JP2017227814A - トナー - Google Patents

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浜 雅之
Masayuki Hama
雅之 浜
仁思 佐野
Hitoshi Sano
仁思 佐野
伊知朗 菅野
Ichiro Sugano
伊知朗 菅野
橋本 武
Takeshi Hashimoto
武 橋本
翼 藤崎
Tsubasa Fujisaki
翼 藤崎
小松 望
Nozomi Komatsu
望 小松
小堀 尚邦
Naokuni Kobori
尚邦 小堀
藤川 博之
Hiroyuki Fujikawa
博之 藤川
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Abstract

【課題】画像流れを均一に抑止できるトナーを提供すること。【解決手段】結着樹脂、着色材とワックスを含有するトナー粒子と無機微粒子とを有するトナーであって、該トナーは平均円形度が0.950以上であり、該無機微粉粒子は、炭酸マグネシウム粒子と、新モース硬度が6以上13以下の無機微粒子Aを含み、該炭酸マグネシウム粒子は、1次粒子の個数平均径が30nm以上300nm以下であり、該トナーは、粒子径70nm以上300nm以下の該無機微粒子Aによるトナー表面被覆率が5.0面積%以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式に用いられるトナーに関する。
従来、電子写真方式を利用した画像形成方法及び画像形成装置が広く普及している。電子写真方式では、像担持体としての光導電性物質を利用した電子写真感光体(感光体)を所要の極性及び電位に一様に帯電処理した後に、画像パターンに従った露光を行うことにより、感光体上に電気的潜像(静電潜像)を形成する。その後、感光体上の静電潜像をトナーで現像して顕像化し、これを紙などの転写材(転写媒体)に転写した後定着させる。
電子写真方式の画像形成方法及び画像形成装置における課題の一つとして、装置本体のデューティサイクル(Duty Cycle)が挙げられる。デューティサイクルとは、作業員によるメンテナンスを要することなく、装置本体が正常に稼動し続ける限界枚数のことである。
このデューティサイクルの律速となる最大の要因の一つに、感光体の寿命を挙げることができる。感光体の寿命を長寿命化することができれば、廃棄物の減少、即ち、消耗品の減少や消耗品の長寿命化や信頼性の向上を図ることができる。
斯かる背景のもと、感光体としてアモルファスシリコン(a−Si)感光体や、表面に硬化型樹脂による保護層を有する有機感光体のような、高耐久性の感光体が多用されてきている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、感光体が高耐久性化するほど、感光体の表面状態の劣化が蓄積し易くなり、その結果、画質に影響を及ぼす可能性が高くなる。
画質に影響を及ぼす感光体の表面変化としては、次のものが挙げられる。即ち、転写材として多くの場合に利用される紙片から発生する微細な紙粉、これから析出する有機質成分、装置内における高電圧印加部材の存在に起因して発生する放電生成物が、感光体の表面に付着することによるものである。特に感光体の表面に付着した放電生成物は、高湿環境化において感光体表面の水分に溶け込んで感光体表面が低電気抵抗化し、鮮明な静電潜像の形成を妨げ、これが画像流れ(画像ボケ)とよばれる画質の劣化をもたらす。
このような高耐久性の感光体を用いた場合の問題に対する対策として、劣化した感光体の表面を削り取る方法がある。即ち、削り取り部材や研磨剤により、常時、感光体の表面に新しい表面が出るようにする方法である。しかしながら、単に感光体の研磨することでは、研磨量及びキズの発生を適切に抑えた上で、放電生成物付着によって表面が低電気抵抗化することによる画像流れを十分に抑止することは困難である。
この感光体表面に付着する放電生成物による画質劣化の課題に対し、アルカリ土類金属の炭酸塩粒子をトナーに外添し、トナーに放電生成物を吸着あるいは反応させて感光体表面から取り除き、画像流れを効果的に防止する技術がある。
特許文献1には、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム粒子と層状複水酸化物を用いて、画像流れを防止する技術が開示されている。
特許文献2にはアルカリ土類金属のチタン酸塩粒子の表面に炭酸塩が存在する粒子を用いて、画像流れを防止する技術が開示されている。
特許文献3には、一定粒径の低硬度の粒子と高硬度の粒子を併用することで画像流れを防止する技術の開示があり、その中でアルカリ土類金属の炭酸塩粒子が用いられている。
特開2012−93554号公報 特開2013−25223号公報 特開2012−83497号公報
上述の特許文献1〜3のように、アルカリ土類金属の炭酸塩粒子を用いる場合の画像流れ防止技術が有効であるが、それらの技術検討する中、炭酸マグネシウム粒子を外添したトナーを用いると、放電生成物が感光体表面に多く蓄積して画像流れの程度がひどくなった場合に回復させる速度が非常に高いことが確認された。
一方、炭酸マグネシウムの粒子が外添されたトナーを用いた場合に、画像流れを抑止できる場合と抑止しにくい場合があることがわかってきた。具体的には感光体の長手水平方向に画像の偏りがある場合、画像流れ抑止効果が発揮されにくかった。より具体的には縦罫線画像の画像出力を繰り返した場合に、感光体上にトナーが現像された場所とされなかった場所で画像流れの程度に差ができ、かつその境目が目立ってしまう課題が発生した。
画像流れを抑止する効果は、炭酸塩粒子を含んだトナーが感光体表面と接触して摺擦することによるところが大きい。トナーが感光体表面と最も摺擦される電子写真プロセスは感光体クリーニング工程であり、感光体クリーニング工程へトナーが運ばれるのは主に転写残トナーであるが、転写残トナーは感光体に現像される画像のパターンにより、運ばれる場所が感光体長手方向で偏る場合がある。通常、ある程度の偏りはトナーの流動によるヨコ走りという現象により感光体長手方向へある程度拡散する。炭酸マグネシウム粒子が外添されたトナーはクリーニング工程におけるヨコ走りの性能が弱く、感光体表面の放電生成物を吸収する感光体長手均一性が劣り、結果として画像流れが良い部分と悪い部分の差が出やすい。
本発明の目的は、感光体の磨耗やキズの発生を抑えながら、感光体表面の劣化を均一に抑止し、高品費な画像形成を行うことのできるトナーを提供することである。
上記目的は本発明に係る電子写真画像形成用トナーにて達成される。要約すれば、本発明は、平均円形度が0.950以上であり、
該無機微粒子は、炭酸マグネシウム粒子と、新モース硬度が6以上13以下の無機微粒子Aを含み、
該炭酸マグネシウム粒子は、1次粒子の個数平均径が30nm以上300nm以下であり、
該トナーは、粒子径70nm以上300nm以下の該無機微粒子Aによるトナー表面被覆率が5.0面積%以上であることを特徴とするトナーである。
本発明によれば、高湿環境でタテ罫線画像など画像形成パターンが感光体長手方向で偏った画像形成を行う場合にも、画像流れによる画質劣化の不均一さが少ない均一な画像出力を行うことができるトナーを提供することができる。
本発明のトナーは、粒径が30nm以上300nm以下の炭酸マグネシウム粒子を含有し、トナー表面において一定以上の大きさでかつ新モース硬度(修正モース硬度)6以上13以下の粒子が5.0面積%以上被覆されていることが重要である。この条件を満たすトナーを作製し、電子写真プリンタにて高湿環境下での縦罫線パターンの画像出力を行った後にハーフトーン画像出力を行ったところ、均一な濃度の画像形成を行うことができた。そのメカニズムは、次のように考えられる。
炭酸マグネシウム粒子はその表面と放電生成物とが反応して、放電生成物を水分ごと吸収する。放電生成物を反応吸収した後の炭酸マグネシウムは付着力が大きくなって流動性が悪化し、トナーの流動性が低下する。これに対し、本発明のトナーは大きくかつ一定以上の硬度を持つ粒子で覆われており、トナー同士または感光体表面と炭酸マグネシウムの接触機会を低減し、かつ炭酸マグネシウムの接触付着部分を破壊しやすくなるために流動性を維持することができると考えられる。
本発明のトナーは、結着樹脂と、着色剤と、ワックス(離型剤)を含有し、さらに平均円形度が0.950以上であり、平均粒径が30nm以上300nm以下の炭酸マグネシウム粒子を含み、新モース硬度6以上13以下でかつ70nm以上300nm以下の粒子がトナー表面に5.0面積%以上被覆していることを特徴とする。
<結着樹脂>
結着樹脂として着色剤、ワックスを分散させるために非晶質樹脂を用いるのが好ましい。
非晶性樹脂としては、特に制限はないが、スチレン類(例えばスチレン、クロロスチレン等)、モノオレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等)、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)等の単独重合体および共重合体、ジカルボン酸類とジオール類との共重合によるポリエステル樹脂等が挙げられる。
特に代表的な非晶性樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
また、代表的な非晶性樹脂としては、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
非晶性樹脂の含有量は、例えば、40質量%以上95質量%以下であることがよく、望ましくは50質量%以上90質量%以下であり、より望ましくは60質量%以上85質量%以下である。
低温定着性と高温ホットオフセット防止のために分子量が低い樹脂と分子量高い樹脂とを混ぜ合わせるのが好ましい。
さらに顔料やワックスの分散性をさらに向上させたり、トナーの帯電安定性、耐ブロッキング性を改善したりする目的でメインの樹脂に異なる樹脂を含有させることも可能である。
<結晶性樹脂>
本発明のトナーは上記結着樹脂である非晶性樹脂に加え、結晶性樹脂を含有するのが好ましく、結晶性ポリエステルまたは結晶性ポリエーテルを含有するのが好ましい。本発明における結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。本発明のトナーは結晶性樹脂を含有させることで、トナーの電気抵抗を小さくし、転写残トナーの静電電荷を緩和することができる。これにより、転写残トナー流動性を向上させることができるので好ましい。本発明の様に炭酸マグネシウム粒子を含有するトナーは高湿環境下において転写残トナーの流動性低下が発生し、これにより感光体クリーニングの潤滑性を保つ働きを有するトナーから遊離した外添剤の流動性も低下し、クリーニングブレードと感光体の摩擦力が増大し易い。トナーの静電緩和効果により、外添剤の静電凝集およびトナーからの遊離が起き易くなり、クリーングブレードと感光体の摩擦が安定し、トナーすり抜けが起きにくくなる。
結晶性ポリエステルは、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールと、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得られる。
炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数8以上12以下)の脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールの如き直鎖脂肪族、α,ω−ジオールが好ましく例示される。
上記アルコール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。
本発明において、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を用いることもできる。該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のアルコ−ルを用いてもよい。該1価のアルコールとしては、例えばn−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、ラウリルアルコール、2−エチルヘキサノール、デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ドデシルアルコール等の1官能性アルコールなどが挙げられる。
一方、炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数6以上14以下)の脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。
本発明において、上記カルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。
本発明において、上記炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども含まれる。また、その他のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物または低級アルキルエステル等の誘導体等も含まれる。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のカルボン酸を含有していてもよい。1価のカルボン酸としては、例えば安息香酸、ナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸などのモノカルボン酸が挙げられる。
本発明における結晶性ポリエステルは、通常のポリエステル合成法に従って製造することができる。例えば、前記したカルボン酸単量体とアルコ−ル単量体とをエステル化反応、またはエステル交換反応せしめた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで所望の結晶性ポリエステルを得ることができる。
上記エステル化またはエステル交換反応は、必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウムなどの通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いて行うことができる。
また、上記重縮合反応は、通常の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用して行うことができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、適宜に決めればよい。
エステル化もしくはエステル交換反応または重縮合反応において、得られる結晶性ポリエステルの強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させたりする等の方法を用いてもよい。
結晶性ポリエーテルは、例えば、多価アルコールの単独重合体、2種以上の多価アルコールの共重合体が挙げられる。より具体的には、結晶性ポリエーテルとしては、1)脂肪族系の多価アルコールの重合体、2)脂肪族系の多価アルコールと芳香族系の多価アルコールとの重合体、3)芳香族系の多価アルコールの重合体が挙げられる。
ここで、結晶性ポリエーテルとしては、結晶性を付与する観点から、1)脂肪族系の多価アルコールの重合体及び2)脂肪族系の多価アルコールと芳香族系の多価アルコールとの重合体がよく、特に、1)が望ましい。
脂肪族系の多価アルコールとしては、例えば、炭素数6以上20以下(望ましくは6以上12以下、より望ましくは8以上12以下)のアルキレン基を有するアルキレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
芳香族系の多価アルコールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、あるいはそれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物、キシリレングリコール等が挙げられる。
結晶性ポリエーテルとして、特に望ましくは、以下の一般式(1)で表される繰り返し単位のみを有する結晶性ポリエーテルが挙げられる。
[−(CH2)n−O−] 一般式(1)
上記一般式(1)中、nは6以上20以下の範囲の整数を示す。特に、一般式(1)のnは、6以上12以下の範囲内の整数を示すことが望ましく、より望ましくはnが8以上12以下の範囲内の整数を示すことである。
結晶性ポリエーテルの重量平均分子量(Mw)は、例えば、2000以上200000以下がよく、望ましくは3000以上100000以下、さらに望ましくは3000以上30000以下である。
結晶性ポリエーテルの溶融温度としては、例えば、40℃以上120℃以下がよく、望ましくは50℃以上100℃以下である。
結晶性ポリエーテルの含有量は、トナーに対して、1質量%以上50質量%以下であることがよく、望ましくは2質量%以上20質量%以下である。
<ワックス(離型剤)>
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、結晶性ポリエステルとワックスが分かれて分散し、分散性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
本発明では、ワックスは、結着樹脂100質量部あたり1質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
<着色剤>
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
<荷電制御剤>
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
<炭酸マグネシウム粒子>
本発明のトナーは、炭酸マグネシウム粒子をを含有する。
炭酸マグネシウムは、特に制限されず、市販品も使用することができる。また、いずれの製法によって得られるものも使用することができる。
炭酸マグネシウムのトナーへの添加方法はトナー粒子表面に外添するのが好ましい。トナー中の含有量としては0.02質量%以上1.00質量%以下が好ましい。炭酸マグネシウム粒子は他の炭酸塩粒子に比べ、放電生成物への反応性が高いために、トナーへは少量添加が好ましく、0.4質量%以下がより好ましい。
本発明における炭酸マグネシウム粒子は、画像流れ抑止性能を発揮させるため、その1次粒子の個数平均粒径が30nm以上300nm以上である。個数平均粒径が30nm未満であると、感光体に付着しやすく、取りにくくなる。個数平均粒径が300nmより大きいと、放電生成物の吸収性が低下し画像流れ抑止性能が十分に発揮されない。
なお、本発明における無機微粒子の粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真からランダムに100個の粒径を測定してその平均値を求めた。粒径は一次粒子の最長辺をa、最短辺をbとしたとき、(a+b)/2で求めた。
炭酸マグネシウムはその本来の性質として空気中の水分を吸収することと、酸に対しての反応性を有する。本発明の効果を発現させる以外の場所、例えば現像装置内において物性変化を少なくして帯電安定性をもたせるために、疎水性分子により炭酸マグネシウム粒子の表面を疎水化処理するのが望ましい。
疎水化するための表面処理には、脂肪酸と誘導体、樹脂酸とその誘導体、その他の有機カルボン酸とその塩、またはチタネート系及びシラン系カップリング剤などを単独または併用処理して吸着させる方法がある。中でも脂肪酸と誘導体、樹脂酸とその誘導体が好ましい。脂肪酸又はその誘導体としては、特に限定されないが、例えば脂肪酸、その金属塩、そのエステル化物等を好適に使用することができる。脂肪酸としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。上記金属塩としては、例えば上記脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。上記エステル化物としては、例えばステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、パルミチン酸ステアリル、パルミチン酸ラウリル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。これらの中でも、炭素数6以上31以下の脂肪酸及びその誘導体が好適に使用できる。
樹脂酸及びその誘導体としては、特に限定されないが、例えば樹脂酸、その金属塩、そのエステル化物等を好適に使用することができる。樹脂酸として、例えばアビエチン酸、レポピマール酸、ネオアビエテン酸、パルストリン酸、デヒドロアピエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラアビエチン酸、デキストロピマール酸、イソデキストロピマール酸等が挙げられる。上記金属塩としては、例えば上記樹脂酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらのほかにも、樹脂酸誘導体として水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、マレイン化ロジン、マレイン化ロジンエステル、ロジン変性フェノール等を挙げることができる。
脂肪酸等の種類等に応じて適宜定めることができるが、通常は炭酸マグネシウム100質量部に対して、脂肪酸及びその誘導体ならびに樹脂酸及びその誘導体の少なくとも1種が0.1質量部以上30質量部以下程度、好ましくは0.2質量部以上20質量部、より好ましくは0.2質量部以上5質量部となるようにすれば良い。
疎水性分子を炭酸マグネシウムに表面処理する方法としては、炭酸マグネシウム乾燥粉に直接噴霧する方法、炭酸マグネシウムのスラリーに添加する方法、炭酸マグネシウムの脱水ケーキに添加する方法、炭酸マグネシウムを湿式粉砕する方法がある。好ましくは、炭酸マグネシウム含有水性物(炭酸マグネシウム反応スラリーを濃縮した濃縮液、軽質炭酸マグネシウム反応スラリーを脱水した脱水ケーキ、軽質炭酸マグネシウム乾燥粉を溶解した水性スラリー)に添加し、混合処理を行う。混合処理は好ましくは液撹拌型であり、混合槽、混合ポンプを使って行われる。液撹拌型装置には、液のせん断力を高めるために邪魔板を設置できる。せん断力が強い撹拌機では短時間で処理でき、弱いときは、処理を長時間行なえばよい。液撹拌型のいずれの混合槽も使用可能である。
<新モース硬度6以上13以下の無機微粒子>
本発明のトナーには炭酸マグネシウムに加え、新モース硬度が6以上13以下の無機微粒子を含有させ、その粒子の内70nm以上300nm以下の粒子でトナー表面を5.0面積%以上被覆させる。本発明のトナーの転写残トナーの流動性を持たせるために70nm以上の粒子がトナー表面に多く存在する必要がある。
粒子径が70nm以上の粒子であると転写工程またはクリーニング工程にてトナーが機械的負荷を受けてトナー表面に埋め込まれた場合に、トナー表面にて放電生成物と反応して付着力が大きくなった劣化炭酸マグネシウム粒子のトナー流動性への影響を減じることができる。粒径が300nmより大きいものはトナー表面から離脱または移動し易く、劣化炭酸マグネシウムによる転写残トナーの流動性への影響が発生してしまう。
また、新モース硬度が6以上であると、劣化炭酸マグネシウムと感光体表面の付着個所に衝撃を与えることができるために転写残トナーの感光体表面における流動性を維持できる。新モース硬度が13より大きくなると感光体やクリーニング部材等トナーが接触する場所にへこみや傷が発生し、そのへこみや傷を起点としてトナー成分が付着・蓄積して逆に画像流れが悪化する。
さらに、この粒子としては、放電生成物と反応しにくい酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、およびそれらの複合金属酸化物が好ましく、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウムがより好ましい。それら粒子の2種以上の併用も可能であり、その場合はモース硬度に差がある粒子を併用するのが好ましい。
トナーへの添加量としては炭酸マグネシウム粒子のトナー中の含有質量に対し、0.5倍以上8.0倍以下が好ましく、1.5倍以上6.0倍以下がより好ましい。この条件を満たす粒子により劣化炭酸マグネシウムがクリーニングブレードに付着してクリーニングにおける転写残トナーのヨコ走り性能を妨げる現象を抑止し、長期にわたり画像流れ均一抑止性能を維持できる。この効果は新モース硬度11以上12以下の無機微粒子がさらに好ましい。
<その他の無機微粒子>
本発明のトナーには、必要に応じて上記以外の無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、内添剤としてトナー粒子に内添してもよいし、外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。
外添剤としては、現像工程および転写工程における流動性および帯電安定性の点から、シリカ、チタニア、アルミナの如き金属酸化物粒子が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。流動性および帯電安定性から使用する外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下で使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
<現像剤>
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
<製造方法>
トナー粒子を製造する方法としては、結着樹脂と、着色剤と、ワックスを溶融混練する必要があることから、結着樹脂と、着色剤と、ワックスを溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕法が好ましい。
以下、粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂及びワックス、並びに必要に応じて着色剤、荷電制御剤等の他の成分を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス、結晶ポリエステル等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
その後、必要に応じ選択された無機微粉体や樹脂粒子などの外部添加剤を加えて混合(外添)してもよい。例えば流動性付与のため、外添剤を添加することができ、熱処理前トナー粒子を得ることができる。
混合装置としては、撹拌部材を有する回転体と、撹拌部材と間隙を有して設けられた本体ケーシングとを有する混合装置によって行われる。このような混合装置の一例としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等が挙げられる。特に、均一に混合しシリカ凝集体をほぐすためには、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)が好ましく用いられる。
混合の装置条件としては、処理量、撹拌軸回転数、撹拌時間、撹拌羽根形状、槽内温度などが挙げられるが、所望のトナー性能を達成するために、トナー粒子の諸物性や添加剤の種類などを鑑みて適宜選定するものであり、とくに限定されるものではない。
さらに上記製法等で得られたトナー粒子に熱または機械的負荷を与えることにより、トナー粒子表面の疎水性を強化や、表面形状平滑化などの改質を行うことができる。
その後、必要に応じ選択された無機微粉体や樹脂粒子などの外部添加剤を加えて混合(外添)することにより、例えば流動性付与、帯電安定性を向上させ、トナーを得る。混合装置としては、撹拌部材を有する回転体と、撹拌部材と間隙を有して設けられた本体ケーシングとを有する混合装置によって行われる。
このような混合装置の一例としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等が挙げられる。特に、均一に混合しシリカ凝集体をほぐすためには、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)が好ましく用いられる。
混合の装置条件としては、処理量、撹拌軸回転数、撹拌時間、撹拌羽根形状、槽内温度などが挙げられるが、所望のトナー性能を達成するために、熱処理トナー粒子の諸物性や添加剤の種類などを鑑みて適宜選定するものであり、とくに限定されるものではない。
さらには、例えば添加剤の粗大凝集物が、得られたトナー中に遊離して存在する場合などには、必要に応じて篩分機などを用いてもよい。
トナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
<トナー表面被覆率の測定方法>
本発明における新モース硬度6以上13以下でかつ70nm以上300nm以下の粒子のトナー被覆率Xは、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面画像を、画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出する。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S−4800観察条件設定
被覆率Xの算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、被覆率Xを精度良く測定することが出来る。エネルギー分散型X線分析装置(EDAX)による元素分析を行い、モース硬度6−13でかつ70nm以上300nm以下の粒子の元素を特定した後、被覆率Xを算出する。
S−4800の鏡体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20乃至40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800鏡体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)焦点調整
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー粒子一つに対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー30粒子以上について画像を得る。
(5)画像解析
本発明では解析ソフト(Image−Pro Plus ver.5.0)を用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで被覆率Xを算出する。このとき、上記一画面を正方形で12分割してそれぞれ解析する。
画像解析ソフトの解析条件は以下の通りである。
ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」、「オプション」の順に選択し、二値化条件を設定する。オブジェト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とする。その他、予め選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とする。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジに2〜107と入力する。
被覆率の計算は、正方形の領域を囲って行う。この時、領域の面積(C)は24000乃至26000ピクセルになるようにする。「処理」−2値化で自動2値化し、新モース硬度6以上13以下でかつ70nm以上300nm以下の無機微粒子の無い領域の面積の総和(D)を算出する。
正方形の領域の面積C、シリカの無い領域の面積の総和Dから下記式で被覆率aが求められる。
被覆率a(%)=100−(D/C×100)
得られた全データの平均値を本発明における被覆率Xとする。
<粒子の粒径の算出>
シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面の画像から算出される。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
上述した「被覆率Xの算出」と同様に(1)乃至(2)まで操作を行い、(3)と同様にトナー表面を倍率5万倍で焦点調整を行ってピントを合わせた後、ABCモードで明るさ合わせを行う。その後、倍率を10万倍とした後に(3)と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、更に、オートフォーカスでピントを合わせる。焦点調整の操作を再度繰り返し、10万倍にてピントを合わせる。
その後、トナー表面上の少なくとも300個の無機微粒子について粒径を測定して、一次粒子の個数平均粒径を求める。ここで、シリカ微粒子は凝集塊として存在するものもあるため、一次粒子と確認できるものの最大径を求め、得られた最大径を算術平均することによって、一次粒子の個数平均粒径を得る。
<トナーのガラス転移点およびワックスの融点の測定>
本発明におけるトナーのガラス転移点は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約5mgを精秤し、銀製のパンの中に入れ、一回測定を行う。リファレンスとしては銀製の空パンを用いる。
上記条件で測定されたDSC曲線からガラス転移点Tgまたはワックスの融解吸熱ピーク温度を求める。
本発明のトナーにおいて、クリーニング部において摩擦熱によるトナーへの外添無機微粒子の埋め込みを抑制し、流動性維持を高めるためトナーのガラス転移点温度は50℃以上が好ましい。さらにワックスの融点は80℃以上であると、転写残トナーがほぐれやすく、トナー表面に存在する炭酸マグネシウムが有効に作用し画像流れ抑止効果が発揮されやすくなるので好ましい。
<トナー粒子の円形度の測定方法>
本発明のトナーの平均円形度は0.950以上である。0.950以上であると70nm以上300nm以下の無機微粒子によるトナー表面における凹凸が有効になり、トナー流動性維持に寄与できる。低温低湿環境におけるトナークリーニングすり抜けを抑止する点からトナーの平均円形度が0.990以下であることが好ましい。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200乃至1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。
該手順に従い調整した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けたときの測定及び解析条件で測定を行った。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<樹脂の重量平均分子量の測定方法>
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<非晶性樹脂Aの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.9質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:26.8質量部(0.16モル;多価カルボン酸総モル数に対して96.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:1.3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)5000であるポリエステル樹脂Aを得た。
<非晶性樹脂B製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.8質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:15.0質量部(0.09モル;多価カルボン酸総モル数に対して55.0mol%)
・アジピン酸:6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して25.0mol%)
・チタンテトラブトキシド:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:6.4質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して20.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ(第2反応工程)、重量平均分子量(Mw)100000であるポリエステル樹脂Bを得た。
<結晶性ポリエステル樹脂C製造例>
・1,6−ヘキサンジオール:34.5質量部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:65.5質量部(0.28モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2−エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂Cを得た。
<結晶性ポリエーテル樹脂D製造例>
・1,10−デカンジオール:100質量部、
・25%硫酸:2質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、180℃の温度で撹拌しつつ、15時間反応させ、結晶性ポリエーテル樹脂Dを得た。
<ビニル系樹脂重合体Eの製造例>
・不飽和結合を1つ以上有するポリエチレン(Mw:1400、Mn:850、DSCによる吸熱ピーク:が100℃) 20質量部
・スチレン 59質量部
・アクリル酸−n−ブチル 18.5質量部
・アクリロニトリル 2.5質量部
上記原料をオートクレーブに仕込み、系内を窒素置換後、昇温撹拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のジ−tert−ブチルパーオキシドのキシレン溶液50質量部を5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、ポリエチレンに共重合体がグラフトしたビニル系樹脂重合体Eを得た。得られたビニル系樹脂重合体Eの軟化点は110℃、ガラス転移温度は64℃であり、重合体EのTHF可溶分のGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)7400、数平均分子量(Mn)2800であった。原料の、不飽和結合を1つ以上有するポリエチレンに相当するピークは認められなかった。
<トナー粒子製造例1>
・非晶性樹脂A 72質量部
・非晶性樹脂B 28質量部
・結晶性樹脂C 4質量部
・ビニル系樹脂重合体E 5質量部
・炭化水素ワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数1200rpm、回転時間5minで混合した後、吐出温度が135℃になるよう温度設定し、回転数350rpmに設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。その後、機械式衝撃力を用いる表面改質処理装置(ハイブリタイザー、奈良機械製作所社製)にて、上記微粉砕品を回転数100s-1にて5.5分間処理した。
さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用いて分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を3000rpmで分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.7μm、平均円形度が0.965であった。
<トナー粒子製造例2>
トナー粒子製造例1において表面改質処理装置による処理時間を3分に変え、その他の処方および製造条件を同様にしてトナーを製造し、トナー粒子2を得た。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.7μm、平均円形度が0.950であった。
<トナー粒子製造例3>
トナー粒子製造例1において結晶性樹脂Cを結晶性樹脂Dに変えた以外は、処方および製造条件を同様にしてトナーを製造し、トナー粒子3を得た。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.7μm、平均円形度が0.965であった。
<トナー粒子製造例4>
トナー粒子製造例1において結晶性樹脂をC除いた以外は、処方および製造条件を同様にしてトナーを製造し、トナー粒子4を得た。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.7μm、平均円形度が0.965であった。
<トナー粒子製造例5>
トナー粒子製造例3において表面改質処理工程を除いた以外は、処方および製造条件を同様にしてトナーを製造し、トナー粒子5を得た。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.7μm、平均円形度が0.944であった。
<トナー粒子製造例6>
トナー粒子製造例3において表面改質処理装置による処理時間を6分に変え、その他の処方および製造条件を同様にしてトナーを製造し、トナー粒子6を得た。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.7μm、平均円形度が0.959であった。
<トナー粒子製造例7>
トナー粒子製造例3において表面改質処理装置による処理時間を8分に変え、その他の処方および製造条件を同様にしてトナーを製造し、トナー粒子7を得た。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.7μm、平均円形度が0.968であった。
<炭酸マグネシウム粒子製造例>
本実施例で使用する炭酸マグネシウムは水酸化マグネシウムと炭酸ガスを反応させて製造した炭酸マグネシウムである。
エタノール/水の50%500ml液を−5乃至10℃に冷やし、水酸化マグネシウムを400g加えスラリー状とし、強撹拌しながら容器下部から炭酸ガス/窒素ガス30%にして1000乃至3000ml/minの流速で導入し、pHが低下し始めるまで反応させた。このとき反応温度および炭酸ガスの導入速度を調節して製造し、20乃至350nmの粒径の異なる7種類の炭酸マグネシウムスラリーを得た。さらに、この分散液を低温状態のままろ過し、純水で十分に洗浄してから乾燥させ、炭酸マグネシウム1〜7を得た。
得られた炭酸マグネシウムに対し、固形分10質量%となるように70℃に調整した水を加え撹拌型分散機を用いてスラリーとした。この炭酸マグネシウムのスラリー1kgを分散機により撹拌させながら、鹸化したステアリン酸2.5gを添加し、30分間撹拌した後、プレス脱水した。得られた脱水ケーキを乾燥後、粉末化することにより、脂肪酸で疎水化表面処理された炭酸マグネシウム粒子1〜4、及び6〜8が得られた。得られた炭酸マグネシウムの内、90nmの粒子径の炭酸マグネシウムについては、表面処理していないものを取り分けておき、これを炭酸マグネシウム粒子5とした。
得られた炭酸マグネシウム粒子を表1に示す。
Figure 2017227814
<炭酸マグネシウム以外の無機微粒子>
さらに炭酸マグネシウム以外にトナーに外添する無機微粒子を用意した。本発明のトナーの外添に使用する無機微粒子を表2に示す。
Figure 2017227814
次にトナー粒子に上記炭酸マグネシウム1〜8および無機微粒子1〜12をトナー粒子に外添したトナーを以下のように製造した。
<トナー製造例1>
得られたトナー粒子6748gに、炭酸マグネシウム粒子4を42g、無機微粒子3を105gと無機微粒子11を105gを添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)で、回転数1800s-1、回転時間10minで混合した。その後、目開き54μmの超音波振動篩を通過させトナー1を得た。
得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)は5.7μmであり、平均円形度は0.965であった。70nm以上300nm以下の大径粒子によるトナー表面被覆率は16.2面積%であった。
トナーの示差走査熱量分析(DSC)測定において、結晶性樹脂に由来する吸熱ピークが観察された。また、トナーのガラス転移点温度を測定したところ52℃であった。
<トナー製造例2〜28>
トナー製造例1において、炭酸マグネシウム粒子と無機微粒子の種類及び外添量を振って、それ以外はトナー製造例1と同様にして、トナー2〜28を得た。トナーのガラス転移点温度はいずれも51〜53℃であった。
トナー1〜28の材料処方と本発明にかかる物性を表3に示す。
Figure 2017227814
<磁性コア粒子の製造例>
Fe23 60.2質量%
MnCO3 33.9質量%
Mg(OH)2 4.8質量%
SrCO3 1.1質量%
上記フェライト原材料を秤量し、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で1000℃で3時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通り。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe23)d
上記式において、a=0.39、b=0.11、c=0.01、d=0.50
次に、クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニア(φ10mm)のボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。そのスラリーを、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
得られたフェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、約36μmの球状粒子に造粒した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%以下)で、1150℃で4時間焼成した。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子を得た。
<コート樹脂の製造例>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量部
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量部
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量部
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量部
メチルエチルケトン 31.3質量部
上記材料を、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、2.0質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してコート樹脂を得た。
<磁性キャリア製造例>
コート樹脂 20.0質量%
トルエン 80.0質量%
上記材料をビーズミルで分散混合し、樹脂液を得た。該磁性コア粒子100質量部をナウターミキサーに投入し、さらに、該樹脂液を樹脂成分として2.0質量部になるようにナウターミキサーに投入した。減圧下で温度70℃に加熱し、100rpmで混合し、4時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、得られた試料をジュリアミキサーに移し、窒素雰囲気下、温度100℃で2時間熱処理した後、目開き70μmの篩で分級して磁性キャリアを得た。得られた磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)は、38.2μmであった。
以上のトナー1〜28と該磁性キャリアで、トナー濃度が10.0質量%になるようにV型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)で0.5s-1、回転時間5minで混合し、二成分系現像剤1〜28を得た。
得られた現像剤1〜28を用いて以下に示す性能評価を行った。
<画像流れ評価1>
キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9080PROのシアントナーの現像器に二成分系現像剤1〜28を投入し、高温高湿度環境下(30℃/80%Rh)において、3000枚の画像出力耐久試験を行った。出力画像は単色モードのシアンの4A横で2cm幅の縦帯画像で、紙上のシアンのX−Rite反射濃度計で測定される反射濃度が1.400になるように調整した。評価紙は、コピー用紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
3000枚出力後24時間放置し、帯電装置を新品に交換した上で、ドットによる全面ハーフトーン画像(反射濃度0.800)を出力し、耐久画像縦罫線部と非画像部の境界位置の画像濃度を10か所測定して平均値を算出し、その画像濃度差を評価した。画像流れが発生すると現像されるドットの大きさが小さくなり、ハーフトーン画像の濃度が低下する。
(評価基準:ハーフトーン画像の耐久非画像位置の濃度ダウンによる濃度差)
A:Δ0.010未満 (抜群に優れている)
B:Δ0.010以上Δ0.020未満 (かなり優れている)
C:Δ0.020以上Δ0.030未満 (優れている)
D:Δ0.030以上Δ0.040未満 (少し優れている)
E:Δ0.040以上Δ0.080未満 (従来技術レベル)
F:Δ0.080以上または全体的にスジ状画像流れ発生 (従来より劣る)
<画像流れ評価2>
キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9080PROのシアントナーの現像器に二成分系現像剤1〜28を投入し、高温高湿度環境下(30℃/80%Rh)において、3000枚の画像出力耐久試験を行った。出力画像は単色モードのシアンの4A横で2cm幅の縦帯画像で、紙上のシアンのX−Rite反射濃度計で測定される反射濃度が1.400になるように調整した。評価紙は、コピー用紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
15万枚出力後24時間放置し、帯電装置を新品に交換した上で、ドットによる全面ハーフトーン画像(反射濃度0.800)を出力し、耐久画像縦罫線部と非画像部の境界位置の画像濃度を10か所測定して平均値を算出し、その画像濃度差を評価した。前記の画像流れ評価1の濃度差をロングレンジ耐久にてどれだけ維持できたかを評価した。具体的には、3000枚画像出力後の結果に対し、15万枚画像出力後に濃度差Δが何%広がったかを計算した。
(評価基準:ハーフトーン画像の耐久非画像位置の濃度ダウンによる濃度差の拡大率)
A:5%未満 (抜群に優れている)
B:5%以上10%未満 (かなり優れている)
C:10%以上20%未満 (優れている)
D:20%以上30%未満 (少し優れている)
E:30%以上50%未満 (従来技術レベル)
F:50%以上または全体的にスジ状画像流れ発生 (従来より劣る)
<感光体クリーニング評価>
キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9080PROのシアントナーの現像器に二成分系現像剤1〜28を投入し、高温高湿度環境下(30℃/80%Rh)において、15万枚の画像出力耐久試験を行った。出力画像は単色モードのシアンの4A横で1cm幅のヨコ帯画像で、紙上のシアンの反射濃度が1.400になるように調整した。評価紙は、コピー用紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
15万枚出力後、帯電装置を外して帯電装置に付着したトナーを透明テープにて採取して未使用の評価紙にはりつけ、かぶり反射濃度計にて9点測定し、平均値を算出した。トナー採取していないテープを貼り付けた際の反射濃度をレファレンスとした。
(評価基準:帯電装置に付着したトナーのカブリ量)
A:0.2%未満 (抜群に優れている)
B:0.2%以上0.5%未満 (かなり優れている)
C:0.5%以上1.0%未満 (優れている)
D:1.0%以上2.0%未満 (少し優れている)
E:2.0%以上5.0%未満 (従来技術レベル)
F:5.0%以上 (従来より劣る)
以上の評価方法・基準により二成分系現像剤1〜28を評価した、実施例1〜21、比較例1〜7の評価結果を表4に示す。なお、比較例1〜7では、画像流れの耐久性評価と感光体のクリーニング評価の結果が悪すぎて画像出力耐久を途中で止めた。
Figure 2017227814
以上の結果で示されるように、トナーの平均円形度が0.950以上であり、トナーに1次粒子の個数平均径が30nm以上300nm以下の炭酸マグネシウム粒子と、新モース硬度が6以上13以下の無機微粒子Aを含み、粒子径70nm以上300nm以下の該無機微粒子Aによるトナー表面被覆率が5.0面積%以上であると、均一に画像流れを防止できるトナーを得ることができる。
また、該炭酸マグネシウム粒子のトナー中の含有量が0.02質量%以上1.00質量%以下であり、無機微粒子Aのトナー中の含有量が、該炭酸マグネシウム粒子のトナー中の含有質量に対し、0.5倍以上8.0倍以下であると画像流れ均一防止性能の耐久性を持たせることができる。
また、トナー中にの結着樹脂に結晶性ポリエステル樹脂または結晶性ポリエーテル樹脂を含有することで炭酸カルシウム粒子を含有するトナーにおいて、高温高湿環境にて転写残トナーの感光体クリーニング性を向上させることができる。

Claims (4)

  1. 結着樹脂、着色剤とワックスを含有するトナー粒子と無機微粒子とを有するトナーであって、
    該トナーは平均円形度が0.950以上であり、
    該無機微粒子は、炭酸マグネシウム粒子と、新モース硬度が6以上13以下の無機微粒子Aを含み、
    該炭酸マグネシウム粒子は、1次粒子の個数平均径が30nm以上300nm以下であり、
    該トナーは、粒子径70nm以上300nm以下の該無機微粒子Aによるトナー表面被覆率が5.0面積%以上であることを特徴とするトナー。
  2. 該無機微粒子Aは、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウムまたは酸化ジルコニウムから選ばれる金属酸化物微粒子である請求項1に記載のトナー。
  3. 該炭酸マグネシウム粒子は、該トナー中の含有量が0.02質量%以上1.00質量%以下であり、
    該無機微粒子Aのトナー中の含有量が、該炭酸マグネシウム粒子のトナー中の含有質量に対し、0.5倍以上8.0倍以下である請求項1または2に記載のトナー。
  4. 該結着樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂または結晶性ポリエーテル樹脂を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
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