JP2018028574A - 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び感放射線性酸発生剤 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び感放射線性酸発生剤 Download PDF

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研 丸山
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Abstract

【課題】LWR性能、CDU性能、MEEF性能及び解像性に優れる感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び感放射線性酸発生剤の提供。【解決手段】酸解離性基を含む第1構造単位を有する第1重合体と、放射線の照射によりスルホン酸を発生する第1感放射線性酸発生剤とを含有し、上記スルホン酸の融点が769K以上である感放射線性樹脂組成物であって、上記第1感放射線性酸発生剤が、感放射線性オニウムカチオンとアニオンとを含み、上記アニオンが上記スルホン酸からプロトンを除いたものであることが好ましい。上記感放射線性オニウムカチオン及び上記アニオンが共に1価であることが好ましい。上記スルホン酸がスルホ基に隣接する炭素原子を有し、この炭素原子にフッ素原子及びフッ素化炭化水素基の少なくとも一方が結合していることが好ましい。上記スルホン酸の分子量が500以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び感放射線性酸発生剤に関する。
リソグラフィーによる微細加工に用いられる感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光等の遠紫外線等の電磁波、電子線等の荷電粒子線などの照射により露光部に酸を発生させ、この酸を触媒とする化学反応により露光部と未露光部との現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にレジストパターンを形成する。
かかる感放射線性樹脂組成物には、加工技術の微細化に伴って、LWR(Line Width Roughness)性能及びCDU(Critical Dimension Uniformity)に優れ、より高精度のレジストパターンを形成できることが要求され、また、MEEF(Mask Error Enhancement Factor)性能にも優れ、マスク忠実性に優れ、歩留まりをより向上できることも要求されている。これらの要求に対し、組成物に用いられる重合体、酸発生体、その他の成分の種類や分子構造が検討され、さらにその組み合わせについても詳細に検討されている(特開平11−125907号公報、特開平8−146610号公報及び特開2000−298347号公報参照)。
しかし、上記従来の感放射線性樹脂組成物では、これらLWR性能、CDU性能及びMEEF性能を併立させることは難しく、また、現状、レジストパターンの微細化は線幅40nm以下のレベルまで進展しているが、さらに高い解像度を達成することが求められている。
特開平11−125907号公報 特開平8−146610号公報 特開2000−298347号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、LWR性能、CDU性能、MEEF性能及び解像性に優れる感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び感放射線性酸発生剤を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、酸解離性基を含む第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する第1重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)と、放射線の照射によりスルホン酸を発生する第1感放射線性酸発生剤(以下、「[B]酸発生剤」ともいう)とを含有し、上記スルホン酸の融点が769K以上である感放射線性樹脂組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該感放射線性樹脂組成物を基板の一方の面側に塗工する工程と、上記塗工により得られるレジスト膜を露光する工程と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程とを備えるレジストパターン形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、放射線の照射によりスルホン酸を発生する感放射線性酸発生剤であって、上記スルホン酸の融点が769Kであることを特徴とする。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れたMEEF性能を発揮して、LWR及びCDUが小さく、解像度が高いレジストパターンを形成することができる。本発明の感放射線性酸発生剤は、当該感放射線性樹脂組成物の感放射線性酸発生剤成分として好適に用いることができる。従って、これらは、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造等におけるパターン形成に好適に用いることができる。
ここで、「スルホン酸の融点」は、実測値であっても計算値であってもよい。スルホン酸の融点の計算値は、例えばソフトウェアパッケージ「ChemBioDraw Ultra 13.0」を用いて算出される値である。この場合、[B]酸発生剤のアニオン部に対応する酸の構造を上記ソフトウェアで記述し、「Chemical Properties Window」上に表示される「Melting Point」の値を融点(K)とした。スルホン酸の融点の実測値は、示差走査熱量計(DSC)等の一般的な手法により測定することができる。DSCを用いる場合、例えば10℃/分の速度で昇温したときの結晶融解ピークにおける補外融解開始温度(Tim)を、融点(℃)とすることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体と、[B]酸発生剤とを含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[C]酸拡散制御体、[A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい重合体(以下、「[D]重合体」ともいう)及び/又は溶媒(以下、「[E]溶媒」ともいう)を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体に加えて[B]酸発生剤を含有することで、LWR性能、CDU性能、MEEF性能及び解像性(以下、「LWR性能等」ともいう)に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで、上記効果を備える理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、当該感放射線性樹脂組成物の[B]酸発生剤は、放射線の照射によりスルホン酸を発生するものであり、この発生するスルホン酸の融点が上記特定温度以上である。このような融点が高い酸発生剤は、酸の拡散長が適度に短くなると考えられる。その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能、CDU性能、MEEF性能及び解像性が向上する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物によれば、放射線の照射により[B]酸発生体等から生じる酸により露光部の[A]重合体の酸解離性基が解離して、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差異が生じ、その結果、レジストパターンを形成することができる。[A]重合体は、通常、当該感放射線性樹脂組成物におけるベース重合体となる。「ベース重合体」とは、レジストパターンを構成する重合体のうちの最も含有率が大きい重合体であって、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上を占める重合体をいう。
[A]重合体は、構造単位(I)以外にも、フェノール性水酸基を含む第2構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造若しくはこれらの組み合わせを含む構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう)、及び/又はアルコール性水酸基を含む構造単位(以下、「構造単位(IV)」ともいう)を有することが好ましく、構造単位(I)〜(IV)以外のその他の構造単位を有していてもよい。[A]重合体はこれらの構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、酸解離性基を含む構造単位である。構造単位(I)としては、例えば下記式(2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)等が挙げられる。[A]重合体は、構造単位(I)を1種又は2種以上有していてもよい。以下、構造単位(I−1)について説明する。
(構造単位(I−1))
構造単位(I−1)は、下記式(2)で表される構造単位である。
Figure 2018028574
上記式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。
「炭化水素基」には、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
としては、構造単位(I−1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
、R及びRで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。これらの中で、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基及びi−プロピル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環の1価の脂環式飽和炭化水素基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環の1価の脂環式不飽和炭化水素基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環の1価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の多環の1価の脂環式不飽和炭化水素基などが挙げられる。これらの中で単環の1価の脂環式飽和炭化水素基及び多環の1価の脂環式飽和炭化水素基が好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基がより好ましい。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、メチルアントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
及びRの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環の飽和脂環構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環の飽和脂環構造等が挙げられる。これらの中で、炭素数5〜8の単環の飽和脂環構造及び炭素数7〜12の多環の飽和脂環構造が好ましく、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロオクタン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造及びテトラシクロドデカン構造がより好ましく、シクロペンタン構造、アダマンタン構造及びテトラシクロドデカン構造がさらに好ましい。
構造単位(I−1)としては、例えば下記式(2−1)〜(2−6)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1−1)〜(I−1−6)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2018028574
上記式(2−1)〜(2−6)中、R〜Rは、上記式(2)と同義である。
上記式(2−1)中、iは、1〜4の整数である。
上記式(2−3)中、jは、1〜4の整数である。
上記式(2−6)中、R6’、R7’及びR7’は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
iとしては、1〜3が好ましく、1及び2がより好ましい。
構造単位(I)としては、構造単位(I−1−1)、(I−1−2)、(I−1−4)及び(I−1−5)が好ましい。
構造単位(I−1)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2018028574
Figure 2018028574
上記式中、Rは、上記式(2)と同義である。
構造単位(I)としては、1−アルキル−単環飽和脂環−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−アルキル−多環飽和脂環−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び2−(飽和脂環−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位が好ましく、1−エチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−エチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−エチル−テトラシクロドデカン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましく、55モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び感度をさらに向上させることができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、フェノール性水酸基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(II)をさらに有することで現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、レジストパターン形成方法における露光工程で照射する放射線として、KrFエキシマレーザー光、EUV、電子線等を用いる場合には、[A]重合体が構造単位(II)を有することで、感度をより高めることができる。
構造単位(II)としては例えば下記式(3)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2018028574
上記式(3)中、R12は、水素原子又はメチル基である。R13は、炭素数1〜20の1価の有機基である。pは、0〜3の整数である。pが2又は3の場合、複数のR13は同一でも異なっていてもよい。qは、1〜3の整数である。但し、p+qは、5以下である。
上記R12としては、構造単位(II)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記R13で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間に2価のヘテロ原子含有基を含む基(α)、上記炭化水素基及び基(α)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記式(2)のR、R及びRとして例示した同じものと同様の基等が挙げられる。
2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−S−、−CS−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。
1価のヘテロ原子含有基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。
上記pとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記qとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
構造単位(II−1)としては、例えば下記式(3−1)〜(3−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1−1)〜(II−1−4)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2018028574
上記式(3−1)〜(3−4)中、R12は、上記式(3)と同義である。
構造単位(II)としては、構造単位(II−1)が好ましく、構造単位(II−1−1)及び構造単位(II−1−2)がより好ましく、構造単位(II−1−1)がさらに好ましい。
[A]重合体が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は、LWR性能等をさらに向上させることができる。
なお、構造単位(II)は、ヒドロキシスチレンの−OH基の水素原子をアセチル基等で置換した単量体などを重合した後、得られた重合体を、アミン等の塩基存在下で加水分解反応を行うこと等により形成することができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(III)をさらに有することで現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2018028574
Figure 2018028574
Figure 2018028574
Figure 2018028574
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(III)としては、ラクトン構造を有する構造単位が好ましく、ラクトン構造含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましく、ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、シアノノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、7−オキシノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及びγ−ブチロラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がさらに好ましい。
[A]重合体が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]重合体における全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、65モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]重合体は現像液への溶解性をさらに適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上させることができる。また、得られるレジストパターンと基板との密着性をさらに向上させることができる。
[構造単位(IV)]
構造単位(IV)は、アルコール性水酸基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(IV)を有することで、現像液への溶解性をより適度に調製することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能をより向上させることができる。また、レジストパターンの基板への密着性をより高めることができる。
構造単位(IV)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2018028574
上記式中、RL2は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(IV)としては、ヒドロキシアダマンチル基を含む構造単位が好ましく、3−ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
[A]重合体が構造単位(IV)を有する場合、構造単位(IV)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、15モル%がさらに好ましく、20モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、70モル%が好ましく、60モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましい。構造単位(IV)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]重合体は現像液への溶解性をさらに適度に調製することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能をさらに向上することができる。また、レジストパターンの基板への密着性をさらに高めることができる。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(IV)以外にもその他の構造単位を有してもよい。上記その他の構造単位としては、例えばケトン性カルボニル基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基又はこれらの組み合わせを含む構造単位、非解離性の1価の脂環式炭化水素基を含む(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位等が挙げられる。その他の構造単位の含有割合の上限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。
[A]重合体の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。「全固形分」とは、当該感放射線性樹脂組成物中の[E]溶媒以外の成分の総和をいう。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤などが挙げられる。これらの中で、AIBN及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル重合開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;
クロロブタン、ブロモヘキサン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコールなどが挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
重合における反応温度の下限としては、40℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。重合における反応時間の下限としては、1時間が好ましく、2時間がより好ましい。上記反応時間の上限としては、48時間が好ましく、24時間がより好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、3,000がより好ましく、4,000がさらに好ましく、5,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、10,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗工性を向上させることができ、その結果、LWR性能をより向上させることができる。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)の下限としては、通常1であり、1.1が好ましい。上記比の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましく、1.5が特に好ましい。
本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるGPCを用いて測定される値である。
GPCカラム:例えば東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[B]酸発生剤>
[B]酸発生剤は、放射線の照射によりスルホン酸(以下、「スルホン酸(I)」ともいう)を発生し、このスルホン酸(I)の融点が769K以上である。
スルホン酸(I)の融点の下限は769Kであり、780Kが好ましく、800Kがより好ましく、825Kがさらに好ましく、840Kが特に好ましく、850Kがさらに特に好ましく、860Kが最も好ましい。上記融点の上限としては、1,000Kが好ましく、950Kがより好ましい。スルホン酸(I)の融点を上記範囲とすることで、[B]酸発生剤から発生するスルホン酸の酸拡散長がより適度になると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
スルホン酸(I)としては、スルホ基に隣接する炭素原子を有し、この炭素原子にフッ素原子及びフッ素化炭化水素基の少なくとも一方が結合していることが好ましい。スルホン酸(I)は、このような構造を有することで、より強い酸とすることができ、その結果、[A]重合体の酸解離性基を、より容易に解離させることができる。
スルホン酸(I)の分子量の下限としては、500が好ましく、600がより好ましく、700がさらに好ましい。上記分子量の上限としては、2,000が好ましく、1,5000がより好ましく、1,300がさらに好ましい。スルホン酸(I)は、分子量を上記範囲とすることで、レジスト膜における酸拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
スルホン酸(I)は、環を有することが好ましい。また、この環の総数が7以上であることがより好ましい。上記環としては、例えば脂環、脂肪族複素環、芳香族炭素環、芳香族複素環等が挙げられる。また、この場合の環の数としては、原子が環状に結合している単環を1つの環と数え、例えば多環であるビシクロ環は環を2つ有すると数える。この環の総数の下限としては、8が好ましく、9がさらに好ましい。スルホン酸(I)は、上記構造を有することで、レジスト膜における酸拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
スルホン酸(I)としては、例えば下記式(b1)〜(b20)で表される化合物(以下、「スルホン酸(b1)〜(b20)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2018028574
Figure 2018028574
これらの中で、スルホン酸(b1)〜(b4)、(b7)、(b9)、(b13)及び(b20)が好ましい。
[B]酸発生剤としては、例えば感放射線性オニウムカチオンとアニオンとを含み、このアニオンがスルホン酸からプロトンを除いたものである化合物(以下、「[B1]酸発生剤」ともいう)、ジスルホニルジアゾメタン化合物(以下、「[B2]酸発生剤」ともいう)、N−スルホニルオキシイミド化合物(以下、「[B3]酸発生剤」ともいう)等が挙げられる。
[B1]酸発生剤における感放射線性オニウムカチオン及びアニオンは共に1価であることが好ましい。[B1]酸発生剤における感放射線性オニウムカチオン及びアニオンが共に1価であることで、[B1]酸発生剤から発生するスルホン酸(I)の酸拡散長がさらに適度に短くなり、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上させることができる。
[B1]酸発生剤としては、例えば下記式(1−1)で表される化合物等が、[B2]発生剤としては、例えば下記式(1−2)で表される化合物等が、[B3]酸発生剤としては、例えば下記式(1−3)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018028574
上記式(1−1)中、Rは、スルホン酸(I)から−SOHを除いた1価の基である。Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
上記式(1−2)中、R及びRは、それぞれ独立して、スルホン酸(I)から−SOHを除いた1価の基である。
上記式(1−3)中、Rは、スルホン酸(I)から−SOHを除いた1価の基である。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する−CO−N−CO−と共に構成される環員数4〜20の環構造を表す。
[B1]酸発生剤としては、例えば下記式(b−1−1)〜(b−1−20)で表される化合物(以下「酸発生剤(b−1−1)〜(b−1−20)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2018028574
Figure 2018028574
上記式(b−1−1)〜(b−1−20)中、Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
これらの中で、酸発生剤(b−1−1)〜(b−1−4)、(b−1−7)、(b−1−9)、(b−1−13)及び(b−1−20)が好ましい。
[B1]酸発生剤における感放射線性オニウムカチオンとしては例えばスルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等が挙げられる。
1価のスルホニウムカチオンとしては、例えば下記式(X−1)で表されるカチオン等が、1価のテトラヒドロチオフェニウムカチオンとしては、例えば下記式(X−2)で表されるカチオン等が、1価のヨードニウムカチオンとしては、例えば下記式(X−3)で表されるカチオン等が挙げられる。
Figure 2018028574
上記式(X−1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra1〜Ra3並びにR及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa1〜Ra3並びにR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(X−2)中、Ra4は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は、0〜7の整数である。Ra4が複数の場合、複数のRa4は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRa4は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Ra5は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Ra5が複数の場合、複数のRa5は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRa5は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。rは、0〜3の整数である。Ra6は、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。tは、0〜2の整数である。
上記式(X−3)中、Ra7及びRa8は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra7、Ra8、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa7、Ra8、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
a1〜Ra3、Ra4、Ra5、Ra7及びRa8で表されるアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基;
i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の分岐状アルキル基などが挙げられる。
a1〜Ra3、Ra4及びRa5で表される芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
a4及びRa5で表される芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
a6で表される2価の有機基としては、例えば上記式(a−3)のRの1価の有機基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
a1〜Ra3、Ra4、Ra5、Ra7及びRa8としては、非置換のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”及び−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基及び非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
式(X−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。rとしては、2及び3が好ましく、2がより好ましい。tとしては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。式(X−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
としては、これらの中で、カチオン(X−1)及びカチオン(X−2)が好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン及び4−ブトキシナフタレン−1−イルテトラヒドロチオフェニウムカチオンがより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、[B]酸発生剤を1種含有していてもよく、複数含有していてもよい。
<[B]酸発生剤の合成方法>
[B]酸発生剤は、例えば下記式(1−1−a)又は(1−1−b)で表される化合物の場合、下記のそれぞれのスキームに従い、容易かつ収率よく合成することができる。
Figure 2018028574
上記スキーム中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の2価の炭化水素基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Rは、炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基である。Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
で表される炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、例えばジベンゾビシクロ[2.2.2]オクタン−1,2−ジイル基、ベンゾパーヒドロアントラセン−11,12−ジイル基等が挙げられる。このようなRを有する化合物(b−m1)は、例えばアントラセンと無水マレイン酸とのディールス・アルダー反応等により得ることができる。
化合物(b−m1)と、R−OHで表される化合物とを、硫酸等の酸触媒存在下、テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒中で反応することにより、化合物(b−m2)が得られる。次に、この化合物(b−m2)に塩化オキサリル等の塩素化剤を、ジクロロメタン等の溶媒中で反応させた後、化合物(b’−m1)と、トリエチルアミン等の塩基存在下、ジクロロメタン中で反応させることにより、化合物(b−m3)が得られる。次いで、XClで表される感放射線性オニウムカチオン塩を、ジクロロメタン/水溶媒中で反応させることにより、化合物(1−1−a)が得られる。
Figure 2018028574
上記スキーム中、Rは、−CH−、−S−又は−O−である。Rは、炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基である。Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基である。Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
化合物(b−n1)に、化合物(b’−n1)とを、トルエン等の溶媒中で反応させることにより、化合物(b−n2)が得られる。この化合物(b−n2)に、過ヨウ素酸ナトリウムを、三塩化ルテニウム等の触媒存在下、水、アセトニトリル及び酢酸エチル等の混合溶媒中で反応させることにより、炭素−炭素に重結合が開裂し、化合物(b−n3)が得られる。次に、化合物(b−n3)に、化合物(b’−n2)を、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒存在下、反応させることにより化合物(b−n4)が得られる。次いで、この化合物(b−n4)に、亜ジチオン酸ナトリウムを、アセトニトリル/水等の混合溶媒中で反応させることにより、化合物(b−n5)が得られる。この化合物(b−n5)に、過酸化水素を、タングステン酸(IV)ナトリウム等の触媒存在下に反応させることにより、化合物(b−n6)が得られる。そして、化合物(b−n6)に、XClで表される感放射線性オニウムカチオン塩を、水等の溶媒中で反応させることにより、化合物(1−1−b)が得られる。
得られた生成物を、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留等により適切に精製することにより、化合物(1−1−a)及び(1−1−b)を単離することができる。
上記化合物以外の[B]酸発生剤についても、上記同様の方法により合成することができる。
<[C]酸拡散制御体>
当該感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、[C]酸拡散制御体を含有してもよい。[C]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生剤から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。また、感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上すると共に、レジストとしての解像度がより向上する。さらに、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。[C]酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物(以下、適宜「[C]酸拡散制御剤」という)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[C]酸拡散制御剤としては、例えば窒素含有化合物、光崩壊性塩基等が挙げられる。
[窒素含有化合物]
窒素含有化合物は、窒素原子を有する化合物である。窒素含有化合物としては、例えば下記式(4)で表される化合物(以下、「窒素含有化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「窒素含有化合物(II)」ともいう)、窒素原子を3個有する化合物(以下、「窒素含有化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
Figure 2018028574
上記式(4)中、R20、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
窒素含有化合物(I)としては、例えばn−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
窒素含有化合物(II)としては、例えばエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
窒素含有化合物(III)としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類;N−プロピルモルホリン、N−(ウンデシルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
窒素含有化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素有機化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニルピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
[光崩壊性塩基]
光崩壊性塩基は、露光により感光し弱酸を発生する化合物である。光崩壊性塩基は、露光部において、露光により分解して酸拡散制御性を失うので、高性能の酸拡散制御性を発揮することができる。当該感放射線性樹脂組成物は、[C]酸拡散制御剤として光崩壊性塩基を含有することにより、LWR性能等をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物は、後述する[D]重合体を含有する場合に、光崩壊性塩基を含有ことにより、LWR性能等をさらに向上させることができる。
光崩壊性塩基としては、例えば露光により分解するオニウム塩化合物等が挙げられ、このオニウム塩化合物としては、例えば下記式(5−1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(5−2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 2018028574
上記式(5−1)及び式(5−2)中、R23〜R27は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。E及びQは、それぞれ独立して、OH、Rβ−COO、Rβ−SO 又は下記式(5−3)で表されるアニオンである。但し、Rβは、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Figure 2018028574
上記式(5−3)中、R28は、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のフッ素化アルキル基又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。uは、0〜2の整数である。uが2の場合、2つのR28は同一でも異なっていてもよい。
光崩壊性塩基としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018028574
光崩壊性塩基としては、これらの中で、スルホニウム塩が好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウムサリチレート及びトリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートがさらに好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物が[C]酸拡散制御剤を含有する場合、[C]酸拡散制御剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。
<[D]重合体>
[D]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい重合体である。当該感放射線性樹脂組成物が、[D]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、膜中の含フッ素重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があり、液浸露光時における酸発生剤や酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[D]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
[D]重合体のフッ素原子含有率の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、4質量%がさらに好ましく、7質量%が特に好ましい。上記フッ素原子含有率の上限としては、60質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。重合体のフッ素原子含有率(質量%)は、13C−NMRスペクトル測定等により重合体の構造を求め、その構造から算出することができる。
[D]重合体としては、下記構造単位(Da)、下記構造単位(Db)及びこれらの組み合わせを有することが好ましい。[DE]重合体は、構造単位(Da)及び構造単位(Eb)をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。
[構造単位(Da)]
構造単位(Da)は、下記式(6a)で表される構造単位である。[D]重合体は、構造単位(Da)を有することでフッ素原子含有率を調整することができる。
Figure 2018028574
上記式(6a)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−O−、−SO−O−NH−、−CO−NH−又は−O−CO−NH−である。Rは、炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の1価のフッ素化脂肪族脂環式炭化水素基である。
で表される炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えばトリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロn−プロピル基、パーフルオロi−プロピル基、パーフルオロn−ブチル基、パーフルオロi−ブチル基、パーフルオロt−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
で表される炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基としては、例えばモノフルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、モノフルオロシクロヘキシル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロヘキシルメチル基、フルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、フルオロボルニル基、フルオロイソボルニル基、フルオロトリシクロデシル基、フルオロテトラシクロデシル基等が挙げられる。
構造単位(Da)を与える単量体としては、例えばトリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、モノフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、ジフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、モノフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリル酸エステル、ジフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロノルボルニル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロアダマンチル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロボルニル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロイソボルニル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロトリシクロデシル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロテトラシクロデシル(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらの中で、2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
[D]重合体が構造単位(Da)を有する場合、構造単位(Da)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、95モル%が好ましく、75モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。このような含有割合にすることによって液浸露光時においてレジスト膜表面のより高い動的接触角を発現させることができる。
[構造単位(Db)]
構造単位(Db)は、下記式(6b)で表される構造単位である。[D]重合体は、構造単位(Db)を有することで疎水性が上がるため、当該感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面の動的接触角をさらに向上させることができる。
Figure 2018028574
上記式(6b)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R29は、炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基であり、R29のR30側の末端に酸素原子、硫黄原子、−NR’−、カルボニル基、−CO−O−又は−CO−NH−が結合された構造のものも含む。R’は、水素原子又は1価の有機基である。R30は、単結合、炭素数1〜10の2価の鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基である。Xは、炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基である。Aは、酸素原子、−NR”−、−CO−O−*又は−SO−O−*である。R”は、水素原子又は1価の有機基である。*は、R31に結合する結合部位を示す。R31は、水素原子又は1価の有機基である。sは、1〜3の整数である。但し、sが2又は3の場合、複数のR30、X、A及びR31はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
31が水素原子である場合には、[D]重合体のアルカリ現像液に対する溶解性を向上させることができる点で好ましい。
31で表される1価の有機基としては、例えば酸解離性基、アルカリ解離性基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基等が挙げられる。
構造単位(Db)としては、例えば下記式(6b−1)〜(6b−3)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2018028574
上記式(6b−1)〜(6b−3)中、R29’は、炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基である。R、X、R31及びsは、上記式(6b)と同義である。sが2又は3である場合、複数のX及びR31はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
[D]重合体が構造単位(Db)を有する場合、構造単位(Db)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、15モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、85モル%がより好ましく、80モル%がさらに好ましい。このような含有割合にすることによって、当該感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面は、アルカリ現像において動的接触角の低下度を向上させることができる。
[構造単位(Dc)]
[D]重合体は、構造単位(Da)及び(Db)以外にも、酸解離性基を含む構造単位(以下、「構造単位(Dc)」ともいう。)を有してもよい(但し、構造単位(Db)に該当するものを除く)。[D]重合体が構造単位(Dc)を有することで、得られるレジストパターンの形状がより良好になる。構造単位(Dc)としては、上述の[A]重合体における構造単位(I)等が挙げられる。
[D]重合体が構造単位(Dc)を有する場合、構造単位(Dc)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対し、5モル%が好ましく、25モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、75モル%がさらに好ましい。
[他の構造単位]
また、[D]重合体は、上記構造単位以外にも、例えばアルカリ可溶性基を含む構造単位、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位、脂環式基を含む構造単位等の他の構造単位を有していてもよい。上記アルカリ可溶性基としては、例えばカルボキシ基、スルホンアミド基、スルホ基等が挙げられる。ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位としては、上述の[A]重合体における構造単位(III)等が挙げられる。
他の構造単位の含有割合の上限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、30モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有する場合、[D]重合体の含有量の下限としては、[A]重合体の100質量部に対して、0.5質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。
<[E]溶媒>
[E]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生剤及び必要に応じて含有される任意成分等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[E]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば
酢酸n−ブチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
エチルラクテート等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒;
プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[E]溶媒としては、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、ヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒、ラクトン系溶媒及び環状ケトン系溶媒がより好ましく、多価アルコール部分アルキルエーテルアセテート、ラクテート、アルカノラクトン及びシクロアルカノンがさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルラクテート、γ−ブチロラクトン及びシクロヘキサノンが特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[E]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]〜[E]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。その他の任意成分としては、例えば[B]酸発生剤以外の第2感放射線性酸発生剤(以下、「他の酸発生剤」ともいう)、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物は、その他の任意成分を1種又は2種以上含有していてもよく、それぞれの成分を1種又は2種以上含有していてもよい。
[他の酸発生剤]
他の酸発生剤は、[B]酸発生剤以外の感放射線性酸発生剤である。当該感放射線性樹脂組成物は、感放射線性酸発生剤として、[B]酸発生剤以外の化合物を含有することができる。他の酸発生剤から放射線の照射により発生する酸がスルホン酸の場合、このスルホン酸の融点は769K未満である。
他の酸発生剤から発生するスルホン酸としては、例えばノナフルオロn−ブタン−1−スルホン酸、2−(ノルボルナンラクトン−2−イルカルボニルオキシ)−1,1−ジフルオロエタン−1−スルホン酸、2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホン酸等が挙げられる。他の酸発生剤としては、例えばトリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホネート、N−(2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−3,3,3−トリフルオロプロパン−1−スルホニルオキシ)−ジシクロ[2.2.1]オクト−2−エン−5,6−ジカルボニルイミド等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物が他の酸発生剤を含有する場合、他の酸発生剤の含有量の下限としては、[B]酸発生剤100質量部に対して、10質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、70質量部がさらに好ましく、100質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、500質量部が好ましく、300質量部がより好ましく、200質量部がさらに好ましく、150質量部が特に好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、他の酸発生剤を含有してもよく、他の酸発生剤を含有せず、感放射線性酸発生剤として[B]酸発生剤のみを含有していてもよい。すなわち、当該感放射線性樹脂組成物の感放射線性酸発生剤から発生するスルホン酸のうちの一部の融点が769K以上であってもよく、感放射線性酸発生剤から発生するスルホン酸の全ての融点が769K以上であってもよい。
[界面活性剤]
界面活性剤は、塗工性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、信越化学工業社の「KP341」、共栄社化学社の「ポリフローNo.75」、「同No.95」、トーケムプロダクツ社の「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」、DIC社の「メガファックF171」、「同F173、住友スリーエム社の「フロラードFC430」、「同FC431」、旭硝子工業社の「アサヒガードAG710」、「サーフロンS−382」、「同SC−101」、「同SC−102」、「同SC−103」、「同SC−104」、「同SC−105」、「同SC−106」等が挙げられる。界面活性剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、2質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。
[脂環式骨格含有化合物]
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
[増感剤]
増感剤は、[B]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。これらの増感剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。増感剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、2質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生剤及び必要に応じて[C]酸拡散制御体等の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは、得られた混合液を、例えば孔径0.2μm程度のフィルターで濾過することにより調製することができる。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましい。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、当該感放射線性樹脂組成物を基板の一方の面側に塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)と、上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)とを備える。
当該レジストパターン形成方法によれば、上述した当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、優れたMEEF性能を発揮して、LWR及びCDUが小さく、かつ解像度が高いレジストパターンを形成することができる。以下、各工程について説明する。
[塗工工程]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物を基板の一方の面側に塗工する。これにより、レジスト膜を形成する。当該感放射線性樹脂組成物を塗工する基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆したウェハ等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物の塗工方法としては、特に限定されないが、例えばスピンコート法等の公知の方法等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物を塗工する際には、形成されるレジスト膜が所望の厚みとなるように、塗工する当該感放射線性樹脂組成物の量を調整する。なお当該感放射線性樹脂組成物を基板上に塗工した後、溶媒を揮発させるためにプレベーク(以下、「PAB」ともいう)を行ってもよい。PABの温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。PABの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。レジスト膜の平均厚みの下限としては、10nmが好ましく、20nmがより好ましく、50nmがさらに好ましい。上記平均厚みの上限としては、1,000nmが好ましく、200nmがより好ましく、150nmがさらに好ましい。
[露光工程]
本工程では、上記塗工工程により得られたレジスト膜を露光する。この露光は、場合によっては、水等の液浸露光液を介し、所定のパターンを有するマスクを介して放射線を照射することにより行う。
液浸露光液としては、通常、空気より屈折率の大きい液体を使用する。具体的には、例えば純水、長鎖又は環状の脂肪族化合物等が挙げられる。この液浸露光液を介した状態、すなわち、レンズとレジスト膜との間に液浸露光液を満たした状態で、露光装置から放射線を照射し、所定のパターンを有するマスクを介してレジスト膜を露光する。
上記放射線としては、使用される感放射線性酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)等の遠紫外線、極端紫外線(Extreme Ultraviolet(EUV)、13.5nm)、X線等の電磁波、電子線、α線等の荷電粒子線等から適宜選定されて使用されるが、これらの中で、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光、EUV、X線及び電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV及び電子線がより好ましく、EUV及び電子線がさらに好ましい。なお、露光量等の露光条件は、当該感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定することができる。
露光後のレジスト膜に対し、加熱処理(以下、「露光後加熱(ポストエクスポージャーベーク、PEB)」ともいう)を行うことが好ましい。このPEBにより、[A]重合体等の酸解離性基の解離反応を円滑に進行させることができる。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜調整されるが、PEBの温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましく、70℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましく、120℃がさらに好ましい。PEBの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
また、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特公平6−12452号公報、特開昭59−93448号公報等に開示されているように、使用される基板上に有機系又は無機系の反射防止膜を形成しておくこともできる。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特開平5−188598号公報等に開示されているように、レジスト膜上に保護膜を設けることもできる。
[現像工程]
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。この現像に用いる現像液としては、例えばアルカリ水溶液(アルカリ現像液)、有機溶媒を含有する液(有機溶媒現像液)等が挙げられる。これにより、所定のレジストパターンが形成される。
アルカリ現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
有機溶媒現像液としては、例えば炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する液が挙げられる。有機溶媒としては、例えば上述の感放射線性樹脂組成物の[E]溶媒として例示した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。有機溶媒現像液中の有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。有機溶媒現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
これらの現像液は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、現像後は、水等で洗浄し、乾燥することが一般的である。
[感放射線性酸発生剤]
当該感放射線性酸発生剤は、放射線の照射によりスルホン酸を発生する感放射線性酸発生剤であって、上記スルホン酸の融点が769Kであることを特徴とする。
当該感放射線性酸発生剤は、当該感放射線性樹脂組成物の酸発生剤成分として好適に用いることができ、これを含有する感放射線性樹脂組成物は、LWR性能、CDU性能、MEEF性能及び解像性に優れる。当該感放射線性酸発生剤については、上述の当該感放射線性樹脂組成物の[B]酸発生剤として説明している。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分散度(Mw/Mn)]
GPCカラム(東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
H−NMR分析及び13C−NMR分析]
核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−Delta400」)を用いて測定した。
<感放射線性酸発生剤の合成>
[実施例1](酸発生剤(B−1)の合成)
窒素置換した500mLのナス型フラスコに、無水マレイン酸4.9g(50mmol)、アントラセン8.9g(50mmol)及びトルエン200mLを仕込み、120℃のオイルバスで20時間加熱撹拌した。反応終了後、放冷し、析出した固体を5℃〜10℃に冷却したトルエンで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥し、下記式(I−1)で表される前駆体12.0gを得た。
Figure 2018028574
次に、上記得られた前駆体(I−1)12.0g、5−ヒドロキシアダマンタン−2−オン7.3g(44mmol)、テトラヒドロフラン300mL及び硫酸10gを仕込み、室温で15時間撹拌した。炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加えて反応をクエンチし、塩酸を添加してpHが2の酸性にした。次に、酢酸エチル300mLで抽出した後、溶媒を留去した。得られた濃縮物をジクロロメタン200mLで希釈し、ジメチルホルムアミド1mLを加えた後、氷浴で5℃以下まで冷却し、塩化オキサリル5.6g(44mmol)のジクロロメタン溶液100mLを20分かけて滴下した。次いで、別途用意した1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸ナトリウム8.1g(44mmol)及びトリエチルアミン5.1g(50mmol)の200mLジクロロメタン溶液に上記得られた反応溶液を滴下し、室温で12時間撹拌した。超純水を400mL加えて反応をクエンチし、酢酸エチル400mLで抽出した。有機層を超純水200mLで2回洗浄し、溶媒を留去した。次に、ジクロロメタン200mL、超純水200mL及びトリフェニルスルホニウムクロリド11.9g(40mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。得られた生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、下記式(B−1)で表される化合物24.0gを得た(収率65%)。
Figure 2018028574
[実施例2〜4](酸発生剤(B−2)〜(B−4)の合成)
前駆体を適宜選択し、実施例1と同様の操作を行うことによって、下記式(B−2)〜(B−4)で表される酸発生剤を合成した。
Figure 2018028574
[実施例5](酸発生剤(B−5)の合成)
シクロペンタジエン108.5g及び1−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロ−3−ブテン322.4gをオートクレーブに入れ、重合禁止剤としての4−メトキシフェノール0.3gをトルエン5mLに溶解した溶液を加えて、170℃で5時間攪拌した後、85℃、25mmHgにて減圧蒸留して精製することにより、下記式(I−2)で表される前駆体326gを得た。
Figure 2018028574
温度計及びコンデンサーを備えたガラスのフラスコに、上記得られた前駆体(I−2)15.0g(54.9mmol)、水165g、アセトニトリル110g、酢酸エチル110g及び三塩化ルテニウム228mg(1.10mmol)を投入し、氷浴中で15分攪拌した。その後、過ヨウ素酸ナトリウム48.2g(225mmol)を、系内が20℃を超えないように注意しながら投入し、30分攪拌を続けた。その後、さらに室温で2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィーで原料消失を確認し、反応終了とした。
反応終了後、析出した塩をろ過で取り除き、得られたろ液を150mLの酢酸エチルで2回抽出後、得られた有機層を100mLずつの0.5M塩酸で6回、100mLの飽和食塩水で1回洗浄を行い、溶媒を留去することで、下記式(I−3)で表される前駆体17.9gを得た(収率97%)。
Figure 2018028574
ガラスのフラスコに、上記得られた前駆体(I−3)3.00g(8.90mmol)、5−ヒドロキシアダマンタン−2−オン260g及びp−トルエンスルホン酸0.300gを投入し、ディーンスターク装置を用いて10時間還流させた。その後、溶媒を留去した後、酢酸エチル100mLを加え、得られた有機層を50mLずつの炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、50mLの飽和食塩水で1回洗浄した。洗浄した後、有機層の溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、下記式(I−4)で表される前駆体4.3gを得た(収率63%)。
Figure 2018028574
温度計及びコンデンサーを備えたガラスのフラスコに、上記得られた前駆体(I−4)4.2g(5.5mmol)、炭酸水素ナトリウム0.920g(11.0mmol)、亜ジチオン酸ナトリウム1.62g(9.30mmol)、アセトニトリル15mL及び水15mLを投入し、50℃で8時間攪拌した。その後、アセトニトリルを減圧留去し、これ以上の精製をせずに下記式(I−5)で表される前駆体の粗生成物の水溶液を得て、次の反応に用いた。
Figure 2018028574
温度計及びコンデンサーを備えたガラスのフラスコに、上記得られた前駆体(I−5)の粗生成物の水溶液と、触媒量のタングステン酸(IV)ナトリウム2水和物を投入した後、35質量%過酸化水素水3.00gを滴下し、室温にて5時間攪拌した。反応終了後、さらに水を20mL加え、水層を30mLのジクロロメタンで5回洗浄し、下記式(I−6)で表される前駆体の水溶液を得て、次の反応に用いた。
Figure 2018028574
温度計及びコンデンサーを備えたガラスのフラスコに、上記得られた前駆体(I−6)の水溶液と、トリフェニルスルホニウムクロライド1.31g(4.38mmol)とを投入し、室温で6時間攪拌した。その後、反応液を30mLずつのジクロロメタンで3回抽出し、得られた有機層を100mLずつの水で6回洗浄した。ジクロロメタンを減圧留去することで、下記式(B−5)で表される酸発生剤2.15gを得た。
Figure 2018028574
[実施例6〜8](酸発生剤(B−6)〜(B−8)の合成)
前駆体を適宜選択し、実施例5と同様の操作を行うことによって、下記式(B−6)〜(B−8)で表される酸発生剤を合成した。
Figure 2018028574
<重合体の合成>
[A]重合体及び[D]重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。
Figure 2018028574
[[A]重合体の合成]
[合成例1](重合体(A−1)の合成)
上記化合物(M−1)4.97g(30モル%)、化合物(M−2)7.30g(30モル%)、化合物(M−5)3.75g(20モル%)及び化合物(M−7)3.99g(20モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.69g(全単量体に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次に、20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。400gのメタノール中に冷却した重合反応液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を80gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を合成した(収量15.0g、収率74.8%)。重合体(A−1)のMwは6,300、Mw/Mnは1.39であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)、(M−2)、(M−5)及び(M−7)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ33.3モル%、25.5モル%、19.4モル%及び21.8モル%であった。
[合成例2](重合体(A−2)の合成)
下記表1に示す種類及び使用量の各単量体を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行うことによって、重合体(A−2)を合成した。
[合成例3](重合体(A−3)の合成)
上記化合物(M−1)54.8g(50モル%)及び化合物(M−10)45.2g(50モル%)、ラジカル重合開始剤としてのAIBN4.6g、並びにt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル100gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合反応させた。重合反応終了後、重合反応液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、得られた重合体に、プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、さらに、メタノール150g、トリエチルアミン34g及び水6gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−3)を得た(収量65.6g、収率74.3%)。重合体(A−3)のMwは6,500、Mw/Mnは1.75であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)及びp−ヒドロキシスチレンに由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ52.2モル%及び47.8モル%であった。
[[D]重合体の合成]
[合成例4](重合体(D−1)の合成)
上記化合物(M−1)73.2g(70モル%)及び化合物(M−9)26.9g(30モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN4.37g(全単量体に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次に、100gの2−ブタノンを入れた500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。アセトニトリル400gに溶媒を置換した後、ヘキサン100gを加えて撹拌し、アセトニトリル層を回収する作業を3回繰り返した。次いで、溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換することで、重合体(D−1)72.2gを含む溶液を得た(収率72.2%)。重合体(D−1)のMwは7,300、Mw/Mnは2.00であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)及び(M−9)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ71.1モル%及び28.9モル%であった。
Figure 2018028574
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物を構成する[A]重合体及び[D]重合体以外の成分について示す。
[[B]酸発生剤]
上記合成した酸発生剤(B−1)〜(B−8)。
下記式(CB−1)〜(CB−6)で表される化合物。
Figure 2018028574
[[C]酸拡散制御剤]
C−1:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
C−2:N−(n−ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン
C−3:トリフェニルスルホニウムサリチレート
[[E]溶媒]
E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
E−2:シクロヘキサン
E−3:γ−ブチロラクトン
E−4:エチルラクテート
[ArF露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例9]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)10質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)7質量部、[D]重合体としての(D−1)3質量部並びに[E]溶媒としての(E−1)2,240質量部、(E−2)960質量部及び(E−3)30質量部を混合し、0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
[実施例10〜24及び比較例1〜5]
下記表2に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例9と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J−2)〜(J−16)及び(CJ−1)〜(CJ−5)を調製した。
Figure 2018028574
<レジストパターンの形成>
[実施例25〜40及び比較例6〜10]
[レジストパターンの形成(1)](ArF露光、有機溶媒現像、ホールパターン)
12インチのシリコンウェハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗工した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚み105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して感放射線性樹脂組成物を塗工し、100℃で50秒間PABを行った。その後23℃で30秒間冷却し、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(ASML社の「TWINSCAN XT−1900i」)を用い、NA=1.35、Annular(σ=0.8/0.6)の光学条件にて、58nmホール96nmピッチのレジストパターン形成用のマスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で50秒間PEBを行った。その後、酢酸n−ブチルを用い、23℃で10秒間パドル現像を行い、2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、48nmホール96nmピッチのレジストパターンを形成した。この48nmホール96nmピッチのレジストパターンを形成する露光量を最適露光量(Eop1)とした。
[レジストパターンの形成(2)](ArF露光、アルカリ現像、ラインアンドスペースパターン)
12インチのシリコンウェハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚み105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して感放射線性樹脂組成物を塗工し、100℃で50秒間PABを行った。その後23℃で30秒間冷却し、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(ASML社の「TWINSCAN XT−1900i」)を用い、NA=1.35、Dipole35X(σ=0.97/0.77)の光学条件にて、38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターン形成用のマスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で50秒間PEBを行った。その後、2.38質量%TMAH水溶液を用い、23℃で30秒間パドル現像を行い、次いで、超純水を用いて7秒間リンスし、その後、2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターンを形成した。この38nmラインアンドスペースのレジストパターンを形成する露光量を最適露光量(Eop2)とした。
<評価>
上記形成したレジストパターンについて、下記方法に従って測定することにより、感放射線性樹脂組成物の評価を行った。評価結果を下記表3に示す。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−5000」)を用いた。
[CDU性能]
上記で求めたEop1の露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。400nm四方の範囲でホール径を16点測定してその平均値を求め、その平均値を任意のポイントで計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをCDU性能(nm)とした。CDU性能は、その値が小さいほど、長周期でのホール径のばらつきが小さく良好である。CDU性能は、4.7nm以下の場合は「良好」と、4.7nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[MEEF性能]
上記で求めたEop1の露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。400nm四方の範囲でホール径を16点測定してその平均値を求め、その平均値を任意のポイントで計100点測定し、平均のホール径を算出した。同様の測定をマスクサイズが1nm刻みで異なる5条件にて実施し、マスク変化量に対するホール径変化量をMEEF性能とした。MEEF性能は、その値が小さいほど、マスク忠実性があり良好である。MEEF性能は、3.8以下の場合は「良好」と、3.8を超える場合は「不良」と評価できる。
[LWR性能]
上記で求めたEop2の露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅のばらつきを計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど、ラインのがたつきが小さく良好である。LWR性能は、3.5nm以下の場合は「良好」と、3.5nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[スルホン酸の融点]
[B]酸発生剤から発生するスルホン酸の融点は、ソフトウェアパッケージ「ChemBioDraw Ultra 13.0」を用いて計算により算出した。[B]酸発生剤のアニオンにプロトンを加えた構造を上記ソフトウェアで記述し、「Chemical Properties Window」上に表示される「Melting Point」の値を融点(K)とした。
Figure 2018028574
上記表3の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物は、すべてCDU性能、MEEF性能及びLWR性能が良好であった。一方、比較例の感放射線性樹脂組成物は、これらの性能がすべて不良であった。
[電子線露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例41]
[A]重合体としての(A−3)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)20質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−3)2.5質量部並びに[E]溶媒としての(E−1)4,280質量部及び(E−4)1,830質量部を混合し、0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより感放射線性樹脂組成物(J−17)を調製した。
[実施例42〜46及び比較例11〜13]
下記表4に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例35と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J−18)〜(J−22)及び(CJ−6)〜(CJ−8)を調製した。
Figure 2018028574
<レジストパターンの形成>
[実施例47〜52及び比較例14〜16]
[レジストパターンの形成(3)](電子線露光、アルカリ現像)
8インチのシリコンウェハ表面にスピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して、感放射線性樹脂組成物を塗工し、90℃で60秒間PABを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm)を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%のTMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥して90nmホール180nmピッチのレジストパターンを形成した。この90nmホール180nmピッチのレジストパターンを形成する露光量を最適露光量(Eop3)とした。
<評価>
上記形成したレジストパターンについて、上記ArF露光用感放射線性樹脂組成物のアルカリ現像におけるCDU性能及びスルホン酸の融点の評価と同様にして、また、下記方法に従い、解像性について評価した。評価結果を下記表5に示す。なお、レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社の「S−9380」)を用いた。
[解像性]
上記で求めたEop3の露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。マスクサイズを1nm刻みで小さくしていった際に、形成される最小ホール径を解像性(nm)とした。解像性は、その値が小さいほど、解像度限界が小さく、微細パターンを形成可能であり良好である。解像性は、70nm以下の場合は「良好」と、70nmを超える場合は「不良」と評価できる。
Figure 2018028574
表5の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物は、いずれもCDU性能及び解像性が良好であり、比較例の感放射線性樹脂組成物はこれらの性能がすべて不良であった。本実施例においては、レジスト膜の露光に電子線(EB)を使用しているが、EUV等の短波長放射線を使用した場合でも、基本的なレジスト特性は類似しており、それらの間に相関性があることも知られている。従って、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、EUV露光の場合においてもCDU性能及び解像性が優れていると推測される。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れたMEEF性能を発揮して、LWR及びCDUが小さく、解像度が高いレジストパターンを形成することができる。本発明の感放射線性酸発生剤は、当該感放射線性樹脂組成物の感放射線性酸発生剤成分として好適に用いることができる。従って、これらは、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造等におけるパターン形成に好適に用いることができる。

Claims (15)

  1. 酸解離性基を含む第1構造単位を有する第1重合体と、
    放射線の照射によりスルホン酸を発生する第1感放射線性酸発生剤と
    を含有し、
    上記スルホン酸の融点が769K以上である感放射線性樹脂組成物。
  2. 上記第1感放射線性酸発生剤が、感放射線性オニウムカチオンとアニオンとを含み、上記アニオンが上記スルホン酸からプロトンを除いたものである請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 上記感放射線性オニウムカチオン及び上記アニオンが共に1価である請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 上記スルホン酸がスルホ基に隣接する炭素原子を有し、この炭素原子にフッ素原子及びフッ素化炭化水素基の少なくとも一方が結合している請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. 上記スルホン酸の分子量が500以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. 上記スルホン酸が環を有し、上記環の総数が7以上である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. 上記第1重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい第2重合体をさらに含有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  8. 光崩壊性塩基をさらに含有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  9. 上記第1重合体が、フェノール性水酸基を含む第2構造単位をさらに有する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  10. 感放射線性酸発生剤として、上記第1感放射線性酸発生剤以外の第2感放射線性酸発生剤をさらに含有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  11. 感放射線性酸発生剤として、上記第1感放射線性酸発生剤のみを含有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  12. 上記スルホン酸の融点が、800K以上である請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を基板の一方の面側に塗工する工程と、
    上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する工程と、
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程と
    を備えるレジストパターン形成方法。
  14. 上記露光工程で用いる放射線が、極端紫外線又は電子線である請求項13に記載のレジストパターン形成方法。
  15. 放射線の照射によりスルホン酸を発生する感放射線性酸発生剤であって、
    上記スルホン酸の融点が769K以上であることを特徴とする感放射線性酸発生剤。
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