JP2018095552A - バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブ - Google Patents

バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブ Download PDF

Info

Publication number
JP2018095552A
JP2018095552A JP2018011085A JP2018011085A JP2018095552A JP 2018095552 A JP2018095552 A JP 2018095552A JP 2018011085 A JP2018011085 A JP 2018011085A JP 2018011085 A JP2018011085 A JP 2018011085A JP 2018095552 A JP2018095552 A JP 2018095552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon nanotubes
carbon
reaction
population
nanotubes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018011085A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6630379B2 (ja
Inventor
ダラス ビー. ノイズ
B Noyes Dallas
ダラス ビー. ノイズ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seerstone LLC
Original Assignee
Seerstone LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seerstone LLC filed Critical Seerstone LLC
Publication of JP2018095552A publication Critical patent/JP2018095552A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6630379B2 publication Critical patent/JP6630379B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/158Carbon nanotubes
    • C01B32/16Preparation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/158Carbon nanotubes
    • C01B32/16Preparation
    • C01B32/162Preparation characterised by catalysts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2202/00Structure or properties of carbon nanotubes
    • C01B2202/20Nanotubes characterized by their properties
    • C01B2202/22Electronic properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2202/00Structure or properties of carbon nanotubes
    • C01B2202/20Nanotubes characterized by their properties
    • C01B2202/36Diameter
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2004/00Particle morphology
    • C01P2004/51Particles with a specific particle size distribution
    • C01P2004/53Particles with a specific particle size distribution bimodal size distribution
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/11Powder tap density

Abstract

【課題】新規の有用な組成物、すなわち、相対的により大きい直径のカーボンナノチューブの第1の集団と、相対的により小さい直径のカーボンナノチューブの別個の第2の集団とを含む、全般的にバイモーダルなサイズ分布を有するカーボンナノチューブ混合物を提供する。【解決手段】バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブの混合物を含む組成物を、炭素酸化物を触媒の存在下で還元剤を用いて還元することによって生成する。得られるナノチューブの混合物は、40ナノメートル超の特有の直径を有する多層カーボンナノチューブの第1の集団と、30ナノメートル未満の特有の直径を有する単層ナノチューブであるように見えるものの第2の集団とを含む。得られる混合物はまた、炭素の1つ以上の他の同素体および形態を種々の割合で含有し得る。このカーボンナノチューブの混合物は、特有の抵抗率および密度を含む、特定の希有と思われる特性を有する。【選択図】なし

Description

優先権の主張
本出願は、2012年4月23日に出願された、米国仮特許出願第 61/637,229号、名称「Carbon Nanotubes Having a Bimodal Size Distribution」の出願日の利益を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
技術分野
本開示の実施形態は概して、広範なサイズ分布を有し、全般的にバイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブから成る組成物に関する。本開示はさらに、実質的に2つ以上の別個のカーボンナノチューブの集団から成るバイモーダル組成物であって、第1の成長集団が、特性として著しくより大きいカーボンナノチューブ(典型的には、多層カーボンナノチューブ)から成り、特性として遥かにより小さいナノチューブ(典型的には、単層カーボンナノチューブ)から成る第2の成長集団を伴う組成物の生成のための方法を提供する。
2012年2月9日に公開された米国特許出願公開第2012/0034150A1号は、本明細書の背景情報を開示し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
追加の情報が、発明者としてDallas B.Noyesを列挙する以下の文書で開示され、それぞれの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
1.Dallas B.Noyesの名義で、2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,702号の利益を主張する、「Methods and Structures for Reducing Carbon Oxides with Non−Ferrous Catalysts」について本願と同日に出願された、PCT/US2013/000072(代理人整理番号3525−P10945.1PC)、
2.Dallas B.Noyesの名義で、2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,573号の利益を主張する、「Methods and Systems for Thermal Energy Recovery from Production of Solid Carbon Materials by Reducing Carbon Oxides」について本願と同日に出願された、PCT/US2013/000076(代理人整理番号3525−P10946.1PC)、
3.Dallas B.Noyesの名義で、2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,723号の利益を主張する、「Methods for Producing Solid Carbon by Reducing Carbon Dioxide」について本願と同日に出願された、PCT/US2013/000077(代理人整理番号3525−P10947.1PC)、
4.Dallas B.Noyesの名義で、2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,753号の利益を主張する、「Methods and Reactors for Producing Solid Carbon Nanotubes,Solid Carbon Clusters,and Forests」について本願と同日に出願された、PCT/US2013/000073(代理人整理番号3525−P11001.1PC)、
5.Dallas B.Noyesの名義で、2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,513号の利益を主張する、「Methods for Treating an Offgas Containing Carbon Oxides」について本願と同日に出願された、PCT/US2013/000075(代理人整理番号3525−P11002.1PC)、
6.Dallas B.Noyesの名義で、2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,848号の利益を主張する、「Methods for Using Metal Catalysts in Carbon Oxide Catalytic Converters」について本願と同日に出願された、PCT/US2013/000071(代理人整理番号3525−P11248.1PC)、
Dallas B.Noyesの名義で、2012年4月16日に出願された米国特許出願第61/624,462号の利益を主張する、「Methods and Systems for Capturing and Sequestering Carbon and for Reducing the Mass of Carbon Oxides in a Waste Gas Stream」について本願と同日に出願された、PCT/US2013/000081(代理人整理番号3525−P11249.1PC)、および
7.Dallas B.Noyesの名義で、2012年7月13日に出願された米国特許出願第61/671,464号の利益を主張する、「Methods and Systems for Forming Ammonia and Solid Carbon Products」について本願と同日に出願された、PCT/US2013/000078(代理人整理番号3525−P11361.1PC)。
固体炭素は、数多くの商業的用途を有する。これら用途は、タイヤ、インク等のフィラー材料としてのカーボンブラックおよび炭素繊維の使用等の長期間にわたる使用、種々の形態のグラファイト(例えば、遮熱剤としての熱分解グラファイト)のための使用、およびバックミンスターフラーレンおよびカーボンナノチューブのための革新的かつ新たに出現した用途を含む。CNT(カーボンナノチューブ)は、強度、電流容量、ならびに熱および電気伝導性を含む、その固有の材料特性のため、有益であり得る。現在のCNTのバルク用途としては、複合材の製造における樹脂への添加物としての用途が挙げられる。CNTの用途に関する研究および開発は、使用されている、または検討中の多種多様な用途において非常に活発である。CNTの広範囲にわたる使用に対する1つの障害は、製造コストとなっている。
種々の形態の固体炭素を製造するための従来の方法は、一般的に、好適な触媒の存在下での炭化水素の熱分解を含む。炭化水素は、歴史的に多量の入手可能性があり、比較的低価格であるため、一般的に、炭素源として使用される。固体炭素の生成における、炭素源としての炭素酸化物の使用は、殆ど未開発のままである。
炭素酸化物、特に二酸化炭素は、炭化水素燃焼の排気ガス等の点状の排出源から、またはいくつかのプロセスオフガスから抽出され得る、多量のガスである。二酸化炭素はまた、空気からも抽出され得る。点状の排出源は、空気よりも著しく高い二酸化炭素濃度を有するので、該排出源は、しばしば、二酸化炭素を採取するための経済的な源である。しかしながら、空気の即時的な入手可能性は、空気中の二酸化炭素から固体炭素生成物を局所的に製造することによる輸送コストの排除によって、コストの相殺を提供し得る。
二酸化炭素はまた、発電および化学プロセスの副産物として益々入手可能および安価になっており、ここでは1つの課題が、二酸化炭素の捕獲およびその後の隔離によって(例えば、地質形成物中へ注入することによって)、二酸化炭素の大気中への排出を削減する、または排除することであり得る。例えば、二酸化炭素の捕獲および隔離は、いくつかの「グリーン」石炭燃焼発電所の基礎である。現在の実務において、二酸化炭素の捕獲および隔離は、多大なコストを必要とする。
種々の平衡が確認されている、炭素、酸素、および水素の関与する多種多様な反応がある。炭化水素の熱分解は、一般的に酸素が殆どまたは全く存在しない状態で、固体炭素の生成に好都合である水素と炭素との間の平衡を伴う。「一酸化炭素の不均化反応」とも称されるBoudouard反応は、一般的に水素が殆どまたは全く存在しない状態で、固体炭素の生成に好都合である炭素と酸素との間の平衡の範囲である。ボッシュ反応は、同じく固体炭素の生成に好都合である反応条件下で、炭素、酸素、および水素の全てが存在する平衡の範囲内である。
炭化水素の熱分解と、Boudouard反応と、ボッシュ反応との関係は、図94で示されるように、C−H−O平衡状態図に関して理解され得る。C−H−O平衡状態図は、カーボンナノチューブ(「CNT」)を含む、固体炭素までの種々の既知の経路を含む。炭化水素の熱分解反応は、図94のHとCを結ぶ平衡線上、および破線の左上への三角形の左縁部の近くの領域の中で起こる。熱分解ゾーンとボッシュ反応ゾーンとの間の遷移は、反応器温度によって変化し得るので、2つの破線が示されている。Boudouard反応、すなわち一酸化炭素の不均化反応は、OとCを結ぶ平衡線の近く(すなわち、三角形の右縁部)で起こる。本図を横切る種々の温度に関する平衡線は、固体炭素が形成されるおよその領域を示す。各温度について、固体炭素は、関連する平衡線の上側の領域で形成され得るが、全般的に、平衡線の下側の領域では形成されない。Boudouard反応ゾーンは、三角形の右側に現れる。図94を参照。このゾーンでは、熱力学的にボッシュ反応よりもBoudouard反応が好ましい。熱分解ゾーンとBoudouard反応ゾーンとの間の領域、および特定の反応温度曲線の上側では、熱力学的にBoudouard反応よりもボッシュ反応が好ましい。
米国特許第7,794,690号(Abatzoglou他)は、有機材料からの炭素の隔離のための、乾燥改質プロセスを教示する。Abatzoglouは、随意に3D乾燥改質触媒を伴う、2D炭素隔離触媒を利用する方法を開示している。例えば、Abatzoglouは、第1段階で、3D触媒上で有機材料(例えば、メタン、エタノール)およびCOを乾燥改質して合成ガスを形成し、それに続いて、CNTおよびカーボンナノフィラメントを形成するために2D炭素鋼触媒上で合成ガスを炭素隔離するための、2段階プロセスを開示している。2D触媒は、非多孔性金属担体もしくはセラミック担体上の活性金属(例えば、Ni、Rh、Ru、Cu−Ni、Sn−Ni)、またはモノリス担体上の鉄系触媒(例えば、鋼)であり得る。3D触媒は、類似の組成であり得るか、または類似の担体上の複合触媒(例えば、Ni/ZrO−Al)であり得る。Abatzoglouは、鉄をそのアルファ相へと変態させるために、その共晶点を超える温度で触媒の表面に不活性ガスストリームを通過させることによる、2D触媒の事前活性化を教示している。Abatzoglouは、2段階プロセスにおいて水を最小にすること、または乾燥改質の第1段階中に、反応ガス混合物中に低濃度(0〜10重量%)の水を添加することを教示している。
米国特許出願公開第2012/0034150A1号 米国特許第7,794,690号
開示
本開示は、新規の有用な組成物、すなわち、相対的により大きい直径のカーボンナノチューブの第1の集団と、相対的により小さい直径のカーボンナノチューブの別個の第2の集団とを含む、全般的にバイモーダルなサイズ分布を有するカーボンナノチューブ混合物に関する。固体炭素生成物のタイプ、純度、および均一性は、反応条件(時間、温度、圧力、反応物質の分圧)および触媒(サイズ、形成方法、および触媒の形態を含む)によって制御される。カーボンナノチューブの第1の集団はそれ自身、「フォレスト」形態、「ピロー」形態を含む種々の形態、ならびに全体に分布する第2の集団を伴う種々のサイズおよび形状の凝集体で編成され得る。全般的に、第1の集団は、カーボンナノ繊維を含み得る多層カーボンナノチューブ材料であり、一方第2の集団は、より小さい直径の単層、2層、または3層カーボンナノチューブ材料である。典型的に、第1の集団は、特有のサイズにおいて第2の集団より著しい多様性を有するようである。
本開示はまた、全般的にバイモーダルなサイズ分布を有するカーボンナノチューブ、すなわち、結果として生じるナノチューブの大部分が2つの分離したナノチューブの集団のうちの1つに入り、1つの集団が、相対的により大きい直径を有するナノチューブであり、第2の集団が、相対的により小さい直径を有するナノチューブである、カーボンナノチューブの生成のための方法に関する。いくつかの実施形態では、2つ以上の集団は、種々の相対的割合の総組成物を伴う種々のサイズの漸次的移行を含み得る。さらに、ある特定の実施形態ではまた、炭素の同素体および形態が、カーボンナノチューブ集団と同時に発生し得る。
早期の指標は、このバイモーダル組成物は、より大きい多層CNTに典型的である強化された引張り強度と単層CNTに典型的である強化された電気および熱伝導特性とを組み合わせた特有の工学特性を有し得るということを示している。したがって、このバイモーダル組成物は、少なくともいくつかの用途のためのCNT製造の分野において著しい改善であり得る。
[本発明1001]
少なくとも約50:1のアスペクト比を有し、かつ実質的に同じ長さを有する略円筒形繊維を含む、カーボンナノチューブの第1の集団と、
前記第1の集団の平均直径よりも小さい平均直径を有する略円筒形繊維を含む、カーボンナノチューブの第2の集団と
を含む固体炭素組成物であって、
前記第2の集団が前記第1の集団と絡み合わされ、かつ前記第2の集団が不規則な配向を有する、固体炭素組成物。
[本発明1002]
前記第1の集団が、フォレスト形態で整列されたカーボンナノチューブを有する、本発明1001の組成物。
[本発明1003]
前記第1の集団が、ピロー形態で絡まるカーボンナノチューブを有する、本発明1001の組成物。
[本発明1004]
前記第1および第2の集団カーボンナノチューブが絡まる、本発明1001の組成物。
[本発明1005]
前記第1の集団が、4つ以上の層を有する多層カーボンナノチューブから成る、本発明1001の組成物。
[本発明1006]
前記第1の集団の前記カーボンナノチューブの前記平均直径が、前記第2の集団の前記カーボンナノチューブの前記平均直径より少なくとも約3倍大きい、本発明1001の組成物。
[本発明1007]
前記第1の集団の前記カーボンナノチューブの前記平均直径が、前記第2の集団の前記カーボンナノチューブの前記平均直径より少なくとも約3〜15倍大きい、本発明1006の組成物。
[本発明1008]
前記第2の集団内の前記カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つが、前記第1の集団内の前記カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つに化学的に結合している、本発明1001の組成物。
[本発明1009]
前記第1の集団が、20nm〜200nmの特有の直径を有するカーボンナノチューブを含む、本発明1001の組成物。
[本発明1010]
前記第1の集団が、40nm超の特有の直径を有するカーボンナノチューブを含み、前記第2の集団が、30nm未満の特有の直径を有するカーボンナノチューブを含む、本発明1001の組成物。
[本発明1011]
前記第1の集団が、80nm〜150nmの特有の直径を有するカーボンナノチューブを含み、前記第2の集団が、10〜25nmの特有の直径を有するカーボンナノチューブを含む、本発明1001の組成物。
[本発明1012]
前記第2の集団が、多層カーボンナノチューブから成る、本発明1001の組成物。
[本発明1013]
前記多層カーボンナノチューブが、25nm未満の直径を有する単層、2層、および3層カーボンナノチューブを含む、本発明1012の組成物。
[本発明1014]
前記第1および前記第2の集団の中間の直径を有する、ナノチューブの第3の集団をさらに含む、本発明1001の組成物。
[本発明1015]
1つ以上のさらなる炭素の同素体および形態が、前記カーボンナノチューブに加えて存在する、本発明1001の組成物。
[本発明1016]
29.0kPaにおいて、87.6kPaにおけるその抵抗率の2.25〜2.75倍である抵抗率を有する、カーボンナノチューブの混合物。
[本発明1017]
1立方フィートあたり約20ポンド〜1立方メートルあたり480キログラム超の転圧密度を有する、カーボンナノチューブの混合物。
[本発明1018]
前記混合物が、29.0kPaにおいて1立方メートルあたり320キログラムを超える転圧密度、および87.6kPaにおいて1立方メートルあたり480キログラムを超える転圧密度を有する、本発明1017のカーボンナノチューブの混合物。
[本発明1019]
バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブの混合物であって、
炭素酸化物ガスストリームおよび還元剤ガスストリームを混合して、反応ガス混合物を形成することと、
前記反応ガス混合物を、所定の反応温度および所定の圧力下で、所定の固体触媒を含有する反応容器中へ通すことと、
前記反応混合物を、前記固体触媒の存在下で反応させて、カーボンナノチューブを形成することと、
前記ナノチューブを前記反応容器から取り出すことと
を含むプロセスによって形成される、カーボンナノチューブの混合物。
[本発明1020]
バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブの混合物を生成する方法であって、
炭素酸化物ガスストリームおよび還元剤ガスストリームを混合して、反応ガス混合物を形成することと、
前記反応ガス混合物を、所定の反応温度および所定の圧力で、所定の固体触媒を含有する反応容器へ導入することと、
前記反応混合物を、前記固体触媒の存在下で反応させて、カーボンナノチューブを形成することと、
前記ナノチューブを前記反応容器から取り出すことと
を含む、方法。
[本発明1021]
前記触媒が、軟鋼、ステンレス鋼304、ステンレス鋼316L、または炭素鋼触媒を含む、本発明1020の方法。
[本発明1022]
前記所定の反応温度が、約450℃〜約900℃である、本発明1020の方法。
[本発明1023]
前記所定の反応温度が、約600℃〜約700℃である、本発明1022の方法。
[本発明1024]
前記所定の反応圧力が、約53kPa〜約133kPaである、本発明1020の方法。
[本発明1025]
バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブの混合物を生成する方法であって、
炭素酸化物ガスストリームおよび還元剤ガスストリームを混合して、反応ガス混合物を形成することであって、前記還元剤ガスストリームが、メタン、水素、メタノール、エタン、およびエタノールから成る群から選択される、ことと、
前記反応ガス混合物を、所定の反応温度および所定の圧力で、触媒を含有する反応容器中へ通すことであって、前記触媒が、ステンレス鋼、軟鋼、または炭素鋼を含む、ことと、
前記反応混合物を、固体触媒の存在下で反応させて、カーボンナノチューブを形成することと、
前記ナノチューブを前記反応容器から取り出すことと
を含む、方法。
[本発明1026]
前記固体触媒の存在下での前記反応混合物中の水の分圧が、所定の分圧を維持するために調節される、本発明1020の方法。
[本発明1027]
前記水の分圧が、凝縮、圧縮、過剰な水の除去、加熱、または水の添加によって調節される、本発明1026の方法。
[本発明1028]
反応ガス混合物の一部分を含むように、前記反応容器からテールガスストリームを再循環させることをさらに含む、本発明1020の方法。
[本発明1029]
バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブの混合物を生成するための方法であって、
炭素酸化物ガスストリームおよび還元剤ガスストリームを混合して、反応ガス混合物を形成することと、
前記反応ガス混合物を、所定の反応温度および所定の圧力で、所定の固体触媒を含有する反応容器中へ通すことであって、前記固体触媒が、その中で存在する鉄がアルファ相にない、担持されていない鉄系触媒を含む、ことと、
前記反応ガス混合物を、前記固体触媒の存在下で反応させて、カーボンナノチューブを形成することと、
前記反応容器中の水蒸気圧を、所定のレベルに継続的に維持することと、
前記形成されたナノチューブを、前記反応容器から取り出すことと、を含む、方法。
[本発明1030]
前記鉄が、実質的に非酸化状態にある、本発明1029の方法。
[本発明1031]
前記鉄が、還元状態にある、本発明1030の方法。
開示される方法の他の特徴および利点は、添付のグラフおよび図面と関連してなされる以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。
本開示のプロセスが、反応ガスの再循環を用いてどのように実施され得るかを示す、プロセスフロー図を例示する。 本開示のプロセスが、反応ガスの単一通過を用いてどのように実施され得るかを示す、プロセスフロー図を例示する。 250倍の倍率の、試料85Bからのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 2000倍の倍率の、試料858からのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 99,981倍の倍率の、試料85からのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 99,981倍の倍率の、試料85からのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブのTEM画像を示す。 試料85からのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブの別のTEM画像を示す。 試料85からのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブの別のTEM画像を示す。 7000倍の倍率の、試料112からのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 9980倍の倍率の、試料112からのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料112からのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 200,000倍の倍率の、試料112からのフォレスト成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 200,000倍の倍率の、試料35からのピロー成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 300,000倍の倍率の、試料35からのピロー成長バイモーダルカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 500,038倍の倍率の、試料35からのピロー成長バイモーダルカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 10,000倍の倍率の、試料37からのピロー成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,008倍の倍率の、試料37からのピロー成長バイモーダルカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 200,000倍の倍率の、試料37からのピロー成長バイモーダルカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 10,004倍の倍率の、試料55からのピロー成長バイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 20,000倍の倍率の、試料55からのバイモーダルカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料55からのバイモーダルカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 1,000倍の倍率の、試料62からのバイモーダルカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料62からのバイモーダルカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 200,000倍の倍率の、試料62からのバイモーダルカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 10,000倍の倍率の、試料80からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料80からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 400倍の倍率の、試料85からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 2,000倍の倍率の、試料85からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 2,000倍の倍率の、試料85BからのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 80,000倍の倍率の、試料85AからのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料85BからのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料85Bからのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 1,000倍の倍率の、試料105からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 40,000倍の倍率の、試料85Bからのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料105からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 20,000倍の倍率の、試料108からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料108からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料108からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 20,000倍の倍率の、試料109からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料109からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料109からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 80,000倍の倍率の、試料109からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 7000倍の倍率の、試料112からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料112からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料112からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 200,000倍の倍率の、試料112からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 1,000倍の倍率の、試料115からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 9943倍の倍率の、試料115からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 50,015倍の倍率の、試料115からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 1,000倍の倍率の、試料118からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料118からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料118からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 1,000倍の倍率の、試料131からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 10,000倍の倍率の、試料131からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料131からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料131からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 本明細書に開示される組成物の試料を調製するために使用される高圧実験装置の概略図を示す。 10,000倍の倍率の、試料137からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 10,000倍の倍率の、試料137からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料137からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料165からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料165からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 49,993倍の倍率の、試料172からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料173からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料174からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,002倍の倍率の、試料177からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料178からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料204からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料204からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料206からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料207からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料208からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料209からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料210からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料210からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 10,000倍の倍率の、試料20からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 40,000倍の倍率の、試料20からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 40,000倍の倍率の、試料20からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 40,000倍の倍率の、試料20からのカーボンナノチューブの別のSEM画像を示す。 1,000倍の倍率の、試料32からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 10,000倍の倍率の、試料32からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 50,000倍の倍率の、試料32からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料32からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 カーボンナノチューブ生成のための装置およびサブシステムの概略図を示す。 カーボンナノチューブ生成のための装置およびサブシステムの概略図を示す。 カーボンナノチューブ生成のための装置およびサブシステムの概略図を示す。 カーボンナノチューブ生成のための装置およびサブシステムの概略図を示す。 カーボンナノチューブ生成のための装置およびサブシステムの概略図を示す。 カーボンナノチューブ生成のための装置およびサブシステムの概略図を示す。 カーボンナノチューブ生成のための装置およびサブシステムの概略図を示す。 カーボンナノチューブ生成のための装置およびサブシステムの概略図を示す。 カーボンナノチューブ生成のための装置およびサブシステムの概略図を示す。 100,000倍の倍率の、試料225からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料226からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料227からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料228からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料229からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料230からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料231からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 100,000倍の倍率の、試料232からのカーボンナノチューブのSEM画像を示す。 別の試料からのバイモーダル材料の単層集団の特性を示す、図表およびグラフを示す。 別の試料からのバイモーダル材料の単層集団の特性を示す、図表およびグラフを示す。 別の試料からのバイモーダル材料の単層集団の特性を示す、図表およびグラフを示す。 別の試料からのバイモーダル材料の単層集団の特性を示す、図表およびグラフを示す。 別の試料からのバイモーダル材料の単層集団の特性を示す、図表およびグラフを示す。 別の試料からのバイモーダル材料の単層集団の特性を示す、図表およびグラフを示す。 マルチモーダルカーボンナノチューブが、開示される反応中にどのように形成され得るかに関する1つの理論を説明するため、またより小さい直径のチューブが、より大きい直径のナノチューブに化学的に結合され得ることを結論付けるための、カーボンナノチューブの概略図を示す。 C−H−O平衡状態図を示す。
本明細書で開示されるプロセスの種々の実施形態は、バイモーダルサイズ分布、すなわち、相対的により大きい直径の多層カーボンナノチューブの第1の成長集団と、典型的には、少なくともいくつかの単層カーボンナノチューブを含む相対的により小さい直径のカーボンナノチューブの第2の成長集団とを有する、カーボンナノチューブの混合物をもたらす。本明細書で説明されるようなバイモーダル組成物中に、追加のカーボンナノチューブの集団ならびに他の炭素の同素体および形態が、存在してもよい。多層カーボンナノチューブは、例えば、2、3、4層以上の厚さの、複数の巻いた、積み重ねた、または入れ子状態のナノチューブの層を含有し得る。現在の分析は、質量に基づいて、ナノチューブの大部分は、第1の成長集団に属し、より大きい直径を有し得ること、またその一方で、数値的により多くの第2の成長集団に関連付けられるより小さい直径のナノチューブが実在し得ることを示唆している。したがって、大きい直径のナノチューブは典型的には、質量的に主成分を構成し、第2の成長として生じるより小さい直径の集団が、高度に絡み、いくつかの場合には、大きい直径のナノチューブの表面に付着するか、またはそこから成長するようである。このバイモーダル組成物は、双方のサイズの特性が組み合わさっているように思われ、より大きい直径のナノチューブに典型的であるより大きい強度と、より小さい直径のナノチューブに典型的である強化された熱および電気伝導性とを与える。
ある特定の実施形態では、第2の集団内の1つ以上のカーボンナノチューブは、第1の集団内のカーボンナノチューブのうちの少なくとも1つに化学的に結合され得る。
本開示の目的に関して、「バイモーダル組成物」および類似の用語および言及は、異なる平均直径を有する2つ以上のカーボンナノチューブの集団が存在する説明される組成物を含むことを意図し、また種々の他の炭素の同素体および形態も含み得ることに留意されたい。カーボンナノチューブと同時に発生することが観察されている特定の同素体としては、フラーレン、グラファイト形態、カーボンナノ繊維、見かけがコークスおよび種々の形態を含むアモルファス炭素、ならびにこれらの同素体の混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、バイモーダル組成物は、2つ以上のカーボンナノチューブの集団を含むことができ、ナノチューブの第1の集団は、平均して、ナノチューブの第2の集団より直径が相対的に著しく大きい。いくつかの実施形態では、第1の集団は、例えば、約20〜200nm、具体的には平均80〜150nmの特有の直径を有するカーボンナノチューブを含み得る。例えば、第1の集団は、少なくとも50:1のアスペクト比を有し得る。いくつかの実施形態では、第2の集団は、約30nm未満、具体的には、25nm未満、より具体的には平均約10nm未満の特有の直径を有するカーボンナノチューブを含み得る。ある特定の実施形態では、第2の集団は、約25nm未満の平均直径を有する単層、2層、および3層カーボンナノチューブを含み得る。ある特定の実施形態では、バイモーダル組成物は、全般的に第1および第2の集団の中間の直径を有するナノチューブの第3の集団を含み得る。
ある特定の実施形態では、カーボンナノチューブのバイモーダル組成物は、固有の構造特性、化学的特性、および電気特性を含む、固有の特性を表し得る。いくつかの実施形態では、カーボンナノチューブのバイモーダル混合物は、29.0kPaにおいて、87.6kPaにおけるその抵抗率の2.25〜2.75倍である抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、カーボンナノチューブの混合物は、29.0kPaにおいて1立方メートルあたり320キログラム(1立方フィートあたり20ポンド)を超える転圧密度、および87.6kPaにおいて1立方あたり480キログラム(1立方フィートあたり30ポンド)を超える転圧密度を有する。
いくつかの実施形態では、全般的にバイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブを有するそのような組成物を生成するための方法は、鉄等の触媒の存在下、および特定の所望の形態のカーボンナノチューブに最適化された反応条件下での、水素またはメタン等の種々の還元ガスのうちのいずれかによる二酸化炭素の還元を含む。広範な炭素源(例えば、炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、アルコール)およびそれらの種々の混合物が、広範な還元剤(例えば、メタン、水素、炭化水素、アルコール)およびそれらの種々の混合物とともに使用され得る。本明細書で開示されるプロセスを用いて、バイモーダル組成物は、容易に形成することができ、結果として生じる組成物が成分集団の各々による有益な特性を有するという点で価値を有することができる。
実施形態では、バイモーダル組成物の生成のための方法は、本明細書で開示される通り、触媒の存在下、および任意の特定の所望のタイプの固体炭素に最適化された反応条件下での、水素またはメタン等の種々の還元ガスのうちのいずれかによる二酸化炭素の還元による、ボッシュ反応またはその変形を採用し得る。ボッシュ反応は、先に説明される通り、C−H−O平衡状態図の内側領域(すなわち、Boudouard反応ゾーンと熱分解ゾーンとの間の領域)での反応を含み、該内側領域では、固体炭素と、炭素の化合物と、水素と、酸素との間に平衡が確立され得る。C−H−O平衡状態図の中央領域は、CNTおよび他の形態の固体炭素の形成に好都合である複数の点を有する。生成される固体炭素のタイプは、触媒、反応ガス、および反応条件の選択および処理によって選択的に制御することができる。したがって、これらの方法は、CNT等の有益な固体炭素生成物の生成のための新しい道を開く。この触媒変換プロセスは、種々の分離技術、および種々の二酸化炭素発生プロセスに組み込むことができる。
ボッシュ反応は、本明細書で説明される通り、還元剤(例えば、水素、炭化水素等)を用いて、炭素酸化物を固体炭素(例えば、グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、繊維状炭素、バックミンスターフラーレン、単層CNT、多層CNT、炭素プレートレット、ナノダイヤモンド等)および水に還元する。該反応は、触媒の存在下で、約600℃を超える、例えば、約650℃を超える温度で実施され得る。CNT、グラファイト、またはC60フラーレンの形成において、二酸化炭素の水素とのボッシュ反応は、穏やかな発熱性であり(熱を生成し)、以下の化学量論で進行する:
CO+2H←→C(S)+2HO (反応式1)。
反応式1におけるCNTの形成は、650℃で約24.9kcal/molを放出する(すなわち、ΔH=−24.9kcal/mol)。反応式1におけるグラファイトの形成は、650℃で約23.8kcal/molを放出する。反応式1におけるC60フラーレンの形成は、650℃で約13.6kcal/molを放出する。反応式1におけるカーボンランプブラックの形成は、吸熱性であり、650℃で約147.5kcal/molを消費する(すなわち、ΔHは+147.5kcal/molである)。ボッシュ反応は可逆的であり、反応式1の逆では、固体炭素が水によって酸化されて、酸素シフト反応で二酸化炭素および水素を形成する。
ボッシュ反応は、全体としてエネルギーの放出を有する、実際には2ステップの反応である(すなわち、正味反応は発熱性である)。反応式1で示される反応の第1のステップでは、二酸化炭素が水素と反応して、逆水性ガスシフト反応で一酸化炭素および水が生じる:
CO+H←→CO+HO (反応式2)。
反応式2は、650℃で僅かに吸熱性であり、約8.47kcal/molの熱入力を必要とする(すなわち、ΔH=+8.47kcal/mol)。反応式1で示される反応の第2のステップでは、一酸化炭素が水素と反応して、固体炭素および水を形成する。
CO+H←→C(S)+HO (反応式3)。
反応式3は、化学量論的量の反応物質によって、または過剰COもしくはHによって起こり得る。反応式3は、650℃で発熱性であり、CNTが形成されるときに、33.4kcal/mol(1.16×10ジュール/グラムのC(S))を放出する(すなわち、ΔH=−33.4kcal/mol)。反応式3のΔHの値は、その特定の炭素生成物に対する反応式1のΔHの値と反応式2のΔHの値との差によって、他の炭素生成物について計算され得る。
実施形態では、本明細書で開示されるプロセスは、炭素酸化物からの固体炭素、特に、様々な形状または形態のCNTの作成を含む。炭素酸化物は、大気からの、または他のいくつかの供給源からの、主に炭化水素の燃焼の生成物であり得る。炭素酸化物および還元剤は、反応温度に予熱された反応ゾーンに注入され得る。反応は典型的には、触媒の存在下で生じる。触媒の組成および結晶粒径は、結果として生じる固体炭素生成物の形態に影響を及ぼし得る。反応器の温度および圧力、反応ガスの滞留時間、ならびに触媒の結晶粒径を含む反応条件は、選択される特性を有する固体炭素生成物を得るように制御され得る。供給源および生成物混合物は、1つ以上の凝縮器を通過して、過剰な水を除去し、反応ガス混合物中の水蒸気の分圧を制御し得る。
水の分圧は、形成される固体炭素のタイプおよび特性(例えば、形態および同素体)、ならびに炭素形成の運動性に影響を及ぼすと思われる1つの要因である。したがって、当該技術分野において既知である種々の方法による、本明細書で開示される方法における使用のための1つ以上の反応器内の水蒸気圧の調節(例えば、凝縮、加熱、添加、または反応器への水蒸気)は、形成されるバイモーダル組成物に著しく寄与し得る。ある特定の実施形態では、反応時の水の分圧は、水の再循環および凝縮を含む種々の手段によって継続的に調節されて、例えば、構造、分布、または生成される炭素生成物の組成の他の様相に影響を及ぼす。
実施形態では、本明細書で開示されるプロセスは、2つの多量の原料、すなわち炭素酸化物(例えば、二酸化炭素、一酸化炭素)と還元剤とを使用する。還元剤は、好ましくは、炭化水素ガス(例えば、メタン)、水素ガス(H)、またはそれらの混合物である。炭化水素ガスは、追加的な炭素供給源として、および炭素酸化物のための還元剤としての双方の二重機能として機能し得る。「合成ガス」は、主に一酸化炭素および水素を含み、したがって混合物中に炭素酸化物および還元ガスの双方を有する。合成ガスは、反応ガス混合物の全部または一部分として使用され得る。
本方法の還元プロセスは、固体炭素生成物および水の形成をもたらす。水は、その後に、凝縮され得、また、加熱する目的で、または低圧の動力抽出サイクルの一部として潜熱が抽出され得る。水は、有用な副産物として抽出され得、また、水の関連する潜熱が別のプロセスに使用され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法は、経済的に有益な原料として二酸化炭素を使用する。二酸化炭素は、最高5体積%、最高20体積%、最高60体積%、さらにはそれよりも高い濃度等の、種々の濃度で多くの天然ガス鉱床に存在する。多くの工業プロセスにおいて、二酸化炭素は、望ましくない廃棄物であり、また関連する廃棄コストを有し得る。固体炭素生成のための供給源として二酸化炭素を使用することは、廃棄コストを低減または排除し得、また同時に、二酸化炭素を販売可能な生成物に変換し得る。したがって、本方法は、化石燃料の燃焼プロセスに組み込まれ得る。また、本明細書で開示されるプロセスを化石燃料の燃焼プロセスと組み合わせることは、そのようなプロセスによる固体炭素生成物の形成が従来の分離および隔離方法よりも経済的であり得るので、有益であり得る。
S、SO、および他の硫黄化合物等の、他の化合物が、しばしば、天然ガス中に存在する。「スイートガス」(すなわち、硫黄分を殆どまたは全く含まない)を形成するために、坑井現場では、しばしば、硫黄含有化合物の除去が行われる。天然ガスが消費者に送達される前に二酸化炭素を除去することが、本明細書で開示される技術を介して効果的に達成され得る。
本明細書で開示される反応は、典型的には、触媒の存在下で生じる。好適な触媒としては、周期表の2族〜15族(例えば、ニッケル、モリブデン、クロム、コバルト、タングステン、マンガン、ルテニウム、プラチナ、イリジウム等)、アクチニド、ランタニド、それらの合金、およびそれらの組み合わせから選択される金属が挙げられる。例えば、触媒としては、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン、タングステン、クロム、およびそれらの合金が挙げられる。周期表は、種々の族の付番方式を有し得ることに留意されたい。本明細書で使用されるとき、2族は、Beを含む族であり、3族は、Scを含む族であり、4族は、Tiを含む族であり、5族は、Vを含む族であり、6族は、Crを含む族であり、7族は、Mnを含む族であり、8族は、Feを含む族であり、9族は、Coを含む族であり、10族は、Niを含む族であり、11族は、Cuを含む族であり、12族は、Znを含む族であり、13族は、Bを含む族であり、14族は、Cを含む族であり、また、15族は、Nを含む族である。
ある特定の実施形態では、触媒を調製するための予備活性化ステップ(例えば、加熱、洗浄)を必要とすることなく、鋼系触媒を含む広範囲の安価で容易に入手可能な触媒が、本明細書で開示される反応を容易にするために使用される。ある特定の実施形態では、触媒は、炭素源へ触媒を露出する前に触媒の表面が還元状態にあることを確実にするために、還元ガスに露出され得る。
種々の一般的な鋼触媒が使用されており、また所望のCNT材料のバイモーダル分布を生成することが示されている。鋼を含む鉄合金は、アルファ鉄(オーステナイト)、ガンマ鉄、およびデルタ鉄を含む、種々の鉄の同素体を含有し得る。ある特定の実施形態では、本明細書で開示される反応は、好都合なことに、鉄系触媒を利用するが、鉄がアルファ相にない。いくつかの実施形態では、シリーズ−300ステンレス鋼等、種々の市販のグレードの金属が触媒として使用される。これらのある特定の実施形態では、ステンレス鋼触媒中の鉄は、主にオーステナイト相にある。例としては、304SS、316SS、および炭素鋼パイプ、一般的なスチールウール、および一般的な鋼サンドブラストグリットが挙げられる。説明される条件下で、所望のCNT材料のバイモーダル分布が、多様なフォーマット(シート、粉末、グリット、ウール、パイプ等)の多様な鋼上に形成されるようである。鋼の低コスト、環境への低い影響、および容易な入手可能性により、鋼はバイモーダルCNT材料における触媒としての使用に推奨される。
いくつかの実施形態では、市販の金属が、特別な調製を伴わずに使用される。一般的に入手可能な金属の商業的形態の使用は、固体炭素を生成するコスト、複雑性、および困難性を低減し得る。CNTフォレストは、例えば、商用グレードの鋼上に成長してもよく、CNTフォレストは、CNTフォレストから鋼を単離する追加の層または表面を伴わずに鋼上に直接形成される。CNTは、軟鋼、304ステンレス鋼、316Lステンレス鋼、スチールウール、および304ステンレススチールワイヤ上等、材料上に形成する。
304ステンレス鋼は、広範囲の温度、圧力、およびガス組成下でCNTの形成を触媒するようである。しかしながら、304ステンレス鋼上でのCNTの形成速度は相対的に低いように見え、したがって304ステンレス鋼は、通常動作中にそれらの表面上への堆積を最小にしながら、処理設備のための構築材料として効率的に使用され得る。316Lステンレス鋼は、対照的に、304ステンレス鋼よりも著しく高い速度で固体炭素の形成を触媒するようであるが、また同様に種々の形態の炭素も形成する可能性がある。したがって、316Lステンレス鋼は、高反応速度を達成するための触媒として使用され得るが、特定の反応条件が、生成物の形態を制御するために維持されることがある。触媒は、例えば、約22重量%以下の量で、Crを含むように選択され得る。例えば、316Lステンレス鋼は、約16重量%〜約18.5重量%のCrを含有する。触媒はまた、例えば、約8重量%以上の量で、Niを含むように選択され得る。例えば、316Lステンレス鋼は、約10重量%〜約14重量%のNiを含有する。軟鋼は、鋼の一般的な形態であり、約0.2%未満の炭素を含有する。これらのタイプの鋼の触媒は、従来のプロセスにおいて触媒として使用されるアルファ相鉄とは対照的に、オーステナイト相で鉄を有する。316Lステンレス鋼に観察される良好な結果に基づき、Niおよび/またはCrは、Feと相乗効果を有する可能性がある。
種々の実施形態において、触媒は、固体材料内で、ナノ粒子の形態であるか、またはドメインもしくは結晶粒および結晶粒境界の形態であり得る。触媒は、固体炭素生成物の所望の直径(例えば、CNTの直径)の特有の寸法に関連する結晶粒径を有するように選択され得る。エアロゾル溶液を注入することによって、触媒粉末が反応ゾーン中またはその近くに形成され得、よって、キャリア溶媒の蒸発時に、選択された粒径分布をもたらす。あるいは、粉末状の触媒は、キャリアガス中に同伴され、反応器に送達され得る。触媒および反応条件を選択することによって、プロセスは、固体炭素生成物の選択された形態を生成するように調整され得る。いくつかの実施形態では、触媒は、例えば、反応に関与しない不活性酸化物等の基材または担体上に形成され得る。しかしながら、基材は必要ではなく、他の実施形態では、触媒材料は、例えば、バルク金属、または別の材料と結びついていない金属の粒子(例えば、遊離した粒子、シェービング、または流動床反応器内で使用することができるショット等)等の担持されていない材料である。固体担体(セラミック担体または金属担体等)を省略することは、反応器の装置を簡略化し、また、コストを低減し得る。
最適な反応温度は、所望の固体炭素生成物のタイプに依存するようである。例えば、大気圧近くでの二酸化炭素と水素との間の反応は、粒径および組成、ならびに所望の固体炭素生成物に応じて、鉄系触媒について、約450℃〜950℃の範囲の温度で起こる。すなわち、全般的に、グラファイトおよびアモルファス固体炭素、ならびにいくつかのカーボンナノチューブ形態は、より低温(典型的には、約600℃未満)で形成し、またカーボンナノチューブは典型的には、より高温で形成し、高純度のカーボンナノチューブは典型的には約650℃超で形成する。しかしながら、下の実施例で例示されるように、カーボンナノチューブのバイモーダル分布が、広範囲の温度条件にわたって見られる。
実施形態において、本明細書で開示される方法における使用のための反応ガスは、概ね化学量論的量で供給され得る。他の実施形態では、何らかの反応物質が過剰に提供され得る。化学量論比を超える過剰の還元剤を用いて反応を実施することは、2つの重要な効果を有すると考えられる。第1に、過剰の還元剤は、反応時に形成される水の存在下での鉄触媒の酸化傾向を減少させ、したがって通過1回あたりの変換率を増加させる。第2に、高割合の還元ガス(例えば、10%未満の炭素酸化物を伴う90%超の水素)は、典型的にはバイモーダルサイズ分布を有するフォレスト成長形態をもたらし、第1の成長集団が、フォレスト形態で生じ、第2の成長集団が、第1の成長集団の中またはそれを通して不規則にまとわりつく。
反応器は、反応器の温度を制御するための加熱および冷却機構に連結され得る。例えば、反応器は、生成物および過剰反応物質が、冷却機構を通して再循環されて、水蒸気を凝縮するように構成され得る。生成物および/または過剰反応物質は次に、再加熱され、反応器を通して再循環され得る。再循環されたガス中の水蒸気のうちのいくらかを除去することによって、形成される固体炭素の形態を制御することができる。水蒸気の分圧を変化させることは、混合物の炭素活性を変化させる。反応器はまた、炭素収集器に連結されてもよく、その中で、水および未反応の反応物質が、炭素生成物から分離される。分離された炭素生成物は、収集され、システムから取り出される。
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、カーボンナノチューブは、触媒する粒子である核形成サイトから成長するようである。この触媒する粒子は、例えば、鋼もしくはスチールウールの一部の中のドメインであり得るか、またはエアロゾル中の、もしくは石英円板等の不活性基材上に堆積される、離散した鉄のナノ粒子であり得る。カーボンナノチューブのサイズは、全般的に、核形成サイトのサイズに比例し、触媒粒径と観察されるCNT直径との間の比率は、約1.3〜1.6である。
鋼上で成長するカーボンナノチューブの形態は、鋼の化学的性質、および鋼が処理された方法に依存し得る。全般的に、より小さい結晶粒径を有する鋼は、より小さい直径のカーボンナノチューブを生成する傾向がある。結晶粒径は、鋼の化学的性質および結晶粒が形成される熱処理方法の双方の関数である。軟鋼は、100nm超の直径を有するカーボンナノチューブの第1の集団を生成することが多く、それに対しステンレス鋼(304または316L等)は、20nm以下の範囲の直径を有するカーボンナノチューブの第1の集団を生成する。これは、現在完全には理解されていない多数の要因のいずれにも起因し得るが、しかしながらこれは、これらの特徴の特有のサイズが、そのような鋼試料の表面上に成長するカーボンナノチューブの集団の特有の直径を制御する、金属内の結晶粒径および境界形状に関係していると思われる。
鋼のウエハ等の固体触媒を使用するときに、カーボンナノチューブは、一連の世代で成長するようである。その機構は完全には理解されていないが、反応ガスは、露出した表面粒子と相互作用し、カーボンナノチューブは、成長し始め、バルク触媒の表面から核形成触媒粒子を持ち上げると思われる(すなわち、先端成長として)。成長が継続するにつれて、さらなる核形成粒子がバルク触媒の表面に形成され、それは次に、さらなるカーボンナノチューブ成長を触媒し、カーボンナノチューブの前の世代をバルク触媒の表面から持ち上げると思われる。
バルク触媒試料が反応ゾーンに残る場合、これらの層は、触媒が消費されるまで形成し続け、持ち上がり続ける。CNTの各世代がその下にある触媒基材から剥離するという観察は、CNTが基材からエルトリエーションされ、ガス流中に同伴され、その後にガス混合物から採取される流動床反応器が、カーボンナノチューブのピローの成長のための経済的な反応器設計であり得ることを意味する。CNTの層は、バルク触媒基材に、または互いに、ほとんどまたは全く結合を有さないようである。
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、触媒表面の酸化およびその後の還元は、結晶粒構造および結晶粒境界を変化させると思われる。まず、酸化は、酸化される部位の金属触媒の表面を変化させ得る。その後の還元は、触媒表面のさらなる変更をもたらし得る。したがって、触媒の結晶粒径および結晶粒境界は、触媒表面を酸化および還元することによって、ならびに還元ガスおよび酸化ガスへの触媒表面の露出時間を制御することによって、制御され得る。酸化および/または還元温度は、約500℃〜約1200℃、約600℃〜約1000℃、または約700℃〜約900℃の範囲であり得る。結果として生じる結晶粒径は、約0.1μm〜約500μm、約0.2μm〜約100μm、約0.5μm〜約10μm、または約1.0μm〜約2.0μmの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、触媒は、酸化した金属(例えば、錆のある鋼)であり得、それは固体炭素を形成する反応の前またはその間に還元される。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、酸化物の除去は、触媒材料の表面に空隙または凹凸を残し、触媒材料の総表面積を増加させると考えられる。
鋼上の錆は、本明細書で開示されるカーボンナノチューブの形成のための良好な触媒であることが観察されている。その機構は現在完全には理解されていないが、これは、錆を含む酸化鉄が事実上、触媒前駆体であるためであり得る。錆のある試料が、水素等の還元剤の存在下で加熱されると、酸化鉄が分解し、鉄原子が合体して、カーボンナノチューブ成長の触媒作用に好適な小さい鉄のナノ粒子を形成する。鋼触媒を水素の存在下で初めに加熱することは、表面の薄膜および錆内の酸化鉄の還元を促進し、鋼触媒を活性化する。酸化された金属は、炭素酸化物の還元反応を有効に触媒するとは思われず、したがって現在のところ、そのような酸化物の初期の還元が、鋼を触媒として用いる反応器のための開始手順の一部として推奨される。
種々の実施形態において、反応ゾーン中の温度および圧力、反応ガスの滞留時間、ならびに触媒の結晶粒径、結晶粒境界、および化学的組成を含む反応条件は、所望の特性の固体炭素生成物を得るように制御される。供給ガス混合物および反応生成物は、典型的には、反応ゾーンを通して再循環され、また各サイクルを伴う凝縮器を通過されて、過剰な水を除去し、反応ガス混合物中の水蒸気の分圧を制御する。水の分圧は、本明細書で先に述べた通り、形成される固体炭素のタイプおよび特性(例えば、形態)、ならびに炭素形成の運動性に影響を及ぼすと思われる1つの要因である。
炭素活性(A)は、特定の反応条件(例えば、温度、圧力、反応物質、濃度)下で、固体炭素が形成されるかどうかの指標として使用され得る。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、炭素活性は、固体炭素の同素体が形成されるかを決定するための鍵となるメトリックであると考えられる。より高い炭素活性は、CNTの形成をもたらす傾向があり、より低い炭素活性は、グラファイト形態の形成をもたらす傾向がある。
ガス状反応物質から固体炭素を形成する反応に関する炭素活性は、反応平衡定数をガス生成物の分圧で乗じ、反応物質の分圧で除したものとして定義することができる。例えば、反応平衡定数Kを有する反応
Figure 2018095552
において、炭素活性Aは、K・(PCO・PH2/PH2O)として定義される。したがって、Aは、COおよびHの分圧に直接比例し、またHOの分圧に反比例する。より高いPH2Oは、CNT形成を阻害する傾向がある。この反応の炭素活性はまた、モル分率および全圧の観点から表すこともできる:A=K・P(YCO・YH2/YH2O)、式中Pは全圧であり、Yは種のモル分率である。反応平衡定数は、全般的に温度とともに変動するため、炭素活性は、全般的に温度とともに変動する。炭素活性はまた、消費されるものとは異なるモル数のガスが生成される反応に関する全圧とともに変動する。固体炭素同素体およびその形態の混合物は、触媒および反応器中の反応ガスの炭素活性を変動させることによって、達成され得る。
CNTは、「ピロー」、「フォレスト」、および不規則形態を含む、複数の別個のバルク形態で成長することが観察された。ピロー形態は、約1mm未満の平均直径の凝集塊を形成するCNTの高度に絡む別個の塊を特徴とする。SEM撮像では、CNTのピローは、オナモミまたはイソギンチャクに類似する。フォレスト形態は、バルク触媒表面に実質的に垂直で、また互いに実質的に平行に配向されている、主要な成長CNTの顕著な部分を特徴とする。不規則形態は、ピローに類似するが、はっきりと定義される別個の塊の存在を伴わない。ピローおよび不規則形態の双方において、カーボンナノチューブは、高度に撚り合わされ、絡む。そのようなもつれ合った形態では、任意の特定のカーボンナノチューブのアスペクト比をSEM画像から概算することは、典型的には可能ではない。
CNTのピローおよび不規則形態は、反応ガスが概ね化学量論比の炭素酸化物および還元剤を有するときに生じる傾向がある。CNTフォレストは、反応ガスが著しく余剰の還元剤を有するときに生じる傾向がある。例えば、90%超の水素を伴う反応ガス混合物は、フォレスト形態を確実に生成し、一方70%の水素は、ピローおよび不規則形態を確実に生成する。
図12〜図18(実施例3〜5参照)で示されるように、ピロー形態は、塊状に高度に絡まり、典型的には、1mm未満の塊の寸法を有する、カーボンナノチューブの存在を特徴とする。したがって、ピローは、ナノチューブの球根状または波状の集塊として現れ、積層雲の外周の外観に類似する。ピローは、多数の異なる直径、長さ、およびタイプのカーボンナノチューブから成り得る。ピローは、基材上で成長したフォレスト、パイル、およびフィラメントの不連続な単位の形態で現れ得る。多数の異なる組成(例えば、軟鋼、304ステンレス、316Lステンレス)の、および多数の種々の形態(例えば、プレート、スチールウール、および鋼ショット)の鋼は、化学量論比に近い反応ガス混合物において、広範囲にわたる反応ガス混合物および反応温度下で、カーボンナノチューブのピローを得る傾向がある。
バイモーダル組成物の例を、ボッシュ反応およびその変形を用いて形成した。開示されるカーボンナノチューブ組成物を調製するために好適な装置を用いる一実施形態では、化学量論:
CO+CH←→2C(S)+2HO (反応式4)
を有するボッシュ反応の変形において、未定量の熱の放出を伴う発熱性反応で、二酸化炭素が使用され、還元ガスにはメタンが含まれる。メタンは、全般的に安価で、また容易に入手可能である。バイモーダル組成物の例を、概ね大気圧で、約600℃〜950℃の処理温度で、反応ガスを用いて調製した。さらなる例を、約650℃〜950℃で、4.14MPaのより高い処理圧力を用いて調製した。
開示されるカーボンナノチューブ組成物を調製するために好適な装置を用いるいくつかの実施形態では、化学量論:
CO+2H←→2C(S)+2HO (反応式1)
を有するボッシュ反応において、還元ガスには水素が含まれる。この反応は、約500℃〜1,000℃の温度で生じる。実施例は、約113kPaにおいて、およびより高圧の約4.14MPaにおいて生成される試料を含む。典型的には、使用される還元剤にかかわらず、圧力が増加するにつれて最適な温度は増加する。
以下の実施例は、本明細書で開示される方法を例示するものとして含まれる。実施例では、図面は、同時に発生する、著しくより小さいカーボンナノチューブの散在する集団を伴う、相対的に大きいカーボンナノチューブまたはカーボンナノ繊維の第1の集団の双方の存在を示す。本明細書で説明される実施例は、本方法を説明するために使用されているが、そのような詳細は、単にこの目的のためのものであり、開示される方法への変形は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、当業者によってなされ得ることを理解されたい。各実施例は、実施例の各々の生成物の走査電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)画像への参照と共に、以下のサブセクションでさらに詳細に説明される。
大気圧実施例
実施例における例示として、成長し、使用されるバイモーダルカーボンナノチューブを、軟鋼か、304ステンレス鋼か、または316Lステンレス鋼かのいずれかの直径5.0cm(2.0インチ)および長さ1.2メートル(4フィート)の反応器パイプを用いて成長させた。このパイプは本質的に、反応のために触媒および反応チャンバとして機能した。反応器パイプを、管状炉の内側に各々配置し、該管状炉を、反応器パイプの温度を制御するために使用した。実施例に使用する実験装置は、図1Aで例示される。反応ガスを、ガス供給源6から混合弁7へ配管し、そこでガスを測定し、管状炉1へと反応器パイプを通過させた。ガスを、反応器パイプを通して炉内へ流し、そこから凝縮器4(露点3.3℃)へ流し、次に圧縮器3を通過させて、管状炉内の反応器パイプのヘッド側へ戻した。
始動は、真空ポンプ5を用いてシステムを排気することと、次にシステムを、真空ポンプ5を用いて30秒間水素でパージすることを含んだ。パージが完了した後、真空ポンプを分離してオフにし、システムを水素で充填した。次に、炉1をオンにし、システムを所望の実験温度にした。水素雰囲気中でのこの加熱は、反応ゾーンのパイプ表面を完全に還元すると考えられる。次に、圧縮器をオンにし、システム温度を安定させた。
管状炉1は典型的には、温度に達するまでに約1時間を要し、また試料を取り出すことができるように冷却するために4時間を要した。炉1が所望の反応温度に達すると、水素をシステムから排気し、反応ガスの所望の混合物をシステム内へ導入した。システムを、反応ガス混合物で概ね大気圧(101kPa)に充填し、そこで、反応ガスの流速を低減させて、圧力を安定させた。以降、システム圧力を維持するために、反応ガスを、反応で消費されるガスのためのメイクアップガスとして継続的に添加した。管状炉1の温度は、炉のほぼ中心線に配置したタイプK熱電対によって測定した。報告された温度は、この熱電対について示されるようなゲージ温度であり、全般的に、反応ゾーン内の温度を示している。
反応ガス供給源は、商業的供給業者PraxAir製の、シリンダで調達された標準的産業グレードの二酸化炭素、水素、およびメタンを含んだ。
メイクアップガスは、ボール型流量計かまたは質量流量制御器かのいずれかを用いて、システム内へと計測した。反応ガスは、圧縮器3によって炉を通して循環させた。炉1を出るガスを冷却し、水を冷凍凝縮器4内で凝縮した。水は、排水弁を介して定期的に凝縮器から除去した。図1Aで例示される全ての構成要素は、関連する配管、計装、および付属物とともに、以下の実施例の説明において、集合的に「実験装置」と称される。
再循環流速を測定または制御するためのいかなる試みも行わず、種々の流速を種々の試験において使用したが、生成物の品質および反応速度は、循環速度とは無関係であると思われた。これは、すべての場合において、流速が臨界閾値を超えたためであった可能性がある。流速は、生成施設の設計および動作にとって重要であり得るが、実験装置の体積は、触媒および結果として生じる固体炭素生成物の体積よりもかなり大きいので、本明細書で報告される試験においてはそれほど重要ではない。
実験中、実験装置中のガスの圧力は、メイクアップガスの流れが停止すると、継続的に低下することになる。これは、反応ガスが、固体炭素および水に変換されていたためである。圧力降下の速度はしたがって、反応速度の指標であった。圧力が降下する速度は、触媒およびガス混合物とともに変動したが、温度とともには特に変動せず、反応は、アレニウス温度で制限されているというよりむしろ、拡散で制限されている可能性があることを示唆している。圧力は、追加的な反応ガスを実験装置に加えることによって、維持した。
実施例では、炉を、一定の時間(典型的には、4時間)にわたって動作させ、その時間で炉をオフにし、パージし、冷却した。炉をオフにした後、真空ポンプ5をオンにし、反応ガスを排気し、実験装置を二酸化炭素で約5分間にわたってパージし、次に真空ポンプ5をオフにし、実験装置を不活性パージガスで大気圧にし、冷却した。全ての試験は、バッチモードで行った。
実施例1−試料85
Figure 2018095552
実施例1に関して、反応器パイプは、管状炉1に挿入された直径5cm(2インチ)および長さ1.2m(4フィート)の軟鋼パイプ(スケジュール40)であった。真空ポンプ5を始動し、水素を使用して実験装置を30秒間にわたってパージした。30秒後、真空ポンプをオフにし、圧縮器3をオンにし、冷凍凝縮器4をオンにし、圧力が約113kPa(850トール)になるまで水素ガスを流しつづけ、その時点で水素ガス流を遮断した。次に、管状炉1をオンにした。
管状炉1の温度が700℃の設定温度に到達したときに、真空ポンプ5をオンにし、そして、混合弁7によって制御されるガス供給源6からの二酸化炭素および水素の化学量論的混合物中の反応ガスを使用して、実験装置を30秒間にわたってパージした。5分後、真空ポンプをオフにした。実験装置が113kPaの圧力に到達したときに、反応ガス流速を低減させて、システム圧力を約113kPaに維持した。試験は、4時間にわたって実施し、炉1を遮断した後、真空ポンプ5を始動させ、実験装置を、混合弁7によって制御されるガス供給源6からの二酸化炭素を用いて、30秒間にわたってパージした。次に、真空ポンプを遮断し、そして、実験装置の圧力が107kPa(800トール)になるまで、二酸化炭素のパージガスを流し続けた。次に、炉を冷却した。
反応器パイプは、炉を冷却した後に、炉1から取り出した。固体炭素生成物を、反応器の壁から擦り取り、小さい試料を、走査電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)分析のために採取した。図2は、250倍の倍率の、結果として生じる材料(試料85)のSEM画像を示す。この倍率では、主材料のフォレスト成長形態のみが観察され得る。
図3は、2,000倍の倍率の同じ試料のSEM画像を示す。この倍率では、第2の成長に焦点が合い始めることに留意されたい。図4は、99,981倍の倍率の同じ試料を示し、第2の成長の詳細を示す。第1の成長のCNTのサイズ(直径数十〜数百ナノメートル)は、CNTがおそらくは多層CNTであることを示し、一方第2の成長のCNTのはるかにより小さいサイズは、それらが、はるかにより小さい多層(より少ない層)であり、またおそらくは単層、2層、および3層CNTを含むことを示す。
図5、図6、および図7は、TEM画像であり、図5および図6は、画像を垂直に通過する第1の成長の単一のCNTと、それを取り囲むより小さい第2の成長のCNTとを示す。一連のTEM画像は、増加する倍率での同じ試料85である。これらの画像では、第2の成長のCNTは、単層および2層CNTである可能性があると思われる。第2の成長材料の孔径は、SWCNTに関する文献で一般的に報告されているものよりいくらか大きいと思われることに留意されたい。TEM画像は、非常に小さい試料を必要とするため、この特性がどの程度代表的であり得るかは分からない。
実施例2−試料112
Figure 2018095552
実施例2に関して、石英円板試料を、304ステンレス鋼ウエハ上に平らに配置し、該304ステンレス鋼ウエハを触媒として用いた。304ステンレス鋼触媒ウエハを、管状炉1のほぼ中心線に配置した。真空ポンプ5を始動し、5分間にわたって、ヘリウムを使用して実験装置をパージした。5分後に、真空ポンプをオフにし、圧縮機3をオンにし、冷凍凝縮器4をオンにし、そして、圧力が91.0kPa(680トール)になるまでヘリウムガスを流し続け、その時点でガス流を遮断した。次に、炉をオンにした。
炉1の温度が680℃の設定温度に到達したときに、真空ポンプ5をオンにし、そして、混合弁7によって制御されるガス供給源6からの二酸化炭素および水素の化学量論的混合物中の反応ガスを使用して、実験装置を5分間にわたってパージした。5分後、真空ポンプをオフにした。実験装置が101kPa(760トール)のゲージ圧力に到達したときに、反応ガスを遮断した。追加的な反応ガスを、定期的に加えて、実験装置圧力を84.3kPa〜101kPaに保った。
試験は、1時間にわたって実施し、炉1を遮断した後、真空ポンプ5を始動させ、実験装置を、混合弁7によって制御されるガス供給源6からのヘリウムを用いて、5分間にわたってパージした。次に、真空ポンプを遮断して、実験装置の圧力が98.7kPa(740トール)になるまで、ヘリウムのパージガスを流し続けた。次に、炉を冷却した。
鋼試料は、炉を冷却した後に、炉1から取り出した。CNTのマットが、石英とウエハとの間で成長した。CNTマットの一部分が、石英および鋼触媒ウエハ双方の表面に付着した。図8は、7,000倍の倍率の試料を示し、図9は、9,980倍の倍率の試料を示す。図10は、100,000倍の倍率の試料112を示し、図11は、200,000倍の倍率で試料112を撮影した画像である。CNTのサイズ(直径数十〜数百ナノメートル)は、CNTがおそらくは多層CNTであることを示す。より大きい直径のCNTは、「フォレスト」形態のCNTであり、より小さい直径のCNTの塊が、フォレスト成長物の周りに、またそれを通って撚り合わさっていることに留意されたい。
実施例3−試料35
Figure 2018095552
実施例3に関して、316Lステンレス鋼ウエハを触媒として使用した。316Lステンレス鋼ウエハを、炉1にほぼ中心線に配置した。圧縮器3をオンにし、冷凍凝縮器4をオンにし、真空ポンプ5をオンにし、そして、混合弁7によって制御されるガス供給源6からのヘリウムを含むパージガスを、実験装置に導入した。5分間のパージの後、真空ポンプを遮断し、実験装置の圧力が91kPaになるまでヘリウムのパージガスを流し続け、その時点でパージガス流を遮断した。次に、炉をオンにした。
炉1の温度が約640℃に到達したときに、真空ポンプ5を始動させ、そして、混合弁7によって制御されるガス供給源6からの二酸化炭素および水素の化学量論的混合物中の反応ガスを、実験装置に通した。5分後に、真空ポンプを遮断し、実験装置の圧力が88kPaになるまで反応ガスを流し続け、その時点で、反応ガス流速を、圧力を約75kPa〜92kPaに保つのに十分なより低い流速まで低減させた。実験装置を1時間にわたって稼働させた後、炉を遮断し、真空ポンプを始動させ、実験装置を、混合弁によって制御されるガス供給源からのヘリウムを用いて、5分間にわたってパージした。次に、真空ポンプを遮断し、装置を、ヘリウムのパージガスを用いてパージした。次に、炉を冷却した。
結果として生じた生成物は、200,000倍の倍率で、図12に示される。より大きい直径のナノチューブは、多層である可能性が非常に高い。より小さいカーボンナノチューブは、単層、2層、または3層である可能性がある。図13は、300,000倍の倍率の試料35を示し、ここでも、結果として生じるナノチューブの全般的にバイモーダルなサイズ分布を示している。図14は、500,038倍の倍率の試料35を示す。
実施例4−試料37
Figure 2018095552
実施例4に関して、試料37、0000極細スチールウールを、触媒として使用した。極細スチールウールは、約0.02mm未満の平均繊維直径、より具体的には約0.012mm未満の繊維直径を有する。スチールウールを、炉1内に配置した。他の実験に関して上に説明されるものと同じ炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のプロセスを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、9,975倍、100,008倍、および200,000倍の倍率で、それぞれ図15、図16、および図17に示される。9,975倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでない。しかしながら、図16および図17に100,008倍および200,000倍の倍率で示される通り、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例5−試料55
Figure 2018095552
実施例5に関して、試料55、0000極細316Lスチールウールを、触媒として使用した。スチールウールを、炉1内に配置した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、10,004倍、20,000倍、および50,000倍の倍率で、それぞれ図18、図19、および図20に示される。10,004倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでない。しかしながら、図19および図20に20,000倍の倍率で示される通り、またさらには50,000倍の倍率でより示される通り、第2の成長は可視的であり、したがって、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例6−試料62
Figure 2018095552
実施例6に関して、試料62、316Lステンレス鋼パイプ(スケジュール40)を、触媒として使用した。ステンレス鋼パイプ触媒を、炉2内に配置した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
管の壁から擦り取った結果として生じた生成物は、1,000倍、50,000倍、および200,000倍の倍率で、それぞれ図21、図22、および図23に示される。1,000倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでない。しかしながら、図22および図23に50,000倍の倍率で示される通り、またさらには200,000倍の倍率でより示される通り、第2の成長は可視的であり、したがって、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例7−試料80
Figure 2018095552
実施例7に関して、試料80、軟鋼パイプ(スケジュール40)を、触媒として使用した。軟鋼パイプ触媒を、炉2内に配置した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、10,000倍および50,000倍の倍率で、それぞれ図24および図25に示される。10,000倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでない。しかしながら、図25に50,000倍の倍率で示される通り、第2の成長は可視的であり、したがって、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例8−試料85
Figure 2018095552
実施例8に関して、試料85、ステンレス鋼パイプ(スケジュール40)を、触媒として使用した。鋼パイプ触媒(スケジュール40)を、炉2内に配置した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
管の壁から擦り取った結果として生じた生成物は、400倍、2000倍、2000倍、80,000倍、100,000倍、および100,000倍の倍率で、それぞれ図26、図27、図28、図29、図30、および図31に示される。400倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでない。2000倍の倍率では、いくつかの「けば」が見えるが、これは解像度不足の作用である可能性があり、しかしながら、ナノチューブの平行な「フォレスト」性質が、容易に見える。図29〜図31に80,000倍の倍率で示される通り、またさらには100,000倍の倍率でより示される通り、第2の成長は可視的であり、したがって、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例9−試料105
Figure 2018095552
実施例9に関して、試料105、ステンレス鋼を、触媒として使用した。鋼触媒を、炉1内に配置した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じる生成物は、観察上、軽い成長(22〜30.5cmで、パイプ長に46〜61cm沿って形成した)および大きい薄片(パイプ長に30.5〜46cm沿って形成した)と判断されるものに形成した。大きい薄片の画像は、1,000倍、40,000倍、および100,000倍の倍率で、それぞれ図32、図33、および図34に示される。1,000倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでないが、しかしながら、ナノチューブの平行な「フォレスト」性質が、容易に見える。しかしながら、図33および図34に40,000倍の倍率で示される通り、またさらには100,000倍の倍率でより示される通り、第2の成長は可視的であり、したがって、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例10−試料108
Figure 2018095552
実施例10に関して、試料108、軟鋼パイプ(スケジュール40)を、触媒として使用した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、20,000倍、50,000倍、および50,000倍の倍率で、それぞれ図35、図36、および図37に示される。この試料では、20,000倍の倍率でさえも、バイモーダルサイズ分布は明らかである。
実施例11−試料109
Figure 2018095552
実施例11に関して、試料109、軟鋼パイプ(スケジュール40)を、触媒として使用した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、20,000倍、50,000倍、50,000倍、および80,000倍の倍率で、それぞれ図38、図39、図40、および図41に示される。この試料では、20,000倍の倍率でさえも、バイモーダルサイズ分布は明らかである。図41を注意深く調査すると、試料は、非常に大きい管(直径323.2nmと測定された)に絡み合った多数の極細の小さい管(直径15.4nmと測定された)を有すること、また、1つ以上の中間直径(直径55.2nmおよび142.9nmで測定された)の管が存在するが、ここでも極細、中間、および大きい直径の間の直径を有する管は、画像内に存在しないと思われることが示唆される。
実施例12−試料112
Figure 2018095552
実施例12に関して、試料112、ステンレス鋼パイプを、触媒として使用した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、7000倍、100,000倍、100,000倍、および200,000倍の倍率で、それぞれ図42、図43、図44、および図45に示される。7,000倍の倍率では、ナノチューブの平行な「フォレスト」性質が容易に明らかであり、第2の成長が存在するいくつかの「けば」も、明らかであるが、けばをカーボンナノチューブとして解明するには解像度が低すぎる。図43〜図45によって100,000倍の倍率で示される通り、またさらには200,000倍の倍率でより示される通り、第2の成長は可視的であり、したがって、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例13−試料115
Figure 2018095552
実施例13に関して、試料115、軟鋼パイプ[実施形態は、この触媒に移行する必要がある](スケジュール40)を、触媒として使用した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じる生成物は、鋼パイプの中央30.5cm(12インチ)に、大きい薄片として形成した。大きい薄片の画像は、1,000倍、9,943倍、および50,004倍の倍率で、それぞれ図46、図47、および図48に示される。1,000倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでない。9,943倍の倍率では、異なるサイズの管が見えるようである。50,000倍の倍率では、第2の成長が可視的であり、したがって、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例14−試料118
Figure 2018095552
実施例14に関して、試料118、軟鋼パイプ(スケジュール40)を、触媒として使用した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、1,000倍、50,000倍、および100,000倍の倍率で、それぞれ図49、図50、および図51に示される。1,000倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでない。50,000倍および100,000倍の倍率では、第2の成長が可視的であり、したがって、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例15−試料131
Figure 2018095552
実施例15に関して、試料131、軟鋼パイプ(スケジュール40)を、触媒として使用した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、1,000倍、10,000倍、50,000倍、および100,000倍の倍率で、それぞれ図52、図53、図54、および図55に示される。1,000倍および10,000倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでない。50,000倍および100,000倍の倍率では、第2の成長は可視的である。
高圧での実施例
種々の高圧実験のための実験装置の概略図が、図56に示される。この高圧装置は、水の除去後に反応ガスを再循環させず、むしろ、反応ガスは、反応器を通過した後に排気される。実験装置は、パージガスおよび反応ガス用の一連のタンクを含んだ。反応ガス、CO、およびCHのためのタンク調節器は、逆止弁を有する質量流量制御器を有した。パージのために使用したガスは、質量流量制御器を有さなかった。
ガス圧が低減され、ガスが質量分析計へ流れることが可能になる試料採取点は、ガス混合点より後であった。次に、流れを、管状炉F1(モデル番号890295、Bloomfield,ILのCM,Inc.,によるHigh Temperature Furnacesから入手可能、寸法63cmx38cm)内に配置した直径2.5cm、長さ1.2mの304ステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の中へ通過させ、そこで反応が行われた。第1の管状炉F1の後、ガスは、凝縮器C1へと進み、そこで、水を氷/水槽によって0℃に凝縮した。凝縮器C1の後、別のガス試料採取点が存在した。主要なガス流を、別の管状炉F2[モデル番号870771、Bloomfield,ILのCM,Inc.,によるHigh Temperature Furnacesから入手可能、寸法49cmx25cm)内に配置した直径2.5cm、長さ1.2mの別の304ステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の中へと続け、そこで第2の反応が行われた。
第2の反応器F2を去るガスは、凝縮器C2を有し、その後にガス試料採取点が続いた。最後に、ガスは、通気口および質量流量計を通ってシステムを去った。ガス試料採取点は全て、ガス圧を0.20MPa(15psig)に調節するための2段階ガス圧調節器を有した。
試料ガスは次に、20sccmで質量流量計を通り、0.5ミクロン焼結金属フィルタへと流れた。ガス流の大部分は続いて排気されるが、一方で少量の試料採取ガス流は、質量分析計(シリーズ番号91065 Universal Gas Analyzer、Stanford,GAのStanford Research System製)に入る前に圧力を低減する1.83mの毛細管へと入った。
触媒の試料、鋼サンドブラストグリット(25グリット)を、第2の炉F2の中央で8.5cmx1.5cmの石英ボート内に配置した。端部キャップから各炉内へ61cm(24インチ)挿入したタイプK熱電対が、炉の中心線温度を測定した。各実験に関する中心線温度は、下に示される。ガス流は、4.24MPa(600psig)に調節した。
動作において、初めに、システムを、窒素を用いて約10分間にわたってパージした。4.24MPa(600psig)での窒素を用いて、漏れを検出し、また不活性ガスを用いてシステムを充填した。この時点で、水素は、システムのパージと漏れを確認することを可能にし、また、ガス試料採取システムが90%超の水素を検出するまで流れ続ける。高温での水素によるパージは、触媒表面の酸化鉄を含む金属酸化物を還元する。
高温炉F1およびF2の双方を、850℃の動作温度に加熱させた。炉の加熱までの時間は、約1時間であった。炉の動作温度における触媒の還元後、メタンおよび二酸化炭素の選択される混合物を、選択される流速およびメタンの二酸化炭素に対する選択される比率を提供するように、システム内へと計量した。双方のガス圧調節器は、4.58MPa(650psig)に設定して、システム内へと反応物質を計量した。実行中、ガス流および炉温度を、モニタリングおよび制御した。
各試験終了時に、メタンおよび二酸化炭素ガスのタンクを遮断し、システムを、水素を用いて約30分間にわたってパージし、次に窒素を用いてさらに約30分間パージした。ここで、炉を、一晩冷却した。触媒の試料を、炉が冷却した翌朝に引き出した。
図57〜図74は、種々の試料生成物結果のSEM画像である。これらの試料は全て、CHを還元剤として伴い、COを用いて形成された。すべての実験は、約4.24MPa(600psig)で実施した。試料の各々に関する他の特定の反応条件は、実施例16〜29に記載される。
実施例16−試料137(図57〜59):
一連の二重反応器。
触媒:鋼サンドブラストグリット、0.7mm(25グリット)、グリットは、炉の中央で石英ボード内に配置した。
反応ガス:50%のCHおよび50%のCO
動作条件:炉1および炉2の双方について、850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:3時間。
結果として生じた生成物は、10,000倍、10,000倍、および100,000倍の倍率で、それぞれ図57、図58、および図59に示される。絡まって見える「ピロー」形態のナノチューブに留意されたい。10,000倍の倍率では、バイモーダルサイズ分布は明らかでない。しかしながら、図59に100,000倍の倍率で示される通り、バイモーダルな性質はより明らかである。
実施例17−試料165(図60):
二重反応器:一連の2つの反応器。石英管を、反応器2のためのステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:スチールウール。
反応ガス:45%のCO、42.75%のCH、2.25%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:6時間。
注記:図60に示される試料は、第2の反応器内の石英管から採取した。
結果として生じた生成物は、50,000倍の倍率で、図60に示される。
実施例18−試料169(図61):
単一反応器。
触媒:304ステンレス鋼パイプ(スケジュール40)。
反応ガス:33.3%のCO、63.4%のCH、3.3%のAr。
動作条件:900℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:3時間。
注記:試料は、反応器の約30.5cm(12インチ)下流で採取した。結果として生じた生成物は、50,000倍の倍率で、図61に示される。
実施例19−試料172(図62):
単一反応器。
触媒:304ステンレス鋼パイプ(スケジュール40)。
反応ガス:33.3%のCO、63.4%のCH、3.3%のAr。
動作条件:850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:6時間。
注記:試料は、反応器の約41cm(16インチ)上流で採取した。結果として生じた生成物は、49,993倍の倍率で、図62に示される。
実施例20−試料173(図63):
単一反応器。
触媒:304ステンレス鋼パイプ(スケジュール40)。
反応ガス:33.3%のCO、63.4%のCH、3.3%のAr。
動作条件:850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:6時間。
注記:試料は、反応器の約48cm(19インチ)上流で採取した。
結果として生じた生成物は、50,000倍の倍率で、図63に示される。
実施例21−試料174(図64):
一連の二重反応器。石英管を、第2の反応器のステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:スチールウール。
反応ガス:45%のCO、42.75%のCH、2.25%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:6時間。
注記:試料は、第2の反応器内の石英管から採取した。結果として生じた生成物は、50,000倍の倍率で、図64に示される。
実施例22−試料177(図65):
一連の二重反応器。石英管を、第2の反応器のステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:先に塩酸で洗浄したスチールウール。
反応ガス:45%のCO、42.75%のCH、2.25%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:4時間。
注記:試料は、第2の反応器内の消費されていないスチールウールの端部から採取した。結果として生じた生成物は、100,002倍の倍率で、図65に示される。
実施例23−試料178(図66):
一連の二重反応器。石英管を、第2の反応器のステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:先に塩酸で洗浄したスチールウール。
反応ガス:45%のCO、42.75%のCH、2.25%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:4時間。
注記:試料は、第1の炉から採取した。結果として生じた生成物は、100,000倍の倍率で、図66に示される。
実施例24−試料204(図67−68):
一連の二重反応器。石英管を、第2の反応器のステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:先に塩酸で洗浄したスチールウール。
反応ガス:10%のCO、76%のCH、4%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:4時間。
注記:試料は、第2の反応器内の石英管の下流側から採取した。結果として生じた生成物は、50,000倍および100,000倍の倍率で、それぞれ図67および図68に示される。
実施例25−試料206(図69):
一連の二重反応器。石英管を、第2の反応器のステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:先に塩酸で洗浄したスチールウール。
反応ガス:10%のCO、76%のCH、4%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:4時間。
注記:試料は、第2の反応器内の石英管の約48cm(19インチ)上流で採取し、この場所の反応温度は、約860℃であった。
結果として生じた生成物は、100,000倍の倍率で、図69に示される。
実施例26−試料207(図70):
一連の二重反応器。石英管を、第2の反応器のステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:先に塩酸で洗浄したスチールウール。
反応ガス:10%のCO、76%のCH、4%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:4時間。
注記:試料は、第2の反応器内の石英管の約43cm(17インチ)上流で採取した。この場所の反応温度は、約867℃であった。
結果として生じた生成物は、100,000倍の倍率で、図70に示される。
実施例27−試料208(図71):
一連の二重反応器。石英管を、第2の反応器のステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:先に塩酸で洗浄したスチールウール。
反応ガス:10%のCO、76%のCH、4%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:4時間。
注記:試料は、第2の反応器内の石英管の約33cm(13インチ)上流で採取し、この場所の反応温度は、約844℃であった。
結果として生じた生成物は、100,000倍の倍率で、図71に示される。
実施例28−試料209(図72):
一連の二重反応器。石英管を、第2の反応器のステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:先に塩酸で洗浄したスチールウール。
反応ガス:10%のCO、76%のCH、4%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:4時間。
注記:試料は、第2の反応器内の石英管の約28cm(11インチ)上流で採取し、この場所の反応温度は、約805℃であった。
結果として生じた生成物は、100,000倍の倍率で、図72に示される。
実施例29−試料210(図73〜図74):
一連の二重反応器。石英管を、第2の反応器のステンレス鋼パイプ(スケジュール40)の内側に挿入した。
触媒:先に塩酸で洗浄したスチールウール。
反応ガス:10%のCO、76%のCH、4%のAr、および10%のH
動作条件:炉1について900℃、炉2について850℃;4.14MPa(600psi)。
実行時間:4時間。
注記:試料は、第2の反応器内の石英管の約23cm(9インチ)上流で採取し、この場所の反応温度は、約742℃であった。
結果として生じた生成物は、50,000倍および100,000倍の倍率で、それぞれ図73および図74に示される。
他の形態実施例
他の試料は、実施例1〜15を参照して説明される試料に関して説明されるものと全般的に同じプロセスを用いて、全般的に大気圧で実施された実験から採取した。
実施例30−試料20
Figure 2018095552
実施例30に関して、試料20、0000スチールウールを、触媒として使用した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、10,000倍、10,000倍、50,000倍、および100,000倍の倍率で、それぞれ図75、図76、図77、および図78に示される。これらの画像が示唆する通り、使用された倍率では、ナノチューブのバイモーダルサイズ分布は明らかでない。しかしながら、試料20の画像は、興味深いナノチューブ形状を示し、これは、混ざり合う螺旋状の管、ないしは、全般的に直線上のまたは徐々に屈曲する管のように見える。
実施例31−試料32
Figure 2018095552
実施例31に関して、試料32、0000スチールウールを、触媒として使用した。上の実施例1で概説される通り、炉のパージ、実験圧力および温度での反応ガスの導入、反応の停止、ならびに炉のパージおよび冷却のステップを実施した。反応条件は、図表に示される。
結果として生じた生成物は、1,000倍、10,000倍、50,000倍、および100,000倍の倍率で、それぞれ図79、図80、図81、および図82に示される。これらの画像が示唆する通り、この試料は、種々の直径を有するカーボンナノチューブの集まりを実証していると思われるが、各直径は、別個であると思われる。すなわち、この画像は、非常に大きい、大きい、中間の、小さい、または非常に小さい直径を有する多数のナノチューブを示すと思われるが、これらのサイズの間の直径を有するナノチューブはない。カーボンナノチューブに存在する多種多様の異なる直径があり、「第1の」成長として明確に優勢である特定の直径はない。
生成施設実施例
図83A〜図83Gは、カーボンナノチューブ生成のための例示的な連続的生成装置の概略図を示す。装置は、ガス供給源101、ガス取り扱い102、反応103、生成物分離104、水分離105、水処理106、生成物梱包107、および設備108に関する個々のサブシステムを備える。矢印は、材料(ガス、液体等)の流れを示す。破線および矢印は、情報の流れを示す。他の記号は、例えば、弁等の、種々の多岐にわたる機器および/またはシステム機能に必要とされる設備を指す。サブシステムは、組み合わせられるように修正されてもよく、または、所望の付属品として追加的なサブシステムを追加されてもよい。これは、図1で示されるバッチシステムに類似する。図83A〜図83Gで例示される装置と図1Aおよび1Bで例示される装置との間の主な差異は、熱交換システムおよび生成物除去システムの追加である。
図83Aは、例示的なCNT生成装置に使用され得る種々のサブシステムの概要を示す。図83Bで示されるように、特定の純度の液体二酸化炭素(CO)または他の炭素酸化物の供給は、ガス供給源サブシステム内部のタンク201に保持される。圧力および温度等の条件が適切であるとき、COは、蒸気化器202を通って移動し、該蒸気化器202は、液体の成分を蒸発させて、COガスを作成する。COの一部分は、次に、ガス取り扱いサブシステム(図83C)内へ移動し、そのうちの一定割合が、水分離サブシステム(図83F)から来るタンク保持された再循環されたCOガス301の流れとともに、圧縮器302内で圧縮される。圧縮された再循環された流れは次に、さらなる処理のための保持のためにタンク303内に移動する前に、新しいCO供給ストリームの残りの部分、およびガス供給源サブシステム(図83B)から来る混合された供給ストリームと組み合わされる。
ガス供給源サブシステムはまた、ガス供給源サブシステム(図83B)内部のパイプ203への管路によって、特定の純度のメタン(CH)の供給を提供する。ガス取り扱いサブシステム(図83C)の内部で、CHとCOの残りの部分とが、適切な反応特異的条件下、ならびに適切な反応特異的濃度および密度で混合される。これらの条件および濃度は、典型的には、例えば、異なる反応条件下でのカーボンナノチューブまたはグラファイトまたはカーボンブラック形態等、所望の最終生成物が何であり得るかに依存する。組み合わされたガス供給ストリームは、次に、圧縮されたCO流と混合されて、組み合わされたガス供給ストリームを形成する。組み合わされたガス供給ストリームは、より大型の反応システムの他の構成要素のために必要とされる情報に関して、少なくとも1つの分析器304によって分析される。
組み合わされたガス供給ストリームは、次に、反応サブシステム(図83D)内部の第1のガス間交換形式の熱交換器401、典型的には、クロスフロー熱交換器へ流れ、そこで、組み合わされたガス供給ストリームは、生成物分離サブシステム(図83E)内部のサイクロン501から来る、より温かいガスの流れからの熱を受け取る。組み合わされたガス供給ストリームの所望の特性を達成するために利用される、複数の熱交換器が存在し得る。熱交換器401は、使用される温度に適切であり、炭素ダスティング腐食に耐性である材料で作成される。いくつかの実施形態では、熱交換器の表面に金属酸化物の微細な堆積を生じさせて、金属ダスティングを低減または防止するために、少量の水が、ガス流ストリームに添加される。
図83Dに示される実施形態では、組み合わされたガス供給ストリームは、少なくとも1つの電気加熱器402へ移動して、反応物質を特定の反応条件にする。加熱器402は、反応器403から反応フィードバック情報を受信する。組み合わされたガス供給ストリームが、例えば、温度に関して、選択される特性に到達すると、それは反応器403内へ移動し、そこでCNTが作成される。反応器403は、炭素ダスティング腐食の効果を軽減させるように、セラミックで裏打ちされ得る。反応器内の反応は、国際特許出願第PCT/US2010/029934号で述べられるものを含む、種々の種類および実施形態であり得る。
CNTまたは他の炭素の形態の作成の後、反応器テールガスストリームは、生成物分離サブシステム(図83E)内部のサイクロン501へ移動し、そこで、CNTは反応器テールガスストリームから分離される。サイクロン501は、反応器403をサイクロンに接続する全てのラインであり得、また、炭素ダスティング腐食の効果を回避するためにセラミックで裏打ちされ得る。サイクロン501は、例えば、CNTに関して仮定されるグラファイトの密度を有する球状粒子を仮定した場合、12ミクロンより小さい粒子を分離する。
なおも図83Eを参照すると、CNTは、冷却装置504を通過し、そのプロセス中に、いくらかの残留ガス、例えば、COが、少なくとも1つのフィルタ502を通過し、次に安全な場所へと排気され得る503。冷却後、CNTまたは他の炭素生成物は、生成物梱包サブシステム(図83H)内の、例えば、小包等の一種の輸送用梱包801に移動する。輸送用梱包は、安全および効率的な輸送および配達のための要件を満たすように選択され得る。梱包プロセスでは、さらなる残留ガスは、ポンプ802、またはフィルタ803を通過し得、次に安全に排気され得る804。CNTが、保管および輸送のために適切に梱包された後、輸送用梱包は、輸送場所805へ移動され得る。
サイクロン501を去った後、きれいなテールガスストリームは、反応サブシステム(図83D)へ戻り、少なくとも1つの熱交換器401を通り、入ってくるガスへ熱を移行させる。別法として、反応器テールガスストリームは、まず熱交換器401を通過し、次にサイクロン501を通過してもよい。熱交換器をサイクロンの後に配置することは、金属ダスティングおよびクリープ破壊の問題を低下させる傾向がある。これらの問題は、熱交換器の前で少量の水をガス流に注入することによって、さらに低減され得る。この水の添加は、金属酸化物の小さい層を熱交換器の内部部品上に生じさせて、熱交換器を金属ダスティングから保護する。別法として、またはそれに加えて、熱交換器は、セラミックで裏打ちされてもよい。
反応器テールガスストリームはまた、1段階水冷式凝縮器602へ入る前に、水分離ユニット(図83F)内部の別の熱交換器601を通過してもよい。きれいなテールガスストリームは、少なくとも1つのフィルタ603を通過し、そこで、水は、保持タンク604内へと濾過される。きれいなテールガスストリームがフィルタを通過した後に、安全に排気される一定量のガス605が存在し得、その後、きれいなテールガスストリームは、2段階凝縮器606内へ移動する。
2段階凝縮器606、第1のコイルのセットは、ポンプ902を通過する通路を有し得、設備サブシステム(図83I)内部に保持され得る冷却タワー901へと、および冷却タワー901から通る水の供給源を使用して、きれいなテールガスストリームを冷却する。きれいなテールガスストリームは、次に、2段階凝縮器606の第2の段階を通過し、それは典型的には、グリコールを冷却剤として使用する。グリコールは、設備サブシステム(図83I)内部のポンプ904を格納する業者用冷蔵室(vendor chiller)903へ、かつ業者用冷蔵室903から、通過する。2段階凝縮器606を通過した後、水は、1段階水冷式凝縮器602付近の水を保持するタンク604のための出力と交差するパイプを通って流れる前に、保持タンク607内に保持され得る。水は、水処理サブシステム(図83G)内部の水処理タンク701へと移動し、そこで、さらなる処理のために保持される。水が保持タンク607内に収集されるのに伴い、再循環されたガス流は、水分離サブシステム(図83F)内の熱交換器601へ戻り、最終的に、ガス取り扱いサブシステム(図83C)内部のタンク301へと戻る。
水処理サブシステム(図83G)内部では、蓄積された水を保持するタンク701は、タンク内またはタンクの底部付近にあり得るパイプ702を通して水を計画的に放出する。ポンプ703は、水を、フィルタ704を通して方向付ける。水は次に、保管または安全な流出部705へと通過する。
設備サブシステム(図83)は、2段階凝縮器606、ならびに安全な場所への少なくとも1つの通気口905、および反応器を機能させるために必要な他のシステムのためのシステムを保持し得る。さらに、他の装置が、本明細書で開示される方法に従ってCNTを生み出すために使用されてもよい。図83は、単に1つの例を提供する。
複数の試料を、図83A〜図83Gに示される生成装置から採取した。各実施例に関して、炭素酸化物は、二酸化炭素であり、還元剤は、水素であり、また触媒は、軟鋼プレートであった。反応は、約0.342MPa(35psig)で、約625℃〜640℃で実施した。
図84〜図91はそれぞれ、100,000倍の倍率の、試料225、226、227、228、229、230、231、および232を示す。各場合において、結果として生じた生成物のバイモーダルな性質が明らかである。
試料の多くにおいて、カーボンナノチューブまたはカーボンナノ繊維のバイモーダルサイズ分布を特徴とする、特徴的な組成物が観察される。より大きい直径の集団は、顕著なサイズ分布を伴う第1の直径に、顕著な範囲を有すると思われる。また、より小さい集団も、特性として直径約20nm未満の、はるかにより小さいサイズ分布を有して観察される。
図92A〜図92Fは、別の試料、試料73における、バイモーダル材料の単層集団のキラリティー分布を示す。図92A〜図92Fは、試料73における単層材料の種々のキラリティーの比存在度を提供する。比存在度は、NanoFluorescence NS−2 analyzer(Houston,TXのApplied Nanofluorescence LLCから入手可能)を用いて決定した。この分析は、試料のうちの少なくともいくつかにおいて、第2の成長集団のうちの少なくともいくつかが単層CNTを含むという視覚的観察の妥当性を確認する傾向がある。複数の異なるキラリティーが、種々の濃度で存在することに留意されたい。反応条件に応じて、比存在度は、大きく変動し得る。特定のキラリティーにおけるより高い収率を伴うよう特定の配合を開発し得る。カーボンナノチューブが金属を含むか、およびカーボンナノチューブが伝導体または半導体であるかにキラリティーが影響を及ぼすと思われるため、これは商業的有意性を有し得る。Mildred S.Dresselhaus&Phaedon Avouris,Introduction to Carbon Materials Research,in CARBON NANOTUBES:SYNTHESIS,STRUCTURE,PROPERTIES,AND APPLICATIONS,1,6(Mildred S.Dresselhaus,Gene Dresselhaus,& Phaedon Avouris,eds.,2001)を参照。
先に述べたように、ナノチューブは、フォレスト成長、ピロー成長、および不規則な凝集体形態で生じ得る。図2は、大きく、局所的に平面的な触媒表面(円筒、ウエハ、または鋼のシート等)の上で反応が生じるときに典型的に生成されるような、フォレスト成長CNT生成物を示す。図3は、「フォレスト」成長の画像を示すが、2000倍の倍率である。
CNTの第2の集団のうちの少なくともいくつかに関する可能性のある機構は、第1の集団を形成するCNTの側壁の上での(および、おそらくは化学的に付着した)成長を含む。ここでの理論は、触媒原子の集団が、第1の集団の表面上、またはその隙間内に堆積し得るというものである。これらの原子は、反応条件下で、CNT成長の核形成に十分なサイズに発達するまで、オストワルド成長のプロセスを通して凝集する。
第2のより小さい直径の成長の成長に関する核形成サイトのために、触媒原子を堆積させるために企図される、3つの可能性のある機構が提案される:(a)成長先端の浸食、(b)反応器中の揮散した鉄、および(c)カルボニル形成、その後の鉄原子を堆積させるための分解。以下の考察は、単に考察の目的のためにのみ提供され、限定的であることを意図しない。これらの機構は、相互排他的ではなく、したがって、任意の組み合わせが生じ得る。さらに、いくつかの他の機構(単数または複数)が稼働してもよい。
成長先端の浸食
成長先端の浸食は、成長先端から剥がれ落ちる触媒に由来する鉄の原子が関与する。これらの結晶粒は、鉄の他の結晶粒(おそらくは、揮散した鉄またはカルボニル分解に由来する鉄)と接触し、凝集して、第2の成長点先端または触媒核形成サイトとして働くのに十分なサイズの節を形成する。第2の成長のための核形成サイトは、触媒原子のオストワルド成長のプロセスを通して形成される可能性がある。凝集した鉄原子は、次に、下にさらに述べる通り、さらなるCNT形成を触媒する可能性がある。
第2の成長は、触媒原子(典型的には、鋼をバルク触媒として使用するときの、鉄)として生じ、成長先端の浸食を通して第1の成長のチューブ層に同伴し、その後、オストワルド成長のプロセスを通して第1の成長カーボンナノチューブの表面上で凝集して、第2の成長のための核形成触媒粒子を形成し得る。オストワルド成長が進行するにつれて、凝集体は、カーボンナノチューブ成長を支持する閾値サイズに到達し、その後直ちに成長が開始され、それは核形成サイトのさらなる成長を止め、したがって第2の成長のサイズを相対的により小さい直径に制限する。
揮散した鉄
反応器の内部の温度および圧力は、典型的には、鉄触媒を沸騰させるのに十分ではない。しかしながら、その条件は、いくらかの少量の鉄原子を揮散させるのに十分である。これらの原子は、次に、潜在的なCNT触媒核形成サイトへ凝集し、反応器の壁またはより大きいナノチューブの側壁に張り付き、下にさらに述べる通り、さらなるCNTの形成を触媒する可能性がある。
カルボニル分解
反応ガスは、反応ガス混合物中に一酸化炭素を含む。反応条件下で、鉄カルボニル形成の可能性があると思われる。しかしながら、反応器内の熱および圧力のため、いずれの形成された鉄カルボニルも、素早く分解し、反応器中に遊離する鉄原子を残す可能性がある。これらの原子は、次に、オストワルド成長を通して潜在的なCNT触媒核形成サイトへ凝集し、反応器の壁または他のナノチューブの側壁に張り付き、下にさらに述べる通り、さらなるCNT形成を触媒する可能性がある。
第2の成長
第2の触媒サイト発達に関する可能な機構の考察から推測され得る通り、第2の核形成サイトは、先に形成されたカーボンナノチューブの塊内および反応器内部の種々の場所に、さらには不規則に、見出され得る。第2の成長は、直径が比較的均一であるようであり、これは、成長の開始が、概ね、核形成サイトが最小臨界サイズに到達する直後であるという仮説につながる。
本分析はこれを確証してはいないが、第2のより小さい直径のカーボンナノチューブのうちの少なくともいくつかは、より大きいナノチューブの壁、おそらくはその壁の欠陥部位に、化学的に結合されることが可能である。図93は、この前提を支持する理論上の概略的な様式を示す。図93に示される通り、より大きい直径のナノチューブ100は、鋼のシート等の触媒表面101から、外側に成長する。より大きい直径のナノチューブ100が成長するにつれて、鉄等の原子または触媒原子の小さい凝集体110は、触媒シート101から剥離し、ナノチューブ100に沿って移動する。上に述べる通り、この剥離は、表面移動を通して、あるいは、揮散した鉄を、その次に他の鉄原子とともに凝集する固体の鉄へと凝縮することによって、後にカーボンナノチューブの表面で分解し、金属原子をカーボンナノチューブの表面に堆積させる、鉄カルボニル等のカルボニルまたはガスもしくは蒸気を含有する他の触媒の形成によって、あるいは、これらまたは他の機構の組み合わせによって、生じ得る。
図93で示される通り、反応中、凝集した鉄のナノ粒子110は、カーボンナノチューブ100の外壁内の欠陥の中に留まり得る。これらの鉄のナノ粒子110は、おそらくは、オストワルド成長のプロセスを通して凝集して、さらなるナノチューブ形成のための触媒の核形成粒子として働くのに十分なサイズになり得る。したがって、カーボンナノチューブの壁に留まる任意の鉄のナノ粒子は、他のカーボンナノチューブ111のための核形成サイトとなり得る。これらの他のカーボンナノチューブは、直径が、主要なナノチューブ100よりはるかに小さい可能性があり、また欠陥が「新規の」ナノチューブとの結合に利用可能な開放された結合部を有し得ることから、ナノチューブ100の外壁に化学的に結合され得る。
フォレスト成長形態は、典型的には、このバイモーダルなサイズ分布を示す。これまでに実施された実施例では、第1の成長は、触媒基材に垂直に整列した(「フォレスト」を形成する)カーボンナノチューブを含む、より大きい直径のナノチューブを、第1の成長の中でもつれ合った、より小さい直径のCNTの第2の集団とともに有している。例えば、図4は、全般的に整列されたより大きい直径のCNTと、フォレスト成長の中に撚り合わされるはるかにより小さい直径のCNTとを有する、フォレスト成長を示す。
図8および図9は、第1のフォレスト成長を示す。画像を注意深く見ると、CNTの周辺に「けば」として見えるものが示される。第1の成長上の見かけのけばは、第2の成長である可能性がある。第2の成長は、比較的小さく、低倍率では、観察不可能であるか、または非常にけば立って見えるかのいずれかであることが多い。しかしながら、これらの画像は、概ねSEM画像において初めに可視となる倍率での第2の成長の外観を例示する。図10および図11は、試料112のより高倍率の画像を示す。ここに見られる通り、より小さい直径のCNTは、より大きい直径の「フォレスト」成長の内部で撚り合わさっている。
第1の成長は、全般的に、3つの主要な形態で生じると思われる:1)第1の成長が、整列し、バルク触媒の表面に実質的に垂直である、「フォレスト」成長、2)第1の成長が、高度に絡み、積み重ねられたピローのように見える別個の層で成長するように見える、「ピロー」成長、および3)高度に絡むが、明確な構造を有さない、凝集した材料。典型的に、第2の成長は、第1の成長材料内に分散され、見かけ上不規則に配向され、第1の成長材料に高度に絡む。第2の成長は、3つの形態の各々の試料において見られる。例えば、図8〜図11は、フォレスト形態におけるこの第2の成長を示す。図12および図13は、ピロー形態におけるこの第2の成長を示す。
したがって、いくつかの実施形態では、カーボンナノチューブの混合された集団を含む組成物は、実質的にフォレストまたはピローパターンで整列した、相対的により大きい直径のナノチューブを有する第1の集団と、第1の集団に高度に絡む、相対的により小さい直径のナノチューブを有する第2の集団とを含む。
第1の成長材料は典型的には、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)であると思われるが、直径が透過型電子顕微鏡(TEM)には大きすぎて、ナノチューブのうちのいくつかの別個の層を解像することができない場合があるため、材料の正確な構造は確認されていない。第1の成長材料のうちのいくつかが、いくつかの文献がカーボンナノ繊維と称するグラファイト状カラムを含むことが可能である。いずれの場合でも、構造は、約500〜1,000対1の典型的なアスペクト比を有する繊維状材料であり、また少量(典型的には、<5重量%)の触媒残留物を伴う炭素から構成される。第1の成長としてのこれらの他の形態の存在は、本明細書で説明および請求されるような組成物に含まれることを意図される。
これまでのところ、試験および評価において、第2の成長材料のTEM画像は、3つ以下の層を伴い、カーボンナノチューブの特有の構造を有する材料を示す。第2の成長材料は、追加的な層を有し得、また他の形態の炭素繊維を含み得ることが可能である。第2の成長としてのこれらの他の形態の存在が、説明されるような組成物に含まれることを意図される。
図5〜図7は、漸増する倍率で、より大きいナノチューブ内部に撚り合わされるより小さい直径のナノチューブを伴う、より大きい直径を有するフォレスト成長カーボンナノチューブの電子顕微鏡画像を示す。これらの画像によって示される通り、より小さい直径のナノチューブは、単層ナノチューブであると思われる。
同様に、図12〜図18は、ピロー成長形態カーボンナノチューブの画像を示す。例えば、図12および図13に見られるように、ピロー成長ナノチューブは、より大きい直径のナノチューブ内部に撚り合わされるより小さい直径のナノチューブを伴う、より大きい直径のナノチューブを含む。バイモーダルカーボンナノチューブ混合物が、より大きい直径およびより小さい直径のナノチューブの双方の特性を組み合わせることを、実験は示唆している。例えば、表1で示されるように、University of Dayton Research Instituteによって実施されたバイモーダルフォレスト成長の試験は、試験されたバイモーダルカーボンナノチューブ試料に関する優れた電気伝導性を示唆している。試料112は、87.6kPa(12.7psi)で、典型的な試験材料に関する0.262Ohms−cm超と比較して、0.223Ohms−cmの4ポイントの抵抗率を有した。
(表1)電気抵抗率
Figure 2018095552
バイモーダル材料は、したがって、より大きい直径のCNTのより大きい強度と、より小さい直径のCNTの強化された熱および電気伝導性とを、多くの用途において提供し得る。
バイモーダル材料は、容易に湿潤および分散されると思われる。これは、バルク材料を通して種々のサイズの浸透経路をもたらす、材料におけるサイズの多様性に起因し得る。これらの浸透経路は、溶媒またはマトリックス材料を、凝集した材料に、より容易に浸出させることを可能にし得る。特定の機構にかかわらず、この特性は、バイモーダル材料を分散および浸出において有用にし得る。
より小さいナノチューブがより大きい直径のナノチューブの外壁に化学的に結合する場合に、この化学結合は、材料を破損することなく破断され得ると仮定すると、2つのサイズ集団の分離は、バイモーダル集団の各々に対応する2つの材料のグレードをもたらし得る。そのような分離は、例えば、バイモーダル材料を分散させ、集団を遠心分離し、分離した集団を遠心分離器から引き出すことによってなされ得る。分離は、単層CNTを、その後の分離を伴うバイモーダル混合において成長させることによって大容量単層CNT生成を開発するのに経済的な手段であることが証明され得る。
したがって、本明細書で開示される組成物および方法は、先行の組成物および方法を上回るいくつかの利点を有する。開示される組成物および方法のある特定の実施形態が本明細書で説明されているが、種々の修正および変更は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく当業者によってなされ得る。

Claims (31)

  1. 少なくとも約50:1のアスペクト比を有し、かつ実質的に同じ長さを有する略円筒形繊維を含む、カーボンナノチューブの第1の集団と、
    前記第1の集団の平均直径よりも小さい平均直径を有する略円筒形繊維を含む、カーボンナノチューブの第2の集団と
    を含む固体炭素組成物であって、
    前記第2の集団が前記第1の集団と絡み合わされ、かつ前記第2の集団が不規則な配向を有する、固体炭素組成物。
  2. 前記第1の集団が、フォレスト形態で整列されたカーボンナノチューブを有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記第1の集団が、ピロー形態で絡まるカーボンナノチューブを有する、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記第1および第2の集団カーボンナノチューブが絡まる、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記第1の集団が、4つ以上の層を有する多層カーボンナノチューブから成る、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記第1の集団の前記カーボンナノチューブの前記平均直径が、前記第2の集団の前記カーボンナノチューブの前記平均直径より少なくとも約3倍大きい、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記第1の集団の前記カーボンナノチューブの前記平均直径が、前記第2の集団の前記カーボンナノチューブの前記平均直径より少なくとも約3〜15倍大きい、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記第2の集団内の前記カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つが、前記第1の集団内の前記カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つに化学的に結合している、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記第1の集団が、20nm〜200nmの特有の直径を有するカーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記第1の集団が、40nm超の特有の直径を有するカーボンナノチューブを含み、前記第2の集団が、30nm未満の特有の直径を有するカーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記第1の集団が、80nm〜150nmの特有の直径を有するカーボンナノチューブを含み、前記第2の集団が、10〜25nmの特有の直径を有するカーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記第2の集団が、多層カーボンナノチューブから成る、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記多層カーボンナノチューブが、25nm未満の直径を有する単層、2層、および3層カーボンナノチューブを含む、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記第1および前記第2の集団の中間の直径を有する、ナノチューブの第3の集団をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  15. 1つ以上のさらなる炭素の同素体および形態が、前記カーボンナノチューブに加えて存在する、請求項1に記載の組成物。
  16. 29.0kPaにおいて、87.6kPaにおけるその抵抗率の2.25〜2.75倍である抵抗率を有する、カーボンナノチューブの混合物。
  17. 1立方フィートあたり約20ポンド〜1立方メートルあたり480キログラム超の転圧密度を有する、カーボンナノチューブの混合物。
  18. 前記混合物が、29.0kPaにおいて1立方メートルあたり320キログラムを超える転圧密度、および87.6kPaにおいて1立方メートルあたり480キログラムを超える転圧密度を有する、請求項17に記載のカーボンナノチューブの混合物。
  19. バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブの混合物であって、
    炭素酸化物ガスストリームおよび還元剤ガスストリームを混合して、反応ガス混合物を形成することと、
    前記反応ガス混合物を、所定の反応温度および所定の圧力下で、所定の固体触媒を含有する反応容器中へ通すことと、
    前記反応混合物を、前記固体触媒の存在下で反応させて、カーボンナノチューブを形成することと、
    前記ナノチューブを前記反応容器から取り出すことと
    を含むプロセスによって形成される、カーボンナノチューブの混合物。
  20. バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブの混合物を生成する方法であって、
    炭素酸化物ガスストリームおよび還元剤ガスストリームを混合して、反応ガス混合物を形成することと、
    前記反応ガス混合物を、所定の反応温度および所定の圧力で、所定の固体触媒を含有する反応容器へ導入することと、
    前記反応混合物を、前記固体触媒の存在下で反応させて、カーボンナノチューブを形成することと、
    前記ナノチューブを前記反応容器から取り出すことと
    を含む、方法。
  21. 前記触媒が、軟鋼、ステンレス鋼304、ステンレス鋼316L、または炭素鋼触媒を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記所定の反応温度が、約450℃〜約900℃である、請求項20に記載の方法。
  23. 前記所定の反応温度が、約600℃〜約700℃である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記所定の反応圧力が、約53kPa〜約133kPaである、請求項20に記載の方法。
  25. バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブの混合物を生成する方法であって、
    炭素酸化物ガスストリームおよび還元剤ガスストリームを混合して、反応ガス混合物を形成することであって、前記還元剤ガスストリームが、メタン、水素、メタノール、エタン、およびエタノールから成る群から選択される、ことと、
    前記反応ガス混合物を、所定の反応温度および所定の圧力で、触媒を含有する反応容器中へ通すことであって、前記触媒が、ステンレス鋼、軟鋼、または炭素鋼を含む、ことと、
    前記反応混合物を、固体触媒の存在下で反応させて、カーボンナノチューブを形成することと、
    前記ナノチューブを前記反応容器から取り出すことと
    を含む、方法。
  26. 前記固体触媒の存在下での前記反応混合物中の水の分圧が、所定の分圧を維持するために調節される、請求項20に記載の方法。
  27. 前記水の分圧が、凝縮、圧縮、過剰な水の除去、加熱、または水の添加によって調節される、請求項26に記載の方法。
  28. 反応ガス混合物の一部分を含むように、前記反応容器からテールガスストリームを再循環させることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  29. バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブの混合物を生成するための方法であって、
    炭素酸化物ガスストリームおよび還元剤ガスストリームを混合して、反応ガス混合物を形成することと、
    前記反応ガス混合物を、所定の反応温度および所定の圧力で、所定の固体触媒を含有する反応容器中へ通すことであって、前記固体触媒が、その中で存在する鉄がアルファ相にない、担持されていない鉄系触媒を含む、ことと、
    前記反応ガス混合物を、前記固体触媒の存在下で反応させて、カーボンナノチューブを形成することと、
    前記反応容器中の水蒸気圧を、所定のレベルに継続的に維持することと、
    前記形成されたナノチューブを、前記反応容器から取り出すことと、を含む、方法。
  30. 前記鉄が、実質的に非酸化状態にある、請求項29に記載の方法。
  31. 前記鉄が、還元状態にある、請求項30に記載の方法。
JP2018011085A 2012-04-23 2018-01-26 バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブ Active JP6630379B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261637229P 2012-04-23 2012-04-23
US61/637,229 2012-04-23

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015508936A Division JP6283353B2 (ja) 2012-04-23 2013-03-15 バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018095552A true JP2018095552A (ja) 2018-06-21
JP6630379B2 JP6630379B2 (ja) 2020-01-15

Family

ID=49483716

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015508936A Active JP6283353B2 (ja) 2012-04-23 2013-03-15 バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブ
JP2018011085A Active JP6630379B2 (ja) 2012-04-23 2018-01-26 バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブ

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015508936A Active JP6283353B2 (ja) 2012-04-23 2013-03-15 バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20180208466A1 (ja)
EP (1) EP2841379A4 (ja)
JP (2) JP6283353B2 (ja)
CN (1) CN104284862A (ja)
MX (1) MX2014012556A (ja)
WO (1) WO2013162650A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6984781B1 (ja) * 2020-11-16 2021-12-22 東洋インキScホールディングス株式会社 カーボンナノチューブ分散液およびその利用
WO2022138496A1 (ja) * 2020-12-22 2022-06-30 東洋インキScホールディングス株式会社 カーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ分散組成物、電極膜用スラリー、電極膜、及び、二次電池

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NO2749379T3 (ja) 2012-04-16 2018-07-28
MX2014012548A (es) 2012-04-16 2015-04-10 Seerstone Llc Metodos y estructuras para reducir oxidos de carbono con catalizadores no ferrosos.
US9090472B2 (en) 2012-04-16 2015-07-28 Seerstone Llc Methods for producing solid carbon by reducing carbon dioxide
US9221685B2 (en) 2012-04-16 2015-12-29 Seerstone Llc Methods of capturing and sequestering carbon
US9896341B2 (en) 2012-04-23 2018-02-20 Seerstone Llc Methods of forming carbon nanotubes having a bimodal size distribution
US10815124B2 (en) 2012-07-12 2020-10-27 Seerstone Llc Solid carbon products comprising carbon nanotubes and methods of forming same
CN107651667A (zh) 2012-07-12 2018-02-02 赛尔斯通股份有限公司 包含碳纳米管的固体碳产物以及其形成方法
CN104619640B (zh) 2012-07-13 2017-05-31 赛尔斯通股份有限公司 用于形成氨和固体碳产物的方法和***
US9779845B2 (en) 2012-07-18 2017-10-03 Seerstone Llc Primary voltaic sources including nanofiber Schottky barrier arrays and methods of forming same
MX2015006893A (es) 2012-11-29 2016-01-25 Seerstone Llc Reactores y metodos para producir materiales de carbono solido.
EP3129133A4 (en) * 2013-03-15 2018-01-10 Seerstone LLC Systems for producing solid carbon by reducing carbon oxides
US20160030926A1 (en) * 2013-03-15 2016-02-04 Seerstone Llc Compositions of Matter Comprising Nanocatalyst Structures, Systems Comprising Nanocatalyst Structures, and Related Methods
EP3122459A4 (en) * 2013-03-15 2018-01-10 Seerstone LLC Methods and systems for forming catalytic assemblies, and related catalytic assemblies
EP4106333A1 (en) 2016-02-12 2022-12-21 Samsung Electronics Co., Ltd. Image encoding method and apparatus, and image decoding method and apparatus
US11752459B2 (en) 2016-07-28 2023-09-12 Seerstone Llc Solid carbon products comprising compressed carbon nanotubes in a container and methods of forming same
WO2018075123A1 (en) 2016-10-19 2018-04-26 Vanderbilt University Nanostructured carbon materials and methods of making and use thereof
ES2914044T3 (es) 2018-06-29 2022-06-07 Shell Int Research Reactor calentado eléctricamente y un proceso de conversión de gas mediante el uso de dicho reactor
GB201917638D0 (en) * 2019-12-03 2020-01-15 Cambridge Entpr Ltd Method
US11939213B2 (en) * 2020-12-21 2024-03-26 Raytheon Company Programmable structural building blocks
CN113192762B (zh) * 2021-05-17 2022-04-05 安徽科技学院 一种具有分级结构的碳纳米管复合材料及其制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004007820A1 (ja) * 2002-07-17 2004-01-22 Bussan Nanotech Research Institute Inc. 微細炭素繊維の製造方法
JP2004123505A (ja) * 2001-11-28 2004-04-22 Univ Nagoya 中空状ナノファイバーの製造法、中空状ナノファイバー、中空状ナノファイバー含有組成物、触媒組成物、および電子放出材料
JP2005075725A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Samsung Sdi Co Ltd カーボンナノチューブ構造体及びその製造方法とそれを応用した電界放出素子及び表示装置
JP2007182352A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 配向カーボンナノチューブ・バルク集合体ならびにその製造方法および用途
JP2010159209A (ja) * 2004-07-27 2010-07-22 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 配向単層カーボンナノチューブ・バルク構造体およびその製造方法
WO2010120581A1 (en) * 2009-04-17 2010-10-21 Noyes Dallas B Method for producing solid carbon by reducing carbon oxides
JP2011068509A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Aisin Seiki Co Ltd カーボンナノチューブ複合体およびその製造方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10312494A1 (de) * 2003-03-20 2004-10-07 Association pour la Recherche et le Développement des Méthodes et Processus Industriels (Armines) Kohlenstoff-Nanostrukturen und Verfahren zur Herstellung von Nanoröhren, Nanofasern und Nanostrukturen auf Kohlenstoff-Basis
US20050147746A1 (en) * 2003-12-30 2005-07-07 Dubin Valery M. Nanotube growth and device formation
CA2503655C (en) 2004-04-06 2013-08-06 Universite De Sherbrooke Carbon sequestration and dry reforming process and catalysts to produce same
US20060204426A1 (en) * 2004-11-17 2006-09-14 Research Foundation Of The City University Of New York Methods and devices for making carbon nanotubes and compositions thereof
US8202505B2 (en) * 2006-01-06 2012-06-19 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Aligned carbon nanotube bulk aggregate, process for producing the same and uses thereof
NO2749379T3 (ja) 2012-04-16 2018-07-28
US9221685B2 (en) 2012-04-16 2015-12-29 Seerstone Llc Methods of capturing and sequestering carbon
CN104321274B (zh) 2012-04-16 2017-04-26 赛尔斯通股份有限公司 用于在碳氧化物催化转化器中使用金属催化剂的方法
US9090472B2 (en) 2012-04-16 2015-07-28 Seerstone Llc Methods for producing solid carbon by reducing carbon dioxide
JP6379085B2 (ja) 2012-04-16 2018-08-22 シーアストーン リミテッド ライアビリティ カンパニー 炭素酸化物を含有するオフガスを処理するための方法
JP2015518461A (ja) 2012-04-16 2015-07-02 シーアストーン リミテッド ライアビリティ カンパニー 固体カーボンナノチューブ、固体炭素クラスタ、およびフォレストを生成するための方法および反応器
MX2014012548A (es) 2012-04-16 2015-04-10 Seerstone Llc Metodos y estructuras para reducir oxidos de carbono con catalizadores no ferrosos.
CN104619640B (zh) 2012-07-13 2017-05-31 赛尔斯通股份有限公司 用于形成氨和固体碳产物的方法和***

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004123505A (ja) * 2001-11-28 2004-04-22 Univ Nagoya 中空状ナノファイバーの製造法、中空状ナノファイバー、中空状ナノファイバー含有組成物、触媒組成物、および電子放出材料
WO2004007820A1 (ja) * 2002-07-17 2004-01-22 Bussan Nanotech Research Institute Inc. 微細炭素繊維の製造方法
JP2005075725A (ja) * 2003-09-01 2005-03-24 Samsung Sdi Co Ltd カーボンナノチューブ構造体及びその製造方法とそれを応用した電界放出素子及び表示装置
JP2010159209A (ja) * 2004-07-27 2010-07-22 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 配向単層カーボンナノチューブ・バルク構造体およびその製造方法
JP2007182352A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 配向カーボンナノチューブ・バルク集合体ならびにその製造方法および用途
WO2010120581A1 (en) * 2009-04-17 2010-10-21 Noyes Dallas B Method for producing solid carbon by reducing carbon oxides
JP2011068509A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Aisin Seiki Co Ltd カーボンナノチューブ複合体およびその製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CAROLE E. ET AL.: "A simple thermal CVD method for carbon nanotube synthesis on stainless steel 304 without the additio", CARBON, vol. 47, JPN6017010430, 2008, pages 313 - 318, ISSN: 0003984163 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6984781B1 (ja) * 2020-11-16 2021-12-22 東洋インキScホールディングス株式会社 カーボンナノチューブ分散液およびその利用
WO2022102727A1 (ja) * 2020-11-16 2022-05-19 東洋インキScホールディングス株式会社 カーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ樹脂組成物、合材スラリー、電極膜、非水電解質二次電池、及び合材スラリーの製造方法
JP2022079409A (ja) * 2020-11-16 2022-05-26 東洋インキScホールディングス株式会社 カーボンナノチューブ分散液およびその利用
WO2022138496A1 (ja) * 2020-12-22 2022-06-30 東洋インキScホールディングス株式会社 カーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチューブ分散組成物、電極膜用スラリー、電極膜、及び、二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP6283353B2 (ja) 2018-02-21
JP6630379B2 (ja) 2020-01-15
JP2015520104A (ja) 2015-07-16
WO2013162650A1 (en) 2013-10-31
MX2014012556A (es) 2015-04-14
EP2841379A4 (en) 2015-12-16
CN104284862A (zh) 2015-01-14
EP2841379A1 (en) 2015-03-04
US20180208466A1 (en) 2018-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6630379B2 (ja) バイモーダルサイズ分布を有するカーボンナノチューブ
US9896341B2 (en) Methods of forming carbon nanotubes having a bimodal size distribution
JP6755269B2 (ja) 二酸化炭素を還元することによって固体炭素を生成するための方法
JP6328611B2 (ja) 非鉄触媒で炭素酸化物を還元するための方法および構造
Kumar et al. Chemical vapor deposition of carbon nanotubes: a review on growth mechanism and mass production
JP6078045B2 (ja) 炭素酸化物を還元することによる固体炭素の製造方法
JP2015518461A (ja) 固体カーボンナノチューブ、固体炭素クラスタ、およびフォレストを生成するための方法および反応器
JP6389824B2 (ja) 固体炭素材料を製造するための反応器および方法
Figueira et al. Nanoparticles of Ce, Sr, Co in and out the multi-walled carbon nanotubes applied for dry reforming of methane
JP2015520717A (ja) 炭素酸化物触媒変換器中で金属触媒を使用するための方法
Nasibulin et al. Carbon nanotube synthesis from alcohols by a novel aerosol method
Nagy et al. On the growth mechanism of single-walled carbon nanotubes by catalytic carbon vapor deposition on supported metal catalysts
Lee et al. Opposite effects of gas flow rate on the rate of formation of carbon during the pyrolysis of ethane and acetylene on a nickel mesh catalyst
Dlamini et al. Carbon-based nanomaterials production from environmental pollutant byproducts: A Review
Suda Chemical Vapor Deposition of Helical Carbon Nanofibers
Mahangani Thermodynamic and Kinetic Study of the Production of Carbon Nanotube Yarn from Chemical Vapour Deposition Reactor
Wu et al. Growth of Single-Walled Carbon Nanotubes from Solid Supported Heterogeneous Catalysts: Achievements and Challenges
KR100713609B1 (ko) 섬유쌍 탄소
Newman Growth of carbon nanotubes on controlled sized metal nanoparticles by manipulation of supersaturation

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180220

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190227

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6630379

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250