JP2017224600A - 酸化珪素系負極材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 Liイオン二次電池の負極形成に使用される酸化珪素系負極材において、不可逆容量キャンセルのためにMgを含有し、且つそのMg濃度分布の不均一に起因する電池性能の低下を可及的に回避する。
【解決手段】 酸化珪素系負極材がSi−Mg−Oの3元系材料からなる。その上でSi相を含むと共に、Mg含有化合物としてMgSiO、Mg2SiO4、MgO、MgSiO3+Mg2SiO4又はMg2SiO4+MgOの5種のうちの何れか1種を含む一方、SiO2、金属Mg及びMgSi合金の何れも含まない。組成はSixMgyzで表して、3y>z>y、且つ2x+y>zを満足する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Liイオン二次電池の負極形成に使用される酸化珪素系負極材及びその製造方法に関し、より詳しくは、不可逆容量キャンセルのためにMgをドープされた酸化珪素系負極材及びその製造方法に関する。
酸化珪素(SiOX)は電気容量が大きく、寿命特性に優れたLiイオン二次電池用負極材であることが知られている。この酸化珪素系負極材は、酸化珪素粉末、導電助剤及びバインダーを混合してスラリー化したものを、銅箔等からなる集電体上に塗工して薄膜状の負極とされる。ここにおける酸化珪素粉末は、例えば二酸化珪素と珪素との混合物を加熱して生成した一酸化珪素ガスを冷却し、析出させた後、細かく破砕することにより得られる。このような析出法で製造される酸化珪素粉末は、アモルファスの部分を多く含み、充放電時の膨張収縮・微粉化を抑制し、サイクル特性を向上させることが知られている。
このような酸化珪素系負極材に特徴的な問題点として初期効率の低さがある。これは充放電に寄与しない不可逆容量となるLi化合物が初回充電時に生成されることにより、初回放電容量が顕著に減少する現象であり、これを解消する手法として、酸化珪素粉末に他種元素を添加する他元素ドープが知られている。
例えば、特許文献1では、他元素としてのAl、Ca、Mg、Tiを酸化珪素であるSiOと、ボールミルにより機械的に混合し合金化して、Si相、SiO2 及び他元素化合物を含むナノ複合体を作製することにより、初期効率を高める固相法が提案されている。また、特許文献2では、SiOガスと他元素蒸気ガスとを別々に発生させた後、両ガスを混合し、冷却して回収する気相法が提案されている。
いずれの手法でも、充放電に寄与しない不可逆容量となる他元素化合物が事前に生成されることにより、初回充放電時に不可逆容量となるLi化合物が生成されるのが抑制されて、初期効率の向上が図られる。これが不可逆容量キャンセル処理である。
他元素ドープにおけるドープ元素としては、Liが比較的多く採用されているが、Li、Li化合物は反応性、水溶性が高く、取り扱いが簡単でない上に、電極塗工のためのスラリー化の工程で不具合を生じ、電池性能を低下させる原因になる。これ対し、Mgはこれらの問題がない上に、不可逆容量キャンセル効果についてはLiと大差ないとされている。
しかしながら、他元素ドープによる不可逆容量キャンセル処理を受けた酸化珪素系負極材では、他元素が不均一にドープされることに起因して電池性能の低下を招くことが問題視されており、Mgドープも例外ではない。
すなわち、Mgドープにおいて、例えばSiOとMgを1:1で反応させた場合、元素が均一に分布していれば、熱力学上はSiとMgOのみが存在することになるが、元素濃度分布が不均一な場合は、SiとMgOのみならず、未反応のSiO、金属Mgといった別の物質も存在することになる。そして、Liイオン電池の充放電では、化合物の種類によってLiの脱挿方法、電圧等が異なるので、一部だけ別の物質が混じっていると、そこが起点として粒子が割れたり、別の物質の反応性が高い場合は、バインダーや電解液がダメージを受けたりする。また、金属Mgが存在する場合は、充放電時にMgが溶けだし、別の場所で析出することで電池内部の部材を破壊するなどの影響も考えられる。これらは何れも電池性能、特に初期効率を低下させる原因になる。
特許第5352169号公報 特許第3852579号公報
本発明の目的は、Mgがドープされているにもかかわらず、Mg濃度分布の不均一に起因する電池性能の低下を可及的に回避できる酸化珪素系負極材及びその製造方法を提供することにある。
酸化珪素に対するMgドープを、前述したSiOとMgとの反応を例にとって説明するならば、その反応はMgドープ量が増えるにつれて、化学式1中の(1)式、(2)式、(3)式の順に進行する。
(化学式1)
SiO+1/3Mg→2/3Si+1/3MgSiO3 ・・・(1)
SiO+1/2Mg→3/4Si+1/4Mg2SiO4 ・・・(2)
SiO+Mg→Si+MgO・・・(3)
すなわち、SiOに対するMg量が〜1/3であれば、(1)式の反応が起こり、1/3に至るまではSi相とMgSiO3と未反応のSiOが生じるが、1/3だとSi相とMgSiO3が生じる。SiOに対するMg量が1/3〜1/2であれば、(1)式の反応が終わった後に(2)式の反応が始まり、MgSiO3の一部がMg2SiO4に変化するので、1/2に至るまではSi相とMgSiO3とMg2SiO4が生じるが、1/2だとSi相とMg2SiO4 が生じる。
同様に、SiOに対するMg量が1/2〜1であれば、(2)式の反応が終わった後に(3)式の反応が始まり、Mg2SiO4の一部がMgOに変化するので、1に至るまではSi相とMg2SiO4とMgOが生じるが、1だとSi相とMgOが生じる。SiOに対するMg量が1〜であれば、Si相とMgOと余剰Mgとしての金属Mg、MgSi合金が生じる。
なお、SiOはSiとSiO2の混合物(1/2Si+1/2SiO2)であるので、実際の反応ではSiO2を生じる。
ここで、SiO2はLiと反応した際に珪酸リチウムが生成する不可逆反応を生じ、初期効率を低下させる原因になる。また、金属Mg及びMgSi合金は活性で反応性が高く、電池作製時に部材と反応するなど、取り扱いを困難にする。このため、Mgドープ酸化珪素系負極材では、SiO2や金属Mg、MgSi合金が生じないように組成を厳密に管理しているが、実際は元素濃度分布の不均一に起因してSiO2や金属Mg、MgSi合金が生じる危険性がある。
すなわち、SiO2も金属Mg、MgSi合金も生じないように組成管理が行われていても、その組成管理が功を奏するのは元素濃度分布が均一な場合だけであり、局所的なMg過少部が発生するとSiO2が生成し、局所的なMg過多部が発生すると金属Mg、MgSi合金が生じるのである。
これから分かるように、Mgドープを受けた酸化珪素系負極材では、Mgドープでの生成物の違いが、元素濃度分布の均一、不均一の指標となり得る。本発明者らはこの点に着目し、生成物のなかの特にMg含有化合物の種類と、元素濃度分布の均一、不均一との関係について、実験を交えて詳細に調査した。その結果、以下のことが判明した。
SiOに対しMgを0.4添加すると、そのMg量は1/3〜0.5の範囲内であるので、元素濃度分布が均一でMg量どおりの反応が起これば、前述したとおり、Si相が生成すると共に、Mg含有化合物としてMgSiO3及びMg2SiO4が生成する。
しかし、Mg量が同じ0.4でも、Siに対しMgが0.2しか存在しない部分と、Siに対しMgが0.6存在する部分が混在し、全体としてMg量が0.4となる場合は、Mg量が0.2の部分ではSiO2とSi相とMgとMg含有化合物としてのMgSiO3が生じ、Mg量が0.6の部分ではSi相とMg含有化合物としてのMg2SiO4及びMgOが生じる。その結果、全体ではSiO2、Si相、並びにMg含有化合物としてのMgSiO3、Mg2SiO4及びMgOが生じる。この組合せは、前述したとおり、元素濃度分布が均一の場合は生じることがないので、生成するMg含有化合物の種類が、元素濃度分布が均一、不均一であることの指標となる。
同様に、Siに対しMgが1/3存在する部分と、Siに対しMgが1存在する部分が混在し、全体としてMg量が2/3となる場合は、Mg量が1/3の部分ではSi相とMg含有化合物としてのMgSiO3が生じ、Mg量が1の部分ではSi相とMg含有化合物としてのびMgOが生じ、その結果、全体ではSi相、並びにMg含有化合物としてのMgSiO3及びMgOが生じるが、この組合せも又、元素濃度分布が均一の場合は生じることがない。ちなみに、元素濃度分布が均一の場合、Mg量が2/3だとSi相、並びにMg含有化合物としてのMg2SiO4及びMgOが生じる。
本発明の酸化珪素系負極材は、かかる知見を基礎として開発されたものであり、Liイオン二次電池の負極形成に使用される酸化珪素系負極材であって、Si−Mg−Oの3元系材料からなり、Si相を含むと共に、Mg含有化合物としてMgSiO3、Mg2SiO4 、MgO、MgSiO3+Mg2SiO4又はMg2SiO4+MgOの5種のうちの何れか1種を含む一方、SiO2、金属Mg及びMgSi合金の何れも含まないことを構成上の特徴点としている。
また、本発明の酸化珪素系負極材の製造方法は、SiOガスとMgガスを同一の容器内で同時に発生させ、それらのガスを蒸着面上で冷却して回収するものである。
本発明の酸化珪素系負極材において、Mg含有化合物の種類をMgSiO、Mg2SiO4、MgO、MgSiO3+Mg2SiO4又はMg2SiO4+MgOの何れか一種に限定したのは、これが元素濃度分布が均一であることの証左であるからである。ここに規定していないMgSiO3及びMgOの組合せ、並びにMgSiO3、Mg2SiO4及びMgOの組合せが、元素濃度分布の不均一を意味することと合わせ、(1)式〜(3)式により説明したとおりである。
また、SiO2、金属Mg及びMgSi合金も、前述したとおり、局所的なMg過少部及び局所的なMg過多部において生じるので、これらを含まないことも又、元素濃度分布が均一であることの証左である。
また、Si相が必須であるのは、SiがLiを充放電するので、Si相が存在しないと電池容量が発現しないからである。Si相は結晶質でもアモルファスでもよいが、充放電時の膨張収縮が小さく、電池性能が高くなることから、アモルファス若しくはこれに近い相が望ましく、CuKα線を用いたXRD測定を行った際に、2θ=28.4±0.3°付近に表れるSiに由来のピークの半値幅から算出するSi結晶粒子径で表して40nm以下であることが必要である。
本発明の酸化珪素系負極材は、組成管理が行われていることを前提とする。組成管理が行われていなければ、SiO2や金属Mg、MgSi合金の生成が避けられない。組成管理が行われているにもかかわらず、元素濃度分布の不均一に起因して不可避的に生じる物質の生成を阻止することにより、その不均一を安定的に解消して電池性能の向上を図るのが、本発明の酸化珪素系負極材である。
参考までにその組成管理について簡単に説明すれば、その組成をSixMgyzで表して、3y>z>y、且つ2x+y>zであることが必要である。その理由は以下のとおりである。
本発明の酸化珪素系負極材においては、Si相を珪酸Mg、若しくはMg酸化物が取り囲むことにより、Si相の膨張収縮を抑え、高い電池性能を得ることができる。SiO2を含まないことにより、Si挿入時の珪酸Li生成が抑制され、初期効率が改善する。SiO2を含む場合、Liと反応して際に珪酸Liを生じる不可逆反応が起こり、初期効率が低下する。3y<zの場合は、酸素に対してMgが不足し、SiO2が含有される。z<yの場合は、酸素が不足することで活性な金属Mg、MgSi合金が生じ、電池作製時に取り扱いが困難となる。したがって、3y>z>yであることが必要となる。また、2x+y>zであるならば、反応が平衡どおりに進むことにより、酸素が全てSi、Mgの酸化物として存在するので、Si相(酸化していないSi)が含有される。
SiO2を含有しないことは、CuKα線を用いたXRD測定において22°付近のアモルファスSiO2ピーク、及び26.6°付近の結晶SiO2ピークの両方が存在しないことで確認できる。
すなわち、22°付近のアモルファスSiO2ピークについては、14°と34°のXRD強度を直線で結んでその直線をベース強度とした際に、22°での回折強度P1と、22°でのベース強度B1との比が、P1/B1<1.25を満たす場合にアモルファスSiO2ピークがないと判断する。
26.6°付近の結晶SiO2ピークについては、2θ=26.1°における回折強度と、2θ=27.1°における回折強度とを直線で結んでその直線をベース強度とした際に、2θ=26.6±0.3°における最大強度P2と、最大強度角度におけるベース強度B2との比が、P2/B2<1.1を満たす場合に結晶SiO2ピークがないと判断する。
金属Mg、MgSi合金を含有しないことも同様に確認できる。すなわち、金属Mg を含有しないことは、CuKα線を用いたXRD測定において34.4°付近の金属Mgピークが存在しないことで、MgSi合金を含有しないことは、CuKα線を用いたXRD測定において24.2°付近のMg2Siピークが存在しないことで、それぞれ確認できる。
34.4°付近の金属Mgピークについては、2θ=34.0°における回折強度と、2θ=34.8°における回折強度とを直線で結んでその直線をベース強度とした際に、2θ=34.4±0.1°における最大強度P3と、最大強度角度におけるベース強度B3との比が、P3/B3<1.1を満たす場合に金属Mgピークがないと判断する。
24.2°付近のMg2Siピークについては、2θ=23.5°における回折強度と、2θ=24.9°における回折強度とを直線で結んでその直線をベース強度とした際に、2θ=24.2±0.1°における最大強度P4と、最大強度角度におけるベース強度B4との比が、P4/B4<1.1を満たす場合にMgSi合金ピークがないと判断する。
一方、Mg含有化合物としてMgSiO3、Mg2SiO4、MgO、MgSiO3+Mg2SiO4又はMg2SiO4+MgOの5種のうちの何れか1種を含むことも、同様にMgO、Mg2SiO4、MgSiO3の3種類についてのXRDピークの有無から確認できる。
すなわち、MgOについては、2θ=41.8°における回折強度と、2θ=43.8°における回折強度とを直線で結んでその直線をベース強度とした際に、2θ=42.8±0.3°における最大強度P5と、最大強度角度におけるベース強度B5との比が、P5/B5>1.1を満たす場合にMgOが存在すると判断する。
Mg2SiO4については、2θ=31.3°における回折強度と、2θ=33.3°における回折強度とを直線で結んでその直線をベース強度とした際に、2θ=32.3±0.3°における最大強度P6と、最大強度角度におけるベース強度B6との比が、P6/B6>1.1を満たす場合にMg2SiO4が存在すると判断する。
MgSiO3については、2θ=31.8°における回折強度と、2θ=33.8°における回折強度とを直線で結んでその直線をベース強度とした際に、2θ=32.8±0.2°における最大強度P7と、最大強度角度におけるベース強度B7との比が、P7/B7>1.1を満たす場合にMgSiO3が存在すると判断する。
また、Si相が存在することは、結晶SiについてはXRDピークの有無から確認できる。すなわち、2θ=46.4°における回折強度と、2θ=48.4°における回折強度とを直線で結んでその直線をベース強度とした際に、2θ=47.4±0.3°における最大強度P8と、最大強度角度におけるベース強度B8との比が、P8/B8>1.1を満たす場合に、結晶Siが存在すると判断する。また、アモルファスSiについては元素分析結果から確認できる。
本発明の酸化珪素系負極材の製造方法においては、SiOガスとMgガスを同一の容器内で同時に発生させることにより、SiOとMgが均一に反応し、その結果、元素濃度分布が均一な酸化珪素系負極材の製造が可能となる。
従来は気相法においてもSiOガスとMgガスを別々の容器で発生させ、それらのガスを混合後に冷却、回収するため、SiOとMgが不均一に反応し、その結果、製造される酸化珪素系負極材の元素濃度分布が不均一になっていたが、本発明の酸化珪素系負極材の製造方法においては、SiOガスとMgガスを同一容器内で同時に発生させることにより、SiOとMgが均一に反応し、その結果、元素濃度分布が均一な酸化珪素系負極材の製造が可能となるのである。
SiOガスとMgガスを同一の容器内で同時に発生させる方法としては、Si、Mg及びOを含有する原料を同一の容器内で減圧加熱する方法があり、Si、Mg及びOを含有する原料としては、Si単体とMg・O含有化合物とを含む原料が望ましく、Mg・O含有化合物としては、例えばMgO、Mg2SiO4、MgSiO、Mg2CO3、Mg(OH)2等が望ましい。原料の酸素量調整のために、原料に更にSi酸化物を含有させることも可能である。
本発明の酸化珪素系負極材は、Si−Mg−Oの3元系材料からなり、その上でSi相を含むと共に、Mg含有化合物としてMgSiO3、Mg2SiO4、MgO、MgSiO3+Mg2SiO4又はMg2SiO4+MgOの5種のうちの何れか1種を含む一方、SiO2、金属Mg及びMgSi合金の何れも含まないことにより、Mgを含む各元素の濃度分布が均一となり、その元素濃度分布の不均一に起因する電池性能の低下を可及的に回避することができる。
また、本発明の酸化珪素系負極材の製造方法は、SiOガスとMgガスを同一の容器内で同時に発生させ、それらのガスを蒸着面上で冷却して回収することにより、SiOとMgを均一に反応させて、元素濃度分布が均一な酸化珪素系負極材の製造を可能とする。
本発明の酸化珪素系負極材のXRDチャートである。 従来の酸化珪素系負極材のXRDチャートである。
以下に本発明の実施形態を説明する。本発明の酸化珪素系負極材は次のような方法により製造可能である。
本発明の酸化珪素系負極材は、SiOガスとMgガスを均一に反応させることで製造することができる。そして、SiOガスとMgガスを均一に反応させるためには、両ガスを同時に発生させることが重要であり、具体的には、SiOガスとMgガスを同一の容器内で同時に発生させ、それらのガスを同じ蒸着面上で冷却、回収する方法により製造可能である。
SiOガスとMgガスを同一の容器内で同時に発生させる方法としては、Si、Mg及びOを含有する原料を同一容器内で減圧加熱する方法がある。Si、Mg及びOを含有する原料としては、SiOガス発生原料とMgガス発生原料とを単純に混合したものが考えられるが、この原料だと、SiOガスとMgガスが同時に発生することはない。蒸気厚が高いMgガスのみが優先して発生する。このためにSiOとMgが均一に混合した材料は得られない。別の原料として、MgO、Mg2SiO4などのMg・O含有化合物、すなわち、Oを含有するMg化合物が考えられるが、このような化合物は単体では減圧下での加熱によってもガスを発生しない。しかしながら、このようなMg・O含有化合物であっても、Si、特にSi単体が共存すると、減圧下での加熱によりSiOガスとMgガスとが同時に発生し、SiOとMgが均一に混合した材料が得られる。
この観点から、Si、Mg及びOを含有する原料としては、Si単体とMg・O含有化合物とを含む原料が望ましい。この原料は取り扱いが簡単で価格も安い。例えば、Si単体と、Mg・O含有化合物としてのMgOとを混合するならば、化学式2の反応によりSiOガスとMgガスを同時に発生させることができる。ここでは、SiOガスとMgガスを使用しているために、O/Si比は1に近い値をとり、0.8<O/Si<1.2程度となる。
(化学式2)
Si(s)+MgO(s)→SiO(g)+Mg(g)
Mg単体を原料に使用することも考えられ、例えば固体SiOと単体Mgを原料に用いることが可能であるが、この場合は化学式2の反応を介さずに単体Mgから直接Mgガスが発生する上、そのMgガスはSiOガスと比べ低温で発生するために、反応初期にMgガス、反応後期にSiOガスが生成し、作製された材料の組成が不均一になってしまう。このため、単体Mgを用いることは現実的でない。SiOガスが発生するまでにMgガスを発生せず、気化しないMg・O含有化合物をSi単体で還元することで、SiOガスとMgガスを同時に発生させることができるのである。
Mg・O含有化合物としては、不要な金属元素の混入を防ぐために、例えばMgO、Mg2SiO4、MgSiO3、MgCO、Mg(OH)2等が望ましい。特に、MgO、Mg2SiO4、MgSiOを使用することで、Si、O、Mg以外の元素の混入を防ぐことができる。MgCO3、Mg(OH)2等は加熱によりCO2等のガスを発生させるが、SiOガス発生反応温度よりも低い温度でガスの発生反応を完了させることで、MgO等と同様に使用することができる。これらの化合物を用いた場合の反応は化学式3のように表される。原料の酸素量調整のために、原料に更にSi酸化物を含有させてもよい。
(化学式3)
3Si(s)+Mg2SiO4(s)→4SiO(g)+2Mg(g)
2Si(s)+MgSiO(s)→3SiO(g)+Mg(g)
Si(s)+MgCO(s)→SiO(g)+Mg(g)+CO2(g)
Si(s)+Mg(OH)2(s)→SiO(g)+Mg(g)+H2O(g)
Si、Mg及びOの混合比は、1.0<Si/O<1.5及び0.33<Mg/O<1.0を満足することが望ましい。Si量とO量が異なる場合、未反応で残留する原料が増えるために反応効率が低下する。特にOが多い場合には、SiOガスが優先して生成し、Mg原料が残留してMg量が低下するおそれがある。Mgについては、少なすぎると生成物中にSiOが含まれ、多すぎる場合には活性な金属Mgの生成や原料残留のおそれが生じる。
蒸着面上での冷却、回収により作製された材料については、回収後、所定の粒度に粉砕、調整することで、電極用粉末材料とすることができる。粉砕方法は特定されないが、金属不純物が混入しないように粉末接触部にはセラミックス等の非金属材料を用いるのが望ましい。粉末粒子径はメディアン径D50で1〜20μmが望ましい。粉末粒子径がこの範囲内であると、粉末の分散性がよく、スラリー化の工程等で取り扱いが容易となり、結果的に電池性能が向上する。
ここにおける電極用粉末材料は、粉末粒子の表面もしくはその表面の一部に導電性材料が被覆されてもよい。導電性材料の被覆により、表面抵抗が下がり、電池性能が向上する。導電性材料としては、グラファイトが代表的であり、例えば炭化水素ガスを用いた熱CVD反応により、粒子表面へグラファイトを被覆することができる。
SiOガスとMgガスを同一の容器内で同時に発生させ、それらのガスを同じ蒸着面上で冷却して回収する方法は、Mgがドープされた酸化珪素系負極材の製造方法であるが、Mgを他の金属元素に変えることにより、Mg以外の金属元素がドープされた酸化珪素系負極材の製造も可能である。
すなわち、Si単体と、酸素を含有する金属化合物とを含む原料を同一の容器内で同時に減圧加圧して、SiOガスと金属ガスとを同時に発生させ、それらのガスを同じ蒸着面上で冷却して回収することにより、Mg以外の金属元素がドープされた酸化珪素系負極材が製造される。
ここにおけるMg以外の金属元素としては、SiO以上の蒸気圧を有し、かつSiO2 を還元可能な元素が望ましく、例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Ca、Sr、Ba、Alなどを挙げることができる。原料に金属元素単体を用いると、生成する材料の組成が不均一となるおそれがあるため、金属元素の酸化物や水酸化物、炭酸塩、珪酸塩などの化合物を用いることが望ましい。化合物としては、SiOガス発生反応が進行するまで金属元素ガスを発生せず、気化しない材料が望ましい。ガス発生反応は化学式4のように表される。Si、O比を調整するために原料に更にSi酸化物を含有させてもよい。
(化学式4)
xSi(s)+MOx(s)→xSiO(g)+M(g)
2xSi(s)+M(SiO3)x(s)→3xSiO(g)+M(g)
xSi(s)+M(CO3)x(s)→xSiO(g)+M(g)+xCO2(g)
xSi(s)+M(OH)x(s)→xSiO(g)+M(g)+xH2O(g)
(実施例1)
Si粉末とMgO粉末とMg2SiO4粉末とを4:1:1のモル比で混合した(Si:Mg:O=1:0.6:1)。この混合粉末をAr雰囲気、1Paで1350℃に加熱し、発生したガスを上部に設置した蒸着板上で400℃に冷却し析出させて回収した。回収した析出材料をアルミナボールミルで粉砕し、平均粒子径をメディアン径D50で5μmに調整した。
こうして得た粉末に対してCuKα線を用いたXRD測定を行った。XRDデータを図1に示す。Si、MgO、Mg2SiO4の各結晶ピークが確認できた一方で、MgSiO3の結晶ピーク、SiO2のアモルファスピーク及び結晶ピーク、並びに金属Mg及びMgSi合金の結晶ピークは確認できなかった。
すなわち、SiO2のアモルファスピーク強度はP1/B1=1.18(<1.25)、結晶ピーク強度はP2/B2=0.91(<1.1)であった。また、金属Mgの結晶ピーク強度はP3/B3=0.99(<1.1)、MgSi合金の結晶ピークはP4/B4=1.04(<1.1)であった。一方、MgOの結晶ピーク強度はP5/B5=1.37(>1.1)、Mg2SiO4の結晶ピーク強度はP6/B6=1.67(>1.1)であり、他方、MgSiO3の結晶ピーク強度はP7/B7=1.05(<1.1)であった。
また、Siの結晶ピーク強度はP8/B8=2.31であり、結晶粒子径は12.2μmであった。
(実施例2)
Si粉末とMgO粉末とSiO2粉末とを19:18:1のモル比で混合した(Si:Mg:O=1:0.9:1)。この混合粉末を実施例1と同じ条件で加熱、析出させ、粉末化した。得られた粉末に対して実施例1と同じXRD測定を行ったところ、Si、MgO、Mg2SiO4の各結晶ピークが確認できた一方で、MgSiOの結晶ピーク、SiO2のアモルファスピーク及び結晶ピーク、並びに金属Mg及びMgSi合金の結晶ピークは確認できなかった。
すなわち、SiO2のアモルファスピーク強度はP1/B1=1.19(<1.25)、結晶ピーク強度はP2/B2=1.02(<1.1)であった。また、金属Mgの結晶ピーク強度はP3/B3=1.02(<1.1)、MgSi合金の結晶ピークはP4/B4=1.03(<1.1)であった。一方、MgOの結晶ピーク強度はP5/B5=22(>1.1)、Mg2SiO4の結晶ピーク強度はP6/B6=1.72(>1.1)であり、他方、MgSiOの結晶ピーク強度はP7/B7=1.02(<1.1)であった。
また、Siの結晶ピーク強度はP8/B8=14.8であり、結晶粒子径は32.8μmであった。
(実施例3)
Si粉末とMgO粉末とSiO2粉末とを7:4:3のモル比で混合した(Si:Mg:O=1:0.4:1)。この混合粉末を実施例1と同じ条件で加熱、析出させ、粉末化した。得られた粉末に対して実施例1と同じXRD測定を行ったところ、Si、MgSiO3、Mg2SiO4の各結晶ピークが確認できた一方で、MgOの結晶ピーク、SiO2のアモルファスピーク及び結晶ピーク、並びに金属Mg及びMgSi合金の結晶ピークは確認できなかった。
すなわち、SiO2のアモルファスピーク強度はP1/B1=1.16(<1.25)、結晶ピーク強度はP2/B2=0.94(<1.1)であった。また、金属Mgの結晶ピーク強度はP3/B3=0.98(<1.1)、MgSi合金の結晶ピークはP4/B4=1.01(<1.1)であった。一方、MgOの結晶ピーク強度はP5/B5=1.04(<1.1)、Mg2SiO4の結晶ピーク強度はP6/B6=1.70(>1.1)であり、他方、MgSiO3の結晶ピーク強度はP7/B7=1.53(>1.1)であった。
また、Siの結晶ピーク強度はP8/B8=1.94であり、結晶粒子径は10.3μmであった。
(実施例4)
Si粉末とMgO粉末とSiO2粉末とを2:1:1のモル比で混合した(Si:Mg:O=1:0.33:1)。この混合粉末を実施例1と同じ条件で加熱、析出させ、粉末化した。得られた粉末に対して実施例1と同じXRD測定を行ったところ、Si、MgSiO3の各結晶ピークが確認できた一方で、MgO、Mg2SiO4の結晶ピーク、SiO2のアモルファスピーク及び結晶ピーク、並びに金属Mg及びMgSi合金の結晶ピークは確認できなかった。
すなわち、SiO2のアモルファスピーク強度はP1/B1=1.15(<1.25)、結晶ピーク強度はP2/B2=0.92(<1.1)であった。また、金属Mgの結晶ピーク強度はP3/B3=0.99(<1.1)、MgSi合金の結晶ピークはP/B=1.04(<1.1)であった。一方、MgOの結晶ピーク強度はP5/B5=1.03(<1.1)、Mg2SiO4の結晶ピーク強度はP6/B6=1.00(<1.1)であり、他方、MgSiO3の結晶ピーク強度はP7/B7=1.85(>1.1)であった。
また、Siの結晶ピーク強度はP8/B8=1.69であり、結晶粒子径は8.50μmであった。
(実施例5)
Si粉末とMgO粉末とSiO2粉末とを3:2:1のモル比で混合した(Si:Mg:O=1:0.5:1)。この混合粉末を実施例1と同じ条件で加熱、析出させ、粉末化した。得られた粉末に対して実施例1と同じXRD測定を行ったところ、Si、Mg2SiO4の各結晶ピークが確認できた一方で、MgSiO3、MgOの結晶ピーク、SiO2のアモルファスピーク及び結晶ピーク、並びに金属Mg及びMgSi合金の結晶ピークは確認できなかった
すなわち、SiO2のアモルファスピーク強度はP1/B1=1.19(<1.25)、結晶ピーク強度はP2/B2=1.01(<1.1)であった。また、金属Mgの結晶ピーク強度はP3/B3=0.99(<1.1)、MgSi合金の結晶ピークはP4/B4=1.02(<1.1)であった。一方、MgOの結晶ピーク強度はP5/B5=1.05(<1.1)、Mg2SiO4の結晶ピーク強度はP6/B6=2.14(>1.1)であり、他方、MgSiO3の結晶ピーク強度はP7/B7=1.03(<1.1)であった。
また、Siの結晶ピーク強度はP8/B8=2.12であり、結晶粒子径は11.1μmであった。
(実施例6)
Si粉末とMgO粉末とを1:1のモル比で混合した(Si:Mg:O=1:1:1)。この混合粉末を実施例1と同じ条件で加熱、析出させ、粉末化した。得られた粉末に対して実施例1と同じXRD測定を行ったところ、Si、MgOの各結晶ピークが確認できた一方で、Mg2SiO4、MgSiO3の結晶ピーク、SiO2のアモルファスピーク及び結晶ピーク、並びに金属Mg及びMgSi合金の結晶ピークは確認できなかった。
すなわち、SiO2のアモルファスピーク強度はP1/B1=1.15(<1.25)、結晶ピーク強度はP2/B2=1.05(<1.1)であった。また、金属Mgの結晶ピーク強度はP3/B3=1.01(<1.1)、MgSi合金の結晶ピークはP4/B4=1.01(<1.1)であった。一方、MgOの結晶ピーク強度はP5/B5=28.6(>1.1)、Mg2SiO4の結晶ピーク強度はP6/B6=1.07(<1.1)であり、他方、MgSiO3の結晶ピーク強度はP7/B7=1.01(<1.1)であった。
また、Siの結晶ピーク強度はP8/B8=17.5であり、結晶粒子径は38.1μmであった。
(実施例7)
Si粉末とMgSiO3粉末とを2:1のモル比で混合した(Si:Mg:O=1:0.33:1)。この混合粉末を実施例1と同じ条件で加熱、析出させ、粉末化した。得られた粉末に対して実施例1と同じXRD測定を行ったところ、Si、MgSiO3の各結晶ピークが確認できた一方で、MgO、Mg2SiO4の結晶ピーク、SiO2のアモルファスピーク及び結晶ピーク、並びに金属Mg及びMgSi合金の結晶ピークは確認できなかった。
すなわち、SiO2のアモルファスピーク強度はP1/B1=1.14(<1.25)、結晶ピーク強度はP2/B2=0.95(<1.1)であった。また、金属Mgの結晶ピーク強度はP3/B3=1.01(<1.1)、MgSi合金の結晶ピークはP/B=1.02(<1.1)であった。一方、MgOの結晶ピーク強度はP5/B5=0.99(<1.1)、Mg2SiO4の結晶ピーク強度はP6/B6=1.04(<1.1)であり、他方、MgSiO3の結晶ピーク強度はP7/B7=1.93(>1.1)であった。
また、Siの結晶ピーク強度はP8/B8=1.47であり、結晶粒子径は7.93μmであった。
(比較例1)
Si粉末とSiO2粉末を1:1のモル比で混合した(Si:Mg:O=1:0:1)。この混合粉末を実施例1と同じ条件で加熱、析出させ、粉末化した。得られた粉末に対して実施例1と同じXRD測定を行ったところ、Siの結晶ピークは確認できなかった。しかし、SiO2のアモルファスピークは確認され、P1/B1=1.28(>1.25)であった上、2x+y>zが満足されているので、得られた酸化珪素粉末はSiとSiO2の混合物でアモルファス状態と見ることができる。
(比較例2)
Si粉末とMg粉末を1:0.6のモル比で混合した(Si:Mg:O=1:0.6:1)。この混合粉末を実施例1と同じ条件で加熱、析出させ、粉末化した。得られた粉末に対して実施例1と同じXRD測定を行った。XRDデータを図2に示す。Si、MgO、Mg2SiO4の各結晶ピーク、及びSiO2のアモルファスピークが確認できた。その一方で、金属Mg及びMgSi合金の結晶ピーク、並びにMgSiO3の結晶ピークは確認できなかった。
すなわち、SiO2のアモルファスピーク強度はP1/B1=1.28(<1.25)、結晶ピーク強度はP2/B2=0.98(<1.1)であった。また、金属Mgの結晶ピーク強度はP3/B3=1.00、MgSi合金の結晶ピークはP4/B4=1.08であった。一方、MgOの結晶ピーク強度はP5/B5=6.42(>1.1)、Mg2SiO4の結晶ピーク強度はP6/B6=2.82(>1.1)であり、他方、MgSiOの結晶ピーク強度はP7/B7=1.07(<1.1)であった。
また、Siの結晶ピーク強度はP8/B8=9.09であり、結晶粒子径は41.6μmであった。
(比較例3)
容器を2つ用意し、一方の容器にSi粉末とSiO2粉末を1:1のモル比で混合して仕込み(Si:Mg:O=1:0:1)、もう一方の容器に金属Mgを上記Siに対して0.6の割合で仕込んだ。Ar雰囲気、1Paの条件下で、一方の容器は1350℃に加熱し、もう一方の容器は450℃に加熱し、2容器からガスを発生させた。これらのガスを上部に設置した蒸着板上で冷却した。他の条件は実施例1と同じとした。
得られた粉末に対して実施例1と同じXRD測定を行ったところ、Si、MgO、Mg2SiO4、MgSiO3の各結晶ピーク、及びSiO2のアモルファスピークが確認できた。一方、金属Mg及びMgSi合金の結晶ピークは確認できなかった。
すなわち、SiO2のアモルファスピーク強度はP1/B1=1.31(<1.25)、結晶ピーク強度はP2/B2=0.99(<1.1)であった。また、金属Mgの結晶ピーク強度はP3/B3=0.96(<1.1)、MgSi合金の結晶ピークはP4/B4=1.03(<1.1)であった。一方、MgOの結晶ピーク強度はP5/B5=2.62(>1.1)、Mg2SiO4の結晶ピーク強度はP6/B6=1.66(>1.1)、MgSiO3の結晶ピーク強度はP7/B7=1.21(<1.1)であった。
また、Siの結晶ピーク強度はP8/B8=3.67であり、結晶粒子径は13.5μmであった。
(電池評価)
実施例1〜6及び比較例1〜3において製造された粉末試料に対して次の手順で電池評価を実施した。
粉末試料と非水系(有機系)バインダーであるPIバインダーと、導電助材であるKBとを80:15:5の重量比で混合し、有機系のNMPを溶媒として混練してスラリーとした。作製したスラリーを銅箔上に塗工し、350℃で30min真空熱処理することで負極とした。この負極と対極(Li箔)と電解液(EC:DEC=1:1)と電解質(LiPF6 1mol/L)とセパレータ(ポリエチレン製多孔質フィルム30μm厚)とを組み合わせてコインセル電池を作製した。
作製されたコインセル電池に充放電試験を実施した。充電は、電池の両極間の電圧が0.05Vに達するまでは0.5Cの定電流で行い、電圧が0.05Vに達した後は電流が0.01Cになるまで定電位充電で行った。放電は、電池の両極間の電圧が1.5Vに達するまでは0.1Cの定電流で行った。
この充放電試験により、初期充電容量、及び初期放電容量を測定して、初期効率を求めた。結果を粉末試料の主要な仕様(Mg/Si比、含有物質、Si結晶粒子径)と共に表1に示す。
Figure 2017224600
実施例1〜実施例7では、Mgがドープされているが、結晶Si及び適切な種類のMg含有化合物が含有され、その一方でSiO2や金属Mg、MgSi合金が存在せず、Si結晶粒子径も40nm以下に抑制されているため、比較例1で得られたSiとSiO2の混合物と比べて、Mgドープによる初期効率の改善効果が顕著である。
比較例2では、固相法ではあるが、機械的な合金化法ではなく、焼成法のため、反応の不均一は比較的軽いが、それでもSiO2が生じており、何よりも高熱処理のためにSi結晶粒子径が増大した。これらによる影響のため初期効率の改善効果が小さい上に、充放電容量が大きく低下した。
比較例3では、実施例と同じ気相法のため、Si結晶粒子径は小さいものの、不均一なドープ反応により、不適切な組合せである3種類のMg含有化合物が生じると共に、SiO2 が生じ、比較例1よりも更に初期効率が低下する結果になった。

Claims (7)

  1. Liイオン二次電池の負極形成に使用される酸化珪素系負極材であって、Si−Mg−Oの3元系材料からなり、Si相を含むと共に、Mg含有化合物としてMgSiO、Mg2SiO4、MgO、MgSiO+Mg2SiO4又はMg2SiO4+MgOの5種のうちの何れか1種を含む一方、SiO2、金属Mg及びMgSi合金の何れも含まない酸化珪素系負極材。
  2. 請求項1に記載の酸化珪素系粉末負極材において、組成がSixMgyzで表して、3y>z>y、且つ2x+y>zを満足する酸化珪素系負極材。
  3. 請求項1又は2に記載の酸化珪素系粉末負極材において、CuKα線を用いたXRD測定を行った際に、2θ=28.4±0.3°付近に表れるSiに由来のピークの半値幅から算出するSi結晶粒子径が40nm以下である酸化珪素系粉末負極材。
  4. Liイオン二次電池の負極形成に使用される酸化珪素系負極材の製造方法であって、SiOガスとMgガスを同一の容器内で同時に発生させ、それらのガスを蒸着面上で冷却して回収する酸化珪素系負極材の製造方法。
  5. 請求項4に記載の酸化珪素系負極材の製造方法において、Si、Mg及びOを含有する原料を同一の容器内で減圧加熱することにより、SiOガスとMgガスを同一の容器内で同時に発生させる酸化珪素系負極材の製造方法。
  6. 請求項5に記載の酸化珪素系負極材の製造方法において、Si、Mg及びOを含有する原料はSi単体とMg・O含有化合物とを含み、Mg・O含有化合物はMgO、Mg2SiO4、MgSiO、Mg2CO、Mg(OH)2のうちの1種又は2種以上である酸化珪素系負極材の製造方法。
  7. Liイオン二次電池の負極形成に使用される酸化珪素系負極材の製造方法であって、Si単体と、酸素を含有する金属化合物とを含む原料を同一の容器内で同時に減圧加圧して、SiOガスと金属ガスとを同時に発生させ、それらのガスを同じ蒸着面上で冷却して回収する酸化珪素系負極材の製造方法。
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