JP2018136492A - 液晶パネル製造方法およびこれに用いられる保護ガラスプレート - Google Patents

液晶パネル製造方法およびこれに用いられる保護ガラスプレート Download PDF

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康宏 柏原
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真吾 茅野
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哲孝 堂園
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Abstract

【課題】エッチング処理に伴う電極端子部保護用のマスキング処理を不要にし、サイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能な液晶パネル製造方法を提供する。【解決手段】液晶パネル製造方法は、改質ライン形成ステップ、溝形成ステップ、エッチングステップ、および切断ステップを少なくとも含む。改質ライン形成ステップでは、アレイ基板およびカラーフィルタ基板に対して、液晶パネルの形状に対応する形状切断予定線に沿ってレーザビームによって形成される改質ラインであって、他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有する改質ラインを形成する。溝形成ステップでは、カラーフィルタ基板に対して、このカラーフィルタ基板におけるアレイ基板の電極端子部に対向する領域を取り除くための端子部切断予定線に沿って溝を形成する。【選択図】図4

Description

本発明は、アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所定形状の液晶パネルを複数得るための液晶パネル製造方法およびこれに用いられる保護ガラスプレートに関する。
一般的に、液晶パネルの製造時には、1組のガラス母材で同時に複数の液晶パネルを製造し、その後にガラス母材を単個の液晶パネルに分断するという手法(いわゆる多面取り)が広く採用されてきた。そして、ガラス母材を分断する際には、スクライブブレーク、レーザアブレーション加工、エッチング処理といった手法が用いられることが多かった。
ところが、スクライブブレークを採用した場合には、丸みを持った輪郭を有するパネルを形成することが困難であった。また、レーザアブレーション加工では、加工速度が遅かったり、アブレーションデブリによる汚損が生じたりするといった不具合が発生し易かった。さらに、エッチング処理では、アレイ基板の電極端子部をエッチング液から保護するために適切なマスキング処理を別途行う必要があるため、生産効率を向上させることが困難になることがあった。
そこで、従来技術の中には、カラーフィルタ基板に対する耐エッチング剤の塗布の際に電極端子部も同時にマスキングされるように工夫したエッチング処理を採用するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。このような構成を採用することにより、電極端子部の保護のために別途工程が必要になることがなく、また、電極端子部の保護が確実に行われる、とされていた。
特開2016−224201号公報
しかしながら、上述の従来技術においては、電極端子部の保護のための工程を独立して行う必要はなくなっているが、依然としてエッチング処理においてガラス母材に対する電極端子部保護用のマスキング処理を行う必要があり、エッチング処理後にはこれを剥離する必要があった。また、ガラス母材の厚み方向に直交する方向に進行するサイドエッチングの影響を考慮して、ガラス母材において各液晶パネル間にスペースを設ける必要があるため、多面取り効率が悪くなることがあった。
本発明の目的は、エッチング処理に伴う電極端子部保護用のマスキング処理を不要にし、サイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能な液晶パネル製造方法およびこれに用いられる保護ガラスプレートを提供することである。
本発明に係る液晶パネル製造方法は、アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所定形状の液晶パネルを複数得るものである。この液晶パネル製造方法は、改質ライン形成ステップ、溝形成ステップ、エッチングステップ、および切断ステップを少なくとも含む。
改質ライン形成ステップでは、アレイ基板およびカラーフィルタ基板に対して、液晶パネルの形状に対応する形状切断予定線に沿ってレーザビームによって形成される改質ラインであって、他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有する改質ラインを形成する。改質ラインを形成する手法の代表例としては、ピコ秒レーザまたはフェムト秒レーザによるフィラメント加工が挙げられる。改質ラインの幅は、概ね10μm以下に設定することが好ましい。
溝形成ステップでは、カラーフィルタ基板に対して、このカラーフィルタ基板におけるアレイ基板の電極端子部に対向する領域を取り除くための端子部切断予定線に沿って溝を形成する。溝を形成する手法の例としては、ホイールカッタによるスクライブ処理や、カラーフィルタ基板のみを切断するように焦点が設定されたレーザ加工処理が挙げられる。
エッチングステップでは、アレイ基板およびカラーフィルタ基板に対して、形状切断予定線および端子部切断予定線において切断されないようにしつつ、エッチング処理を行う。エッチング処理が進行するにつれて、形状切断予定線および端子部切断予定線において切断溝等が厚み方向に貫通してしまうことがあるため、3μm/分以下の遅いエッチングレートにて形状切断予定線および端子部切断予定線の状態を確認しつつエッチング処理を行うことが好ましい。
切断ステップでは、エッチング処理の後に、形状切断予定線および端子部切断予定線において切断を行う。エッチング処理後には、形状切断予定線および端子部切断予定線において実質的にほぼ切断された状態になっているため、わずかな機械的圧力や熱的応力を加えることによって完全な切断を実現することが可能である。微小な押圧力を加えたり、微小な超音波振動を与えたり、加熱をしたりすることによって、多面取り用ガラス母材を汚損することなく、完全な切断を実現することが可能である。
本発明においては、形状切断予定線および端子部切断予定線を予め切断し易くした上でエッチング処理を行うため、形状切断予定線および端子部切断予定線のみを選択的にエッチング処理するためのマスキング処理が不要になる。また、形状切断予定線および端子部切断予定線を予め切断し易くなっているため、厚み方向全体をエッチング処理する場合に比較してエッチング量が著しく少なくて済むため、サイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能になる。この結果、液晶パネルを近接配置した状態の多面取り用ガラス母材を用いることが可能となり面取り効率が向上する。
上述の液晶パネル製造方法において、改質ラインが、パルスレーザのビームによって形成された複数の貫通孔または複数の改質孔を有するミシン目状を呈することが好ましい。液晶パネルの形状切断予定線をパルスレーザによって加工するため、液晶パネルの輪郭に複雑や曲線や微小な曲線部分が含まれていたり、液晶パネルに開口部を形成されていたりする場合であっても、適切な加工を実現することが可能になる。
また、上述の液晶パネル製造方法の改質ライン形成ステップにおいて、多面取り用ガラス母材の加工時に発生し得るガスの飛散を防止するための保護ガラスプレートを使用することが好ましい。この保護ガラスプレートは、アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材に載置可能に構成される。そして、この保護ガラスプレートは、多面取り用ガラス母材における液晶パネルの配置領域に対応する領域に形成された凹部と、凹部の周囲に配置された辺縁部とを備え、辺縁部が多面取り用ガラス母材の端部に載置可能に構成される。
多面取り用ガラス母材における液晶パネルの配置領域に対応する領域は、液晶パネルの切り出しのために実際にレーザビームが照射される領域であり、この領域からレーザ装置のレンズ等を汚損させるおそれのあるガスが発生し得る。保護ガラスプレートを液晶パネルの配置領域に密着させてしまうと発生したガスや熱の逃げ場がなく、ガスがレーザ照射に悪影響を与える位置に溜まってしまったり、気泡発生等の熱による悪影響を生じたりするリスクがあるが、液晶パネルの配置領域に対応する領域に凹部が配置され空間が生じることにより、このような不具合の発生が防止される。
上述の保護ガラスプレートは、辺縁部に、テーパ部が設けられており、テーパ部が多面取り用ガラス母材の端部に載置可能に構成されることが好ましい。このような構成を採用することにより、保護ガラスプレートが多面取り用ガラス母材上で位置ずれを起こしにくくなり、加工や搬送の途中で落下するといった不具合が発生しにくくなる。
この発明によれば、液晶パネルの製造において、エッチング処理に伴う電極端子部保護用のマスキング処理を不要にし、サイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る液晶パネルの概略構成を示す図である。 複数の液晶パネルを含む多面取り用ガラス母材の概略構成を示す図である。 多面取り用ガラス母材に対するレーザ加工の概略を示す図である。 多面取り用ガラス母材に対するスクライブブレーク加工の概略を示す図である。 本発明に適用されるエッチング装置の一例を示す図である。 本発明に適用されるエッチング処理のバリエーションを示す図である。 分断された状態の多面取り用ガラス母材の概略を示す図である。 液晶パネルの構成の特徴を示す図である。 多面取り用ガラス母材に対するレーザ加工の他の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る保護ガラスプレートの概略を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る保護ガラスプレートの概略を示す図である。 保護ガラスプレートの生産方法の一例を示す図である。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る液晶パネル10の概略構成を示している。同図に示すように、液晶パネル10は、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14が液晶層を挟んで貼り合わされるように構成されている。アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の構成は、公知の構成と同様の構成が採用可能であるため、ここでは説明を省略する。
アレイ基板12は、カラーフィルタ基板14と貼り合わされる領域から延び出すように設けられた電極端子部122を有している。この電極端子部122には、複数の電気回路が接続され、液晶パネル10と、それらの電気回路とが筐体に収納されることによって、例えば、図1(B)に示すようなスマートフォン100が構成される。
続いて、液晶パネル10を製造する方法の一例について説明する。図2(A)および図2(B)に示すように、一般的に、液晶パネル10は、これを複数含んだ多面取り用ガラス母材50として製造され、多面取り用ガラス母材50を分断することによって、単個の液晶パネル10が得られる。この実施形態では、便宜上、6つの液晶パネル10が3行2列のマトリクス状に配置された多面取り用ガラス母材50に対する処理について説明するが、多面取り用ガラス母材50に含まれる液晶パネル10の数は適宜増減することが可能である。
多面取り用ガラス母材50は、まず、図3(A)〜図3(C)に示すように、液晶パネル10の形状(輪郭)に対応する形状切断予定線に沿って改質ライン20が形成される。この改質ライン20は、例えば、ピコ秒レーザ(波長515nm)またはフェムト秒レーザ(1030nm)等のパルスレーザから照射される光ビームパルス(ビーム径は1〜5μm程度)によって形成される複数のフィラメント層を配列したフィラメントアレイである。ピコレーザからの光ビームは、少なくともアレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の両方の基板を含む範囲よりも深い焦点深度を備えている。このため、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の両方の基板において液晶パネル10を分断するための改質ライン20が同時に形成される。
原則として、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の両方の基板を同時に1つのレーザによって処理することが可能であるが、これによって液晶層に不具合が生じる場合には、アレイ基板12側からアレイ基板12のみに改質ライン20を形成し、カラーフィルタ基板14側からカラーフィルタ基板14のみに改質ライン20を形成するようにすることで、液晶層における不具合の発生を抑制し易くなる。
この実施形態では、改質ライン20は、図3(C)に示すような、複数の貫通孔または改質層を有するミシン目状を呈している。改質ライン20は、多面取り用ガラス母材50における他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有している。もちろん、改質ライン20の形状は、図3(C)に示すような形状には限定されるものではなく、これ以外の形状を呈するものであっても良い。
続いて、多面取り用ガラス母材50に対して、図4(A)〜図4(C)に示すように、カラーフィルタ基板14におけるアレイ基板12の電極端子部122に対向する領域を取り除くための端子部切断溝30を形成する処理が行われる。この実施形態では、スクライブホイール(ホイールカッタ)250によって、カラーフィルタ基板14におけるアレイ基板12の電極端子部122に対向する領域の内側に端子部切断溝30が形成される。端子部切断溝30は、カラーフィルタ基板14におけるアレイ基板12の電極端子部122に対向する領域を取り除くため端子部切断予定線に沿って形成される。
スクライブホイール250による端子部切断溝30の形成が終わると、図5に示すように、多面取り用ガラス母材50は、エッチング装置300に導入され、フッ酸および塩酸等を含むエッチング液によってエッチング処理が施される。エッチング装置300では、搬送ローラによって多面取り用ガラス母材50を搬送しつつ、エッチングチャンバ内で多面取り用ガラス母材50の片面または両面にエッチング液を接触させることによって、多面取り用ガラス母材50に対するエッチング処理が行われる。なお、エッチング装置300におけるエッチングチャンバの後段には、多面取り用ガラス母材50に付着したエッチング液を洗い流すための洗浄チャンバが設けられているため、多面取り用ガラス母材50はエッチング液が取り除かれた状態でエッチング装置300から排出される。
多面取り用ガラス母材50にエッチング液を接触させる手法の一例として、図6(A)に示すように、エッチング装置300の各エッチングチャンバ302において、多面取り用ガラス母材50に対してエッチング液をスプレイするスプレイエッチングが挙げられる。また、スプレイエッチングに代えて、図6(B)に示すように、オーバーフロー型のエッチングチャンバ304において、オーバーフローしたエッチング液に接触しながら多面取り用ガラス母材50が搬送される構成を採用することも可能である。
さらには、図6(C)に示すように、エッチング液が収納されたエッチング槽306に、キャリアに収納された単数または複数の多面取り用ガラス母材50を浸漬されるディップ式のエッチングを採用することも可能である。
いずれの場合であっても、エッチング処理中に、形状切断予定線および端子部切断予定溝が厚み方向に貫通して、多面取り用ガラス母材50が分断してしまわないようにすることが重要である。このため、エッチング処理中(特にエッチング処理の後半部分)においては、エッチングレートを遅くして、エッチング量を正確に制御する必要がある。この実施形態では、2重量%以下の薄いフッ酸によって、3μm/分以下の遅い速度にてエッチング処理が進行するようにしているが、この手法に限定されるものではない。
エッチング処理の全体においてエッチングレートを遅くするのではなく、当初は速めのエッチングレートを採用しつつ段階的に遅くしていくようにすれば、エッチング処理の時間を短縮することが可能である。例えば、エッチング装置300の後段に進むにつれてエッチング液におけるフッ酸濃度を低下させるような構成を採用すると良い。
多面取り用ガラス母材50がエッチング装置300を通過すると、改質ライン20および端子部切断溝30がエッチングされる。改質ライン20では、他の箇所よりも速くエッチング液が浸透し、このラインに沿ってガラスが溶解されることによって、改質ライン20によってカラーフィルタ基板を切断し易くなる。また、レーザ照射時においてキズ等が発生していた場合であっても、このキズが消失し易くなる。
多面取り用ガラス母材50において、レーザのフィラメント加工によって改質ライン20が形成され、この改質ラインをさらにエッチングすることにより、わずかな機械的圧力のみで、多面取り用ガラス母材50を改質ライン20において分割することができる。例えば、多面取り用ガラス母材50に微小な押圧力を加えたり、微小な超音波振動を与えたりすることによって、図7に示すように、多面取り用ガラス母材50を汚損することなく、分断することが可能である。
あえて、エッチング処理によって完全には切断してしまわないため、エッチング中に分離された液晶パネル10端面どうしが衝突して破損するといった不具合の発生が防止される。また、エッチング処理後の不完全に切断された状態の多面取り用ガラス母材50のまま(大判の状態のまま)、運搬することも可能になる。さらに、エッチング液が電極端子部に到達することがないため、耐エッチング性を備えたマスキング剤によって電極端子部を保護することが不要になる。また、液晶パネル10の端面における少なくとも中央部以外はエッチング処理が施されているため、レーザ加工のみで切断を行った場合に比較して液晶パネルの強度(例えば、曲げ強度)が高くなる。
図8(A)〜図8(C)は、分断後の液晶パネル10の概略構成を示している。同図に示すように、液晶パネル10の端面は主面に対してほぼ直角になっている。例えば、それぞれが0.15mm〜0.25mm程度の板厚のアレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の各端面に発生するテーパ幅(図8(C)におけるL1〜L4)を、50μm以下(多くは20〜35μm)に抑えることが可能である。
このように、液晶パネル10を製造するにあたって、サイドエッチングの影響がほとんど発生しないため、液晶パネル10どうしを近接配置した多面取り用ガラス母材50の設計することができる。例えば、レーザ幅2μm+αで合計10μm程度の隙間があれば、多面取り用ガラス母材50を適正に単個の液晶パネル10に分離することが可能である。
上述の実施形態では、説明の便宜上、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14にオーバーコート(OC)膜やITO膜が形成されていない状態の液晶パネル10について処理の概要を説明したが、アレイ基板12またはカラーフィルタ基板14の少なくともいずれかにオーバーコート(OC)膜やITO膜が形成されていたり、その他の成膜処理が施されていたりする場合でも液晶パネル10の分離を適正に行うことが可能である。
ただし、アレイ基板12またはカラーフィルタ基板14の少なくともいずれかの上に膜がある場合、後述する保護ガラスプレート(60,70)を使用することが好ましい。その理由は次のとおりである。何らかの成膜がされた多面取り用ガラス母材50に対して加工を行う場合、レーザ加工後のエッチング工程における膜へのダメージ発生を防止する必要がある。このため、膜を保護する耐エッチングフィルム等の保護フィルムを貼り付けることになる。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルのような有機物やこれらにカーボンブラック等の顔料を含有させた素材からなる耐酸性フィルムが挙げられる。保護フィルムを貼り付けた状態でレーザ加工を行うとアブレーション等によって保護フィルムが昇華し、これによって発生するガスがレーザ装置の対物レンズ等の光学系を汚損するリスクがあった。光学系の汚損はレーザ装置の能力を低下させるため、これに対する対処が必要になるのである。以下、図9〜図12を用いて具体的に説明する。
図9(A)は、多面取り用ガラス母材50における各液晶パネル10に対応する位置にそれぞれオーバーコート膜15が形成された状態を示している。オーバーコート膜15は、フッ酸や塩酸を含むエッチング液によって浸食されてしまうため、図9(B)に示すように耐エッチングフィルム16によって被覆される。この耐エッチングフィルム16における各液晶パネル10の輪郭に対応する箇所(上述の形状切断予定線に対応する箇所)は、レーザ加工によって取り除かれて、図9(C)に示すようなパターンが形成される。なお、この実施形態では、耐エッチングフィルム16として、ポリエチレンを採用しているが、耐エッチングフィルム16の構成はこれには限定されない。例えば、ポリプロピレンやポリ塩化ビニルやオレフィン系樹脂等を耐エッチングフィルム16として採用することも可能である。
図10(A)〜図10(C)は、耐エッチングフィルム16の昇華ガスによってレーザ装置のレンズが汚損されることを防止するための保護ガラスプレート60の概略を示している。保護ガラスプレート60は、多面取り用ガラス母材50の上面を覆うことができるように構成される。保護ガラスプレート60は、多面取り用ガラス母材50の主面よりもやや広い主面を有するように構成される。保護ガラスプレート60は、レーザビームを減衰させることなく透過するのに十分な透明性を有しておれば、石英ガラス、アルカリガラス、無アルカリガラス等の様々な種類のガラスを用いることが可能である。
保護ガラスプレート60は、凹状に形成された凹部62と、この凹部62の周囲に配置された辺縁部64とを備えている。辺縁部64は、凹部62との境界から徐々に立ち上がるように構成されたテーパ部を有している。この実施形態では、凹部62を下側に向けた状態で保護ガラスプレート60を多面取り用ガラス母材50の上側の主面上に載置する。
保護ガラスプレート60を多面取り用ガラス母材50に載置した際には、保護ガラスプレート60の辺縁部64におけるテーパ部が多面取り用ガラス母材50の辺縁に当接することが好ましい。その理由は、保護ガラスプレート60の辺縁部64におけるテーパ部が多面取り用ガラス母材50の辺縁に当接している状態では、保護ガラスプレート60が主面と平行な方向にズレにくくなり、多面取り用ガラス母材50からずり落ちるような不具合が発生しにくいからである。
図10(C)に示すように、保護ガラスプレート60を多面取り用ガラス母材50に載置した状態でレーザ加工を行うと、耐エッチングフィルム16が昇華することによって発生するガスが、多面取り用ガラス母材50と凹部62によって挟まれる空間に閉じ込められる。つまり、耐エッチングフィルム16が昇華することによって発生するガスがレーザ装置のレンズ等の光学系に届くことが防止される。しかも、保護ガラスプレート60は、レーザ装置のレンズと多面取り用ガラス母材50との間に、板厚に相当する距離が設けられていれば配置することが可能であるため、レーザ装置のレンズが多面取り用ガラス母材50に近接配置される場合においても問題なく使用することが可能である。
多面取り用ガラス母材50に対してレーザ加工を行う前に、多面取り用ガラス母材50上に保護ガラスプレート60をセットし、レーザ加工が終了したときに多面取り用ガラス母材50ごと保護ガラスプレート60を回収することができる。保護ガラスプレート60は、耐薬品性を有しているため、適宜最適な薬液を用いて洗浄することが可能であり、何度でもリサイクル・リユースすることができる。
図11(A)および図11(B)は、他の実施形態に係る保護ガラスプレート70の概略を示している。保護ガラスプレート70は、上述の保護ガラスプレート60と同様に、多面取り用ガラス母材50の上面を覆うことができるように構成される。保護ガラスプレート70は、多面取り用ガラス母材50の主面よりもやや広い主面を有するように構成される。保護ガラスプレート70についても、レーザビームを減衰させることなく透過するのに十分な透明性を有しておれば、石英ガラス、アルカリガラス、無アルカリガラス等の様々な種類のガラスを用いることが可能である。
保護ガラスプレート70は、凹状に形成された凹部72と、この凹部72の周囲に配置された辺縁部74とを備えている。辺縁部74は、凹部72との境界から徐々に立ち上がるように構成されたテーパ部を有している。そして、このテーパ部の途中には段部が形成されている。保護ガラスプレート70を多面取り用ガラス母材50に載置した際には、保護ガラスプレート70の辺縁部74におけるテーパ部または段部が多面取り用ガラス母材50の辺縁に当接することが好ましい。
保護ガラスプレート70の辺縁部74における段部が多面取り用ガラス母材50の辺縁に当接する場合、保護ガラスプレート70の水平状態が保たれ易い。このため、保護ガラスプレート70がレーザビームに対して影響をさらに与えにくくなる。また、段部を挟んで両側にテーパ部を設けているため、複数サイズの多面取り用ガラス母材50に対応することも可能になる。この実施形態では、段部を1つ設ける構成を示しているが、必要に応じて2つ以上の段部を形成することも可能である。ただし、段部の数が増えると保護ガラスプレート70の板厚が増加する傾向があるため、多面取りガラス母材50とレーザ装置のレンズとの距離を十分に考慮して段部の数を決定する必要がある。
図12(A)〜図12(D)は、上述した保護ガラスプレート60および保護ガラスプレート70の製造方法の例を示している。保護ガラスプレート60は、板状の素ガラスをエッチング処理することによって生産される。その際、図12(A)に示すように、保護ガラスプレート60における凹部62を形成する箇所のみを露出させるように耐エッチング性を有するマスキングフィルム65を施した上で、エッチング処理が行われる。マスキングフィルム65は、上述の耐エッチングフィルム16と同様の素材を用いることができる。マスキングフィルム65を適用することにより、エッチング液に接触する箇所のみがエッチングされていくため、図12(B)に示すように中央部に凹部62を有し、マスキングフィルム65を施していた箇所に辺縁部64を有する保護ガラスプレート60が生成させる。
また、図12(C)に示すように、保護ガラスプレート70については、凹部72の最も深い位置のみを露出させるように耐エッチング性を有するマスキングフィルム75を施した上で、最初のエッチング処理が行われる。続いて、凹部72の全体が露出するようにマスキングフィルム75の内縁部分を一部取り除いて、仕上げのエッチング処理が行われる。段部を1つ設ける場合には、2ステップのエッチング処理を行い、段部を2つ設ける場合には3ステップのエッチング処理を行う等、段部の数に応じてエッチング処理のステップ数を調整すると良い。
上述したように、保護ガラスプレート60や保護ガラスプレート70を用いることにより、レンズと被加工物との距離が短いレーザ装置に対して、レーザ加工時のアブレーションによるガスが原因となるレンズの汚損を好適に防止することが可能にある。特に、レンズと被加工物との距離が短い装置において有効である。しかも、レンズ側のユニットとして保護ガラスが配置されている構成や、保護ガラスを独立したユニットとしてレーザビームの通路上に配置している構成に比較すると、保護ガラスを清潔に保ちやすく、通過するレーザビームに悪影響を与えにくい。さらには、有機物を昇華させた場合に、アブレーションのガスがレンズまで到達しないため、昇華ガスを吹き飛ばすための装置を別途設ける必要もない。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10−液晶パネル
12−アレイ基板
14−カラーフィルタ基板
20−改質ライン
30−端子部切断溝
50−多面取り用ガラス母材
60,70−保護ガラスプレート
62,72−凹部
64,74−辺縁部
100−スマートフォン
122−電極端子部
250−スクライブホイール
300−エッチング装置
302,304−エッチングチャンバ
306−エッチング槽

Claims (3)

  1. アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材に載置可能に構成された保護ガラスプレートであって、
    前記多面取り用ガラス母材における前記液晶パネルの配置領域に対応する領域に形成された凹部と、
    前記凹部の周囲に配置された辺縁部と、
    を備え、
    前記辺縁部が前記多面取り用ガラス母材の端部に載置可能に構成されることを特徴とする保護ガラスプレート。
  2. 前記辺縁部に、テーパ部が設けられており、
    前記テーパ部が前記多面取り用ガラス母材の端部に載置可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の保護ガラスプレート。
  3. アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所定形状の液晶パネルを複数得るための液晶パネル製造方法であって、
    前記アレイ基板および前記カラーフィルタ基板に対して、液晶パネルの形状に対応する形状切断予定線に沿ってレーザによって形成される改質ラインであって、他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有する改質ラインを形成する改質ライン形成ステップと、
    前記カラーフィルタ基板に対して、このカラーフィルタ基板におけるアレイ基板の電極端子部に対向する領域を取り除くための端子部切断予定線に沿って溝を形成する溝形成ステップと、
    前記アレイ基板および前記カラーフィルタ基板に対して、前記形状切断予定線および前記端子部切断予定線において切断されないようにしつつ、エッチング処理を行うエッチングステップと、
    エッチング処理の後に、前記形状切断予定線および前記端子部切断予定線において切断を行う切断ステップと、
    を少なくとも含む液晶パネル製造方法であって、
    前記改質ライン形成ステップにおいて、請求項1または2に記載の保護ガラスプレートを、前記多面取り用ガラス母材に載置することを特徴する液晶パネル製造方法。
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