JP2018095544A - 支持ガラス基板及びこれを用いた積層体 - Google Patents

支持ガラス基板及びこれを用いた積層体 Download PDF

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【課題】fan out型のWLPの製造工程において、積層体の搬送時にクラックが生じ難い支持ガラス基板を創案する。【解決手段】本発明の支持ガラス基板は、加工基板を支持するための支持ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO245〜70%、Al2O310.5超〜35%、B2O30〜20%、Na2O 5〜25%、K2O 0〜10%、MgO 1〜10%、ZnO 0〜5%を含有し、且つクラック抵抗が500gf以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、加工基板を支持するための支持ガラス基板及びこれを用いた積層体に関し、具体的には、半導体パッケージ(半導体装置)の製造工程で加工基板の支持に用いる支持ガラス基板及びこれを用いた積層体に関する。
携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Data Assistance)等の携帯型電子機器には、小型化及び軽量化が要求されている。これに伴い、これらの電子機器に用いられる半導体チップの実装スペースも厳しく制限されており、半導体チップの高密度な実装が課題になっている。そこで、近年では、三次元実装技術、すなわち半導体チップ同士を積層し、各半導体チップ間を配線接続することにより、半導体パッケージの高密度実装を図っている。
また、従来のウエハレベルパッケージ(WLP)は、バンプをウエハの状態で形成した後、ダイシングで個片化することにより作製されている。しかし、従来のWLPは、ピン数を増加させ難いことに加えて、半導体チップの裏面が露出した状態で実装されるため、半導体チップの欠け等が発生し易いという問題があった。
そこで、新たなWLPとして、fan out型のWLPが提案されている。fan out型のWLPは、ピン数を増加させることが可能であり、また半導体チップの端部を保護することにより、半導体チップの欠け等を防止することができる。
fan out型のWLPでは、例えば、複数の半導体チップを支持ガラス基板上に配列した後、樹脂の封止材でモールドして、加工基板を形成した後に、加工基板の一方の表面に配線する工程、半田バンプを形成する工程等を有する。
ところで、加工基板と支持ガラス基板とを備える積層体は、fan out型のWLPの製造工程において、支持ガラス基板側が搬送コンベアと接触した状態で水平方向に搬送される。またロボットアーム等により支持ガラス基板の端縁部を把持した状態で搬送が行われる。
しかし、支持ガラス基板は、積層体の搬送時に、搬送コンベアやロボットアームから機械的衝撃を受け易い。そして、支持ガラス基板が機械的衝撃を受けると、支持ガラス基板にクラックが生じ、そのクラックを起点にして、支持ガラス基板が破損する場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、fan out型のWLPの製造工程において、積層体の搬送時にクラックが生じ難い支持ガラス基板を創案することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、支持ガラス基板としてアルカリアルミノシリケートガラスを採択すると共に、そのアルカリアルミノシリケートガラスのガラス組成範囲を厳密に規制してクラック抵抗を高めることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の支持ガラス基板は、加工基板を支持するための支持ガラス基板であって、ガラス組成として、質量%で、SiO 45〜70%、Al 10.5超〜35%、B 0〜20%、NaO 5〜25%、KO 0〜10%、MgO 1〜10%、ZnO 0〜5%を含有し、且つクラック抵抗が500gf以上であることを特徴とする。ここで、「クラック抵抗」とは、クラック発生率が50%となる荷重のことを指す。「クラック発生率」は、次のようにして測定した値を指す。まず湿度30%、温度25℃に保持された恒温恒湿槽内において、所定荷重に設定したビッカース圧子をガラス表面(光学研磨面)に15秒間打ち込み、その15秒後に圧痕の4隅から発生するクラックの数をカウント(1つの圧痕につき最大4とする)する。このようにして圧子を20回打ち込み、総クラック発生数を求めた後、(総クラック発生数/80)×100の式により求める。クラック抵抗の測定装置には、例えば、フューチュアテック社製のマルチビッカース硬度計FLC−50VXが使用可能である。
第二に、本発明の支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜67%、Al 19.7〜33%、B 0〜15%、NaO 5〜20%、KO 0〜3%、MgO 1〜5.5%、ZnO 0〜3%を含有し、且つクラック抵抗が700gf以上であることが好ましい。
第三に、本発明の支持ガラス基板は、20〜220℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が40×10−7/℃以上、且つ120×10−7/℃以下であることが好ましい。このようにすれば、加工基板内で半導体チップと封止材の割合を変更した場合に、加工基板と支持ガラス基板の熱膨張係数を厳密に整合させ易くなる。そして、両者の熱膨張係数が整合すると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に、反り変形)を抑制し易くなる。結果として、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが可能になり、また半田バンプを正確に形成することも可能になる。ここで、「20〜220℃の温度範囲における平均線熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。
第四に、本発明の支持ガラス基板は、20〜260℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が40×10−7/℃以上、且つ120×10−7/℃以下であることが好ましい。ここで、「20〜260℃の温度範囲における平均線熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。
第五に、本発明の支持ガラス基板は、30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が42×10−7/℃以上、且つ125×10−7/℃以下であることが好ましい。ここで、「30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。
第六に、本発明の支持ガラス基板は、直径100〜500mmのウエハ形状又は略円板形状を有し、板厚が2.0mm未満であり、全体板厚偏差(TTV)が5μm以下であり、且つ反り量が60μm以下であることが好ましい。ここで、「反り量」は、支持ガラス基板全体における最高位点と最小二乗焦点面との間の最大距離の絶対値と、最低位点と最小二乗焦点面との絶対値との合計を指し、例えばコベルコ科研社製のBow/Warp測定装置SBW−331M/Ldにより測定可能である。
第七に、本発明の積層体は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体であって、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることが好ましい。
第八に、本発明の積層体は、加工基板が、少なくとも封止材でモールドされた半導体チップを備えることが好ましい。
第九に、本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体を用意する工程と、加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることが好ましい。
第十に、本発明の半導体パッケージの製造方法は、加工処理が、加工基板の一方の表面に配線する工程を含むことが好ましい。
第十一に、本発明の半導体パッケージの製造方法は、加工処理が、加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する工程を含むことが好ましい。
第十二に、本発明の半導体パッケージは、上記の半導体パッケージの製造方法により作製されたことが好ましい。
第十三に、本発明の電子機器は、半導体パッケージを備える電子機器であって、半導体パッケージが、上記の半導体パッケージであることが好ましい。
本発明の積層体の一例を示す概念斜視図である。 fan out型のWLPの製造工程を示す概念断面図である。 本発明の支持ガラス基板の一例を示す上方概念図である。 図3(a)のA−A’方向の断面概念図である。
本発明の支持ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 45〜70%、Al 10.5超〜35%、B 0〜20%、NaO 5〜25%、KO 0〜10%、MgO 1〜10%、ZnO 0〜5%を含有することを特徴とする。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、質量%を表す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する主成分である。SiOの含有量が少な過ぎると、ヤング率、耐酸性が低下し易くなる。しかし、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性や成形性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。よって、SiOの下限範囲は45%以上であり、好ましくは47%以上、特に49%以上であり、上限範囲は70%以下であり、好ましくは68%以下、66%以下、特に65%以下であり、溶融性を優先する場合、64%以下、63%以下、特に62%以下である。
Alは、クラック抵抗を高める成分である。また分相、失透を抑制する成分である。しかし、Alの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性と成形性が低下し易くなる。よって、Alの下限範囲は10.5%超であり、好ましくは11%以上、13%以上、15%以上、17%以上、特に19.7%以上、上限範囲は35%以下であり、好ましくは30%以下、溶融性や成形性を優先する場合、25%以下、特に20%以下である。
は、溶融性や耐失透性を高める成分であり、またクラック抵抗を改善する成分である。しかし、Bの含有量が多過ぎると、ヤング率や耐酸性が低下し易くなる。よって、Bの下限範囲は0%以上であり、好ましくは1%以上、2%以上、3%以上、特に4%以上であり、上限範囲は20%以下であり、好ましくは15%以下、13%以下、11%以下、特に9%以下である。
NaOは、熱膨張係数を調整するために重要な成分であり、またガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。しかし、NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が不当に高くなる虞がある。よって、NaO下限範囲は5%以上であり、好ましくは6%以上、7%以上、8%以上、特に9%以上であり、上限範囲は25%以下であり、好ましくは23%以下、21%以下、特に18%以下である。
Oは、熱膨張係数を調整するための成分であり、またガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。しかし、KOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が不当に高くなる虞がある。よって、KOの含有量は0〜10%であり、好ましくは0〜6%、0〜5%、0.1〜1.9%、特に0.2〜1%未満である。
MgOは、クラック抵抗を高める成分である。また高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を顕著に高める成分である。しかし、MgOの含有量が多くなると、耐失透性が低下し易くなる。よって、MgOの含有量は1〜10%であり、好ましくは1〜6%、1〜5.5%、2〜5%、特に3〜4%未満である。
質量比(Al+B+MgO)/(NaO+KO)は、好ましくは1.3以上、1.5以上、2.0以上、2.5以上、特に3.0以上である。質量比(Al+B+MgO)/(NaO+KO)が小さ過ぎると、クラック抵抗が低下したり、傷が付き易くなって、支持ガラス基板がクラックで破損し易くなる。
ZnOは、高温粘性を下げて、溶融性や成形性を顕著に高める成分であり、また耐候性を高める成分である。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。よって、ZnOの含有量は0〜5%であり、好ましくは0〜4%、0.1〜2%、特に0.3〜1.5%である。
上記成分以外にも、任意成分として、他の成分を導入してもよい。なお、上記成分以外の他の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、特に5%以下が好ましい。
LiOは、高温粘性を下げて、溶融性の成形性を顕著に高める成分である。またヤング率を高める成分である。しかし、LiOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。よって、LiOの含有量は、好ましくは0〜7%、0〜3%、0〜1%、特に0.01〜0.1%である。
CaOは、高温粘性を下げて、溶融性の成形性を顕著に高める成分である。またアルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。よって、CaOの含有量は、好ましくは0〜10%、1〜8%、3〜8%、2〜6%、特に2〜5%である。
SrOは、分相を抑制する成分であり、また耐失透性を高める成分である。しかし、SrOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。よって、SrOの含有量は、好ましくは0〜20%、0〜15%、0〜9%、0〜5%、0〜4%、0〜3%、0〜2%、特に0〜1%未満である。なお、耐失透性の向上を優先する場合、SrOの好適な下限範囲は0.1%以上、1%以上、2%以上、4%以上、特に7%以上である。
BaOは、耐失透性を高める成分である。しかし、BaOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。よって、BaOの含有量は、好ましくは0〜20%、0〜14%、0〜9%、0〜5%、0〜4%、0〜3%、0〜2%、特に0〜1%未満である。なお、耐失透性の向上を優先する場合、BaOの好適な下限範囲は0.1%以上、1%以上、特に3%以上である。
Feは、不純物成分、或いは清澄剤成分として導入し得る成分である。しかし、Feの含有量が多過ぎると、紫外線透過率が低下する虞がある。すなわち、Feの含有量が多過ぎると、樹脂層、剥離層を介して、加工基板と支持ガラス基板の接着と脱着を適正に行うことが困難になる場合がある。よって、Feの含有量は、好ましくは0.05%以下、0.03%以下、0.001〜0.02%、特に0.005〜0.01%である。なお、本発明でいう「Fe」は、2価の酸化鉄と3価の酸化鉄を含み、2価の酸化鉄は、Feに換算して、取り扱うものとする。他の酸化物についても、同様にして、表記の酸化物を基準にして取り扱うものとする。
清澄剤として、Asが有効に作用するが、環境的観点で言えば、これら成分を極力低減することが好ましい。Asの含有量は、好ましくは1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下であり、実質的に含有させないことが望ましい。ここで、「実質的にAsを含有しない」とは、ガラス組成中のAsの含有量が0.05%未満の場合を指す。
Sbは、低温域で良好な清澄作用を有する成分である。Sbの含有量は、好ましくは0〜1%、0.001〜1%、0.01〜0.9%、特に0.05〜0.7%である。Sbの含有量が多過ぎると、ガラスが着色し易くなる。
SnOは、高温域で良好な清澄作用を有する成分であり、また高温粘性を低下させる成分である。SnOの含有量は、好ましくは0〜1%、0.001〜1%、0.01〜0.9%、特に0.05〜0.7%である。SnOの含有量が多過ぎると、SnOの失透結晶が析出し易くなる。なお、SnOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。
SOは、清澄作用を有する成分である。SOの含有量は、好ましくは0〜1%、0.001〜1%、0.01〜0.5%、特に0.05〜0.3%である。SOの含有量が多過ぎると、SOリボイルが発生し易くなる。
更に、ガラス特性が損なわれない限り、清澄剤として、F、C、或いはAl、Si等の金属粉末を各々1%程度まで導入してもよい。また、CeO等も1%程度まで導入し得るが、紫外線透過率の低下に留意する必要がある。
Clは、ガラスの溶融を促進する成分である。ガラス組成中にClを導入すれば、溶融温度の低温化、清澄作用の促進を図ることができ、結果として、溶融コストの低廉化、ガラス製造窯の長寿命化を達成し易くなる。しかし、Clの含有量が多過ぎると、ガラス製造窯周囲の金属部品を腐食させる虞がある。よって、Clの含有量は、好ましくは3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。
は、失透結晶の析出を抑制し得る成分である。但し、Pを多量に導入すると、ガラスが分相し易くなる。よって、Pの含有量は、好ましくは0〜15%、0〜2.5%、0〜1.5%、0〜0.5%、特に0.1〜0.3%である。
TiOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、ソラリゼーションを抑制する成分である。しかし、TiOを多量に導入すると、ガラスが着色して、透過率が低下し易くなる。よって、TiOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜3%、0〜1%、特に0〜0.02%である。
ZrOは、耐薬品性やヤング率を改善する成分である。しかし、ZrOを多量に導入すると、ガラスが失透し易くなり、また導入原料が難熔解性であるため、未熔解の結晶性異物が製品基板に混入する虞がある。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0〜10%、0〜7%、0〜5%、0.001〜3%、0.01〜1%、特に0.1〜0.5%である。
、Nb、Laには、歪点、ヤング率等を高める働きがある。しかし、これらの成分の含有量が各々5%、特に1%より多いと、原料コスト、製品コストが高騰する虞がある。
本発明の支持ガラス基板は、以下の特性を有することが好ましい。
クラック抵抗は500gf以上であり、好ましくは600gf以上、700gf以上、800gf以上、900gf以上、特に1000gf以上である。クラック抵抗が低いと、fan out型のWLPの製造工程において、搬送コンベアやロボットアームからの機械的衝撃により、支持ガラス基板にクラックが生じ、そのクラックを起点にして、支持ガラス基板が破損し易くなる。
20〜220℃の温度範囲における平均熱膨張係数は、好ましくは40×10−7/℃以上、且つ120×10−7/℃以下、より好ましくは50×10−7/℃超、且つ110×10−7/℃以下、更に好ましくは60×10−7/℃以上、且つ100×10−7/℃以下、特に好ましくは70×10−7/℃以上、且つ95×10−7/℃以下である。20〜220℃の温度範囲における平均熱膨張係数が上記範囲外になると、加工基板と支持ガラス基板の熱膨張係数が整合し難くなる。そして、両者の熱膨張係数が不整合になると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に反り変形)が生じ易くなる。
20〜260℃の温度範囲における平均熱膨張係数は、好ましくは40×10−7/℃以上、且つ120×10−7/℃以下、より好ましくは50×10−7/℃超、且つ110×10−7/℃以下、更に好ましくは60×10−7/℃以上、且つ100×10−7/℃以下、特に好ましくは70×10−7/℃以上、且つ95×10−7/℃以下である。20〜260℃の温度範囲における平均熱膨張係数が上記範囲外になると、加工基板と支持ガラス基板の熱膨張係数が整合し難くなる。そして、両者の熱膨張係数が不整合になると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に反り変形)が生じ易くなる。
30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数は、好ましくは42×10−7/℃以上、且つ125×10−7/℃以下、より好ましくは50×10−7/℃超、且つ110×10−7/℃以下、更に好ましくは60×10−7/℃以上、且つ100×10−7/℃以下、特に好ましくは70×10−7/℃以上、且つ95×10−7/℃以下である。30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数が上記範囲外になると、加工基板と支持ガラス基板の熱膨張係数が整合し難くなる。そして、両者の熱膨張係数が不整合になると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に反り変形)が生じ易くなる。
102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1680℃以下、1620℃以下、1580℃以下、1550℃以下、1520℃以下、特に1500℃以下である。102.5dPa・sにおける温度が高くなると、溶融性が低下して、ガラス基板の製造コストが高騰する。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。なお、102.5dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当し、この温度が低い程、溶融性が向上する。
液相温度は、好ましくは1300℃未満、1200℃以下、1100℃以下、1050℃以下、1000℃以下、特に950℃以下である。液相温度における粘度は、好ましくは10000dPa・s以上、30000dPa・s以上、60000dPa・s以上、100000dPa・s以上、200000dPa・s以上、300000dPa・s以上、500000dPa・s以上、800000dPa・s以上、特に1000000dPa・s以上である。このようにすれば、成形時に失透結晶が析出し難くなるため、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形し易くなる。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定することにより算出可能である。「液相温度における粘度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。なお、液相温度における粘度は、成形性の指標であり、液相温度における粘度が高い程、成形性が向上する。
本発明の支持ガラス基板において、ヤング率は、好ましくは65GPa以上、68GPa以上、70GPa以上、72GPa以上、73GPa以上、特に74GPa以上である。ヤング率が低過ぎると、積層体の剛性を維持し難くなり、加工基板の変形、反り、破損等が発生し易くなる。ここで、「ヤング率」は、曲げ共振法により測定した値を指す。
本発明の支持ガラス基板は、以下の形状を有することが好ましい。
本発明の支持ガラス基板は、略円板状又はウエハ状が好ましく、その直径は100mm以上500mm以下、特に150mm以上450mm以下が好ましい。このようにすれば、fan out型のWLPの製造工程に適用し易くなる。必要に応じて、それ以外の形状、例えば矩形等の形状に加工してもよい。
真円度は、1mm以下、0.1mm以下、0.05mm以下、特に0.03mm以下が好ましい。真円度が小さい程、fan out型のWLPの製造工程に適用し易くなる。なお、「真円度」は、ノッチ部を除き、ウエハの外形の最大値から最小値を減じた値である。
板厚は、好ましくは2.0mm未満、1.5mm以下、1.2mm以下、1.1mm以下、1.0mm以下、特に0.9mm以下である。板厚が薄くなる程、積層体の質量が軽くなるため、ハンドリング性が向上する。一方、板厚が薄過ぎると、支持ガラス基板自体の強度が低下して、支持基板としての機能を果たし難くなる。よって、板厚は、好ましくは0.1mm以上、0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、特に0.7mm超である。
全体板厚偏差(TTV)は、好ましくは5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、特に0.1〜1μm未満である。また算術平均粗さRaは、好ましくは20nm以下、10nm以下、5nm以下、2nm以下、1nm以下、特に0.5nm以下である。表面精度が高い程、加工処理の精度を高め易くなる。特に配線精度を高めることができるため、高密度の配線が可能になる。また支持ガラス基板の強度が向上して、支持ガラス基板及び積層体が破損し難くなる。更に支持ガラス基板の再利用回数を増やすことができる。なお、「算術平均粗さRa」は、触針式表面粗さ計又は原子間力顕微鏡(AFM)により測定可能である。
本発明の支持ガラス基板は、オーバーフローダウンドロー法で成形した後に、表面を研磨されてなることが好ましい。このようにすれば、全体板厚偏差(TTV)を2.0μm未満、1.5μm以下、1.0μm以下、特に0.1〜1.0μm未満に規制し易くなる。
反り量は、好ましくは60μm以下、55μm以下、50μm以下、1〜45μm、特に5〜40μmである。反り量が小さい程、加工処理の精度を高め易くなる。特に配線精度を高めることができるため、高密度の配線が可能になる。
本発明の支持ガラス基板は、ノッチ部(ノッチ形状の位置合わせ部)を有することが好ましく、ノッチ部の深部は平面視で略円形状又は略V溝形状であることがより好ましい。これにより、支持ガラス基板のノッチ部に位置決めピン等の位置決め部材を当接させて、支持ガラス基板を位置固定し易くなる。結果として、支持ガラス基板と加工基板の位置合わせが容易になる。特に、加工基板にもノッチ部を形成して、位置決め部材を当接させると、積層体全体の位置合わせが容易になる。なお、ノッチ部は、位置決め部材が当接されるため、クラックが発生し易いが、本発明の支持ガラス基板は、クラック抵抗が高いため、ノッチ部を有する場合に特に有効である。
支持ガラス基板のノッチ部に位置決め部材を当接すると、ノッチ部に応力が集中し易くなり、ノッチ部を起点にして、支持ガラス基板が破損し易くなる。特に、支持ガラス基板が外力により湾曲した時に、その傾向が顕著になる。よって、本発明の支持ガラス基板は、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の全部又は一部が面取りされていることが好ましい。これにより、ノッチ部を起点にした破損を有効に回避することができる。
本発明の支持ガラス基板は、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の全部又は一部が面取りされており、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の50%以上が面取りされていることが好ましく、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の90%以上が面取りされていることがより好ましく、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の全部が面取りされていることが更に好ましい。ノッチ部において面取りされている領域が大きい程、ノッチ部を起点にした破損の確率を低減することができる。
ノッチ部の表面方向の面取り幅は、好ましくは50〜900μm、200〜800μm、300〜700μm、400〜650μm、特に500〜600μmである。ノッチ部の表面方向の面取り幅が小さ過ぎると、ノッチ部を起点にして、支持ガラス基板が破損し易くなる。一方、ノッチ部の表面方向の面取り幅が大き過ぎると、面取り効率が低下して、支持ガラス基板の製造コストが高騰し易くなる。
ノッチ部の板厚方向の面取り幅は、好ましくは板厚の5〜80%、20〜75%、30〜70%、35〜65%、特に40〜60%である。ノッチ部の板厚方向の面取り幅が小さ過ぎると、ノッチ部を起点にして、支持ガラス基板が破損し易くなる。一方、ノッチ部の板厚方向の面取り幅が大き過ぎると、外力がノッチ部の端面に集中し易くなり、ノッチ部の端面を起点にして、支持ガラス基板が破損し易くなる。
本発明の支持ガラス基板は、表面に二次元コードの情報識別部(マーク)が形成(マーキング)されていること好ましい。このようにすれば、支持ガラス基板の生産情報等(例えば、ガラス基板の寸法、線熱膨張係数、ロット、全体板厚偏差、製造者名、販売者名)を管理、認識することができる。なお、情報識別部は、一般的に支持ガラス基板の周縁領域に形成されており、文字、記号等として、人間の目等により認識される。或いは、支持ガラス基板の情報識別部は、CCDカメラ等の光学素子により自動的に識別されることもある。
情報識別部は、種々の方法で形成し得るが、本発明では、パルスレーザーを照射して、その照射領域のガラスをアブレーションして情報識別部を形成すること、つまりレーザーアブレーションにより情報識別部を形成することが好ましい。このようにすれば、照射領域のガラスに過剰な熱を蓄積させることなく、アブレーションを生じさせることができる。結果として、厚み方向のクラックの長さだけでなく、ドットから伸張する表面方向のクラックの長さを低減することができる。なお、本発明の支持ガラス基板は、クラック抵抗が高いため、レーザーアブレーションにより情報識別部(特にドット)を形成する際に、クラックが発生し難いという利点を有する。
情報識別部は、複数のドットにより構成されていることが好ましい。ドットの外径寸法は、好ましくは0.05〜0.20mm、0.07〜0.13mm以下、特に0.09〜0.11mmである。ドットの外形寸法が小さ過ぎると、情報識別部の視認性が低下し易くなる。一方、ドットの外形寸法が大き過ぎると、支持ガラス基板の強度を確保し易くなる。
互いに隣り合うドットの中心間距離は0.06〜0.25mmが好ましい。互いに隣り合うドットの中心間距離が小さ過ぎると、支持ガラス基板の強度を確保し易くなる。一方、互いに隣り合うドットの中心間距離が大き過ぎると、情報識別部の視認性が低下し易くなる。
ドットの形状は環状の溝であることが好ましい。このようにドットを環状の溝にすると、この環状の溝で囲まれた領域(溝より内側の領域)がレーザーにより除去されることなく残存するため、情報識別部が設けられた領域の強度低下を可及的に防止することが可能となる。また、環状の溝であれば、外径寸法が変わらない限り溝の幅寸法を小さくしたとしても視認性がそれほど大きく低下することもない。よって、溝の外径寸法を変えることなく幅寸法を小さくすれば、その分だけ溝よりも内側の領域の体積を大きくとることができ、これにより視認性を確保しつつも所要の強度を確保することが可能となる。
ドットを形成する溝の深さ寸法は2〜30μmが好ましい。溝の深さ寸法が小さ過ぎると、情報識別部の視認性が低下し易くなる。一方、溝の深さ寸法が大き過ぎると、支持ガラス基板の強度を確保し易くなる。
本発明の支持ガラス基板は、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下頂端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス基板を製造する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス基板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため、少量の研磨によって、全体板厚偏差(TTV)を2.0μm未満、特に1.0μm未満まで低減することができる。結果として、ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。
本発明の支持ガラス基板は、イオン交換処理が行われていないことが好ましく、表面に圧縮応力層を有しないことが好ましい。イオン交換処理を行うと、支持ガラス基板の製造コストが高騰するが、イオン交換処理を行わなければ、支持ガラス基板の製造コストを低下させることが可能になる。更にイオン交換処理を行うと、支持ガラス基板の全体板厚偏差(TTV)を低減し難くなるが、イオン交換処理を行わなければ、そのような不具合を解消し易くなる。なお、本発明の支持ガラス基板は、イオン交換処理を行い、表面に圧縮応力層を形成する態様を排除するものではない。機械的強度を高める観点だけに着目すると、イオン交換処理を行い、表面に圧縮応力層を形成することが好ましい。
本発明の積層体は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体であって、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることを特徴とする。本発明の積層体は、加工基板と支持ガラス基板の間に、接着層を有することが好ましい。接着層は、樹脂であることが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂(特に紫外線硬化樹脂)等が好ましい。またfan out型のWLPの製造工程における熱処理に耐える耐熱性を有するものが好ましい。これにより、fan out型のWLPの製造工程で接着層が融解し難くなり、加工処理の精度を高めることができる。なお、加工基板と支持ガラス基板を容易に固定するため、紫外線硬化型テープを接着層として使用することもできる。
本発明の積層体は、更に加工基板と支持ガラス基板の間に、より具体的には加工基板と接着層の間に、剥離層を有すること、或いは支持ガラス基板と接着層の間に、剥離層を有することが好ましい。このようにすれば、加工基板に対して、所定の加工処理を行った後に、加工基板を支持ガラス基板から剥離し易くなる。加工基板の剥離は、生産性の観点から、レーザー光等の照射光により行うことが好ましい。レーザー光源として、YAGレーザー(波長1064nm)、半導体レーザー(波長780〜1300nm)等の赤外光レーザー光源を用いることができる。また、剥離層には赤外線レーザーを照射することで分解する樹脂を使用することができる。また、赤外線を効率良く吸収し、熱に変換する物質を樹脂に添加することもできる。例えば、カーボンブラック、グラファイト粉、微粒子金属粉末、染料、顔料等を樹脂に添加することもできる。
剥離層は、レーザー光等の照射光により「層内剥離」又は「界面剥離」が生じる材料で構成される。つまり一定の強度の光を照射すると、原子又は分子における原子間又は分子間の結合力が消失又は減少して、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を生じさせる材料で構成される。なお、照射光の照射により、剥離層に含まれる成分が気体となって放出されて分離に至る場合と、剥離層が光を吸収して気体になり、その蒸気が放出されて分離に至る場合とがある。
本発明の積層体において、支持ガラス基板は、加工基板よりも大きいことが好ましい。これにより、加工基板と支持ガラス基板を支持する際に、両者の中心位置が僅かに離間した場合でも、支持ガラス基板から加工基板の縁部が食み出し難くなる。
本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体を用意する工程と、加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持ガラス基板が上記の支持ガラス基板であることを特徴とする。
本発明の半導体パッケージの製造方法は、更に積層体を搬送する工程を有することが好ましい。これにより、加工処理の処理効率を高めることができる。なお、「積層体を搬送する工程」と「加工基板に対して、加工処理を行う工程」とは、別途に行う必要はなく、同時であってもよい。
本発明の半導体パッケージの製造方法において、加工処理は、加工基板の一方の表面に配線する処理、或いは加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する処理が好ましい。本発明の半導体パッケージの製造方法では、これらの処理時に加工基板が寸法変化し難いため、これらの工程を適正に行うことができる。
加工処理として、上記以外にも、加工基板の一方の表面(通常、支持ガラス基板とは反対側の表面)を機械的に研磨する処理、加工基板の一方の表面(通常、支持ガラス基板とは反対側の表面)をドライエッチングする処理、加工基板の一方の表面(通常、支持ガラス基板とは反対側の表面)をウェットエッチングする処理の何れかであってもよい。なお、本発明の半導体パッケージの製造方法では、加工基板に反りが発生し難いと共に、積層体の剛性を維持することができる。結果として、上記加工処理を適正に行うことができる。
図面を参酌しながら、本発明を更に説明する。
図1は、本発明の積層体1の一例を示す概念斜視図である。図1では、積層体1は、支持ガラス基板10と加工基板11とを備えている。支持ガラス基板10は、加工基板11の寸法変化を防止するために、加工基板11に貼着されている。支持ガラス基板10と加工基板11との間には、剥離層12と接着層13が配置されている。剥離層12は、支持ガラス基板10と接触しており、接着層13は、加工基板11と接触している。
つまり、積層体1は、支持ガラス基板10、剥離層12、接着層13、加工基板11の順に積層配置されている。支持ガラス基板10の形状は、加工基板11に応じて決定されるが、図1では、支持ガラス基板10及び加工基板11の形状は、何れも略円板形状である。剥離層12は、例えばレーザーを照射することで分解する樹脂を使用することができる。また、レーザー光を効率よく吸収し、熱に変換する物質を樹脂に添加することもできる。例えば、カーボンブラック、グラファイト粉、微粒子金属粉末、染料、顔料等である。剥離層12は、プラズマCVDや、ゾル−ゲル法によるスピンコート等により形成される。接着層13は、樹脂で構成されており、例えば、各種印刷法、インクジェット法、スピンコート法、ロールコート法等により塗布形成される。また、紫外線硬化型テープも使用可能である。接着層13は、剥離層12により加工基板11から支持ガラス基板10が剥離された後、溶剤等により溶解除去される。紫外線硬化型テープは、紫外線を照射した後、剥離用テープにより除去可能である。
図2は、fan out型のWLPの製造工程を示す概念断面図である。図2(a)は、支持部材20の一方の表面上に接着層21を形成した状態を示している。必要に応じて、支持部材20と接着層21の間に剥離層を形成してもよい。次に、図2(b)に示すように、接着層21の上に複数の半導体チップ22を貼付する。その際、半導体チップ22のアクティブ側の面を接着層21に接触させる。次に、図2(c)に示すように、半導体チップ22を樹脂の封止材23でモールドする。封止材23は、圧縮成形後の寸法変化、配線を成形する際の寸法変化が少ない材料が使用される。続いて、図2(d)、(e)に示すように、支持部材20から半導体チップ22がモールドされた加工基板24を分離した後、接着層25を介して、支持ガラス基板26と接着固定させる。その際、加工基板24の表面の内、半導体チップ22が埋め込まれた側の表面とは反対側の表面が支持ガラス基板26側に配置される。このようにして、積層体27を得ることができる。なお、必要に応じて、接着層25と支持ガラス基板26の間に剥離層を形成してもよい。更に、得られた積層体27を搬送した後に、図2(f)に示すように、加工基板24の半導体チップ22が埋め込まれた側の表面に配線28を形成した後、複数の半田バンプ29を形成する。最後に、支持ガラス基板26から加工基板24を分離した後に、加工基板24を半導体チップ22毎に切断し、後のパッケージング工程に供される(図2(g))。
図3は、本発明の支持ガラス基板の一例を示す上方概念図である。図3(a)に示すように、支持ガラス基板31の外形は、略真円のウエハ状である。また、支持ガラス基板31の外形は、ノッチ部32とノッチ部32以外の外形領域を占める外形部33とで構成されている。ノッチ部32は、ノッチ形状、つまり窪みを有する形状を有している。ノッチ形状の深部34は、平面視で丸みを帯びた略円形状になっており、ノッチ部32と外形部33の境界も丸みを帯びた略円形状になっている。図3(b)に示すように、支持ガラス基板35の外形は、略真円のウエハ状である。また、支持ガラス基板35の外形は、ノッチ部36とノッチ部36以外の外形領域を占める外形部37とで構成されている。支持ガラス基板35のノッチ部36は、ノッチ形状を有しており、ノッチ形状の深部38は略V溝形状になっている。
図4は、図3(a)のA−A’方向の断面概念図である。図4に示すように、支持ガラス基板31の表面39、40と端面41が交差する端縁領域に面取り面42、43を有している。支持ガラス基板31の表面39、40方向の面取り幅Xは例えば50〜900μmになっており、支持ガラス基板31の板厚方向の面取り幅Y+Y’は例えば板厚tの20〜80%になっている。そして、端面41と面取り面41、42は、それぞれ連続的に丸みを帯びた状態で連結しており、表面39、40と面取り面42、43は、それぞれ連続的に丸みを帯びた状態で連結している。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜23)を示している。また表3は、本発明の比較例(試料No.24〜38)を示している。
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1600℃で4時間溶融した。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板状に成形した後、徐冷点より20℃程度高い温度から、3℃/分で常温まで徐冷した。得られた各試料について、クラック抵抗、20〜200℃の温度範囲における平均熱膨張係数α20〜200、20〜220℃の温度範囲における平均熱膨張係数α20〜220、20〜260℃の温度範囲における平均熱膨張係数α20〜260、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数α30〜380、密度、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度104.0dPa・sにおける温度、高温粘度103.0dPa・sにおける温度、高温粘度102.5dPa・sにおける温度、液相温度TL、液相温度TLにおける粘度η、ヤング率、剛性率及びポアソン比を評価した。
クラック抵抗は、クラック発生率が50%となる荷重のことを指し、クラック発生率は、次のようにして測定した。まず湿度30%、温度25℃に保持された恒温恒湿槽内において、所定荷重に設定したビッカース圧子をガラス表面(光学研磨面)に15秒間打ち込み、その15秒後に圧痕の4隅から発生するクラックの数をカウント(1つの圧痕につき最大4とする)する。このようにして圧子を20回打ち込み、総クラック発生数を求めた後、(総クラック発生数/80)×100の式により求めた。
上記温度範囲における平均熱膨張係数は、ディラトメーターで測定した値である。
密度は、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s及び102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を顕微鏡観察にて測定した値である。液相温度TLにおける粘度ηは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
ヤング率、剛性率、ポアソン比は、共振法により測定した値を指す。
表1、2から明らかなように、試料No.1〜23は、クラック抵抗が600gf以上であるため、fan out型のWLPの製造工程において、積層体の搬送時にクラックが生じ難いものと考えられる。一方、試料No.24〜38は、クラック抵抗が494gf以下であるため、fan out型のWLPの製造工程において、積層体の搬送時にクラックが生じ易いものと考えられる。
まず、表1、2に記載の試料No.1〜23に記載のガラス組成になるように、ガラス原料を調合した後、ガラス溶融炉に供給して1600〜1700℃で溶融し、次いで溶融ガラスをオーバーフローダウンドロー成形装置に供給し、板厚が0.8mmになるようにそれぞれ成形した。得られたガラス基板について、両表面を機械研磨して、全体板厚偏差(TTV)を1μm未満に低減した。得られたガラス基板をφ300mm×0.8mm厚に加工した後、その両表面を研磨装置により研磨処理した。具体的には、ガラス基板の両表面を外径が相違する一対の研磨パットで挟み込み、ガラス基板と一対の研磨パッドを共に回転させながらガラス基板の両表面を研磨処理した。研磨処理の際、時折、ガラス基板の一部が研磨パッドから食み出すように制御した。なお、研磨パッドはウレタン製、研磨処理の際に使用した研磨スラリーの平均粒径は2.5μm、研磨速度は15m/分であった。得られた各研磨処理済みガラス基板について、コベルコ科研社製のBow/Warp測定装置SBW−331ML/dにより全体板厚偏差(TTV)と反り量を測定した。その結果、全体板厚偏差(TTV)がそれぞれ0.85μm以下であり、反り量がそれぞれ35μm以下であった。
1、27 積層体
10、26、31、35 支持ガラス基板
11、24 加工基板
12 剥離層
13、21、25 接着層
20 支持部材
22 半導体チップ
23 封止材
28 配線
29 半田バンプ
32、36 ノッチ部
33、37 外形部
34、38 ノッチ部の深部
39、40 支持ガラス基板の表面
41 支持ガラス基板の端面
42、43 支持ガラス基板の面取り面

Claims (13)

  1. 加工基板を支持するための支持ガラス基板であって、
    ガラス組成として、質量%で、SiO 45〜70%、Al 10.5超〜35%、B 0〜20%、NaO 5〜25%、KO 0〜10%、MgO 1〜10%、ZnO 0〜5%を含有し、且つクラック抵抗が500gf以上であることを特徴とする支持ガラス基板。
  2. ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜67%、Al 19.7〜33%、B 0〜15%、NaO 5〜20%、KO 0〜3%、MgO 1〜5.5%、ZnO 0〜3%を含有し、且つクラック抵抗が700gf以上であることを特徴とする請求項1に記載の支持ガラス基板。
  3. 20〜220℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が40×10−7/℃以上、且つ120×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の支持ガラス基板。
  4. 20〜260℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が40×10−7/℃以上、且つ120×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の支持ガラス基板。
  5. 30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が42×10−7/℃以上、且つ125×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の支持ガラス基板。
  6. 直径100〜500mmのウエハ形状又は略円板形状を有し、板厚が2.0mm未満であり、全体板厚偏差(TTV)が5μm以下であり、且つ反り量が60μm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の支持ガラス基板。
  7. 少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体であって、支持ガラス基板が請求項1〜6の何れかに記載の支持ガラス基板であることを特徴とする積層体。
  8. 加工基板が、少なくとも封止材でモールドされた半導体チップを備えることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
  9. 少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持ガラス基板とを備える積層体を用意する工程と、
    加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持ガラス基板が請求項1〜6の何れかに記載の支持ガラス基板であることを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
  10. 加工処理が、加工基板の一方の表面に配線する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体パッケージの製造方法。
  11. 加工処理が、加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する工程を含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体パッケージの製造方法。
  12. 請求項9〜11の何れかに記載の半導体パッケージの製造方法により作製されたことを特徴とする半導体パッケージ。
  13. 半導体パッケージを備える電子機器であって、
    半導体パッケージが、請求項12に記載の半導体パッケージであることを特徴とする電子機器。
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