JP2018106749A - 車両用運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】先行車を追い越す際(或いは追越中)に先行車が加速した場合、先行車と自車両との関係から追越を継続するか中断するかを的確に判定できるようにする。
【解決手段】自車両Aが先行者Bを追い越す際に、運転支援制御ユニット11は、車載カメラ22及び側方レーダ25,26で検出した先行車Bと自車両Aとの車車間距離L1の変化から先行車Bの先行車速Vbを求めると共に、この先行車速Vbと車速センサ24で検出した自車両Aの自車速Vaとの相対車速ΔVba(=Vb−Va)を求め(S31)、この相対車速ΔVbaと自車速Vaに基づいて設定した中断判定しきい値Tvとを比較し(S33)、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを越えている場合(ΔVba>Tv)、先行車Bが急加速したと判定し、中断判定フラグFをセットして(F←1,S35)、追越制御を中断させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、自車両の直前を走行する先行車を追い越す追越制御を実行中に、この先行車が加速した場合、追越制御を継続するか、中断するかの判定を行う車両用運転支援装置に関する。
従来、自車両を予め設定した車速(セット車速)で定速走行させるクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)装置が知られている。更に、ミリ波レーダ、赤外線レーザレーダ、ステレオカメラや単眼カメラ等を用いて車両周辺の環境を認識し、認識した環境情報に基づいて自車両の直前を走行する先行車を検出(捕捉)した場合、当該先行車を追従対象として追従走行制御を行う車間距離制御付クルーズコントロール装置も知られている。
例えば、特許文献1(特開2014−46748号公報)には、自動運転時の制御モードとして、先行車が検出された場合に、この先行車を追従する追従モードと、先行車の車速が自車のセット車速よりも遅く、追越しが可能である場合に実行する追越制御モードとを備え、先行車が検出されたときから自動運転が開始されるまでの継続検出時間に基づき、継続時間が所定しきい値よりも短い場合は、運転者に先行車を追い越す意思があると判断して追越制御モードを実行し、又、継続時間がしきい値よりも長い場合は、追い越す意思がないと判断して追従モードを実行する技術が開示されている。
特開2014−46748号公報
ところで、追越対象の先行車の車速は常に一定とは限らない。例えば、自車両が追越制御モードにより車線変更制御を実行しようとした際、或いは自車両が追越車線上を、隣接する走行車線を走行する先行車と並走して走行している際に、当該先行車が加速した場合、運転者による通常の運転操作では、先行車と自車両との相対車速から追越しが可能か否かを判断し、追越しが難しい場合は追越を中断する。そして、自車両が追越車線を走行している場合は走行車線へ戻り、先行車の後方を走行するようにする。
しかし、上述した文献に開示されている技術では、追越制御モードが実行されると、追越対象の先行車の挙動とは無関係に車線変更制御等の追越制御が継続的に実行されてしまうため、運転者の思惑とは異なる制御が継続されることとなり、運転者に不快感を与えてしまう不都合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、先行車を追い越す際、或いは追越している際に先行車が加速した場合、先行車と自車両との関係から追越制御を継続するか中断するかを的確に判定し、運転者に与える不快感を軽減させることのできる車両用運転支援装置を提供することを目的とする。
本発明は、自車両の周辺環境を認識する周辺環境認識手段と、前記自車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて先行車を検出すると共に、該先行車と前記自車両との関係から該先行車の追越しが可能か否かを判定する運転支援手段とを備える車両用運転支援装置において、前記運転支援手段は、前記先行車を追い越すための追越制御を実行中に前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて検出した前記先行車と前記自車両との車車間距離の変化から、前記運転状態検出手段で検出した前記自車両の車速を基準とする前記先行車の車速変化を検出し、前記自車両の車速に基づいて中断判定しきい値を設定すると共に、前記自車両が前記先行車の後方を走行している場合は該先行車と前記自車両との車車間距離に基づいて初期補正係数を設定し、又前記先行車が走行している走行車線に隣接する追越車線を前記自車両が走行している場合は前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて、前記自車両が前記先行車を追い抜くに必要な追抜必要距離を求め、該追抜必要距離に基づいて前記初期補正係数を設定し、前記中断判定しきい値を前記初期補正係数で補正して新たな中断判定しきい値を設定し、前記車速変化が前記新たな中断判定しきい値を越えた場合、前記追越制御を中断させる。
本発明によれば、先行車を追い越す追越制御を実行中に周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて検出した先行車と自車両との車車間距離の変化から、先行車の車速変化を検出し、この車速変化が所定の中断判定しきい値を越えた場合、追越制御を中断させるようにしたので、追越制御を実行に先行車が加速した場合、先行車と自車両との関係から追越制御を継続するか中断するかが的確に判定され、運転者に与える不快感を軽減させることができる。
車両用運転支援装置の構成図 (a)は先行車を追い越すべく車線変更を行う前の状態を示す俯瞰図、(b)は追越車線を並走している状態を示す俯瞰図 自動運転制御ルーチンを示すフローチャート 追越制御モードサブルーチンを示すフローチャート 車線変更前制御サブルーチンを示すフローチャート 車線変更後制御サブルーチンを示すフローチャート 中断判定しきい値設定ルーチンを示すフローチャート 目標車車間距離テーブルの概念図 自車両の車速を基準とする先行車と自車両との相対車速の変化、及び中断判定しきい値の変化を示すタイミングチャート 基本しきい値テーブルの概念図 車線変更前に参照する初期補正係数テーブルの概念図 自車両と先行車との車間距離と初期補正係数との変化を示すタイミングチャート 車線変更後に参照する初期補正係数テーブルの概念図 路面及び道路状況に応じて設定される補正ゲインを示す説明図 自車横位置補正値テーブルの概念図 先行車横位置補正値テーブルの概念図 自車横位置と先行車横位置の変化に対する自車横位置補正値と先行車横位置補正値との変化を示すタイミングチャート (a)は車線変更前の先行車と自車両との相対車速の変化と中断判定しきい値との関係を示すタイミングチャート、(b)は中断判定フラグの変化を示すタイミングチャート (a)は車線変更後の先行車と自車両との相対車速の変化と中断判定しきい値及び待機判定しきい値との関係を示すタイミングチャート、(b)は中断判定フラグの変化を示すタイミングチャート
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図2に示す符号Aは自車両、Bは直前を走行する先行車であり、自車両Aには、図1に示す車両用運転支援装置1が搭載されている。尚、以下においては、左側通行を前提に説明する。従って、右側通行の場合は、左右が逆の説明となる。
この車両用運転支援装置1は、運転支援手段としての運転支援制御ユニット11、エンジン制御ユニット(以下「E/G_ECU」と称する)12、パーワステアリング制御ユニット(以下「PS_ECU」と称する)13、ブレーキ制御ユニット(以下「BK_ECU」と称する)14等の各制御ユニットを備え、この各制御ユニット11〜14が、CAN(Controller Area Network)等の車内通信回線15を通じて接続されている。尚、各ユニット11〜14はCPU、ROM、RAMなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、ROMにはシステム毎に設定されている動作を実現するための制御プログラムが記憶されている。
又、運転支援制御ユニット11の入力側に、画像処理ユニット(IPU)21を介して車載カメラ22が接続されている。この車載カメラ22はメインカメラ22aとサブカメラ22bとを有し、自車両Aのキャビン前部に搭載されて走行方向前方の所定領域Er1(図2(a)参照)を撮影するステレオカメラである。IPU21は両カメラ22a,22bで撮影した走行方向前方の周辺環境画像を所定に画像処理し、運転支援制御ユニット11へ出力する。
更に、この運転支援制御ユニット11の入力側に、自動運転スイッチ23、自車両Aの車速(以下、「自車速」と称する)Vaを検出する車速センサ24、前側方レーダ25、後側方レーダ26、自車両Aに作用するヨーレートを検出するヨーレートセンサ27等の各種センサ類が接続され、出力側に報知手段28が接続されている。尚、上述した車載カメラ22、前側方レーダ25、後側方レーダ26が、本発明の周辺環境認識手段を具体的に示したものである。又、上述した車速センサ24、ヨーレートセンサ27が、本発明の運転状態検出手段に対応している。
自動運転スイッチ23は、インストルメントパネルやステアリングハンドル等、運転者の操作可能な位置に設けられており、通常運転(スイッチOFF)と自動運転(スイッチON)とを任意に選択すると共に、ACC運転時のセット車速の設定、及び、自動運転時における運転モードを追従制御モードと追越制御モードとの何れかに設定することができる。そして、自動運転における運転モードとして追従制御モードが選択されると、先行車Bの車速(以下「先行車速」と称する)Vbが自車両Aのセット車速以下の場合であっても、自車両Aは先行車Bを追い越すことなく、所定車間距離を維持した状態での追従走行制御が実行される。一方、追越制御モードが選択された場合、先行車速Vbが自車両Aのセット車速よりも所定に遅い場合、自車両Aのセット車速を維持すべく、追越制御モードが実行される。
又、前側方レーダ25はミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、赤外線レーザレーダ等であり、例えばフロントバンパーの左右側部に各々配設された一対のレーダで構成されている。この前側方レーダ25は上述した車載カメラ22からの画像では認識することの困難な左右斜め前方の領域Er2L,Er2R(図2(a)参照)を監視し、検出された物体と自車両Aとの距離を求める。
又、後側方レーダ26はミリ波レーダ、マイクロ波レーダ、赤外線レーザレーダ等であり、例えばリヤバンパーの左右側部に各々配設された一対のレーダで構成されている。この後側方レーダ26のスキャンする領域は上述した前側方レーダ25よりも比較的広く、自車両Aの後方から左右の、前側方レーダ25では監視することのできない領域Er3L,Er3R(図2(a)参照)を監視し、側方、斜め後方、及び後方で検出された物体と自車両Aとの距離を求める。
又、報知手段28は、運転者に自動運転の開始、中断などを点滅表示、文字表示、音声等で報知するもので、表示ランプ、表示器、スピーカ等で構成されている。
一方、E/G_ECU12の出力側にスロットルアクチュエータ31が接続されている。このスロットルアクチュエータ31はエンジンのスロットルボディに設けられている電子制御スロットルのスロットル弁を開閉動作させるものであり、E/G_ECU12からの駆動信号によりスロットル弁を開閉動作させて吸入空気流量を調整することで、所望のエンジン出力を発生させる。
又、PS_ECU13の出力側に電動パワステモータ32が接続されている。この電動パワステモータ32はステアリング機構にモータの回転力で操舵トルクを付与するものであり、自動運転では、PS_ECU13からの駆動信号により電動パワステモータ32を制御動作させることで、現在の走行車線の走行を維持させる車線維持制御、及び自車両Aを隣の走行車線へ移動させる車線変更制御等が実行される。尚、以下においては、便宜的に、走行車線に隣接する右側車線であって追越しの際に車線変更して走行する車線を追越車線と称し、この追越車線には車線変更が許容されている対向車線を含むものとする。
又、BK_ECU14の出力側にブレーキアクチュエータ33が接続されている。このブレーキアクチュエータ33は、各車輪に設けられているブレーキホイールシリンダに対して供給するブレーキ油圧を調整するもので、BK_ECU14からの駆動信号によりブレーキアクチュエータ33が駆動されると、ブレーキホイールシリンダにより各車輪に対してブレーキ力が発生し、強制的に減速される。
運転支援制御ユニット11は、IPU33で画像処理された、車載カメラ22で撮影した自車前方の周辺環境画像に基づき、自車両Aの前方を先行車Bが走行しているか否かを調べ、先行車Bを捕捉した場合は先行車Bと自車両Aとの距離(以下、「車車間距離」と称する)L1(図2参照)、及び相対車速ΔVbaを算出する。そして、自動運転ではこの車車間距離L1と相対車速ΔVbaとに基づき、先行車Bに対して自車両Aを追従させるか、或いは追い越すかを判定する。
上述した運転支援制御ユニット11で実行される自動運転制御は、具体的には図3に示す自動運転制御ルーチンに従って処理される。
このルーチンは運転支援制御ユニット11が起動した後、所定演算周期毎に実行され、先ず、ステップS1で自動運転スイッチ23がONされるまで待機する。そして、自動運転スイッチ23がONされると、ステップS2へ進み、車載カメラ22で撮影した画像に基づき自車両Aの前方を走行する先行車Bが存在するか否かを調べる。尚、自動運転スイッチ23がONされると、インストルメントパネルに自動スイッチ23がONされたことを報知する報知手段28の表示灯が点灯されると共に、後述するセット車速が表示される。
そして、先行車Bが検出された場合、ステップS3へ進み、又、検出されない場合、すなわち、自車進行路の前方に先行車Bが存在しない場合はステップS6へジャンプする。
ステップS3へ進むと、車速センサ24で検出した自車速Vaに基づき目標車車間距離テーブルを参照して、或いは所定演算式から目標車車間距離TL1を設定する。この目標車車間距離TL1は、自車両Aが先行車Bに対して追従走行を行うか、追越しするかを判定する値であり、図8に示すように、目標車車間距離TL1は自車速Vaが高くなるに従い長い距離に設定される。
そして、車車間距離L1が目標車車間距離TL1未満の場合(L1<TL1)はステップS5へ進み、車車間距離L1が目標車車間距離TL1以上の場合(L1≧TL1)はステップS6へ進む。
ステップS5へ進むと、追越制御モードを開始するか、追従制御モードを開始するかを、運転者の自動運転スイッチ23による設定を参照して判定し、追従制御モードが設定されている場合、ステップS7へ進み追従制御モードを開始してルーチンを抜ける。尚、この追従制御モードは、例えば、本出願人が先に提出した特開2012−206700号公報等に開示されている技術と同様であるため説明を省略する。
一方、追越制御モードが設定されている場合、ステップS8へ進み、追越制御モードを開始してルーチンを抜ける。この追越制御モードは、後述する追越制御モードサブルーチンに従って処理される。尚、追越制御モードが開始されることは、表示手段28に設けられている表示灯の点灯やスピーカからの音声により運転者に報知される。
又、ステップS2、或いはステップS4からステップS6へ進むと、セット車速制御を実行してルーチンを抜ける。このセット車速制御は自車両Aを、運転者が自動運転スイッチ23を操作して設定した車速(但し、上限は制限速度)を目標車速として定速走行させるもので、公知技術であるため説明を省略する。
上述したステップS8で実行される追越制御モードは、図4に示す追越制御モードサブルーチンに従って処理される。
このサブルーチンでは、先ず、ステップS21で、自車両Aが隣の追越車線に車線変更する前の状態(図2(a)参照)か、車線変更後の状態(図2(b)参照)かを、PS_ECU13から電動パワステモータ32に出力される駆動信号、ヨーレートセンサ27で検出したヨーレートの履歴、或いは車載カメラ22で撮影した画像に基づいて認識した車線から自車両Aの挙動を推定して判定する。ここで、本実施形態では、車線変更前を自車両Aが操舵を開始してから追越車線に移動した後、車線維持制御へ移行するまでとし、その後を車線変更後としている。尚、車線変更の際の操舵制御については公知であるため説明を省略する。
そして、ステップS21で車線変更前と判定されてステップS22へ進むと、車線変更前制御を実行してルーチンを抜け、又、車線変更後と判定されてステップS23へ進むと、車線変更後制御を実行してルーチンを抜ける。
ステップS22で実行される車線変更前制御は、図5に示す車線変更前制御サブルーチンに従って処理され、又、ステップS23で実行される車線変更後制御は、図6に示す車線変更後制御サブルーチンに従って処理される。
先ず、図5に示す車線変更前制御サブルーチンについて説明する。このサブルーチンでは、ステップS31で、自車速Vaを基準とする先行車速Vbの変化を調べる。この車速変化は、本実施形態では、先行車速Vbと自車速Vaとの速度差である相対車速ΔVba(=Vb−Va)としている。
その後、ステップS32へ進むと、中断判定しきい値Tvを読込む。この中断判定しきい値Tvは、先行車Bが、自車速Vaを基準として所定以上急加速したか否かを判定する値であり、図7に示す中断判定しきい値設定ルーチンに従って求められる。図9に示すように、自車速Vaが上昇するに従い、相対車速ΔVbaは負の方向へ変化するため、中断判定しきい値Tvもそれに合わせて可変設定する。従って、基本的には、中断判定しきい値Tvは、自車速Vaが高いほど低い値に設定される。尚、この中断判定しきい値設定ルーチンについては後述する。
そして、ステップS33へ進み、相対車速ΔVbaと中断判定しきい値Tvとを比較し、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tv以下の場合(ΔVba≦Tv)、追越制御の継続が可能と判定し、ステップS34へ進む。又、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを越えている場合(ΔVba>Tv)、追越制御の継続が困難と判定し、ステップS35へ進む。ステップS34へ進むと中断判定フラグFをクリアして(F←0)、ステップS36へ進む。一方、ステップS35へ進むと、追越制御を中断すべく中断判定フラグFをセットして(F←1)、ルーチンを抜ける(図18参照)。
この中断判定フラグFは、運転支援制御ユニット11にて車線変更前に追越制御モードを継続するか、中断するかを判定する際に読込まれ、F=0の場合は追越制御モードを継続し、F=1の場合は中断する(図18参照)。そして、追越制御モードが中断された場合、運転支援制御ユニット11は、各制御ユニット12,13,14に対して、車線変更することなく自車両Aを、走行車線を走行させる操舵制御を実行させる。更に、運転者に対しては、報知手段28に設けられている追越制御中であることを示す表示灯を消灯させると共に、スピーカからの音声により追越制御モードが中断されたことを報知する。
尚、上述したステップS31で求める自車速Vaを基準とする先行車速Vbの車速変化は、自車速Vaを基準として求める先行車Bの加速度であっても良い。この場合、ステップS33において、加速度による車速変化から先行車Bの急加速か否かを判定するに際しては、自車速Va等によって決定される予測(観測)時間Ty間に先行車Bの加速度の平均値を導出する。その加速度の平均値を用いて先行車Bの動作を予測し、追越制御モードを早期に中断させることが可能になるため、追越制御モードの中断に伴う運転者に与える不快感を軽減させることができる。例えば、自車速Vaが80[Km/h]、予測時間Ty=1[sec]とし、先行車Bが1[sec]で70[Km/h]から90[Km/h]に加速する場合と、先行車Bが2[sec]で70[Km/h]から90[Km/h]に加速する場合とを比較すると、前者では、2[sec]後には110[Km/h]に達することが予測できるため、後者よりも早期に追越制御モードを中断させることができる。
そして、ステップS34からステップS36へ進むと、車線変更が完了したか否かを調べ、完了している場合はルーチンを終了し、又、未完の場合はステップS31へ戻る。車線変更が完了したか否かは、例えば、車載カメラ22で撮影した画像、及びPS_ECU13から電動パワステモータ32へ出力される駆動信号に基づき、自車両Aが追越車線で車線維持制御を開始したか否かによって判定し、車線維持制御を開始した場合、車線変更完了と判定する。
このように、本実施形態では、車線変更完了前の追越制御モードにおいて、先行車Bが急加速と判定した場合(ΔVba>Tv)、追越制御モードを中断して、元の走行車線へ戻すようにしたので、無理な追越しが継続的に実行されることがなく、運転者に与える不快感を軽減させることができる。
そして、ステップS36で車線変更完了と判定されると、自車両Aは、図2(b)に示すように、自車両Aが隣の追越車線へ移動し、前述した図4に示す追越制御モードサブルーチンのステップS21からステップS23へ分岐し、図6に示す車線変更後制御サブルーチンが実行される。
このサブルーチンでは、先ず、ステップS41で、自車速Vaを基準とする先行車速Vbの変化を調べる。この車速変化は、本実施形態では上述したステップS31と同様、先行車速Vbと自車速Vaとの速度差である相対車速ΔVba(=Vb−Va)としている。
次いで、ステップS42へ進み、図7に示す中断判定しきい値設定ルーチンで設定した中断判定しきい値Tvを読込み、ステップS43で相対車速ΔVbaと中断判定しきい値Tvとを比較する。尚、この中断判定しきい値設定ルーチンについては後述する。
そして、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tv以下の場合(ΔVba≦Tv)、ステップS44へ進む。又、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを越えている場合(ΔVba>Tv)、追越制御モードを中断すべく、ステップS45へ進み、中断判定フラグFをセットして(F←1)、ルーチンを抜ける(図19参照)。その際、運転者に対しては、インストルメントパネルの追越制御中であることを報知する報知手段28に設けられている表示灯を消灯させると共に、スピーカからの音声により追越制御モードが中断されたことを報知する。
一方、ステップS43からステップS44へ進むと、相対車速ΔVbaと待機判定しきい値Tv’とを比較する。図19に示すように、この待機判定しきい値Tv’は、中断判定しきい値Tvに対して一定の不感帯幅を有して設定された値(Tv’←Tv−不感帯幅)であり、この不感帯幅は自車両Aの特性に応じて、予め設定されている。
そして、相対車速ΔVbaが待機判定しきい値Tv’未満の場合、追越制御の継続が可能と判定し、ステップS46へ進み、中断判定フラグFをクリアして(F←0)、ステップS47へ進む。又、相対車速ΔVbaが待機判定しきい値Tv’以上の場合、ステップS41へ戻り、当該プログラムを繰り返し実行する。ここで、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvと待機判定しきい値Tv’と間にある状態(Tv’≦ΔVba≦Tv)は、追越制御モードを継続させるか中断させるかの判定を保留する制御待機領域であり、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを越えるまで、或いは待機判定しきい値Tv’未満となるまで、プログラムを繰り返し実行する(図19参照)。
一方、ステップS46からステップS47へ進むと、先行車Bと自車両Aとの車車間距離L1が先行車前方距離L2’にオフセット距離offset[m]を加算した追抜必要距離L2(=L2’+offset)以上前方へ移動しているか否かを調べる。図2(b)に示すように、先行車前方距離L2’は自車両Aが先行車Bの前方へ入り込むに充分な距離を、先行車Bの全長等に基づいて設定されている。
このオフセット距離offsetは、先行車Bの急な車線変更等に対応できるように設定された余裕値であり、自車両Aの全長に基づいて設定された固定値であっても良く、或いは先行車速Vbに基づいて設定される可変値であっても良い。このオフセット距離offsetが先行車速Vbに基づいて設定される場合、 offset=[(Vlim−Vb)/3.6]・tから求めることができる。ここで、Vlimは制限速度[Km/h]、tは追越に必要な時間[sec]である。
従って、例えば、Vlim=100[Km/h]、Vb=90[Km/h]、t=4[s]の場合、
offset=[(100−90)/3.6]・4
=11[m]となる。
そして、L1<L2の場合、未だ、先行車Bの前方に自車両Aを移動させるだけの充分な車車間距離L1が確保されていないと判定し、ステップS41へ戻り、当該プログラムを繰り返す。一方、L1≧L2の場合、先行車Bの前方に自車両Aを移動させるに充分な車車間距離L1が確保されているため、追い抜き完了と判定してルーチンを抜ける。
運転支援制御ユニット11は、車線変更後制御サブルーチンが終了後、中断判定フラグFの値を参照し、F=0の場合、自車両Aを元の走行車線、すなわち、先行車Bの前方へ移動させる操舵制御を行う。一方、F=1の場合、運転支援制御ユニット11は、車載カメラ22,前側方レーダ25等で認識した記周辺環境認識手段で認識した周辺環境から、先行車Bと自車両Aとの横位置L4,L3及び相対車速ΔVbaに基づき自車両Bが先行車Aの後方に復帰可能な車車間距離L1が確保されているか否かを調べ、確保されている場合は、そのまま走行車線へ車線変更する操舵制御を行い、確保されていない場合は、所定に減速して復帰可能な車車間距離L1を確保した後、走行車線へ車線変更するための操舵制御を行う。
上述した図5に示す車線変更前制御サブルーチンのステップS32、及び図6に示す車線変更後制御サブルーチンのステップS42で読込まれる、追越制御を中断するか否かを判定する中断判定しきい値Tvは、図7に示す中断判定しきい値設定ルーチンに従って設定される。
このルーチンでは、先ず、ステップS51で、現在、追越制御モードが実行されているか否かを、例えば、前述した図3に示す自動運転制御ルーチンのステップS8で追越制御モードが実行されているか否かで調べる。そして、追越制御モードが実行されている場合は、ステップS52へ進み、追越制御モードが実行されていない場合はルーチンを抜ける。
追越制御モードが実行されていると判定してステップS52へ進むと、自車速Vaに基づき基本しきい値TvINIを設定する。この基本しきい値TvINI は、図10に示すように、自車速Vaに対して負の比例関係にあり、同図に示すような特性を有する基本しきい値テーブルを参照して、或いは演算式から求める。従って、基本しきい値TvINIは、自車速Vaが高くなるに従い、小さな値となる特性を有している。
この基本しきい値TvINIを基本として設定される中断判定しきい値Tvは、相対車速ΔVbaと比較して追越制御を継続させるか、中断するかを判定する値であり、先行車速Vbが一定とした場合、自車速Vaが上昇するに従い相対車速ΔVba(=Vb−Va)が負の方向に変化するため、基本しきい値TvINIもそれに合わせて変化させるように設定されている。尚、この基本しきい値TvINIは、自車速Vaに対して反比例の関係を有していても良い。
次いで、ステップS53へ進むと、現在の追越制御が車線変更前制御か、車線変更後制御かを調べる。車線変更前制御か、車線変更後制御かは、例えば、PS_ECU13から電動パワステモータ32に出力される駆動信号、ヨーレートセンサ27で検出したヨーレートの履歴、或いは車載カメラ22で撮影した画像に基づいて認識した車線から自車両Aの挙動を推定して判定する。
そして、車線変更前制御と判定した場合、ステップS54へ進み、又、車線変更後制御と判定した場合、ステップS55へ分岐する。ステップS54では、先行車Bと自車両Aとの車車間距離L1に基づき初期補正係数KINIを設定する。図11に車線変更前の初期補正係数テーブルの特性を示す。同図に示すように、初期補正係数KINIは車車間距離L1にほぼ比例しており、その上限値は1.0である。追越制御開始時における車車間距離L1が長い場合、初期補正係数KINIを高く設定しても、自車両Aは先行車Bの挙動に対応することが可能であるが、車車間距離L1が短くなると、先行車Bの挙動に対して自車両Aが対応する時間的余裕が少なくなるため、初期補正係数KINIを低く設定することで、追越制御を制限する。
因みに、図12に、自車両Aが先行車Bを追い越す際の車車間距離L1の変化に対する基本しきい値TvINIの変化を例示する。尚、図2に示すように、先行車Bが走行している走行車線の車幅をL5、追越車線幅をL6とし、自車両Aは走行車線幅L5の中央(L5/2)から追越車線幅L6の中央(L6/2)へ移動するものとする。同図に示すように、車線変更前は加速して車車間距離L1が次第に短くなるため、基本しきい値TvINIは次第に低い値となり、車線変更後にセット車速に達すると、自車速Vaが一定となるため、基本しきい値TvINIは一定値となる。
一方、ステップS53で車線変更後制御と判定されてステップS55へ分岐すると、追抜必要距離L2を算出する。前述したように、この追抜必要距離L2は、先行車前方距離L2’にオフセット距離offsetを加算したであり(図2(b)参照)、先行車前方距離L2’は自車両Aが先行車Bの前方へ入り込むに充分な距離を、先行車の全長等に基づいて設定し、又、オフセット距離offsetは、例えば自車両Aの全長や先行車速Vbに基づいて設定される。
その後、ステップS56へ進み、この追抜必要距離L2に基づいて初期補正係数KINIを設定する。図13に車線変更後の初期補正係数テーブルの特性を示す。同図に示すように、初期補正係数KINIは、追抜必要距離L2と負の比例関係にあり、追抜必要距離L2が短くなるに従い、初期補正係数KINIは高い値に設定される特性を有しており、その上限値は1.0である。
追抜必要距離L2は、自車両Aを追越車線から先行車B前方の走行車線へ戻す際に必要とする距離であり、この追抜必要距離L2が短い場合、自車両Aが追抜必要距離L2に到達する時間が短くなるため、初期補正係数KINIを高く設定しても、追越制御を中断するか、継続するかの判定に遅れが生じることはない。これに対し、追抜必要距離L2が長い場合、自車両Aが追抜必要距離L2に到達する時間が長くなるため、初期補正係数KINIを低く設定することで、追越制御を中断させるか継続させるかを早期に判定させる。尚、この初期補正係数KINIは、追抜必要距離L2に対して反比例の関係を有していても良い。
そして、ステップS54、或いはステップS56からステップS57へ進むと、基本しきい値TvINIを初期補正係数KINIで補正して更新する(TvINI←KINI・TvINI)。従って、この基本しきい値TvINIは、演算周期毎に逐次更新される。
その後、ステップS58へ進み、車載カメラ22で撮影した画像、及び前側方レーダ25での検出情報に基づいて認識した、自車両Aの進行方向の周辺環境情報を読込む。この周辺環境情報としては、追越車線が対向車線か否か、路面状況の変化(走行車線から追越車線への車線変更、或いはその逆)、路面が積雪・凍結しているか否か、雨天か晴天か等がある。
そして、ステップS59で、この周辺環境情報に基づいて、基本しきい値TvINIを補正するしきい値補正ゲインGtを設定する。このしきい値補正ゲインGtは複数候補の補正ゲインGの中から優先順位に従い最も優先度の高いものを選択して設定するものである。
図14に、運転支援制御ユニット11が、認識した周辺環境情報に基づいて設定されている補正ゲインGを例示する。同図には、周辺環境情報として、雨時補正ゲイン、雪・凍結時補正ゲイン、路面状況変化時補正ゲイン、対向車線時補正ゲインが設定されている。雨時、雪・凍結時等の低μ路では、追越のための加速時や車線変更時の操舵制御を含む車両制御性がドライ路に比し難しく、制御に要する時間や危険感が増加する。
更に、雨時に比し雪・凍結時はより低μ路であるため、それに応じた補正ゲインGが設定されている。又、先行車Bが走行している走行車線とそれに隣接する追越車線とでは路面状況が相違する場合も、それに応じた補正ゲインGが設定される。更に、追越車線が対向車線の場合は、追越車線を走行する際の危険度が増加するため、最も低い補正ゲインGが設定されている。
そして、何れかの補正ゲインGが検出された場合、当該補正ゲインGをしきい値補正ゲインGtとして設定する(Gt←G)。又、補正ゲインGが検出されなかった場合、しきい値補正ゲインGtを100[%]に設定する(Gt←1)。更に、複数の補正ゲインGが検出された場合は、最も低い補正ゲインGをしきい値補正ゲインGtとして設定する。
すなわち、各補正ゲインGには、低い方から順に優先順位が設定されており、車線変更前では、例えば対向車線時>雪・凍結時>路面状況変化時>雨時等の順に優先度が設定されている。一方、車線変更後は、例えば対向車線時>路面状況変化時>雪・凍結時>雨時等の順に優先順位が設定されている。
その後、ステップS60へ進むと、自車両Aの車幅方向横位置(以下、「自車横位置」と称する)L3に基づいて自車横位置補正値Kaを設定し、又、先行車Bの車幅方向横位置(以下、「先行車横位置」と称する)L4に基づいて先行車横位置補正値Kbを設定する。図2に示すように、自車横位置L3、及び先行車横位置L4は、走行車線の車線幅(走行車線幅)L5の中央を基準として、車載カメラ22で撮影した画像等に基づいて設定される。
図15に自車横位置補正値テーブルの特性を示す。同図に示すように、自車横位置補正値Kaは、走行車線から区分線(走行車線と追越車線との間の白線)を横切るまでは一定値(1.0)に設定されて、追越車線では自車横位置L3にほぼ比例して増加される。すなわち、自車両Aが区分線を横切り、追越車線に移動した後、車線維持制御へ移行するまでの過渡状態において、先行車Bは走行車線を常に定位置で走行していることはなく、追越車線側に近づく場合も考えられる。
自車横位置補正値Kaは、先行車Bが走行車線の右寄りに移動する等の挙動による危険度、及び運転者に与える不快感を考慮して設定されたものである。すなわち、自車横位置補正値Kaを、自車両Aが追越車線の左寄りを走行するよりも右寄りを走行した方が高い値に設定されるため、後述する中断判定しきい値Tvは自車両Aが追越車線の右寄りを走行した方が高い値に設定される。その結果、自車両Aは先行車Bに近づく追越車線の左寄りを走行するよりも、先行車Bから離間する右寄りを走行した方が、相対車速ΔVbaが高くなっても追越制御が中断され難くなる。これにより、先行車Bの挙動による危険度、及び運転者に与える不快感が軽減させることができる。
又、図16に先行車横位置補正値テーブルの特性を示す。同図に示すように、先行車横位置補正値Kbは先行車横位置L4とほぼ負の比例関係にあり、走行車線の中央を1.0とし、そこから左側へ移行するに従い先行車横位置補正値Kbは増加し、右側へ移行するに従い減少する。すなわち、先行車横位置L4が車線中央(L5/2)から左側の場合、自車両Aが車線変更前では、追越車線への車線変更が比較的容易となり、又、追越車線では自車両Aに対して先行車Bが離間しているため運転者に与える不快感を軽減することができるので、先行車横位置補正値Kbは低い値に設定される。
一方、先行車横位置L4が車線中央から右側に寄ってきた場合は、先行車Bが車線変更する可能性が高いため、先行車横位置補正値Kbを高い値に設定する。又、自車両Aが追越車線を走行している場合は先行車Bが近接することで、運転者に不快感を与えることになるため高い値に設定する。尚、この各横位置補正値Ka,Kbは、図15、図16に示す特性に対応する演算式から求めるようにしても良い。
その後、ステップS61へ進むと、基本しきい値TvINIを各横位置補正値Ka,Kbで補正し、その値にしきい値補正ゲインGtを乗算して、中断判定しきい値Tvを算出し(Tv←Gt・(TvINI・Ka・Kb))、ルーチンを抜ける。
この中断判定しきい値Tvは、前述した図5に示す車線変更前制御サブルーチンのステップS32、及び図6に示す車線変更後制御サブルーチンのステップS42で読込まれる。この中断判定しきい値Tvは自車両A及び先行車Bの走行状況に応じて適正に設定されているため、自車両Aが追越制御モードを実行している際に、先行車Bが急加速した場合であっても追越制御モードを継続するか中断するかを的確に判定することができる。その結果、運転者に与える不快感を軽減させることができ、高い信頼を得ることができる。
ここで、図17を参照して、自車横位置L3と先行車横位置L4の変化に対する自車横位置補正値Kaと先行車横位置補正値Kbの変化について説明する。同図に示すように、自車両Aが追越制御を開始した後、走行車線から追越車線へ車線変更するまでは、自車横位置L3が次第に増加しても、自車横位置補正値Kaは一定値を維持する。その後、自車両Aが区分線を横切り、車線変更が完了して車線維持制御へ移行するまで自車横位置補正値Kaが増加する。
一方、先行車横位置補正値Kbは、先行車Bが走行車線の中央(車線中央)から右側、すなわち、区分線側へ近寄るに従い減少し、又、車線中央から左側へ移動するに従い増加する。先行車Bが区分線へ偏る状況では、車線変更を行う可能性が高いため、先行車横位置補正値Kbを減少させ、追越制御を早期に中断させることで運転者に安心感を与えることができる。
このように、本実施形態では、車線変更前の追越制御では、図18に示すように、追越制御が開始されると、相対車速ΔVbaと中断判定しきい値Tvとを比較し、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを越えるまでは、追越制御を継続し(F←0)、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを越えたとき、先行車Bが急加速を行ったと判定し、追越制御を中断する(F←1)。
一方、車線変更後の追越制御では、図19に示すように、相対車速ΔVbaと待機判定しきい値Tv’及び中断判定しきい値Tvとを比較し、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを越えるまでは、追越制御を継続し(F←0)、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを越えたとき、先行車Bが急加速したと判定して、追越制御を中断する(F←1)。又、相対車速ΔVbaが両しきい値Tv’,Tvの間の不感帯にあるときは、追越制御を継続させるか中断するかの判定を留保する待機状態となり、前回の中断判定フラグFの値が継続される。
従って、同図に示すように、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを越えて、追越制御が中断された後、再び、相対車速ΔVbaが中断判定しきい値Tvを横切っても、この相対車速ΔVbaが待機判定しきい値Tv’を横切るまでは、中断判定フラグFはクリアされず、追越制御の中断状態が継続される。これにより、自車両Aが追越車線に車線変更した後の追越制御の継続と中断を繰り返す制御ハンチングを有効に防止することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば、上述した追越制御の際に設定される中断判定フラグFの値は、運転者が行う手動操作による運転において適用することができる。すなわち、手動によるステアリング操作によって先行車Bを追い越すべく追越操作を開始後、先行車Bが急加速した場合、運転支援装置は中断判定フラグの値を参照して、追越を継続するか中断するかのアドバイスを運転者に与えるようにすることができる。
1…車両用運転支援装置、
11…運転支援制御ユニット、
22…車載カメラ、
23…自動運転スイッチ、
24…車速センサ、
25…前側方レーダ、
26…後側方レーダ、
28…報知手段、
A…自車両、
B…先行車、
F…中断判定フラグ、
G…補正ゲイン、
Gt…しきい値補正ゲイン、
Ka…自車横位置補正値、
Kb…先行車横位置補正値、
KINI…初期補正係数、
L1…車車間距離、
L2…追抜必要距離、
L2'…先行車前方距離、
L3…自車横位置、
L4…先行車横位置、
L5…走行車線幅、
L6…追越車線幅、
offset…オフセット距離、
TL1…目標車車間距離、
Tv…中断判定しきい値、
TvINI…基本しきい値、
Ty…到達予測時間、
Va…自車速、
Vb…先行車速、
ΔVba…相対車速

Claims (8)

  1. 自車両の周辺環境を認識する周辺環境認識手段と、
    前記自車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて先行車を検出すると共に、該先行車と前記自車両との関係から該先行車の追越しが可能か否かを判定する運転支援手段とを備える車両用運転支援装置において、
    前記運転支援手段は、
    前記先行車を追い越すための追越制御を実行中に前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて検出した前記先行車と前記自車両との車車間距離の変化から、前記運転状態検出手段で検出した前記自車両の車速を基準とする前記先行車の車速変化を検出し、
    前記自車両の車速に基づいて中断判定しきい値を設定すると共に、
    前記自車両が前記先行車の後方を走行している場合は該先行車と前記自車両との車車間距離に基づいて初期補正係数を設定し、又前記先行車が走行している走行車線に隣接する追越車線を前記自車両が走行している場合は、前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて、前記自車両が前記先行車を追い抜くに必要な追抜必要距離を求め、該追抜必要距離に基づいて前記初期補正係数を設定し、
    前記中断判定しきい値を前記初期補正係数で補正して新たな中断判定しきい値を設定し、
    前記車速変化が前記新たな中断判定しきい値を越えた場合、前記追越制御を中断させる
    ことを特徴とする車両用運転支援装置。
  2. 前記新たな中断判定しきい値は、前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて設定したしきい値補正ゲインで補正されることを特徴とする請求項1記載の車両用運転支援装置。
  3. 前記しきい値補正ゲインは、前記周辺環境毎に設定されている複数の補正ゲインの中から最も低い補正ゲインで設定されることを特徴とする請求項2記載の車両用運転支援装置。
  4. 前記しきい値補正ゲインは、前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて検出した路面状況及び前記先行車が走行する走行車線に隣接する追越車線の状況に応じて設定され、該路面状況が低μ路の場合はドライ路よりも低い補正ゲインが設定されており、又追越車線が対向車線の場合は前記低μ路よりも低い補正ゲインが設定されていることを特徴とする請求項3記載の車両用運転支援装置。
  5. 前記運転支援手段は、前記中断判定しきい値に対して所定の不感帯幅を有して該中断判定しきい値よりも低い値の待機判定しきい値を設定し、前記車速変化が前記中断判定しきい値と前記待機判定しきい値との間にある場合、前記追越制御を継続するか中断するかの判定を留保する待機状態とすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用運転支援装置。
  6. 前記運転支援手段は、前記中断判定しきい値を前記自車両の車速に基づき該車速が高くなるに従い低い値に補正することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用運転支援装置。
  7. 前記運転支援手段は、前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて前記自車両の走行車線からの車幅方向横位置を検出し、該車幅方向横位置が前記先行車から離間するほど大きな値に設定される自車横位置補正値を求め、該自車横位置補正値で前記中断判定しきい値を補正することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用運転支援装置。
  8. 前記運転支援手段は、前記周辺環境認識手段で認識した周辺環境に基づいて前記先行車の前記走行車線上の車幅方向横位置を検出し、該車幅方向横位置が前記追越車線側に近づくに従い小さな値に設定される先行車横位置補正値を求め、該先行車横位置補正値で前記中断判定しきい値を補正することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の車両用運転支援装置。
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