JP2016521134A - 母体血から捕捉する胎児細胞を使用する胎児診断 - Google Patents

母体血から捕捉する胎児細胞を使用する胎児診断 Download PDF

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Abstract

【課題】非侵襲的な胎児診断法が提供される。【解決手段】特に、母体サンプルから胎児細胞濃縮サンプルを得る方法および胎児ヌクレオチド配列または胎児遺伝子の発現について母体サンプルを評価する方法が提供される。【選択図】図1

Description

優先出願の参照による援用
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で2013年5月16日に出願の米国仮特許出願第61/824,128号の優先権を主張し、その全体を参照により本明細書に明示的に組み込む。
出生前診断は、胎児の状態に関する役に立つ情報を提供し得る。一般に、出生前診断は、胎児に危険性がある侵襲的技術を使用して実施される。
さらに最近では、胎性遺伝物質が、母体の循環血液内に見出されている。この胎性遺伝物質は胎児を起源とし、胎盤を横断して母体の循環系に入る。
胎児DNAの非侵襲的な供給源の主要な2つは、母体血漿および循環胎児細胞である。胎性遺伝物質は、妊娠初期に母体血中に検出することができる。無細胞胎児DNAを利用することによる非侵襲的な診断戦略がいくつか開発されてきた。しかしながら、定量化アッセイよると、胎児DNAは、妊娠初期および後期のそれぞれで全血漿DNAの約3.4%および約6.2%しか占めない。胎児の遺伝情報の半分は父親に由来し、その遺伝情報は母体DNAに凌駕されることになるので、正確なアッセイには技術的な課題がある。加えて、胎児無細胞DNAは、細胞膜に保護されていないので、DNAフラグメントは、完全なゲノムと比較して短く不完全である。母体血由来の胎児細胞はというと、10〜10個の母体細胞中に胎児細胞1個程度と少ない可能性がある、その存在量の乏しさゆえに単離することも困難である。分析のため十分な胎児細胞を得るために濃縮技術が使用される。その少ない数のため、母体血サンプルから胎児細胞を濃縮し、精製することは技術的に困難である。これらの課題により、胎児の診断法が最終的に複雑になる。
本発明者らは、改善された非侵襲的な胎児の診断法を開発した。特に、母体サンプルから胎児細胞濃縮サンプルを得る方法および胎児ヌクレオチド配列または胎児遺伝子の発現について母体サンプルを評価する方法が提供される。
一部の実施形態において、母体サンプルを準備するステップと;母体サンプルを1つまたは複数の糖類に対して親和性を有する第1の固定相と接触させるステップと;第1の固定相に結合している母体サンプルの成分を第1の固定相に結合していない母体サンプルの成分から分離するステップと;第1の固定相に結合している母体サンプルの成分を保持するステップと;母体サンプルをマトリックスメタロプロテアーゼ14に対して親和性を有する単離可能に標識された親和性分子と接触させるステップと;単離可能に標識された親和性分子に結合している母体サンプルの成分を単離可能に標識された親和性分子に結合していない母体サンプルの成分から分離するステップと;単離可能に標識された親和性分子に結合している母体サンプルの成分を保持し、それによって胎児細胞濃縮サンプルを得るステップとを含む、母体サンプルから胎児細胞濃縮サンプルを得る方法が本明細書に提供される。そのような実施形態の一部は、母体サンプルを前記第1の固定相および前記第1の固定相と接触させるステップの前に:サイズおよび/または密度によって母体サンプルの成分を分離するステップと;有核胎児赤血球のサイズおよび/または密度を有する、母体サンプルの分離された成分を採取するステップとをさらに含む。一部の実施形態において、サイズおよび/または密度によって母体サンプルの成分を分離するステップは、勾配遠心分離を使用して実施される。一部の実施形態において、1つまたは複数の糖類は、ガラクトースである。一部の実施形態において、第1の固定相は、レクチン結合固定相である。一部の実施形態において、第1の固定相は、磁気ビーズを含む。一部の実施形態において、単離可能に標識された親和性分子は、磁気ビーズに結合している。一部の実施形態において、第1の固定相に結合している母体サンプルの成分を保持した後に、第1の固定相に結合している母体サンプルの保持された成分を、マトリックスメタロプロテアーゼ14に対して親和性を有する単離可能に標識された親和性分子と接触させる。一部の実施形態は、母体サンプルをマトリックスメタロプロテアーゼ14以外の胎児細胞表面マーカーに対して親和性を有する第2の固定相と接触させるステップと;第2の固定相に結合している母体サンプルの成分を第2の固定相に結合していない母体サンプルの成分から分離するステップと;第2の固定相に結合している母体サンプルの成分を保持するステップとをさらに含む。一部の実施形態において、胎児細胞表面マーカーは、トランスフェリン受容体(CD71)、グリコホリンA(GPA)、HLA−G、EGFR、トロンボスポンジン受容体(CD36)、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、2,3−ビスホスホグリセリン酸(BPG)、炭酸脱水酵素(CA)およびチミジンキナーゼ(TK)からなる群から選択される。一部の実施形態において、胎児細胞表面マーカーは、トランスフェリン受容体(CD71)である。一部の実施形態において、母体サンプルは、母体血サンプルである。一部の実施形態において、胎児細胞濃縮サンプル中の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%または90%は、胎児細胞である。一部の実施形態は、胎児細胞濃縮サンプルを準備するステップと;胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞における核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を分析するステップとをさらに含む。一部の実施形態において、核酸分子のヌクレオチド配列を分析するステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞のゲノムDNAをシークエンシングするステップを含む。一部の実施形態において、ゲノムDNAをシークエンシングするステップは、単一細胞のDNAをシークエンシングするステップを含み、単一細胞のDNAをシークエンシングするステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞に対して実施される。一部の実施形態において、単一細胞のDNAをシークエンシングするステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の細胞に対して実施される。一部の実施形態において、遺伝子の発現は、胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞の表面に、検出可能な抗体をハイブリダイズさせるステップを含む。一部の実施形態において、核酸分子のヌクレオチド配列を分析するステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞のゲノムDNAに、検出可能なプローブをハイブリダイズさせるステップを含む。一部の実施形態において、1つまたは複数の個々の細胞が、分析される各細胞のゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される。一部の実施形態において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の個々の細胞が、分析される各細胞のゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される。
母体サンプルを準備するステップと;母体サンプルを1つまたは複数の糖類に対して親和性を有する第1の固定相と接触させるステップと;第1の固定相に結合している母体サンプルの成分を第1の固定相に結合していない母体サンプルの成分から分離するステップと;第1の固定相に結合している母体サンプルの成分を保持するステップと;母体サンプルを胎児細胞表面マーカーに対して親和性を有する単離可能に標識された親和性分子と接触させるステップと;単離可能に標識された親和性分子に結合している母体サンプルの成分を単離可能に標識された親和性分子に結合していない母体サンプルの成分から分離するステップと;単離可能に標識された親和性分子に結合している母体サンプルの成分を保持して、分析用の胎児細胞濃縮サンプルを提供するステップと、胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞における核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を決定するステップと;胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を評価して、胎児ヌクレオチド配列または遺伝子発現を同定するステップとを含む胎児ヌクレオチド配列または胎児遺伝子発現について母体サンプルを評価する方法も本明細書に提供される。一部の実施形態において、胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を評価するステップは、決定したヌクレオチド配列または遺伝子発現に基づいて各細胞を細胞の第1の集団もしくは細胞の第2の集団に属するように分類するステップと;細胞の第1および第2の集団が胎児または母体起源のものである確率を同定するステップとを含む。一部の実施形態において、第1および第2の集団のそれぞれについて核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現を公知の母体細胞の公知の核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現と比較することによって、細胞の第1および第2の集団が、胎児または母体起源のものである確率を同定し、公知の母体細胞に対する類似性がより高いヌクレオチド配列または遺伝子発現を有する細胞の集団が母体起源のものと同定される。一部の実施形態において、細胞の第1および第2の集団が胎児または母体起源のものである確率は、細胞の第1および第2の集団のサイズを評価することによって同定され、より大きな細胞集団が胎児起源のものと同定される。
胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞における核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を提供するステップを含む、胎児ヌクレオチド配列または胎児遺伝子発現について母体サンプルを評価する方法も提供され、胎児細胞濃縮サンプルは、母体サンプルを準備するステップと;母体サンプルを1つまたは複数の糖類に対して親和性を有する第1の固定相と接触させるステップと;第1の固定相に結合している母体サンプルの成分を第1の固定相に結合していない母体サンプルの成分から分離するステップと;第1の固定相に結合している母体サンプルの成分を保持するステップと;母体サンプルを胎児細胞表面マーカーに対して親和性を有する単離可能に標識された親和性分子と接触させるステップと;単離可能に標識された親和性分子に結合している母体サンプルの成分を単離可能に標識された親和性分子に結合していない母体サンプルの成分から分離するステップと;単離可能に標識された親和性分子に結合している母体サンプルの成分を保持して、分析用の胎児細胞濃縮サンプルを得るステップと;胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を評価して、胎児ヌクレオチド配列または遺伝子発現を同定するステップとを含む方法によって調製された。一部の実施形態において、第1および第2の集団のそれぞれについて核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現を公知の母体細胞の公知の核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現と比較することによって、細胞の第1ならびに第2の集団が、胎児または母体起源のものである確率を同定し、公知の母体細胞に対する類似性がより高いヌクレオチド配列または遺伝子発現を有する細胞の集団が母体起源のものとして同定される。一部の実施形態において、細胞の第1および第2の集団が胎児または母体起源のものである確率は、細胞の第1および第2の集団のサイズを評価することによって同定され、より大きな細胞集団が胎児起源のものと同定される。一部の実施形態において、胎児細胞濃縮サンプルの調製方法は、母体サンプルを前記第1の固定相および前記第1の固定相と接触させるステップの前に:サイズおよび/または密度によって母体サンプルの成分を分離するステップと;有核胎児赤血球のサイズおよび/または密度を有する、母体サンプルの分離された成分を採取するステップとをさらに含む。
本明細書に提供される方法の一部の実施形態において、サイズおよび/または密度によって母体サンプルの成分を分離するステップは、勾配遠心分離を使用して実施される。一部の実施形態において、1つまたは複数の糖類は、ガラクトースである。一部の実施形態において、第1の固定相は、レクチン結合固定相である。一部の実施形態において、第1の固定相は、磁気ビーズを含む。一部の実施形態において、単離可能に標識された親和性分子は、磁気ビーズに結合している。一部の実施形態において、第1の固定相に結合している母体サンプルの成分を保持した後に、第1の固定相に結合している母体サンプルの保持された成分を、単離可能に標識された親和性分子と接触させる。一部の実施形態において、胎児細胞濃縮サンプルの調製方法は、母体サンプルを胎児細胞表面マーカーに対して親和性を有する第2の固定相と接触させるステップと;第2の固定相に結合している母体サンプルの成分を第2の固定相に結合していない母体サンプルの成分から分離するステップと;第2の固定相に結合している母体サンプルの成分を保持するステップとをさらに含む。一部の実施形態において、胎児細胞表面マーカーは、MMP14(マトリックスメタロプロテアーゼ14)、トランスフェリン受容体(CD71)、グリコホリンA(GPA)、HLA−G、EGFR、トロンボスポンジン受容体(CD36)、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、2,3−ビスホスホグリセリン酸(BPG)、炭酸脱水酵素(CA)およびチミジンキナーゼ(TK)からなる群から選択される。一部の実施形態において、胎児細胞表面マーカーは、MMP14(マトリックスメタロプロテアーゼ14)またはトランスフェリン受容体(CD71)である。一部の実施形態において、母体サンプルは、母体血サンプルである。一部の実施形態において、胎児細胞濃縮サンプル中の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%は、胎児細胞である。一部の実施形態において、胎児細胞濃縮サンプルの調製方法は、胎児細胞濃縮サンプルを準備するステップと;胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞における核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を分析するステップとをさらに含む。一部の実施形態において、核酸分子のヌクレオチド配列を分析するステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞のゲノムDNAをシークエンシングするステップを含む。一部の実施形態において、ゲノムDNAをシークエンシングするステップは、単一細胞のDNAをシークエンシングするステップを含み、単一細胞のDNAをシークエンシングするステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞に対して実施される。一部の実施形態において、単一細胞のDNAをシークエンシングするステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の細胞に対して実施される。一部の実施形態において、遺伝子の発現は、胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞の表面に、検出可能な抗体をハイブリダイズさせるステップを含む。一部の実施形態において、核酸分子のヌクレオチド配列を分析するステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞のゲノムDNAに、検出可能なプローブをハイブリダイズさせるステップを含む。一部の実施形態において、1つまたは複数の個々の細胞が、分析される各細胞のゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される。一部の実施形態において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の個々の細胞が、分析される各細胞のゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される。
母体血サンプルから濃縮された有核胎児赤血球を得る手順の例を表す図である。
有核胎児赤血球濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を評価する手順の例を表す図である。
本発明者らは、改善された非侵襲的な胎児の診断法を開発した。特に、母体サンプルから胎児細胞濃縮サンプルを得る方法および胎児ヌクレオチド配列または胎児遺伝子の発現について母体サンプルを評価する方法が提供される。
この胎児物質は、発達している胎児の性別および遺伝的性質についての情報源である。胎性遺伝物質は、妊娠初期に母体血中に検出することができる。本明細書に提供される方法は、高純度で母体血から胎児細胞を単離するのに効果的な手順を含む。一部の実施形態は、例えば、密度勾配遠心分離によって多くの母体無核細胞の除去を容易にする最初の濃縮ステップを含む。その後の胎児細胞の精製または濃縮は、親和性に基づく分離を含むことができる。例として、有核胎児赤血球前駆細胞は、細胞表面に多数のガラクトース分子を発現し、その分子をレクチンによって捕捉することができる。したがって、ダイズ凝集素(SBA)などのレクチンを使用して、Kitagawaら、2002、Prenat.Diagn 22:17〜21頁に提供される方法など公知の方法を使用して有核胎児細胞を濃縮することができる。別の例として、有核胎児細胞は、さらなる濃縮に使用できる様々な細胞表面マーカーを有する。そのような実施形態の1つにおいて、マトリックスメタロプロテアーゼ14(MMP14またはMMP−X1)前駆体および/またはトランスフェリン受容体(CD71)を使用して、高い特異性と高い回収率の両方で胎児細胞を濃縮することができる。使用し得るさらなるマーカーには、それだけには限らないが、グリコホリンA(GPA)、トロンボスポンジン受容体(CD36)、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3およびエリスロポエチン受容体がある。さらなる、任意選択のステップとして、例えば、CD47、CD45、CD35、CD12、CD14、CD32を使用する負の選択を含むことができ、それを使用して、母体赤血球を特異的に結合し、それにより除去することができる。
母体血サンプルから濃縮された有核胎児赤血球を得る手順の例が、図1に提供され、その手順は、(1)密度勾配遠心分離を使用するサイズ/密度選択、(2)ダイズ凝集素を使用するレクチン選択、および(3)例えば、抗MMP14抗体を使用する細胞表面マーカーに基づく磁気ビーズ部分を含む。
有核胎児赤血球濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を評価する手順の例が図2に提供され、その手順は、(1)有核胎児赤血球濃縮サンプルから約10〜100個の細胞を得るステップと、(2)各ウェルが1または0個の細胞を含有するように96ウェルプレートに細胞を分離する(図において細胞を含有するウェルは、緑色のウェルとして示される)ステップと、(3)分離した細胞を、各個別のウェルについて核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を決定するアッセイに供するステップとを含む。
母体サンプル
1つまたは複数の有核胎児細胞を含有する母体サンプルは、診断もしくは予後診断が実施されるべき任意の動物からまたは診断もしくは予後診断が実施されるべき胎児を妊娠した動物から得ることができる。一実施形態において、サンプルは、妊娠が疑われる、妊娠している、または妊娠していた雌の動物から得ることができる。動物がヒトである場合、サンプルは、第1のトリメスター(妊娠の最初の約3カ月)、第2のトリメスター(妊娠の約4〜6カ月)または第3のトリメスター(妊娠の約7〜9カ月)中に採取することができる。本発明の動物は、ヒトまたはウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジもしくはヤギなどの家畜であることができる。一般に、得られるサンプルは、血液サンプルである。他のサンプルには、膣分泌物、子宮頚部スワブおよび尿があり得る。したがって、例えば、母体血サンプルなどの母体サンプルは、妊娠中の雌性のヒトもしくはヒト以外の哺乳動物から得ることができ、それを使用して妊娠中の雌性のヒトまたはヒト以外の哺乳動物内の胎児の状態を調査することができる。
動物から母体サンプル(例えば、血液サンプル)を得る場合、サンプルの量は、動物のサイズ、在胎期間およびスクリーニングされる条件に応じて変化し得る。一実施形態において、最高200、175、150、125、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10または5mLのサンプルが得られる。一実施形態において、5〜200、10〜100または30〜50mLのサンプルが得られる。一実施形態において、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100または150mL超のサンプルが得られる。一実施形態において、妊娠した雌から約10〜100または30〜50mLの間の末梢血サンプルが得られる。一部の実施形態において、血液サンプルは、受胎の36、24、22、20、18、16、14、12、10、8、6もしくは4週目以内または妊娠が終了した後にも、妊娠したヒトもしくはヒト以外の動物から得られる。
サンプル濃縮/精製
サンプルは、サンプルの全成分と比較して有核胎児細胞を濃縮するおよび/またはサンプル中の全細胞と比較して有核胎児細胞を濃縮する1つまたは複数のステップに供される。
母体血サンプルから濃縮された有核胎児赤血球を得る手順の例が、図1に提供され、その手順は、(1)密度勾配遠心分離を使用するサイズ/密度選択、(2)ダイズ凝集素を使用するレクチン選択、および(3)例えば、抗MMP14抗体を使用する細胞表面マーカーに基づく磁気ビーズ部分を含む。この例の方法の変形が、本明細書に提供される教示にしたがって実施され得る。
密度勾配遠心分離
密度勾配遠心分離は、混合物中にある細胞型の異なる密度に基づいて細胞を分離する方法である。本方法を使用して、使用される勾配物質の特定の密度より軽いかまたは重いかいずれかの細胞を含有する区画に細胞を分離することができる。密度勾配遠心分離は、一連の異なる密度勾配に基づく反復ステップによってまたは親和性分離、細胞パニング、細胞ソートなどのような他の分離法と組み合わせて実行することができる。一部の実施形態において、密度勾配遠心分離は、異なる勾配密度の複数の層を使用して実施することができる。この方法により、遠心分離後に、異なる密度の細胞は、それに対応する密度でゾーンまたはバンドを形成することができる。1つまたは複数の異なるゾーンにある細胞は、適当な位置にピペットを配置することによって採集することができる。密度勾配遠心分離によって特定の細胞型を濃縮する方法は、米国特許第5,840,502号に記述されており、その全体を参照により本明細書に組み込む。
密度勾配遠心分離を使用して試料中の胎児細胞を同定する方法には、密度勾配媒体を利用する。密度勾配媒体は、コロイド状のポリビニルピロリドン被覆した二酸化ケイ素(例えばPercolD、Nycodenz)、単独の(Ficoll)もしくはジアトリゾエートナトリウムを含む(例えばFicoll−PaqueまたはHistopaque)非イオン性ポリスクロース、またはそれらの混合物であることができる。用いる試薬の密度は、非細胞性成分および無核赤血球など他の血液成分から対象の有核胎児細胞を分離するように選択される。
サイズに基づく濃縮
一部の実施形態において、希少な細胞の濃縮は、1つまたは複数のサイズに基づく分離法を使用して生ずる。サイズに基づく分離モジュールの例には、濾過膜、分子ふるいおよびマトリックスがある。本発明によって考えられる、サイズに基づく分離モジュールの例としては、国際公開番号WO 2004/113877に開示されるものがあり、その全体を参照により本明細書に組み込む。他のサイズに基づく分離法が、国際公開番号WO 2004/0144651ならびに米国特許出願公開第20080138809(A1)号および同第20080220422(A1)号に開示され、その全体を参照により本明細書に組み込む。
親和性に基づく濃縮
一部の実施形態において、有核胎児細胞は、結合部分または親和性分子に対してそれらの親和性に基づいて濃縮することができる。そのような実施形態において、結合部分は単離可能に標識されて、母体サンプルの望ましくない成分からの有核胎児細胞の分離を容易にする。例えば、有核胎児細胞に対して親和性を持つ結合部分は、有核胎児細胞を結合することができ、その結合部分を磁気ビーズもしくはクロマトグラフィー物質の固相などの固体支持体に結合させることによりそれを使用して有核胎児細胞を分離することができ、または有核胎児細胞の検出支援濃縮によって有核胎児細胞を他のサンプル成分から区別できるように、結合部分を検出可能に標識することができる。
一部の実施形態において、親和法は、胎児細胞表面マーカーに対して親和性を有する単離可能に標識された結合部分または親和性分子を使用するステップを含む。例えば、結合部分または親和性分子は、固定相、発蛍光団、放射性核種もしくは他の検出可能な部分に結合させることができ、胎児有核細胞は結合部分もしくは親和性分子に特異的に結合できるがサンプルの他の成分は結合部分もしくは親和性分子に特異的に結合しない条件下で、サンプルを単離可能に標識された結合部分または親和性分子と接触させることができる。接触させた、単離可能に標識された結合部分または親和性分子を次いで例えば光学ピンセット、磁気スタンド、密度遠心分離、フローサイトメトリーおよびサイズに基づく液体クロマトグラフィーを使用して処理して、単離可能に標識された結合部分もしくは親和性分子に結合している母体サンプルの成分を単離可能に標識された結合部分もしくは親和性分子に結合していない母体サンプルの成分から分離することができる。結合している母体サンプルの成分を任意選択で洗浄して、非特異的に結合した成分を除去することができる。次いで、胎児有核細胞を含む単離可能に標識された結合部分もしくは親和性分子に結合しているサンプルの成分を保持または採取して、さらに濃縮もしくは分析することができる。
結合部分には、例えば、有核胎児細胞に特異的に結合するタンパク質、核酸および炭水化物があり得る。一実施形態において、結合部分は、ガラクトースなど1つまたは複数の炭水化物に対して親和性を有する。例えば、結合部分は、レクチンであり得る。他の実施形態において、結合部分は、抗体である。そのような結合部分抗体の例には、抗マトリックスメタロプロテアーゼ14(抗MMP14)、抗トランスフェリン受容体(抗CD71)、抗グリコホリンA(抗GPA)、抗トロンボスポンジン受容体(抗CD36)、抗CD34、抗HbF、抗HAE9、抗FB3−2、抗H3−3、抗エリスロポエチン受容体、抗CD235a、抗炭水化物、抗セレクチン、抗CD45、抗GPA、抗抗原−i、抗EpCAM、抗Eカドヘリン、抗Muc−1、抗hPL、抗CHS2、抗KISS1、抗GDF15、抗CRH、抗TFP12、抗CGB、抗LOC90625、抗FN1、抗COL1A2、抗PSG9、抗PSG1、抗HBE、抗AFP、抗APOC3、抗SERPINC1、抗AMBP、抗CPB2、抗ITIH1、抗APOH、抗HPX、抗β−hCG、抗AHSG、抗APOB、抗J42−4−d、抗2,3−ビスホスホグリセリン酸(抗BPG)、抗炭酸脱水酵素(抗CA)または抗チミジンキナーゼ(抗TK)がある。
一実施形態において、有核胎児細胞は、抗MMP14、抗CD71および/または抗GPA選択を使用して濃縮される。別の実施形態において、トロホブラストは、抗HLA−Gまたは抗EGFR選択を使用して濃縮される。別の実施形態において、有核胎児細胞は、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、BPG、CAまたはTK遺伝子から発現されるタンパク質を結合できる1つまたは複数の抗体または抗体フラグメントを使用して濃縮される。
固定相に基づく濃縮
一部の実施形態において、親和性クロマトグラフィー法を使用することができる。例えば、結合部分または親和性分子を、ビーズ、カラムもしくは粒子などの固定相に結合させることができ、胎児有核細胞は結合部分もしくは親和性分子に特異的に結合できるがサンプルの他の成分は結合部分もしくは親和性分子に特異的に結合しない条件下で、サンプルを親和性分子に結合した固定相と接触させることができる。接触させた固定相は、次いで例えば移動相を使用して処理して、親和性分子を結合した固定相に結合している母体サンプルの成分を親和性分子が結合した固定相に結合していない母体サンプルの成分から分離することができる。次いで、胎児有核細胞を含む親和性分子を結合した固定相に結合しているサンプルの成分を保持または採取して、さらに濃縮もしくは分析することができる。
一実施形態において、磁気粒子を使用して有核胎児細胞を濃縮する。一実施形態において、抗体などの結合部分は、磁気粒子(例えば、磁気ビーズ)と結合させることができる。一実施形態において、ビーズは、抗体もしくは抗体のフラグメントに結合され、それらは抗MMP14、抗CD71、抗GPA、抗CD36、抗CD34、抗HbF、抗HAE9、抗FB3−2、抗H3−3、抗エリスロポエチン受容体、抗CD235a、抗炭水化物、抗セレクチン、抗CD45、抗GPA、抗抗原−i、抗EpCAM、抗E−カドヘリン、抗Muc−1、抗hPL、抗CHS2、抗KISS1、抗GDF15、抗CRH、抗TFP12、抗CGB、抗LOC90625、抗FN1、抗COL1A2、抗PSG9、抗PSG1、抗HBE、抗AFP、抗APOC3、抗SERPINC1、抗AMBP、抗CPB2、抗ITIH1、抗APOH、抗HPX、抗β−hCG、抗AHSG、抗APOB、抗−J42−4−d、抗BPG、抗CAまたは抗TK抗体もしくは抗体のフラグメントである。
濃縮の効率
一部の実施形態において、濃縮された産物でさえ、対象ではない細胞(例えば、母体有核赤血球(nucleated maternal red blood cell))が優勢である場合がある(>50%)。一部の場合に、濃縮サンプルの有核胎児細胞は、濃縮サンプル中の全ての細胞の少なくとも2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90または95%を占める。例えば、本明細書に記述される方法およびシステムを使用して、濃縮されたサンプルが合計約500個の細胞を有し、その2%が有核胎児細胞であり、残りの細胞が母体細胞であるように、妊娠したヒト由来の母体血サンプル20mLを有核赤血球など1つまたは複数の有核胎児細胞について濃縮できる。一部の実施形態において、実施した濃縮ステップは、サンプル由来の全ての不要な分析物(例えば、母体細胞、母体赤血球、母体有核赤血球、無核細胞)の少なくとも50、60、70、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.6、99.7、99.8または99.9%を除去した。
胎児バイオマーカー
一部の実施形態において、胎児バイオマーカーを使用して、1つまたは複数の胎児細胞を検出および/または単離することができる。例えば、これは、胎児の発達の間に差動的(differentially)に発現する遺伝子(例えば、DYS1、DYZ、CD−71、MMP14)の相対的な発現に基づいて胎児と母体有核細胞とを区別することによって実施することができる。提供される本発明の一実施形態において、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、2,3−ビスホスホグリセリン酸(BPG)、炭酸脱水酵素(CA)もしくはチミジンキナーゼ(TK)を含めた1つまたは複数の遺伝子の転写産物もしくはタンパク質発現の検出を使用して、胎児細胞を濃縮、精製、列挙、同定、検出または区別する。発現は、これらの遺伝子から発現される転写産物またはタンパク質を含むことができる。提供される本発明の一実施形態において、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、AHSG、J42−4−d、BPG、CAまたはTKを含めた1つまたは複数の遺伝子の発現を使用して、有核胎児赤血球など有核胎児細胞を同定、精製、濃縮または列挙する。
β−hCG(別名b−hCG、HCG、CGB、CGB3およびhCGB)は、糖タンパク質ホルモンβ鎖ファミリーのメンバーであり、絨毛ゴナドトロピン(CG)のβ3サブユニットをコードする。糖タンパク質ホルモンは、共通のαサブユニットおよび生物学的特異性を与える固有のβサブユニットからなるヘテロ二量体である。CGは、胎盤の栄養膜細胞によって生成され、卵巣を刺激して妊娠の維持に不可欠なステロイドを合成する。CGのβサブユニットは、染色体19q13.3において直列に逆位の対で配置される6つの遺伝子によってコードされ、黄体形成ホルモンβサブユニット遺伝子と隣接する。
APOB(別名、アポリポタンパク質B(Ag(x)抗原を含む)およびFLDB)は、キロミクロンおよび低密度リポタンパク質の主要なアポリポタンパク質である。それは、2つの主要なアイソフォーム、apoB−48およびapoB−100として血漿中に存在し:前者は腸において、後者は肝臓において独占的に合成される。apoBの腸および肝臓形態は、単一遺伝子にコードされ、単一の非常に長いmRNAに由来する。2つのアイソフォームは、共通のN末端配列を共有する。より短いapoB−48タンパク質は、apoB−100転写産物の残基2180におけるRNA編集(CAA−>UAA)後に生成され、その結果終止コドンが作られ、早期に翻訳終結する。この遺伝子またはその調節領域における突然変異は、血漿コレステロールおよびapoBレベルに影響を及ぼす疾患である低βリポタンパク質症、正常トリグリセリド性低βリポタンパク質症ならびにリガンド欠損apoBに起因する高コレステロール血症の原因になる。
AHSG(別名α−2−HS糖タンパク質;AHS;A2HS;HSGA;およびFETUA)は、血清中に存在する糖タンパク質であり、肝細胞によって合成され得る。AHSG分子は、2本のポリペプチド鎖からなり、そのポリペプチド鎖は両方とも単一のmRNAにコードされるプロタンパク質から切断される。それは、エンドサイトーシス、脳の発達および骨組織の形成などいくつかの機能に関係する。タンパク質は、未発達の大脳皮質の皮質板および骨髄造血マトリックスに一般に存在し、したがって組織の発達に関与すると仮定されてきた。
HPX(別名ヘモペキシン)は、ヘムを結合することができる。ヘモグロビンなどのヘムタンパク質の代謝回転によって遊離または消失するヘムを取り除くことにより、HPXは遊離ヘムに起因し得る酸化的障害から身体を保護することができる。身体の鉄を貯蔵するために、ヘモペキシンは、肝細胞の表面に位置する特異的な受容体と相互作用すると即座に、結合しているリガンドを放出して内部移行することができる。
CPB2(別名カルボキシペプチダーゼB2(血漿);CPU;PCPB;およびTAFI)は、C末端ペプチド結合を加水分解することができる酵素である。カルボキシペプチダーゼファミリーには、メタロ−、セリン、およびシステインカルボキシペプチダーゼがある。基質特異性によって、これらの酵素は、カルボキシペプチダーゼA(脂肪族残基を切断する)またはカルボキシペプチダーゼB(塩基性アミノ残基を切断する)と呼ばれる。この遺伝子にコードされるタンパク質は、トリプシンによって活性化され、カルボキシペプチダーゼB基質に作用する。トロンビンの活性化後に、成熟タンパク質はフィブリン溶解を下方制御する。この遺伝子およびそのプロモーター領域について多形性が記述されている。利用可能な配列データ分析は、異なるアイソフォームをコードするスプライスバリアントを示す。
ITIH1[別名インターα(グロブリン)インヒビターH1;H1P;ITIH;LATIH;およびMGC126415]は、セリンプロテアーゼインヒビターファミリーメンバーである。それは、2つの前駆体タンパク質:軽鎖および1つまたは2つのいずれの重鎖から組立てられる。ITIH1は、in vitroでの細胞接着を増強することができる。
APOH(別名アポリポタンパク質H(β−2糖タンパク質I);BG;およびB2G1)は、リポタンパク質代謝、凝固および抗リン脂質自己抗体の産生を含めた様々な生理的経路に関係している。APOHは、ループスおよび原発性抗リン脂質症候群の患者の多くの血清中に見られる抗リン脂質自己抗体によるアニオン性リン脂質結合に必要な補因子である可能性がある。
AMBP(別名α−1−ミクログロブリン/ビクニン前駆体;HCP;ITI;UTI;EDC1;HI30;ITIL;IATIL;およびITILC)は、血漿に分泌される複合体糖タンパク質をコードする。前駆体は、リポカリン輸送タンパク質のスーパーファミリーに属し、炎症過程の調節に役割を果たし得るα−1−ミクログロブリン、ならびにクニッツ型プロテアーゼインヒビターのスーパーファミリーに属する尿トリプシンインヒビターであり、多くの生理的および病理学的過程において重要な役割を果たすビクニンといった固有の機能タンパク質へとタンパク質分解的にプロセッシングされる。この遺伝子は、9番染色体のリポカリン遺伝子のクラスター中に位置する。
J42−4−dは、t複合体11(マウス)様2;MGC40368およびTCP11L2としても公知である。
濃縮細胞を評価する
胎児細胞濃縮サンプル由来の細胞を、次いで核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現について評価することができる。
有核胎児赤血球濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を評価する手順の例が図2に提供され、その手順は、(1)有核胎児赤血球濃縮サンプルから約10〜100個の細胞を得るステップと、(2)各ウェルが1または0個の細胞を含有するように96ウェルプレートに細胞を分離する(図において細胞を含有するウェルは、緑色のウェルとして示される)ステップと、(3)分離した細胞を、各個別のウェルについて核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を決定するアッセイに供するステップとを含む。この例の方法の変形が、本明細書に提供される教示にしたがってなされ得る。
細胞アッセイ
濃縮された有核胎児細胞は、有核胎児細胞の1つまたは複数のヌクレオチド配列または有核胎児細胞の1つまたは複数の遺伝子の発現を同定する1つまたは複数の細胞アッセイによって分析することができる。
一部の実施形態において、有核胎児細胞の1つまたは複数の遺伝子の発現が、胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞について評価される。一部の実施形態において、有核胎児細胞の1つまたは複数の遺伝子の発現は、単一細胞についての遺伝子発現を含む。一部の実施形態において、単一細胞の1つまたは複数の遺伝子の発現が、胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞について評価される。一部の実施形態において、単一細胞の1つまたは複数の遺伝子の発現が、胎児細胞濃縮サンプル由来の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の細胞について評価される。
一部の実施形態において、核酸分子のヌクレオチド配列を評価するステップは、胎児細胞濃縮サンプルの細胞のゲノムDNAをシークエンシングするステップを含む。一部の実施形態において、核酸分子のヌクレオチド配列を分析するステップは、対象の配列にハイブリダイズする検出可能なプローブをハイブリダイズさせるステップを含む。一部の実施形態において、有核胎児細胞のヌクレオチド配列が、胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞について評価される。一部の実施形態において、ゲノムDNAをシークエンシングするステップは、単一細胞のDNAをシークエンシングするステップを含む。一部の実施形態において、単一細胞のDNAをシークエンシングするステップは、胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞に対して実施される。一部の実施形態において、単一細胞のDNAをシークエンシングするステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の細胞に対して実施される。一部の実施形態において、核酸分子のヌクレオチド配列を分析するステップは、胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞のゲノムDNAに検出可能なプローブをハイブリダイズさせるステップを含む。一部の実施形態において、1つまたは複数の個々の細胞が、分析される各細胞のゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される。一部の実施形態において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の個々の細胞が、分析される各細胞のゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される。
一部の実施形態において、遺伝子発現は、胎児細胞濃縮サンプル由来細胞の遺伝子のRNA発現を検出することによって評価される。一部の実施形態において、遺伝子発現は、胎児細胞濃縮サンプル由来細胞の遺伝子のタンパク質発現を検出することによって評価される。一部の実施形態において、遺伝子の発現は、胎児細胞濃縮サンプル由来の細胞の表面に検出可能な抗体をハイブリダイズさせるステップを含む。
ヌクレオチドシークエンシング法には、標的ヌクレオチドシークエンシング法およびゲノムヌクレオチドシークエンシング法がある。標的シークエンシング法は、例えば、プライマーに基づくPCRを使用して標的した核酸領域を増幅し、その後当技術分野において公知の通常のヌクレオチドシークエンシングを行って、1つまたは複数の特定の遺伝子または他の標的をシークエンシングするステップを含む。ゲノムヌクレオチドシークエンシング法は、ゲノムDNAの増幅およびヌクレオチドシークエンシングの方法を含む。ゲノムヌクレオチドのシークエンシング法は、それだけには限らないが、Zhangら(2006)「Sequencing genomes from single cells by polymerase cloningシークエンシング」Nature Biotechnology 24(6):680〜6頁;およびSpitsら(2006)「Whole−genome multiple displacement amplification from single cells」Nature protocols 1(4):1965〜70頁に教示されるように単一細胞における多置換増幅を含む。さらなるゲノムヌクレオチドシークエンシング法は、それだけには限らないが、マルチアニーリングアンドループベースド増幅サイクル(multiple annealing and looping−based amplification cycles)(MALBAC)に教示されるように、Zongら(2012)「Genome−Wide Detection of Single−Nuleotide and Copy−Number Variations o a Single Human Cell」Science 338:1622〜6頁に教示されるように単一細胞における多置換増幅を含む。一部の実施形態において、全ゲノムを増幅した後に、使用者が設計したオリゴを用いるハイブリダイゼーションに基づく選択の後に対象の部分的なゲノム配列を配列決定することができる(全エキソームシークエンシングなど)。
遺伝子の発現は、例えば、遺伝子から発現される転写産物またはタンパク質を検出することにより決定できる。遺伝子からの転写産物の発現は、例えば、RNA発色in situハイブリダイゼーション(CISH)、RNA FISH、分子ビーコンプローブを使用するRNA−FISH、Q−PCR、RT−PCR、Taqman RT−PCR、ノーザンブロッティング、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイ、マイクロアレイを使用するRNA発現プロファイリングまたは全トランスクリプトームシークエンシングによって検出することができる。
タンパク質発現は、例えば、免疫組織化学、免疫細胞化学、ウェスタンブロッティング、質量分析、ELISA、ゲル電気泳動後のクーマシー染色または銀染色、フローサイトメトリー、FACSまたは微小流体蛍光細胞ソーティングによって検出することができる。発現するタンパク質は、細胞表面または内部発現タンパク質であることができる。細胞表面タンパク質は、結合部分、例えば、抗体に基づく部分によって認識することができる。検出に使用される結合部分は、抗体、Fabフラグメント、Fcフラグメント、scFvフラグメント、ペプチド模倣体またはペプトイドであることができる。
一実施形態において、発現レベルは、初期のまたはプロセッシングされていない転写産物を含めた核RNA転写産物を測定することによって決定される。別の実施形態において、発現レベルは、リボソームRNAを含めたmRNAを測定することによって決定される。Affymetrix、 Inc.製の発現アレイまたはIllumina、Inc.およびLife Technologies、 Inc.製のシークエンシングを使用することを含むがこれに限定されない、核酸もしくはRNAを画像化する(例えば、測定する)ための当技術分野において公知の方法が多くある。
RT−PCRプライマーは、遺伝子特異的な領域を標的にし、アンプリコンサイズを選択し、等しいPCR増幅効率を実現するようにプライマーアニーリング温度を調整することによって設計できる。したがって、アンプリコンのそれぞれについて、十分に分離した蛍光色素であるAlexa Fluor−355、Alexa Fluor−488およびAlexa Fluor−555を持つTaqManプローブを設計することができる。選択されるプライマーは、標的cDNA鋳型を使用してその特異性、検出限界および増幅効率を検証するために二本鎖形式で最初に確認することができる。プライマーの最善の組合せを、その増幅効率、検出ダイナミックレンジおよび検出限界について三本鎖形式でさらに試験することができる。
QiagenのOne−Step RT−PCRキットおよびApplied BiosystemsのTaqMan One−Step RT−PCR Master Mix試薬キットを含めたOne−step RT−PCR試薬など様々な市販の試薬を、RT−PCRに利用可能である。フォワードプライマーは、標的のそれぞれに対して標識することができる。サイトスピンすることにより濃縮した細胞をガラススライドに沈着させることができる。加えて、in situ RT−PCRの後に、濃縮した細胞のサイトスピンを実施することができる。その後、蛍光標識アンプリコンの存在は、蛍光顕微鏡によって可視化することができる。逆転写時間およびPCRサイクルを最適化して、アンプリコンシグナル:バックグラウンド比を最大にし、それによって母体サインに対する胎児の分離を最大にすることができる。一部の実施形態において、シグナル:バックグラウンド比は、5、10、50または100より大きく、過程を通じての全体の細胞消失は50、10もしくは5%未満である。
本明細書に提供される核酸、抗体または抗体に基づくフラグメントプローブで使用できる様々な蛍光分子もしくは色素のいずれかは、Alexa Fluor 350、AMCA、Alexa Fluor 488、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)、GFP、RFP、YFP、BFP、CFSE、CFDA−SE、DyLight 288、SpectrumGreen、Alexa Fluor 532、ローダミン、ローダミン6G、Alexa Fluor 546、Cy3色素、テトラメチルローダミン(TRITC)、SpectrumOrange、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、リサミンローダミンB色素、Alexa Fluor 594、Texas Red色素、SpectrumRed、Alexa Fluor 647、Cy5色素、Alexa Fluor 660、Cy5.5色素、Alexa Fluor 680、フィコエリトリン(PE)、ヨウ化プロピジウム(PI)、ペリジニンクロロフィルタンパク質(PerCP)、PE−Alexa Fluor 700、PE−Cy5(TRI−COLOR)、PE−Alexa Fluor 750、PE−Cy7、APC、APC−Cy7、Draq−5、Pacific Orange、Amine Aqua、Pacific Blue、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor−555、Alexa Fluor−568、Alexa Fluor−610、Alexa Fluor−633、DyLight 405、DyLight 488、DyLight 549、DyLight 594、DyLight 633、DyLight 649、DyLight 680、DyLight 750またはDyLight 800を含むがこれに限定されない。
一実施形態において、胎児細胞における1つまたは複数の遺伝子の存在またはその転写産物発現は、1つまたは複数のプライマー/プローブの組を使用して検出できる。例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6つ以上のプライマー/プローブの組を使用して、胎児細胞(例えば、有核胎児赤血球)における1つまたは複数の遺伝子の発現を検出することができる。一実施形態において、プライマー/プローブの組は、2つのプライマーおよび1つプローブならびに任意選択で消光物質を含む。一実施形態において、多重プライマー/プローブの組合せは、1つまたは複数のプライマー/プローブの組を含む。一実施形態において、プライマー/プローブの組または多重プライマー/プローブの組合せは、q−PCR用のサンプルと組み合わされる。一実施形態において、プライマー/プローブの組または多重プライマー/プローブの組合せは、リアルタイムPCR用のサンプルと組み合わされる。一実施形態において、各組のプライマーとプローブの量のバランスをとるように多重プライマー/プローブの組合せを設計し、それにより標的配列がサンプル中に存在する場合に各プライマー/プローブの組について検出可能なシグナルを生成することができる。一実施形態において、多重プライマー/プローブの組合せが同じ反応槽内で機能して、サンプル中の標的配列の存在を検出できるように、最適のアニーリング温度および熱サイクルプロファイルを設計することができる。一実施形態において、プローブは異なる蛍光色素で標識される。多重反応中の特定のプライマー/プローブの組の各プローブが、他の色素標識プローブと十分に異なるピーク波長の蛍光を発する異なる色素で標識されて、各組のプローブからの蛍光の同定が可能になるように色素標識プローブを最適化できる。一実施形態において、多重プライマー/プローブの組合せは、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、BPG、CAまたはTK遺伝子のゲノムDNAにアニールするプライマー/プローブの組を1つまたは複数含む。別の実施形態において、多重プライマー/プローブの組合せは、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、BPG、CAもしくはTK遺伝子によって発現されるRNA、またはそれらによって発現されるRNAのcDNAにアニールするプライマー/プローブの組を1つまたは複数含む。一実施形態において、有核胎児細胞は、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、BPG、CAもしくはTK遺伝子のゲノムDNA、それらによって発現されるRNA、もしくはそれらによって発現されるRNAのcDNAにアニールするプライマー/プローブの組を1つまたは複数含む多重プライマー/プローブの組合せを使用して、濃縮、列挙、精製、検出または同定される。別の実施形態において、多重プライマー/プローブの組合せは、FN1、β−hCGまたはAHSG遺伝子のゲノムDNA、それらによって発現されるRNA、もしくはそれらによって発現されるRNAのcDNAにアニールするプライマー/プローブの組を少なくとも3つ含む。
別の実施形態において、少なくとも1、2、3、4、5、6組以上のプライマーを使用して、有核胎児細胞中の1つまたは複数の遺伝子の存在またはその転写産物発現を検出することができる。一実施形態において、プライマーの組は、2つのプライマーを含む。一実施形態において、2つ以上のプライマーの組が、標的配列を含むサンプルを用いる多重反応に含まれる。一実施形態において、各組のプライマーの量のバランスをとるように多重プライマーの組合せを設計し、それにより標的配列がサンプル中に存在する場合に各プライマーの組について検出可能な増幅産物を生成することができる。一実施形態において、多重プライマーの組を組み合わせて同じ反応槽内で機能させ、それによってサンプル中の標的配列の存在を増幅できるように、最適のアニーリング温度および熱サイクルプロファイルを設計することができる。一実施形態において、プライマーの組は、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、BPG、CAまたはTK遺伝子のゲノムDNAにアニールする。別の実施形態において、プライマー組は、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、BPG、CAまたはTK遺伝子によって発現されるRNA、もしくはそれらによって発現されるRNAのcDNAにアニールする。一実施形態において、有核胎児細胞は、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、BPG、CAまたはTK遺伝子のゲノムDNA、それらによって発現されるRNA、もしくはそれらによって発現されるRNAのcDNAにアニールするプライマーの組を使用して、濃縮、列挙、精製、検出または同定される。
別の実施形態において、少なくとも1、2、3、4、5、6つ以上のプローブを使用して、有核胎児細胞による1つまたは複数の遺伝子の転写産物発現を検出することができる。一実施形態において、2つ以上のプローブが検出可能に標識され、RNA配列に結合することができる。一実施形態において、2つ以上のプローブを使用して、胎児細胞によって発現されるRNA配列を複数検出する。一実施形態において、2つ以上のプローブが、蛍光in situハイブリダイゼーションの方法に使用される。一実施形態において、蛍光in situハイブリダイゼーションの方法は、RNA FISHである。一実施形態において、プローブは核酸プローブである。別の実施形態において、プローブはペプチド核酸(PNA)である。別の実施形態において、プローブは、アミド修飾核酸、ホスホルアミダート修飾核酸、ボラノリン酸修飾核酸、メチルホスホン酸修飾核酸、デオキシリボ核酸グアニジン(DNG)修飾核酸、またはモルホリノ修飾核酸など1つまたは複数の修飾核酸を含む。
一実施形態において、2つ以上のプローブは、標識されたコンジュゲートに結合することができるビオチンまたはストレプトアビジンなど検出可能なタグで標識される。別の実施形態において、プローブは、基質(Fast Redなど)を検出可能な標識に変換することができる酵素(アルカリホスファターゼなど)で標識される。一実施形態において、酵素はアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼまたはグルコースオキシダーゼである。
一実施形態において、コンジュゲートは、蛍光色素で標識される。別の実施形態において、2つ以上のプローブは、蛍光標識によって検出可能に標識される。一実施形態において、2つ以上のプローブが、同じ蛍光標識で標識される。一実施形態において、2つ以上のプローブが、異なる蛍光標識で標識される。各プローブを、他の蛍光標識プローブと十分に異なるピーク波長の蛍光を発する異なる標識で標識して、各プローブからの蛍光の同定が可能になるように蛍光標識プローブを最適化することができる。
一実施形態において、1つまたは複数の検出可能に標識されたプローブは、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、BPG、CAもしくはTK遺伝子によって発現されるRNA配列にアニールするまたはそのポリペプチドに特異的に結合する。一実施形態において、有核胎児細胞は、MMP14、CD71、GPA、HLA−G、EGFR、CD36、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、BPG、CAもしくはTK遺伝子のうち1つまたは複数によって発現されるRNA配列にアニールするもしくはそのポリペプチドに特異的に結合する1つまたは複数の検出可能に標識されたプローブを使用して、濃縮、列挙、精製、検出または同定される。
別の実施形態において、少なくとも1、2、3、4、5、6個以上の抗体または抗体に基づくフラグメントを使用して、胎児細胞(例えば、fnRBCまたはトロホブラスト)中の1つまたは複数のタンパク質の発現を検出することができる。
一実施形態において、抗体または抗体に基づくフラグメントは、標識されたコンジュゲートに結合することができるビオチンまたはストレプトアビジンなど検出可能なタグで標識される。別の実施形態において、抗体または抗体に基づくフラグメントは、基質(Fast Redなど)を検出可能な標識に変換することができる酵素(アルカリホスファターゼなど)で標識される。一実施形態において、酵素はアルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼまたはグルコースオキシダーゼである。
一実施形態において、抗体または抗体フラグメントは、胎児細胞マーカータンパク質に結合する。一実施形態において、抗体または抗体フラグメントは、蛍光色素で標識される。別の実施形態において、抗体または抗体フラグメントは、蛍光色素で標識された抗体もしくは抗体フラグメントに結合する。一実施形態において、複数の抗体または抗体フラグメントが、同じ蛍光色素で標識される。一実施形態において、各抗体または抗体フラグメントが、異なる蛍光色素で標識される。各抗体または抗体に基づくフラグメントが、もう一方の色素標識抗体もしくは抗体に基づくフラグメントと十分に異なるピーク波長の蛍光を発する異なる色素で標識されて、各抗体もしくは抗体に基づくフラグメントからの蛍光の同定が可能になるように色素標識抗体もしくは抗体に基づくフラグメントを最適化できる。
一実施形態において、抗MMP14、抗CD71、抗GPA、抗CD36、抗CD34、抗HbF、抗HAE9、抗FB3−2、抗H3−3、抗エリスロポエチン受容体、抗CD235a、抗炭水化物、抗セレクチン、抗CD45、抗GPA、抗抗原−I、抗EpCAM、抗E−カドヘリン、抗Muc−1、抗hPL、抗CHS2、抗KISS1、抗GDF15、抗CRH、抗TFP12、抗CGB、抗LOC90625、抗FN1、抗COL1A2、抗PSG9、抗PSG1、抗HBE、抗AFP、抗APOC3、抗SERPINC1、抗AMBP、抗CPB2、抗ITIH1、抗APOH、抗HPX、抗β−hCG、抗AHSG、抗APOB、抗J42−4−d、抗BPG、抗CAまたは抗TK抗体もしくは抗体に基づくフラグメントを少なくとも1、2、3、4、5、6個以上多く使用して、胎児細胞による1つまたは複数のタンパク質の発現が検出される。一実施形態において、抗体または抗体に基づくフラグメントは、胎児細胞内のタンパク質に結合する。別の実施形態において、抗体または抗体に基づくフラグメントは、胎児細胞の表面に発現されるタンパク質に結合する。
特定の遺伝子によるタンパク質もしくは転写産物発現の検出を使用して、胎児細胞を参照細胞、例えば母体細胞と区別する、胎児細胞型の間を区別する、胎児細胞を同定する、1つまたは複数の胎児細胞を精製もしくは濃縮する、または1つまたは複数の胎児細胞を列挙することができる。
一実施形態において、細胞型に特異的な胎児細胞マーカーを使用して、RT−PCRアプローチによって胎児細胞型を同定することができる。
一実施形態において、胎児細胞は、RNA FISHによって標識することができる。一実施形態において、胎児細胞は、分子ビーコンで標識することができる。一実施形態において、分子ビーコンで標識された胎児細胞は、FACSまたは微小流体蛍光細胞ソーティングによって同定、精製、濃縮または列挙することができる。
一実施形態において、RT−PCRとデジタルPCRを組み合わせることにより、胎児細胞型を同定し、胎児細胞数を計数することができる。
一実施形態において、胎児細胞は、胎児細胞マーカー遺伝子によって発現されるタンパク質に結合する抗体または抗体に基づくフラグメントによって標識できる。一実施形態において、抗体または抗体に基づくフラグメントで標識された胎児細胞は、FACSもしくは微小流体蛍光細胞ソーティングによって同定、精製、濃縮または列挙することができる。
染色体分析は、Gバンド染色体、他の細胞遺伝学的な分染技術、ならびに蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)および比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)などの分子細胞遺伝学の通常の分析方法を含むがこれに限定されない、当技術分野において公知の1つまたは複数の細胞遺伝学的方法または本明細書に提供される別の方法を使用して実施することもできる。
一実施形態において、サンプル分析は、胎児細胞濃縮サンプル由来核酸に対する1つまたは複数の遺伝分析または検出ステップを実施することを含む。本明細書の方法によって分析できる濃縮細胞または濃縮された核由来の核酸には:二本鎖DNA、一本鎖DNA、一本鎖DNAヘアピン、DNA/RNAハイブリッド、RNA(例えばmRNA)およびRNAヘアピンがある。濃縮細胞または核酸で実施することができる遺伝分析の例には、例えば、SNP検出、STR検出およびRNA発現分析がある。
一実施形態において、分析は、胎児細胞濃縮サンプルの1つまたは複数の細胞由来のDNAまたはRNA転写産物における1つまたは複数の突然変異もしくはSNPを検出するステップを含む。そのような検出は、例えば、DNAマイクロアレイまたはRNA転写産物発現アレイを使用して実施することができる。DNAマイクロアレイの例には、Kennedy、G.C.ら、Nature Biotechnology 21、1233〜1237頁、2003;Liu、W.M.,Bioinformatics 19、2397〜2403頁、2003;Matsuzaki、H.、Genome Research 3、414〜25頁、2004;およびMatsuzaki、H.、Nature Methods、1、109〜111頁、2004、ならびに米国特許第5,445,934号;第5,744,305号;第6,261,776号;第6,291,183号;第5,799,637号;第5,945,334号;第6,346,413号;第6,399,365号;および第6,610,482号ならびに欧州特許第619321号;第373203号によって実証された当技術分野において公知の方法によるAffymetrix,Inc.(Santa Clara、Calif.)製の市販のものがあり、その全体を参照により本明細書に組み込む。一実施形態において、マイクロアレイを使用して、サンプル中にある少なくとも5、10、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000 10,000、20,000、50,000、100,000、200,000または500,000個の異なる核酸標的を検出する。
コンピュータ実行可能なロジックを有するコンピュータ読み込み可能な媒体を含むコンピュータプログラムを使用して、遺伝子型判定クラスタリングおよび呼び出しを自動化することができる。
本明細書の実施形態のいずれかにおいて、濃縮した希少な細胞もしくは濃縮した希少な細胞核の遺伝的内容からの遺伝子型判定(例えば、SNP検出)および/または発現分析(例えば、RNA転写産物定量化)は、シークエンシングによって達成できる。シークエンシングは、当技術分野で周知の古典的なサンガーシークエンシング方法によって達成できる。シークエンシングは、高スループットシステムを使用して達成することもでき、そのいくつかは、増殖鎖への配列決定されるヌクレオチドの組み込みの直後または同時の検出、すなわち、リアルタイムまたは実質的にリアルタイムでの配列検出を可能にする。一実施形態において、高スループットシークエンシングは、1時間当たり少なくとも10,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも200,000、少なくとも300,000、少なくとも400,000、少なくとも500,000、少なくとも1,000,000または少なくとも5,000,000個の配列リードを生成し;各リードは、1リード当たり少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも120または、少なくとも150塩基である。シークエンシングは、鋳型としてゲノムDNAまたはRNA転写産物から得られるcDNAを使用して実施することができる。一実施形態において、胎児細胞濃縮サンプル由来の単一細胞の高スループットシークエンシングを含めて、高スループットシークエンシングを使用することができる。一実施形態において、胎児または母体細胞から得られるmRNAから逆転写されるcDNAが分析される。cDNAの型および存在量を使用して、細胞が胎児細胞であるかどうか(Y染色体特異的転写産物の存在によってなど)、または胎児細胞が遺伝的な異常(異数性、選択的な転写産物の存在量もしくは型またはDNAメチル化もしくはインプリンティングによる問題など)を有するかどうか決定することができる。
1つまたは複数の細胞を分析して、状態もしくは疾患の存在を決定するステップは、濃縮した希少な細胞サンプル中のミトコンドリアDNA、テロメラーゼもしくは核マトリックスタンパク質を検出するステップ;濃縮サンプルの細胞における核周辺区画(perinuclear compartments)の有無を検出するステップ;または濃縮サンプルの核酸コピー数を決定する遺伝子発現分析、インセルPCRもしくは蛍光in situハイブリダイゼーションを実施するステップを含むこともできる。
本明細書の実施形態のいずれかにおいて、標的核酸は、単一細胞から得ることができる。
胎児細胞濃縮サンプルは、1つまたは複数の濃縮細胞の分析の前に「ビン化する」ことができる。ビニングは、濃縮細胞の出力の複雑さおよび/または総細胞数を減少させる任意の過程である。ビニングは、当技術分野において公知のまたは本明細書に記述される任意の方法によって実施することができる。濃縮細胞をビニングする1つの方法は、段階希釈による。そのような希釈は、任意の適当なプラットフォーム(例えば、PCRウェル、マイクロタイタープレート)を使用して実行することができる。他の方法には、サンプルを液滴に分離するナノ流体システム(例えば、BioTrove、Raindance、Fluidigm)がある。そのようなビニングにより、ウェルまたはナノ液滴中に存在する単一細胞の存在を得ることができる。胎児細胞について濃縮したサンプルをビニングする場合、好ましくは、各部位は0または1個の細胞を含む。
ビニングに先行して、親和性結合(例えばレクチン、抗MMP14および/または抗CD71抗体を使用する)を含むがそれには限らない、胎児細胞を濃縮する方法を行うことができる。例えば、濃縮した母体血は、勾配遠心分離、レクチンに基づく親和性分離およびMMP−14に基づく親和性分離に供することができる。各ビンがおよそ1個の細胞を含有すると期待されるように、およそ100個の細胞を含有するこのサンプルのアリコートを、次いで100個のビン(PCRウェルまたは他の受け入れられるビニングプラットフォーム)に分離することができる。当業者は、実験設計および/またはビニングに使用するプラットフォームに応じてビンの数を増やせることを認識することができる。ビン化した細胞集団の複雑さを減少させることにより、標的細胞のさらなる遺伝的および細胞的分析を容易にできる。
一部の実施形態において、個々のビンに対して分析を実施して、個々のビン中の有核胎児細胞の有無を確認する。そのような分析は、FISH、PCR、STR検出、SNP分析、バイオマーカー検出および配列分析を含むがそれだけには限らない本明細書における教示による当技術分野において公知の任意の方法を使用して実施することができる。
本明細書の方法およびシステムに基づいて決定することができる胎児の状態には、胎児の存在ならびに/または胎児異数性などの胎児の状態、例えば、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー(ダウン症候群)、クラインフェルター症候群(XXY)および1つまたは複数の染色体のモノソミー(X染色体モノソミー、別名ターナー症候群)、1つまたは複数の染色体のトリソミー(13、18、21およびX)、1つまたは複数の染色体のテトラソミーおよびペンタソミー(ヒトにおいては、性染色体で最も一般的に観察される、例えば、XXXX、XXYY、XXXY、XYYY、XXXXX、XXXXY、XXXYY、XYYYYおよびXXYYY)、一倍性、三倍性(全ての染色体が3つ、例えば、ヒトにおいて69個の染色体)、四倍性(全ての染色体が4つ、例えば、ヒトにおいて92個の染色体)、五倍性および多倍性を含めた他の不規則な数の性もしくは常染色体がある。本明細書の方法を使用して検出することができる他の胎児状態には、1p36重複、重複(17)(p11.2p11.2)症候群、ダウン症候群、子かん前症(pre-eclampsia)、早期陣痛、子宮内膜症、ペリツェウスメルツバッハー病、重複(22)(q11.2q11.2)症候群、ネコ眼症候群などの部分異数性がある。一実施形態において、検出される胎児異常は、ネコ鳴き症候群、ウォルフ−ハーシュホーン症候群、ウィリアムズビューレン症候群、シャルコーマリーツース病、圧迫性麻痺易罹病性遺伝性ニューロパシー、スミスマグニス症候群、神経線維腫症、アラジール症候群、口蓋心臓顔面症候群、ディジョージ症候群、ステロイドスルファターゼ欠損症、カルマン症候群、線状皮膚欠損を伴う小眼球症、副腎低形成、グリセロールキナーゼ欠損症、ペリツェウスメルツバッハー病、Y上の精巣決定因子、高窒素血症(因子a)、高窒素血症(因子b)、高窒素血症(因子c)および1p36欠失を含めた性または常染色体における1つまたは複数の欠失による。一実施形態において、胎児異常は、XO症候群など、染色体数の異常減少である。上記のリストは、本明細書に提供される方法を使用して評価することができる考え得る遺伝的疾患の単なる例として用いられる。しかしながら、これらの方法は、OMIMなどの公開データベースにある疾患を含むがこれに限定されない公知の遺伝的な原因による任意の疾患にまで拡張することができる。
胎児細胞配列または発現の同定
一部の実施形態において、本明細書に提供される方法は、個々の細胞について決定した核酸分子のヌクレオチド配列データもしくは遺伝子発現データを分析するステップと、データが母体配列もしくは遺伝子発現または胎児配列もしくは遺伝子発現の指標となるか否かを決定するステップとをさらに含む。一部のそのような実施形態において、母体または胎児情報の指標となるデータの確率が、決定される。濃縮方法が実施された後でさえ、母体細胞は、胎児細胞濃縮サンプル中にまだ存在している可能性が高いと考えられる。したがって、方法を実行して、細胞が胎児もしくは母体起源であると同定する、または細胞が胎児もしくは母体起源である確率を同定することができる。胎児細胞濃縮サンプルの細胞の分析は、単一細胞ずつの原則で実施されるので、本明細書に提供される方法は、細胞が胎児起源であると同定するまたは細胞が胎児起源である見込みを同定する能力を向上させることができる。したがって、本明細書に提供される実施形態による配列もしくは遺伝子発現の決定は、細胞の集合体または多数の細胞の平均シグナルには基づかず、その代わりに複数の単一細胞の配列もしくは遺伝子発現の測定値に基づく。
一部の実施形態において、本方法は、胎児細胞濃縮サンプルが含む2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した核酸分子のヌクレオチド配列データまたは遺伝子発現データを分析するステップを含む。そのような方法は、決定したヌクレオチド配列または遺伝子発現に基づいて各細胞を細胞の第1の集団の細胞もしくは細胞の第2の集団に属するように分類するステップと;細胞の第1および第2の集団が胎児または母体起源のものである確率を同定するステップとを含むことができる。一部のそのような実施形態において、第1および第2の集団のそれぞれについて核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現を公知の母体細胞の公知の核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現と比較することによって、細胞の第1ならびに第2の集団が、胎児または母体起源のものである確率を同定し、公知の母体細胞に対する類似性がより高いヌクレオチド配列もしくは遺伝子発現を有する細胞の集団が母体起源のものとして同定される。
一部の実施形態において、細胞の第1および第2の集団が胎児または母体起源のものである確率は、細胞の第1および第2の集団のサイズを評価することによって同定され、より大きな細胞集団が胎児起源のものと同定される。本明細書に提供される方法の一部の実施形態は、母体細胞より多くの胎児細胞を含有する胎児細胞濃縮サンプルを産すると本明細書において考えられる。したがって、これらの実施形態において、母体細胞が胎児細胞濃縮サンプル中に存在する可能性が高いとはいえ、胎児細胞濃縮サンプルの細胞の全体集団にわたってより一般的な配列または遺伝子発現が、胎児細胞のものであり母体細胞のものでない可能性がより高い。したがって、本明細書に提供される方法は、単一細胞の測定に適用できるが、複数の細胞の測定に適用される場合、確率の精度が高まる。例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の個々の細胞をヌクレオチド配列情報もしくは遺伝子発現情報について分析することができ、この分析の結果から、胎児ヌクレオチド配列もしくは遺伝子発現の同定および/または特定のヌクレオチド配列もしくは遺伝子発現が胎児起源のものである確率を得ることができる。
一部の実施形態において、診断は、そのような遺伝分析の結果を参照サンプル(例えば、母体細胞)の類似の分析の結果と比較することによって行われる。例えば、胎児細胞濃縮サンプル由来の細胞における配列もしくは遺伝子発現を公知の母体細胞(例えば、母体皮膚または上皮細胞)における配列もしくは遺伝子発現と比較することによって胎児細胞濃縮サンプルを分析して、1つまたは複数の胎児細胞の存在および/またはそのような細胞における配列もしくは遺伝子発現を決定することができる。
一実施形態において、胎児細胞において遺伝子の発現が、参照サンプル、例えば母体細胞におけるより高いもしくは低い場合、胎児細胞中の遺伝子の転写産物もしくはタンパク質発現をマーカーとして使用して、胎児細胞を濃縮、列挙、精製、検出または同定することができる。一実施形態において、遺伝子の発現レベル(転写産物またはタンパク質の形態である)が、参照サンプル(例えば、母体細胞)における遺伝子の発現レベル(転写産物またはタンパク質の形態である)より少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、750%、1000%、2000%、3000%、4000%、5000%または10,000%高いもしくは低い場合、その遺伝子は胎児細胞マーカーになり得る。一実施形態において、遺伝子は、参照サンプル(例えば、母体細胞)と比較して高レベルのタンパク質または転写産物の発現を有する。別の実施形態において、胎児細胞における遺伝子のタンパク質または転写産物の発現の比が、参照サンプル(例えば、母体細胞)における遺伝子の発現と比較して少なくとも約11:10、6:5、13:10、7:5、3:2、8:5、17:10、9:5、2:1、3:1、4:1、5:1もしくは10:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、85:1、90:1、100:1、150:1、200:1、250:1、300:1、350:1、400:1、450:1、500:1、550:1、600:1、650:1、700:1、750:1、800:1、850:1、900:1、950:1もしくは1000:1である場合、遺伝子は、胎児細胞のマーカーになり得る。別の実施形態において、胎児細胞における遺伝子のタンパク質または転写産物の発現が、参照サンプル(例えば、母体細胞)における転写産物の発現より少なくとも約1.1〜、1.2〜、1.3〜、1.4〜、1.5〜、1.6〜、1.7〜、1.8〜、1.9〜、2〜、3〜、4〜、5〜、10〜、15〜、20〜、25〜、30〜、35〜、40〜、45〜、50〜、55〜、60〜、65〜、70〜、75〜、80〜、85〜、90〜、95もしくは100〜倍高いもしくは低い場合、遺伝子は、胎児細胞のマーカーになり得る。転写産物またはタンパク質の発現レベルは、他の転写産物もしくはタンパク質の発現レベルに対してそれぞれ標準化することができる。
サンプルを、100人の妊婦の第1、第2および/または第3妊娠三期から得た。血液サンプルを、採集後3時間以内に処理した。各血液サンプルを、リン酸緩衝食塩水(PBS)で適当な容積に1:1に希釈した。希釈した血液サンプルを、約1.09g/mLの密度に調節した密度媒体の上に積層した。密度遠心分離を、1500rpmで、室温で30分間実施した。冷PBSで3回洗浄した後に、室温で10分間の再遠心分離により単核細胞を採集した。沈殿物をPBSで再懸濁し、Kitagawaら、2002 Prenat.Diagn 22:17〜21頁に記載の通り、ダイズ凝集素(SBA)を使用するレクチン選択に供した。
プロテインA/G磁気ビーズ混合物(Life Technologies Corporation)10mgを再懸濁し、PBS+Tween−20で2回洗浄した。候補抗体(CD71およびMMP14;EMD Millipore Corporation)50μgをPBS+Tween−20に希釈したビーズ混合物400μLに添加し、室温で30分間、回転させながらインキュベートした。抗体と結合したビーズを磁気スタンドで分離し、PBS+Tween−20中で3回洗浄した。レクチン選択後に単離した粗単核細胞を、PBS+Tween−20 400μLで希釈した抗体結合したプロテインA/Gビーズに添加し、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、濃縮した細胞を、下流の分析用として20μLに希釈した。
濃縮後の細胞の品質および純度を推定するために、濃縮した細胞サンプルの半分を、細胞遺伝学的分析に供し、前に示した胎児細胞表面マーカーで免疫染色した。サンプルの他の半分については、細胞を96ウェルプレートの個々のウェルに分離して、1ウェル当たり1個以下の細胞であることを確実にする。
3〜5個の単一細胞のDNA/RNA構成の細胞遺伝学的分析、トランスクリプトーム/ゲノムおよび他の分析を実施することになる。対照として、母体細胞を唾液サンプルから採取することになる。単一細胞のDNA配列データを母体細胞のそれと比較して、胎児単一細胞と母体単一細胞および胎児細胞特異的な遺伝的変形とを区別することになる。異なるRNAおよびタンパク質発現が、個々の単一細胞間で計算されることになり、それを利用して新規のマークを同定することになる。

Claims (48)

  1. 母体サンプルを準備するステップと;
    該母体サンプルを1つまたは複数の糖類に対して親和性を有する第1の固定相と接触させるステップと;
    該第1の固定相に結合している、該母体サンプルの成分を該第1の固定相に結合していない該母体サンプルの成分から分離するステップと;
    該第1の固定相に結合している、該母体サンプルの該成分を保持するステップと;
    該母体サンプルをマトリックスメタロプロテアーゼ14に対して親和性を有する単離可能に標識された親和性分子と接触させるステップと;
    該単離可能に標識された親和性分子に結合している、該母体サンプルの成分を該単離可能に標識された親和性分子に結合していない該母体サンプルの成分から分離するステップと;
    該単離可能に標識された親和性分子に結合している、該母体サンプルの該成分を保持し、それによって胎児細胞濃縮サンプルを得るステップとを含む、母体サンプルから胎児細胞濃縮サンプルを得る方法。
  2. 前記母体サンプルを前記第1の固定相および前記第1の固定相と接触させるステップの前に:
    サイズおよび/または密度によって該母体サンプルの成分を分離するステップと;
    有核胎児赤血球の該サイズおよび/または密度を有する、該母体サンプルの分離された該成分を採取するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. サイズおよび/または密度によって前記母体サンプルの成分を前記分離するステップが、勾配遠心分離を使用して実施される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記1つまたは複数の糖類が、ガラクトースである、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記第1の固定相が、レクチン結合固定相である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記第1の固定相が、磁気ビーズを含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記単離可能に標識された親和性分子が、磁気ビーズに結合している、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記第1の固定相に結合している、前記母体サンプルの前記成分を保持した後に、該第1の固定相に結合している、該母体サンプルの該保持された成分を、マトリックスメタロプロテアーゼ14に対して親和性を有する前記単離可能に標識された親和性分子と接触させる、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記母体サンプルをマトリックスメタロプロテアーゼ14以外の胎児細胞表面マーカーに対して親和性を有する第2の固定相と接触させるステップと;
    該第2の固定相に結合している該母体サンプルの成分を該第2の固定相に結合していない該母体サンプルの成分から分離するステップと;
    該第2の固定相に結合している該母体サンプルの該成分を保持するステップとをさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記胎児細胞表面マーカーが、トランスフェリン受容体(CD71)、グリコホリンA(GPA)、HLA−G、EGFR、トロンボスポンジン受容体(CD36)、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、2,3−ビスホスホグリセリン酸(BPG)、炭酸脱水酵素(CA)およびチミジンキナーゼ(TK)からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記胎児細胞表面マーカーが、トランスフェリン受容体(CD71)である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記母体サンプルが、母体血サンプルである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記胎児細胞濃縮サンプル中の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%が、胎児細胞である、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記胎児細胞濃縮サンプルを準備するステップと;
    該胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞における核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を分析するステップとをさらに含む、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. 核酸分子のヌクレオチド配列を前記分析するステップが、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞のゲノムDNAをシークエンシングするステップを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ゲノムDNAをシークエンシングするステップが、単一細胞の前記DNAをシークエンシングするステップを含み、単一細胞の該DNAをシークエンシングするステップが、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞に対して実施される、請求項15に記載の方法。
  17. 単一細胞の前記DNAをシークエンシングするステップが、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の細胞に対して実施される、請求項16に記載の方法。
  18. 遺伝子の前記発現が、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞の表面に検出可能な抗体をハイブリダイズさせるステップを含む、請求項14に記載の方法。
  19. 核酸分子のヌクレオチド配列を前記分析するステップが、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の1つまたは複数の細胞の前記ゲノムDNAに、検出可能なプローブをハイブリダイズさせるステップを含む、請求項14に記載の方法。
  20. 1つまたは複数の個々の細胞が、分析される各細胞の前記ゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される、請求項19に記載の方法。
  21. 少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の個々の細胞が、分析される各細胞の前記ゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される、請求項20に記載の方法。
  22. 母体サンプルを準備するステップと;
    該母体サンプルを1つまたは複数の糖類に対して親和性を有する第1の固定相と接触させるステップと;
    該第1の固定相に結合している、該母体サンプルの成分を該第1の固定相に結合していない該母体サンプルの成分から分離するステップと;
    該第1の固定相に結合している、該母体サンプルの該成分を保持するステップと;
    該母体サンプルを胎児細胞表面マーカーに対して親和性を有する単離可能に標識された親和性分子と接触させるステップと;
    該単離可能に標識された親和性分子に結合している、該母体サンプルの成分を該単離可能に標識された親和性分子に結合していない該母体サンプルの成分から分離するステップと;
    該単離可能に標識された親和性分子に結合している、該母体サンプルの該成分を保持して、分析用の胎児細胞濃縮サンプルを得るステップと;
    該胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞における核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を決定するステップと;
    該胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した核酸分子の該ヌクレオチド配列または遺伝子の発現を評価して、胎児ヌクレオチド配列または遺伝子発現を同定するステップとを含む、胎児ヌクレオチド配列または胎児遺伝子発現について母体サンプルを評価する方法。
  23. 前記胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した前記核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を評価するステップが、
    該決定したヌクレオチド配列または遺伝子発現に基づいて各細胞を細胞の第1の集団もしくは細胞の第2の集団に属するように分類するステップと;
    該細胞の第1および第2の集団が、胎児または母体起源のものである確率を同定するステップとを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記第1および第2の集団のそれぞれについて前記核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現を公知の母体細胞の公知の核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現と比較することによって、該細胞の第1および第2の集団が、胎児または母体起源のものである前記確率を同定し、該公知の母体細胞に対する類似性がより高いヌクレオチド配列もしくは遺伝子発現を有する細胞の該集団が母体起源のものとして同定される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記細胞の第1および第2の集団が胎児または母体起源のものである前記確率が、該細胞の第1および第2の集団のサイズを評価することによって同定され、より大きな細胞集団が胎児起源のものと同定される、請求項23または24に記載の方法。
  26. 胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞における核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現を提供するステップを含む胎児ヌクレオチド配列または胎児遺伝子発現について母体サンプルを評価する方法であって、該胎児細胞濃縮サンプルが、
    母体サンプルを準備するステップと;
    該母体サンプルを1つまたは複数の糖類に対して親和性を有する第1の固定相と接触させるステップと;
    該第1の固定相に結合している、該母体サンプルの成分を該第1の固定相に結合していない該母体サンプルの成分から分離するステップと;
    該第1の固定相に結合している、該母体サンプルの該成分を保持するステップと;
    該母体サンプルを胎児細胞表面マーカーに対して親和性を有する単離可能に標識された親和性分子と接触させるステップと;
    該単離可能に標識された親和性分子に結合している、該母体サンプルの成分を該単離可能に標識された親和性分子に結合していない該母体サンプルの成分から分離するステップと;
    該単離可能に標識された親和性分子に結合している、該母体サンプルの該成分を保持して、分析用の胎児細胞濃縮サンプルを得るステップと;
    該胎児細胞濃縮サンプルの2つ以上の細胞のそれぞれ個々の細胞について決定した該核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現を評価して、胎児ヌクレオチド配列または遺伝子発現を同定するステップとを含む方法によって調製される方法。
  27. 前記第1および第2の集団のそれぞれについて前記核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現を公知の母体細胞の公知の核酸分子のヌクレオチド配列もしくは遺伝子の発現と比較することによって、前記細胞の第1および第2の集団が、胎児または母体起源のものである前記確率を同定し、該公知の母体細胞に対する類似性がより高いヌクレオチド配列もしくは遺伝子発現を有する細胞の該集団が母体起源のものとして同定される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記細胞の第1および第2の集団が胎児または母体起源のものである前記確率が、該細胞の第1および第2の集団のサイズを評価することによって同定され、より大きな細胞集団が胎児起源のものと同定される、請求項26または27に記載の方法。
  29. 前記胎児細胞濃縮サンプルの調製方法が、前記母体サンプルを前記第1の固定相および前記第1の固定相と接触させるステップの前に:
    サイズおよび/または密度によって該母体サンプルの成分を分離するステップと;
    有核胎児赤血球の該サイズおよび/または密度を有する、該母体サンプルの分離された該成分を採取するステップとをさらに含む、請求項22から28のいずれかに記載の方法。
  30. サイズおよび/または密度によって前記母体サンプルの成分を前記分離するステップが、勾配遠心分離を使用して実施される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記1つまたは複数の糖類が、ガラクトースである、請求項22から30のいずれかに記載の方法。
  32. 前記第1の固定相が、レクチン結合固定相である、請求項22から31のいずれかに記載の方法。
  33. 前記第1の固定相が、磁気ビーズを含む、請求項22から32のいずれかに記載の方法。
  34. 前記単離可能に標識された親和性分子が、磁気ビーズに結合している、請求項22から33のいずれかに記載の方法。
  35. 前記第1の固定相に結合している、前記母体サンプルの前記成分を保持した後に、該第1の固定相に結合している、該母体サンプルの該保持された成分を、前記単離可能に標識された親和性分子と接触させる、請求項22から34のいずれかに記載の方法。
  36. 前記胎児細胞濃縮サンプルの調製方法が、
    前記母体サンプルを胎児細胞表面マーカーに対して親和性を有する第2の固定相と接触させるステップと;
    該第2の固定相に結合している該母体サンプルの成分を該第2の固定相に結合していない該母体サンプルの成分から分離するステップと;
    該第2の固定相に結合している該母体サンプルの該成分を保持するステップとをさらに含む、請求項22から35に記載の方法。
  37. 前記胎児細胞表面マーカーが、MMP14(マトリックスメタロプロテアーゼ14)、トランスフェリン受容体(CD71)、グリコホリンA(GPA)、HLA−G、EGFR、トロンボスポンジン受容体(CD36)、CD34、HbF、HAE 9、FB3−2、H3−3、エリスロポエチン受容体、HBE、AFP、APOC3、SERPINC1、AMBP、CPB2、ITIH1、APOH、HPX、β−hCG、AHSG、APOB、J42−4−d、2,3−ビスホスホグリセリン酸(BPG)、炭酸脱水酵素(CA)およびチミジンキナーゼ(TK)からなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
  38. 前記胎児細胞表面マーカーが、MMP14(マトリックスメタロプロテアーゼ14)またはトランスフェリン受容体(CD71)である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記母体サンプルが、母体血サンプルである、請求項22から38のいずれかに記載の方法。
  40. 前記胎児細胞濃縮サンプル中の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%が、胎児細胞である、請求項22から39のいずれかに記載の方法。
  41. 前記胎児細胞濃縮サンプルの調製方法が、
    該胎児細胞濃縮サンプルを準備するステップと;
    該胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞における核酸分子のヌクレオチド配列または遺伝子の発現を分析するステップとをさらに含む、請求項22から40のいずれかに記載の方法。
  42. 核酸分子のヌクレオチド配列を前記分析するステップが、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞のゲノムDNAをシークエンシングするステップを含む、請求項41に記載の方法。
  43. ゲノムDNAを前記シークエンシングするステップが、単一細胞の前記DNAをシークエンシングするステップを含み、単一細胞の該DNAをシークエンシングするステップが、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞に対して実施される、請求項42に記載の方法。
  44. 単一細胞の前記DNAをシークエンシングするステップが、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の細胞に対して実施される、請求項43に記載の方法。
  45. 遺伝子の前記発現が、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞の表面に検出可能な抗体をハイブリダイズさせるステップを含む、請求項41に記載の方法。
  46. 核酸分子のヌクレオチド配列を前記分析するステップが、前記胎児細胞濃縮サンプル由来の2つ以上の細胞の前記ゲノムDNAに検出可能なプローブをハイブリダイズさせるステップを含む請求項41に記載の方法。
  47. 1つまたは複数の個々の細胞が、分析される各細胞の前記ゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される、請求項46に記載の方法。
  48. 少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の個々の細胞が、分析される各細胞の前記ゲノムDNAへの検出可能なプローブのハイブリダイゼーションについて分析される、請求項46に記載の方法。
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PRENATAL DIAGNOSIS, 2002, VOL. 22, PP. 17-21, JPN6018009682 *
PRENATAL DIAGNOSIS, 2012, VOL. 32, PP. 742-751, JPN6018009680 *

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