JP2018035060A - リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物 - Google Patents

リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、LiFSIを用いた非水系電解液において、高温での放電特性、また低温での入出力特性、常温でのレート特性がさらに改善された、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を提供することを目的とする。【解決手段】リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを90質量%以上含み、F−イオンを1000質量ppm超含み、さらにSO42−イオンの含有量が6000質量ppm以下である、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を提供する。HFの含有量は5000質量ppm以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物に関する。
リチウムイオン電池やリチウムイオンキャパシタに使用されるリチウム塩として、LiTFSIやLiPF、LiFSI[リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド]が知られている。特許文献1には、フッ化物イオン(F)の含有量が好ましくは1000ppm以下であるフルオロスルホニルイミドのアルカリ金属塩が記載されている。そして、フッ化物イオン(F)は不純物として、含有量が多い場合には、フルオロスルホニルイミドを各種用途に用いた場合に所期の特性が得られ難くなると記載されている。
特許文献2には、フッ素イオンの含有量が、100ppm以下であることを特徴とするビス(フルオロスルホニル)イミド塩が記載されている。そして、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩中へのフッ素イオン等の不純物の混入を抑制して、高純度のビス(フルオロスルホニル)イミド塩を単離することが可能なビス(フルオロスルホニル)イミド塩の製造方法を提供することが記載されている。また、特許文献3には、フッ素イオンを1〜500ppm含むフルオロスルホニルイミドのアルカリ金属塩が記載されている。
WO2011/149095号公報 特許第5377784号公報 WO2015/158979号公報
本発明者らは、二次電池等の電池にリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含む電解液を用いた場合に、電池抵抗が低減するため、充電後の正極電位が貴な状態となり、例えば80℃以上の高温と4.3V以上の高電圧の併用保存試験において、正極の劣化が進行し、正極中の金属溶出が進行することを見出した。
従って、本発明の課題は、二次電池等の電池にリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含む電解液を用いた場合に、例えば80℃以上の高温と4.3V以上の高電圧の併用保存試験において、正極劣化の進行による正極中の金属溶出が抑制され、かつ電解液の分解や電気化学デバイスの構成部材の腐食といった問題を生じ難い、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを90質量%以上含み、FイオンならびにSO 2−イオンを特定量含む、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物により、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを90質量%以上含み、Fイオンを1000質量ppm超含み、さらにSO 2−イオンの含有量が6000質量ppm以下である。
本発明のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物では、HF(フッ化水素)の含有量は5000質量ppm以下であることが好ましい。
さらに、本発明のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物は、LiFSOを100質量ppm〜5質量%含んでいることが好ましい。
さらにまた、本発明のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物では、上記何れかのリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物1gを、脱水メタノール30mL中に溶解した溶液のpHが、3以上8以下であることが好ましい。
本発明の、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを90質量%以上含み、FイオンならびにSO 2−イオンを特定量含む、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物によれば、二次電池等の電池において、含有するFイオン成分が正極活物質と反応し正極活物質表面にフッ素含有保護被膜を形成する等により、高温高電圧放置後の金属溶出を抑えられ、かつ電解液の分解や電気化学デバイスの構成部材の腐食といった問題が生じ難く、容量維持率を改善できる。
1.リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物
本発明に係るリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、LiFSIという場合がある)を90質量%以上含み、Fイオンを1000質量ppm超含み、さらにSO 2−イオンの含有量が6000質量ppm以下である。
本発明のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物におけるFイオンの含有量は、好ましくは1000質量ppm超50000質量ppm以下、より好ましくは2000質量ppm超30000質量ppm以下、さらに好ましくは3000質量ppm超20000質量ppm以下である。本発明に係るリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物では、Fイオンを1000質量ppm超含むことにより、含有するFイオン成分が正極活物質と反応し正極活物質表面にフッ素含有保護被膜を形成する等により、二次電池等の電池に使用した場合に、高温高電圧放置後の金属溶出を抑えられ、容量維持率を改善できる。Fイオンの含有量は、アニオンイオンクロマトグラフィーで測定できる。
本発明のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物では、SO 2−イオンの含有量が6000質量ppm以下であり、好ましくは3000質量ppm以下、より好ましくは1000質量ppm以下、さらに好ましくは500質量ppm以下、最も好ましくは300質量ppm以下である。SO 2−イオンの含有量の下限としては、特に限定されないが1質量ppmとすることができる。本発明に係るリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物では、SO 2−イオンを6000質量ppm以下とすることにより、電気化学デバイス用の電解液に用いても、電解液の分解や電気化学デバイスの構成部材の腐食といった問題を生じ難い。SO 2−イオンの含有量は、アニオンイオンクロマトグラフィーで測定できる。
本発明のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物では、HFの含有量が5000質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以上5000質量ppm以下であることがより好ましい。HF濃度が高すぎると、HFが正極活物質または正極アルミ集電体を腐食し、金属溶出がより促進される場合があるため、HF量は5000質量ppm以下が好ましい。HFの含有量は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を脱水メタノール中に溶解し、NaOHメタノール溶液を用いて中和滴定し、得られた酸分をHFとして測定できる。
また、本発明のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物は、さらに、LiFSOを100質量ppm〜5質量%含んでいてもよい。LiFSOの含有量がこのような範囲である場合には、二次電池等の電池に使用した場合に、電池の低温入出力特性、レート特性、(45℃)サイクル特性がより向上する場合がある。LiFSOの含有量は、F−NMRで測定できる。
本発明のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物では、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物1gを、脱水メタノール30mL中に溶解した溶液のpHが、3以上8以下であることが好ましい。
本発明に係るリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物におけるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの含有量は、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、さらに好ましくは98質量%以上であり、99質量%以上であることが特に好ましい。また、溶媒の含有量は、70質量ppm以下であることが好ましく、50質量ppm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは30質量ppm以下であり、特に好ましくは10質量ppm以下であり、特により好ましくは5質量ppm以下であり、中でもさらに特に好ましくは1質量ppm以下であり、最も好ましくは溶媒を含まないことである。
上記溶媒としては、例えば、有機溶媒が挙げられる。溶媒の沸点は、例えば、0〜250℃である。具体的には、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、シクロペンチルメチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等の脂肪族エーテル系溶媒;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノン等のアミド系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ系溶媒;スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;等の非プロトン性溶媒、また、芳香族炭化水素系溶媒、直鎖状、分枝鎖状又は環状脂肪族炭化水素系溶媒及び芳香族エーテル系溶媒等のフルオロスルホニルイミドのリチウム塩に対する貧溶媒が挙げられる。
上記貧溶媒としては、トルエン(沸点110.6℃)、o−キシレン(沸点144℃)、m−キシレン(沸点139℃)、p−キシレン(沸点138℃)、エチルベンゼン(沸点136℃)、イソプロピルベンゼン(沸点153℃)、1,2,3−トリメチルベンゼン(沸点169℃)、1,2,4−トリメチルベンゼン(沸点168℃)、1,3,5−トリメチルベンゼン(沸点165℃)、テトラリン(沸点208℃)、シメン(沸点177℃)、メチルエチルベンゼン(沸点153℃)、2−エチルトルエン(沸点164℃)等の芳香族炭化水素系溶媒;オクタン(沸点127℃)、デカン(沸点174℃)、ドデカン(沸点217℃)、ウンデカン(沸点196℃)、トリデカン(沸点234℃)、デカリン(沸点191℃)、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン(沸点170℃−195℃)、イソパラフィン(例えば、「マルカゾールR」(丸善石油化学株式会社製の2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンの混合物、沸点178℃−181℃)、「アイソパー(登録商標)G」(エクソンモービル製のC9−C11混合イソパラフィン、沸点167℃−176℃)、「アイソパー(登録商標)E」(エクソンモービル製のC8−C10混合イソパラフィン、沸点115℃−140℃))等の直鎖状又は分枝鎖状脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン(沸点81℃)、メチルシクロヘキサン(沸点101℃)、1,2−ジメチルシクロヘキサン(沸点123℃)、1,3−ジメチルシクロヘキサン(沸点120℃)、1,4−ジメチルシクロヘキサン(沸点119℃)、エチルシクロヘキサン(沸点130℃)、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン(沸点145℃)、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン(沸点140℃)、プロピルシクロヘキサン(沸点155℃)、ブチルシクロヘキサン(沸点178℃)、炭素数8〜12のアルキルシクロヘキサン(例えば、「スワクリーン150」(丸善石油化学株式会社製のC9アルキルシクロヘキサンの混合物、沸点152−170℃)等の環状脂肪族炭化水素系溶媒;アニソール(沸点154℃)、2−メチルアニソール(沸点170℃)、3−メチルアニソール(沸点175℃)、4−メチルアニソール(沸点174℃)等の芳香族エーテル系溶媒;等が挙げられる。
但し、本発明によって規定される溶媒は上記具体例に示すものに特に限定されるものではない。
また、本発明に係るリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物は、FSONHを10質量ppm〜1質量%含んでいることが好ましい。FSONHの含有量は、好ましくは10質量ppm以上であり、より好ましくは100質量ppm以上であり、さらに好ましくは500質量ppm以上であり、特に好ましくは1000ppm以上である。また、1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.7質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.3質量%以下である。FSONHの含有量がこのような範囲である場合に、二次電池等に使用した場合に、二次電池等の低温入出力特性、レート特性、(45℃)サイクル特性が向上する。FSONHの含有量は、F−NMRで測定できる。
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物の他の形態として、溶媒量は特に限定されず、FSONHを10質量ppm〜1質量%含む形態も好ましい形態である。
2.電解液
電解液は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを90質量%以上含み、Fイオンを1000質量ppm超含む上記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を含んでいる。上記電解液における上記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物の含有量は、0.05mol/L以上が好ましく、より好ましくは0.1mol/L以上、さらに好ましくは0.5mol/L超、最も好ましくは0.6mol/L以上であり、好ましくは6mol/L以下、より好ましくは4mol/L以下、さらに好ましくは2mol/L以下、最も好ましくは1.5mol/L以下である。
上記電解液は、LiPF等の他のリチウム塩や、酸化防止剤や難燃剤等のラジカル捕捉剤、酸化還元型安定化剤等の他の公知の成分を含んでいてもよい。
上記電解液は溶媒を含んでいてもよい。上記電解液に用いることのできる溶媒としては、電解質塩(スルホニルイミド化合物及び上述のリチウム塩等)を溶解、分散させられるものであれば特に限定されず、例えば、環状カーボネートや環状カーボネート以外の溶媒といった非水系溶媒、溶媒に代えて用いられるポリマー及びポリマーゲル等の媒体等、電池に用いられる従来公知の溶媒はいずれも使用できる。
上記電解液では、Fイオンを1000質量ppm超含んだリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を用いる事で、含有するFイオン成分が正極活物質と反応し正極活物質表面にフッ素含有保護被膜を形成する等により、二次電池等の電池に使用した場合に、高温高電圧放置後の金属溶出を抑えられ、容量維持率を改善できる。
3.電解液の製造方法
電解液の製造方法は、ビス(フルオロスルホニル)イミドとリチウム化剤とを反応させて、上記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を製造する、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物製造工程と;該リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物製造工程で得られた該リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を用いて電解液を製造する電解液製造工程と;を含んでいる。
3−1 リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物製造工程
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物製造工程では、ビス(フルオロスルホニル)イミドとリチウム化剤とを反応させて、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を製造する。
本発明においては、ビス(フルオロスルホニル)イミドを合成する方法は特に限定されないが、例えば、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミドからフッ素化剤を用いてビス(フルオロスルホニル)イミドを合成する方法が挙げられる。ビス(ハロゲン化スルホニル)イミドにおけるハロゲンとしては、F以外の、Cl、Br、I、Atが挙げられる。
以下に、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミドからフッ素化剤を用いてビス(フルオロスルホニル)イミドを合成するフッ素化工程について説明する。
フッ素化工程では、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミドのフッ素化反応を行う。例えば、CA2527802号公報に記載の方法、Jean’ne M. Shreeveら、Inorg. Chem. 1998, 37 (24), 6295-6303に記載の方法などがある。出発原料となるビス(ハロゲン化スルホニル)イミドは、市販のものを使用してもよく、また、公知の方法で合成したものを用いてもよい。また、特表平8−511274号公報に記載の、尿素とフルオロスルホン酸を用いて、ビス(フルオロスルホニル)イミドを合成する方法などもある。
ビス(ハロゲン化スルホニル)イミドからフッ素化剤を用いてビス(フルオロスルホニル)イミドを合成する方法としては、フッ素化剤としてHFを使用する方法が好ましく使用できる。一例として、ビス(クロロスルホニル)イミドのフッ素化反応を、下記式(1)に示す。例えば、ビス(クロロスルホニル)イミドに、HFを導入することで、ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)を得ることができる。
上記フッ素化工程の開始時点におけるビス(ハロゲン化スルホニル)イミドに対するHFのmol比は、2以上が好ましい。下限としては、3以上、5以上を挙げることができ、上限としては100以下、50以下、20以下、10以下を挙げることができる。mol比をこのように設定することにより、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミドのフッ素化をより確実に行うことができる。使用量が少ない場合には、反応速度が低下したり、反応が十分に進行しないなどの場合があり望ましくなく、使用量が多い場合には原料回収が煩雑になり生産性が低下する場合があり望ましくない。
上記フッ素化工程の温度は、下限として20℃以上、40℃以上、60℃以上、80℃以上、上限として200℃以下、160℃以下、140℃以下、120℃以下を挙げることができる。反応速度をみて、適宜選択すればよい。
上記フッ素化工程は、高圧下、常圧下、いずれで行ってもよい。
続いて、上記方法により得られたビス(フルオロスルホニル)イミドとリチウム化剤とを含む混合物を反応させてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を製造する。
ビス(フルオロスルホニル)イミドとリチウム化剤とを含む混合物を反応させた後の混合物は、未反応のビス(フルオロスルホニル)イミドと、未反応のリチウム化剤と、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドと副生物を含んでいる。反応後の混合物全体に対するビス(フルオロスルホニル)イミドとリチウム化剤とリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの重量比の合計は0.8以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましく、0.9以上であることがさらに好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。
ビス(フルオロスルホニル)イミドとリチウム化剤とを含む混合物の、反応開始時点におけるビス(フルオロスルホニル)イミドとリチウム化剤の上記混合物全体に対する重量比の合計は0.8以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましく、0.9以上であることがさらに好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。
リチウム化剤としては、LiOH、LiCO、LiHCO、LiCl、LiF、CHOLi、EtLi、BuLiおよびt−BuLi(尚、Etはエチル基、Buはブチル基を示す)等のアルキルリチウム化合物等が挙げられる。中でも、LiFが好ましい。
下記式(2)に、ビス(フルオロスルホニル)イミドとLiFとを含む混合物を反応させることによる、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの製造を示す。
ビス(フルオロスルホニル)イミドとLiFとを含む混合物を反応させた後の混合物は、未反応のビス(フルオロスルホニル)イミドと未反応のLiFとを含んでいる可能性があり、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドと、Fイオンと、SO 2−イオンと、副生したHFを含み、さらにLiFSOを含んでいる場合がある。
反応後の混合物全体に対するビス(フルオロスルホニル)イミドとLiFとリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの重量比の合計は0.8以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましく、0.9以上であることがさらに好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。また、反応中に生成したHFの含有量を低減する工程を含んでいることが好ましい。
ビス(フルオロスルホニル)イミドとLiFとを含む混合物の、反応開始時点におけるビス(フルオロスルホニル)イミドとLiFの上記混合物全体に対する重量比の合計は0.8以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましく、0.9以上であることがさらに好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物製造工程において、HFを、反応後の混合物全体に対するビス(フルオロスルホニル)イミドとリチウム化剤とビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム塩の重量比の合計が0.8以上となる範囲で使用してもよい。リチウム塩化工程では、HFは使用しなくてもよい。
ビス(フルオロスルホニル)イミドとリチウム化剤とを含む混合物の反応温度は、50℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましく、120℃以上であることが特に好ましい。上限温度は、180℃以下、160℃以下が挙げられ、140℃、150℃でも行うことができる。反応温度が低すぎると反応が十分に進行しない場合があり、反応温度が高すぎると生成物が分解するおそれがあり望ましくない。また、上記反応の圧力範囲は、好ましくは1250hPa以下であり、より好ましくは1150hPa以下、さらに好ましくは1050hPa以下である。
ビス(フルオロスルホニル)イミドに対するリチウム化剤に含まれるリチウムのmol比は0.8以上1.2以下であることが好ましく、0.9以上1.1以下であることがより好ましく、1.0付近が最も好ましい。
3−2 乾燥、粉体化工程
上記の反応後の混合物は、そのままリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物として使用してもよいが、乾燥し、粉体化して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物とすることが好ましい。
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を乾燥し、粉体化する方法は特に限定されないが、HFを含む場合、(1)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの融点以上の温度でHFを留去してから融点以下に冷却して粉体化する方法、(2)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの融点以下の温度で粉体化し、さらにHFを留去する方法、(3)(1)及び(2)を組み合わせた方法、等が使用できる。
上記の反応後の混合物を、乾燥し、粉体化して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物とすることにより、より確実に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを90質量%以上含み、Fイオンを1000質量ppm超含むリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物とすることができ、より優れた電解液を製造できる。
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物の乾燥方法は特に限定されず、従来公知の乾燥装置が使用できる。リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの融点以上で乾燥する場合、乾燥時の温度は140℃以上とするのが好ましい。融点以下で乾燥する場合、乾燥時の温度は0℃〜140℃とするのが好ましい。より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上である。リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物の乾燥は、減圧でおこなってもよいし、乾燥装置にガスを供給しながら行ってもよい。使用可能なガスとしては、例えば、窒素、アルゴンなどの不活性ガスや乾燥空気が挙げられる。特に、HFを含む場合、HFの沸点が20℃未満と低いため、上記の温度範囲で効果的に乾燥できる。
なお、上記の工程で好ましく用いられる原料であるビス(クロロスルホニル)イミド、HF、LiF等のリチウム化剤などは、必要に応じて溶剤に溶解してから、蒸留、晶析、再沈殿などの公知の方法で精製することが可能である。
また、好ましくは、原料として用いられるビス(クロロスルホニル)イミド、HF、LiF等のリチウム化剤、生成物であるビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、副生成物として生成し得る塩化水素、HFなどは、必要に応じて溶剤に溶解してから、蒸留、晶析、再沈殿など、公知の方法で回収することが可能である。
3−3 電解液製造工程
電解液製造工程では、上記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物製造工程で得られた上記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を用いて電解液を製造する。電解液は、上記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物製造工程で得られた上記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物と、上記公知の他の成分や添加物、溶媒とを混合することにより調製できる。上記電解液における上記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物の含有量は、0.05mol/L以上が好ましく、より好ましくは0.1mol/L以上、さらに好ましくは0.5mol/L超、最も好ましくは0.6mol/L以上であり、好ましくは6mol/L以下、より好ましくは4mol/L以下、さらに好ましくは2mol/L以下、最も好ましくは1.5mol/L以下である。
上記電解液の製造方法では、上記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物製造工程で得られた該リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物を、精製工程に付すことなく、そのまま使用することもできる。このため、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含む電解液の製造コストを抑制できる。
4.電池
電池は、上記電解液と、負極および正極とを含んでおり、具体的には、一次電池、リチウムイオン二次電池、充電及び放電機構を有する電池等が挙げられる。以下では、これらを代表して、リチウムイオン二次電池について説明する。
リチウムイオン二次電池とは、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な正極活物質を含有する正極、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な負極活物質を含有する負極、及び非水電解液を有する。より詳細には、正極と負極との間にはセパレーターが設けられており、非水電解液は上記セパレーターに含浸された状態で、正極、負極等と共に外装ケースに収容されている。
4−1 正極
正極は、正極活物質、導電助剤及び結着剤等を含む正極合剤が正極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
正極の製造方法は特に限定されないが、例えば、(i)分散用溶媒に正極合剤を溶解又は分散させた正極活物質組成物を正極集電体にドクターブレード法等で塗工したり、正極集電体を正極活物質組成物に浸漬した後、乾燥する方法;(ii)正極活物質組成物を混練成形し乾燥して得たシートを正極集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;(iii)液状潤滑剤を添加した正極活物質組成物を正極集電体上に塗布又は流延して、所望の形状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸又は多軸方向に延伸する方法;等が挙げられる。また、必要に応じて乾燥後の正極合剤層を加圧してもよい。これにより正極集電体との接着強度が増し、電極密度も高められる。
正極集電体の材料、正極活物質、導電助剤、結着剤、正極活物質組成物に用いられる溶媒(正極合剤を分散または溶解する溶媒)としては特に限定されず、従来公知の各材料を用いることができ、例えば、特開2014−13704号公報に記載の各材料を用いることができる。
正極活物質の使用量は、正極合剤100質量部に対して75質量部以上、99質量部以下とするのが好ましく、より好ましくは85質量部以上であり、さらに好ましくは90質量部以上であり、より好ましくは98質量部以下であり、さらに好ましくは97質量部以下である。
導電助剤を用いる場合の、正極合剤中の導電助剤の含有量としては、正極合剤100質量%に対して、0.1質量%〜10質量%の範囲で用いるのが好ましい(より好ましくは0.5質量%〜10質量%、さらに好ましくは1質量%〜10質量%)。導電助剤が少なすぎると、導電性が極端に悪くなり、負荷特性及び放電容量が劣化する虞がある。一方、多すぎると正極合剤層のかさ密度が高くなり、結着剤の含有量をさらに増やす必要があるため好ましくない。
結着剤を用いる場合の、正極合剤中の結着剤の含有量としては、正極合剤100質量%に対して0.1質量%〜10質量%が好ましい(より好ましくは0.5質量%〜9質量%、さらに好ましくは1質量%〜8質量%)。結着剤が少なすぎると良好な密着性が得られず、正極活物質や導電助剤が集電体から脱離してしまう虞がある。一方、多すぎると内部抵抗の増加を招き電池特性に悪影響を及ぼしてしまう虞がある。
導電助剤及び結着剤の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視等)、イオン伝導性等を考慮して適宜調整することができる。
4−2 負極
負極は、負極活物質、結着剤及び必要に応じて導電助剤等を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
負極の製造方法としては、正極の製造方法と同様の方法を採用することができる。また、負極の製造時に使用する導電助剤、結着剤、材料分散用の溶媒も、正極で用いられるものと同様のものが用いられる。
負極集電体の材料、負極活物質としては、従来公知の負極活物質を用いることができ、例えば、特開2014−13704号公報に記載の各材料を用いることができる。
4−3 セパレーター
セパレーターは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。セパレーターには特に制限がなく、本発明では、従来公知のセパレーターはいずれも使用でき、例えば、特開2014−13704号公報に記載の各材料を用いることができる。
4−4 電池外装材
正極、負極、セパレーター及び非水電解液等を備えた電池素子は、リチウムイオン二次電池使用時の外部からの衝撃、環境劣化等から電池素子を保護するため電池外装材に収容される。本発明では、電池外装材の素材は特に限定されず従来公知の外装材はいずれも使用することができる。
リチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等、リチウムイオン二次電池の形状として従来公知の形状はいずれも使用することができる。また、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に搭載するための高電圧電源(数10V〜数100V)として使用する場合には、個々の電池を直列に接続して構成される電池モジュールとすることもできる。
リチウムイオン二次電池の定格充電電圧は特に限定されないが、3.6V以上であるのが好ましい。更に好ましくは4.1V以上、最も好ましくは4.2V超である。本発明による効果は特に4.2Vを超える電圧で使用する場合に顕著となる。より好ましくは4.3V以上であり、さらに好ましくは4.35V以上である。定格充電電圧が高いほど、エネルギー密度を高めることはできるが、高すぎると安全性を確保し難い場合がある。したがって、定格充電電圧は4.6V以下であるのが好ましい。より好ましくは4.5V以下である。
以下、実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[NMR測定]
H−NMR、19F−NMRの測定は、Varian社製の「Unity Plus−400」を使用して行った(内部標準物質:ベンゼンスルホニルフルオライド、溶媒:重アセトニトリル、積算回数:16回)。
[ICP発光分光分析法]
下記例で得られたLiFSI 0.1gを超純水9.9gと混合した濃度1質量%の水溶液を測定試料とし、マルチタイプICP発光分光分析装置(島津製作所製「ICPE−9000」)を使用した。
[イオンクロマトグラフィー分析法]
上記実験例で得られたLiFSI 0.01gを超純水(18.2Ω・cm超)で1000倍に希釈して測定溶液とし、イオンクロマトグラフィーシステム ICS−3000(日本ダイオネクス株式会社製)を用いて、LiFSI中に含まれるFイオン、SO 2−イオンを測定した。
分離モード:イオン交換
溶離液:7〜20mM KOH水溶液
検出器:電気伝導度検出器
カラム:アニオン分析用カラム Ion PAC AS−17C(日本ダイオネクス株式会社製)
[ヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析法]
下記実施例で得られたLiFSI組成物0.05gにジメチルスルホキシド水溶液(ジメチルスルホキシド/超純水=20/80、体積比)200μL、20質量%塩化ナトリウム水溶液2mLを加えて測定溶液とし、これをバイアル瓶に入れ密閉し、ヘッドスペース−ガスクロマトグラフィーシステム(「Agilent6890」、Agilent社製)により、フルオロスルホニルイミドのリチウム塩中に含まれる残留溶媒量を測定した。
装置:Agilent6890
カラム:HP−5(長さ:30m、カラム内径:0.32mm、膜厚:0.25μm)(Agilent社製)
カラム温度条件:60℃(2分保持)、30℃/分で300℃まで昇温、300℃(2分保持)
ヘッドスペース条件:80℃(30分保持)
インジェクター温度:250℃
検出器:FID(300℃)
以下の製法にてLiFSIを作成した。
実施例1
PFA(フッ素樹脂製)反応容器に、LiF 1.17g(45mmol)を量り取った。反応容器を氷冷して、HFSI 9.59g(53mmol)を投入した。反応溶液を120℃に加熱し、1.5時間反応を行った。反応溶液を10hPa、140℃で、2時間減圧脱揮し、LiFSIを含む組成物を得た。この結果、LiFSI 7.30gを得た。なお、LiFSI生成量は、F−NMR測定により求めた。
実施例2
PFA反応容器に、LiF 3.2g(125mmol)を量り取った。反応容器を氷冷して、HFSI 25.0g(139mmol)を投入した。反応溶液を140℃に加熱し、1時間反応を行った。反応溶液を1.4KPa、140℃で、2時間減圧脱揮し、LiFSIを含む組成物を得た。この結果、LiFSI 22.70gを得た。
実施例3
PFA反応容器に、LiF 1.43g(55mmol)を量り取った。反応容器を氷冷して、HFSI 7.45g(41mmol)を投入した。反応溶液を120℃に加熱し、1.5時間反応を行った。反応溶液を10hPa、140℃で、2時間減圧脱揮した。この結果、LiFSI[ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム塩]7.40gを得た。なお、LiFSI生成量は、F−NMR測定により求めた。
比較例1
特開2014−201453号公報に開示の方法に従って、LiFSIを含む組成物を得た。
実施例1〜3および比較例1で得られたLiFSIを含む各組成物をF−NMRで分析し、LiFSOを定量した。LiFSI中のFイオンとSO 2−イオンの含有量をイオンクロマトグラフィーで分析した。また、超脱水メタノール[和光純薬工業(株)製、水分量10ppm以下]溶媒30mL中に実施例1,2および比較例1で得られたLiFSIを含む各組成物を1g溶解し、0.01N NaOHメタノール溶液を用いた中和滴定によりHFを定量した(滴定温度25℃)。pHは中和滴定時の初期値をpH電極で測定した。
結果を表1に示す。なお、F−NMRは検出限界100質量ppm、イオンクロマトグラフィー定量限界は1質量ppmである。
実施例1〜3および比較例1で得られたLiFSIを含む各組成物を用いて0.6M LiFSI+0.6M LiPF EC/MEC=3/7組成の電解液を作成した。FSIの秤量に当たっては、LiFSOの含有量を考慮して1.2M/Lとなるように調整した。LiPFは市販品を使用した。ECはエチレンカーボネート、MECはメチルエチルカーボネートである。
これらの各電解液を用いて電池評価を実施した。電池評価に用いるセルとして、LiCoOを正極に、グラファイトを負極に、PE(ポリエチレン)のセパレーターを用い、充電電圧4.35V、34mAh設計のラミネート電池を用いた。
<初期レート特性(25℃)測定>
上記仕様のセルを以下の条件で充放電を行い、初期レート特性を測定した。
充電:定電流定電圧充電:4.35V 1C(34mA) 1/50C(0.68mA)終止 → 放電:定電流放電:0.2C(6.8mA)、1C(34mA)、2C(68mA)それぞれのレートで2.75V終止
初期レート特性(25℃)を、0.2C放電容量と1C,2C各放電容量の比(%)を用いて評価した。結果を表2に示す。実施例1〜3が比較例1よりも改善している。
<初期低温入出力特性評価>
実施例1〜3と比較例1で得られたLiFSIを含む各組成物を用いた電解液を使用したセルの初期低温入出力特性を以下のように評価した。
・(0.2C定電流2.75V終止放電状態から、0℃ 1C定電流充電 4.35V終止時の充電容量)/(0.2C定電流2.75V終止放電状態から、25℃ 4.35V 1C 定電流定電圧充電1/50C終止時の充電容量)比(%)を低温入力特性とした。
・(25℃ 4.35V 1C定電流定電圧充電1/50C終止充電状態から0℃ 1C 定電流放電2.75V終止放電容量)/(25℃ 4.35V 1C定電流定電圧充電1/50C終止充電状態から25℃ 1C 定電流放電2.75V終止放電容量)比(%)を低温放電特性とした。
初期低温入出力特性を、低温入力特性と低温放電特性の各比(%)を用いて評価した。結果を表3に示す。
<4.35V充電60℃1週間放置試験>
25℃ 4.35V 1C定電流定電圧充電1/50C終止充電済み電池を60℃1週間保存し、保存前後のセル回路電圧を測定した。また保存後のセルを初期レート特性測定と同様の方法で測定し、保存前後の各レートでの放電容量から容量維持率を測定した。
表4にセル回路電圧(V)を、表5に容量維持率(%)を示す。
<4.35V 60℃1週間放置後、4.4V 85℃48時間放置試験>
4.35V充電状態で60℃1週間放置したセルを、追加で4.4V充電状態で85℃48時間放置を行った。
実施例1〜3と比較例1で得られたLiFSIを含む各組成物を用いた電解液を使用したセルについて、放置前後の各レートでの放電容量比を用いて保存後劣化率を測定した。結果を表6に示す。
表5、6に示すように、Fイオンをほとんど含まない比較例1と比べ、Fイオンを1000質量ppm超含み、さらにSO 2−イオンの含有量が6000質量ppm以下である実施例1〜3の方が、容量維持率や保存後劣化率が改善した。
<ICP分析>
4.35V充電後60℃1週間放置後、さらに4.4V充電状態85℃48時間放置後の容量測定済みセルを放電状態で開封し、電解液を遠心分離機2000rpm,5分の条件で採取し、0.4%硝酸水溶液で100倍希釈し、希釈液をICPで分析し、電解液中のコバルト量を分析した。
また、解体した負極、セパレーターを分別し、それぞれEMC(エチルメチルカーボネート)溶液で洗浄後、45℃で24時間真空乾燥した。
その後、負極は活物質を剥離し、69%硝酸水溶液1mLで8時間浸漬し、水15g加えて水溶液を濾過し、水溶液をICPで溶液中のコバルト量を分析した。
セパレーターも同様に69%硝酸水溶液で8時間浸漬後、水15gを加えて濾過し、濾過後の水溶液をICPでコバルト量を分析した。
比較例1の電解液を用いたコバルト量を100%とした時の実施例1〜3の分析値を表7に示す。なお、ICP定量限界は0.05ppmである。
表7から、実施例1〜3では、負極上、セパレーター中、電解液中いずれもコバルト量が減少しており、Fイオンの含有量と相関関係にあり、放置後容量維持率と同様な関係になったことが分かった。
実施例4
PFA製の100mLフラスコに、HFSIを20.0g(110.6mmol)とLiF 2.57g(99.5mmol)を量り取った。常圧(1013hPa)で反応溶液を140℃まで加熱して15分間反応を行った後、2kPaまで減圧し、143℃で1時間脱揮処理を行った。その後冷却し、LiFSIを主成分とする組成物19.4gを得た。分析値を表8に示す。
溶媒量は、Agilent6890N Network GC Systemを用いて行い、検出下限の1質量ppm未満を未検出(N.D.)とした。
実施例5、6
LiFの使用量を、表8に示すHFSI/LiFのmol比となるように変更した以外は、実施例4と同様にしてLiFSIを主成分とする組成物を得た。分析値を表8に示す。
実施例7
PFA製の100mLフラスコに、HFSIを101.0g(558mmol)とLiF 14.5g(558mmol)を量り取った。常圧(1013hPa)で反応溶液を150℃まで加熱して15分間反応を行った後、50kPaまで減圧して1時間熟成を行った。その後10kPaに減圧して、10mL/minの窒素流通下145〜150℃で1時間脱揮処理を行った。冷却し、LiFSIを主成分とする組成物103.3gを得た。分析値を表8に示す。
比較例2
[フルオロスルホニルイミド合成工程(フッ素化工程)]
攪拌装置を備えたパイレックス(登録商標)製反応容器A(内容量5L)に、窒素気流下で酢酸ブチル990gを加え、ここに110g(514mmol)のビス(クロロスルホニル)イミドを室温(25℃)で滴下した。
得られたビス(クロロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液に、室温で、フッ化亜鉛55.6g(540mmol、ビス(クロロスルホニル)イミドに対して1.05当量)を一度に加え、これが完全に溶解するまで室温で6時間攪拌した。
[カチオン交換工程1−アンモニウム塩の合成]
攪拌装置を備えたパイレックス(登録商標)製反応容器B(内容量3L)に、25質量%アンモニア水297g(4360mmol、ビス(クロロスルホニル)イミドに対して8.49当量)を加えた。アンモニア水の攪拌下、室温で、反応容器Bに、反応容器Aの反応溶液を滴下して加えた。反応溶液の滴下終了後、攪拌を停止し、水層と酢酸ブチル層の2層に分かれた反応溶液から、塩化亜鉛などの副生物を含む水層を除去し、有機層として、アンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液を得た。
得られた有機層を試料として、19F−NMR(溶媒:重アセトニトリル)測定を行った。得られたチャートにおいて、内部標準物質として加えたトリフルオロメチルベンゼンの量、及び、これに由来するピークの積分値と、目的生成物に由来するピークの積分値との比較から、有機層に含まれるアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドの粗収量を求めた(416mmol)。
19F−NMR(溶媒:重アセトニトリル):δ56.0
[カチオン交換工程2−リチウム塩の合成]
得られた有機層に含まれるアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドに対して、リチウムの量が2当量となるように、15質量%の水酸化リチウム水溶液133g(Liとして834mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。その後、反応溶液から水層を除去して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液を得た。
得られた有機層を試料とし、ICP発光分光分析法により、フルオロスルホニルイミドのプロトンがリチウムイオンに交換されていることを確認した。また、有機層中のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド濃度は7質量%であった(収量:994g、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド収量:69.6g)。
なお、フルオロスルホニルイミドの濃度は、得られた有機層を試料として、19F−NMR(溶媒:重アセトニトリル)測定を行い、測定結果のチャートにおいて、内部標準物質として加えたトリフルオロメチルベンゼンの量、及び、これに由来するピークの積分値と、目的生成物に由来するピークの積分値との比較から求めた。
[濃縮工程]
ロータリーエバポレーター(「REN−1000」、IWAKI社製)を使用して、減圧下で、カチオン交換工程2で得られたリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液から反応溶媒を一部留去し、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド溶液162gを得た(濃度:43質量%)。
滴下ロートおよび冷却管と溜出受器を備えた500mLセパラブルフラスコに、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド69.6gを含んだ酢酸ブチル溶液162gを加えた。真空ポンプを使用して、上記セパラブルフラスコ内を667Paまで減圧し、55℃に加温したオイルバスにセパラブルフラスコを浸漬させ、セパラブルフラスコ内の酢酸ブチル溶液を攪拌しながらゆっくりと加熱することで、フルオロスルホニルイミド合成工程からの反応溶媒である酢酸ブチルを溜出させた。溜出が始まってから10分間の間に溜出受器に回収した液の総量と同体積量の1,2,4−トリメチルベンゼンを貧溶媒としてセパラブルフラスコに添加した。その後、10分毎に溜出液と同体積量の1,2,4−トリメチルベンゼンをセパラブルフラスコ内に添加し続けることで、反応溶液を濃縮しつつ、系内の酢酸ブチル(反応溶媒)と1,2,4−トリメチルベンゼンとの配合比率を変化させて、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの白色結晶を析出させた。セパラブルフラスコ内の上澄み液が透明になるまで上記操作を繰り返した後、フラスコを室温まで冷却し、得られたリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド結晶の懸濁液を濾過し、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの結晶を濾取した。なお、酢酸ブチル溶液の加熱開始から濃縮工程終了するまでの時間は6時間であり、白色結晶析出開始までに要した時間は2時間であった。
ついで、得られた結晶を少量のヘキサンで洗浄した後、平底バットに移し、55℃、667Paで12時間減圧乾燥を行い、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの白色結晶を得た(収量:65.4g)。分析値を表8に示す。
<耐電圧性評価>
実施例4および比較例2で得られた試料を用い、LSV(Linear Sweep Voltammetry)測定を行った。25℃、露点−40℃以下の環境下で北斗電工製HZ3000を用いて、参照極にLi、作用極にグラッシーカーボン、対極に白金を用い、3Vから7Vまで掃引速度0.5mV/secで測定を行った。測定液は、1M LiFSIのEC/EMC=3/7溶液を用いて行った。実施例4の試料を用いた場合では5Vでの分解電流値が0.003mA/cmであったが、比較例2の試料を用いた場合では5Vでの分解電流値は0.25mA/cmであった。
<電池評価>
実施例4〜6、並びに比較例2で得られた試料を用いて電池性能評価を行った。結果を表9にまとめる。
30mAh相当 ラミネート電池での検討結果
4.2V設計 正極:LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O 負極:グラファイト セパレーター:PE
※1 容量測定条件 充電:4.2V 1C(30mA)定電流定電圧充電 0.6mA終止
⇒放電:0.2C(6mA)/1C(30mA) 定電流放電 2.75V終止
0.2C/1Cは各放電容量の比
※2 放電容量測定条件 充電:4.2V 1C(30mA)定電流定電圧充電 0.6mA終止 25℃
⇒0℃休止2時間⇒放電:1C(30mA) 定電流放電 2.75V終止 0℃
※3 充電容量測定条件 放電:0.2C(6mA)定電流放電 終止2.75V 25℃
⇒0℃ 休止2時間⇒充電条件 1C(30mA) 4.2V 定電流充電
※4 充電条件:4.2V 1C(30mA)定電流定電圧充電 0.6mA 終止 45℃
⇒放電条件:1C(30mA) 2.75V終止 45℃
以上のように、FイオンならびにSO 2−イオンを所定量含んだLiFSI組成物を用いる事で高温放置時の容量劣化が抑えられた。特に高電圧、高温の環境ではその効果は顕著であった。
推定メカニズムとしては、Fイオンが正極側に被膜を形成する事で、高温で正極活物質中のコバルト溶出を抑え、容量劣化を抑制していると考えられる。
HF濃度が高すぎると、HFが正極活物質または正極アルミ集電体を腐食し、金属溶出が促進するため、HF量は5000質量ppm以下が好ましい。

Claims (4)

  1. リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを90質量%以上含み、Fイオンを1000質量ppm超含み、さらにSO 2−イオンの含有量が6000質量ppm以下である、
    リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物。
  2. HFの含有量が5000質量ppm以下である、
    請求項1に記載のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物。
  3. さらに、LiFSOを100質量ppm〜5質量%含む、
    請求項1又は2に記載のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物1gを、脱水メタノール30mL中に溶解した溶液のpHが、3以上8以下である、
    リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド組成物。

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