JP2017226818A - 熱可塑性樹脂組成物及びこれを用いた成形品。 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物及びこれを用いた成形品。 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017226818A JP2017226818A JP2017044349A JP2017044349A JP2017226818A JP 2017226818 A JP2017226818 A JP 2017226818A JP 2017044349 A JP2017044349 A JP 2017044349A JP 2017044349 A JP2017044349 A JP 2017044349A JP 2017226818 A JP2017226818 A JP 2017226818A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- weight
- component
- thermoplastic resin
- polycarbonate resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 0 C(*1)O[C@@]2[C@@]1OC*2 Chemical compound C(*1)O[C@@]2[C@@]1OC*2 0.000 description 1
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
Description
例えば、植物由来モノマーとしてイソソルビドを使用し、炭酸ジフェニルとのエステル交換により、ポリカーボネートを得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、従来前述のような用途に広く用いられてきたアクリル樹脂の場合には樹脂そのものの透明性が高く、ヘーズが低く、表面硬度が高いものであったが、イソソルビドを使用する場合にはこれらの特性の更なる改良が必要となる。この課題に対し、ガラス転移温度の高いポリカーボネート樹脂と特定のゴム質重合体とを含有するポリカーボネート樹脂組成物が透明性が高く、ヘーズが低く、耐衝撃性を高めるものとして提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、引用文献2については、それぞれ、イソソルビドを原料としてなるポリカーボネートにゴム質グラフト重合体を添加することが記載されているものの、さらなる特性の改善、つまり、透明性が高く、ヘーズが低く、表面硬度が高いこと、さらに好ましくは成形品としたときに外観不良がなく、良好な成形品外観となることが求められていた。
つまり、本発明の目的は、成形品とした際に、透明性が高く、ヘーズが低く、表面硬度が高い熱可塑性樹脂組成物、これを成形してなる成形品を提供することであり、さらに好ましくは成形品としたときに外観不良がなく、良好な成形品外観が得られる熱可塑性樹脂組成物、これを成形してなる成形品を提供することである。
(B)メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物とすることで、透明性が高く、ヘーズが低く、表面硬度が高い、さらに好ましくは成形品としたときに外観不良がなく、良好な成形品外観となることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]下記一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含むポリカーボネート樹脂(A)と、
メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)を含む熱可塑性樹脂組成物。
[3]JIS K7210(1999)に準拠した230℃、2.16kgのメルトフローレイト(MFR)が6g/10min以上である[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]熱可塑性樹脂に用いたメタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)またはメタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)とメタクリル酸メチル・アクリル酸メチル(C)の混合物が、JIS K7210(1999)に準拠した230℃、3.80kgのメルトフローレイト(MFR)が10g/10min以上である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]アクリル系樹脂(D)を含む[1]〜[4]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[6]アクリル系樹脂(D)のJIS K7210(1999)に準拠した230℃、3.80kgのメルトフローレイト(MFR)が0.1g/10min以上50g/10min以上以下である[5]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[7]メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体以外のゴム質グラフト重合体(E)を含む請求項[1]〜[6]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[8]上記ポリカーボネート樹脂組成物中、上記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および成分(E)の合計100重量部とした際に、ポリカーボネート樹脂(A)を40重量部以上95重量部以下含む[1]〜[7]のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[9]上記ポリカーボネート樹脂組成物中、上記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および成分(E)の合計100重量部とした際に、メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)、メタクリル酸メチル・アクリル酸メチル(C)、アクリル系樹脂(D)およびメタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体以外のゴム質グラフト重合体(E)を合計で、5重量部以上60重量部以下含む[1]〜[8]のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[10]ポリカーボネート樹脂(A)が、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、芳香族ビスフェノール類及び式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外のエ
ーテル基含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる一種以上のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含む[1]〜[9]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。[11][1]〜[10]のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含有してなる成形品。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂である。
む共重合ポリカーボネート樹脂であることが、ポリカーボネート樹脂(A)の耐衝撃性の面で好ましい。中でも、肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、芳香族ビスフェノール類からなる群より選ばれる一種以上のジヒドロキシ化合物が好ましく、ポリカーボネート樹脂の耐光性の観点からは、分子構造内に芳香環構造を有しないジヒドロキシ化合物、即ち脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/又は脂環式ジヒドロキシ化合物がさらに好ましく、耐熱性も加味して考慮すると、脂環式ジヒドロキシ化合物が最も好ましい。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)における他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(b)の含有割合は、ポリカーボネート樹脂(A)中の全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位において、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が特に好ましい。また、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、45モル%以下が特に好ましい。ポリカーボネート樹脂(A)中の他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(b)が少なすぎると耐衝撃性が不足する可能性があり、多すぎると耐熱性が不足する場合がある。
また、1族金属化合物及び/又は2族金属化合物の形態としては通常、水酸化物、又は炭酸塩、カルボン酸塩、フェノール塩といった塩の形態で用いられるが、入手のし易さ、取扱いの容易さから、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩が好ましく、色相と重合活性の観点からは酢酸塩が好ましい。
ルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム,カリウム,リチウム,セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩,2カリウム塩,2リチウム塩,2セシウム塩等が挙げられ、中でもセシウム化合物、リチウム化合物が好ましい。
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
また、上記ポリカーボネート樹脂(A)の透明性、色相、耐光性を特に優れたものとするために、触媒が、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、及びバリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物であるのが好ましく、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物であるのが特に好ましい。
上記の中でも2族金属からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を用いる場合、金属換算量として、反応に供する全ジヒドロキシ化合物1モル当たり、好ましくは0.1μモル以上、更に好ましくは0.5μモル以上、特に好ましくは0.7μモル以上とする。また、上限としては、好ましくは20μモル、更に好ましくは10μモル、特に好ましくは3μモル、最も好ましくは2.0μモルである。
重合反応の形式は、公知の形式を用いることができ、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
また、押出されたポリカーボネート樹脂(A)を冷却しチップ化する際は、空冷、水冷等の冷却方法を使用するのが好ましい。空冷の際に使用する空気は、ヘパフィルター等で空気中の異物を事前に取り除いた空気を使用し、空気中の異物の再付着を防ぐのが望ましい。水冷を使用する際は、イオン交換樹脂等で水中の金属分を取り除き、さらにフィルターにて、水中の異物を取り除いた水を使用することが望ましい。用いるフィルターの目開きは、99%除去の濾過精度として10μm〜0.45μmであることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)の還元粘度が低すぎると樹脂組成物としたときの靱性が小さい可能性があり、還元粘度が大きすぎると、電気・電子機器部品や自動車内外装部品を成形する際の流動性が低下し、生産性や成形性を低下させる傾向がある。また、成形温度を適正以上に高くしなければならず、色調が悪化する場合がある。
尚、ポリカーボネート樹脂の還元粘度は、溶媒として塩化メチレンを用い、ポリカーボ
ネート樹脂濃度を0.6g/dLに精密に調製し、温度20.0℃±0.1℃でウベローデ粘度管を用いて測定する。
本発明のポリカーボネート樹脂(A)の全光線透過率およびヘーズ(Haze)は、以下の方法により測定することができる。
3つのベント口および注水設備を供えた二軸押出機に連続的に溶融状態のポリカーボネート樹脂を供給し、該ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、酸化防止剤としてイルガノックス1010(BASF・ジャパン株式会社製、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])を0.1重量部、アデカスタブ2112(株式会社ADEKA製、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)を0.05重量部および離型剤としてユニスターE−275(日油株式会社製)0.3重量部を連続的に添加するとともに、二軸押出機に具備された各ベント部にてフェノールなどの低分子量物を減圧脱揮した後、ペレタイザーによりペレット化を行う。
二軸押出機で混練したペレットについて、80℃で4時間予備乾燥したペレットを日本製鋼所製J75EII型射出成形機で、シリンダー温度230℃、成形サイクル45秒、金型温度60℃で、60mm×60mm×3mmtの平板を成形する。
日本電色工業社製ヘーズメーターNDH2000を使用し、D65光源にて上記試験片のヘーズ(Haze(%))および全光線透過率(%)を測定する。
本発明のポリカーボネート樹脂(A)の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、さらに88%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。この光線透過率が上記下限よりも高いと、熱可塑性樹脂組成物としたときの全光線透過率が高くなる。この光線透過率の測定方法の詳細は実施例の項で記載する。
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、ポリカーボネート樹脂(A)として、1種を単独で用いてもよく、他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の種類や共重合割合、物性等の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のポリカーボネート樹脂(A)と、メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)(以下、「SMM樹脂」と称す場合がある。)とを含有する。
なお、メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)を構成する単量体成分としては、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸およびスチレンである。
本発明のメタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)の好ましい物性について、以下に示す。
メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)の荷重たわみ温度(℃)は、特に限定されるものではないが、成形後の外観が良好となるため、85℃以上が好ましく、90℃以上がさらに好ましく、95℃以上が特に好ましい。また、135℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、125℃以下がさらに好ましく、120℃以下が特に好ましい。
メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)の荷重たわみ温度(℃)は、ISO試験法75に準拠し、1.80MPa、4mm、フラットワイズ法で荷重た
わみ温度(℃)を測定できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、さらにメタクリル酸メチル・アクリル酸メチル共重合体(C)を含有することにより透明性が高く、ヘーズを低くすることができ、好ましい。
なお、メタクリル酸メチル・アクリル酸メチル共重合体(C)を構成する単量体成分としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルである。
また、以下の記載において、メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)とメタクリル酸メチル・アクリル酸メチル(C)の混合物という表現にて、好ましい物性値を説明する。なお、以下の記載は、メタクリル酸メチル・アクリル酸メチル(C)を使用しないメタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)単体の場合においても同様の物性値が好ましいことを意味している。
メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)とメタクリル酸メチル・アクリル酸メチル(C)の混合物の荷重たわみ温度(℃)は、ISO試験法75に準拠し、1.80MPa、4mm、フラットワイズ法で荷重たわみ温度(℃)を測定できる。
in以下が好ましく、6g/10min以下がより好ましく、4g/10min以下がさらに好ましく、3g/10min以下が特に好ましく、2g/10min以下が最も好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂(D)(以下、PMMA樹脂と略記することがある。)を含むことが成形品の外観が良好となることから好ましい。
アクリル系樹脂(D)としては、熱可塑性樹脂としてのアクリル系樹脂が使用される。アクリル系樹脂に使用される単量体として以下の化合物が挙げられる。例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリオイルオキシエチル、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が例示される。これらは、単独で重合して使用してもよく、2種類以上を重合して使用してもよい。これらの中でも、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルの少なくとも一方を用いるものが、耐衝撃性およびヘーズの低さから好ましい。また、これらのアクリル系単量体と重合され得る他の単量体、例えばポリオレフィン系単量体、ビニル系単量体等を併用してもよい。
アクリル系樹脂(PMMA樹脂)は、JIS K7210(1999)に準拠した230℃、3.80kgのメルトフローレイト(MFR)が0.1g/10min以上50g/10min以上以下であることが成形品の外観が良好となることから好ましい。また、透明性、ヘーズ、表面硬度の観点から、下限値は1g/10min以上が好ましく、5g/10min以上がより好ましく、10g/10min以上がさらに好ましく、15g/10min以上が特に好ましく、20g/10min以上が最も好ましく、また、上限値は45g/10min以下が好ましく、40g/10min以下がより好ましく、35g/10min以下がさらに好ましく、30g/10min以下が特に好ましく、28g/10min以下が最も好ましい。
本発明の樹脂組成物は、メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体以外にもゴム質グラフト重合体(E)を含有することができる。ゴム質グラフト重合体(E)は、好ましくは、ゴム部がアルキルアクリレート構造単位を有するものであり、さらに好ましくはゴム部がブタジエン構造単位及びアルキルアクリレート構造単位を有するものである。また、脂肪族系乳化剤を用いた乳化重合により得られたゴム質グラフト重合体ラテックスを、アルカリ土類金属塩を用いて凝析して回収して得られる。このゴム質グラフト
重合体ラテックスは、好ましくは、ブタジエン構造単位及びアルキルアクリレート構造単位を有するゴムラテックスの存在下でビニル単量体(G)、好ましくは極性基を有するビニル単量体(P)を含有するビニル単量体(G)を重合して得られる。
ブタジエン構造単位及びアルキルアクリレート構造単位を有するゴムラテックスは、ブタジエン構造単位1〜99重量%、アルキルアクリレート構造単位99〜1重量%及びその他のビニル単量体構造単位0〜30重量%を有する(ただし、ゴムラテックス中の固形分全体を100重量%とする)ことが好ましい。また、ブタジエン構造単位1〜99重量%、アルキルアクリレート構造単位99〜1重量%及びその他のビニル単量体構造単位0〜10重量%を有することがより好ましい。ゴムラテックス中のブタジエン構造単位の含有率が1重量%以上であれば、耐衝撃性の点で好ましく、99重量%以下であれば、YI値(熱着色性)の点で好ましい。その他のビニル単量体構造単位が30重量%以下であれば、本発明のゴム質グラフト重合体と本発明のポリカーボネート樹脂の屈折率の差が小さくなるため好ましい。
ブタジエン単量体としては、特に限定されないが、ブタジエン、イソプレンなどのジエン系モノマー、例えば1,3−ブタジエンが挙げられる。
アルキルアクリレート単量体としては、特に限定されないが、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、t−ブチルアクリレートが挙げられる。
その他のビニル単量体としては、ブタジエン単量体やアルキルアクリレート単量体と共重合性の、単官能性又は多官能性のビニル単量体を用いることができる。その他のビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、アルキルメタクリレートに代表される単官能性単量体;ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能性単量体が挙げられる。その他のビニル単量体についても1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴムラテックス中のゴム粒子の体積平均粒子径は0.1〜1μmであることが好ましく、0.15μm以上がより好ましい。またゴムラテックス中のゴム粒子の体積平均粒子径
は0.7μm以下がより好ましく、0.5μm以下がさらに好ましい。ゴムラテックス中のゴム粒子の体積平均粒子径が0.1μm以上であると、本発明のポリカーボネート樹脂に本発明のゴム質グラフト重合体を添加した本発明のポリカーボネート樹脂組成物の低温での耐衝撃性を向上させることができるため好ましく、1μm以下であると、本発明のゴム質グラフト重合体の製造時にカレットが発生しにくいため好ましい。ここでゴムラテックス中のゴム粒子の体積平均粒子径は、光散乱粒子計を用いて測定したゴムラテックス中のゴム粒子の50%体積平均粒子径をさし、詳細には後掲の実施例の項に記載される方法で測定される。
ゴム質グラフト共重合体ラテックスは、前記ゴムラテックスに、ビニル単量体(G)をグラフト重合することで得られる。
ビニル単量体(G)は、それを重合して得られる重合体のガラス転移温度が70〜120℃となる成分を用いることがゴム質グラフト重合体ラテックスを凝析して粉体として回収する際の回収性の点において好ましい。
ゴムラテックスへのビニル単量体(G)のグラフト重合方法は特に限定されないが、ゴム粒子径の制御、コア・シェル構造を容易に形成できるといった理由から、乳化重合が好ましい。
成分(A)〜成分(E)の含有量は、通常、特に限定されないが、以下の記載において、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および成分(E)の合計100重量部という記載にて、それぞれの成分の好ましい含有量を説明する。なお、以下の記載は、成分(C)、成分(D)および成分(E)の少なくとも一種を使用しない場合においても同様の含有量が好ましいこと意味している。
り好ましく、20重量部以上がさらに好ましく、25重量部以上が特に好ましく、30重量部以上が最も好ましい。さらに、55重量部以下がより好ましく、50重量部以下がさらに好ましく、45重量部以下が特に好ましい。
上記ポリカーボネート樹脂組成物中、上記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および成分(E)の合計100重量部とした際に、メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体以外のゴム質グラフト重合体(E)の含有量は、5重量部以上60重量部以下含むことが透明性が高く、ヘーズが低く、表面硬度が高く、成形品外観が良くなることから好ましい。また、6重量部以上がより好ましく、7重量部以上がさらに好ましく、8重量部以上が特に好ましく、9重量部以上が最も好ましい。さらに、40重量部以下がより好ましく、30重量部以下がさらに好ましく、25重量部以下が特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、軋み音発生の抑制効果を維持できる範囲において、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、充填剤等を添加することも出来る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、シート成形時の冷却ロールからのロール離れ、或いは射出成形時の金型からの離型性をより向上させるなどのために、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤が配合されていてもよい。
かかる離型剤としては、一価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸、パラフィンワックス、蜜蝋、オレフィン系ワックス、カルボキシ基及び/又はカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン等が挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニルが好ましく用いられる。離型性と透明性の観点から離型剤としてより好ましいのはステアリン酸エステルである。
酸化防止剤としては樹脂に使用される一般的な酸化防止剤が使用できるが、酸化安定性、熱安定性、漆黒性等の観点から、ホスファイト系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、およびフェノール系酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤の添加量が5重量部より多いと、成形時、金型を汚染し、優れた表面外観の成形品が得られないことがある。一方、0.001重量部未満であると、耐候試験に対する十分な改良効果が得られない傾向がある。
ホスファイト系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、
トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)等が挙げられる。
これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等の化合物が挙げられる。
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が好ましく、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が更に好ましい。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
耐光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられ、その分子量は、1000以下が好ましく、900以下がより好ましい。分子量が1000を超えると、成形品としたときに耐候性が十分得られない可能性がある。また分子量は300以上が好ましく、400以上がより好ましい。分子量が300未満では、耐熱性に乏しく、成形時に金型を汚染し、優れた表面外観の成形品が得られないことがある。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、特に、ピペリジン構造を複数有する化合物が好ましく、それら複数のピペリジン構造がエステル構造により連結されている化合物が好ましい。
,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、JIS K7210(1999)に準拠した230℃、2.16kgのメルトフローレイト(MFR)が6g/10min以上であることが成形品の外観が良好となることから好ましい。また、透明性、ヘーズ、表面硬度の観点から、下限値は6.5g/10min以上が好ましく、7g/10min以上がより好ましく、7.5g/10min以上がさらに好ましく、8g/10min以上が特に好ましく、8.5g/10min以上が最も好ましく、また、上限値は12g/10min以下が好ましく、11g/10min以下がより好ましく、10。5g/10min以下がさらに好ましく、10g/10min以下が特に好ましく、9g/10min以下が最も好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記成分を所定の割合で同時に、または任意の順序でタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形品を成形する際、任意の成形法を用いることができるが、射出成形、射出圧縮、射出プレス成形が好適に用いられる。その際に用いるランナーも、通常のコールドランナー方式だけでなく、ホットランナー方式を用いることも可能である。また、インサート成形、インモールドコーティング成形、二色成形、サンドイッチ成形等も可能である。さらに意匠性を得るために、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形を用いることも可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形品とした際に、透明性が高く、ヘーズが低く、表面硬度が高いものとなる。
この理由については、未だ明らかでないが、以下の通り推察される。つまり、ポリカーボネート樹脂と他樹脂、ゴム質グラフト重合体との屈折率が同等であり、透明性が高くなり、ヘーズの値が低くなった。また、他樹脂の表面硬度が高いため、成形品とした際の鉛筆硬度が良好となり、上記の効果を奏するものと推察される。
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、熱風乾燥機を用いて、90℃で6時間乾燥した。次に、乾燥したポリカーボネート樹脂組成物のペレットを射出成形機(日本製鋼所社製:J75EII型)に供給し、樹脂温度240℃、金型温度60℃、成形サイクル40秒間の条件で、射出成形板(幅60mm×長さ60mm×厚さ2mm)を成形した。得られた射出成形板についてJIS K7105(1981年)に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH2000)を使用し、D65光源にて前記試験片の全光線透過率及びヘーズを測定した。
前記(1)で得られた射出成形板についてJIS−K5600に準拠し、表面測定器(新東科学製:トライポギア・タイプ14DR)により、下記条件で表面硬度を測定した。
荷重 750g
測定スピード30mm/min
測定距離 7mm
鉛筆として三菱鉛筆製 UNI を用いた。
鉛筆硬度としては4H,3H,2H,H,F,HBを用いた。
5回測定し、2回以上、傷がついた鉛筆硬度のひとつ柔らかい硬度を測定物質の鉛筆硬度とした。
下記条件を全て満たしたものを合格1とした。
全光線透過率:85%以上
ヘーズ:5%以下
鉛筆硬度:SMM樹脂またはPMMA樹脂を含有することでポリカーボネート樹脂単体よりも鉛筆硬度が向上したもの
前記(1)で得られた射出成形板について、目視によりシワ状の外観不良が存在する成形板を△、存在しない成形板を○とした。
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットについて、JIS K7210(1999年)に準拠し、MELT INDEXER(東洋精機製作所製)を使用し、230℃、2.16kgのメルトフローレイト(MFR)を測定した。
総合判定1を満たし、さらに下記条件を満たしたものを合格2とした。
成形品外観:上記の成形品外観の試験において、シワ状の外観不良が存在しない成形板を得られたもの
撹拌翼及び100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、イソソルビド(ISB、ロケットフルーレ社製:POLYSORB)とトリシクロデカンジメタノール(TCDDM、オクセア社製)、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたジフェニルカーボネート(DPC、三菱化学(株)製)及び酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/TCDDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.70/0.30/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換して、酸素濃度0.0005〜0.001体積%に調節した。続いて熱媒で加温を行い、内温が100℃にな
った時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にし、内温が210℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。
その後、20分かけて内温230℃、圧力133Pa以下にして、所定撹拌動力になった時点で大気圧に復圧し、内容物をストランドの形態で抜出し、回転式カッターでカーボネート共重合体のペレットにした。
撹拌翼及び100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、イソソルビド(ISB、ロケットフルーレ社製:POLYSORB)とシクロヘキサンジメタノール(CHDM、イーストマン社製)、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたジフェニルカーボネート(DPC、三菱化学(株)製)及び酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.70/0.30/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換して、酸素濃度0.0005〜0.001体積%に調節した。続いて熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にし、内温が210℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。
その後、20分かけて内温230℃、圧力133Pa以下にして、所定撹拌動力になった時点で大気圧に復圧し、内容物をストランドの形態で抜出し、回転式カッターでカーボネート共重合体のペレットにした。
製造例2において、仕込み組成をISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.50/0.50/1.00/1.3×10−6になるように変更した以外は、製造例1と同様にカーボネート共重合体のペレットにした。
ISB:イソソルビド(ロケットフルーレ社製、商品名POLYSORB)
TCDDM:トリシクロデカンジメタノール(オクセア社製)
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール(イーストマン社製)
DPC:ジフェニルカーボネート(三菱化学(株)製)
980N:メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(旭化成ケミカルズ社製、デルペット980N:荷重たわみ温度 118℃、MFR(230℃、3.80kg):1.6g/10min)
981J:メタクリル酸メチル・アクリル酸メチル共重合体およびメタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体からなる混合物(旭化成ケミカルズ社製、デルペット981J:荷重たわみ温度 110℃、MFR(230℃、3.80kg):1.8g/10min)
720V:PMMA樹脂(旭化成ケミカルズ社製、デルペット720V、MFR(230℃、3.80kg):25g/10min)
VH:PMMA樹脂(三菱レイヨン社製、アクリペットVH、MFR(230℃、3.80kg):2.0g/10min)
<ゴム質グラフト重合体>
M−590:アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル・スチレン共重合物(カネカ社製、カネエースM−590)
AS2112:ホスファイト系酸化防止剤(ADEKA社製、アデカスタブ2112)
IRGANOX1010:フェノール系酸化防止剤(BASFジャパン社製、商品名IRGANOX1010)
LA−29:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、アデカスタブLA−29)
LA−77:ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、アデカスタブLA−77)
<離型剤>
E−275:ジステアリン酸グリコール(日油社製、商品名ユニスターE−275)
製造例1において製造したカーボネート共重合体のペレット及びSMM樹脂980Nを用い、表1に示すポリカーボネート樹脂組成物配合で各成分を配合し、2つのベント口を有する日本製鋼所社製2軸押出機(LABOTEX30HSS−32)を用いて、押出機出口の樹脂温度が250℃になるようにストランド状に押し出し、水で冷却固化させた後、回転式カッターでペレット化した。この際、ベント口は真空ポンプに連結し、ベント口での圧力が500Paになるように制御した。熱可塑性樹脂組成物の評価を行い、結果を表1に示した。
製造例1において製造したカーボネート共重合体のペレットを用い、表1に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレット及びSMM樹脂981Jを
用い、表1に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレットを用い、表1に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
製造例2及び製造例3において製造したカーボネート共重合体のペレット及びSMM樹脂981Jを用い、表1に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレット及びSMM樹脂981Jおよび弾性重合体M−590を用い、表1に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレット及びPMMA樹脂VHを用い、表1に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表1に示す。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレット及びSMM樹脂980N、PMMA樹脂720Vを用い、表2に示すポリカーボネート樹脂組成物配合で各成分を配合し、2つのベント口を有する日本製鋼所社製2軸押出機(LABOTEX30HSS−32)を用いて、押出機出口の樹脂温度が250℃になるようにストランド状に押し出し、水で冷却固化させた後、回転式カッターでペレット化した。この際、ベント口は真空ポンプに連結し、ベント口での圧力が500Paになるように制御した。熱可塑性樹脂組成物の評価を行い、結果を表2に示した。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレット、製造例3において製造したカーボネート共重合体のペレット及びSMM樹脂980N、PMMA樹脂720Vを用い、表2に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表2に示す。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレット及びSMM樹脂980N、PMMA樹脂720V、ゴム質グラフト重合体M−590を用い、表2に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表2に示す。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレット及びPMMA樹脂VHを用い、表2に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表2に示す。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレット及びPMMA樹脂720Vを用い、表2に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表2に示す。
製造例2において製造したカーボネート共重合体のペレット及びSMM樹脂980N、PMMA樹脂720Vを用い、表2に示した組成となるようにした以外は、実施例1と同様に行い、ポリカーボネート樹脂組成物の製造と評価を行った。結果を表2に示す。
硬度が上昇し、さらに、外観不良がなく、良好な成形品外観を得られている。
Claims (11)
- メタクリル酸メチル・アクリル酸メチル共重合体(C)を含む請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- JIS K7210(1999)に準拠した230℃、2.16kgのメルトフローレイト(MFR)が6g/10min以上である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂に用いたメタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)またはメタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)とメタクリル酸メチル・アクリル酸メチル(C)の混合物が、JIS K7210(1999)に準拠した230℃、3.80kgのメルトフローレイト(MFR)が10g/10min以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- アクリル系樹脂(D)を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- アクリル系樹脂(D)のJIS K7210(1999)に準拠した230℃、3.80kgのメルトフローレイト(MFR)が0.1g/10min以上50g/10min以上以下である請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体以外のゴム質グラフト重合体(E)を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記ポリカーボネート樹脂組成物中、上記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および成分(E)の合計100重量部とした際に、ポリカーボネート樹脂(A)を40重量部以上95重量部以下含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 上記ポリカーボネート樹脂組成物中、上記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および成分(E)の合計100重量部とした際に、メタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体(B)、メタクリル酸メチル・アクリル酸メチル(C)、アクリル系樹脂(D)およびメタクリル酸メチル・無水マレイン酸・スチレン共重合体以外のゴム質グラフト重合体(E)を合計で、5重量部以上60重量部以下含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A)が、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、芳香族ビスフェノール類及び式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外のエーテル基含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる一種以上のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含有してなる成形品。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016121699 | 2016-06-20 | ||
JP2016121699 | 2016-06-20 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017226818A true JP2017226818A (ja) | 2017-12-28 |
JP6957905B2 JP6957905B2 (ja) | 2021-11-02 |
Family
ID=60891130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017044349A Active JP6957905B2 (ja) | 2016-06-20 | 2017-03-08 | 熱可塑性樹脂組成物及びこれを用いた成形品。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6957905B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021109922A (ja) * | 2020-01-10 | 2021-08-02 | 帝人株式会社 | 樹脂組成物およびその成形品 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0953008A (ja) * | 1995-08-11 | 1997-02-25 | Daicel Chem Ind Ltd | 易引裂き性フィルムおよびその製造方法 |
JP2008024919A (ja) * | 2006-06-19 | 2008-02-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート共重合体及びその製造方法 |
JP2008304524A (ja) * | 2007-06-05 | 2008-12-18 | Goyo Paper Working Co Ltd | 耐擦傷性複層レンズフイルム |
JP2009256441A (ja) * | 2008-04-15 | 2009-11-05 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 摺動部品 |
JP2009294261A (ja) * | 2008-06-02 | 2009-12-17 | Fujifilm Corp | 液晶表示装置、アクリルフィルムおよびその製造方法 |
JP2010044314A (ja) * | 2008-08-18 | 2010-02-25 | Nippon Zeon Co Ltd | 光学部材用保護フィルムおよび偏光板 |
JP2011157412A (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-18 | Sanyo Chem Ind Ltd | 重縮合物を用いた低複屈折性透明樹脂 |
JP2012514759A (ja) * | 2009-01-06 | 2012-06-28 | エルジー・ケム・リミテッド | 光学フィルム及びこれを含む液晶表示装置 |
JP2015128899A (ja) * | 2013-12-02 | 2015-07-16 | 住友化学株式会社 | 樹脂積層板およびそれを用いた耐擦傷性樹脂積層板 |
-
2017
- 2017-03-08 JP JP2017044349A patent/JP6957905B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0953008A (ja) * | 1995-08-11 | 1997-02-25 | Daicel Chem Ind Ltd | 易引裂き性フィルムおよびその製造方法 |
JP2008024919A (ja) * | 2006-06-19 | 2008-02-07 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリカーボネート共重合体及びその製造方法 |
JP2008304524A (ja) * | 2007-06-05 | 2008-12-18 | Goyo Paper Working Co Ltd | 耐擦傷性複層レンズフイルム |
JP2009256441A (ja) * | 2008-04-15 | 2009-11-05 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 摺動部品 |
JP2009294261A (ja) * | 2008-06-02 | 2009-12-17 | Fujifilm Corp | 液晶表示装置、アクリルフィルムおよびその製造方法 |
JP2010044314A (ja) * | 2008-08-18 | 2010-02-25 | Nippon Zeon Co Ltd | 光学部材用保護フィルムおよび偏光板 |
JP2012514759A (ja) * | 2009-01-06 | 2012-06-28 | エルジー・ケム・リミテッド | 光学フィルム及びこれを含む液晶表示装置 |
JP2011157412A (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-18 | Sanyo Chem Ind Ltd | 重縮合物を用いた低複屈折性透明樹脂 |
JP2015128899A (ja) * | 2013-12-02 | 2015-07-16 | 住友化学株式会社 | 樹脂積層板およびそれを用いた耐擦傷性樹脂積層板 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021109922A (ja) * | 2020-01-10 | 2021-08-02 | 帝人株式会社 | 樹脂組成物およびその成形品 |
JP7343404B2 (ja) | 2020-01-10 | 2023-09-12 | 帝人株式会社 | 樹脂組成物およびその成形品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6957905B2 (ja) | 2021-11-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6519611B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、及びこれを用いた成形品、フィルム、プレート、射出成形品 | |
EP2982715B1 (en) | Toughening agent for polycarbonate resin, polycarbonate resin composition, and molded article | |
TWI492986B (zh) | 聚碳酸酯樹脂組成物及將其成形所得之成形體、薄膜、板及射出成形品 | |
JP5970822B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 | |
JP5853712B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 | |
JP2009144016A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP5434571B2 (ja) | 透明樹脂組成物及び透明樹脂成形品 | |
JP6957905B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びこれを用いた成形品。 | |
JP6379602B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂用強化剤、ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6950234B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、その製造方法、成形体 | |
JP6295672B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形品 | |
JP6623752B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形品。 | |
JP2017149817A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びこれを用いた成形品。 | |
JP2023137301A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びこれを成形してなる成形品 | |
JP2022151565A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びこれを成形してなる成形品 | |
JP6264010B2 (ja) | 樹脂成形体の製造方法及びこの方法で得られる樹脂成形体 | |
JP7447641B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 | |
JP2017179188A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 | |
JP2016117821A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形品 | |
JP2023127861A (ja) | 樹脂組成物及びそれからなる成形品 | |
JP2008031339A (ja) | 透明押出成形品および各種成形品 | |
JP2008031338A (ja) | 透明帯電防止樹脂成形品および各種成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170428 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20180226 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200305 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201124 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210608 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210802 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210907 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210920 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6957905 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |