JP2018104696A - 重合性化合物、硬化性組成物および硬化物 - Google Patents

重合性化合物、硬化性組成物および硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】屈折率が高く、芳香環を有する重合性化合物への溶解性が高く、かつ硬化物の可視光透過率が高い重合性化合物;屈折率が高く、可視光透過率が高い硬化物を得ることができる硬化性組成物;および屈折率が高く、可視光透過率が高い硬化物の提供。【解決手段】{X−S(=O)m−Y}{−Q−R}n(ただし、Xは、置換基を有していてもよい、ベンゼン環を有する縮合環(FR)であり、Yは、置換基を有していてもよい芳香環であり、XおよびYは、Qと結合する結合手を合計でn個有し、Qは、2価の連結基であり、Rは、エチレン性二重結合を有する基であり、mは、0〜2の整数であり、nは、1〜4の整数である。)で表される重合性化合物(A);重合性化合物(A)を含む硬化性組成物;および硬化性組成物を硬化した硬化物。【選択図】なし

Description

本発明は、重合性化合物、重合性化合物を含む硬化性組成物、および硬化性組成物を硬化した硬化物に関する。
硬化性組成物を硬化した硬化物は、(i)インプリント法、注型成形法等によって硬化性組成物から様々な形状の硬化物を短時間で形成できる、(ii)ガラスに比べ割れにくい、(iii)ガラスに比べ軽量である、等の利点を有することから、ガラスに代わる光学部材用の材料として注目されている。
光学部材用の材料には、屈折率が高く、可視光透過率が高いことが求められる。そのため、光学部材を形成するための硬化性組成物としては、屈折率が高く、可視光透過率が高い硬化物を得ることができるものが求められる。
屈折率が高い硬化物を得ることができる硬化性組成物としては、たとえば、下記のものが提案されている。
(1)フルオレン環を有する(メタ)アクリレートとビフェニル骨格を有する(メタ)アクリレートとを含む硬化性組成物(特許文献1、2)。
(2)ビスフェニルスルフィド骨格を有する重合性化合物とフルオレン環を有する重合性化合物とを含む硬化性組成物(特許文献3)。
(3)カルバゾール環を有する重合性化合物とフルオレン環を有する重合性化合物とを含む硬化性組成物(特許文献4)。
(4)ナフタレン環および硫黄原子を有する(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物(特許文献5)。
特開2012−082387号公報 特開2008−094987号公報 特開2016−027403号公報 国際公開第2013/047524号 特表2008−527413号公報
フルオレン環を有する(メタ)アクリレートは粘度が高く、これを含む硬化性組成物は取扱性が劣る。そのため、(1)の硬化性組成物においては、ビフェニル骨格を有する(メタ)アクリレートを反応性希釈剤として用い、硬化性組成物の粘度を下げている。しかし、ビフェニル骨格を有する(メタ)アクリレートは、フルオレン環を有する(メタ)アクリレートに比べて屈折率が低いため、(1)の硬化性組成物の硬化物の屈折率も低くなる。
ビスフェニルスルフィド骨格を有する重合性化合物、およびカルバゾール環を有する重合性化合物は、室温で固体である。そのため、(2)、(3)の硬化性組成物においては、芳香環を有する重合性化合物を反応性希釈剤として用い、硬化性組成物を液状にする必要がある。しかし、ビスフェニルスルフィド骨格を有する重合性化合物、およびカルバゾール環を有する重合性化合物は、芳香環を有する重合性化合物への溶解性が低いため、芳香環を有する重合性化合物の量が多くなり、(2)、(3)の硬化性組成物の硬化物の屈折率が低くなる。
ナフタレン環および硫黄原子を有する(メタ)アクリレートは、ナフタレン環が1つの場合は、屈折率が充分に高いとはいえず、(4)の硬化性組成物の硬化物の屈折率の高さも不充分である。ナフタレン環および硫黄原子を有する(メタ)アクリレートは、ナフタレン環が2つの場合は、黄色に着色し、(4)の硬化性組成物の硬化物の可視光透過率が低下する。
本発明は、屈折率が高く、芳香環を有する重合性化合物への溶解性が高く、かつ硬化物の可視光透過率が高い重合性化合物;屈折率が高く、可視光透過率が高い硬化物を得ることができる硬化性組成物;および屈折率が高く、可視光透過率が高い硬化物を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>下記重合性化合物(A)の1〜100質量%と、下記重合性化合物(B)の0〜80質量%と、下記重合性化合物(C)の0〜99質量%と、下記化合物(D)の0〜20質量%とを含む(ただし、前記含有量は、前記重合性化合物(A)、前記重合性化合物(B)および前記重合性化合物(C)を含む全重合性化合物と下記化合物(D)との合計を100質量%としたときの含有量である。)、硬化性組成物。
重合性化合物(A):下式(I)で表される化合物。
{X−S(=O)−Y}{−Q−R} (I)
ただし、Xは、置換基を有していてもよい、ベンゼン環を有する縮合環(FR)であり、Yは、置換基を有していてもよい芳香環であり、XおよびYは、Qと結合する結合手を合計でn個有し、Qは、2価の連結基であり、Rは、エチレン性二重結合を有する基であり、mは、0〜2の整数であり、nは、1〜4の整数である。
重合性化合物(B):フルオレン環およびエチレン性二重結合を有する重合性化合物(ただし、前記重合性化合物(A)を除く)。
重合性化合物(C):25℃における粘度が2000mPa・s以下であり、25℃における波長589nmの光に対する屈折率が1.55以上である、エチレン性二重結合を有する重合性化合物(ただし、前記重合性化合物(A)および前記重合性化合物(B)を除く)。
化合物(D):下式(XI)から求めたアッベ数が20.0以下である化合物(ただし、前記重合性化合物(A)、前記重合性化合物(B)および前記重合性化合物(C)を除く)。
ν=(n−1)/(n−n) (XI)
ただし、νは、アッベ数であり、nは、25℃における波長589nmの光に対する屈折率であり、nは、25℃における波長486nmの光に対する屈折率であり、nは、25℃における波長656nmの光に対する屈折率である。
<2>前記重合性化合物(A)の含有量が1〜80質量%であり、前記重合性化合物(C)の含有量が0〜97質量%であり、前記化合物(D)の含有量が1〜20質量%である、前記<1>の硬化性組成物。
<3>前記重合性化合物(B)の含有量が1〜80質量%である、前記<2>の硬化性組成物。
<4>重合開始剤(F)をさらに含み、前記重合開始剤(F)の添加量が、前記全重合性化合物と前記化合物(D)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部である、前記<1>〜<3>のいずれかの硬化性組成物。
<5>酸化防止剤(G)をさらに含み、前記酸化防止剤(G)の添加量が、前記全重合性化合物と前記化合物(D)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部である、前記<1>〜<4>のいずれかの硬化性組成物。
<6>前記縮合環(FR)が、ナフタレン環、アントラセン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、フルオレン環およびフェナントレン環からなる群から選ばれる環である、前記<1>〜<5>のいずれかの硬化性組成物。
<7>前記芳香環が、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環およびビフェニル環からなる群から選ばれる環である、前記<1>〜<6>のいずれかの硬化性組成物。
<8>前記mが0である、前記<1>〜<7>のいずれかの硬化性組成物。
<9>前記縮合環(FR)が、ナフタレン環、ベンゾチアゾール環およびベンゾオキサゾール環からなる群から選ばれる環であり、かつ前記芳香環が、ベンゼン環およびフラン環からなる群から選ばれる環である、前記<1>〜<8>のいずれかの硬化性組成物。
<10>前記<1>〜<9>のいずれかの硬化性組成物を硬化した硬化物。
<11>下式(I)で表される、重合性化合物。
{X−S(=O)−Y}{−Q−R} (I)
ただし、Xは、置換基を有していてもよい、ベンゼン環を有する縮合環(FR)であり、Yは、置換基を有していてもよい芳香環であり、XおよびYは、Qと結合する結合手を合計でn個有し、Qは、2価の連結基であり、Rは、エチレン性二重結合を有する基であり、mは、0〜2の整数であり、nは、1〜4の整数である。
<12>前記縮合環(FR)が、ナフタレン環、アントラセン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、フルオレン環およびフェナントレン環からなる群から選ばれる環である、前記<11>の重合性化合物。
<13>前記芳香環が、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環およびビフェニル環からなる群から選ばれる環である、前記<11>または<12>の重合性化合物。
<14>前記mが0である、前記<11>〜<13>のいずれかの重合性化合物。
<15>前記縮合環(FR)が、ナフタレン環、ベンゾチアゾール環およびベンゾオキサゾール環からなる群から選ばれる環であり、かつ前記芳香環が、ベンゼン環およびフラン環からなる群から選ばれる環である、前記<11>〜<14>のいずれかの重合性化合物。
本発明の重合性化合物は、屈折率が高く、芳香環を有する重合性化合物への溶解性が高く、かつ硬化物の可視光透過率が高い。
本発明の硬化性組成物によれば、屈折率が高く、可視光透過率が高い硬化物を得ることができる。
本発明の硬化物は、屈折率が高く、可視光透過率が高い。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「重合性化合物」とは、エチレン性二重結合を有する化合物を意味する。
「アッベ数」は、特に断りがない限り、下式(XI)から求めたアッベ数νである。
ν=(n−1)/(n−n) (XI)
ただし、nは、25℃における波長589nmの光に対する屈折率であり、nは、25℃における波長486nmの光に対する屈折率であり、nは、25℃における波長656nmの光に対する屈折率である。
「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称である。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
「光」とは、紫外線、可視光線、赤外線、電子線および放射線の総称である。
<重合性化合物>
本発明の重合性化合物(以下、重合性化合物(A)とも記す。)は、下式(I)で表される化合物である。
{X−S(=O)−Y}{−Q−R} (I)
ただし、Xは置換基を有していてもよい、ベンゼン環を有する縮合環(FR)であり、Yは置換基を有していてもよい芳香環であり、XおよびYは、Qと結合する結合手を合計でn個有し、Qは2価の連結基であり、Rはエチレン性二重結合を有する基であり、mは0〜2の整数であり、nは1〜4の整数である。
Xのベンゼン環を有する縮合環(FR)としては、ベンゼン環同士の縮合環(FR−1)、ベンゼン環と脂肪環との縮合環(FR−2)、ベンゼン環とヘテロ環との縮合環(FR−3)、ベンゼン環と脂肪環とヘテロ環との縮合環(FR−4)等が挙げられる。
縮合環(FR−1)の炭素数は、8〜18が好ましく、8〜14がより好ましい。縮合環(FR−1)の具体例としては、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられる。
縮合環(FR−2)におけるベンゼン環の数は、2または3が好ましい。脂肪環の炭素数は、炭素数3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。縮合環(FR−2)の具体例としては、フルオレン環、フェナレン環、アセナフチレン環、アセナフテン環等が挙げられる。
縮合環(FR−3)におけるヘテロ環は、3〜12員環が好ましく、5〜10員環がより好ましい。ヘテロ環におけるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。縮合環(FR−3)の具体例としては、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、イソインドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾイミダゾール環、インダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環等が挙げられる。
縮合環(FR−4)における脂肪環の炭素数は、炭素数3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。ヘテロ環におけるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。縮合環(FR−4)の具体例としては、インデノチオフェン環等が挙げられる。
縮合環(FR)における置換基としては、臭素原子、塩素原子、フッ素原子、アルキレン基、アルコキシ基、アセチル基、アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
縮合環(FR)としては、重合性化合物(A)の屈折率を高くでき、かつ重合性化合物(A)の合成が簡便である点から、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイミダゾール環およびフルオレン環からなる群から選ばれる環が好ましく、ナフタレン環、ベンゾチアゾール環およびベンゾオキサゾール環からなる群から選ばれる環がより好ましく、ナフタレン環が特に好ましい。
Yは、置換基を有していてもよい芳香環である。芳香環としては、重合性化合物(A)のπ共役系が広がりすぎないようにするため、5員環または6員環、およびそれらが単結合しているものが好ましい。芳香環の具体例としては、ベンゼン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾリン環、ピラジン環、チアジン環、ビフェニル環、これら環のうちの2つまたは3つが結合した環等が挙げられる。
芳香環としては、重合性化合物(A)の合成が簡便である点から、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環およびビフェニル環からなる群から選ばれる環が好ましく、ベンゼン環およびフラン環からなる群からからばれる環がより好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
Sは、2価(m=0)、4価(m=1)または6価(m=2)の硫黄原子である。Sは、Xを構成する原子およびYを構成する原子と単結合によって結合する。Sは、Xを構成する「芳香環骨格を構成する炭素原子」に結合することが好ましい。ここで「芳香環の環骨格を構成する炭素原子」とは、環状に連なっている炭素原子のみを指す。たとえば、ベンゼン環においては、環骨格を構成する炭素原子のみを指し、ヘテロ環においては、環骨格を構成する炭素原子のみを指す。
Sとしては、重合性化合物(A)の屈折率を高くでき、芳香環化合物への重合性化合物(A)の溶解性を高くできるため、m=0、すなわち−S−が好ましい。
Qは、2価の連結基である。nが2〜4の整数の場合、Qは、すべて同じ基であってもよく、一部が異なる基であってもよく、すべて異なる基であってもよい。
Qとしては、−O−、−OCHCHO−、−OCHCHCHCHO−、−OCHCHCHCHO−、−CHO−、−CHOCHCHO−、−OCONHCHCHO−、−OCONHCHCHOCHCHO−、−S−、−SO−、−SO−、−CHS−、−SCONHCHCHO−、−COOCHCHO−、−COSCHCHO−、−NHCOOCHCHO−、−NHCOO−、−NHCOCHCH−等が挙げられる。
Rは、エチレン性二重結合を有する基である。nが2〜4の整数の場合、Rは、すべて同じ基であってもよく、一部が異なる基であってもよく、すべて異なる基であってもよい。
Rとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、トリフルオロビニル基等が挙げられる。Rとしては、硬化性に優れる点から、(メタ)アクリロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。
nは、重合性化合物(A)の、芳香環の分子内での比率を高くし、高屈折率にできるため、1または2が好ましく、1がより好ましい。
重合性化合物(A)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2018104696
Figure 2018104696
Figure 2018104696
Figure 2018104696
重合性化合物(A)は、QがYのみに結合する化合物である場合(たとえば重合性化合物(A−1)〜(A−38)の場合)、たとえば、下記の工程(i)〜(iv)を有する方法によって製造できる。
工程(i−1):
溶媒(アセトニトリル等)中、塩基性化合物(炭酸カリウム等)の存在下に、化合物(II)と化合物(III)を反応させて、化合物(IV)を得る。このとき、必要に応じて金属触媒(ヨウ化銅等)を加えることで反応を促進できる。
工程(i−2):
溶媒(アセトニトリル等)中、酸性化合物(トリフルオロメタンスルホン酸等)、酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム)の存在下に、化合物(II)と化合物(III)を反応させて、化合物(IV)を得る。このとき、必要に応じて金属触媒(ヨウ化銅等)を加えることで反応を促進できる。
X−SH (II)
−Y−A (III)
X−S−Y−A (IV)
ただし、Aは、ハロゲン原子または水素原子であり、Aは、カルボキシ基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、チオール基およびアミノ基からなる群から選ばれる基を有する基である。
化合物(II)としては、1−ナフタレンチオール、2−ナフタレンチオール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ベンゼンチオール等が挙げられる。
化合物(III)としては、4−フルオロベンズアルデヒド、3−フルオロベンズアルデヒド、2−フルオロベンズアルデヒド、4−ブロモベンズアルデヒド、3−ブロモベンズアルデヒド、2−ブロモベンズアルデヒド、4−ブロモフェノール、5−ブロモ−2−フルアルデヒド、5−ブロモ−2−ホルミルチオフェン、4−フルオロカテコール、4−ブロモカテコール、3−フルオロカテコール、フェノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
工程(ii):
化合物(IV)のAがアルデヒド基またはカルボキシ基を有する場合、必要に応じて工程(ii)を行う。
溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン等)の存在下に、Aがアルデヒド基またはカルボキシ基を有する化合物(IV)を、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム等)で還元して、Aがヒドロキシ基を有する化合物(IV)を得る。
工程(iii−1):
がヒドロキシ基、チオール基およびアミノ基からなる群から選ばれる基を有する化合物(IV)と、化合物(V)とを反応させて化合物(Ia)を得る。
X−S−Y−A (IV)
−R (V)
X−S−Y−Q−R (Ia)
ただし、Aは、ヒドロキシ基、チオール基またはアミノ基と反応し得る基(ハロゲン原子、イソシアネート基等)を有する基である。
化合物(V)としては、(メタ)アクリロイルクロライド、アリルクロライド、アリルブロマイド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。
工程(iii−2):
酸触媒(p−トルエンスルホン酸等)の存在下に、Aがカルボキシ基を有する化合物(IV)と、化合物(VI)とを反応させて化合物(Ia)を得る。
X−S−Y−A (IV)
−R (VI)
X−S−Y−Q−R (Ia)
ただし、Aは、カルボキシ基と反応し得る基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基等)を有する基である。
化合物(VI)としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
工程(iv):
必要に応じて、化合物(Ia)と酸化剤(メタクロロ過安息香酸等)を反応させて化合物(Ib)を得る。
X−S−Y−Q−R (Ia)
X−S(=O)−Y−Q−R (Ib)
重合性化合物(A)は、QがXのみに結合する化合物である場合(たとえば重合性化合物(A−39)〜(A−48)の場合)、たとえば、下記の工程(i)〜(iv)を有する方法によって製造できる。
工程(i):
溶媒(アセトニトリル等)中、塩基性化合物(炭酸カリウム等)の存在下に、化合物(II’)と化合物(III’)を反応させて、化合物(IV)を得る。このとき、必要に応じて金属触媒(ヨウ化銅等)を加えることで反応を促進できる。
Y−SH (II’)
−X−A (III’)
Y−S−X−A (IV’)
ただし、Aは、ハロゲン原子であり、Aは、カルボキシ基、アルデヒド基、ケトン基、ヒドロキシ基、チオール基およびアミノ基からなる群から選ばれる基を有する基である。
化合物(II’)としては、ベンゼンチオール、2−メルカプトフラン、2−メルカプトチオフェン、2−メルカプトピロール、4−フェニルベンゼンチオール等が挙げられる。
化合物(III’)としては、4−フルオロ−1−ナフトアルデヒド、5−フルオロ−1−ナフトアルデヒド、1−フルオロ−2−ナフトアルデヒド、4−フルオロ−1−ナフトール、8−フルオロ−2−ナフトール、6−フルオロ−1−ナフトール、5−フルオロ−1−ナフトール、2−クロロ―6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−クロロ−6−ヒドロキシベンゾオキサゾール等が挙げられる。
工程(ii):
化合物(IV’)のAがアルデヒド基、ケトン基またはカルボキシ基を有する場合、必要に応じて工程(ii)を行う。
溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン等)の存在下に、Aがアルデヒド基またはカルボキシ基を有する化合物(IV’)を、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム等)で還元して、Aがヒドロキシ基を有する化合物(IV’)を得る。
工程(iii−1):
がヒドロキシ基、チオール基およびアミノ基からなる群から選ばれる基を有する化合物(IV’)と、化合物(V)とを反応させて化合物(Ic)を得る。
Y−S−X−A (IV’)
−R (V)
Y−S−X−Q−R (Ic)
工程(iii−2):
酸触媒(p−トルエンスルホン酸等)の存在下に、Aがカルボキシ基を有する化合物(IV’)と、化合物(VI)とを反応させて化合物(Ic)を得る。
Y−S−X−A (IV’)
−R (VI)
Y−S−X−Q−R (Ic)
工程(iv):
必要に応じて、化合物(Ic)と酸化剤(メタクロロ過安息香酸等)を反応させて化合物(Id)を得る。
Y−S−X−Q−R (Ic)
Y−S(=O)−X−Q−R (Id)
重合性化合物(A)は、QがXとYに結合する化合物である場合(たとえば重合性化合物(A−49)〜(A−51)の場合)、たとえば、下記の工程(i)〜(iv)を有する方法によって製造できる。
工程(i):
ジメチルスルホキシド、ヨウ素の存在下に、化合物(VII)と化合物(VIII)を反応させて、化合物(IX)を得る。
−(XまたはY)−SH (VII)
−(YまたはX) (VIII)
−Y−S−X−A (IX)
ただし、Aは、カルボキシ基、アルデヒド基、ケトン基、ヒドロキシ基、チオール基およびアミノ基からなる群から選ばれる基を有する基であり、互いに異なっていてもよい。
化合物(VII)としては、4−ヒドロキシベンゼンチオール、4−メルカプトベンジルアルコール、4−メルカプトベンズアルデヒド、6−メルカプト−2−ナフトール、4−メルカプト−1−ナフトール、5−ヒドロキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−2−メルカプトベンゾオキサゾール等が挙げられる。
化合物(VIII)としては、フェノール、カテコール、レゾルシノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラセン、フロsログルシノール等が挙げられる。
工程(ii):
化合物(IX)のAがアルデヒド基、ケトン基またはカルボキシ基を有する場合、必要に応じて工程(ii)を行う。
溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン等)の存在下に、Aがアルデヒド基またはカルボキシ基を有する化合物(IX)を、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム等)で還元して、Aがヒドロキシ基を有する化合物(IX)を得る。
工程(iii−1):
がヒドロキシ基、チオール基およびアミノ基からなる群から選ばれる基を有する化合物(IX)と、化合物(V)とを反応させて化合物(Ie)を得る。
−Y−S−X−A (IX)
−R (V)
R−Q−Y−S−X−Q−R (Ie)
工程(iii−2):
酸触媒(p−トルエンスルホン酸等)の存在下に、Aがカルボキシ基を有する化合物(IX)と、化合物(VI)とを反応させて化合物(Ie)を得る。
−Y−S−X−A (IX)
−R (VI)
R−Q−Y−S−X−Q−R (Ie)
工程(iv):
必要に応じて、化合物(Ie)と酸化剤(メタクロロ過安息香酸等)を反応させて化合物(If)を得る。
R−Q−Y−S−X−Q−R (Ie)
R−Q−Y−S(=O)−X−Q−R (If)
(作用機序)
以上説明した重合性化合物(A)にあっては、硫黄原子がベンゼン環を有する縮合環(FR)および芳香環と結合している、すなわち電子豊富な硫黄原子を介し、電子豊富な2つの芳香環が結合しているため、π共役系が広くなる。そのため、重合性化合物(A)は高屈折率化および低アッベ数化が可能となる。また、重合性化合物(A)は広いπ共役系を有するが、可視光に吸収を有しないため、可視光透過率が高い。
また、重合性化合物(A)は、芳香環を有する重合性化合物の芳香環との親和性の高い同類の芳香環の分子内での比率が高いため、芳香環を有する重合性化合物への溶解性が高い。
以上の理由から、重合性化合物(A)は、屈折率が高く、芳香環を有する重合性化合物への溶解性が高く、かつ硬化物の可視光透過率が高い。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、重合性化合物(A)を含む。
本発明の硬化性組成物は、重合開始剤(F)をさらに含むことが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、重合性化合物(B)と、重合性化合物(C)とをさらに含むことが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて化合物(D)をさらに含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて重合性化合物(E)、酸化防止剤(G)、添加剤、溶剤等を含んでいてもよい。
重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)および重合性化合物(E)は、他の成分を溶解させたり、硬化物のドライエッチング耐性、ウェットエッチング耐性、透明性、粘度、屈折率、硬度、機械的強度、柔軟性、基材との密着性等の諸物性を向上させる効果を有する。
本発明の硬化性組成物の25℃における粘度は、100000mPa・s以下が好ましい。硬化性組成物の粘度が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性組成物の取扱性がよくなり、硬化性組成物をインプリント用のモールドに容易に接触させたり、注型成形用のモールドに容易に注入したりできる。硬化性組成物の粘度は、好ましくは50000mPa・s以下であり、より好ましくは20000mPa・s以下である。硬化性組成物の粘度の下限値は特に設定しなくてもよいが、たとえば10mPa・s以上であれば、硬化性組成物が基材の表面から流れ出すことなく、硬化性組成物を簡便に基材の表面に塗布できる。硬化性組成物の粘度は、好ましくは50mPa・s以上であり、より好ましくは100mPa・s以上である。
(重合性化合物(A))
重合性化合物(A)の25℃における波長589nmの光に対する屈折率は、好ましくは1.62以上であり、より好ましくは1.63以上である。重合性化合物(A)の屈折率の上限は特に限定されないが、有機物であることを考慮すると1.85程度である。
重合性化合物(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(重合性化合物(B))
重合性化合物(B)は、フルオレン環およびエチレン性二重結合を有する化合物である(ただし、重合性化合物(A)を除く)。
本発明の硬化性組成物が重合性化合物(B)を含むことによって、硬化物の屈折率を高くする効果、可視光透過率を高くする効果、および耐熱性を高くする効果が得られる。また、硬化物の機械的特性が良好となる。
重合性化合物(B)としては、屈折率が高く、可視光透過率が高く、耐熱性が高い硬化物を得ることができる点から、化合物(X)が好ましい。
Figure 2018104696
11およびR12は、それぞれ水素原子またはメチル基である。
13およびR14は、それぞれ−CH−、−CHCH−、−CHCH(CH)−、−CHCHCH−、−CHCH(OH)CH−、−CHCH(CHOH)CH−および−CHCH(OR17)CH−(ただし、R17は(メタ)アクリロイル基である。)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。R13およびR14としては、−CHCH−、−CHCH(OH)CH−、−CHCH(CHOH)CH−および−CHCH(OR17)CH−からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、−CHCH−が特に好ましい。aが1のときはR13は1種のみであり、aが2以上のときはR13は1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。bが1のときはR14は1種のみであり、bが2以上のときはR14は1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
15およびR16は、それぞれ水素原子またはアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基またはプロピル基が好ましい。R15およびR16としては、水素原子が特に好ましい。
a、bは、それぞれ0〜4の整数であり、a+bは0〜4の整数である。aおよびbとしては、1または2が好ましく、1が特に好ましい。
重合性化合物(B)としては、下記の化合物が挙げられる。
9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジメトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジメトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジメトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジメトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリプロポキシ−3−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−(2−ヒドロキシ)プロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−(2−ヒドロキシ)プロポキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−(2−ヒドロキシ)プロポキシエトキシフェニル)フルオレン等。
重合性化合物(B)の市販品としては、大阪ガスケミカル社製のEA−0200、EA−0500、EA−1000等、新中村化学工業社製のA−BPEF等が挙げられる。
重合性化合物(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(重合性化合物(C))
重合性化合物(C)は、25℃における粘度が2000mPa・s以下であり、25℃における波長589nmの光に対する屈折率が1.55以上である、エチレン性二重結合を有する重合性化合物である(ただし、重合性化合物(A)および重合性化合物(B)を除く)。
本発明の硬化性組成物が重合性化合物(C)を含むことによって、硬化物の屈折率の低下を抑えつつ、各成分の相溶性を向上させたり、硬化性組成物の粘度を低くしたりできる。
重合性化合物(C)の25℃における粘度は、2000mPa・s以下である。重合性化合物(C)の粘度が2000mPa・s以下であれば、硬化性組成物の粘度を低くできる。重合性化合物(C)の粘度は、好ましくは1500mPa・s以下であり、より好ましくは750mPa・s以下である。重合性化合物(C)の粘度の下限値は特に設定しなくてもよいが、たとえば1mPa・s以上であれば、塗布性のよい硬化性組成物が得られる。重合性化合物(C)の粘度は、好ましくは5mPa・s以上であり、より好ましくは15mPa・s以上である。
重合性化合物(C)の25℃における波長589nmの光に対する屈折率nは、1.55以上である。重合性化合物(C)の屈折率が1.55以上であれば、硬化物の屈折率の低下が抑えられる。重合性化合物(C)の屈折率は、好ましくは1.57以上であり、より好ましくは1.58以上である。重合性化合物(C)の屈折率の上限は特に限定されないが、有機物であることを考慮すると1.85程度である。
重合性化合物(C)としては、下記の化合物が挙げられる。
o−フェニルベンジル(メタ)アクリレート(n:1.583、粘度:27mPa・s)、m−フェニルベンジル(メタ)アクリレート(n:1.591、粘度:25mPa・s)、o−フェニルベンジル(メタ)アクリレートとp−フェニルベンジル(メタ)アクリレートの混合物(n:1.591、粘度:25mPa・s)、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート(n:1.577、粘度:150mPa・s)、2−(m−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート(n:1.581、粘度:160mPa・s)、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレートと2−(p−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレートの混合物、o−フェノキシベンジル(メタ)アクリレート(n:1.564、粘度:12mPa・s)、m−フェノキシベンジル(メタ)アクリレート(n:1.564、粘度:15mPa・s)、m−フェノキシベンジル(メタ)アクリレートとp−フェノキシベンジル(メタ)アクリレートの混合物、1−ナフチルメチル(メタ)アクリレート(n:1.594、粘度:95mPa・s)、2−ナフチルメチル(メタ)アクリレート(n:1.589、粘度120mPa・s)、フェニルビニルスルフィド(n:1.585、粘度:1mPa・s)、フェニルビニルスルホキシド(n:1.582、粘度:6mPa・s)、ベンジルチオ(メタ)アクリレート(n:1.571、粘度:40mPa・s)、ジメチルナフチルビニルシラン(n:1.581、粘度:20mPa・s)、(ビス(4−メタクロイルフェニル)スルフィド(n:1.579、粘度:250mPa・s)、2−(フェニルチオ)エチルチオ(メタ)アクリレート(n:1.588、粘度:150mPa・s)、ビス〔4−(メタ)アクリロイロキシエチルチオ)フェニル〕スルフィド(n:1.589、粘度:460mPa・s)、ビス[m−(2−(メタ)アクロイルエトキシ)フェノキシ]ジフェニルシラン(n:1.585、粘度:850mPa・s)。
重合性化合物(C)の市販品としては、新中村化学工業社製のA−LEN−10、DIC社製のEKZ−948、東亞合成社製のTO−1463、共栄社化学社製のPOB−A等が挙げられる。
重合性化合物(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(化合物(D))
化合物(D)は、アッベ数νが20.0以下の化合物である(ただし、前記重合性化合物(A)、前記重合性化合物(B)および前記重合性化合物(C)を除く)。
本発明の硬化性組成物が化合物(D)を含むことによって、屈折率が高く、かつアッベ数が低い光学部材用の材料として用いることができる。縮合環を有する重合性化合物(A)は、他の成分と混合した硬化性組成物とするとき、縮合環同士がπ−π相互作用により重なりやすくなり、その含有量が多くなると固体を析出させる傾向がある。この析出傾向は硬化性組成物中の重合性化合物(A)の含有量が増えるほどに顕著になる。しかし、硬化性組成物中に化合物(D)を含有させることにより、重合性化合物(A)の分子間に化合物(D)が入り縮合環同士のπ−π相互作用による分子の重なりを抑制できるため、相溶性を向上させ析出を防ぐことができる。さらに、硬化性組成物を硬化させたときの、縮合環が起因となる固体析出の防止もできる。
化合物(D)は、エチレン性二重結合を有するものであってもよく、エチレン性二重結合を有しないものであってもよい。
化合物(D)の分子量(ただし、化合物(D)が多量体の場合、多量体を構成する単量体の分子量)は、350以下が好ましく、300以下がより好ましく、200以下がさらに好ましい。分子量が前記範囲内にあれば、芳香環を有する重合性化合物中での析出を防ぐことができ、また、硬化物の着色を抑えることができる。分子量の下限はとくにはないが、アッベ数20以下を実現するためには100以上が好ましい。
化合物(D)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
9−ビニルカルバゾール(ν:16.4、分子量:193)、1−ビニルナフタレン(ν:17.8、分子量:154)、2−ビニルナフタレン(ν:16.4、分子量:154)、ビス(4−ビニルチオフェニル)スルフィド(ν:17.5、単量体の分子量:302)、9−フェニルカルバゾール(ν:18.0、分子量:243)、ナフタレン(ν:19.1、分子量:128)、ポリ(2−ビニルナフタレン)(ν:17.0、単量体の分子量:154)、ポリアセナフチレン(ν:19.0、単量体の分子量:152)、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(ν:17.5、単量体の分子量:154)。
化合物(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(重合性化合物(E))
重合性化合物(E)は、エチレン性二重結合を1つ以上有する化合物である(ただし、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)および化合物(D)を除く)。本発明の硬化性組成物が化合物(E)を含むことによって、重合性組成物の粘度を低くしたり、硬化性を向上させたりすることができる。
重合性化合物(E)としては、(メタ)アクリロイル基に酸素原子を介して炭素数1〜30の有機基が結合したものが好ましい。有機基の炭素数は4〜20が好ましく、4〜12がより好ましい。
有機基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、橋かけ炭化水素基、オキシアルキレン鎖の繰り返し構造を有する基、芳香族基、複素環基等が挙げられる。これらの基は、炭素原子の一部が窒素原子、酸素原子等のヘテロ原子またはケイ素原子で置換されていてもよく、水素原子の一部が水酸基、アミノ基等の官能基で置換されていてもよく、不飽和結合や遊離カルボキシ基を有していてもよい。有機基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基、橋かけ炭化水素基が好ましい。
重合性化合物(E)としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ有する重合性化合物(E1)(ただし、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)および化合物(D)を除く。)、または(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する重合性化合物(E2)(ただし、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)および化合物(D)を除く。)が挙げられる。
重合性化合物(E1)としては、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好ましい。重合性化合物(E1)としては、下記の化合物が挙げられる。
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(2−(tert−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、ベンジル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート等。
重合性化合物(E2)としては、ジオール(グリコール等)の(メタ)アクリレート、トリオール(グリセロール、トリメチロール等)の(メタ)アクリレート、テトラオール(ペンタエリスリトール等)の(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。重合性化合物(E2)としては、下記の化合物が挙げられる。
ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロール1,3−ジグリセロレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエトキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、1,3−ビス(3−メタクリロイロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアリル酸、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジ(メタ)アクリレート、ペンタリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等。
重合性化合物(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(重合開始剤(F))
重合開始剤(F)は、硬化方法(光硬化または熱硬化)等に応じて適宜選択される。
重合開始剤(F)としては、光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。重合開始剤(F)としては、硬化物の製造のしやすさから、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、光を吸収することによってラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤としては、硬化物の製造のしやすさから、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、オキシフェニル酢酸エステル系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート等が挙げられる。光ラジカル重合開始剤としては、感度が高く、硬化性組成物への溶解性が高い点から、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤またはベンゾフェノン系光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等が挙げられる。熱重合開始剤としては、熱分解温度が低い点から、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシドが好ましい。
熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(酸化防止剤(G))
酸化防止剤(G)は、硬化物の黄変を抑制し、また、硬化物の初期透過率を向上させる成分である。
酸化防止剤(G)としては、フェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、メチルヒドロキノン、4−メトキシフェノール(メトキノン)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−ブタン、6,6’−ジ−tert−ブチル−4,4’−ブチリデンジ−m−クレゾール、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、硬化性組成物への溶解性が高い点から、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等が好ましい。
リン酸系酸化防止剤としては、亜リン酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス(オクタデシルオキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)2−エチルへキシルホスフィット、トリフェニルホスフィット、イソデシルジフェニルホスフィット、2−エチルへキシルジフェニルホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット等が挙げられる。リン酸系酸化防止剤としては、硬化性組成物への溶解性が高い点から、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、トリフェニルホスフィット等が好ましい。
硫黄系酸化防止剤としては、1−ヘキサンチオール、1−ヘプタンチオール、1−オクタンチオール、tert−オクタンチオール、1−ノナンチオール、1−デカンチオール、1−ウンデカンチオール、1−ドデカンチオール、1−テトラデカンチオール、1−ヘキサデカンチオール、1−オクタデカンチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、1,14−テトラデカンジチオール、1,16−ヘキサデカンジチオール、1,18−オクタデカンジチオール、ジヘキシルスルフィド、ジヘプチルスルフィド、ジオクチルスルフィド、ジデシルスルフィド、ジドデシルスルフィド、ジテトラデシルスルフィド、ジヘキサデシルスルフィド、ジオクタデシルスルフィド、ジフェニルスルフィド、フェニル−p−トリルスルフィド、4,4−チオビスベンゼンチオール、3,3′−チオジプロピオン酸、ジプロピルジスルフィド、ジイソプロピルジスルフィド、ジブチルジスルフィド、ジイソブチルジスルフィド、ジ−tert−ブチルジスルフィド、ジヘキシルジスルフィド、ジヘプチルジスルフィド、ジオクチルジスルフィド、ジデシルジスルフィド、ジドデシルジスルフィド、ジテトラデシルジスルフィド、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス〔2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12またはC14)チオプロピオニルオキシ}−5−tert−ブチルフェニル〕スルフィド、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール等が挙げられる。硫黄系酸化防止剤としては、硬化性組成物への溶解性が高い点から、1−デカンチオール、1−ウンデカンチオール、1−ドデカンチオール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等が好ましい。
酸化防止剤(G)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。酸化防止剤(G)としては、硬化物の耐熱性を向上させる点からは、フェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤からなる群から選ばれる酸化防止剤(G)を2種類以上組み合わせて用いることが好ましい。
(添加剤)
添加剤としては、界面活性剤、チクソトロピック剤、消泡剤、耐光安定剤、ゲル化防止剤、光増感剤、樹脂、炭素化合物、金属微粒子、金属酸化物微粒子、シランカップリング剤、他の有機化合物等が挙げられる。
(溶剤)
本発明の硬化性組成物は、溶剤を含んでもよい。ただし、硬化性組成物を硬化する前には、溶剤を除去することが好ましい。
溶剤としては、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)、重合性化合物(E)、重合開始剤(F)および酸化防止剤(G)を溶解可能な溶剤であればいずれも用いることができ、エステル構造、ケトン構造、水酸基、エーテル構造のいずれか1つ以上を有する溶剤が好ましい。
本発明において溶剤を使用する場合、硬化性組成物中の溶剤の含有量は、目的の粘度、塗布性、目的とする膜厚等によって適宜調整すればよい。
(硬化性組成物における各成分の割合)
重合性化合物(A)は単独で用いてもよいし、他の化合物と併用してもよい。
重合性化合物(A)の含有量は、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)および重合性化合物(E)の合計100質量%のうち、1〜100質量%が好ましい。重合性化合物(A)の含有量が1質量%以上であれば、屈折率が充分に高く、可視光透過率が充分に高い硬化物を得ることができる。化合物(A)の含有量は好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。他の成分による効果および製膜性を損ないにくい点から、重合性化合物(A)の含有量は好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
重合性化合物(B)の含有量は、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)および重合性化合物(E)の合計100質量%のうち、0〜80質量%が好ましい。重合性化合物(B)を含むことによって、硬化物の屈折率を高くする効果、可視光透過率を高くする効果、および耐熱性を高くする効果が充分に得られる。また、硬化物の機械的特性が良好となる。重合性化合物(B)の含有量は好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。重合性化合物(B)の含有量が80質量%以下であれば、硬化物のアッベ数の上昇が抑えられる。また、硬化性組成物の粘度を低くできる。重合性化合物(B)の含有量は好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
重合性化合物(C)の含有量は、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)および重合性化合物(E)の合計100質量%のうち、0〜99質量%が好ましい。重合性化合物(C)を含むことによって、硬化性組成物の粘度を低くできる。重合性化合物(C)の含有量は好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上である。重合性化合物(C)の含有量が99質量%以下であれば、硬化物のアッベ数の上昇が抑えられる。重合性化合物(C)の含有量は好ましくは97質量%以下、より好ましくは94質量%以下である。
化合物(D)の含有量は、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)および重合性化合物(E)の合計100質量%のうち、0〜20質量%である。化合物(D)を含むことによって、硬化性組成物のアッベ数を低くできる。化合物(D)の含有量は好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。化合物(D)の含有量が20質量%以下であれば、硬化性組成物中での化合物(D)の析出を防ぎ、かつ硬化物の可視光透過率の低下が抑えられる。化合物(D)の含有量は好ましくは17質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
本発明の硬化性組成物は重合性化合物(E)をできるだけ含まないことが好ましい。重合性化合物(E)の割合は、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)および重合性化合物(E)の合計100質量%のうち、0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましい。重合性化合物(E)の割合が前記範囲の上限値以下であれば、硬化物の屈折率の低下および硬化物のアッベ数の上昇が抑えられる。
重合開始剤(F)の添加量は、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)および重合性化合物(E)の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。重合開始剤(F)の添加量が0.01質量部以上であれば、容易に硬化物を形成できる。重合開始剤(F)の添加量は好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上である。重合開始剤(F)の添加量が10質量部以下であれば、硬化物に残存する重合開始剤(F)が少なくなるため、硬化物の可視光透過率の低下が抑えられる。重合開始剤(F)の添加量は好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
酸化防止剤(G)を含む場合、酸化防止剤(G)の添加量は、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)および重合性化合物(E)の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。酸化防止剤(G)の添加量が0.01質量部以上であれば、硬化物の初期透過率が向上でき、かつ硬化物の黄変を抑制できる。酸化防止剤(G)の添加量は好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上である。酸化防止剤(G)の添加量が10質以下であれば、硬化物の硬化性の低下が抑えられる。酸化防止剤(G)の添加量は好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
添加剤等の他の成分の合計の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲であればよく、重合性化合物(A)、重合性化合物(B)、重合性化合物(C)、化合物(D)および重合性化合物(E)の合計100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。
(作用機序)
以上説明した本発明の硬化性組成物にあっては、屈折率が高く、芳香環を有する重合性化合物への溶解性が高く、かつ硬化物の可視光透過率が高い重合性化合物(A)を含むため、屈折率が高く、可視光透過率が高い硬化物を得ることができる。
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物を硬化したものである。本発明の硬化物を基材の表面に形成して、本発明の硬化物からなる層と基材からなる層とを有する積層体としてもよい。
硬化物の波長589nmの光に対する屈折率は、1.60以上が好ましく、1.61以上がより好ましい。屈折率が前記範囲の下限値以上であれば、光学部材の材料とした場合、薄肉化が可能となる。上限は特に限定されないが、有機物であることを考慮すると1.85程度である。
硬化物のアッベ数νは、25以下が好ましく、24以下がより好ましい。アッベ数νが前記範囲の上限値以下であれば、光学部材の材料とした場合、アッベ数の高い材料と組み合わせることで色収差を減少させることができる。アッベ数νは低ければ低いほどよく、下限は特に限定されないが、有機物であることを考慮すると17程度である。
厚さ1mmの硬化物についての波長410nmの光に対する透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がさらに好ましい。硬化物の透過率は高ければ高いほどよく、上限は100%である。
(硬化物の製造方法)
本発明の硬化物を製造する方法としては、微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと硬化性組成物とを接触させた状態で該硬化性組成物を硬化させて、微細パターンを表面に有する硬化物を形成する方法(インプリント法);モールドのキャビティ内に硬化性組成物を注入し、該硬化性組成物を硬化させて硬化物を形成する方法(注型成形法)等が挙げられる。
硬化方法は、光硬化または熱硬化が挙げられ、重合開始剤(F)に応じて適宜選択すればよい。硬化方法としては、硬化物の製造のしやすさから、光硬化が好ましい。
(作用機序)
以上説明した本発明の硬化物にあっては、本発明の硬化性組成物を硬化したものであるため、屈折率が高く、可視光透過率が高い。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例1〜29は実施例であり、例30〜36は比較例である。
H−NMR)
重合性化合物(A)のH−NMRスペクトルは、FT−NMR装置(日本電子社製、JNM−AL300)を用いて測定した。
(化合物の屈折率)
化合物の屈折率は、アッベ屈折計(アタゴ社製、多波長アッベ屈折計DR−M2)を用い、温度:25℃、波長:589nmにおいて測定した。25℃で固体であるものについてはジベンジルエーテル(東京化成工業社製)を溶媒として25質量%の溶液を調製し、溶液について測定した値とジベンジルエーテルの屈折率の値から外挿して求めた。
(化合物のアッベ数)
化合物のアッベ数は、アッベ屈折計(同上)を用い、温度:25℃で、波長:589nm、486nm、および656nmのそれぞれの屈折率を測定し、前記式(XI)から算出した。
(化合物の粘度)
化合物(C)の粘度は、動的粘弾性測定装置(Anton Paar社製、Physica MCR301)を用いて、10s−1の剪断速度における動的粘弾性を25℃で測定し、求めた。
(芳香環を有する重合性化合物への溶解性)
化合物(A)、化合物(D)、化合物(E)の芳香環を有する重合性化合物への溶解性は、o−フェニルベンジルアクリレートと同質量を混和し、溶解性を目視で確認した。
(硬化物の作製:例1〜5、30、31)
離形処理を施した石英ガラス基板上に加熱溶解させた硬化性組成物を塗布し、100μmのスペーサーを介してもう1枚の離形処理を施した石英ガラス基板で挟み込んだものを化合物の融点以上に加熱しながら、高圧水銀ランプから紫外線を露光量:3000mJ/cmで照射した後、硬化物を石英ガラス基板から離形させた。得られた膜状の硬化物を125℃で15分間ベークし、厚さ:100μmの硬化物を得た。
(硬化物の作製:例6〜27、29、32〜35)
離形処理を施した石英ガラス基板上に硬化性組成物を塗布し、1mmのスペーサーを介してもう1枚の離形処理を施した石英ガラス基板で挟み込んだものに、高圧水銀ランプから紫外線を露光量:3000mJ/cmで照射した後、硬化物を石英ガラス基板から離形させた。得られた膜状の硬化物を125℃で15分間ベークし、厚さ:1mmの硬化物を得た。
(硬化物の作製:例28、36)
離形処理を施した石英ガラス基板上に50℃程度に加熱し溶解させた硬化性組成物を塗布し、1mmのスペーサーを介してもう1枚の離形処理を施した石英ガラス基板で挟み込んで挟持物を得た。この挟持物をホットプレート上に載置し、固体が析出しない温度(50℃程度)に加熱しながら、高圧水銀ランプから紫外線を露光量:3000mJ/cmで照射した後、硬化物を石英ガラス基板から離形させた。得られた膜状の硬化物を125℃で15分間ベークし、厚さ:1mmの硬化物を得た。
(硬化物の屈折率)
屈折率測定装置(米国メトリコン社製、プリズムカプラ:2010/M)を用いて、硬化物の25℃における波長473nm、594nmおよび658nmの光に対する屈折率を測定し、装置付属のMetricon Fitを用いて波長589nmの光に対する屈折率を算出した。
(硬化物のアッベ数)
上述の装置付属のMetricon Fitを用いて硬化物の各波長に対する屈折率を算出し、前記式(XI)からアッベ数を算出した。
(硬化物の透過率)
例1〜5、30、31で作製した厚さ:100μmの硬化物について紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所社製、Solid Spec−3700)を用いて波長410nmの光に対する光線透過率を測定した。
例6〜29、32〜36で作製した厚さ:1mmの硬化物について、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所社製、Solid Spec−3700)を用いて波長410nmの光に対する光線透過率を測定した。
(耐熱性)
硬化物を100℃のオーブンに入れ、100時間保持した。保持後の硬化物の変化を目視で観察し、下記基準にて評価した。
○(良):硬化物に変化なし。
×(悪):硬化物に着色あり。
(合成例1)
(4−(2−ナフタレニルチオ)ベンジルアクリレート(化合物(A−1)の合成)
工程(i):
Figure 2018104696
500mLの3つ口フラスコに、2−ナフタレンチオールの54.6g(340mmol)、4−フルオロベンズアルデヒドの52.1g(420mmol)、脱水アセトニトリルの300mL、炭酸カリウムの70.0g(507mmol)を仕込み、窒素雰囲気化で撹拌しながら6時間還流させた。その後、室温に戻して反応溶液を濾過し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。得られた固体を酢酸エチルに溶解させた後、HCl水溶液(1M)、飽和食塩水で洗浄した。ヘキサンで再結晶を行い、78.1gの淡黄色の固体を得た。収率は88%であった。
工程(ii):
Figure 2018104696
1Lの3つ口フラスコに、工程(i)で得られた固体78.1g(300mmol)をメタノール350mL、テトラヒドロフラン150mLを加え、撹拌しながら氷浴で10℃以下に冷却した。水素化ホウ素ナトリウムの22.3gを4回に分けて加えた後、室温に戻し、さらに4時間撹拌した。薄層クロマトグラフィ(TLC)で反応の終了を確認した後、HCl水溶液(1M)を200mL、酢酸エチルを100mL加え、さらに30分撹拌した。その後、有機層を抽出し、飽和食塩水で洗浄した。溶媒をロータリーエバポレーターで留去し、得られた固体76.5gをそのまま次の反応に用いた。
工程(iii):
Figure 2018104696
1Lの3つ口フラスコに、工程(ii)で得られた固体76.5g、トリエチルアミン43.3g(428mmol)にテトラヒドロフラン400mLを加え、撹拌しながら氷浴で10℃以下に冷却した。アクリロイルクロライド31.0g(342mmol)を2時間かけて滴下した後、10℃以下で3時間撹拌し、室温に戻しさらに1晩撹拌した。HCl水溶液(1M)を200mL、酢酸エチルを100mL加え、さらに30分撹拌した。その後、有機層を抽出し、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水の順番で洗浄した。シリカゲルカラム精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)を行い、白色固体を得た。得られた固体をメタノールで再結晶することで化合物(A−1)の69.1gを得た。工程(iii)の収率は75%であった。得られた化合物(A−1)の屈折率nは1.6472であった。H−NMRで同定を行った。
H−NMR(アセトン−d6、テトラメチルシラン(TMS)、300MHz):7.88(s、1H of ナフタレン環)、7.71(m、3H of ナフタレン環とベンゼン環)、7.40−7.31(m、7H of ナフタレン環とベンゼン環)、6.38(d、1H of CH=CH)、6.14(q、1H of CH=CH)、5.75(d、1H of CH=CH)、5.15(s、2H of CH−Ph)。
(合成例2)
(2−(2−ナフタレニルチオ)ベンジルアクリレート(化合物(A−2)の合成)
合成例1の4−フルオロベンズアルデヒドを2−フルオロベンズアルデヒドに変えた以外は合成例1と同様の方法で合成し、化合物(A−2)を得た。得られた化合物(A−2)の屈折率nは1.6416であった。H−NMRで同定を行った。
H−NMR(アセトン−d6、TMS、300MHz):7.76−7.29(m、11H of ナフタレン環とベンゼン環)、6.34(d、1H of CH=CH)、6.08(q、1H of CH=CH)、5.73(d、1H of CH=CH)、5.42(s、2H of CH−Ph)。
(合成例3)
(5−(2−ナフタレニルチオ)フルフリルアクリレート(化合物(A−17)の合成)
合成例1の4−フルオロベンズアルデヒドを5−ブロモ−2−フルアルデヒドに変えた以外は合成例1と同様の方法で合成し、化合物(A−17)を得た。得られた化合物(A−17)の屈折率nは1.6316であった。H−NMRで同定を行った。
H−NMR(アセトン−d6、TMS、300MHz):7.76−7.29(m、7H of ナフタレン環)、6.85(s、1H of フラン環)、6.61(s、1H of フラン環)、6.15(d、1H of CH=CH)、6.06(q、1H of CH=CH)、5.75(d、1H of CH=CH)、5.18(s、2H of −CH−)。
(合成例4)
(4−(2−ベンゾオキサゾリルチオ)ベンジルアクリレート化合物(A−27)の合成)
合成例1の2−ナフタレンチオールを2−メルカプトベンゾオキサゾールに変えた以外は合成例1と同様の方法で合成し、化合物(A−27)を得た。得られた化合物(A−27)の屈折率nは1.6382であった。H−NMRで同定を行った。
H−NMR(アセトン−d6、TMS、300MHz):7.82(t、2H of ベンゾオキサゾール環)、7.65(d、2H of ベンゼン環)、7.40−7.35(m、2H of ベンゾオキサゾール環)、7.12(d、2H of ベンゼン環)、6.19(d、1H of CH=CH)、6.11(q、1H of CH=CH)、5.80(d、1H of CH=CH)、5.05(s、2H of −CH−)。
(合成例5)
(2−(4−(2−ベンゾチアゾリルチオ)フェノキシ)エチルアクリレート化合物(A−31)の合成)
工程(i):
Figure 2018104696
500mLの3つ口フラスコに、2−メルカプトベンゾチアゾールの8.0g(48mmol)、フェノールの18.0g(190mmol)、脱水アセトニトリルの300mLを仕込み、窒素雰囲気化で撹拌しながら氷冷した。その後、ペルオキソ二硫酸カリウムの38.8g(144mmol)を加え、さらに撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸の21.1mL(240mmol)を内温が10℃以下になるように保ちながら30分かけて滴下した。その後、室温に戻してから60℃に加温して6時間撹拌した後、水と酢酸エチルを加え、有機層を抽出した。有機層を飽和重層水溶液、飽和食塩水で洗浄した。溶媒を減圧留去した後、ヘキサンで再結晶を行い、淡黄色の固体である4−(2−ベンゾチアゾリルチオ)フェノール5.4gを得た。200mLの3つ口フラスコに得られた4−(2−ベンゾチアゾリルチオ)フェノールの5.4g(21mmol)、炭酸エチレンの2.0g(23mmol)、炭酸カリウムの4.3g(32mmol)、N,N−ジメチルホルムアミドの50mLを仕込み、窒素雰囲気化、140℃で3時間撹拌した。その後、室温に戻してHCl水溶液(1M)の50mL、酢酸エチルの50mLを加え撹拌した後、有機層を抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、溶媒を減圧留去し、淡黄色の液体である2−(4−(2−ベンゾチアゾリルチオ)フェノキシエタノールの4.8gを得た。H−NMRで同定を行った。
H−NMR(アセトン−d6、テトラメチルシラン(TMS)、300MHz):7.80(t、2H of ベンゾチアゾール環)、7.65(d、2H of ベンゼン環)、7.38(t、1H of ベンゾチアゾール環)、7.27(d、1H of ベンゾチアゾール環)、7.09(d、2H of ベンゼン環)、4.17(d、2H of CH)、3.97(d、2H of CH)。
工程(iii):
Figure 2018104696
300mLの3つ口フラスコに、工程(i)で得られた固体4.8g(16mmol)、トリエチルアミン2.7g(27mmol)にテトラヒドロフラン80mLを加え、撹拌しながら氷浴で10℃以下に冷却した。アクリロイルクロライド1.8g(20mmol)を20分かけて滴下した後、10℃以下で3時間撹拌し、室温に戻しさらに1晩撹拌した。HCl水溶液(1M)を50mL、酢酸エチルを50mL加え、さらに30分撹拌した。その後、有機層を抽出し、飽和食塩水、飽和重層水、飽和食塩水の順番で洗浄した。シリカゲルカラム精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)を行い、白色固体を得た。得られた固体をメタノールで再結晶することで化合物(A−31)の4.6gを得た。工程(iii)の収率は82%であった。得られた化合物(A−31)の屈折率nは1.6527であった。H−NMRで同定を行った。
H−NMR(アセトン−d6、TMS、300MHz):7.80(t、2H of ベンゾチアゾール環)、7.65(d、2H of ベンゼン環)、7.38(t、1H of ベンゾチアゾール環)、7.27(d、1H of ベンゾチアゾール環)、7.09(d、2H of ベンゼン環)、6.35(d、1H of CH=CH)、6.10(q、1H of CH=CH)、5.77(d、1H of CH=CH)、4.32(d、2H of CH)、4.17(d、2H of CH)。
(比較合成例1)
(2−(2−ナフタレニルチオ)エチルアクリレート(化合物(E−1)の合成)
工程(1):
Figure 2018104696
200mLの3つ口フラスコに、2−ナフタレンチオールの10.0g(62mmol)、トリエチルアミンの6.3g(62mmol)、脱水テトラヒドロフランの100mLを仕込み、窒素雰囲気化で撹拌しながら溶解させた。2−ブロモエタノールの7.7g(62mmol)を滴下し、25℃で1時間撹拌した。その後、HCl水溶液(1M)50mLを加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、シリカゲルカラム精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)を行い、2−ナフタレニルチオエタノール(白色固体)の11.7gを得た。収率は91%であった。
工程(2):
Figure 2018104696
200mLの3つ口フラスコに、2−ナフタレニルチオエタノールの11.7g、トリエチルアミンの8.7g(86mmol)、脱水テトラヒドロフランの100mLを仕込み、撹拌しながら氷浴で10℃以下に冷却した。アクリロイルクロライド6.3g(70mmol)を30分かけて滴下した後、10℃以下で3時間撹拌し、室温に戻しさらに1晩撹拌した。HCl水溶液(1M)を50mL加え、さらに30分撹拌した。その後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水、飽和重層水、飽和食塩水の順番で洗浄した。シリカゲルカラム精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)を行い、化合物(E−1)(淡黄色の液体)の5.2gを得た。収率は33%であった。得られた化合物(E−1)の屈折率nは1.616であった。H−NMRで同定を行った。
1H−NMR(アセトン−d6、TMS、300MHz):7.89(s、1H of ナフタレン環)、7.74(m、3H of ナフタレン環)、7.42(m、7H of ナフタレン環)、6.33(d、1H of CH=CH)、6.08(q、1H of CH=CH)、5.74(d、1H of CH=CH)、4.37(t、2H of CH)、3.29(t、2H of CH)。
(重合性化合物(A))
重合性化合物(A−1):4−(2−ナフタレニルチオ)ベンジルアクリレート(合成例1で得たもの。n:1.647、ν:20.1、o−フェニルベンジルアクリレートへの溶解性:○(50質量%以上))。
重合性化合物(A−2):2−(2−ナフタレニルチオ)ベンジルアクリレート(合成例2で得たもの。n:1.642、ν:20.4、o−フェニルベンジルアクリレートへの溶解性:○(50質量%以上))。
重合性化合物(A−17):5−(2−ナフタレニルチオ)フルフリルアクリレート(合成例3で得たもの。n:1.632、ν:19.6、o−フェニルベンジルアクリレートへの溶解性:○(50質量%以上))。
重合性化合物(A−27):4−(2−ベンゾオキサゾリルチオ)ベンジルアクリレート化合物(合成例4で得たもの。n:1.638、ν:20.1、o−フェニルベンジルアクリレートへの溶解性:○(50質量%以上))。
重合性化合物(A−31):(2−(4−(2−ベンゾチアゾリルチオ)フェノキシ)エチルアクリレート(合成例5で得たもの。n:1.653、ν:18.9、o−フェニルベンジルアクリレートへの溶解性:○(50質量%以上))。
Figure 2018104696
(重合性化合物(B))
重合性化合物(B−1):9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル社製、オグソール(登録商標)EA−0200、溶剤:トルエン(5質量%)、n:1.611、ν:27.5、25℃における粘度:100000mPa・s以上)。
Figure 2018104696
(重合性化合物(C))
重合性化合物(C−1):o−フェニルベンジルアクリレート(n:1.583、ν:24.1、25℃における粘度:27mPa・s)。
重合性化合物(C−2):2−(o−フェニルフェノキシ)エチルアクリレート(新中村化学工業社製、A−LEN−10、n:1.577、ν:25.9、25℃における粘度:150mPa・s)。
重合性化合物(C−3):m−フェノキシベンジルアクリレート(n:1.564、ν:28.0、25℃における粘度:15mPa・s)。
重合性化合物(C−4):o−フェニルベンジルアクリレートとp−フェニルベンジルアクリレートとの混合物(DIC社製、ユニディック(登録商標)EKZ−948、n:1.591、ν:24.1、25℃における粘度:25mPa・s)。
Figure 2018104696
(化合物(D))
化合物(D−1):9−ビニルカルバゾール(東京化成工業社製、n:1.680、ν:16.4、o−フェニルベンジルアクリレートへの溶解性:×(50質量%未満))。
化合物(D−2):9−フェニルカルバゾール(東京化成工業社製、n:1.686、ν:18.0、o−フェニルベンジルアクリレートへの溶解性:×(50質量%未満))。
Figure 2018104696
(化合物(E))
化合物(E−1):2−(2−ナフタレニルチオ)エチルアクリレート(比較合成例1で得たもの、n:1.616、ν:22.5、o−フェニルベンジルアクリレートへの溶解性:○(50質量%以上))。
化合物(E−2):ビス(4−メタクロイルチオフェニル)スルフィド(東京化成工業社製、n:1.646、ν:20.1、o−フェニルベンジルアクリレートへの溶解性:×(50質量%未満)))。
Figure 2018104696
(重合開始剤(F))
重合開始剤(F−1):アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤(BASFジャパン社製、IRGACURE(登録商標)TPO)。
(酸化防止剤(G))
酸化防止剤(G−1):テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(フェノール系酸化防止剤、BASFジャパン社製、IRGANOX(登録商標)1010)。
酸化防止剤(G−2):トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット(リン酸系酸化防止剤、BASFジャパン社製、IRGAFOS(登録商標)168)。
酸化防止剤(G−3):ドデカンチオール(東京化成工業社製)。
(例1〜36)
表1および表2に記載の各成分を配合組成(数値は質量部)にしたがって配合し、ミックスローターで撹拌、混合することで均一で透明な硬化性組成物を得た。
Figure 2018104696
Figure 2018104696
硬化物の屈折率、アッベ数および透過率、耐熱性の結果を表3に示す。
Figure 2018104696
重合性化合物(A)を含む硬化性組成物の硬化物である例1〜5は、重合性化合物(E−1)を含む硬化性組成物の硬化物である例30に比べ、屈折率が高く、アッベ数が低かった。重合性化合物(E−2)を含む硬化性組成物の硬化物である例31は、硬化物の透過率が低く、耐熱性が悪く目視ではっきりとわかる着色が発生していた。また、重合性化合物(A)を含む例6〜14は、重合性化合物(A)を含まない例32に比べ、硬化物の屈折率が高く、アッベ数が低かった。また、重合性化合物(A)を含む例6〜14は、重合性化合物(A)の代わりに重合性化合物(E−1)、(E−2)、化合物(D−1)を含む例33〜35に比べて、硬化物の透過率が高かった。化合物(D−1)や、化合物(D−1)および(D−2)を含む例15〜27および29では、透過率を大幅に低下させずに、アッベ数をさらに低くすることができた。重合性化合物(A)を多く入れた例28では、塗布時および硬化時に加熱処理が必要であるが、屈折率が高く、アッベ数が低く、かつ、透過率も高い硬化物が得られた。しかし、常温(25℃)で取り扱うと硬化性組成物は固体が析出し、製膜性が低かった。一方で、重合性化合物(A)を同じ量入れ、かつ化合物(D−1)を入れた例29では、塗布時および硬化時に加熱処理を行わなくても、屈折率が高く、アッベ数が低く、かつ、透過率が高い硬化物が得られた。化合物(D−1)を多く入れた例36は、塗布時および硬化時に加熱処理を行えば、屈折率が高く、アッベ数が低い硬化膜が得られたが、透過率が低かった。また、例36の硬化性組成物は常温で取り扱うと固体が析出し、製膜性が低かった。
本発明の硬化性組成物は、光学部材(レンズ、プリズム、反射防止膜、光導波路、LED封止材等)、眼鏡レンズ、記録メディア、半導体デバイス製造等に用いられる材料として有用である。

Claims (15)

  1. 下記重合性化合物(A)の1〜100質量%と、
    下記重合性化合物(B)の0〜80質量%と、
    下記重合性化合物(C)の0〜99質量%と、
    下記化合物(D)の0〜20質量%と
    を含む(ただし、前記含有量は、前記重合性化合物(A)、前記重合性化合物(B)および前記重合性化合物(C)を含む全重合性化合物と下記化合物(D)との合計を100質量%としたときの含有量である。)、硬化性組成物。
    重合性化合物(A):下式(I)で表される化合物。
    {X−S(=O)−Y}{−Q−R} (I)
    ただし、
    Xは、置換基を有していてもよい、ベンゼン環を有する縮合環(FR)であり、
    Yは、置換基を有していてもよい芳香環であり、
    XおよびYは、Qと結合する結合手を合計でn個有し、
    Qは、2価の連結基であり、
    Rは、エチレン性二重結合を有する基であり、
    mは、0〜2の整数であり、
    nは、1〜4の整数である。
    重合性化合物(B):フルオレン環およびエチレン性二重結合を有する重合性化合物(ただし、前記重合性化合物(A)を除く)。
    重合性化合物(C):25℃における粘度が2000mPa・s以下であり、25℃における波長589nmの光に対する屈折率が1.55以上である、エチレン性二重結合を有する重合性化合物(ただし、前記重合性化合物(A)および前記重合性化合物(B)を除く)。
    化合物(D):下式(XI)から求めたアッベ数が20.0以下である化合物(ただし、前記重合性化合物(A)、前記重合性化合物(B)および前記重合性化合物(C)を除く)。
    ν=(n−1)/(n−n) (XI)
    ただし、νは、アッベ数であり、nは、25℃における波長589nmの光に対する屈折率であり、nは、25℃における波長486nmの光に対する屈折率であり、nは、25℃における波長656nmの光に対する屈折率である。
  2. 前記重合性化合物(A)の含有量が1〜80質量%であり、前記重合性化合物(C)の含有量が0〜97質量%であり、前記化合物(D)の含有量が1〜20質量%である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記重合性化合物(B)の含有量が1〜80質量%である、請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 重合開始剤(F)をさらに含み、
    前記重合開始剤(F)の添加量が、前記全重合性化合物と前記化合物(D)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 酸化防止剤(G)をさらに含み、
    前記酸化防止剤(G)の添加量が、前記全重合性化合物と前記化合物(D)との合計100質量部に対して、0.01〜10質量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記縮合環(FR)が、ナフタレン環、アントラセン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、フルオレン環およびフェナントレン環からなる群から選ばれる環である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記芳香環が、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環およびビフェニル環からなる群から選ばれる環である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記mが0である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記縮合環(FR)が、ナフタレン環、ベンゾチアゾール環およびベンゾオキサゾール環からなる群から選ばれる環であり、かつ前記芳香環が、ベンゼン環およびフラン環からなる群から選ばれる環である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化した硬化物。
  11. 下式(I)で表される、重合性化合物。
    {X−S(=O)−Y}{−Q−R} (I)
    ただし、
    Xは、置換基を有していてもよい、ベンゼン環を有する縮合環(FR)であり、
    Yは、置換基を有していてもよい芳香環であり、
    XおよびYは、Qと結合する結合手を合計でn個有し、
    Qは、2価の連結基であり、
    Rは、エチレン性二重結合を有する基であり、
    mは、0〜2の整数であり、
    nは、1〜4の整数である。
  12. 前記縮合環(FR)が、ナフタレン環、アントラセン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、フルオレン環およびフェナントレン環からなる群から選ばれる環である、請求項11に記載の重合性化合物。
  13. 前記芳香環が、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環およびビフェニル環からなる群から選ばれる環である、請求項11または12に記載の重合性化合物。
  14. 前記mが0である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の重合性化合物。
  15. 前記縮合環(FR)が、ナフタレン環、ベンゾチアゾール環およびベンゾオキサゾール環からなる群から選ばれる環であり、かつ前記芳香環が、ベンゼン環およびフラン環からなる群からからばれる環である、請求項11〜14のいずれか一項に記載の重合性化合物。
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