JP2018116136A - 磁気光学カー効果顕微鏡 - Google Patents

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Takeshi Ogasawara
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Abstract

【課題】分解能の低下を抑制した、及びまたは消光比の低下を抑制した磁気光学カー効果顕微鏡を提供する。【解決手段】本発明の磁気光学カー効果顕微鏡は、(a)対物レンズと、(b)直線偏光の照明光を対物レンズを通して試料に斜めに入射させる照明光学系であって、照明光を対物レンズの軸を中心として回転対称となるn方向(nは8以上の4の倍数)から入射させることができる照明光学系と、(c)照明光が試料によって反射されることによって生ずる反射光が、再び対物レンズを通過した後に入射される検光子と、(d)検光子を通過した反射光を受けて、試料の磁化状態を反映したn方向からの照明光の入射に対応したn枚の画像を出力する撮像装置と、(e)n枚の画像を演算処理することにより、試料の磁化方向の試料面に平行な2方向の成分を表す第1画像および第2画像、ならびに試料面に垂直な1方向の成分を表す第3画像を生成する演算装置とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気光学カー効果顕微鏡に関し、より具体的には、磁性体の磁区を観察するための磁気光学カー効果顕微鏡に関する。
磁気光学カー効果顕微鏡は、磁性体が直線偏光を反射する際に、磁性体の磁化の方向や大きさに応じ反射光の偏光が変化(回転)する現象である磁気光学カー効果を用いて、磁性体の磁区構造を観察する顕微鏡である。磁気光学カー効果顕微鏡は、典型的には、光源、偏光子、対物レンズ、検光子、および撮像素子を含む。
磁性体の磁区構造(磁化状態)には、試料の表面に垂直な磁化成分と平行な磁化成分がある。磁気光学カー効果顕微鏡によって両磁化成分を観察するためには、直線偏光の照明光を試料の表面に対して斜めに入射(傾斜照明)させる必要がある。傾斜照明を利用する場合、入射光の開口が試料に対向する対物レンズの開口のごく一部分のみに制限されるために、言い換えれば入射光がスポット状となるために、分解能が低下してしまう。
特許文献1は、傾斜照明を用いて面内成分と垂直成分とを分離しながら磁性体の磁気的物理量を表わす画像を得るための磁気光学カー効果を利用した磁気特性測定装置を開示する。特許文献1の装置では、入射光学系の可動ミラーの向きを制御して、試料への入射光(傾斜照明)の入射方向を変えながら試料の各位置での面内磁化成分と垂直磁化成分を表す画像を得ている。しかし、特許文献1の装置では、試料への入射光(傾斜照明)の入射方向が最大で4方向しかなく、磁区画像(磁化成分)の分解能を高くすることは難しい。
一方、磁気光学顕微鏡の検出感度には光学系の消光比が重要となる。すなわち、磁気光学効果による偏光回転は非常に小さいため、光学系における偏光の乱れが小さいことが検出感度を上げる上で重要である。この光学系における偏光の乱れは、主に対物レンズの偏光の乱れ(偏光ムラ)に起因する。
特許文献2は、対物レンズの偏光ムラに起因する消光比の低下を抑制することができるカー効果顕微鏡を開示する。特許文献2のカー効果顕微鏡では、ベレークプリズムを採用し、対物レンズを回転させることによってベレークプリズムから出射されたスポット光を対物レンズの消光比が高くなる領域(対物レンズの十字型領域)に入射することにより、消光比の低下を抑制している。しかし、特許文献2のカー効果顕微鏡では、ベレークプリズムと対物レンズの双方を精度良く移動及び位置合わせさせる必要があり、その制御が難しい。
特開2013−205400号公報 特開2006−113527号公報
本発明の目的は、偏斜照明を用いることに由来する分解能の低下を抑制した、及びまたは対物レンズにおける偏光回転による消光比の低下を抑制した磁気光学カー効果顕微鏡を提供することである。
本発明の一態様の磁気光学カー効果顕微鏡は、(a)対物レンズと、(b)直線偏光の照明光を対物レンズを通して試料に斜めに入射させる照明光学系であって、照明光を対物レンズの軸を中心として回転対称となるn方向(nは8以上の4の倍数)から入射させることができる、照明光学系と、(c)照明光が試料によって反射されることによって生ずる反射光が、再び対物レンズを通過した後に入射される検光子と、(d)検光子を通過した反射光を受けて、試料の磁化状態を反映したn方向からの照明光の入射に対応したn枚の画像を出力する撮像装置と、(e)n枚の画像を演算処理することにより、試料の磁化方向の試料面に平行な2方向の成分を表す第1画像および第2画像、ならびに試料面に垂直な1方向の成分を表す第3画像を生成する演算装置と、を備える。
本発明の一態様の磁気光学カー効果顕微鏡は、(f)対物レンズの後側焦平面近傍に、対物レンズの開口を制限するためのスリット、あるいは(g)検光子と撮像装置の間に設けられたリレー光学系及び(h)リレー光学系と撮像装置の間に設けられ、撮像素子の開口を制限するためのスリットをさらに備える。
本発明の一態様の磁気光学カー効果顕微鏡は、(i)照明光学系および検光子を、対物レンズの光軸を回転軸として回転させる回転機構、(j)照明光学系、検光子、およびスリットを、対物レンズの光軸を回転軸として回転させる回転機構、あるいは(k)照明光学系、検光子、およびスリットを、対物レンズの光軸を回転軸として回転させる回転機構をさらに備える。なお、(k)の回転機構において、リレー光学系は本来的には回転させる必要はないが、他の検光子、スリット等と一体的に回転させることがその回転機構の構成が容易になる場合は、それらと一緒に回転させるようにしてもよい。
本発明の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡の構成を示す図である。 本発明の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡において、照明光の入射方向を変えた場合の、(a)対物レンズの後側焦平面での開口と照明光の位置関係と、(b)像に反映される空間周波数範囲を示した図である。 本発明の他の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡の構成を示す図である。 本発明の他の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡において、スリットによって対物レンズの開口を制限した際の、(a)対物レンズの後側焦平面での開口と照明光の位置関係と、(b)像に反映される空間周波数範囲を示した図である。 本発明の他の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡において、スリットによって対物レンズの開口を制限しかつ入射方向を変えた像を複数撮影した場合における、(a)対物レンズの後側焦平面での開口と照明光の位置関係と、(b)像に反映される空間周波数範囲を示した図である。 本発明の他の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡の構成を示す図である。 従来の磁気光学カー効果顕微鏡、および本発明の磁気光学カー効果顕微鏡によって実際に観察された磁区像と、それぞれのフーリエ変換像である。
図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡の構成を示す図である。磁気光学カー効果顕微鏡100は、照明光学系1と、対物レンズ2と、検光子4と、結像光学系5と、演算装置6と、回転機構7を含む。照明光学系1は、光源11、コンデンサレンズ12、開口絞り13、視野絞り14、レンズ15、偏光子16、レンズ17、及びハーフミラー18を含む。結像光学系5は、結像レンズ51と撮像素子52を含む。
光源11は、例えばハロゲン電球、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)などの発光源を用いることができる。撮像素子52は、例えばCCDやCMOSからなる2次元イメージセンサ(エリアセンサ)を含むカメラを用いることができる。演算装置6は、撮像素子52によって撮影された像を数値的に演算し表示可能な、プロセッサ(CPU)、メモリ、ディスプレイ等を含むパーソナルコンピュータ(PC)等を用いることができる。
照明光学系1は、光源11が出力する光から偏光子16により直線偏光I1を生成し、ハーフミラー18を介して対物レンズ2に直線偏光の照明光I1を入射させるための光学系である。照明光学系1は、ケラー照明の構成となっており、レンズ15およびレンズ17により、開口絞り13と対物レンズ2の後側焦平面(試料3と反対側の焦点面)、および視野絞り14と試料3の表面とが、それぞれ光学的に共役な関係となっている。したがって、対物レンズ2の後側焦平面において、照明光I1は開口絞り13によって規定されるスポット状の分布(スポット光)となる。
磁気光学カー効果顕微鏡100において、試料面内方向の磁化成分(面内磁化)を観察対象とする場合には、照明光を試料面に斜めに入射させて、縦カー効果と極カー効果を利用する。そのため、照明光I1は試料3に対して斜めに入射する必要があるため、照明光I1は、対物レンズ2の後側焦平面の開口の外周付近においてスポット状となるように対物レンズ2に入射される。このような照明光の入射方法は、従来から偏斜照明、傾斜照明などと呼ばれている。これにより、光は、スポットの中心と光軸A−A´が張る面を入射面としてその近傍を伝播する。入射光の偏光は、偏光子16の角度により規定され、通常、入射面に平行なp偏光、または入射面に垂直なs偏光とする。これは、試料3や対物レンズ2における、p偏光とs偏光の間の反射率や透過率の差異に起因する偏光回転を避けるためである。
結像光学系5は、スポット状の照明光(入射光)I1が試料3によって反射されることによって生成される反射光I2から磁区構造の観察像を得るための光学系である。反射光I2の偏光面は、カー効果により回転され、入射光I1の偏光面と異なる方向を向き、その偏光面の回転角度は試料3の磁化の大きさに比例する。従って、面内の磁区構造の存在は偏光面の回転角度に分布を発生させる。反射光I2は、対物レンズ2を介して結像光学系5の検光子4に入射される。検光子4の偏光面は、入射光I1の偏光面に対応する面と垂直な偏光面の偏光を通過させるように定められている。従って、検光子4を出射する光は、検光子4に入射された偏光の回転角度の分布に対応した強度分布を有している。
検光子4を出射した光は、結像レンズ51を介して撮像素子52に入射され、撮像素子52上に試料3の像を結ぶ。検光子4の偏光軸を、照明光に対して直交する(クロスニコルとなる)角度から適切に傾けることにより、磁気光学カー効果による偏光回転を像のコントラストに変換することができる。その結果、撮像素子52によって撮影される観察像は、検光子4に入射された偏光の回転角度の分布、すなわち試料3の磁化の大きさの分布を表す像となる。言い換えれば、撮像素子52によって撮影される観察像は、試料3の面内の磁区構造の観察像となる。撮影される像における明るさは、偏光回転角のおよそ2乗の依存性を持つが、検光子4の角度を変えた2枚の像を撮影し、これらの差分をとることにより、偏光回転角に対してほぼ線形な値をもつ数値画像に変換できる。
また、照明光を光軸A−A´に対称な位置から入射させると、光の進行方向が元の配置と逆になる。このとき、磁化の試料面内成分MxおよびMyからの偏光回転への寄与は符号を反転させるのに対し、磁化の試料面に垂直な成分Mzからの寄与は符号を変えない。このため、光軸A−A´に対称な2箇所から照明光を入射させた像をそれぞれ撮影し、これらの差分および和分を取ることにより、それぞれ面内成分および面に垂直な成分のみの寄与を分離することができる。演算装置6は、撮像素子52によって撮影された観察像(数値画像)を数値的に演算処理する。
回転機構7は、対物レンズ2と、試料3と、検光子4と、結像光学系5との位置関係を固定とし、照明光学系1を対物レンズ2の光軸A−A´を軸として一体的に回転させることができる機構を含むことができる。この場合、照明光学系1の回転軸と光軸A−A´は、数十から数百マイクロメートル程度の精度で一致すればよい。照明光学系1を一体的に回転させることに代えて、あるいは加えて、照明光学系1と、対物レンズ2と、試料3と,検光子4と、結像光学系5との位置関係を固定とし、照明光学系1の内部で、開口絞り13、レンズ15、あるいはレンズ17などの素子の位置を動かすことにより、対物レンズ2の後側焦平面における開口絞り13の像の位置を変化させるようにしてもよい。また、上記した照明光学系1の回転、素子の位置の移動に代えて、あるいは加えて、照明光学系1と、対物レンズ2と、検光子4と、結像光学系5との位置関係を固定とし、試料3を、より具体的には試料3を載せたステージ(図示無し)を光軸A−A´を軸として回転させるようにしてもよい。
図2を参照しながら図1の磁気光学カー効果顕微鏡100の動作について説明する。図2は、照明光の入射方向を変えた場合の、(a)対物レンズの後側焦平面での開口と照明光の位置関係と、(b)像に反映される空間周波数範囲を示した図である。照明光I1の入射方向が一方向の場合、磁気光学カー効果顕微鏡100は、従来の磁気光学カー効果顕微鏡として動作する。すなわち、入射方向をx方向とすると、図2の(a)の破線円21に示されるように、照明光I1は、既に上述したように、対物レンズ2の後側焦平面の開口の外周付近においてスポット状となるように対物レンズ2に入射される。この場合の撮影した画像の空間周波数範囲は、図2の(b)の破線円23に示されるものとなる。
照明光I1を光軸A−A´のまわりに角度αだけ回転させた方向から入射させた場合、照明光のスポットは、図2(a)の円20で示されるように、対物レンズ2の後側焦平面の開口の外周付近において回転する。その時に得られる像の空間周波数範囲も、図2(b)の実線円22で示されるように、破線円23で示される空間周波数範囲を原点を中心に角度αだけ回転させた領域となる。角度αとして、

α=2πn/N(ラジアン) (n=0、2、・・・、N−1)

としてN枚の像を撮影すると、Nが十分に大きいときには、通常の顕微鏡における空間周波数範囲を覆うことができ、これらの像を重ね合わせることにより、分解能の低下のほとんどない像を再構成することができる。
ただし、照明光の入射方向が角度αの時には、面内磁化のα方向成分が縦カー効果を通じて偏光回転に寄与する。すなわち、各画像のコントラストに反映される磁化は、

||(Mx(x,y)cosα+My (x, y)sinα)+Az(x, y)

と表される。したがって、照明光学系の回転角度αにおいて撮影した像をh(α:x,y)とすると、分解能を回復した画像は以下の様に計算される。この計算は、撮像素子52から画像情報を取得した演算装置6によって実行される。
Figure 2018116136
Figure 2018116136
Figure 2018116136
式(1)〜(3)のhx、hy、およびhzは、それぞれ、磁化のx成分、y成分、およびz成分をコントラストとする数値画像である。この3つの数値画像から、試料3の磁化方向の試料面に平行な2方向(x、y)の成分を表す第1画像および第2画像、ならびに試料面に垂直な1方向(z)の成分を表す第3画像を得ることができる。ここで、角度αは等間隔としたが、
Figure 2018116136
を満たせば必ずしも等間隔である必要はない。
式(1)〜(3)において、N=1の場合は、従来の磁気光学カー効果顕微鏡となり、また、N=2およびN=4の場合には本発明の効果である空間分解能低下の抑制の効果は得られない。本発明の効果を得るにはN=3またはN=5以上が必要であるが、特にN=8以上で4の倍数(8、12、16、・・・)であることが好ましい。
図3は、本発明の他の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡110の構成を示す図である。図3では、図1の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡の構成に対して、対物レンズ2の後側焦平面の位置に、照明光I1の入射方向に応じて回転可能なスリット8を具備している点が相違している。他の構成は図1の構成と同様である。照明光I1の偏光方向は、偏光子16によって、入射面に対して垂直または平行な方向に規定される。
図4、図5を参照しながら図3の磁気光学カー効果顕微鏡110の動作について説明する。磁気光学カー効果顕微鏡の光学系における偏光の乱れの主な原因は、対物レンズ2におけるs偏光とp偏光の透過率の違いに起因する偏光回転である。照明光として入射面に平行または垂直な偏光の光を入射させた場合、入射面近傍を通る光線は、対物レンズ2の面に対してほぼs偏光またはp偏光となるため、偏光の乱れが小さく、消光比が高くなる。一方、試料面で回折された後に、入射面から離れる方向に伝播する光は、対物レンズ2を通過する際に大きな偏光回転を受けることになる。したがって、対物レンズ2の後側焦平面に入射面近傍以外の光線を遮蔽するスリット8を配置することにより消光比を改善することができる。
しかしながら、図4(a)の領域24で示すように、対物レンズ2の開口が制限されるため、像に反映される空間周波数領域は、図4(b)に示すように、照明光スポットと開口領域の畳み込み積分が値を持つ領域26となる。このため、入射方向に垂直な方向の分解能は大きく低下してしまう。そこで、図5(a)で示すように、図1の第1の実施形態と同様に、照明光I1の入射方向とスリット8の角度を変化させながら(領域24を回転させながら)複数枚の画像を撮影し、これらを重ね合わせる。その際に、Nを十分に大きくとれば、図5(b)に示すように、像に反映される空間周波数領域26を、通常の顕微鏡における領域まで広げることができる。これにより、磁気光学カー効果顕微鏡において、空間分解能の低下を抑えつつ、光学系の消光比を改善することができる。
図6は、本発明の他の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡120の構成を示す図である。図6では、図1の一実施形態の磁気光学カー効果顕微鏡の構成に対して、検光子4と結像光学系5の間に、ハーフミラー(ダイクロイックミラー)19、リレー光学系9、及びスリット10が配置され、さらにモニター光学系30が具備されている点が相違している。他の構成は図1の構成と同様である。リレー光学系9は、対向する2つのリレーレンズ91、92を含む。スリット10は、リレー光学系9と結像光学系5(結像レンズ51)の間に設けられ、結像光学系5(結像レンズ51)の開口を制限するように配置される。モニター光学系30は、光源31、ハーフミラー32、レンズ33、及びカメラ(撮像素子)34を含む。
磁気光学カー効果顕微鏡による撮影は、しばしば数分から数時間程度の長時間の露光を必要とする。露光時間が長時間になると、顕微鏡筐体の温度変化等により、像の焦点や位置にずれが生じることがある。このため、図6に示すように、光学系の途中にモニター用の光学系30を挿入し、試料位置や焦点の制御をする必要が生じることがある。その際に、図3のように対物レンズ2の後側焦平面にスリット8が配置されると、モニター光学系30によって観察される試料の像も、スリット8によって分解能が低下するため、試料位置や焦点の制御が困難になる。このような場合、リレー光学系9によって対物レンズ2の後側焦平面の電場分布を後方に転送することによって、光学系の消光比の改善効果を損なうことなくモニター光学系30の分解能を上げることができる。
図6の磁気光学カー効果顕微鏡120において、ハーフミラー(ダイクロイックミラー)19は、照明光学系1の光源11の波長の光を透過し、モニター光学系30の光源31の波長の光を反射する。モニター光学系30は試料の像を随時観察可能である。スリット10および検光子4は、図3の場合と同様に、照明光学系1の回転に応じて、光軸A−A´を軸として回転することができる。なお、その回転に際して、リレー光学系9は本来的には回転させる必要はないが、他の照明光学系1、検光子4等と一体的に回転させることがその回転機構の構成を容易にさせる場合は一緒に回転させることもできる。リレー光学系9は、リレーレンズ91、92によって対物レンズ2の後側焦平面の光電場分布をスリットの位置に転送する。このような構成は、例えば、リレーレンズ91、92の焦点距離をfとしたとき、対物レンズ2の後側焦平面とリレーレンズ91の間の距離をf、リレーレンズ91とリレーレンズ92の間の距離を2f、リレーレンズ92とスリット10の間の距離をfとすることにより実現できる。図6の構成により得られる画像は、図6によるものと同等となる。
図7は、従来の磁気光学カー効果顕微鏡、および本発明の磁気光学カー効果顕微鏡によって実際に観察された磁区像と、それぞれのフーリエ変換像である。図7において、(A1)は従来法によって撮影された磁区像、(B1)は本発明による方法で撮影された磁区像を示す。どちらも、矢印で示すy方向の磁化成分の像を示したものである。また、(A2)および(B2)は、(A1)および(B1)のフーリエ変換(パワースペクトル)像である。図の中心が空間周波数0に相当する点となっており、明暗が空間周波数成分の大小を表す。従来法では、図(A2)中の白線円で囲んだ空間周波数領域に分解能がないため値が小さいのに対し、本発明による方法ではx軸方向の分解能が向上しているため大きな値を有している。
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明をした。しかし、本発明はこれらの実施形態に限られるものではない。さらに、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施できるものである。
1:照明光学系、
2:対物レンズ、
3:試料、
4:検光子、
5:結像光学系、
6:演算装置、
7:回転機構、
8、10:スリット、
9:リレー光学系、
30:モニター光学系
100、110、120:磁気光学カー効果顕微鏡

Claims (6)

  1. 対物レンズと、
    直線偏光の照明光を前記対物レンズを通して試料に斜めに入射させる照明光学系であって、前記照明光を前記対物レンズの軸を中心として回転対称となるn方向(nは8以上の4の倍数)から入射させることができる、照明光学系と、
    前記照明光が前記試料によって反射されることによって生ずる反射光が、再び前記対物レンズを通過した後に入射される検光子と、
    前記検光子を通過した前記反射光を受けて、前記試料の磁化状態を反映した前記n方向からの前記照明光の入射に対応したn枚の画像を出力する撮像装置と、
    前記n枚の画像を演算処理することにより、前記試料の磁化方向の試料面に平行な2方向の成分を表す第1画像および第2画像、ならびに前記試料面に垂直な1方向の成分を表す第3画像を生成する演算装置と、を備える磁気光学カー効果顕微鏡。
  2. 前記対物レンズの後側焦平面近傍に、前記対物レンズの開口を制限するためのスリットをさらに備え、
    前記照明光の偏光方向は、入射面に対して常に垂直または平行であり、
    前記スリットは、入射面近傍の光のみを透過するように帯状の開口を有し、かつ前記照明光の入射方向の変化に応じて方向を変えることを特徴とする、請求項1に記載の磁気光学カー効果顕微鏡。
  3. 前記検光子と前記撮像装置の間に設けられたリレー光学系と、
    前記リレー光学系と前記撮像装置の間に設けられ、前記撮像装置の開口を制限するためのスリットをさらに備え、
    前記照明光の偏光方向は、入射面に対して常に垂直または平行であり、
    前記スリットは、帯状の開口を有し、かつ前記照明光の入射方向の変化に応じて方向を変えることを特徴とする、請求項1に記載の磁気光学カー効果顕微鏡。
  4. 前記照明光学系および前記検光子を、前記対物レンズの光軸を回転軸として回転させる回転機構をさらに備える、請求項1に記載の磁気光学カー効果顕微鏡。
  5. 前記照明光学系、前記検光子、および前記スリットを、前記対物レンズの光軸を回転軸として回転させる回転機構をさらに備える、請求項2に記載の磁気光学カー効果顕微鏡。
  6. 前記照明光学系、前記検光子、および前記スリットを、前記対物レンズの光軸を回転軸として回転させる回転機構をさらに備える、請求項3に記載の磁気光学カー効果顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113176527A (zh) * 2021-03-25 2021-07-27 北京大学 一种空间光磁光仪及其制作方法

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