JP2017522040A - シアリル化が改善されたFcを有するバリアントを作製するための方法 - Google Patents

シアリル化が改善されたFcを有するバリアントを作製するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、Fcフラグメントのシアリル化を増加させるための方法であって、前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸から選択される少なくとも1つのアミノ酸を変異させる工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法に関する。本発明はまた、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは、親ポリペプチドと比べて前記Fcフラグメントのシアリル化が改善されており、本方法は前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸から選択される少なくとも1つのアミノ酸を変異させる工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法に関する。

Description

本発明は、フラグメントFcのシアリル化を増加させるための方法であって、前記フラグメントFcの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法に関する。
モノクローナル抗体は、現在、癌、自己免疫性疾患、慢性炎症性疾患、移植片拒絶、感染症及び心血管系疾患を含むさまざまな病状を処置するための治療薬として使用されている。それゆえに、それらには、重大な治療上の難題が生じる。それらのいくつかは既に販売されており、臨床試験として開発されている割合が更に増加しつつある。しかしながら、その二次的影響を制御するために抗体の構造的及び機能的特性を最適化する重大な必要性がある。
治療にモノクローナル抗体を使用する際の重大な問題の1つは、血流におけるその残存性である。抗体のクリアランスは、処置の効率、したがって薬物の投与の頻度及び量に直接影響を及ぼし、これは患者に望ましくない影響を引き起こす可能性がある。
アイソタイプGの免疫グロブリン(IgG)は、ヒトにおいて最もよくあるクラスの免疫グロブリンを構成し、また最も治療に使用される。マウスIgGの定常領域(Fc)における特定の変異誘発のさまざまな実験は、それらの一部に関して、IgGとFcRnとの間の相互作用に関与する特定の重要なアミノ酸残基を特定する可能性をもたらした(Kimら、1994年、Eur J Immunol.;24:2429〜34頁;Kimら、1994年、Eur J Immunol.;24:542〜8頁;Medesanら、1996年、Eur J Immunol.;26:2533〜6頁;Medesanら、1997年、J Immunol;158:2211〜7頁)。研究が更に最近ヒトにおいて行われた(Shieldsら、2001年、J. Biol. Chem.;276:6591〜6604頁)。
WO02/038756 EP 2 233 500
Kimら、1994年、Eur J Immunol.;24:2429〜34頁 Kimら、1994年、Eur J Immunol.;24:542〜8頁 Medesanら、1996年、Eur J Immunol.;26:2533〜6頁 Medesanら、1997年、J Immunol;158:2211〜7頁 Shieldsら、2001年、J. Biol. Chem.;276:6591〜6604頁 Essentials of Glycobiology、第2版、Varkiら、2009年 Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda, Md.(1991年) 1981年、J. Mol Evol.、18:38〜46頁 1988年、PNAS、85:2444〜2448頁 Muta Tら、Nature、1994年、368:70〜73頁 Young L及びDong Q.、2004年、-Nucleic Acids Res.、4月15日;32(7)頁 Hoover, D.M.及びLubkowski, J.2002年、Nucleic Acids Res.、30 Villalobos Aら、2006年、BMC Bioinformatics、6月6日;7:285頁 Molecular cloning: a laboratory manual、第3版、-Sambrook及びRussel編(2001年) Current Protocols in Molecular Biology - Ausubelら編(2007年) Zoller及びSmith、1982年、Nucl. Acids Res.、10:6487〜6500頁 Kunkel、1985年、Proc. Natl. Acad. Sci USA、82:488頁 Carton JMら、Protein Expr Purif、2007年 Chechetkin、J. of Theoretical Biology 242、2006年922〜934頁 Petkova SBら、Enhanced half-life of genetically engineered human IgG1 antibodies in a humanized FcRn mouse model:potential application in humorally mediated autoimmune disease、Int Immunol、2006年
しかしながら、改善された半減期を有し、そして、興味深い生物学的特性を有する抗体又は抗体フラグメントを見つける必要性が常に存在する。
本発明は、シアリル化が最適化されたフラグメントFcを含む親ポリペプチドのバリアントを得るための手段を提供する。このシアリル化の最適化、すなわち、改善は、特に親ポリペプチドに比べて半減期も増加し、抗炎症特性も最適化されたバリアントをもたらす。
「半減期」という用語は、所与の動物の血流における目的とするポリペプチドの生物学的半減期を指し、動物の血流及び/又はその他の組織から、動物の血流に存在する量の半分を取り除くために必要とされる時間によって表される。
実際に、驚くべきことに、本発明者らは、N-グリコシル化部位に近接した特定の位置が変異したフラグメントFcは、変異していないフラグメントFcと比べて非常にシアリル化が増加していることを発見した。したがって、これは、フラグメントFcの目的とする特性、特にその半減期を増加させる。これは、更にその抗炎症活性を増加させることもある。
したがって、本発明の目的は、Fcフラグメントのシアリル化を増加させるための方法であって、前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異のための工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法である。
好ましくは、Fcフラグメントのシアリル化を増加させるための前記方法は、
- 前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程であって、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである工程、及び、その後
- 得られたフラグメントFcのシアリル化を分析するための工程
を含む。
本発明の目的はまた、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であり、前記バリアントは親ポリペプチドのFcフラグメントのシアリル化と比べて前記Fcフラグメントのシアリル化が改善されており、本方法は、前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである。
好ましくは、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための前記方法は、
- 前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程であって、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、工程及び、その後
- 得られたフラグメントFcのシアリル化を分析するための工程
を含む。
好ましくは、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための前記方法は、バリアントが前記フラグメントFcによって媒介される、親ポリペプチドのエフェクター活性と比べて低減された少なくとも1つのエフェクター活性を有するようなものである。
「シアリル化の増加」又は「改善されたシアリル化」とは、得られたタンパク質のシアリル化が親ポリペプチドの前記フラグメントFcの変異工程前の前記Fcフラグメントのシアリル化と比べて少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも55%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%増加していることを意味する。
タンパク質のシアリル化は、周知のグリコシル化メカニズムである(特に、Essentials of Glycobiology、第2版、Varkiら、2009年を参照)。これは、共有結合による少なくとも1つのシアル酸(すなわちN-アセチルノイラミン酸及びその誘導体、例えば、N-グリコリルノイラミン酸、N-アセチルグリコリルノイラミン酸)のタンパク質のグリコシル化鎖における付加に対応する。
本明細書において使用される場合、「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、本明細書において同義に使用され、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド及びペプチドを含む共有結合した少なくとも2つのアミノ酸の配列を指す。
「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、特に抗体又は免疫グロブリン、特に完全な、モノクローナル、多特異性、二特異性、二重特異性、合成、キメラ、ヒト化、ヒト、免疫グロブリン、免疫グロブリンとの融合タンパク質、コンジュゲート抗体及びそれらのフラグメントを含む。
「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語はまた、領域Fc、特に単離Fcフラグメント、コンジュゲートFc、多量体Fc及びFcフラグメントとの融合タンパク質のすべて又は部分を含むポリペプチドによって定義されるFcポリペプチドを含む。
「Fcフラグメント」又は「Fc領域」とは、免疫グロブリンの定常領域の第1のドメイン(すなわちCH1-CL)を除いた全長の免疫グロブリンの定常領域を意味する。したがって、フラグメントFcは、それぞれの単量体がIgA、IgD、IgG(すなわちCH2及びCH3)の最後の2つの定常ドメイン又はIgE及びIgMの3つの最後の定常ドメイン(すなわちCH2、CH3及びCH4)並びにこれらのドメインの柔軟なN末端ヒンジ領域を含むホモ二量体を指す。次いでフラグメントFcはIgA又はIgMから伸長し、J鎖を含むこともある。好ましくは、柔軟なN末端ヒンジ及びドメインCH2-CH3、すなわち、アミノ酸C226からC末端までの部分からなるIgG1のFcフラグメントが本発明に使用され、番号付けは、EUインデックス又はKabatにおいて同等のものに従って示される。好ましくは、ヒトIgG1のFcフラグメントが使用される(すなわち、EUインデックス又はKabatにおいて同等のものに従ってアミノ酸226から447)。この場合、EUインデックス又はKabatにおいて同等のものに従って、下部ヒンジは226から230位を指し、ドメインCH2は231から340位を指し、CH3ドメインは341〜447位を指す。本発明に従って使用されるフラグメントFcは、上部ヒンジ領域、226位から上流の部分を更に含んでもよい。この場合、好ましくは、(EUインデックスに従って)216から226位の間に位置する領域の部分を含むヒトIgG1のフラグメントFcが使用される。この場合、ヒトIgG1のフラグメントFcは、アミノ酸216、217、218、219、220、221、222、223、224又は225からC末端までの部分を指す。
「Fcフラグメント」の定義は、「単鎖Fc」を表すscFcフラグメントを含む。「scFcフラグメント」とは、ポリペプチドリンカーにより結合した、2つの単量体Fcの遺伝子融合によって得られる単一鎖フラグメントFcを意味する。scFcは自然に機能的な二量体Fc領域に折り畳まれる。好ましくは、本発明の範囲内において使用されるFcフラグメントはIgG1又はIgG2のFcフラグメントの中から選択される。更に好ましくは、使用されるフラグメントFcはIgG1のフラグメントFcである。
本出願において、Fcフラグメントの残基の番号付けは、EUインデックス又はKabatにおいて同等のものである(Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda, Md.(1991年))。
本発明の文脈において、親ポリペプチドは、「親Fcフラグメント」と呼ばれるFcフラグメントを含む。
「アミノ酸の変異」とは、ポリペプチドのアミノ酸配列の変化を意味する。変異は、特に置換、挿入及び欠失の中から選択される。「置換」とは、親ポリペプチドの配列の特定の位置において同じ数の他のアミノ酸により1つ又はいくつかのアミノ酸が置換されることを意味する。好ましくは、置換は点様であり、すなわち1つのアミノ酸にのみ関する。例えば、置換N434Sは、EUインデックス又はKabatにおいて同等のものに従ってFcフラグメントの434位のアスパラギンがセリンにより置換されている親ポリペプチドのバリアントを指す。「挿入」とは、親ポリペプチド配列の特定の位置に少なくとも1つのアミノ酸が付加されることを意味する。例えば、挿入G>235-236とは、235と236位との間にグリシンが挿入されることを指す。「欠失」とは、親ポリペプチド配列の特定の位置の少なくとも1つのアミノ酸が除去されることを意味する。例えば、E294delは、294位のグルタミン酸の抑制を指し、そのような欠失はDel294と呼ばれる。
「親ポリペプチド」とは、その後、バリアントを形成するために改変される未改変ポリペプチドを意味する。前記親ポリペプチドは、天然由来のポリペプチド、天然由来のポリペプチドのバリアント、天然ポリペプチドの改変バージョン又は合成ポリペプチドであってもよい。好ましくは、親ポリペプチドは、野生型のFcフラグメント、そのフラグメント及びその変異体の中から選択されるフラグメントFcを含む。したがって、親ポリペプチドは、任意に野生型のフラグメントFcと比べてフラグメントFc中のアミノ酸の既存の改変を含んでもよい。よって、親ポリペプチドのフラグメントFcが、好ましくはP230S、T256N、V259I、N315D、A330V、N361D、A378V、S383N、M428L、N434Yの中から選択される少なくとも1つの追加の変異(すなわち、既存の改変)を既に含んでいるのが好ましい。親ポリペプチドのFcフラグメントは、P230S/N315D/M428L/N434Y、T256N/A378V/S383N/N434Y、V259I/N315D/N434Y及びN315D/A330V/N361D/A378V/N434Yの中から選択される追加の変異の少なくとも1つの組合せを含むのが好ましい。
好ましくは、第1の代案によると、親ポリペプチドはフラグメントFcにあり、好ましくは完全なFcフラグメントにある。
好ましくは、第2の代案によると、親ポリペプチドは、N末端又はC末端でフラグメントFcと融合したアミノ酸の配列にある。この場合、親ポリペプチドは、抗体、融合Fc又はコンジュゲートFcポリペプチドであるのが有利である。
親ポリペプチドのフラグメントFcは、配列番号1、2、3、4及び5の配列の中から選択されるのが好ましい。親ポリペプチドのフラグメントFcは、配列番号1の配列を有するのが好ましい。
配列番号1、2、3、4及び5に表される配列は、N末端にいかなるヒンジ領域も含まない。
配列番号6、7、8、9及び10に表される配列はそれぞれ、配列番号1、2、3、4及び5に表される配列に対応し、N末端位置にヒンジ領域を有する。また、特定の実施形態において、親ポリペプチドのフラグメントFcは配列番号6、7、8、9及び10の配列の中から選択される。
親ポリペプチドのフラグメントFcは、配列番号6の配列の1〜232、2〜232、3〜232、4〜232、5〜232、6〜232、7〜232、8〜232、9〜232、10〜232又は11〜232位に対応する配列を有するのが好ましい。
或いは、親ポリペプチドは、免疫グロブリン、抗体にあるか、又は更にN末端又はC末端で抗体若しくは免疫グロブリンと融合したアミノ酸の配列にある。
「バリアント」とは、アミノ酸の少なくとも1つの改変による親ポリペプチドの配列とは異なるポリペプチド配列を意味する。
好ましくは、バリアントの配列は、親ポリペプチドの配列と少なくとも80%の同一性を有し、より優先的には少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99.5%の同一性を有する。本発明の意味でアミノ酸の2つの配列間の「同一性のパーセンテージ」とは、最良のアライメント後に得られた比較される両配列間で一致するアミノ酸残基のパーセンテージを指すことを意図し、このパーセンテージは、単に統計的なものに過ぎず、両配列間の差はランダムに分布しており、その長さ全体に及ぶ。「最良のアライメント」又は「最適なアライメント」とは、以下のとおりに求められた同一性のパーセンテージがより高いアライメントを意味する。アミノ酸の2つの配列間の配列の比較は、従来、最適な方法で配列をアライメントした後、これらの配列を比較することによって行われ、前記比較は、局所的な配列類似領域を特定及び比較するためにセグメント毎又は「比較ウィンドウ」毎に行われる。比較のための配列の最適なアライメントは、Smith及びWatermanの局所相同性アルゴリズム(1981年、J. Mol Evol.、18:38〜46頁)によって、Neddleman及びWunschの局所相同性アルゴリズム(1970年)によって、Pearson及びLipmanの類似性検索法(1988年、PNAS、85:2444〜2448頁)によって、こうしたアルゴリズムを使用するコンピュータソフトウェアパッケージ(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Dr.、Madison、ウィスコンシン州のGAP、BESTFIT、BLAST P、BLAST N、FASTA及びTFASTA)によって更に手作業で行われてもよい。
好適な実施形態において、親ポリペプチドは免疫グロブリン又は抗体、好ましくはIgGであり、本発明によるバリアントは、その後、IgGのバリアントの中から選択される。より優先的には、本発明によるバリアントは、ヒトIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4のバリアントの中から選択される。
好ましくは、本発明によるバリアントを作製するための方法又は本発明によるシアリル化を増加させるための方法は、240、241、242、243、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304又は305位に位置するFcフラグメントの少なくとも1つのアミノ酸で行われる変異を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである。好ましくは、本発明によるバリアントを作製するための方法又はシアリル化を増加させるための方法は、FcフラグメントにV262del、V263F、V263K、V263W、V264K、V264P、D265A、D265E、D265G、D265L、D265S、D265V、V266A、V266P、V266S、V266T、S267N、S267P、S267R、S267W、P291C、P291V、P291Y、P291W、R292A、R292del、R292T、R292V、R292Y、E293F、E293P、E293W、E293Y、E294del、E294D、E294N、E294W、E294F、Q295D、Q295del、Q295F、Q295G、Q295K、Q295N、Q295R、Q295W、Y296A、Y296C、Y296del、Y296E、Y296G、Y296Q、Y296R、Y296V、S298del、S298E、S298F、S298G、S298L、S298M、S298N、S298P、S298R、S298T、S298W、S298Y、Y300D、Y300del、Y300G、Y300N、Y300P、Y300R、Y300S、R301A、R301F、R301G、R301H、R301I、R301K、R301Q、R301V、R301W、R301Y、V302del、V302A、V302F、V302G、V302P、V303A、V303C、V303P、V303L、V303S、V303Y、S304C、S304M、S304Q、S304T、V305F及びV305Lの中から選択される少なくとも1つの変異を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである。
好ましくは、本発明は、Fcフラグメントのシアリル化を増加させるための方法であって、前記フラグメントFcの262及び264位のアミノ酸を除いて240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法を目的とする。
本発明はまた、好ましくはFcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは、親ポリペプチドと比べて前記Fcフラグメントの改善されたシアリル化を有し、本方法は、前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものであり、前記変異工程は、262又は264位のいずれのアミノ酸も関係しない、方法を目的とする。
したがって、こうした優先的な実施形態によると、変異は、240、241、242、243、258、259、260、261、263、265、266、267、290、291、292、293、294、295、296、298、299、300、301、302、303、304又は305位に位置するFcフラグメントのアミノ酸で行われる。より優先的には、変異は、293又は294位に位置するFcフラグメントのアミノ酸で行われ、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである。特定の実施形態によると、変異は、293位及び294位に位置するFcフラグメントの2つのアミノ酸で行われ、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである。
本発明の目的はまた、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは前記Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドのエフェクター活性と比べて低減された少なくとも1つのエフェクター活性を有し、前記方法は前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法ある。
「Fcフラグメントによって媒介されるエフェクター活性」とは、特に抗体に依存する細胞傷害(ADCCすなわち抗体依存性細胞媒介性細胞傷害)、補体に依存的な細胞傷害(CDCすなわち補体依存性細胞傷害)、抗体に依存する細胞食作用(ADCP)、エンドサイトーシス活性又は更にサイトカインの分泌を意味する。好ましくは、本発明の関連Fcフラグメントによって媒介されるエフェクター活性は、抗体に依存的な細胞傷害(ADCC)、補体に依存する細胞傷害(CDC)及び抗体に依存的な細胞食作用(ADCP)から選択される。
「低減された」エフェクター活性は、低減されたか、又は消失したエフェクター活性を意味する。したがって、本発明による方法によって作製された親ポリペプチドのバリアントは、Fcフラグメントによって媒介されるエフェクター活性の少なくとも1つが消失していてもよい。好ましくは、本発明による方法によって作製された親ポリペプチドのバリアントは、Fc領域によって媒介される、親ポリペプチドのエフェクター活性と比べて、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%低減されたエフェクター活性を有する。
特定の実施形態において、本発明は、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは、前記Fcフラグメントによって媒介されるいかなるエフェクター活性も伴わず、本方法は前記フラグメントFcの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法を提供する。
好ましくはこの態様によると、本発明は、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは前記Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドのエフェクター活性と比べて低減された少なくとも1つのエフェクター活性を有し、本方法は前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものであり、変異工程は、262、264、293又は294位のアミノ酸に影響を及ぼさない、方法を提供する。
別の態様によると、本発明の目的は、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは、Fc領域(FcR)の受容体の少なくとも1つに対して、前記Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性と比べて低減された親和性を有し、本方法は前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法である。
「Fc領域の受容体」又は「FcR」とは、特にC1q及びFcγ受容体(FcγR)を意味する。「Fcγ受容体」又は「FcγR」は、CD64(FcγRI)、CD32(FcγRII)及びCD16(FcγRIII)と呼ばれるIgG型の免疫グロブリンの受容体を指し、特に5つの発現受容体FcγRIa、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIa及びFcγRIIIbを指す。ヒトFcγRIIbを除くすべてがエフェクター細胞の活性化因子である受容体であり、ヒトFcγRIIbは免疫細胞の活性化の阻害因子であるレシーバーである(Muta Tら、Nature、1994年、368:70〜73頁)。
補体C1qはCDC活性に関与する。
受容体FcgRIIIa(CD16a)は、それに関しては、ADCCに関与し、158位に多型V/Fを有する。
受容体FcgRIIa(CD32a)は、それに関しては、血小板活性化及び食作用に関与し、131位に多型H/Rを有する。
最後に、受容体FcgRIIb(CD32b)は、細胞活性の阻害に関与する。
「低減された」親和性とは、低減された、又は消失した親和性を意味する。優先的には、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのものと比べて少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%親和性が低減されている。
好ましくは、本発明は、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは、補体C1q並びに受容体FcgRIIIa(CD16a)、FcgRIIa(CD32a)及びFcgRIIb(CD32b)の中から選択されるFc領域(FcR)の受容体の少なくとも1つに対して、前記Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性と比べて低減された親和性を有し、本方法は前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法を提供する。
優先的には、本発明により作製されるバリアントは、Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性と比べて少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%低減された親和性を有する。言い換えると、変異したFcフラグメントのFcRに対する親和性は親ポリペプチドのものより低い。好ましくは、Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性に対する本発明によるバリアントの親和性の比は、0.9未満、好ましくは0.8未満、好ましくは0.7未満、好ましくは0.6未満、好ましくは0.5未満、好ましくは0.4未満、好ましくは0.3未満、好ましくは0.2未満、好ましくは0.1未満である。例えば、Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性に対する本発明によるバリアントの親和性の比は0.7未満である。更に好ましくは、Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性に対する本発明によるバリアントの親和性の比は、0.9から0.1の間、好ましくは0.8から0.2の間、0.7から0.3の間又は0.6から0.4の間に含まれる。
Fcフラグメントを含むポリペプチドのFcRに対する親和性は、先行技術に周知の方法によって評価されてもよい。例えば、当業者は、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して親和性(Kd)を判定してもよい。或いは、当業者は、適したELISA試験を行ってもよい。適したELISAアッセイは、親Fcと変異したFcの結合力を比較する可能性をもたらす。変異したFc及び親Fcから検出された特定のシグナルが比較される。結合親和性は、完全なポリペプチドを評価することによって又はそれから単離された領域Fcを評価することによって同様に判定することができる。
特定の実施形態によると、本発明の対象の方法に従って作製されるバリアントは、レシーバーFcgRIIIa(CD16a)及び受容体FcgRIIa(CD32a)に対して、前記Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性と比べて低減された親和性を有する。
好ましくはこの他の態様によると、本発明は、Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは、好ましくは補体C1q並びに受容体FcgRIIIa(CD16a)、FcgRIIa(CD32a)及びFcgRIIb(CD32b)の中から選択されるFc領域(FcR)の受容体の少なくとも1つに対して、前記Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性と比べて低減された親和性を有し、本方法は前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものであり、その変異工程は、262、264、293又は294位のいずれのアミノ酸にも適用されない、方法を提供する。
特定の実施形態によると、変異は、挿入、置換、好ましくは点様の置換及び欠失の中から選択され、240、241、242、243、258、259、260、261、263、265、266、267、290、291、292、295、296、298、299、300、301、302、303、304又は305位に位置する少なくとも1つのアミノ酸において行われ、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである。
有利にも、本発明に従って作製されたFcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントは、Fcフラグメントによって媒介される、受容体FcRnに対する親ポリペプチドの親和性と比べて、保持された、又は増加した前記親和性を有してもよい。好ましくは、本発明によるバリアントによって含まれる変異は、Fcフラグメントによって媒介される、FcRn受容体に対する親和性に影響を及ぼす。言い換えると、好ましくは、本発明に従って作製されるFcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントは、1つ又はいくつかの変異を含み、これは、Fcフラグメントによって媒介される、受容体FcRnに対する親ポリペプチドの親和性と比べて親和性に影響を及ぼさない。
「FcRn」又は「胎児性受容体Fc」とは、本明細書において使用される場合、IgGのFc領域と結合し、FcRn遺伝子によって少なくとも部分的にコードされたタンパク質を意味する。FcRnは、いかなる生物のものであってもよく、ヒト、マウス、ラット、ウサギ及びサルが挙げられるが、それらに限定されるものではない。これは当該技術において知られているとおり、機能的FcRnタンパク質は2つのポリペプチドを含み、重鎖及び軽鎖(lightweight chain)タンパク質と呼ばれることが多い。軽鎖はベータ-2-ミクログロブリンであり、重鎖はFcRn遺伝子によってコードされる。本明細書中において別に示さない限り、FcRn又はFcRnタンパク質は、α鎖のベータ-2-ミクログロブリンとの複合体を指す。ヒトでは、FcRnをコードする遺伝子はFCGRTと呼ばれる。
本出願に記載されている配列は、以下のとおり概要を示すことができる。
より優先的には、本発明によるバリアントを調製するための方法の変異工程は、
i)Fcフラグメントを含む親ポリペプチドをコードする核酸配列が用意され、
ii)バリアントをコードする核酸配列を得るためにi)で用意された核酸配列が改変され、
iii)ii)で得られた核酸配列が宿主細胞において発現され、バリアントが回収されて
得られる。
しがたって、そのような変異工程は、前記親ポリペプチドをコードする核酸配列(ポリヌクレオチド又はヌクレオチド配列)を使用して行われる(工程i))。親ポリペプチドをコードする核酸配列は、化学的経路によって合成されてもよい(Young L及びDong Q.、2004年、-Nucleic Acids Res.、4月15日;32(7)頁、Hoover, D.M.及びLubkowski, J.2002年、Nucleic Acids Res.、30、Villalobos Aら、2006年、BMC Bioinformatics、6月6日;7:285頁)。親ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列はまた、適したプライマーを使用することによりPCRによって増幅されてもよい。親ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列はまた、発現ベクターにおいてクローン化されてもよい。そのような親ポリペプチドをコードするDNAが表現プラスミドに挿入され、その産生のために特別な細胞株に挿入され(例えば、株HEK-293 FreeStyle、株YB2/O又は株CHO)、それにより産生されたタンパク質がその後クロマトグラフィーによって精製される。
こうした技術は、参考マニュアル:Molecular cloning: a laboratory manual、第3版、-Sambrook及びRussel編(2001年)並びにCurrent Protocols in Molecular Biology - Ausubelら編(2007年)に詳細に記載されている。
親ポリペプチドをコードするi)で用意された核酸配列(ポリヌクレオチド)は、バリアントをコードする核酸配列を得るためにその後改変される。これが、工程ii)である。
厳密に言えばこの工程が変異工程である。これは、先行技術に周知の任意の方法によって、特に定方向変異誘発又はランダム変異誘発によって行うことができる。好ましくは、出願WO02/038756に記載されているとおりのランダム変異誘発が使用される。これは、変異原技術(Mutagen technique)である。この技術は、特にDNAポリメラーゼβ、η及びιの中から選択されるヒトムターゼDNAを使用する。FcRnとの結合を保持している変異体を選択するための工程が、目的とする変異体を保持するために必要とされる。
或いは、アミノ酸の置換は、好ましくは、縮重オリゴヌクレオチドを使用したアセンブルPCR技術による定方向変異誘発によって行われる(例えば、Zoller及びSmith、1982年、Nucl. Acids Res.、10:6487〜6500頁;Kunkel、1985年、Proc. Natl. Acad. Sci USA、82:488頁を参照)。
最後に、工程iii)において、ii)で得られた核酸配列が宿主細胞において発現され、それによって得られたバリアントが回収される。
宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞系、例えば、細菌細胞、また酵母菌細胞若しくは動物細胞、特に哺乳動物細胞の中から選択されてもよい。昆虫細胞又は植物細胞を使用することもできる。
好ましい宿主細胞は、ラット系統YB2/0、ハムスター系統CHO、特にCHO dhfr-及びCHO Lec13、PER.C6(商標)(Crucell社)、HEK293、T1080、EB66、K562、NS0、SP2/0、BHK又はCOS株である。更に好ましくは、ラット系統YB2/0が使用される。
或いは、宿主細胞は、ミルク中にポリペプチドを産生するために改変されたトランスジェニック動物細胞であってもよい。この場合、本発明によるポリペプチドをコードするDNA配列の発現は、哺乳動物カゼインプロモーター又は哺乳動物乳清プロモーターによって制御され、前記プロモーターは本来前記遺伝子の転写を制御しないものであり、DNA配列はタンパク質分泌配列を更に含む。分泌配列は、コード配列とプロモーターとの間に挿入された分泌シグナルを含む。よって動物は、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、雌ヒツジ又はウシから選択されてもよい。
工程ii)で得られたバリアントをコードするポリヌクレオチドはまた、特に特定の細胞におけるその発現のために(工程iii))最適化されたコドンを含んでもよい。例えば、前記細胞は、COS細胞、CHO細胞、HEK細胞、BHK細胞、PER.C6細胞、HeLa細胞、NIH/3T3、293細胞(ATCC # CRL1573)、T2細胞、樹状細胞又は単球を含む。コドン最適化は、アミノ酸を有するトランスファーRNA(RNAt)が関連する細胞種において最も頻繁であるコドンにより天然のコドンを置換する目的がある。高い頻度で遭遇するRNAtを動員する事実は、メッセンジャーRNA(RNAm)の翻訳速度を増加させ、ひいては最終力価を増加させる重大な利点がある(Carton JMら、Protein Expr Purif、2007年)。コドンの最適化はまた、リボソーム複合体による読み取りを遅らせる可能性のあるRNAmの二次構造の予測にも働く。コドンの最適化はまた、RNAmの半減期、ひいてはその翻訳潜在性に直接関連するG/Cのパーセンテージにも影響がある(Chechetkin、J. of Theoretical Biology 242、2006年922〜934頁)。
コドンの最適化は、哺乳動物、特に、ヒト(Homo sapiens)のコドンの頻度表(コドン使用頻度表)を使用することにより天然のコドンを置き換えることによって達成することができる。インターネット上にあり、合成遺伝子の供給者によって利用可能にされたアルゴリズム(DNA2.0、GeneArt、MWG、Genscript)が存在し、これは、この配列最適化を達成する可能性をもたらす。
好ましくは、ポリヌクレオチドは、HEK293細胞、CHO細胞又はYB2/0細胞等のHEK細胞におけるその発現のために最適化されたコドンを含む。より優先的には、ポリヌクレオチドは、YB2/0細胞におけるその発現のために最適化されたコドンを含む。或いは、好ましくは、ポリヌクレオチドは、トランスジェニック動物、好ましくはヤギ、ウサギ、雌ヒツジ又はウシの細胞におけるその発現のために最適化されたコドンを含む。
本発明に従って得られるバリアントは、治療用組成物を形成するために、薬学的に許容される賦形剤及び任意に生分解性高分子のような長期放出を伴うマトリックスと組み合わされてもよい。
医薬組成物は、経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、くも膜下腔内、眼内、脳内、経皮、肺、局所又は直腸経路により投与されてもよい。単独又は別の活性成分と関連付けられた本活性成分は、その後、従来の薬学的担体と混合された単位剤形として投与されてもよい。単位剤形は、経口投与形態、例えば、錠剤、ゼラチンカプセル、粉末、細粒及び経口溶液又は懸濁液、舌下及び頬側投与形態、エアロゾル、皮下、経皮、局所、腹腔内、筋肉内、静脈内、皮下、くも膜下腔内植込錠、鼻腔内経路による投与形態並びに直腸投与形態を含む。
好ましくは、医薬組成物は、注射可能な製剤に対して許容される薬学的に許容される担体を含む。これは、特に等張の、滅菌製剤、生理食塩水(リン酸モノナトリウム若しくは二ナトリウム、塩化ナトリウム、カリウム、カルシウム若しくはマグネシウム等又はそのような塩の混合物を含む)或いは、場合に応じて滅菌水又は生理食塩水を添加すると注射可能な溶質を形成させるフリーズドライ組成物であってもよい。
注入用に適した薬学的形態は、滅菌水溶液又は分散体、ゴマ油、ピーナッツ油を含む油性製剤及び滅菌した注射可能な溶液又は分散体の即席の調製のための滅菌粉末を含む。すべての場合において、この形態は滅菌されていなければならず、シリンジにより注入される必要がある限り流体でなければならない。それは製造及び保管条件下において安定でなければならず、細菌及び真菌等の微生物の汚染作用から保護されなければならない。
本発明による分散体は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール若しくはそれらの混合物中又は油中で調製されてもよい。通常の保管及び使用条件下において、こうした調製物は、微生物の増殖を防ぐための保存料を含む。
薬学的に許容される担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、それに適した混合物及び/又は植物油を含む溶媒或いは分散媒であってもよい。適した流動性は、例えば、レシチン等の界面活性剤を使用することによって維持することができる。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸又は更にチメロサールによってもたらされてもよい。多くの場合、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射可能な組成物の吸収の延長は、組成物中に吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム又はゼラチンを使用することによってもたらされてもよい。
滅菌した注射可能な溶液は、必要とされる量の活性物質を上で挙げたいくつかのその他の成分とともに適した溶媒中に組み込むことによって調製され、必要に応じて、その後、ろ過によって滅菌される。通例、分散体は、基本の分散媒及び上で挙げたものの中から必要とされるその他の成分を含む滅菌担体に種々の滅菌活性成分を組み込むことによって調製される。滅菌した注射可能な溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥し、フリーズドライすることである。製剤中、その溶液は、投与製剤に適合した方法及び治療有効量で投与されることになる。製剤は、上記の注射可能な溶液等のさまざまなガレヌス形態で容易に投与されるが、薬物放出カプセル及び類似のカプセルも使用することができる。例えば、水溶液での非経口投与に関して、溶液は適切に緩衝されなければならず、液体希釈液は十分な量の生理的食塩水又はグルコース溶液により等張にされなければならない。これらの特定の水溶液が、特に静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内投与に適している。この点において、使用可能な滅菌水性媒体が当業者に知られている。例えば、用量は、1mlの等張NaCl溶液中に溶解された後、1000mlの適した液体に添加されてもよく、又は灌流の意図される部位に注入されてもよい。特定の投与量の変動は、必ず処置対象の状態に応じて生じなければならないことになる。
本発明の医薬組成物は、1用量当たり約0.0001から1.0ミリグラム、すなわち約0.001から0.1ミリグラム、すなわち約0.1から1.0ミリグラム又は更に約10ミリグラム以上含む治療混合物として製剤化されてもよい。複数用量が投与されてもよい。特定の患者に対する具体的な治療有効用量レベルは、さまざまな要因によって決まることになり、患者の処置される障害及び疾患の重篤度、使用される特定の化合物の活性、使用される特定の組成物、年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食事、投与の時期、投与経路、使用される特定の化合物の排出レベル、処置の期間、又は更に並行して使用される薬物が挙げられる。
EUインデックスに従って216から447位を参照するネイティブヒトIgG1配列のアライメントを示す図である。図1は、(EUインデックスに従って)216から447位を参照するネイティブヒトIgG1配列のアライメントをヒトIgG2(配列番号2及び7)、ヒトIgG3(配列番号3及び8)並びにヒトIgG4(配列番号4及び9)の対応する配列とともに示す。IgG1配列は、アロタイプG1m1,17(配列番号1及び6)並びにアロタイプG1m3(配列番号5及び10)を参照する。「下部ヒンジCH2-CH3」IgG1ドメインは、226位(矢印を参照)から始まる。CH2ドメインはグレーで強調されており、CH3ドメインはイタリック体である。 YB2/0において産生された抗CD20抗体及び抗アカゲザルD抗体の半減期を示す図である。ヒトFcRnに関するトランスジェニックマウスの血清中における免疫グロブリンの残存性が評価された。2つの抗原特異性が試験された。294位が欠失している抗CD20 IgG及び抗RhD IgGが対応するIgG WTと比較して試験された。A)血漿IgGの濃度の時間依存的変化を示す。B)294位が欠失している両IgG及びIgG WTに対して観察された半減期を示す。
以下の実施例は、多様な本発明の実施形態を説明するために示される。
(実施例1)
294位が欠失しているバリアントの産生
本発明者らは、本発明によるいくつかのバリアント、特に294位(EUインデックス又はKabatにおいて同等のもの)が欠失しているバリアントのシアリル化を分析した。分析したDel294バリアントのうち、いくつかのバリアントは、特許出願EP 2 233 500において最適化されたFcRnとの結合をもたらすために記載されている組合せの中からの追加の変異の組合せを含む。
そのような「FcRn最適化」バリアントを特定し、得ることは、先行技術、特に、いわゆるMutaGen(商標)技術によりそのような変異体を得ることを記載している欧州特許出願EP 2 233 500に記載されている方法に従って達成することができる。
一般に、この方法は、以下の工程を含む。
A/Fcバンクの構築
ヒトIgG1の重鎖由来の残基226から447(KabatのEUインデックスに従い、図1に示される)をコードするヒト遺伝子FcをファージミドベクターpMG58等の適したベクターに当業者に周知の標準的な手順に従ってクローン化する。
B/変異誘発
全体の標的配列に対してランダム変異を均一に導入するという目的で確実性が低いヒトポリメラーゼDNAを使用するWO02/038756に記載された手順に従って、いくつかのバンクをその後形成した。更に具体的には、相補的変異のプロフィールを形成するために3つの異なるムターゼ(pol β、η及びι)をさまざまな条件下において使用した。
C/ファージディスプレイによるFcバンクの発現及び胎児性受容体FcRnとの改善された結合を有するバリアントの選択
Fcフラグメントを選択するために使用される標準的な手順に従ってファージディスプレイ技術を使用することによってFcバンクを発現させる。選択は、欧州特許出願EP 2 233 500の詳細な手順に従って、特に、固相又は液相におけるFcRnに対する選択及びその後のフラグメントのFcRnに対する結合特性のELISAによる判定によって達成することができる。
D/完全なIg及び294位の欠失としてのバリアントの産生
294位が欠失している変異体の産生のためのベースとして使用される「FcRn最適化」変異のいくつかの組合せを選択した。以下の組合せを選択した:
N315D/A330V/N361D/A378V/N434Y(T5A-74)
T256N/A378V/S383N/N434Y(C6A-78)
V259I/N315D/N434Y(C6A-74)
1- HEK細胞におけるIgGバリアントの産生
Fcフラグメント配列である配列番号1をpCEP4(Invitrogen社)由来の一般的な真核細胞発現ベクターにクローン化し、これは標準的なPCR手順による抗CD20キメラ抗体の重鎖を含んでいる。この抗体の軽鎖を同様のpCEP4由来ベクターに挿入した。Fcフラグメントの目的とするすべての変異をオーバーラップPCRにより抗CD20重鎖を含む発現ベクターに挿入した。例えば、発現ベクターに含まれる重鎖に294位の欠失を組み込むために適合した2セットのプライマーを使用することによってバリアント294Delを得た。
PCRによってそれにより得られたフラグメントを結合させ、得られたフラグメントを標準的な手順を使用することによるPCRによって増幅した。PCR産物を1%アガロースゲル(w/v)において精製し、適した制限酵素により消化し、抗CD20重鎖の発現ベクターにクローン化した。
HEK293細胞を等モル量の抗CD20 IgGの軽鎖及び重鎖の発現ベクターを用いて標準的な手順に従ってコトランスフェクトした(Invitrogen社)。この細胞を、抗体を産生するために、一時的な方法で培養した。産生した抗体は、そのキャラクタライゼーションを目的として当該技術分野の現行の技術により単離及び精製することができた。
2- YB2/0細胞におけるIgGバリアントの産生
抗CD20及び抗RhD特異性を有する完全なIgGの様式で細胞株YB2/0(ATCC、CRL-1662)においてFcバリアントを調製した。このために、IgGの重鎖及び軽鎖をYB2/0における産生のために最適化されたバイシストロン性HKCD20ベクターにクローン化した。YB2/0細胞の安定したプールにおいて産生を行った。
そのキャラクタライゼーションを目的として当該技術分野の現行の技術により細胞培養及び抗体を精製するための培養によって産生工程を行った。
本発明者らは、294位の欠失がFcRnとの結合に全く重大な影響がないことを確認した。294位が欠失しているバリアントは、親IgG(IgG WT又は「FcRn最適化」変異を含むIgG)に対してFcRnとの結合を保存している。
(実施例2)
さまざまなタンパク質のシアリル化の分析
操作方法:サンプルの調製
1 脱塩及びN-脱グリコシル化
第1の段階では、潜在的に存在する遊離還元性炭水化物並びに次に続く工程において妨げになる可能性のある物質(塩及び賦形剤)をすべて除去するために分析対象のサンプルを標準的な手順に従って塩析した。塩析後、サンプルを乾燥した後、変性及び還元条件下でN-グリカナーゼの酵素作用によりグリカンを放出させて、N-脱グリコシル化の収量を最大にした。IgのN-脱グリコシル化のために、その乾燥サンプルに1/5に希釈した45μLの消化溶液PNGase Fを吸収させた。1.5μLの超純水中の10%(v/v)β-メルカプトエタノールを撹拌しながら添加し、室温で15分間インキュベーションした。次に、撹拌及び水浴における37℃で12から18時間のインキュベーションの前に1μLのPNGase F溶液(2.5mU/μL)を添加した。次に、冷えたEtOHを用いた沈殿によりグリカンを脱グリコシル化タンパク質から分離した。
その後、エキソグリコシダーゼにより処理する前に、得られたグリカン抽出物を4つの画分に分配した。
2 フコシル化及び挿入GlcNAcレベル並びにN-グリカンのガラクトシル化指数の定量化
100μgに相当する糖タンパク質を含むそれぞれの乾燥したアルコール性小画分Nをそれぞれ(1)フコシル化レベルを求めるためにα-シアリダーゼ、β-ガラクトシダーゼ及びN-アセチル-β-ヘキソサミニダーゼにより、(2)挿入GlcNAcのレベルを算出するためにα-シアリダーゼ、β-ガラクトシダーゼ及びα-フコシダーゼにより、及び(3)ガラクトシル化指数を求めるためにα-シアリダーゼ及びα-フコシダーゼにより消化した。
これらの脱グリコシル化を37℃で12から18時間行った。
60μL(3容積)の-20℃で平衡化した無水エタノールを添加した後、撹拌し、その後、-20℃で15分間インキュベーションすることによる低温アルコール抽出によってエキソグリコシダーゼ分解産物を単離した。+4℃において10,000rpmで遠心分離を10分間行い、その上清をすぐに0.5mLのマイクロチューブに移した後、真空乾燥した。
その後、得られたオリゴ糖を蛍光色素APTSで標識した後、分離し、HPCE-LIFで定量した。
3 結果の利用
N-グリコシル化が完全にわかっているリファレンス糖タンパク質標準物質を用いて、そのN-グリカンの移動時間を分析対象のサンプルの電気泳動像において観察される化学種のものと比較することによってN-グリカンのピークを特定した。更に、グルコースホモ重合体の不均質な混合物の分析後(Glcラダー)、オリゴ糖標準物質の移動時間をグルコース単位(GU)に変換した。GUのこれらの値を、その後、GUがわかっている少数の標準的なオリゴ糖のものと比較することになり、特定の信頼水準を高める可能性をもたらすことになる。
結果
A- YB2/0において産生されたバリアント
以下のポリペプチドを分析した。
抗CD20 Del294:
得られた電気泳動図は二分岐グリカン構造を示している。これらの構造は大部分がシアリル化されている。
その構造の87.98%がシアリル化されていると考えられる。算出されたフコシル化レベルは48.24%である。
抗CD20-C6A 78-Del294:
得られた電気泳動図は二分岐グリカン構造を示している。これらの構造は大部分がシアリル化されている。
その構造の88.69%がシアリル化されていると考えられる。算出されたフコシル化レベルは51.87%である。
抗CD20-C6A 74-Del294:
得られた電気泳動図は二分岐グリカン構造を示している。これらの構造は大部分がシアリル化されている。
その構造の93.48%がシアリル化されていると考えられる。算出されたフコシル化レベルは51.24%である。
抗RhD:
得られた電気泳動図は、大部分が短い非フコシル化アガラクトシル構造(G0:52.06%)からなる二分岐グリカン構造を示している。フコシル化構造は少数である。二分する位置にGlcNacを有するいくつかの構造(G0B、G0FB)が確認されている。
主なオリゴ糖構造はG0である(52.06%)。算出されたフコシル化レベルは17.05%であり、ランDSial+DGal+DhexNAc(*)により得られたフコシル化レベルは13.07%である。バイセクティングGlcNacを有する形態のレベルは2.87%である。算出されたガラクトシル化レベルは40.5%である。
抗RhD Del294:
得られた電気泳動図は、二分岐グリカン構造及びいくつかの三分岐(triantenna)構造を示している。これらの構造は大部分がシアリル化されている。
その構造の92.25%がシアリル化されていると考えられる。算出されたフコシル化レベルは37.08%である。
抗RhD-C6A 78:
主なオリゴ糖構造はG0である(55.20%)。算出されたフコシル化レベルは12.37%であり、ランDSial+DGal+DhexNAc(*)により得られたフコシル化レベルは10.63%である。バイセクティングGlcNacを有する形態のレベルは2.27%である。算出されたガラクトシル化レベルは39.13%である。
抗RhD-C6A 78-Del294:
得られた電気泳動図は、二分岐グリカン構造及びいくつかの三分岐構造を示している。これらの構造は大部分がシアリル化されている。
その構造の91.83%がシアリル化されていると考えられる。算出されたフコシル化レベルは57.81%である。
B- HEK株において産生されたバリアント
以下のポリペプチドを分析した(抗CD20 IgGバリアント)。
バリアントT5A-74Hは、親バリアントT5A-74とは変異V264Eによって異なる。変異体T5A-74Del294は、親バリアントT5A-74とは294位のアミノ酸の欠失によって異なる。
その後、これらのバリアントのグリコシル化のプロフィールを分析した。その結果の概要を以下の表に示す(パーセンテージ単位)。
(実施例3)
294位が欠失しているIgGの半減期の分析
ヒトFcRn関するトランスジェニックマウスの血清中における免疫グロブリンの残存性を評価した。2つの抗原特異性を試験した。294位が欠失している抗CD20 IgG及び抗RhD IgGを対応するIgG WTと比較して試験した。
それによりhFcRnマウスにおいて薬物動態実験を行った。このマウスはマウスの対立遺伝子KOに関してホモ接合体であり、ヒトFcRnの導入遺伝子に関してヘテロ接合体FcRn(mFcRn-/-hFcRnTg)である。
こうした薬物動態学的調査に対して、各動物にIgGの1回の静脈内注射を5mg/kgで後眼窩洞に以前に記載されたものと同様の手順で与えた(Petkova SBら、Enhanced half-life of genetically engineered human IgG1 antibodies in a humanized FcRn mouse model:potential application in humorally mediated autoimmune disease、Int Immunol、2006年)。複数の時点において後眼窩洞から血液サンプルを採取し、ELISAを用いてIgGを滴定した。
結果:
この試験では、294位が欠失している両IgGは、1.7の比(バリアント半減期/WT)で半減期の増加を示した(図2)。
分析したパラメータを下記表において分類する。
分析したパラメータを以下に定義する。
C0:T0に対して推定される最高濃度
AUCO-t:時間/血漿中濃度曲線下面積(時間T0から抗体が依然として定量化できる最終時間tまで)
AUCinf:T0から無限大までの時間/血漿中濃度曲線下面積(=AUCO-t+無限大までの推定)
T1/2:半減期
Vd:分布容積
Cl:クリアランス
(実施例4)
定方向変異誘発による更なるFcバリアントの産生及びFc受容体に対する結合試験
1.Fcバリアントの構築:
標的位置(240から243、258から267、290から305)に欠失又は縮重コドン(NNN若しくはNNK)を組み込むのに適合した2セットのプライマーを使用することによるオーバーラップPCRによって抗CD20重鎖を含む発現ベクターにフラグメントFcの目的とする各変異を独立して挿入した。PCRによってそれにより得られたフラグメントを結合させ、得られたフラグメントを標準的な手順を使用することによるPCRによって増幅した。PCR産物を1%(w/v)アガロースゲルにおいて精製し、適した制限酵素により消化し、真核細胞発現ベクターpMGM05-CD20(pCEP4、Invitrogen社)にクローン化し、このベクターはFcフラグメントに対するクローニングサイト(BamHI及びNotI)及び抗CD20抗体の可変鎖VHを含む。このコンストラクトは、Fcにおける2つのアミノ酸の変異(aa224及び225、GSに変えられたHT)及びFcのC末端におけるEFAAA配列の付加を引き起こすが、極めて多くのクローンを極めて急速に試験する可能性をもたらす。第1の段階では、これらの変異は、さまざまな受容体に対するIgG-WTの結合を改変しないことが確認された。その後、それを確認するために陽性対照をこの系にクローン化した:
- Xencor社の抗CD19抗体XmAb5574からのIgG1-S239D、I332E(C1):CD16aに対する陽性対照、
- Xencor社のIgG1-G236A(C4):CD32aH/Rに対する陽性対照、
- Abgenix社/Genentech社のIgG1-K326W、E333S(C3):C1qに対する陽性対照、及び
- Xencor社の抗CD19抗体XmAb5574からのIgG1-S267E、L328F(C5):CD32bに対する陽性対照。
コロニーに対するPCRの後、単離したクローンのDNAを配列決定した。バイオコンピュータ解析後、新しい変異を含むクローンを細菌XL1-Blue中で-80℃に凍結し、その配列を本出願人のデータベースに含めた。このように、268のバリアントを構築した。
2.HEK293細胞におけるIgGバリアントの産生:
抗CD20の軽鎖を、重鎖に対して使用したベクターと同一の、pMGM01-CDC20(pCEP4、Invitrogen社)として知られるpCEP4ベクターに挿入した。24ウェルプレートで培養したHEK293-F Freestyle(商標)(Invitrogen社)細胞を、トランスフェクション試薬(1μl/ml)を用いて標準的な手順(Invitrogen社)を使用することによって等モル量(250ng/ml)のベクターpMGM01-CD20及びpMGM05-CD20(Fc-WT及びバリアント)によりコトランスフェクトした。その細胞を、トランスフェクション後7〜9日間いかなる血清も含まない培地中で懸濁培養し、その細胞の100Gにおける10分間の遠心分離後にIgGを含む上清(1ml)を回収した。上清に分泌されたIgGを、ELISA試験(FastELISA、R&D biotech社)を使用することによって定量した。
3.使用される組み換え型Fc受容体:
CD16aは活性化受容体であり、これはFcに対する結合部位の158位に多型V/Fを有する。CD16aVに対する親和性は更に良好である。CD16aVは商業的に入手可能である(R&D system社)。
CD32aは活性化受容体であり、これはFcに対する結合部位の131位に多型H/Rを有する。CD32aHに対する親和性は更に良好である。CD32aHはPX'Therapeutics社によって生産されていた。CD32aR及びCD32bは商業的に入手可能である(R&D system社)。
4.HEK293-F細胞の上清に産生されたIgGバリアントのELISA試験:
IgGバリアントを、いくつかのヒトFcR及びFcRnとのその結合についてELISAを用いて試験した。Maxisorpイムノプレートを、PBS中の0.1μgのCD32aH/ウェル若しくは0.2μgのCD16aV/ウェル又はP6(リン酸ナトリウム100mM、塩化ナトリウム50mM、pH6.0)中の0.25μgのFcRnでコーティングした。NiNTAプレート(HisGrab Pierce社)をPBS中の0.05μgのCD32aR/ウェル又は0.2μgのCD32b/ウェルでコーティングした。4℃で一晩のコーティング後、そのプレートをPBS(又はP6)/0.05%のTween-20で2回洗浄し、PBS/4%のBSA(又はスキムミルク中のP6 4%)により37℃で2時間飽和させた。並行して、上清をPBS(又はFcRnに対する試験に対してはP6)に0.5μgのIgG/mlの最終濃度で希釈し、同じ濃度の抗ヒトヤギHRP IgGのF(ab')2と室温で2時間混合した。その後、F(ab')2と一体となったIgGを、CD16aV、CD32aR及びCD32bに関しては全く希釈せず(すなわち0.5μg/mlのIgG)、CD32aHに関してはPBSに0.25μg/mlで希釈し、FcRnに関してはP6に0.035μg/mlで希釈して飽和したELISAプレートにおいて穏やかに撹拌しながら30℃で1時間インキュベートした。その後、そのプレートをTMB(Pierce社)で発色させ、その吸光度を450nmで読み取った。
このELISA試験によって、構築したバリアントを野生型Fc(Fc-WT)と比較して試験し、そのバリアント/Fc-WT比をTable 1(表1)からTable 3(表3)に示すとおり算出した。

Claims (18)

  1. Fcフラグメントのシアリル化を増加させるための方法であって、前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法。
  2. Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは親ポリペプチドのFcフラグメントのシアリル化と比べて前記Fcフラグメントのシアリル化が改善されており、前記方法は前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものである、方法。
  3. 前記Fcフラグメントのシアリル化が、変異工程前の前記Fcフラグメント又は親ポリペプチドの前記Fcフラグメントのシアリル化と比べて少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも55%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%増加していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは、前記Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドのエフェクター活性と比べて低減された少なくとも1つのエフェクター活性を有する方法において、前記方法は前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものであることを特徴とする、方法。
  5. Fcフラグメントによって媒介されるエフェクター活性が、抗体に依存的な細胞傷害(ADCC)、補体に依存する細胞傷害(CDC)及び抗体に依存的な細胞食作用(ADCP)の中から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. バリアントが、Fcフラグメントによって媒介されるいかなるエフェクター活性も伴わないことを特徴とする、請求項4又は5に記載の方法。
  7. Fcフラグメントを含む親ポリペプチドのバリアントを作製するための方法であって、前記バリアントは、好ましくは補体C1q並びに受容体FcgRIIIa(CD16a)、FcgRIIa(CD32a)及びFcgRIIb(CD32b)の中から選択されるFc領域(FcR)の受容体の少なくとも1つに対して、前記Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性と比べて低減された親和性を有する方法において、前記方法は前記Fcフラグメントの240から243、258から267及び290から305位のアミノ酸の中から選択される少なくとも1つのアミノ酸の変異工程を含み、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものであることを特徴とする、方法。
  8. バリアントが、受容体FcgRIIIa(CD16a)及び受容体FcgRIIa(CD32a)に対して、前記Fcフラグメントによって媒介される、親ポリペプチドの親和性と比べて低減された親和性を有することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 変異が、挿入、置換、好ましくは点様の置換及び欠失の中から選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 変異が、240、241、242、243、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304又は305位に位置する少なくとも1つのアミノ酸で行われ、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものであることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 変異が、240、241、242、243、258、259、260、261、263、265、266、267、290、291、292、293、294、295、296、298、299、300、301、302、303、304又は305位に位置する少なくとも1つのアミノ酸で行われることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 変異が、293又は294位に位置するアミノ酸で行われ、番号付けはEUインデックスの又はKabatにおいて同等のものであることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 親ポリペプチドのFcフラグメントが、好ましくはP230S、T256N、V259I、N315D、A330V、N361D、A378V、S383N、M428L、N434Yの中から選択される少なくとも1つの追加の変異、好ましくはP230S/N315D/M428L/N434Y、T256N/A378V/S383N/N434Y、V259I/N315D/N434Y及びN315D/A330V/N361D/A378V/N434Yの中から選択される追加の変異の組合せを既に含んでいることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 親ポリペプチドが、Fcフラグメントにあることを特徴とする、請求項2から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 親ポリペプチドが、N末端又はC末端でFcフラグメントと融合したアミノ酸の配列にあることを特徴とする、請求項2から13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記親ポリペプチドが、免疫グロブリン又は抗体であることを特徴とする、請求項2から13のいずれか一項に記載の方法。
  17. 親ポリペプチドのFcフラグメントが、好ましくは配列番号1の配列に対応するIgG1のFcフラグメントであることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 変異工程が、
    i)Fcフラグメントを含む親ポリペプチドをコードする核酸配列が用意され、
    ii)バリアントをコードする核酸配列を得るためにi)で用意された核酸配列が改変され、
    iii)ii)で得られた核酸配列が宿主細胞において発現され、バリアントが回収されて
    得られることを特徴とする、請求項2から17のいずれか一項に記載の方法。
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