JP2018105645A - 希少細胞の検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗体を用いた希少細胞の検出方法において、生体試料から希少細胞を検出する検出率を向上させること。
【解決手段】希少細胞と希少細胞以外の夾雑細胞とを含む生体試料から希少細胞を検出する検出方法であって、希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体が第一の標識物質で標識された第一の標識抗体を、生体試料に接触させて、第一の標識抗体で細胞をマーキングする工程と、希少細胞に存在せず夾雑細胞に存在するタンパク質に対する抗体が第二の標識物質で標識された第二の標識抗体を、生体試料に接触させて、第二の標識抗体で細胞をマーキングする工程と、生体試料から、第一の標識抗体でマーキングされ且つ第二の標識抗体でマーキングされていない細胞を検出する工程と、を有し、希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体が、Fab抗体及びFab’抗体から選ばれる少なくとも1種である、希少細胞の検出方法。
【選択図】なし

Description

本開示は、希少細胞の検出方法に関する。
生体試料に存在する希少細胞を検出すること及び単離することは、病気の診断、遺伝学的検査、希少細胞の臨床研究などに有用である。希少細胞を検出する方法として、希少細胞に発現しているタンパク質に対する抗体を用いて、希少細胞を免疫学的に識別し検出する方法が、例えば特許文献1〜4に開示されている。
特表2008−507286号公報 特表2008−500558号公報 特表2002−504992号公報 特許第2644029号公報
抗体を用いた免疫学的検出方法は、細胞特異性の比較的高い検出方法であるが、検出対象となる希少細胞が生体試料中に非常に少ない細胞である場合、希少細胞に対する抗体が夾雑細胞に非特異的に結合する確率が無視できず、夾雑細胞が希少細胞として誤検出されることがある。この誤検出を回避するために、夾雑細胞に対する抗体で夾雑細胞を識別し夾雑細胞を除外することを組み合せる技術が知られている。ただし、この技術を用いると、以下に説明する理由から、希少細胞が検出されなくなってしまうことがある。
免疫グロブリン分子はFc領域を1個有するところ、希少細胞に対する抗体のFc領域が夾雑細胞に結合することがある。特に、検出対象となる希少細胞が血液中の細胞である場合は、血液中に多数存在する好中球がFc受容体を発現しているので、希少細胞に対する抗体のFc領域が好中球に結合しやすい。
また、免疫グロブリン分子は抗原結合部位を含むFab領域を2個有するところ、検出対象となる希少細胞が試料中に非常に少ない細胞である場合は、希少細胞に対する抗体の一方のFab領域が希少細胞に結合し、他方のFab領域が夾雑細胞に非特異的に結合することがある。
上記のように、希少細胞に対する抗体1個を介して希少細胞と夾雑細胞とが繋がった場合、夾雑細胞を除外することによって、希少細胞が夾雑細胞と共に除外されてしまい、希少細胞が検出されないこととなってしまう。
本開示の実施形態は、上記状況のもとになされた。
本開示の課題は、抗体を用いた希少細胞の検出方法において、生体試料から希少細胞を検出する検出率を向上させることである。
上記の課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
[1] 希少細胞と希少細胞以外の夾雑細胞とを含む生体試料から希少細胞を検出する検出方法であって、希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体が第一の標識物質で標識された第一の標識抗体を、生体試料に接触させて、第一の標識抗体で細胞をマーキングする工程と、希少細胞に存在せず夾雑細胞に存在するタンパク質に対する抗体が第二の標識物質で標識された第二の標識抗体を、生体試料に接触させて、第二の標識抗体で細胞をマーキングする工程と、生体試料から、第一の標識抗体でマーキングされ且つ第二の標識抗体でマーキングされていない細胞を検出する工程と、を有し、希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体が、Fab抗体及びFab’抗体から選ばれる少なくとも1種である、希少細胞の検出方法。
[2] 希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体がFab’抗体である、[1]に記載の希少細胞の検出方法。
[3] 第一の標識抗体が、希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体のチオール基に第一の標識物質が共有結合した標識抗体である、[1]又は[2]に記載の希少細胞の検出方法。
[4] 希少細胞が有核細胞であり、さらに、核染色色素を生体試料に接触させて細胞核を染色する工程と、生体試料から、核染色色素によって核が染色された細胞を検出する工程と、を有する、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の希少細胞の検出方法。
[5] 生体試料が、血液を密度勾配遠心分離に供して得た、希少細胞を含む画分である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の希少細胞の検出方法。
[6] 生体試料が妊娠母体末梢血に由来する生体試料であり、希少細胞が胎児有核赤血球である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の希少細胞の検出方法。
[7] 生体試料ががん患者末梢血に由来する生体試料であり、希少細胞が血中循環腫瘍細胞である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の希少細胞の検出方法。
[8] 第一の標識物質及び第二の標識物質がそれぞれ、蛍光色素、蛍光タンパク質、酵素、ビオチン及び磁気ビーズから選ばれる化学物質である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の希少細胞の検出方法。
[9] 生体試料から細胞を検出することがフローサイトメトリーによって行われる、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の希少細胞の検出方法。
本開示によれば、抗体を用いた希少細胞の検出方法において、生体試料から希少細胞を検出する検出率を向上させることができる。
以下に、実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中の各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<希少細胞の検出方法>
本開示の検出方法は、希少細胞と希少細胞以外の夾雑細胞とを含む生体試料から希少細胞を検出する方法である。
本開示において生体試料には、生体からの抽出物そのもの(生試料、raw sample)及び、生試料を生理食塩水等で希釈した希釈試料;生試料に添加剤を加えた保存試料;これらの分画物、乾燥物又は凍結物;これら試料に含まれる細胞を固定剤(例えば、グルタルアルデヒド、パラホルムアルデヒド)で固定した試料;などが含まれる。
本開示の検出方法の対象となる希少細胞は、生体試料における存在割合が低い細胞を指す。夾雑細胞とは、本開示の検出方法の対象となる希少細胞が含まれている生体試料を構成する、希少細胞以外の細胞を意味する。生試料(raw sample、例えば末梢血)において、希少細胞と夾雑細胞の存在比(個数基準)は、例えば、希少細胞:夾雑細胞=1:1×10〜1:1×10である。
本開示の検出方法の対象となる希少細胞としては、妊娠母体末梢血に含まれる胎児有核赤血球、がん患者末梢血に含まれる血中循環腫瘍細胞などが挙げられる。
胎児有核赤血球(fetal nucleated red blood cell:fNRBC)は、胎盤を通過して妊娠母体末梢血中に存在する赤血球前駆体である。fNRBCは、妊娠母体末梢血数mLに約1個の割合で存在するといわれている。fNRBCには染色体が存在するため、fNRBCを単離することにより、胎児染色体および胎児遺伝子の入手が可能となる。したがって、fNRBCを単離することにより、妊娠母体に対する侵襲度が低い出生前遺伝学的検査が可能となる。
fNRBCは、妊娠後6週程度から妊娠母体末梢血中に存在するといわれている。また、母体が妊娠中には、胎児の赤血球は有核であり得る。したがって、本開示の検出方法の対象がfNRBCである場合、本開示の検出方法に供する生体試料は、妊娠後6週程度以降の妊娠母体から採取した末梢血、又は、この末梢血から調製した血液試料であることが好ましい。
妊娠母体末梢血には、fNRBCのほかに、母親の白血球(好酸球、好中球、好塩基球、単球、リンパ球);母親の、核のない成熟した赤血球;母親の有核赤血球;等の細胞が含まれる。これらfNRBC以外の細胞が、本開示における夾雑細胞に当たる。
血中循環腫瘍細胞(circulating tumor cell:CTC)は、がん患者の血液中を循環する腫瘍細胞である。CTCは、がん患者末梢血数mLに約1個の割合で存在するといわれている。末梢血中のCTC数を測定することで、治療効果の判定、転移がんの早期診断、治療の必要性の判断、患者の予後予測などができると期待されている。また、CTCを単離することにより、腫瘍細胞の染色体を入手して遺伝子の変異を調べることが可能となる。
がん患者末梢血には、CTCのほかに、白血球(好酸球、好中球、好塩基球、単球、リンパ球);赤血球;等の細胞が含まれる。これらCTC以外の細胞が、本開示における夾雑細胞に当たる。
本開示の検出方法は、
希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体が第一の標識物質で標識された第一の標識抗体を、生体試料に接触させて、第一の標識抗体で細胞をマーキングする工程(「第一標識工程」という。)と、
希少細胞に存在せず夾雑細胞に存在するタンパク質に対する抗体が第二の標識物質で標識された第二の標識抗体を、生体試料に接触させて、第二の標識抗体で細胞をマーキングする工程(「第二標識工程」という。)と、
生体試料から、第一の標識抗体でマーキングされ且つ第二の標識抗体でマーキングされていない細胞を検出する工程(「希少細胞検出工程」という。)と、
を有する。そして、本開示の検出方法は、第一の標識抗体が、Fab抗体及びFab’抗体から選ばれる少なくとも1種が第一の標識物質で標識された標識抗体である。
本開示の検出方法の対象が有核細胞である場合、本開示の検出方法は、さらに、
核染色色素を生体試料に接触させて細胞核を染色する工程(「細胞核染色工程」という。)と、
生体試料から、核染色色素によって核が染色された細胞を検出する工程(「有核細胞検出工程」という。)と、
を有することが好ましい。
以下、本開示の検出方法について、抗体、標識物質、及び工程を詳細に説明する。
[第一の標識抗体、第二の標識抗体]
第一の標識抗体を構成する抗体と、第二の標識抗体を構成する抗体とは、別の抗体である。第一の標識抗体を構成する抗体は、希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体であり、第二の標識抗体を構成する抗体は、希少細胞に存在せず夾雑細胞に存在するタンパク質に対する抗体である。
第一の標識抗体は、1種類のタンパク質に対する抗体を1種類の化学物質で標識した抗体;複数種類のタンパク質それぞれに対する抗体の集合を1種類の化学物質で標識した抗体;のいずれでもよいが、前者が好ましい。抗体は、モノクローナル抗体でもよくポリクローナル抗体でもよい。第一の標識抗体のターゲットとなるタンパク質は、希少細胞の細胞膜表面に発現しているタンパク質であることが好ましい。
第二の標識抗体は、1種類のタンパク質に対する抗体を1種類の化学物質で標識した抗体;複数種類のタンパク質それぞれに対する抗体の集合を1種類の化学物質で標識した抗体;のいずれでもよいが、前者が好ましい。試料中に夾雑細胞が複数種類含まれる場合、第二の標識抗体は下記の形態(a)及び(b)のいずれでもよく、形態(a)が好ましい。抗体は、モノクローナル抗体でもよくポリクローナル抗体でもよい。第二の標識抗体のターゲットとなるタンパク質は、夾雑細胞の細胞膜表面に発現しているタンパク質であることが好ましい。
形態(a):複数種類の夾雑細胞に共通に発現している1種類のタンパク質に対する抗体を1種類の化学物質で標識した抗体。
形態(b):複数種類の夾雑細胞の少なくとも1種類に発現している複数種類のタンパク質それぞれに対する抗体の集合を1種類の化学物質で標識した抗体。
第一の標識抗体を構成する第一の標識物質と、第二の標識抗体を構成する第二の標識物質とは、光学的方法、化学的方法、電気的方法、又は磁気的方法によって区別される、別の化学物質である。
第一の標識物質としては、抗体を標識する公知の、蛍光色素、蛍光タンパク質、酵素、ビオチン、磁気ビーズ等が挙げられる。第二の標識物質としては、抗体を標識する公知の、蛍光色素、蛍光タンパク質、酵素、ビオチン、磁気ビーズ等が挙げられる。
抗体を標識する蛍光色素としては、例えば、Alexa Fluorシリーズ(Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 647等)、Brilliant Violetシリーズ(BV421、BV570等)、BODIPYシリーズ(BODIPY FL、BODIPY TR等)、Cy3、Cy5、FITC(fluorescein isothiocyanate)、クマリン系蛍光色素などが挙げられる。これらの中で、バックグラウンドの低さ、蛍光強度の強さ、及び退色のしにくさの観点から、Alexa Fluorシリーズ又はBrilliant Violetシリーズが好ましい。抗体を標識する蛍光タンパク質としては、例えば、フィコシアニン、アロフィコシアニン、フィコエリスリン、フィコエリスロシアニン等が挙げられる。抗体を標識する酵素としては、例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等が挙げられる。
第一の標識抗体を構成する抗体は、免疫グロブリン分子の断片である、Fab抗体及びFab’抗体から選ばれる少なくとも1種である。第一の標識抗体を構成する抗体は、希少細胞と夾雑細胞との架橋を形成しない観点から、抗原結合部位が1個で且つFc領域のない抗体である、Fab抗体又はFab’抗体である。第一の標識抗体を構成する抗体が細胞間に架橋を形成する可能性はほとんどないので、第一の標識抗体を構成する抗体のターゲットは、希少細胞に存在するのみならず夾雑細胞にも存在しているタンパク質でもよい。ただし、希少細胞の検出率を向上させる観点からは、第一の標識抗体を構成する抗体のターゲットは、夾雑細胞に存在せず希少細胞に存在するタンパク質が好ましい。
第一の標識抗体は、例えば、Fab抗体又はFab’抗体が有するチオール基又はアミノ基に標識物質を共有結合させることによって製造できる。抗体にチオール基又はアミノ基を介して標識物質を共有結合させる方法は公知である。アミノ基は一般的に免疫グロブリン分子内にランダムに存在するので、アミノ基を介して抗体を標識すると、抗体の抗原結合部位乃至はその近傍に標識物質が結合し抗体活性を失活させる可能性がある。一方、チオール基は一般的に免疫グロブリン分子のヒンジ部のジスルフィド結合が還元されて形成される基であるので、チオール基を介して抗体を標識するとヒンジ部に標識物質が結合することになり抗体活性は失活しにくい。したがって、第一の標識抗体としては、抗体が有するチオール基に標識物質が共有結合した標識抗体が好ましい。
上記の理由から、第一の標識抗体を構成する抗体としては、ヒンジ部を有する抗体であるFab’抗体が、ヒンジ部を有しない抗体であるFab抗体よりも好ましい。
Fab抗体は、免疫グロブリン分子がパパインによって切断されてなる、抗原結合部位を含む断片である。免疫グロブリン分子からFab抗体を調製する方法は公知である。Fab抗体は市販品でもよい。
Fab’抗体は、免疫グロブリン分子がペプシンによって切断され、さらにヒンジ領域のジスルフィド結合が還元されてなる、抗原結合部位を含む断片である。免疫グロブリン分子からFab’抗体を調製する方法は公知である。Fab’抗体は市販品でもよい。
Fab抗体又はFab’抗体の調製に供する免疫グロブリン分子は、抗原を免疫された非ヒト動物の血液から精製する方法;抗原を免疫された非ヒト動物のB細胞とミエローマ細胞との融合細胞であるハイブリドーマを作製し、ハイブリドーマからモノクローナル抗体を得る方法;等の方法で製造可能である。免疫グロブリン分子は、市販品でもよい。
第二の標識抗体を構成する抗体(希少細胞に存在せず夾雑細胞に存在するタンパク質に対する抗体)は、免疫グロブリン分子そのもの(intact immunoglobulin)、Fab抗体、Fab’抗体、F(ab’)抗体のいずれでもよい。希少細胞と夾雑細胞の存在割合からして、第二の標識抗体を構成する抗体が、希少細胞のみに非特異的に結合したり、希少細胞に非特異的に結合し且つ夾雑細胞にも結合し両者間に架橋を形成したりする確率は低い。したがって、第二の標識抗体を構成する抗体は、Fc領域を有する抗体又はFab領域を2個有する抗体であってもよい。
第二の標識抗体を構成する抗体および第二の標識抗体は、第一の標識抗体について述べた上記の製造方法で製造してもよく、市販品でもよい。
本開示の検出方法の対象が妊娠母体末梢血に含まれるfNRBCである場合、第一の標識抗体のターゲットとなるタンパク質としては、例えば、CD71、CD235a、胎児ヘモグロビン(HbF)が挙げられ、第二の標識抗体のターゲットとなるタンパク質としては、例えば、CD2、CD3、CD14、CD16、CD19、CD38、CD45、CD56、CD61が挙げられる。
本開示の検出方法の対象ががん患者末梢血に含まれるCTCである場合、第一の標識抗体のターゲットとなるタンパク質としては、例えば、EpCAM、サイトケラチン、ビメンチンが挙げられ、第二の標識抗体のターゲットとなるタンパク質としては、例えば、CD2、CD3、CD14、CD16、CD19、CD36、CD38、CD45、CD56、CD61、CD66、CD71、CD235aが挙げられる。
[第一標識工程、第二標識工程]
第一標識工程は、第一の標識抗体を生体試料に接触させて、第一の標識抗体で細胞をマーキングする工程である。本工程は、例えば、生体試料に第一の標識抗体を添加し、又は、第一の標識抗体を含有するリン酸緩衝液若しくは生理食塩水に生体試料を添加し、4℃〜室温で30分間〜120分間インキュベートすることによって行われる。
第二標識工程は、第二の標識抗体を生体試料に接触させて、第二の標識抗体で細胞をマーキングする工程である。本工程は、例えば、生体試料に第二の標識抗体を添加し、又は、第二の標識抗体を含有するリン酸緩衝液若しくは生理食塩水に生体試料を添加し、4℃〜室温で30分間〜120分間インキュベートすることによって行われる。
第一標識工程と第二標識工程とは、同時に行ってもよく、順次行ってもよい。第一標識工程と第二標識工程との同時実施は、例えば、生体試料に第一の標識抗体及び第二の標識抗体を添加する、又は、第一の標識抗体及び第二の標識抗体を含有するリン酸緩衝液若しくは生理食塩水に生体試料を添加することによって行われる。第一標識工程と第二標識工程とを順次実施する場合、いずれを先に行ってもよい。
第一標識工程及び第二標識工程において抗体と接触させる生体試料は、全細胞の濃度が、例えば1×10〜1×1010個/mLであり、好ましくは1×10〜1×10個/mLであり、より好ましくは1×10〜1×10個/mLである。
第一標識工程及び第二標識工程において抗体と接触させる生体試料の量は、希少細胞検出工程に要する時間を低減する観点から、通常1000μL以下であり、好ましくは500μL以下であり、より好ましくは300μL以下である。
[希少細胞検出工程]
希少細胞検出工程は、第一の標識物質及び第二の標識物質に応じた光学的方法、化学的方法、電気的方法、又は磁気的方法によって行われる。
希少細胞検出工程は、細胞の検出のみならず単離もできる観点から、フローサイトメトリーによって行うことが好ましい。フローサイトメトリーとは、細胞が一列に並ぶように細胞懸濁液を流し、分光学的手法により細胞を計測する技術である。フローサイトメトリーによれば、細胞を含む液滴を荷電して流れる方向を制御し、特定の細胞を分取することもできる。希少細胞検出工程をフローサイトメトリーによって行う観点からは、第一の標識物質及び第二の標識物質は、蛍光色素、蛍光タンパク質又はビオチンで標識された抗体であることが好ましい。希少細胞検出工程をフローサイトメトリーによって行う際に、希少細胞に特異的な形態に対応する散乱光を検出し、希少細胞の検出率をより向上させることもできる。
希少細胞検出工程は、マイクロキャピラリーに生体試料を流通させ、細胞を光学的方法、化学的方法、電気的方法、又は磁気的方法によって分離する工程としてもよい。希少細胞検出工程を、マイクロキャピラリー内を流通している細胞を電気的方法又は磁気的方法によって捕捉する工程とすれば、希少細胞の検出のみならず単離も可能である。
[細胞核染色工程、有核細胞検出工程]
細胞核染色工程は、核染色色素を生体試料に接触させて細胞核を染色する工程である。細胞核染色工程は、本開示の検出方法の対象が有核細胞である場合、設けることが好ましい。
核染色色素としては、クロマチン、核タンパク質、DNA等を染色する色素のいずれでもよく、具体的には、DRAQ5(Deep Red Anthraquinone 5)、DAPI(4',6-diamidino-2-phenylindole)、ヨウ化プロピジウム、7−AAD(7-amino-actinomycin D)、ヘキスト33342、メチレンブルー、ヘマトキシリン、チオニン等が挙げられる。
細胞核染色工程は、例えば、生体試料に核染色色素を添加し、又は、核染色色素を含有するリン酸緩衝液若しくは生理食塩水に生体試料を添加し、4℃〜室温で30分間〜120分間インキュベートすることによって行われる。
細胞核染色工程と第一標識工程と第二標識工程とは、同時に行ってもよく、順次行ってもよい。3工程の同時実施は、例えば、生体試料に第一の標識抗体及び第二の標識抗体及び核染色色素を添加する、又は、第一の標識抗体及び第二の標識抗体及び核染色色素を含有するリン酸緩衝液若しくは生理食塩水に生体試料を添加することによって行われる。3工程を順次実施する場合、その順番は制限されない。
核染色色素が蛍光色素の場合、有核細胞検出工程は、例えば、フローサイトメトリーにより行われる。核染色色素が非蛍光色素の場合、有核細胞検出工程は、例えば、生体試料を光学顕微鏡で観察し、核が染色された細胞を検出することにより行われる。
希少細胞検出工程と有核細胞検出工程とは、同時に行ってもよく、順次行ってもよい。両工程をフローサイトメトリーによって行う場合、両工程の同時実施が可能である。
本開示の検出方法の実施形態例としては、第一標識工程、第二標識工程、細胞核染色工程、希少細胞検出工程、及び有核細胞検出工程を有し、
第一標識工程、第二標識工程及び細胞核染色工程を行い(3工程の順番は制限されず、3工程を同時に行ってもよい。)、次いで、希少細胞検出工程及び有核細胞検出工程をフローサイトメトリーによって行う(2工程の順番は制限されず、2工程を同時に行ってもよい。)実施形態が挙げられる。
本開示の検出方法に用いる標識抗体が細胞内に存在するタンパク質をターゲットとする場合、又は、本開示の検出方法に用いる核染色色素が細胞膜透過性に乏しい場合は、一連の標識工程に供する生体試料は、細胞膜透過処理を施された試料であることが好ましい。細胞膜透過処理は、例えば、TritonX100等の界面活性剤を含有するリン酸緩衝液又は生理食塩水と、生体試料とを混合し、4℃〜室温で1分間〜30分間インキュベートすることによって行われる。生体試料に細胞膜透過処理を施す場合、生体試料は、細胞内からタンパク質が失われることを抑制する目的で、細胞膜透過処理の前に固定化処理を施された生体試料であることが好ましい。生体試料の固定化処理は、例えば、グルタルアルデヒド又はパラホルムアルデヒドを含有するリン酸緩衝液又は生理食塩水と、生体試料とを混合し、4℃〜室温で1分間〜30分間インキュベートすることによって行われる。
[密度勾配遠心分離による生体試料の調製]
本開示の検出方法の対象が血液に含まれる希少細胞(例えば、fNRBC、CTC)である場合、一連の標識工程に供する生体試料は、血液を密度勾配遠心分離に供して得た、希少細胞を含む画分であることが好ましい。密度勾配遠心分離によって希少細胞が濃縮された生体試料を得ることができ、これによって、希少細胞の検出率をより向上させることができる。
fNRBC又はCTCは、密度勾配遠心分離により、血液中に存在する血漿成分やその他の血液細胞と分離され得る。fNRBC又はCTCを分離するための密度勾配遠心分離は、公知の方法を適用してよい。例えば、密度の異なる少なくとも2種類の媒体を遠沈管に重層した不連続密度勾配の上に、生理食塩水で希釈した血液を重層して遠心を行うことにより、fNRBC又はCTCを分画し濃縮できる。
以下、fNRBCを密度勾配遠心分離によって濃縮する方法の実施形態例を説明する。
国際公開第2012/023298号に、fNRBCを含めた母体の血球の密度が記載されている。その記載によると、想定されるfNRBCの密度は、1.065g/mL〜1.095g/mL程度、母親の血球の密度は、赤血球が1.070g/mL〜1.120g/mL程度、好酸球が1.090g/mL〜1.110g/mL程度、好中球が1.075g/mL〜1.100g/mL程度、好塩基球が1.070g/mL〜1.080g/mL程度、リンパ球が1.060g/mL〜1.080g/mL程度、単球が1.060g/mL〜1.070g/mL程度である。
密度1.065g/mL〜1.095g/mL程度のfNRBCを、ほかの血液細胞と分離するために、積層する媒体の密度が設定される。fNRBCの中心の密度は1.080g/mL程度であるため、この密度をはさむ2つの異なる密度の媒体を隣接して重層することで、その界面にfNRBCを有する画分を集めることが可能となる。好ましくは、下層の媒体の密度を1.08g/mL〜1.10g/mL(より好ましくは1.080g/mL〜1.095g/mL)、上層の媒体の密度を1.06g/mL〜1.08g/mL(より好ましくは1.065g/mL〜1.080g/mL)とする。下層の媒体と上層の媒体は同じ種類でも異なる種類でもよく、同じ種類の媒体を用いることが好ましい。
媒体としては、ポリビニルピロリドンでコートされた直径15nm〜30nmのケイ酸コロイド粒子分散液であるPercoll(登録商標)、ショ糖から作られた側鎖に富んだ中性の親水性ポリマーであるFicoll-Paque(登録商標)、ポリスクロースとジアトリゾ酸ナトリウムを含むHistopaque(登録商標)等が挙げられる。中でも、Percoll及び/又はHistopaqueが好ましい。Percollは、密度1.130g/mLの製品が市販されており、水で希釈することで密度勾配を調製することが可能である。Histopaqueは、市販されている密度1.077g/mLの媒体及び密度1.119g/mLの媒体と水とを用いて密度勾配を調製することが可能である。
2層の不連続密度勾配は、例えば以下のようにして遠沈管に形成する。まず、凝固点以上かつ14℃以下(好ましくは8℃以下)の温度状態にある下層の媒体を遠沈管の底部に収容する、又は、下層の媒体を遠沈管の底部に収容したのち14℃以下(好ましくは8℃以下)の温度下で保存して冷却する。次に、下層の媒体の上に上層の媒体を重層する。
そして、上層の媒体の上に、生理食塩水で例えば2倍に希釈した血液を重層し、遠心分離を行い、下層の媒体と上層の媒体との間に沈積した画分を採取し、採取した画分をリン酸緩衝液で洗浄する。こうして得た有核赤血球を含む画分には、fNRBCが濃縮して含まれているので、この有核赤血球を含む画分を一連の標識工程に供することが好ましい。
本開示の検出方法は、例えば、胎児の出生前遺伝学的検査に応用できる。つまり、本開示の検出方法によって、妊娠母体末梢血に由来する生体試料からfNRBCを検出し、検出されたfNRBCから染色体DNAを入手して胎児の出生前遺伝学的検査を行うことができる。以下に、胎児の出生前遺伝学的検査の実施形態例を説明する。
<胎児の出生前遺伝学的検査>
本開示の検査方法は、妊娠母体末梢血に由来する生体試料からfNRBCを検出し、検出されたfNRBCから染色体DNAを入手して行う、胎児の出生前遺伝学的検査の方法である。本開示の検査方法は、ヒト個体が生来的に保有する遺伝情報を明らかにする検査であり、例えば、染色体の異数性の有無の検出、遺伝子多型の検出、及び、遺伝子変異の検出の少なくともいずれかを行う検査である。本開示の検査方法は、例えば、13番染色体、18番染色体、及び21番染色体のトリソミー;性染色体の過剰;等の染色体の異数性の有無の検出に適用される。
本開示の検査方法は、公知の遺伝子検査の方法、及び公知の遺伝子解析技術を適用して実施してよい。本開示の検査方法は、簡便に効率よく染色体DNAの解析を行うため、染色体上の目的領域をポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction:PCR)により増幅する増幅工程と、増幅した目的領域の塩基配列及び量を決定する配列解析工程と、を有することが好ましい。また、染色体DNAの解析を容易にする目的で、まずは、fNRBCから全ゲノム増幅(whole genome amplification:WGA)を行い、全ゲノム増幅の増幅産物を鋳型にして、染色体上の目的領域をPCRにより増幅する増幅工程と、増幅した目的領域の塩基配列及び量を決定する配列解析工程と、を行ってもよい。以下、上記の工程を説明することによって、本開示の検査方法の実施形態例を詳細に説明する。
[PCRによる目的領域の増幅工程]
本増幅工程は、目的領域をPCRにより増幅する工程である。目的領域(増幅される領域)は、遺伝学的検査の目的に応じて選択される、染色体上の領域である。PCRに使用するプライマー対の塩基配列は、目的領域の塩基配列とシークエンサーの解析原理とに従って設計される。増幅工程は、染色体上の複数の領域を解析する目的で、複数のプライマー対を用いて複数の目的領域の多重増幅を行う多重PCR(マルチプレックスPCR)としてもよい。増幅工程は、シークエンサーの解析原理に従って、PCRを1回行ってもよく2回以上行ってもよい。
PCR試薬としては、例えば、Multiplex PCR Assay Kit(タカラバイオ社)、Multiplex PCR Assay Kit ver2(タカラバイオ社)、KAPA Library Amplification Kit(日本ジェネティクス社)、Platinum Multiplex PCR Master Mix Kit(ライフテクノロジーズ社、Platinumは登録商標)が挙げられる。マルチプレックスPCRを行う場合には、プライマー対ごとにアニーリングの至適温度が異なることがあるため、反応条件の検討をすることが好ましい。PCRのサイクル数は、リアルタイムPCRによる検討を予め行って、その結果に基づき設定してよい。PCRは、その途中で、反応温度及び/又は反応時間を変更してもよい。
増幅工程で得た増幅産物は、精製することが好ましく、精製は、例えば、QIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社)、AMPure XP Kit(BECKMAN COULTER社)を用いて行う。増幅産物の量は、例えば、NanoDrop(Thermo Fisher Scientific社)、BioAnalyzer(Agilent社)、Quantus Fluorometer(Promega社)、KAPA Library Quantification Kits(日本ジェネティクス社)を用いて濃度を測定することで確認し得る。
[全ゲノム増幅]
全ゲノム増幅の方法は、特に制限されず、公知の方法で行ってよい。全ゲノム増幅は、例えば、界面活性剤とタンパク質分解酵素とを用いて細胞を溶解させる工程と、細胞から溶出したゲノムDNAを鋳型にしてDNAポリメラーゼによってDNAを増幅する工程と、を有する。
全ゲノム増幅は、市販の試薬を適用して行ってよい。PCRに基づく試薬としては、例えば、PicoPLEX WGA Kit(New England Biolabs社)、GenomePlex Single Cell Whole Genome Amplification Kit(Sigma-Aldrich社)、国際公開第2012/166425号に開示のMALBAC法(Multiple Annealing and Looping-Based Amplification Cycles)に係る試薬が挙げられる。鎖置換型DNA合成反応に基づく試薬としては、例えば、GenomiPhi DNA Amplification Kit(GEヘルスケア社、GenomiPhiは登録商標)、REPLI-g Single Cell Kit(QIAGEN社、REPLI-gは登録商標)が挙げられる。
全ゲノム増幅は、その終了後にアガロースゲル電気泳動を行って、増幅の有無を確認することが好ましい。全ゲノム増幅の増幅産物は、精製することが好ましい。精製は、例えば、QIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社、QIAquickは登録商標)を用いて行う。増幅産物の量は、例えば、NanoDrop(登録商標、Thermo Fisher Scientific社)、BioAnalyzer(Agilent社)、Quantus Fluorometer(Promega社)を用いて濃度を測定することで確認し得る。
[配列解析工程]
配列解析工程は、増幅された目的領域の塩基配列と量とを決定する工程である。配列解析工程は、各種のシークエンサーによって行われる。PCRによる増幅工程で得た増幅産物の全部又は一部が、配列解析工程でシークエンサーにかけられる物質であり、PCRによる増幅工程で得た増幅産物が、いわばシークエンス用ライブラリーである。
配列解析工程は、解析の精度及び速さ、1度に処理可能な試料数の多さ等の点で、次世代シークエンサーによって行われることが好ましい。次世代シークエンサー(Next Generation Sequencer:NGS)とは、サンガー法を利用したキャピラリーシークエンサー(第一世代シークエンサーと呼ばれる)に対比して分類されるシークエンサーを意味する。次世代シークエンサーは、第二世代、第三世代、第四世代、及び今後開発されるシークエンサーを含む。現時点で最も普及している次世代シークエンサーは、DNAポリメラーゼによる相補鎖合成又はDNAリガーゼによる相補鎖結合に連動した蛍光又は発光をとらえ塩基配列を決定する原理のシークエンサーである。具体的には、MiSeq(Illumina社)、HiSeq2000(Illumina社、HiSeqは登録商標)、Roche454(Roche社)等が挙げられる。
シークエンサーで得られた配列データをアライメントする手段としては、Burrows-Wheeler Aligner(BWA)が挙げられ、BWAによって既知のヒトゲノム配列へ配列データをマッピングすることが好ましい。遺伝子を解析する手段としては、SAMtools及びBEDtoolsが挙げられ、これらの解析手段により遺伝子多型、遺伝子変異、及び/又は染色体数を解析することが好ましい。
配列解析工程で解析した、増幅された目的領域の塩基配列と量とから、染色体の異数性の有無、遺伝子多型、及び/又は遺伝子変異が検出される。染色体の異数性の検出方法の一例を、以下に説明する。
fNRBCから得た染色体について、増幅産物の量をシークエンサーで解析する。基準(あるいは参照)として、母親の細胞から得た染色体について、増幅産物の量をシークエンサーで解析する。胎児が染色体の異数性を有しなければ、母親由来の増幅産物の量と胎児由来の増幅産物の量とは、ほぼ1:1の量比になると予想される。増幅領域が位置する染色体が胎児においてトリソミーである場合には、母親由来の増幅産物の量と胎児由来の増幅産物の量とは、ほぼ1.0:1.5(あるいは2:3)の量比になると予想される。
以下に、実施例により本開示の実施形態を詳細に説明するが、本開示の実施形態は、これら実施例により限定されるものではない。
下記において、物質濃度に関し「M」はモル濃度を表し、1M=1mol/Lである。また、物質濃度に関し、特に断りのない限り「%」は質量基準である。
以下の参考例又は実施例で使用される水は、特に断りのない限り、メルク社のMilli−Q装置で精製した水である。(Milli−Qは登録商標)
以下の参考例又は実施例で使用される化学物質等の略称は以下のとおりである。
BSA:bovine serum albumin
BV421:Brilliant Violet 421
DRAQ5:Deep Red Anthraquinone 5
EDTA:ethylenediaminetetraacetic acid
FITC:fluorescein isothiocyanate
fNRBC:fetal nucleated red blood cell、胎児有核赤血球
PBS:phosphate buffered saline
PBMC:peripheral blood mononuclear cell、末梢血単核細胞
PCR:polymerase chain reaction
SDS:sodium dodecyl sulfate
TCEP−HCL:tris-(2-Carboxyethyl)phosphine hydrochloride
[参考例1]
(1)断片化抗体の作製
fNRBCを認識して結合する抗体として、抗CD71抗体(BD biosciences社、商品番号555534)を用意した。
抗CD71抗体を、F(ab')2 Micro Preparation Kit(Pierce社)を用いて断片化した。すなわち、固定化されたペプシンによって抗CD71抗体を37℃で3時間消化し、消化物をプロテインAセファロースカラムに通し、未結合物を精製し、F(ab’)を得た。
次いで、濃度0.1〜5mg/mLのF(ab’)溶液20μLに、10mMのTCEP−HCL(Thermo Fisher Scientific社)溶液を2μL添加し、25℃下に30分間放置した。次いで、Antibody conjugate purification Kit for 50-100μg(Thermo Fisher Scientific社)でTCEP−HCLを除去し、Fab’を精製した。
(2)断片化抗体の蛍光標識
濃度0.1〜5mg/mLのFab’溶液50μLに、25mMのAlexa Fluor 488 C5 maleimide(Thermo Fisher Scientific社)(ジメチルスルホキシド溶液)を4μL添加し、25℃下に6時間放置した。次いで、Antibody conjugate purification Kit for 50-100μg(Thermo Fisher Scientific社)で未反応のAlexa Fluor 488 C5 maleimideを除去し、蛍光色素で標識されたFab’を精製した。以下、本抗体を、蛍光標識断片化抗体(1)という。
(3)希少細胞を含むモデルサンプルの調製
希少細胞を含む生体試料として、ヒト臍帯血(VERITAS社、商品番号C−CB101)を用意し、本臍帯血から以下の工程によってfNRBCを回収した。
Percoll液(登録商標、シグマアルドリッチ社)と水を使用して、密度1.070g/mLの液と、密度1.095g/mLの液を調製した。遠沈管に密度1.095g/mLの液2mLを入れ、4℃下に30分間置き冷却した。次いで、密度1.095g/mLの液の上に、密度1.070g/mLの液2mLを、界面が乱れないようにゆっくり重層した。次いで、密度1.070g/mLの液の上に、生理食塩水で2倍に希釈した血液11mLをゆっくり重層し、遠心分離を2000rpmで20分間行った。次いで、密度1.070g/mLの液と密度1.095g/mLの液の間に沈積した画分を、ピペットを用いて採取した。採取した画分を、洗浄液(2mM EDTA,0.1%BSA−PBS)にて2回洗浄し、有核赤血球を含む画分を得た。
上記で得た有核赤血球画分の細胞数をセルカウンター(Bio-Rad Laboratories社、TC20全自動セルカウンター)で計測し、0.1%BSA−PBSで希釈し、細胞濃度1.0×10個/mLの有核赤血球懸濁液を得た。有核赤血球懸濁液100μLに、白血球等の細胞表面に発現しているFc受容体をブロッキングする目的で、Fc Block Reagent for Human(BD biosciences社)を3μL添加し、25℃下に10分間放置した。次いで、白血球マーカーとしてBV421標識抗CD45抗体(BD biosciences社、商品番号563879、抗体部分はインタクトな免疫グロブリン分子である。)を1μL、fNRBCマーカーとして蛍光標識断片化抗体(1)を4μL、核染色色素として0.1%BSA−PBSで0.1%に希釈したDRAQ5(Cell Signaling社)を100μL添加し、4℃下に30分間以上放置した。
別途、夾雑細胞のモデルとしてPBMC(Precision Bioservices社、商品番号93000−10M)を用意し、0.1%BSA−PBSで希釈して、細胞濃度1.0×10個/mLのPBMC懸濁液を調製した。
抗体及び核染色色素と反応させた後の有核赤血球懸濁液をフローサイトメーター(ソニー(株)、SH800ZP)に供し、シングルセルモードにて、CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞を分取し、分取した細胞を100個、100μLのPBMC懸濁液(PBMC濃度1.0×10個/mL、100μLにPBMCが1.0×10個含まれる。)に回収した。
一連の操作によって回収された、CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞を、fNRBCとみなすことができる。こうして、細胞の存在比がfNRBC:PBMC=1:10000であるモデルサンプルを得た。
(4)細胞集団の標識
モデルサンプル100μLに、Fc Block Reagent for Human(BD biosciences社)を3μL添加し、25℃下に10分間放置した。次いで、BV421標識抗CD45抗体(BD biosciences、商品番号563879)を1μL、蛍光標識断片化抗体(1)を4μL、0.1%BSA−PBSで0.1%に希釈したDRAQ5(Cell Signaling社)を100μL添加し、4℃下に30分間以上放置した。
(5)希少細胞の検出
抗体及び核染色色素と反応させた後のモデルサンプルをフローサイトメーター(ソニー(株)、SH800ZP)に供し、セミイールドモードにて、CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞を分取し、4μLの0.1%BSA−PBS中に1細胞ずつ回収した。
モデルサンプルを全量フローサイトメーターに供した後、0.1%BSA−PBSで0.1%に希釈したDRAQ5を200μL用いてサンプルチューブを洗浄し、洗浄液を再度フローサイトメーターに供し、セミイールドモードにて、CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞を分取し、4μLの0.1%BSA−PBS中に1細胞ずつ回収した。全量フローサイトメーターに供した後、再度同様の操作を行い、4μLの0.1%BSA−PBS中に1細胞ずつ回収した。
モデルサンプルに含まれていたfNRBCの個数(CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞の個数)と、回収したfNRBCの個数(CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞の個数)とから、検出率(%)を算出した。結果を表1に示す。
[参考例2]
参考例1の「(3)希少細胞を含むモデルサンプルの調製」及び「(4)細胞集団の標識」において、蛍光標識断片化抗体(1)を蛍光標識断片化抗体(2)に変更した以外は、参考例1と同様にして希少細胞の検出を行った。結果を表1に示す。
蛍光標識断片化抗体(2)は、参考例1の「(2)断片化抗体の蛍光標識」を下記に変更して調製した。
(2)断片化抗体の蛍光標識
濃度0.1〜5mg/mLのFab’溶液100μLに、1M炭酸水素ナトリウム水溶液を10μL添加した。この溶液100μLを、Alexa fluor 488 labeling kit(Thermo Fisher Scientific社)のreactive dyeに添加し、25℃下に1時間放置した。次いで、Antibody conjugate purification Kit for 50-100μg(Thermo Fisher Scientific社)で未反応のreactive dyeを除去し、蛍光色素で標識されたFab’を精製し、蛍光標識断片化抗体(2)とした。
[参考例3]
参考例1の「(3)希少細胞を含むモデルサンプルの調製」及び「(4)細胞集団の標識」において、蛍光標識断片化抗体(1)を蛍光標識断片化抗体(3)に変更した以外は、参考例1と同様にして希少細胞の検出を行った。結果を表1に示す。
蛍光標識断片化抗体(3)は、参考例1の「(1)断片化抗体の作製」及び「(2)断片化抗体の蛍光標識」を下記に変更して調製した。
(1)断片化抗体の作製
抗CD71抗体(BD biosciences社、商品番号555534)を、Fab Micro Preparation Kit(Pierce社)を用いて断片化した。すなわち、固定化されたパパインによって抗CD71抗体を37℃で6時間消化し、消化物をプロテインAセファロースカラムに通し、未結合物を精製し、Fabを得た。
(2)断片化抗体の蛍光標識
濃度0.1〜5mg/mLのFab溶液100μLに、1M炭酸水素ナトリウム水溶液を10μL添加した。この溶液100μLを、Alexa fluor 488 labeling kit(Thermo Fisher Scientific社)のreactive dyeに添加し、25℃下に1時間放置した。次いで、Antibody conjugate purification Kit for 50-100μg(Thermo Fisher Scientific社)で未反応のreactive dyeを除去し、蛍光色素で標識されたFabを精製し、蛍光標識断片化抗体(3)とした。
[参考例4]
参考例1の「(3)希少細胞を含むモデルサンプルの調製」及び「(4)細胞集団の標識」において、蛍光標識断片化抗体(1)をFITC標識抗CD71抗体(BD biosciences社、商品番号555536、抗体部分はインタクトな免疫グロブリン分子である。)に変更し、この抗体の添加量を細胞懸濁液100μLに対して15μLにした以外は、参考例1と同様にして希少細胞の検出を行った。結果を表1に示す。
[参考例5]
参考例1の「(3)希少細胞を含むモデルサンプルの調製」において、CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞を回収するPBMC懸濁液の濃度をPBMC濃度1.0×10個/mLに変更し、モデルサンプル中の細胞の存在比をfNRBC:PBMC=1:100に変更した以外は、参考例1と同様にして希少細胞の検出を行った。結果を表1に示す。
[参考例6]
参考例2の「(3)希少細胞を含むモデルサンプルの調製」において、CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞を回収するPBMC懸濁液の濃度をPBMC濃度1.0×10個/mLに変更し、モデルサンプル中の細胞の存在比をfNRBC:PBMC=1:100に変更した以外は、参考例2と同様にして希少細胞の検出を行った。結果を表1に示す。
[参考例7]
参考例3の「(3)希少細胞を含むモデルサンプルの調製」において、CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞を回収するPBMC懸濁液の濃度をPBMC濃度1.0×10個/mLに変更し、モデルサンプル中の細胞の存在比をfNRBC:PBMC=1:100に変更した以外は、参考例3と同様にして希少細胞の検出を行った。結果を表1に示す。
[参考例8]
参考例4の「(3)希少細胞を含むモデルサンプルの調製」において、CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞を回収するPBMC懸濁液の濃度をPBMC濃度1.0×10個/mLに変更し、モデルサンプル中の細胞の存在比をfNRBC:PBMC=1:100に変更した以外は、参考例4と同様にして希少細胞の検出を行った。結果を表1に示す。
[実施例1]
妊娠12週目の妊婦ボランティアから末梢血を得て、妊娠母体末梢血からのfNRBC検出を試みた。妊婦ボランティアからの採血は、インフォームドコンセントを得た上で行った。胎児は男児と判明している。
抗凝固剤としてEDTAジナトリウム塩10.5mg入りの7mL採血管に、妊婦ボランティア1名から末梢血7.0mLを採取し、生理食塩水で2倍に希釈し、以下の工程に供した。
(1)有核赤血球の密度勾配遠心分離
Percoll液(登録商標、シグマアルドリッチ社)と水を使用して、密度1.070g/mLの液と、密度1.095g/mLの液を調製した。遠沈管に密度1.095g/mLの液2mLを入れ、4℃下に30分間置き冷却した。次いで、密度1.095g/mLの液の上に、密度1.070g/mLの液2mLを、界面が乱れないようにゆっくり重層した。次いで、密度1.070g/mLの液の上に、希釈した血液11mLをゆっくり重層し、遠心分離を2000rpmで20分間行った。次いで、密度1.070g/mLの液と密度1.095g/mLの液の間に沈積した画分を、ピペットを用いて採取した。採取した画分を、洗浄液(2mM EDTA,0.1%BSA−PBS)にて2回洗浄し、有核赤血球を含む画分を得た。
(2)細胞集団の標識
上記で得た有核赤血球画分の細胞数をセルカウンター(Bio-Rad Laboratories社、TC20全自動セルカウンター)で計測し、0.1%BSA−PBSで希釈し、細胞濃度1.0×10個/mLの有核赤血球懸濁液を得た。有核赤血球懸濁液100μLに、白血球等の細胞表面に発現しているFc受容体をブロッキングする目的で、Fc Block Reagent for Human(BD biosciences社)を3μL添加し、25℃下に10分間放置した。次いで、白血球マーカーとしてBV421標識抗CD45抗体(BD biosciences社、商品番号563880)を1μL、fNRBCマーカーとして蛍光標識断片化抗体(1)を4μL、核染色色素として0.1%BSA−PBSで0.1%に希釈したDRAQ5(Cell Signaling社)を100μL添加し、4℃下に30分間以上放置した。
(3)希少細胞の検出
抗体及び核染色色素と反応させた後の有核赤血球懸濁液をフローサイトメーター(ソニー(株)、SH800ZP)に供し、セミイールドモードにて、CD45陰性且つCD71陽性且つDRAQ5陽性の細胞を分取し、4μLの0.1%BSA−PBSを分注したPCRプレートに、1ウェルに1細胞ずつ回収した。回収した細胞から任意に選択した10個(10ウェル)に、以下のDNA分析を行った。
(4)DNA分析
PCRプレートの各ウェルに、Cell lysis buffer(10mM Tris−HCl(pH7.5)、0.5mM EDTA、20mM KCl、0.007%SDS、13.3μg/mL Proteinase Kの混合物)を5μL添加し、50℃で60分間インキュベートし、次いで、95℃で5分間インキュベートし、PCRプレート内で細胞を溶解させた。
細胞溶解物からDNA増幅を行う目的で、Multiplex PCR Assay kit(タカラバイオ社)を用いてマルチプレックスPCR反応を行った。細胞溶解物を9μL、647種類の混合プライマーを4μL、Multiplex PCR Mix1を0.125μL、Multiplex PCR Mix2を12.5μL、及び水を9.375μL混合し反応液を調製した。PCR反応は、94℃/60秒で変性した後、94℃/30秒、56.7℃/600秒、72℃/30秒を32サイクル行った。
得られたPCR産物を、磁気ビーズ(AMPure XP Kit、BECMAN COULTER社)を用いて精製した。PCR反応液25μLに磁気ビーズ分散液(AMPure XP)を45μL添加し、磁気ビーズにPCR反応産物を結合させた。磁気ビーズをMagnaStand(日本ジェネティクス社)の磁力で分離し、夾雑物を除いた。70v/v%エタノールで洗浄後、磁気ビーズに結合した核酸をTris−EDTAバッファーで溶出した。
得られた溶出物を鋳型にして、Multiplex PCR Assay kit(タカラバイオ社)を用いて、再度PCR反応を行った。溶出物を2μL、Y染色体部分領域のフォワードプライマー(1.25μM)を2μL、Y染色体部分領域のリバースプライマー(1.25μM)を2μL、Multiplex PCR Mix1を0.125μL、Multiplex PCR Mix2を12.5μL、及び水を6.375μL混合し反応液を調製した。PCR反応は、94℃/3分で変性した後、94℃/45秒、50℃/60秒、72℃/30秒を5サイクル行い、次いで、94℃/45秒、55℃/60秒、72℃/30秒を11サイクル行った。
PCR反応後、アガロースゲル電気泳動を行ってDNA増幅の有無を確認した。細胞10個中3個において増幅のバンドが見られたことから、蛍光標識断片化抗体(1)とBV421標識抗CD45抗体とを標識抗体として用いて、妊娠母体末梢血からfNRBCを検出できることが確認された。
[比較例1]
実施例1の「(2)細胞集団の標識」において、蛍光標識断片化抗体(1)をFITC標識抗CD71抗体(BD biosciences社、商品番号555536)に変更し、この抗体の添加量を細胞懸濁液100μLに対して15μLにした以外は、実施例1と同様にしてfNRBCの検出を試みた。細胞10個すべてにおいて増幅のバンドが見られなかったことから、妊娠母体末梢血からfNRBCを検出できなかったと判断した。

Claims (9)

  1. 希少細胞と前記希少細胞以外の夾雑細胞とを含む生体試料から前記希少細胞を検出する検出方法であって、
    前記希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体が第一の標識物質で標識された第一の標識抗体を、前記生体試料に接触させて、前記第一の標識抗体で細胞をマーキングする工程と、
    前記希少細胞に存在せず前記夾雑細胞に存在するタンパク質に対する抗体が第二の標識物質で標識された第二の標識抗体を、前記生体試料に接触させて、前記第二の標識抗体で細胞をマーキングする工程と、
    前記生体試料から、前記第一の標識抗体でマーキングされ且つ前記第二の標識抗体でマーキングされていない細胞を検出する工程と、
    を有し、
    前記希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体が、Fab抗体及びFab’抗体から選ばれる少なくとも1種である、希少細胞の検出方法。
  2. 前記希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体がFab’抗体である、請求項1に記載の希少細胞の検出方法。
  3. 前記第一の標識抗体が、前記希少細胞に存在するタンパク質に対する抗体のチオール基に前記第一の標識物質が共有結合した標識抗体である、請求項1又は請求項2に記載の希少細胞の検出方法。
  4. 前記希少細胞が有核細胞であり、さらに、
    核染色色素を前記生体試料に接触させて細胞核を染色する工程と、
    前記生体試料から、前記核染色色素によって核が染色された細胞を検出する工程と、
    を有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の希少細胞の検出方法。
  5. 前記生体試料が、血液を密度勾配遠心分離に供して得た、前記希少細胞を含む画分である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の希少細胞の検出方法。
  6. 前記生体試料が妊娠母体末梢血に由来する生体試料であり、前記希少細胞が胎児有核赤血球である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の希少細胞の検出方法。
  7. 前記生体試料ががん患者末梢血に由来する生体試料であり、前記希少細胞が血中循環腫瘍細胞である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の希少細胞の検出方法。
  8. 前記第一の標識物質及び前記第二の標識物質がそれぞれ、蛍光色素、蛍光タンパク質、酵素、ビオチン及び磁気ビーズから選ばれる化学物質である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の希少細胞の検出方法。
  9. 前記生体試料から細胞を検出することがフローサイトメトリーによって行われる、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の希少細胞の検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020082720A1 (zh) * 2018-10-25 2020-04-30 成都博奥新景医学科技有限公司 一种基于磁棒法的单人份化学发光免疫检测方法及***

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