JP2018009054A - タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】押出加工性及び耐スコーチ性に優れたタイヤ用ゴム組成物、及び、上記タイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤを提供する。【解決手段】ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤と、カチオン界面活性剤とを含有し、上記カチオン界面活性剤がアミド結合又はカルボン酸エステル結合を有する4級アンモニウム塩であり、上記シリカの含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して50〜200質量部であり、上記シランカップリング剤の含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜15質量部であり、上記カチオン界面活性剤の含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.05〜10質量部である、タイヤ用ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤに関する。
近年、車両走行時の燃費性能を向上するため、タイヤの転がり抵抗を低減することが求められている。そのため、タイヤのトレッド部を構成するジエン系ゴムに、シリカを配合してヒステリシスロス(特に高温時のtanδ)を小さくすることにより低発熱性にし、タイヤの転がり抵抗を低減する方法が知られている。
しかし、シリカはジエン系ゴムとの親和性が低く、また、シリカ同士の凝集性が高いため、ジエン系ゴムに単にシリカを配合してもシリカが分散せず、タイヤの転がり抵抗を低減する効果が十分に得られないという問題があった。
このようななか、例えば、特許文献1の請求項1には「ジエン系ゴム100重量部に、シリカを5〜100重量部配合すると共に、特定のメルカプトシラン(1)を上記シリカ配合量の0.5〜4.0重量%と、特定のメルカプトシラン(2)を上記シリカ配合量の0.5〜10重量%とを配合し、温度145〜185℃で混合するようにしたタイヤ用ゴム組成物の製造方法」が開示されている。
特許文献1には、上記方法により製造したタイヤ用ゴム組成物を用いることで、タイヤのヒステリシスロスを小さくし、転がり抵抗を十分に低減できる旨が記載されている。
特開2010−270247号公報
昨今、上述した転がり抵抗の低減とともに、生産性等の観点から、押出加工性や耐スコーチ性の一層の向上が求められている。
このようななか、本発明者らが特許文献1をもとに、ジエン系ゴム、シリカおよびメルカプト基を有するシランカップリング剤(以下、「メルカプト系シランカップリング剤」とも言う)を含有するゴム組成物について検討したところ、押出加工性や耐スコーチ性は昨今求められるレベルを必ずしも満たしていないことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、押出加工性及び耐スコーチ性に優れたタイヤ用ゴム組成物、及び、上記タイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、メルカプト系シランカップリング剤と特定のカチオン界面活性剤とを併用することで上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤と、カチオン界面活性剤とを含有し、
上記カチオン界面活性剤が、アミド結合又はカルボン酸エステル結合を有する4級アンモニウム塩であり、
上記シリカの含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、50〜200質量部であり、
上記シランカップリング剤の含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜15質量部であり、
上記カチオン界面活性剤の含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.05〜10質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
(2) 上記シランカップリング剤が、後述する式(A1)で表される化合物、後述する式(A3)で表される繰り返し単位および後述する式(A4)で表される繰り返し単位を有する共重合物、又は、後述する式(1)の平均式で表されるポリシロキサンである、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(3) 上記シリカのCTAB吸着比表面積が、140〜300m/gである、上記(1)又は(2)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造したタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、押出加工性及び耐スコーチ性に優れたタイヤ用ゴム組成物、及び、上記タイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物、および、本発明のタイヤについて説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[タイヤ用ゴム組成物]
本発明のタイヤ用ゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤と、カチオン界面活性剤とを含有する。
ここで、上記カチオン界面活性剤は、アミド結合又はカルボン酸エステル結合を有する4級アンモニウム塩である。また、上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、50〜200質量部であり、上記シランカップリング剤の含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜15質量部であり、上記カチオン界面活性剤の含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.05〜10質量部である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えらえる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと考えられる。
シリカを含有するゴム組成物にメルカプト系シランカップリング剤を配合した場合、メルカプト系シランカップリング剤がゴムとシリカを繋ぐことによってシリカの分散性が向上する。しかしながら、本発明者らの検討から、分散したシリカが再凝集して押出加工性が不十分となる場合があることが分かっている。
本発明の組成物では、メルカプト系シランカップリング剤とともにカチオン界面活性剤としてアミド結合又はカルボン酸エステル結合を有する4級アンモニウム塩(以下、「特定カチオン界面活性剤」とも言う)を併用するため、特定カチオン界面活性剤がゴムとシリカとの繋がりを補助することによってシリカの再凝集が抑えられ、結果として、優れた押出加工性を示すものと考えられる。
また、メルカプト系シランカップリング剤を使用した場合、メルカプト基の高い反応性によりスコーチが生じ易くなるが、本発明では特定カチオン界面活性剤のアミド結合やカルボン酸エステル結合がメルカプト基を適度に安定化させるため、本発明の組成物は耐スコーチ性にも優れるものと考えられる。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について説明する。
〔ジエン系ゴム〕
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記ジエン系ゴムは、1種のジエン系ゴムを単独で用いても、2種以上のジエン系ゴムを併用してもよい。
上記ジエン系ゴムとしては、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを用いることが好ましく、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともにブタジエンゴム(BR)を併用することがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、スチレンブタジエンゴム(SBR)であることが好ましい。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の芳香族ビニル含有量(例えば、スチレン含有量)は、本発明の効果がより優れる理由から、20〜45質量%であることが好ましく、23〜42質量%であることがより好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の共役ジエン中のビニル結合量は、本発明の効果がより優れる理由から、10〜50%であることが好ましく、25〜48%であることがより好ましい。ここで、ビニル結合量とは、共役ジエンの結合様式であるシス−1,4−結合、トランス−1,4−結合および1,2−ビニル結合のうち、1,2−ビニル結合の割合をいう。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、その製造方法について特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を製造する際に使用される単量体としての、芳香族ビニル、共役ジエンは特に限定されない。
ここで、上記共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
一方、上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を用いる場合の含有量は、得られるタイヤの剛性が優れる理由から、上記ジエン系ゴムの50〜100質量%であることが好ましく、55〜95質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることがさらに好ましい。
また、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体とともに上記ブタジエンゴム(BR)を併用する場合、上記ブタジエンゴム(BR)の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上記ジエン系ゴムの5〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
上記ジエン系ゴム(特に、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体)の重量平均分子量は特に制限されないが、取り扱いの観点から、100,000〜1,500,000であることが好ましく、600,000〜1,300,000であることがより好ましい。なお、ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
上記ジエン系ゴム(特に、上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体)のTg(ガラス転移温度)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、−70〜−10℃であることが好ましく、−40〜−20℃であることがより好ましい。
〔シリカ〕
本発明の組成物に含有されるシリカは特に制限されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、140〜300m/gであることが好ましく、140〜210m/gであることがより好ましい。
なお、本明細書において、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物において、シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、50〜200質量部である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、70〜150質量部であることが好ましい。
〔メルカプト系シランカップリング剤〕
本発明の組成物に含有されるメルカプト基を有するシランカップリング剤(メルカプト系シランカップリング剤)は、メルカプト基(−SH)および加水分解性基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記メルカプト系シランカップリング剤は、メルカプト基以外の有機官能基を有していてもよい。
そのような有機官能基としては特に制限されないが、例えば、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基などが挙げられる。
メルカプト系シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記メルカプト系シランカップリング剤の具体例としては、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
<好適な態様>
上記メルカプト系シランカップリング剤は、本発明の効果がより優れる理由から、ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤、および/または、ポリシロキサン構造(−Si−O−)を有するメルカプト系シランカップリング剤であることが好ましい。
ここで、ポリエーテル鎖とは、エーテル結合を2以上有する側鎖であり、その具体例としては、例えば、構造単位−R−O−R−を合計して2個以上有する側鎖が挙げられる。ここで、上記構造単位中、RおよびRは、それぞれ独立して、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルキニレン基、または、置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。なかでも、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
上記ポリエーテル鎖を有するメルカプト系シランカップリング剤の好適な態様としては、例えば、後述する式(A1)で表される化合物が挙げられる。
また、上記ポリシロキサン構造を有するメルカプト系シランカップリング剤の好適な態様としては、例えば、後述する式(A3)で表される繰り返し単位および後述する式(A4)で表される繰り返し単位を有する共重合物、及び、下記式(1)の平均式で表されるポリシロキサンが挙げられる。
(式(A1)で表される化合物)
上記式(A1)中、R11は、炭素数1〜8のアルコキシ基を表し、なかでも、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。炭素数1〜3のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。なお、lが2である場合の複数あるR11はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(A1)中、R12は、炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基を表す。ポリエーテル基とは、エーテル結合を2以上有する基であり、その具体例としては、例えば、構造単位−R−O−R−を合計して2個以上有する基が挙げられる。ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルキニレン基、または、置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。なかでも、直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。なお、mが2である場合の複数あるR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基の好適な態様としては、例えば、下記式(A2)で表される基が挙げられる。
上記式(A2)中、R21は、直鎖状のアルキル基、直鎖状のアルケニル基、または、直鎖状のアルキニル基を表し、なかでも直鎖状のアルキル基が好ましい。上記直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基がより好ましい。炭素数8〜15の直鎖状のアルキル基の具体例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基などが挙げられ、なかでもトリデシル基が好ましい。
上記式(A2)中、R22は、直鎖状のアルキレン基、直鎖状のアルケニレン基、または、直鎖状のアルキニレン基を表し、なかでも直鎖状のアルキレン基が好ましい。上記直鎖状のアルキレン基としては、炭素数1〜2の直鎖状のアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
上記式(A2)中、pは、1〜10の整数を表し、3〜7であることが好ましい。
上記式(A2)中、*は、結合位置を示す。
上記式(A1)中、R13は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。
上記式(A1)中、R14は炭素数1〜30のアルキレン基を表し、なかでも炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基の具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。
上記式(A1)中、lは1〜2の整数を表し、1であることが好ましい。上記式(A1)中、mは1〜2の整数を表し、2であることが好ましい。nは0〜1の整数を表し、0であることが好ましい。l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。
(式(A3)で表される繰り返し単位および式(A4)で表される繰り返し単位を有する共重合物)
上記式(A3)および(A4)中、R31およびR41は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキレン基を表し、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。なかでも、プロピレン基が好ましい。複数あるR31およびR41はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(A3)および(A4)中、R32およびR42は、それぞれ独立に、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニレン基、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニレン基を表し、なかでも、炭素数3〜20のものが好ましい。R32が末端である場合、R32は、水素原子、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニル基を表し、なかでも、炭素数3〜20のものが好ましい。R42が末端である場合、R42の定義、具体例および好適な態様は、上記R32と同じである。複数あるR32およびR42はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(A3)および(A4)中、R33およびR43は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基であって末端に水酸基もしくはカルボキシル基を有するもの、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基であって末端に水酸基もしくはカルボキシル基を有するものを表す。R43は、末端に水酸基を有する基であることが好ましい。R32およびR33は、R32とR33とで環を形成していてもよい。R42およびR43は、R42とR43とで環を形成していてもよい。複数あるR33およびR43はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
34は、炭素数1〜13のアルキル基を表し、なかでも、炭素数3〜10のアルキル基が好ましい。炭素数3〜10のアルキル基の具体例としては、たとえばヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。複数あるR34はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
(式(1)の平均式で表されるポリシロキサン)
(A)(B)(C)(D)(RSiO(4−2a−b−c−d−e)/2 (1)
上記式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基を表す。なかでも、下記式(2)で表される基であることが好ましい。
−(CH−S−(CH (2)
上記式(2)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(2)中、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(2)中、*は、結合位置を示す。
上記式(2)で表される基の具体例としては、例えば、−CH−S−CH−C−S−C−C−S−C−C−S−C−CH−S−CH−C−S−C−C−S−C−C−S−Cなどが挙げられる。
上記式(1)中、Bは炭素数5〜20の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基であることが好ましい。
上記式(1)中、Cは加水分解性基を表し、その具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、下記式(3)で表される基であることが好ましい。
−OR (3)
上記式(3)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(3)中、*は、結合位置を示す。
上記式(1)中、Dはメルカプト基を含有する有機基を表す。なかでも、下記式(4)で表される基であることが好ましい。
−(CH−SH (4)
上記式(4)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。
上記式(4)中、*は、結合位置を示す。
上記式(4)で表される基の具体例としては、−CHSH、−CSH、−CSH、−CSH、−C10SH、−C12SH、−C14SH、−C16SH、−C18SH、−C1020SHが挙げられる。
上記式(1)中、Rは炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。
上記式(1)中、a〜eは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。
上記式(1)の平均式で表されるポリシロキサンは、本発明の効果がより優れる理由から、上記式(1)中、Aが上記式(2)で表される基であり、上記式(1)中のCが上記式(3)で表される基であり、上記式(1)中のDが上記式(4)で表される基であるポリシロキサンであることが好ましい。
上記式(1)中、aは、本発明の効果がより優れる理由から、0<a≦0.50であることが好ましい。
上記式(1)中、bは、本発明の効果がより優れる理由から、0<bであることが好ましく、0.10≦b≦0.89であることがより好ましい。
上記式(1)中、cは、本発明の効果がより優れる理由から、1.2≦c≦2.0であることが好ましい。
上記式(1)中、dは、本発明の効果がより優れる理由から、0.1≦d≦0.8であることが好ましい。
上記ポリシロキサンの重量平均分子量は、本発明の効果がより優れる理由から、500〜2300であるのが好ましく、600〜1500であるのがより好ましい。本願における上記ポリシロキサンの分子量は、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求めたものである。
上記ポリシロキサンの酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、加硫反応性に優れるという観点から、550〜700g/molであるのが好ましく、600〜650g/molであるのがより好ましい。
上記ポリシロキサンは、本発明の効果がより優れる理由から、シロキサン単位(−Si−O−)を2〜50個有するものであることが好ましい。
上記ポリシロキサンを製造する方法は特に限定されないが、第1の好適な態様としては、下記式(5)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(6)で表される有機ケイ素化合物とを加水分解縮合する方法が挙げられる。また、第2の好適な態様としては、下記式(5)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(6)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(7)で表される有機ケイ素化合物とを加水分解縮合する方法が挙げられる。また、第3の好適な態様としては、下記式(5)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(6)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(7)で表される有機ケイ素化合物と、下記式(8)で表される有機ケイ素化合物とを加水分解縮合する方法が挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、上記第2の好適な態様であることが好ましい。
上記式(5)中、R51は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(5)中、R52は炭素数1〜20(好ましくは、1〜10)のアルキル基または炭素数6〜20(好ましくは、6〜10)のアリール基を表す。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜20のアリール基の具体例は上記Rと同じである。
上記式(5)中、nの定義および好適な態様は、上記式(2)中のnと同じである。
上記式(5)中、xの定義および好適な態様は、上記式(2)中のxと同じである。
上記式(5)中、yは1〜3の整数を表す。
上記式(5)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどが挙げられる。
上記式(6)中、R61の定義、具体例および好適な態様は、上記R51と同じである。
上記式(6)中、R62の定義、具体例および好適な態様は、上記R52と同じである。
上記式(6)中、zの定義は、上記yと同じである。
上記式(6)中、pは5〜10の整数を表す。
上記式(6)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルメチルジメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ペンチルメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルメチルジエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルメチルジメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記式(7)中、R71の定義、具体例および好適な態様は、上記R51と同じである。
上記式(7)中、R72の定義、具体例および好適な態様は、上記R52と同じである。
上記式(7)中、mの定義および好適な態様は、上記式(4)中のmと同じである。
上記式(7)中、wの定義は、上記yと同じである。
上記式(7)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、α−メルカプトメチルトリメトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、α−メルカプトメチルトリエトキシシラン、α−メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記式(8)中、R81の定義、具体例および好適な態様は、上記R51と同じである。
上記式(8)中、R82の定義、具体例および好適な態様は、上記R52と同じである。
上記式(8)中、vの定義は、上記yと同じである。
上記式(8)中、qは1〜4の整数を表す。
上記式(8)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記ポリシロキサンを製造する際には必要に応じて溶媒を用いてもよい。溶媒としては特に限定されないが、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。
また、上記ポリシロキサンを製造する際には必要に応じて触媒を用いてもよい。触媒としては特に限定されないが、具体的には塩酸、酢酸などの酸性触媒、アンモニウムフルオリドなどのルイス酸触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどのアミン化合物などが挙げられる。
上記ポリシロキサンを製造する際に使用される有機ケイ素化合物として、メルカプト基を有するシランカップリング剤[例えば、式(7)で表される有機ケイ素化合物]及びスルフィド基又はメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤[例えば、式(6)や式(8)で表される有機ケイ素化合物]を併用する際、メルカプト基を有するシランカップリング剤とスルフィド基又はメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤との混合比(モル比)(メルカプト基を有するシランカップリング剤/スルフィド基又はメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤)は、本発明の効果がより優れる理由から、1.1/8.9〜6.7/3.3であるのが好ましく、1.4/8.6〜5.0/5.0であるのがより好ましい。
上記ポリシロキサンを製造する際に使用される有機ケイ素化合物として、メルカプト基を有するシランカップリング剤[例えば、式(7)で表される有機ケイ素化合物]及びスルフィド基を有するシランカップリング剤[例えば、式(5)で表される有機ケイ素化合物]を併用する際、メルカプト基を有するシランカップリング剤とスルフィド基を有するシランカップリング剤との混合比(モル比)(メルカプト基を有するシランカップリング剤/スルフィド基を有するシランカップリング剤)は、本発明の効果がより優れる理由から、2.0/8.0〜8.9/1.1であるのが好ましく、2.5/7.5〜8.0/2.0であるのがより好ましい。
上記ポリシロキサンを製造する際に使用される有機ケイ素化合物として、メルカプト基を有するシランカップリング剤[例えば、式(7)で表される有機ケイ素化合物]、スルフィド基を有するシランカップリング剤[例えば、式(5)および/またはで表される有機ケイ素化合物]、及びスルフィド基又はメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤[例えば、式(6)や式(8)で表される有機ケイ素化合物]を併用する際、メルカプト基を有するシランカップリング剤の量は、前3者の合計量(モル)中の10.0〜73.0%であるのが好ましい。スルフィド基を有するシランカップリング剤の量は、前3者の合計量中の5.0〜67.0%であるのが好ましい。スルフィド基又はメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤の量は、前3者の合計量中の16.0〜85.0%であるのが好ましい。
本発明の組成物において、メルカプト系シランカップリング剤の含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜15質量部である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、5〜13質量部であることが好ましい。
本発明の組成物において、メルカプト系シランカップリング剤の含有量は、上記シリカの含有量に対して、2〜18質量%であることが好ましく、5〜12質量%であることがより好ましい。
なお、メルカプト系シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔カチオン界面活性剤〕
本発明の組成物に含有されるカチオン界面活性剤(陽イオン界面活性剤)は、アミド結合(−NR−CO−:ここでRは水素原子または置換基(好ましくは炭化水素基)を表す)又はカルボン酸エステル結合(−O−CO−)を有する4級アンモニウム塩(特定カチオン界面活性剤)である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、アミド結合を有する4級アンモニウム塩であるのが好ましい。4級アンモニウム塩は、4級アンモニウムイオンとハロゲン化物イオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなど)との塩であるのが好ましい。
なお、本明細書において、カチオン界面活性剤は、解離基としてカチオン性(陽イオン性)の解離基のみを有する界面活性剤であり、解離基としてカチオン性(陽イオン性)の解離基とアニオン性(陰イオン性)の解離基の両方を有するいわゆる両性界面活性剤は含まれない。
<アミド結合を有する4級アンモニウム塩>
上記アミド結合を有する4級アンモニウム塩が有するアミド結合の数は、シリカの吸着及びシリカの分散性の点から、2個以上、4個以下であることが好ましい。
上記アミド結合を有する4級アンモニウム塩の好適な態様としては、例えば、下記式(P1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(P1)中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基又は下記式(P2)で表される基を表し、Rはアルキレン基を表し、Rはアシル基を表し、Rはメチル基、エチル基又はベンジル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、mは1〜3の数を表す。
上記式(P2)中、Rは水素原子又はアシル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1〜3の数を表す。
上記式(P1)において、Rは、炭素数1〜8の炭化水素基又は上記式(P2)で表される基を表す。炭素数1〜8の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基、2級オクチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記式(P2)において、Rは、水素原子又はアシル基を表す。本発明において、アシル基とは、一価カルボン酸からOHを除いた残基をいう。このようなカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、カプロン酸(ヘキサン酸)、ヘプタン酸、カプリル酸(オクタン酸)、ノナン酸、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ウンデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、アラキジン酸(エイコサン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)、テトラコサン酸、ヘキサコサン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸;リシノレイン酸、ヒドロキシステアリン酸のヒドロキシ脂肪酸等が挙げられる。
上記式(P2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1〜3の数(好ましくは1〜3の整数)を表す。シリカへの吸着性により優れることから、Rは水素原子が好ましく、nは1が好ましい。
上記式(P1)において、Rは、シリカへの吸着性の点から、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(P1)において、Rはアルキレン基を表す。アルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられ、シリカへの吸着性により優れ、原料の工業的な入手も容易であることから、Rはエチレン基、プロピレン基が好ましい。
上記式(P1)において、Rはアシル基を表し、アシル基に対応するカルボン酸としては、上記式(P2)のRで例示したカルボン酸が挙げられる。シリカへの吸着性及びシリカの分散性の点から、炭素数8〜22の脂肪酸が好ましく、炭素数10〜18の脂肪酸がより好ましい。Rはメチル基、エチル基又はベンジル基を表し、シリカへの吸着性の点からメチル基が好ましい。Xはハロゲン原子を表し、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。Xとしては、シリカへの吸着性の点から塩素原子が好ましい。mは1〜3の数(好ましくは1〜3の整数)を表し、シリカへの吸着性及びシリカの分散性の点から、mは2が好ましい。なお、上記式(P1)で表される化合物中に、複数のアシル基が存在する場合には、同一の基でもよいし異なる基でもよい。
<カルボン酸エステル結合を有する4級アンモニウム塩>
上記カルボン酸エステル結合を有する4級アンモニウム塩が有するカルボン酸エステル結合の数は、シリカの吸着及びシリカの分散性の点から、2個以上、4個以下であることが好ましい。
上記カルボン酸エステル結合を有する4級アンモニウム塩の好適な態様としては、例えば、下記式(Q1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(Q1)中、Rは、炭素数1〜8の炭化水素基を表し、Rはアルキレン基を表し、Rはアシル基を表し、Rはメチル基、エチル基又はベンジル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、mは1〜3の数を表す。
上記式(Q1)において、Rは、炭素数1〜8の炭化水素基を表す。炭素数1〜8の炭化水素基の具体例は上述した式(P1)中のRと同じである。Rは、シリカへの吸着性の点から、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(Q1)において、Rはアルキレン基を表す。Rの具体例及び好適な態様は上述した式(P1)中のRと同じである。
上記式(Q1)において、Rはアシル基を表し、アシル基に対応するカルボン酸としては、上記式(P2)のRで例示したカルボン酸が挙げられる。シリカへの吸着性及びシリカの分散性の点から、炭素数8〜22の脂肪酸が好ましく、炭素数10〜18の脂肪酸がより好ましい。Rはメチル基、エチル基又はベンジル基を表し、シリカへの吸着性の点からメチル基が好ましい。Xはハロゲン原子を表し、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。Xとしては、シリカへの吸着性の点から塩素原子が好ましい。mは1〜3の数(好ましくは1〜3の整数)を表し、シリカへの吸着性及びシリカの分散性の点から、mは2が好ましい。なお、上記式(Q1)で表される化合物中に、複数のアシル基が存在する場合には、同一の基でもよいし異なる基でもよい。
本発明の組成物において、特定カチオン界面活性剤の含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、0.05〜10質量部である。0.1〜5質量部であることが好ましい。なお、特定カチオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔任意成分〕
<グリセリン部分脂肪酸エステル>
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、上述した特定カチオン界面活性剤とともに、グリセリン部分脂肪酸エステルを含有するのが好ましい。グリセリン部分脂肪酸エステルは特定カチオン界面活性剤の分散性を向上させるため、結果として、シリカの分散性がさらに高まり、上述した本発明の効果がより優れたものとなる。なお、本発明において、部分脂肪酸エステルとは、多価アルコールの一部の水酸基が脂肪酸でエステル化された化合物をいい、グリセリン部分脂肪酸エステルには、グリセリンモノ脂肪酸エステルとグリセリンジ脂肪酸エステルが含まれる。
上記グリセリン部分脂肪酸エステルの脂肪酸としては、上述した式(P2)中のRで例示したカルボン酸が挙げられ、シリカの分散性の点から、炭素数14〜24の飽和脂肪酸が好ましく、16〜22の飽和脂肪酸が更に好ましく、ステアリン酸が最も好ましい。脂肪酸は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、脂肪酸が2種以上の場合は、そのうちの1種はステアリン酸であることが好ましい。
グリセリン部分脂肪酸エステルは、シリカの分散性の点から、グリセリンモノ脂肪酸エステルが好ましく、グリセリンモノ脂肪酸エステルとグリセリンジ脂肪酸エステルとの混合物の場合には、グリセリンモノ脂肪酸エステルの含有量が少なくとも50質量%であることが好ましい。
本発明の組成物において、グリセリン部分脂肪酸エステルの含有量に対する、上述した特定カチオン界面活性剤の含有量の割合(特定カチオン界面活性剤/グリセリン部分脂肪酸エステル)は、質量比で、0.01〜10であることが好ましく、0.1〜1.0であることがより好ましく、0.2〜0.5であることがさらに好ましい。
また、グリセリン部分脂肪酸エステルの含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。また、上述した特定カチオン界面活性剤とグリセリン部分脂肪酸エステルの合計の含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部であることが好ましい。グリセリン部分脂肪酸エステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(脂肪酸金属塩)
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、上述した特定カチオン界面活性剤とともに、脂肪酸金属塩を含有するのが好ましい。脂肪酸金属塩は特定カチオン界面活性剤の分散性を向上させるため、結果として、シリカの分散性がさらに高まり、上述した本発明の効果がより優れたものとなる。
上記脂肪酸金属塩は、脂肪酸と金属との塩である。
上記脂肪酸金属塩の脂肪酸としては、式(P2)のRで例示したカルボン酸が挙げられ、シリカの分散性の点から、炭素数8〜24の飽和脂肪酸が好ましく、炭素数10〜22の飽和脂肪酸がより好ましく、炭素数16〜22の飽和脂肪酸が更に好ましく、ベヘン酸が最も好ましい。脂肪酸は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記脂肪酸金属塩の金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属(3〜11族の金属)、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、アンチモンなどが挙げられ、なかでも、アルカリ金属(リチウム、カリウム、ナトリウムなど)、アルカリ土類金属(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど)等が挙げられ、シリカの分散性の点から、アルカリ金属、アルカリ土類金属がより好ましく、アルカリ土類金属が更に好ましく、マグネシウムが最も好ましい。
好ましい脂肪酸金属塩の具体例としては、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリル酸マグネシウム、リノール酸マグネシウム、ベヘン酸マグネシウムなどが挙げられる。
本発明の組成物において、脂肪酸金属塩の含有量に対する、上述した特定カチオン界面活性剤の含有量の割合(特定カチオン界面活性剤/脂肪酸金属塩)が、質量比で、0.01〜10であることが好ましく、0.1〜1.0であることがより好ましい。また、脂肪酸金属塩の含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。また、上述した特定カチオン界面活性剤と脂肪酸金属塩の合計の含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部であることが好ましい。脂肪酸金属塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、上述した本発明の効果がさらに優れる理由から、上述した特定カチオン界面活性剤とともに、グリセリン部分酸エステルと脂肪酸金属塩の両方を含有するのが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明の組成物には、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、メルカプト基を有さないシランカップリング剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、プロセスオイル、アロマオイル、液状ポリマー、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
<タイヤ用ゴム組成物の製造方法>
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[タイヤ]
本発明のタイヤ(空気入りタイヤ)は、上述した本発明の組成物を用いて製造したタイヤである。なかでも、本発明の組成物をトレッド部(タイヤトレッド)に用いたタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明のタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔タイヤ用ゴム組成物の調製〕
下記表1に示される成分を、同表に示される割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、同表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合を実施した。なお放出時の温度は152℃であり、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を3分間混合し、110℃にて放出しタイヤ用ゴム組成物を得た。
表1中、SBRの量について、上段の値はSBR(油展品)の量(単位:質量部)であり、下段の値は、SBRに含まれるSBRの正味の量(単位:質量部)である。
〔評価〕
得られたタイヤ用ゴム組成物について、以下の評価を行った。
<押出加工性>
得られたタイヤ用ゴム組成物(未加硫)をオープンロールにて一定時間混合し、その後5mmの厚みにシート状で取り出してから、直後のシート厚みと1日放置後のシート厚みを測定して変化量(シュリンク量)を求めた。表1に変化量の逆数を示す(押出加工性)。結果は比較例1の変化量の逆数を100とする指数で表した。指数が大きいほどシュリンクが小さく、押出加工性に優れる。
<耐スコーチ性>
得られたタイヤ用ゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2013に準拠し、L形ロータを用いて、試験温度125℃の条件でスコーチタイムを測定した。表1にスコーチタイムを示す(耐スコーチ性)。結果は比較例1のスコーチタイムを100とする指数で表した。指数が大きいほどスコーチタイムが長く、耐スコーチ性に優れる。
<tanδ(60℃)>
得られたタイヤ用ゴム組成物(未加硫)を金型(15cm×15cm×0.2cm)中で、160℃で20分間プレス加硫して加硫ゴムシートを作製した。
作製した加硫ゴムシートについて、JISK6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。
tanδ(60℃)を表1に示す(tanδ(60℃))。結果は比較例1のtanδ(60℃)を100とする指数で表した。指数が小さいほどtanδ(60℃)が小さく、低燃費性能に優れる。
表1中、各成分の詳細は以下のとおりである。
・SBR:旭化成ケミカルズ社製 E580、油展品(SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を含む。SBR中のSBRの正味は72.7質量%)
・BR:日本ゼオン社製 Nipol BR 1220
・シリカ:Solvay社製 Zeosil 1205MP(CTAB:200m/g)
・カーボンブラック:東海カーボン社製 シースト7HM
・シランカップリング剤1:VP Si363(エボニックデグッサ社製)(上述した式(A1)で表される化合物。ここで、R11:−OC、R12:−O(CO)−C1327、R14:−(CH−、l=1、m=2、n=0。)
・シランカップリング剤2:NXT−Z45(モメンティブ社製)(上述した式(A3)で表される繰り返し単位および上述した式(A4)で表される繰り返し単位を有する共重合物)
・シランカップリング剤3:下記のとおり合成されたポリシロキサン(上述した式(1)の平均式で表されるポリシロキサン)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコにビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業製 KBE−846)107.8g(0.2mol)、γ―メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−803)95.4g(0.4mol)、オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製 KBE−3083)442.4g(1.6mol)、エタノール162.0gを納めた後、室温にて0.5N塩酸32.4g(1.8mol)とエタノール75.6gの混合溶液を滴下した。その後、80℃にて2時間攪拌した。その後、濾過、5%KOH/EtOH溶液14.6gを滴下し80℃で2時間攪拌した。その後、減圧濃縮、濾過することで褐色透明液体のポリシロキサン425.4gを得た。GPCにより測定した結果、平均分子量は860であり、下記平均組成式で示される。
(−C−S−C−)0.083(−C170.667(−OC1.50(−CSH)0.167SiO0.75
・比較シランカップリング剤:Si69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製)
・カチオン界面活性剤1:下記構造(ここで、Rはデカン酸(カプリン酸)由来のアシル基を表す)
・カチオン界面活性剤2:下記構造(ここで、Rは混合脂肪酸(ラウリン酸/オレイン酸=2/1(質量比))由来のアシル基を表す)
・脂肪酸金属塩:ベヘン酸マグネシウム(マグネシウム含量3.4質量%)
・グリセリン部分脂肪酸エステル:グリセリンモノステアリン酸エステル
・亜鉛華:正同化学社製 酸化亜鉛3種
・老化防止剤:サントフレックス 6PPD(Solusia Europe社製)
・ステアリン酸:千葉脂肪酸社製 工業ステアリン酸N
・硫黄:細井化学社製 油処理硫黄
・CBS:大内新興化学工業社製 ノクセラーCZ−G
・DPG:大内新興化学工業社製 ノクセラーD
・TBzTD:三新化学工業社製 サンセラーTBZTD
表1から分かるように、メルカプト系シランカップリング剤と特定カチオン界面活性剤とを併用する実施例1〜7はいずれも優れた押出加工性及び耐スコーチ性を示した。
実施例1〜3と4〜6との対比から、特定カチオン界面活性剤がアミド結合を有する4級アンモニウム塩である実施例1〜3は、より優れた押出加工性及び優れた低燃費性能を示した。
実施例1と2との対比、及び実施例4と5との対比から、メルカプト系シランカップリング剤が式(A3)で表される繰り返し単位および下記式(A4)で表される繰り返し単位を有する共重合物である実施例2及び5は、より優れた耐スコーチ性及び優れた低燃費性能を示した。
一方、メルカプト系シランカップリング剤と特定カチオン界面活性剤とを併用しない比較例1〜5は、押出加工性及び耐スコーチ性の少なくとも一方が不十分であった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (4)

  1. ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤と、カチオン界面活性剤とを含有し、
    前記カチオン界面活性剤が、アミド結合又はカルボン酸エステル結合を有する4級アンモニウム塩であり、
    前記シリカの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、50〜200質量部であり、
    前記シランカップリング剤の含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜15質量部であり、
    前記カチオン界面活性剤の含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.05〜10質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記シランカップリング剤が、下記式(A1)で表される化合物、下記式(A3)で表される繰り返し単位および下記式(A4)で表される繰り返し単位を有する共重合物、又は、下記式(1)の平均式で表されるポリシロキサンである、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    式(A1)中、R11は、炭素数1〜8のアルコキシ基を表す。R12は、炭素数4〜30の直鎖状のポリエーテル基を表す。R13は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。R14は炭素数1〜30のアルキレン基を表す。lは1〜2の整数を表し、mは1〜2の整数を表し、nは0〜1の整数を表し、l、mおよびnはl+m+n=3の関係式を満たす。lが2である場合の複数あるR11はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、mが2である場合の複数あるR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    式(A3)および(A4)中、R31およびR41は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキレン基を表す。
    32およびR42は、それぞれ独立に、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニレン基、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニレン基を表す。R32が末端である場合、R32は、水素原子、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニル基を表す。R42が末端である場合、R42は、水素原子、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニル基を表す。
    33およびR43は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルキニル基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜30のアルキル基であって末端に水酸基もしくはカルボキシル基を有するもの、または、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基であって末端に水酸基もしくはカルボキシル基を有するもの、を表す。
    32およびR33は、R32とR33とで環を形成していてもよい。
    42およびR43は、R42とR43とで環を形成していてもよい。
    34は、炭素数1〜13のアルキル基を表す。
    複数あるR31、R32、R33、R34、R41、R42およびR43はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    (A)(B)(C)(D)(RSiO(4−2a−b−c−d−e)/2 (1)
    式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基を表す。Bは炭素数5〜20の1価の炭化水素基を表す。Cは加水分解性基を表す。Dはメルカプト基を含有する有機基を表す。Rは炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。a〜eは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。
  3. 前記シリカのCTAB吸着比表面積が、140〜300m/gである、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造したタイヤ。
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