JP2018086898A - パワーシートスライド装置 - Google Patents

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貢 谷口
雄太 村上
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Abstract

【課題】例えば、一対の壁面を備えるブラケットの各壁面の間の空間に固定部材等の部材が隙間なく配置できるとともに、各部材の挿入作業が容易なパワーシートスライド装置を得る。【解決手段】パワーシートスライド装置は、例えば、車両のフロア側とシート側のうち一方側に固定されるナット部材と、フロア側とシート側のうち他方側に車両の前後方向に沿って配置され、ナット部材と螺合する棒ねじ部材と、棒ねじ部材に固定される固定部材と、フロア側とシート側のうち他方側に固定されるブラケットであって、固定部材の前後に設けた一対の端面を挟むように設けられて棒ねじ部材が貫通するブラケット貫通穴が形成された一対の壁部を備えるブラケットと、固定部材の端面と、当該端面と対向する壁部の内壁面との間に設けられる弾性部材と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、パワーシートスライド装置に関する。
従来、車両のシート(座席)の位置をモータ等の動力を用いて車両の前後方向に移動調整するパワーシートスライド装置が知られている(例えば、特許文献1)。このパワーシートスライド装置は、例えば、シート側にモータと、このモータによって回転駆動するとともに、フロア側に固定されたナット部材と螺合する棒ねじ部材を備える。このようなパワーシートスライド装置は、棒ねじ部材やナット部材の組立誤差や各部材(部品)の寸法ばらつき等により棒ねじ部材が回転時にうねってしまう場合がある。棒ねじ部材のうねりは、回転時の回転抵抗の変化を招き、棒ねじ部材の回転速度が不安定になる場合がある。その結果、滑らかなシート移動を妨げたり異音や振動が発生したりする場合があった。そのため、棒ねじ部材の回転駆動を滑らかにする摺動機構を備える動力伝達部材を採用するものがある。動力伝達部材は、棒ねじ部材の一部に固定された固定部材と、シート側に固定されて、車両前後方向で固定部材の一対の端面を挟むように設けられた一対の壁部を備えるブラケットと、一対の壁部の間に配置されて固定部材と摺動可能に車両前後方向において配置されたブッシュ部材とを備える。固定部材とブッシュ部材との摺動面は互いに嵌まり合う例えば凹凸曲面形状であり、固定部材とブッシュ部材とを曲面上で摺動させることにより、棒ねじ部材のうねり動作が棒ねじ部材の回転の負荷にならないようにしている。その結果、棒ねじ部材の回転速度を安定させ、シート移動時の異音や振動の発生を軽減している。
特開2013−173516号公報
上述したように一対の壁部で形成される空間に固定部材等の部材を挿入して配列する場合、一対の壁部の間で隣接する部材が隙間を空けることなく接触した状態で配置されることが望ましい。しかし、一対の壁部で形成される空間の長さ(隙間長、相対距離)と同じ長さの部材をその空間に押し込むことは困難であり作業効率が悪い。そのため、隙間長より、配置する部材の長さを短く設定することが考えられるが、固定部材の前後に隙間が生じることになり、動作時に打音が生じたり、固定部材の摺動がスムーズにできなかったりする場合があった。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、一対の壁面を備えるブラケットの各壁面の間の空間に固定部材等の部材が隙間なく配置できるとともに、各部材の挿入作業が容易なパワーシートスライド装置を得ることである。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置は、車両のフロア側とシート側のうち一方側に固定されるナット部材と、上記フロア側と上記シート側のうち他方側に上記車両の前後方向に沿って配置され、上記ナット部材と螺合する棒ねじ部材と、上記棒ねじ部材に固定される固定部材と、上記フロア側と上記シート側のうち他方側に固定されるブラケットであって、上記固定部材の前後に設けた一対の端面を挟むように設けられて上記棒ねじ部材が貫通するブラケット貫通穴が形成された一対の壁部を備えるブラケットと、上記固定部材の上記端面と、当該端面と対向する上記壁部の内壁面との間に設けられる弾性部材と、を備える。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置の上記弾性部材は、例えば、上記固定部材より上記前後方向の後ろ側に設けられてもよい。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置は、例えば、上記壁部の上記内壁面と上記固定部材の上記端面との間に上記棒ねじ部材が貫通するブッシュ貫通穴が設けられた少なくとも一つのブッシュ部材を備え、上記弾性部材は、上記ブッシュ部材における上記固定部材の上記端面側のブッシュ端面に接触するように設けられてもよい。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置の上記ブッシュ部材は、例えば、上記ブラケット貫通穴に嵌まる筒状部を備えてもよい。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置は、例えば、上記壁部の上記内壁面と上記固定部材の上記端面との間に上記棒ねじ部材が貫通するブッシュ貫通穴が設けられたブッシュ部材を備え、上記ブッシュ部材は、上記壁部の上記内壁面と上記固定部材の上記端面とにそれぞれ当接し、上記棒ねじ部材に対して回転が規制されてもよい。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置の上記ブッシュ部材は、例えば、金属で形成されてもよい。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置の上記ブッシュ部材は、例えば、上記固定部材と接触する固定側ブッシュ部材と、上記内壁面と接触する壁面側ブッシュ部材とを含み、上記弾性部材は、上記固定側ブッシュ部材と上記壁面側ブッシュ部材との間に設けられてもよい。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置の上記壁面側ブッシュ部材と上記固定側ブッシュ部材のうち一方は、例えば、上記ブラケットと係合するブラケット係合部が形成され、他方は、一方と係合するブッシュ係合部が形成され、それぞれ上記棒ねじ部材に対して回転が規制されてもよい。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置の上記固定側ブッシュ部材は、例えば、上記固定部材とは逆側の端面に上記弾性部材を支持する支持部を備えてもよい。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置の上記固定側ブッシュ部材は、例えば、上記固定部材を挟んで前後に前方固定ブッシュ部材と後方固定ブッシュ部材とを含み、上記前方固定ブッシュ部材と上記後方固定ブッシュ部材は、上記固定部材とは逆側の端面にそれぞれ係合支持部を備え、上記後方固定ブッシュ部材の上記係合支持部に上記弾性部材を支持し、上記前方固定ブッシュ部材の上記係合支持部に上記固定ブッシュ部材の前後方向の移動を規制する押当部材が係合してもよい。
本発明の実施形態にかかるパワーシートスライド装置の上記弾性部材は、例えば、上記棒ねじ部材が貫通するダンパ貫通穴を有し、上記固定側ブッシュ部材の上記ブッシュ貫通穴の穴寸法は、上記ダンパ貫通穴の穴寸法より小さくてもよい。
上記パワーシートスライド装置では、一対の壁部の間に固定部材が配置される場合、弾性部材を圧縮することにより、前後方向(棒ねじ部材の軸方向)の部材の合計長さを短くできるので、一対の壁部の間に挿入しやすくなる。また、挿入後は、弾性部材の圧縮が解放され、一対の壁部の間の隙間が詰められる。したがって、挿入後は、一対の壁部の間のがたつきが抑えられる。
図1は、本実施形態のパワーシートスライド装置が設置される車両用のシートの斜視図である。 図2は、本実施形態のパワーシートスライド装置の全体構成を説明する概略断面図である。 図3は、図2のパワーシートスライド装置に含まれる荷重伝達機構の分解斜視図である。 図4は、図3に示す荷重伝達機構の断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。なお、本明細書において、序数は、部材(部品)や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
図1を用いて、本実施形態のパワーシートスライド装置が設置された車両用シートの全体構成を説明する。パワーシートスライド装置は、シートSと車両の車室内のフロア面Fとの間に位置する。パワーシートスライド装置は、車両の前後方向X(前方向Xa、後方向Xb)に延びる左右一対のシートトラック10を備える。左右のシートトラック10は、同一(対称)構造であり、フロア面F上で前後方向Xに離間して配置された前ブラケット12および後ブラケット14に固定されるロアレール16と、シートSのシート座部Saの裏面側に固定されるアッパレール18とを含む。そして、フロア面F側に固定されたロアレール16に対してシートSを支持するアッパレール18が前後方向Xに移動可能に係合している。なお、シートSは、シート座部Saに対して背もたれSbをリクライニングさせるリクライニング機構やシート座部Saをチルトさせるチルト機構、シート座部Saを昇降させる昇降機構等を備えてもよい。リクライニング機構は、例えば、シート座部Saと背もたれSbを接続する部分に設けられ、チルト機構や昇降機構は、パワーシートスライド装置とシート座部Saとの間に設けられてもよい。
次に、図2を用いてパワーシートスライド装置20の全体構成を説明する。図2において、ロアレール16およびアッパレール18は車両の前後方向Xに沿って配置される。アッパレール18には、その長手方向(前後方向X)に沿って、棒ねじ部材22が配置されている。この棒ねじ部材22の中央部は、周面に雄ねじ部22aが形成されている。棒ねじ部材22の一方の端部側(前部側、前方向Xa側)には、雄ねじ部22aに連設されて外径が雄ねじ部22aの外径より小さく設定されて、周面にねじ部が形成されていない小径段部22bが形成されている。さらに、棒ねじ部材22の先端側には、小径段部22bに連設され、外径が小径段部22bの外径より小さく設定され、周面に軸方向に延びるセレーションが形成されたセレーション部22cが形成されている。棒ねじ部材22の他方の端部側(後部側、後方向Xb側)には、雄ねじ部22aに連設され、ねじ部が形成されていないストレート形状の支持部22dが形成されている。アッパレール18には、棒ねじ部材22の端部の支持部22dが挿入されるねじブラケット24が取り付けられている。ねじブラケット24は、棒ねじ部材22を回転可能に支持する奥側に向かうのに連れて徐々に径が小さくなるテーパ状の支持穴を備える。
ロアレール16には、ナット部材26がナットハウジング28に収納された状態で固定されている。ナット部材26は、棒ねじ部材22の挿入方向に貫通穴が形成され、その貫通穴の内周面に雌ねじ部26aが形成されている。そして、ナット部材26の雌ねじ部26aと棒ねじ部材22の雄ねじ部22aが螺合している。ナットハウジング28は、ナット部材26を覆うように設けられている。ナットハウジング28の内面とナット部材26の外面との間の空間には、振動吸収用の部材、例えばゴムシートが設けられてもよい。ナットハウジング28の下面には、固定用雌ねじ部28aが例えば2カ所に形成されている。また、ナット部材26には、固定用雌ねじ部28aの形成位置に対応する位置に、固定用雌ねじ部28aより大径で、かつ固定用雌ねじ部28aと螺合するボルト30の先端を逃げる逃げ穴26bが形成されている。ロアレール16には、固定用雌ねじ部28aおよび逃げ穴26bに対応する位置に固定用雌ねじ部28aより大径の貫通穴16aが形成されている。したがって、貫通穴16aに挿通され、固定用雌ねじ部28aと螺合するボルト30によりナットハウジング28がロアレール16に固定される。
アッパレール18の一方の端部(前部、前方向Xa端部)には、上方に向かって折り曲げられた折曲げ部18aが形成されている。この折曲げ部18aにギヤボックス32が固定されている。
ギヤボックス32は、ギヤハウジング34と、当該ギヤハウジング34の上部を覆うと共に、ギヤハウジング34が取り付けられたカバー36とを備える。カバー36に形成された貫通穴36a、ギヤハウジング34に形成された貫通穴34a、折曲げ部18aに形成された貫通穴18bを挿通するボルト38と、当該ボルト38に螺合するナット40によりギヤボックス32はアッパレール18の折曲げ部18aに取り付けられ固定される。
ギヤハウジング34内には、図示しないモータで駆動されるウォーム42と、当該ウォーム42が螺合するウォームホイール44とからなる歯車減速機構が設けられている。そして、歯車減速機構の出力側であるウォームホイール44の回転中心軸に沿って形成された貫通穴の内周面にはセレーション部44aが形成されている。そして、ウォームホイール44のセレーション部44aには、棒ねじ部材22のセレーション部22cが嵌合している。このセレーション嵌合により、ウォームホイール44と棒ねじ部材22とは、回転軸方向(前後方向X)の相対移動が許容された状態で一体となって回転する。
図示しないモータにより棒ねじ部材22が回転駆動されると、ロアレール16に固定されたナット部材26に対して棒ねじ部材22が進退移動することになる。すなわち、アッパレール18はロアレール16に沿って前後方向Xに移動する。前述したようにアッパレール18にはシートSが固定されているので、フロア面Fに対してシートSが前後方向Xに移動可能となる。
本実施形態において、棒ねじ部材22とアッパレール18とは、荷重伝達機構46でも接続されている。荷重伝達機構46は、棒ねじ部材22の一部に固定された固定部材48と、当該固定部材48を回転自在に支持する複数のブッシュ部材と、固定部材48および複数のブッシュ部材を支持するとともにアッパレール18に固定されるブラケット50等で構成されている。つまり、シートSに作用した荷重は、アッパレール18、荷重伝達機構46、棒ねじ部材22、ナット部材26、ナットハウジング28、ロアレール16を介してフロア面Fに伝達される。
図3には、荷重伝達機構46の分解斜視図が示され、図4には、荷重伝達機構46の断面図が示されている。
図3に示すように、荷重伝達機構46は、ブラケット50、固定部材48、複数のブッシュ部材(前方固定ブッシュ部材52(固定側ブッシュ部材)、後方固定ブッシュ部材54(固定側ブッシュ部材)、壁面側ブッシュ部材56)、弾性部材58、押当部材60等で構成されている。
ブラケット50は、図3、図4に示すように、固定部材48の前後方向Xの一対の端面を挟むように設けられた一対の壁部62(前方壁部62a、後方壁部62b)が固定部材48を前後方向Xに跨ぐように設けられた接続部64によって接続された前後方向Xの断面が略C字形状の部材である。ブラケット50は、金属(例えば鉄等)で形成され、壁部62(前方壁部62a、後方壁部62b)の前後方向Xの略中央部には、棒ねじ部材22が貫通可能なブラケット貫通穴66(前方貫通穴66a、後方貫通穴66b)が形成されている。本実施形態の場合、図4に示すように、前方貫通穴66aの内周面には、例えばボルトである押当部材60の雄ねじ部60aと螺合する雌ねじ部66cが形成されている。一方、後方貫通穴66bの内周面はねじ部が形成されていない。
ブラケット50の接続部64の前後方向Xの略中央部には、車両の上下方向に貫通する貫通穴64aが形成されている。この貫通穴64aには、ボルト68が挿通されて図2に示すように、ナット70によってブラケット50がアッパレール18に固定されている。なお、アッパレール18に対するブラケット50の固定は、ボルト68、ナット70による締結に限らず、溶接等他の技術を用いてもよい。
ブラケット50において対向する前方壁部62aと後方壁部62bとで形成される空間には、前方固定ブッシュ部材52、固定部材48、後方固定ブッシュ部材54、弾性部材58、壁面側ブッシュ部材56が配置される。これらの収容部材は、前方貫通穴66a、後方貫通穴66bを貫通する棒ねじ部材22の軸方向(前後方向X)に沿って配列される。すなわち、ブラケット50の壁部62の内壁面と固定部材48の端面との間に棒ねじ部材22が貫通するブッシュ貫通穴が設けられた少なくとも一つのブッシュ部材が配置される。
固定部材48は、前述したように、棒ねじ部材22の一部に固定され、棒ねじ部材22とともに回転する、例えば金属で形成された部材である。本実施形態の場合、固定部材48は、例えば筒状部材であり、図4に示されるように、内周面に雌ねじ部48aが形成されている。雌ねじ部48aは、例えば、棒ねじ部材22の雄ねじ部22aのねじ径より僅かに小さいねじ径を有し、固定部材48を雄ねじ部22aに圧入状態でねじ込むことにより固定できるようにしている。また、固定部材48の雌ねじ部48aの内径を雄ねじ部22aのねじ径に対応するように形成し、かしめや溶接等により固定してもよい。
本実施形態の固定部材48において、前後方向Xの一方の前端面72aおよび他方の後端面72bは、図4に示しように例えば凸曲面形状である。前端面72aおよび後端面72bの凸曲面は、例えば、棒ねじ部材22の回転軸とボルト68の回転軸の交点である点Oを中心とする球面の一部とすることができる。
固定部材48の前後方向Xの前側には、前端面72aと摺接する前方固定ブッシュ部材52が配置されている。前方固定ブッシュ部材52は、例えば樹脂で形成され、図3に示すように、例えば前後方向Xと直交する方向の断面が略正方形のブロック形状の部材で、棒ねじ部材22が貫通するブッシュ貫通穴52aが形成されている。また、前方固定ブッシュ部材52の後端面52bは、固定部材48の前端面72aの凸曲面に対応する凹曲面が形成されている。すなわち、後端面52bの凹曲面は、棒ねじ部材22の回転軸とボルト68の回転軸の交点である点Oを中心とする球面の一部となっている。
前方固定ブッシュ部材52において、後端面52bの逆側の前端面52c側、すなわち、固定部材48とは逆側の端面側には、前方固定ブッシュ部材52の前後方向Xの移動を規制する押当部材60(規制部材)の挿入部60bに形成された押当係合部60cが係合する規制係合部52d(係合支持部)が形成されている。前方固定ブッシュ部材52に形成された規制係合部52dおよび押当部材60の挿入部60bの先端側に形成された押当係合部60cは、共に非円形であり、係合した場合に、両者の相対回転を規制する。押当部材60は、雄ねじ部60aがブラケット50の雌ねじ部66cと螺合することによりブラケット50に固定されている。したがって、前方固定ブッシュ部材52は、前方壁部62aと固定部材48の間で、押当部材60を介してブラケット50に対して回転が規制された状態(回転不能状態)で配置される。
固定部材48の前後方向Xの後側には、後端面72bと摺接する後方固定ブッシュ部材54が配置されている。後方固定ブッシュ部材54は、例えば樹脂で形成され、図3に示すように、前方固定ブッシュ部材52と同様に例えば前後方向Xと直交する方向の断面が略正方形のブロック形状の部材で、棒ねじ部材22が貫通するブッシュ貫通穴54aが形成されている。また、固定部材48の後端面72bと摺接する後方固定ブッシュ部材54の前端面54bは、後端面72bの凸曲面に対応する凹曲面が形成されている。すなわち、前端面54bの凹曲面は、棒ねじ部材22の回転軸とボルト68の回転軸の交点である点Oを中心とする球面の一部となっている。また、別の実施形態では、前方固定ブッシュ部材52の後端面52bの凹曲面の曲率を固定部材48の前端面72aの曲率より小さくしてもよい。同様に、後方固定ブッシュ部材54の前端面54bの凹曲面の曲率を固定部材48の後端面72bの曲率より小さくしてもよい。このように、前方固定ブッシュ部材52側の曲率、後方固定ブッシュ部材54側の曲率を小さくしておくことにより、各摺動部品の組付け誤差や寸法誤差が生じた場合でも、前方固定ブッシュ部材52、後方固定ブッシュ部材54は、点接触(一点接触)として固定部材48を受け止めることが可能になり、摺動抵抗の増大が回避しやすくなる。
後方固定ブッシュ部材54において、前端面54bの逆側の後端面54c側、すなわち、固定部材48とは逆側の端面側には、弾性部材58を支持する支持部54d(係合支持部)が形成されている。支持部54dは、弾性部材58の外径形状より僅かに大きく、かつ弾性部材58を後端面54cから所定量突出させた状態で支持できるように前方向Xaに凹んだ凹溝とすることができる。支持部54dを設けることにより、弾性部材58をブラケット50に組み付ける場合に後方固定ブッシュ部材54に仮止め可能となり、組立作業の効率が向上できる。
このように、本実施形態の場合、固定部材48の前端面72aおよび後端面72bを曲面形状(例えば凸曲面)とするとともに、これらに前後方向Xで接触する前方固定ブッシュ部材52の後端面52bおよび後方固定ブッシュ部材54の前端面54bを対応する曲面形状(例えば凹曲面)にしている。その結果、例えば、棒ねじ部材22や固定部材48の組立誤差や各部材の寸法ばらつき等により棒ねじ部材22が回転時にうねる場合でも、固定部材48の前後の接触面が曲面に沿って摺動するため、棒ねじ部材22の回転抵抗が軽減できる。つまり、棒ねじ部材22がスムーズに回転しやすくなり、回転速度の変動が軽減できる。その結果、シートSの移動がスムーズになり振動や異音の発生を低減できるとともに、シートSを安定的にスムーズに前後方向Xに移動(スライド)させることができる。
弾性部材58は、例えばゴム材や樹脂とゴム材の中間の弾性特性を有するエラストマ等で形成される、例えば前後方向Xに所定の厚みを有する円環状の部材である。弾性部材58は、棒ねじ部材22が貫通する例えば円形のダンパ貫通穴58aが形成されている。そして、後方固定ブッシュ部材54のブッシュ貫通穴54aの穴寸法は、ダンパ貫通穴58aの穴寸法より小さくなるように設定されている。この設定により、例えば、前方固定ブッシュ部材52および後方固定ブッシュ部材54に摺動可能に支持される固定部材48と一体的に回転する棒ねじ部材22が回転時にうねった場合、棒ねじ部材22が弾性部材58より先に後方固定ブッシュ部材54に接触する。その結果、樹脂材で形成される後方固定ブッシュ部材54より一般的に強度が低いゴム材等で形成される弾性部材58の摩耗や破損を回避することができる。
後方固定ブッシュ部材54の前後方向Xの後側には、ブッシュ部材として、ブラケット50の後方壁部62bと接触する壁面側ブッシュ部材56が配置される。本実施形態の場合、弾性部材58は、後方固定ブッシュ部材54と壁面側ブッシュ部材56との間に設けられる。壁面側ブッシュ部材56は、例えば金属で形成された、外形状が例えば略矩形の部材であり、例えば外形面にブラケット50と係合するブラケット係合部56aが形成されている。本実施形態の場合、ブラケット係合部56aは、例えば平面部であり、ブラケット50の接続部64の内壁面と係合して、棒ねじ部材22に対して壁面側ブッシュ部材56の回転が規制されるようにしている。なお、別の実施形態では、壁面側ブッシュ部材56は、樹脂で形成されてもよい。
壁面側ブッシュ部材56の後方固定ブッシュ部材54側には、後方固定ブッシュ部材54の外形面に形成されたブッシュ係合部54eを包み込むように係合する係合凹部56bが形成されている。したがって、壁面側ブッシュ部材56の係合凹部56bと係合したブッシュ係合部54eにより後方固定ブッシュ部材54は、壁面側ブッシュ部材56に対して回転が規制される。さらに、壁面側ブッシュ部材56はブラケット50と係合して棒ねじ部材22に対して回転が規制されているので、後方固定ブッシュ部材54は、壁面側ブッシュ部材56を介して棒ねじ部材22に対して回転が規制されることになる。したがって、固定部材48を保持する(摺動接触する)前方固定ブッシュ部材52および後方固定ブッシュ部材54がブラケット50に固定されることで棒ねじ部材22の回転をよりスムーズにすることができる。
金属で形成された壁面側ブッシュ部材56は、図4に示されるように、前後方向Xにおいて、弾性部材58と接触する面とは反対側の面にブラケット貫通穴66(後方貫通穴66b)に嵌まる筒状部56cを備える。金属製の筒状部56cがブラケット貫通穴66に嵌まることにより、壁面側ブッシュ部材56のブラケット50に対する位置決めおよび移動の規制が容易にできる。また、実質的にブラケット貫通穴66の径を小さくすることができるので、例えば、荷重伝達機構46に前後方向Xの高荷重が加わった場合でも、筒状部56cおよび後方壁部62bに形成されたブラケット貫通穴66が変形し難くなり、固定部材48、前方固定ブッシュ部材52、後方固定ブッシュ部材54等の収納部材が後方壁部62bから脱落する(飛び出す)可能性が低減できる。
押当部材60は、例えば、棒ねじ部材22が貫通するボルト貫通穴60dを備える筒形状のボルトであり、ブラケット50の前方壁部62aのブラケット貫通穴66(前方貫通穴66a)を貫通して固定部材48に向かい突出した状態で固定される挿入部60bが設けられている。押当部材60は、一対の壁部62(前方壁部62aと後方壁部62b)の間において、前後方向Xに隣接する部材の面が互いに接触する状態でブラケット50と固定部材48との相対位置を決めるようにブラケット50に固定される。つまり、押当部材60がブラケット50の壁部62(前方壁部62a)にねじ込まれて挿入部60bが固定部材48に向かって突出することにより前方壁部62aと後方壁部62bとの間で前後方向X(棒ねじ部材22の軸方向)に配置された複数の部材が後方壁部62bの内壁面62cに付勢される。つまり、前方固定ブッシュ部材52、固定部材48、後方固定ブッシュ部材54、弾性部材58、壁面側ブッシュ部材56の各部材間の隙間が排除され相互に密着して各部材間のがたつきを抑制できる。また、棒ねじ部材22とともに回転する固定部材48と前方固定ブッシュ部材52および後方固定ブッシュ部材54との接触を安定させ棒ねじ部材22(固定部材48)をスムーズに回転させることができる。
なお、隣接する部材とは、例えば、固定部材48と前方固定ブッシュ部材52、固定部材48と後方固定ブッシュ部材54、後方固定ブッシュ部材54と弾性部材58、弾性部材58と壁面側ブッシュ部材56、壁面側ブッシュ部材56と後方壁部62b等が該当する。また、例えば、弾性部材58が省略される場合には、後方固定ブッシュ部材54と壁面側ブッシュ部材56が隣接関係を成す。また、例えば、壁面側ブッシュ部材56が省略され、弾性部材58が後方壁部62bと接触する場合には、弾性部材58と後方壁部62bが隣接関係を成す。
押当部材60の挿入部60bは、前方壁部62aのブラケット貫通穴66(前方貫通穴66a)の雌ねじ部66cと螺合する雄ねじ部60aを備える。その結果、挿入部60bの突出量の調整、つまり、ブラケット50内に配列された各部材の接触状態の微調整を押当部材60のねじ込み量の調整により容易にできる。また、押当部材60のブラケット50に対する相対的な位置決めを容易に正確に行うことができる。
押当部材60は、挿入部60bに連設されて前方壁部62aの外壁面62dに当接して挿入部60bの挿入状態を規制する、ブラケット貫通穴66(前方貫通穴66a)より大きな外形の頭部60eを有する。頭部60eが外壁面62dに当接するまで押当部材60を締め込むことにより、ブラケット50に対する押当部材60の締め込み状態、つまり挿入部60bの挿入量(突出状態)を一定の状態になるように規制できる。なお、押当部材60を締め込む場合、弾性部材58が圧縮されるので、後方固定ブッシュ部材54と壁面側ブッシュ部材56とが完全に当接しないように、つまり、弾性部材58が所定量以上弾性部材58から突出した状態になるように挿入部60bや頭部60eの長さを設定することが望ましい。また、ブラケット50内における固定部材48の位置は、固定部材48の中心位置(前後方向Xの長さの中心)がボルト68の回転中心の直下に位置するように挿入部60bの突出長さを設定することが、棒ねじ部材22の回転時のうねりによる影響を軽減する点で望ましい。また、弾性部材58が所定量以上後方固定ブッシュ部材54の後端面54cから突出した状態を維持することにより、弾性部材58の潰れ代を確保する。この場合、例えば、押当部材60の締め込み量のばらつきを弾性部材58の圧縮により吸収して、ブラケット50内に配列された各部材の接触状態のばらつきを軽減することができる。
なお、頭部60eの端部側でボルト貫通穴60dに連なる部分には、挿入部60bの雄ねじ部60aを前方壁部62aの前方貫通穴66aの雌ねじ部66cに螺合させるための工具と係合する係合凹部60fを備える。係合凹部60fは、例えば、六角形状の凹部であり、工具として例えば六角棒スパナ等と係合し、押当部材60のねじ込み作業を容易にできるようにしている。係合凹部60fを頭部60eの内部に形成することにより頭部60eの表面を例えば円筒形状とすることができる。例えば、押当部材60の頭部60eの外形状がスパナ等を係合させる六角形状であった場合、スパナは、棒ねじ部材22の軸方向と直交するように係合させることになり、押当部材60の締め込み時に他の部材と干渉する可能性が高くなるとともに、スパナを係合させるための頭部60eの外形状が大きくなり、他の部材と干渉する可能性が高くなる場合がある。一方、押当部材60の頭部60eの内径側に係合凹部60fを形成することにより、頭部60eの外形状を小型化し他の部材との干渉を回避しやすくなる。また、棒ねじ部材22の軸方向からの工具操作が可能になり、組立作業が容易になる。なお、ボルト貫通穴60dに対して追加工をするだけで係合凹部60fが容易にできる。
このように構成される荷重伝達機構46の組立手順を以下に示す。図4に示すように、ブラケット50において、前方壁部62aの内壁面62fと後方壁部62bの内壁面62cとの対向距離が「L0」の場合、ブラケット50内に配列された各部材の前後方向Xの合計寸法Lは、L0>Lである必要がある。また、各部材の配列作業を容易に行うためには、合計寸法Lは、対向距離L0に対して十分に小さいことが望ましい。しかしながら、合計寸法Lを小さくすると、ブラケット50内で各部材ががたつき、前方固定ブッシュ部材52および後方固定ブッシュ部材54と固定部材48との摺動がスムーズにできなくなる虞がある。また、棒ねじ部材22のうねりを増大させる原因となり、棒ねじ部材22の安定した回転を損ねたり、シートSのスライド速度の変動や異音、振動の発生の原因になったりする虞がある。
一方、本実施形態においては、固定部材48の前後方向Xの端面(後端面72b)と、当該端面と対向する壁部62(後方壁部62b)の内壁面62cとの間に前後方向Xに伸縮する弾性部材58が設けられている。つまり、弾性部材58を前後方向Xに圧縮することにより、ブラケット50内に配列された各部材の前後方向Xの合計寸法Lを縮小できる。例えば、前方固定ブッシュ部材52、固定部材48、後方固定ブッシュ部材54、弾性部材58、壁面側ブッシュ部材56を密着して配列したときの合計寸法が対向距離L0以上の場合を考える。なお、この場合、弾性部材58の前後方向Xの圧縮はゼロまたは圧縮代を残した状態で後方固定ブッシュ部材54の後端面54cから弾性部材58が十分に突出しているとする。この場合、配列された各部材である前方固定ブッシュ部材52〜壁面側ブッシュ部材56をアセンブリ状態とした上で前後方向X方向に押圧することにより弾性部材58を前後方向Xに潰して合計寸法Lを対向距離L0以下にすることができる。つまり、アセンブリ状態の各部材をブラケット50の前方壁部62aの内壁面62fと後方壁部62bの内壁面62cとの間に挿入する作業を容易に行うことができる。アセンブリの挿入後は、挿入時に前方固定ブッシュ部材52と壁面側ブッシュ部材56とに付与されていた押圧力が解放され、弾性部材58の前後方向Xの長さが押圧前の状態に復帰する。この場合、弾性部材58の前後方向Xの長さを適宜設定することにより、各部材がブラケット50内に配置された状態でも弾性部材58が所定量圧縮された状態(与圧された状態)にすることができる。つまり、各部材間の隙間の発生を軽減できる。ブラケット50内へ各部材の挿入が完了したら、押当部材60を前方壁部62aの前方貫通穴66aの外側からねじ込む。そして、ブラケット50に対する固定部材48の相対位置調整を行いつつ、前方固定ブッシュ部材52、後方固定ブッシュ部材54、弾性部材58、壁面側ブッシュ部材56をブラケット50に対して固定する。
ブラケット50の組み立てが完了したら、ナット部材26が螺合した棒ねじ部材22をブラケット50の後方貫通穴66bから挿入して、棒ねじ部材22の所定位置に固定部材48を固定する。また、棒ねじ部材22のセレーション部22cをウォームホイール44のセレーション部44aに挿入し、棒ねじ部材22の支持部22dをねじブラケット24に支持させる。そして、荷重伝達機構46をボルト68とナット70を用いてアッパレール18に固定するとともに、ボルト30を用いてナットハウジング28をロアレール16に固定して、パワーシートスライド装置20を完成させる。
上述したように、本実施形態によれば、ブラケット50内に各部材を容易に組み付けることができるとともに、ブラケット50内における各部材を前後方向Xに密着状態で配置することが可能になる。その結果、パワーシートスライド装置20の組立効率を向上できるとともに、棒ねじ部材22の回転時に固定部材48と前方固定ブッシュ部材52の摺動および固定部材48と後方固定ブッシュ部材54の摺動をスムーズに行うことができる。つまり、棒ねじ部材22にうねりが発生している場合でも、スムーズな摺動により、棒ねじ部材22の回転時のうねりに起因する棒ねじ部材22の回転速度の変動の発生が軽減できる。つまり、シートSのスライド速度の安定化、スライド時の振動の発生の軽減、スライド時の異音の発生の軽減が可能になり、パワーシートスライド装置20の品質を向上させることができる。
また、弾性部材58は、図3に示すように、ブッシュ部材(図3の場合、壁面側ブッシュ部材56)における固定部材48の端面側(後端面72b側)のブッシュ端面56dに接触するように設けられる。つまり、弾性部材58は、ブラケット50内に配置する複数の部材をアセンブリしたときに、最外部に配置されないようになっている。その結果、ブラケット50内に挿入するためにアセンブリされた部材の両端部(図3の場合、前方固定ブッシュ部材52と壁面側ブッシュ部材56)を押圧する際に弾性部材58が撚れにくく、配列状態を維持したまま前後方向Xの合計寸法Lの縮小が容易になり作業性を向上することができる。
上述したように、ブラケット50内に配列する各部材の組付け性を重視する場合、弾性部材58は、固定部材48の前後方向Xの前側に配置してもよく、上述したような効果を得ることができる。一方、図3、図4に示すように、弾性部材58を固定部材48より前後方向Xの後側に配置することにより、上記の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。車両のロアレール16は、利用者がシートSに着座したときの安定性を向上させるために、前後方向Xの後側が前側より低くなるように傾けて設置されている場合がある。この場合、シートSの自重や利用者の重量等によりアッパレール18を介してシートSと接続されたブラケット50が後方に移動するような力を受ける。このような場合でも圧縮された弾性部材58は、後方固定ブッシュ部材54を前方に押し返す。その結果、シートS(ブラケット50)が後方に移動してしまう場合でも、固定部材48と後方固定ブッシュ部材54との間に隙間が形成されることが抑制され、両者の接触を確保して摺動をスムーズに行わせることができる。
上述した実施形態の場合、ブラケット50内に各部材を挿入した場合、前後方向Xで相互の接触性(密着性)を確保(保証)するために、押当部材60の挿入部60bの突出量を調整して弾性部材58を圧縮状態にすることができる。別の実施形態では、弾性部材58を省略して、押当部材60の挿入部60bの突出量の調整のみで各部材間の隙間発生を回避するようにしてもよい。
弾性部材58を省略する場合、ブラケット50内には、アセンブリされた部材として、前方固定ブッシュ部材52、固定部材48、後方固定ブッシュ部材54、壁面側ブッシュ部材56が配置される。この場合、ブラケット50内に配列された各部材の前後方向Xの合計寸法Lは、対向距離L0より十分に小さくして、ブラケット50内に容易に配置できるようにしてよい。そして、押当部材60の挿入部60bを前方壁部62aの外側から固定部材48に向かってねじ込むことにより、アセンブリされた部材は壁部62の内壁面62cに付勢される。つまり、押当部材60は、ブッシュ部材(前方固定ブッシュ部材52、後方固定ブッシュ部材54、壁面側ブッシュ部材56)が介在した状態で、前後方向Xに隣接する部材の面を互いに接触させるようにブラケット50と固定部材48との相対位置を決めることができる。その結果、押当部材60の挿入部60bの突出量の調整のみで各部材間に隙間が生じることを防止可能となる。つまり、ブラケット50内に各部材を容易に組み付けることができるとともに、ブラケット50内における各部材を前後方向Xに密着状態で配置することが可能になる。その結果、弾性部材58を用いる場合と同様に、パワーシートスライド装置20の組立効率を向上できるとともに、パワーシートスライド装置20の品質を向上させることができる。
なお、上述した実施形態においては、前方固定ブッシュ部材52および後方固定ブッシュ部材54を樹脂で形成し、壁面側ブッシュ部材56を金属で形成する例を示したが、これに限定されず、適宜材質を変更しても同様の効果を得ることができる。例えば、ブッシュ部材を金属で形成すれば、強度の向上が容易にできる。また、本実施形態で示すように、前方固定ブッシュ部材52および後方固定ブッシュ部材54を樹脂で形成することにより、金属で形成される固定部材48との摺動をスムーズに行うことができるとともに、金属同士の接触を回避して、金属摺動音の発生を抑制することができる。また、壁面側ブッシュ部材56を金属で形成することにより、例えば、車両に大きな外力が加わり、シートS(アッパレール18、ブラケット50)が前後方向Xに大荷重を受けた場合でも、ブラケット50内の部材がブラケット50から前後方向Xに飛び出してしまう可能性を軽減できる。
ブラケット50内に配列される部材は一例であり、例えば、ブッシュ部材は適宜増減してもよい。例えば、別の実施形態では、前方固定ブッシュ部材52および後方固定ブッシュ部材54の機能を壁部62が果たすようにしてもよい。この場合、押当部材60の挿入部60bの先端面に前方固定ブッシュ部材52の後端面52bと同様な曲面が形成されてもよい。また、後方固定ブッシュ部材54や壁面側ブッシュ部材56を省略する場合は、弾性部材58の前方向Xa側に後方固定ブッシュ部材54の前端面54bと同様な曲面を形成して固定部材48と弾性部材58が摺動するようにしてもよい。なお、この場合は、弾性部材58の摩耗対策を別途施すことが望ましい。また、固定部材48の前方側のみ前方固定ブッシュ部材52を省略し、後方側は図4に示す構成を採用してもよい。
また、別の実施形態では、後方固定ブッシュ部材54を省略してもよい。この場合、弾性部材58および壁面側ブッシュ部材56の前方向Xa側が固定部材48の後端面72bに当接し、壁面側ブッシュ部材56の後方向Xb側が後方壁部62bの内壁面62cに当接する。この場合も、弾性部材58の摩耗対策を別途施すことが望ましい。また、壁面側ブッシュ部材56は、一例として金属で形成される固定部材48との摺動時に異音等を発生しないように、樹脂材料等で構成することが望ましい。また、別の実施形態では、壁面側ブッシュ部材56を省略してもよい。この場合は、弾性部材58および後方固定ブッシュ部材54の後方向Xb側が後方壁部62bの内壁面62cに当接し、後方固定ブッシュ部材54の前端面54bが固定部材48の後端面72bに当接する。この場合、弾性部材58が弾性変形した場合でもブラケット貫通穴66に嵌まり込まないように配置位置を適宜選択すること望ましい。さらに、図4では、後方固定ブッシュ部材54と壁面側ブッシュ部材56とを別部材として設け、その間に弾性部材58を介在させた例を示した。別の実施形態では、壁面側ブッシュ部材56を棒ねじ部材22の回転中心に近い側の内側ブッシュ部材とし、後方固定ブッシュ部材54をそれより外側の外側ブッシュ部材とした入れ子型ブッシュ(一体型ブッシュ)を用いて、内側ブッシュ部材と外側ブッシュ部材との間に弾性部材58を内蔵するようにしてもよい。この場合、内側ブッシュ部材が固定部材48の後端面72bに当接し、外側ブッシュ部材が後方壁部62bの内壁面62cに当接する。また、内側ブッシュ部材と外側ブッシュ部材とは、弾性部材58の弾性変形により前後方向Xに伸縮可能となる。このように、ブッシュ部材の数を適宜選択した場合でも、弾性部材58の圧縮によりアセンブリ状態の各部材の前後方向Xの長さをブラケット50の前方壁部62aの内壁面62fと後方壁部62bの内壁面62cとの間隔より短くすることが可能となり、ブラケット50に挿入作業を容易に行うことができる。そして、アセンブリの挿入後は、挿入時に付与されていた押圧力を解放することにより、弾性部材58の前後方向Xの長さが押圧前の状態に復帰する。その結果、各部材がブラケット50内に配置された状態では、各部材間の隙間の発生が軽減できる。
また、別の実施形態では、弾性部材58を省略してもよい。この場合は、押当部材60の挿入部60bの先端面に前方固定ブッシュ部材52の後端面52bと同様な曲面を形成し、後方壁部62bの内壁面62cに後方固定ブッシュ部材54の前端面54bと同様な曲面を形成して、ブラケット50に対する固定部材48の相対位置を押当部材60で決定するようにしてもよい。この場合も、ブラケット50内に固定部材48を容易に組み付けることができるとともに、ブラケット50内での固定部材48のがたつきを軽減し、棒ねじ部材22の回転時のうねりによる影響を軽減してシートSのスムーズなスライドを実現し、振動や異音の発生を軽減することができる。
また、図3に示すように、本実施形態の弾性部材58の形状は、円環状とする場合を示した。別の実施形態では、弾性部材58の外形を押当部材60の挿入部60bの押当係合部60cと同じ形状にしてもよい。この場合、前方固定ブッシュ部材52と後方固定ブッシュ部材54とは、アセンブリ時の前後方向Xの表裏を反対にすることで同じ形状の部材が利用できる。つまり、部材の共通化が可能になり、コストダウンに寄与することができる。
また、本実施形態では、弾性部材58は、ゴム材や樹脂で環状に形成した例を示したが、これに限定されない。他の実施形態では、弾性部材58として、例えば、コイルばねや板ばね等のばね材を用いてもよい。弾性部材58として、ばね材を用いる場合は、棒ねじ部材22の回転軸の周囲に均等に複数個配置することが望ましい。例えば、120°間隔や60°間隔で配置して、固定部材48や後方固定ブッシュ部材54を前後方向X(棒ねじ部材22の軸方向)に傾くことなく付勢できるようにすることが望ましい。
また、本実施形態では、固定部材48の前後方向Xの端面を凸曲面形状にし、それと摺動する前方固定ブッシュ部材52および後方固定ブッシュ部材54の端面を凹曲面形状にする例を示したが、これに限定されない。他の実施形態では、例えば、固定部材48側に凹曲面を形成し、前方固定ブッシュ部材52側、後方固定ブッシュ部材54側に凸曲面を形成してもよい。また、固定部材48の一方の端面を凸曲面にして、他方を凹曲面にしてもよい。なお、棒ねじ部材22(固定部材48)の回転時のうねりを他の方法で低減する場合、またはうねりを考慮する必要がない場合は、固定部材48の端面およびそれと摺動する前方固定ブッシュ部材52、後方固定ブッシュ部材54の端面を平面にしてもよい。
上述した実施形態では、フロア面FとシートSのうち一方側であるロアレール16にナットハウジング28に収納されたナット部材26を固定し、フロア面FとシートSのうち他方側であるアッパレール18に前後方向Xに沿って配置される棒ねじ部材22およびギヤボックス32、荷重伝達機構46を固定した例を示した。別の実施形態では、ロアレール16に棒ねじ部材22、ギヤボックス32、荷重伝達機構46を固定し、アッパレール18にナットハウジング28に収納されたナット部材26を固定してもよく、同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、パワーシートスライド装置20がロアレール16およびアッパレール18を含む例を示した。別の実施形態では、棒ねじ部材22、ギヤボックス32、荷重伝達機構46をシートSの裏面側に直接固定し、ナットハウジング28に収納されたナット部材26をフロア面Fに直接固定するようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら様々な形態や変形された形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
16…ロアレール、18…アッパレール、20…パワーシートスライド装置、22…棒ねじ部材、46…荷重伝達機構、48…固定部材、48a,66c…雌ねじ部、50…ブラケット、52…前方固定ブッシュ部材、52a…ブッシュ貫通穴、52b,54c,72b…後端面、52c,54b,72a…前端面、52d…規制係合部(係合支持部)、54…後方固定ブッシュ部材、54a…ブッシュ貫通穴、54d…支持部(係合支持部)、54e…ブッシュ係合部、56…壁面側ブッシュ部材、56a…ブラケット係合部、56b…係合凹部、56c…筒状部、56d…ブッシュ端面、58…弾性部材、58a…ダンパ貫通穴、60…押当部材、60a…雄ねじ部、60b…挿入部、60c…押当係合部、60e…頭部、60f…係合凹部、62…壁部、62a…前方壁部、62b…後方壁部、62c,62f…内壁面、62d…外壁面、64…接続部、66…ブラケット貫通穴、66a…前方貫通穴、66b…後方貫通穴、F…フロア面、S…シート、X…前後方向。

Claims (11)

  1. 車両のフロア側とシート側のうち一方側に固定されるナット部材と、
    前記フロア側と前記シート側のうち他方側に前記車両の前後方向に沿って配置され、前記ナット部材と螺合する棒ねじ部材と、
    前記棒ねじ部材に固定される固定部材と、
    前記フロア側と前記シート側のうち他方側に固定されるブラケットであって、前記固定部材の前後に設けた一対の端面を挟むように設けられて前記棒ねじ部材が貫通するブラケット貫通穴が形成された一対の壁部を備えるブラケットと、
    前記固定部材の前記端面と、当該端面と対向する前記壁部の内壁面との間に設けられる弾性部材と、
    を備えるパワーシートスライド装置。
  2. 前記弾性部材は、前記固定部材より前記前後方向の後ろ側に設けられる請求項1に記載のパワーシートスライド装置。
  3. 前記壁部の前記内壁面と前記固定部材の前記端面との間に前記棒ねじ部材が貫通するブッシュ貫通穴が設けられた少なくとも一つのブッシュ部材を備え、
    前記弾性部材は、前記ブッシュ部材における前記固定部材の前記端面側のブッシュ端面に接触するように設けられる請求項1または請求項2に記載のパワーシートスライド装置。
  4. 前記ブッシュ部材は、前記ブラケット貫通穴に嵌まる筒状部を備える請求項3に記載のパワーシートスライド装置。
  5. 前記壁部の前記内壁面と前記固定部材の前記端面との間に前記棒ねじ部材が貫通するブッシュ貫通穴が設けられたブッシュ部材を備え、
    前記ブッシュ部材は、前記壁部の前記内壁面と前記固定部材の前記端面とにそれぞれ当接し、前記棒ねじ部材に対して回転が規制される請求項1または請求項2に記載のパワーシートスライド装置。
  6. 前記ブッシュ部材は、金属で形成されている請求項4に記載のパワーシートスライド装置。
  7. 前記ブッシュ部材は、前記固定部材と接触する固定側ブッシュ部材と、前記内壁面と接触する壁面側ブッシュ部材とを含み、
    前記弾性部材は、前記固定側ブッシュ部材と前記壁面側ブッシュ部材との間に設けられる請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のパワーシートスライド装置。
  8. 前記壁面側ブッシュ部材と前記固定側ブッシュ部材のうち一方は、前記ブラケットと係合するブラケット係合部が形成され、他方は、一方と係合するブッシュ係合部が形成され、それぞれ前記棒ねじ部材に対して回転が規制されている請求項7に記載のパワーシートスライド装置。
  9. 前記固定側ブッシュ部材は、前記固定部材とは逆側の端面に前記弾性部材を支持する支持部を備える請求項7または請求項8に記載のパワーシートスライド装置。
  10. 前記固定側ブッシュ部材は、前記固定部材を挟んで前後に前方固定ブッシュ部材と後方固定ブッシュ部材とを含み、
    前記前方固定ブッシュ部材と前記後方固定ブッシュ部材は、前記固定部材とは逆側の端面にそれぞれ係合支持部を備え、
    前記後方固定ブッシュ部材の前記係合支持部に前記弾性部材を支持し、前記前方固定ブッシュ部材の前記係合支持部に前記固定ブッシュ部材の前後方向の移動を規制する押当部材が係合する請求項7または請求項8に記載のパワーシートスライド装置。
  11. 前記弾性部材は、前記棒ねじ部材が貫通するダンパ貫通穴を有し、前記固定側ブッシュ部材の前記ブッシュ貫通穴の穴寸法は、前記ダンパ貫通穴の穴寸法より小さい請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のパワーシートスライド装置。

JP2016230431A 2016-11-28 2016-11-28 パワーシートスライド装置 Pending JP2018086898A (ja)

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WO2022074028A1 (de) * 2020-10-06 2022-04-14 Adient Us Llc Längseinsteller und fahrzeugsitz

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