JP2018069440A - 中空構造体の製造方法 - Google Patents

中空構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018069440A
JP2018069440A JP2017085837A JP2017085837A JP2018069440A JP 2018069440 A JP2018069440 A JP 2018069440A JP 2017085837 A JP2017085837 A JP 2017085837A JP 2017085837 A JP2017085837 A JP 2017085837A JP 2018069440 A JP2018069440 A JP 2018069440A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
hollow structure
substrate
containing layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017085837A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6945838B2 (ja
Inventor
周介 金澤
Shusuke Kanazawa
周介 金澤
靖之 日下
Yasuyuki Kusaka
靖之 日下
山本 典孝
Noritaka Yamamoto
典孝 山本
洋史 牛島
Yoji Ushijima
洋史 牛島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Publication of JP2018069440A publication Critical patent/JP2018069440A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6945838B2 publication Critical patent/JP6945838B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Micromachines (AREA)

Abstract

【課題】犠牲層を用いることなくアディティブ法により、低環境負荷で工程が簡便な中空構造体の製造方法を提供する。【解決手段】転写用基材の表面に形成された低表面エネルギー材料層上に、樹脂を含むインクを塗布する工程と、塗布したインクを樹脂含有層にする樹脂含有層形成工程と、樹脂含有層を、接着部を用いて、基材に転写することにより、樹脂含有層と基材との間に一部が開放された空間を有する中空構造体を形成する転写工程とにより、中空構造体を製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、MEMS素子等に使われる中空構造体の製造方法に関する。
近年、微細な機械的要素と電子回路要素等を融合したMEMS(Micro Electro Mechanical System)についての開発が進められている。MEMS素子では、一般的に機械的に動く可動構造(「可動部」ともいう。)を有しているので、微細な可動部を少なくとも動作させるための中空構造を必要とする。例えば、中空構造を有するMEMS素子として、圧力センサ、熱ダイアフラムセンサ、加速度センサ、音響機器等がある(特許文献1乃至3、非特許文献1乃至4参照)。
圧力センサ(「ダイアフラムゲージ」、「ダイアフラムセンサ」とも呼ばれる。)は、隔膜(ダイアフラム)に加わる圧力を膜の変形として検出するもので、変形を検出する方法には、静電容量の変化等が用いられる。例えば、圧力センサ、熱センサ、放射線センサに関する特許文献1のダイアフラムセンサでは、Si等の基板上に堆積された薄い層(ダイアフラム層)と、該薄い層の下に間隔を保持する自由空間が存在する。特許文献1では、ダイアフラム層の下の自由空間を作製するための製造方法として、前記基板上に部分的に犠牲層を形成しておき、該犠牲層を溶剤により除去している。このダイアフラム層の下に生じる中空室により、ダイアフラム層はフリーになり変位可能となり、また基板から熱的に減結合となる。また、ダイアフラム層には、センサの目的に応じて、ヒータやセンサのための導体路、放射線センサのための黒色層からなる付加的な吸収体層等が被着される。
加速度センサでは、はりバネの変位を計測することにより加速度を測定することが知られている(特許文献2参照)。
また、基板に形成した凹部の内部を中空空間とし、該中空空間に構造体を例えば片持ち梁状に形成した中空構造素子が知られている(特許文献3参照)。特許文献3には、FBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)と呼ばれる音響機器が例示され、前記構造体として、下部電極、圧電体膜、上部電極を積層した構造とを備え、下部電極と上部電極の間に時間と共に変化する電界を印加することで、圧電体膜の圧電効果により電気エネルギーの一部を音波へと変換することが示されている。特許文献3では、中空構造素子として、FBARに限らず、他の中空構造を備える各種デバイス、例えば加速度センサや圧力センサ等も挙げられている。
先行文献調査をしたところ、次の特許文献4が公知であった。特許文献4では、封止のために、凹部を備えた基板の上に、凹部の空間が維持された状態に薄膜を形成する薄膜形成方法が示されている。具体的には、薄膜材料となる薄膜原料とこの薄膜原料より表面エネルギーの小さい有機化合物からなる有機材料を含む塗布液を、基材の主表面に塗布して塗布膜を形成した後、前記塗布膜を基板の主表面に当接させて、加重及び加熱を加えた後、基材を離型して、前記基板の主表面に薄膜を形成する方法が示されている。
特表2001−510641号公報 特開2007−229825号公報 特開2005−342817号公報 特開2008−251816号公報
C. Wu, V. Petrini, E. Joseph and F. Amiot, Microelectron. Eng. 119, 1 (2014). A. Johansson, M. Calleja, P.A. Rasmussen and A. Boisen, Sens. Actuators A 123-124, 111 (2005). H. S. Wasisto, S. Merzsch, A. Waag, E. Uhde, T. Salthammer and E. Peiner, Sens. Actuators A 202, 90 (2013). R. Bogue, Sens. Rev. 34, 137 (2014).
従来、MEMS素子等における中空構造体は、特許文献1乃至3のように、中空とする箇所に犠牲層を設けた状態で工程を進めた後に、その犠牲層をエッチング除去することで中空部を形成する方法により製造されていた。従来の製造方法では、犠牲層を使用するので、中空構造体を形成する工程が煩雑であり、また材料とエネルギーの浪費を生むという問題がある。非特許文献1〜3では中空構造体であるカンチレバー構造を各種センサの主要部として利用できると報告されている。また、非特許文献4で述べられているように、センサデバイスは今後より一層その用途が広がり、近い将来は年間1兆個ものセンサが製造される予想がなされている。このような大量生産時において、従来の犠牲層を使用した工程が生む材料やエネルギーの浪費は低環境負荷、省エネルギーの観点から無視できるものではない。そこで、より簡便な製造方法が求められる。
また、従来、中空構造体を有する圧力センサ、熱ダイアフラムセンサ、加速度センサ、音響機器等の、片持ち梁状や両持ち梁状等の変位部材は、金属やSi系の無機化合物膜等であった。変位部材の変位量はヤング率により決まり、ヤング率は変位部材の材料により決定される。変位部材の材料が上記無機化合物膜のみに限定されると、ヤング率の選択性の幅が狭くなってしまうという問題がある。
本発明は、これらの問題を解決しようとするものであり、犠牲層を使用せずに中空構造体を製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、以下の特徴を有する。
(1) 転写用基材の表面に形成された低表面エネルギー材料層上に、樹脂を含むインクを塗布する工程と、前記塗布したインクを樹脂含有層にする樹脂含有層形成工程と、前記樹脂含有層を、接着部を用いて、基材に転写することにより、前記樹脂含有層と前記基材との間に一部が開放された空間を有する中空構造体を形成する転写工程とを含むことを特徴とする、中空構造体の製造方法。
(2) 前記転写工程は、前記樹脂含有層を形成した転写用基材と、前記基材とを、前記転写用基材の前記樹脂含有層側が前記基材と対向するように、接着部を介して接触させ、前記接着部と前記基材との間で形成される付着力が、前記低表面エネルギー材料と前記樹脂含有層との間で形成される付着力よりも大きいことによって、前記樹脂含有層を前記転写用基材側から剥離して、前記基材と前記接着部と前記樹脂含有層を少なくとも備える前記中空構造体を得ることを特徴とする(1)記載の中空構造体の製造方法。
(3) 前記転写工程は、前記樹脂含有層を形成した転写用基材と、支柱層を設けた前記基材とを、前記転写用基材の前記樹脂含有層側が前記基材の前記支柱層と対向するように、前記接着部を介して接触させ、前記樹脂含有層を前記転写用基材側から剥離して、前記基材と前記支柱層と前記接着部と前記樹脂含有層を備える中空構造体を得ることを特徴とする(1)記載の中空構造体の製造方法。
(4) 前記転写工程は、前記接着部を樹脂含有層に接着させて、前記樹脂含有層及び前記接着部を、転写用基材から剥離した後、前記樹脂含有層と前記基材の前記支柱層とが対向するように、前記接着部により接着して、前記基材と前記支柱層と前記接着部と前記樹脂含有層を備える中空構造体を得ることを特徴とする(3)記載の中空構造体の製造方法。
(5) 前記転写工程において、加熱及び紫外線照射の少なくともいずれかを用いて、前記接着部を硬化することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか1項記載の中空構造体の製造方法。
(6) 転写用基材の表面に形成された低表面エネルギー材料層上に、樹脂を含むインクを塗布する工程と、前記インクの塗布層を有する転写用基材と、基材に設けた支柱層とを、前記塗布層が前記支柱層と対向するように接触させた状態で、前記塗布層を硬化して樹脂含有層となした後に、前記樹脂含有層を前記転写用基材側から剥離し、前記樹脂含有層と前記基材との間に一部が開放された空間を有する中空構造体を形成する転写工程とを含むことを特徴とする、中空構造体の製造方法。
(7) 前記転写工程において、加熱及び紫外線照射の少なくともいずれかを用いて、前記塗布層を硬化することを特徴とする(6)記載の中空構造体の製造方法。
(8) 前記樹脂含有層は、1層又は複数の層からなることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれか1項記載の中空構造体の製造方法。
(9) 前記樹脂含有層は、樹脂を含まない層を包埋する構造を有することを特徴とする(1)乃至(8)のいずれか1項記載の中空構造体の製造方法。
(10) 前記樹脂含有層は、機能性粒子を含有していることを特徴とする(1)乃至(9)のいずれか1項記載の中空構造体の製造方法。
(11) (1)乃至(10)のいずれか1項記載の前記樹脂含有層は、変位部材であることを特徴とする中空構造体の製造方法。
本発明によれば、従来のように犠牲層を形成した後に不要な部分を除去するのではなく、必要な部分に膜を付加的(アディティブ)に形成する方法を実現できた。よって、本発明によれば、中空構造体を低環境負荷で製造でき、また省工程で形成できる。
本発明では、中空構造体を構成する部材を、樹脂含有層により形成することができるので、目的とするMEMS等の素子に応じて、所望のヤング率等を設計可能である。また、本発明によれば、樹脂含有層に、導電性粒子、発光性粒子、圧電性粒子、半導体性粒子等の機能性粒子を混合させることが可能であるので、電極部材、発光部材、圧電部材、半導体部材、センサの変位部材等に応用することができる。
本発明の第1の実施形態の中空構造体の製造方法を説明する図である。 本発明の第2の実施形態の中空構造体の製造方法を説明する図である。 本発明の第3の実施形態の中空構造体の製造方法を説明する図である。 本発明の第4の実施形態の中空構造体の製造方法を説明する図である。 本発明の第5の実施形態の中空構造体の製造方法を説明する図である。 本発明の第6の実施形態の中空構造体の製造方法を説明する図である。 本発明の第7の実施形態の中空構造体の製造方法を説明する図である。 本発明の第7の実施形態の中空構造体の斜視図である。 本発明の第8の実施形態の荷重センサにおける、荷重とカンチレバーの変位量と静電容量の変化を示す図である。 本発明の第9の実施形態の中空構造体の製造方法を説明する図である。 本発明の第10の実施形態の中空構造体の製造方法を説明する図である。
本発明の実施形態について以下説明する。
本発明者は、中空構造体の技術開発を進める研究過程で、荷重センサ等に利用可能な片持ち梁状や両持ち梁状の変位部材等の製造において、次の点に着目した。第1に、変位部材の材料の選択の幅を従来の無機化合物のみ限定するのでなく、新規な選択肢を実現すること、及び、第2に、中空構造体の製造方法において犠牲層を用いない付加的(アディティブ)な方法を実現することである。そこで、本実施形態では、中空構造体の、空間を維持する主たる層を、樹脂を含むインク層の塗布により形成した後に転写することにより、中空構造体を製造する方法を実現した。
本発明の実施形態における主たる製造工程は、次の工程である。
(a) 転写用基材の表面に形成された低表面エネルギー材料層上に、樹脂を含むインクを塗布する工程。
(b) 前記塗布したインクを樹脂含有層にする樹脂含有層形成工程。
(c) 前記樹脂含有層を、接着部を用いて、基材に転写することにより、前記樹脂含有層と前記基材との間に一部が開放された空間を有する中空構造体を形成する転写工程。
転写用基材は、表面に低表面エネルギー材料を均一に積層できるものであれば特に限定はされない。具体例としては、ガラス、アルミやステンレスなどからなる金属板や金属箔、板状のプラスチックや薄膜状のプラスチックフィルム、紙、などが挙げられる。
転写用基材を覆う低表面エネルギー材料は、転写用基材の上層のインクを後の工程で剥離しやすいものが好ましい。具体的には、ポリジメチルシロキサンおよびその誘導体と共重合体、ポリテトラフルオロエチレンのように末端基をフッ素置換された樹脂材料、フッ素化オルガノポリシロキサンのように末端基をフッ素置換された表面処理剤、フッ素化オルガノシランやフッ素化アルカンチオールなどの表面修飾剤が挙げられる。
樹脂を含むインクを用いるのは、高い凝集力を有するためであり、後述する接着部を介しての接触の際に、一部分の接触にも関わらず非接触部分を含む層全体を転写することを可能とするためである。樹脂を含まない層を用いた場合、接着部との接触部のみが転写され、中空構造の形成は不可能となる。ここで、樹脂とは、乾燥又は硬化させた際に膜状になるものであれば特に限定はされない。例として挙げるならば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリフッ化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、等があげられる。また、列挙したこれらの樹脂は、いずれも絶縁性(誘電性)の素材だが、導電性あるいは半導体性の樹脂であってもよい。導電性の材料としてはPEDOTおよびPEDOT/PSS、半導体性の材料としてはポリチオフェンおよびその誘導体等が挙げられる。これらの樹脂材料は単独であっても、複数種類が混合されていてもよい。
樹脂をインク化するために用いられる溶媒としては、対象の樹脂を溶解させるものであれば特に限定はされない。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール、アセトン、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ブチルセロソルブ、水等が挙げられる。
インクには、中空構造体に機能を付与する目的で、機能性粒子が混合されていてもよい。例えば、導電性の発現のためには、金、銀、銅、アルミ、ニッケル、ケイ素(シリコン)、炭化シリコン、カーボンナノチューブ、グラフェン、ITO、IZOなどが挙げられる。半導体性の発現には、カーボンナノチューブ、フラーレン、ルブレンや低分子チオフェン誘導体などの有機半導体、ZnO、ZnS、TiO2、IGZOなどが挙げられる。
インクには、膜の硬化を促進あるいは制御させる目的で重合開始剤が添加されていてもよい。光による重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、メチル(o−ベンゾイル)ベンゾエート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジアセチル等のカルボニル化合物、メチルアントラキノン、クロロアントラキノン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のアントラキノン又はチオキサントン誘導体、ジフェニルジスルフィド、ジチオカーバメート等の硫黄化合物が挙げられる。また熱による重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩等のアゾ系化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、イソブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、o−メチルベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、トリス(tert−ブチルパーオキシ)トリアジン等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネート類が挙げられる。
インクには、低表面エネルギー材料への濡れ性の調整などを目的とし、他の材料が添加されていてもよい。例えば、フッ素系界面活性剤、あるいは、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
インクを低表面エネルギー材料の表面に形成する手法としては、一般的な塗布、印刷法が幅広く用いられる。具体的には、インクジェット法、スクリーン印刷法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、ディップコート法、スプレーコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、グラビアオフセット法、凸版オフセット法、マイクロコンタクトプリント法、凸版反転印刷法等を用いることができる。
樹脂含有層形成工程は、樹脂を含むインクの塗布層を、乾燥又は硬化することにより、樹脂含有層にする工程である。樹脂含有層は、例えば樹脂膜と呼ぶこともできるものであり、樹脂となる材料が溶媒によって溶解または分散されることで液体となっていたインクが、乾燥による溶媒除去によって固体となった状態をさす。この時完全に樹脂の重合反応や縮合反応が完了していなくともよい。後から重合や縮合処理(露光など)をする場合も含む。
インクを硬化あるいは乾燥させる工程は、該インクを膜状に変化させる方法であれば特に限定はされないが、オーブンやホットプレートなどでの加熱処理、紫外線や高出力フラッシュランプを含む光照射が、具体例として挙げられる。この工程によって膜の凝集力が高められ、後述する接着部を介しての接触によって一部分の接触にも関わらず非接触部分を含む層全体を転写することが可能となる。
接着部としては、一般的に使用されている接着性の材料を幅広く用いることができ、本実施形態の硬化又は乾燥されたインクと素子用の基材とを適切に接合できるものであれば、特に限定はされない。具体例としては、酢酸ビニールエマルジョンのような水溶性接着剤、ニトリルゴムなどのゴム系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーンゴム系接着剤、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリルなどの樹脂系接着剤が挙げられる。また導電性接着剤(例:藤倉化成社 ドータイトFA-705BN)等を用いることもできる。
接着部と樹脂含有層の接する面積は、後の工程での転写の可否に関わり、樹脂含有層が低表面エネルギー材料と接する面積の10分の1以上であることが好ましく、5分の1以上であることがより好ましい。
接着部の形成方法としては、一般的な塗布、印刷法が幅広く用いられる。具体的にはインクジェット法、スクリーン印刷法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、ディップコート法、スプレーコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、グラビアオフセット法、凸版オフセット法、マイクロコンタクトプリント法、凸版反転印刷法等を用いることができる。
素子用基材としては、接着部の接着性が機能できるものであればよく、特に限定はされない。具体例としては、ガラス、アルミやステンレスなどからなる金属板や金属箔、板状のプラスチックや薄膜状のプラスチックフィルム、紙等が挙げられる。またこれらの基材の表面に別の層が1層以上積層されていてもよく、それによって表面が凹凸構造を含むなど、平坦でなくてもよい。
素子用基材と、インク等の形成された転写用基材とを接触させる方法は、接着部と基材の一部が物理的に接触する手法であれば特に限定されない。2つの基材が互いに平面状に固定されていても、又は互いにロール状に固定されていても、あるいは、一方が平面状、他方がロール状に固定されていてもよい。
本実施の形態の中空構造体は、樹脂含有層と基材との間に、一部が開放された空間を有する構造である。中空構造体は、中空部分と、該中空部分を維持する周辺の部材とからなる。例えば、周辺の部材は、第1の面の素子用基材と、該素子用基材に対向する第2の面の樹脂含有層と、第1の面と第2の面とを固定しかつ間隔を調整する機能を有する第3の面を構成する部材とを、少なくとも有する。例えば中空空間が略直方体であれば、残りの、第4の面、第5の面、第6の面が、周辺部材の存在しない開放された空間であってよい。また、後述する片持ち梁状は、3つの側面が開放された空間の例であり、両持ち梁状は、両側面が開放された空間の例である。両持ち梁状や片持ち梁状の樹脂含有層は、樹脂含有層が基材から一部が浮遊した状態の中空構造体を構成している。第3の面を構成する部材として、接着部と支柱層の併用、又は接着部が挙げられる。
転写工程については、後述する各実施形態で具体的に説明する。
本発明の実施形態における前記主たる製造工程(a)(b)(c)の変形例は、次の工程(d)(e)を含む工程である。接続部による接続の代わりに、インク塗布層自体の接着性により、基材側に転写させる方法である。即ち、塗布したインクを未硬化の状態で基材側に接触させ、転写工程中にインク塗布層を硬化させる方法である。
(d) 転写用基材の表面に形成された低表面エネルギー材料層上に、樹脂を含むインクを塗布する工程。
(e) 前記インク塗布層を有する転写用基材と、基材に設けた支柱層とを、前記インク塗布層が前記支柱層と対向するように接触させた状態で前記インク塗布層を硬化して樹脂含有層となした後に、前記樹脂含有層を前記転写用基材側から剥離して、前記樹脂含有層と前記基材との間に一部が開放された空間を有する中空構造体を形成する転写工程。
(第1の実施形態)
本実施形態を、図1を参照して以下説明する。図1は、本実施形態における中空構造体の製造方法を模式的に示す図である。本実施形態の中空構造体は、基材5(「素子用基材」ともいう。)と接着部4と樹脂含有層3とを備える(図1(d)参照)。
本実施形態の中空構造体の製造方法は、次の工程を含む。
(1) 転写用基材1に積層形成されている低表面エネルギー材料2の表面に、少なくとも樹脂を含むインク層3(簡便のため樹脂含有層3と同符号で示す。)を塗布する工程。なお、転写用基材とは、後述する転写工程により剥離され、中空構造体を構成しない基材をいう。
(2) 前記インク層3を硬化または乾燥させて樹脂含有層を形成する樹脂含有層形成工程(図1(a)参照)。
(3) 前記樹脂含有層3に接着部4を付与する工程(図1(b)参照)。接着部4の面積は、インク層3の面積より小さい。
(4) 転写用基材1上の前記樹脂含有層3と、基材5とを対向させ、インク層上の接着部4を、基材5に接触させる工程(図1(c)参照)。本工程では、接触させる際に樹脂含有層3を基材5へ転写させるのに必要な圧力を印加する。
(5) 工程(4)の接触後、転写により、樹脂含有層3が接着部4を介して前記基材5から一部が浮遊した状態の中空構造体を形成する工程(図1(d)参照)。本工程では、前記樹脂含有層3を、接着部4と共に基材5側に転写するものである。転写の際、樹脂層含有3は、接着部に接着している領域のみでなく、接着部に接着していない領域も、転写用基材1表面の低表面エネルギー材料2の表面から剥離する。剥離の際に、樹脂含有層そのものが切断されたり亀裂が入ったりすることはない。
転写工程において、樹脂含有層3全体が、転写用基材1表面の低表面エネルギー材料2の表面から剥離するのは、接着部と基材との間で形成される付着力が、低表面エネルギー材料と樹脂含有層との間で形成される付着力よりも大きいことによる。
(第2の実施形態)
本実施形態を、図2を参照して以下説明する。図2は、本実施形態における中空構造体の製造方法を模式的に示す図である。本実施形態の中空構造体は、基材5と接着部4と樹脂含有層3とを備え(図2(d)参照)、第1の実施形態と同じ構造である。
第1の実施形態では、接着部4を、転写用基材1上の樹脂含有層3の上に形成したが、本実施形態では、中空構造体の基材側に形成する点で異なる。本実施形態の中空構造体においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態の中空構造体の製造方法は、次の工程を主として含む。工程(2−1)(2−2)は第1の実施形態工程(1)(2)と同じである。
(2−3) 基材5に接着部4を形成する工程(図2(b)参照)。接着部4の面積は、インク層3の面積より小さい。
(2−4) 転写用基材1上の樹脂含有層3と基材5とを対向させ、樹脂含有層3を、基材5上の接着部4に接触させる工程(図2(c)参照)。本工程では、転写用基材の表面に積層形成された低表面エネルギー材料2の層の表面上の、樹脂含有層3を、接着部4に接触させ、その際に樹脂含有層3を基材5へ転写させるのに必要な圧力を印加する。
(2−5) 工程(2−4)の接触後、転写により、樹脂含有層3が接着部4を介して前記基材5から一部が浮遊した状態の中空構造体を形成する工程(図2(d)参照)。本工程では、前記樹脂含有層3を、接着部側に転写するものである。転写の際、樹脂含有層3は、接着部に接着している領域のみでなく、接着部に接着していない領域も、転写用基材1表面の低表面エネルギー材料2の表面から剥離する。剥離の際に、樹脂含有層3そのものが切断されたり亀裂が入ったりすることはない。
(第3の実施形態)
本実施形態を、図3を参照して以下説明する。図3は、本実施形態における中空構造体の製造方法を模式的に示す図である。本実施形態の中空構造体は、基材5と、支柱層6と、接着部4と、支柱層6と接着部4とで支持される樹脂含有層3とからなる構造を備える(図3(d)参照)。
第1の実施形態では、中空構造体を構成する基材と樹脂含有層3との間に形成される中空空間の層の厚みは接着部の厚みにより決定されていたが、本実施形態は、中空空間の層の厚みを調整するために、接着部4に加えて支柱層6を設けた点で、第1の実施形態と異なる。
本実施形態の中空構造体の製造方法は、次の工程を主として含む。工程(3−1)(3−2)(3−3)は第1の実施形態の工程(1)(2)(3)と同じである。
(3−4) 基材5に支柱層6を設ける工程。
(3−5) 転写用基材1上の樹脂含有層3と、基材5上の支柱層6とを対向させ、樹脂含有層上の接着部4を、基材5上の支柱層6に接触させる工程(図3(c)参照)。本工程では、接触させる際に、樹脂含有層3を基材5へ転写させるのに必要な圧力を印加する。
(3−6) 工程(3−5)の接触後、転写により、樹脂含有層3が接着部4及び支柱層6を介して基材5から一部が浮遊した状態の中空構造体を形成する工程(図3(d)参照)。本工程では、樹脂含有層3を、接着部4と共に、基材5側の支柱層6に転写するものである。転写の際、樹脂含有層3は、接着部4に接着している領域のみでなく、接着部4に接着していない領域も、転写用基材1表面の低表面エネルギー材料2の表面から剥離する。剥離の際に、インク層そのものが切断されたり亀裂が入ったりすることはない。
本実施形態のように、素子用基材に支柱層を設けておき、支柱層の表面と接着部を接触させて転写することにより、中空構造体と基材との間に形成される空気の層の厚みを調整できる効果を奏する。
図3では、接着部4を樹脂含有層3上に形成したが、これに替えて、接着部4を支柱層6上にまず形成して後、樹脂含有層3を、基材側の支柱層上の接着部4に転写するようにしても、同様の中空構造体が得られる。
(第4の実施形態)
第1乃至3の実施形態では、樹脂を含むインク層3が1層の例を挙げて説明したが、いずれの実施形態の場合も複数の積層体で実施してもよい。複数の積層体からなる場合を、図4を参照して以下説明する。図4は、本実施形態における中空構造体の製造方法を模式的に示す図である。本実施形態の中空構造体は、基材5と、接着部4と、接着部4で支持される複数の層(31、32、33)からなる樹脂含有層3とを備える(図4(d)参照)。
本実施形態の中空構造体の製造方法は、次の工程を主として含む。樹脂を含むインク層が複数層である点を除いては第1の実施形態と同様の方法である。
(4−1) 転写用基材1に積層形成されている低表面エネルギー材料2の表面に、少なくとも樹脂を含むインク層31を塗布する工程。
(4−2) 前記インク層31を硬化又は乾燥させる工程。
(4−3) 前記インク層31の上に樹脂を含むインク層32を塗布する工程。
(4−4) 前記インク層32を硬化又は乾燥させる工程。
(4−5) 前記インク層32の上に樹脂を含むインク層33を塗布する工程。
(4−6) 前記インク層33を硬化又は乾燥させる工程(図4(a)参照)。
(4−7) 樹脂を含有するインクの形成と硬化又は乾燥を必要に応じ所望回繰り返したのちに、接着部4を付与する工程(図4(b)参照)。
(4−8) 転写用基材1上の硬化又は乾燥させた複数のインク層と基材5とを対向させ、前記インク層上の接触部4を、基材5に接触させる工程(図4(c)参照)。
(4−9) 工程(4−8)の接触後、転写により、硬化又は乾燥させたインク層(31、32、33)からなる樹脂含有層3が接着部4を介して基材5から一部が浮遊した状態の中空構造体を形成する工程(図4(d)参照)。
本実施形態では、複数のインク層を形成した転写用基材を、接着部を介して素子用基材と接触させることにより、複数の層を一括で転写することができる。図4に示すように、樹脂を含むインクの積層からなる場合、最も先に形成された樹脂を含むインク31(乾燥又は硬化後)からはみ出す形で樹脂を含むインク33(乾燥又は硬化後)が形成されている場合であっても一括で転写することが可能である。
例えば、樹脂を含むインク層(31、32、33)(乾燥又は硬化後)を、それぞれシリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂で形成すると、光導波路素子を実現できる。
なお、中空構造体の中空空間の所望のサイズに対応して、さらに支柱層を設け、接着部4と支柱層とで複数の層(31、32、33)からなる樹脂含有層3を支持するようにしてもよい。
(第5の実施形態)
第4の実施形態では、中空構造体において、樹脂を含む層が積層体からなり、かつ積層体が全て樹脂を含むインク層から形成される場合について説明したが、本実施形態では、積層体が、樹脂を含むインク層及び樹脂を含まない層から形成される積層体である場合について説明する。
図5は、本実施形態における中空構造体の製造方法を模式的に示す図である。本実施形態の中空構造体は、基材5と、接着部4と、接着部4で支持される積層体(樹脂を含むインク層(乾燥又は硬化後)31、32、33と、樹脂を含まない層71、72))とを備える(図5(d)参照)。
本実施形態では、第4の実施形態と同様に、積層体を、基材の接着部に一括で転写して中空構造体を製造することができる。積層体の構造として、樹脂を含むインク層に平面的に収まる大きさでかつ樹脂を含むインク層に接していれば、樹脂を含まない層を用いることができる。例えば、樹脂を含まない層71のように、樹脂を含まない層が低表面エネルギー基板に直接接していても、樹脂を含むインク層に包埋されていれば一括転写が可能である。樹脂を含まない層としては、蒸着やスパッタなどの真空成膜法によって作られる金属や酸化物など無機材料の膜や有機低分子膜、あるいはナノ粒子(金、銀、銅、アルミ、ニッケル、ケイ素(シリコン)、炭化シリコン、カーボンナノチューブ、グラフェン、ITO、IZO、フラーレン、ルブレンや低分子チオフェン誘導体などの有機半導体、ZnO、ZnS、TiO2、IGZO)の集合した膜などが挙げられる。
本実施形態の中空構造体の製造方法は、次の工程を主として含む。樹脂を含むインク層が積層体である点を除いては、第1の実施形態と同様の方法である。
(5−1) 転写用基材1に積層形成されている低表面エネルギー材料2の表面に、樹脂を含まない層71を形成する工程。
(5−2) 樹脂を含まない層71を覆い、転写用基材1に積層形成されている低表面エネルギー材料2の表面に、周辺が被着するように、樹脂を含むインク層31を塗布する工程。
(5−3) 前記インク層31を硬化又は乾燥させる工程。
(5−4) 前記インク層31の上に、樹脂を含むインク層32を塗布した後、硬化又は乾燥する工程、及び樹脂を含まない層72を形成する工程。
(5−5) 前記インク層32及び樹脂を含まない層72の上に、樹脂を含むインク層33を塗布する工程。
(5−6) 前記インク層33を硬化又は乾燥させる工程(図5(a)参照)。
(5−7) 樹脂を含むインク等の形成と硬化又は乾燥を必要に応じ所望回繰り返した後に、接着部4を付与する工程(図4(b)参照)。
(5−8) 転写用基材1上の硬化又は乾燥させた複数のインク層と基材5とを対向させ、前記インク層上の接触部4を、基材5に接触させる工程(図5(c)参照)。
(5−9) 工程(5−8)の接触後、転写により、積層体(31、32、33、71、72)が接着部4を介して基材5から一部が浮遊した状態の中空構造体を形成する工程(図5(d)参照)。
例えば、樹脂を含まない層71、72を金や銀あるいはアルミなどの金属薄膜で形成し、樹脂を含むインク層(乾燥又は硬化後)31、32、33を、それぞれポリメタクリル酸メチル樹脂、半導体粒子を分散させたポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレンで形成すると、薄膜トランジスタ素子を実現できる。
なお、中空構造体の中空空間の所望のサイズに対応して、さらに支柱層を設け、接着部4と支柱層とで積層体を支持するようにしてもよい。
(第6の実施形態)
第1乃至5の実施形態では、接着部を、転写用基材上の樹脂を含むインク層3と、基材(素子用基材5)の両者のいずれかの対向面に設けて、転写していたが、接着部を設ける位置は特に対向面に限らなくてもよい。本実施形態では、接着部を対向面以外に設けた例について説明する。接着部を設ける位置は、該接着部により、転写用基材から剥離したインク層3が基材5側に接着し、中空構造体が形成可能な配置であればよい。なお、中空構造体とするためには、基材5に支柱層6が別体又は一体に設けられていることが好ましい。
図6は、本実施形態における中空構造体の製造方法を模式的に示す図である。本実施形態の中空構造体は、基材5と、支柱層6と、樹脂含有層3と、粘着基材8とからなる構造を備える(図6(d)参照)。本実施形態において、接着部の例として挙げられる粘着基材8は、粘着性のある材料(粘着剤ともいう。)で被覆された粘着基材である。
本実施形態の中空構造体の製造方法は、次の工程を主として含む。工程(6−1)(6−2)は第1の実施形態の工程(1)(2)と同じである。
(6−3) 硬化又は乾燥させたインク層3に、粘着性のある材料で被覆された粘着基材8を貼り付ける工程(図6(b)参照)。
(6−4) 基材5に支柱層6を設ける工程。
(6−5) 粘着基材8と硬化又は乾燥させたインク層3を、転写用基材1上の低表面エネルギー材料の層2から剥離する(図6(c)参照)とともに、粘着基材8と前記インク層3とを、基材5上の支柱層6に接触させて接着する転写工程(図6(d)参照)。剥離の際に、前記インク層そのものが切断されたり亀裂が入ったりすることはない。前記インク層3が支柱層6を介して前記基材5から一部が浮遊した状態の中空構造体が形成される。
本実施形態では、インク層(樹脂層)を転写用基材1から剥離し、粘着基材8表面の粘着剤で、素子用基材5へ転写することが可能である。粘着基材8を含む接着部として、例えば、粘着テープが挙げられる。用いられる粘着剤は、一般的な粘着テープに使われる材料であれば特に限定はされず、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などを用いることができる。また粘着剤で被覆された基材は、曲率半径25mmまで破断することのないフレキシブル性を持つ基材であれば好適に用いることができる。具体的には、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ステンレスやアルミの箔材、紙などが例として挙げられる。
(第7の実施形態)
第1乃至6の実施形態では、樹脂含有層が一端でのみ、接着部や支柱層により支持されている片持ち梁の例を図で示したが、樹脂含有層を両端で支持する両持ち梁の構造でもよい。本実施形態では、樹脂含有層を、複数の接着部や支柱層により支持する両持ち梁の構造について説明する。両持ち梁の構造では、中空となる部分の四方が全て塞がった状態ではなく、中空となる部分の両側面が開放された状態となる。即ち、樹脂含有層の周縁部の対向する二辺が固定されておらず自由端になっている。
図7は、本実施形態における中空構造体の製造方法を模式的に示す図である。図7(a)は、転写用基材1の表面に形成した低表面エネルギー材料2上に、少なくとも樹脂を含むインク層3を塗布し、インク層3を硬化または乾燥させる工程を示す。図7(b)は、硬化又は乾燥させたインク層3の両端部分に、接着部4を複数個(図では2個)付与する工程を示す。図7(c)は、転写用基材1上の硬化又は乾燥させたインク層と、基材5とを対向させ、前記インク層上の複数の接着部4を、基材5の複数の箇所に接触させる工程を示す。図7(d)は、接触後、転写により、前記インク層3(樹脂含有層3)が両端の接着部4を介して、前記基材5から一部が浮遊した状態の中空構造体を形成する工程を示す。図8は、図7の製造工程により製造した中空構造体の斜視図である。本実施形態の中空構造体は、基材5と、複数の接着部4と、樹脂含有層3とを備える(図7(d)、図8参照)。本実施形態の中空構造体の製造方法は、接着部4が樹脂を含むインク層の両端に形成される点を除き、第1の実施形態の工程と同様である。
(第8の実施形態)
本実施形態では、中空構造体を荷重センサに用いた実施形態について、実際に作製した実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
第3の実施形態で示した製造方法により、次のように荷重センサを作製した。
〈基材の準備〉 厚さ0.7mmの無アルカリガラス(日本板硝子 OA-10G)を基板として用いた。下部電極としてクロム5nm、金50nmの積層順でメタルマスクを介して真空蒸着で成膜した。下部電極の寸法は幅、奥行きともに10mmであった。次に、感光性レジスト(日本火薬SU-8 50)をスピンコーターで1000rpmの速度で成膜し、フォトマスクを介して露光したのち、現像、焼成を行うことで下部電極に隣接する支持部を形成した。支持部の寸法は幅10mm、奥行き20mm、高さ100μmであった。なお、前記支持部は、支柱層の例に相当する。
〈転写用基材の準備〉 厚み100μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人 Q65HA)に低表面エネルギー材料のポリジメチルシロキサン(信越シリコーン KE106)をスピンコーターで800rpmの速度で塗布し、160℃のオーブンで30分加熱し硬化して、転写用基材を準備した。
〈中空構造体用電極のパターニング、焼成〉 転写用基材に中空構造体用電極と同じ形状の開口部(幅1mm、奥行き5mm)を持つメタルマスクを密着させた状態で、銀粒子とバインダーポリマーを組成に有する銀ペースト(DIC GOAGT)をブレードコートした。その後、メタルマスクを転写用基材から外すことにより、転写用基材の表面に中空構造体用電極のパターンを得た。これを160℃のオーブンで30分焼成することにより、パターニングされた銀ペーストを硬化させた。硬化後の銀ペーストの厚みは10μmであった。中空構造体用電極のパターンを構成する硬化後の銀ペーストは、樹脂含有層の例に相当する。
〈接着部の形成、中空構造体用電極の転写〉 硬化させた銀ペースト(樹脂含有層)の端部にマイクロピペッターで中空電極と同じ銀ペーストを5μL滴下し、0.8mmφの接着部を形成した。接着部の粘性を高めるために転写用基材を室温で10分放置した後に、接着部と支持部が接触するように基材と転写用基材を接触させ、中空構造体用電極を転写用基材から基材側へ転写した。その後、接着部の硬化のために120℃のオーブンで1時間加熱した。
〈荷重センサとしての評価〉 作製した中空構造体を荷重センサとして次のように評価した。中空構造体の樹脂含有層の先端から1mmの位置に荷重を加え、中空構造体用電極と下部電極の間に形成される静電容量が中空構造体の樹脂含有層(荷重センサのカンチレバーに相当する。)の変位によって変化する様子を測定した。荷重の印加は、表面段差計(小坂研究所製ET4000)で行い、静電容量の測定はLCRメーター(日置電機3532−50)で行った。
図9に、測定結果を示す。図9の横軸は荷重(単位μN)で、縦軸は、左が荷重センサのカンチレバーの変位Z位置で、右が静電容量の変化を示す。図9のように、荷重によって中空構造体用電極の高さ(Z position)は変位を示し、それに応じて静電容量も変化した。これより本発明の中空構造体は荷重センサとして正常に動作することが確認できた。
[実施例2]
第3の実施形態の後半で説明した製造方法により、次のように荷重センサを作製した。
〈基材の準備〉、〈転写用基材の準備〉、〈中空構造体用電極のパターニング、焼成〉は実施例1と同様に行った。
〈接着部の形成、中空構造体用電極の転写〉 基材の支持部の表面にマイクロピペッターで中空構造体用電極と同じ銀ペーストを5μL滴下し、0.8mmφの接着部を形成した。接着部の粘性を高めるために素子用基材を室温で10分放置した後に、接着部と電極パターン(樹脂含有層)が接触するように基材と転写用基材を接触させ、中空構造体用電極を転写用基材から基材へ転写した。その後、接着部の硬化のために120℃のオーブンで1時間加熱した。
〈荷重センサとしての評価〉 実施例1と同様の結果が得られた。
[実施例3]
第6の実施形態で示した製造方法により、次のように荷重センサを作製した。
〈基材の準備〉、〈転写用基材の準備〉、〈中空構造体用電極のパターニング、焼成〉は実施例1と同様に行った。
〈粘着基材による中空体電極の剥離と転写〉 粘着基材として粘着テープ(カプトンテープ(寺岡製作所、650S #12 幅3mm))を用いた。粘着面を転写用基材上の中空構造体用電極に押し当て、転写用基材から樹脂含有層を剥がすことで中空構造体用電極を粘着基材に転写した。続けて、基材上の支持部に中空体電極が合わさるようにテープの粘着性で固定することにより、中空構造体用電極の素子用基材側への転写を完了した。
〈荷重センサとしての評価〉 実施例1と同様の結果が得られた。
[比較例1]
中空構造体用電極を蒸着銀により形成して、実施例と比較した。
〈基材の準備〉、〈転写用基材の準備〉は実施例1と同様に行った。
〈中空構造体用電極のパターニング、焼成〉 転写用基材に中空構造体用電極と同じ形状の開口部(幅1mm、奥行き5mm)を持つメタルマスクを密着させた状態で、銀を10μm真空蒸着した。その後、メタルマスクを転写用基材から外すことにより、転写用基材の表面に中空構造体用電極の銀蒸着膜のパターンを得た。
〈接着部の形成、中空構造体用電極の転写〉 実施例1と同様に行ったが、基材に転写されたのは中空構造体用電極のうち支持部と直に接触した部分のみであった。
[比較例2]
中空構造体用電極を、バインダーポリマーを持たない銀インクにより形成して、実施例と比較した。〈基材の準備〉、〈転写用基材の準備〉は、実施例1と同様に行った。
〈中空構造体用電極のパターニング、焼成〉 転写用基材に中空構造体用電極と同じ形状の開口部(幅1mm、奥行き5mm)を持つメタルマスクを密着させた状態でバインダーポリマーを組成に有さない銀コロイドインク(Sigma-aldrich 796042)をブレードコートした。その後、メタルマスクを転写用基材から外すことにより転写用基材の表面に中空構造体用電極のパターンを得た。これを160℃のオーブンで30分焼成することにより、パターニングされた銀コロイドインクを硬化させた。硬化後の銀ペーストの厚みは0.5μmであった。
〈接着部の形成、中空構造体用電極の転写〉 実施例1と同様に行ったが、基材に転写されたのは中空構造体用電極のうち支持部と直に接触した部分のみであった。
(第9の実施形態)
本実施形態では、転写工程において、接着部を介して樹脂含有層と基材を接触させた状態で硬化させて転写する。本実施形態の中空構造体においても、第1乃至7の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態を、図10を参照して以下説明する。図10は、本実施形態における中空構造体の製造方法を模式的に示す図である。図10の中空構造体は、基材5と接着部4と樹脂含有層3とを備え(図10(e)参照)、第1や第2の実施形態と同じ構造である。
本実施形態の中空構造体の製造方法は、次の工程を主として含む。工程(9−1)(9−2)は第1の実施形態工程(1)(2)と同じである(図10(a)参照)。
(9−3) 前記樹脂含有層3に接着部4を付与する工程(図10(b)参照)。接着部4の面積は、インク層3の面積より小さい。
(9−4) 転写用基材1上の前記樹脂含有層3と、基材5とを対向させ、インク層上の接着部4を、基材5に接触させる工程(図10(c)参照)。本工程では、接触させる際に樹脂含有層3を基材5へ転写させるのに必要な圧力を印加する。
(9−5) 工程(9−4)で接触させた状態、即ち、接着部を介して基材5と樹脂含有層3とが接触した状態で、接着部を硬化させる工程(図10(d)参照)。加熱及び紫外線照射のいずれか1以上の手段により完全に硬化させることが好ましい。
(9−6) 転写用基材を基材側から引き離して樹脂含有層を基材側に転写することにより、樹脂含有層3が接着部4を介して前記基材5から一部が浮遊した状態の中空構造体を形成する工程(図10(e)参照)。
[実施例4]
本実施形態の製造方法により、次のように荷重センサを作製した。
〈基材の準備〉、〈転写用基材の準備〉、〈中空構造体用電極のパターニング、焼成〉は、支持部を設けないこと以外は、実施例1と同様に行った。
〈接着部の形成、中空構造体用電極の転写〉 硬化させた銀ペースト(樹脂含有層)の端部にマイクロピペッターで中空電極と同じ銀ペーストを5μL滴下し、0.8mmφの接着部を形成した。接着部の粘性を高めるために転写用基材を室温で10分放置した後に、基材に接着部が接触するように基材と転写用基材を接触させ、この状態で120℃1時間オーブンで加熱した。その後、転写用基材と基材を引き離すことで中空構造体用電極を転写用基材から基材側へ転写した。
〈荷重センサとしての評価〉 実施例1と同様の結果が得られた。
(第10の実施形態)
本実施形態は、前記(d)(e)を含む工程による製造方法に関する。本実施形態を、図11を参照して以下説明する。図11は、本実施形態における中空構造体の製造方法を模式的に示す図である。図11の中空構造体は、基材5と支柱層6と樹脂含有層3とを備える(図11(c)参照)。
本実施形態の中空構造体の製造方法は、次の工程を主として含む。
(10−1) 転写用基材1に積層形成されている低表面エネルギー材料2の表面に、少なくとも樹脂を含むインク層(未硬化状態のインク層7)を塗布する工程。第1の実施形態工程(1)と同じである。
(10−2) 転写のための準備として、必要に応じて、前記インク層7の粘性を高めるインク層調整工程。
(10−3) 基材5に支柱層6を設ける工程。
(10−4) 転写用基材1上の前記インク層7と、基材5上の支柱層6とを対向させ、前記インク層7を、支柱層6に接触させる工程(図11(a)参照)。本工程では、接触させる際に樹脂含有層3を基材5へ転写させるのに必要な圧力を印加する。
(10−5) 工程(10−5)で接触させた状態、即ち、支柱層6と未硬化状態のインク層7とが接触した状態で、インク層を硬化させる工程(図11(b)参照)。加熱及び紫外線照射のいずれか1以上の手段により完全に硬化させることが好ましい。
(10−6) 転写用基材1を基材側から引き離して、硬化した樹脂含有層3を基材側に転写することにより、樹脂含有層3が支柱層6を介して基材5から一部が浮遊した状態の中空構造体を形成する工程(図11(c)参照)。
[実施例5]
本実施形態の製造方法により、次のように荷重センサを作製した。加熱による硬化の例である。
〈基材の準備〉、〈転写用基材の準備〉は実施例1と同様に行った。
〈中空構造体用電極のパターニング、乾燥〉 転写用基材に中空構造体用電極と同じ形状の開口部(幅1mm、奥行き5mm)を持つメタルマスクを密着させた状態で、銀粒子とバインダーポリマーを組成に有する銀ペースト(DIC GOAGT)をブレードコートした。その後、メタルマスクを転写用基材から外すことにより、転写用基材の表面に中空構造体用電極のパターンを得た。これを120℃のオーブンで10分加熱した。この加熱は使用した銀ペーストの硬化条件としては不十分であり、溶媒の揮発によってインクの増粘が起こるがインクは未硬化の状態を維持した。
〈中空構造体用電極の転写〉 接着部は形成せずに、未硬化状態の銀ペースト(未硬化状態のインク層7)と支持部(支柱層6)が接触するように基材5と転写用基材1を接触させ、この状態で160℃1時間オーブンで加熱した。その後、転写用基材と基材を引き離すことで中空構造体用電極を転写用基材から基材側へ転写した。
〈荷重センサとしての評価〉 実施例1と同様の結果が得られた。
[実施例6]
本実施例は、紫外線による硬化の例である。
〈基材の準備〉、〈転写用基材の準備〉は実施例1と同様に行った。
〈中空構造体用電極のパターニング、乾燥〉 転写用基材に中空構造体用電極と同じ形状の開口部(幅1mm、奥行き5mm)を持つメタルマスクを密着させた状態で、銀粒子とUV硬化性のバインダーポリマーを組成に有する銀ペースト(十条ケミカル JELCON RK232)をブレードコートした。その後、メタルマスクを転写用基材から外すことにより、転写用基材の表面に中空構造体用電極のパターンを得た。これを100℃のオーブンで10分加熱した。この加熱は使用した銀ペーストの硬化条件としては不十分であり、溶媒の揮発によってインクの増粘が起こるがインクは未硬化の状態を維持した。
〈中空構造体用電極の転写〉 接着部は形成せずに、未硬化状態の銀ペースト(未硬化状態のインク層7)と支持部(支柱層6)が接触するように基材5と転写用基材1を接触させ、この状態で紫外線ランプを用いて365nmが500mJ/cm2の積算光量となるよう露光し、銀ペーストを硬化させた。その後、転写用基材と基材を引き離すことで中空構造体用電極を転写用基材から基材側へ転写した。
〈荷重センサとしての評価〉 実施例1と同様の結果が得られた。
上述の実施の形態等で示した例は、発明を理解しやすくするために記載したものであり、この形態に限定されるものではない。
本発明の中空構造体の製造方法は、低環境負荷で製造でき、また省工程で形成できるので、産業上有用である。また、本発明の製造方法により、可動部周辺の中空構造や、弾性のある変位部材を有する中空構造を実現できるので、マイクロマシン装置や微小センサに広く適用でき、産業上有用である。
1 転写用基材
2 低表面エネルギー材料
3 樹脂を含むインク層、樹脂含有層
4 接着部
5 基材
6 支柱層
7 未硬化状態のインク層
8 粘着基材
31、32、33 樹脂を含むインク層
71、72、73 樹脂を含まない層

Claims (11)

  1. 転写用基材の表面に形成された低表面エネルギー材料層上に、樹脂を含むインクを塗布する工程と、
    前記塗布したインクを樹脂含有層にする樹脂含有層形成工程と、
    前記樹脂含有層を、接着部を用いて、基材に転写することにより、前記樹脂含有層と前記基材との間に一部が開放された空間を有する中空構造体を形成する転写工程とを含むことを特徴とする、中空構造体の製造方法。
  2. 前記転写工程は、
    前記樹脂含有層を形成した転写用基材と、前記基材とを、前記転写用基材の前記樹脂含有層側が前記基材と対向するように、接着部を介して接触させ、
    前記接着部と前記基材との間で形成される付着力が、前記低表面エネルギー材料と前記樹脂含有層との間で形成される付着力よりも大きいことによって、前記樹脂含有層を前記転写用基材側から剥離して、前記基材と前記接着部と前記樹脂含有層を少なくとも備える前記中空構造体を得ることを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。
  3. 前記転写工程は、
    前記樹脂含有層を形成した転写用基材と、支柱層を設けた前記基材とを、前記転写用基材の前記樹脂含有層側が前記基材の前記支柱層と対向するように、前記接着部を介して接触させ、
    前記樹脂含有層を前記転写用基材側から剥離して、前記基材と前記支柱層と前記接着部と前記樹脂含有層を備える中空構造体を得ることを特徴とする請求項1記載の中空構造体の製造方法。
  4. 前記転写工程は、
    前記接着部を樹脂含有層に接着させて、前記樹脂含有層及び前記接着部を、転写用基材から剥離した後、
    前記樹脂含有層と前記基材の前記支柱層とが対向するように、前記接着部により接着して、前記基材と前記支柱層と前記接着部と前記樹脂含有層を備える中空構造体を得ることを特徴とする請求項3記載の中空構造体の製造方法。
  5. 前記転写工程において、加熱及び紫外線照射の少なくともいずれかを用いて、前記接着部を硬化することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の中空構造体の製造方法。
  6. 転写用基材の表面に形成された低表面エネルギー材料層上に、樹脂を含むインクを塗布する工程と、
    前記インクの塗布層を有する転写用基材と、基材に設けた支柱層とを、前記塗布層が前記支柱層と対向するように接触させた状態で、前記塗布層を硬化して樹脂含有層となした後に、前記樹脂含有層を前記転写用基材側から剥離し、前記樹脂含有層と前記基材との間に一部が開放された空間を有する中空構造体を形成する転写工程とを含むことを特徴とする、中空構造体の製造方法。
  7. 前記転写工程において、加熱及び紫外線照射の少なくともいずれかを用いて、前記塗布層を硬化することを特徴とする請求項6記載の中空構造体の製造方法。
  8. 前記樹脂含有層は、1層又は複数の層からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の中空構造体の製造方法。
  9. 前記樹脂含有層は、樹脂を含まない層を包埋する構造を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の中空構造体の製造方法。
  10. 前記樹脂含有層は、機能性粒子を含有していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の中空構造体の製造方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項記載の前記樹脂含有層は、変位部材であることを特徴とする中空構造体の製造方法。
JP2017085837A 2016-10-27 2017-04-25 中空構造体の製造方法 Active JP6945838B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016210952 2016-10-27
JP2016210952 2016-10-27

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018069440A true JP2018069440A (ja) 2018-05-10
JP6945838B2 JP6945838B2 (ja) 2021-10-06

Family

ID=62112383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017085837A Active JP6945838B2 (ja) 2016-10-27 2017-04-25 中空構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6945838B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109672419A (zh) * 2018-11-01 2019-04-23 中国科学院半导体研究所 一种体声波谐振器的结构及其制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0884484A (ja) * 1994-09-09 1996-03-26 Canon Inc マイクロ構造体の形成法
JPH09229945A (ja) * 1996-02-23 1997-09-05 Canon Inc マイクロ構造体を支持するエアブリッジ型構造体の製造方法とその雌型基板、並びに、エアブリッジ型構造体とそれを用いたマイクロ構造体およびトンネル電流または微小力検出用のプローブ
JP2003326500A (ja) * 2002-05-07 2003-11-18 Masaki Esashi ウエーハプロセス用薄板基板構造とこの薄板基板を用いたmems素子の製造方法
JP2006263888A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Osaka Industrial Promotion Organization デバイスの製造方法
JP2009522120A (ja) * 2006-01-06 2009-06-11 サントル ナスィオナル ド ラ ルシェルシュ スィアンティフィク 犠牲厚膜法による多層マイクロコンポーネントの作製
WO2012002446A1 (ja) * 2010-07-02 2012-01-05 独立行政法人産業技術総合研究所 微小機械システム
JP2012030333A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Canon Inc ホルダ部とデバイス部を有する構造体及びその固定方法
JP2016039343A (ja) * 2014-08-11 2016-03-22 国立研究開発法人産業技術総合研究所 電子デバイス及びその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0884484A (ja) * 1994-09-09 1996-03-26 Canon Inc マイクロ構造体の形成法
JPH09229945A (ja) * 1996-02-23 1997-09-05 Canon Inc マイクロ構造体を支持するエアブリッジ型構造体の製造方法とその雌型基板、並びに、エアブリッジ型構造体とそれを用いたマイクロ構造体およびトンネル電流または微小力検出用のプローブ
JP2003326500A (ja) * 2002-05-07 2003-11-18 Masaki Esashi ウエーハプロセス用薄板基板構造とこの薄板基板を用いたmems素子の製造方法
JP2006263888A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Osaka Industrial Promotion Organization デバイスの製造方法
JP2009522120A (ja) * 2006-01-06 2009-06-11 サントル ナスィオナル ド ラ ルシェルシュ スィアンティフィク 犠牲厚膜法による多層マイクロコンポーネントの作製
WO2012002446A1 (ja) * 2010-07-02 2012-01-05 独立行政法人産業技術総合研究所 微小機械システム
JP2012030333A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Canon Inc ホルダ部とデバイス部を有する構造体及びその固定方法
JP2016039343A (ja) * 2014-08-11 2016-03-22 国立研究開発法人産業技術総合研究所 電子デバイス及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109672419A (zh) * 2018-11-01 2019-04-23 中国科学院半导体研究所 一种体声波谐振器的结构及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6945838B2 (ja) 2021-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8601658B2 (en) Method for forming a MEMS capacitor array
US10233075B2 (en) Method for forming filter net on MEMS sensor and MEMS sensor
KR101094165B1 (ko) 압저항 방식의 터치 패널, 그 제조방법, 이를 포함하는 디스플레이 장치, 터치 패드 및 압력센서
Shrestha et al. Transparent tunable acoustic absorber membrane using inkjet-printed PEDOT: PSS thin-film compliant electrodes
JP6468280B2 (ja) 組成物およびそれを用いた有機薄膜トランジスタ
Kim et al. A UV-responsive pressure sensitive adhesive for damage-free fabrication of an ultrathin imperceptible mechanical sensor with ultrahigh optical transparency
WO2013033032A2 (en) Method and apparatus for release-assisted microcontact printing of mems
US20230276177A1 (en) Transparent electrostatic transducers
JP6945838B2 (ja) 中空構造体の製造方法
Hartmann et al. Scalable microfabrication of folded parylene‐based conductors for stretchable electronics
Singh et al. Design and fabrication of PDMS‐based electrostatically actuated MEMS cantilever beam
US20060131163A1 (en) Variable volume between flexible structure and support surface
Kim et al. Micro transfer printing on cellulose electro-active paper
CN102637575A (zh) 元件基板的制造方法
He et al. Bioinspired adhesive manufactured by projection microstereolithography 3D printing technology and its application
TW200914364A (en) MEMS device and process
WO2023241252A1 (zh) 显示面板、显示装置、三维微结构器件及其制备方法
CN105036063B (zh) 一种压电驻极体基体的mems工艺制备方法
TWI656462B (zh) 觸摸感測器層疊體及其製造方法
Byun et al. SAM meets MEMS: reliable fabrication of stable Au-patterns embedded in PDMS using dry peel-off process
US20160172577A1 (en) Method for fabricating piezoelectric transducer
Tsukamoto et al. A Polymer-based Piezoelectric Vibration Energy Harvester with a 3D Meshed-Core Structure
KR101669734B1 (ko) 초소수성 시트 및 이의 제조 방법
JP2010012534A (ja) デバイス及びその製造方法
JP2016033945A (ja) 組成物およびそれを用いた有機薄膜トランジスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20170522

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210120

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210901

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6945838

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150