JP2018107570A - 圧電デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ICチップをFC実装した圧電デバイスにおいて、ICチップの上面全体がアンダーフィル樹脂で覆われることによる諸問題を解決し得る技術を提供する。【解決手段】圧電デバイス10は、凹部空間12を有する素子搭載部材20と、素子搭載部材20に搭載された圧電素子40と、表裏関係にある上面51及び下面52を有し、凹部空間11の底面21に下面52が接続するようにFC実装されたICチップ50と、底面21と下面52との隙間13に充填されたアンダーフィル樹脂60と、を備えている。そして、アンダーフィル樹脂60は、底面21と下面52との隙間13から上面51にまで達し、かつ上面51の周縁側53が上面51の中央側54よりも厚い。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば温度補償型水晶発振器(以下「TCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)」という。)などの圧電デバイス及びその製造方法に関する。
フリップチップ(以下「FC(Flip Chip)」という。)とは、回路形成面にバンプを設けたICチップのことをいい、ベアチップのままで実装される。FC実装は、FCの回路形成面を基板の電極パッドに向けて、すなわちフェイスダウンで、FCをバンプを介して基板に実装する方法である。また、FC実装されたICチップの回路形成面は配線や半導体回路などが剥き出しになっているので、その回路形成面を保護するために、ICチップと基板との間とにはアンダーフィル樹脂が充填される。
FC実装は、電子部品の実装密度を高めるためにプリント配線板に用いられことが多いが、圧電デバイスにも用いられる(例えば特許文献1、2)。圧電デバイスでは、FC実装されたICチップと素子搭載部材との間にアンダーフィル樹脂が充填される。
特開2003−168695号公報 特開2015−095717号公報
一般に、圧電デバイスでは、素子搭載部材の凹部空間内の底面にICチップがFC実装される。そして、凹部空間内の底面とICチップの下面との間に、ディスペンサによって液状のアンダーフィル樹脂が充填される。このとき、従来は、ICチップの側面と凹部空間内の壁面との間からアンダーフィル樹脂を注入することにより、ICチップの下面と凹部空間内の底面との間にアンダーフィル樹脂を充填していた。
しかしながら、昨今の圧電デバイスの小型化により、ディスペンサのニードルが相対的に太くなり過ぎている。そのため、ICチップの側面と凹部空間内の壁面との間からアンダーフィル樹脂を注入しようとすると、アンダーフィル樹脂がICチップの上面全体を凸状に覆ってしまうので、次のような問題が生じている。なお、ニードルを細くすることは、吐出不良を招き、しかも高価で破損しやすくなるので、現実的ではない。
(1)ICチップ上面のアンダーフィル樹脂が凹部空間の最上端よりも高くなり、寸法の許容範囲を越えて不良品になることがあった。
(2)ICチップの上面全体がアンダーフィル樹脂で凸状に覆われることにより、アンダーフィル樹脂の硬化時の収縮又は温度変化による収縮に伴いICチップに大きな応力が加わるので、バンプが接続不良になることがあった。
そこで、本発明の目的は、ICチップをFC実装した圧電デバイスにおいて、ICチップの上面全体がアンダーフィル樹脂で覆われることによる諸問題を解決し得る技術を提供することにある。
本発明に係る圧電デバイスは、
凹部空間を有する素子搭載部材と、
この素子搭載部材に搭載された圧電素子と、
表裏関係にある上面及び下面を有し、前記凹部空間の底面に前記下面が接続するようにFC実装されたICチップと、
前記底面と前記下面との隙間に充填されたアンダーフィル樹脂と、
を備えた圧電デバイスであって、
前記アンダーフィル樹脂は、前記隙間から前記上面にまで達し、かつ前記上面の周縁側の厚みが当該上面の中央側の厚み以上である、
ことを特徴とする。
本発明に係る圧電デバイスの製造方法は、
凹部空間を有する素子搭載部材と、
この素子搭載部材に搭載された圧電素子と、
表裏関係にある下面及び上面を有し、前記凹部空間の底面に前記下面が接続するようにFC実装されたICチップと、
前記底面と前記下面との隙間に充填されたアンダーフィル樹脂と、
を備えた圧電デバイスを製造する方法であって、
前記凹部空間の底面に前記ICチップをFC実装するFC実装工程と、
このFC実装工程の後に、前記隙間を含む前記上面全体に液状の前記アンダーフィル樹脂を充填するアンダーフィル樹脂充填工程と、
このアンダーフィル樹脂充填工程の後に、前記上面上の少なくとも中央側の前記アンダーフィル樹脂を除去するアンダーフィル樹脂除去工程と、
このアンダーフィル樹脂除去工程の後に、残りの前記アンダーフィル樹脂を硬化させるアンダーフィル樹脂硬化工程と、
を含む。
本発明に係る圧電デバイスによれば、ICチップの上面において周縁側のアンダーフィル樹脂の厚みが中央側のアンダーフィル樹脂の厚み以上であることにより、ICチップの上面全体がアンダーフィル樹脂で覆われることによる諸問題を解決できる。本発明に係る圧電デバイスの製造方法によれば、ICチップの上面において中央側のアンダーフィル樹脂が除去されることにより、ICチップの上面全体がアンダーフィル樹脂で覆われることによる諸問題を解決できる。
つまり、本発明によれば、ICチップの上面のアンダーフィル樹脂の高さを低くできるので、そのアンダーフィル樹脂が凹部空間の最上端よりも高くなる寸法不良を抑制できる。また、ICチップの上面のアンダーフィル樹脂の高さを低くできるので、そのアンダーフィル樹脂の収縮による応力を低減できることから、ICチップのバンプの信頼性を向上できる。
実施形態1の圧電デバイスを示し、図1[A]は下面図、図1[B]は図1[A]におけるIb−Ib線断面図である。 実施形態1の圧電デバイスを示す分解斜視図である。 図2におけるIII−III線断面図である。 図1[B]の上半分に相当する部分を抜き出して示す断面図であり、図4[A]は比較例1、図4[B]は実施形態1である。 実施形態1の製造方法を示す断面図(その1)であり、図5[A]、図5[B]、図5[C]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法を示す断面図(その2)であり、図6[A]、図6[B]、図6[C]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法の変形例1を示す断面図であり、図7[A]、図7[B]、図7[C]の順に工程が進行する。 実施形態1の製造方法の変形例2を示す断面図であり、図8[A]、図8[B]、図8[C]の順に工程が進行する。 実施形態2の圧電デバイスを示し、図9[A]は下面図、図9[B]は図9[A]におけるIXb−IXb線断面図である。 図10[A]は液状のアンダーフィル樹脂をICチップの上面に滴下する場合を示す断面図であり、図10[B]は接触角が90度以上になる一例を示す断面図であり、図10[C]は接触角が90度未満になる一例を示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いることにより、重複説明を省略する。図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
図1は、実施形態1の圧電デバイスを示し、図1[A]は下面図、図1[B]は図1[A]におけるIb−Ib線断面図である。図2は、実施形態1の圧電デバイスを示す分解斜視図である。図3は、図2におけるIII−III線断面図である。以下、図1を中心に、図2及び図3も適宜参照しつつ説明する。
図1は圧電デバイス10の完成後の状態を示し、図2は圧電素子40及びICチップ50を素子搭載部材20に搭載する前の状態を示し、図3はアンダーフィル樹脂60を充填する前の状態を示している。図2では、凹部空間12及びIC用パッド24を図示していない。まず、圧電デバイス10の構成を概略的に説明する。
圧電デバイス10は、凹部空間12を有する素子搭載部材20と、素子搭載部材20に搭載された圧電素子40と、表裏関係にある上面51及び下面52を有し、凹部空間12の底面22に下面52が接続するようにFC実装されたICチップ50と、底面22と下面52との隙間13に充填されたアンダーフィル樹脂60と、を備えている。そして、アンダーフィル樹脂60は、底面22と下面52との隙間13から上面51にまで達し、かつ上面51の周縁側53が上面51の中央側54よりも厚い。すなわち、周縁側53のアンダーフィル樹脂60の厚みをt1、中央側54のアンダーフィル樹脂60の厚みをt2とすると、t1>t2が成り立つ。また、圧電デバイス10は、凹部空間11、蓋部材30などを、更に備えたTCXOである。
素子搭載部材20は、ICチップ50及び圧電素子40を搭載する。蓋部材30は、素子搭載部材20上に設けられる。凹部空間11は、素子搭載部材20に形成され、圧電素子40を収容する。凹部空間12は、素子搭載部材20に形成され、ICチップ50を収容する。
素子搭載部材20は、圧電素子40を搭載する底面21及びICチップ50を搭載する底面22を有する基板部25と、基板部25の底面21の周縁に設けられた枠部26aと、基板部25の底面22の周縁に設けられた枠部26bとからなる。基板部25と枠部26aとによって凹部空間11が形成され、基板部25と枠部26bとによって凹部空間12が形成される。
「アンダーフィル樹脂」とは、プリント配線板等にFC実装をする際の封止に用いられる液状硬化性樹脂の総称であり、エポキシ樹脂を主剤としたコンポジットレジンが主流である。また、エポキシ樹脂は熱膨張及び熱収縮が大きいため、コンポジットレジンとして線膨張係数の小さな二酸化ケイ素のフィラーをアンダーフィルに含有させることが多い。このような一般的なアンダーフィル樹脂は、熱硬化性樹脂であり、塗布後に一定温度で一定時間加熱して硬化させる。アンダーフィル樹脂60は、一般的なアンダーフィル樹脂に限定されるものではなく、例えば光硬化性樹脂を用いてもよい。
次に、圧電デバイス10の構成について更に詳しく説明する。
圧電デバイス10は、圧電素子40が素子搭載部材20に搭載された状態で、素子搭載部材20と蓋部材30とがシーム溶接などによって接合されることにより、圧電素子40が凹部空間11内に気密封止された構造となっている。つまり、枠部26aの上端に金属枠(図示せず)を設け、その金属枠と蓋部材30とに電流を流すことにより、ジュール熱を発生させてこれらを溶接する。
圧電素子40は、表裏関係にある第一面41及び第二面42を有する水晶片43と、水晶片43の第一面41から第二面42まで延設された電極44と、を備えた水晶振動素子である。水晶片43は例えばATカット板からなる。電極44は、互いに絶縁された二つからなり、それぞれ励振電極、引き出し電極、パッド電極などに分けられ、第一面41から側面を跨いで第二面42まで延びている。
素子搭載部材20における基板部25及び枠部26a,26bは、例えば複数のグリーンシートが積層及び焼成された積層セラミックス板からなる。枠部26aは、基板部25の底面21側の周縁に沿って環状に設けられている。枠部26bは、基板部25の底面22側の周縁に沿って環状に設けられている。内部配線28(一部のみ図示)は、例えばグリーンシートに印刷された導体パターンやビアホール導体からなる。凹部空間11の底面21には素子用パッド23が設けられ、凹部空間12の底面22にはIC用パッド24が設けられている。
素子用パッド23は、圧電素子40の電極44に対向する位置に設けられ、導電性接合材27によって電極44に電気的に接続される。導電性接合材27は、例えば銀ペーストなどの導電性接着剤であり、硬化前は流動性を有する。枠部26bの四隅の突端面には、それぞれ外部接続端子29が設けられている。外部接続端子29には、例えば、周波数制御端子、接地端子、出力端子、電源電圧端子などがある。なお、素子用パッド23、IC用パッド24及び外部接続端子29は、内部配線28(一部のみ図示)によって相互にかつ電気的に接続されている。
ICチップ50は、接続端子であるバンプ55を有する。バンプ55は、例えば金やはんだからなり、IC用パッド24に電気的に接続される。つまり、バンプ55とIC用パッド24とは、同じ数だけ設けられている。
蓋部材30は、例えばコバール(Kovar)などの金属からなり、矩形形状の平板となっている。また、蓋部材30は、素子搭載部材20に電気溶接などにより接合され、凹部空間11を気密封止する。凹部空間11は、本実施形態1では素子搭載部材20側に形成しているが、蓋部材30側に形成してもよい。
圧電デバイス10は、圧電素子40と、圧電素子40に電気的に接続されたICチップ50とを備え、所定の発振周波数からなる出力信号を生成する。ICチップ50の内部には、図示しないが、圧電素子40に接続された発振回路と、圧電素子40の周波数温度特性を補償する温度補償回路とが形成されている。
次に、圧電デバイス10の作用及び効果について説明する。図4は図1[B]の上半分に相当する部分を抜き出して示す断面図であり、図4[A]は比較例1、図4[B]は実施形態1である。
比較例1の圧電デバイス110は、アンダーフィル樹脂160の形状が異なる点を除き、実施形態1の圧電デバイス10と同じ構成である。つまり、比較例1のアンダーフィル樹脂160は周縁側53が中央側54よりも薄くなっているのに対し、本実施形態1のアンダーフィル樹脂60は周縁側53が中央側54よりも厚くなっている。
比較例1の圧電デバイス110では、ICチップ50の上面51のアンダーフィル樹脂160が凹部空間12の最上端201よりも高くなり、寸法の許容範囲を越えて不良品になることがあった。これは、アンダーフィル樹脂160は、周縁側53が低く中央側54が高い凸状に盛り上がっているので、最も高いところが集中して頂点156すなわち点状になるからである。
これに対し、実施形態1の圧電デバイス10によれば、ICチップ50の上面51のアンダーフィル樹脂60の高さを低くできるので、そのアンダーフィル樹脂60が凹部空間12の最上端201よりも高くなる寸法不良を抑制できる。これは、アンダーフィル樹脂60は、周縁側53が高く中央側54が低い凹状に盛り上がっているので、最も高いところが分散して稜線56すなわち線状になるからである。
また、比較例1の圧電デバイス110では、ICチップ50の上面51全体がアンダーフィル樹脂160で凸状に覆われることにより、アンダーフィル樹脂160の収縮に伴う応力F2がICチップ50に加わるので、バンプ55が接続不良になることがあった。これは、アンダーフィル樹脂160の最も厚い部分が中央側54の中心になるので、その部分を中心にICチップ50の両端を持ち上げるように応力F2が発生するからである。
これに対し、実施形態1の圧電デバイス10によれば、ICチップ50の上面51のアンダーフィル樹脂60の高さが中央側54で低く周縁側53で高くなることにより、アンダーフィル樹脂60の収縮に伴う応力F1aを低減できるので、バンプ55の信頼性を向上できる。これに加え、バンプ55の接続強度を高める方向の応力F1bも生じるので、バンプ55の信頼性をより向上できる。
次に、実施形態1の圧電デバイス10を製造する方法を、実施形態1の製造方法として説明する。図5及び図6は、実施形態1の製造方法を示す断面図である。以下、図5及び図6を中心に、図1乃至図3も参照しつつ説明する。
本実施形態1の製造方法は、次の工程を含む。
(1)凹部空間12の底面22にICチップ50をFC実装するFC実装工程(図3)。
(2)FC実装工程の後に、隙間13を含む上面51全体に液状のアンダーフィル樹脂60を充填するアンダーフィル樹脂充填工程(図5[A][B][C])。
(3)アンダーフィル樹脂充填工程の後に、上面51上の少なくとも中央側54のアンダーフィル樹脂60を除去するアンダーフィル樹脂除去工程(図6[A][B])。
(4)アンダーフィル樹脂除去工程の後に、残りのアンダーフィル樹脂60を硬化させるアンダーフィル樹脂硬化工程(図6[C])。
本実施形態1の製造方法では、液状のアンダーフィル樹脂60を先端のニードル70から吐出及び吸引可能なディスペンサを用いる。アンダーフィル樹脂充填工程(図5[A][B][C])では、アンダーフィル樹脂60をニードル70から吐出することにより、アンダーフィル樹脂60を充填する。アンダーフィル樹脂除去工程(図6[A][B])では、アンダーフィル樹脂60をニードル70から吸引することにより、アンダーフィル樹脂60を除去する。
液状のアンダーフィル樹脂60をニードル70から吐出及び吸引可能なディスペンサとしては、例えば、三方弁によって正圧と負圧とを切り替えて導入できるシリンジ、吐出用の正方向回転と吸引用の逆方向回転とを切り替えられる一軸偏心ねじポンプなどがある。ニードル70は、吐出と吸引とで同じものを使用してもよいし、吐出と吸引とで別々のものを使用してもよい。
上記各工程について、詳しく説明する。
FC実装工程(図3)では、凹部空間12の底面22にICチップ50の下面52(バンプ55形成面)を向け、IC用パッド24とバンプ55との位置を合わせ、IC用パッド24にバンプ55を押し付けるとともに熱又は超音波を加えることによって、IC用パッド24にバンプ55を接合する。
アンダーフィル樹脂充填工程(図5[A][B][C])では、図5[A]に示すように凹部空間12を上にして、底面22と下面52との隙間13に、アンダーフィル樹脂60をニードル70から流し込む。このとき、昨今の圧電デバイス10の小型化によりニードル70が相対的に太くなり過ぎ、ICチップ50の側面と凹部空間12内の壁面との間からアンダーフィル樹脂60を注入しようとすると(図5[B])、アンダーフィル樹脂60がICチップ50の上面51全体を凸状に覆ってしまうことになる(図5[C])。
アンダーフィル樹脂除去工程(図6[A][B])では、中央側54のアンダーフィル樹脂60の表面にニードル70の先端を接触させ、アンダーフィル樹脂60をニードル70から吸引する(図6[A])。これにより、中央側54のアンダーフィル樹脂60が除去されて周縁側53のアンダーフィル樹脂60が残るため、アンダーフィル樹脂60は中央側54が低く周縁側53が高い凹状になる(図6[B])。この凹状のアンダーフィル樹脂60は、その粘度に応じて時間の経過とともに徐々に平坦になる。
アンダーフィル樹脂硬化工程(図6[C])では、残りのアンダーフィル樹脂60に熱Hを加えることにより、アンダーフィル樹脂60を硬化させる。アンダーフィル樹脂60に用いられるエポキシ樹脂は、一液型と呼ばれ、主剤と硬化剤を混ぜた状態で出荷され加熱炉で硬化させるものが一般的である。アンダーフィル樹脂60の具体例を述べれば、エポキシ樹脂及び酸無水物硬化剤が40〜50wt%、二酸化ケイ素が45〜55wt%、残りがカーボンブラック、シリコーン系添加剤などの混合物であり、加熱によって硬化するものである。加熱手段としては、赤外線ランプや高温雰囲気が挙げられる。また、アンダーフィル樹脂60として光硬化性樹脂を用いた場合は、紫外線ランプによってアンダーフィル樹脂60に紫外線を照射する。
なお、本実施形態1の製造方法は、上記工程の他にも、素子搭載部材20に圧電素子40を搭載する工程や、蓋部材30を素子搭載部材20に接合する工程も含むが、これらの工程は上記工程の前でも後でもよい。
次に、本実施形態1の製造方法の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態1の製造方法によれば、実施形態1の圧電デバイス10を製造できることにより、実施形態1の圧電デバイス10と同等の作用及び効果を奏する。
(2)本実施形態1の製造方法では、アンダーフィル樹脂60の粘度に応じて、又はアンダーフィル樹脂60を除去してから硬化させるまでの時間に応じて、凹状のアンダーフィル樹脂60が平坦になった圧電デバイスも製造できる。その場合も次の効果を奏する。
本実施形態1の製造方法によれば、ICチップ50の上面51において中央側54のアンダーフィル樹脂60が除去されることにより、ICチップ50の上面51全体がアンダーフィル樹脂60で覆われることによる諸問題を解決できる。つまり、ICチップ50の上面51のアンダーフィル樹脂60の高さを低くできるので、アンダーフィル樹脂60が凹部空間12の最上端よりも高くなる寸法不良を抑制できる。また、ICチップ50の上面51のアンダーフィル樹脂60の高さを低くできるので、アンダーフィル樹脂60の収縮に伴う応力を低減できることから、バンプ55の信頼性を向上できる。
(3)アンダーフィル樹脂60をニードル70から吐出することによりアンダーフィル樹脂60を充填し、アンダーフィル樹脂60をニードル70から吸引することによりアンダーフィル樹脂60を除去する場合は、除去したアンダーフィル樹脂60を再び充填に使用できるので、アンダーフィル樹脂60を無駄なく使用できる。
次に、本実施形態1の製造方法の変形例1について説明する。図7は、変形例1の製造方法を示す断面図である。
変形例1の製造方法におけるアンダーフィル樹脂除去工程では、アンダーフィル樹脂60を吸収部材71で吸収することにより、アンダーフィル樹脂60を除去する。吸収部材71は、例えば繊維からなる布や綿、多孔質からなるスポンジなどである。まず吸収部材71を用意し(図7[A])、アンダーフィル樹脂60の中に吸収部材71を入れ(図7[B])、アンダーフィル樹脂60から吸収部材71を引き上げることにより(図7[C])、アンダーフィル樹脂60を除去する。変形例1の製造方法によれば、実施形態1の製造方法と同等の作用及び効果を奏する他、吸収部材71としてありふれた部材を用いることができるので、アンダーフィル樹脂除去工程を容易に実現できる。
次に、本実施形態1の製造方法の変形例2について説明する。図8は、変形例2の製造方法を示す断面図である。
変形例2の製造方法におけるアンダーフィル樹脂除去工程では、アンダーフィル樹脂60に気体72を吹き付けることにより、アンダーフィル樹脂60を除去する。気体72は例えば空気や窒素である。まず気体72を吹き付けるためのノズル73を用意し(図8[A])、アンダーフィル樹脂60にノズル73を近付けて気体72によってアンダーフィル樹脂60を吹き飛ばすことにより(図7[B])、アンダーフィル樹脂60を除去する(図7[C])。このとき、アンダーフィル樹脂60の量が少なければ、気体72によってアンダーフィル樹脂60を押しのけるだけでもよい。変形例2の製造方法によれば、実施形態1の製造方法と同等の作用及び効果を奏する他、一般の工場に常備されているドライエアや窒素ガスの設備を利用できるので、アンダーフィル樹脂除去工程を容易に実現できる。
次に、実施形態2の圧電デバイスについて説明する。図9は実施形態2の圧電デバイスを示し、図9[A]は下面図、図9[B]は図9[A]におけるIXb−IXb線断面図である。
本実施形態2の圧電デバイス10aにおけるアンダーフィル樹脂60aは、隙間13から上面51にまで達し、かつ上面51の周縁側53のみを覆う。圧電デバイス10aによれば、ICチップ50の上面51のアンダーフィル樹脂60aが中央側54に存在しないことにより、アンダーフィル樹脂60aの収縮による応力をより低減できるので、バンプ55の信頼性を更に向上できる。
本実施形態2におけるアンダーフィル樹脂60aは、周縁側53のみを覆い、中央側54には存在しない。このような形状を確実に得るには、上面51がアンダーフィル樹脂60aをはじく性質を有することが好ましい。つまり、アンダーフィル樹脂60aは液状のアンダーフィル樹脂60aが硬化したものであり、液状のアンダーフィル樹脂60aを上面51に滴下した場合における液状のアンダーフィル樹脂60aと上面51との接触角が90度以上である、ことが好ましい。この接触角は、より好ましくは105度以上、更に好ましくは120度以上である。この場合、液状のアンダーフィル樹脂60aは、上面51ではじかれるものの、ICチップ50の周囲に存在する液状のアンダーフィル樹脂60aと表面張力によって一体化するので、周縁側53で盛り上がる。したがって、アンダーフィル樹脂60aが隙間13から上面51にまで達しかつ上面51の周縁側53のみを覆う形状を、確実に得ることができる。この効果は、前述の接触角が大きくなるほど顕著になる。なお、上面51における液状のアンダーフィル樹脂60aの量は、少なすぎるとアンダーフィル樹脂60aが周縁側53からもはじかれ、多すぎるとアンダーフィル樹脂60aが中央側54をも覆ってしまうので、適切に設定する必要がある。
素の上面51がそのような性質を持たなければ、例えばフッ素コーティング剤を上面51に塗布することにより、アンダーフィル樹脂60aをはじく性質を上面51に付与することができる。フッ素コーティング剤は、特殊なフッ素樹脂を不燃性のフッ素系溶剤や石油系溶剤に溶解し溶液化したものであり、例えばフロロサーフ(登録商標)として市販されている。フロロサーフは、刷毛やスプレーなどで上面51に簡単にコーティングでき、室温で5秒から15分程度で乾燥する。
また、液状のアンダーフィル樹脂60aを中央側54に滴下した場合における液状のアンダーフィル樹脂60aと中央側54との接触角を90度以上とし、液状のアンダーフィル樹脂60aを周縁側53に滴下した場合における液状のアンダーフィル樹脂60aと周縁側53との接触角を90度未満としてもよい。このとき、アンダーフィル樹脂60aが中央側54ではじかれ周縁側53で付着するので、前述のアンダーフィル樹脂60aの形状をより確実に得ることができる。周縁側53における接触角は、より好ましくは60度未満、更に好ましくは30度未満である。換言すると、液状のアンダーフィル樹脂60aは、中央側54ではじかれるものの、周縁側53に付着するとともにICチップ50の周囲に存在する液状のアンダーフィル樹脂60aと表面張力によって一体化するので、周縁側53で盛り上がる。したがって、アンダーフィル樹脂60aが隙間13から上面51にまで達しかつ上面51の周縁側53のみを覆う形状を、液状のアンダーフィル樹脂60aの量にあまり関係なく、より確実に得ることができる。つまり、上面51における液状のアンダーフィル樹脂60aの量は、少なくてもアンダーフィル樹脂60aが周縁側53にとどまり、多くてもアンダーフィル樹脂60aが周縁側53で保持される。これらの効果は、中央側54での接触角が大きくなるほど又は周縁側53での接触角が小さくなるほど顕著になる。
素の周縁側53がそのような性質を持たなければ、例えば界面活性剤を周縁側53に塗布することにより、アンダーフィル樹脂60aが付着する性質を周縁側53に付与することができる。界面活性剤は一般的なものでよい。
なお、「接触角」とは、固体と液体の接点における液体表面の接線と固体表面とのなす角度のことである。接触角の測定方法は、例えばJIS R 3257:1999「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」を準用することができる。図10[A]に示すように液状のアンダーフィル樹脂60aを上面51に滴下した場合、図10[B]は接触角θが90度以上になる一例であり、図10[C]は接触角θが90度未満になる一例である。
本実施形態2のその他の構成、製造方法、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。なお、上記各実施形態では、素子搭載部材が二つの凹部空間を有し、それぞれに圧電素子とICチップとを別々に搭載する例を示した。しかし、本発明は、これに限らず、素子搭載部材が一つの凹部空間を有し、そこに圧電素子とICチップとの両方を搭載する構造に対しても適用できる。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
本発明は、水晶やセラミックスからなる圧電素子を備えた圧電デバイスに利用可能である。
10,10a,110 圧電デバイス
11,12 凹部空間
13 隙間
20 素子搭載部材
201 最上端
21,22 底面
23 素子用パッド
24 IC用パッド
25 基板部
26a,26b 枠部
27 導電性接合材
28 内部配線
29 外部接続端子
30 蓋部材
40 圧電素子
41 第一面
42 第二面
43 水晶片
44 電極
50 ICチップ
51 上面
52 下面
53 周縁側
54 中央側
55 バンプ
56 稜線
156 頂点
60,60a,160 アンダーフィル樹脂
70 ニードル(ディスペンサ)
71 吸収部材
72 気体
73 ノズル
F1a,F1b,F2 応力
H 熱
θ 接触角

Claims (8)

  1. 凹部空間を有する素子搭載部材と、
    この素子搭載部材に搭載された圧電素子と、
    表裏関係にある上面及び下面を有し、前記凹部空間の底面に前記下面が接続するようにフリップチップ実装されたICチップと、
    前記底面と前記下面との隙間に充填されたアンダーフィル樹脂と、
    を備えた圧電デバイスであって、
    前記アンダーフィル樹脂は、前記隙間から前記上面にまで達し、かつ前記上面の周縁側の厚みが当該上面の中央側の厚み以上である、
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  2. 前記アンダーフィル樹脂は、前記隙間から前記上面にまで達し、かつ前記周縁側のみを覆う、
    請求項1記載の圧電デバイス。
  3. 前記アンダーフィル樹脂は、液状のアンダーフィル樹脂が硬化したものであり、
    前記液状のアンダーフィル樹脂を前記上面に滴下した場合における前記液状のアンダーフィル樹脂と前記上面との接触角が90度以上である、
    請求項2記載の圧電デバイス。
  4. 前記アンダーフィル樹脂は、液状のアンダーフィル樹脂が硬化したものであり、
    前記液状のアンダーフィル樹脂を前記中央側に滴下した場合における前記液状のアンダーフィル樹脂と前記中央側との接触角が90度以上であり、
    前記液状のアンダーフィル樹脂を前記周縁側に滴下した場合における前記液状のアンダーフィル樹脂と前記周縁側との接触角が90度未満である、
    請求項2記載の圧電デバイス。
  5. 凹部空間を有する素子搭載部材と、
    この素子搭載部材に搭載された圧電素子と、
    表裏関係にある下面及び上面を有し、前記凹部空間の底面に前記下面が接続するようにフリップチップ実装されたICチップと、
    前記底面と前記下面との隙間に充填されたアンダーフィル樹脂と、
    を備えた圧電デバイスを製造する方法であって、
    前記凹部空間の底面に前記ICチップをフリップチップ実装するフリップチップ実装工程と、
    このフリップチップ実装工程の後に、前記隙間を含む前記上面全体に液状の前記アンダーフィル樹脂を充填するアンダーフィル樹脂充填工程と、
    このアンダーフィル樹脂充填工程の後に、前記上面上の少なくとも中央側の前記アンダーフィル樹脂を除去するアンダーフィル樹脂除去工程と、
    このアンダーフィル樹脂除去工程の後に、残りの前記アンダーフィル樹脂を硬化させるアンダーフィル樹脂硬化工程と、
    を含む圧電デバイスの製造方法。
  6. 液状の前記アンダーフィル樹脂を先端のニードルから吐出及び吸引可能なディスペンサを用い、
    前記アンダーフィル樹脂充填工程では、前記アンダーフィル樹脂を前記ニードルから吐出することにより、前記アンダーフィル樹脂を充填し、
    前記アンダーフィル樹脂除去工程では、前記アンダーフィル樹脂を前記ニードルから吸引することにより、前記アンダーフィル樹脂を除去する、
    請求項5記載の圧電デバイスの製造方法。
  7. 前記アンダーフィル樹脂除去工程では、前記アンダーフィル樹脂を吸収部材で吸収することにより、前記アンダーフィル樹脂を除去する、
    請求項5記載の圧電デバイスの製造方法。
  8. 前記アンダーフィル樹脂除去工程では、前記アンダーフィル樹脂に気体を吹き付けることにより、前記アンダーフィル樹脂を除去する、
    請求項5記載の圧電デバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111294005A (zh) * 2020-03-17 2020-06-16 四川明德亨电子科技有限公司 一种石英晶体谐振器的谐振片固定点胶方法
CN114823370A (zh) * 2022-05-10 2022-07-29 山东汉旗科技有限公司 指纹识别芯片封装结构及其封装的方法

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