JP2018150188A - 支持結晶化ガラス基板及びこれを用いた積層体 - Google Patents

支持結晶化ガラス基板及びこれを用いた積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】加工基板内で半導体チップの割合が少なく、封止材の割合が多い場合に、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に、反り)を生じさせ難く、且つアルカリ溶出量が少ない支持基板、及び、これを用いた積層体を創案することにより、半導体パッケージの高密度実装に寄与する結晶化ガラス基板の提供。
【解決手段】加工基板11を支持するための支持結晶化ガラス基板10であって、二珪酸リチウム、α−クリストバライト、α−クォーツの内、一種又は二種以上が析出しており、ヤング率が80GPa以上である支持結晶化ガラス基板10。好ましくは、アルカリ溶出量が、1.5mg未満であり、30〜380℃における平均線熱膨張係数が60×10−7超え〜195×10−7/℃である、支持結晶化ガラス基板10。
【選択図】図1

Description

本発明は、支持結晶化ガラス基板及びこれを用いた積層体に関し、具体的には、半導体パッケージの製造工程で加工基板の支持に用いる支持結晶化ガラス基板及びこれを用いた積層体に関する。
携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Data Assistance)等の携帯型電子機器には、小型化及び軽量化が要求されている。これに伴い、これらの電子機器に用いられる半導体チップの実装スペースも厳しく制限されており、半導体チップの高密度な実装が課題になっている。そこで、近年では、三次元実装技術、すなわち半導体チップ同士を積層し、各半導体チップ間を配線接続することにより、半導体パッケージの高密度実装を図っている。
また、従来のウエハレベルパッケージ(WLP)は、バンプをウエハの状態で形成した後、ダイシングで個片化することにより作製されている。しかし、従来のWLPは、ピン数を増加させ難いことに加えて、半導体チップの裏面が露出した状態で実装されるため、半導体チップの欠け等が発生し易いという問題があった。
そこで、新たなWLPとして、fan out型のWLPが提案されている。fan out型のWLPは、ピン数を増加させることが可能であり、また半導体チップの端部を保護することにより、半導体チップの欠け等を防止することができる。
fan out型のWLPでは、複数の半導体チップを樹脂の封止材でモールドして、加工基板を形成した後に、加工基板の一方の表面に配線する工程、半田バンプを形成する工程等を有する。
これらの工程は、約200℃の熱処理を伴うため、封止材が変形して、加工基板が寸法変化する虞がある。加工基板が寸法変化すると、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが困難になり、また半田バンプを正確に形成することも困難になる。
このような事情から、加工基板の寸法変化を抑制するために、ガラス基板を用いて、加工基板を支持することが検討されている(特許文献1参照)。
ガラス基板は、表面を平滑化し易く、且つ剛性を有する。よって、支持基板としてガラス基板を用いると、加工基板を強固、且つ正確に支持することが可能になる。またガラス基板は、紫外光、赤外光等の光を透過し易い。よって、支持基板としてガラス基板を用いると、紫外線硬化型接着剤等により接着層等を設けた時に、加工基板とガラス基板を容易に固定することができる。更に、赤外線を吸収する剥離層等を設ける時に、加工基板とガラス基板を容易に分離することもできる。別の方式として、紫外線硬化型テープ等により接着層等を設ける時にも、加工基板とガラス基板を容易に固定、分離することができる。
特開2015−78113号公報
ところで、加工基板とガラス基板の熱膨張係数が不整合であると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に、反り)が生じ易くなる。結果として、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが困難になり、また半田バンプを正確に形成することも困難になる。
加工基板内で半導体チップの割合が少なく、封止材の割合が多い場合、加工基板の熱膨張係数が高くなるが、この場合、ガラス基板のガラス組成中にアルカリ金属酸化物を25質量%程度導入して、ガラス基板の熱膨張係数を上昇させる必要がある。
しかし、ガラス基板のガラス組成中にアルカリ金属酸化物を過剰に導入すると、ガラス基板からアルカリ溶出量が多くなる。結果として、半導体パッケージの製造工程において、薬液を使用する工程(例えば、支持ガラス基板をリサイクルする際に、支持ガラス基板の表面に付着した樹脂等を薬液除去する工程)を通過させ難くなる。
また、支持ガラス基板で加工基板を支持して、積層体とした場合に、積層体全体の剛性が低いと、加工処理時に加工基板の変形、反り、破損が発生し易くなる。結果として、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが困難になり、また半田バンプを正確に形成することも困難になる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、加工基板内で半導体チップの割合が少なく、封止材の割合が多い場合に、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に、反り)を生じさせ難く、且つアルカリ溶出量が少ない支持基板及びこれを用いた積層体を創案することにより、半導体パッケージの高密度実装に寄与することである。
本発明者等は、種々の実験を繰り返した結果、ガラスマトリクス中に特定の高膨張結晶を析出させた結晶化ガラス基板を支持基板に用いることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の支持結晶化ガラス基板は、加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板であって、二珪酸リチウム、α−クリストバライト、α−クォーツの内、一種又は二種以上が析出しており、ヤング率が80GPa以上であることを特徴とする。ここで、「ヤング率」は、曲げ共振法により測定した値を指す。なお、1GPaは、約101.9Kgf/mmに相当する。
本発明では、支持基板として高膨張結晶、つまり二珪酸リチウム、α−クリストバライト、α−クォーツの内、一種又は二種以上を析出させた結晶化ガラス基板を用いる。ガラスマトリクス中にこれらの結晶を析出させると、結晶化前の結晶性ガラスの時に比べて、ヤング率が向上する。更に、これらの結晶を析出させると、熱膨張係数を高めるために、組成中にアルカリ金属酸化物を過剰に導入する必要がなくなる。その結果、支持結晶化ガラス基板のアルカリ溶出量を低減することが可能になる。なお、結晶化ガラス基板は、ガラス基板と同様にして、表面を平滑化し易く、光透過性を付与することが可能である。
また、本発明の支持結晶化ガラス基板は、ヤング率が80GPa以上である。このようにすれば、積層体全体の剛性が高くなるため、加工処理時に加工基板の変形、反り、破損が発生し難くなる。
また、本発明の支持結晶化ガラス基板は、アルカリ溶出量が1.5mg未満であることが好ましい。ここで、「アルカリ溶出量」は、JIS R3502に基づいて測定した値を指す。
また、本発明の支持結晶化ガラス基板は、耐候性試験(HAST:Highly Accelerated Temperature and Humidity Stress test)前の波長範囲250〜1500nmでの板厚方向の平均透過率をX(%)、耐候性試験(HAST)後の波長範囲250〜1500nmでの板厚方向の平均透過率をY(%)とした時に、X−Y<10%の関係を満たすことが好ましい。ここで、「平均透過率」は、市販の分光光度計で測定可能である。
また、本発明の支持結晶化ガラス基板は、30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が60×10−7/℃超であり、且つ195×10−7/℃以下であることが好ましい。このようにすれば、加工基板内で半導体チップの割合が少なく、封止材の割合が多い場合に、加工基板と支持結晶化ガラス基板の熱膨張係数が整合し易くなる。そして、両者の熱膨張係数が整合すると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に、反り)を抑制し易くなる。結果として、加工基板の一方の表面に対して、高密度に配線することが可能になり、また半田バンプを正確に形成することも可能になる。ここで、「30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。
また、本発明の支持結晶化ガラス基板は、全体板厚偏差(TTV)が5μm以下であることが好ましい。ここで、「全体板厚偏差(TTV)」は、支持結晶化ガラス基板全体の最大板厚と最小板厚の差であり、例えばコベルコ科研社製のSBW−331ML/dにより測定可能である。
また、本発明の支持結晶化ガラス基板は、組成として、質量%で、SiO 50〜85%、Al 0.1〜15%、B 0〜10%、P 0〜15%、LiO 2〜20%、NaO 0〜10%、KO 0〜7%、MgO 0〜10%、CaO 0〜5%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、ZrO 0〜10%を含有することが好ましい。
また、本発明の支持結晶化ガラス基板は、板厚が2.0mm未満であり、且つ反り量が60μm以下であることが好ましい。ここで、「反り量」は、支持結晶化ガラス基板全体における最高位点と最小二乗焦点面との間の最大距離の絶対値と、最低位点と最小二乗焦点面との絶対値との合計を指し、例えばコベルコ科研社製のSBW−331ML/dにより測定可能である。
本発明の積層体は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板とを備える積層体であって、支持結晶化ガラス基板が上記の支持結晶化ガラス基板であることを特徴とする。
また、本発明の積層体は、加工基板が、少なくとも封止材でモールドされた半導体チップを備えることが好ましい。
本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板とを備える積層体を用意する工程と、加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持結晶化ガラス基板として、上記の支持結晶化ガラス基板を用いることを特徴とする。
また、本発明の半導体パッケージの製造方法は、加工基板が、少なくとも封止材でモールドされた半導体チップを備えることが好ましい。
本発明の積層体の一例を示す概念斜視図である。 fan out型のWLPの製造工程を示す概念断面図である。
本発明の支持結晶化ガラス基板は、二珪酸リチウム、α−クリストバライト、α−クォーツの内、一種又は二種以上が析出していることが好ましく、二珪酸リチウムが析出していることが更に好ましい。これらの結晶が析出すると、アルカリ溶出量を低減しつつ、支持結晶化ガラス基板のヤング率と熱膨張係数を高めることができる。特に、二珪酸リチウムは、結晶粒子のサイズが微細化し易いため、研磨処理により全体板厚偏差(TTV)を低減する上で有利であり、また透明性を確保する上でも有利である。一方、本発明の支持結晶化ガラス基板は、β−ユークリプタイト、β−スポジュメン、β−クリストバライト、β−クォーツ及びこれらの固溶体が析出していないことが好ましい。このようにすれば、支持結晶化ガラス基板の熱膨張係数が不当に低下する事態を回避することができる。
本発明の支持結晶化ガラス基板において、ヤング率は、好ましくは80GPa以上、85GPa以上、90GPa以上、95GPa以上、98GPa以上、特に100〜150GPaである。ヤング率が低過ぎると、積層体全体の剛性が低下して、加工基板の変形、反り、破損が発生し易くなる。
本発明の支持結晶化ガラス基板において、アルカリ溶出量は、好ましくは1.5mg未満、1.0mg以下、特に0.5mg未満である。アルカリ溶出量が多過ぎると、支持結晶化ガラス基板のリサイクル性が低下し易くなる。
本発明の支持結晶化ガラス基板において、耐候性試験(HAST)前の波長範囲250〜1500nmでの板厚方向の平均透過率をX(%)、耐候性試験(HAST)後の波長範囲250〜1500nmでの板厚方向の平均透過率をY(%)とした時に、X−Y<10%の関係を満たすことが好ましく、X−Y<5%の関係を満たすことが更に好ましく、X−Y<3%の関係を満たすことが特に好ましい。X−Yの値が大きくなると、支持結晶化ガラス基板のリサイクル性が低下し易くなる。
本発明の支持結晶化ガラス基板において、30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数は、60×10−7/℃超、且つ195×10−7/℃以下であり、好ましくは80×10−7/℃超、且つ195×10−7/℃以下、より好ましくは100×10−7/℃以上、且つ160×10−7/℃以下、特に好ましくは100×10−7/℃以上、且つ150×10−7/℃以下である。30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が上記範囲外になると、加工基板と支持結晶化ガラス基板の熱膨張係数が整合し難くなる。そして、両者の熱膨張係数が不整合になると、加工処理時に加工基板の寸法変化(特に、反り)が生じ易くなる。
本発明の支持結晶化ガラス基板は、組成として、質量%で、SiO 50〜85%、Al 0.1〜15%、B 0〜10%、P 0〜15%、LiO 2〜20%、NaO 0〜10%、KO 0〜7%、MgO 0〜10%、CaO 0〜5%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、ZrO 0〜10%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を表す。
SiOは、ヤング率と耐候性を高める成分であり、また二珪酸リチウム、α−クリストバライト、α−クォーツ等を析出させるための成分である。しかし、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性、成形性が低下し易くなる。よって、SiOの含有量は、好ましくは50〜85%、60〜82%、65〜80%、68〜79%、特に70〜78%である。
Alは、ヤング率を高める成分であると共に、分相、失透を抑制する成分である。しかし、Alの含有量が多過ぎると、相転移によりβ−スポジュメン等の低膨張結晶が析出し易くなり、また高温粘度が高くなり、溶融性、成形性が低下し易くなる。よって、Alの含有量は、好ましくは0.1〜15%、0.5〜10%、1〜9%、2〜8%、特に4〜7%である。
は、溶融性、耐失透性を高める成分である。しかし、Bの含有量が多過ぎると、ヤング率、耐候性が低下し易くなる。よって、Bの含有量は、好ましくは0〜10%、0〜7%、0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
は、結晶核を生成させるための成分である。しかし、Pを多量に導入すると、ガラスが分相し易くなる。よって、Pの含有量は、好ましくは0〜15%、0.1〜12%、1〜8%、特に1.5〜4%である。
LiOは、ヤング率や熱膨張係数を高める成分であり、また高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分であり、更に二珪酸リチウム等を析出させるための成分である。しかし、LiOの含有量が多過ぎると、アルカリ溶出量が多くなり易い。よって、LiOの含有量は、好ましくは2〜20%、4〜17%、5〜15%、特に6〜12%である。
NaOは、熱膨張係数を高める成分であり、また高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。また、ガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。しかし、NaOの含有量が多過ぎると、アルカリ溶出量が多くなり易い。よって、NaOの含有量は、好ましくは0〜10%、0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
Oは、熱膨張係数を高める成分であり、また高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める共に、析出結晶の粗大化を抑制する成分である。しかし、KOの含有量が多過ぎると、アルカリ溶出量が多くなり易い。よって、KOの含有量は、好ましくは0〜7%、0〜6%、0.1〜5%、0.5〜3%、特に1〜2%である。なお、析出結晶が粗大化すると、研磨処理により全体板厚偏差(TTV)を低減し難くなる。
MgOは、ヤング率を高めると共に、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、成形時にガラスが失透し易くなる。よって、MgOの含有量は、好ましくは0〜10%、0〜7%、0.1〜4%、特に0.3〜2%である。
CaOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。またアルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、バッチコストを低廉化する成分であるが、その含有量が多過ぎると、成形時にガラスが失透し易くなる。よって、CaOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜3%、0〜1%、特に0〜0.5%である。
SrOは、分相を抑制する成分であり、また析出結晶の粗大化を抑制する成分であるが、その含有量が多過ぎると、熱処理により結晶を析出させることが困難になる。よって、SrOの含有量は、好ましくは0〜5%、0.1〜4%、0.5〜3%、特に1〜2%である。
BaOは、析出結晶の粗大化を抑制する成分であるが、その含有量が多過ぎると、熱処理により結晶を析出させることが困難になる。よって、BaOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜4%、0.1〜3%、特に0.5〜2%である。
ZnOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分であると共に、析出結晶の粗大化を抑制する成分である。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、成形時にガラスが失透し易くなる。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜3%、0.1〜2%、特に0.2〜1%である。
ZrOは、ヤング率と耐候性を高める成分であり、また結晶核を生成させるための成分である。しかし、ZrOを多量に導入すると、ガラスが失透し易くなり、また導入原料が難溶解性であるため、未熔解の異物が結晶化ガラス基板内に混入する虞がある。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0〜10%、0.1〜9%、1〜8%、2〜7%、特に3〜6%である。
上記成分以外にも、任意成分として、他の成分を導入してもよい。なお、上記成分以外の他の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で10%以下、特に5%以下が好ましい。
TiOは、結晶核を生成させるための成分であり、また耐候性、ヤング率を改善する成分である。しかし、TiOを多量に導入すると、ガラスが着色し、透過率が低下し易くなる。よって、TiOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
は、ガラスのヤング率を高める成分である。しかし、Yは、結晶成長を抑制する効果も有する。よって、Yの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
Feは、不純物として混入する成分、或いは清澄剤成分として導入し得る成分である。しかし、Feの含有量が多過ぎると、紫外線透過率が低下する虞がある。すなわち、Feの含有量が多過ぎると、接着層、剥離層を介して、加工基板と支持結晶化ガラス基板の接着と脱着を適正に行うことが困難になる。よって、Feの含有量は、好ましくは0.05%以下、0.03%以下、特に0.02%以下である。なお、本発明でいう「Fe」は、2価の酸化鉄と3価の酸化鉄を含み、2価の酸化鉄は、Feに換算して、取り扱うものとする。他の多価酸化物についても、同様にして、表記の酸化物を基準にして取り扱うものとする。
Nb、Laには、歪点、ヤング率等を高める働きがある。しかし、これらの成分の含有量が各々5%、特に1%より多いと、バッチコストが高騰する虞がある。
清澄剤として、As、Sbが有効に作用するが、環境的観点で言えば、この成分を極力低減することが好ましい。As、Sbの含有量は、それぞれ1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下が好ましく、実質的に含有させないことが望ましい。ここで、「実質的に〜を含有しない」とは、組成中の明示の成分の含有量が0.05%未満の場合を指す。
SnOは、高温域で良好な清澄作用を有する成分であり、また高温粘性を低下させる成分である。SnOの含有量は、好ましくは0〜1%、0.01〜1%、特に0.05〜0.5%である。SnOの含有量が多過ぎると、Sn系の異種結晶が析出し易くなる。なお、SnOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。
清澄剤として、ガラス特性が損なわれない限り、F、Cl、SO、C、或いはAl、Si等の金属粉末を各々3%程度まで導入してもよい。また、CeO等も2%程度まで導入し得るが、紫外線透過率の低下に留意する必要がある。
本発明の支持結晶化ガラス基板において、全体板厚偏差(TTV)は、好ましくは5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、特に0.1〜1μm未満である。全体板厚偏差(TTV)が小さい程、加工処理の精度を高め易くなる。特に配線精度を高めることができるため、高密度の配線が可能になる。
本発明の支持結晶化ガラス基板において、反り量は、好ましくは60μm以下、55μm以下、50μm以下、1〜45μm、特に5〜40μmである。反り量が小さい程、加工処理の精度を高め易くなる。特に配線精度を高めることができるため、高密度の配線が可能になる。
本発明の支持結晶化ガラス基板は、略円板状又はウエハ状が好ましく、その直径は100mm以上500mm以下、特に150mm以上450mm以下が好ましい。このようにすれば、半導体パッケージの製造工程に適用し易くなる。必要に応じて、それ以外の形状、例えば矩形等の形状に加工してもよい。
本発明の支持結晶化ガラス基板において、真円度(但し、ノッチ部を除く)は、好ましくは1mm以下、0.1mm以下、0.05mm以下、特に0.03mm以下である。真円度が小さい程、半導体パッケージの製造工程に適用し易くなる。ここで、「真円度」は、ウエハの外形の最大値から最小値を減じた値である。
本発明の支持結晶化ガラス基板において、板厚は、好ましくは2.0mm未満、1.5mm以下、1.2mm以下、1.1mm以下、1.0mm以下、特に0.9mm以下である。板厚が薄くなる程、積層体の質量が軽くなるため、ハンドリング性が向上する。一方、板厚が薄過ぎると、支持結晶化ガラス基板自体の強度が低下して、支持基板としての機能を果たし難くなる。よって、板厚は、好ましくは0.1mm以上、0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、0.5mm以上、0.6mm以上、特に0.7mm超である。
本発明の支持結晶化ガラス基板は、ノッチ部(ノッチ形状の位置合わせ部)を有することが好ましく、ノッチ部の深部は平面視で略円形状又は略V溝形状であることがより好ましい。これにより、支持結晶化ガラス基板のノッチ部に位置決めピン等の位置決め部材を当接させて、支持結晶化ガラス基板を位置固定し易くなる。結果として、支持結晶化ガラス基板と加工基板の位置合わせが容易になる。特に、加工基板にもノッチ部を形成して、位置決め部材を当接させると、積層体全体の位置合わせが容易になる。
支持結晶化ガラス基板のノッチ部に位置決め部材を当接すると、ノッチ部に応力が集中し易くなり、ノッチ部を起点にして、支持結晶化ガラス基板が破損し易くなる。特に、支持結晶化ガラス基板が外力により湾曲した時に、その傾向が顕著になる。よって、本発明の支持結晶化ガラス基板は、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の全部又は一部が面取りされていることが好ましい。これにより、ノッチ部を起点にした破損を有効に回避することができる。
本発明の支持結晶化ガラス基板は、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の全部又は一部が面取りされており、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の50%以上が面取りされていることが好ましく、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の90%以上が面取りされていることがより好ましく、ノッチ部の表面と端面とが交差する端縁領域の全部が面取りされていることが更に好ましい。ノッチ部において面取りされている領域が大きい程、ノッチ部を起点にした破損の確率を低減することができる。
ノッチ部のおもて面方向の面取り幅(裏面方向の面取り幅も同様)は、好ましくは50〜900μm、200〜800μm、300〜700μm、400〜650μm、特に500〜600μmである。ノッチ部の表面方向の面取り幅が小さ過ぎると、ノッチ部を起点にして、支持結晶化ガラス基板が破損し易くなる。一方、ノッチ部の表面方向の面取り幅が大き過ぎると、面取り効率が低下して、支持結晶化ガラス基板の製造コストが高騰し易くなる。
ノッチ部の板厚方向の面取り幅(おもて面と裏面の面取り幅の合計)は、好ましくは板厚の5〜80%、20〜75%、30〜70%、35〜65%、特に40〜60%である。ノッチ部の板厚方向の面取り幅が小さ過ぎると、ノッチ部を起点にして、支持結晶化ガラス基板が破損し易くなる。一方、ノッチ部の板厚方向の面取り幅が大き過ぎると、外力がノッチ部の端面に集中し易くなり、ノッチ部の端面を起点にして、支持結晶化ガラス基板が破損し易くなる。
本発明の支持結晶化ガラス基板は、イオン交換処理が行われていないことが好ましく、表面に圧縮応力層を有しないことが好ましい。イオン交換処理を行うと、支持結晶化ガラス基板の製造コストが高騰するが、イオン交換処理を行わなければ、支持結晶化ガラス基板の製造コストを低下させることが可能になる。更にイオン交換処理を行うと、支持結晶化ガラス基板の全体板厚偏差(TTV)を低減し難くなるが、イオン交換処理を行わなければ、そのような不具合を解消し易くなる。
本発明の支持結晶化ガラス基板の製造方法を説明する。まず所定の組成になるようにガラス原料を調合し、得られたガラスバッチを1550〜1750℃の温度で溶融した後、板状に成形し、結晶性ガラス基板を得る。なお、成形方法として、種々の方法を採択することができる。例えば、スロットダウン法、ロールアウト法、リドロー法、フロート法、インゴット成型法等を採択することができる。
続いて、700〜1000℃で0.5〜3時間熱処理して、結晶性ガラス基板中に結晶核を生成し、結晶を成長させることにより、結晶化ガラス基板を作製することができる。なお、必要に応じて、結晶を成長させる工程の前に、結晶性ガラス基板に結晶核を形成させる結晶核形成工程を設けることもできる。
本発明の積層体は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板とを備える積層体であって、支持結晶化ガラス基板が上記の支持結晶化ガラス基板であることを特徴とする。ここで、本発明の積層体の技術的特徴(好適な構成、効果)は、本発明の支持結晶化ガラス基板の技術的特徴と重複する。よって、本明細書では、その重複部分について、詳細な記載を省略する。
本発明の積層体は、加工基板と支持結晶化ガラス基板の間に、接着層を有することが好ましい。接着層は、樹脂であることが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂(特に紫外線硬化樹脂)等が好ましい。また半導体パッケージの製造工程における熱処理に耐える耐熱性を有するものが好ましい。これにより、半導体パッケージの製造工程で接着層が融解し難くなり、加工処理の精度を高めることができる。なお、加工基板と支持結晶化ガラス基板を容易に固定するため、紫外線硬化型テープを接着層として使用することもできる。
本発明の積層体は、更に加工基板と支持結晶化ガラス基板の間に、より具体的には加工基板と接着層の間に、剥離層を有すること、或いは支持結晶化ガラス基板と接着層の間に、剥離層を有することが好ましい。このようにすれば、加工基板に対して、所定の加工処理を行った後に、加工基板を支持結晶化ガラス基板から剥離し易くなる。加工基板の剥離は、生産性の観点から、レーザー光等の照射光により行うことが好ましい。レーザー光源として、YAGレーザー(波長1064nm)、半導体レーザー(波長780〜1300nm)等の赤外光レーザー光源を用いることができる。また、剥離層には、赤外線レーザーを照射することで分解する樹脂を使用することができる。また、赤外線を効率良く吸収し、熱に変換する物質を樹脂に添加することもできる。例えば、カーボンブラック、グラファイト粉、微粒子金属粉末、染料、顔料等を樹脂に添加することができる。
剥離層は、レーザー光等の照射光により「層内剥離」又は「界面剥離」が生じる材料で構成される。つまり一定の強度の光を照射すると、原子又は分子における原子間又は分子間の結合力が消失又は減少して、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を生じさせる材料で構成される。なお、照射光の照射により、剥離層に含まれる成分が気体となって放出されて分離に至る場合と、剥離層が光を吸収して気体になり、その蒸気が放出されて分離に至る場合とがある。
本発明の積層体において、支持結晶化ガラス基板は、加工基板よりも大きいことが好ましい。これにより、加工基板と支持結晶化ガラス基板を支持する際に、両者の中心位置が僅かに離間した場合でも、支持結晶化ガラス基板から加工基板の縁部が食み出し難くなる。
本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板とを備える積層体を用意する工程と、加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、支持結晶化ガラス基板として、上記の支持結晶化ガラス基板を用いることを特徴とする。ここで、本発明の半導体パッケージの製造方法の技術的特徴(好適な構成、効果)は、本発明の支持結晶化ガラス基板及び積層体の技術的特徴と重複する。よって、本明細書では、その重複部分について、詳細な記載を省略する。
本発明の半導体パッケージの製造方法は、少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板とを備える積層体を用意する工程を有する。加工基板と加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板とを備える積層体は、上記の材料構成を有している。
本発明の半導体パッケージの製造方法は、更に積層体を搬送する工程を有することが好ましい。これにより、加工処理の処理効率を高めることができる。なお、「積層体を搬送する工程」と「加工基板に対して、加工処理を行う工程」とは、別途に行う必要はなく、同時であってもよい。
本発明の半導体パッケージの製造方法において、加工処理は、加工基板の一方の表面に配線する処理、或いは加工基板の一方の表面に半田バンプを形成する処理が好ましい。本発明の半導体パッケージの製造方法では、これらの処理時に加工基板が寸法変化し難いため、これらの工程を適正に行うことができる。
加工処理として、上記以外にも、加工基板の一方の表面(通常、支持結晶化ガラス基板とは反対側の表面)を機械的に研磨する処理、加工基板の一方の表面(通常、支持結晶化ガラス基板とは反対側の表面)をドライエッチングする処理、加工基板の一方の表面(通常、支持結晶化ガラス基板とは反対側の表面)をウェットエッチングする処理の何れかであってもよい。なお、本発明の半導体パッケージの製造方法では、加工基板に寸法変化(特に、反り)が発生し難いと共に、積層体全体の剛性を維持することができる。結果として、上記加工処理を適正に行うことができる。
図面を参酌しながら、本発明を更に説明する。
図1は、本発明の積層体1の一例を示す概念斜視図である。図1では、積層体1は、支持結晶化ガラス基板10と加工基板11とを備えている。支持結晶化ガラス基板10は、加工基板11の寸法変化を防止するために、加工基板11に貼着されている。支持結晶化ガラス基板10と加工基板11との間には、剥離層12と接着層13が配置されている。剥離層12は、支持結晶化ガラス基板10と接触しており、接着層13は、加工基板11と接触している。
図1から分かるように、積層体1は、支持結晶化ガラス基板10、剥離層12、接着層13、加工基板11の順に積層配置されている。支持結晶化ガラス基板10の形状は、加工基板11に応じて決定されるが、図1では、支持結晶化ガラス基板10及び加工基板11の形状は、何れも略円板形状である。剥離層12は、例えばレーザーを照射することで分解する樹脂を使用することができる。また、レーザー光を効率良く吸収し、熱に変換する物質を樹脂に添加することもできる。例えば、カーボンブラック、グラファイト粉、微粒子金属粉末、染料、顔料等を樹脂に添加することもできる。剥離層12は、プラズマCVDや、ゾル−ゲル法によるスピンコート等により形成される。接着層13は、樹脂で構成されており、例えば、各種印刷法、インクジェット法、スピンコート法、ロールコート法等により塗布形成される。また、紫外線硬化型テープも使用可能である。接着層13は、剥離層12により加工基板11から支持結晶化ガラス基板10が剥離された後、溶剤等により溶解除去される。紫外線硬化型テープは、紫外線を照射した後、剥離用テープにより除去可能である。
図2は、fan out型のWLPの製造工程を示す概念断面図である。図2(a)は、支持部材20の一方の表面上に接着層21を形成した状態を示している。必要に応じて、支持部材20と接着層21の間に剥離層を形成してもよい。次に、図2(b)に示すように、接着層21の上に複数の半導体チップ22を貼付する。その際、半導体チップ22のアクティブ側の面を接着層21に接触させる。次に、図2(c)に示すように、半導体チップ22を樹脂の封止材23でモールドする。封止材23は、圧縮成形後の寸法変化、配線を成形する際の寸法変化が少ない材料が使用される。続いて、図2(d)、(e)に示すように、支持部材20から半導体チップ22がモールドされた加工基板24を分離した後、接着層25を介して、支持結晶化ガラス基板26と接着固定させる。その際、加工基板24の表面の内、半導体チップ22が埋め込まれた側の表面とは反対側の表面が支持結晶化ガラス基板26側に配置される。このようにして、積層体27を得ることができる。なお、必要に応じて、接着層25と支持結晶化ガラス基板26の間に剥離層を形成してもよい。更に、得られた積層体27を搬送した後に、図2(f)に示すように、加工基板24の半導体チップ22が埋め込まれた側の表面に配線28を形成した後、複数の半田バンプ29を形成する。最後に、支持結晶化ガラス基板26から加工基板24を分離した後に、加工基板24を半導体チップ22毎に切断し、後のパッケージング工程に供される(図2(g))。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜12)と比較例(試料No.13、14)を示している。
まず表中の組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1600℃で4時間溶融した。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板状に成形した後、徐冷点より20℃程度高い温度から、3℃/分で常温まで徐冷した。得られた各結晶性ガラス試料(試料No.1〜12)について、電気炉に投入し500〜800℃で0.5〜5時間保持して、結晶核を生成させた後、850〜1000℃で1〜5時間保持して、ガラス中に結晶を成長させた。結晶を成長させた後、1℃/分の降温速度で常温まで冷却した。なお、試料No.13、14については、上記結晶化処理を行っていない(上記結晶化処理を行っても、結晶が析出しない)。得られた各試料について、析出結晶、30〜220℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30−220℃、30〜260℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30−260℃、30〜300℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30−300℃、30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30−380℃、ヤング率、アルカリ溶出、耐候性試験(HAST)後の外観と透過率変化を評価した。
析出結晶は、X線回折装置(リガク製RINT−2100)で評価したものである。なお、測定範囲を2θ=10〜60°とした。
30〜220℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30−220℃、30〜260℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30−260℃、30〜300℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30−300℃、30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数CTE30−380℃は、ディラトメーターで測定した値である。
ヤング率Eは、共振法により測定した値である。
アルカリ溶出は、JIS R3502に基づいて測定したアルカリ溶出量が1.5mg未満であった場合を「○」、1.5mg/cm超であった場合を「×」として評価したものである。
耐候性試験(HAST)後の外観は、平山製作所製HAST試験機PC−242HSR2を用いて、135℃、湿度95%の条件下で、8時間保持した後、試料表面を目視で観察し、外観変化が認められなかった場合を「○」、外観変化が認められた場合を「×」として評価したものである。
耐候性試験(HAST)後の透過率変化は、まず分光光度計(株式会社島津製作所製UV−3100)を用いて、板厚方向、波長範囲250〜1500nmでの平均透過率を測定し、次に135℃、湿度95%の条件下で、8時間保持した後、同様の条件で平均透過率を測定し、最後に平均透過率の低下幅を算出し、その値が10%未満であった場合を「○」、10%以上であった場合を「×」として評価したものである。
表1から明らかなように、試料No.1〜12は、ヤング率が高く、アルカリ溶出量が少なく、耐候性が良好であった。よって、試料No.1〜12は、半導体パッケージの製造工程で加工基板の支持に用いる支持基板として好適であると考えられる。一方、試料No.13、14は、ヤング率が低く、アルカリ溶出量が多く、耐候性が不良であった。
次のようにして、[実施例2]の各試料を作製した。まず、表中に記載の試料No.1〜12の組成になるように、ガラス原料を調合した後、ガラス溶融炉に供給して1550〜1650℃で溶融し、次いで溶融ガラスをそれぞれセラミックス製の型枠に流し入れて、板状に成型した。得られた各試料について、電気炉に投入し500℃で30分間保持して、結晶核を生成させた後、850℃で60分間保持して、ガラスマトリクス中に結晶を成長させた。結晶を成長させた後、1℃/分の降温速度で常温まで冷却した。得られた結晶化ガラス基板(全体板厚偏差TTV約5.5μm)をφ300mm×0.7mm厚に加工した後、その両表面を研磨装置により研磨処理した。具体的には、結晶化ガラス基板の両表面を外径が相違する一対の研磨パットで挟み込み、結晶化ガラス基板と一対の研磨パッドを共に回転させながら、結晶化ガラス基板の両表面を研磨処理した。研磨処理の際、時折、結晶化ガラス基板の一部が研磨パッドから食み出すように制御した。なお、研磨パッドはウレタン製、研磨処理の際に使用した研磨スラリーの平均粒径は2.5μm、研磨速度は15m/分であった。得られた研磨処理済みの各結晶化ガラス基板について、コベルコ科研社製のSBW−331ML/dにより全体板厚偏差(TTV)と反り量を測定した。その結果、全体板厚偏差(TTV)は、それぞれ1.0μm未満であり、反り量は、それぞれ35μm以下であった。
本発明の支持結晶化ガラス基板は、半導体パッケージの製造工程で加工基板の支持に用いることが好ましいが、この用途以外にも応用可能である。例えば、高膨張の利点を生かして、アルミニウム合金基板等の高膨張金属基板の代替基板として応用可能であり、またジルコニア基板、フェライト基板等の高膨張セラミック基板の代替基板としても応用可能である。
1、27 積層体
10、26 支持結晶化ガラス基板
11、24 加工基板
12 剥離層
13、21、25 接着層
20 支持部材
22 半導体チップ
23 封止材
28 配線
29 半田バンプ

Claims (11)

  1. 加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板であって、
    二珪酸リチウム、α−クリストバライト、α−クォーツの内、一種又は二種以上が析出しており、
    ヤング率が80GPa以上であることを特徴とする支持結晶化ガラス基板。
  2. アルカリ溶出量が1.5mg未満であることを特徴とする請求項1に記載の支持結晶化ガラス基板。
  3. 耐候性試験(HAST)前の波長範囲250〜1500nmでの板厚方向の平均透過率をX(%)、耐候性試験(HAST)後の波長範囲250〜1500nmでの板厚方向の平均透過率をY(%)とした時に、X−Y<10%の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の支持結晶化ガラス基板。
  4. 30〜380℃の温度範囲における平均線熱膨張係数が60×10−7/℃超であり、且つ195×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の支持結晶化ガラス基板。
  5. 全体板厚偏差(TTV)が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の支持結晶化ガラス基板。
  6. 組成として、質量%で、SiO 50〜85%、Al 0.1〜15%、B 0〜10%、P 0〜15%、LiO 2〜20%、NaO 0〜10%、KO 0〜7%、MgO 0〜10%、CaO 0〜5%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、ZnO 0〜5%、ZrO 0〜10%を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の支持結晶化ガラス基板。
  7. 板厚が2.0mm未満であり、且つ反り量が60μm以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の支持結晶化ガラス基板。
  8. 少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板とを備える積層体であって、
    支持結晶化ガラス基板が請求項1〜7の何れかに記載の支持結晶化ガラス基板であることを特徴とする積層体。
  9. 加工基板が、少なくとも封止材でモールドされた半導体チップを備えることを特徴とする請求項8に記載の積層体。
  10. 少なくとも加工基板と加工基板を支持するための支持結晶化ガラス基板とを備える積層体を用意する工程と、
    加工基板に対して、加工処理を行う工程と、を有すると共に、
    支持結晶化ガラス基板として、請求項1〜7の何れかに記載の支持結晶化ガラス基板を用いることを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
  11. 加工基板が、少なくとも封止材でモールドされた半導体チップを備えることを特徴とする請求項10に記載の半導体パッケージの製造方法。
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