JP2018090713A - インクセットおよびこれに用いられる下処理インク - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体の種類や表面性状に依らずに優れた色再現性が得られるインクセットを提供する。
【解決手段】記録媒体上に付与される白色の第一のインクと、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に付与される下処理インクと、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に付与される第二のインクと、を含有するインクセットであって、前記第一のインクは、第一の色材、水および有機溶剤を含有し、前記第二のインクは、第二の色材、水および有機溶剤を含有し、前記下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有することを特徴とするインクセット。
【選択図】なし
【解決手段】記録媒体上に付与される白色の第一のインクと、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に付与される下処理インクと、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に付与される第二のインクと、を含有するインクセットであって、前記第一のインクは、第一の色材、水および有機溶剤を含有し、前記第二のインクは、第二の色材、水および有機溶剤を含有し、前記下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有することを特徴とするインクセット。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクセットおよびこれに用いられる下処理インクに関する。
水性インクを用いたインクジェット印刷では、塗工層を有する記録媒体、色紙や透明な記録媒体、表面が平滑でない記録媒体等、様々な記録媒体が用いられているが、記録媒体の種類によっては、地肌色の違いや表面状態による滲み等、色再現性が得にくい場合がある。その対策として、インクが浸透しにくい記録媒体では、インク液滴の合一により発生する滲みに対して、前処理液によりインクを凝集させて滲みを抑制する方法や、透明の被記録媒体では、白色下地補正を行って印刷する方法等がある。
特許文献1(特開2011−152737号公報)には、被記録媒体上に白色隠蔽性が高く且つカラーインクのにじみが抑制された高精細な画像を形成することを目的として、被記録媒体の地色を隠蔽するための隠蔽用白色インク組成物と、カラー画像のにじみを抑制するためのにじみ抑制用白色インク組成物を用い、カラー画像が形成される領域には、カラー画像を記録する前に、前記白色インク組成物による白色画像を下地層として記録する画像記録方法が開示されている。しかし、該技術では、記録媒体の表面性によって色再現性が劣るという問題点がある。
特許文献2(特開2002−38063号公報)には、記録媒体の地色に影響されずに、彩やかなカラー画像を再現できる白色インクを含むインクセットを提供することを目的として、記録媒体の地色に応じて、白色インクの打ち込み方を制御する技術が開示されている。しかし、該技術では、色再現性に劣るという問題点がある。
特許文献3(特許第5910372号公報)には、インク顔料の凝集能の低下を抑制して滲みのない良好な画像品質を提供する画像形成方法を提供することを目的として、記録媒体にインク顔料を凝集させる前処理液を塗布する技術を開示している。しかし、該治術では、記録媒体の色によって所望の色再現性が得られないという問題点がある。
このように、従来技術では色再現性に改善の余地があり、さらに優れた画像品質を提供する技術が求められている。
特許文献2(特開2002−38063号公報)には、記録媒体の地色に影響されずに、彩やかなカラー画像を再現できる白色インクを含むインクセットを提供することを目的として、記録媒体の地色に応じて、白色インクの打ち込み方を制御する技術が開示されている。しかし、該技術では、色再現性に劣るという問題点がある。
特許文献3(特許第5910372号公報)には、インク顔料の凝集能の低下を抑制して滲みのない良好な画像品質を提供する画像形成方法を提供することを目的として、記録媒体にインク顔料を凝集させる前処理液を塗布する技術を開示している。しかし、該治術では、記録媒体の色によって所望の色再現性が得られないという問題点がある。
このように、従来技術では色再現性に改善の余地があり、さらに優れた画像品質を提供する技術が求められている。
したがって本発明の目的は、記録媒体の種類や表面性状に依らずに優れた色再現性が得られるインクセットを提供することにある。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)記録媒体上に付与される白色の第一のインクと、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に付与される下処理インクと、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に付与される第二のインクと、を含有するインクセットであって、
前記第一のインクは、第一の色材、水および有機溶剤を含有し、
前記第二のインクは、第二の色材、水および有機溶剤を含有し、
前記下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有することを特徴とするインクセット。
1)記録媒体上に付与される白色の第一のインクと、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に付与される下処理インクと、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に付与される第二のインクと、を含有するインクセットであって、
前記第一のインクは、第一の色材、水および有機溶剤を含有し、
前記第二のインクは、第二の色材、水および有機溶剤を含有し、
前記下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有することを特徴とするインクセット。
本発明によれば、記録媒体の種類や表面性状に依らずに優れた色再現性が得られるインクセットが提供される。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
本発明のインクセットは、前記課題を解決するために、以下の特徴を有する。
記録媒体上に付与される白色の第一のインクと、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に付与される下処理インクと、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に付与される第二のインクと、を含有し、
前記第一のインクは、第一の色材、水、および有機溶剤を含有し、
前記第二のインクは、第二の色材、水、および有機溶剤を含有し、
前記下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有する。
本発明のインクセットは、前記課題を解決するために、以下の特徴を有する。
記録媒体上に付与される白色の第一のインクと、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に付与される下処理インクと、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に付与される第二のインクと、を含有し、
前記第一のインクは、第一の色材、水、および有機溶剤を含有し、
前記第二のインクは、第二の色材、水、および有機溶剤を含有し、
前記下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有する。
前記構成によれば、白色の第一のインクにより、記録媒体の白色度が補正され、下処理インクにより、滲み防止および光沢度の向上が達成される。したがって、記録媒体の色、透明度にかかわらず、色再現性の高い印刷物を提供できる。
ここで、本発明における白色の第一のインクとは、
印字装置:株式会社リコー製 IPSiO GXe5500
印字記録媒体:王子エフテックス社製 ルミナカラーブラック 128gsm
印字解像度:1200dpi×1200dpi
インク付着量:2mg/cm2以上
の条件で印字した記録物について、下記式(1)で算出したハンター白色度が70以上となるインクを意味する。
ハンター白色度=100−[(100−L*)2+(a*2+b*2)]0.5 ・・・(1)
なお、ハンター白色度は、JIS P8123に規定され、L*、a*、b*は国際照明委員会(CIE)が定めた色の表示方法である。
印字装置:株式会社リコー製 IPSiO GXe5500
印字記録媒体:王子エフテックス社製 ルミナカラーブラック 128gsm
印字解像度:1200dpi×1200dpi
インク付着量:2mg/cm2以上
の条件で印字した記録物について、下記式(1)で算出したハンター白色度が70以上となるインクを意味する。
ハンター白色度=100−[(100−L*)2+(a*2+b*2)]0.5 ・・・(1)
なお、ハンター白色度は、JIS P8123に規定され、L*、a*、b*は国際照明委員会(CIE)が定めた色の表示方法である。
<白色の第一のインク>
白色の第一のインクは、第一の色材を含有する。第一の色材としては、種々の顔料を用いることができるが、白色度の高さの点から、酸化チタンが望ましい。また酸化チタンの体積平均粒子径(以下「粒径」)は、100nm以上400nm以下が好ましく、100nm以上300nm以下がさらに好ましい。なお、顔料粒子の粒径は、動的光散乱式(DLS)粒子径分布測定装置:Nanotrac Wave−EX150(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。酸化チタン以外の白色色材の例としては、中空樹脂粒子、他の金属酸化物、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、等が挙げられる。
第一の色材の含有量は、第一のインク中、例えば5〜20質量%であり、好ましくは5〜10質量%である。
白色の第一のインクは、第一の色材を含有する。第一の色材としては、種々の顔料を用いることができるが、白色度の高さの点から、酸化チタンが望ましい。また酸化チタンの体積平均粒子径(以下「粒径」)は、100nm以上400nm以下が好ましく、100nm以上300nm以下がさらに好ましい。なお、顔料粒子の粒径は、動的光散乱式(DLS)粒子径分布測定装置:Nanotrac Wave−EX150(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。酸化チタン以外の白色色材の例としては、中空樹脂粒子、他の金属酸化物、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、等が挙げられる。
第一の色材の含有量は、第一のインク中、例えば5〜20質量%であり、好ましくは5〜10質量%である。
白色の第一のインクが記録媒体上に付与されることにより、ハンター白色度が70以上の第一のインク層が形成され、これによって記録媒体の色や透明性を十分に隠蔽することができる。さらに下記で説明する下処理インクと併用することで、ハンター白色度が乏しい、または光透過性の記録媒体であってもハンター白色度が70以上の記録媒体に匹敵する色域が得られ、印字面の平滑性が向上し、その結果色再現性が向上する。
白色の第一のインクは、一般的に、有機溶剤および水をさらに含有し、必要に応じてその他の公知の添加剤を含有してもよい。
有機溶剤、界面活性剤等の他の添加剤は、下記で説明する第二のインクに用いられる材料と同様の材料を使用できる。
有機溶剤、界面活性剤等の他の添加剤は、下記で説明する第二のインクに用いられる材料と同様の材料を使用できる。
<下処理インク>
本発明における下処理インクは、前記第一のインク層上に付与されるインクである。下処理インクは、下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有する。水溶性のカチオン性樹脂の成膜性により、印字面の平滑性が向上し、その結果色再現性が向上する。また、有機酸アンモニウム塩は凝集剤として作用し、色材を凝集させて滲みを防止できることから、更に色再現性の向上を図ることができる。また樹脂粒子がカチオン性であることで、色材の凝集を促進し、かつ、下処理インク内で樹脂粒子が凝集することが防止される。
本発明における下処理インクは、前記第一のインク層上に付与されるインクである。下処理インクは、下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有する。水溶性のカチオン性樹脂の成膜性により、印字面の平滑性が向上し、その結果色再現性が向上する。また、有機酸アンモニウム塩は凝集剤として作用し、色材を凝集させて滲みを防止できることから、更に色再現性の向上を図ることができる。また樹脂粒子がカチオン性であることで、色材の凝集を促進し、かつ、下処理インク内で樹脂粒子が凝集することが防止される。
下処理インクには色材を含有しないことが好ましい。下処理インクが色材を含有すると、カチオン性樹脂や有機酸アンモニウム塩の作用により下処理インク内で色材が凝集する恐れがある。
一方、白色度の低い記録媒体、光透過性の記録媒体、平滑度の低い記録媒体を用いる場合、ハンター白色度70以上の均一な表面を得るためには、一般的に白色の第一のインクの塗布量を増加させたり、大粒径の白色顔料を用いる手法がある。しかしこのような手法では、印字面の平滑性が悪化し易く、色再現性が悪化してしまう。本発明では、下処理インクを用いることにより、このような課題を解消できる。
一方、白色度の低い記録媒体、光透過性の記録媒体、平滑度の低い記録媒体を用いる場合、ハンター白色度70以上の均一な表面を得るためには、一般的に白色の第一のインクの塗布量を増加させたり、大粒径の白色顔料を用いる手法がある。しかしこのような手法では、印字面の平滑性が悪化し易く、色再現性が悪化してしまう。本発明では、下処理インクを用いることにより、このような課題を解消できる。
カチオン性樹脂としては公知のものを使用できるが、アミン又はアミド誘導体とエピハロヒドリンからなるカチオン性樹脂が好ましい。
具体的には、ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体又はポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、アミン−エピハロヒドリン共重合体から選ばれるカチオン性樹脂が好適である。
具体的には、ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体又はポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、アミン−エピハロヒドリン共重合体から選ばれるカチオン性樹脂が好適である。
特に好ましいカチオン性樹脂は次の(A)、(B)及び(C)である。
(A)下記一般式(2)で示される共重合体
(A)下記一般式(2)で示される共重合体
なお、上記式中、R1〜R8は、同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、又はベンジル基のいずれかを示し、Xはハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)を示し、nは1又は2を示す。
(B)下記一般式(3)で示される繰り返し単位を有する共重合体
上記式中、Xはハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)を示し、mは1以上の整数を示す。また、この共重合体の両末端は、繰り返し単位を構成するモノマーであっても、公知の開始剤等であっても良い。
(C)下記一般式(4)で示されるアミンモノマー(ジエチレントリアミン)、下記一般式(5)で示されるモノマー、及び下記一般式(6)で示されるモノマーの共重合体
上記式中、Xはハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)を示す。
なお、アミンモノマーとしては、上記一般式(4)で示されるジエチレントリアミン以外に、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン及びイミノビスプロピルアミン等も用いることができる。
上記以外のカチオン性樹脂としては、例えば、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、ポリグアニド、ポリアミン及びその誘導体、又はポリアリルアミン及びその誘導体などが挙げられる。
更に、第4級アンモニウム塩型カチオン性樹脂や、場合によっては水分散性カチオン性樹脂を用いてもよい。
上記以外のカチオン性樹脂としては、例えば、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、ポリグアニド、ポリアミン及びその誘導体、又はポリアリルアミン及びその誘導体などが挙げられる。
更に、第4級アンモニウム塩型カチオン性樹脂や、場合によっては水分散性カチオン性樹脂を用いてもよい。
カチオン性樹脂の市販品としては、ユニセンスKHE100L(センカ社製)、PDT−2(四日市合成社製)、SC−506(ハイモ社製)、DK6810(星光PMC社製)、プールスキット(島田商店社製)などが挙げられる。
カチオン性樹脂の重量平均分子量は、共重合体の種類によって異なり、ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体の場合、500〜10万が好ましく、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体又はポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体の場合、5百万以下の範囲が好ましく、アミン−エピハロヒドリン共重合体の場合、700〜5万が好ましい。カチオン性樹脂は、粒状化して用いてもよい。
中でも本発明の効果向上の観点から、カチオン性樹脂は、ポリアミン由来の構成単位とエピクロロヒドリン由来の構成単位を有する、ポリアミン−エピクロロヒドリン共重合体が好適である。また、ポリアミン−エピクロロヒドリン共重合体のカチオン度は、共存する有機酸アンモニウム塩による凝集を防止するために、3[meq/g]以上が好ましく、3[meq/g]以上8[meq/g]以下がさらに好ましい。
なおカチオン度は、ポリビニル硫酸カリウム試薬を用いたコロイド滴定により求めることができる。詳しい手順は以下のとおりである。
コニカルビーカーに脱イオン水90mLをとり、試料(乾燥品換算)の500ppm水溶液を10mL加えて塩酸水溶液でpH4.0とし、約1分間攪拌する。次にトルイジンブルー指示薬を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(N/400PVSK)で滴定する。滴定速度は2mL/分とし、検水が青から赤紫色に変色して10秒間以上保持する時点を終点とする。カチオン度[meq/g]の計算式は次のとおりである。
カチオン度=(N/400PVSK滴定量)×(N/400PVSKの力価)/2
なおカチオン度は、ポリビニル硫酸カリウム試薬を用いたコロイド滴定により求めることができる。詳しい手順は以下のとおりである。
コニカルビーカーに脱イオン水90mLをとり、試料(乾燥品換算)の500ppm水溶液を10mL加えて塩酸水溶液でpH4.0とし、約1分間攪拌する。次にトルイジンブルー指示薬を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(N/400PVSK)で滴定する。滴定速度は2mL/分とし、検水が青から赤紫色に変色して10秒間以上保持する時点を終点とする。カチオン度[meq/g]の計算式は次のとおりである。
カチオン度=(N/400PVSK滴定量)×(N/400PVSKの力価)/2
有機酸アンモニウム塩としては、例えば乳酸アンモニウム塩、クエン酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩等が好ましく、色材の凝集性や金属部材に対する腐食性考慮すると、乳酸アンモニウムがとくに好ましい。
下処理インク中のカチオン性樹脂の含有量は、光沢度の向上の観点から、有機酸アンモニウム塩よりも多いことが望ましい。
具体的には、下処理インク全量に対し、カチオン性樹脂の含有量は30〜60質量%が好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。カチオン性樹脂微粒子の含有量が30質量%以上であることにより、平滑性がさらに向上し優れた色再現性を提供できる。また60質量%以下であることにより、その他の例えば浸透性や濡れ性を付与する添加剤の配合に支障をきたすことがない。有機酸アンモニウム塩の含有量は、10〜20質量%が好ましく、12〜18質量%がさらに好ましい。有機酸アンモニウム塩の含有量が10質量%以上であることにより、色材の凝集効果が高まり、画質を向上できる。また20質量%以下であることにより、その他の添加剤の配合に支障をきたすことがない。
具体的には、下処理インク全量に対し、カチオン性樹脂の含有量は30〜60質量%が好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。カチオン性樹脂微粒子の含有量が30質量%以上であることにより、平滑性がさらに向上し優れた色再現性を提供できる。また60質量%以下であることにより、その他の例えば浸透性や濡れ性を付与する添加剤の配合に支障をきたすことがない。有機酸アンモニウム塩の含有量は、10〜20質量%が好ましく、12〜18質量%がさらに好ましい。有機酸アンモニウム塩の含有量が10質量%以上であることにより、色材の凝集効果が高まり、画質を向上できる。また20質量%以下であることにより、その他の添加剤の配合に支障をきたすことがない。
下処理インクは、前記の必須成分としての有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有する。また下処理インクは一般的に、有機溶剤および水をさらに含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有してもよい。
前記有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、下記で説明する第二のインクに用いられる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の添加剤を適宜選択して用いることができる。
前記有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、下記で説明する第二のインクに用いられる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の添加剤を適宜選択して用いることができる。
次に本発明に用いられる第二のインクについて説明する。第二のインクは、第二の色材、水および有機溶剤を含有し、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に付与されるインクである。第二の色材は、前記第一の色材と同じであっても異なっていてもよい。なお以下の説明において、第二のインクおよび第二の色材を、それぞれ単にインクおよび色材と言うことがある。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F-2)
CnF2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
一般式(F-2)
CnF2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<後処理液>
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜14
<白色の第一のインクおよび下処理インクの調製>
下記表1に示す材料および配合割合により、白色の第一のインクを調製した。
また、下記表2に示す材料および配合割合により、下処理インクを調製した。
各材料は、スターラーにて十分撹拌して均一に混合して、各インクの調製に供した。
インク材料の詳細は、以下の通りである。
<白色の第一のインクおよび下処理インクの調製>
下記表1に示す材料および配合割合により、白色の第一のインクを調製した。
また、下記表2に示す材料および配合割合により、下処理インクを調製した。
各材料は、スターラーにて十分撹拌して均一に混合して、各インクの調製に供した。
インク材料の詳細は、以下の通りである。
・楠本化成株式会社製NeoCryl A−1127(アクリル樹脂エマルジョン)
・三洋化成工業株式会社製ユーコート UWS−145(ポリウレタン樹脂エマルジョン)
・大日精化工業株式会社製酸化チタン
・星光PMC株式会社製DK6810(ポリアミン−エピクロロヒドリン共重合体、カチオン度は5.7[meq/g])
・ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社レオガードKGP(カチオン化ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース)
・株式会社武蔵野化学研究所製乳酸アンモニウム塩
・クエン酸アンモニウム塩(クエン酸にアンモニア水を加えて中和させて作製)
・花王株式会社製エマルゲンLS−106(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)
・三洋化成工業株式会社製ユーコート UWS−145(ポリウレタン樹脂エマルジョン)
・大日精化工業株式会社製酸化チタン
・星光PMC株式会社製DK6810(ポリアミン−エピクロロヒドリン共重合体、カチオン度は5.7[meq/g])
・ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社レオガードKGP(カチオン化ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース)
・株式会社武蔵野化学研究所製乳酸アンモニウム塩
・クエン酸アンモニウム塩(クエン酸にアンモニア水を加えて中和させて作製)
・花王株式会社製エマルゲンLS−106(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)
<印字>
上記で調合した白色の第一のインクを、インクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500)専用のインクカートリッジに充填し、プリンターにセットした。1200dpiの画素密度で、記録媒体としての王子エフテックス株式会社製ルミナカラーブラック127gsmに、ハンター白色度が70になるよう付着量を調整して印字し、恒温槽にて90℃で乾燥させた。次に、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に、下処理インクをローラー塗布により2g/m2となるように塗布し、再び90℃の恒温槽にて乾燥させた。最後に、インクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500)にて、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に、GXe5500付属の色材、水および有機溶剤を含有するインクを用いてカラー画像を印刷した。
上記で調合した白色の第一のインクを、インクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500)専用のインクカートリッジに充填し、プリンターにセットした。1200dpiの画素密度で、記録媒体としての王子エフテックス株式会社製ルミナカラーブラック127gsmに、ハンター白色度が70になるよう付着量を調整して印字し、恒温槽にて90℃で乾燥させた。次に、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に、下処理インクをローラー塗布により2g/m2となるように塗布し、再び90℃の恒温槽にて乾燥させた。最後に、インクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500)にて、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に、GXe5500付属の色材、水および有機溶剤を含有するインクを用いてカラー画像を印刷した。
実施例15
実施例1において、記録媒体を株式会社ミマキエンジニアリング製電飾透明フィルムLXに変更したこと以外は実施例1を繰り返した。
実施例1において、記録媒体を株式会社ミマキエンジニアリング製電飾透明フィルムLXに変更したこと以外は実施例1を繰り返した。
比較例1
実施例1において、白色の第一のインクを用いなかったこと以外は、実施例1を繰り返した。
実施例1において、白色の第一のインクを用いなかったこと以外は、実施例1を繰り返した。
比較例2
実施例1において、下処理インクを用いなかったこと以外は、実施例1を繰り返した。
実施例1において、下処理インクを用いなかったこと以外は、実施例1を繰り返した。
実施例1〜15および比較例1〜2で得られたカラー画像について、次の評価を行った。結果を表3に示す。
<画像評価(色再現性)>
[色再現性評価基準] (◎、○が許容範囲)
a*−b*色相図の面積を求め、比較例2を100%としたときに下記基準で評価した。
◎:面積比が比較例の110%以上
○:面積比が100%を超えて110%未満
×:面積比が100%以下
[色再現性評価基準] (◎、○が許容範囲)
a*−b*色相図の面積を求め、比較例2を100%としたときに下記基準で評価した。
◎:面積比が比較例の110%以上
○:面積比が100%を超えて110%未満
×:面積比が100%以下
<画像評価(ビーディング)>
[白色度評価基準] (◎、○が許容範囲)
◎:ビーディングが見られない
○:僅かにビーディングが見られる
×:ビーディングが見られる
[白色度評価基準] (◎、○が許容範囲)
◎:ビーディングが見られない
○:僅かにビーディングが見られる
×:ビーディングが見られる
<画像評価(平滑性)>
記録媒体上に白色の第一のインクおよび下処理インクを塗布し、乾燥後の記録媒体の平滑性(表面粗さ)を下記の基準で評価した。
[表面粗さ評価基準] (◎、○が許容範囲)
◎:元の記録媒体より大幅に表面粗さが向上
○:元の記録媒体より表面粗さが向上
×:表面粗さが、元の記録媒体以下
記録媒体上に白色の第一のインクおよび下処理インクを塗布し、乾燥後の記録媒体の平滑性(表面粗さ)を下記の基準で評価した。
[表面粗さ評価基準] (◎、○が許容範囲)
◎:元の記録媒体より大幅に表面粗さが向上
○:元の記録媒体より表面粗さが向上
×:表面粗さが、元の記録媒体以下
<腐食性>
金属腐食性について、下処理インクg〜o中にステンレス片(規格名:SUS303)を浸漬し、室温環境下(評価環境:温度23±1℃、湿度50±10%)で2週間放置し、下記の基準で目視により評価した。
[腐食性評価基準] (◎、○が許容範囲)
◎:腐食なし
○:金属光沢がわずかに減少
×:腐食あり
金属腐食性について、下処理インクg〜o中にステンレス片(規格名:SUS303)を浸漬し、室温環境下(評価環境:温度23±1℃、湿度50±10%)で2週間放置し、下記の基準で目視により評価した。
[腐食性評価基準] (◎、○が許容範囲)
◎:腐食なし
○:金属光沢がわずかに減少
×:腐食あり
記録媒体は以下の通り。
p: 王子エフテックス株式会社製ルミナカラーブラック127gsm
q:株式会社ミマキエンジニアリング製電飾透明フィルムLX
p: 王子エフテックス株式会社製ルミナカラーブラック127gsm
q:株式会社ミマキエンジニアリング製電飾透明フィルムLX
表3の結果から、本発明の実施例のインクセットを用いた場合、優れた色再現性が得られ、またビーディング、表面粗さ、腐食性の評価も良好であった。
これに対し、比較例1は白色の第一のインクを用いていないので、色再現性が悪化した。
比較例2は、下処理インクを用いていないので、色再現性、ビーディング、表面粗さが悪化した。
これに対し、比較例1は白色の第一のインクを用いていないので、色再現性が悪化した。
比較例2は、下処理インクを用いていないので、色再現性、ビーディング、表面粗さが悪化した。
Claims (9)
- 記録媒体上に付与される白色の第一のインクと、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に付与される下処理インクと、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に付与される第二のインクと、を含有するインクセットであって、
前記第一のインクは、第一の色材、水および有機溶剤を含有し、
前記第二のインクは、第二の色材、水および有機溶剤を含有し、
前記下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有することを特徴とするインクセット。 - 前記下処理インクは、色材を含まないことを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
- 前記カチオン性樹脂が、ポリアミン由来の構成単位とエピクロロヒドリン由来の構成単位を有する共重合体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクセット。
- 前記有機酸アンモニウム塩が、乳酸アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクセット。
- 前記第一の色材は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクセット。
- 前記第一の色材は、体積平均粒子径が100nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクセット。
- 前記カチオン性樹脂のカチオン度が3[meq/g]以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクセット。
- 前記記録媒体は、前記第一のインクが付与される領域の白色度が70未満であるか、または光透過性の記録媒体であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクセット。
- 記録媒体上に付与される白色の第一のインクと、前記第一のインクによって形成された第一のインク層上に付与される下処理インクと、前記下処理インクによって形成された下処理インク層上に付与される第二のインクと、を含有するインクセットに用いられる、前記下処理インクであって、
前記下処理インクは、有機酸アンモニウム塩およびカチオン性樹脂を含有し、
前記第一のインクは、第一の色材、水および有機溶剤を含有し、かつ
前記第二のインクは、第二の色材、水および有機溶剤を含有する、
ことを特徴とする下処理インク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016235770A JP2018090713A (ja) | 2016-12-05 | 2016-12-05 | インクセットおよびこれに用いられる下処理インク |
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JP2016235770A JP2018090713A (ja) | 2016-12-05 | 2016-12-05 | インクセットおよびこれに用いられる下処理インク |
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JP2016235770A Pending JP2018090713A (ja) | 2016-12-05 | 2016-12-05 | インクセットおよびこれに用いられる下処理インク |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020138456A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 理想科学工業株式会社 | 印刷物の製造方法 |
JP2020164572A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-08 | 大日本塗料株式会社 | 水系プライマーインク、インクセット及び印刷方法 |
-
2016
- 2016-12-05 JP JP2016235770A patent/JP2018090713A/ja active Pending
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