JP2017522320A - 修飾された髄膜炎菌fhbpポリペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明者らは、特性を向上させるために修飾されうる、髄膜炎菌fHbpの変異体2および変異体3における残基を特定した。【選択図】なし

Description

本発明はタンパク質工学の分野におけるものであり、特に、有用なワクチン免疫原であることが公知の髄膜炎菌因子H結合タンパク質(fHbp)に関する。
髄膜炎菌(ナイセリア・メニンジティディス(Neisseria meningitidis))は、ヒト集団の約10%の上気道にコロニー形成するグラム陰性被包性細菌である。血清群A、C、W135およびYに対してはコンジュゲートワクチンが利用可能であるが、血清群B全般に対する防御に利用可能な唯一のワクチンは、2013年に承認されたBEXSERO(商標)製品である。
BEXSERO(商標)における防御免疫原の1つはfHbpであり、これはタンパク質「741」(参照文献1における配列番号2536; 本明細書における配列番号1)、「NMB1870」、「GNA1870」[2〜4]、「P2086」、「LP2086」または「ORF2086」[5〜7]としても公知である。このタンパク質の三次元構造は公知であり [8, 9]、該タンパク質は、短いリンカーにより連結された2つのβバレルを有する。多数の刊行物は、髄膜炎菌ワクチンにおけるこのタンパク質の防御効力に関して報告している。例えば、参考文献10〜14を参照されたい。fHbpリポタンパク質は全ての血清群にわたって種々の株において発現される。fHbp配列は3つの変異体に分類されており [2](本明細書においてはv1、v2およびv3と称される)、与えられた変異体に対して産生された血清は、その変異体を発現する株に対しては殺菌性であるが、残りの2つの変異体のうちの1つを発現する株に対しては活性ではないこと、すなわち、変異体内交差防御は生じるが、変異体間交差防御は生じない(幾つかのv2およびv3交差反応性を除く)ことが一般に判明している。
ファミリー間交差反応性を増強するために、全3個の変異体に対する特異性を含有するようにfHbp配列が操作されている [15]。シデロホアとの [16]、およびヒト因子Hとの [17〜25] fHbpの相互作用を除去するために、タンパク質工学も用いられている。fHとの相互作用の破壊は全3個の変異体に関して報告されており、優れたワクチン免疫原を与えると考えられている [22, 26]。しかし、v2ポリペプチドに関しては、参考文献23および24は、破壊されたfH結合を有する突然変異体においても見られる固有の不安定性を報告している。該不安定性はN末端βバレルドメインから生じるようであり、参考文献23は、このバレルにおけるいずれかの置換が不安定性を促進しうることを警告している。v2配列の安定性を改善するための突然変異が参考文献27に開示されている。
WO99/57280 WO03/063766 WO2011/051893 WO2010/046715 WO2011/126863 WO2014/030003
Masignani et al. (2003) J Exp Med 197:789-799. Welsch et al. (2004) J Immunol 172:5605-15. Hou et al. (2005) J Infect Dis 192(4):580-90. Fletcher et al. (2004) Infect Immun 72:2088-2100. Zhu et al. (2005) Infect Immun 73(10):6838-45. Cendron et al. (2011) Acta Crystallogr Sect F Struct Biol Cryst Commun. 67:531-5. Mascioni et al. (2009) J Biol Chem 284:8738-46. Pizza et al. (2008) Vaccine 26 Suppl 8:I46-8. Malito et al. (2013) PNAS USA 110:3304-9. Marshall et al. (2012) Pediatr Infect Dis J 31:1061-8. McNeil et al. (2013) Microbiol Mol Biol Rev 77:234-52. Serruto et al. (2012) Vaccine 30 Suppl 2: B87-97. Scarselli et al. (2011) Sci Transl Med 3:91ra62. Schneider et al. (2009) Nature 458:890-5. Beernink et al. (2010) Clin Vaccine Immunol 17:1074-8. Beernink et al. (2011) J Immunol 186:3606-14. Rossi et al. (2013) Vaccine 31:5451-7. van der Veen et al. (2014) Infect Immun PMID 24379280. Johnson et al. (2012) PLoS Pathogen 8:e1002981. Pajon et al. (2012) Infect Immun 80:2667-77. Granoff et al. (2013) Clin Vaccine Immunol 20:1099-107.
向上した特性を有するfHbp v2およびv3突然変異体を提供することが本発明の目的である。
1つの態様においては、本発明は、配列番号5に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、該アミノ酸配列は配列番号5と比較して残基123および240において配列番号5とは異なっており、該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、配列番号4からなるポリペプチドを認識しうる抗体を誘導しうる。
本発明のもう1つの態様は、配列番号5に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、ここで、該アミノ酸配列は配列番号5と比較して残基32、123および240において配列番号5とは異なっており、該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、配列番号4からなるポリペプチドを認識しうる抗体を誘導しうる。
本発明のもう1つの態様は、配列番号17に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、ここで、該アミノ酸配列は配列番号17と比較して残基126および243において配列番号17とは異なっており、該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、配列番号40からなるポリペプチドを認識しうる抗体を誘導しうる。
本発明のもう1つの態様は、配列番号17に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、ここで、該アミノ酸配列は配列番号17と比較して残基32、126および243において配列番号17とは異なっており、該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、配列番号40からなるポリペプチドを認識しうる抗体を誘導しうる。
本発明のもう1つの態様は、配列番号47に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、ここで、配列番号47と比較して、残基123はロイシンではなく、残基240はグルタミン酸(グルタマート)ではなく、該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。
本発明のもう1つの態様は、配列番号47に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであり、ここで、配列番号47と比較して、残基32はセリンではなく、残基123はロイシンではなく、残基240はグルタミン酸ではなく、該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。
本発明のもう1つの態様は、配列番号48に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、配列番号48と比較して、残基126はロイシンではなく、残基243はグルタミン酸ではなく、該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、v3 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。
本発明のもう1つの態様は、配列番号48に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、配列番号48と比較して、残基32はセリンではなく、残基126はロイシンではなく、残基243はグルタミン酸ではなく、該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、v3 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。
本発明のもう1つの態様は、ヒトに投与された場合、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌およびv3 fHbpを発現する髄膜炎菌の両方に対して殺菌性である抗体応答を誘導する融合ポリペプチドである。
本発明のもう1つの態様は、医薬上許容される担体と本発明のポリペプチドまたは融合ポリペプチドとを含む免疫原性組成物である。
本発明のもう1つの態様は、本発明の免疫原性組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおいて抗体応答を産生させる方法である。
図1は、固定化fHへの野生型v2 fHbp(上の線)、v2のE266突然変異体(下の線)およびv2のS58V/L149R突然変異体(中の線)の結合に関するSPR応答を示す。y軸は相対単位を示し、x軸は時間(秒; 0はサンプル注射時)を示す。 図2は野生型およびS58V/L149R突然変異体v2 fHbpに関するDSCの結果を示す。C末端ドメインは突然変異によっては影響を受けなかったが、N末端ドメインのTmは20℃以上増加した(矢印で示されている)。y軸はCp(kcal/mol/℃)を示し、x軸は温度(℃)を示す。 図3は野生型およびE266A突然変異体v2 fHbpに関するDSCの結果を示す。該突然変異においてはN末端に関する転移は消失しているが、C末端ドメインのTmは16℃以上増加した。 図4は「野生型」(上の破線)および「SNB突然変異体」(下の実線)v2-v3-v1 fHbp融合ポリペプチドのSPR応答を示す。 図5は(A)「野生型」および(B)「SNB突然変異体」v2-v3-v1 fHbp融合ポリペプチドのDSCの結果を示す。 図6は、野生型としての又は種々の突然変異を有するv3 fHbpのSPR応答を示す。 図7は、S58およびL149突然変異を用いるfHbpの安定化の後に因子Hの存在下でX線結晶解析により決定されたv2(図7a)およびv3(図7b)fHbpの構造を示す。 図8は、ウエスタンブロットにより調べられた大腸菌(E.coli)抽出物において、「野生型」融合体(配列番号18)の安定性を、安定化された非結合性融合体(配列番号27)と比較している。図8aは、該安定化非結合性融合体のトランケート化(末端切断)形態がそれほど優勢ではないことを示している。図8bは、該安定化非結合性融合体が「野生型」融合体よりキモトリプシンによって切断されにくいことを示している。 図9は231 SNB融合体の概要図を示す。
詳細な説明
v2における株2996由来の完全長fHbpは以下のアミノ酸配列(配列番号2)を有する:
Figure 2017522320
その成熟リポタンパク質は配列番号2の最初の19アミノ酸を欠いている(下線部; Cys-20で始まる配列番号4を与える)。また、N末端が残基26までトランケート化されたfHbpの「ΔG」形態(すなわち、ポリ-グリシン伸長が除去され、Val-27から始まるもの)が産生されて配列番号5が得られることが公知である。
v3における株M1239由来の完全長fHbpは以下のアミノ酸配列(配列番号3)を有する:
Figure 2017522320
その成熟リポタンパク質は配列番号3の最初の19アミノ酸を欠いており(下線部; 配列番号40を与える)、配列番号3のΔG形態は最初の31アミノ酸(配列番号17)を欠いている。
本発明者らはv2およびv3における2つの異なるタイプの突然変異を本発明において研究した。第1に、本発明者らは、該ポリペプチドの安定性を増強するために修飾されうる、配列番号2および配列番号3における残基を本発明において特定した。第2に、本発明者らは、ヒト因子H(fH)への結合を低減する残基を本発明において特定した。本発明は、向上した特性を有するfHbpポリペプチドを与える両方のタイプの突然変異を含む突然変異fHbpポリペプチドに関する。特に、因子Hに結合しないが免疫原性を保有するfHbp突然変異体が有利である。なぜなら、生じる抗体応答はfH結合部位内またはその付近のエピトープに対するものだからである。野生型fHbpワクチン抗原を使用するワクチン接種の後、そのようなエピトープは因子Hの結合により覆い隠されうる。
最も関心のあるアミノ酸は以下のとおりであり、この場合、完全長配列(配列番号1および3)に基づいて、そしてまた、ΔG配列(配列番号5および17)に基づいて番号付けされている。
Figure 2017522320
突然変異v2 fHbp
したがって、第1の態様においては、本発明は、突然変異fHbp v2アミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、(a)該アミノ酸配列は配列番号5に対して少なくともk%の配列同一性を有し、および/または配列番号5の断片を含むが、(b)該アミノ酸配列は残基L123およびE240(および所望により残基S32)(アミノ酸の番号付けは配列番号5に基づく)において配列番号5とは異なっている。
特徴(a)が断片に関するものである場合、該断片は、(b)に挙げられている2個(または所望により3個)の残基を含むが、それらの残基は、配列番号5におけるそれらの位置と比較した場合に異なるであろう。突然変異fHbp v2アミノ酸配列は配列番号5に対して少なくともk%の配列同一性を有することが可能であり、配列番号5の幾つかの断片を含むことが可能であり、ここで、それぞれのそのような断片は少なくとも7アミノ酸長である。これらの断片は、典型的には、配列番号5からの少なくとも1つのエピトープを含む。エピトープの特定および位置決定(マッピング)はfHbpに関して確立されている [11; 28〜32]。
kの値は80、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99またはそれ以上から選択されうる。それは好ましくは90であり(すなわち、突然変異fHbp v2アミノ酸配列は配列番号5に対して少なくとも90%の同一性を有する)、より好ましくは95である。
該ポリペプチドは、適当な宿主動物(例えば、マウスまたはヒト)への投与の後、配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識しうる抗体を誘導しうる。これらの抗体は、v1またはv3ポリペプチドを認識しない(例えば、配列番号46からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドおよび配列番号40からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識しない)幾つかの抗体を含む。尤も、それらは、v1および/またはv3ポリペプチドと交差反応する幾つかの抗体をも含んでいてもよい。該抗体は理想的には、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌株に対して、例えば、M2091株(後記を参照されたい)に対して殺菌性である。
該ポリペプチドは、同じ実験条件下、(b)の配列相違を有さない同じポリペプチドより高い安定性を有し、例えば、配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドより高い安定性を有する。安定性の増強は、示差走査熱量測定(DSC)(例えば、参考文献33および34に記載されているもの)を用いて評価されうる。DSCは、v2 fHbpの安定性を評価するために既に用いられている [24]。安定性を評価するためのDSCのための適当な条件は、100〜200mM NaCl(例えば、150mM)を含有する、6〜8(例えば、7〜7.5)のpHを有する緩衝溶液(例えば、25mM Tris)中で20μMのポリペプチドを使用することが可能である。
安定性の増強は理想的には少なくとも5℃、例えば少なくとも10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃またはそれ以上である。これらの温度は、DSCにより評価された場合の熱転移中間点(Tm)の増加を意味する。野生型fHbpはアンフォールディング中に2つのDSCピークを示し(1つはN末端ドメインに関するものであり、1つはC末端ドメインに関するものである)、本発明のポリペプチドがそのようなドメインの両方を含む場合には、該増強(増加)はN末端ドメインの安定性に関するものであり、これは野生型v2配列では40℃未満でも生じうる [24](一方、C末端ドメインは80℃以上のTmを有しうる)。したがって、本発明の突然変異fHbp v2アミノ酸配列は、好ましくは、少なくとも45℃、例えば> 50℃、> 55℃、> 60℃、> 65℃、> 70℃、> 75℃または更には> 80℃のTmを有するN末端ドメインを有する。
この安定性増強に加えて、該ポリペプチドは、同じ実験条件下、(b)の配列相違を有さない同じポリペプチドより低い、ヒトfHに対するアフィニティを有し、例えば、配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドより低いアフィニティを有する。アフィニティの低下は、例えば固定化ヒトfHを使用して参考文献18および21〜24に開示されているとおりに表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて定量的に評価されうる。少なくとも10倍、理想的には少なくとも100倍のアフィニティの低下(すなわち、解離定数KDの増加)が好ましい。
幾つかの実施形態においては、該ポリペプチドは配列番号5に対してトランケート化されている。野生型成熟配列と比較して、配列番号5はポリ-グリシン配列まで(それを含む)のN末端において既にトランケート化されているが(配列番号4および5を比較されたい)、配列番号5はC末端においてトランケート化されることが可能であり、および/またはN末端において更にトランケート化されることが可能である。
突然変異v3 fHbp
第2の態様においては、本発明は、突然変異fHbp v3アミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、(a)該アミノ酸配列は配列番号17に対して少なくともj%の配列同一性を有し、および/または配列番号17の断片を含むが、(b)該アミノ酸配列は残基L126およびE243(および所望により残基S32)(アミノ酸の番号付けは配列番号17に基づく)において配列番号17とは異なっている。
特徴(a)が断片に関するものである場合、該断片は、(b)に挙げられている2個(または所望により3個)の残基を含むが、それらの残基は、配列番号17におけるそれらの位置と比較した場合に異なるであろう。突然変異fHbp v3アミノ酸配列は配列番号17に対して少なくともj%の配列同一性を有することが可能であり、配列番号17の幾つかの断片を含むことが可能であり、ここで、それぞれのそのような断片は少なくとも7アミノ酸長である。これらの断片は、典型的には、配列番号17からの少なくとも1つのエピトープを含む。エピトープの特定および位置決定(マッピング)はfHbpに関して確立されている [11; 28〜32]。
jの値は80、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99またはそれ以上から選択されうる。それは好ましくは90であり(すなわち、突然変異fHbp v3アミノ酸配列は配列番号17に対して少なくとも90%の同一性を有する)、より好ましくは95である。
該ポリペプチドは、適当な宿主動物(例えば、マウスまたはヒト)への投与の後、配列番号40からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識しうる抗体を誘導しうる。これらの抗体は、v1またはv2ポリペプチドを認識しない(例えば、配列番号46からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドおよび配列番号4からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドを認識しない)幾つかの抗体を含む。尤も、それらは、v1および/またはv2ポリペプチドと交差反応する幾つかの抗体をも含んでいてもよい。該抗体は理想的には、v3 fHbpを発現する髄膜炎菌株に対して、例えば、M01-240355株(後記を参照されたい)に対して殺菌性である。
該ポリペプチドは、同じ実験条件下、(b)の配列相違を有さない同じポリペプチドより高い安定性を有し、例えば、配列番号40からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドより高い安定性を有する。安定性の増強は、示差走査熱量測定(DSC)(例えば、参考文献33および34に記載されているもの)を用いて評価されうる。DSCは、v3 fHbpの安定性を評価するために既に用いられている [23]。安定性を評価するためのDSCのための適当な条件は、100〜200mM NaCl(例えば、150mM)を含有する、6〜8(例えば、7〜7.5)のpHを有する緩衝溶液(例えば、25mM Tris)中で20μMのポリペプチドを使用することが可能である。
安定性の増強は理想的には少なくとも5℃、例えば少なくとも10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃またはそれ以上である。これらの温度は、DSCにより評価された場合の熱転移中間点(Tm)の増加を意味する。野生型fHbpはアンフォールディング中に2つのDSCピークを示し(1つはN末端ドメインに関するものであり、1つはC末端ドメインに関するものである)、本発明のポリペプチドがそのようなドメインの両方を含む場合には、該増強(増加)はN末端ドメインの安定性に関するものであり、これは野生型v3配列では約60℃以下で生じうる [24](一方、C末端ドメインは80℃以上のTmを有しうる)。したがって、本発明の突然変異fHbp v3アミノ酸配列は、好ましくは、少なくとも65℃、例えば> 70℃、> 75℃または更には> 80℃のTmを有するN末端ドメインを有する。
この安定性増強に加えて、該ポリペプチドは、同じ実験条件下、(b)の配列相違を有さない同じポリペプチドより低い、ヒトfHに対するアフィニティを有し、例えば、配列番号40からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドより低いアフィニティを有する。アフィニティの低下は、例えば固定化ヒトfHを使用して参考文献18および21〜24に開示されているとおりに表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて定量的に評価されうる。少なくとも10倍、理想的には少なくとも100倍のアフィニティの低下(すなわち、解離定数KDの増加)が好ましい。
幾つかの実施形態においては、該ポリペプチドは配列番号17に対してトランケート化されている。野生型成熟配列と比較して、配列番号17はポリ-グリシン配列まで(それを含む)のN末端において既にトランケート化されているが(配列番号40および17を比較されたい)、配列番号17はC末端においてトランケート化されることが可能であり、および/またはN末端において更にトランケート化されることが可能である。
配列番号5に対する突然変異
本発明の第1の態様のポリペプチドは、配列番号5に対して少なくともk%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、および/または配列番号5の断片を含む。しかし、配列番号5と比較して、このアミノ酸配列は少なくともアミノ酸残基L123およびE240に(そして所望により残基S32にも)修飾を有する。これらの残基は配列番号5に基づいて番号付けされており、新生野生型配列(配列番号2)に合致させるために、該番号付けには+26の変化を施すべきであり(すなわち、配列番号5のSer-32は配列番号2のSer-58である)、成熟野生型配列(配列番号4)に合致させるために、該番号付けには+7の変化を施すべきである(これは参考文献25との容易な比較をも可能にする)。
前記の3個の特定されている残基は欠失可能であるが、好ましくは、それらは、異なるアミノ酸により置換される。例えば、Leu-123はその他の19個の天然に存在するアミノ酸のいずれかにより置換されうる。置換が行われる場合、幾つかの実施形態における置換アミノ酸は単純アミノ酸、例えばグリシンまたはアラニンでありうる。他の場合には、置換アミノ酸は保存的置換アミノ酸であり、例えば、それは以下の4つのグループ内で行われる:(1)酸性アミノ酸、すなわち、アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性アミノ酸、すなわち、リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)無極性アミノ酸、すなわち、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非荷電極性アミノ酸、すなわち、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン。他の実施形態においては、該置換は非保存的である。
特定された残基における好ましい置換は以下のとおりである:S32V; L123R; E240A。
安定性を増強すること、およびfHに結合するポリペプチドの能力を妨げることを目的とした前記の突然変異に加えて、ポリペプチドは、例えばシデロホアとの該ポリペプチドの相互作用を妨げるための、1以上の他の突然変異を含みうる。シデロホアと相互作用する残基は、参考文献16および35における指針を用いて突然変異に付されることが可能であり、例えば、シデロホア、例えばカテコラート、ヒドロキサマートまたはカルボキシラートと相互作用しうる残基を特定するために本明細書の配列番号5を参考文献16の配列番号4と整列(アライメント)させることにより、突然変異に付されうる。
参考文献24は、v2における或る置換がfHに対するアフィニティを増加させる可能性があり、したがって、これらは通常、回避されるべきである[例えば、配列番号5におけるE85(参考文献24における残基157)]と報告している。
野生型配列(例えば、配列番号4)と比較して、該ポリペプチドがより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、適当な哺乳動物に投与された場合に、髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる限り、他の残基も突然変異に付されうる。
第1の態様のポリペプチドは配列番号47を含みうる。配列番号47においては、残基32は任意のアミノ酸であり、残基123はロイシンではなく、残基240はグルタミン酸ではない。もう1つの選択肢は配列番号39であり、ここで、残基32はセリンではなく、残基123はロイシンではなく、残基240はグルタミン酸ではない。配列番号47の好ましい実施形態においては、残基32はバリンであり、残基123はアルギニンであり、残基240はアラニンである(すなわち、配列番号50)。配列番号47のもう1つの好ましい実施形態においては、残基32はセリンであり、残基123はアルギニンであり、残基240はアラニンである(すなわち、配列番号53)。
第1の態様のポリペプチドは配列番号31を含みうる。配列番号31においては、残基32は任意のアミノ酸であり、残基123はロイシンではない。もう1つの選択肢は配列番号37であり、ここで、残基32はセリンではなく、残基123はロイシンではない。配列番号31の好ましい実施形態においては、残基32はバリンであり、残基123はアルギニンである(すなわち、配列番号45)。配列番号31のもう1つの好ましい実施形態においては、残基32はセリンであり、残基123はアルギニンである(すなわち、配列番号54)。
v2配列における突然変異に関して記載されているアミノ酸残基は、株2996由来の配列番号5に基づいて番号付けされている。いずれかの他の株由来のv2 fHbpにおける対応アミノ酸残基は配列アライメントによって容易に特定可能であり、例えば、ペアワイズアライメントアルゴリズム(例えば、後記に詳細に記載されているNeedleman-Wunschグローバルアライメントアルゴリズム)を使用して配列番号5に対して整列(アライメント)させた場合に、本明細書に記載されているアミノ酸と整列するアミノ酸である。しばしば、該アミノ酸は、配列番号5において見られるものと同じであるが(例えば、残基32はセリンであろう)、該アライメントは、これが当てはまらないかどうかを容易に特定するであろう。
配列番号17に対する突然変異
本発明の第2の態様のポリペプチドは、配列番号17に対して少なくともj%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、および/または配列番号17の断片を含む。しかし、配列番号17と比較して、このアミノ酸配列は少なくともアミノ酸残基L123およびE243に(そして所望により残基S32に)修飾を有する。これらの残基は配列番号17に基づいて番号付けされており、新生野生型配列(配列番号3)に合致させるために、該番号付けには+31の変化を施すべきであり(すなわち、配列番号17のSer-32は配列番号3のSer-63である)、成熟野生型配列(配列番号40)に合致させるために、該番号付けには+12の変化を施すべきである。
前記の2個(または3個)の特定されている残基は欠失可能であるが、好ましくは、それらは、異なるアミノ酸により置換される。例えば、Leu-126はその他の19個の天然に存在するアミノ酸のいずれかにより置換されうる。置換が行われる場合、幾つかの実施形態における置換アミノ酸は単純アミノ酸、例えばグリシンまたはアラニンでありうる。他の実施形態においては、置換アミノ酸は保存的置換アミノ酸であり、例えば、それは以下の4つのグループ内で行われる:(1)酸性アミノ酸、すなわち、アスパラギン酸、グルタミン酸;(2)塩基性アミノ酸、すなわち、リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)無極性アミノ酸、すなわち、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;および(4)非荷電極性アミノ酸、すなわち、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン。他の実施形態においては、該置換は非保存的である。
特定された残基における好ましい置換は以下のとおりである:S32V; L126R; E243A。
安定性を増強すること、およびfHに結合するポリペプチドの能力を妨げることを目的とした前記の突然変異に加えて、ポリペプチドは、例えばシデロホアとの該ポリペプチドの相互作用を妨げるための、1以上の他の突然変異を含みうる。シデロホアと相互作用する残基は、参考文献16および35における指針を用いて突然変異に付されることが可能であり、例えば、シデロホア、例えばカテコラート、ヒドロキサマートまたはカルボキシラートと相互作用しうる残基を特定するために本明細書の配列番号17を参考文献16の配列番号4と整列(アライメント)させることにより、突然変異に付されうる。
参考文献24は、v3における或る置換がfHに対するアフィニティを増加させる可能性があり、したがって、これらは通常、回避されるべきである[例えば、配列番号17におけるP44(参考文献24における残基106)]と報告している。
野生型配列(例えば、配列番号40)と比較して、該ポリペプチドがより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、適当な哺乳動物に投与された場合に、髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる限り、他の残基も突然変異に付されうる。
第2の態様のポリペプチドは配列番号48を含みうる。配列番号48においては、残基32は任意のアミノ酸であり、残基126はロイシンではなく、残基243はグルタミン酸ではない。もう1つの選択肢は配列番号57であり、ここで、残基32はセリンではなく、残基126はロイシンではなく、残基243はグルタミン酸ではない。配列番号48の好ましい実施形態においては、残基32はバリンであり、残基126はアルギニンであり、残基243はアラニンである(すなわち、配列番号51)。配列番号48のもう1つの好ましい実施形態においては、残基32はセリンであり、残基126はアルギニンであり、残基243はアラニンである(すなわち、配列番号55)。
第2の態様のポリペプチドは配列番号32を含みうる。配列番号32においては、残基32は任意のアミノ酸であり、残基126はロイシンではない。もう1つの選択肢は配列番号38であり、ここで、残基32はセリンではなく、残基126はロイシンではない。配列番号32の好ましい実施形態においては、残基32はバリンであり、残基126はアルギニンである(すなわち、配列番号44)。配列番号32のもう1つの好ましい実施形態においては、残基32はセリンであり、残基126はアルギニンである(すなわち、配列番号56)。
v3配列における突然変異に関して記載されているアミノ酸残基は、株M1239由来の配列番号17に基づいて番号付けされている。いずれかの他の株由来のv2 fHbpにおける対応アミノ酸残基は配列アライメントによって容易に特定可能であり、例えば、ペアワイズアライメントアルゴリズム(例えば、後記に詳細に記載されているNeedleman-Wunschグローバルアライメントアルゴリズム)を使用して配列番号17に対して整列(アライメント)させた場合に、本明細書に記載されているアミノ酸と整列するアミノ酸である。しばしば、該アミノ酸は、配列番号17において見られるものと同じであるが(例えば、残基32はセリンであろう)、該アライメントは、これが当てはまらないかどうかを容易に特定するであろう。
本発明の突然変異配列
前記のとおり、本発明の第1の態様のポリペプチドは配列番号47または配列番号37を含むことが可能であり、第2の態様のポリペプチドは配列番号48または配列番号57を含むことが可能である。
第1の態様と重複する本発明の第3の態様においては、本発明は、配列番号47に対して少なくともv%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、(i)残基32は任意のアミノ酸であるが、幾つかの実施形態においてはセリンではなく、(ii)残基123はロイシンではなく、(iii)残基240はグルタミン酸ではなく、(iv)野生型配列、例えば配列番号4と比較して、該ポリペプチドはより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、(v)適当な哺乳動物に投与された場合に、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。(i)〜(iii)の残基の番号付けは配列番号47に基づく。
vの値は80、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99またはそれ以上から選択されうる。それは好ましくは90であり(すなわち、突然変異fHbp v2アミノ酸配列は配列番号47に対して少なくとも90%の同一性を有する)、より好ましくは95である。
第2の態様と重複する本発明の第4の態様においては、本発明は、配列番号48に対して少なくともw%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、(i)残基32は任意のアミノ酸であるが、幾つかの実施形態においてはセリンではなく、(ii)残基126はロイシンではなく、(iii)残基243はグルタミン酸ではなく、(iv)野生型配列、例えば配列番号40と比較して、該ポリペプチドはより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、(v)適当な哺乳動物に投与された場合に、v3 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。(i)〜(iii)の残基の番号付けは配列番号48に基づく。
wの値は80、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99またはそれ以上から選択されうる。それは好ましくは90であり(すなわち、突然変異fHbp v3アミノ酸配列は配列番号48に対して少なくとも90%の同一性を有する)、より好ましくは95である。
第5の態様においては、本発明は、5個までの単一アミノ酸変化(すなわち、1、2、3、4または5個の単一アミノ酸置換、欠失および/または挿入)により修飾されたアミノ酸配列配列番号47を含むポリペプチドを提供し、ここで、(i)残基32は任意のアミノ酸であるが、幾つかの実施形態においてはセリンではなく、(ii)残基123はロイシンではなく、(iii)残基240はグルタミン酸ではなく、(iv)野生型配列、例えば配列番号4と比較して、該ポリペプチドはより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、(v)適当な哺乳動物に投与された場合に、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。
第6の態様においては、本発明は、5個までの単一アミノ酸変化(すなわち、1、2、3、4または5個の単一アミノ酸置換、欠失および/または挿入)により修飾されたアミノ酸配列配列番号48を含むポリペプチドを提供し、ここで、(i)残基32は任意のアミノ酸であるが、幾つかの実施形態においてはセリンではなく、(ii)残基126はロイシンではなく、(iii)残基243はグルタミン酸ではなく、(iv)野生型配列、例えば配列番号40と比較して、該ポリペプチドはより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、(v)適当な哺乳動物に投与された場合に、v3 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。(i)〜(iii)の残基の番号付けは配列番号48に基づく。
これらの種々のv2およびv3ポリペプチドは融合ポリペプチドにおいて組合され、それにより、単一ポリペプチドを含有する両方の変異体に対する免疫応答をもたらしうる。したがって、本発明の第7の態様は、(i)本発明の第1、第3または第5の態様のポリペプチドと、(ii)本発明の第2、第4または第6の態様のポリペプチドとの融合体を含むポリペプチドを提供する。有利には、そのような融合ポリペプチドは、適当な哺乳動物に投与された場合、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌と、v3 fHbpを発現する髄膜炎菌との両方に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。
したがって、第7の態様においては、該融合ポリペプチドは、
(I)・突然変異fHbp v2アミノ酸配列であって、(a)該アミノ酸配列は配列番号5に対して少なくともk%の配列同一性を有し、および/または配列番号5の断片を含むが、(b)該アミノ酸配列は残基L123およびE240において(そして所望により残基S32においても)配列番号5とは異なっている、アミノ酸配列、
・配列番号47に対して少なくともv%の配列同一性を有するアミノ酸配列であって、(i)残基32は任意のアミノ酸であるが、幾つかの実施形態においてはセリンではなく、(ii)残基123はロイシンではなく、(iii)残基240はグルタミン酸ではない、アミノ酸配列、あるいは
・5個までの単一アミノ酸変化(すなわち、1、2、3、4または5個の単一アミノ酸置換、欠失および/または挿入)により所望により修飾されていてもよいアミノ酸配列配列番号47または配列番号50であって、(i)残基32は任意のアミノ酸であるが、幾つかの実施形態においてはセリンではなく、(ii)残基123はロイシンではなく、(iii)残基240はグルタミン酸ではない、アミノ酸配列
から選択される第1アミノ酸配列と、
(II)・突然変異fHbp v3アミノ酸配列であって、(a)該アミノ酸配列は配列番号17に対して少なくともj%の配列同一性を有し、および/または配列番号17の断片を含むが、(b)該アミノ酸配列は残基L126およびE243において(そして幾つかの実施形態においては残基S32においても)配列番号17とは異なっている、アミノ酸配列、
・配列番号48に対して少なくともw%の配列同一性を有するアミノ酸配列であって、(i)残基32は任意のアミノ酸であるが、幾つかの実施形態においてはセリンではなく、(ii)残基126はロイシンではなく、(iii)残基243はグルタミン酸ではない、アミノ酸配列、あるいは
・5個までの単一アミノ酸変化(すなわち、1、2、3、4または5個の単一アミノ酸置換、欠失および/または挿入)により所望により修飾されていてもよいアミノ酸配列配列番号48または配列番号51であって、(i)残基32は任意のアミノ酸であるが、幾つかの実施形態においてはセリンではなく、(ii)残基126はロイシンではなく、(iii)残基243はグルタミン酸ではない、アミノ酸配列
から選択される第2アミノ酸配列とを含み、
ここで、該融合ポリペプチドは、(a)適当な哺乳動物に投与された場合、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌と、v3 fHbpを発現する髄膜炎菌との両方に対して殺菌性である抗体応答を誘導することが可能であり、(b)配列番号4からなる野生型髄膜炎菌fHbpより高い安定性、およびfHに対する、より低いアフィニティを有し、(c)配列番号40からなる野生型髄膜炎菌fHbpより高い安定性、およびfHに対する、より低いアフィニティを有する。
前記のとおり、安定性の増強は理想的には少なくとも5℃、例えば少なくとも10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃またはそれ以上である。前記のとおり、より低いアフィニティは、好ましくは少なくとも10倍、理想的には少なくとも100倍である。
第7の態様の実施形態の1つにおいては、本発明は、第1アミノ酸配列と第2アミノ酸配列とを含むポリペプチドを提供し、ここで、第1アミノ酸配列は配列番号47または配列番号39であり、第2アミノ酸配列は配列番号48または配列番号57である。
第1アミノ酸配列および第2アミノ酸配列はN末端からC末端へのいずれの順序であってもよいが、第1配列が第2配列の上流であることが好ましい。
第1アミノ酸配列および第2アミノ酸配列はリンカー配列により連結されうる。そのようなリンカー配列は典型的には短い(例えば、20個以下、すなわち、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個のアミノ酸)。具体例には、クローニングを容易にする短いペプチド配列、ポリ-グリシンリンカー(すなわち、Glyn、ここで、n = 2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上(配列番号58))およびヒスチジンタグ(すなわち、Hisn、ここで、n = 3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上(配列番号59))が含まれる。他の適当なリンカーアミノ酸配列は当業者に明らかであろう。1つの有用なリンカーはGSGGGG(配列番号20)であり、該Gly-SerジペプチドはBamHI制限部位から形成され、したがってクローニングおよび操作を助ける。もう1つの有用なリンカーは配列番号21であり、これは、所望により、Gly-Serジペプチド(BamHI由来の配列番号22)またはGly-Lysジペプチド(HindIII由来の配列番号23)の後に続くことが可能である。
該融合ポリペプチドはv1 fHbp配列をも含むことが可能であり、それにより、単一ポリペプチドで3つ全てのfHbp変異体に対する免疫応答をもたらしうる。すなわち、該ポリペプチドは、適当な哺乳動物に投与された場合、v1 fHbpを発現する髄膜炎菌、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌およびv3 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。したがって、第7の態様のポリペプチドは、(i)配列番号16に対して少なくともi%の配列同一性を有する、および/または(ii)配列番号16の断片を含むアミノ酸配列をも含みうる。iの値は80、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99またはそれ以上から選択されうる。それは、好ましくは90であり(すなわち、該アミノ酸配列は配列番号16に対して少なくとも90%の同一性を有する)、より好ましくは95である。(ii)の断片は、一般に、少なくとも7アミノ酸長であり、例えば、配列番号16からの8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、24、26、28、40、45、50、55、60、65、70、75、80またはそれ以上の連続的アミノ酸である。該断片は、典型的には、配列番号16からの少なくとも1つのエピトープを含む。配列番号16と少なくとも30個の連続的アミノ酸を共有することが典型的であるが、通常、v1 fHbpアミノ酸配列は配列番号16からの数個(例えば、2、3、4、5個またはそれ以上)の断片を含む。全体として、第7の態様で使用されるv1 fHbp配列は少なくともi%の配列同一性を有することが可能であり、配列番号16の数個の断片を有しうる。
有利には、v1 fHbp配列は、(b)の配列相違を有さない同じポリペプチドより低い、ヒトfHに対するアフィニティ(前記のとおり)、例えば、配列番号46からなる野生型髄膜炎菌ポリペプチドより低いアフィニティを、それにもたらす突然変異を含む。例えば、配列番号16におけるアミノ酸残基Arg-34(配列番号1における残基Arg-60および配列番号46におけるArg-41)は、fHbp/fH相互作用を破壊するために、Serへの突然変異に付されうる [19, 21]。したがって、本発明で使用される好ましいv1 fHbp配列は、残基34がアルギニンではない配列番号49(例えば、残基34がセリンである配列番号52)を含む。
ポリペプチドがv1、v2およびv3配列のそれぞれを含む場合、これらはN末端からC末端への任意の順序(すなわち、v1-v2-v3、v1-v3-v2、v2-v1-v3、v2-v3-v1、v3-v1-v2、またはv3-v2-v1)で存在しうる。最も好ましい順序はv2-v3-v1である。
一般に、本発明の好ましいfHbp融合ポリペプチドは、式:
NH2-A-[-X-L-]3-B-COOH
(式中、各Xは、本明細書に定められている異なる変異体fHbp配列であり、Lは、所望により存在していてもよいリンカーアミノ酸配列であり、Aは、所望により存在していてもよいN末端アミノ酸配列であり、Bは、所望により存在していてもよいC末端アミノ酸配列である)のアミノ酸配列を有する。
3つのX部分は、本明細書に記載されているv1、v2およびv3配列であり、したがって、該ポリペプチドは、適当な哺乳動物に投与された場合、v1 fHbpを発現する髄膜炎菌、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌およびv3 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導する。前記のとおり、それらの3つの変異体は、好ましくは、N末端からC末端へのv2-v3-v1の順序で存在する。
[-X-L-]の各場合において、リンカーアミノ酸配列-L-は存在していても存在していなくてもよい。適当なリンカー配列は前記に記載されている。
-A-は、所望により存在していてもよいN末端アミノ酸配列である。これは典型的には短い(例えば、40個以下、すなわち、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個のアミノ酸)。具体例には、タンパク質輸送を導くリーダー配列が含まれる。x1がそれ自身のN末端メチオニンを欠く場合には、-A-が翻訳ポリペプチドにおいてそのようなメチオニン残基を提供しうる(例えば、-A-は単一のMet残基である)。該Metは配列番号21のようなリンカー配列のN末端側に存在することが可能であり(すなわち、配列番号24)、あるいは短い配列(例えば、配列番号25)のN末端に存在することが可能である。
-B-は、所望により存在していてもよいC末端アミノ酸配列である。これは典型的には短い(例えば、40個以下、すなわち、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個のアミノ酸)。具体例には、タンパク質輸送を導くための配列、クローニングまたは精製を促進する短いペプチド配列[ヒスチジンタグ、すなわち、Hisn(ここで、n = 3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)(配列番号59)を含む]、あるいはポリペプチドの安定性を増強する配列が含まれる。他の適当なC末端アミノ酸配列は当業者に明らかであろう。1つの適当な-B-部分は、ヒスチジンタグの上流のLeu-GluがXhoI制限部位に由来する配列番号26である。
したがって、1つの実施形態においては、本発明は、配列番号28のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。N末端からC末端へと、この配列は以下の配列番号のアミノ酸配列から構成される。
Figure 2017522320
配列番号24をN末端-A-部分として含めることにより、本発明は、配列番号27のアミノ酸配列を含むポリペプチドをも提供する。
もう1つの実施形態においては、本発明は、配列番号30のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。N末端からC末端へと、この配列は以下の配列番号のアミノ酸配列から構成される。
Figure 2017522320
配列番号24をN末端-A-部分として含めることにより、本発明は、配列番号29のアミノ酸配列を含むポリペプチドをも提供する。
ポリペプチド
本発明のポリペプチドは、種々の手段、例えば(少なくとも部分的に)化学合成、プロテアーゼを使用する、より長いポリペプチドの消化、RNAからの翻訳、細胞培養からの[例えば、組換え発現からの、または髄膜炎菌(ナイセリア・メニンジティディス(N. meningitidis))培養からの]精製などにより製造されうる。大腸菌(E.coli)宿主における異種発現は、好ましい発現経路である。
本発明のポリペプチドは、理想的には、少なくとも100アミノ酸長、例えば150、175、200、225アミノ酸長またはそれ以上である。それは突然変異fHbp v2および/またはv3アミノ酸配列を含み、該突然変異fHbp v2またはv3アミノ酸配列は、同様に、少なくとも100アミノ酸長、例えば150、175、200、225アミノ酸長またはそれ以上であるべきである。
fHbpは元々は髄膜炎菌(ナイセリア・メニンジティディス(N. meningitidis))におけるリポタンパク質である。それは、大腸菌(E.coli)において発現される際にその天然リーダー配列または異種リーダー配列で脂質付加されることも判明している。本発明のポリペプチドは、例えばパルミトイル基を含むように脂質付加されて通常はトリパルミトイル-S-グリセリル-システインを形成しうるN末端システイン残基を有しうる。他の実施形態においては、該ポリペプチドは脂質付加されない。
ポリペプチドは、好ましくは、実質的に純粋な又は実質的に単離された形態(すなわち、他のナイセリアまたは宿主細胞ポリペプチドを実質的に含有しない形態)で製造される。一般に、該ポリペプチドは、天然で生じない環境において提供され、例えば、それは、天然で生じるその環境から分離されている。ある実施形態においては、該ポリペプチドは、出発物質と比べて該ポリペプチドに富む組成物中に存在する。そのように精製されたポリペプチドが提供され、ここで、精製(された)は、該ポリペプチドが、他の発現ポリペプチドを実質的に含有しない組成物中に存在することを意味し、実質的に含有しないは、該組成物中の全ポリペプチドの50%以上(例えば、>75%、>80%、>90%、>95%または>99%)が本発明のポリペプチドであることを意味する。
ポリペプチドは種々の形態(例えば、天然形態、融合形態、グリコシル化形態、非グリコシル化形態、脂質付加形態、ジスルフィド架橋形態など)をとりうる。
配列番号4、5、17および40はN末端メチオニンを含まない。本発明のポリペプチドが生物学的宿主における翻訳により産生される場合には、ほとんどの宿主においてN末端メチオニンを与える開始コドンが要求される。したがって、本発明のポリペプチドは、少なくとも新生段階においては、前記の配列番号の配列の上流にメチオニン残基を含むであろう。
新生配列の切断は、突然変異fHbp v2またはv3アミノ酸配列自体が該ポリペプチドのN末端を提供しうることを意味する。しかし、他の実施形態においては、本発明のポリペプチドは突然変異fHbp v2またはv3アミノ酸配列の上流にN末端配列を含みうる。幾つかの実施形態においては、該ポリペプチドはN末端に単一メチオニンを有し、その直後に突然変異fHbp v2またはv3アミノ酸配列を有する。他の実施形態においては、より長い上流配列が使用されうる。そのような上流配列は短くてもよい(例えば、40個以下、すなわち、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個のアミノ酸)。具体例には、タンパク質輸送を導くための配列、あるいはクローニングまたは精製を促進する短いペプチド配列[例えば、ヒスチジンタグ、すなわち、Hisn(ここで、n = 4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)(配列番号60)]が含まれる。他の適当なN末端アミノ酸配列は当業者に明らかであり、例えば、配列番号2または配列番号3に存在する天然上流配列を包含する。
本発明のポリペプチドは突然変異fHbp v2またはv3アミノ酸配列の最後のアミノ酸の下流のアミノ酸をも含みうる。そのようなC末端伸長は短くてもよい(例えば、40個以下、すなわち、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個のアミノ酸)。具体例には、タンパク質輸送を導くための配列、クローニングまたは精製を促進する短いペプチド配列[ヒスチジンタグ、すなわち、Hisn(ここで、n = 4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)(配列番号60)を含む]、あるいはポリペプチドの安定性を増強する配列が含まれる。他の適当なC末端アミノ酸配列は当業者に明らかであろう。
「ポリペプチド」なる語は任意の長さのアミノ酸重合体を意味する。該重合体は直鎖状または分枝状であることが可能であり、それは修飾アミノ酸を含むことが可能であり、それは非アミノ酸により分断されていることが可能である。この語はまた、天然で、あるいは介入、例えばジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化または任意の他の操作もしくは修飾、例えば標識成分への結合により修飾されたアミノ酸重合体を含む。また、この定義には、例えば、アミノ酸の類似体(例えば、非天然アミノ酸などを含む)の1以上、および当技術分野で公知の他の修飾を含有するポリペプチドも含まれる。ポリペプチドは単一鎖または会合鎖として存在しうる。
本発明のポリペプチドは固体支持体に結合または固定化されうる。
本発明のポリペプチドは、検出可能な標識、例えば放射能標識、蛍光標識またはビオチン標識を含みうる。これはイムノアッセイ技術において特に有用である。
参考文献162に開示されているとおり、fHbpは、A、BおよびCと称される3つのドメインに分割されうる。配列番号1を例に挙げると、それらの3つのドメインは(A)1〜119、(B)120〜183、および(C)184〜274である。
Figure 2017522320
ドメイン「A」の成熟形態、すなわち、そのN末端のCys-20からLys-119までは「Amature(A成熟)」と称される。
複数のfHbp配列が公知であり、これらは、標準的な方法を用いて容易に整列(アライメント)されうる。そのようなアライメントにより、当業者は、(a)MC58配列における等価体との比較により、任意の与えられたfHbp配列におけるドメイン「A」(および「Amature」)、「B」および「C」、ならびに(b)例えば置換を特定するための、複数のfHbp配列における単一残基を特定することが可能である。しかし、参照を容易にするために、該ドメインを以下のとおりに定義する。
・与えられたfHbp配列におけるドメイン「A」は、ペアワイズアライメントアルゴリズムを使用して配列番号1と整列させた場合に、配列番号1のMet-1と整列したアミノ酸から始まり、配列番号1のLys-119と整列したアミノ酸で終わる、その配列の断片である。
・与えられたfHbp配列におけるドメイン「Amature」は、ペアワイズアライメントアルゴリズムを使用して配列番号1と整列させた場合に、配列番号1のCys-20と整列したアミノ酸から始まり、配列番号1のLys-119と整列したアミノ酸で終わる、その配列の断片である。
・与えられたfHbp配列におけるドメイン「B」は、ペアワイズアライメントアルゴリズムを使用して配列番号1と整列させた場合に、配列番号1のGln-120と整列したアミノ酸から始まり、配列番号1のGly-183と整列したアミノ酸で終わる、その配列の断片である。
・与えられたfHbp配列におけるドメイン「C」は、ペアワイズアライメントアルゴリズムを使用して配列番号1と整列させた場合に、配列番号1のLys-184と整列したアミノ酸から始まり、配列番号1のGln-274と整列したアミノ酸で終わる、その配列の断片である。
該ドメインを定義するための好ましいペアワイズアライメントアルゴリズムは、デフォルトパラメータ(例えば、ギャップオープニングペナルティ = 10.0およびギャップ伸長ペナルティ = 0.5、EBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用)を使用するNeedleman-Wunschグローバルアライメントアルゴリズム [156]である。このアルゴリズムは、EMBOSSパッケージにおけるニードル(needle)ツールにおいて簡便に実行される [157]。
幾つかの実施形態においては、本発明の突然変異fHbp v2またはv3アミノ酸配列は、そのドメインAを除去するようにトランケート化される。しかし、一般には、該突然変異fHbp v2またはv3アミノ酸配列はN末端β-バレルとC末端β-バレルとの両方を含むことが好ましい。
幾つかの実施形態においては、ポリペプチドは、N末端における10個まで(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個)のアミノ酸および/またはC末端における10個まで(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個)のアミノ酸が欠失している前記のアミノ酸配列を含む。
核酸
本発明は、前記の本発明のポリペプチドをコードする核酸を提供する。
本発明の核酸は、多数の方法により、例えば、全体的または部分的な化学合成(例えば、DNAのホスホルアミダイト合成)により、ヌクレアーゼ(例えば、制限酵素)を使用する、より長い核酸の消化、(例えば、リガーゼまたはポリメラーゼを使用する)により、より短い核酸またはヌクレオチドの連結により、ゲノムまたはcDNAライブラリーなどから製造されうる。
本発明の核酸は種々の形態(例えば、一本鎖、二本鎖、ベクター、プライマー、プローブ、標識体、非標識体など)をとりうる。
本発明の核酸は、好ましくは、単離された又は実質的に単離された形態である。
「核酸」なる語はDNAおよびRNA、そしてまた、それらの類似体、例えば、修飾バックボーンを含有するもの、そしてまた、ペプチド核酸(PNA)などを含む。
本発明の核酸は、例えば、放射能または蛍光標識で標識されうる。
本発明はまた、本発明のヌクレオチド配列を含むベクター(例えば、プラスミド)(例えば、クローニングまたは発現ベクター、例えば、核酸免疫化に適したもの)、およびそのようなベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。
殺菌性応答
本発明の好ましいポリペプチドは、髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる。殺菌性抗体応答はマウスにおいて簡便に測定され、ワクチン効力の標準的な指標である(例えば、参考文献36の脚注14、そしてまた、参考文献37を参照されたい)。したがって、該抗体は適当な血清殺菌アッセイ(SBA)における試験株に対して殺菌性である。
本発明の第1の態様のポリペプチドは、好ましくは、v2 fHbp配列を発現する髄膜炎菌(ナイセリア・メニンジティディス(N. meningitidis)株、例えば、株961-5945、2996、96217、312294、11327、a22、gb013 (=M01-240013)、e32、m1090、m4287、860800、599、95N477、90-18311、c11、m986、m2671、1000、m1096、m3279、bz232、dk353、m3697、ngh38および/またはL93/4286の1以上に対して殺菌性である抗体応答を例えばマウスにおいて誘導しうる。殺菌性応答は、例えば、var2株M2091(ATCC 13091)に対して評価されうる。
本発明の第1の態様の好ましいポリペプチドは、血清殺菌アッセイにおいて株M2091に対して殺菌性である抗体をマウスにおいて誘導しうる。
本発明の第2の態様のポリペプチドは、好ましくは、v3 fHbp配列を発現する髄膜炎菌(ナイセリア・メニンジティディス(N. meningitidis)株、例えば、株M1239、16889、gb355 (=M01-240355)、m3369、m3813、ngp165の1以上に対して殺菌性である抗体応答を例えばマウスにおいて誘導しうる。殺菌性応答は、例えば、完全に配列決定されているナイセリア(Neisseria)MLST参考株(参照番号38におけるid 19265)(EMBL ID CP002422[39])であるvar3株M01-240355に対して評価されうる。
本発明の第2の態様の好ましいポリペプチドは、血清殺菌アッセイにおいて株M01-240355に対して殺菌性である抗体をマウスにおいて誘導しうる。
例えば、これらのポリペプチドを含む免疫原性組成物は、ヒト補体と共にゴールドシュナイダー(Goldschneider)アッセイを用いた場合には>1:4の血清殺菌力価を示し [40〜42]、および/またはウサギ乳児補体を使用した場合には>1:128の血清殺菌力価を示しうる。
免疫化
本発明のポリペプチドは免疫原性組成物の有効成分として使用可能であり、したがって、本発明は、本発明のポリペプチドを含む免疫原性組成物(例えば、ワクチン)を提供する。
本発明はまた、本発明の免疫原性組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物、例えばマウスまたはヒトにおいて抗体応答を産生させるための方法を提供する。該抗体応答は、好ましくは、防御性および/または殺菌性抗体応答である。本発明はまた、そのような方法における使用のための本発明のポリペプチドを提供する。
本発明はまた、本発明の免疫原性組成物を哺乳動物に投与することを含む、ナイセリア(Neisserial)(例えば、髄膜炎菌)感染に対して哺乳動物、例えばマウスまたはヒトを防御するための方法を提供する。
本発明は、医薬(例えば、免疫原性組成物またはワクチン)としての又は診断試薬としての使用のための本発明のポリペプチドを提供する。本発明はまた、哺乳動物、例えばマウスまたはヒトにおけるナイセリア(Neisserial)(例えば、髄膜炎菌)感染を予防するための医薬の製造における本発明の核酸またはポリペプチドの使用を提供する。
哺乳動物は、好ましくはヒトである。ヒトは成人または好ましくは小児でありうる。ワクチンが予防用である場合には、ヒトは好ましくは小児(例えば、幼児または乳児)であり、ワクチンが治療用である場合には、ヒトは好ましくは成人である。小児用に意図されたワクチンは、例えば安全性、投与量、免疫原性などを評価するために、成人にも投与されうる。
該使用および方法は、髄膜炎(特に細菌性髄膜炎、例えば髄膜炎菌性髄膜炎)および菌血症(これらに限定されるものではない)を含む疾患を予防/治療するのに特に有用である。例えば、それらは、髄膜炎菌(N. meningitidis)(たとえば、血清群Bにおけるもの)により引き起こされる侵襲性髄膜炎菌性疾患に対する個体の能動免疫化に適している。
治療処置の効力は、本発明の組成物の投与の後でナイセリア(Neisserial)感染をモニタリングすることにより試験されうる。予防的処置の効力は、該組成物の投与の後でfHbpに対する免疫応答をモニタリングすることにより試験されうる。本発明の組成物の免疫原性は、それを被験者(例えば、12〜16月齢の小児または動物モデル)に投与し、ついで、血清殺菌抗体(SBA)およびELISA力価(GMT)を含む標準パラメータを決定することにより決定されうる。これらの免疫応答を、一般に、該組成物の投与の約4週間後に決定し、該組成物の投与の前に決定された値と比較する。少なくとも4倍または8倍のSBA上昇が好ましい。1用量を超える該組成物が投与される場合には、1回を超える投与後決定がなされうる。
本発明の好ましい組成物は、ヒト被験者の許容率についての各抗原成分の血清防御(抗体保有率)に関する基準より優れた抗体力価をヒト患者において与えうる。宿主が抗原に対して血清転換しているとみなされる下限の関連抗体力価を示す抗原はよく知られており、そのような力価はWHOのような機関により公開されている。好ましくは、統計的に有意な被験者サンプルの80%、より好ましくは90%以上、より一層好ましくは93%以上、最も好ましくは96〜100%が血清転換している。
本発明は、全身免疫および/または粘膜免疫を誘導するために使用されうる。
本発明の組成物は、一般に、ヒト患者に直接投与されうる。直接運搬は(例えば、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、または組織の間質腔への)非経口注射、または直腸、経口、膣、局所、経皮、鼻腔内、眼、耳、肺もしくは他の粘膜投与により達成されうる。大腿または上腕への筋肉内投与が好ましい。注射は針(例えば、皮下注射針)を介したものでありうるが、無針注射も用いられうる。典型的な筋肉内用量は約0.5ml(例えば、BEXSERO(商標)製品において見られるとおり)である。
投薬治療は単一用量スケジュールまたは複数用量スケジュールでありうる。複数用量は初回免疫化スケジュールおよび/またはブースター(追加)免疫化スケジュールにおいて使用されうる。初回用量スケジュールの後、ブースター用量スケジュールが行われうる。初回用量投与間(例えば、4〜16週間隔)および初回投与とブースター投与との間の適当な時機は常套的に決定されうる。例えば、BEXSERO(商標)製品は、投与対象(例えば、乳児またはその他)に応じて1カ月以上の間隔または2カ月以上の間隔で投与される2または3用量として投与される。
本発明の免疫原性組成物は、一般に、医薬上許容される担体を含み、これは、該組成物の投与を受ける患者に有害な抗体の産生を単独では誘導しない、過度な毒性を伴うことなく投与されうる任意の物質でありうる。医薬上許容される担体には、液体、例えば水、塩類液、グリセロールおよびエタノールが含まれうる。補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化物質なども、そのようなビヒクル中に存在しうる。適当な担体の詳細な考察は参考文献43に記載されている。例えば、BEXSERO(商標)製品は塩化ナトリウム、ヒスチジン、スクロース、水酸化アルミニウムおよび注射用水を含む。
ナイセリア(Neisserial)感染は身体の種々の領域を冒し、したがって、本発明の組成物は種々の形態で製造されうる。例えば、該組成物は液体の溶液または懸濁液のいずれかとしての注射剤として製造されうる。注射前に液体ビヒクル中に溶解または懸濁するのに適した固体形態も製造されうる。非経口注射(例えば、筋肉内)に適した組成物が最も好ましい。
該組成物は、好ましくは、無菌性である。それは、好ましくは、発熱物質を含有しない。それは、好ましくは、pH 6〜pH 8、一般にはpH約7で緩衝化されている。組成物が水酸化アルミニウム塩を含む場合には、ヒスチジンバッファーを使用することが好ましい [44]。本発明の組成物はヒトに対して等張性でありうる。
免疫原性組成物は免疫学的有効量の免疫原、および必要に応じて、他の特定されている成分のいずれかを含む。「免疫学的有効量」は、単一用量における又は一連の用量の一部としての個体へのその量の投与が治療または予防に有効であることを意味する。この量は、治療すべき個体の健康および身体状態、年齢、治療すべき個体の分類群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系が抗体を合成する能力、所望の防御の度合、ワクチンの処方、医学的状況に関する治療医師の評価ならびに他の関連要因によって変動する。該量は、通常の試験により決定されうる比較的広い範囲内に含まれると予想される。投薬処置は単一用量スケジュールまたは複数用量スケジュール(例えば、ブースター用量を含む)でありうる。該組成物は他の免疫調節剤と共に投与されうる。
本発明の組成物において使用されうるアジュバントには、不溶性金属塩、水中油型エマルション(例えば、共にスクアレンを含有するMF59またはAS03)、サポニン、LPSの無毒性誘導体(例えば、モノホスホリルリピドAまたは3-O-デアシル化MPL)、免疫刺激性オリゴヌクレオチド、解毒細菌ADP-リボシル化毒素、微粒子、リポソーム、イミダゾキノロンまたはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。免疫刺激剤として作用する他の物質は参照文献45の第7章に開示されている。
水酸化アルミニウムおよび/またはリン酸アルミニウムアジュバントの使用が特に好ましく、ポリペプチドは一般にこれらの塩に吸着される。これらの塩には、オキシヒドロキシドおよびヒドロキシホスファートが含まれる(例えば、参考文献45の第8章および第9章を参照されたい)。該塩は任意の適当な形態(例えば、ゲル、結晶、非晶性形態など)をとりうる。Al+++は < 1 mg/用量で存在するべきである。
最も好ましいアジュバントは、BEXSERO(商標)製品において使用されているとおり、水酸化アルミニウムである。本発明の組成物におけるポリペプチドは、BEXSERO(商標)製品において見られるとおり、このアジュバントに吸着されうる。それは約1 mg/ml Al+++(すなわち、用量0.5ml当たり0.5mg)で含まれうる。
他の抗原成分
本発明の組成物は突然変異v2および/またはv3 fHbp配列を含む。これは、該組成物が抗原の複合的または未特定混合物を含むべきでない場合、例えば、該組成物中に外膜小胞を含まないことが好ましい場合に有用である。本発明のポリペプチドは、好ましくは、異種宿主において組換え発現され、ついで精製される。
細菌当たり2以上の免疫原を標的化するワクチンはエスケープ突然変異体の選択の可能性を低減するため、本発明の組成物は、fHbpポリペプチドを含むことに加えて、1以上の他のナイセリア免疫原をも含みうる。したがって、組成物は、適当な哺乳動物に投与された場合に、髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導する第2のポリペプチドを含みうる。第2のポリペプチドは髄膜炎菌fHbpでありうるが、fHbpではないことが多く、例えば、それはNHBA配列、NadA配列などでありうる。
本発明の組成物はNHBA抗原を含みうる。NHBA抗原は遺伝子NMB2132(GenBankアクセッション番号GI:7227388; 本明細書における配列番号6)として髄膜炎菌血清群B株MC58 [46]に関する公開ゲノム配列内に含まれていた。それ以来、多数の株からのNHBA抗原の配列が公開されている。例えば、NHBAの対立遺伝子形態が参考文献47の図5および15ならびに参考文献1の実施例13および図21(それにおける配列番号3179〜3184)に見られうる。NHBA抗原の種々の免疫原性断片も報告されている。本発明で使用される好ましい287抗原は、(a)配列番号6に対して50%またはそれ以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有する、および/または(b)配列番号6の少なくとも「n」個(ここで、「n」は7またはそれ以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)である)の連続的アミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は配列番号6からのエピトープを含む。本発明の最も有用なNHBA抗原は、対象への投与の後、アミノ酸配列配列番号6からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合しうる抗体を誘導しうる。本発明で使用される有利なNHBA抗原は、対象への投与の後、殺菌性抗髄膜炎菌抗体を誘導しうる。
本発明の組成物はNadA抗原を含みうる。NadA抗原は遺伝子NMB1994(GenBankアクセッション番号GI:7227256; 本明細書における配列番号7)として髄膜炎菌血清群B株MC58 [46]に関する公開ゲノム配列内に含まれていた。それ以来、多数の株からのNadA抗原の配列が公開されており、ナイセリアアドヘシンとしてのそのタンパク質の活性が十分に実証されている。NadAの種々の免疫原性断片も報告されている。本発明で使用される好ましいNadA抗原は、(a)配列番号7に対して50%またはそれ以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有する、および/または(b)配列番号7の少なくとも「n」個(ここで、「n」は7またはそれ以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)である)の連続的アミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は配列番号7からのエピトープを含む。本発明の最も有用なNadA抗原は、対象への投与の後、アミノ酸配列配列番号7からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合しうる抗体を誘導しうる。本発明で使用される有利なNadA抗原は、対象への投与の後、殺菌性抗髄膜炎菌抗体を誘導しうる。配列番号15は1つのそのような断片である。
本発明の組成物はNspA抗原を含みうる。NspA抗原は遺伝子NMB0663(GenBankアクセッション番号GI:7225888; 本明細書における配列番号8)として髄膜炎菌血清群B株MC58 [46]に関する公開ゲノム配列内に含まれていた。該抗原は参考文献48および49から既に公知であった。それ以来、多数の株からのNspA抗原の配列が公開されている。NspAの種々の免疫原性断片も報告されている。本発明で使用される好ましいNspA抗原は、(a)配列番号8に対して50%またはそれ以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有する、および/または(b)配列番号8の少なくとも「n」個(ここで、「n」は7またはそれ以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)である)の連続的アミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は配列番号8からのエピトープを含む。本発明の最も有用なNspA抗原は、対象への投与の後、アミノ酸配列配列番号8からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合しうる抗体を誘導しうる。本発明で使用される有利なNspA抗原は、対象への投与の後、殺菌性抗髄膜炎菌抗体を誘導しうる。
本発明の組成物はHmbR抗原を含みうる。完全長HmbR配列は遺伝子NMB1668(本明細書における配列番号9)として髄膜炎菌血清群B株MC58 [46]に関する公開ゲノム配列内に含まれいた。本発明は、完全長HmbR配列を含むポリペプチドを使用しうるが、本発明は、部分HmbR配列を含むポリペプチドを使用することが多いであろう。したがって、幾つかの実施形態においては、本発明で使用されるHmbR配列は、配列番号9に対して少なくともi%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことが可能であり、ここで、iの値は50、60、70、80、90、95、99またはそれ以上である。他の実施形態においては、本発明に従い使用されるHmbR配列は配列番号9からの少なくともj個の連続的アミノ酸の断片を含むことが可能であり、ここで、jの値は7、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上である。他の実施形態においては、本発明に従い使用されるHmbRは、(i)配列番号9に対して少なくともi%の配列同一性を有する、および/または(ii)配列番号9からの少なくともj個の連続的アミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含みうる。j個のアミノ酸の好ましい断片は配列番号9からのエピトープを含む。そのようなエピトープは、通常、HmbRの表面上に位置するアミノ酸を含む。有用なエピトープには、ヘモグロビンへのHmbRの結合に関与するアミノ酸を有するものが含まれる。なぜなら、これらのエピトープに結合する抗体は宿主ヘモグロビンへの細菌の結合能を阻止しうるからである。HmbRのトポロジーおよびその重要な機能性残基が参考文献50において調べられている。本発明の最も有用なHmbR抗原は、対象への投与の後、アミノ酸配列配列番号9からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合しうる抗体を誘導しうる。本発明で使用される有利なHmbR抗原は、対象への投与の後、殺菌性抗髄膜炎菌抗体を誘導しうる。
本発明の組成物はNhhA抗原を含みうる。NhhA抗原は遺伝子NMB0992(GenBankアクセッション番号GI:7226232; 本明細書における配列番号10)として髄膜炎菌血清群B株MC58 [46]に関する公開ゲノム配列内に含まれていた。それ以来、多数の株からのNhhA抗原の配列が公開されており(例えば、参考文献47および51)、NhhAの種々の免疫原性断片が報告されている。それはHsfとしても公知である。本発明で使用される好ましいNhhA抗原は、(a)配列番号10に対して50%またはそれ以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有する、および/または(b)配列番号10の少なくとも「n」個(ここで、「n」は7またはそれ以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)である)の連続的アミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は配列番号10からのエピトープを含む。本発明の最も有用なNhhA抗原は、対象への投与の後、アミノ酸配列配列番号10からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合しうる抗体を誘導しうる。本発明で使用される有利なNhhA抗原は、対象への投与の後、殺菌性抗髄膜炎菌抗体を誘導しうる。
本発明の組成物はApp抗原を含みうる。App抗原は遺伝子NMB1985(GenBankアクセッション番号GI:7227246; 本明細書における配列番号11)として髄膜炎菌血清群B株MC58 [46]に関する公開ゲノム配列内に含まれていた。それ以来、多数の株からのApp抗原の配列が公開されている。Appの種々の免疫原性断片も報告されている。本発明で使用される好ましいApp抗原は、(a)配列番号11に対して50%またはそれ以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有する、および/または(b)配列番号11の少なくとも「n」個(ここで、「n」は7またはそれ以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)である)の連続的アミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は配列番号11からのエピトープを含む。本発明の最も有用なApp抗原は、対象への投与の後、アミノ酸配列配列番号11からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合しうる抗体を誘導しうる。本発明で使用される有利なApp抗原は、対象への投与の後、殺菌性抗髄膜炎菌抗体を誘導しうる。
本発明の組成物はOmp85抗原を含みうる。Omp85抗原は遺伝子NMB0182(GenBankアクセッション番号GI:7225401; 本明細書における配列番号12)として髄膜炎菌血清群B株MC58 [46]に関する公開ゲノム配列内に含まれていた。それ以来、多数の株からのOmp85抗原の配列が公開されている。Omp85に関する更なる情報は参考文献52および53に見出されうる。Omp85の種々の免疫原性断片も報告されている。本発明で使用される好ましいOmp85抗原は、(a)配列番号12に対して50%またはそれ以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有する、および/または(b)配列番号12の少なくとも「n」個(ここで、「n」は7またはそれ以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)である)の連続的アミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は配列番号12からのエピトープを含む。本発明の最も有用なOmp85抗原は、対象への投与の後、アミノ酸配列配列番号12からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合しうる抗体を誘導しうる。本発明で使用される有利なOmp85抗原は、対象への投与の後、殺菌性抗髄膜炎菌抗体を誘導しうる。
本発明の組成物は936抗原を含みうる。936抗原は遺伝子NMB2091(本明細書における配列番号13)として髄膜炎菌血清群B株MC58 [46]に関する公開ゲノム配列内に含まれていた。本発明で使用される好ましい936抗原は、(a)配列番号13に対して50%またはそれ以上(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有する、および/または(b)配列番号13の少なくとも「n」個(ここで、「n」は7またはそれ以上(例えば、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)である)の連続的アミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は配列番号13からのエピトープを含む。本発明の最も有用な936抗原は、対象への投与の後、アミノ酸配列配列番号13からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合しうる抗体を誘導しうる。936抗原はfHbpの良好な融合相手である(例えば、参考文献54および55を参照されたい)。
組成物は、配列番号14を含むポリペプチド、配列番号15を含むポリペプチド、および突然変異fHbp v2アミノ酸配列と配列番号13とを含む本発明のポリペプチドを含みうる(参考文献54および55を参照されたい)。
組成物は、配列番号14を含むポリペプチド、配列番号15を含むポリペプチド、および突然変異fHbp v3アミノ酸配列と配列番号13とを含む本発明のポリペプチドを含みうる(参考文献54および55を参照されたい)。
幾つかの実施形態においては、本発明のポリペプチドはもう1つの髄膜炎菌fHbp配列と組合される。特に、v2ポリペプチドは、株標的範囲(strain coverage)のスペクトルを増大させるために、v1および/またはv3ポリペプチドと組合されうる [160]。したがって、組成物は、(i)突然変異fHbp v2アミノ酸配列を含む本発明のポリペプチドと、(ii)v1 fHbpポリペプチドおよび/またはv3 fHbpポリペプチドとを含みうる。他の実施形態においては、本発明のポリペプチドは、(i)突然変異fHbp v2アミノ酸配列と、(ii)v1 fHbpアミノ酸配列および/またはv3 fHbpアミノ酸配列とを含みうる。したがって、v1および/またはv3配列は組成物における別々の物質として(または前記のとおりの融合ポリペプチド内で)突然変異v2配列と組合されうる。
同様に、v3ポリペプチドは、株標的範囲のスペクトルを増大させるために、v1および/またはv3ポリペプチドと組合されうる [160]。したがって、組成物は、(i)突然変異fHbp v3アミノ酸配列を含む本発明のポリペプチドと、(ii)v1 fHbpポリペプチドおよび/またはv2 fHbpポリペプチドとを含みうる。他の実施形態においては、本発明のポリペプチドは、(i)突然変異fHbp v3アミノ酸配列と、(ii)v1 fHbpアミノ酸配列および/またはv2 fHbpアミノ酸配列とを含みうる。したがって、v1および/またはv2配列は組成物における別々の物質として(または前記のとおりの融合ポリペプチド内で)突然変異v3配列と組合されうる。
更に、突然変異v2およびv3ポリペプチドは、株標的範囲のスペクトルを増大させるために互いに組合されうる。したがって、組成物は、(i)突然変異fHbp v2アミノ酸配列を含む本発明のポリペプチド、(ii)突然変異fHbp v3アミノ酸配列を含む本発明のポリペプチド、および(iii)fHbp v1ポリペプチドを含みうる。他の実施形態においては、本発明のポリペプチドは、(i)突然変異fHbp v2アミノ酸配列、(ii)突然変異v3 fHbpアミノ酸配列、および(iii)fHbp v1アミノ酸配列とを含みうる。したがって、突然変異v2およびv3配列は組成物における別々の物質として(または前記のとおりの融合ポリペプチド内で)v1配列と組合されうる。v1配列は野生型配列または突然変異配列でありうる。
v1 fHbpは、(a)配列番号16に対して少なくともk%の同一性を有するアミノ酸配列、および/または(b)配列番号16の断片を含みうる。「k」および断片に関する情報は前記に記載されている。該断片は、典型的には、配列番号16からの少なくとも1つのエピトープを含み、v1 fHbpポリペプチドは、本発明のv2またはv3アミノ酸配列には存在しない少なくとも1つのエピトープを含んでいて、v1 fHbpにより誘導される抗体はv1株を認識しうる。理想的には、v1 fHbpは、v1株に対して、例えば株MC58(「BAA-335」としてATCCから入手可能)に対して殺菌性である抗体を誘導しうる。v1 fHbpは、fHへのその結合能を破壊するアミノ酸突然変異を含みうる。
v2 fHbpは、(a)配列番号5に対して少なくともk%の同一性を有するアミノ酸配列、および/または(b)配列番号5の断片を含みうる。「k」および断片に関する情報は前記に記載されている。該断片は、典型的には、配列番号5からの少なくとも1つのエピトープを含み、v2 fHbpポリペプチドは、本発明のv3アミノ酸配列には存在しない少なくとも1つのエピトープを含んでいて、v2 fHbpにより誘導される抗体はv2株を認識しうる。理想的には、v2 fHbpは、v2株に対して、例えば株M2091(ATCC 13091)に対して殺菌性である抗体を誘導しうる。v2 fHbpは本発明の第1の態様のポリペプチドでありうる。
v3 fHbpは、(a)配列番号17に対して少なくともk%の同一性を有するアミノ酸配列、および/または(b)配列番号17の断片を含みうる。「k」および断片に関する情報は前記に記載されている。該断片は、典型的には、配列番号17からの少なくとも1つのエピトープを含み、v3 fHbpポリペプチドは、本発明のv2アミノ酸配列には存在しない少なくとも1つのエピトープを含んでいて、v3 fHbpにより誘導される抗体はv3株を認識しうる。理想的には、v3 fHbpは、v3株に対して、例えば株M01-240355に対して殺菌性である抗体を誘導しうる。v3 fHbpは本発明の第2の態様のポリペプチドでありうる。
ナイセリア(Neisserial)ポリペプチド抗原に加えて、該組成物は、他の疾患または感染に対して免疫化するための抗原を含みうる。例えば、該組成物は以下の他の抗原の1以上を含みうる。
・髄膜炎菌(ナイセリア・メニンジティディス(N. meningitidis)血清群A、C、W135および/またはY由来の糖抗原、例えば、血清群C由来の参考文献56(参考文献57も参照されたい)または参考文献58に開示されている糖.
・ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)由来の糖抗原 [例えば、59、60、61] .
・A型肝炎ウイルス由来の抗原、例えば不活化ウイルス [例えば、62、63] .
・B型肝炎ウイルス由来の抗原、例えば表面および/またはコア抗原 [例えば、63、64] .
・ジフテリア抗原、例えばジフテリアトキソイド [例えば、参考文献65の第3章]、例えばCRM197突然変異体 [例えば、66].
・破傷風抗原、例えば破傷風トキソイド(例えば、参考文献65の第4章).
・ボルデテラ・ペルツッシス(Bordetella pertussis)抗原、例えば百日咳ホロ毒素(PT)、およびボルデテラ・ペルツッシス由来の線維状赤血球凝集素(FHA)、ならびにそれと、所望により使用されうるパータクチンおよび/または凝集原2および3との組合せ(例えば、参考文献67および68).
・ヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)B由来の糖抗原 [例えば、57].
・ポリオ抗原 [例えば、69、70]、例えばIPV.
・麻疹、流行性耳下腺炎および/または風疹抗原(例えば、参考文献65の第9章、10章および11章).
・インフルエンザ抗原(例えば、参考文献65の第19章)、例えば、赤血球凝集素および/またはノイラミニダーゼ表面タンパク質.
・モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)由来の抗原 [例えば、71]。
・ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)(群Bストレプトコッカス)由来のタンパク質抗原 [例えば、72、73].
・ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)(群Bストレプトコッカス)由来の糖抗原.
・ストレプトコッカス・ピオゲネス(群Aストレプトコッカス)由来の抗原 [例えば、73、74、75].
・スタヒロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)由来の抗原 [例えば、76].
該組成物はこれらの他の抗原の1以上を含みうる。
毒性タンパク質抗原は、必要に応じて、解毒されうる(例えば、化学的および/または遺伝的手段による百日咳毒素の解毒 [68])。
ジフテリア抗原が該組成物中に含まれる場合、破傷風抗原および百日咳抗原をも含有させることが好ましい。同様に、破傷風抗原が含まれる場合、ジフテリアおよび百日咳抗原をも含有させることが好ましい。同様に、百日咳抗原が含まれる場合、ジフテリアおよび破傷風抗原をも含有させることが好ましい。このように、DTPの組合せが好ましい。
糖抗原は、好ましくは、コンジュゲートの形態である。該コンジュゲートのための担体タンパク質は後記に更に詳細に記載されている。
該組成物中の抗原は、典型的には、それぞれ少なくとも1μg/mlの濃度で存在する。一般に、任意の与えられた抗原の濃度は、その抗原に対する免疫応答を誘導するのに十分なものであろう。
本発明の免疫原性組成物は治療用(すなわち、既存感染を治療するため)または予防用(すなわち、将来の感染を予防するため)に使用されうる。
本発明の免疫原性組成物においてタンパク質抗原を使用することに代わる代替手段として、該抗原をコードする核酸(RNA、例えば自己複製性RNA、またはDNA、例えばプラスミドでありうるであろう)が使用されうる。
幾つかの実施形態においては、本発明の組成物は、fHbp配列に加えて、髄膜炎菌血清群A、C、W135およびYの1、2、3または4個からのコンジュゲート化莢膜糖抗原を含む。他の実施形態においては、本発明の組成物は、fHbp配列に加えて、少なくとも1つのコンジュゲート化肺炎球菌莢膜糖抗原を含む。
髄膜炎菌血清群Y、W135、CおよびA
現在の血清群Cワクチン(MENJUGATE(商標)[56、77]、MENINGITEC(商標)およびNEISVAC-C(商標))はコンジュゲート化糖を含む。Menjugate(商標)およびMeningitec(商標)は、CRM197担体にコンジュゲート化されたオリゴ糖抗原を含有し、一方、NEISVAC-C(商標)は、破傷風トキソイド担体にコンジュゲート化された完全多糖(デ-O-アセチル化)を使用する。MENACTRA(商標)ワクチンは血清群Y、W135、CおよびAのそれぞれからのコンジュゲート化莢膜糖抗原を含有する。
本発明の組成物は髄膜炎菌血清群Y、W135、CおよびAの1以上からの莢膜糖抗原を含むことが可能であり、ここで、該抗原は担体タンパク質にコンジュゲート化されており、および/またはオリゴ糖である。例えば、該組成物は血清群C、血清群AおよびC、血清群A、CおよびW135、血清群A、CおよびY、血清群C、W135およびYからの、または血清群A、C、W135およびYの4つ全てからの莢膜糖抗原を含みうる。
用量当たりの各髄膜炎菌糖抗原の典型的な量は1μg〜20μg、例えば約1μg、約2.5μg、約4μg、約5μg、または約10μg(糖としての表示)である。
混合物が血清群AおよびCの両方からの莢膜糖を含む場合、MenA糖:MenC糖の比(w/w)は1より大きいこと(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1またはそれ以上)が可能である。混合物が血清群Yならびに血清群CおよびW135の一方または両方からの莢膜糖を含む場合、MenY糖:MenW135糖の比(w/w)は1より大きいこと(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1またはそれ以上)が可能であり、および/またはMenY糖:MenC糖の比(w/w)は1未満であること(例えば、1:2、1:3、1:4、1:5またはそれ未満)が可能である。血清群A:C:W135:Yからの糖に関する好ましい比(w/w)は1:1:1:1、1:1:1:2、2:1:1:1、4:2:1:1、8:4:2:1、4:2:1:2、8:4:1:2、4:2:2:1、2:2:1:1、4:4:2:1、2:2:1:2、4:4:1:2および2:2:2:1である。血清群C:W135:Yからの糖に関する好ましい比(w/w)は1:1:1、1:1:2、1:1:1、2:1:1、4:2:1、2:1:2、4:1:2、2:2:1および2:1:1である。実質的に等しい質量の各糖を使用するのが好ましい。
莢膜糖はオリゴ糖の形態で使用されうる。これらは(例えば、加水分解による)精製莢膜多糖の断片化により簡便に形成され、ついで通常、所望のサイズの断片の精製に付される。
多糖の断片化は、好ましくは、30未満(例えば、血清群Aに関しては10〜20、好ましくは約10、血清群W135およびYに関しては15〜25、好ましくは約15〜20、血清群Cに関しては12〜22など)の、オリゴ糖における最終平均重合度(DP)が得られるように行われる。DPは、イオン交換クロマトグラフィーまたは比色アッセイにより簡便に測定されうる [78]。
加水分解を行う場合、加水分解産物は、一般に、短い長さのオリゴ糖を除去するためにサイズ分類される [57]。これは、種々の方法で、例えば限外濾過およびそれに続くイオン交換クロマトグラフィーにより達成されうる。血清群Aの場合には、好ましくは、約6以下の重合度を有するオリゴ糖は除去され、血清群W135およびYの場合には、好ましくは、約4未満のオリゴ糖は除去される。
好ましいMenC多糖抗原(MENJUGATE(商標)において使用されているもの)が参考文献77に開示されている。
該糖抗原は化学修飾されうる。これは、血清群Aに関する加水分解を低減するのに特に有用である [79]。髄膜炎菌糖のデ-O-アセチル化が行われうる。オリゴ糖の場合、脱重合の前または後で修飾が行われうる。
本発明の組成物がMenA糖抗原を含む場合、該抗原は、好ましくは、天然糖上のヒドロキシル基の1以上が保護基により置換された修飾糖である [79]。この修飾は加水分解に対する抵抗性を改善する。
共有結合によるコンジュゲート化
本発明の組成物における莢膜糖は、通常、担体タンパク質にコンジュゲート化される。一般に、コンジュゲート化は糖の免疫原性を増強する。なぜなら、それは糖をT非依存性抗原からT依存性抗原へと変換して、免疫記憶のためのプライミングを可能にするからである。コンジュゲート化は小児科用ワクチンに特に有用であり、よく知られた技術である。
典型的な担体タンパク質は細菌毒素、例えばジフテリアもしくは百日咳毒素、またはトキソイドまたはそれらの突然変異体である。CRM197ジフテリア毒素突然変異体 [80]は有用であり、PREVNAR(商標)製品における担体である。他の適当な担体タンパク質には、髄膜炎菌(N.meningitidis)外膜タンパク質複合体 [81]、合成ペプチド [82、83]、熱ショックタンパク質 [84、85]、百日咳タンパク質 [86、87]、サイトカイン [88]、リンホカイン [88]、ホルモン [88]、増殖因子 [88]、種々の病原体由来抗原からの複数のヒトCD4+ T細胞エピトープを含む人工タンパク質 [89]、例えばN19 [90]、ヘモフィルス・インフルエンゼ(H.influenzae)由来のプロテインD [91〜93]、ニューモリシン [94]またはその無毒性誘導体 [95]、肺炎球菌表面タンパク質PspA [96]、鉄取り込みタンパク質 [97]、クロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile)由来の毒素AまたはB [98]、組換えシュードモナス・エルジノーサ(P.aeruginosa)エクソプロテインA(rEPA) [99]などが含まれる。
必要に応じて任意の適当なリンカーと共に、任意の適当なコンジュゲート化反応が使用されうる。
糖は、典型的には、コンジュゲート化の前に活性化または官能基化される。活性化は、例えばシアニル化試薬、例えばCDAP(例えば、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボラート [100、101など])を使用しうる。他の適当な技術はカルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUなどを使用する。
リンカー基を介した連結は、任意の公知方法、例えば参考文献102および103に記載されている方法を用いて行われうる。1つのタイプの連結は、多糖の還元的アミノ化、生じたアミノ基の、アジピン酸リンカー基の一方の末端とのカップリング、ついで、該アジピン酸リンカー基の他方の末端へのタンパク質のカップリングを用いる [104、105]。他のリンカーには、B-プロピオンアミド [106]、ニトロフェニル-エチルアミン [107]、ハロゲン化ハロアシル [108]、グリコシド結合 [109]、6-アミノカプロン酸 [110]、ADH [111]、C4〜C12部分 [112]などが含まれる。リンカーを使用することに代わる代替手段として、直接連結が用いられうる。タンパク質への直接連結は多糖の酸化、およびそれに続く、該タンパク質を使用する還元的アミノ化(例えば、参考文献113および114に記載されているとおり)を含みうる。
糖内へのアミノ基の導入(例えば、末端 =O基を-NH2で置換することによるもの)、それに続くアジピン酸ジエステル(例えば、アジピン酸N-ヒドロキシスクシンイミドジエステル)での誘導体化、および担体タンパク質との反応を含む方法が好ましい。もう1つの好ましい反応は、例えばMenAまたはMenCの場合には、プロテインD担体でのCDAP活性化を用いる。
外膜小胞(OMV)
本発明の組成物は複合体は、OMVの典型的特徴である、抗原の複合的または未特定混合物を含まないことが好ましい。しかし、本発明はOMVと共に使用されうる。なぜなら、fHbpは、単純な混合によっても、あるいはOMVの製造に使用される株において本発明のポリペプチドを過剰発現させることによっても、その効力を増強することが判明しているからである [4]。
このアプローチは、髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群B微小胞 [115]、「天然OMV」 [116]、ブレブまたは外膜小胞の製造を改善するために一般に用いられうる(例えば、参考文献117〜123など)。
典型的な外膜小胞は細菌から人工的に製造され、界面活性剤処理(例えば、デオキシコラートを使用するもの)または非界面活性剤手段(例えば、参考文献127を参照されたい)を用いて製造される。OMVを形成するための技術には、界面活性剤を沈殿させないのに十分に高いpHで胆汁酸塩界面活性剤(例えば、リトコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、デオキシコール酸、コール酸、ウルソコール酸の塩など; ナイセリアの処理にはデオキシコール酸ナトリウム[124および125]が好ましい)で細菌を処理することが含まれる[126]。他の技術は、音波処理、均質化、顕微溶液化、空洞化、浸透圧ショック、粉砕、フレンチプレス、混合などのような技術を用いて、界面活性剤の実質的に非存在下で行われうる[127、128]。界界面活性剤を使用しない又は少量の界面活性剤を使用する方法は、有用な抗原、例えばNspAおよびfHbpを維持させうる[127]。したがって、本発明で使用されるOMVは、約0.5%以下、例えば約0.2%、約0.1%、0.05%未満または更には0%のデオキシコラートを含有するOMV抽出バッファーを使用して製造されうる。
MV(膜小胞)およびNOMV(天然外膜小胞)として公知の小胞は、細菌増殖中に自然に生じ培地内に遊離する、天然に存在する膜小胞である。MVは、ブロス培地内でナイセリアを培養し、該ブロス培地内の、より小さいMVから、(例えば、濾過により、またはより小さな小胞ではなく細胞のみをペレット化するための低速遠心分離により)全細胞を分離し、ついで(例えば、濾過により、MVの示差的沈殿または凝集により、MVをペレット化するための高速遠心分離により)細胞枯渇培地からMVを集めることにより得られうる。MVの製造において使用される株は、一般に、培養内で製造されたMVの量に基づいて選択されうる(例えば、参考文献135および136は、高いMV産生性を示すナイセリアを記載している)。
小胞は、例えば、免疫原性を増強するために(例えば、高発現免疫原)、毒性を低減するために、莢膜多糖合成を抑制するために、PorA発現をダウンレギュレーションするなどのために遺伝的に操作された細菌から製造されうる [129〜132]。それらは超小胞形成性(hyperblebbing)株から製造されうる [133〜136]。種々のクラスI外膜タンパク質サブタイプを有する細菌からの小胞が使用されうる(例えば、3つのサブタイプをそれぞれが示す2つの異なる遺伝的に操作された小胞集団を使用する6つの異なるサブタイプ [137、138]、または3つのサブタイプをそれぞれが示す3つの異なる遺伝的に操作された小胞集団を使用する9つの異なるサブタイプなど)。有用なサブタイプには、P1.7,16、P1.5-1,2-2、P1.19,15-1、P1.5-2,10、P1.12-1,13、P1.7-2,4、P1.22,14、P1.7-1,1、P1.18-1,3,6が含まれる。しかし、一般に、本発明は野生型髄膜炎菌株からOMVを製造することが好ましい。
したがって、本発明で使用される小胞は任意の野生型髄膜炎菌株から製造されうる。該小胞は通常は血清群B株に由来するが、A、C、W135またはYのようなB以外の血清群からもそれを製造することが可能である(例えば、参考文献126は血清群Aに関する方法を開示している)。該株は任意の血清型(例えば、1、2a、2b、4、14、15、16など)、任意の血清サブタイプ(例えば、P1.4)および任意の免疫型(例えば、L1、L2、L3、L3,7、L3,7,9、L10など)のものでありうる。髄膜炎菌は、超侵襲性(hyperinvasive)および超毒性(hypervirulent)系統を含む任意の適当な系統からのもの、例えば、以下の7つの超毒性系統のいずれかでありる:血清群I、血清群III、血清群IV-1、ET-5複合体、ET-37複合体、A4クラスター、系統3。最も好ましくは、OMVは、株NZ98/254、またはP1.4 PorA血清サブタイプを有する別の株から製造される。本発明は、有利には、株NZ98/254から製造された、BEXSERO(商標)およびMENZB(商標)製品において使用されているのと同じOMVを使用する。
小胞は、一般に、髄膜炎菌リポオリゴ糖(LOS; LPS、リポ多糖としても公知)を含むが、OMVにおけるLOSの発熱作用は、同量の精製LOSで見られるものより遥かに低く、水酸化アルミニウムへのOMVの吸着は発熱性を更に低減する。LOSレベルは内毒素の国際単位(IU)で表され、LALアッセイ(カブトガニ血球抽出成分)により試験されうる。好ましくは、LOSはOMVタンパク質1μg当たり2000 IU未満で存在する。
LOSが小胞内に存在する場合、該小胞を処理して、そのLOSおよびタンパク質成分を連結すること(「ブレブ内」コンジュゲート化 [139])が可能である。
OMV精製のための有用な方法は参考文献140に記載されており、高速遠心分離ではなく、粗OMVに対する限外濾過を含む。該方法は、限外濾過を行った後に超遠心分離の工程を含みうる。OMVは、参考文献152に記載されている2段階サイズ濾過法を用いることによっても精製されうる。
OMVは、通常、それが調製された後、スクロース溶液に懸濁されうる。
宿主細胞
本発明は、本発明のポリペプチドを発現する細菌を提供する。該細菌は髄膜炎菌または大腸菌(E.coli)でありうる。該細菌は該ポリペプチドを構成的に発現するが、幾つかの実施形態においては、発現は誘導プロモーターの制御下で生じうる。該細菌は該ポリペプチドを超発現しうる(参考文献141を参照されたい)。該ポリペプチドの発現は理想的には相変異性ではない。
本発明はまた、本発明の細菌から(特に髄膜炎菌から)製造された外膜小胞を提供する。本発明はまた、本発明の細菌からの小胞の製造方法を提供する。これらの株から製造された小胞は、好ましくは、本発明のポリペプチドを含み、これは該小胞における免疫利用可能(immunoaccessible)形態であるべきである。すなわち、本発明の精製ポリペプチドに結合しうる抗体は、該小胞内に存在するポリペプチドにも結合可能であるべきである。
本発明の細菌は、本発明のポリペプチドをコードしていることに加えて、1以上の他の修飾を有しうる。例えば、それは、修飾されたfur遺伝子 [142]を有しうる。nspAの発現は付随的なporAおよびcpsノックアウトでアップレギュレーションされうる。OMV産生のための髄膜炎菌(N.meningitidis)の他のノックアウト突然変異体が例えば参考文献139に開示されている。参考文献143は、6つの異なるPorAサブタイプを発現するように修飾された株からの小胞の構築を開示している。LPSの生合成に関与する酵素のノックアウトにより得られる低い内毒素レベルを示す突然変異ナイセリアも使用されうる [144、145]。LPSのリピドA部分を毒性することに関与する少なくとも1つの遺伝子、特にlpxl1遺伝子の発現を低減または阻止するために操作された突然変異ナイセリアが本発明で使用されうる [146]。同様に、莢膜多糖の合成または輸出に関与する少なくとも1つの遺伝子、特にsynXおよび/またはctrA遺伝子の発現を低減または阻止するために操作された突然変異ナイセリアが本発明で使用されうる。これらの又は他の突然変異体は全て本発明で使用されうる。
幾つかの実施形態においては、株はPorA発現に関してダウンレギュレーションされていてもよく、例えば、この場合、PorAの量は野生型レベルに対して(例えば、株H44/76に対して)少なくとも20%(例えば、>30%、>40%、>50%、>60%、>70%、>80%、>90%、>95%など)低減しており、または更にはノックアウトされている。
幾つかの実施形態においては、株は或るタンパク質を(対応する野生型株と比較して)超発現(過剰発現)しうる。例えば、株はNspA、プロテイン287 [117]、fHbp [141](本発明のfHbpを含む)、TbpAおよび/またはTbpB [147]、Cu,Zn-スーパーオキシドジスムターゼ、HmbRなどを超発現しうる。
本発明のポリペプチドをコードする遺伝子は細菌染色体内に組込まれることが可能であり、あるいは例えばプラスミド内に、エピソーム形態で存在することが可能である。
小胞製造のためには有利には、該ポリペプチドの発現が相変異に付されないように、髄膜炎菌は遺伝的に操作されうる。髄膜炎菌における遺伝子発現の相変異性を低減または排除するための方法は参考文献148に開示されている。例えば、遺伝子は構成的プロモーターまたは誘導プロモーター制御下に配置されることが可能であり、あるいはその相変異性をもたらすDNAモチーフが除去または置換されうる。
幾つかの実施形態においては、株は、参考文献122、129、133および139に開示されているノックアウトおよび/または超発現突然変異の1以上を含みうる。例えば、これらの4つの文書における指針および命名に従えば、ダウンレギュレーションおよび/またはノックアウトのための有用な遺伝子には以下のものが含まれる:(a) Cps, CtrA, CtrB, CtrC, CtrD, FrpB, GalE, HtrB/MsbB, LbpA, LbpB, LpxK, Opa, Opc, PilC, PorB, SiaA, SiaB, SiaC, SiaD, TbpAおよび/またはTbpB; (b) CtrA, CtrB, CtrC, CtrD, FrpB, GalE, HtrB/MsbB, LbpA, LbpB, LpxK, Opa, Opc, PhoP, PilC, PmrE, PmrF, SiaA, SiaB, SiaC, SiaD, TbpAおよび/またはTbpB ; (c) ExbB, ExbD, rmpM, CtrA, CtrB, CtrD, GalE, LbpA, LpbB, Opa, Opc, PilC, PorB, SiaA, SiaB, SiaC, SiaD, TbpAおよび/またはTbpB; あるいは (d) CtrA, CtrB, CtrD, FrpB, OpA, OpC, PilC, PorB, SiaD, SynA, SynB, SynXおよび/またはSynC。
突然変異株を使用する場合、幾つかの実施形態においては、それは以下の特徴の1以上又は全てを有しうる:(i)髄膜炎菌LOSをトランケート化するための、ダウンレギュレーションまたはノックアウトされたLgtBおよび/またはGalE;(ii)アップレギュレーションされたTbpA;(iii)アップレギュレーションされたNhhA;(iv)アップレギュレーションされたOmp85;(v)アップレギュレーションされたLbpA;(vi)アップレギュレーションされたNspA;(vii)ノックアウトされたPorA;(viii)ダウンレギュレーションまたはノックアウトされたFrpB;(ix)ダウンレギュレーションまたはノックアウトされたOpa;(x)ダウンレギュレーションまたはノックアウトされたOpc;(xii)欠失したcps遺伝子複合体。トランケート化LOSは、シアリル-ラクト-N-ネオテトラオースエピトープを含まないものであることが可能であり、例えば、それはガラクトース欠損LOSでありうるであろう。LOSはα鎖を有さなくてもよい。
該小胞を製造するために使用される髄膜炎菌株に応じて、それらは株の天然fHbp抗原を含んでいても含んでいなくてもよい [149]。
1つの好ましい実施形態においては、髄膜炎菌は機能的MltAタンパク質を発現しない。参考文献150および151に記載されているとおり、髄膜炎菌におけるMltA(膜結合溶解性トランスグリコシラート; GNA33としても公知)のノックアウトは、大量の膜小胞を培地内に自然に遊離する細菌を与え、該膜小胞は該培養から容易に精製されうる。例えば、(i)小胞を細菌から、それらの異なるサイズに基づいて分離して、該小胞を濾液内へと通過させる、第1濾過工程、および(ii)該小胞を残余分内に保持させる第2濾過工程を含む、参考文献152の2段階サイズ濾過法を用いて、該小胞は精製されうる。MltA突然変異(ダウンレギュレーションまたはノックアウト)は「GMMA」ワクチンにおいて用いられており [153]、特に、LPSのリピドA部分を毒性にすることに関与する少なくとも1つの遺伝子(特にlpxl1)および/または莢膜多糖の合成もしくは輸出に関与する少なくとも1つの遺伝子(特にsynXおよび/またはctrA遺伝子)の更なるダウンレギュレーションまたはノックアウトと簡便に組合されうる。
このアプローチを用いる「GMMA」(膜抗原用一般化モジュール(Generalized Module for Membrane Antigens))ワクチンのための好ましい髄膜炎菌株は本発明の第1、第3もしくは第5の態様の突然変異v2 fHbpおよび/または第2、第4もしくは第6の態様の突然変異v3 fHbpを発現し、発現は強力なプロモーターにより駆動されうる。この株により遊離される小胞は免疫原性形態の突然変異v2および/またはv3 fHbpタンパク質を含み、該小胞の投与は、参考文献153に記載されているとおり、殺菌性抗体応答をもたらしうる。該株はv1 fHbpを発現することも可能であり、あるいはその代わりに、v1 fHbpは可溶性形態の別個の組換えタンパク質として提供されうる(そしてv1 fHbpは野生型または突然変異配列であることが可能であり、例えば、前記のとおり、fHへのその結合能を破壊するように突然変異していることが可能である)。本発明はそのような株を提供し、そしてまた、例えば該株の増殖の後で培地から精製形態としてこれらの株が遊離する小胞をも提供する。これらの株における発現のための好ましいv2突然変異体は、本明細書に記載されているとおり、L123およびE240(そして所望によりS32)に突然変異を有し、これらの株における発現のための好ましいv3突然変異体は、本明細書に記載されているとおり、L126およびE243(そして所望によりS32)に突然変異を有する。したがって、これらのv2およびv3突然変異fHbp配列を発現する髄膜炎菌から遊離した小胞は、本発明のワクチンにおいて使用される特に好ましい免疫原である。このような突然変異誘発のための有用な野生型v2配列は配列番号35または配列番号33(配列番号34からのΔGを含む)を含み、このような突然変異誘発のための有用な野生型v3配列は配列番号36を含む。
そのような株において使用される有用なプロモーターには、参考文献154および155に開示されているものが含まれる。例えば、該プロモーターは、(a)特に髄膜炎菌(N.meningitidis)由来のポリン遺伝子、好ましくはporAまたはporBからのプロモーター、あるいは(b)特に髄膜炎菌(N.meningitidis)由来のrRNA遺伝子プロモーター(例えば、16S rRNA遺伝子)でありうる。髄膜炎菌ポリンプロモーターを使用する場合、それは好ましくはporAであり、更に詳細には、髄膜炎菌porA遺伝子プロモーターからの-10領域および/または髄膜炎菌porA遺伝子プロモーターからの-35領域である(好ましくは、この場合、-10領域および-35領域は12〜20ヌクレオチドの介在配列により隔てられており、該介在配列はポリG配列を含有せず、あるいは8個以下の連続的Gヌクレオチドを有するポリG配列を含む)。rRNA遺伝子プロモーターを使用する場合、それは、より詳細には、(i)髄膜炎菌rRNA遺伝子プロモーターからの-10領域、および/または(ii)髄膜炎菌rRNA遺伝子プロモータからの-35領域を含みうる。(a)と(b)とのハイブリッドを使用すること、例えば、porAプロモーターからの-10領域とrRNAプロモーターからの-35領域(これはコンセンサス-35領域でありうる)とを含有させることも可能である。したがって、有用なプロモーターは、(i)(特に髄膜炎菌)rRNA遺伝子からの-10領域および(特に髄膜炎菌)porA遺伝子からの-35領域、または(ii)(特に髄膜炎菌)porA遺伝子からの-10領域および(特に髄膜炎菌)rRNA遺伝子からの-35領域を含むプロモーターでありうる。
一般的事項
「含む」なる語は「包含する」および「からなる」を含む。例えば、Xを「含む」組成物は専らXからなることが可能であり、あるいは追加的なものを含むこと(例えば、X + Y)が可能である。「含む」(または「含み」など)なる語は、所望により、「からなる」(または「からなり」など)なる語により置き換えられうる。
数値xに関する「約」なる語は、所望により用いられうるものであり、例えばx±10%を意味する。
「実質的に」なる語は「完全に」を除外するものではなく、例えば、Yを「実質的に含有しない」組成物は、Yを完全に含有しないものであってもよい。必要に応じて、「実質的に」なる語は本発明の定義から省略されうる。
「配列同一性」は、好ましくは、デフォルトパラメータ(例えば、ギャップオープニングペナルティ = 10.0およびギャップ伸長ペナルティ = 0.5、EBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用)を使用するNeedleman-Wunschグローバルアライメントアルゴリズム [156]により決定される。このアルゴリズムは、EMBOSSパッケージにおけるニードル(needle)ツールにおいて簡便に実行される [157]。その適用が特定の配列番号に対する配列同一性に関するものである場合、該同一性はその配列番号の全長にわたって計算されるべきである。
血清群のほかに、髄膜炎菌分類は血清型、血清サブタイプおよび免疫型を含み、標準的な命名法は血清群、血清型、血清サブタイプおよび免疫型を列挙しており、それぞれは、例えばB:4:P1.15:L3,7,9のように、コロンにより区切られている。血清群Bにおいては、幾つかの系統はしばしば疾患を引き起こし(超侵襲性)、幾つかの系統は他のものより重篤な形態の疾患を引き起こし(超毒性)、他のものは疾患をほとんど引き起こさない。7つの超毒性系統、すなわち、血清群I、IIIおよびIV-1、ET-5複合体、ET-37複合体、A4クラスターならびに系統3が認識されている。これらは多座(multilocus)酵素電気泳動(MLEE)により定められているが、多座配列タイピング(MLST)も、髄膜炎菌を分類するために用いられている。4つの主要超毒性クラスターとして、ST32、ST44、ST8およびST11複合体が挙げられる。
一般に、本発明は、参考文献2、3、5、6、7、158、159、160、161、162、163、164および165に具体的に開示されている種々のfHbp配列を含まない。
実施例1:fH結合に関する突然変異誘発
野生型v2タンパク質(配列番号2)は、固定化ヒトfHを使用する表面プラズモン共鳴(SPR)により評価された場合、fHへの強力な結合を示す(図1、上の線)。fHへのfHbpの結合能を破壊するために、v2におけるGlu-266(配列番号5におけるE240; 参考文献19および25におけるE248に対応)およびv3におけるGlu-274(配列番号17におけるE243)をAlaへと突然変異させた。v2におけるE266A突然変異はfH結合を強力に低減した(図1、下の線)。
同様に、v1 fHbpの公知「R41S」突然変異を導入した(配列番号52)。
実施例2:安定性増強のための突然変異誘発
v2およびv3 fHbpは共に、特にそれらのN末端ドメインにおいて、v1より有意に不安定であり、v2はそれらの3つの変異体のなかで最も不安定である。v2の安定性を改善するために、2つの残基を突然変異させた。配列番号2のSer-58(配列番号5におけるS32)および配列番号2のLeu-149(配列番号5におけるL123)を、それぞれ、ValおよびArgへと突然変異させた。突然変異v2タンパク質(配列番号19)をDSCにより分析し、野生型配列配列番号2と比較した。C末端ドメインのTmは該突然変異による影響を受けなかった。N末端ドメインのTmは20℃以上高い(図2;上昇が矢印で示されている)。同等の突然変異はv3内にも導入されている(配列番号44)。
驚くべきことに、安定性を改善するためにS58VおよびL149R突然変異を導入し、実際にこの目的を達成したが、図1(中央の線)は、該突然変異ポリペプチド(配列番号19)(E266A突然変異を含有しない場合でさえも)がfHへの遥かに低減した結合をも示したことを示している。更に、血清殺菌アッセイにおいて、このv2突然変異体は、配列番号18に対して産生したヒト抗体への結合に関して競合することが可能であった。
Figure 2017522320
v2におけるS58V/L149R安定化突然変異はfH結合に対して驚くべき影響を及ぼした。したがって、E266Aの効果も調べた。意外なことに、この突然変異はN末端ドメインの安定性を低減したが、C末端ドメインの安定性を、野生型と比較して15℃以上(図3にしめされているとおり、83℃から99℃まで)増強した。したがって、このことはベータバレルの潜在的安定性を示唆している。
fH結合に対する個々のS58VおよびL149R突然変異の効果をv3において調べた。例えば、配列番号17に基づいて番号付けされた突然変異S32VまたはL126Rをv3配列内に導入した。これらの2つの突然変異体を2つの異なる野生型v3配列と比較し、そしてまた、v3においてfH結合を破壊することが公知 [23]である「E313A」突然変異体とも比較した。
図6に示されているとおり、両方の野生型v3はfHに結合する(上の2本の線)。安定性を改善するために設計されたS58V突然変異はSPRピークを約2倍低下させた。最も驚いたことに、L149R突然変異(これも、安定性を改善するために設計された)はfHアフィニティを、公知E313A突然変異体に類似したレベルまで低減した(下の2本の線)。
v3におけるS58VおよびL149R突然変異もDSCにより調べたところ、それらはN末端Tmを5.5℃(S58V)または6.7℃(L149R)上昇させることが判明した。各突然変異体のTmは、v2 S58V/L149R二重突然変異体において見られるものより高かった。L149R v3突然変異体は、そのC末端ドメインに関しても、より高いTm値を示したが、S58V v3突然変異体に関してはシフトはほとんど認められなかった。
実施例3:融合ポリペプチド
安定性およびfHbp結合に関する突然変異をv2の突然変異体(配列番号50)およびv3の突然変異体(配列番号51)内に組込んだ。これらを突然変異v1配列(配列番号52)にv2-v3-v1の順序で融合させ、リンカーを使用して連結して配列番号27(「SNB」)を得た。したがって、3つの野生型配列と比較して、この融合ポリペプチドは合計7個の点突然変異を含む(図9)。SNB融合体を、これらの点突然変異を含有しない「野生型」融合ポリペプチド(配列番号18、配列番号36(参考文献163から))と比較した。該タンパク質の両形態を発現する大腸菌(E.coli)抽出物をウエスタンブロットによりプローブした。該タンパク質の分解形態は、該融合体の安定化非結合形態(配列番号27)を使用した場合には、視認性が遥かに低かった(図8)。
fHへのSNB融合体の結合をSPRにより調べ、「野生型」融合体と比較した。「野生型」融合体はfHへの強力な結合を示すが(上の線)、SNB突然変異体はfHと有意には相互作用しない(下の線)ことを、図4は示している。
それらの2つの融合ポリペプチドの安定性を、DSCを用いて調べた(図5)。「野生型」融合体に関するサーモグラム(図5A)は、v3に起因するN末端転移を全く含んでいなかったが、このことは、このドメインが適切にフォールディングしていなかったことを示唆している。これとは対照的に、「SNB」突然変異体では、サーモグラムは6個全てのドメイン(N末端およびC末端のそれぞれ3個)に関して転移を示したが、このことは、それらが全て適切にフォールディングしていることを示している(図5B)。
これとは別に、v2(配列番号45)およびv3(配列番号44)における安定性に関する突然変異を「R41S」突然変異v1配列(配列番号52)にv2-v3-v1の順序で融合させ、リンカーを使用して連結して配列番号29を得た。したがって、3つの野生型配列と比較して、この融合ポリペプチドは合計5個の点突然変異を含む。
fHbpの非fH結合性形態がSBA力価を誘導する能力をトランスジェニック(Tg)マウスにおいて試験した。
Figure 2017522320
これらのデータは、fHbpの非結合性形態がより免疫原性でありうることを示している。
実施例4:三次元構造
これまでのところ、fHbp var.3の構造はfHとの複合体においてのみ解析されている。v2 fHbp-fH複合体に関しては、過去の研究において、fHbpのC末端ドメインのみが検出可能であった。
V2およびV3 fHbp突然変異体の結晶を以下のとおりに調製した。Gryphon結晶化ロボット(Art Robbins Instruments)を使用して結晶化実験を行った。X線回折データをPilatus 2M検出器におけるSwiss Light Source (Paul Scherrer Institute, Villigen, Switzerland) ビームラインX06DAにおいて収集し、またはEuropean Synchrotron Radiation Facility (ESRF), Grenoble, FranceのビームラインBM30Aにおいて収集した。全ての回折データをiMosflmで処理し、Aimlessでスケーリングし、CCP4パッケージを使用して結晶操作を行った。
Figure 2017522320
安定化突然変異はvar.2のN末端の構造決定を促進し、fHbp var.3 S58VのX線構造はfHの非存在下で解明されている。fHbp var.2およびvar.3はvar.1に比べて不安定なフォールディングにより特徴づけられる。この観察に合致して、fHbp var2およびvar3の完全長構造を決定することは困難である。タンパク質の安定化は構造および機能の両方の維持につながり、(微小)環境とのより良好な熱力学的平衡の確立につながる。その結果、タンパク質安定化は、しばしば、構造決定に適した結晶を与える。S58VおよびL149R安定化置換は全fHbp var.3結晶構造の決定およびfHbp var.2の断片81〜254の解明を可能にした。安定化突然変異を導入することにより、N末端のほぼ完全な構造がfHの非存在下で得られている(図7)。
実施例5:表面プラズモン共鳴(SPR)分析
fHタンパク質への231キメラタンパク質の結合を分析するために、SPRを用いた。全てのSPR実験は、25℃でBiacore T200装置(GE Healthcare)を使用して行った。簡潔に説明すると、カルボキシメチル化デキストランセンサーチップ(CM-5; GE Healthcare)を調製し、この場合、類似密度(〜400〜500応答単位(RU))の231タンパク質をアミンカップリングにより固定化した。固定化したタンパク質は以下のとおりであった。
-231 wt (配列番号18) 精製MenB 547 (0.26 mg/ml)(フローセル2上に固定化);
-231 S (v2およびv3の両方に関してR41S、S58VおよびL149を含む)(配列番号29) 精製MenB 532 (0.68 mg/ml)(フローセル3上に固定化);
-231 SNB (v2およびv3の両方に関してR41S、S58VおよびL149、E252AおよびE255Aを含む)(配列番号27) 精製MenB 512 (0.78 mg/ml)(フローセル4上に固定化)。
これらのタンパク質をアセタート(pH 5.5)中で5μg/mlまで希釈し、標準的なアミンカップリング法に従い目標密度を達成した。フローセル1は、タンパク質を使用しなかったこと以外はその他のフローセルと同様に調製した。ついでフローセル1を参照セルとして使用し、得られたシグナルを、他のフローセルから得られたシグナルから差し引いた。ランニングバッファーは10 mM Hepes、150 mM NaCl、0.05% (vol/vol) P20界面活性剤, pH 7.4 (HBS-P- GE-Healthcare)を含有していた。ついで、結合実験のために、2倍希釈の漸増アナライト濃度(62.5nM〜1M)の或る範囲の5回の注入として、fHタンパク質を注入した。以下のfH構築物を試験した:因子H完全長 (Calbiochem)、およびドメイン6〜7のみを含む因子H (Schneiderら, Nature 458, 890-893)(C. Tang.により提供された)。
各注入後、10mM グリシン(pH 1.7)の20秒間の注入により表面を再生させた。バッファーのみのブランク注入を各曲線から差し引き、参照センサーグラムを実験的センサーグラムから差し引いて、特異的結合を表す曲線を得た。示されているデータは2つの独立した実験の代表例である。Biacore T200評価ソフトウェア(GE Healthcare)を使用してSPRデータを分析した。得られたセンサーグラムを、潜在的物質移動を説明する項を含む1:1ラングミュア結合モデルでフィットさせて、個々のkonおよびkoff速度定数を得た。ついで個々の値を組合せて、示されている単一の平均KD値(KD=koff/kon)を誘導した。また、定常状態分析を用いて、pH 7.4の熱力学的解離定数(KD)を得た。fHドメイン6〜7の注入による力価測定の結果を以下に示す。
Figure 2017522320
結合試験から、fHへの結合の少なくとも90%の強力な低減が、231野生型と比較して231 Sタンパク質に関して観察され、少なくとも98%の低減が、231野生型と比較して231 SNBタンパク質に関して観察された。
fH完全長での力価測定の結果を以下に示す。
Figure 2017522320
結合試験から、fHへの結合の少なくとも90%の強力な低減が、231野生型と比較して231 Sタンパク質に関して観察され、少なくとも98%の低減が、231野生型と比較して231 SNBタンパク質に関して観察される。
本発明は前記において単なる例示として記載されているに過ぎず、本発明の範囲および精神の範囲内に保たれた修飾が施されうると理解されるであろう。
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配列表
配列番号1 [MC58, v1]
Figure 2017522320
配列番号2 [2996, v2]
Figure 2017522320
配列番号3 [M1239, v3]
Figure 2017522320
配列番号4 [2996成熟]
Figure 2017522320
配列番号5 [2996 ΔG]
Figure 2017522320
配列番号6 [NHBA]
Figure 2017522320
配列番号7 [NadA]
Figure 2017522320
配列番号8 [NspA]
Figure 2017522320
配列番号9 [HmbR]
Figure 2017522320
配列番号10 [NhhA]
Figure 2017522320
配列番号11 [App]
Figure 2017522320
Figure 2017522320
配列番号12 [Omp85]
Figure 2017522320
配列番号13 [NMB2091]
Figure 2017522320
配列番号14 [NHBA融合物]
Figure 2017522320
配列番号15 [NadA断片]
Figure 2017522320
配列番号16 [MC58, ΔG]
Figure 2017522320
配列番号17 [M1239, ΔG]
Figure 2017522320
Figure 2017522320
配列番号18 [‘野生型’融合物]
Figure 2017522320
配列番号19 [S58V/L149R 変異体v2]
Figure 2017522320
配列番号20 [リンカー]
Figure 2017522320
配列番号21 [リンカー]
Figure 2017522320
配列番号22 [リンカー]
Figure 2017522320
配列番号23 [リンカー]
Figure 2017522320
配列番号24 [N末端配列]
Figure 2017522320
配列番号25 [N末端配列]
Figure 2017522320
配列番号26 [リンカー]
Figure 2017522320
配列番号27 [変異体2-3-1配列, A]
Figure 2017522320
Figure 2017522320
配列番号28 [変異体2-3-1配列, A, リーダーなし]
Figure 2017522320
配列番号29 [変異体2-3-1配列, B]
Figure 2017522320
配列番号30 [変異体2-3-1配列, B, リーダーなし]
Figure 2017522320
配列番号31 [変異体v2, Xaa 32は任意のアミノ酸, Xaa 123はLではない]
Figure 2017522320
配列番号32 [変異体v3, Xaa 32は任意のアミノ酸, Xaa 126はLではない]
Figure 2017522320
配列番号33 [v2, 8047株、野生型]
Figure 2017522320
配列番号34 [v2, 8047株、ΔG]
Figure 2017522320
配列番号35 [野生型 v2変異導入のため、例えばGMMAアプローチのため]
Figure 2017522320
配列番号36 [野生型 v3変異導入のため、例えばGMMAアプローチのため]
Figure 2017522320
配列番号37: N. meningitidis由来のバリアントfHbp v3、ここで残基32はSではない、残基 126はLではない
Figure 2017522320
配列番号38: N. meningitidis由来のfHbp v3、ここで残基32はSではない、残基123はLではない、残基240はEではない、
Figure 2017522320
配列番号39 [fHbpバリアントv2、ここで残基32はSではない、残基123はLではない、残基240はEではない]
Figure 2017522320
Figure 2017522320
配列番号40 [M1239、成熟]
Figure 2017522320
配列番号41 [M1239, E243A, ΔG]
Figure 2017522320
配列番号42 [M1239, S32V+E243A, ΔG]
Figure 2017522320
配列番号43 [M1239, S32V+L126R+E243A, ΔG]
Figure 2017522320
配列番号44 [M1239, S32V + L126R, ΔG]
Figure 2017522320
配列番号45 [v2 変異体#3, ΔG]
Figure 2017522320
配列番号46 [MC58, v1、成熟]
Figure 2017522320
配列番号47 [変異体v2, Xaa 32は任意のアミノ酸, 123はLではない、240はEではない]
Figure 2017522320
配列番号48 [変異体v3, Xaa 32は任意のアミノ酸, 126はLではない、243はEではない]
Figure 2017522320
配列番号49 [変異体v1, Xaa 34はRではない]
Figure 2017522320
配列番号50 [変異体v2]
Figure 2017522320
配列番号51 [変異体v3]
Figure 2017522320
配列番号52 [R41S 変異体v1]
Figure 2017522320
配列番号53 [変異体v2]
Figure 2017522320
配列番号54 [変異体v2]
Figure 2017522320
配列番号55 [変異体v3]
Figure 2017522320
配列番号56 [変異体v3]
Figure 2017522320
配列番号57 [変異体v3、ここで残基32はS以外の任意のアミノ酸である、残基126はLではない、残基243はEではない]
Figure 2017522320

Claims (18)

  1. 配列番号5に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、(a)該アミノ酸配列は配列番号5と比較して残基123および240において配列番号5とは異なっており、(b)該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、配列番号4からなるポリペプチドを認識しうる抗体を誘導することが可能であり、(c)該ポリペプチドは、配列番号4からなるポリペプチドより高い安定性を有し、(d)該ポリペプチドは、配列番号4からなるポリペプチドより低い、ヒトfHに対するアフィニティを有する、ポリペプチド。
  2. 該アミノ酸配列が配列番号5と比較して残基32においても配列番号5とは異なっており、例えば、アミノ酸配列配列番号47を含む、請求項1記載のポリペプチド。
  3. 配列番号5と比較して置換S32V、L123RおよびE240Aを有し、例えば配列番号50を有する、請求項2記載のポリペプチド。
  4. 配列番号17に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、(a)該アミノ酸配列は配列番号17と比較して残基126および243において配列番号17とは異なっており、(b)該ポリペプチドは、ヒトへの投与の後、配列番号40からなるポリペプチドを認識しうる抗体を誘導することが可能であり、(c)該ポリペプチドは、配列番号40からなるポリペプチドより高い安定性を有し、(d)該ポリペプチドは、配列番号40からなるポリペプチドより低い、ヒトfHに対するアフィニティを有する、ポリペプチド。
  5. 該アミノ酸配列が配列番号17と比較して残基32においても配列番号17とは異なっており、例えば、アミノ酸配列配列番号48を含む、請求項4記載のポリペプチド。
  6. 配列番号17と比較して置換S32V、L126RおよびE243Aを有し、例えば配列番号51を有する、請求項4または請求項5記載のポリペプチド。
  7. 配列番号47に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ここで、配列番号47と比較して、残基123はロイシンではなく、残基240はグルタミン酸ではなく、ここで、(i)配列番号4と比較して、該ポリペプチドはより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、(ii)ヒトに投与された場合、該ポリペプチドは、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる、ポリペプチド、あるいは
    5個までの単一アミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列配列番号47を含むポリペプチドであって、ここで、(i)残基123はロイシンではなく、(ii)残基240はグルタミン酸ではなく、(iii)野生型配列、例えば配列番号4と比較して、該ポリペプチドはより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、(iv)ヒトに投与された場合、該ポリペプチドは、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる、ポリペプチド。
  8. 配列番号47と比較して残基32はセリンではない、請求項7記載のポリペプチド。
  9. 配列番号48に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、ここで、配列番号48と比較して、残基126はロイシンではなく、残基243はグルタミン酸ではなく、ここで、(i)配列番号40と比較して、該ポリペプチドはより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、(ii)ヒトに投与された場合、該ポリペプチドは、v3 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる、ポリペプチド、あるいは
    5個までの単一アミノ酸置換により修飾されたアミノ酸配列配列番号48を含むポリペプチドであって、ここで、(i)残基126はロイシンではなく、(ii)残基243はグルタミン酸ではなく、(iii)野生型配列、例えば配列番号40と比較して、該ポリペプチドはより高い安定性を有し、fHに対する、より低いアフィニティを有し、(iv)ヒトに投与された場合、該ポリペプチドは、v3 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導しうる、ポリペプチド。
  10. 配列番号48と比較して残基32はセリンではない、請求項9記載のポリペプチド。
  11. (i)請求項1、2、3、7または8のいずれか1項記載のポリペプチドと、(ii)請求項4、5、6、9または10のいずれか1項記載のポリペプチドとを含む融合ポリペプチド。
  12. (a)ヒトに投与された場合、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌とv3 fHbpを発現する髄膜炎菌との両方に対して殺菌性である抗体応答を誘導することが可能であり、(b)配列番号4からなるポリペプチドより高い安定性、およびヒトfHに対する、より低いアフィニティを有し、(c)配列番号40からなるポリペプチドより高い安定性、およびヒトfHに対する、より低いアフィニティを有する融合ポリペプチドであって、該ポリペプチドは、(I)(a)配列番号5に対して少なくともk%の配列同一性を有し、および/または配列番号5の断片を含み、配列番号5と比較して残基L123およびE240において(そして所望によりS32において)配列番号5とは異なっているアミノ酸配列;(b)配列番号47に対して少なくともv%の配列同一性を有するアミノ酸配列であって、ここで、配列番号47と比較して、(i)残基123はロイシンではなく、(ii)残基240はグルタミン酸ではなく、(iii)所望により、残基32はセリンでなくてもよい、アミノ酸配列;ならびに5個までの単一アミノ酸変化(すなわち、1、2、3、4または5個の単一アミノ酸置換、欠失および/または挿入)により所望により修飾されていてもよいアミノ酸配列配列番号47または配列番号50であって、(i)残基32は、所望により、セリンでなくてもよく、(ii)残基123はロイシンではなく、(iii)残基240はグルタミン酸ではないアミノ酸配列から選択される第1アミノ酸配列と、(II)(a)配列番号17に対して少なくともj%の配列同一性を有し、および/または配列番号17の断片を含み、(b)配列番号17と比較して残基L126およびE243において(そして所望によりS32において)配列番号17とは異なっているアミノ酸配列;配列番号48に対して少なくともw%の配列同一性を有するアミノ酸配列であって、(i)残基126はロイシンではなく、(ii)残基243はグルタミン酸ではなく、(iii)所望により、残基32はセリンでなくてもよいアミノ酸配列;あるいは5個までの単一アミノ酸変化(すなわち、1、2、3、4または5個の単一アミノ酸置換、欠失および/または挿入)により所望により修飾されていてもよいアミノ酸配列配列番号48または配列番号51であって、(i)残基32は任意のアミノ酸であり、所望により、セリンでなくてもよく、(ii)残基126はロイシンではなく、(iii)残基243はグルタミン酸ではないアミノ酸配列から選択される第2アミノ酸配列とを含む、融合ポリペプチド。
  13. (A)第1アミノ酸配列が配列番号47(例えば、配列番号50)であり、第2アミノ酸配列が配列番号48(例えば、配列番号51)であり、あるいは(B)第1アミノ酸配列が配列番号31(例えば、配列番号45)であり、第2アミノ酸配列が配列番号32(例えば、配列番号44)である、請求項12記載の融合ポリペプチド。
  14. v1 fHbp配列をも含む、請求項11〜13のいずれか1項記載の融合ポリペプチドであって、該ポリペプチドは、ヒトに投与された場合、v1 fHbpを発現する髄膜炎菌、v2 fHbpを発現する髄膜炎菌、およびv3 fHbpを発現する髄膜炎菌に対して殺菌性である抗体応答を誘導することが可能であり、ここで、所望により、v1 fHbp配列は、配列番号46からなる髄膜炎菌ポリペプチドより低い、ヒトfHに対するアフィニティを、それにもたらす突然変異を含んでいてもよく、例えば、v1 fHbp配列はアミノ酸配列配列番号49または52を有していてもよい、請求項11〜13のいずれか1項記載の融合ポリペプチド。
  15. 配列番号27、配列番号28、配列番号29または配列番号30のアミノ酸配列を含む、請求項14記載の融合ポリペプチド。
  16. 請求項1〜10のいずれか1項記載のポリペプチドおよび請求項11〜15のいずれか1項記載の融合ポリペプチドから選択されるポリペプチドと医薬上許容される担体とを含む免疫原性組成物。
  17. アジュバントを更に含む、請求項16記載の免疫原性組成物。
  18. 請求項16記載の免疫原性組成物をヒトに投与することを含む、ヒトにおける抗体応答の生成方法。
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