JP2017528427A - ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者を処置するための方法 - Google Patents

ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者を処置するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、高コレステロール血症を処置する方法を提供する。本発明の方法は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者に、PCSK9阻害剤を含む医薬組成物を投与することを含む。特定の実施形態において、PCSK9阻害剤は、本明細書においてmAb316Pと呼ばれる例示的抗体などの抗PCSK9抗体である。本発明の方法は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されない、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者を処置するのに有用である。

Description

本発明は、脂質およびリポタンパク質レベル上昇に関連する疾患および障害の治療的処置の分野に関する。より具体的には、本発明は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者を処置するためのPCSK9阻害剤の使用に関する。
ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)は、罹患個体を心血管(CV)疾患にかかりやすくする遺伝性脂質代謝障害である。heFHを有する患者は、通常、早発CV疾患の高リスクと関連している極めて高い低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)レベルを有する−診断の時点で>190mg/dLであることも多い。観察的研究からの知見は、スタチン治療を受けているheFH患者において、冠動脈心疾患(CHD)のリスクが低減されるが、処置を用いても、CHDのリスクは、heFH患者において一般的な集団においてよりも依然として大きいことを示した。脂質低下治療(LLT)が利用可能であっても、heFHを有する患者のおよそ80%は、LDL−Cの推奨されるレベルに到達しない。heFH集団におけるCVリスクの増大を考えると、患者に、より強力なコレステロール低下治療を提供する必要がある。
現在のLDL−C低下医薬として、スタチン、コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ[EZE])、フィブラート、ナイアシンおよび胆汁酸封鎖剤が挙げられる。スタチンは、LDL−Cを低下させ、CHD事象を減少させる大きな能力を示したので、最もよく処方される。しかし、心血管疾患(CVD)のリスクがある多数の患者は、スタチン処置にも関わらず、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)を上手く制御しなかった。
本発明は、高コレステロール血症を処置する方法を提供する。特に、本発明の方法は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者を処置するのに有用である。
一態様によると、本発明の方法は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(すなわち、他の脂質修飾治療の有無に拘らず、PCSK9阻害剤の不在下では、最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されない高コレステロール血症)を有する患者にPCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することを含む。本発明の特定の実施形態によれば、PCSK9阻害剤は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者に、他の脂質低下治療の有無に拘らず患者の既存のスタチン治療への追加治療として投与される。
別の態様によると、本発明の方法は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療(例えば、最大耐用量スタチン治療)によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者を選択すること、および前記スタチン治療と併用して(すなわち、前記スタチン治療「に加えて」)PCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上を該患者に投与することを含む。
本発明の別の態様は、患者に、プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することにより、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されない、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する該患者を処置する方法であって、該患者は、PCSK9阻害剤の不在下では、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療を用いる処置では高コレステロール血症の制御が不十分である、前記方法を含む。
本発明の別の態様は、患者に、プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することにより、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されない、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する該患者において低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)を低減する方法であって、該患者は、PCSK9阻害剤の不在下では、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療を用いる処置では高コレステロール血症の制御が不十分である、前記方法を含む。
本発明の別の態様は、患者に、プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することにより、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されない、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する該患者において高コレステロール血症を処置する方法であって、該患者は、PCSK9阻害剤の不在下では、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療を用いる処置では高コレステロール血症の制御が不十分である、前記方法を含む。
本発明の別の態様は、患者に、プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することにより、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されない、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する該患者において、1つまたはそれ以上の脂質成分の血清レベルを改善する方法であって、該患者は、PCSK9阻害剤の不在下では、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療を用いる処置では脂質成分の制御が不十分である、前記方法を含む。特定の態様において、本発明は、LDL−C、アポB、非HDL−C、総コレステロール、Lp(a)およびトリグリセリドからなる群から選択される脂質成分の血清レベルの低減を提供する。特定の態様において、本発明は、HDL−CおよびアポA1からなる群から選択される脂質成分の血清レベルの増大を提供する。
本発明の特定の態様において、heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行われる。いくつかの態様において、臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症についてのサイモン・ブルーム登録者診断基準またはスコア>8のWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである。
本発明の特定の態様において、PCSK9阻害は、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である。
本発明の特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む。
本発明の特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する。
本発明の特定の態様において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と、PCSK9との結合について競合する。
本発明の特定の態様において、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、約75mgの用量で2週間に1回の頻度で患者に投与される。いくつかの態様において、5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが<70mg/dLである場合、約75mg用量が維持される。いくつかの態様において、5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが≧70mg/dLのままである場合、約75mg用量は中止され、その後、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片が、約150mgの用量で2週間に1回の頻度で患者に投与される。いくつかの態様において、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片が、約150mgの用量で2週間に1回の頻度で患者に投与される。
本発明の特定の態様において、PCSK9阻害剤は、最大耐用量スタチン治療と併用して患者に投与される。いくつかの態様において、最大耐用量スタチン治療は、アトルバスタチン約40mg〜約80mgの1日用量を含む。いくつかの態様において、最大耐用量スタチン治療は、ロスバスタチン約20mg〜約40mgの1日用量を含む。いくつかの態様において、最大耐用量スタチン治療は、シンバスタチン約80mgの1日用量を含む。
本発明の特定の態様において、PCSK9阻害剤は、他の脂質低下治療と組み合わせて患者に投与される。
本発明の特定の態様において、方法は、(a)患者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の少なくとも40%の低減;(b)患者のアポリポタンパク質B(アポB)の少なくとも30%の低減;(c)患者の非高密度リポプロタンパク質コレステロール(非HDL−C)の少なくとも40%の低減;(d)患者の総コレステロールの少なくとも20%の低減;(e)患者の高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)の少なくとも3%の増大;(f)患者のトリグリセリドの少なくとも5%の低減;(g)患者のリポタンパク質a(Lp(a))の少なくとも20%の低減;および(h)患者のアポリポタンパク質A1の少なくとも1%の増大からなる群から選択される少なくとも1つの高コレステロール血症関連パラメータを改善する。
本発明の他の実施形態は、後に続く詳細な説明の再考から明らかになるであろう。
ODYSSEY FHIの研究デザインの図解である(実施例2)。 ODYSSEY FHI研究におけるITT集団中のアリロクマブまたはプラセボでの処置のためのベースラインからの算定LDL−C LSの平均変化率を経時的に示すグラフである(実施例2)。最小二乗法(LS)平均および標準誤差(SD)は、MMRM(繰り返し測定混合効果モデル)解析からとった。 ODYSSEY FHIIの研究デザインの図解である(実施例3)。 ODYSSEY FHII研究におけるITT集団について、ベースラインからのLDL−C LS平均(+/−SE)の変化率を経時的に示すグラフである(実施例3)。MMRM(繰り返し測定混合効果モデル)解析からとった最小二乗法(LS)平均および標準誤差(SE)。 ODYSSEY FHII研究におけるmITT集団について、有効性処置期間の間のベースラインからのLDL−C LS平均(+/−SE)変化率を経時的に示すグラフである(実施例3)。 ODYSSEY HIGH FHの研究デザインの図解である(実施例4)。研究デザイン中のラベルは次のように定義する:FU:追跡調査;HeFH、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症;LLT、脂質低下治療;OLE、オープンラベル延長。 ODYSSEY HIGH FH研究におけるITT集団におけるアリロクマブまたはプラセボでの処置について、ベースラインからの算定LDL−C LS平均の変化率を経時的に示すグラフである(実施例4)。最小二乗(LS)平均および標準誤差(SE)は、MMRM(繰り返し測定混合効果モデル)解析からとる。 ODYSSEY FH IおよびFH II研究のための、時間に対する、LS平均(SE)算定LDL−C値を示すグラフである。グラフ上で示される値は、ベースラインから第24週および第52週までのLS平均の変化%である。 ODYSSEY FH IおよびFH II研究のための、時間に対する、LS平均(SE)算定LDL−C値を示すグラフである。グラフの下で示される値は、種々の時点で解析される患者の数である。 用量が、150mg(Q2W)まで増大されるか、または75mg(Q2W)で維持されるかに応じてアリロクマブ患者におけるLDL−Cレベルを経時的に示すグラフである(ITT解析)。 人口統計学的およびベースライン特性(A)、スタチン/LLT使用(B)、およびベースライン脂質(C)によって、ベースラインから第24週のLDL−C低下のサブグループ解析(プラセボに対するアリロクマブ)を示すチャートを示す(ITT解析;FH IおよびFH II由来のプールしたデータ)。中度の慢性腎疾患(CKD)は、≧30および≦60mL/分/1.73mという推定の糸球体濾過率として定義された。FH Iでは、アリロクマブアームおよびプラセボのアームにおける20/323名の患者および9/163名の患者が、ベースラインで中度のCKDを有した。FH II中の対応する対応する値は、2/167名および1/82名であった。「高強度」スタチン用量とは、アトルバスタチン40〜80mgまたはロスバスタチン20〜40mgを指す。 図11−1の続き。 ODYSSEY HIGH FH研究における患者の内訳の図解である。 ODYSSEY HIGH FH研究における個々の患者によるLDL−Cレベルのベースラインから第24週の変化率を示すグラフである。全ての患者は、(最大耐容レベルで)スタチンのバックグラウンドがあった。患者のサブセットはまた、さらなる脂質低下治療を受けた。 ODYSSEY HIGH FH研究について時間に対するLS平均(SE)算定LDL−C値を示すグラフを示す。A部分では、グラフ上に示す値は、第24週および第52週でのLS平均%値(mg/dL)である。B部分では、グラフ上に示す値は、第24週および第78週でのLS平均%値(mg/dL)である。全ての患者は、(最大耐容レベルで)スタチンのバックグラウンドがあった。患者のサブセットはまた、さらなる脂質低下治療を受けた。 図14−1の続き。
本発明を説明する前に、本発明は説明する特定の方法および実験条件に限定されないことを理解すべきである。そのような方法および条件は変わることがあるからである。本明細書において用いる専門用語は、特定の実施形態の説明を目的にしたものに過ぎず、限定的することを意図したものでないことも理解すべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるからである。
別段の定義がない限り、本明細書において用いる全ての専門および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書において用いる場合、用語「約」は、特定の列挙されている数値に関して用いるとき、その値が、列挙されている値から1%以下変動することがあることを意味する。例えば、本明細書において用いる場合、「約100」という表現は、99および101、ならびに間の全ての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4など)を含む。
本明細書に記載のものと同様または等価の任意の方法および材料を本発明の実施の際に使用することができるが、好ましい方法および材料を次に説明する。本明細書において言及する全ての出版物は、それら全体が説明のために参照によって本明細書に組み入れられている。
他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症
本発明は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症、すなわち、スタチンの1日最大耐用量を含む治療レジメンによって十分に制御されない高コレステロール血症を有する患者を処置する方法および組成物に概して関する。本明細書において用いる場合、高コレステロール血症に関して「十分に制御されない」という表現は、スタチンの安定した1日用量を含む治療レジメンを受けていて少なくとも4週間後に患者の血清低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)濃度、総コレステロール濃度、および/またはトリグリセリド濃度が(該患者の冠動脈心疾患の相対リスクを考慮に入れて)認知されている医学的に許容されるレベルに低減されないことを意味する。例えば、「スタチンによって十分に制御されない高コレステロール血症の患者」は、患者が少なくとも4週間、安定した毎日のスタチンレジメンを受けてきた後、(心疾患についての該患者の潜在的リスクに依存して)約70mg/dL以上、100mg/dL、130mg/dL、140mg/dL、またはそれ以上の血清LDL−C濃度を有する患者を含む。
特定の実施形態によると、本発明の方法によって処置可能である、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者は、スタチンの安定した1日用量(他の脂質修飾治療と共にまたはなしで)を少なくとも4週間、5週間、6週間またはそれ以上の間摂取しているにも拘らず、高コレステロール血症(例えば、記録された心血管疾患の履歴を有する患者における70mg/dL以上の血清LDL−C濃度または記録された心血管疾患の履歴を有さない患者における血清LDL−C≧100mg/dL)を有する。特定の実施形態において、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者の高コレステロール血症は、最大耐用量スタチン治療(本明細書において、「1日最大耐用量治療スタチンレジメン」とも呼ばれる)によって不十分に制御される。
本明細書において用いる場合、「最大耐用量スタチン治療」は、個々の患者についての最大投与可能量であるスタチンの1日用量の投与を含む治療レジメンを意味する。最大投与可能量は、患者において許容し難い有害副作用を生じさせることなく患者に投与することができるスタチンの最高用量を意味する。最大耐用量スタチン治療は、例えば、アトルバスタチン40〜80mg/日、ロスバスタチン20〜40mg/日またはシンバスタチン80mg(>1年、この用量を既に受けている場合)を含むが、これらに限定されない。しかし、上記のスタチン用量を許容できない患者は、より高用量を使用しない許容可能な理由があれば、より低用量の毎日のアトルバスタチン、ロスバスタチンまたはシンバスタチンを摂取することもある。より低いスタチン用量を摂取した患者の許容可能な理由のいくつかの例としては、次のことが挙げられた:より高い用量での有害作用、高齢、低いボディマスインデックス(BMI)、地域特有の実施、限局的処方情報、併用薬、および耐糖能障害/空腹時血糖異常のような併発状態。
本発明はまた、セリバスタチン、ピタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチンおよびプラバスタチンのような他のスタチンの毎日投与を含む、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者を処置する方法を含む。
患者選択
本発明は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者を処置するのに有用な方法および組成物を含む。
heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行わなければならない。遺伝子型判定されない患者について、臨床診断は、確定FHの基準に関してサイモン・ブルーム基準に基づくこともあり、またはスコア>8点でWHO/Dutch Lipid Network基準に基づくこともある。
ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症についてのサイモン・ブルーム登録者診断基準によると、確定家族性高コレステロール血症は、1)小児<16歳における総C>6.7mmol/l(260mg/dL)もしくは4.0mmol/l(155mg/dL)より高いLDLコレステロールまたは成人における総C>7.5mmol/l(290mg/dL)もしくは4.9mmol/l(190mg/dL)より高いLDLコレステロール(処置前のレベルまたは処置中の最高レベルのいずれか);およびA)患者における、もしくは一親等血縁者(親、兄弟姉妹、子)における、もしくは二親等血縁者(祖父母、叔父、叔母)における腱黄色腫またはB)LDL受容体突然変異もしくは家族性アポB−100欠損のDNAに基づく証拠のいずれかと定義される。
ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症についてのサイモン・ブルーム登録者診断基準によると、可能性ある家族性高コレステロール血症は、1)小児<16歳における総C>6.7mmol/l(260mg/dL)もしくは4.0mmol/l(155mg/dL)より高いLDLコレステロールまたは成人における総C>7.5mmol/l(290mg/dL)もしくは4.9mmol/l(190mg/dL)より高いLDLコレステロール(処置前のレベルまたは処置中の最高レベルのいずれか);ならびに次のうち少なくとも1つ:A)二親等血縁者における年齢50歳未満もしくは一親等血縁者における年齢60歳未満のMIの家族歴;およびB)成人一親等もしくは二親等血縁者における>7.5mmol/l(290mg/dL)または年齢16歳未満の子もしくは兄弟姉妹における>6.7mmol/l(260mg/dL)のコレステロール上昇の家族歴として定義される。
ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)の診断のためのWHO基準(Dutch Lipid Network臨床基準)を、表2においてなど、実施例において示す。
特定の実施形態によると、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者は、年齢(例えば、40、45、50、55、60、65、70、75または80歳より高齢)、人種、出身国、性別(男性または女性)、運動習慣(例えば、定期的に運動する人、運動しない人)、その他の既存の医学的状態(例えば、II型糖尿病、高血圧症、心筋梗塞、虚血性脳卒中など)および現在の投薬状態(例えば、β遮断薬、ナイアシン、エゼチミブ、フィブラート、オメガ3脂肪酸、胆汁酸樹脂などを現在摂取している)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の追加のリスク因子を有することに基づいて選択される。
本発明によると、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者は、上述の選択基準または治療特性の1つまたはそれ以上についての組合せに基づいて選択することができる。
最大耐用量スタチン治療への追加治療としてのPCSK9阻害剤の投与
本発明は、PCSK9阻害剤の不在下で、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者が、特定の投薬量および頻度に従ってPCSK9阻害剤を投与され、該PCSK9阻害剤が、該患者の治療スタチンレジメンへの追加として投与される方法を含む。例えば、特定の実施形態によると、患者が、例えば、アトルバスタチン40〜80mgを含む他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する場合、該ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者は、彼または彼女の安定した1日治療スタチンレジメンを継続しながら、PCSK9阻害剤を特定の量および投薬間隔で投与される。
本発明の方法は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症リスク患者がPCSK9阻害剤を受ける前に受けていた同じ安定した1日最大耐用量治療スタチンレジメン(すなわち、同じスタチン投薬量)への追加治療としてPCSK9阻害剤が投与される、追加治療レジメンを含む。他の実施形態において、PCSK9阻害剤は、患者がPCSK9阻害剤を受ける前に受けていたスタチンの用量より多いまたは少ない量でスタチンを含む1日最大耐用量治療スタチンレジメンへの追加治療として投与される。例えば、特定の投薬頻度および量で投与されるPCSK9阻害剤を含む治療レジメンを開始した後、患者に投与または処方されるスタチンに1日用量は、患者の治療上の必要に応じて、その高心血管リスク患者がPCSK9阻害剤治療レジメンを開始する前に摂取していた毎日のスタチン用量と比較して(a)同じままであることもあり、(b)増加するまたは(c)減少する(例えば、アップタイトレーションするまたはダウンタイトレーションする)こともある。
治療効能
本発明の方法は、LDL−C、アポB、非HDL−C、総コレステロール、HDL−C、トリグリセリド、アポA−1、およびLp(a)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の脂質成分の血清レベルの改善をもたらす。例えば、本発明の特定の実施形態によれば、安定した1日最大耐用量処置スタチンレジメンによって十分に制御されない、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者へのPCSK9阻害剤を含む医薬組成物の投与(例えば、患者の最大耐用量スタチン治療に加えてPCSK9阻害剤の投与)は、少なくとも約40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%またはそれ以上の、血清低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)のベースラインからの平均低減パーセント;少なくとも約30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%もしくはそれ以上の、アポBのベースラインからの平均低減パーセント;少なくとも約40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%もしくはそれ以上の、非HDL−Cのベースラインからの平均低減パーセント;少なくとも約20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%もしくはそれ以上の、総コレステロールのベースラインからの平均低減パーセント;少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%もしくはそれ以上の、HDL−Cのベースラインからの平均増大パーセント;少なくとも約2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%もしくはそれ以上の、トリグリセリドのベースラインからの平均低減パーセント;少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%もしくはそれ以上の、アポA−1のベースラインからの平均増大パーセント;および/または少なくとも約20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%もしくはそれ以上の、Lp(a)のベースラインからの平均低減パーセントをもたらす。
PCSK9阻害剤
本発明の方法は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者に、PCSK9阻害剤を含む治療用組成物を投与することを含む。本明細書において用いる場合、「PCSK9阻害剤」は、ヒトPCSK9と結合し、またはヒトPCSK9と相互作用し、かつインビボまたはインビトロでPCSK9の正常な生物学的機能を阻害する、任意の薬剤である。PCSK9阻害剤のカテゴリーの非限定的な例としては、小分子PCSK9アンタゴニスト、ペプチドベースのPCSK9アンタゴニスト(例えば、「ペプチボディ」分子)、およびヒトPCSK9に特異的に結合する抗体または抗体の抗原結合断片が挙げられる。
用語「ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型」または「ヒトPCSK9」または「hPCSK9」は、本明細書において用いる場合、配列番号197で示される核酸配列および配列番号198のアミノ酸配列を有するPCSK9、またはその生物活性断片を指す。
用語「抗体」は、本明細書において用いる場合、4本のポリペプチド鎖、すなわちジスルフィド結合によって相互に連結されている2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖、を含む免疫グロブリン分子、およびその多量体(例えば、IgM)を指すことを意図したものである。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと略記する)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3、を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと略記する)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL1)を含む。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称する、より保存される領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と称する超可変性の領域にさらに細分することができる。各VHおよびVLは、3つのCDRおよび4つのFRからなり、これらは、アミノ末端からカルボキシ末端へ次の順序で配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。本発明の種々の実施形態において、抗PCSK9抗体(またはその抗原結合部分)のFRは、ヒト生殖系列配列と同一であることもあり、または天然にもしくは人工的に修飾されていることもある。アミノ酸コンセンサス配列は、2つまたはそれ以上のCDRの並行分析に基づいて定義することができる。
用語「抗体」は、本明細書において用いる場合、完全抗体分子の抗原結合断片も含む。抗体の「抗原結合部分」、抗体の「抗原結合断片」などの用語は、本明細書において用いる場合、抗原に特異的に結合して複合体を形成する任意の天然に存在する、酵素的に得ることができる、合成の、または遺伝子改変ポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。抗体の抗原結合断片は、例えば、タンパク質消化、または抗体可変および場合により定常ドメインをコードするDNAの操作および発現を含む組換え遺伝子改変法などの、任意の好適な標準的技法を用いて完全抗体分子から得ることができる。そのようなDNAは、公知でありおよび/または例えば商業的供給源、DNAライブラリー(例えばファージ−抗体ライブラリーを含む)から容易に調達することができ、または合成することができる。DNAをシークエンシングし、化学的にまたは分子生物学技法の使用によって操作して、例えば、1つもしくはそれ以上の可変および/もしくは定常領域を好適な高次構造に配置すること、またはコドンを導入すること、システイン残基を生成すること、アミノ酸を修飾する、付加させるまたは欠失させることなどができる。
抗原結合断片の非限定的な例としては、(i)Fab断片;(ii)F(ab’)2断片;(iii)Fd断片;(iv)Fv断片;(v)一本鎖Fv(scFv)分子;(vi)dAb断片;および(vii)抗体の超可変領域(例えば、単離された相補性決定領域(CDR)、例えばCDR3ペプチド)を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位、または拘束FR3−CDR3−FR4ペプチドが挙げられる。他の改変分子、例えば、ドメイン特異的抗体、シングルドメイン抗体、ドメイン欠失抗体、キメラ抗体、CDRグラフト抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノボディ(例えば、一価ナノボディ、二価ナノボディなど)、小モジュラー免疫薬(SMIP)、サメ可変IgNARドメインも、本明細書において用いる場合の「抗原結合断片」という表現に包含される。
抗体の抗原結合断片は、少なくとも1つの可変ドメインを概して含むことになる。可変ドメインは、いずれのサイズまたはアミノ酸組成のものであり、一般的には、1つもしくはそれ以上のフレームワーク配列に隣接しているまたは1つもしくはそれ以上のフレームワーク配列とインフレームである少なくとも1つのCDRを含むことになる。VLドメインと会合しているVHドメインを有する抗原結合断片の場合、VHおよびVLドメインは、互いに対してあらゆる好適な配置で位置することができる。例えば、可変領域は、二量体であり、VH−VH、VH−VLまたはVL−VL二量体を含有することがある。あるいは、抗体の抗原結合断片は、単量体VHまたはVLドメインを含有することもある。
特定の実施形態において、抗体の抗原結合断片は、少なくとも1つの定常ドメインに共有結合で連結されている少なくとも1つの可変ドメインを含有することがある。本発明の抗体の抗原結合断片内で見つけることができる可変および定常ドメインの非限定的、例示的高次構造としては、(i)VH−CH1;(ii)VH−CH2;(iii)VH−CH3;(iv)VH−CH1−CH2;(v)VH−CH1−CH2−CH3;(vi)VH−CH2−CH3;(vii)VH−CL;(viii)VL−CH1;(ix)VL−CH2;(x)VL−CH3;(xi)VL−CH1−CH2;(xii)VL−CH1−CH2−CH3;(xiii)VL−CH2−CH3;および(xiv)VL−CLが挙げられる。上に列挙した例示的高次構造のいずれかを含む、可変および定常ドメインのいずれの高次構造においても、可変および定常ドメインは、互いに直接連結されていることもあり、または完全もしくは部分ヒンジもしくはリンカー領域によって連結されていることもある。ヒンジ領域は、少なくとも2つ(例えば、5、10、15、20、40、60またはそれ以上)のアミノ酸からなることがあり、その結果、単一ポリペプチド分子内の隣接した可変および/または定常ドメイン間の柔軟なまたはやや柔軟な連鎖となる。さらに、本発明の抗体の抗原結合断片は、互いにおよび/または1つもしくはそれ以上の単量体VHもしくはVLドメインと非共有結合で(例えば、ジスルフィド結合によって)会合している、上に列挙したいずれかの可変および定常ドメイン高次構造のホモ二量体またはヘテロ二量体(または他の多量体)を含むことがある。
完全抗体分子と同様に、抗原結合断片は、単一特異性であることもあり、または多重特異性(例えば、二重特異性)であることもある。抗体の多重特異性抗原結合断片は、各可変ドメインが別個の抗原にまたは同じ抗原上の異なるエピトープと特異的に結合できる、少なくとも2つの異なる可変ドメインを概して含むことになる。本明細書において開示する例示的二重特異性抗体形式を含む、いずれの多重特異性抗体形式も、当技術分野において利用可能な常例的技法を用いる本発明の抗体の抗原結合断片との関連での使用に適応させることができる。
抗体の定常領域は、補体を固定し、細胞依存性細胞傷害を媒介する抗体の能力に重要である。したがって、抗体が細胞傷害を媒介することが望ましいかどうかに基づいて抗体のアイソタイプを選択することができる。
用語「ヒト抗体」は、本明細書において用いる場合、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する抗体を含むことを意図したものである。とはいえ、本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によってまたはインビボでの体細胞突然変異によって誘導された突然変異)を、例えば、CDR、特にCDR3に含むことがある。しかし、用語「ヒト抗体」は、本明細書において用いる場合、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を含むことを意図したものではない。
用語「組換えヒト抗体」は、本明細書において用いる場合、組換え手段によって製造、発現、生成または単離される全てのヒト抗体、例えば、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現される抗体(さらに下で説明する)、組換え体から単離された抗体、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリー(下でさらに説明する)、ヒト免疫グロブリン遺伝子が遺伝子導入されている動物(例えばマウス)から単離された抗体(例えば、Taylorら(1992)Nucl.Acids Res.20:6287〜6295を参照されたい)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段によって製造、発現、生成もしくは単離された抗体を含むことを意図したものである。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する。しかし、特定の実施形態において、そのような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列が遺伝子導入された動物を使用する場合にはインビボ体細胞突然変異)に付されるので、該組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系VHおよびVL配列に由来し、ヒト生殖細胞系VHおよびVL配列と類縁の配列だが、インビボでヒト抗体生殖細胞系レパートリー内に天然に存在できない配列である。
ヒト抗体は、2つの形態で存在することができ、これらの形態がヒンジ異質性に関連する。一方の形態の場合、免疫グロブリン分子は、二量体が鎖間重鎖ジスルフィド結合によって一緒に保持されている、おおよそ150〜160kDaの安定した4鎖構築物を含む。第2の形態の場合、二量体は鎖間ジスルフィド結合によって連結されておらず、約75〜80kDaの分子が、共有結合でカップリングされた軽鎖と重鎖で形成され、構成される(ハーフ抗体(half-antibody))。これらの形態は、アフィニティー精製後でさえ分離することが極めて難しかった。
様々なインタクトIgGアイソタイプにおける第2の形態の出現頻度は、抗体のヒンジ領域アイソタイプに関連する構造の違いに、これに限定されるものではないが、起因する。ヒトIgG4ヒンジのヒンジ領域における単一アミノ酸置換は、第2の形態の出現を、ヒトIgG1ヒンジを使用して概して観察されるレベルに、有意に低減させることができる(Angalら(1993)Molecular Immunology 30:105)。本発明は、例えば生産の際、所望の抗体形態の収率を向上させるために望ましいことがある、ヒンジ、CH2またはCH3領域に1つまたはそれ以上の突然変異を有する抗体を包含する。
「単離された抗体」は、本明細書において用いる場合、その天然環境の少なくとも1つの成分から同定および分離および/または回収された抗体を意味する。例えば、生物の少なくとも1つの成分から分離もしくは除去された抗体、またはその抗体が天然に存在するもしくは天然に生産される組織もしくは細胞から分離もしくは除去された抗体は、本発明では「単離された抗体」である。単離された抗体は、組換え細胞内の生体内原位置の抗体も含む。単離された抗体は、少なくとも1工程の精製または単離工程に付された抗体である。特定の実施形態によると、単離された抗体には、他の細胞物質および/または化学物質が実質的にないこともある。
用語「特異的に結合する」またはこれに類する用語は、抗体またはその抗原結合断片が、生理条件下で比較的安定している抗原との複合体を形成することを意味する。抗体が抗原と特異的に結合するかどうかを判定する方法は、当技術分野において周知であり、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴などを含む。例えば、PCSK9「に特異的に結合する」抗体は、本発明に関連して用いる場合、表面プラズモン共鳴アッセイで測定して、約1000nM未満、約500nM未満、約300nM未満、約200nM未満、約100nM未満、約90nM未満、約80nM未満、約70nM未満、約60nM未満、約50nM未満、約40nM未満、約30nM未満、約20nM未満、約10nM未満、約5nM未満、約4nM未満、約3nM未満、約2nM未満、約1nM未満、または約0.5nM未満のKDで、PCSK9またはその一部に結合する抗体を含む。しかし、ヒトPCSK9に特異的に結合する単離された抗体は、他の(非ヒト)種からのPCSK9分子などの、他の抗原への交差反応性を有する。
本発明の方法に有用な抗PCSK9抗体は、該抗体が由来する対応する生殖細胞系配列と比較して、重鎖および軽鎖可変ドメインのフレームワークおよび/またはCDR領域に1つまたはそれ以上のアミノ酸置換、挿入および/または欠失を含むことがある。そのような突然変異は、本明細書において開示するアミノ酸配列を例えば公開抗体配列データベースから入手できる生殖細胞系配列と比較することによって、容易に突き止めることができる。本発明は、本明細書において開示するアミノ酸配列のいずれかに由来する抗体およびそれらの抗原結合断片の使用を含む方法であって、1つまたはそれ以上のフレームワークおよび/またはCDR領域内の1つまたはそれ以上のアミノ酸が、該抗体が由来する生殖細胞系配列の対応する残基に、または別のヒト生殖細胞系配列の対応する残基に、または対応する生殖細胞系残基の保存的アミノ酸置換に突然変異される(このような配列交換を本明細書ではまとめて「生殖細胞系突然変異」と呼ぶ)前記方法を含む。当業者は、本明細書において開示する重鎖および軽鎖可変領域配列で出発して、1つもしくはそれ以上の個々の生殖細胞系突然変異またはそれらの組合せを含む多数の抗体および抗原結合断片を容易に生産することができる。特定の実施形態では、VHおよび/またはVLドメイン内のフレームワークおよび/またはCDR残基の全てが、抗体が由来する元の生殖細胞系配列中で見つけられる残基に復帰突然変異される。他の実施形態では、特定の残基のみ、例えば、FR1の最初の8アミノ酸中もしくはFR4の最後の8アミノ酸中で見つけられる突然変異残基のみ、またはCDR1、CDR2もしくはCDR3内で見つけられる突然変異残基のみが、元の生殖細胞系配列に復帰突然変異される。他の実施形態では、フレームワークおよび/またはCDR残基の1つまたはそれ以上が、異なる生殖細胞系配列(すなわち、抗体が当初由来した生殖細胞系配列とは異なる生殖細胞系配列)の対応する残基に突然変異される。さらに、本発明の抗体は、フレームワークおよび/またはCDR領域内に、2つまたはそれ以上の生殖細胞系突然変異の何らかの組合せ、例えば、特定の個々の残基は特定の生殖細胞系配列の対応する残基に突然変異されるが、元の生殖細胞系配列とは異なる特定の他の残基は維持されるか、または異なる生殖細胞系配列の対応する残基に突然変異される組合せを含有することもある。1つまたはそれ以上の生殖細胞系突然変異を含有する抗体および抗原結合断片は、ひとたび得てしまえば、1つまたはそれ以上の所望の特性、例えば、結合特異性改善、結合親和性増加、(場合によって)アンタゴニストまたはアゴニストとしての生物学的特性改善または向上、免疫原性低減などについて容易に試験することができる。この一般的手法で得られる抗体および抗原結合断片の使用は、本発明に包含される。
本発明は、1つまたはそれ以上の保存的置換を有する本明細書において開示するHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のいずれかについての変異体を含む抗PCSK9抗体の使用を含む方法も含む。例えば、本発明は、例えば、本明細書において開示するHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のいずれかと比較して10またはそれ以下、8またはそれ以下、6またはそれ以下、4またはそれ以下などの保存的アミノ酸置換を有する、HCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列を有する抗PCSK9抗体の使用を含む。
用語「表面プラズモン共鳴」は、本明細書において用いる場合、例えばBIAcore(商標)システム(Biacore Life Sciences devision of GE Healthcare、Piscataway、NJ)を使用してバイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度変化の検出によりリアルタイム相互作用を分析することができる光学現象を指す。
用語「KD」は、本明細書において用いる場合、特定の抗体−抗原相互作用の平衡解離定数を指すことを意図したものである。
用語「エピトープ」は、パラトープとして公知の抗体分子の可変領域内の特異的抗原結合部位と相互作用する抗原決定基を指す。単一の抗原が1つより多くのエピトープを有することもある。それ故、抗体によって、結合する抗原領域が異なることもあり、有する生物学的効果が異なることもある。エピトープは、高次構造であることもあり、または線状であることもある。高次構造エピトープは、直鎖状ペプチド鎖の異なるセグメントからの空間的に隣り合って並ぶアミノ酸によって生成される。線状エピトープは、ポリペプチド鎖内の隣接したアミノ酸残基によって生成されるものである。特定の状況では、エピトープは、抗原上の糖類、ホスホリル基またはスルホニル基部分を含むことがある。
特定の実施形態によると、本発明の方法において使用される抗PCSK9抗体は、pH依存性結合特性を有する抗体である。本明細書において用いる場合、「pH依存性結合」という表現は、抗体またはその抗原結合断片が、「中性pHと比較して酸性pHでPCSK9との結合低減」を示すことを意味する(本開示では、両方の表現を同義で用いることがある)。例えば、「pH依存性結合特性を有する」抗体は、酸性pHでより中性pHでのほうが高い親和性でPCSK9に結合する抗体およびそれらの抗原結合断片を含む。特定の実施形態において、本発明の抗体およびそれらの抗原結合断片は、酸性pHでより中性pHでのほうが少なくとも3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100倍またはそれ以上高い親和性でPCSK9に結合する。
本発明のこの態様によると、pH依存性結合特性を有する抗PCSK9抗体は、親抗PCSK9抗体と比較して1つまたはそれ以上のアミノ酸変異を有することがある。例えば、pH依存性結合特性を有する抗PCSK9抗体は、例えば、親抗PCSK9抗体の1つまたはそれ以上のCDR内に、1つまたはそれ以上のヒスチジン置換または挿入を有することがある。それ故、本発明の特定の実施形態に従って、親抗体の1つまたはそれ以上のCDRの1つまたはそれ以上のアミノ酸のヒスチジン残基での置換を除いて親抗PCSK9抗体のCDRアミノ酸配列と同一であるCDRアミノ酸配列(例えば、重鎖および軽鎖CDR)を含む抗PCSK9抗体を投与することを含む方法を提供する。pH依存性結合を有する抗PCSK9抗体は、親抗PCSK9抗体の単一のCDR内に、または親抗PCSK9抗体の複数(例えば、2、3、4、5もしくは6)のCDR全体にわたって分布している、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9またはそれ以上のヒスチジン置換を有することがある。例えば、本発明は、親抗PCSK9抗体のHCDR1に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、HCDR2に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、HCDR3に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、LCDR1に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、LCDR2に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換、および/またはLCDR3に1つもしくはそれ以上のヒスチジン置換を含む、pH依存性結合を有する抗PCSK9抗体の使用を含む。
本明細書において用いる場合、「酸性pH」という表現は、6.0またはそれ以下(例えば、約6.0未満、約5.5未満、約5.0未満など)のpHを意味する。「酸性pH」という表現は、約6.0、5.95、5.90、5.85、5.8、5.75、5.7、5.65、5.6、5.55、5.5、5.45、5.4、5.35、5.3、5.25、5.2、5.15、5.1、5.05、5.0またはそれ以下のpH値を含む。本明細書において用いる場合、「中性pH」という表現は、約7.0〜約7.4のpHを意味する。「中性pH」という表現は、約7.0、7.05、7.1、7.15、7.2、7.25、7.3、7.35および7.4のpH値を含む。
ヒト抗体の製造
トランスジェニックマウスでヒト抗体を産生する方法は当技術分野において公知である。任意のそのような公知の方法を本発明に関連して使用して、ヒトPCSK9と特異的に結合するヒト抗体を作製することができる。
VELOCIMMUNE(登録商標)技術(例えば米国特許第6,596,541号、Regeneron Pharmaceuticalsを参照されたい)、またはモノクローナル抗体の任意の他の公知産生方法を用いて、ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する、PCSK9に対する高親和性キメラ抗体を、最初に単離する。VELOCIMMUNE(登録商標)技術は、マウスが抗原刺激に応答してヒト可変領域およびマウス定常領域を含む抗体を生産するように、内在性マウス定常領域遺伝子座に作動可能に連結されたヒト重鎖および軽鎖可変領域を含むゲノムを有するトランスジェニックマウスの産生を含む。抗体の重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAを単離し、ヒト重鎖および軽鎖定常領域をコードするDNAに作動可能に連結させる。その後、完全ヒト抗体を発現することができる細胞においてそのDNAを発現させる。
一般には、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスに、対象とする抗原を感作させ、抗体を発現しているマウスからリンパ細胞(例えば、B細胞)を回収する。リンパ細胞を骨髄腫細胞株と融合させて不死ハイブリドーマ細胞株を製造することができ、そのようなハイブリドーマ細胞株をスクリーニングし、選択して、対象とする抗原に特異的な抗体を生産するハイブリドーマ細胞株を同定する。重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAを単離し、重鎖および軽鎖の望ましいアイソタイプ定常領域に連結させることができる。そのような抗体タンパク質を、CHO細胞などの細胞において生産することができる。あるいは、抗原特異的キメラ抗体をコードするDNA、または重鎖および軽鎖の可変ドメインを、抗原特異的リンパ球から直接単離することができる。
ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する高親和性キメラ抗体を最初に単離する。当業者に公知の標準的手順を用いて、抗体を特性評価し、親和性、選択性、エピトープなどをはじめとする所望の特定について選択する。マウス定常領域を所望のヒト定常領域で置換して、本発明の完全ヒト抗体、例えば野生型または修飾IgG1またはIgG4、を産生させる。選択される定常領域は具体的な用途によって変わることがあるが、高親和性抗原結合特性および標的特異性が可変領域にある。
一般に、本発明の方法で使用することができる抗体は、固相に固定された抗原または溶液相中の抗原と結合させることによって測定したとき、上で説明したような高い親和性を有する。マウス定常領域を所望のヒト定常領域で置換して、本発明の完全ヒト抗体を産生させる。選択される定常領域は具体的な用途によって変わることがあるが、高親和性抗原結合特性および標的特異性が可変領域にある。
本発明の方法に関連して使用することができる、PCSK9に特異的に結合するヒト抗体または抗体の抗原結合断片の具体的な例としては、配列番号1および11からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するか、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%配列同一性を有するその実質的に類似の配列を有する、重鎖可変領域(HCVR)に含有された3つの重鎖CDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)を含む任意の抗体または抗原結合断片が挙げられる。あるいは、本発明の方法に関連して使用することができる、PCSK9に特異的に結合するヒト抗体または抗体の抗原結合断片の具体的な例としては、配列番号37、45、53、61、69、77、85、93、101、109、117、125、133、141、149、157、165、173、181および189からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するか、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%配列同一性を有するその実質的に類似の配列を有する、重鎖可変領域(HCVR)に含有された3つの重鎖CDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)を含む任意の抗体または抗原結合断片が挙げられる。抗体または抗原結合断片は、配列番号6および15からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するか、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%配列同一性を有するその実質的に類似の配列を有する、軽鎖可変領域(LCVR)に含有された3つの軽鎖CDR(LCVR1、LCVR2、LCVR3)を含むことがある。あるいは、抗体または抗原結合断片は、配列番号41、49、57、65、73、81、89、97、105、113、121、129、137、145、153、161、169、177、185および193からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するか、または少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%配列同一性を有するその実質的に類似の配列を有する、軽鎖可変領域(LCVR)に含有された3つの軽鎖CDR(LCVR1、LCVR2、LCVR3)を含むこともある。
本発明の特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域アミノ酸配列と軽鎖可変領域アミノ酸配列の対(HCVR/LCVR)からの6つのCDR(HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む。あるいは、本発明の特定の実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、配列番号37/41、45/49、53/57、61/65、69/73、77/81、85/89、93/97、101/105、109/113、117/121、125/129、133/137、141/145、149/153、157/161、165/169、173/177、181/185および189/193からなる群から選択される重鎖可変領域アミノ酸配列と軽鎖可変領域アミノ酸配列の対(HCVR/LCVR)からの6つのCDR(HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む。
本発明の特定の実施形態において、本発明の方法で使用することができる抗PCSK9抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2/3/4/7/8/10(mAb316P)および12/13/14/16/17/18(mAb300N)(米国特許出願公開第2010/0166768号を参照されたい)から選択されるHCDR1/HCDR2/HCDR3/LCDR1/LCDR2/LCDR3アミノ酸配列を有する。
本発明の特定の実施形態において、抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む。あるいは、本発明の特定の実施形態において、抗体または抗原結合タンパク質は、配列番号37/41、45/49、53/57、61/65、69/73、77/81、85/89、93/97、101/105、109/113、117/121、125/129、133/137、141/145、149/153、157/161、165/169、173/177、181/185および189/193からなる群から選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列の対を含む。
医薬組成物および投与方法
本発明は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者に、PCSK9阻害剤を投与することを含む方法であって、該PCSK9阻害剤が医薬組成物に含有されている前記方法を含む。本発明の医薬組成物は、好適な担体、賦形剤、および好適な転移、送達、耐性などをもたらす他の薬剤を用いて製剤化される。多くの適切な製剤を全ての薬剤師に公知の処方集:Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PAにおいて見つけることができる。これらの製剤としては、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、ワックス、油、脂質、(カチオン性またはアニオン性)脂質含有ビヒクル(例えば、LIPOFECTIN(商標))、DNAコンジュゲート、無水吸収ペースト、水中油型および油中水型エマルジョン、エマルジョンカルボワックス(様々な分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、ならびにカルボワックスを含有する半固体混合物が挙げられる。Powellら、「Compendium of excipients for parenteral formulations」、PDA(1998)J Pharm Sci Technol 52:238〜311も参照されたい。
様々な送達システム、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセルへの封入、突然変異型ウイルスを発現することができる組換え細胞、受容体媒介エンドサイトーシス(例えば、Wuら、1987、J.Biol.Chem.262:4429〜4432を参照されたい)は公知であり、本発明の医薬組成物を投与するためにそれらを使用することができる。投与方法としては、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外および経口経路が挙げられるが、これらに限定されない。組成物を任意の適便な経路によって、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮内層または粘膜皮膚内層(例えば、経口粘膜、直腸および腸粘膜など)による吸収によって投与することができ、他の生物活性薬剤と一緒に投与することができる。
本発明の医薬組成物は、標準的な針および注射器で皮下または静脈内送達することができる。加えて、皮下送達に関しては、ペン型送達デバイスを本発明の医薬組成物の送達に容易に利用される。そのようなペン型送達デバイスは、再使用可能であることもあり、または使い捨てであることもある。再使用可能なペン型送達デバイスには、医薬組成物を収容している交換可能カートリッジが一般に利用される。カートリッジ内の医薬組成物の全てを投与してしまい、カートリッジが空になったら、空のカートリッジを容易に廃棄することができ、医薬組成物を収容している新たなカートリッジと容易に交換することができる。その後、そのペン型送達デバイスを再使用することができる。使い捨てペン型送達デバイスには、交換可能カートリッジがない。もっと正確に言えば、使い捨てペン型送達デバイスには医薬組成物が予め充填されており、該医薬組成物は該デバイスの貯液部に保持されている。貯蔵部の医薬組成物が空になったら、デバイス全体を廃棄する。
非常に多くの再使用可能ペン型および自己注射器送達デバイスが本発明の医薬組成物の皮下送達に利用される。例としては、ほんの数例を挙げると、AUTOPEN(商標)(Owen Mumford,Inc.、Woodstock、UK)、DISETRONIC(商標)ペン(Disetronic Medical Systems、Bergdorf、Switzerland)、HUMALOG MIX 75/25(商標)ペン、HUMALOG(商標)ペン、HUMALIN 70/30(商標)ペン(Eli Lilly and Co.、Indianapolis、IN)、NOVOPEN(商標)I、IIおよびIII(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、NOVOPEN JUNIOR(商標)(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、BD(商標)ペン(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)、OPTIPEN(商標)、OPTIPEN PRO(商標)、OPTIPEN STARLET(商標)、ならびにOPTICLIK(商標)(sanofi−aventis、Frankfurt、Germany)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の医薬組成物の皮下送達に利用される使い捨てペン型送達デバイスの例としては、ほんの数例を挙げると、SOLOSTAR(商標)ペン(sanofi−aventis)、FLEXPEN(商標)(Novo Nordisk)およびKWIKPEN(商標)(Eli Lilly)、SURECLICK(商標)オートインジェクター(Amgen、Thousand Oaks、CA)、PENLET(商標)(Haselmeier、Stuttgart、Germany)、EPIPEN(Dey,L.P.)およびHUMIRA(商標)ペン(Abbott Labs、Abbott Park IL)が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の状況では、医薬組成物を制御放出システムで送達することができる。1つの実施形態では、ポンプを使用することがある(Langer、上掲;Sefton、1987、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201を参照されたい)。別の実施形態では、高分子材料を使用することができる;Medical Applications of Controlled Release、LangerおよびWise(編集)、1974、CRC Pres.、Boca Raton、Floridaを参照されたい。さらに別の実施形態では、制御放出システムを組成物の標的のすぐそばに配置することができ、したがって全身用量のほんの一部のみ要する(例えば、Goodson、1984、Medical Applications of Controlled Release、上掲、第2巻、115〜138頁を参照されたい)。他の制御放出システムは、Langer、1990、Science 249:1527〜1533による総説で論じされている。
注射用製剤としては、静脈内、皮下、皮内および筋肉内注射、点滴注入などのための剤形を挙げることができる。これらの注射用製剤を公知の方法によって製造することができる。例えば、注射用製剤は、例えば、注射剤に従来使用されている滅菌水性媒体または油性媒体に上で説明した抗体またはその塩を溶解する、懸濁させるまたは乳化させることによって、製造することができる。注射剤のための水性媒体としては、例えば、生理食塩水、グルコースおよび他の補助剤を含有する等張溶液などがあり、これらは、適切な可溶化剤、例えばアルコール(例えば、エタノール)、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤[例えば、ポリソルベート80、HCO−50(硬化ヒマシ油のポリオキシエチレン(50mol)付加体)]などと併用されることもある。油性媒体としては、例えば、ゴマ油、ダイズ油が利用され、これらは、可溶化剤、例えば安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用されることもある。好ましくは、このようにして製造された注射剤は、適切なアンプルに充填される。
有利には、上で説明した経口または非経口使用用の医薬組成物は、活性成分の用量を合わせることに適している単位用量での剤形に製造される。単位用量でのそのような剤形としては、例えば、錠剤、ピル、カプセル、注射剤(アンプル)、坐剤などが挙げられる。
投薬量
本発明の方法に従って、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者に投与されるPCSK9阻害剤(例えば、抗PCSK9抗体)の量は、一般に、治療上有効な量である。本明細書において用いる場合、「治療有効量」という句は、LDL−C、アポB、非HDL−C、総コレステロール、HLDL−C、トリグリセリド、アポA−1およびLp(a)からなる群から選択される1つまたはそれ以上のパラメータの(ベースラインから少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%またはそれ以上の)検出可能な改善をもたらすPCSK9阻害剤の量を意味する。
抗PCSK9抗体の場合、治療有効量は、抗PCSK9抗体約0.05mg〜約600mg、例えば、約0.05mg、約0.1mg、約1.0mg、約1.5mg、約2.0mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mgまたは約600mgであることができる。
個々の用量に含有される抗PCSK9抗体の量を患者体重1キログラム当たりの抗体のミリグラム(すなわち、mg/kg)によって表すことができる。例えば、抗PCSK9抗体を患者に約0.0001〜約10mg/(患者体重のkg)の用量で投与することができる。
併用治療
本明細書中の他の箇所で説明するように、本発明の方法は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者に、該患者の以前に処方された安定した1日最大耐用量治療スタチンレジメンと併用してPCSK9阻害剤を投与することを含むことがある。本発明の特定の実施形態によると、スタチンに加えてさらなる治療薬がPCSK9阻害剤と併用して患者に投与されることもある。そのようなさらなる治療薬の例としては、例えば、(1)コレステロール取り込みおよび/もしくは胆汁酸再吸収を阻害する薬剤(例えば、エゼチミブ);(2)リポタンパク質異化を増加させる薬剤(例えば、ナイアシン);ならびに/または(3)コレステロール削減に関与するLXR転写因子の活性化剤、例えば22−ヒドロキシコレステロールが挙げられる。
投与レジメン
本発明の特定の実施形態によると、PCSK9阻害剤(すなわち、PCSK9阻害剤を含む医薬組成物)の複数の用量を被定義時間にわたって(例えば、毎日の治療スタチンレジメンに加えて)被験者に投与することができる。本発明のこの態様による方法は、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者に、PCSK9阻害剤の複数用量を逐次投与することを含む。本明細書において用いる場合、「逐次的に投与すること」は、PCSK9阻害剤の各用量を被験者に異なる時点で、例えば、所定の間隔(例えば、数時間、数日、数週間または数カ月)隔てた異なる日に投与することを意味する。本発明は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者のPCSK阻害剤の単一初回用量、その後、PCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上の第2の用量、場合によりその後、PCSK9阻害剤の1用量またはそれ以上の第3の用量を逐次的に投与することを含む方法を含む。
用語「初回用量」、「第2の用量」および「第3の用量」は、PCSK9阻害剤を含む医薬組成物の個々の用量の投与についての時系列を指す。したがって、「初回用量」は、処置レジメンの開始時に投与される用量(「ベースライン用量」とも呼ばれ)であり;「第2の用量」は、初回用量後に投与される用量であり、「第3の用量」は、第2の用量後に投与される用量である。初回、第2および第3の用量は、全て同じ量のPCSK9阻害剤を含有することもあるが、一般には投与頻度の点から互いに異なることがある。しかし、特定の実施形態において、初回、第2および/または第3の用量に含有されるPCSK9阻害剤の量は、処置の過程で互いに変動する(例えば、必要に応じて上方または下方調整される)。特定の実施形態では、2用量またはそれ以上の(例えば、2、3、4または5)用量が「負荷用量」として処置レジメンの開始時に投与され、その後、より低頻度で投与される後続の用量(例えば、「維持用量」)が投与される。
本発明の例示的実施形態によると、各第2および/または第3の用量は、直前の用量の1〜26週間(例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5週間またはそれ以上)後に投与される。「直前の用量」という句は、本明細書において用いる場合、複数の投与の順序に関して、介在する用量のない順序的にまさにその次の用量の投与の前に患者に投与される抗原結合分子の用量を意味する。
本発明のこの態様による方法は、PCSK9阻害剤の任意の数の第2および/または第3の用量をヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者に投与することを含む。例えば、特定の実施形態では、単一の第2の用量のみ患者に投与される。他の実施形態では、2またはそれ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8またはそれ以上の)第2の用量が患者に投与される。同様に、特定の実施形態では、単一の第3の用量のみ患者に投与される。他の実施形態では、2またはそれ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8またはそれ以上の)第3の用量が患者に投与される。
複数の第2の用量を含む実施形態において、各々の第2の用量は、他の第2の用量と同じ頻度で投与されることがある。例えば、各々の第2の用量は、直前の用量の1〜2、4、6、8週間またはそれ以上後にヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者に投与されることがある。同様に、複数の第3の用量を含む実施形態において、各々の第3の用量は、他の第3の用量と同じ頻度で投与されることがある。例えば、各々の第3の用量は、直前の用量の1〜2、4、6、8週間またはそれ以上後に患者に投与されることがある。あるいは、第2および/または第3の用量が患者に投与される頻度は、処置レジメンの過程を通して様々であることができる。投与頻度は、臨床検査に従って個々の患者の必要に応じて医師によって処置の過程で調整されることもある。
本発明は、アップタイトレーションオプション(本明細書では「用量修飾」とも呼ぶ)を含む投与レジメンを含む。本明細書において、「アップタイトレーションオプション」とは、PCSK9阻害剤の特定数の用量を受けた後に、患者が1つまたはそれ以上の被定義処置パラメータの指定された低減を達成しなかった場合、PCSK9阻害剤の用量がそれ以降増加されることを意味する。例えば、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者への、2週間に1回の頻度での抗PCSK9抗体の75mg用量の投与を含む治療レジメンの場合には、8週間(すなわち、第0週、第2週および第4週、第6週および第8週に投与される5用量)後に、患者が70mg/dL未満の血清LDL−C濃度を達成しなかった場合には、その後、抗PCSK9抗体の用量は、例えば、2週間に1回投与される150mg(例えば、第12週に開始する)に増大される。
特定の実施形態において、抗PCSK9抗体は、例えば少なくとも6用量にわたって、約75mgの用量で、隔週、被験者に投与される。
いくつかの実施形態において、抗体は、12週間にわたって、隔週、約75mgの用量で被験者に投与され、第8週に被験者のLDL−C値が70mg/dL未満であった場合、用量は、隔週、75mgのままである。
他の実施形態において、抗体は、12週間にわたって、隔週、約75mgの用量で被験者に投与され、第8週に被験者のLDL−C値が70mg/dL以上であった場合、用量は、隔週、約150mgに上げられる。
特定の実施形態では、抗PCSK9抗体は、例えば少なくとも6用量にわたって、約150mgの用量で、隔週、被験者に投与される。
以下の実施例は、本発明の方法および組成物の作製および使用方法の完全な開示および説明を当業者に与えるために提示するものであり、本発明者らが自分達の発明と考える範囲を限定することを意図したものではない。用いる数値(例えば、量、温度など)に関して正確を期すように努めたが、多少の実験的誤差および偏差を考慮すべきである。別段の指示がない限り、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
ヒトPCSK9に対するヒト抗体の産生
ヒト抗PCSK9抗体を米国特許8,062,640号に記載されているように産生させた。以下の実施例で使用する例示的PCSK9阻害剤は、「アリロクマブ」としても公知の「mAb316P」と称するヒト抗PCSK9抗体である。mAb316Pは、次のアミノ酸配列特性を有する:配列番号1を含む重鎖可変領域(HCVR);配列番号6を含む軽鎖可変領域(LCVR);配列番号2を含む重鎖相補性決定領域1(HCDR1);配列番号3を含むHCDR2;配列番号4を含むHCDR3;配列番号7を含む軽鎖相補性決定領域1(LCDR1);配列番号8を含むLCDR2;および配列番号10を含むLCDR3。
脂質修飾治療では十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者におけるアリロクマブの有効性および安全性を評価するための、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間研究。
序論
本研究は、記録された心筋梗塞(MI)歴または虚血性脳卒中歴のあるまたはなしで、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者を含んだ。
本研究の目的は、heFHを有しており、追加の薬理学的管理を必要とする患者でのアリロクマブの有効性および安全性を評価することであった。なぜならheFH患者の現在の脂質修飾治療(LMT)では、LDL−C処置の目的を達成できなかったからである。
本研究(図1)は、LDL−C目標値に達しないheFH患者で、スタチン±他のLMTに対する治療に対する追加としてアリロクマブ75mg(Q2W)または75mg(Q2W)/150mg(Q2W)が、LDL−Cの統計学的に有意でかつ臨床的に意味のある低下を生じることを実証しようと企てた。最適化されたLMTでLDL−C目標値に達しないこの集団は、最高リスクの群であって、彼らのLDL−C低下治療に対してアリロクマブを追加することによって取り組むことができる、十分特定された満たされない医学的ニーズがある。
研究の目的
この研究の主な目的は、heFHを有する患者での処置の24週間後にプラセボと比較した、他のLMTと共にまたはなしでの、安定した1日最大投与可能量スタチン治療に対する追加治療としてのアリロクマブによるLDL−Cの低下を実証することであった。
本研究の二次的な目的は次の通りであった:1)処置の12週間後、LDL−Cに対してプラセボと比較したアリロクマブ75mgの効果を評価すること;2)他の脂質パラメータ(すなわち、Apo B、非HDL−C、総C、Lp(a)、HDL−C、TGレベル、およびApo A−1のレベル)に対するアリロクマブの効果を評価すること;3)LDL−Cに対するアリロクマブの長期効果を評価すること;4)アリロクマブの安全性および耐容性を評価すること;5)抗アリロクマブ抗体の発達を評価すること;ならびにアリロクマブのPKを評価すること。
研究デザイン
これは、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、非釣り合い型(2:1、アリロクマブ:プラセボ)、多施設、多国間研究であって、彼らのLMT(すなわち、安定した1日最大投与可能量スタチン治療±他のLMT)で十分に制御されないheFHを有する患者でのアリロクマブの有効性および安全性を評価するための研究であった。十分に制御されないとは、記録された心血管疾患歴のある患者でスクリーニング訪問(第3週)の時点でLDL−C≧70mg/dL(1.81mmol/L)、または記録された心血管疾患歴のない患者でスクリーニング訪問(第3週)の時点でLDL−C≧100mg/dL(2.59mmol/L)として定義した。無作為化は、MIまたは虚血性脳卒中の既往歴[イエス/ノー]、スタチン処置(いかなる1日用量であれシンバスタチン、アトルバスタチン40mg未満/日またはロスバスタチン20mg未満/日に対して、アトルバスタチン40〜80mg/日またはロスバスタチン20〜40mg/日)および地理的領域によって階層化した。無作為化後、患者に、安定した1日最大投与可能量スタチン治療±他のLMTに加えて、18カ月(78週間)の期間にわたって、二重盲検研究処置(アリロクマブまたはプラセボのいずれか)をQ2Wで受けた。第8週のLDL−Cレベル次第の用量アップタイトレーションが、アリロクマブで無作為化された患者では第12週で生じ得る。18カ月の二重盲検処置期間の終了後、この研究を首尾よく完了した全患者が、オープンラベル延長研究に参加する機会があった。結果として全ての患者が、彼らが、18カ月の二重盲検処置期間の間に受けた研究処置に関わらず、オープンラベル延長研究の参加時にアリロクマブを受けた。
研究は、3期間から成った:スクリーニング、二重盲検処置および追跡調査。
スクリーニング期間は、継続期間が3週間以下であり、患者(または配偶者、親類などのような別の指定された人物)が、アリロクマブに対するプラセボを自己注射/注射するよう訓練された中間の訪問を含んだ。患者を研究に無作為化することを可能にするために適格性評価を実施した。
二重盲検処置期間(DBTP)は、18カ月の無作為化、二重盲検研究処置期間であった。二重盲検期間の間の最初の注射は、無作為化当日(第0週[D1]−V3)に部位に行った。その後の注射は、患者が好む場所(家...)で患者(自己注射)または別の指定の人物(配偶者、親類などのような)によって行った。アリロクマブに無作為化された患者は、無作為化(V3)から第12週(V6)まで(すなわち、第0週、第2週、第4週、第6週、第8週および第10週)75mg用量の治験医薬品(IMP)を受けた。第12週訪問(V6)で、これらの患者は、盲検方式で:1)第8週のLDL−Cが<70mg/dL(1.81mmol/L)である場合、第12週からすすんで第76週の最終注射まで、連続したアリロクマブ75mg(Q2W);または2)第8週のLDL−Cが≧70mg/dL(1.81mmol/L)である場合、第12週からすすんで第76週の最終注射まで、アリロクマブ150mg(Q2W)へ用量をアップタイトレーションするか、いずれかとした。
追跡調査期間(妥当な場合)は、オープンラベル延長研究に参加する同意なしの患者に関して、または早期に研究処置を終了する場合、DBTPの終了後8週間の期間であった。
脂質パラメータの実験室測定は、研究の間、中央実験室(中央検査室)で行った。
研究の間に2連続算出LDL−Cレベル<25mg/dL(0.65mmol/L)を達成した患者をモニタリングし、管理した。
スタチンおよび他のLMT(妥当な場合)は、最優先事項がそのような変更を正当化する例外的事情がなければ、DBTPの最初の24週間の期間は、安定であるべきである(用量を含む)。第24週からすすんで、バックグラウンドのLMTは、下記のような特定の条件下でのみ改変されてもよかった。
患者は、スクリーニングから研究の期間全体にわたって、安定な食事状態(NCEP−ATPIII治療のライフスタイル変化[TLC]の食事または相当状態)であるべきである。表1は、高コレステロールのTLC食の概要を提供する。
Figure 2017528427
研究期間は、最大3週間のスクリーニング期間、有効性および安全性評価のための78週のDBTP、ならびにオープンラベル延長研究に参加する同意のない患者に関してまたは研究処置を早期に終了する場合はDBTPの最終訪問後8週の処置後追跡調査期間を含んだ。したがって、患者ごとの最大の研究期間は、約89週間(すなわち、20カ月)(最大3週間のスクリーニング+78週間の二重盲検処置+8週間の追跡調査)であった。患者ごとの研究の終了は、最後のプロトコールによって計画された訪問またはどちらが最後に来るとしても全てのSAEおよびAESIの回復/安定化であった。
患者の選択
この組み入れ基準は次の通りであった:1)スクリーニング訪問(−第3週)の前に、安定した用量で、他のLMTの有無に拘らずスタチン**の最大投与可能1日用量で十分に制御されなかったheFHのある患者。
heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準いずれかによって行わなければならなかった。遺伝子型判定しなかった患者についての臨床診断は、確定FHの基準に関してサイモン・ブルーム基準に基づくこともあり、またはスコア>8点でWHO/Dutch Lipid Network基準に基づくこともあった。
ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症に関するサイモン・ブルーム登録者診断基準に従って、確定家族性高コレステロール血症を次のように定義した:16歳未満の児童における総C>6.7mmol/l(260mg/dL)、もしくは4.0mmol/l(155mg/dL)より高いLDLコレステロール、または成人における総C>7.5mmol/l(290mg/dL)、もしくは4.9mmol/l(190mg/dL)より高いLDLコレステロール(処理前のレベルまたは処置中の最高レベルいずれか);加えて、A)患者もしくは一親等血縁者(親、兄弟姉妹、子)もしくは二親等血縁者(祖父母、叔父、叔母)における腱黄色腫;またはB)LDL受容体突然変異もしくは家族性アポB欠損のDNAに基づく証拠のいずれか。
ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症に関するサイモン・ブルーム登録者診断基準に従って、可能性のある家族性高コレステロール血症を次のように定義した:1)16歳未満の児童における総C>6.7mmol/l(260mg/dL)、もしくは4.0mmol/l(155mg/dL)より高いLDLコレステロール、または成人における総C>7.5mmol/l(290mg/dL)、もしくは4.9mmol/l(190mg/dL)より高いLDLコレステロール(処理前のレベルまたは処置中の最高レベルいずれか);ならびに次のうちの少なくとも1つ:A)二親等血縁者における年齢50歳未満もしくは一親等血縁者における年齢60歳未満のMIの家族歴;およびB)成人一もしくは二親等血縁者における>7.5mmol/l(290mg/dL)もしくは年齢16歳未満の子もしくは兄弟姉妹における>6.7mmol/l(260mg/dL)のコレステロール上昇の家族歴。
ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)の診断に関するWHO基準(Dutch Lipid Network臨床基準)を表2に示す。
Figure 2017528427
**最大投与可能量の定義(以下のいずれも許容可能である):1)ロスバスタチン20mgまたは40mg/日;2)アトルバスタチン40mgまたは80mg/日;3)シンバスタチン80mg/日(>1年、この用量を既に受けている場合);4)上記スタチン用量のいずれも用いることができない患者は、治験責任医師の判断または懸念に応じて患者にとって適切と考えられる毎日のアトルバスタチン、ロスバスタチンまたはシンバスタチンの用量で処置を受けるものとした。より低いスタチン用量を摂取した患者の許容可能な理由のいくつかの例としては、これらに限定されるものではないが次のことが挙げられる:より高い用量での有害作用、高齢、低いボディマスインデックス、地域特有の実施、限局的処方情報、併用薬、併発状態、例えば耐糖能障害/空腹時血糖異常。
上記組み入れ基準全てを満たした患者を、次の3つのサブセクションにソートして番号付けされる、以下の除外基準についてスクリーニングした:研究方法論に関連する除外基準、実効対照薬および/または必須のバックグラウンド治療に関連する除外基準、ならびにアリロクマブに関連する除外基準。
研究方法論に関する除外基準は次の通りであった:1)遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行われたheFHの診断のない患者;2)スクリーニング訪問(−第3週)時にLDL−C<70mg/dL(<1.81mmol/L)、および心血管疾患歴のある患者。心血管疾患は、冠動脈心疾患、虚血性脳卒中または末梢動脈疾患として定義した;3)スクリーニング訪問(−第3週)時に、LDL−C<100mg/dL(<2.59mmol/L)、および心血管の疾患歴のない患者;4)適用可能な場合、スクリーニング訪問(−第3週)の前およびスクリーニングから無作為化まで、少なくとも4週間の安定した用量のLMT(スタチンを含む)および/または少なくとも6週間のフェノフィブラートにない;5)現在、シンバスタチン、アトルバスタチン、またはロスバスタチン以外のスタチンを摂取している;6)シンバスタチン、アトルバスタチン、またはロスバスタチンを毎日摂取していないか、または登録した用量で摂取していない;7)アトルバスタチン80mg、ロスバスタチン40mg、またはシンバスタチン40mgを超える1日用量(1年より長い間シンバスタチン80mgを受けており、適格である、患者は除く);8)スクリーニング訪問(−第3週)の6週間以内、またはスクリーニングと無作為化訪問の間のフェノフィブラート以外のフィブラートの使用;9)スクリーニング訪問(−第3週)の前少なくとも4週間、またはスクリーニングと無作為化訪問との間、安定した用量/量でなかった、脂質に作用し得る栄養補助食品または市販薬の治療の使用;10)スクリーニング訪問(−第3週)の4週間以内、またはスクリーニングと無作為化訪問の間の紅色酵母米製品の使用;11)スクリーニング訪問(−第3週)の前2週間以内に血漿交換処置を受けた、またはこの研究の間にその処置を受ける計画がある患者;12)最近の(スクリーニング訪問[−第3週]の前3カ月以内の、またはスクリーニング訪問と無作為化訪問の間の)MI、入院につながる不安定狭心症、経皮的冠動脈形成術(PCI)、冠動脈バイパス移植手術(CABG)、制御されない心不整脈、脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、頸動脈血行再建術、末梢血管疾患のための血管内手術または外科的介入;13)予定されたPCI、CABG、頸動脈または末梢血行再建をこの研究中に受けるように計画されている;14)スクリーニング訪問または無作為化訪問時の収縮期BP>160mmHgまたは拡張期BP>100mmHg;15)過去12カ月以内のニューヨーク心臓協会(NYHA)クラスIIIまたはIVの心不全歴;16)出血性脳卒中の既往歴;17)スクリーニング訪問(−第3週)時に18歳または法律上成人、いずれか高い方の年齢未満;18)スクリーニング訪問(−第3週)の前にコレステロール低下食についての事前指導を受けていない患者;19)新しく診断(無作為化訪問[第0週]の前3カ月内)または制御不十分(スクリーニング訪問[−第3週]時の糖化ヘモグロビン[HbA1c]>9%の糖尿病);20)血清脂質またはリポタンパク質に影響することが公知の制御されていない何らかの臨床的に有意な内分泌疾患の存在。甲状腺補充治療の患者は、投薬量が、スクリーニング前およびスクリーニングと無作為化訪問の間、少なくとも12週間にわたって安定であり、TSHレベルが、スクリーニング訪問時に中央実験室の正常範囲内である場合、含まれてもよいことに注意のこと;21)スクリーニング訪問(−第3週)の前12カ月内の肥満手術歴;22)スクリーニング訪問(−第3週)の前2カ月内に5kgを超える変動で定義される不安定な体重;23)ヘテロ接合性FHの既往歴;24)PCSK9の機能喪失(すなわち、遺伝子突然変異または配列変異)の既往歴;25)無作為化訪問(第0週)の前少なくとも6週間の、安定したレジメンで下垂体/副腎疾患のための補充治療として使用した場合を除く、全身性コルチコステロイド薬の使用。局所的、関節内、鼻、吸入および眼科的ステロイド治療は、「全身性」とみなさず、許可することに注意のこと;26)レジメンがスクリーニング訪問(−第3週)の前の過去6週間安定しており、かつ研究中にそのレジメンを変更する計画がない場合を除く、連続的なエストロゲンまたはテストステロンホルモン補充治療の使用;27)適切に処置された基底細胞皮膚癌、扁平細胞皮膚癌、または子宮頸部上皮内癌を除く、過去5年以内の癌歴;28)HIV陽性の試験既往歴;29)1カ月以内または5半減期以内、いずれか長い方で、アリロクマブトレーニング用プラセボキット以外の何らかの治験薬を摂取した患者;30)アリロクマブまたは何らかの他の抗PCSK9モノクローナル抗体の少なくとも1用量を用いて他の臨床試験で以前に処置された患者;31)スクリーニング期間中に同意を撤回する患者(継続する意思がないか、または再訪問しない患者);32)次のような条件/状況:a)治験責任医師または任意の治験補助医師の判断で、研究の安全な完了を妨げるか、もしくはエンドポイントの評価を制約することになる、スクリーニング時に特定される何らかの臨床的に有意な異常、例えば、重大な全身性疾患、余命の短い患者、;またはb)治験責任医師または任意の治験補助医師によって何らかの理由でこの研究に不適切とみなされる患者、例えば、以下の患者:予定された訪問などの特定のプロトコール要件を満たすことができないと判断される患者;患者または治験責任医師により長期間の注射を投与または耐容することができないと判断される患者;治験責任医師もしくは任意の治験補助医師、薬剤師、研究コーディネーター、またはプロトコールの実施に直接関与する他の研究スタッフもしくはその親族など;治験責任医師が研究継続期間に患者の参加を限定もしくは制限することになると感じる、実際のまたは予測される何らかの他の条件(例えば、地理的、社会的条件)の存在;あるいは33)(無作為化の第0週の検査を含まない)スクリーニング期間中の検査所見:B型肝炎表面抗原またはC型肝炎抗体についての検査陽性;妊娠の可能性がある女性(WOCBP)における血清ベータhCGまたは尿妊娠検査(第0週を含む)の陽性;トリグリセリド>400mg/dL(>4.52mmol/L)(1回の再検査を許可する);腎疾患(MDRD)研究方程式における食事の4変数改変に従って推定糸球体濾過率(eGFR)<30mL/分/1.73m(中央検査室で算定);アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)>3×正常の上限(ULN)(1回の再検査を許可する);CPK>3×ULN(1回の再検査を許可する);TSH<正常の下限(LLN)または>ULN(1回の再検査を許可する)。
対照実薬および/または必須バックグラウンド治療に関する除外基準は、次の通りであった:1)それぞれの国の製品表示に示されている通りのバックグラウンド治療の全ての忌避または使用についての警告/注意(適宜)。
アリロクマブに対する除外基準は、次の通りであった:1)モノクローナル抗体もしくは薬物製品の任意の成分に対する既知過敏症;2)妊娠しているまたは授乳中の女性;または3)非常に有効な受胎調整方法によって保護されていない妊娠の可能性がある女性(同意説明文書で、および/または局所プロトコール追記で定義される)および/または妊娠について検査する意思がないもしくは検査することができない女性。妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時および無作為化訪問時に尿妊娠検査陰性が確認されていなければならなかったことに注意のこと。彼女たちは、この研究処置の期間全体を通して、かつIMPの最終摂取後10週間、有効な避妊法を用いなければならず、指定訪問時に尿妊娠検査を繰り返すことに同意しなければならなかった。閉経後女性は、少なくとも12カ月間、無月経でなければならなかった。
研究方法論に関する除外基準番号2に定義されるような、冠動脈心疾患、虚血性脳卒中、および末梢動脈疾患は次の通りであった。記録されたCHD歴(以下の1つまたはそれ以上を含む):急性心筋梗塞(MI);無症候性心筋梗塞;不安定狭心症;冠動脈血行再建術(例えば、経皮的冠動脈形成術[PCI]または冠動脈バイパス移植手術[CABG]手術);侵襲的または非侵襲的検査(例えば、冠動脈造影法、トレッドミルを用いる負荷試験、負荷心エコー検査、または核イメージング)で診断された臨床的に有意なCHD。
アテローム性動脈硬化症に起因すると考えられる、24時間より長く持続した局所虚血性神経障害を有する記録された以前の虚血性脳卒中。CTまたはMRIを行って、出血および非虚血性の神経学的疾患を除外しなければならなかった。
記録された末梢動脈疾患(次の基準のうち1つを満たさなければならない):1)安静時のいずれかの脚で0.90以下の足関節・上腕血圧指数と共に、アテローム性動脈硬化症に起因すると推定される現在の間欠性跛行(再現可能であり、かつ10分以内の休息によって緩和される運動で生じる下肢の筋肉不快感)または2)アテローム性動脈硬化症のための片脚もしくは両脚における血管内手術または外科的介入と共に、間欠的跛行歴(再現可能であり、かつ10分以内の休息によって緩和される運動で生じる下肢の筋肉不快感)または3)アテローム性動脈硬化症のための片脚もしくは両脚における血栓溶解、血管内手術または外科的介入と共に、重症虚血肢歴。
研究処置
無菌アリロクマブ薬物製品は、75mg/mLおよび150mg/mLの両方の濃度で自己注射器中の体積1mLとして供給した。この薬物は、ヒスチジン、pH6.0、ポリソルベート20、およびスクロース中に処方した。
アリロクマブのための無菌のプラセボは、自己注射器中の体積1mLとしてタンパク質添加なしでアリロクマブと同じ処方で調製した。
二重盲検処置期間の間、アリロクマブまたはプラセボは、皮下にQ2Wで投与し、これは第0週で開始して、二重盲検の処置期間(DBTP)の終わりの2週間前、最終注射(第76週)まで続けた。注射を施設訪問と同じ日に行うように計画したならば、IMPは、血液サンプリングが完了した後に投与した。
治験医薬品(IMP)は、理想的には、1日のうちほぼ同じ時間で皮下投与されるべきであった(Q2W);しかし、±3日のウィンドウピリオドを有することが許容された。その日のその時間は、患者の好みに基づいた。
次のクラスの薬物は、その薬物がバックグラウンド治療薬または有望な救急薬のいずれかであったので、非NIMPとみなした:スタチン(ロスバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン);コレステロール吸収阻害剤(エゼチミブ);胆汁酸結合封鎖剤(例えば、コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム);ニコチン酸;フェノフィブラート;オメガ−3脂肪酸(≧1000mg/日)。
患者は、置換ブロック無作為化によって、1:2の比を用いて、二重盲検研究処置期間中にプラセボまたはアリロクマブのいずれかを受けるように無作為化した。無作為化は、MIまたは虚血性脳卒中の既往歴[イエス/ノー]、スタチン処置(いかなる1日用量であれシンバスタチン、アトルバスタチン40mg未満/日またはロスバスタチン20mg未満/日に対して、アトルバスタチン40〜80mg/日またはロスバスタチン20〜40mg/日)および地理的領域に応じて階層化した。
併用薬は、この研究と同時に(追跡調査訪問まで)患者が受けたあらゆる処置薬であった。併用薬は、この研究中、最低限に保つべきであった。しかし、これらの併用薬は、患者の福祉のために必要と考えられ、IMPに干渉する可能性が低いと考えられる場合、治験責任医師の裁量で、安定した用量で(可能な場合)与えることができる。この節で提供する併用薬に関する特定の情報に加えて、任意の他の併用薬を許可することにする。患者が、スクリーニング訪問(−第3週)時にLDL−C≧160mg/dL(4.14mmol/L)を有し、患者をスタチンのみで、すなわち、さらなるLMTなしで処置した場合、治験責任医師は、患者が第2のLMTを受けていなかった理由を報告しなければならない。スタチンを含む、バックグラウンドLMTのために、施設は、患者の安全性モニタリングおよび管理のために、国の製品ラベルに従わなければならない。
脂質に作用することができる栄養補助食品または市販の治療薬は、スクリーニング訪問前少なくとも4週間、スクリーニング期間中、安定した用量で使用され、二重盲検処置期間の最初の24週間の間、維持される場合にのみ許可した。第24週訪問後、これらの栄養補助食品または市販の治療薬の変更を許可したが、一般には避けるべきであった。そのような栄養補助食品または市販の治療薬の例としては、用量<1000mgでのオメガ−3脂肪酸、植物スタノール、例えばベネコールに見られるもの、アマニ油、およびサイリウムが挙げられた。
患者は、スクリーニング訪問の前少なくとも4週間(フェノフィブラートに関しては6週間)の間、他のLMTの有無に拘らずスタチンの登録された安定した最大投与可能1日用量に基づかなければならなかった。研究の間、患者は、他のLMTの有無に拘らずスタチンの登録されたこれらの安定した最大投与可能1日用量で維持されるべきである。スクリーニング訪問(−第3週)から二重盲検処置期間の第24週まではバックグラウンドLMTを変更すべきでなかった。他のスタチンまたは他のLMTの用量調整、中止または開始は、治験責任医師の判断に従って最優先事項(中央検査室によって発せられるトリグリセリドの警告を含むが、これに限定されない)がそのような変更を正当化する例外的事情がなければ、この時期に行うべきではなかった。
第24週訪問および後の時点でLDL−Cの救済の通知のため、すなわち、2連続事例での無作為化訪問LDL−Cに比較して25%を超えるLDL−Cの増大のため、治験責任医師は、不十分なLDL−C対照のために合理的な説明(例えば、コルチコステロイド使用などのような別の医学的原因など)がないこと、および具体的には:食事に対するコンプライアンスが適切であったこと;バックグラウンドLMTに対するコンプライアンスが適切であったこと;および研究処置が計画通りに与えられたことを確認しなければならなかった。上記のいずれかが不十分なLDL−Cの制御を合理的に説明できる場合、治験責任医師は、適切な行動を企てなければならない、すなわち、処置を順守する絶対的な必要性の重視し、必要ならば、資格のある栄養専門家による専門的インタビューを開催し、および食事を順守する絶対的な必要性を重視し、および1〜2カ月内に盲検のLDL−C評価を行わなければならなかった。もし上述の理由が見出されなかったならば、または適切な行動によっても警告値のもとでLDL−Cを低下できなかったならば、救急薬が導入された場合もある。
閾値を上回るLDL−Cの理由が見出せなかった場合、または適切な行動で、閾値を下回ってLDL−Cを低下できなかった場合、救急薬が導入された場合もある。任意のこのような変化の有効性は、次の慣用的に予定された検査結果で盲検の脂質試験からの救急の閾値を欠くことに基づいて行うべきであった。プロトコールによる患者は、既に、最大耐用量のスタチンを受けており、そのためスタチンのアップタイトレーションまたは切り換えは、選択肢ではなかった。さらにLDL−Cを低下するために、治験責任医師は以下を追加することを検討することができた:コレステロール吸収阻害剤(エゼチミブ)、または胆汁酸結合封鎖剤(樹脂コレスチラミンおよびコレスチポール、またはコレセベラム、非吸収性ポリマー)。以下の脂質修飾剤もまた考慮してもよい:フィブラート(注記:筋障害のリスクのために、スタチンなどの他のコレステロール低下薬とフィブラートとを併用する場合は、注意を払うべきである。フィブレートをスタチンと組み合わせる場合、フェノフィブラートが、スタチンのグルコン酸抱合に影響しないので、選ばれるフィブラートである。プロトコールによって許される唯一のフィブラートは、フェノフィブラートであった;ニコチン酸(ナイアシン)(注記:ナイアシンは血糖値を上げるが、血糖値が維持される場合は、糖尿病を有する人では脂質障害を修飾するのに有効であることが示されている)。
まとめると、バックグラウンドのLMTは、スクリーニングから追跡調査訪問まで、改変されるべきではない。しかし、第24週まで、確認されたTGの警告に達したならば、または抗し難い臨床的懸念があったならば(治験責任医師の判断で)、バックグラウンドのLMTの改変を許可した。第24週からすすんで、確認されたTGの警告に達したならば、またはLDL−Cの救急の閾値が得られたならば(かつ他に合理的な説明がなければ)、または抗し難い臨床的懸念があったならば(治験責任医師の判断で)、バックグラウンドのLMTの改変を許可した。
出産可能な女性は、研究処置を通じて、かつ最終のIMP注射後10週間(例えば、追跡調査訪問)、有効な避妊方法をとらなければならなかった。
最初のスクリーニング訪問から追跡調査訪問までの併用禁忌医薬は以下であった:シンバスタチン、アトルバスタチンおよびロスバスタチン以外のスタチン;フェノフィブラート以外のフィブラート;および紅色酵母米製品。
研究のエンドポイント
主要有効性エンドポイントは、ベースラインから第24週までの算定LDL−Cの変化率であって、これは次のように定義した:100×(第24週の算定LDL−C値−ベースラインの算定LDL−C値)/ベースラインの算定LDL−C値。ベースラインの算定LDL−C値は、最初の二重盲検IMP注射の前に得られた最後のLDL−Cレベルであった。第24週の算定LDL−Cは、第24週の解析ウィンドウ内、および主要な有効性期間の間に得られたLDL−Cレベルであった。主要な有効性期間とは、最初の二重盲検のIMP注射から、最終の二重盲検のIMP注射後21日まで、または第24週の解析ウィンドウの上限まで、いずれか早い方の時間として定義した。全ての算定LDL−C値(予定または予定外、空腹時または非空腹時)は、上記の定義によって適切である場合、これを用いて、主要有効性エンドポイントの値を得てもよい。
重要な副次的有効性エンドポイントは次の通りであった:1)ベースラインから第12週まで算定LDL−Cにおける変化率:第12週の算定LDL−Cが第12週の解析ウィンドウ内、および12週の有効性期間の間に得られたLDL−Cレベルであったこと以外は、主要有効性エンドポイントについてと同様の定義および規則。12週の有効性期間とは、最初の二重盲検のIMP注射から第6訪問の再供給IVRS接触まで、または最終の二重盲検のIMP注射後21日まで、いずれか早い方の時間として定義した。第6訪問の再供給IVRS接触の日に収集した血液サンプリングは、タイトレーション前とみなした;2)ベースラインから第24週までのApo Bの変化率(主要エンドポイントについてと同じ定義および規則を用いる);3)ベースラインから第24週までの非HDL−Cの変化率(主要エンドポイントについてと同じ定義および規則を用いる);4)ベースラインから第24週までの総Cの変化率(主要エンドポイントについてと同じ定義および規則を用いる);5)ベースラインから第12週までのApo Bの変化率(ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則を用いる);6)ベースラインから第12週までの非HDL−Cの変化率(ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則を用いる);7)ベースラインから第12週までの総Cの変化率(ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則を用いる);8)ベースラインから第52週までの算定LDL−Cにおける変化率(第24週を第52週で置き換えて、主要エンドポイントについて用いられるのと同様である定義および規則を用いる)。(第52週の有効性期間は、最初の二重盲検のIMP注射から最終の二重盲検のIMP注射後21日まで、または第52週の解析ウィンドウの上限まで、いずれか早い方の時間として定義したことに注意のこと);9)第24週でLDL−C目標値、すなわち、前CVDの場合は、LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)または前CVDなしの患者では<100mg/dL(2.59mmol/L)(主要エンドポイントに用いた定義および規則を用いて、次のように定義される:(第24週で算定LDL−C値がLDL−C目標値に達する患者の数/修正治療企図(mITT)集団の患者数)*100)に達する患者の割合;10)第24週でLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する患者の割合;11)ベースラインから24週までのLp(a)の変化率(主要エンドポイントについてと同じ定義および規則を用いる);12)ベースラインから第24週までのHDL−Cの変化率(主要エンドポイントについてと同じ定義および規則を用いる);13)ベースラインから第12週までのHDL−Cの変化率(ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則を用いる);14)ベースラインから第12週までのLp(a)の変化率(ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則を用いる);15)ベースラインから第24週までの空腹時TGの変化率(主要エンドポイントについてと同じ定義および規則を用いる);16)ベースラインから第12週までの空腹時TGの変化率(ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則を用いる);17)ベースラインから第24週までのApo A−1の変化率(主要エンドポイントについてと同じ定義および規則を用いる);ならびに18)ベースラインから第12週までのApo A−1の変化率(ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則を用いる)。
他の副次的有効性エンドポイントは次の通りであった:1)ベースラインから第78週までの算定LDL−Cにおける変化率(第24週を第78週で置き換えて、主要エンドポイントについて用いられるのと同様であった定義および規則を用いる)。第78週の有効性期間は、最初の二重盲検のIMP注射から最終の二重盲検のIMP注射後21日まで、または第78週の解析ウィンドウの上限まで、いずれか早い方の時間として定義された;2)第12週、第52週および第78週でLDL−C目標値、すなわち、前CVDの場合は、LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)または前CVDなしの患者では<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;3)第24週でLDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;4)第12週でLDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;5)第12週でLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する患者の割合;6)ベースラインから第12週、第24週、第52週および78週までの算定LDL−C(mf/dLおよびmmol/L)の絶対変化;7)ベースラインから第52週および第78週までのApo B、非HDL−C、総C、Lp(a)、HDL−C、空腹時TG、およびApo A−1の変化率;8)ベースラインから第12週、第24週、第52週および第78週までのApo B/Apo A−1の比の変化;9)第12週、第24週、第52週および第78週で、Apo B<80mg/dL(0.8g/L)である患者の割合;10)第12週、第24週、第52週および第78週で、非HDL−C<100mg/dLである患者の割合;ならびに11)第12週、第24週、第52週および第78週で、算定LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)であるか、および/または算定LDL−Cの低下≧50%(算定LDL−C≧70mg/dL[1.81mmol/L]の場合)である患者の割合。
他のエンドポイントは次の通りであった:抗アリロクマブ抗体評価、高感度C反応性タンパク質、糖化ヘモグロビンA1c、EQ−5D質問表、遺伝薬理学、および薬物動態学。抗アリロクマブ抗体は、抗体の状態(陽性/陰性)および抗体力価を含んだ。抗アリロクマブ抗体決定のための血清サンプルは、研究全体にわたって定期的に採取した。無作為化訪問の最初に予定したサンプルは、IMP注射の前(投与前)に得た。追跡調査訪問時に抗アリロクマブ抗体について240以上の力価を有した患者は、最終投与後6〜12カ月で、およびその後は、力価が240未満に戻るまでほぼ3〜6カ月ごとに、追加して抗体サンプルをとった。高感度C反応性タンパク質(hs−CRP)の変化率は、ベースライン、ならびに第24週、第52週および第78週で測定した。EQ−5Dは、臨床的および経済的な鑑定のための健康の単純な一般的尺度を提供するために、EuroQolグループが開発した健康状態の標準的な尺度である。EQ−5Dは、健康関連のクオリティオブライフの尺度として、5つの側面に関して健康を定義する:移動度、セルフケア、日常活動能力、疼痛/不快感、不安/抑うつ。各々の側面は、3つの回答のうちの1つをとることができる(重篤度の3段階レベル):「問題なし」(1);「何らかの問題」(2);「重度の問題」(3);全体的な健康状態は、5ケタの数で定義される。5つの側面の分類で定義される健康状態は、健康状態を定量する対応するインデックススコアに変換され得、ここでは0は「死亡」であり、1は「完全な健康」に相当する。
研究手順
1日目/第0週(無作為化訪問)後の全ての訪問について、特定の日数の時間枠が許可された。12および24週での訪問のウィンドウピリオドは、±3日であり、52週および78週で±5日であり、全ての他のサイト訪問については、二重盲検処置期間および追跡調査機関の間は±7日であった。無作為化訪問(1日目/第0週)については+3日というウィンドウピリオドが許可され、スクリーニング期間の間の注射訓練訪問(−第1週)については±7日が許可された。1日目/無作為化訪問後の全ての訪問について、訪問日が変更された場合には、次の訪問は、元のスケジュールに従って行うべきである。
安全性
患者が報告したか、または治験責任医師が注目した治療創発的有害事象(TEAE)の出現、重篤な有害事象(SAE)、処置中止につながるTEAE、特に対象とするAE(判定結果によって確認された、局所注射部位反応、アレルギー事象、選択された神経学的事象、および心血管事象)、実験室パラメータにおけるPCSA(潜在的に臨床的に有意な異常)の出現、2連続の算定LDL−C<25mg/dL(<0.65mmol/L)のある患者について、および糖尿病を含む、血糖制御の変化についての予備解析。
統計学的方法
サンプルサイズ決定:
45名の患者の総サンプルサイズ(アリロクマブで30名、およびプラセボで15名)は、0.05という両側有意差水準で、かつ25%という共通の標準偏差を仮定して、30%というLDL−Cの平均変化率の差を検出するのに95%の検出力を有し、これらの45名の患者の全てが、評価可能な主要エンドポイントを有する。それにも関わらず、このプログラムにわたって規制要件を満たすには、アリロクマブの安全性を評価するにはサンプルサイズを増大した。この研究で12カ月間追跡調査されるアリロクマブに少なくとも225名の患者がいるように、そして最初の3カ月間にわたって10%という脱落率および残りの9カ月にわたって20%という脱落率を仮定して、最終の総サンプルサイズは471まで増大させ、無作為化比は2:1とした(アリロクマブ314:プラセボ157)。
解析のタイミング:
第1段階解析には、第52週(最終の有効性解析)および中間の安全性解析までの有効性エンドポイントを含み、これは、共通の研究カットオフ日(最終患者の第52週訪問)まで、全ての安全性データで行った。第52週を超える脂質データの解析は、説明的なものであった。結果は本明細書に提示されている。
第2ステップ(最終)解析は、研究の最後に実施され、第78週までの効能エンドポイントの最終解析および最終安全性解析からなる。
解析集団:
主効能解析集団は、全て無作為化された、評価可能な主要効能エンドポイントを有する患者、すなわち、入手可能なベースライン算定LDL−C値および第24週までの解析ウィンドウの1つ内の少なくとも1つの入手可能な算出LDL−C値(全ての算出LDL−C値オントリートメントおよびオフトリートメントを含む)を有するものとして定義される処置企図(ITT)集団であった。
副次的効能解析集団は、全て無作為化された、二重盲検治験医薬品(IMP)の少なくとも1用量または用量の一部を摂取した、ならびにベースラインでの入手可能な算出LDL−C値および効能処置期間の間に第24週までの解析ウィンドウの1つ内の少なくとも1つの値を有していた患者として定義される修飾された処置企図(mITT)集団であった。効能処置期間は、最初の二重盲検IMP投与から最後の二重盲検注射後21日までの時間として定義された。
安全性集団は、全て無作為化された、二重盲検IMPの少なくとも1用量または用量の一部を受けた患者を含んだ。
効能解析:
効能エンドポイントの主解析は、ITTアプローチを使用して実施し(上記で定義されたITT集団に基づいて)、患者が処置を継続していたか否かに関わらず、全ての脂質データを含んだ。これは、主および肝要な副次的エンドポイントについて定義されるITT被推定値に対応する。さらに、分析はまた、オントリートメントアプローチを使用して実施された(上記で定義されるmITT集団に基づいて)、効能処置期間の間に収集された脂質データを含む。これは、肝要な副次的エンドポイントのオントリートメント被推定値に対応する。
ITTアプローチは、処置に対するその順守率に関わらず全ての患者を解析し;処置戦略の利益を評価し、患者の集団における効果をできる限り多く反映した。患者が実際に処置を受けた期間に制限された、オントリートメントアプローチは、処置の効果を解析した。考慮された時点までに処置に対して順守する患者において処置が達成する利益を評価した。
効能解析は、無作為化されたような処置に従って実施した。
予定されたまたは予定外の、空腹時または非空腹時、全ての測定値を、第4週から第78週の時点で評価を提供するために解析ウィンドウに割り当てた。
主効能解析(ITTアプローチ)に関して、ベースラインから24週までの算出LDL−Cの変化率を、反復測定を用いる混合効果モデル(MMRM)アプローチを使用して解析した。第4週から第52週の解析ウィンドウから入手可能な全てのポストベースラインデータを使用し、欠測データをMMRMによって考慮した。モデルは、処置群(プラセボ対アリロクマブ)、無作為化層(IVRSのように)、時点(第4週から第52週)、処置と時点の相互作用および層と時点の相互作用ならびにベースラインLDL−C値およびベースライン値と時点の相互作用の連続固定共変数の固定カテゴリー効果を含んだ。このモデルは、その対応する標準誤差および95%信頼区間とともに両処置群について第24週でのベースライン調整最小二乗平均(LS平均)推定値を提供した。アリロクマブ対プラセボ群を比較するために、適当なコントラストステートメントを使用して、5%αレベルでこれらの推定値の相違を試験した。
多重度について制御しながら肝要な副次的エンドポイントを試験するために(肝要な副次的エンドポイントの上記の順序を使用して)、階層的手順が定義された。第1の肝要な副次的エンドポイントは、オントリートメントアプローチを使用するベースラインから第24週までの算出LDL−Cの変化率であった。
正規分布を有すると予測される連続副次的変数(すなわち、TGおよびLp(a)以外の脂質)を、主要なエンドポイントの同一MMRMモデルを使用して分析した。非正規分布を有すると予測される連続エンドポイント(すなわち、TGおよびLp(a))は、欠測値の取り扱いのための複数の補完アプローチと、それに続く、処置群を用いるM−推定(SAS ROBUSTREG手順を使用する)、無作為化層(IVRSのように)および処置効果を比較するための効果として対応するベースライン値(単数または複数)を使用して可変の応答として対象とするエンドポイントを用いる頑強な回帰モデルを使用して解析した。両処置群における平均の組合せ推定値ならびにその対応するSE、95%CIおよびp値とともにこれらの推定値の相違が提供された(SAS MIANALYZE手順によって)。
欠測値の取り扱いのための複数の補完アプローチと、それに続く、主効果としての処置群を用いる重層ロジスティック回帰および無作為化因子(IVRSのように)によって重層された、共変数としての対応するベースライン値(単数および複数)を使用して、2値副次的効能エンドポイントを解析した。オッズ比対プラセボの組合せ推定値、95% CIおよびp値が提供された(SAS MIANALYZE手順によって)。
安全性解析:
安全性解析は、実際に受けた処置に従って安全性集団で実施した説明的なものであった。安全性解析は、二重盲検IMPの第1の用量から最後の二重盲検注射後70日までの時間として定義されるTEAE期間に焦点を合わせた。オープンラベル延長研究(LTS13643)において、患者を包括した後に、発症し、悪化し、重篤になったTEAEまたは生じるPCSAは、TEAE期間において考慮しなかった。TEAE期間は、共通研究カットオフ日で切り詰められた。
結果
研究の患者
患者説明責任
486名の無作為化患者(それぞれ、アリロクマブ群およびプラセボ群で、323名の患者および163名の患者)のうち、アリロクマブ群の1名の患者は処置せず、したがって、これは安全性集団に含まなかった。この患者はまた、ITT集団からも除外された(1日目に患者が同意を取り下げたので第24週までの解析ウィンドウの1つの中にLDL−C値はない)。
アリロクマブ群における2名の無作為化患者は、mITT集団から除外された(1名の患者はITT集団から除外され、1名の患者は、有効性処置期間の間、第24週までの解析ウィンドウの1つの中にLDL−C値はない)。
Figure 2017528427
アリロクマブ群では、第12週の後、少なくとも1回の注射を受けた311名の患者の中で、135名(43.4%)の患者が、第12週で、アリロクマブの75mg(Q2W)〜150mg(Q2W)まで自動的なアップタイトレーションを盲検方式で受けた。
研究内訳
研究内訳、曝露および安全性解析は、研究に共通のカットオフ日(最終患者の第52週訪問日として定義)までの全てのデータを用いて評価した。したがって、この第1の段階解析は、数名の患者について第52週を超え、第78週または追跡調査訪問までのデータを含む。
第78週の二重盲検研究処置期間を完了した無作為化患者は全部で7名(1.4%)、および第1段階解析カットオフ日の時点で処置続行中の無作為化患者は424名(87.2%)だった。二重盲検のIMPは、プラセボ群での18名(11.0%)の無作為化患者、およびアリロクマブ群での36名(11.1%)の無作為化患者について第78週の前に早期に中止された。研究処置中止の主な理由は、有害事象および他の理由であった。
さらに、これらの患者のうち、アリロクマブ群での34名(10.5%)、およびプラセボ群での15名(9.2%)の無作為化患者は、二重盲検IMPを、第52週訪問の前に早期に中止した。
この第1段階解析では、最終結果は、第24週で主要有効性エンドポイントについて利用可能であり、かつ重要な副次的有効性エンドポイントは、第12週、第24週および第52週で評価した。この主要エンドポイントは、次の理由で第24週訪問では46名の患者について欠測した:18名のサンプルは、早期の研究中止のせいで行わず、14名のサンプルは、解析時間ウィンドウ外で行われ、4名のサンプルは、第24週訪問は行ったが、欠測し、10名のサンプルは、行ったが、測定は行えなかった(脂肪血症、不十分な量、TG>400mg/dL[>4.52mmol/L]、サンプル喪失、・・・)。
人口統計学、ベースライン、および集団特性の要約
アリロクマブ群におけるベースラインでの人口統計学特性、疾患特性および脂質パラメータは、プラセボ群と比較して同様であった(表4を参照されたい)。遺伝子型判定(39%)またはWHOもしくはサイモン・ブルーム基準(61%)と診断された486名のheFH患者を、アリロクマブ(75mg(Q2W)であって、可能性としては150mg(Q2W)までアップタイトレーションした)またはプラセボに無作為化した(2:1)(それぞれ、323対163)。無作為化集団の半分(51%)が、少なくとも1つの冠動脈心疾患(CHD)歴または複数のCHDリスク因子(これらの患者が極めた高い心血管リスクにあると定義)を有した。人口統計学的特性、疾患特性および脂質パラメータは、ベースラインでは、プラセボ群と比較してアリロクマブ群で同様であった。全ての患者をスタチンで処置し、82%は、高強度スタチン(アトルバスタチン(40〜80mg/日)またはロスバスタチン(20〜40mg/日))として定義した用量を受け、および57%は、スタチンに加えてエゼチミブを受けた。ベースラインでの平均(SD)算定LDL−Cは、144.6(49.7)mg/dL[3.75(1.29)mmol/L]であった。
注射剤への曝露は、処置群にわたって同様であって、平均曝露は59週間であった。アリロクマブ群では、第12週の後、少なくとも1回の注射を受けた311名の患者の中で、135名(43.4%)の患者が、第12週で、アリロクマブの75mg(Q2W)〜150mg(Q2W)まで自動的なアップタイトレーションを盲検方式で受けた。
Figure 2017528427
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実測のLDL−Cの収集は、最初のプロトコールでは計画されておらず、補正で追加された。したがって、実測のLDL−C値は、算定LDL−C値と比較して利用可能な患者
が少ない。
投与量および期間
注射剤に対する曝露は、処置群にわたって同様であって、平均曝露は59週間であった。
アリロクマブ群では、第12週の後、少なくとも1回の注射を受けた311名の患者の中で、135名(43.4%)の患者が、第12週で、75mg(Q2W)〜150mg(Q2W)まで自動的なアップタイトレーションを盲検方式で受けた。
効能
主要効能エンドポイント
ITT解析は、第52週までオントリートメントおよびオフトリートメントで収集した全てのLDL−C値を含んだ。第24週におけるLS平均推定値を用い、ITT集団でのMMRMモデルに基づいて、主要エンドポイント(ベースラインから第24週までの算定LDL−Cの変化率)を解析した。アリロクマブ群の患者32名(9.9%)およびプラセボ群の患者14名(8.6%)は、第24週における算定LDL−C値を有さなかった。これらの欠測値をMMRMモデルによって考慮した。
主要エンドポイント解析の結果は、mmol/Lおよびmg/dLで表9に提示されている。
主要効能エンドポイント
ベースラインから第24週までのLDL−Cの変化率の統計的に有意な減少が、プラセボ群(ベースラインに対するLS平均+9.1%)と比較してアリロクマブ群(ベースラインに対するLS平均−48.8%)で観察された(プラセボに対するLS平均差−57.9%、p<0.0001)。アリロクマブ群では、ベースラインからのLDL−C低下が、第4週から観察され、研究全体を通じて第78週まで維持された(図2および表10を参照されたい)。
Figure 2017528427
Figure 2017528427
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肝要な副次的効能エンドポイント
表11は、階層的順序で肝要な副次的エンドポイントに関する解析結果を要約する。全ての肝要な副次的エンドポイントは、階層的試験手順に従って統計的に有意である。
Figure 2017528427
Figure 2017528427
ベースラインから第24週までのLDL−C変化率のオントリートメント解析は、ITT解析と非常に一致した結果を示す(ITT解析における−57.9%に対して、オントリートメント解析において−58.1%のLS平均差対プラセボ)。実際、第24週で、処置後に(すなわち、最終注射後21日超で)収集されたLDL−C値があった患者は少なかった:プラセボ群での6名(3.7%)の患者およびアリロクマブ群での2名の患者(0.6%)。ITT解析において、ベースラインから第12週(すなわち、可能なアップタイトレーションの前)までのLDL−Cにおける変化率の統計学的に有意な低下を、プラセボ群(ベースラインに対するLS平均+5.7%)に比較してアリロクマブ群(ベースラインに対するLS平均−43.5%)で観察した(プラセボに対するLS平均の差−49.2%、p<0.0001)。
種々の時点でのApo B、非HDL−C、総C、Lp(a)、HDL−C、およびTGという重要な副次的エンドポイント、ならびに第24週で、LDL−C目標値に達する患者の割合および算定LDL−C<70mg/dLに達する患者の割合は、階層的試験手順に従って、統計学的に有意であった。アリロクマブ群について、ベースライン平均(SD)LDL−C、非LDL−C、ApoBおよび中央値(IQR)Lp(a)レベルは、それぞれ144.7(51.3)、170.3(54.6)、114.3(30.8)、および34(12:82)mg/dlであった。プラセボ群について、ベースライン平均(SD)LDL−C、非LDL−C、ApoBおよび中央値(IQR)Lp(a)レベルは、それぞれ、144.4(46.8)、169.6(50.6)、113.4(28:5)、および23(8.72)mg/dlであった。24週間後、アリロクマブ群について、非LDL−C、ApoB Lp(a)レベルのベースラインから第24週までのLS平均(SE)の変化%は、それぞれ、−42.8%、−41.1%、および−25.2%であった。プラセボ群について、非LDL−C、ApoB Lp(a)レベルのベースラインから第24週までのLS平均(SE)の変化%は、それぞれ、9.6%、4.7%、および−7.5%であった。非LDL−C、ApoBおよびLp(a)に関してプラセボに対するLS平均の差は、それぞれ、−52.4%、−45.8%、および17.7%であった。
第24週で、算定LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する極めて高い心血管(CV)リスクの患者、または算定LDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する高CVリスク患者の割合は、プラセボ群よりもアリロクマブ群で有意に高かった(プラセボ群の2.4%に対してアリロクマブ群での割合の総合推定値72.1%、p<0.0001)。
2連続の算定LDL−C値<25mg/dL(<0.65mmol/L)が、16名(5.0%)の患者で観察された。特別な安全性の懸念はこれらの患者では観察されなかった。
Figure 2017528427
安全性結果の要約:
アリロクマブは、処置期間の間十分に耐容された。
Figure 2017528427
全体として、少なくとも1つの治療創発的有害事象(TEAE)が報告される患者の割合(アリロクマブ群で77.3%およびプラセボ群で74.8%)または永久中止につながる少なくとも1つのTEAEが報告される患者の割合(アリロクマブ群で3.1%およびプラセボ群で4.9%)は、両群で同様であった。「筋骨格および結合組織障害」SOCが、プラセボ群での患者の25.2%に対して、アリロクマブ群での患者の22.4%で報告された。両処置群で最も高頻度に報告されたTEAEは、「注射部位の反応」(アリロクマブ対プラセボ群で、それぞれ、11.8%対9.8%)および「鼻咽頭炎」(アリロクマブ対プラセボ群で、それぞれ、9.9%対6.7%)であった。対象とする事象の中で、アレルギー事象、神経学的事象、神経認知障害、および糖尿病に関連するTEAEについて特定のシグナルは検出されなかった。SOC「新生物の良性、悪性および詳細不明」が、プラセボ群での0.6%に対してアリロクマブ群では2.8%で観察され、個々の事象に臨床的に特定のパターンはなかった(これらの事象の全てが、治験責任医師によってIMPとは無関係と報告された)。TEAE「判定で確認された心血管事象」は、アリロクマブ群での患者の1.9%で、およびプラセボ群での患者の1.2%で報告された。
6名の死亡(1.9%)が、治験責任医師によって、アリロクマブ群において、IMPとは無関係として報告され、それに対して、プラセボ群では報告はなかった:2名の心筋梗塞(MI)(1名は、急性MIとして分類され、かつ1名は、突然心臓死として分類された)、2名の転移性癌(多発性塞栓症発作を生じる二次的トルソー症候群を伴う小細胞肺癌および膵臓癌)、1名の患者では腹部手術後の大腸型偽性腸閉塞、および1名の患者ではうっ血性心不全および冠動脈疾患に起因する突然心臓死。MIを有する両方の患者とも、冠動脈疾患の多数のリスク因子があった。癌に関しては、最初の症状の発現までの時間(治験製品を開始した後、約3.5カ月および7.5カ月)は、治験製品の因果的役割を示唆するものではなかった。
PCSAについて関連の異常は観察されなかった。
脂質修飾治療では十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症を有する患者におけるアリロクマブの有効性および安全性を評価するための、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間研究
序論
本研究の目的は、追加の脂質修飾治療(LMT)の有無に拘らず最大投与可能スタチン治療に対する患者のLDL−C処置目標値に到達できなかったヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者において、脂質パラメータを改善するのにおける、アリロクマブの有効性および安全性を評価することであった。他のLMTの有無に拘らず最大投与可能1日用量のスタチン治療に対する目標値に到達できなかった患者を、この研究に登録して、彼らのバックグラウンド処置は、この研究全体にわたって維持した。
この特別な研究(図3)は、LDL−C目標値に達しないheFH患者で、スタチン±他のLMTに対する治療に対する追加としてアリロクマブ75mg(Q2W)または75mg(Q2W)/150mg(Q2W)が、LDL−Cの統計学的に有意でかつ臨床的に意味のある低下を生じることを実証しようと企てた。最適化されたLMTでLDL−C目標値に達しないこの集団は、最高リスクの群であって、彼らのLDL−C低下治療に対してアリロクマブを追加することによって取り組むことができる、十分特定された満たされない医学的ニーズがある。
研究の目的
この研究の主な目的は、heFHを有する患者での処置の24週間後にプラセボと比較した、他のLMTと共にまたはなしでの、安定した1日最大投与可能スタチン治療に対する追加治療としてのアリロクマブによるLDL−Cの低下を実証することであった。
本研究の二次的な目的は次の通りであった:1)処置の12週間後、LDL−Cに対してプラセボと比較したアリロクマブ75mgの効果を評価すること;2)他の脂質パラメータ(例えば、ApoB、非HDL−C、総C、Lp[a]、HDL−C、TGレベル、およびApoA−1のレベル)に対するアリロクマブの効果を評価すること;3)LDL−Cに対するアリロクマブの長期効果を評価すること;4)アリロクマブの安全性および耐容性を評価すること;ならびに5)抗アリロクマブ抗体の発達を評価すること。
研究デザイン
この研究は、その患者のLMT(すなわち、安定した最大投与可能1日用量スタチン治療+/−他のLMT)を用いて十分に制御されていなかったheFHを有する患者における、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多国籍研究であった。十分に制御されていないとは、記録されたCVD歴のある患者ではスクリーニング訪問(第2週)時にLDL−C≧70mg/dL(1.81mmol/L)であるか、または記録されたCVD歴のない患者では、スクリーニング訪問(第2週)時にLDL−C≧100mg/dL(2.59mmol/L)として定義した。患者は2:1の比に無作為化して、75mgのアリロクマブまたはプラセボのいずれかをSC注射を、隔週で、他のLMTの有無に拘らず安定した最大投与可能1日用量スタチン治療(アトルバスタチン、ロスバスタチン、またはシンバスタチン)に加えて、受けた。無作為化は、心筋梗塞(MI)または虚血性脳卒中のいずれかの既往歴、およびスタチン処置(いかなる1日用量であれシンバスタチン、アトルバスタチン40mg未満/日、またはロスバスタチン20mg未満/日に対して、アトルバスタチン40mg〜80mg/日またはロスバスタチン20mg〜40mg/日)によって階層化した。
本研究は次の3つの期間から構成された:スクリーニング期間、処置期間、および追跡調査期間。
スクリーニング期間は最大2週間であって、これには、中間の訪問を含み、この間に患者または介護者は、ある用量のプラセボを用いて自己注射/注射することを訓練された。
二重盲検処置期間は78週間であった。研究対象薬物の初回の注射は、1日目の臨床施設で、研究評価が完了した後、および患者をこの研究に無作為化した後できるだけ早く投与した。患者/介護者は、投薬スケジュールに従って診療所の外でその後の注射を投与した。臨床の研究訪問が投与と同時に行われる日には、研究対象薬物の投与は、全ての研究評価を行って、全ての実験サンプルを収集した後に投与した。研究対象薬物の最終投与は、第76週に投与した。第12週では、アリロクマブに無作為化した患者は、盲検方式で、次のいずれかであった:1)第8週のLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)の場合、アリロクマブ75mgを隔週で継続、または2)第8週のLDL−C≧70mg/dL(1.81mmol/L)であった場合、アリロクマブ150mg(隔週)までアップタイトレーション。
追跡調査期間(妥当な場合)は、オープンラベル延長研究に参加することに同意しない患者、または早期に研究処置を中止する場合に関しては、DBTPの終わった後、8週間であった。
患者には、スクリーニングから研究訪問の終わりまで安定した食事(National Cholesterol Education Program Adult Treatment Panel III Therapeutic Lifestyle Changes [NCEP ATP III TLC]食事/付表5と同等)をとるように求めた。スタチンまたは他のLMT(妥当な場合)の1日用量は、スクリーニングから研究訪問の終わりまで、安定したままであるべきである。第24週で開始して、バックグラウンドLMTは、後で記載するような特定の条件下で改変してもよい。実施例2の表1は、この実施例に関連しており、かつ高コレステロールについてのTLC食事の要約を示す。
2連続の算定LDL−Cレベル<25mg/dL(0.65mmol/L)に達した患者について、中央実験室で、独立した外部の医師が告知された。この基準を満たす患者をモニターした。
患者の選択
患者の集団は、他のLMTの有無に拘らずスクリーニング訪問(−第2週)前に少なくとも4週間、スタチンの安定した最大投与可能1日用量で十分に制御されなかった、heFHを有する患者から構成された。
患者は、本研究における包含に適格であるためには次の基準を満たさなければならなかった:1)スクリーニング訪問(−第2週)の前に、安定した用量で、他のLMTの有無に拘らずスタチンの最大投与可能1日用量***で十分に制御されなかった**、heFHのある患者。
heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行わなければならなかった。遺伝子型判定されなかった患者については、臨床診断は、明確なFHのサイモン・ブルーム基準、または>8点のスコアのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかに基づく場合がある。
明確な家族性高コレステロール血症とは、本明細書においては、実施例2にあるのと同じように定義した。潜在的な家族性高コレステロール血症とは、本明細書においては、実施例2にあるのと同じように定義した。実施例2の表2に示すヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)の診断のためのWHO基準(Dutch Lipid Network臨床基準)はこの実施例と同じであった。
**「十分に制御されていない」とは、本明細書においては、実施例2にあるのと同じように定義した。
記録されたCHD歴は、本明細書においては、実施例2にあるのと同じように定義した。
CHDリスク相当状態(次の基準のうちの1つまたはそれ以上を含む):1)記録された末梢動脈疾患(次の基準のうち1つを満たさなければならない):A)安静時のいずれかの脚で0.90以下の足関節・上腕血圧指数と共に、アテローム性動脈硬化症に起因する推定される現在の間欠性跛行(再現可能であり、かつ10分以内の休息によって緩和される運動で生じる下肢の筋肉不快感)、またはB)アテローム性動脈硬化症のための片脚もしくは両脚における血管内手術もしくは外科的介入と共に、間欠的跛行歴(再現可能であり、かつ10分以内の休息によって緩和される運動で生じる下肢の筋肉不快感)、またはC)アテローム性動脈硬化症のための片脚もしくは両脚における血栓溶解、血管内手術または外科的介入と共に、重症虚血肢歴;2)アテローム性動脈硬化症に起因すると考えられる、24時間より長く持続した局所虚血性神経障害と共に記録された以前の虚血性脳卒中。CTまたはMRIを行って、出血および非虚血性の神経疾患を除外しなければならなかった。
***「最大投与可能量」とは、本明細書においては、実施例2にあるのと同様に定義した。
上述の組み入れ基準の全てを満たす患者を、次の3つのサブセクションにソートされる、以下の除外基準についてスクリーニングした:研究方法論に関する除外基準、実効対照薬および/または必須のバックグラウンド治療に関連する除外基準、ならびにアリロクマブの現在の情報に関連する除外基準。
研究方法論に関する除外基準は次の通りであった:1)遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行われたheFHの診断のない患者;2)記録されたCVD歴のある患者で、スクリーニング訪問(−第2週)時にLDL−C<70mg/dL(<1.81mmol/L)。注記:CVDは、上記で定義した通り、CHD、虚血性発作、または末梢動脈疾患として定義する;3)記録されたCVD歴のない患者で、スクリーニング訪問(−第2週)時に、LDL−C<100mg/dL(<2.59mmol/L);4)適用可能な場合、スクリーニング訪問(−第2週)の前およびスクリーニングから無作為化まで、少なくとも4週間の安定した用量のLMT(スタチンを含む)および/または少なくとも6週間のフェノフィブラートではない;5)現在、シンバスタチン、アトルバスタチン、またはロスバスタチン以外のスタチンを摂取している;6)シンバスタチン、アトルバスタチン、またはロスバスタチンを毎日摂取していないか、または登録した用量で摂取していない;7)アトルバスタチン80mg、ロスバスタチン40mg、またはシンバスタチン40mgを超える1日量(1年より長い間シンバスタチン80mgを受けており、適格である、患者は除く);8)スクリーニング訪問(−第2週)の6週間以内、またはスクリーニングと無作為化訪問の間のフェノフィブラート以外のフィブラートの使用;9)スクリーニング訪問(−第2週)の前少なくとも4週間、またはスクリーニングと無作為化訪問との間、安定した用量/量でなかった、脂質に作用し得る栄養補助食品または市販薬の治療の使用;10)スクリーニング訪問(−第2週)の4週間以内、またはスクリーニングと無作為化訪問との間の紅色酵母米製品の使用;11)スクリーニング訪問(−第2週)の前2週間以内に血漿交換処置を受けた、またはこの研究の間にその処置を受ける計画がある患者;12)最近の(スクリーニング訪問[−第2週]の前3カ月以内の、またはスクリーニング訪問と無作為化訪問の間の)MI、入院につながる不安定狭心症、経皮冠動脈形成術(PCI)、冠動脈バイパス移植手術(CABG)、制御されない心不整脈、脳卒中、一過性脳虚血発作、頸動脈血行再建術、末梢血管疾患のための血管内手術または外科的介入;13)予定されたPCI、CABG、頸動脈または末梢血行再建をこの研究中に受けるように計画されている;14)スクリーニング訪問または無作為化訪問時の収縮期血圧>160mmHgまたは拡張期血圧>100mmHg;15)過去12カ月以内のニューヨーク心臓協会(NYHA)クラスIIIまたはIV心不全歴;16)出血性脳卒中の既往歴;17)スクリーニング訪問(−第2週)時に18歳または法律上成人、いずれか高い方の年齢未満;18)スクリーニング訪問(−第2週)の前にコレステロール低下食についての事前指導を受けていない患者;19)新しく診断(無作為化訪問[第0週]の前3カ月内)または制御不十分(スクリーニング訪問[−第2週]時のヘモグロビン[HbA1c]>9%)の糖尿病;20)血清脂質またはリポタンパク質に影響することが公知の制御されていない何らかの臨床的に有意な内分泌疾患の存在。注記:甲状腺補充療法の患者は、投薬量が、スクリーニング前およびスクリーニングと無作為化訪問の間、少なくとも12週間にわたって安定であり、甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベルが、スクリーニング訪問時に中央実験室の正常範囲内である場合、含まれてもよい;21)スクリーニング訪問(−第2週)の前12カ月内の肥満手術の既往;22)スクリーニング訪問(−第2週)の前2カ月内に5kgを超える変動で定義される不安定な体重;23)ホモ接合性FHの既往歴;24)PCSK9の機能喪失(すなわち、遺伝子突然変異または配列変異)の既往歴;25)無作為化訪問(第0週)の前少なくとも6週間の、安定したレジメンで下垂体/副腎疾患のための補充治療として使用した場合を除く、全身性コルチコステロイド薬の使用。注記:局所的、関節内、鼻、吸入および眼科的ステロイド治療は、「全身性」とみなさず、許可する;26)レジメンがスクリーニング訪問(−第2週)の前の過去6週間安定しており、かつ研究中にそのレジメンを変更する計画がない場合を除く、連続的なエストロゲンまたはテストステロンホルモン補充治療の使用;27)適切に処置された基底細胞皮膚癌、扁平細胞皮膚癌、または子宮頸部上皮内癌を除く、過去5年以内の癌歴;28)陽性のHIV試験の既往歴;29)1カ月以内または5半減期以内、いずれか長い方で、アリロクマブトレーニング用プラセボキット以外に何らかの治験薬を摂取した患者;30)アリロクマブまたは何らかの他の抗PCSK9モノクローナル抗体の少なくとも1用量を用いて他の臨床研究で以前に処置された患者;31)次のような条件/状況:a)治験責任医師または任意の治験補助医師の判断で、研究の安全な完了を妨げるかもしくはエンドポイントの評価を制約することになる、スクリーニング時に特定される何らかの臨床的に有意な異常;例えば、重大な全身性疾患、余命の短い患者;あるいはb)治験責任医師または任意の治験補助医師によって何らかの理由でこの研究に不適切とみなされる患者、例えば、次の患者:i)予定された訪問などの特定のプロトコール要件を満たすことができないと判断される患者;ii)患者または治験責任医師により長期間の注射を投与または耐容することができないと判断される患者;iii)治験責任医師または任意の治験補助医師、薬剤師、研究コーディネーター、またはプロトコールの実施に直接関与する他の研究スタッフもしくはその親族など;iv)治験責任医師が感じる、実際のまたは予測される何らかの他の条件(例えば、地理的、社会的条件)の存在;32)(他に注記しない限り、無作為化の第0週の検査を含まない)スクリーニング期間中の検査所見:i)B型肝炎表面抗原またはC型肝炎抗体についての検査陽性(反射試験によって確認);ii)妊娠の可能性がある女性における血清ベータhCGまたは尿妊娠検査(第0週を含む)の陽性;iii)TG>400mg/dL(>4.52mmol/L)(1回の再検査を許可する);iv)4変数のMDRD研究方程式に従ってeGFR<30mL/分/1.73m(中央検査室で算定);v)アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)>3×正常の上限(ULN)(1回の再検査を許可する);CPK>3×ULN(1回の再検査を許可する);vii)TSH<正常の下限(LLN)または>ULN(1回の再検査を許可する)。
実効比較薬および/または必須のバックグラウンド治療に関する除外基準は、次の通りであった:1)それぞれの国の製品表示に示されている通りのバックグラウンドの治療に対する全ての忌避または使用の警告/注意(適宜)。
アリロクマブの現在の情報に関する除外基準は、次の通りであった:1)モノクローナル抗体または薬物製品の任意の成分に対する既知過敏症;2)妊娠しているまたは授乳中の女性;3)非常に有効な受胎調整方法によって保護されていない妊娠の可能性がある女性(同意説明文書で、および/または局所プロトコール追記で定義される)および/または妊娠について検査する意思がないもしくは検査することができない女性。注記:妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時および無作為化訪問時に、尿妊娠検査陰性が確認されていなければならなかった。彼女たちは、この研究処置の全期間を通して、かつ研究対象薬物の最終投与後10週間、有効な避妊法を用いなければならず、かつ指定訪問時に尿妊娠検査を繰り返すことに同意しなければならない。適用される避妊方法は、「薬剤のヒト臨床試験の実施のための非臨床的安全性研究に対するガイダンスのための覚書(CPMP/ICH/286/95)」による極めて有効な受胎調整方法の基準を満たさなければならなかった。閉経後女性は、少なくとも12カ月間、無月経でなければならなかった。
研究処置
研究処置は、腹部、太もも、または上腕の外側領域に投与される自己注射器で与えられる、75mgまたは150mgの用量のアリロクマブまたはプラセボの1mLの単回SC注射であった。研究対象薬物の最初の注射は、臨床施設で、患者をこの研究に無作為化した後できるだけ早く投与した。患者は、最初の注射後30分間、臨床部位でモニターした。患者/介護者は、投薬スケジュールに従って診療所の外でその後の注射を施した。臨床の研究訪問が投与と同時の日には、研究対象薬物の投与は、全ての研究評価を行って、全ての実験室サンプルを収集した後に投与した。研究対象薬物の皮下投与は、1日のほぼ同じ時間で、隔週で投与すべきである(患者の好みに基づいて);ここでは、+/−3日間のウィンドウ内におさまるような投与は許可した。
無菌のアリロクマブ薬物製品は、自己注射器中で、ヒスチジン、pH6.0、ポリソルベート20、およびスクロース中で75mg/mLまたは150mg/mLの濃度で与えた。
アリロクマブに適合するプラセボは、自己注射器中で、タンパク質添加なしでアリロクマブと同じ処方で供給した。
全ての患者は、この研究の期間全体にわたって、安定した最大投与可能1日用量スタチン(アトルバスタチン、ロスバスタチン、またはシンバスタチン)+/−他のLMTにあった。スタチン用量および他のLMT(妥当な場合)の用量は、スクリーニングから研究訪問の終わりまで、全研究期間にわたって、安定なままでなければならなかった。
二重盲検処置期間の間、バックグラウンドLMTに対する改変は、次の特定の条件下でのみ第24週の前に許可した:1)例外的事情−最優先事項(中央検査室によって発せられるTGの警告(下)を含むがそれに限定されない)が、治験責任医師の判断によって、そのような変更を正当化する;または2)確認されたTGの警告−その患者が事前に特定したTGの警告(TG≧500mg/dL[5.65mmol/L])を満たす。
二重盲検処置期間の間、バックグラウンドLMTに対する改変は、以下の特定の条件下でのみ第24週の後に許可した:1)例外的事情、治験責任医師の判断による;2)確認されたTGの警告−その患者が事前に特定したTGの警告(TG≧500mg/dL[5.65mmol/L])を満たす、または3)無作為化訪問LDL−Cと比較して少なくとも25%まで増大したLDL−C(他の合理的な説明が存在しない)。
2連続事例での無作為化訪問LDL−Cに比較して25%を超えるLDL−C増大の実験室の救急警告のために、治験責任医師は、不十分なLDL−C制御の合理的な説明(例えば、コルチコステロイド使用などのような別の医学的原因など)がないこと、および具体的には:食事に対するコンプライアンスは適切であったこと;バックグラウンドLMTに対するコンプライアンスが適切であったこと;そして研究処置が計画通りに与えられたことを確認しなければならなかった。上記のいずれかが不十分なLDL−C制御を合理的に説明できる場合、治験責任医師は、処置を順守する絶対的な必要性を重視し、必要ならば、資格のある栄養専門家による専門的インタビューを開催し、および食事を順守する絶対的な必要性を重視し、および1〜2カ月内に盲検のLDL−C評価を行わなければならなかった。閾値を上回るLDL−Cの理由が見出せない事象では、救急処置を開始してもよい。
閾値を上回るLDL−Cの理由が見出せなかった場合、または適切な行動で、閾値を下回ってLDL−Cを低下できなかった場合、救急薬が導入された場合もある。任意のこのような変更の有効性は、次の慣用的に予定された検査結果で盲検の脂質試験からの救急の閾値を欠くことに基づいて行われる。プロトコールによる患者は、既に、最大耐用量のスタチンを受けており、そのためスタチンのアップタイトレーションまたは切り換えは、選択肢ではなかった。さらにLDL−Cを低下するために、治験責任医師は以下を追加することを検討してもよかった:コレステロール吸収阻害剤(エゼチミブ)、または胆汁酸結合封鎖剤(樹脂コレスチラミンおよびコレスチポール、またはコレセベラム、非吸収性ポリマー)。以下の脂質修飾剤もまた考慮してもよい:フィブラート(注記:筋障害のリスクのために、スタチンなどの他のコレステロール低下薬とフィブラートとを併用する場合は、注意を払うべきである。フィブレートをスタチンと組み合わせる場合、フェノフィブラートが、スタチンのグルコン酸抱合に影響しないので、選ばれるフィブラートである。プロトコールによって許される唯一のフィブラートは、フェノフィブラートであった;ニコチン酸(ナイアシン)(注記:ナイアシンは血糖値を上げるが、血糖値が維持される場合は、糖尿病を有する人では脂質障害を修飾するのに有効であることが示されている)。
研究対象薬物の用量は、第8週訪問の時点でLDL−C≧70mg/dLの事象では、個々の患者について、第12週で開始して、75mgから150mg(隔週SC)まで増大した(アップタイトレーションした)。
患者を、置換ブロック無作為化によって、2:1の比で、アリロクマブまたはプラセボのいずれかを受けるように無作為化した。無作為化は、MIまたは虚血性脳卒中の既往歴[イエス/ノー]、および固定の効果として、スタチン用量(アトルバスタチン40〜80mg/日またはロスバスタチン20〜40mg/日の場合「イエス」、およびいかなる1日用量であれシンバスタチン、アトルバスタチン40mg未満/日またはロスバスタチン20mg未満/日の場合「ノー」);ならびに共変数としてベースライン算定LDL−Cによって階層化した。
併用薬は、研究の間最小で維持しなければならなかった。患者の健康について必要で、かつ研究対象薬物を邪魔する可能性が低いとみなされるならば、併用薬(研究の間禁止されるもの以外)を、安定した用量で(可能な場合)、治験責任医師の裁量で与えてもよかった。
スクリーニング訪問の前少なくとも4週間、スクリーニング期間の間、安定した用量で用いられ、かつ二重盲検処置期間の最初の24週間の間維持された場合のみ、脂質に作用し得る栄養補助食品または市販の治療薬を許可した。第24週訪問後、これらの栄養補助食品または市販薬の治療を許可したが、一般には回避すべきであった。このような栄養補助食品または市販薬の治療の例としては、オメガ−3脂肪酸(用量<1000mg)、植物スタノール、例えば、Benecol、亜麻仁油、およびオオバコが挙げられた。
出産可能な女性は、研究処置を通じて、かつ研究対象薬物の最終投与後10週間、有効な避妊方法をとらなければならなかった。
最初のスクリーニング訪問から研究訪問の終わりまでの併用禁忌医薬は次の通りであった:アトルバスタチン、ロスバスタチンまたはシンバスタチン以外のスタチン;フェノフィブラート以外のフィブラート;および紅色酵母米製品。
研究のエンドポイント
ベースライン特性は、標準的な人口統計学(例えば、年齢、人種、体重、身長など)、疾患特性、例としては、各患者の病歴、および薬歴を含んだ。
主要有効性エンドポイントは、ベースラインから第24週までの算定LDL−Cの変化率であって、これは次のように定義した:100×(第24週の算定LDL−C値−ベースラインの算定LDL−C値)/ベースラインの算定LDL−C値。ベースラインの算定LDL−C値は、最初の研究対象薬物注射の前に得られた最後のLDL−Cレベルであった。第24週の算定LDL−Cは、第24週の解析ウィンドウ内、および主要な有効性期間の間に得られたLDL−Cレベルであった。主要な有効性期間とは、最初の二重盲検の研究対象薬物注射から、最終の二重盲検の研究対象薬物注射後21日まで、または第24週の解析ウィンドウの上限まで、いずれか早い方の時間として定義した。全ての算定LDL−C値(予定または予定外、空腹時または非空腹時)は、上記の定義によって適切である場合、これを用いて、主要有効性エンドポイントの値を得てもよい。
重要な副次的有効性エンドポイントは次の通りであった:1)ベースラインから第12週まで算定LDL−Cにおける変化率:第12週の算定LDL−Cが第12週の解析ウィンドウ内、および第12週の有効性期間の間に得られたLDL−Cレベルであったこと以外は、主要有効性エンドポイントについてと同様の定義および規則。第12週の有効性期間とは、最初の二重盲検の研究対象薬物注射から第6訪問の再供給IVRS接触まで、または最終の二重盲検の研究対象薬物注射後21日まで、いずれか早い方の時間として定義した。第6訪問の再供給IVRS接触の日に収集した血液サンプリングは、タイトレーション前とみなした;2)ベースラインから第24週までのApo Bの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;3)ベースラインから第24週までの非HDL−Cの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;4)ベースラインから第24週までの総Cの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;5)ベースラインから第12週までのApo Bの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;6)ベースラインから第12週までの非HDL−Cの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;7)ベースラインから第12週までの総Cの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;8)ベースラインから第52週までの算定LDL−Cにおける変化率。第24週を第52週で置き換えて、主要エンドポイントについて用いられるのと同様である定義および規則;9)第24週でのLDL−C目標値、すなわち、以下で定義されるように、前CVDの場合は、LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)または前CVDなしの患者では<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合:(主要エンドポイントに用いた定義および規則を用いて、第24週での算定LDL−C値がLDL−C目標値に達する患者の数/[修正治療企図(mITT集団)]の患者数*100に達する患者の数;10)第24週でLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する患者の割合;11)ベースラインから第24週までのLp(a)の変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;12)ベースラインから第24週までのHDL−Cの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;13)ベースラインから第12週までのHDL−Cの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;14)ベースラインから第12週までのLp(a)の変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;15)ベースラインから第24週までの空腹時TGの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;16)ベースラインから第12週までの空腹時TGの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;17)ベースラインから第24週までのApo A−1の変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;18)ベースラインから第12週までのApo A−1の変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則。
他の副次的有効性エンドポイントは次の通りであった:1)ベースラインから第78週までの算定LDL−Cにおける変化率。定義および規則は、第24週を第78週で置き換えて、主要エンドポイントについて用いられるのと同様である;2)第12週、第52週および第78週でLDL−C目標値、すなわち、前CVDの場合は、LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)または前CVDなしの患者では<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;3)第24週でLDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;4)第12週でLDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;5)第12週でLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する患者の割合;6)ベースラインから第12週、第24週、第52週および第78週までの算定LDL−C(mf/dLおよびmmol/L)の絶対変化;7)ベースラインから第52週および第78週までのApoB、非HDL−C、総C、Lp(a)、HDL−C、空腹時TG、およびApoA−1の変化率;8)ベースラインから第12週、第24週、第52週および第78週までのApoB/ApoA−1の比の変化;9)第12週、第24週、第52週および第78週で、ApoB<80mg/dL(0.8g/L)である患者の割合;10)第12週、第24週、第52週および第78週で、非HDL−C<100mg/dLである患者の割合;11)第12週、第24週、第52週および第78週で、算定LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)であるか、および/または算定LDL−Cの低下≧50%(算定LDL−C≧70mg/dL[1.81mmol/L]の場合)である患者の割合。
他のエンドポイントは次の通りであった:1)抗アリロクマブ抗体の状態(陽性/陰性)および研究全体にわたって評価した力価;2)ベースラインから第24週、第52週および第78週までの高感度C反応性タンパク質(hs−CRP)の変化率;3)ベースラインから第24週、第52週および第78週までのHbA1cの絶対値の変化(%);ならびに4)各EQ−5Dの項目の応答、インデックススコア、およびベースラインから第52週までのインデックススコアの変化。
研究の訪問
次の訪問を計画した:
訪問1/スクリーニング/−14〜−8日目;訪問2/スクリーニング/−7日目(+/−3日);訪問3/ベースライン/第0週/1日目;訪問4/第4週/29日目(+/−7日);第6訪問/第12週/85日目(+/−3日);訪問7/第16週/113日目(+/−7日);訪問8/第24週/169日目(+/−3日)/主要エンドポイント評価;訪問9/第36週/253日目(+/−7日);訪問10/第52週/365日目(+/−5日);訪問11/第64週/449日目(+/−7日);訪問12/第78週/547日目(+/−5日);および研究の終わり/訪問13/第86週/603日目(+/−7日)。
医薬/手術歴、投薬歴、人口統計学的、身長、B型肝炎表面抗原、および血清妊娠検査を、研究適格性決定またはベースライン集団特徴付けの目的のために行った。
全ての実験室サンプルは、研究対象薬物の用量を投与する前に収集した。
脂質パネルの血液サンプルは、全診療の訪問に関して、朝に、空腹状態で(すなわち、一晩、少なくとも10時間絶食、水のみ、および喫煙は差し控える)収集しなければならない。48時間内のアルコール摂取、ならびに血液サンプリング前24時間内の激しい運動および喫煙はやめさせた。注記:もし患者が絶食状態でなければ、脂質の血液サンプルを収集して、翌日(またはこの日にできるだけ近く)新しい予定を計画して、患者に絶食するよう通知した。
サンプルサイズおよび検出力考察
45名の患者の総サンプルサイズ(アリロクマブでは30、およびプラセボでは15)は、0.05という両側有意差水準で30%というLDL−Cの平均変化率の差を検出するのに95%の検出力を有し;25%という共通の標準偏差、および45名の患者の全てが、評価可能な主要エンドポイントを有することを仮定する。
このプログラムを通して規制要件を満たすには、サンプルサイズを、アリロクマブに対して126名の患者まで増大して、より大きい集団で安全性を理解しようとした。この研究で12カ月間処置されるアリロクマブに少なくとも126名の患者がいるように、そして最初の3カ月間にわたって10%という脱落率および残りの9カ月にわたって20%という脱落率を仮定して、最終の総サンプルサイズを増大し、おおよそ250名の患者として、無作為化比は2:1とした(アリロクマブ:167、プラセボ:83)。
解析集団
治療企図集団
無作為化集団には、全ての無作為化した患者を含み、無作為化によって割り当てられた処置に応じて解析した。
ITT集団(フルアナリシスセット[FAS]としても知られる)を、評価可能な主要エンドポイントを有する全ての無作為化患者として定義した。エンドポイントは、次の2つの条件が満たされる場合に評価可能であった:1)ベースラインの算定LDL−C値の利用可能性;および2)第24週までの解析ウィンドウの1つの中の少なくとも1つの算定LDL−C値の利用可能性。
ITT集団の患者は、無作為化によって割り当てられた処置群に応じて(すなわち、無作為化処置群として)解析した。
修正治療企図
mITT集団とは、研究対象薬物の少なくとも1用量または用量の一部を摂取し、かつ評価可能な主要エンドポイントを有した全ての無作為化集団として定義した。このエンドポイントは、以下の両方の条件が満たされた場合、評価可能とみなされた(すなわち、有効性処置期間):1)ベースラインの算定LDL−C値の利用可能性;ならびに2)有効性処置期間の間および第24週までの解析ウィンドウの1つの中の少なくとも1つの算定LDL−C値の利用可能性。有効性処置期間は、最初の二重盲検研究対象薬物注射から最終の二重盲検研究対象薬物注射後21日までの時間として定義する。
mITT集団の患者は、無作為化によって割り当てられた処置群によって解析した。
安全性解析セット
安全性解析について考慮される安全性集団は、研究対象薬物の少なくとも1用量または用量の一部を受けた無作為化集団であった。患者は、実際に受けている処置に応じて(すなわち、処置された処置群、プラセボまたはアリロクマブとして)解析された。
結果
研究集団の記述
この研究では、全部で249名の患者を無作為化した(プラセボ群での82名およびアリロクマブ群での167名)。プラセボ群における1名の患者は、無作為化はされたが、最初のIMP注射を受ける前の同意撤回を理由として、研究処置は受けなかった。したがって、この患者は安全性集団から除外された。無作為化患者の中の2名の患者(上のプラセボ群での1名の患者およびアリロクマブ群での1名の患者)が、ベースライン後のLDL−C評価後がないせいで、ITTおよびmITT集団から除外された。
Figure 2017528427
アリロクマブ群では、第12週の後、少なくとも1回の注射を受けた158名の患者の中で、61名(38.6%)の患者は、第12週で、アリロクマブ75mg(Q2W)〜150mg(Q2W)の自動的なアップタイトレーションを盲検方式で受けた。
被験者内訳
第1段階の解析データカットオフ日以降は、患者状態は、249名の無作為化患者について次の通りである:1)第78週訪問にまだ達していない継続中の患者のせいで、第78週の二重盲検処置を完了した患者は、0名(0.0%)であった;2)234名(94.0%)の患者が、なお処置継続中:プラセボ群での78名(95.1%)およびアリロクマブ群での156名(93.4%);3)9名(3.6%)の無作為化し、かつ処置した患者を第24週の前に早期に研究処置を中止した:1名(1.2%)はプラセボ群で、8名(4.8%)はアリロクマブ群。4名(1.6%)の患者は、有害事象のせいで研究処置を早期に終了した:アリロクマブ群での4名(2.4%)に対してプラセボ群での0名。3名(1.2%)の患者は、プロトコールの順守が劣るせいで研究処置を早期に終了した:プラセボ群での1名(1.2%)およびアリロクマブ群での2名(1.2%)。2名(0.8%)の患者が、種々の他の理由のせいで研究処置を早期に終了した:アリロクマブ群での2名(1.2%)に対して、プラセボ群での0名;4)13名(5.2%)の無作為化し、処置した患者が第52週の前に研究処置を早期に中止した:プラセボ群での2名(2.4%)、およびアリロクマブ群での11名(6.6%)。5名(2.0%)の患者が、有害事象のせいで研究処置を早期に終了した:アリロクマブ群での5名(3.0%)に対して、プラセボ群での0名。3名(1.2%)の患者は、プロトコールの順守が劣るせいで研究処置を早期に終了した:プラセボ群での1名(1.2%)およびアリロクマブ群での2名(1.2%)。5名(0.8%)の患者が、種々の他の理由のせいで研究処置を早期に終了した:プラセボ群での1名(1.2%)、アリロクマブ群での4名(2.4%);5)14名(5.6%)の患者が第78週の処置期間を完了する前に試験処置を早期に終了した:プラセボ群での3名(3.7%)、アリロクマブ群での11名(6.6%)。6名(2.4%)の患者が、有害事象のせいで、研究処置を早期に終了した:プラセボ群での1名(1.2%)、アリロクマブ群での5名(3.0%)。3名(1.2%)の患者が、プロトコールの順守が劣るせいで研究処置を早期に終了した:プラセボ群での1名(1.2%)およびアリロクマブ群での2名(1.2%)。5名(2.0%)の患者が、種々の他の理由のせいで研究処置を早期に終了した:プラセボ群での1名(1.2%)、アリロクマブ群での4名(2.4%)。
以下の表は、LDL−C値の利用可能性を経時的に示す。第24週で、主要有効性エンドポイントは、プラセボ群での78名(96.3%)の患者で、およびアリロクマブ群での157名(94.5%)の患者で利用可能であった。アリロクマブ群での155名(93.4%)のオントリートメント評価および2名(1.2%)のオフトリートメント評価と比較して、プラセボ群での77名(95.1%)のオントリートメント評価および1名(1.2%)のオフトリートメント評価があった。第52週で、重要な副次的有効性エンドポイントは、プラセボでの78名(96.3%)の患者、およびアリロクマブ群での158名(95.2%)の患者で利用可能であった。
Figure 2017528427
主要エンドポイントは、第24週で12名(4.9%)の患者で欠測していた。第24週訪問で、欠測値の理由は次の通りであった:1)早期の研究中止のせいで得られなかったサンプルがある4名の被験者;2)2名の被験者は、まだ継続中であったが、第24週のLDL−Cは行わなかった;3)6つのサンプルは、第24週で得たが、LDL−Cは、算定できなかった(5名は、TG>400mg/dL、かつ実測のLDL−Cが報告され、1名は、>400mg/dLだが、実測のLDL−Cは報告されなかった)。
人口統計学特性およびベースライン特性
全体的に、人口統計学的特性、ベースライン疾患特性、ベースライン有効性脂質パラメータ、LMT歴およびバックグラウンドのLMT使用は、アリロクマブ群に無作為化された患者と、プラセボ群に無作為化された患者の間で相同であった(表16を参照されたい)。具体的には、アリロクマブ群における平均のベースラインLDL−Cは、134.0mg/dL(SD=41.4mg/dL)であるプラセボ群におけるものと比較して、134.6mg/dL(SD=41.1mg/dL)であって、全体的平均は、134.4mg/dL(SD=41.1mg/dL)であった。1つの潜在的に重要な例外は、ベースラインのBMIで観察された差であって、平均のBMIは、プラセボ群での27.7kg/m(SD=4.7kg/m)と比較して、アリロクマブ群では28.6kg/m(SD=4.6kg/m)であった。
Figure 2017528427
Figure 2017528427
Figure 2017528427
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Figure 2017528427
Figure 2017528427
実測のLDL−Cの収集は、最初のプロトコールでは計画されておらず、補正で追加された。したがって、実測のLDL−C値は、算定LDL−C値と比較して利用可能な患者が少ない。
曝露の程度
注射剤に対する曝露は、処置群にわたって同様であって、約58〜60週間の平均曝露であった。アリロクマブ処置した患者は、2〜75.9週間曝露し、かつプラセボ処置した患者は11.6〜75.7週間曝露した。ほとんど(アリロクマブ:プラセボがそれぞれ、93.5%:97.5%)の患者を、第52週より長く処置した。
アリロクマブ群では、第12週の後、少なくとも1回の注射を与えられた158名の患者の中で、61名(38.6%)の患者が、第12週で、アリロクマブ75mg(Q2W)〜150mg(Q2W)の自動的なアップタイトレーションを盲検方式で受けた。26名の患者は、アップタイトレーション決定の時点で、第8週のLDL−Cを欠測しているせいで第12週のアップタイトレーションの機会を与えられなかった。第8週のLDL−C値を欠測していた26名の患者のうち、4名のアリロクマブ患者は、現在利用可能な第8週のLDL−Cデータに基づいて、アップタイトレーションされるべきであった。残りの患者は、プラセボ処置群にあるか、またはアリロクマブ患者について第8週のLDL−C訪問は、アップタイトレーションのためにLDL−C<70mg/dLカットオフ未満であった。
有効性解析
ITT集団における主要有効性解析
主要エンドポイント(ベースラインから第24週までの算定LDL−Cにおける変化率)解析は、第24週でのLS平均推定値を用いて、ITT集団でMMRMモデルに基づいて提供される。この反復した測定アプローチには、第52週までオントリートメントおよびオフトリートメントで収集した全LDL−C値を含む。第24週で、プラセボ群での3名(3.7%)の患者およびアリロクマブ群での9名(5.4%)の患者が、算定LDL−C値を有さなかった(表15)。これらの欠測値は、MMRMモデルによって説明された。
主要有効性解析によって、プラセボ群(LS平均=2.8%)と比較してアリロクマブ処置群(LS平均=−48.7%)に関して、ITT解析において第24週でベースラインの算定LDL−Cからの変化率で統計学的に有意な低下が示された。アリロクマブ処置群とプラセボ処置群との間のLS平均の差は、−51.4%(p<0.0001)である。プラセボ群での11.3%と比較して、アリロクマブ群でのHeFH患者の81.4%が、第24週でLDL−C目標値を達成した。
Figure 2017528427
経時的な算定LDL−C
図4は、ITT集団についてベースラインからのLDL−C LS平均(+/−SE)変化率を示すグラフである。注記:MMRM(繰り返し測定混合効果モデル)解析からとった最小二乗(LS)平均および標準誤差(SE)。
このモデルは、処置群の固定カテゴリー効果、時点、処置と時点の相互作用、ならびにベースラインLDL−C値およびベースラインLDL−Cと時点の相互作用の連続固定共変数を含む。
Figure 2017528427
重篤なGCPノンコンプライアンスに対する感度
この研究では重篤なGCPノンコンプライアンスがある施設はなかった。
重要な副次的な有効性解析
以下の表は、0.05有意差レベルでの統計学的検定のために階層的順序で全ての重要な副次的なエンドポイントに対する解析結果を要約したものである。この研究では、重要な副次的有効性エンドポイントの階層の最後の1つ(すなわち、Apo A−1−ベースラインから第12週までの変化率)を除き、全てについてアリロクマブ処置した患者を支持する統計学的に有意な効果を達成した。
明確化のために、ITT解析は、研究処置の投薬状態(すなわち、処置後評価を含む)に関わらず、ITT集団中の患者について定義され、解析ウィンドウ中の全てのエンドポイント評価を含む。オントリートメント解析は、mITT集団中の患者について定義され、これには、最初の二重盲検研究対象薬物注射から最終注射の日+21日(すなわち、有効性処置期間中に評価を含む)までの全てのエンドポイント評価を含む。
Figure 2017528427
Figure 2017528427
全ての重要な副次的有効性エンドポイント(ただし、ITT集団におけるベースラインから第12週までのApo A−1の変化率を除いて)は、階層的試験手順によるアリロクマブ処置した患者を支持する統計学的に有意な効果を達成した。
mITT集団におけるベースラインの算定LDL−Cから第24週までの変化率の重要な副次的有効性解析(オントリートメント解析)によって、プラセボ(LS平均=2.7%)と比較して、アリロクマブ処置群での算定LDL−Cの統計学的に有意な低下(LS平均=−49.4%)を伴うITT解析と一致する結果が示された。アリロクマブ処置した患者とプラセボ処置した患者との間のLS平均処置の差は、−52.2%である(p<0.0001)。実際、第24週で処置後(すなわち、最終注射後21日超)にLDL−C値が収集された患者は少なかった:プラセボ群では1名(1.2%)の患者およびアリロクマブ群では2名(1.2%)の患者。
ITT解析におけるベースラインから第24週までのApo A−1の変化率の低下は、統計学的に有意ではなかった:ベースラインに対するLS平均は、アリロクマブ群では0.4%、およびプラセボ群では−1.9%であった(プラセボに対するLS平均の差2.3%、p=0.1475)。
経時的な算定Ldl−C(観察されたデータを含む)
図5は、LDL−C LS平均(+/−SE)のベースラインからの変化率を、mITT集団について、有効性処置期間の間、経時的に示すグラフである。
要約
全体的な、人口統計学的特性、ベースライン疾患特性、ベースライン有効性脂質パラメータ、LMT歴、およびバックグラウンドLMT使用は、アリロクマブ群へ無作為化した患者とプラセボ群へ無作為化した患者との間で匹敵した。具体的には、アリロクマブ群における平均(SD)ベースラインLDL−Cは、134.0(41.4)mg/dLであるプラセボ群におけるものと比較して、134.6(41.1)mg/dLであった。
主要有効性エンドポイントおよび全ての重要な副次的エンドポイントは、ITT集団(ITT解析)で、Apo A−1のベースラインから第12週までの変化率を除いて、階層的試験手順によって、アリロクマブ処置した患者を支持する統計学的に有意な利点を達成した。
安全性結果の要約
全部で248名の患者を無作為化して、研究処置の少なくとも部分的な用量を与えた(安全性集団)。下は、有害事象および対象とする事象の高レベルの要約である。
Figure 2017528427
治療創発的SAEは、全部で17名の患者、特にアリロクマブ処置群での10名(6.0%)の患者、およびプラセボ処置群での7名(8.6%)の患者で生じた。いずれかの処置群について何らかのSOCが2つ以下報告され、いずれかの処置群で個々のSAEは2回以上報告されなかった。
この第1段階解析の時点で患者の死は報告されなかった。
全部で6名の患者が、TEAEのせいで試験処置を早期に中止した。具体的には、アリロクマブ処置群での5名(3.0%)の患者が、直腸腺癌、下痢、悪心、血管性浮腫、無力症、およびアラニンアミノトランスフェラーゼの増大のために、早期に処置を中止した。プラセボ処置群での1名(1.2%)の患者が、失神のせいで中止した。
TEAEは、アリロクマブ処置群での117名(70.1%)の患者およびプラセボ処置群での62名(76.5%)の患者で生じた。いずれかの処置群において≧5%の患者で生じたTEAEは次の通りである:注射部位の反応(アリロクマブ群およびプラセボ群で、それぞれ、10.8%対7.4%)、頭痛(アリロクマブ群およびプラセボ群で、それぞれ、8.4%対8.6%)、筋肉痛(アリロクマブ群およびプラセボ群で、それぞれ、6.0%対6.2%)、および下痢(アリロクマブ群およびプラセボ群で、それぞれ、5.4%対1.2%)。
専門的な対象とするTEAE(AESI)について、結果は、事前に設定されたSMQの好ましい項目分類によって示す。
治療創発的注射部位反応(ISR)は、アリロクマブ処置群では18名(10.8%)の患者で、およびプラセボ処置群では6名(7.4%)の患者で生じた。重篤なAEの患者はいなかった。
「過敏症」のMedDRA SMQを通じて特定された全身性のアレルギー性TEAEは、アリロクマブ処置群では17名(10.2%)の患者で、およびプラセボ処置群では6名(7.4%)の患者で生じた。重篤なAEの患者はいなかった。
治療創発的神経学的障害は、アリロクマブ処置群では7名(4.2%)の患者、およびプラセボ処置群では2名(2.5%)の患者で生じた。アリロクマブ群では、PTは、次の通りであった:知覚減退が4名(2.4%)の患者、知覚異常が2名(1.2%)の患者、および平衡障害が1名(0.6%)の患者。重篤なAEはなかった。
治療創発的神経認知障害は、アリロクマブ処置群では0名(0.0%)の患者で、およびプラセボ処置群では1名(1.2%)の患者で生じた。AEは重篤ではなかった。
アリロクマブ処置群では全部で9名(5.4%)の患者、およびプラセボ処置群では0名(0.0%)の患者に25mg/dL未満の2連続の算定LDL−C測定値があった。25mg/dL未満の2連続の算定LDL−C測定のある患者について、TEAEは、アリロクマブ処置では3名(33.3%)の患者で生じた。PTは次の通りであった:インフルエンザ、インフルエンザ様疾患、および鼻咽頭炎。これらのAEのうち重篤なものはなく、それらはAESIでもなかった。
結論
以下の結論は、研究データのこの早期の概説からとってもよい:1)この研究は、アリロクマブ処置した患者において算定LDL−Cの統計学的に有意な低下を伴う主要有効性エンドポイントを達成した;2)この研究はまた、重要な副次的有効性エンドポイントを、最終のエンドポイント(ITT集団における第12週のApo A−1(ITT解析))を除いて全て達成した;3)この第1段階解析の時点で利用可能なデータに基づいて、ベースラインでのMIまたは脳卒中の既往次第で、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症およびLDL−C>70mg/dLまたはLDL−C>100mg/dLを有する患者に対するアリロクマブの皮下投与は、一般的に安全かつ十分耐容された。
FH IおよびFH II研究からのプールしたデータの要約
FHIおよびFHII研究のプールしたデータから、以下の結論を導くことができた:1)自己投与されたアリロクマブは、24週間後、プラセボに対して有意に大きいLDL−C低下を生じた(LS平均の差51.4〜57.9%);2)ほとんどの患者(>70%)が第24週で彼らのLDL−C目標値を達成した;3)第52週で47.1〜50.3%というLDL−C低下が、アリロクマブで達成された;4)第52週で1.7〜1.9mmol/L(65.9〜74.3mg/dL)という平均LDL−Cレベルが、アリロクマブで達成された;5)ほぼ50%の患者がアリロクマブ150mg(Q2W)までのアップタイトレーションを必要とせず、これによって多くの患者には75mg(Q2W)が十分であり得ることが示唆される;ならびに6)TEAEは、アリロクマブアームおよびプラセボアームで同様の頻度で生じた。
具体的には、FHIおよびFHII研究の総合データによって、アリロクマブは、プラセボに対して第24週でLDL−Cの有意な低下を生じたことが示される。第24週でのベースラインからのLS平均(SE)の変化%は、プラセボ群(N=244)の7.1%と比較して、アリロクマブ群(N=488)については−48.8%であった。プラセボに対するLS平均の差(SE)は−55.8%(2.1)であった(P<0.0001)。さらに、アリロクマブ患者のうち第12週で150mg(Q2W)用量までアップタイトレーションが必要だったのは42%だけであった。
ODYSSEY FH IおよびFH II研究について時間に対するLS平均(SE)算定LDL−C値を図8に示す。グラフ上に示される値は、ベースラインから第24週および第52週までのLS平均変化%である。図9は、ODYSSEY FH IおよびFH II研究に関する、時間に対するLS平均(SE)算定LDL−C値を示すグラフである。グラフの下に示す値は、種々の時点で解析された患者の数である。
少なくとも12週間の二重盲検処置を受けた患者の中で、FH Iのうち176/311名(56.6%)およびFH IIのうち97/158名(61.4%)が、第8週でLDL−Cレベル<1.8mmol/Lであり、アリロクマブ75mg(Q2W)で維持された。LDL−Cレベルは、これらの患者では経時的に安定であった(図10)。150mg(Q2W)まで用量増大されたFHIの患者では、平均LDL−Cレベルは、第12週で2.7mmol/L(104.3mg/dL)、および第24週で2.0mmol/L(78.5mg/dL)であった。FH IIにおける対応する値は、第12週で2.6mmol/L(98.6mg/dL)、および第24週で1.9mmol/L(71.8mg/dL)であった。
主要有効性エンドポイントのサブグループ解析は、ある範囲の人口統計学的およびベースライン特性にわたって算定LDL−Cの一定の低下を示した(図11)。LDL−Cの百分率の低下(アリロクマブ対プラセボ)は、男性では60.1%および女性では50.6%(FH IおよびFH IIからのプールしたデータ)であって、相互作用についてのP値は0.0267であった。個々の研究では、LDL−C低下(対プラセボ)は、FH Iにおいては、男性では62.6%および女性では51.9%、ならびにFH IIにおいては、男性では53.5%および女性では49.2%であった。
FH IおよびFH II研究からプールした中間安全性データの要約を、表25Aに示す。全てのデータは、第52週の最終の患者訪問まで収集した。TEAE、重篤なAEおよび処置中止につながるTEAEを経験した患者の百分率は、個々の研究における処置群の間で匹敵していた(表25B)。FH I(12.4%対11.0%)およびFH II(11.4%対7.4%)において、プラセボ対アリロクマブ群において、より高い割合の患者が、注射部位の反応を経験した。ほとんどの注射部位反応は、強度が軽度に分類された。研究対象薬物中止につながった注射部位反応はなかった。神経学的事象もアレルギー事象も重篤なものはなかった(表3)。掻痒症が、それぞれ、FH1およびIIにおいて、2名(0.6%)および3名(1.8%)のアリロクマブ処置患者、ならびに各々の研究では1名がプラセボ処置患者で報告された(それぞれ。0.6%および1.2%)。アリロクマブ(FH Iでは2名[0.6%]、FH IIではなし)またはプラセボ(FH Iでは2名[1.2%]、FH IIでは1名[1.2%];表3)で報告された神経認知事象は、少なかった。それぞれ、FH IおよびFH IIでは、アリロクマブ処置患者のうち85.8%および91.6%(プラセボの87.7%および90.1%)が、≧第76週の研究処置を受けた。
Figure 2017528427
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ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症および160mg/dL以上のLDL−Cを有する患者であって、彼らの脂質修飾治療を受けている患者におけるアリロクマブの有効性および安全性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間研究
序論
本研究は、記録されたMIまたは虚血性脳卒中の既往のあるまたはなしで、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者を含んだ。
本研究の目的は、heFHを有する患者(そのLDL−Cレベルが、追加のLMTの有無に拘らず最大投与可能スタチン治療において、160mg/dL(4.14mmol/L)以上であった)におけるアリロクマブの有効性および安全性を評価することであった。
この特別な研究(図6)は、LDL−Cが160mg/dL以上である、heFH患者では、スタチン+/−他のLMTに対する追加治療としてのアリロクマブ150mg(Q2W)が、LDL−Cの統計学的に有意でかつ臨床的に意味のある低下を生じることを実証することを企てた。最適化したLMTに関わらずこのような高いLDL−Cレベルを有するこの集団は、彼らのLDL−C低下治療にアリロクマブを添加することによって取り組まれ得る十分特定された満たされていない医学的必要性を有する最高リスクの群に相当する。
研究の目的
この研究の主な目的は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)および160mg/dL以上のLDL−Cを有する患者での処置の24週間後にプラセボと比較した、他のLMTと共にまたはなしでの、安定した1日最大投与可能量スタチン治療に対する追加治療としてのアリロクマブによるLDL−Cの低下を実証することであった。
二次的な目的は次の通りであった:1)処置の12週間後、LDL−Cに対してプラセボと比較したアリロクマブの効果を評価すること;2)他の脂質パラメータ(すなわち、Apo B、非HDL−C、総C、Lp(a)、HDL−C、TG、およびApo A−1のレベル)に対するアリロクマブの効果を評価すること;3)LDL−Cに対するアリロクマブの長期効果を評価すること;4)アリロクマブの安全性および耐容性を評価すること;5)抗アリロクマブ抗体の発達を評価すること。
研究デザイン
これは、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、非釣り合い型(2:1、アリロクマブ:プラセボ)、多施設、多国間研究であって、彼らのLMT(すなわち、安定した1日最大投与可能量スタチン治療+/−他のLMT)の有無に拘らずヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)および160mg/dL以上のLDL−Cを有する患者でのアリロクマブの有効性および安全性を評価するための研究であった。無作為化は、心筋梗塞(MI)または虚血性脳卒中の既往歴[イエス/ノー]、およびスタチン処置(いかなる1日用量であれシンバスタチン、アトルバスタチン40mg未満/日またはロスバスタチン20mg未満/日に対して、アトルバスタチン40〜80mg/日またはロスバスタチン20〜40mg/日)によって階層化した。無作為化後、患者は、安定した1日最大投与可能量スタチン治療+/−他のLMTに加えて、78週間の期間にわたって、二重盲検研究処置(アリロクマブまたはプラセボのいずれか)を隔週で受けた。
18カ月の二重盲検処置期間の終了後、ODYSSEY High FH研究を首尾よく完了した全ての患者が、オープンラベル延長研究に参加する機会があった。結果として全ての患者が、18カ月の二重盲検処置期間の間に受けた研究処置に関わらず、オープンラベル延長研究の参加時にアリロクマブを受けた。
本研究は次の3つの期間から構成された:スクリーニング期間、二重盲検処置期間、および追跡調査期間。
スクリーニング期間は3週間までであり、患者(または、配偶者、親類などのような別の指定された人)が、アリロクマブのプラセボを自己注射/注射するよう訓練された中間の訪問を含んだ。患者を研究に無作為化することを可能にするために適格性評価を実施した。
二重盲検処置期間は、無作為化した、18カ月の二重盲検処置期間であった。二重盲検処置期間の間の最初の注射は、無作為化の日(第0週[D1]−V3)にその部位で、かつ、研究への無作為化のためのIVRS/IWRSへのコールの後、できるだけ早く行った。その後の注射は、患者(自己注射)または別の指定された人(例えば、配偶者、親類など)が患者の好みの場所(家・・・)で行った。アリロクマブに無作為化した患者は、無作為化(V3)から第76週まで(すなわち、第0週、第2週、第4週、第6週、第8週・・・第76週まで)150mgの用量のIMPを受けた。
追跡調査期間(妥当な場合)は、オープンラベル延長研究に参加する同意なしの患者に関して、または早期に研究処置を終了する場合、DBTPの終了後8週間の期間であった。
脂質パラメータの実験室測定は、研究の間、中央実験室(中央検査室)で行った。
研究の間、2連続の算定LDL−Cレベル<25mg/dL(0.65mmol/L)に達した患者を、モニターして、管理した。
スタチンおよび他のLMT(妥当な場合)は、治験責任医師の判断に従って最優先事項(中央検査室によって発せられるTGの警告を含むが、これに限定されない)がそのような変更を正当化する例外的事情がなければ、DBTPの最初の24週間の間、(用量を含めて)安定でなければならない。第24週からすすんで、バックグラウンドのLMTを、下に記載の通り特定の条件下でのみ改変した。
患者は、実施例2に上記されるように、スクリーニングから研究期間全体を通じて安定な食事(NCEP−ATPIII TLC食事または相当状態)でなければならなかった(表1を参照されたい)。適切な訓練を受けた栄養士または現場スタッフが、スクリーニング訪問時に、および研究全体を通して定期的に患者の食事を審査した。
この研究期間には、3週間までのスクリーニング期間、有効性および安全性評価のための78週のDBTP、ならびにオープンラベル延長研究に参加する同意のない患者、または研究処置を早期に終了する場合に関しては、DBTPの最終訪問後、8週の処置後追跡調査期間を含んだ。したがって、患者ごとの最大の研究期間は、約89週間(すなわち、20カ月)(最大で3週間のスクリーニング+78週間の二重盲検処置+8週間の追跡調査)であった。患者ごとの研究の終わりは、最終プロトコール計画訪問、または全てのSAEおよびAESIの解決/安定化(いずれか遅い方)であった。
患者の選択
組み入れ基準は次の通りであった:1)スクリーニング訪問(−第3週)前に安定した用量で他の脂質修飾治療(LMT)の有無に拘らずスタチン**の最大投与可能1日用量で十分に制御されなかったヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者。
heFHの診断は、遺伝子型判定によって、または臨床基準によっていずれかで行わなければならなかった。遺伝子型判定されなかった患者については、臨床診断は、定義のFHについての基準を有するサイモン・ブルーム基準、または>8点のスコアのWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかに基づく場合があった。実施例2に上記される基準を参照されたい。
最大投与可能量の定義:以下のいずれも許容可能であった):1)ロスバスタチン20mgもしくは40mg/日;2)アトルバスタチン40mgもしくは80mg/日;3)シンバスタチン80mg/日(>1年、この用量を既に受けている場合−除外基準E06を参照されたい);4)上記スタチン用量のいずれも用いることができない患者は、治験責任医師の判定または懸念に応じて患者にとって適切と考えられる毎日のアトルバスタチン、ロスバスタチン、またはシンバスタチンの用量で処置を受けるものとした。低下したスタチン用量を摂取する患者にとって許容できる理由のいくつかの例としては、限定するものではないが、次のように挙げられる:より高い用量での有害な影響、加齢、低いボディマスインデックス、地域特有の実施、限局的処方情報、併用薬、併発状態、例えば、耐糖能障害/空腹時血糖障害。
上記組み入れ基準全てを満たした患者を、次の3つのサブセクションにソートして番号付けされる、以下の除外基準についてスクリーニングした:研究方法論に関する除外基準、バックグラウンド治療に関連する除外基準、ならびにアリロクマブに関連する除外基準。
研究方法論に関する除外基準は次の通りであった:1)遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行われたheFHの診断のない患者;2)スクリーニング訪問(−第3週)時にLDL−C<160mg/dL(<4.14mmol/L);3)適用可能な場合、スクリーニング訪問(−第3週)の前またはスクリーニングから無作為化まで、少なくとも4週間の安定した用量のLMT(スタチンを含む)および/または少なくとも6週間のフェノフィブラートにない;4)現在、シンバスタチン、アトルバスタチン、またはロスバスタチン以外のスタチンを摂取している;5)シンバスタチン、アトルバスタチン、またはロスバスタチンを毎日摂取していないか、または登録した用量で摂取していない;6)アトルバスタチン80mg、ロスバスタチン40mg、またはシンバスタチン40mgを超える1日用量(1年より長い間シンバスタチン80mgを受けており、適格である、患者は除く);7)スクリーニング訪問(−第3週)の6週間以内、またはスクリーニングと無作為化訪問の間のフェノフィブラート以外のフィブラートの使用;8)スクリーニング訪問(−第3週)の前少なくとも4週間、またはスクリーニングと無作為化訪問の間、安定した用量/量でなかった、脂質に作用し得る栄養補助食品または市販薬の治療の使用;9)スクリーニング訪問(−第3週)の4週間以内、またはスクリーニングと無作為化訪問との間の紅色酵母米製品の使用;10)スクリーニング訪問(−第3週)の前2週間以内に血漿交換処置を受けたか、またはこの研究の間にその処置を受ける計画がある患者;11)最近の(スクリーニング訪問[−第3週]の前3カ月以内の、またはスクリーニング訪問と無作為化訪問の間の)MI、入院につながる不安定狭心症、経皮冠動脈形成術(PCI)、冠動脈バイパス移植手術(CABG)、制御されない心不整脈、脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、頸動脈血行再建術、末梢血管疾患のための血管内手術または外科的介入;12)予定されたPCI、CABG、頸動脈または末梢血行再建をこの研究中に受けるように計画されている;13)スクリーニング訪問または無作為化訪問時の収縮期血圧>160mmHgまたは拡張期血圧>100mmHg;14)過去12カ月以内のニューヨーク心臓協会(NYHA)クラスIIIまたはIV心不全歴;15)出血性脳卒中の既往歴;16)スクリーニング訪問(−第3週)時に18歳または法律上成人、いずれか高い方の年齢未満;17)スクリーニング訪問(−第3週)の前にコレステロール低下食についての事前指導を受けていない患者;18)新しく診断(無作為化訪問[第0週]の前3カ月内)または制御不十分(スクリーニング訪問[−第3週]の際のHbA1c>9%)の糖尿病;19)血清脂質またはリポタンパク質に影響することが公知の制御されていない何らかの臨床的に有意な内分泌疾患の存在。注記:甲状腺補充療法の患者は、投薬量が、スクリーニング前およびスクリーニングと無作為化訪問の間、少なくとも12週間にわたって安定であり、TSHレベルが、スクリーニング訪問時に中央実験室の正常範囲内である場合、含まれてもよい;20)スクリーニング訪問(−第3週)の前12カ月内の肥満手術の既往;21)スクリーニング訪問(−第3週)の前2カ月内に5kgを超える変動で規定される不安定な体重;22)ホモ接合性FHの既往歴;23)PCSK9の機能喪失(すなわち、遺伝子突然変異または配列変異)の既往が知られている;24)無作為化訪問(第0週)の前少なくとも6週間の、安定したレジメンで下垂体/副腎疾患のための補充治療として使用した場合を除く、全身性コルチコステロイド薬の使用。注記:局所的、関節内、鼻、吸入および眼科的ステロイド治療は、「全身性」とみなさず、許可する;25)レジメンがスクリーニング訪問(−第2週)の前の過去6週間安定しており、かつ研究中にそのレジメンを変更する計画がない場合を除く、連続的なエストロゲンまたはテストステロンホルモン補充治療の使用;26)適切に処置された基底細胞皮膚癌、扁平細胞皮膚癌、または子宮頸部上皮内癌を除く、過去5年以内の癌歴;27)HIV陽性の既往歴;28)1カ月以内または5半減期以内、いずれか長い方で、アリロクマブトレーニング用プラセボキット以外の何らかの治験薬を摂取した患者;29)アリロクマブまたは何らかの他の抗PCSK9モノクローナル抗体の少なくとも1用量を用いて他の臨床試験で以前に処置された患者;30)スクリーニング期間中に同意を撤回する患者(継続する意思がないか、または再訪問しない患者);31)次のような条件/状況、治験責任医師または任意の治験補助医師の判断で、研究の安全な完了を妨げるかもしくはエンドポイントの評価を制約することになる、スクリーニング時に特定される何らかの臨床的に有意な異常;例えば、重大な全身性疾患、治験責任医師または任意の治験補助医師によって何らかの理由でこの研究に不適切とみなされる余命の短い患者、例えば、:a)予定された訪問などの特定のプロトコール要件を満たすことができないと判断される患者;b)患者または治験責任医師により長期間の注射を投与または耐容することができないと判断される患者;c)治験責任医師もしくは任意の治験補助医師、薬剤師、研究コーディネーター、またはプロトコールの実施に直接関与する他の研究スタッフもしくはその親族など;d)治験責任医師が研究期間に患者の参加を限定もしくは制限することになると感じる、実際のまたは予測される何らかの他の条件(例えば、地理的、社会的条件・・・)の存在;32)スクリーニング期間(無作為化の第0週の検査を含まない)の間の検査所見:a)B型肝炎表面抗原またはC型肝炎抗体についての検査陽性;b)妊娠の可能性がある女性における血清ベータhCGまたは尿妊娠検査(第0週を含む)の陽性;c)トリグリセリド>400mg/dL(>4.52mmol/L)(1回の再検査を許可する);d)4変数のMDRD研究方程式によってeGFR<30mL/分/1.73m(中央検査室で算定);e)ALTまたはAST>3×ULN(1回の再検査を許可する);f)CPK>3×ULN(1回の再検査を許可する);g)TSH<正常の下限(LLN)または>ULN(1回の再検査を許可する)。
バックグラウンド治療に関する除外基準は、次の通りであった:1)それぞれの国の製品表示に示されている通りのバックグラウンド治療に対する全ての忌避または使用の警告/注意(適宜)。
アリロクマブに関する除外基準は、次の通りであった:1)モノクローナル抗体、または薬物製品の任意の成分に対する既知過敏症;2)妊娠しているかまたは授乳中の女性;ならびに3)非常に有効な受胎調整方法によって保護されていない、妊娠の可能性がある女性(同意説明文書で、および/または局所プロトコール追記で定義される)および/または妊娠について検査する意思がないもしくは検査することができない女性。注記:妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時および無作為化訪問時に妊娠検査陰性が確認されていなければならなかった。彼女たちは、この研究処置の全期間を通して、かつIMPの最終取り込み後10週間、有効な避妊法を用いなければならず、かつ指定訪問時に尿妊娠検査を繰り返すことに同意しなければならなかった。適用される避妊方法は、「薬剤のヒト臨床試験および製造承認の実施のための非臨床的安全性研究に対するガイダンスのための覚書(Note for guidance on non−clinical safety studies for the conduct of human clinical trials and marketing authorization for pharmaceuticals)(CPMP/ICH/286/95)」による極めて有効な受胎調整方法の基準を満たさなければならなかった。閉経後女性は、少なくとも12カ月間、無月経でなければならなかった。
研究処置
無菌アリロクマブ薬物製品は、ヒスチジン、pH6.0、ポリソルベート20、およびスクロース中で150mg/mLの濃度で供給した。薬物製品は、自己注射器中の体積1mLとして供給した。
アリロクマブのための無菌のプラセボは、自己注射器中の体積1mLとしてタンパク質添加なしでアリロクマブと同じ処方で調製した。
二重盲検処置期間の間、アリロクマブまたはプラセボは、皮下に隔週で投与し、第0週で開始して、二重盲検の処置期間の終わりの2週前、最終注射(第76週)まで続けた。注射を施設訪問と同じ日に行うように予定した場合は、IMPは、血液サンプリングが完了した後に投与すべきであった。
IMPは理想的には、その日のほぼ同じ時点で、隔週で皮下に投与すべきであった;しかし、±3日のウィンドウピリオドを有することが許容された。その日のその時間は、患者の好みに基づいた。
以下のクラスの薬物を、非治験的医薬品(NIMP)として特定した。なぜなら、この医薬は、バックグラウンド治療または可能性のある救急薬のいずれかであったからであった:スタチン(ロスバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン);コレステロール吸収阻害剤(エゼチミブ);胆汁酸結合封鎖剤(例えば、コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム);ニコチン酸;フェノフィブラート;オメガ−3脂肪酸(≧1000mg/日)。
2連続の算定LDL−C<25mg/dL(0.65mmol/L)を達成した患者をモニターした。
追跡調査訪問時に抗アリロクマブ抗体について240以上の力価を有した患者は、最終投与後6〜12カ月で、およびその後は、力価が240未満に戻るまでほぼ3〜6カ月ごとに、追加して抗体サンプルをとった。
患者は、置換ブロック無作為化によって、1:2の比を用いて、二重盲検研究処置期間の間にプラセボまたはアリロクマブのいずれかを投与されるように無作為化した。無作為化は、心筋梗塞(MI)または虚血性脳卒中の既往歴[イエス/ノー]、およびスタチン処置(いかなる1日用量であれシンバスタチン、アトルバスタチン40mg未満/日またはロスバスタチン20mg未満/日に対して、アトルバスタチン40〜80mg/日またはロスバスタチン20〜40mg/日)によって層別化した。
併用薬は、研究に対して付随して患者によって与えられる任意の処置であった(追跡調査訪問まで)。併用薬は、研究の間最小で維持すべきであった。しかし、患者の健康について必要で、かつIMPを邪魔する可能性が低いとみなされるならば、併用薬は、治験責任医師の裁量で、安定した用量で(可能な場合)与えてもよかった。このセクションで提供される併用薬に関連する特定の情報以外に、任意の他の併用薬を許可した。患者がスクリーニング訪問(−第3週)で160mg/dL(4.14mmol/L)以上のLDL−Cを有し、かつスタチンのみで(すなわち、追加のLMTなしで)処置された場合、治験責任医師は、患者を第2のLMTに入れない理由を報告すべきであった。スタチンを含むバックグラウンドのLMTについては、施設は、安全性モニタリングおよび患者の管理に関する国の製品表示に従わなければならなかった。
スクリーニング訪問の前少なくとも4週間、スクリーニング期間の間、安定した用量で用いられ、かつ二重盲検処置期間の最初の24週間の間維持された場合のみ、脂質に作用し得る栄養補助食品または市販の治療薬を許可した。第24週訪問後、これらの栄養補助食品または市販薬の治療を許可したが、一般には回避すべきであった。このような栄養補助食品または市販薬の治療の例としては、オメガ−3脂肪酸(用量<1000mg)、植物スタノール、例えば、Benecol、亜麻仁油、およびオオバコが挙げられた。
患者は、スクリーニング訪問の前少なくとも4週間(フェノフィブラートについては6週間)他のLMTと共に安定した登録された最大投与可能1日用量のスタチンを与えられるべきであった。研究の間、患者は、他のLMTと共に、これらの安定した登録された最大投与可能1日用量のスタチンで維持されるべきであった。無作為化後に得られたサンプルからの脂質プロファイル値は盲検であった。それにも関わらず、施設には、トリグリセリドの警告、ならびに、患者のバックグラウンドLMTについて決定を行うためのLDL−C値の救急の閾値が告げられた。スクリーニング訪問(−第3週)から二重盲検処置期間の第24週まで、バックグラウンドLMTは、変更させてはならなかった。他のスタチンまたは他のLMTの用量調節、中止または開始は、治験責任医師の判断に従って最優先事項(中央検査室によって発せられるトリグリセリドの警告を含むが、これに限定されない)がそのような変更を正当化する例外的事情がなければ、この時期に行うべきではなかった。
反復試験で確認されたトリグリセリドの警告(TG≧500mg/dL(5.65mmol/L))に関して、治験責任医師は、彼らの医学的判断によって、検討を行い、患者を管理し、かつバックグラウンドのLMTを改変した。
第24週訪問および後の時点でLDL−Cの救済の通知のため、すなわち、2連続事例での無作為化訪問LDL−Cに比較して25%を超えるLDL−Cの増大のため、治験責任医師は、不十分なLDL−C対照のために合理的な説明(例えば、コルチコステロイド使用などのような別の医学的原因など)がないこと、および具体的には:食事に対するコンプライアンスが適切であったこと、バックグラウンドLMTに対するコンプライアンスが適切であったこと、および研究処置が計画通りに与えられたことを確認しなければならなかった。上記のいずれかは、不十分なLDL−C制御を合理的に説明できなかった場合、治験責任医師は、適切な行動を企てなければならない、すなわち、処置を順守する絶対的な必要性を重視し、必要ならば、資格のある栄養専門家による専門的インタビューを開催し、および食事を順守する絶対的な必要性を重視し、および1〜2カ月内に盲検のLDL−C評価を行わなければならなかった。もし上述の理由が見出されなかったならば、または適切な行動によっても注意深い評価のもとでLDL−Cを低下できなかったならば、救急薬が導入された場合もある。任意のこのような変化の有効性は、次の予定された検査結果で盲検の脂質試験に送られたLDL−Cの救急の告知を欠くことに基づいて行うべきであった。
閾値を上回るLDL−Cの理由が見出せなかった場合、または適切な行動で、閾値を下回ってLDL−Cを低下できなかった場合、救急薬が導入された場合もある。任意のこのような変更の有効性は、次の慣用的に予定された検査結果で盲検の脂質試験からの救急の閾値を欠くことに基づいて行われる。プロトコールによる患者は、既に、最大耐用量のスタチンを受けており、そのためスタチンのアップタイトレーションまたは切り換えは、選択肢ではなかった。さらにLDL−Cを低下するために、治験責任医師は以下を検討してもよかった:コレステロール吸収阻害剤(エゼチミブ)、または胆汁酸結合封鎖剤(樹脂コレスチラミンおよびコレスチポール、またはコレセベラム、非吸収性ポリマー)。以下の脂質修飾剤もまた考慮してもよい:フィブラート(注記:筋障害のリスクのために、スタチンなどの他のコレステロール低下薬とフィブラートとを併用する場合は、注意を払うべきである。フィブラートをスタチンと併用する場合は、フェノフィブラートが、スタチンのグルコン酸抱合に影響しないので、選ばれるフィブラートである;プロトコールについて許される唯一のフィブラートは、フェノフィブラートであった;ニコチン酸(ナイアシン)(注記:ナイアシンは血糖値を上げるが、血糖値が維持される場合は、糖尿病を有する人では脂質障害を修飾するのに有効であることが示されている。
まとめると、バックグラウンドのLMTは、スクリーニングから追跡調査訪問まで、改変されるべきではない。しかし、第24週まで、確認されたTGの警告に達したならば、または抗し難い臨床的懸念があったならば(治験責任医師の判断で)、バックグラウンドのLMTの改変を許可した。第24週からすすんで、確認されたTGの警告に達したならば、またはLDL−Cの救済閾値が得られたならば(かつ他に合理的な説明がなければ)、または抗し難い臨床的懸念があったならば(治験責任医師の判断で)、バックグラウンドのLMTの改変を許可した。
出産可能な女性は、研究処置を通じて、かつ最終のIMP注射後10週間(すなわち、追跡調査訪問)、有効な避妊方法をとる必要があった。
最初のスクリーニング訪問から追跡調査訪問までの併用禁忌医薬は以下であった:シンバスタチン、アトルバスタチンおよびロスバスタチン以外のスタチン;フェノフィブラート以外のフィブラート;および紅色酵母米製品。
研究のエンドポイント
主要有効性エンドポイントは、ベースラインから第24週までの算定LDL−Cの変化率であって、これは次のように定義した:100×(第24週の算定LDL−C値−ベースラインの算定LDL−C値)/ベースラインの算定LDL−C値。ベースラインの算定LDL−C値は、最初の二重盲検IMP注射の前に得られた最後のLDL−Cレベルであった。第24週の算定LDL−Cは、第24週の解析ウィンドウ内、および主要な有効性期間の間に得られたLDL−Cレベルであった。主要な有効性期間とは、最初の二重盲検のIMP注射から、最終の二重盲検のIMP注射後21日まで、または第24週の解析ウィンドウの上限まで、いずれか早い方の時間として定義した。全ての算定LDL−C値(予定または予定外、空腹時または非空腹時)は、上記の定義によって適切である場合、これを用いて、主要有効性エンドポイントの値を得てもよい。
重要な副次的有効性エンドポイントは次の通りであった:1)ベースラインから第12週まで算定LDL−Cにおける変化率:12週の算定LDL−Cが第12週の解析ウィンドウ内、および12週の有効性期間の間に得られたLDL−Cレベルであったこと以外は、主要有効性エンドポイントについてと同様の定義および規則。12週の有効性期間とは、最初の二重盲検のIMP注射から第6訪問の再供給IVRS接触まで、または最終の二重盲検のIMP注射後21日まで、どちらか早い方の時間として定義した。第6訪問の再供給IVRS接触の日に収集した血液サンプリングは、タイトレーション前とみなした;2)ベースラインから第24週までのApo Bの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;3)ベースラインから第24週までの非HDL−Cの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;4)ベースラインから第24週までの総Cの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;5)ベースラインから第12週までのApo Bの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;6)ベースラインから第12週までの非HDL−Cの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;7)ベースラインから第12週までの総Cの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;8)ベースラインから第52週までの算定LDL−Cにおける変化率。定義および規則は、第24週を第52週で置き換えて、主要エンドポイントについて用いられるのと同様であった。52週の有効性期間は、最初の二重盲検のIMPから最終の二重盲検のIMP注射後で21日まで、または第52週の解析ウィンドウの上限まで、どちらか早い方の時間として定義された;9)第24週でLDL−C目標値、すなわち、前CVDの場合は、LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)またはCVDなしの患者では<100mg/dL(2.59mmol/L)(主要エンドポイントに用いた定義および規則を用いて、次のように定義されるように:(第24週で算定LDL−C値がLDL−C目標値に達する患者の数/mITT集団の患者数)*100)に達する患者の割合、;10)ベースラインから第24週までのLp(a)の変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;11)ベースラインから第24週までのHDL−Cの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;12)ベースラインから第12週までのHDL−Cの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;13)ベースラインから第12週までのLp(a)の変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;14)ベースラインから第24週までの空腹時TGの変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;15)ベースラインから12週までの空腹時TGの変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則;16)ベースラインから第24週までのApo A−1の変化率。主要エンドポイントについてと同じ定義および規則;17)ベースラインから第12週までのApo A−1の変化率。ベースラインから第12週までの算定LDL−Cにおける変化率についてと同じ定義および規則。
他の副次的有効性エンドポイントは次の通りであった:1)ベースラインから第78週までの算定LDL−Cにおける変化率。定義および規則は、第24週を第78週で置き換えて、主要エンドポイントについて用いられるのと同様であった;2)第12週、第52週および第78週でLDL−C目標値、すなわち、前CVDの場合は、LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)または前CVDなしの患者では<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;3)第24週でLDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;4)第12週でLDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する患者の割合;5)第24週でLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する患者の割合;6)第12週でLDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する患者の割合;7)ベースラインから第12週、第24週、第52週および第78週までの算定LDL−C(mf/dLおよびmmol/L)の絶対変化;8)ベースラインから第52週および第78週までのApo B、非HDL−C、総C、Lp(a)、HDL−C、空腹時TG、およびApo A−1の変化率;9)ベースラインから第12週、第24週、第52週および第78週までのApo B/Apo A−1の比の変化;10)第12週、第24週、第52週および第78週で、Apo B<80mg/dL(0.8g/L)である患者の割合;11)第12週、第24週、第52週および第78週で、非HDL−C<100mg/dLである患者の割合;12)第12週、第24週、第52週および第78週で、算定LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)であるか、および/または算定LDL−Cの低下≧50%(算定LDL−C≧70mg/dL[1.81mmol/L]の場合)である患者の割合。
総C、HDL−C、TG、Apo B、Apo A−1、およびLp(a)は、中央実験室で直接測定した。LDL−Cは、全訪問で(−第1週および追跡調査訪問を除く)Friedewald式を用いて算定した。TG値が、400mg/dL(4.52mmol/L)を超えるならば、中央検査室は、LDL−Cを算定するのではなく、再帰的に測定した(ベータ定量法を介して)。非HDL−Cは、総CからHDL−Cを差引きすることによって算出した。Apo B/Apo A−1の比を算定した。
臨床実験室データは、尿検査、血液学(赤血球数、ヘモグロビン、赤血球分布幅(RDW)、網状赤血球数、ヘマトクリット、血小板、白血球数と血球百分率数)、標準化学(グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、カルシウム、リン、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、総タンパク質、LDH、アルブミン、γグルタミルトランスフェラーゼ[γGT])、C型肝炎抗体、肝パネル(ALT、AST、ALP、および総ビリルビン)、およびCPKから構成された。
バイタルサインには以下を含んだ:心拍数、収縮期血圧および拡張期血圧(座位で)。
他のエンドポイントとしては以下が挙げられた:抗アリロクマブ抗体評価、hs−CRP、HbA1c、EQ−5D質問表および薬理遺伝学的サンプル。
抗アリロクマブ抗体は、抗体の状態(陽性/陰性)および抗体力価を含んだ。抗アリロクマブ抗体決定のための血清サンプルは、研究全体にわたって定期的に採取した。無作為化訪問の最初に予定したサンプルは、IMP注射の前(投与前)に得た。追跡調査訪問時に抗アリロクマブ抗体について240以上の力価を有した患者は、最終投与後6〜12カ月で、およびその後は、力価が240未満に戻るまでほぼ3〜6カ月ごとに、追加して抗体サンプルをとった。抗アリロクマブ抗体サンプルは、確証された非定量的な力価に基づくブリッジングイムノアッセイを用いて解析した。これは最初のスクリーニング、薬物特異性に基づく確認アッセイ、およびサンプル中の抗アリロクマブ抗体の力価の測定を包含した。検出の下限はほぼ1.5ng/mLであった。ADAアッセイで陽性だったサンプルを、確証された、非定量的、競合リガンド結合アッセイを用いて中和抗体について評価した。モノクローナル陽性のコントロールの中和抗体に基づく検出の下限は、390ng/mLであった。
ベースラインから第24週、第52週および第78週までのhs−CRPの変化率。
ベースラインから第24週、第52週および第78週までのHbA1cの絶対値の変化(%)。
EQ−5Dは、健康関連のクオリティオブライフの尺度として、5つの側面に関して健康を定義する:移動度、セルフケア、日常活動能力、疼痛/不快感、不安/抑うつ。各々の側面は、3つの回答のうちの1つをとることができる(重篤度の3段階レベル):「問題なし」(1)、「何らかの問題」(2)、「重度の問題」(3)。全体的な健康状態は、5ケタの数で定義された。5つの側面の分類で定義される健康状態は、健康状態を定量する対応するインデックススコアに変換され得、ここでは0は「死亡」であり、1は「完全な健康」に相当する。
研究手順
1日目/第0週(無作為化訪問)後の全ての訪問について、特定の日数の時間枠が許可された。訪問のウィンドウピリオドは、第12週および第24週では±3日であって、第52週および第78週では±5日であって、全ての他の施設訪問に関して、これは、二重盲検処置期間、および追跡調査期間の間±7日であった。無作為化訪問(1日目/第0週)については+3日のウィンドウピリオドが許可され、および注射訓練訪問(−第1週)のためのスクリーニングについては±7日のウィンドウピリオドが許可された。
脂質パラメータ(すなわち、総C、LDL−C、HDL−C、TG、非HDL−C、Apo B、Apo A−1、Apo B/Apo A−1の比、Lp[a])の決定のための血液サンプリングは、この研究を通じて全施設訪問について、朝に、空腹状態で(すなわち、一晩、少なくとも10〜12時間絶食、および喫煙は差し控えて)行うべきであった。血液サンプリングの前、48時間以内のアルコール摂取、および24時間以内の激しい運動はやめさせた。注記:もし患者が絶食状態でなければ、血液サンプルを収集せず、翌日(またはこの日にできるだけ近く)新しい予定を計画して、患者に絶食するよう(上記の条件を参照されたい)指示した。
組み入れ基準を満たした患者のみをスクリーニングした。スクリーニング期間は、無作為化/1日目訪問の前に、3週間または21日間まで(そして、実験室適格性基準を受け取った際、できるだけ短く)とった。この最初のスクリーニング訪問(−第3週)は、無作為化訪問の前21〜8日とった。研究の間、別の指定された人が患者に注射を与えるように計画したならば、この人は、注射訓練訪問(−第1週)時に示されなければならなかった。
以下の訪問を計画した:スクリーニング訪問(訪問1/−第3週/−21日目から−8日目まで);スクリーニング(訪問2/−第1週/−7日目±7日);無作為化訪問(訪問3/第0週/1日+3日);訪問4/第4週/29日±7日):;訪問5/第8週/57日±7日);訪問6/第12週/85日±3日;訪問7/第16週/113日±7日):訪問8/第24週/169日±3日;訪問9/第36週/253日±7日;訪問10/第52週/12カ月/365日±5日;訪問11/第64週/449日±7日;訪問12/第78週/18カ月/547日±5日(処置訪問の終わり);および訪問13/第86週/603日±7日(追跡調査訪問)。
安全性
モニターされた安全性事象とは、患者が報告したか、または治験責任医師が注目した治療創発的有害事象(TEAE)、重篤な有害事象(SAE)、処置中止につながるTEAE、特に対象とするAE(判定結果によって確認された、局所注射部位反応、アレルギー事象、選択された神経学的事象、および心血管事象)の出現、実験室パラメータにおけるPCSA(潜在的に臨床的に有意な異常)の出現、糖尿病または血糖制御障害の専門的な解析、および2連続のLDL−C<25mg/dLのある患者であった。
統計学的方法
サンプルサイズ決定:
45名の患者の総サンプルサイズ(アリロクマブでは30名、およびプラセボでは15名)は、0.05という両側有意差水準で、かつ25%という共通の標準偏差を仮定して、30%というLDL−Cの平均変化率の差を検出するのに95%の検出力を有し、これらの45名の患者の全てが、評価可能な主要エンドポイントを有する。この第1段階解析で12カ月間アリロクマブに少なくとも50名の患者が曝露されるように、そして最初の3カ月間にわたって10%という脱落率および3〜12カ月にわたって20%という脱落率を仮定して、最終の総サンプルサイズは105名の患者、無作為化比は2:1(アリロクマブ70:プラセボ35)で選択した。
解析のタイミング
第1段階解析には、第52週(最終有効性解析)までの有効性エンドポイント、および中間安全性解析を含み、これは、共通の研究カットオフ日(最終患者の第52週訪問)まで、全ての安全性データで行った。第52週を超える脂質データの解析は、記述的であった。第1段階解析の結果を本明細書に示す。
第2段階(最終)解析は、研究の終わりに行い、これは、第78週および最終の安全性解析まで有効性エンドポイントの最終解析からなる。
解析集団
主要有効性解析集団は、治療企図(ITT)集団であって、これは、評価可能な主要エンドポイントを有した全ての無作為化患者として定義され、すなわち、利用可能なベースラインの算定LDL−C値、および少なくとも1つの利用可能な算定LDL−C値を、第24週までの解析ウィンドウの1つの中に有する集団であった(オントリートメントおよびオフトリートメントの全ての算定LDL−Cを含む)。
副次的有効性解析集団は、修正治療企図(mITT)集団であって、これは、二重盲検の治験医薬品(IMP)の少なくとも1用量または用量の一部を摂取し、有効性処置期間の間、ベースラインで利用可能な算定LDL−C値、および第24週までの解析ウィンドウの1つの中に少なくとも1つを有する全ての無作為化患者として定義された。有効性処置期間は、最初の二重盲検のIMP投与から最終の二重盲検注射後21日までの時間として定義された。
安全性集団は、二重盲検のIMPの少なくとも1用量または用量の一部を受けた、全ての無作為化患者を含んだ。
有効性解析
有効性エンドポイントの主要解析は、患者が治療を継続するか否かに関わらず、全ての脂質データを含む、ITTアプローチ(上記で定義されるITT集団に基づく)を用いて行った。これは、主要かつ重要な副次的エンドポイントについて定義されたITT被推定値に相当する。さらに、解析はまた、有効性処置期間の間に収集した脂質データを含む、オントリートメントアプローチ(上記で定義されるmITT集団に基づく)を用いて行った。これは、重要な副次的エンドポイントのオントリートメント被推定値に相当する。
このITTアプローチは、全ての患者を、処置に対するそれらの順守に関わらず、解析した;これは、処置ストラテジーの有益性を評価し、患者のある集団における効果をできるだけ反映していた。オントリートメントアプローチは、患者が実際に処置を受けている期間を制限した、処置の効果を解析した。これによって、考慮する時点までの処置を順守した患者でその処置が達成する有益性を評価した。
有効性解析は、無作為化した通りの処置によって行った。
全ての測定(予定または予定外、空腹時または非空腹時)を、解析ウィンドウに割り当てて、第4週から第78週時点まで評価を得た。
主要有効性解析(ITTアプローチ)に関して、ベースラインから第24週までの算定LDL−Cにおける変化率は、繰り返し測定混合効果モデル(MMRM)アプローチを用いて解析した。第4週〜第52週の解析ウィンドウから利用可能な全てのベースライン後のデータを用い、欠測値をMMRMモデルによって考慮した。このモデルは、処置群の固定カテゴリー効果(アリロクマブに対してエゼチミブ)、無作為化層(IVRSのような)、時点(第4週〜第52週)、処置と時点の相互作用および層と時点の相互作用、ならびに、ベースラインLDL−C値およびベースライン値と時点の相互作用の連続固定共変数を含んだ。このモデルによって、両方の処置群について、それらの対応する95%信頼区間で、第24週でベースラインの調整した最小二乗法平均(LS平均)推定が提供された。エゼチミブに対してアリロクマブ群を比較するために、適切なステートメントを用いて、これらの推定値の差を5%アルファレベルで試験した。
階層法は、多重性を制御しながら重要な副次的エンドポイントを試験するために定義した(重要な副次的エンドポイントの上の大きさを用いる)。この第1の重要な副次的エンドポイントは、オントリートメントアプローチを用いて、ベースラインから第24週までの算定LDL−Cの変化率であった。
正規分布を有すると予測される連続副次変数(すなわち、TGおよびLp(a)以外の脂質)を、主要エンドポイントについてと同じMMRMモデルを用いて解析した。非正規分布を有すると予想された連続エンドポイント(すなわち、TGおよびLp(a))を、処置効果を比較するための効果として、処置群、無作為化層(IVRSのような)および対応するベースライン値を用いる、M推定を用いて(SAS ROBUSTREG手順を用いて)、反応変数として、対象とするエンドポイントを用いるロバスト回帰モデルに従って、失われた値の取り扱いについて多重インピュテーションアプローチを用いて解析した。両方の処置群での平均についての総合推定値、ならびにこれらの推定値の差は、それらの対応するSE、95%CIおよびp値を用いて、提供された(SAS MIANALYZE手順を通じて)。
二元の副次的有効性エンドポイントを、主要効果として処置群での層別化したロジスティック回帰に従う、失われた値の取り扱いのための複数のインピュテーションアプローチ、および無作為化因子によって層別化した(IVRSのような)、共変数として対応するベースライン値を用いて解析した。プラセボに対するオッズ比の総合推定値、95%CI、およびp値を得た(SAS MIANALYZE手順を通じて)。
安全性解析:
安全性解析は、記述的であって、実際に受けた処置に従って、安全性集団で行った。安全性解析は、最終の二重盲検の注射後、二重盲検の第1の用量から70日までの時間として定義されたTEAE期間に集中した。オープンラベル延長研究(LTS13643)中に患者を包括した後に、発症したか、悪化したか、もしくは重篤になったTEAE、または生じたPCSAは、TEAE期間とはみなさなかった。TEAE期間は、共通の研究カットオフ日で短縮した。
結果
研究患者
患者の説明責任
107名の無作為化患者(アリロクマブ群およびプラセボ群で、それぞれ、72名の患者および35名の患者)のうち、アリロクマブ群の1名の患者は、なんらベースラインの算定LDL−C値を有さず、したがって、ITT集団およびmITT集団には含まれなかった。
Figure 2017528427
研究内訳
研究内訳、曝露、有効性および安全性解析は、研究の共通のカットオフ日(最終患者の第52週訪問日として定義)までの全てのデータを用いて評価した。したがって、この第1段階解析は、数名の患者について、第52週までの有効性データ、ならびに第52週を超え第78週または追跡調査訪問までの安全性データを含んだ。患者の内訳は、図12に示した。
この研究では、7名の患者を無作為化した1つの施設および6名の患者を無作為化した第2の施設を、重篤なGCPノンコンプライアンスと特定し、その施設は閉じた。最初の閉じた施設については、重要な知見の1つは、数名の患者に受け取られたと報告されたIMP注射に関連し、一方で、対応するキットは冷蔵庫中で発見された。これらの注射の報告は、データベース中で訂正されたが、注射に対する他の問題は除くことができなかった。第2の施設に関して、この研究の運営に関する持続的な関与および研究に関連する付随文書は、慣用的なモニタリングの間に観察された。
これらの13名の患者の中で、1名はまだ、カットオフ日で継続中であって、1名は、有害事象について中止され、1名の患者は移動し、3名の患者は、プロトコールに対するコンプライアンスが乏しいために中止し、7名の患者は、施設閉鎖の決定のせいで中止した。
78週間の二重盲検研究処置期間を完了した無作為化患者は全部で10名(9.3%)、および第1段階解析カットオフ日の時点で処置継続中の無作為化患者は76名(71.0%)だった。二重盲検IMPは、プラセボ群での6名(17.1%)の患者、およびアリロクマブ群での15名(20.8%)の患者について第78週の前に早期に中止された。全てのこれらの患者は、第52週の前に実際に早期に中止した。研究処置中止の主な理由は、「他の理由」、コンプライアンスの乏しさおよび有害事象であった。これらの「他の理由」としては、上述のような施設閉鎖の決定に起因して中止された7名の患者、別段明記されず脱落した1名の患者、独立して得られたコレステロールの結果に起因して脱落した1名の患者および移動された1名の患者を含んだ。
この第1段階解析では、最終結果は、第24週の主要有効性エンドポイント、ならびに第12週、第24週および第52週で評価した重要な副次的有効性エンドポイントについて利用可能である。以下の表では、LDL−Cの利用可能性を経時的に示す。第24週では、主要有効性エンドポイントは、プラセボ群では33名(94.3%)、およびアリロクマブ群では63名(88.7%)で利用可能であった。
Figure 2017528427
主要エンドポイントは、第24週で10名の患者について欠測されていた(プラセボ群およびアリロクマブ群で、それぞれ、2名および8名の患者)。第24週訪問時(CRFモニタリングによる)、欠測の理由は次の通りであった:3名のサンプルは、早期の研究中止のせいで行わなかった;3名のサンプルは、解析時間ウィンドウ外で行った;2名のサンプルは、第24週訪問を行わなかったせいで行わなかった;2名のサンプルは利用可能であるが、測定は行えなかった(脂肪血症、不十分な量、TG>400mg/dL[>4.52mmol/L]、サンプル喪失、など)。
第52週でデータ欠測の数が多いことは、主に、重篤なGCPノンコンプライアンスに起因して2つの施設を閉じる決定に起因する。
第52週のLDL−Cエンドポイントは、106名の患者のうち25名で欠測していた。結果を欠測した理由は次の通りであった:17サンプルは、早期の研究中止のせいで行わず、これには2つの閉鎖した施設からの11名の患者を含んだ;3サンプルは、解析時間ウィンドウの外側で行った;1サンプルは、第52週を行わなかったせいで行わなかった;1つは欠測サンプルだが、第52週訪問は行った;そして3サンプルは利用可能であるが、測定は行えなかった(TG>400mg/dL[>4.52mmol/L]および溶血反応)。
人口統計学特性およびベースライン特性
集団特性の要約:
遺伝子型判定(17.8%)、およびWHO/Dutch Lipid Network基準(>8点のスコア)または明確なFHに関するサイモン・ブルーム基準(82.2%)によって診断された107名のHeFH患者を、アリロクマブ(150mg(Q2W))またはプラセボに対して2:1に無作為化した。
ベースラインの人口統計学特性、疾患特性および脂質パラメータは、プラセボ群と比較してアリロクマブ群で一般的に同様であった:遺伝子型判定を通じたHeFHの診断は、アリロクマブ(19.4%)対プラセボ群(14.3%);臨床基準を通じたHeFHの診断は、アリロクマブ(80.6%)対プラセボ群(85.7%);平均年齢(SD)はアリロクマブ群では49.8歳(14.2)対プラセボ群では平均年齢52.1歳(11.2);白色人種の百分率は、アリロクマブ群(88.9%)対プラセボ群(85.7%);ならびに平均BMI(SD)は、アリロクマブ群で28.8kg/m(5.2)対プラセボ群における平均BMIは28.9kg/m(4.2)。研究のサンプルサイズが小さいせいである程度の不均衡が、注目された:プラセボ群(37.1%)に対してアリロクマブ群における女性患者の割合が高い(51.4%);直近の高コレステロール血症診断が、プラセボ群(中央値17.4歳)に対してアリロクマブ群(中央値9.8歳);主に冠動脈血行再建術の病歴に由来して、プラセボ群において(65.7%)よりもアリロクマブ群の方が(52.8%)、極めて高いCVリスクとみなされた患者の割合が低い;プラセボ群において(34.3%)よりもアリロクマブ群の方が(19.4%)、無作為化でエゼチミブを受けた患者の割合は低い。患者の心血管歴およびリスク因子を、アリロクマブ群およびプラセボ群の両方で表28に示す。
Figure 2017528427
無作為化時、全ての患者をスタチンで処置し、72.9%は、高強度スタチン(アトルバスタチン40〜80mg/日またはロスバスタチン20〜40mg/日)を受け、および6.5%がシンバスタチン80mgを受けた。スタチンに加えて、19.4%および34.3%の患者が、それぞれアリロクマブ群およびプラセボ群においてエゼチミブを受けた。表30は、無作為化時にアリロクマブおよびプラセボ処置した集団のバックグラウンドの脂質修飾治療(LMT)と、同様に総無作為化集団のものとを示す。
表31は、アリロクマブおよびプラセボ処置した集団、ならびに総無作為化集団のベースラインでの脂質有効性パラメータを示す。平均(SD)算定LDL−Cは、ベースラインで197.8(53.4)mg/dL(5.123(1.38)mmol/L)であった。平均(SD)非HDL−Cは、ベースラインで226.4(55.3)mg/dLであった。平均(SD)総Cは、ベースラインで274.4(54.0)mg/dLであった。平均(SD)HDL−Cは、ベースラインで、48.1(13.3)mg/dLであった。平均(SD)総C/HDL−C比は、ベースラインで6.135(2.119)であった。平均(SD)空腹時トリグリセリド(TG)はベースラインで149.8(86.6)mg/dLであった。平均(SD)リポタンパク質−(a)はベースラインで、41.2(46.6)mg/dLであった。平均(SD)Apo−Bはベースラインで、140.9(31.0)mg/dLであった。平均(SD)Apo−A1は、ベースラインで、137.5(23.3)mg/dLであった。平均(SD)Apo−B/Apo−A1比は、ベースラインで1.061(0.323)mg/dLであった。
注射に対する曝露は、処置群にわたって同様であり、平均曝露は、プラセボ群では60.7週間、およびアリロクマブ群では58.3週間であった。
Figure 2017528427
Figure 2017528427
Figure 2017528427
Figure 2017528427
投薬量および期間
注射に対する曝露は、処置群にわたって同様であって、平均曝露は、プラセボ群では60.7週間、およびアリロクマブ群では58.3週間であった。注射剤の曝露期間は、最終注射日が未知であるせいでアリロクマブ群における1名の患者では算出できなかった。
有効性
主要有効性エンドポイント
ITT解析は、第52週まで、オントリートメントおよびオフトリートメントで収集された全ての算定LDL−C値を含む。主要エンドポイント(ベースラインから第24週まで、算定LDL−Cにおける変化率)解析は、第24週でLS平均推定値を用いて、ITT集団でMMRMモデルに基づいて提供される。アリロクマブ群での9名(11.3%)の患者およびプラセボ群での2名(5.7%)の患者は、第24週で算定LDL−C値を有さなかった。これらの欠測値をMMRMモデルによって考慮した。
主要エンドポイント解析の結果は、表32で、mmol/Lおよびmg/dLで示される。
主要有効性解析
ベースラインから第24週までのLDL−Cにおける変化率における統計学的に有意な減少が、プラセボ群(ベースラインに対するLS平均−6.6%)に比較してアリロクマブ群(ベースラインに対するLS平均−45.7%)で観察された(プラセボ(SE)に対するLS平均差−39.1%(6.0%)、p<0.0001)(表31を参照されたい)。これは、アリロクマブ群における−90.8(6.7)mg/dLおよびプラセボ群における−15.5(9.5)mg/dLという絶対値低下(SD)に相当する(表33を参照されたい)。個々の患者によるLDL−Cのベースラインから第24週までの変化率を図13に示す。全ての患者は、バックグラウンドのスタチンにあった(最大耐用レベル)。あるサブセットの患者も、さらなる脂質低下治療を受けた。
アリロクマブ群では、ベースラインからのLDL−C低下が、第4週から第52週で観察された(図7、図14および表33を参照されたい)。経時的なLDL−C低下のわずかな低下がアリロクマブ群において観察された(ベースラインに対するLS平均は、第24週で−45.7に対して第52週の−42.1)が、低下の全体的な量は同じままであった(75mg/dL;図14を参照されたい)。さらに、アリロクマブの患者のかなりの数が、>190mg/dLというベースラインのLDL−Cレベル(平均(SD)ベースラインの算定LDL−Cは、アリロクマブ群について196.3(57.9)mg/dL;プラセボ群について201(43.4)mg/dL)に関わらず、第24週でLDL−Cレベル<100mg/dL(プラセボ患者の11%に対して57%)および<70mg/dL(<1.81mmol/L;プラセボ患者の3%に対して32%)というLDL−Cレベルを達成した。第12週では、31.0%のアリロクマブ群患者(プラセボ群の0.0%に対して;ITT解析)が、<70mg/dL(<1.81mmol/L)という算定LDL−Cレベルに達した。同様に、第52週では、31.0%のアリロクマブ群患者(プラセボ群の5.7%に対して;ITT解析)が、<70mg/dL(<1.81mmol/L)という算定LDL−Cレベルに達した。
主要有効性エンドポイントの感度解析は、重篤なGCPノンコンプライアンスの2施設からの13名の患者を除いて行った。ベースラインから第24週までのLDL−Cの変化率の減少は、プラセボ群(ベースラインに対するLS平均−2.3%)と比較してアリロクマブ群(ベースラインに対するLS平均−50.3%)ではやはり統計学的に有意であった(プラセボに対するLS平均の差(SE)−48.0%(5.8%)、p<0.0001)(表34を参照されたい)。
Figure 2017528427
Figure 2017528427
主要エンドポイントの感度解析
Figure 2017528427
重要な副次的有効性エンドポイント
次の表は、重要な副次的エンドポイントに対する解析結果を、階層的順序で要約したものである。全ての重要な副次的エンドポイントは、含まれる第24週のLp(a)エンドポイント(ITT被推定値)まで階層的試験手順によって統計学的に有意である。
統計学的有意差は、第24週でHDL−C(ITT被推定値)に到達せず、したがって、試験手順を停止して、p値は、記述の目的のためにのみこのエンドポイントから得る。
Figure 2017528427
Figure 2017528427
ベースラインから第24週までのLDL−C変化率のオントリートメント解析は、ITT解析と極めて一致した結果を示す(ITT解析での−39.1%に対してオントリートメント解析でのプラセボに対するLS平均差−38.9%)。実際、3名の患者のみ(プラセボでは2名およびアリロクマブでは1名)が、第24週で処置後に(すなわち、最終注射後21日超)LDL−C値を収集された。
重要な副次的エンドポイント(種々の時点のApo B、非HDL−C、総C、Lp(a)、および第24週でそれらのLDL−C目標値に達した患者の割合を含む)は、階層的試験手順によれば統計学的に有意であった。有意な低下が、第24週で非HDL−C、Apo B、およびLp(a)のレベルに見られた。アリロクマブ対プラセボのベースラインから第24週までのLS平均変化率は、非HDL−Cについては−41.9対−6.2(p値<0.0001)、Apo Bについては−39.0対−8.7(p値<0.0001)、およびLp(a)については−23.5対−8.7(p値=0.0164)であった。
第24週で算定LDL−C<70mg/dL(1.81mmol/L)に達する極めて高い心血管(CV)リスク患者または算定LDL−C<100mg/dL(2.59mmol/L)に達する高いCVリスク患者の割合は、プラセボ群よりもアリロクマブ群で有意に高かった(プラセボ群での5.7%に対してアリロクマブ群の割合の総合推定値41.0%、p=0.0016)。
オントリートメントアプローチで行った解析は、これらの解析と一致していた。
ITT解析におけるベースラインから第24週までのHDL−Cおよび空腹時TGにおける変化率の差は、統計学的に有意ではなかった:第24週のHDL−C;ベースラインに対するLS平均は、アリロクマブ群では+7.5%、およびプラセボ群では+3.9%であって(プラセボに対するLS平均の差+3.7%、p=0.2745);および第24週で空腹時TG:ベースラインに対するLS平均は、アリロクマブ群では−10.5%、およびプラセボ群では−1.1%であった(プラセボに対するLS平均の差−9.4%、p=0.1299)。
4名(5.6%)の患者が、2連続の算定LDL−C値<25mg/dLを経験した。特別な安全性の懸念は、これらの患者では観察されなかった。
安全性結果の要約:
治療創発的有害事象(TEAE)を経験した患者の割合は、この研究では、プラセボ群(71.4%)と比較してアリロクマブ群において(61.1%)低かった。重篤なTEAEを経験した患者の割合は、処置群の間で同様であった。同様の割合の患者が、処置中止につながるTEAEを経験した(プラセボおよびアリロクマブ群において、それぞれ、1名の患者(2.9%)および3患者(4.2%))。これらの結果は、以前のアリロクマブ第2/3相のプラセボ対照研究でTEAEを経験した患者の割合と一致している(それぞれ、アリロクマブ群およびプラセボ群で2476名および1276名の患者から生じる)。具体的には、この研究では、TEAEは、それぞれアリロクマブ対プラセボ群について、75.8%対76.4%であって、治療創発的SAEは、13.7%対14.3%であって、死亡につながるTEAEは、0.5%対0.9%であって、そして中止につながるTEAEは、5.3%対5.1%であった。
本研究の両方の処置群で最も高頻度に報告されたSOC(およびPT)は、次の通りであった:「感染および侵入」:アリロクマブ群における40.3%対プラセボ群における34.3%(それぞれ、アリロクマブ対プラセボ群で、インフルエンザは、11.1%対2.9%、および***は6.9%対0%で報告された);「心臓障害」:アリロクマブ群では12.5%、対、プラセボ群では症例なし。判定に送られた事象の中で、以下に相当する6名の患者について事象を確認した:4名のMI、1名の入院の必要な心不全、および5名の虚血由来の冠動脈血行再建術;「神経系の障害」:アリロクマブ群における11.1%対プラセボ群における8.6%(アリロクマブ対プラセボ群においてそれぞれ、頭痛が5.6%対0%、およびめまいが4.2%対0%報告された);ならびに「筋骨格および結合組織障害」:アリロクマブ群における16.7%対プラセボ群における28.6%。いずれの群でも研究の間、死亡例は報告されなかった。
SAEは、アリロクマブ群における11.1%の患者およびプラセボ群における11.4%の患者で報告された。個々に報告されたSAEの好ましい項目の間で特に臨床的なパターンはない。SAEについて最も高頻度に報告されたSOC(器官別大分類)は、「心臓障害」である。
7名の患者(アリロクマブ群の6名(8.3%)およびプラセボ群の1名(2.9%))が、治療創発的局所注射部位反応を経験した。これらの事象は、中程度の強度の1名を除いて軽度の強度であった。2名の患者(アリロクマブ群の1名(1.4%)およびプラセボ群の1名(2.9%))が、神経認知障害を経験した。4名の患者(アリロクマブ群の3名(4.2%)およびプラセボ群の1名(2.9%))が、ALT>3×ULNを経験した。解析された71名のうち2名の患者(プラセボ群での0名の患者と比較して2.8%)が、クレアチンキナーゼレベル>3×ULNを経験した。重篤な事象も、処置中止につながる事象もなかった。アリロクマブおよびプラセボ患者群で生じるTEAEは、第52週の最終の患者訪問まで収集して、表36に分類した。
Figure 2017528427
対象とする事象の中で、神経学的事象、全身性のアレルギー性事象および糖尿病に関連するTEAEについて特別なシグナルは検出されなかった。
PCSAについての関連する異常は観察されなかった。
本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態による範囲に限定されない。実際、本明細書に記載のものに加えて、本発明の種々の改変は、前述の説明および添付の図面から当業者に明らかである。このような改変は、添付の特許請求の範囲内におさまるものとする。
結論:
最大投与可能スタチン(別のLLTと共にまたはなしで)に関わらず、HeFHおよび高いベースラインレベルのLDL−Cを有する患者に関する以下の結論を、ODYSSEY HIGH FH研究から導くことができる:1)自己投与されたアリロクマブは、24週間後に、プラセボに対して有意に大きいLDL−C低下を生じ、LDL−Cにおけるベースラインから低下する絶対平均は、プラセボでの−15.5mg/dLに対してアリロクマブで第24週では−90.8mg/dLであって、得られたLDL−Cレベルは、プラセボでの182mg/dLに対して第24週でアリロクマブでは107mg/dLであった;2)ベースラインのLDL−C>190mg/dLに関わらず、アリロクマブ患者のうち32%がLDL−C<70mg/dLに達した;3)57%のアリロクマブ患者が、第24週でLDL−C<100mg/dLを達成した;4)アリロクマブは、一般的に、十分耐容されて、TEAEは、アリロクマブおよびプラセボアームで同様の頻度で生じた。
ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(HeFH)を有する1254名の患者におけるプラセボに対するPCSK9モノクローナル抗体アリロクマブの有効性および安全性:4つのODYSSEYトライアルから78週間までの解析
背景:
以前の研究によって、脂質低下治療(LLT)で処置したヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(HeFH)患者の約20%だけが、≦2.5mmol/L[97mg/dL]という事前に定義されたLDL−C標的レベルを達成したことが示された。アリロクマブ対プラセボの有効性および安全性を、4つの、18カ月の、プラセボ対照のODYSSEYトライアル(FHI、FHII、HIGH FH、LONG TERM)から、最大投与可能スタチン±他のLLTにある1254名のHeFH患者で研究した。これは、第3相臨床トライアルプログラムで研究したHeFHを有する患者の単一最大収集に相当する。LONG TERM研究の説明は、本明細書においてその全体が参照によって組み入れられる、Robinson et al.,(2015)NEJM 372:16 1489〜99頁に示される。
方法:
データは、最初のアリロクマブの用量でプールした。FH I/IIでは、LDL−Cレベル≧1.81/2.59mmol/L[70/100mg/dL]である患者は、CVのリスク次第で、プラセボ(N=244)またはアリロクマブ75mg(Q2W)(N=488)を受けた;アリロクマブ用量は、もし第8週でLDL−C≧1.81mmol/L[70mg/dL](41.8%の患者)である場合、第12週で150mg(Q2W)まで増大した。別々に、データを、HIGH FH(LDL−C≧4.14mmol/L[160mg/dL])から、およびHeFHを有する患者のサブセットは、LONG TERM(LDL−C≧1.81mmol/L[70mg/dL])(ここで患者は、プラセボ(N=180)またはアリロクマブ150mg(Q2W)(N=342)を受けた)からプールした。全ての用量は、1−mLの皮下(SC)注射であった。ベースラインからのLDL−Cの変化のためのデータは、第52週までプールした。
結果:
ベースラインのLDL−Cレベルおよび処置によるベースラインからの変化を、表37に示す。プラセボと比較して、アリロクマブは、LDL−Cを第12週で、それぞれ、75および150mg(Q2W)用量について、49%および61%まで低下した(p<0.0001)。第24週で、LDL−C低下は、それぞれ、アリロクマブ対プラセボで、56%(アリロクマブ75mg(Q2W)、可能性としては第12週で用量増大)および59%(アリロクマブ150mg(Q2W))であった(p<0.0001)。両方の用量レジメンに関して、高いベースラインのLDL−Cレベルに関わらず、LS平均LDL−Cレベル約2mmol/L[77mg/dL]が、第12週で達成され(表37)、低下は第52週にわたって維持された。追加の有益な効果が、非HDL−CおよびApo Bを含む他のパラメータで観察された。
日付に対する個々の研究では、ほぼ同様の率の治療創発的有害事象(TEAE)が、アリロクマブおよびプラセボ処置患者で観察された。アリロクマブまたはプラセボ患者のうち5%以上で報告された、ODYSSEYプログラムでの交差プラセボ対照研究(患者は、HeFHありなし両方)のTEAE(好ましい項目)としては、鼻咽頭炎(それぞれ、アリロクマブおよびプラセボ処置患者の11.3%および11.1%)、上気道感染(URI)(6.1%対7.0%)、注射部位反応(6.7%、対、4.8%)、インフルエンザ(5.7%対4.6%)、頭痛(4.8%対5.2%)および関節痛(4.0%対5.5%)が挙げられる。
Figure 2017528427
結論:
HeFHを有する1254名の患者のこの大きいコホートでは、アリロクマブは、平均LDL−Cレベルを、第24週〜第52週の処置で、現在のLLTでは今までに得られなかったレベルである<2mmol/L[77mg/dL]まで低下した。

Claims (92)

  1. 他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者を処置する方法であって、PCSK9阻害剤の不在下では、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療を用いる処置では高コレステロール血症の制御が不十分な患者に、プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することを含む、前記方法。
  2. heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症についてのサイモン・ブルーム登録者診断基準またはスコア>8のWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである、請求項2に記載の方法。
  4. PCSK9阻害剤は、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の方法。
  9. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する、請求項4に記載の方法。
  11. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体とPCSK9との結合について競合する、請求項4に記載の方法。
  12. PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、約75mgの用量で、2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項4に記載の方法。
  13. 5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが<70mg/dLである場合、約75mg用量が維持される、請求項12に記載の方法。
  14. 5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが≧70mg/dLのままである場合、約75mg用量は中止され、その後、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片が約150mgの用量で2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項12に記載の方法。
  15. PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合タンパク質は、約150mgの用量で2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項4に記載の方法。
  16. PCSK9阻害剤は、最大耐用量スタチン治療と併用して患者に投与される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 最大耐用量スタチン治療は、アトルバスタチン約40mg〜約80mgの1日用量を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 最大耐用量スタチン治療は、ロスバスタチン約20mg〜約40mgの1日用量を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 最大耐用量スタチン治療は、シンバスタチン約80mgの1日用量を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  20. PCSK9阻害剤は、他の脂質低下治療と組み合わせて患者に投与される、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. (a)患者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の少なくとも40%の低減;
    (b)患者のアポリポタンパク質B(アポB)の少なくとも30%の低減;
    (c)患者の非高密度リポプロタンパク質コレステロール(非HDL−C)の少なくとも40%の低減;
    (d)患者の総コレステロールの少なくとも20%の低減;
    (e)患者の高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)の少なくとも3%の増大;
    (f)患者のトリグリセリドの少なくとも5%の低減;
    (g)患者のリポタンパク質a(Lp(a))の少なくとも20%の低減;および
    (h)患者のアポリポタンパク質A−1の少なくとも1%の増大
    からなる群から選択される少なくとも1つの高コレステロール血症関連パラメータを改善する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者において低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)を低減する方法であって、PCSK9阻害剤の不在下では、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療を用いる処置では高コレステロール血症の制御が不十分な患者に、プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することを含む、前記方法。
  23. heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行われる、請求項22に記載の方法。
  24. 臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症についてのサイモン・ブルーム登録者診断基準またはスコア>8のWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである、請求項23に記載の方法。
  25. PCSK9阻害剤は、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である、請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の方法。
  30. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する、請求項25に記載の方法。
  32. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体とPCSK9との結合について競合する、請求項25に記載の方法。
  33. PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、約75mgの用量で2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項25に記載の方法。
  34. 5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが<70mg/dLである場合、約75mg用量が維持される、請求項33に記載の方法。
  35. 5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが≧70mg/dLのままである場合、約75mg用量は中止され、その後、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片が、約150mgの用量で2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項33に記載の方法。
  36. PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、約150mgの用量で2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項25に記載の方法。
  37. PCSK9阻害剤は、最大耐用量スタチン治療と併用して患者に投与される、請求項22〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 最大耐用量スタチン治療は、アトルバスタチン約40mg〜約80mgの1日用量を含む、請求項22〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 最大耐用量スタチン治療は、ロスバスタチン約20mg〜約40mgの1日用量を含む、請求項22〜37のいずれか1項に記載の方法。
  40. 最大耐用量スタチン治療は、シンバスタチン約80mgの1日用量を含む、請求項22〜37のいずれか1項に記載の方法。
  41. PCSK9阻害剤は、他の脂質低下治療と組み合わせて患者に投与される、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. (a)患者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の少なくとも40%の低減;
    (b)患者のアポリポタンパク質B(アポB)の少なくとも30%の低減;
    (c)患者の非高密度リポプロタンパク質コレステロール(非HDL−C)の少なくとも40%の低減;
    (d)患者の総コレステロールの少なくとも20%の低減;
    (e)患者の高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)の少なくとも3%の増大;
    (f)患者のトリグリセリドの少なくとも5%の低減;
    (g)患者のリポタンパク質a(Lp(a))の少なくとも20%の低減;および
    (h)患者のアポリポタンパク質A−1の少なくとも1%の増大
    からなる群から選択される少なくとも1つの高コレステロール血症関連パラメータを改善する、請求項22〜41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者において高コレステロール血症を処置する方法であって、PCSK9阻害剤の不在下では、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療を用いる処置では高コレステロール血症の制御が不十分な患者に、プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することを含む、前記方法。
  44. heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行われる、請求項43に記載の方法。
  45. 臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症についてのサイモン・ブルーム登録者診断基準またはスコア>8のWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである、請求項44に記載の方法。
  46. PCSK9阻害剤は、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列対の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項46に記載の方法。
  48. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項47に記載の方法。
  49. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項48に記載の方法。
  50. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項47に記載の方法。
  51. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項50に記載の方法。
  52. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する、請求項46に記載の方法。
  53. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体とPCSK9との結合について競合する、請求項46に記載の方法。
  54. PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、約75mgの用量で、2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項46に記載の方法。
  55. 5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが、<70mg/dLである場合、約75mg用量が維持される、請求項54に記載の方法。
  56. 5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが、≧70mg/dLのままである場合、約75mg用量は中止され、その後、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片が、約150mgの用量で、2週間に1回の頻度で該患者に投与される、請求項54に記載の方法。
  57. PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、約150mgの用量で、2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項46に記載の方法。
  58. PCSK9阻害剤は、最大耐用量スタチン治療と組み合わせて患者に投与される、請求項43〜57のいずれか1項に記載の方法。
  59. 最大耐用量スタチン治療は、アトルバスタチン約40mg〜約80mgの1日用量を含む、請求項43〜58のいずれか1項に記載の方法。
  60. 最大耐用量スタチン治療は、ロスバスタチン約20mg〜約40mgの1日用量を含む、請求項43〜58のいずれか1項に記載の方法。
  61. 最大耐用量スタチン治療は、シンバスタチン約80mgの1日用量を含む、請求項43〜58のいずれか1項に記載の方法。
  62. PCSK9阻害剤は、他の脂質低下治療と組み合わせて患者に投与される、請求項58〜61のいずれか1項に記載の方法。
  63. (a)患者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の少なくとも40%の低減;
    (b)患者のアポリポタンパク質B1(アポB)の少なくとも30%の低減;
    (c)患者の非高密度リポプロタンパク質コレステロール(非HDL−C)の少なくとも40%の低減;
    (d)患者の総コレステロールの少なくとも20%の低減;
    (e)患者の高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)の少なくとも3%の増大;
    (f)患者のトリグリセリドの少なくとも5%の低減;
    (g)患者のリポタンパク質a(Lp(a))の少なくとも20%の低減;および
    (h)患者のアポリポタンパク質A−1の少なくとも1%の増大
    からなる群から選択される少なくとも1つの高コレステロール血症関連パラメータを改善する、請求項43〜62のいずれか1項に記載の方法。
  64. 他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療によって十分に制御されないヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(heFH)を有する患者において、1つまたはそれ以上の脂質成分の血清レベルを改善する方法であって、PCSK9阻害剤の不在下では、他の脂質低下治療の有無に拘らず最大耐用量スタチン治療では脂質成分の制御が不十分な患者に、プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤の1用量またはそれ以上を投与することを含み、該脂質成分が、LDL−C、アポB、非HDL−C、総コレステロール、HDL−C、Lp(a)、トリグリセリドおよびアポA1からなる群から選択される、前記方法。
  65. heFHの診断は、遺伝子型判定または臨床基準のいずれかによって行われる、請求項64に記載の方法。
  66. 臨床基準は、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症についてのサイモン・ブルーム登録者診断基準またはスコア>8のWHO/Dutch Lipid Network基準のいずれかである、請求項65に記載の方法。
  67. PCSK9阻害剤は、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片である、請求項64〜66のいずれか1項に記載の方法。
  68. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1/6および11/15からなる群から選択される重鎖可変領域/軽鎖可変領域(HCVR/LCVR)アミノ酸配列の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項67に記載の方法。
  69. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項68に記載の方法。
  70. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号11のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号15のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項69に記載の方法。
  71. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む、請求項68に記載の方法。
  72. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するHCVRおよび配列番号6のアミノ酸配列を有するLCVRを含む、請求項71に記載の方法。
  73. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体と同じ、PCSK9上のエピトープと結合する、請求項67に記載の方法。
  74. 抗体またはその抗原結合断片は、配列番号12、13、14、16、17および18;または配列番号2、3、4、7、8および10を有する重鎖および軽鎖CDRアミノ酸配列を含む抗体とPCSK9との結合について競合する、請求項67に記載の方法。
  75. PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、約75mgの用量で、2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項67に記載の方法。
  76. 5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが、<70mg/dLである場合、約75mg用量が維持される、請求項75に記載の方法。
  77. 5用量またはそれ以上の後に測定される患者のLDL−Cが、≧70mg/dLのままである場合、約75mg用量は中止され、その後、PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片が、約150mgの用量で、2週間に1回の頻度で該患者に投与される、請求項75に記載の方法。
  78. PCSK9に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、約150mgの用量で、2週間に1回の頻度で患者に投与される、請求項67に記載の方法。
  79. PCSK9阻害剤は、最大耐用量スタチン治療と組み合わせて患者に投与される、請求項64〜78のいずれか1項に記載の方法。
  80. 最大耐用量スタチン治療は、アトルバスタチン約40mg〜約80mgの1日用量を含む、請求項64〜79のいずれか1項に記載の方法。
  81. 最大耐用量スタチン治療は、ロスバスタチン約20mg〜約40mgの1日用量を含む、請求項64〜79のいずれか1項に記載の方法。
  82. 最大耐用量スタチン治療は、シンバスタチン約80mgの1日用量を含む、請求項64〜79のいずれか1項に記載の方法。
  83. PCSK9阻害剤は、他の脂質低下治療と組み合わせて患者に投与される、請求項79〜82のいずれか1項に記載の方法。
  84. 脂質成分がLDL−Cであり、改善は、ベースラインと比較したLDL−Cの血清レベルの低減である、請求項64に記載の方法。
  85. 脂質成分は、アポBであり、改善は、ベースラインと比較したアポBの血清レベルの低減である、請求項64に記載の方法。
  86. 脂質成分は、非HDL−Cであり、改善は、ベースラインと比較した非HDL−Cの血清レベルの低減である、請求項64に記載の方法。
  87. 脂質成分は、総コレステロールであり、改善は、ベースラインと比較した総コレステロールの血清レベルの低減である、請求項64に記載の方法。
  88. 脂質成分は、Lp(a)であり、改善は、ベースラインと比較したLp(a)の血清レベルの低減である、請求項64に記載の方法。
  89. 脂質成分は、トリグリセリドであり、改善は、ベースラインと比較したトリグリセリドの血清レベルの低減である、請求項64に記載の方法。
  90. 脂質成分は、アポA1であり、改善は、ベースラインと比較したアポA1の血清レベルの増大である、請求項64に記載の方法。
  91. 脂質成分がHDL−Cであり、改善は、ベースラインと比較した該HDL−Cの血清レベルの増大である、請求項64に記載の方法。
  92. 改善は、
    (a)患者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の少なくとも40%の低減;
    (b)患者のアポリポタンパク質B(アポB)の少なくとも30%の低減;
    (c)患者の非高密度リポプロタンパク質コレステロール(非HDL−C)の少なくとも40%の低減;
    (d)患者の総コレステロールの少なくとも20%の低減;
    (e)患者の高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)の少なくとも3%の増大;
    (f)患者のトリグリセリドの少なくとも5%の低減;
    (g)患者のリポタンパク質a(Lp(a))の少なくとも20%の低減;および
    (h)患者のアポリポタンパク質A−1の少なくとも1%の増大
    からなる群から選択されるパラメータのうち1つまたはそれ以上である、請求項64〜83のいずれか1項に記載の方法。
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