JP2018085485A - リフローはんだ付け装置、及びリフロー処理方法 - Google Patents

リフローはんだ付け装置、及びリフロー処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リフロー炉の全ゾーンの温度変更が完了する前に炉内への新種類の基板の投入を可能にしてリフロー処理の効率化を図る。
【解決手段】複数のゾーンを有するリフロー炉と、前記リフロー炉の動作を制御する制御装置とを有するリフローはんだ付け装置において、前記制御装置は、前記リフロー炉のパラメータと処理基板に関する情報を記憶する記憶部と、前記情報に基づいて、前記リフロー炉に新基板が投入されるときに、前記リフロー炉の全ゾーンの中で、各ゾーンへの基板到着前にそのゾーンの温度変更が完了しているための待機時間が最も長くなるネックゾーンを特定する特定部と、前回の基板が前記ネックゾーンを通過したなら前記新基板のための温度変更を開始する温度制御部と、前記新基板が各ゾーンに到着する前に各ゾーンで温度変更が完了しているタイミングで前記新基板を前記リフロー炉に投入する搬送制御部とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、リフローはんだ付け装置とリフロー処理方法に関する。
近年は、電子部品を搭載した基板の種類が多様化する一方で、ひとつの種類の基板の生産数は減少しており、大型の基板と小型の基板を同じ生産ラインに混在させて製造することが増えてきている。多様な電子部品を搭載した種々の基板が混在する場合、各製品を流すための準備に時間がかかり、設備の待ち時間が長くなる。これを解消するには、基板上のはんだを溶融して電子部品を基板に接合するリフロー工程では、極小部品の高密度実装から、大型部品の大型基板へ接合まで、処理レシピが変わっても連続的に処理できることが望ましい。
リフローはんだ付け装置の省電力化のために、加熱炉内に搬入されるプリント基板を検出し、検出結果に応じて加熱炉内のファンの回転速度を制御する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許第5694546号
一般に、リフロー炉の温度変更は、リフロー炉の入口に基板が到着したときに全ゾーン一括で行われ、温度変更が完了してから基板が炉内に投入される。温度設定値の切り替えから実際に目標温度に達するまでにかなりの時間を要し、また各ゾーンでの温度変更にかかる時間も必ずしも明確に把握されていないため、炉内の全ゾーンの温度が目標温度に達するまで待つしかなかったからである。上述した公知の技術でも、プリント基板の検出前後で温度条件が変化していないことを前提としている。
本発明は、リフロー炉の全ゾーンの温度変更が完了する前に炉内への新種類の基板の投入を可能にして、リフロー処理の効率化を図ることを目的とする。
一つの態様では、複数のゾーンを有するリフロー炉と、前記リフロー炉の動作を制御する制御装置とを有するリフローはんだ付け装置において、制御装置は、
前記リフロー炉のパラメータと処理基板に関する情報を記憶する記憶部と、
前記情報に基づいて、前記リフロー炉に新基板が投入されるときに、前記リフロー炉の全ゾーンの中で、各ゾーンへの基板到着前にそのゾーンの温度変更が完了しているための待機時間が最も長くなるネックゾーンを特定する特定部と、
前回の基板が前記ネックゾーンを通過したなら前記新基板のための温度変更を開始する温度制御部と、
前記新基板が各ゾーンに到着する前に各ゾーンで温度変更が完了しているタイミングで前記新基板を前記リフロー炉に投入する搬送制御部と、
を有する。
リフロー炉の全ゾーンの温度変更が完了する前に炉内への新種類の基板の投入を可能にして、リフロー処理の効率化を図ることができる。
実施形態のリフローはんだ付け装置の概要図である。 リフローはんだ付け装置の基本構成図である。 制御装置のハードウエア構成図である。 制御装置の機能ブロック図である。 対応テーブルの一例を示す図である。 各ゾーンでの変更温度と必要な変更時間の一例を示す。 基板が各ゾーンへ到着するまでにかかる時間を示す表である。 ネックゾーンの特定を説明する表である。 実施例の制御フローを示す図である。 図9の変形例を示す図である。
実施形態では、リフロー炉に新種類の基板(適宜、「新基板」と称する)が運ばれ、炉内の各ゾーンで温度設定の変更を要する場合に、設定温度の変更と、新基板をリフロー炉内に投入するタイミングを好適に制御する。これにより、全ゾーンの温度変更の完了を待たずに、あるいは従前の基板のリフロー炉からの排出を待たずに、新基板の炉内への投入を可能にする。これは、基板を炉内へ投入する時点で全ゾーンで温度変更が完了していなくても、基板が各ゾーンに到着するまでにそのゾーンで温度変更が完了していればレシピ通りの処理が行われるはずであるとの技術思想に基づく。
図1は、本発明が適用されるリフローはんだ付け装置1の概略図である。リフローはんだ付け装置1は、リフロー炉10と、制御装置20を含む。リフロー炉10は、炉内に複数のゾーンZ1〜Z12を有する。図1の例では、ゾーンZ1〜Z10は加熱部として用いられ、ゾーンZ11〜Z12は冷却部として用いられる。このゾーン構成は一例であって、ゾーン数は複数であれば任意の数であり、どこまでを加熱部として使用するかも設計次第である。以下で説明するように、本発明はゾーン数が多いほど効果が大きくなる。
リフロー炉10は、基板Wa、Wb、Wc、...を運搬するコンベア11と、各ゾーンに設けられるヒータ15、ファン14、及びモータ13を有する。コンベア11で基板Wを一定速度で運びながら炉内の加熱部で基板Wを加熱し、冷却部で基板を冷却して、電子部品と基板をはんだ接合する。ヒータ15は、たとえばコンベア11の上側と下側に配置され、加熱部で電子部品が仮搭載された基板Wを上下方向から加熱し、基板W上のはんだを熔融する。加熱部のファン14はモータ13によって駆動され、ヒータ15で加熱されたゾーン内の気体を攪拌して熱風を基板Wの表面に送り込む。冷却部では、ファン14により冷風を基板W表面に吹き付けて基板Wを冷却する。これにより、熔融したはんだが固化し、電子部品と基板が接合される。冷却部に配置されるヒータ15は通常はOFFにされているが、冷却温度の調整に用いられてもよい。リフロー炉10の適切な個所に排気ファン16が設けられ、炉内で熱処理を行うゾーン以外の場所に溜まる熱を排気する。リフロー炉10の入口と出口に外気の侵入を防ぐラビリンス12が設けられている。
炉内の各ゾーンには、温度センサ19が配置され、温度センサ19の出力に基づいて、各ゾーンのヒータ15の温度とファン22の回転数が制御される。リフロー炉10の入口の近傍に基板センサ17が設けられ、炉内の各ゾーンに、炉内基板センサ18が配置されている。基板センサ17は、赤外線センサ、二次元コードリーダ、バーコードリーダなど、基板の到着と基板の種類を特定することのできる任意のセンサを用いることができる。たとえば、基板に貼り付けられ、あるいはレーザ加工された二次元コードやバーコードを読み取ることで、どのサイズのどの種類の基板が到着したかを検知する。検知結果は制御装置20へ送られ、リフロー炉10の制御が行われる。炉内基板センサ18は、基板の通過を検知できる任意のセンサを用いることができ、赤外線センサ、CCDセンサ等が用いられる。
図2は、リフローはんだ付け装置1の基本構成図である。リフロー炉10は、複数のゾーン(Z1〜ZN)と、基板センサ17、炉内基板センサ18、温度センサ19等の各種のセンサを有する。制御装置20は、入力部30、演算部40、制御部50、及び記憶部70を有する。入力部30は、リフローはんだ付け装置1の動作に必要な情報をあらかじめ入力し、また、動作時にリフローはんだ付け装置1の各種センサから出力されるセンサ情報を入力する。
記憶部70は、入力部30から取り込まれる各種のセンサ情報、あらかじめ設定された基板種類ごとの処理レシピに関する情報、リフロー炉の温度制御パラメータ等の情報を記憶する。温度制御パラメータのひとつとして、リフロー炉10での温度変更量(温度差)と、その温度変更に要する時間の対応関係を示す情報が記憶されている。この対応関係については、図5を参照して後述する。
演算部40は、入力部30からリアルタイムで得られる各種のセンサ情報と、記憶部70に保存された情報に基づいて、全ゾーンの中で新基板が各ゾーンに到着する前にそのゾーンで温度変更が完了しているために最も待機時間が長くなるネックゾーンを特定する。制御部50は、特定されたネックゾーンに基づいて、次の基板処理、すなわち新種類の基板をリフロー処理するための温度変更の開始タイミングと、炉内への新基板の投入タイミングを制御する。
一般に、接合に用いられるはんだバンプの種類、材料等によって温度条件が異なり、新種類の基板をリフロー炉10で処理する際には、レシピに従って温度等の処理条件が変更される。従来は、前回の種類の基板の処理が終わってから、次の種類の基板のために温度条件等を変更し、全ゾーンで温度変更が完了するまで、新基板の搬入を待機していた。実施形態では、制御部50は、炉内の全ゾーンの温度変更の完了を待たずに、新基板が各ゾーンに到達する前にそのゾーンでの温度変更が完了しているタイミングで新基板を炉内に投入するように、基板の搬送タイミングを制御する。また、前回の基板がリフロー炉から排出される前であっても、新基板処理のための温度変更が開始されるようにヒータ15を制御する。また、換言すると、制御装置20は、前回処理の基板がリフロー炉10内にある場合でも新基板処理のための設定温度の変更を開始し、新基板が各ゾーンに到着する前にそのゾーンで必要な温度変更が完了しているように炉内への新基板の投入を制御する。
図3は、制御装置20のハードウエア構成図である。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)101、メモリ102、入出力インタフェース103、及び記憶装置104を有し、これらがバス105で接続されている。
CPU101は、制御装置20の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う。CPU101はまた、メモリ102または記憶装置104に保存されたプログラムを実行して、リフロー炉10の動作を制御してもよい。メモリ102は、基本入出力プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPU101のワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)、主要な制御パラメータや情報を格納する不揮発RAM等を含む。RAMはCPU101に組み込まれていてもよい。
入出力インタフェース103は、タッチパネル、キーボード、表示パネル、操作ボタン等のユーザインタフェースと、各種センサからの情報を取り込み各種センサ及び外部機器に指示や情報を出力する機器インタフェースを含む。記憶装置104は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置であり、リフロー炉10の動作を制御する制御プログラムやリフロー炉10のデータログ等を格納する。制御プログラムは、CD−ROM、DVD等の外部記録媒体からドライブにより記憶装置104に入力されてもよい。必要に応じて、無線通信または有線通信のための通信インタフェースを有していてもよい。
図2の入力部30は入出力インタフェース103で実現され、記憶部70は、メモリ102または記憶装置104で実現される。演算部40と制御部50は、CPU101によって実現される。
図4は、制御装置20の、より詳細な機能ブロック図である。入力部30は、温度センサ19から供給される温度情報32、基板センサ17から供給される基板検出情報31、炉内基板センサ18から供給される基板通過情報33を入力する。また、あらかじめ、リフロー炉10の制御パラメータや基板処理レシピ等を入力する。
演算部40は、温度切替の要否を判断する判断部41と、各ゾーンの温度変更に要する時間を算出する算出部42と、各ゾーンへの基板の到着時間を推定する推定部43と、ネックゾーンを特定するネックゾーン特定部45を有する。ネックゾーンは、炉内へ送り込まれた基板が各ゾーンに到着する前にそのゾーンで温度変更が完了しているために最も時間のかかるゾーンを言う。判断部41は、基板センサ17からの基板検出情報31に基づいて、リフロー炉10に基板が到着する都度、温度条件を含むレシピを変更するか否かを判断する。各基板には基板の種類と製造番号を含む識別情報が設けられており、基板センサ17で識別情報を読み取ることで、レシピ変更の要否がわかる。
判断部41により新種類の基板の到着が検出されると、算出部42は、その新基板の処理に適したレシピ温度にするのに各ゾーンでどれだけの変更時間が必要かを計算する。温度変更にかかる時間を計算するために、算出部42は、各ゾーンの温度センサ19からの出力情報と、記憶部70の対応テーブル71及びレシピ情報を参照する。対応テーブル71は、図2で説明したように、温度変更量とその温度変更に要する時間との対応関係を記述したテーブルである。この対応関係は必ずしもテーブルの形態でなくてもよく、関係式で表されていてもよい。
推定部43は、新基板が各ゾーンに到着するまでにかかる時間を推定する。各ゾーンへの到着時間は、コンベア11の駆動速度と各ゾーンの位置情報に基づいて容易に決定される。あらかじめ処理レシピごとに、各ゾーンに到着するまでの時間を記憶部70に保存しておいてもよい。
ネックゾーン特定部45は、算出部42の計算結果(温度変更に要する時間)と推定部43の推定結果(各ゾーンへの到着にかかる時間)に基づいて、基板到着前の温度変更の終了までにかかる時間が最も長いネックゾーンを特定する。
制御部50は、ファン速度制御部51と、温度制御部52と、搬送速度/タイミング制御部53を有する。ファン速度制御部51は、基板処理のレシピに基づいて、リフロー炉10の加熱部及び冷却部のファン14の回転速度を制御する。温度制御部52は、基板処理のレシピと温度センサ19の出力に基づいて各ゾーンの温度を制御する。温度制御部52はまた、ネックゾーン特定部45と炉内基板センサ18の出力に基づいて、新種類の基板を処理するための温度変更を制御する。たとえば、前回処理の基板がネックゾーンを通過したタイミング、ネックゾーンの次のゾーンに入ったタイミング、ネックゾーンを通過してから所定時間を経過したタイミングなど、任意のタイミングで温度変更を開始する。
搬送速度/タイミング制御部53は、算出部42で計算された各ゾーンでかかる温度変更時間と、推定部43で推定された各ゾーンへの基板到着時間とに基づいて、新基板を炉内へ搬送するタイミングを制御する。具体的には、新基板が各ゾーンに到着する前にそのゾーンでの温度変更が完了しているタイミングで、新基板を炉内に投入する。新基板の炉内への投入時に、必ずしも全ゾーンの温度変更が完了していなくてもよい。
制御装置20の出力部60は、制御部50からの制御指示に基づいて、リフロー炉10の各種機器を制御する制御値を出力する。たとえば、ファン速度制御部51の出力に基づいて、ファン14を駆動するモータ13の回転数61を出力する。温度制御部52の出力に基づいて、ヒータ15の温度62を出力する。搬送速度/タイミング制御部53の出力に基づいて、コンベア11の駆動速度63を出力する。
次に、図5〜8を参照してネックゾーンの特定を説明する。図5は、記憶部70に保存される対応テーブル71の一例として、変更温度差/変更時間の対応表を示す。判断部41により、リフロー炉10の入口に到着した基板が新種類の基板であると判断された場合は、リフロー処理の条件はその基板のレシピに従って変更される。温度条件を変えるために、温度センサ19の出力と記憶部70のレシピ情報に基づいて、各ゾーンで現在の温度から何度変更すべきかが算出部42で計算される。どのくらいの温度変化(温度差)に対してどの程度の時間がかかるかの情報をあらかじめ持っておくことで、計算が速くなる。一例として、実際の運用前に、全ゾーンのヒータ15をオンにして炉内を一定の基準温度(たとえば220℃)まで加熱し、基準温度から一定のステップサイズ(たとえば1℃ごと)で温度を上昇するのに必要な時間と、温度を下げるために必要な時間を計測する。
図5の例では、温度差はプラス(正)とマイナス(負)の値で表される。プラス値は温度を上げる方向への温度差、マイナス値は温度を下げる方向への温度差である。あるゾーンで+2℃変化させる場合、そのゾーンの温度変更に20秒かかり、−2℃変化させる場合は60秒必要になる。算出部42は、変更温度差/変更時間の対応表に基づいて、レシピ変更時に各ゾーンで温度変化に要する時間を計算する。
図6は、図5の対応表を参照して決定された各ゾーンで温度変更に要する時間(T1)の一例を示す。図6の例では、ゾーンNo.1〜No.12のうち、ゾーンNo.1〜No.7で温度変更は不要である。すなわち、現在のゾーン温度をそのまま維持して新基板を処理することができる。ゾーンNo.8〜No.10では、プラス方向、すなわち温度を上げる方向への変更が必要である。この場合、温度制御部52によってヒータ15の温度を上げる制御が行われる。ゾーンNo.11とNo.12は、マイナス方向、すなわち温度を下げる方向への変更が行われる。
図7は、新基板が各ゾーンに到着するまでにかかる時間(T2)を示す表である。コンベア11の駆動速度が一定であれば、ゾーン位置と到着時間はリニアな関係にある。図7の情報は、表としてあらかじめ記憶部70に保存されていてもよいし、関係式で保存されていてもよい。
図8は、各ゾーンで基板到着前に温度変更を終了するのに必要な待機時間(T3)を示す。基板到着前に温度変更を終了するための待機時間(T3)は、表2と表3の差分、すなわち温度変更にかかる時間(T1)と、基板到着までの時間(T2)との差分で表される(T3=T1−T2)。図8は単純な引き算の結果を示しているが、マイナス値をすべて「0」に置き換えてもよい。待機時間がマイナス値であるということは、基板がそのゾーンに到着する前に、すでにゾーンの温度が目標温度になっていることを意味するからである。
図8の例では、ゾーンNo.11で基板Wの炉内移動時間を勘案したとしたとしても、基板到着前に温度変更が完了しているためには、余分に270秒の待機時間が必要であることを示す。同様に、ゾーンNo.12で、基板到着前に温度変更が完了しているためには、余分に240秒の待機時間が必要である。実施例では、基板到着前にそのゾーンで温度変更が完了しているためにかかる追加の待機時間が最も長いゾーンを「ネックゾーン」と呼ぶ。
制御部50は、前回の処理基板がネックゾーンの通過した後、かつ炉から排出される前の所定のタイミングで、次の新種類の基板のための温度変更を開始する。一般に温度変化のための待機時間が長くかかるネックゾーンはリフロー炉の後端側の冷却部に位置する。ネックゾーンを通過すれば、前回の処理基板のはんだ溶融が完了して固化が進んでおり、前回の処理基板がリフロー炉から排出される前に温度変更が開始されても、前回の処理基板への影響は少ないからである。
制御部50はまた、全ゾーンの温度変化が完了する前であっても、新基板がゾーンに到着する前にそのゾーンでの温度変更が完了しているように、最短の待機時間で新基板の投入を行う。図8の例では、前回の処理基板がネックゾーンを通過してから270秒待機すれば、新基板を炉内へ投入できることになる。図6で同じゾーンNo.11で温度変更に要する時間が600秒であることに鑑みると、全ゾーンの温度変更の完了を待つ従来手法と比較して、実施例の手法は330秒も処理を早めることができる。
前を流れている基板がネックゾーン(たとえばゾーンNo.11)を出てから必要な待機時間だけ待てば、ゾーンNo.11の温度が完全に変更されていなくても、新基板がリフロー炉10に投入される。各ゾーンの温度変更が軽微で、基板が各ゾーンに到着するまでの間に全ゾーンで温度変更が可能であれば、待機時間なしに新基板をリフロー炉10に投入することも可能である。
図9は、リフローはんだ付け装置1の制御装置20の動作フローである。制御装置20は、一定のタイミングで各ゾーンの温度センサ19のセンサ情報を収集し、各ゾーンの温度状態をモニタしている(S11)。基板センサ17の出力情報に基づいて、リフロー炉の入口またはその近傍に基板が到着したことが検知されると(S12)、各ゾーンで温度変更が必要か否かが判断される(S13)。上述のように、基板の種類によって処理レシピが異なるため、新基板がコンベア11で搬送され、どの基板の処理温度が現在設定されている処理条件と異なる場合は、全部または一部のゾーンで設定温度の変更が必要になる。
各ゾーンの温度変更が不要な場合は(S13でNO)、前回と同じレシピで基板が処理される。各ゾーンで温度変更が必要な場合は(S13でYES)、制御装置20は各ゾーンで必要な温度変更の程度と、その温度変更にかかる時間を計算する(S14)。続いて、全ゾーンの中で、各ゾーンに基板が到着する前にそのゾーンでの温度変更が完了しているための待機時間が最も長いネックゾーンを特定する(S15)。前回処理の基板がネックゾーンを通過したか否かを判断し(S16)、前回処理の基板がネックゾーンを通過したなら、温度変更を行う(S17)。
続いて、ステップS12で検出された基板が各ゾーンに到着する前にそのゾーンでの温度変更が完了しているか否かを判断する(S18)。温度変更量が少なく、待機時間なしに各ゾーンで温度変更が完了する場合は(S18でYES)、待機なしに基板をリフロー炉へ投入する(S19)。各ゾーンへの基板到着にそのゾーンでの温度変更が間に合わない場合は(S18でNO)、基板到着に温度変更が間に合うまでステップS17の温度変更を継続する。ステップS18で肯定判断がなされるまでの時間が、図8の待機時間T3に対応する。待機時間の経過後に基板はリフロー炉に投入される(S19)。
ステップS11〜S19は、リフローはんだ付け装置1の動作中に繰り返し行われる。温度変更(S17)の開始と基板待機の要否判断(S18)を、同時に行ってもよい。この手法により、処理対象の基板の種類が異なる場合でも、最短の待ち時間で、連続してリフローはんだ付け装置1で処理することができる。全体の処理時間が短縮されて生産が効率化される。また、リフローはんだ付け装置1の消費電力の低減に寄与する。
図10は、図9の変形例を示す。ステップS11〜S19までは図9と同じであり、重複する説明を割愛する。ステップS19で基板をリフロー炉へ投入した後に、最後の基板か否かを判断する(S20)。リフローはんだ付け装置の動作開始時にあらかじめ処理予定枚数を入力して、基板センサ17とカウンタを連動させてもよい。あるいは、基板センサ17で一定時間以上、次の基板が検出されない場合に、制御装置20で最後の基板と判断してもよい。
最後の基板に至るまで、ステップS11〜S19を繰り返す。最後の基板の場合は、炉内基板センサ18の出力に基づいて、基板が各ゾーンを通過したか否かが判断され(S21)、各ゾーンを通過するたびに、そのゾーンのヒータ15をオフにする。基板がリフロー炉10から排出されるまで各ゾーンのヒータ15を加熱状態にしておく必要はなく、各ゾーン追加後にヒータオフとすることで、リフローはんだ付け装置1の消費電力を低減することができる。
本発明は上述した実施例に限定されず、多様な変形例も含む。たとえば、前回の処理基板がネックゾーンを通過したタイミングで、設定温度の変更に加えて、ファン回転数の変更を開始してもよい。制御装置20の記憶部70に、あらかじめコンベア11で流す基板の順番と間隔を記憶させておいて、前回の基板がネックゾーンを通過するタイミングをタイマー管理してもよい。また、図10の処理フローに替えて、最後の基板でなくても、リフロー炉前での基板到着の検出から一定時間を過ぎても次の基板が検出されない場合は、各ゾーンの温度を予備加熱温度まで下げてからステップS11へ戻ってもよい。電子部品の基板上への搭載に予定外の時間がかかっている場合等に、コンベア11上を流れる基板の間隔があくことが考えられるが、昇温が間に合う温度まで各ゾーンの温度を下げておくことで、ヒータの消費電力を低減することができる。このような省電力対策を取った場合でも、ステップS15〜S19で全ゾーンの温度変更完了前に新基板をリフロー炉に投入できるという効果は達成される。
上述したように、実施形態の構成と方法によると、新基板が各ゾーンに到着する前にそのゾーンでの温度変更が完了していれば、全ゾーンの温度変更が完了する前であっても新基板をリフロー炉に投入することができる。また、前回の基板がネックゾーンを通過したタイミングで設定温度を変更する場合は、前回の基板がリフロー炉から排出される前に、新基板のための温度変更を開始することができる。これらの構成により、リフロー処理の効率化を図ることができる。
1 リフローはんだ付け装置
10 リフロー炉
17 基板センサ
18 炉内基板センサ
19 温度センサ
20 制御装置
30 入力部
40 演算部
45 ネックゾーン特定部
50 制御部
60 出力部

Claims (8)

  1. 複数のゾーンを有するリフロー炉と、前記リフロー炉の動作を制御する制御装置とを有するリフローはんだ付け装置において、
    前記制御装置は、
    前記リフロー炉のパラメータと処理基板に関する情報を記憶する記憶部と、
    前記情報に基づいて、前記リフロー炉に新基板が投入されるときに、全ゾーンの中で、各ゾーンへの基板到着前にそのゾーンの温度変更が完了しているための待機時間が最も長くなるネックゾーンを特定する特定部と、
    前回の基板が前記ネックゾーンを通過したなら前記新基板のための温度変更を開始する温度制御部と、
    前記新基板が各ゾーンに到着する前に各ゾーンで温度変更が完了しているタイミングで前記新基板を前記リフロー炉に投入する搬送制御部と、
    を有することを特徴とするリフローはんだ付け装置。
  2. 前記制御装置は、各ゾーンで前記新基板のための温度変更にかかる第1時間と、前記新基板が各ゾーンに到着するまでにかかる第2時間を計算する演算部、
    を有し、
    前記特定部は、前記前記第1時間と前記第2時間に基づいて前記ネックゾーンを特定することを特徴とする請求項1に記載のリフローはんだ付け装置。
  3. 前記特定部は、前記第1時間と前記第2時間の差分が最も大きいゾーンを前記ネックゾーンとして特定することと特徴とする請求項2に記載のリフローはんだ付け装置。
  4. 前記リフロー炉は、各ゾーンの温度を検知する温度センサを有し、
    前記記憶部は、温度差と温度変更にかかる時間との対応関係を保持し、
    前記演算部は、前記温度センサの出力と前記対応関係に基づいて各ゾーンの前記第1時間を計算することを特徴とする請求項2または3に記載のリフローはんだ付け装置。
  5. 前記リフロー炉は、前記リフロー炉の入口近傍で基板の到着を検出する第1基板センサを有し、
    前記制御装置は、前記第1基板センサによる前回の基板の検出と基板搬送速度とに基づいて、前回の基板が前記ネックゾーンを通過するタイミングを決定することを特徴とする請求項1に記載のリフローはんだ付け装置。
  6. 前記リフロー炉は、前記リフロー炉の内部で基板の通過を検知する第2基板センサを有し、
    前記制御装置は、前記第2基板センサの出力に基づいて、前回の投入基板が前記ネックゾーンを通過したことを決定することを特徴とする請求項1に記載のリフローはんだ付け装置。
  7. 前記リフロー炉は、前記リフロー炉の入口近傍で基板の種類を検出する第1基板センサを有し、
    前記制御装置は、前記第1基板センサの出力と、前記記憶部に保持されている処理レシピとに基づいて、温度変更の要否を判断する判断部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリフローはんだ付け装置。
  8. リフローはんだ付け装置で実施されるリフロー処理方法であって、
    リフロー炉のパラメータと処理基板に関する情報を記憶し、
    前記情報に基づいて、リフロー炉に新基板が投入されるときに、前記リフロー炉の全ゾーンの中で、各ゾーンへの基板到着前にそのゾーンの温度変更が完了しているための待機時間が最も長くなるネックゾーンを特定し、
    前回の基板が前記ネックゾーンを通過したなら前記新基板のための温度変更を開始し、
    前記新基板が各ゾーンに到着する前に各ゾーンで温度変更が完了しているタイミングで前記新基板を前記リフロー炉に投入する、
    ことを特徴とするリフロー処理方法。
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