JP2018007292A - 密閉型絶縁装置およびその製造方法 - Google Patents

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野嶋 健一
Kenichi Nojima
健一 野嶋
孝倫 安岡
Takamichi Yasuoka
孝倫 安岡
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Abstract

【課題】密閉容器内表面に存在する異物の周辺での電界放射や部分放電の発生を抑え、健全性確認試験時の高い電界に対しては異物が動きやすくなるようにする。【解決手段】密閉型絶縁装置は、密閉容器11と、密閉容器11内に配置される高電圧導体と、密閉容器11の内面を覆うように設けられた被膜15と、を有する。被膜15は、合成樹脂部分20と、合成樹脂部分20の比重以上の比重を持つ複数の非線形抵抗粒体21と、を備える。複数の非線形抵抗粒体21の少なくとも一部が中空構造であり、中空構造の非線形抵抗粒体21を含む複数の非線形抵抗粒体21の一部が互いに接触してつながるように配置されて、被膜15の表面と密閉容器11の内面とを電気的に接続する非線形抵抗粒体鎖22が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、密閉型開閉装置などの密閉型絶縁装置およびその製造方法に関する。
絶縁物で支持した高電圧導体を、絶縁ガスを封入した密閉容器内部に配置した密閉型ガス絶縁開閉装置において、コスト低減や環境負荷低減のために、絶縁設計合理化や三相一括化などによる一層の縮小化が指向されている。密閉型ガス絶縁装置の密閉容器の大きさは、基本的に絶縁設計および熱的設計で決まる。絶縁設計を検討する上でのポイントになるのが、万一密閉容器内に異物が存在した場合の絶縁性能への影響度の検討である。
高電圧導体を絶縁物で支持して絶縁ガスを封入した密閉容器の内部に万一異物が存在すると、異物に対して密閉容器等から供給された電荷と運転電界との相互作用によって生じる力によって、異物が密閉容器内部で動き回る可能性がある。密閉型開閉装置を縮小化すると、密閉容器内面付近の運転電界が高くなり、異物の密閉容器内部での動きが大きくなりやすい。異物が密閉容器内部で過度に動くと、絶縁性能に悪影響を及ぼす可能性がある。長尺の異物ほど、動きが大きくなり、絶縁性能への悪影響が大きくなる可能性が高い。
運転電圧が印加された状態での異物の動きを抑えるためには、密閉容器内部に長尺の異物が存在しないように製造上管理するのはもちろんであるが、管理しきれない小さな異物が設計上考慮した高さ以上に浮上して動きまわらないように、運転電圧印加時の密閉容器内面付近の電界強度を所定値以下に設計する必要がある。密閉容器内面付近の電界強度は高電圧導体と密閉容器内面との距離に依存するため、異物の浮上高さを小さく抑えるためには密閉容器を大きくする必要があり、密閉型ガス絶縁装置の縮小化の制約要因になっていた。
この異物による設計への制約条件の低減対策として、異物の動きを抑制することによる絶縁性能低下の抑制が考えられてきた。その中の一つに、絶縁被膜による異物挙動の不活性化技術がある。
絶縁被膜技術は、密閉型開閉装置の密閉容器の内面に絶縁性の高いエポキシ系レジン等で被膜を施し、密閉容器内面から異物に電荷が供給されるのを抑制して動き難くするものである。異物が動きにくくなる結果、密閉容器内面付近の電界を高くすることができ、密閉容器をコンパクトにすることができる。
しかしながら、従来提案されている被膜材では、万一存在する異物と絶縁ガスと被膜材とから構成される部分に電界集中を生じやすい。この電界集中が大きくなると、異物周辺で電界放射もしくは部分放電が生じて、異物に電荷を供給する可能性がある。電界放射もしくは部分放電が生じて異物に電荷が供給されると、異物が突然大きく動き、絶縁性能に影響を及ぼす可能性がある。
雷サージ等の過電圧が侵入して密閉容器内面付近の電界が大きくなると、電界集中部の電界が一層大きくなる可能性があり、異物の突然の大きな動きにつながる可能性が生じる。この突然の大きな動きを防止するためには、被膜材と異物との間の電界集中を緩和して電界放射や部分放電の発生を抑制する必要がある。
従来の被膜材では、常に被膜材の絶縁性が高いために、通常の運転電界において製造上管理される長さより短い異物の動きを抑制することの外に、製造上管理されるべき長さ以上の異物に対しても電界による動きを抑制してしまう。この結果、発生確率は小さいものの次のような現象によって密閉型開閉装置の信頼性向上を制約する可能性を生じる。
一般に密閉型ガス絶縁開閉装置においては、組立後、健全性確認試験を実施して、運転電圧よりも高い電圧を印加する試験を実施する。その目的には、万一製造上管理すべき長さより長い異物が見逃されて密閉容器内部に存在する場合、運転電界よりも高い電界によって次に述べるようにして異物を見つけて除去し、異物に対する製造管理を徹底することも含まれている。
先にも述べたように、長尺の異物は電界によって動きやすい。健全性確認試験時に運転電圧よりも高い電圧を印加することは、運転電圧で挙動する可能性のある長尺の異物を確実に動かして見つけるのを促す効果を持っている。挙動する異物は、密閉容器(タンク)内面付近に衝撃振動を与えたり部分放電を発生したりするので、これらを検出することにより、異物を見つけて除去することができる。しかしながら、異物が動かない場合には、衝撃振動や部分放電が発生し難いため、万一異物が存在してもそれを見つけることが難しい。
一方、絶縁被膜上にあって電荷を供給されにくく運転電界では動き難い異物であっても、実運転時の開閉機器の操作などの機械的振動によって動き出す可能性は否定しきれない。また雷インパルスのようなより高い電圧によって電界放射や部分放電を生じて動き出す可能性も否定しきれない。管理長さ以上の長尺の異物が一旦動きだすと、異物の周辺で電界放射や部分放電が発生して異物に電荷が供給され、一層異物の動きが活発化してしまう可能性が考えられる。
このことから、健全性確認試験時には、万一製造上管理すべき長さ以上の異物が存在すれば、確実にその異物を動かして見つけることが望ましい。しかし、従来実用化されている被膜材は、絶縁抵抗が安定して高いため異物は動きにくい状態のままであり、健全性確認試験時に電界印加だけで異物を見つけるのを難しくする効果を有しており、密閉型開閉装置の絶縁性能を向上して縮小化を進める上での制約となる可能性があった。この制約を解除するためには、健全性確認試験時の高い電界に対しては異物が動きやすくて部分放電検出等によって万一存在する管理長さ以上の異物を見つけて除去しやすく、運転電界に対しては異物が動き難くて開閉機器の絶縁性能を高くできる技術の開発が課題となっていた。
上記課題を解決するための手段として、密閉型ガス絶縁開閉装置の密閉容器内面に非線形抵抗材料をコーティングする方法が提案されている。この方式では、非線形抵抗特性を得るために、ZnO等を主成分とする非線形抵抗特性を有する材料の微細粉を充填混入させた樹脂からなる非線形抵抗被膜を使用している。この方式においては、非線形抵抗特性は、充填した上記非線形抵抗材料粉が連結して電流通路を構成することによって生じる。
特開2009−284651号公報
一般に、非線形抵抗材料の微細粉は、母材となる樹脂よりも比重が大きく、充填後に沈降してしまって、非線形抵抗被膜を貫通した電流通路を構成し難い。
本発明の実施形態は上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、密閉型絶縁装置を構成する密閉容器内表面に存在する異物に対して異物周辺での電界放射や部分放電の発生を抑え、同時に健全性確認試験時の高い電界に対しては異物が動きやすくなるようにして、絶縁信頼性の高いコンパクトな密閉型絶縁装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の実施形態に係る密閉型絶縁装置は、内部に絶縁ガスが封入され接地された金属製の密閉容器と、前記密閉容器内に配置されて高電圧が印加される高電圧導体と、前記密閉容器と前記高電圧導体との間に介在して前記高電圧導体を支持する電気絶縁性の支持部材と、前記密閉容器の内面を覆うように設けられた被膜と、を有する密閉型絶縁装置であって、前記被膜は、電気絶縁性の合成樹脂部分と、前記合成樹脂部分に混入されて、前記合成樹脂部分の比重以上の比重を持ち、印加電界が所定の値よりも低い時に第1の電気抵抗率を有し、印加電界が前記所定の値よりも高い時に前記第1の電気抵抗率よりも低い第2の電気抵抗率を有する複数の非線形抵抗粒体と、を備え、前記複数の非線形抵抗粒体の少なくとも一部が中空構造であり、前記中空構造の非線形抵抗粒体を含む前記複数の非線形抵抗粒体の少なくとも一部が互いに接触してつながるように配置されて、前記絶縁ガスに接する前記被膜の表面と前記密閉容器の内面とを電気的に接続する少なくとも一つの非線形抵抗粒体鎖が形成されていること、を特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る密閉型絶縁装置の製造方法は、前記密閉型絶縁装置を組み立てる組み立て工程と、前記組み立て工程の後に、前記高電圧導体に前記密閉型絶縁装置の通常運転時の電圧よりも高い試験電圧を印加して前記高電圧導体と前記密閉容器との間の絶縁健全性を確認する健全性確認試験工程と、を有すること、を特徴とする。
本発明の実施形態によれば、密閉型絶縁装置の密閉容器内面に沿って取り付ける非線形抵抗材コーティングにおいて、安定して十分な密度の電流通路を確保できる。その結果、密閉型絶縁装置を構成する密閉容器内表面に存在する異物に対して、異物周辺での電界放射や部分放電の発生を抑え、同時に健全性確認試験時の高い電界に対しては異物が動きやすくなるようにできる。これにより、絶縁信頼性の高いコンパクトな密閉型絶縁装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る密閉型絶縁装置の縦断面図である。 本発明の第1の実施形態における密閉型絶縁装置の内面に設けられた被膜付近を拡大して示す部分断面図である。 図(a)は、本発明の第1の実施形態における被膜を流れる電流経路を説明するための説明図であり、図(b)は、図(a)の等価回路を示す図である。 従来技術の密閉型絶縁装置において、密閉容器内に異物が混入した場合の等電位線を示す図である。 本発明の第1の実施形態による密閉型絶縁装置において、密閉容器内に異物が混入した場合の等電位線を示す図である。 本発明の第1の実施形態による密閉型絶縁装置における被膜の特性(印加電界と電流密度との関係)の例を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態における密閉型絶縁装置の内面に設けられた被膜付近を拡大して示す部分断面図である。 本発明の第2の実施形態における密閉型絶縁装置の内面に設けられた被膜付近を拡大して示す部分断面図であって、図7とは異なる例を示す図である。
以下、本発明に係る各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、互いに同一または類似の部分については同一符号を付し、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る密閉型絶縁装置の縦断面図である。図2は、第1の実施形態における密閉型絶縁装置の内面に設けられた被膜付近を拡大して示す部分断面図である。
図1に示すように、密閉容器11内に高電圧導体12が配置され、高電圧導体12は支持部材13で支持されている。密閉容器11は、ほぼ円筒状で、金属製であって、接地されている。高電圧導体12は導電材料からなり、ほぼ円柱状であって、高電圧が印加される。支持部材13は電気絶縁材料からなる。密閉容器11内には、六フッ化硫黄などの絶縁ガスが充てんされている。
図示の例では、密閉容器11は、複数の密閉容器11がフランジ14によって軸方向に互いに連結されている。高電圧導体12は密閉容器11の軸に沿って延びている。支持部材13は、フランジ14によって支持されて、高電圧導体12を支持するとともに、密閉容器11内部の空間を仕切る仕切り板の役割も担っている。
密閉容器11の内面に沿って、その内面を覆うように、膜厚dの被膜(コーティング)15が形成されている。被膜15は、図2に示すように、合成樹脂部分20と、合成樹脂部分20内に散在する複数の非線形抵抗粒体21とからなる。合成樹脂部分20は、電気絶縁性の高い材料、たとえばエポキシ系レジンからなる。非線形抵抗粒体21は、たとえば酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、電界が大きくなるに従って電気抵抗率が大きくなる非線形抵抗特性を有する。非線形抵抗粒体21は、外形はほぼ球状であって、中空構造である。複数の非線形抵抗粒体21のうちの一部の非線形抵抗粒体21は、互いに接触し、被膜15の表面から密閉容器11との接触部までつながった非線形抵抗粒体鎖22を構成している。それぞれの非線形抵抗粒体鎖22は、一筋とは限らず、途中で分岐したり環状につながったりしていてもよい。
非線形抵抗粒体21の材料は、一般に合成樹脂部分20よりも比重が大きいが、非線形抵抗粒体21が中空構造であるために、非線形抵抗粒体21の見掛け上の比重が小さくなる。
図3(a)は、第1の実施形態における被膜を流れる電流経路を説明するための説明図であり、図3(b)は、図3(a)の等価回路を示す図である。
図3(a)に示すように、一般に、被膜15を密閉容器11の内面に塗布して高電圧導体12に交流電圧を印加すると、被膜15には、高電圧導体12との漂遊静電容量Cgでほぼ決まる交流電流Jが流れ込む。
図3(b)に示すように、この流れ込んだ電流Jは、被膜15の静電容量成分Czと抵抗成分Rzとに分流する。抵抗成分Rzに流れ込む電流密度に対する被膜15の非線形抵抗特性を調整することによって、印加交流電圧に対する被膜15の抵抗成分Rzを変化させることが可能となる。また、高電圧導体12と密閉容器11(接地されている)との間の電圧は、ガスギャップが分担する電圧Vgと被膜(非線形抵抗被膜)15が分担する電圧Vzとによって分圧される。
図4は、従来技術の密閉型絶縁装置において、密閉容器内に異物が混入した場合の等電位線を示す図である。また、図5は、本発明の第1の実施形態による密閉型絶縁装置において、密閉容器内に異物が混入した場合の等電位線を示す図である。図4および図5は、密閉型絶縁装置(図1参照)において、密閉容器11の内面に被膜30または被膜15がコーティングされており、被膜30または被膜15の上に導電性の異物31が存在する場合の異物31付近の等電位線35を示している。
図6は、第1の実施形態による密閉型絶縁装置における被膜の特性(印加電界と電流密度との関係)の例を示すグラフである。
図4に示すように、密閉容器11の内面に塗布した通常の絶縁材からなる被膜30の上に導電性の異物31が存在する場合、一般に、異物31周辺には電界集中部32が発生する。この電界集中部32の電界が、絶縁ガスの電離電界を越すと、部分放電を生じる。異物31の周辺で部分放電が生じると、異物31に電荷が供給され、異物31が動きやすくなる。先にも述べたように、異物31が動きやすいと絶縁性能へ影響する可能性が増える。異物31の材質によっては、電界集中部32の電界が材質の電子放射電界を越して異物31が帯電して動きやすくなる可能性も考えられる。
異物31周辺の電界集中部32においては、印加電界が商用周波数であるがゆえに、異物31と被膜30との間には、主に異物31と被膜30との電位差および絶縁ガスの誘電率と電界で決まる密度の電流が流れる。被膜30に流れ込んだ電流は、被膜30の容量成分と抵抗成分とに分かれて被膜30中を流れる。
本実施形態では、図6の特性Aとして示すように、被膜15の電気抵抗が電界の強さによって変化する非線形特性を有する。印加電界が運転時電界よりも小さい時は高抵抗領域にあり、電流密度は閾値電流密度以下である。このときの被膜15の電気抵抗率を第1の電気抵抗率と呼ぶ。印加電界が運転時電界よりも大きい健全性確認試験時電界にある時は、低抵抗領域にあって、電流密度は閾値電流密度よりも大きい。このときの被膜15の電気抵抗率は第1の電気抵抗率よりも低く、これを第2の電気抵抗率と呼ぶ。なお、通常の抵抗要素においては、電気抵抗が一定であるから、図6のグラフにおいては原点を通る直線で表される(図示せず)。
本実施形態では、被膜15の抵抗が非線形特性となる閾値電流密度を、絶縁ガスの電子放射電界もしくは臨界電界と誘電率とで決まる電流密度の内の抵抗成分よりも低く設定する。それにより、図5に示すように、異物31周辺の電界集中を緩和して異物31周辺で電界緩和部17を形成して部分放電が起こり難くすることができる。すなわち、電界が集中する異物31周辺部分の被膜15の抵抗を低下させることによって、異物31周辺の被膜15の電位を異物31の電位に近づけ、これによって異物31周辺の等電位線35の間隔を広げて電界を緩和し、電界放射や部分放電が生じ難くすることができる。
被膜15の電界−電流密度特性が図6の特性Aに示す特性である場合、この平坦な電界値は、健全性確認試験時電界に対しては、被膜15が低抵抗領域となり被膜15上の異物31が動くのに十分な電荷を供給でき、運転時電界に対しては高抵抗領域にあり被膜15上の異物31が動くのに必要な電荷を供給しない。
一般に、合成樹脂部分20に充填される非線形抵抗粒体21の比重は合成樹脂部分20の比重よりも大きい。そして、それらの比重の差が大きいほど、非線形抵抗粒体21の充填後に非線形抵抗粒体21の沈降を生じて合成樹脂部分20全体に拡散し難くなり、被膜15の表面から密閉容器11との接触部までつながった非線形抵抗粒体鎖22を構成しにくい。そのため、非線形抵抗粒体鎖22が合成樹脂部分20を貫く電流路を構成し難くなる。被膜15が非線形抵抗特性を発揮するためには、非線形抵抗粒体鎖22が合成樹脂部分20を貫く電流路を構成することが必要である。
この実施形態によれば、非線形抵抗粒体21が中空構造であることにより、非線形抵抗粒体21の見かけ上の比重が小さくなり、合成樹脂部分20に充填した時に沈降しないで分散したままになりやすい。これにより、非線形抵抗粒体鎖22が合成樹脂部分20を貫く電流路を構成しやすく、被膜15上に存在する異物31と密閉容器11との間に非線形抵抗特性を確保しやすくできる。なお、充填する非線形抵抗粒体21は、表面層が存在すれば中心部分が無くても非線形抵抗特性を示すことができる。
この結果、健全性確認試験での異物31への供給電荷を調整して異物31を見つけて除去しやすくし、コンパクトで絶縁信頼性の高い密閉型開閉装置を提供することができる。
上述の構成において、各非線形抵抗粒体21の形状は、普通の製造方法によればほぼ球形である。各非線形抵抗粒体21の粒径は、被膜15の膜厚d以下である。被膜15の膜厚dよりも大きいと、被膜15内に収まらないからである。さらに、粒径が膜厚dの1/2以下であることが望ましい。被膜15の表面に凹凸が生じないようにするためである。さらに、膜厚dに比べて粒径が特に小さい非線形抵抗粒体21ばかりであると、非線形抵抗粒体21が互いにつながって非線形抵抗粒体鎖22が構成される確率が低下するので、粒径が膜厚dの1/4以上のものが含まれているのが望ましい。
さらに、粒径が膜厚dの1/4よりも小さいものも含むことが望ましい。小さい粒径の非線形抵抗粒体21が含まれていることにより、非線形抵抗粒体21が互いにつながって非線形抵抗粒体鎖22が構成される確率が高まるからである。
なお、図2に示す例では非線形抵抗粒体21の粒径が異なるものが混合されているが、そのことは必須要件ではなく、粒径が揃っているものであっても、効果がある。
上記構成の密閉型絶縁装置の製造に当たっては、当該密閉型絶縁装置を組み立てる組み立て工程の後に、高電圧導体12に通常運転時の電圧よりも高い試験電圧を印加して高電圧導体12と密閉容器11との間の絶縁健全性を確認する健全性確認試験工程を行う。
この実施形態によれば、前述のように、密閉型絶縁装置の密閉容器11内面に沿って取り付ける被膜15において、通常運転時に、安定して十分な密度の電流通路を確保できる。その結果、密閉型絶縁装置を構成する密閉容器11内表面に存在する異物31に対して、異物31周辺での電界放射や部分放電の発生を抑えることができる。また、健全性確認試験時の高い電界に対しては、異物31が動きやすくすることができる。これにより、絶縁信頼性の高いコンパクトな密閉型絶縁装置を提供することができる。
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態における密閉型絶縁装置の内面に設けられた被膜付近を拡大して示す部分断面図である。図8は、第2の実施形態における密閉型絶縁装置の内面に設けられた被膜付近を拡大して示す部分断面図であって、図7とは異なる例を示す図である。
この実施形態では、非線形抵抗粒体21に、中空の非線形抵抗粒体21aと、中実の非線形抵抗粒体21bとが含まれている。中実の非線形抵抗粒体21bの粒径は、中空の非線形抵抗粒体21aの粒径よりも小さい。中空の非線形抵抗粒体21aの粒径は、被膜15の膜厚dの1/4〜1/2の範囲が好ましい。中実の非線形抵抗粒体21bの粒径は、被膜15の膜厚dの1/4以下であることが好ましい。
上記以外の構成は第1の実施形態と同様である。
この第2の実施形態によれば、中空の非線形抵抗粒体21aと中実の非線形抵抗粒体21bとが混ざっているので、種々の粒径の非線形抵抗粒体21の混合体としやすく、非線形抵抗粒体21が互いにつながって非線形抵抗粒体鎖22が構成されやすい。
ここで、中実の非線形抵抗粒体21bは粒径が小さいので、合成樹脂部分20内での流動抵抗により、重力による沈降速度が遅く、非線形抵抗粒体鎖22を形成する上で妨げにならない。
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
11…密閉容器、 12…高電圧導体、 13…支持部材、 14…フランジ、 15…被膜(コーティング)、 17…電界緩和部、 20…合成樹脂部分、 21…非線形抵抗粒体、 21a…中空の非線形抵抗粒体、 21b…中実の非線形抵抗粒体、 22…非線形抵抗粒体鎖、 30…被膜、 31…異物、 32…電界集中部、 35…等電位線

Claims (7)

  1. 内部に絶縁ガスが封入され接地された金属製の密閉容器と、
    前記密閉容器内に配置されて高電圧が印加される高電圧導体と、
    前記密閉容器と前記高電圧導体との間に介在して前記高電圧導体を支持する電気絶縁性の支持部材と、
    前記密閉容器の内面を覆うように設けられた被膜と、
    を有する密閉型絶縁装置であって、
    前記被膜は、
    電気絶縁性の合成樹脂部分と、
    前記合成樹脂部分に混入されて、前記合成樹脂部分の比重以上の比重を持ち、印加電界が所定の値よりも低い時に第1の電気抵抗率を有し、印加電界が前記所定の値よりも高い時に前記第1の電気抵抗率よりも低い第2の電気抵抗率を有する複数の非線形抵抗粒体と、
    を備え、
    前記複数の非線形抵抗粒体の少なくとも一部が中空構造であり、
    前記中空構造の非線形抵抗粒体を含む前記複数の非線形抵抗粒体の少なくとも一部が互いに接触してつながるように配置されて、前記絶縁ガスに接する前記被膜の表面と前記密閉容器の内面とを電気的に接続する少なくとも一つの非線形抵抗粒体鎖が形成されていること、
    を特徴とする密閉型絶縁装置。
  2. 前記非線形抵抗粒体は、前記被膜の厚さよりも小さくかつその厚さの1/4以上の直径をもつほぼ球形のものを含むこと、を特徴とする請求項1に記載の密閉型絶縁装置。
  3. 前記非線形抵抗粒体は、ほぼ球形であって直径が前記被膜の厚さの1/2よりも小さいこと、を特徴とする請求項2に記載の密閉型絶縁装置。
  4. 前記非線形抵抗粒体は、ほぼ球形であって直径が前記被膜の厚さの1/4よりも小さいものを含むこと、を特徴とする請求項2または請求項3に記載の密閉型絶縁装置。
  5. 前記非線形抵抗粒体は酸化亜鉛を含むこと、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の密閉型絶縁装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の密閉型絶縁装置の製造方法であって、
    前記密閉型絶縁装置を組み立てる組み立て工程と、
    前記組み立て工程の後に、前記高電圧導体に前記密閉型絶縁装置の通常運転時の電圧よりも高い試験電圧を印加して前記高電圧導体と前記密閉容器との間の絶縁健全性を確認する健全性確認試験工程と、
    を有すること、を特徴とする密閉型絶縁装置の製造方法。
  7. 前記密閉型絶縁装置は、通常運転時に前記非線形抵抗粒体の印加電界が前記所定の値よりも低くなるように設計されており、
    前記健全性確認試験工程は、前記非線形抵抗粒体の印加電界が前記所定の値よりも高くなるように前記試験電圧を設定して行うこと、
    を特徴とする請求項6に記載の密閉型絶縁装置の製造方法。
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