JP2018094483A - 加圧汚泥固形化濃縮機 - Google Patents

加圧汚泥固形化濃縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の装置よりも汚泥濃度を効率的に高められ、かつ、よりコンパクトな加圧汚泥固形化濃縮機の提供。
【解決手段】本開示による加圧汚泥固形化濃縮機は、凝集汚泥、汚泥から分離した遊離水及び気泡を投入する投入口と、凝集汚泥のフロックを大きく成長させるための撹拌羽根を備える濃縮槽であって、投入口は濃縮槽の下部に位置する、濃縮槽と、大きく成長した凝集汚泥及び汚泥と分離した遊離水を分離する固液分離装置と、回転駆動する駆動源と、排出口とを備え、撹拌羽根及び気泡の浮力による上向き帯流、及び該帯流に伴う旋回流によって、排出口から排出される時点の凝集汚泥の粒径を、投入口から投入した時点の凝集汚泥の粒径よりも大きく成長させる。
【選択図】図1

Description

本開示は、有機性産業排水処理設備等から排出される多量の汚泥から効率的に水分を除去し、汚泥濃度を効率的に高める加圧汚泥固形化濃縮機に関する。
下水処理、し尿処理、有機性産業排水処理等においては、有機性排水に含まれる有機物、栄養塩、窒素、リン等を除去するために微生物の消化作用を利用して、好気条件下又は嫌気条件下、或いはこれらを組み合わせて有機性排水を処理する方法が広く実施されている。このような微生物を利用した有機性産業排水処理においては、排水中の有機物の分解処理に伴う活性汚泥が大量に発生する。これらの活性汚泥は水分を大量に含むため、その大部分は一般的に脱水(濃縮)、乾燥処理等を経て廃棄物として埋め立て処分等されている。
例えば、特許文献1(特許第5457620号公報)には、有機性排水処理装置から余剰汚泥を取出して処理する汚泥減容炭化装置であって、微生物細胞からなる余剰汚泥を沈降させて上澄み液と分離する汚泥貯留槽と、沈降した余剰汚泥に第1の凝集剤を添加して第1の脱離水の除去により固液分離して濃縮状態にした余剰汚泥を、剪断により破砕して、余剰汚泥を有機質からなる懸濁粒子と水との懸濁液にする可溶化装置と、可溶化装置の下流側に設けられ、懸濁液状の余剰汚泥に、懸濁粒子を凝結させて凝結粒子にする凝結剤、及び、凝結粒子を凝集させて粗大粒子にする第2の凝集剤を添加して、粗大粒子の集合体からなる余剰汚泥フロックを形成させる造粒設備と、造粒設備の下流側に設けられ余剰汚泥フロックから第2の脱離水を分離する脱水機と、脱水機の下流側に設けられ脱水された余剰汚泥を乾燥した後に炭化する炭化処理設備とを有する、汚泥減容炭化装置が開示されている。
特許文献2(特開2014−069125号公報)には、処理対象物としての汚泥をフロック化するスタッティックミキサーで汚泥と凝集剤をミキシングし汚泥中の水分を分離する濃縮手段を備えた凝集反応装置において、濃縮手段が、内側に開口部を有する撹拌羽根を有し、複数の可動プレートは1つの軸で同期回転する、凝集反応装置が開示されている。
特許第5457620号公報 特開2014−069125号公報
水分を大量に含む汚泥に対して実施される脱水、乾燥処理等の装置は一般的に大型であり、また、脱水、乾燥処理において使用されるエネルギーも極めて大きいため、各種大型装置に対する設備投資費及び維持管理費、ランニングコスト等が膨大となる。その結果、下水道やし尿処理を請け負う自治体の財政が圧迫され、住民の経済的な負担が大きくなるという課題があった。したがって、汚泥処理量の多い大規模な処理場においては、なお一層の効率的、経済的にコストを削減することが可能な濃縮方法、及びよりコンパクトな汚泥濃縮装置が求められていた。
本開示は、上記課題に鑑みて、従来の装置よりも汚泥濃度を効率的に高める加圧汚泥固形化濃縮機を提供することを目的とする。
本開示の一実施態様によれば、凝集汚泥、汚泥と分離した遊離水及び気泡を投入する投入口と、凝集汚泥のフロックを大きく成長させるための撹拌羽根と、排出口とを備える濃縮槽であって、投入口は濃縮槽の下部に位置する、濃縮槽と、大きく成長した凝集汚泥及び汚泥と分離した遊離水を分離する固液分離装置と、回転駆動する駆動源と、を備える、加圧汚泥固形化濃縮機であって、撹拌羽根及び気泡の浮力による上向き帯流、及び該帯流に伴う旋回流によって、排出口から排出される時点の凝集汚泥の粒径が、投入口から投入した時点の凝集汚泥の粒径よりも大きく成長している、加圧汚泥固形化濃縮機が提供される。
本開示の別の実施態様によれば、無機凝集剤を汚泥に添加して凝集させた一次フロックの凝集汚泥を形成する工程と、該一次フロックの凝集汚泥及び汚泥と分離した遊離水を含む混合液に高分子凝集剤を添加してさらに凝集させた二次フロックの凝集汚泥を形成する工程と、該二次フロックの凝集汚泥、汚泥から分離した遊離水及び気泡を、上記の加圧汚泥固形化濃縮機の投入口に投入する工程と、気泡の浮力によって凝集汚泥を浮上させ、かつ加圧汚泥固形化濃縮機の濃縮槽内における凝集汚泥及び遊離水を、撹拌羽根で撹拌しながら20分以上帯流させて、投入した凝集汚泥の粒径を大きくさせる工程と、固液分離装置で分離水と濃縮汚泥に分離する工程とを備える、濃縮汚泥の生成方法が提供される。
本開示によれば、従来の装置よりも汚泥濃度を効率的に高める加圧汚泥固形化濃縮機及び該濃縮機を使用する濃縮汚泥の生成方法が提供される。
本開示の加圧汚泥固形化濃縮機は極めて簡易な構成であるため、従来の装置に比べてよりコンパクトな汚泥濃縮機が提供される。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
本開示の加圧汚泥固形化濃縮機を備える汚泥処理システムの一部を示す概略図である。 本開示の汚泥破砕可溶化装置の概略断面図である。 図2におけるA−A’面の断面拡大図である。 図2におけるA−A’近傍の回転ディスクの拡大図である。
本開示の第1の実施態様における加圧汚泥固形化濃縮機は、凝集汚泥、汚泥と分離した遊離水及び気泡を投入する投入口と、凝集汚泥のフロックを大きく成長させるための撹拌羽根と、排出口とを備える濃縮槽であって、投入口は濃縮槽の下部に位置する、濃縮槽と、大きく成長した凝集汚泥及び汚泥と分離した遊離水を分離する固液分離装置と、回転駆動する駆動源と、を備え、撹拌羽根及び気泡の浮力による上向き帯流、及び該滞流に伴う旋回流によって、排出口から排出される時点の凝集汚泥の粒径を、投入口から投入した時点の凝集汚泥の粒径よりも大きく成長させる。本開示の加圧汚泥固形化濃縮機は簡素な構成であるため、動力50kw程度の従来の装置に比べてコンパクトであり、消費電力も1.5kw程度に抑えることができるため、大幅に消費電力を下げることができ、また、汚泥濃度を効率的に高めることができる。
本開示の第1の実施態様における加圧汚泥固形化濃縮機の投入口から投入される凝集汚泥は、ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤によって凝集させた一次フロックを、両性高分子凝集剤等の高分子凝集剤でさらに凝集させた二次フロックにすることができる。このような二段階で凝集させたフロック状の汚泥は結合力が強く、強固な凝集汚泥となるため、汚泥の濃縮効率を向上させることができる。
本開示の第1の実施態様における加圧汚泥固形化濃縮機の固液分離装置は、排出口から排出された汚泥を熱風乾燥するための熱風ヒーターをさらに備えることができる。熱風ヒーターを備えることによって、濃縮汚泥の含水率をさらに低下させることができる。
本開示の第1の実施態様における加圧汚泥固形化濃縮機を、汚泥破砕可溶化装置と組み合わせることによって、汚泥処理システムを構築することができる。加圧汚泥固形化濃縮機は、以下で説明する汚泥破砕可溶化装置に対して最適な含水率の汚泥を提供できるため、汚泥の処理効率を大幅に向上させることができる。
本開示の第1の実施態様における加圧汚泥固形化濃縮機を濃縮汚泥の生成方法に適用することができる。該方法は、無機凝集剤を汚泥に添加して凝集させた一次フロックの凝集汚泥を形成する工程と、一次フロックの凝集汚泥及び汚泥と分離した遊離水を含む混合液に高分子凝集剤を添加してさらに凝集させて二次フロックの凝集汚泥を形成する工程と、二次フロックの凝集汚泥、汚泥から分離した遊離水及び気泡を、第1の実施態様における加圧汚泥固形化濃縮機の投入口に投入する工程と、気泡の浮力によって凝集汚泥を浮上させ、かつ加圧固形化濃縮機の濃縮槽内における汚泥及び遊離水を、撹拌羽根で撹拌しながら20分以上帯流させて、投入した汚泥の粒径を大きく成長させる工程と、固液分離装置で分離水と濃縮汚泥に分離する工程と、を備える。この方法は、本開示の加圧汚泥固形化濃縮機を採用しているため、消費電力を大幅に下げることができ、汚泥濃度を効率的に高めることができる。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。図面の参照番号について、異なる図面において類似する番号が付された要素は、類似又は対応する要素であることを示す。
本開示において「汚泥」とは、下水処理場の処理過程、工場の廃液処理過程などで生じる、有機物の最終生成物を固形分として含む、含水率約85%以上、約90%以上又は約95%以上の液状の物質を意味する。「汚泥」は、生汚泥に限らず、活性汚泥法によって発生する「余剰汚泥」も包含する。「余剰汚泥」とは、活性汚泥反応槽で処理した処理液を最終沈殿池などに導入し、そこで沈降分離した活性汚泥のうち、返送汚泥として活性汚泥反応槽に戻される部分を除いた部分である。余剰汚泥は、主として、汚水中の溶存性有機物を基質にして増殖した微生物、及び該微生物を捕食して増殖した原生動物からなっている。
本開示において、「BOD」とは、水中の好気性微生物によって消費される溶存酸素量を意味する。また、「COD」とは、水中の有機物を酸化剤(過マンガン酸カリウム)によって化学的に酸化するときに必要な酸素量を意味する。
本開示において「キャビテーション」とは、汚泥破砕可溶化装置内を移動する流体中の低圧力部の気化によって気泡(ポケット)が瞬間的に発生し、それがつぶれて消滅する現象であると考えている。キャビテーションにおける気泡が崩壊するときに発生する局部的な衝撃力は100MPa〜数GPa、温度環境は1,200℃以上といわれている。
図1に、本開示の加圧汚泥固形化濃縮機を備える汚泥処理システムの一部を示す概略図を例示する。無機凝集剤タンク14は、汚泥の一次フロックを形成するための無機凝集剤を貯留するための槽である。無機凝集剤としては、次のものに限定されないが、たとえば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄,ポリ硫酸第二鉄を使用することができる。中でも、続く二次フロックの形成のし易さなどの観点から、ポリ塩化アルミニウム(PAC)が好ましい。
無機凝集剤タンク14では、汚泥又は無機凝集剤の種類等に応じて、無機凝集剤が所定の濃度、例えば8〜10%に調整される。
ライン16を通じて汚泥を、例えばスタティックミキサー1に投入し、無機凝集剤タンク14からライン15を通じてスタティックミキサー1に、調整した無機凝集剤を投入し、汚泥の調質を行う。この汚泥の調質工程で、汚泥に含まれる汚泥粒子は無機凝集剤で荷電中和されて凝集し、強固な一次フロック(以下、「一次凝集汚泥」という場合がある。)を形成する。該一次フロックはフロック形成前の汚泥粒子に比べて粒径が増大し疎水化されている。なお、一次フロックには汚泥粒子に加えて無機凝集剤も含まれている。
スタティックミキサー1には、必要に応じて、アルカリ剤タンク24からライン25を通じて水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加してもよい。一次凝集汚泥にアルカリ剤を添加することで、一次凝集汚泥中の微生物、植物等の細胞膜又は細胞壁(以下、「細胞壁等」という場合がある。)が破壊され易くなる。なお、アルカリ剤の添加はpH調整を兼ねており、後述の汚泥破砕可溶化装置において濃縮汚泥の可溶化効率を高めることができる。該アルカリ剤タンク24では、汚泥の種類等に応じて、アルカリ剤が所定の濃度、例えば25〜48%に調整される。
スタティックミキサー1で形成された一次凝集汚泥は汚泥から遊離した遊離水と共に、ライン42を通じて例えばスタティックミキサー2に移送する。一次凝集汚泥をさらに二次フロック(以下、「二次凝集汚泥」という場合がある。)の形態に成長させることができ、汚泥濃縮をより一層効率よく行える。スタッティックミキサー2は、高分子凝集剤をスタッティックミキサー2内でミキシング添加し、該高分子凝集剤によって一次凝集汚泥を強固に凝集させて二次フロックの形態に成長させる。添加される高分子凝集剤は、高分子凝集剤タンク34において、一次凝集汚泥又は高分子凝集剤の種類等に応じて、所定の濃度、例えば0.1〜0.5%、好ましくは0.2%に調整したものである。高分子凝集剤としては、次のものに限定されないが、たとえば、ポリアミン、DADMAC(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、メラミン酸コロイド、ジシアンジアミド等が適しており、これらの高分子凝集剤においてDADMACは、上澄み浮遊物質を低減させる効果を有している。また、メラミン酸コロイドはCOD濃度を低減するという効果を有している。さらに、ジシアンジアミドは、添加対象物を脱色するという効果を有している。なお、これらの高分子凝集剤は、上述のような無機凝集剤に比べて、添加した際に沈殿物等であるスラッジが発生し難いというメリットを有している。中でも、アニオン系及びカチオン系の両機能を有する両性の高分子凝集剤(両性ポリマー)が好ましい。なお、二次フロックには汚泥粒子に加えて無機凝集剤及び高分子凝集剤も含まれている。これらの高分子凝集剤は単独で用いるよりも無機凝集剤と併用することで、汚泥中の懸濁粒子の高い凝集(凝結)効果が期待できる。また、高分子凝集剤は、処理後汚泥の場外施設における使用、例えば、肥料化、焼却、埋め立て処分等において、有害物質を発生するおそれが低いため好ましい。
得られた一次又は二次凝集汚泥を汚泥から遊離した遊離水と共に、ライン52を通じて投入口65から加圧汚泥固形化濃縮機60内に投入する。加圧汚泥固形化濃縮機60は、汚泥、遊離水及び気泡を投入する投入口65と、凝集汚泥及び汚泥から分離した遊離水を固液分離させる固液分離装置81と、濃縮槽内で撹拌する撹拌羽根67と、撹拌羽根67を回転駆動する駆動源70と、排出口63とを備える。加圧汚泥固形化濃縮機60を構成する各種部品の大きさ、形状、材質、設置数、設置位置等は、汚泥の種類、設置スペース、濃縮汚泥に関する要求性能等に応じて適宜設定すればよいが、材質としては、強度及び防錆効果に優れるため、ステンレス(SUS316等)及びセラミックスが好ましい。また、投入口65の設置位置としては、濃縮槽の底辺中央部が好ましい。排出口63の設置位置に関しては、凝集汚泥及び遊離水を含む混合液の水面以上に設置されていることが好ましい。なお、空気の気泡の浮力を利用するためのコンプレッサー53は、図1に示されるように、加圧汚泥固形化濃縮機60とは別に配置してもよく、又は加圧汚泥固形化濃縮機60と一体化させてもよい。また、回転駆動する駆動源70に接続された軸には、撹拌羽根67以外に、必要に応じて、凝集汚泥及び遊離水を排出口63へ誘導する誘導板を設置してもよい。
撹拌羽根67は、上向きの帯流を発現させるものであればよく、その形状、大きさ、羽根の角度、材質、設置数、回転速度等は、汚泥の種類、設置スペース、濃縮汚泥に関する要求性能等に応じて適宜設定すればよい。撹拌羽根67によって生じる上向きの帯流は、二次凝集汚泥及び遊離水を上方に移動させ、その際に、隣接する汚泥同士が衝突及び結合を繰り返す。その結果、汚泥の粒径は上方に行くに従い、例えば、投入口65で5mm程度の粒径が排出口63において30mm程度まで、即ち、初期粒径の6倍以上にまで大きく成長する。撹拌及びフロック形成を兼ねた撹拌羽根67と、コンプレッサー53による空気をスタッティックミキサー3で直径1〜2mm程度のサイズに微細化して大量に発生させた気泡の浮力とによって、凝集汚泥及び遊離水が浮上して排出口63を通過し、固液分離装置81で汚泥が濃縮される。撹拌羽根67による帯流、旋回流の流れ及び気泡の浮力により、汚泥は隣接する汚泥と衝突、結合を繰り返し、より大きな凝集汚泥へと雪だるま式に成長していく。この汚泥を成長させる帯流工程は、撹拌羽根で撹拌しながら20分以上、30分以上又は40分以上行うことが好ましい。また、濃縮効率等を考慮すると、最終的に濃縮させた汚泥の粒径は、20mm以上、30mm以上又は40mm以上まで成長させることが好ましい。濃縮された汚泥は汚泥排水口84から排出される。一方、遊離水排出口83から排出された遊離水のBODは約60mg/L以下であるため、排水処理施設における着水井等に返流して再利用することができる。従来の装置の遊離水のBODは6000mg/L程度であり、本開示の加圧汚泥固形化濃縮機によれば、従来の装置に比べて1/100倍以下のBODとすることができるため、排水処理施設の着水井等の原水に低負荷で返流することができる。
加圧汚泥固形化濃縮機は、排出口63から排出された遊離水及び汚泥を固液分離装置81に投入し、スクリーンの目幅が5mm程度のメッシュシューター82で固液分離される。メッシュシューター82のメッシュサイズ、メッシュ間隔等は、要する濃縮性能、分離される遊離水の清浄度等に応じて適宜設定すればよい。図1に示されるような、メッシュシューター82を介して、上方に汚泥排水口84に通じる通路、及び下方に遊離水排出口83へ通じる通路を備える固液分離装置81を使用した場合、遊離水は自身の自重で遊離水排出口83へ通過することができ、一方、汚泥はメッシュシューター82上を通過するにつれて汚泥中の水分もその自重により遊離水排出口83へ通過するため、固液分離装置81に通過させるだけで汚泥を自然と濃縮させることができる。固液分離された遊離水は着水井へ移送し、汚泥は、メッシュシューター82で分離濃縮される際、例えば熱風ヒーター4による熱風でさらに水分を蒸発させて汚泥の含水率を下げることができる。熱風温度は、約70度以上、約80度以上又は約90度以上にすることができる。熱風ヒーター4によって、汚泥の含水率は、約1%以上、約2%以上又は約3%以上低下させることができる。例えば、従来の汚泥濃縮能を備える装置では、脱水ケーキの含水率を約82%程度までしか低下させられなかったが、本開示の加圧汚泥固形化濃縮機を使用すると、脱水ケーキの含水率を約65%程度まで低下させることができる。このように本開示の加圧汚泥固形化濃縮機の濃縮効率は、従来の装置に比べて極めて優れている。したがって、加圧汚泥固形化濃縮機の濃縮汚泥を後段の消化槽へ投入すると、投入量は、従来の装置を1とした場合に、0.5程度まで低下させることができるため、消化槽の容積を従来の装置を使用した場合に比べて約1/2に減少させることができる。また、本開示の加圧汚泥固形化濃縮機は、構成がコンパクトであるため、従来の装置に比べて電力消費を大幅に低減させることができる。具体的には、従来の装置では、約50kW程度の電力を要していたが、本開示の加圧汚泥固形化濃縮機では、約1.5kW程度の電力消費ですむことが確認されている。
加圧汚泥固形化濃縮機60は、任意に、排出口63に直接、又は固液分離装置81の後段に、図2に示されるような汚泥破砕可溶化装置100を適用することができる。
一実施態様として例示する汚泥破砕可溶化装置100の概略断面図を図2に示す。汚泥破砕可溶化装置100は、筐体160と、該筐体160の内面に配置される固定ディスク140と、回転ディスク150と、汚泥破砕可溶化装置100の中心水平方向に位置し、回転ディスク150を固定して駆動させるための回転軸130と、投入口170と、吐出口180と、減圧手段190とを備える。汚泥破砕可溶化装置100は、回転軸130を駆動させるためのインバーター110及びモーター120を備えることができる。インバーター110及びモーター120は、汚泥破砕可溶化装置100と一体的に構成されてもよく、汚泥破砕可溶化装置100の外部に配置してもよい。対象物の種類、量などに応じて、周速を適宜調整し得るため、インバーターの使用が好ましいが、インバーターに換えて、スターデルタ(Y-Δ)方式のモーター等を採用してもよい。
投入口170に投入した汚泥は、図2の汚泥の流れ105のように、固定ディスク140と回転ディスク150との間を流れ、吐出口180から排出される。投入口170と吐出口180とは逆に配置されてもよい。固定ディスク140と回転ディスク150との間及び/又は固定ディスク140と固定ディスク140との間(以下、「各ディスク間」という場合がある。)、並びに回転ディスク150と筐体160の内面との間及び固定ディスク140と回転軸130の外面との間に生じる剪断力等のエネルギーによって、汚泥に含まれる微生物等の細胞壁等が破砕される。
次の理論に制限されるものではないが、各ディスク間には、剪断力に加えて、キャビテーションも発生していると考えられている。例えば、図3A及び図3Bは、図2における汚泥破砕可溶化装置100のA−A’面の断面拡大図及びA−A’近傍の回転ディスクの拡大図を示す。投入された汚泥は装置内を高速で流れるため、汚泥中に圧力の低い部分が形成される。この低圧力部によって汚泥中の水分等が蒸気化して気泡が生じ、クラウド295(液体及び気体の混合部)が汚泥中に形成される。クラウド中の気泡が潰れて消滅する際に、瞬間的に非常に高い圧力(衝撃力)が加わる。この高圧に基づくエネルギーも、細胞壁等の破砕に剪断力として貢献していると考えている。
汚泥破砕可溶化装置100を構成する各種部材は、用途に応じて種々の材料を使用することができる。これらに限定されないが、例えば、鉄、ステンレス等の金属又は金属合金、セラミックス、ガラス、プラスチック、炭素繊維及び/又はガラス繊維を含む強化樹脂、ゴムからなる群から選択される1種以上の材料を使用することができる。中でも、強度及び防錆効果に優れるため、ステンレス(SUS316等)及びセラミックスが好ましい。
汚泥と接触する各種部材(固定ディスク、回転ディスク、筐体の内壁、回転軸の外壁、投入口、吐出口等)の表面は、フッ素樹脂コーティング等による撥水化処理、酸化チタン、酸化ケイ素コーティング等による親水化処理、滑面(鏡面)処理、粗面化処理を適用してもよい。撥水化処理又は親水化処理を適用することにより、汚泥に基づく汚れ等の付着を防止することができる。滑面(鏡面)処理を適用することにより、汚泥は流動し易くなるため、汚泥の流速を向上させることができる。粗面化処理を適用することにより、摩擦力、表面積が増大するため、剪断力、キャビテーションの発生を向上させることができる。撥水処理、親水処理、滑面(鏡面)処理、粗面化処理は、各々併用してもよい。また、これらの処理は、適用する部材の全面又は一部に適用してもよい。粗面化処理としては、エンボス加工、サンドブラスト加工、切削加工、研磨加工、レーザー加工、エッチング加工等の加工処理、凹凸型を使用する成型加工等を挙げることができる。あるいは、固定ディスク等の表面に、粗面を付与し得る部材を、接着剤、溶接、ボルト等を使用して貼り合わせてもよい。粗面は、ランダムな凹凸形状でもよいし、所定の角度及び/又は間隔等を有する溝のような形状でもよい。粗面の大きさ及び形状は、汚泥の性状、処理量に応じて適宜調整することができる。
固定ディスク140の中心部は、該中心部を通る回転軸130の外径よりも大きい空洞部を有する。固定ディスク140は、汚泥破砕可溶化装置100に投入される汚泥の性状、処理量、筐体の形状、設計意図等に応じて、外径、内径、形状、厚み、数量を適宜調整することができる。細胞壁等の破砕性、製造コスト等を考慮すると、固定ディスク140は略円盤状の形態が好ましく、固定ディスク140の空洞部も略円形状であることが好ましい。固定ディスク140の空洞部の大きさは、汚泥の種類、量などに応じて適宜調整することができる。固定ディスク140の表面は、剪断力、キャビテーションの発生を阻害しない範囲で、凹状、凸状の傾斜を有していてもよく、中心部の空洞部以外に、ディスク内部又は外周部に貫通孔等を有していてもよい。固定ディスク140は、筐体160の内壁に対し、接着剤、溶接等により一体化されてもよく、或いは、ボルト等を用いて取り外し可能に取り付けられていてもよい。また、固定ディスク140及び筐体160は、3Dプリンター等を利用して一つの材料から構成される一体物とすることもできる。
回転ディスク150は、汚泥破砕可溶化装置100に投入される汚泥の性状、処理量、筐体の形状、設計意図等に応じて、外径、内径、形状、厚み、数量を適宜調整することができる。細胞壁等の破砕性、製造コスト等を考慮すると、回転ディスク150は略円盤状の形態が好ましい。回転ディスク150の外周と、筐体の内壁との間の距離についても、汚泥の種類、量などに応じて適宜調整することができる。回転ディスク150の表面は、剪断力、キャビテーションの発生を阻害しない範囲で、凹状、凸状の傾斜を有していてもよく、ディスク内部又は外周部に貫通孔等を有していてもよい。回転ディスク150は、回転軸130に対し、接着剤、溶接等により一体化されてもよく、或いは、ボルト等を用いて取り外し可能に取り付けられていてもよい。また、回転ディスク150及び回転軸130は、3Dプリンター等を利用して一つの材料から構成される一体物とすることもできる。
回転ディスク150の回転数及び周速は、汚泥の種類、量などに応じて適宜調整することができ、以下の範囲に限定されるものではない。回転ディスク150の回転数は、1000min−1以上、2000min−1以上又は3000min−1以上、7000min−1以下、6000min−1以下又は5000min−1以下とすることができる。回転数がこの範囲であると、回転ディスク150の周速を所定の範囲に調整することができる。回転ディスク150の周速は、20m/s以上、30m/s以上又は35m/s以上、70m/s以下、60m/s以下又は55m/s以下にすることができる。周速がこの範囲であると、汚泥の温度上昇に伴う不具合を発生させることなく、細胞壁等を破砕する剪断力等が効率よく得られる。中でも、剪断力に加えてキャビテーションも発生し易くなるため、周速が37〜52m/sの範囲が好ましい。
本開示の汚泥破砕可溶化装置100における固定ディスク140は、中心部に空洞部(汚泥吸入口)を有し、回転ディスク150に対向するように配置されている。固定ディスク140は、回転ディスク150の遠心力によって、回転ディスク150の外周方向に流動した汚泥が、再び固定ディスク140の空洞部を通り、回転ディスク150の中心部に流入するような流れを形成する機能を有する。即ち、固定ディスク140は、汚泥破砕可溶化装置100内の汚泥を均一化させるように機能する。
本開示の汚泥破砕可溶化装置100は、固定ディスク140及び回転ディスク150を各々1つ以上備えていればよいが、細胞壁等の破砕の効率性の観点から、これらのディスクを2つ以上備えることが好ましい。この場合、固定ディスク及び回転ディスクは交互に配置されてもよく、回転ディスクと回転ディスクとの間に、固定ディスクを2つ以上配置してもよい。配置される回転ディスク及び固定ディスクの大きさ及び形状は、各々、統一されていてもよいし、異なっていてもよい。
固定ディスク及び回転ディスクの間隙、又は固定ディスク間の間隙は、使用する回転ディスク及び固定ディスクの大きさ(内径、外径)、回転ディスクの回転速度、又は汚泥の性状、処理量などによって決定すべきものであって、特に本発明を限定するものではないが、5mm以上、7mm以上又は9mm以上、30mm以下、20mm以下又は15mm以下であることが好ましい。中でも、剪断力、キャビテーションの発生を考慮し、10mm〜11mmの範囲が好ましい。各ディスク間の間隔は一定であっても異なっていてもよいが、異なる方が好ましい。各ディスク間の間隔は、投入口側から吐出口側に向かって、連続的、段階的又は部分的に大きくすることができる。例えば、投入口から装置中心部付近までは、各ディスクの間隔を10mmとし、装置中心部付近から吐出口までは、各ディスクの間隔を11mmと段階的に大きくすることができる。各ディスクの間隔を投入口付近において狭くすると、汚泥の流速が速くなり細胞壁等の破砕性が向上する。一方、各ディスクの間隔を吐出口付近において大きくすると、汚泥の流速が緩やかになるため、装置内における汚泥の目詰まり等を防止することができる。
本開示の汚泥破砕可溶化装置100は、ディスク間隙を調整するディスク間隙調整手段を更に備えてもよい。ディスク間隙調整手段を採用した場合、処理する汚泥の性状などを考慮し、ディスク間隙を好適に調整することができるので、本開示の汚泥破砕可溶化装置を更に効果的に使用することができる。
回転軸130は、汚泥破砕可溶化装置100の中心水平方向に位置し、回転ディスク150を固定及び駆動するためのものである。回転軸130は、以下に示す減圧手段190が備わっていてもよい。回転軸130を通じて減圧することができると、装置内部を均一に減圧することができる。
筐体160は、汚泥破砕可溶化装置100の外周を覆う部材であり、形状、大きさ、材質等は、装置の使用用途等に応じて適宜調整すればよい。剪断力の発生及び製造コスト等を考慮すると、ステンレス(SUS316等)からなる円筒形状の筐体が好ましい。
減圧手段190は、微生物等の細胞の内外に圧力差を発生させ、細胞壁等を破砕し易くする機能を有する。また、減圧手段190を採用することによって、細胞壁等を破砕するため、従来から使用されてきた、アルカリ処理、50℃以上の加温処理等を使用しなくてもよい。したがって、従来の装置及び設備に比べて、設備スペースを簡略化することができることに加え、ランニングコストも大幅に削減することができる。しかしながら、本開示の汚泥破砕可溶化装置100は、アルカリ処理、50℃以上の加温処理等の使用を制限するものではない。これらの処理を併用すれば、従来の装置及び設備に比べて、細胞壁等の破砕がより向上することは言うまでもない。
汚泥破砕可溶化装置内の減圧条件は、汚泥の種類、量などに応じて適宜調整することができ、以下の範囲に限定されるものではない。汚泥破砕可溶化装置内の圧力は、減圧手段によって、−0.1MPa以下、−0.09MPa以下又は−0.08MPa以下にすることができる。特に、剪断力、キャビテーションの発生を考慮し、圧力は−0.080MPa(−80kPa)以下、−0.065MPa(−65kPa)以下又は−0.060MPa(−60kPa)以下であることが好ましい。圧力の下限値はとくに制限されるものではないが、−0.01kPa(−0.00001MPa)以上、−0.05kPa(−0.00005MPa)以上又は−0.1kPa(−0.0001MPa)以上としてもよい。圧力の範囲としては、−0.01kPa〜−0.080MPaが好ましく、−0.05kPa〜−0.065MPaがより好ましく、−0.1kPa〜−0.060MPaが最も好ましい。 これらの圧力の値は、大気圧を基準(ゼロ)としたゲージ圧表記である。なお、減圧は負圧を包含する概念を意図している。
減圧手段190としては、これらに限定されないが、例えばロータリーポンプ、ドライポンプのような減圧ポンプを使用することができる。減圧手段190は、汚泥破砕可溶化装置100に一体的に備わっていてもよい。この場合、減圧手段190は、投入口170、筐体160、回転軸130、及び吐出口180の群から選択される1箇所以上に配置することができる。或いは、減圧手段190は、汚泥破砕可溶化装置100とは別に配置されてもよい。この場合、減圧手段190は、投入口170、筐体160、駆動手段130、及び吐出口180の群から選択される1箇所以上に配管等を介して配置することができる。
陸上式ポンプ及び/又は水中ポンプを採用することで、汚泥破砕可溶化装置の内部を減圧化することもできる。例えば、陸上式ポンプは、汚泥破砕可溶化装置の後段に配置される汚泥を貯留する処理前貯留槽と汚泥破砕可溶化装置との間に設置することができる。陸上式ポンプとしては、例えば一軸ねじ式ポンプを使用することができる。中でも、吸引性等の性能に優れる一軸ねじ式ポンプが好ましい。一軸ねじ式ポンプとしては、兵神装備株式会社製のモーノポンプ(登録商標)などを採用することができる。
汚泥破砕可溶化装置の前段に陸上式ポンプを設置した構成(以下、「前者の構成」という場合がある。)の場合には、陸上式ポンプによって送り出された汚泥は、加圧された状態で汚泥破砕可溶化装置に投入される。したがって、このような設置構成においては、上記のような減圧ポンプを汚泥破砕可溶化装置に適宜適用することが好ましい。一方、汚泥破砕可溶化装置の後段に陸上式ポンプを設置した構成(以下、「後者の構成」という場合がある。)の場合には、汚泥破砕可溶化装置は、陸上式ポンプに基づく吸引力を受けるために装置内部が減圧化される。陸上式ポンプに基づく吸引力を十分に発揮させるために、汚泥破砕可溶化装置を汚泥で充満させた方が好ましい。一般的な陸上式ポンプの場合、吸引力が弱く設置上の制約を受ける場合があるため、吸引力に優れる一軸ねじ式ポンプの様式が望ましい。後者の構成の場合、汚泥を装置の下部より投入して上部より吐き出す構成にすることが好ましい(この場合、図2の汚泥の流れ105は逆方向になり、170が吐出口、180が投入口となる。)。この設置構成の場合、減圧ポンプを使用せずに陸上式ポンプのみで減圧化できるため、前者の構成に比べて設備をより簡略化することができる。しかしながら、後者の構成であっても、上記の減圧ポンプを併用してもよい。なお、陸上式ポンプは、汚泥破砕可溶化装置の吐出口以降に設置されていればよい。陸上式ポンプの後段には、処理後貯留槽に限らず、各種の処理装置などを配置してもよく、又は陸上式ポンプの後段を所定の各種施設などに直接接続してもよい。また、水中ポンプを使用する場合には、該水中ポンプは汚泥破砕可溶化装置内の最終固定ディスク以降の吐出口側の汚泥に浸かる位置に設置されていればよい。
本開示の汚泥破砕可溶化装置100は、加温手段を更に備えてもよい。加温手段は、従来より使用されている50℃以上の加温手段も使用することができる。しかしながら、エネルギーコストの増大、汚泥破砕可溶化装置に不具合を生じさせる可能性などがあるため、170℃以上、150℃以上又は120℃以上の加温手段は採用しない方が好ましい。一方で、従来使用されてこなかった30℃以上50℃未満の加温手段も使用することができる。従来の50℃以上の加温手段は、細胞壁等を柔軟にすることを目的に採用されている。一方、30℃以上50℃未満の加温手段は、キャビテーションの効率的な発生を目的に採用される。本開示の汚泥破砕可溶化装置100は減圧手段190を備えるため、30℃以上50℃未満の加温でもキャビテーションが発生し易くなり、細胞壁等の破砕をより向上させることができる。
加温手段としては、スチーム・ジャケット、各種ヒーター、設備等から排出される排熱、太陽熱、地熱、地中熱等、公知の手段を使用することができる。加温手段は、汚泥破砕可溶化装置に一体的に備わっていてもよく、或いは、装置とは別に配置されてもよい。
本開示の汚泥破砕可溶化装置に投入される汚泥は、含水率が89%以上、90%以上又は91%以上の液状の流体を使用することができる。汚泥の含水率が89%未満であると粘性の強い粘土状(スラッジ状)の物質となり、特に80%以下であるとそれ自体を物として持ち運べるレベルとなるため、本開示の汚泥破砕可溶化装置で破砕しづらくなる。
本開示の加圧汚泥固形化濃縮機は、汚泥の含水率を自由に調整することができ、該濃縮機に続く、汚泥破砕可溶化装置に投入する汚泥の含水率を最適な条件に調整することができるため、本開示の加圧汚泥固形化濃縮機及び汚泥破砕可溶化装置の組み合わせは、汚泥処理の効率を従来設備に比べて大幅に向上させることができる。
1、2、3 スタッティックミキサー
4 熱風ヒーター
14 無機凝集剤タンク
15、16、25、42、52 ライン
24 アルカリ剤タンク
34 高分子凝集剤タンク
53 コンプレッサー
60 加圧汚泥固形化濃縮機
63 排出口
65 投入口
67 撹拌羽根
70 駆動源
81 固液分離装置
82 メッシュシューター
83 遊離水排出口
84 汚泥排水口
100 汚泥破砕可溶化装置
105 汚泥の流れ
110 インバーター
120 モーター
130、230 回転軸
140 固定ディスク
150、250 回転ディスク
160、260 筐体
170 投入口
180 吐出口
190 減圧手段
295 クラウド
1、2、3 スタッティックミキサー
4 熱風ヒーター
14 無機凝集剤タンク
15、16、25、42、52 ライン
24 アルカリ剤タンク
34 高分子凝集剤タンク
53 コンプレッサー
60 加圧汚泥固形化濃縮機
63 排出口
65 投入口
67 撹拌羽根
70 駆動源
81 固液分離装置
82 メッシュシューター
83 遊離水排出口
84 汚泥排水口
100 汚泥破砕可溶化装置
105 汚泥の流れ
110 インバーター
120 モーター
130、230 回転軸
140 固定ディスク
150、250 回転ディスク
160、260 筐体
170 投入口
180 吐出口
190 減圧手段
295 クラウド
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[7]に記載する。
[項目1]
凝集汚泥、汚泥から分離した遊離水及び気泡を投入する投入口と、凝集汚泥のフロックを大きく成長させるための撹拌羽根を備える濃縮槽であって、投入口は濃縮槽の下部に位置する、濃縮槽と、大きく成長した凝集汚泥及び汚泥と分離した遊離水を分離する固液分離装置と、回転駆動する駆動源と、排出口とを備える、加圧汚泥固形化濃縮機であって、 撹拌羽根及び気泡の浮力による上向き帯流、及び該帯流に伴う旋回流によって、排出口から排出される時点の凝集汚泥の粒径が、投入口から投入した時点の凝集汚泥の粒径よりも大きく成長している、加圧汚泥固形化濃縮機。
[項目2]
投入口から投入される凝集汚泥が、無機凝集剤によって凝集させた一次フロックを、高分子凝集剤でさらに凝集させた二次フロックである、項目1記載の加圧汚泥固形化濃縮機。
[項目3]
前記無機凝集剤がポリ塩化アルミニウムであり、高分子凝集剤が両性高分子凝集剤である、項目2記載の加圧汚泥固形化濃縮機。
[項目4]
前記固液分離装置が、前記排出口から排出された凝集汚泥を加熱乾燥するための熱風ヒーターをさらに備える、項目1〜3のいずれか一項に記載の加圧汚泥固形化濃縮機。
[項目5]
項目1〜4のいずれか一項に記載の加圧汚泥固形化濃縮機、及び汚泥破砕可溶化装置を備える、汚泥処理システム。
[項目6]
無機凝集剤を汚泥に添加して凝集させた一次フロックの凝集汚泥を形成する工程と、
前記一次フロックの凝集汚泥及び汚泥から分離した遊離水を含む混合液に高分子凝集剤を添加してさらに凝集させた二次フロックの凝集汚泥を形成する工程と、
前記二次フロックの凝集汚泥、汚泥から分離した遊離水及び気泡を、項目1〜4のいずれか一項に記載の加圧汚泥固形化濃縮機の投入口に投入する工程と、
気泡の浮力によって凝集汚泥を浮上させ、かつ前記加圧汚泥固形化濃縮機の濃縮槽内における凝集汚泥及び遊離水を、撹拌羽根で撹拌しながら20分以上帯流させて、投入した凝集汚泥の粒径を大きく成長させる工程と、
固液分離装置で分離水と濃縮汚泥に分離する工程と、を備える、濃縮汚泥の生成方法。
[項目7]
前記固液分離装置で分離水と濃縮汚泥に分離する工程が、汚泥の水分を蒸発させる熱風ヒーターを備える、項目6記載の濃縮汚泥の生成方法。

Claims (7)

  1. 凝集汚泥、汚泥から分離した遊離水及び気泡を投入する投入口と、凝集汚泥のフロックを大きく成長させるための撹拌羽根を備える濃縮槽であって、投入口は濃縮槽の下部に位置する、濃縮槽と、大きく成長した凝集汚泥及び汚泥と分離した遊離水を分離する固液分離装置と、回転駆動する駆動源と、排出口とを備える、加圧汚泥固形化濃縮機であって、 撹拌羽根及び気泡の浮力による上向き帯流、及び該帯流に伴う旋回流によって、排出口から排出される時点の凝集汚泥の粒径が、投入口から投入した時点の凝集汚泥の粒径よりも大きく成長している、加圧汚泥固形化濃縮機。
  2. 投入口から投入される凝集汚泥が、無機凝集剤によって凝集させた一次フロックを、高分子凝集剤でさらに凝集させた二次フロックである、請求項1記載の加圧汚泥固形化濃縮機。
  3. 前記無機凝集剤がポリ塩化アルミニウムであり、高分子凝集剤が両性高分子凝集剤である、請求項2記載の加圧汚泥固形化濃縮機。
  4. 前記固液分離装置が、前記排出口から排出された凝集汚泥を加熱乾燥するための熱風ヒーターをさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の加圧汚泥固形化濃縮機。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の加圧汚泥固形化濃縮機、及び汚泥破砕可溶化装置を備える、汚泥処理システム。
  6. 無機凝集剤を汚泥に添加して凝集させた一次フロックの凝集汚泥を形成する工程と、
    前記一次フロックの凝集汚泥及び汚泥から分離した遊離水を含む混合液に高分子凝集剤を添加してさらに凝集させた二次フロックの凝集汚泥を形成する工程と、
    前記二次フロックの凝集汚泥、汚泥から分離した遊離水及び気泡を、請求項1〜4のいずれか一項に記載の加圧汚泥固形化濃縮機の投入口に投入する工程と、
    気泡の浮力によって凝集汚泥を浮上させ、かつ前記加圧汚泥固形化濃縮機の濃縮槽内における凝集汚泥及び遊離水を、撹拌羽根で撹拌しながら20分以上帯流させて、投入した凝集汚泥の粒径を大きく成長させる工程と、
    固液分離装置で分離水と濃縮汚泥に分離する工程と、を備える、濃縮汚泥の生成方法。
  7. 前記固液分離装置で分離水と濃縮汚泥に分離する工程が、汚泥の水分を蒸発させる熱風ヒーターを備える、請求項6記載の濃縮汚泥の生成方法。
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