JP7344017B2 - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理水に凝集剤を添加する凝集プロセスにより固液分離を行なう水処理方法及び水処理装置に関する。
浄水プラントや排水処理プラントなどの水処理設備では、被処理水(原水)に含まれる懸濁物質を除去するために、被処理水に凝集剤を添加して懸濁物質を粗大化させてフロックとする凝集操作と、凝集操作により発生したフロックを固液分離する操作とを実施する。被処理水に添加される凝集剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)などに代表される無機凝集剤、カチオン系やアニオン系などの高分子(ポリマー)凝集剤が広く使用されている。さらに凝集操作においては、被処理水のpHの調整のために、水酸化ナトリウムあるいは塩酸などのpH調整剤を添加することが多い。フロックを固液分離する方法としては、沈降分離、浮上分離などの方法が用いられている。凝集剤の添加方法や沈降分離を行うための凝集沈殿槽の構造を工夫することで、沈降速度の高いフロックを形成させ、かつ、少ない面積で高速での固液分離が可能となる。
沈降分離によってフロックを固液分離する際に用いられる沈殿槽として、沈殿槽内で凝集も行わせてスラッジブランケットを形成するスラッジブランケット型のものがある。スラッジブランケット型の沈殿槽は、沈殿槽の内部のスラッジブランケット部と呼ばれる領域でスラッジブランケットすなわち凝集フロックの層を成長させ、スラッジブランケット部から凝集フロックを回収して濃縮し、濃縮されたフロックを汚泥として排出するものである。凝集剤を添加された被処理水は、スラッジブランケット部の下側からスラッジブランケット部内を上昇するように沈殿槽に供給され、フロックが分離されたのちの上澄み水は処理水として沈殿槽の上側から排出される。スラッジブランケット型の沈殿槽は、それまでの沈殿槽に比べ、固液分離を効率的に実行でき、設置面積も大幅に減少するという利点を有する。特許文献1はスラッジブランケット型の沈殿槽の構成の一例を示している。特許文献1に記載された沈殿槽では、円筒型の沈殿槽の内部の下部領域がスラッジブランケット部とスラッジブランケット部に囲まれた汚泥濃縮部とに区画されており、スラッジブランケット部から越水したフロックが汚泥濃縮部において濃縮され、造粒翼付きの回転式ディストリビュータ(分配管)によって、凝集剤が添加された被処理水がスラッジブランケット部の下部領域に供給される。
特開2018-140389号公報
スラッジブランケット型の沈殿槽を用いる水処理装置では、処理水質はスラッジブランケットの状態に左右されることが多く、例えば、スラッジブランケットにおけるフロック濃度が希薄であると処理水へのフロックのキャリーオーバーが起こりやすくなり、一方、フロック濃度が高すぎると、沈殿槽内部や沈殿槽に接続する配管において、フロックの固化による閉塞が発生するリスクが高まる。特に、特許文献1に記載されたスラッジブランケット型の沈殿槽では、スラッジブランケット部において凝集フロックは「ペレット」と呼ばれて非常に高い沈降速度を有するようになるが、被処理水に対する凝集剤の添加条件によっては、ペレットの沈降速度が大きくなりすぎて相互に固着してしまう恐れや、ペレットが崩壊してしまう恐れがある。
本発明の目的は、配管や沈殿槽における閉塞を防ぎつつ処理水質の向上を図ることができる水処理方法及び水処理装置を提供することにある。
本発明の水処理方法は、被処理水に対して無機凝集剤と高分子凝集剤とを添加したのち、被処理水をスラッジブランケット型の沈殿槽に導いて凝集フロックの固液分離を行い、処理水を得る水処理方法において、沈殿槽に形成されるスラッジブランケットにおける被処理水を撮影し、撮影された画像から画像処理によってエッジを抽出してエッジ数を取得し、エッジ数に基づいて無機凝集剤と高分子凝集剤の少なくとも一方の添加量を制御することを特徴とする。
本発明の水処理装置は、被処理水に対して無機凝集剤を添加する反応槽と、反応槽から排出された被処理水に対して高分子凝集剤を添加する凝集槽と、凝集槽から排出された被処理水が供給されて凝集フロックの固液分離を行うスラッジブランケット型の沈殿槽と、を有する水処理装置において、沈殿槽に形成されるスラッジブランケットにおける被処理水を撮影して画像を取得する撮影手段と、画像に対して画像処理を行うことによりエッジを抽出してエッジ数を取得する画像処理手段と、エッジ数に基づいて無機凝集剤と高分子凝集剤の少なくとも一方の添加量を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、スラッジブランケット型の沈殿槽によって凝集フロックの固液分離を行う際に、スラッジブランケットの被処理水を撮影し、撮影された画像からエッジを抽出してエッジ数を求めることによってフロックの凝集状態を監視して凝集剤の添加量を制御することにより、配管や沈殿槽における閉塞を防ぎつつ処理水質の向上を図ることができるようになる。
本発明の実施の一形態の水処理装置の構成を示す図である。 種々の要因に対するフロック沈降速度及びエッジ数の変化を示すグラフである。 本発明の別の実施形態の水処理装置の構成を示す図である。 本発明のさらに別の実施形態の水処理装置の構成を示す図である。 本発明のさらに別の実施形態の水処理装置の構成を示す図である。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の一形態の水処理装置の構成を示している。
図示される水処理装置は、配管14を介して被処理水が供給されて被処理水に対して無機凝集剤を添加する反応槽10と、反応槽10から配管15を介して排出される被処理水が供給されてこの被処理水に対して第1の高分子凝集剤を添加する凝集槽20と、凝集槽20から配管25を介して排出される被処理水に対しフロックの沈降分離によりフロックの固液分離を行う沈殿槽30と、を備えている。反応槽10及び凝集槽20には、それぞれ、撹拌機構11,21が設けられている。
本実施形態の水処理装置が処理対象とする被処理水については、特に制限はなく、凝集沈殿処理を行う分野で公知の被処理水を適宜使用できる。被処理水として、例えば、電子産業等でのエッチング工程で排出されるフッ素含有排水、めっき工場のめっき排水、発電所の排煙脱硫排水、工場から排出されるボイラーブロー排水や、染色工場の染色排水などの排水が挙げられる。フッ素含有排水が被処理水であるときは、反応槽10の前段にカルシウム反応槽を設け、カルシウム反応槽においてカルシウム剤が添加された被処理水が反応槽10に供給されるようにすることが好ましい。カルシウム反応剤としては、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)や塩化カルシウム(CaCl2)が用いられる。
無機凝集剤を貯蔵する貯槽50が設けられており、貯槽50内の無機凝集剤は、ポンプ51によって配管52に給送され、配管52を介して反応槽10に供給される。無機凝集剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)やポリ塩化アルミニウム(PAC)などのアルミニウム塩、塩化第二鉄やポリ硫酸第二鉄などの第二鉄塩の酸性溶液など、凝集処理を行う分野で公知の無機凝集剤を使用できる。被処理水がフッ素含有排水である場合には、無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウムが用いられる。
本実施形態の水処理装置では、必要に応じ、反応槽10内の被処理水にpH調整剤を供給してもよい。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム(Na(OH))や塩酸(HCl)が使用される。pH調整剤の添加のために、pH調整剤を貯蔵する貯槽55が設けられており、貯槽55内の無機凝集剤は、ポンプ56によって配管57に給送され、配管57を介して反応槽10に供給される。
第1の高分子凝集剤を貯蔵する貯槽60が設けられており、貯槽60内の第1の高分子凝集剤は、ポンプ61によって配管62に給送され、配管62を介して凝集槽20に供給される。第1の高分子凝集剤としては、カチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、及び両性高分子凝集剤のいずれをも使用することができるが、図示するようにカチオン性高分子凝集剤(すなわちカチオンポリマー)を使用することが好ましい。
沈殿槽30は、スラッジブランケット部を有するものであれば、適宜のものを使用することができる。図示した例では、沈殿槽30として、特許文献1に記載されたスラッジブランケット型のものであって、被処理水を分配する回転分配管31を備えているものを用いている。回転分配管31を回転させるために沈殿槽30の上方にはモータ32が設けられており、モータ32を駆動するためにインバータ33が設けられている。沈殿槽30は全体として円筒形に形成されており、その下部の領域は、スラッジブランケット部34と、スラッジブランケット部34に取り囲まれてスラッジブランケット部34から越水してきた凝集フロックを収集して濃縮する汚泥濃縮部35とに区画されている。汚泥濃縮部35は円筒形であり、スラッジブランケット部34は汚泥濃縮部35と同軸の配置となっている。
回転分配管31は、凝集剤が添加された被処理水をスラッジブランケット部34に対してスラッジブランケット部34の底部側から供給するためのものである。スラッジブランケット部34と汚泥濃縮部35との共通の中心軸に沿うように、回転分配管31の回転軸81が配置し、この回転軸81の上端には上述のモータ32が接続し、下端は汚泥濃縮部35の内部まで延びている。モータ32が回転することにより、回転分配管31も回転する。回転軸81において汚泥濃縮部35の内部に位置する部分には、汚泥濃縮部35内の凝集フロックを撹拌する撹拌翼85が取り付けられている。回転分配管31において被処理水を受け入れるための被処理水導入部82は、回転軸81の上端の近くに設けられており、凝集槽30から排出された被処理水は、配管25によって被処理水導入部82に供される。被処理水導入部82からスラッジブランケット部34の内部まで延びて回転分配管31の回転に伴ってスラッジブランケット部34内で旋回するように、配管部83が設けられている。配管部83は、被処理水導入部82に供給された被処理水をスラッジブランケット部34の底部側に供給するための管路として機能する。また配管部83の外表面には、スラッジブランケット部34でのフロックの凝集すなわち造粒を促進するために、造粒翼84が取り付けられている。回転分配管31の回転とともに造粒翼84もスラッジブランケット部34内で旋回する。汚泥濃縮部35の底部には、汚泥濃縮部35から汚泥を引き抜いて排出するためにポンプ37が接続している。フロックが固液分離されたことによって得られる上澄み水は、処理水として、沈殿槽30の側面の上部から外部に排出される。この沈殿槽30では、回転しながら回転分配管31がスラッジブラケット部34に対してその底部側から被処理水を供給するので、スラッジブランケット部34に対して均一に被処理水を供給することができる。
本実施形態で用いるスラッジブランケット型の沈殿槽30は、造粒翼84によって緩速撹拌を行うことによってスラッジブランケット部34において凝集及び造粒操作を行うようにしているので、高密度で沈降速度の高い凝集フロックを形成でき、より高い流速で沈殿処理を行うことができる。
さらに本実施形態の水処理装置では、凝集槽20と沈殿槽30との間の配管25を流れる被処理水に対して、すなわち第1の高分子凝集剤が添加されたのち沈殿槽30に流入する前の被処理水に対し、第2の高分子凝集剤を添加してもよい。第2の高分子凝集剤の添加のために、第2の高分子凝集剤を貯蔵する貯槽65が設けられており、貯槽65内の第2の高分子凝集剤は、配管25に接続する配管67に対してポンプ66によって給送され、配管67を介して被処理水に添加される。第2の高分子凝集剤の添加位置は配管25に限定されるものではなく、図示破線の配管68で示すように、沈殿槽30に設けられる回転分配管31の被処理水導入部82に対して第2の高分子凝集剤を供給するようにしてもよい。その場合、第2の高分子凝集剤は、沈殿槽30内の被処理水に直接添加されることになる。第2の高分子凝集剤としては、カチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、及び両性高分子凝集剤のいずれをも使用することができるが、図示するようにアニオン性高分子凝集剤(すなわちアニオンポリマー)を使用することが好ましい。
本実施形態の水処理装置では、被処理水に無機凝集剤を添加することにより反応槽10において懸濁物質から微小なフロックが形成し、この微小なフロックを含む被処理水に対して凝集槽20において例えばカチオンポリマーである第1の高分子凝集剤が添加され、さらにこの被処理水は沈殿槽30に供給され、沈殿槽30においてフロックの粗大化と沈殿とが進行する。例えばアニオンポリマーである第2の高分子凝集剤の添加は、フロックの粗大化を促進する。粗大化したフロックは沈殿槽30において凝集物すなわち汚泥として沈殿する。その結果、懸濁物質を含む被処理水は、汚泥と上澄み水である処理水とに固液分離されたことになる。そして処理水は、沈殿槽30から排出される。
沈殿槽30を長期にわたって使用していると、スラッジブランケット部34の底部にも汚泥が蓄積して腐敗し処理水質の低下をもたらすことがある。そこで、スラッジブランケット部34の底部にも汚泥排出用の配管を接続し、ポンプによって汚泥を引抜くようにしてもよい。この場合、スラッジプランケット部34からの汚泥引抜き用のポンプを汚泥濃縮部35からの汚泥引抜き用のポンプ37とは別個に設けてもよいが、タイマーと自動弁とを用い、共通のポンプ37によってスラッジブランケット部34からの汚泥引抜きと汚泥濃縮部35からの汚泥引抜きを行うようにしてもよい。また、ペレットとも呼ばれる状態の凝集フロックをスラッジブランケット部34から沈殿槽30の外部に排出させ、この凝集フロックを前段の反応槽10や凝集槽20に戻すようにしてもよい。
さらに本実施形態の水処理装置では、スラッジブランケット部34での凝集フロックの凝集状態を判断するために被処理水を撮影する画像センサ70と、画像センサ70で取得した画像の画像処理を行う画像処理装置71と、水処理装置の制御を行う制御装置72とが設けられている。画像センサ70は、CCDイメージセンサあるいはCMOSイメージセンサからなりデジタル画像として画像データを出力する公知の画像センサであって、スラッジブランケット部34での凝集フロックを撮影できるように設けられている。このため沈殿槽30は、内部を観察できるように、画像センサ70の設置位置に対応する部分がガラスなどの透明な部材で構成されている必要がある。制御装置72は、水処理装置の制御を行うために、例えばポンプ51,56,61,66を制御し、被処理水に添加されるべき各薬剤の添加量を変化させることができ、インバータ33を制御してモータ32の回転数を変化させることもできる。制御装置72は、水処理装置の全体の制御を行うものであるが、特に、画像処理装置71での画像処理結果に基づいて凝集剤、特に、無機凝集剤と第1の高分子凝集剤の少なくとも一方の注入量を制御する。以下、本実施形態における画像処理と画像処理結果に基づく制御とについて説明する。
画像センサ70がスラッジブランケット部34での被処理水を撮影すると、撮影された画像データは画像処理装置71に送られる。画像センサ70による撮影対象は、被処理水中に含まれるものであれば特に制限されるものではないが、検出感度の観点から、発生した凝集フロックを撮影することがより望ましい。画像処理装置71は、公知の画像処理技術によって、画像からエッジを抽出し、エッジ数を算出する。エッジとは、撮影された画像において画素ごとに隣接画素との画素値の差を求め、この差が所定の閾値以上となっている画素の集合のことであり、エッジ数とは、画像においてエッジとして検出された画素の数のことである。与えられた画像に対してエッジ抽出処理を行なうアルゴリズムとしては1次微分によるものなどが周知であり、アルゴリズムとそのときに用いるパラメータが同じであれば、同一画像からはエッジ数が得られる。当然のことながら画像センサ70によって被処理水を撮影するときの撮影条件(照明の状態、レンズの焦点距離及び絞り、被写体距離など)は一定のものとする。また、エッジ数を算出するときのアルゴリズムやエッジとして判別するための閾値などは一定のものとしておく。
図2は、本発明者らが得た知見に基づく、種々の要因に対するフロック沈降速度及びエッジ数の変化の傾向を示している。図示するように、大まかにはエッジ数が多いほどフロックの沈降速度が低いという関係がある。そして無機凝集剤や高分子凝集剤の添加量が多いほどエッジ数が少なくかつフロック沈降速度が高くなり、沈殿槽における回転分配管の回転速度が遅いほどエッジ数が少なくなってフロック沈降速度は高くなる。沈殿槽や配管の閉塞を防ぐためにはフロック沈降速度が過度に高くなることを避ける必要がある。一方、エッジ数が多いということは凝集フロックが微細であることを意味し、フロックが微細であることからフロックの沈降速度も低くなるとともに処理水へのフロックのキャリーオーバーも起こりやすくなる。沈殿槽30における最適なフロック沈降速度が存在し、沈殿槽30や配管の閉塞を防ぎつつフロック沈降速度を高くして処理効率を高め同時に良好な処理水質を得るためには、最適なフロック沈降速度となるように水処理装置を制御する必要がある。現在のフロック沈降速度が最適なフロック沈降速度であるかどうかは、画像処理によって得られるエッジ数が最適なフロック沈降速度に対応するエッジ数であるかどうかで判断できることになる。
そこで本実施形態では、最適なフロック沈降速度に対応するエッジ数(すなわち最適エッジ数)を予め調べて記憶しておき、制御装置72は、画像処理装置71から出力される現在のエッジ数が最適エッジ数となるように、無機凝集剤及び高分子凝集剤の少なくとも一方の添加量を制御する。凝集剤の添加量の制御を行うときは、制御装置72は、凝集剤の添加に用いられるポンプ51,61,66のうち制御対象とする凝集剤に対応するものを制御する。この制御を行うときは、公知のPID(比例積分微分)制御を用いることが好ましい。最適エッジ数としては、沈殿槽30のスラッジブランケット部31の凝集フロック(すなわちペレット)が最適であると考えられる状態で画像センサ70により被処理水を撮影してマスター画像とし、マスター画像から算出されたエッジ数を用いればよい。マスター画像を画像処理装置71に記憶させ、画像処理装置71からは、マスター画像のエッジ数と現在の画像のエッジ数との相対値を出力するようにしてもよい。このように相対値を出力する場合には、マスター画像のエッジ数を例えば100とするように正規化を行ってよい。
図2から分かるように、フロック沈降速度は、回転分配管31の回転速度によっても変化する。そこで制御装置72は、エッジ数に基づき、凝集剤の添加量に加えて沈殿槽30の回転分配管31の回転速度を制御するようにしてもよい。回転分配管31の回転速度を変化させる場合には、制御装置72は、インバータ33を制御してモータ32の回転数を変化させる。
本発明に基づく水処理装置では、沈殿槽30のスラッジブランケット部34に加えて水処理装置内の他の場所においても被処理水を撮影し、上述と同様にエッジ数を求めて被処理水における凝集状態を判断してもよい。凝集状態の判断のための撮影であるから、撮影場所は、被処理水に少なくとも1つの凝集剤が添加される場所か、それよりも後段の位置となる。スラッジブランケット部34の以外の場所で撮影された画像データも画像処理装置71に送られてエッジ数が算出され、このエッジ数に基づいて制御装置72により凝集剤の添加量や回転分配管31の回転速度が制御される。
図3に示す水処理装置は、図1に示す水処理装置において、無機凝集剤の添加が行われる反応槽10における被処理水を撮影する画像センサ73を付加したものである。画像センサ73は、反応槽10の上方に、反応槽30内の被処理水を撮影できるように設けられる。画像センサ73で撮影した画像データも画像処理装置71に送られる。画像センサ73で撮影した画像データから得られたエッジ数は、沈殿槽30でのフロック沈降速度に直接関係するものであるとは言えないが、無機凝集剤の添加によって生成する微小なフロックの凝集状態を表すものであり、これを用いて例えば無機凝集剤の添加量を制御することができる。この場合、画像センサ73で撮影した画像から得られるエッジ数は、高分子凝集剤の添加量の制御と、必要に応じて回転分配管31の回転速度の制御に用いることができる。
図4に示す水処理装置は、図1に示す水処理装置において、高分子凝集剤(特にカチオンポリマー)の添加が行われる凝集槽20における被処理水を撮影する画像センサ74を付加したものである。画像センサ74は、凝集槽20の上方に、凝集槽20内の被処理水を撮影できるように設けられる。画像センサ74で撮影した画像データも画像処理装置71に送られる。画像センサ74で撮影した画像データから得られたエッジ数は、沈殿槽30でのフロック沈降速度に直接関係するものであるとは言えないが、カチオンポリマー添加後のフロックの凝集状態を表すものであり、画像センサ70で撮影した画像から得られるエッジ数と合わせて、例えば、カチオンポリマーやアニオンポリマーの添加量の制御と、必要に応じて回転分配管31の回転速度の制御に用いることができる。
図5に示す水処理装置は、図1に示す水処理装置において、凝集槽20と沈殿槽30との間の配管25を流れる被処理水を撮影する画像センサ75を付加したものである。撮影を容易に行えるようにするために、配管25の代わりに上方が開放した流路を設け、流路の上方の位置から流路内を撮影するように画像センサ75を配置してもよい。画像センサ75で撮影した画像データも画像処理装置71に送られる。画像センサ75で撮影した画像データから得られたエッジ数は、沈殿槽30でのフロック沈降速度に直接関係するものであるとは言えないが、スラッジブランケット型の沈殿槽30に供給される直前でのフロックの凝集状態を表すものであり、例えば、アニオンポリマーの添加量の制御や回転分配管31の回転速度の制御に用いることができる。
10 反応槽
11,21 撹拌機構
20 凝集槽
30 沈殿槽
31 回転分配管
32 モータ
33 インバータ
34 スラッジブランケット部
35 汚泥濃縮部
50,55,60,65 貯槽
37,51,56,61,66 ポンプ
70,73~75 画像センサ
71 画像処理装置
72 制御装置
81 回転軸
82 被処理水導入部
83 配管部
84 造粒翼
85 撹拌翼

Claims (4)

  1. 被処理水に対して無機凝集剤と高分子凝集剤とを添加したのち、前記被処理水をスラッジブランケット型の沈殿槽に導いて凝集フロックの固液分離を行い、処理水を得る水処理方法において、
    前記沈殿槽は、回転機構によって回転してスラッジブランケットが形成される位置に対して前記被処理水を供給する分配管と、前記分配管とともに回転して前記スラッジブランケットにおける凝集フロックを粗大化させる造粒翼と、を備えており、
    前記沈殿槽に形成される前記スラッジブランケットにおける前記被処理水を撮影し、
    撮影された画像から画像処理によってエッジを抽出してエッジ数を取得し、
    前記エッジ数に基づいて前記無機凝集剤と前記高分子凝集剤の少なくとも一方の添加量と、前記分配管の回転速度とを制御することを特徴とする水処理方法。
  2. 前記高分子凝集剤としてカチオンポリマーとアニオンポリマーとを使用し、反応槽において前記被処理水に前記無機凝集剤を添加し、前記反応槽から排出される被処理水に対して凝集槽において前記カチオンポリマーを添加し、前記凝集槽から前記沈殿槽までの前記被処理水の流路または前記沈殿槽において前記被処理水に前記アニオンポリマーを添加する、請求項に記載の水処理方法。
  3. 被処理水に対して無機凝集剤を添加する反応槽と、前記反応槽から排出された前記被処理水に対して高分子凝集剤を添加する凝集槽と、前記凝集槽から排出された前記被処理水が供給されて凝集フロックの固液分離を行うスラッジブランケット型の沈殿槽と、を有する水処理装置において、
    前記沈殿槽に形成されるスラッジブランケットにおける前記被処理水を撮影して画像を取得する撮影手段と、
    前記画像に対して画像処理を行うことによりエッジを抽出してエッジ数を取得する画像処理手段と、
    前記エッジ数に基づいて前記無機凝集剤と前記高分子凝集剤の少なくとも一方の添加量を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記沈殿槽は、回転機構によって回転して前記スラッジブランケットが形成される位置に対して前記被処理水を供給する分配管と、前記分配管とともに回転して前記スラッジブランケットにおける凝集フロックを粗大化させる造粒翼と、を備え、
    前記制御手段は、前記エッジ数に基づいて前記分配管の回転速度を制御することを特徴とする水処理装置。
  4. 前記凝集槽において前記高分子凝集剤としてカチオンポリマーが添加され、
    前記凝集槽から前記沈殿槽までの前記被処理水の流路または前記沈殿槽において前記被処理水にアニオンポリマーが添加される、請求項に記載の水処理装置。
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