が得られる。汚泥濃縮槽3では高濃度の汚泥が堆積するため、汚泥の固着や汚泥取出しラインの閉塞が起こりやすく、汚泥濃縮槽3に攪拌翼や汚泥掻き寄せ装置が必要となる。スラッジブランケットの下方に汚泥濃縮部が設けられている場合、凝集沈殿装置の停止時にスラッジブランケット内の凝集フロックが濃縮汚泥上に沈降し、汚泥の沈降濃縮が過度に促進され、汚泥取出しラインの閉塞や掻き寄せ装置のトルク異常を招くことがある。また、スラッジブランケットと汚泥濃縮部が上下配置されるため凝集沈殿装置が高くなりやすく、屋内設置が困難な場合がある。これに対して、本実施形態では汚泥濃縮槽3の上方にスラッジブランケット51が存在しないため、凝集沈殿装置1の停止時に汚泥濃縮槽3の汚泥の沈降濃縮が過度に促進されることがない。凝集沈殿装置1の高さは沈殿槽2の高さと汚泥濃縮槽3の沈殿槽2からの突出し高さで決定されるため、凝集沈殿装置1の高さを抑えることも容易である。さらに、沈殿槽2と汚泥濃縮槽3が壁で物理的に分離されるため、汚泥濃縮槽3から濃縮汚泥を引抜く際に、沈殿槽2のスラッジブランケット51に与える影響が小さく、処理水の水質の悪化が生じにくい。
また、沈殿槽2と汚泥濃縮槽3を(同心配置ではなく)横方向に隣接配置する場合、原水供給機構10の駆動装置とは別に、汚泥濃縮槽の攪拌翼や汚泥掻き寄せ装置の駆動装置が必要となる。沈殿槽2と汚泥濃縮槽3を同心配置することで、原水供給機構10の回転軸11で汚泥濃縮槽3の第1の撹拌翼26,27を駆動することができるため、装置のコストの増加を抑制することができる。さらに、沈殿槽2の汚泥濃縮槽3に隣接する部分と、汚泥濃縮槽3から離れた部分でスラッジブランケットの高さに違いが生じ、これにより原水が沈殿槽2内を均一に流れず、スラッジブランケットが乱され処理水の水質が悪化する。本実施形態では汚泥濃縮槽3の周囲に沈殿槽2が設けられているため、沈殿槽2の全周から汚泥濃縮槽3に凝集フロックが均一に越流し、沈殿槽2のスラッジブランケット51の高さが均一に保たれる。
沈殿槽2と汚泥濃縮槽3の合計面積が同じ条件で、汚泥濃縮槽3が沈殿槽2の内側にある場合と、沈殿槽2の外側にある場合とで汚泥濃縮槽3の幅を比較した場合、汚泥濃縮槽3を外側に配置した方が汚泥濃縮槽3の幅が小さくなるため、汚泥による閉塞が起こりやすくなる。幅の狭い汚泥濃縮槽3に閉塞防止のための撹拌翼を設置することも難しい。これを解決するためには汚泥濃縮槽3の幅を大きくする必要があり、設置面積の増加につながるため、汚泥濃縮槽3は沈殿槽2の内側に設置するのが好ましい。
図2は本発明の第2の実施形態に係る凝集沈殿装置を、図3は第3の攪拌翼の構成を示している。例えばフッ素排水を対象とする場合、本実施形態では、原水はまずカルシウム反応槽と無機凝集反応槽に導入され、前述の処理を受けるが、高分子凝集剤反応槽は設けられず、高分子凝集剤は配管内に添加されるだけである。すなわち、高分子凝集剤を添加した原水の攪拌、また凝集反応は凝集沈殿装置1の上流側では行われず、原水供給機構10に設けられた第2及び第3の攪拌翼28,29で行われる。これによって凝集フロックの移送中の破壊を最小限に抑えることができる。
回転軸11の外周面の第1の配管部12で内包される部分には、原水を攪拌する第2の攪拌翼28が設けられている。第2の攪拌翼28は回転軸11の高さ方向に複数個設けられている。第2の攪拌翼28は原水を攪拌し、未反応の高分子凝集剤を均一に原水中に均一に分散させる。第2の攪拌翼28は鉛直面に対して傾斜した平板であるが、第1の攪拌翼26,27と同じ構造とすることもできる。第2の攪拌翼28は原水供給機構10に設けられているため、駆動のための動力源や動力の伝達機構を独立して設ける必要がない。
原水供給機構10の第3の配管部14の外側側面には、原水を攪拌する第3の攪拌翼29が設けられている。第3の攪拌翼29は平板の形状を有し、180度の間隔で上下方向に複数個設けられている。第3の攪拌翼29は原水中の未反応の高分子凝集剤を攪拌し、沈殿槽2内に均一に分散させ、凝集フロックを形成させる。また沈殿槽2内が第3の撹拌翼29で撹拌されることにより、第3の攪拌翼29と凝集フロック、あるいは凝集フロック同士の衝突によって、凝集フロックが機械的に脱水され、より密度、沈降速度の高い凝集フロックが形成される。
また、未反応の高分子凝集剤はスラッジブランケット51中の微細フロックの再凝集を引き起こし、スラッジブランケット51を強固なものにし、処理水の水質を高める。第3の攪拌翼29は原水供給機構10に設けられているため、駆動のための動力源や動力の伝達機構を独立して設ける必要がない。
本実施形態のように、沈殿槽2内で高分子凝集剤を添加した原水の攪拌、または凝集反応を行う場合、沈殿槽2の中心では撹拌周速が沈殿槽2の外側に比べて小さいために(実質的にゼロに近い)、締まった凝集フロックができにくく、沈殿槽2の中心部では軽い凝集フロックが多くなる。そのため、汚泥濃縮槽3を沈殿槽2の外側に配置した場合、沈殿槽2の中心部で形成された軽い凝集フロックが処理水中に流出し、清澄な処理水を得ることができない。しかしながら、汚泥濃縮槽3が沈殿槽2の中心に設置されている場合、中心軸に近い部分であっても周速を早くすることができ、更に濃縮汚泥を前段に戻す汚泥循環を行っている場合には、沈殿槽2の中心の汚泥濃縮槽3に吸い込まれるような流れが発生している。このため、沈殿槽2の中心部で軽い凝集フロックが形成されたとしても、軽い凝集フロックは汚泥濃縮槽3に吸い込まれやすいため、処理水中に流出することなく清澄な処理水を得ることができる。
図4は第1の配管部の変形例を示す凝集沈殿装置の模式的断面図である。原水導入部19の下端は概ね水平なリング状の底板19aとされ、第1の配管部12は底板19aに接続されている。第1の配管部12が原水導入部19の側壁に接続されている構造と比べて、汚泥が原水導入部19の底部に堆積しにくいため、汚泥が第1の配管部12の入口を閉塞しにくくなる。第1の配管部12と第2の配管部13の上部を45°エルボで製作することで、第1の実施形態と比べて製作性(溶接性)がさらに向上する。また、第1の配管部12が上下方向に延びているため、第1の配管部12に接続される第2の配管部13の上端は原水導入部19から視認できる。高圧洗浄機、パイプホースクリーナーなどの配管洗浄器具を原水導入部19から第1の配管部12を通して第2の配管部13及び第3の配管部14に容易に挿入できるため、これらの配管部12,13,14の清掃が容易に行え、保守性が改善される。
以上本発明をいくつかの実施形態によって説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。例えば、本実施形態では沈殿槽2の内側にある汚泥濃縮槽3の底面が沈殿槽2の底面より低い位置にされているが、沈殿槽2を汚泥濃縮槽3の内側に配置し、沈殿槽2の底面が汚泥濃縮槽3の底面より低い位置になるように構成してもよい。すなわち、この変形例は、原水中の凝集フロックを沈降分離させる沈殿槽と、凝集フロックを沈殿槽から越水させて収集し濃縮させる汚泥濃縮槽の一方である第1の槽と、第1の槽に取り囲まれた、沈殿槽と汚泥濃縮槽の他方である第2の槽と、第1の槽の側面に設けられ、第1の槽の底部に沈降した汚泥を取り出すための第1の取出しノズルと、第2の槽の側面に設けられ、第2の槽の底部に沈降した汚泥を取り出すための第2の取出しノズルと、を有している。そして、第2の槽の底部は第1の槽の底部より低く、第2の取出しノズルは第1の槽の底部より下方に位置している。この場合、原水供給機構10としては上述の分岐構造ではなく、中心線CLに沿って上下方向に延びる配管と、この配管から分岐する複数の供給配管で構成することができる。
1 凝集沈殿装置
2 沈殿槽
3 汚泥濃縮槽
10 原水供給機構
11 回転軸
12 第1の配管部
13 第2の配管部
14 第3の配管部
15 原水供給口
19 原水導入部
26,27 第1の攪拌翼
28 第2の攪拌翼
29 第3の攪拌翼
51 スラッジブランケット
CL 中心線

Claims (7)

  1. 原水中の凝集フロックを沈降分離させる沈殿槽と、
    前記沈殿槽に取り囲まれ、前記凝集フロックを前記沈殿槽から越水させて収集し濃縮させる汚泥濃縮槽と、
    前記汚泥濃縮槽を通る中心線を有し、前記中心線の周りを回転し、前記原水を前記沈殿槽に供給する原水供給機構と、を有し、
    前記原水供給機構は、前記中心線上に位置し前記原水が導入される原水導入部と、前記沈殿槽の内部空間下部に開口し前記原水を前記沈殿槽に供給する原水供給口と、前記原水導入部と前記原水供給口とに連通し、前記汚泥濃縮槽の上方を前記中心線から離れる方向に延びる配管部と、を有する凝集沈殿装置。
  2. 前記原水供給機構は、前記中心線と同軸の回転軸と、前記回転軸に固定され、前記原水導入部に接続された第1の配管部と、前記第1の配管部に接続され、前記汚泥濃縮槽の上方を前記中心線から離れる方向に延びる少なくとも一つの第2の配管部と、前記第2の配管部に接続され、前記原水供給口を備える第3の配管部と、を有する、請求項1に記載の凝集沈殿装置。
  3. 前記原水供給機構の前記第3の配管部の外周面に、前記原水を攪拌する第3の攪拌翼が設けられている、請求項2に記載の凝集沈殿装置。
  4. 前記回転軸は前記汚泥濃縮槽の内部を延びており、前記回転軸の外周面の前記汚泥濃縮槽の内部に位置する部分に、前記汚泥濃縮槽の汚泥を攪拌ないし掻き寄せる第1の攪拌翼が設けられている、請求項2または3に記載の凝集沈殿装置。
  5. 前記第1の配管部が前記回転軸の外周面の一部を内包するように前記回転軸に支持され、前記回転軸の前記外周面の、前記第1の配管部に内包される部分に、前記原水を攪拌する第2の攪拌翼が設けられている、請求項4に記載の凝集沈殿装置。
  6. 前記第1の配管部は前記原水導入部の底部に接続され、且つ上下方向に延びている、請求項2から5のいずれか1項に記載の凝集沈殿装置。
  7. 原水中の凝集フロックを沈降分離させる沈殿槽と、前記凝集フロックを前記沈殿槽から越水させて収集し濃縮させる汚泥濃縮槽の一方である第1の槽と、前記第1の槽に取り囲まれた、前記沈殿槽と前記汚泥濃縮槽の他方である第2の槽と、前記第1の槽の側面に設けられ、前記第1の槽の底部に沈降した汚泥を取り出すための第1の取出しノズルと、前記第2の槽の側面に設けられ、前記第2の槽の底部に沈降した汚泥を取り出すための第2の取出しノズルと、を有し、
    前記第2の槽の底部は前記第1の槽の底部より低く、前記第2の取出しノズルは前記第1の槽の底部より下方に位置している凝集沈殿装置。
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