JP2017193607A - インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着性と保存安定性が優れるインクの提供。【解決手段】着色剤、水、及び、モノマーの構成がそれぞれ異なる第1ポリマー、第2ポリマー、及び第3ポリマーを含有するインクであって、前記ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体から選択されるモノマーであるインクにより、前記の課題を解決できた。【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク、そのインクを用いるインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアに関する。
各種のカラー記録方法の中で、インクジェットプリンタを用いる記録方法(インクジェット記録方法)は、代表的な方法の1つである。インクジェット記録方法は、インクの小滴を発生させ、これを紙等の記録メディアに付着させることにより記録を行う方法である。インクジェット記録方法は、近年、産業用途としての需要が高まっている。産業用途におけるインクジェット記録は、高速に、且つ様々な種類の記録メディアに、記録できることが求められている。
一方で、インクジェット記録に用いるインクの課題としては、良好な保存安定性と、記録画像の耐擦過性が挙げられる。このような課題の解決手段として、インク中に浸透剤を加えて記録メディアに対するインクの浸透性を向上させ、耐擦過性を改善する方法等が提案されてきた。しかし、インクの浸透性が向上することにより、十分な記録画像の濃度が得られないことがあり、これが新たな問題となっている。
そこで、例えば特許文献1及び2のように、インク中にポリマーを添加することが提案されている。
一方、本願の出願人は、例えば特許文献5において、インクを乾燥させても、水を加えることにより容易に再分散できるインクを提案した。また、例えば特許文献6において、耐擦過性を有し、吐出性及び再分散性にも優れるインク組成物を提案した。
また、複数のポリマーを含有するインクは、例えば特許文献3及び4において提案されている。
しかしながら、これらの提案で得られたインクを用いても、耐擦過性と保存安定性を両立させることは困難であった。
特開2013−166844号公報 特開2013−199605号公報 米国公開2007/0129462号公報 米国特許8,573,761号公報 国際公開第2013/115071号ガゼット 国際公開第2015/147192号ガゼット
本発明は、定着性と保存安定性が優れるインク、そのインクを用いるインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアの提供を課題とする。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の3種類のポリマーを含有するインクにより、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の1)〜15)に関する。
着色剤、水、及び、モノマーの構成がそれぞれ異なる第1ポリマー、第2ポリマー、及び第3ポリマーを含有するインクであって、前記第1〜第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体から選択されるモノマーであるインク。
2)
第1ポリマーを構成するモノマーがメタクリル酸誘導体から選択されるモノマーであり、
第2ポリマーを構成するモノマーが、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーであり、
第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体、及びアクリル酸誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーである、前記1)に記載のインク。
3)
第1ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーである、前記1)に記載のインク。
4)
第1ポリマーが、Aブロック及びBブロックの2つのブロックから構成される、A−Bブロックポリマーである前記1)に記載のインク。
5)
第1ポリマーが、着色剤の分散剤である前記1)〜4)のいずれか一項に記載のインク。
6)
第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーと、アクリル酸誘導体から選択される1種類のモノマーである前記1)に記載のインク。
7)
メタクリル酸誘導体から選択されるモノマーが、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸よりなる群から選択されるモノマーである前記1)に記載のインク。
8)
スチレン誘導体から選択されるモノマーが、スチレン及びα−メチルスチレンから選択されるモノマーである前記1)に記載のインク。
9)
アクリル酸誘導体から選択されるモノマーが、アラルキルアクリレート、アルキルアクリレート、及びアクリル酸よりなる群から選択されるモノマーである前記1)に記載のインク。
10)
第1ポリマーを構成するモノマーが、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸である前記1)〜3)に記載のインク。
11)
前記Aブロックがアラルキルメタクリレート、若しくはアラルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成され、前記Bブロックがアルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成されるA−Bブロックポリマーである、前記4)に記載のインク。
12)
第3ポリマーを構成するモノマーが、2種類のアルキルメタクリレート、メタクリル酸、及びアルキルアクリレートである前記1)〜3)に記載のインク。
13)
前記1)〜12)のいずれか一項に記載のインクの液滴を記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
14)
前記1)〜12)のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
15)
前記1)〜12)のいずれか一項に記載のインクを含有する容器を有するインクジェットプリンタ。
本発明により、定着性と保存安定性が優れるインク、そのインクを用いるインクジェット記録方法、及びそのインクが付着した記録メディアを提供できた。
本明細書において、「C.I.」とは、「カラーインデックス」を意味する。また、実施例等も含めて、「%」及び「部」は、特に断りのない限り、いずれも質量基準で記載する。
[モノマー]
前記ポリマーを構成するモノマーとしては、メタクリル酸誘導体、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体から選択されるモノマーが挙げられる。
前記ポリマーとしては、ブロック共重合、ランダム共重合、及びグラフト共重合等により得られるポリマーが挙げられる。
[メタクリル酸誘導体]
メタクリル酸誘導体としては、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸が好ましい。
アラルキルメタクリレート(アリールアルキルメタクリレート)としては、通常C6−C14アリールC1−C4アルキルメタクリレートが挙げられ、C6−C10アリールC1−C3アルキルメタクリレートが好ましい。その具体例としてはベンジルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、フェニルプロピルメタクリレート、フェニルブチルメタクリレート、ナフチルメチルメタクリレート、アントラセニルメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの中ではベンジルメタクリレートが好ましい。
アルキルメタクリレートとしては、アルキル部分が通常C1−C18、好ましくはC1−C12、より好ましくはC1−C8であり、飽和又は不飽和のアルキルメタクリレートが挙げられる。
飽和アルキルメタクリレートの具体例としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート等の直鎖アルキルメタクリレート;イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の分岐鎖アルキルメタクリレート;シクロプロピルメタクリレート、シクロブチルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の環状アルキルメタクリレート;が挙げられる。
不飽和アルキルメタクリレートとしては、不飽和C1−C4アルキルメタクリレートがさらに好ましい。その具体例としては、ビニルメタクリレート、アリルメタクリレート、プロペニルメタクリレート、ブテニルメタクリレート、ブタジエニルメタクリレート等が挙げられる。
[アクリル酸誘導体]
アクリル酸誘導体としては、前記[メタクリル酸誘導体]における「メタクリル酸」を「アクリル酸」と読み替え、また「メタクリレート」を「アクリレート」に読み替えた化合物が挙げられる。
[スチレン誘導体]
スチレン誘導体としては、スチレン及びα−メチルスチレンが挙げられる。
[第1ポリマー]
第1ポリマーを構成するモノマーは、メタクリル酸誘導体から選択されるモノマーが好ましく、
メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーがより好ましく、
アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸であるのがさらに好ましい。前記のモノマーのうち、第1ポリマーを構成するモノマーは、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸ブチル、及びメタクリル酸が特に好ましい。
第1ポリマーは、Aブロック及びBブロックの2つのブロックから構成される、A−Bブロックポリマーが好ましく、例えば国際公開2013/115071号ガゼットが開示するリビングラジカル重合法により得られるA−Bブロックポリマーがより好ましい。また、このガゼットがA−Bブロックポリマーとして好ましい、及びより好ましい等として開示する内容は、前記の第1ポリマーにおいても同様の意味を有する。
Aブロックはアラルキルメタクリレート、若しくはアラルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成されるのが好ましい。また、Bブロックはアルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成されるのが好ましい。
第1ポリマーは、例えば国際公開2013/115071号ガゼットが開示する合成方法により得ることができる。
第1ポリマーの酸価は通常90〜200mgKOH/g、好ましくは100〜150mgKOH/g、より好ましくは100〜120mgKOH/gである。
第1ポリマーの重量平均分子量は、通常10000〜60000、好ましくは10000〜40000、より好ましくは15000〜30000である。
第1ポリマーは着色剤を安定に分散させるための分散剤として使用するのが好ましい。着色剤の総質量に対する第1ポリマーの質量の比は通常0.1〜1.0、好ましくは0.1〜0.6、より好ましくは0.2〜0.5である。
[第2ポリマー]
第2ポリマーを構成するモノマーは、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーが好ましい。
第2ポリマーは合成することができる。しかし、市販品として容易に入手することもできる。市販品としては、例えばBASF社製のジョンクリルシリーズが挙げられる。その具体例としては、例えばジョンクリル61J、67、68、450、55、555、586、678、680、682、683、690;及び、B−36;等のジョンクリルシリーズが好ましく挙げられる。
第2ポリマーは、分散剤としても、インクの添加剤としても使用できる。
第2ポリマーを分散剤として使用するときは、第1ポリマーも分散剤として併用するのが好ましい。第1及び第2ポリマーを分散剤として併用するときは、第1及び第2ポリマーの両方と着色剤との3つを混合して分散液を得ることができる。また、第1ポリマーと着色剤、及び、第2ポリマーと着色剤のそれぞれを含有する分散液を調製し、両方を混合して第1ポリマー、第2ポリマーの両方と着色剤を含有する分散液を得ることもできる。
また、第2ポリマーをインクの添加剤として使用するときは、第1ポリマーと着色剤とから着色剤の分散液を得た後、他の添加剤と同様に第2ポリマーを加えてインクを得ることができる。
第2ポリマーを使用するときは、その酸価を中和することができる。中和に用いる中和剤、及び中和剤の使用量(中和度)は、前記した第1ポリマーのときと同じである。
前記インクの総質量中、第2ポリマーの含有量は通常0.1〜10%、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは0.1〜3%である。
[第3ポリマー]
第3ポリマーを構成するモノマーは、メタクリル酸誘導体及びアクリル酸誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーが好ましく、
メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーと、アクリル酸誘導体から選択される1種類のモノマーがより好ましく、
2種類のアルキルメタクリレート、メタクリル酸、及びアルキルアクリレートがさらに好ましい。
第3ポリマーを構成する2種類のアルキルメタクリレートは、直鎖アルキルメタクリレート、及び不飽和アルキルメタクリレートのそれぞれから選択されるモノマーが好ましい。
直鎖アルキルメタクリレートは、前記のうち直鎖C1−C3アルキルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレートがさらに好ましい。
不飽和アルキルメタクリレートは、前記のうち不飽和C1−C4アルキルメタクリレートがより好ましく、アリルメタクリレートがさらに好ましい。
また、第3ポリマーを構成するアルキルアクリレートは、分岐鎖アルキルアクリレートが好ましく、分岐鎖C1−C8アルキルアクリレートがより好ましく、2−エチルヘキシルアクリレートがさらに好ましい。
第3ポリマーは、例えば国際公開2015/147192号ガゼットが開示する合成方法により得ることができる。また、第3ポリマーは、エマルジョンとして使用することもできる。
第3ポリマーのモノマー構成を「通常」、「好ましい」、「より好ましい」構成として、下記表1にまとめた。下記表1の各モノマーの範囲で、モノマーの総量が100部となるように第3ポリマーを調製することができる。下記表1中の略号は、以下の意味を有する。
MA:メタクリル酸。
ScAM:直鎖アルキルメタクリレート。
BcAA:分岐鎖アルキルアクリレート。
UsAM:不飽和アルキルメタクリレート。
Figure 2017193607
第3ポリマーの平均粒径(D50)は通常10nm〜1μm、好ましくは30nm〜500nm程度である。
第3ポリマーのガラス転移点(TG)は通常−10℃〜20℃、好ましくは−5℃〜15℃である。
第3ポリマーの酸価は通常0〜25KOHmg/g、好ましくは5〜15KOHmg/gである。
第3ポリマーのテトラヒドロフランに対する不溶解度は通常80〜100%、好ましくは100%である。
前記インクの総質量中、第3ポリマーの含有量は通常0.1〜10%、好ましくは0.1〜8%、より好ましくは0.5〜4%である。
前記ポリマーを使用するときは、ポリマーの酸価を中和する中和剤を用いることができる。中和剤としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アミン化合物等が挙げられる。中和剤は通常1〜5種類、好ましくは1〜4種類、より好ましくは1〜3種類程度を任意に使用することができる。
アルカリ金属の水酸化物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属の水酸化物として、例えば水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化ストロンチウム等が挙げられる。
アミン化合物としては、アンモニア(アンモニア水を含む)、アルキルアミン化合物、置換基としてヒドロキシ基を有するアルキルアミン化合物が挙げられる。
アルキルアミン化合物としては、C1−C6アルキル基を1つ〜3つ有するアミン化合物が挙げられる。その具体例としては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミンが挙げられる。
置換基としてヒドロキシ基を有するアミン化合物としては、前記アルキルアミン化合物のアルキル基の少なくとも1つが、置換基としてヒドロキシ基を有するアミン化合物が挙げられる。その具体例としては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン及びN−メチルジエタノールアミンが挙げられる。
中和剤の使用量は中和度で表すことができる。第1ポリマーの酸価を、理論等量で中和したときが100%中和度である。理論量を超えて中和剤を使用することもできる。第1ポリマーの中和度は通常50〜200%、好ましくは80〜150%、より好ましくは100〜120%である。
[着色剤]
前記の着色剤は、公知の顔料、及び染料から任意に選択することができる。着色剤は1種類を用いることも、2種類以上を併用することもできる。着色剤を併用するときは通常2〜6種類、好ましくは2〜4種類である。
着色剤は、水に難溶性、又は不溶性であるのが好ましい。1リットルの水に対する着色剤の溶解度は、25℃において通常5g以下、好ましくは3g以下、より好ましくは1g以下、さらに好ましくは500mg以下である。このような着色剤としては、顔料(代表的にはC.I.Pigment)、分散染料(代表的にはC.I.Disperse)、溶剤染料(代表的にはC.I.Solvent)等が挙げられる。
顔料は、主に無機顔料、有機顔料、及び体質顔料に大別される。
無機顔料としては、例えばカーボンブラック、金属酸化物、水酸化物、硫化物、フェロシアン化物、及び金属塩化物等が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、サーマルブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラック、及びチャンネルブラック等が挙げられる。カーボンブラックは、例えばコロンビア・カーボン社のRavenシリーズ、キャボット社のMonarchシリーズやRegalシリーズ、オリオンエンジニアドカーボン社のColorBlackシリーズ、Printexシリーズ、SpecialBlackシリーズ、Neroxシリーズ、及び三菱化学株式会社のMAシリーズ、MCFシリーズ等として、様々な種類の製品を容易に購入することができる。
有機顔料としては、例えば溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、不溶性ジアゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンスラキノン顔料、及びキノフタロン顔料等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、例えばC.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、24、55、73、74、75、83、93、94、95、97、98、108、114、128、129、138、139、150、151、154、180、185、193、199、202、213等のイエロー顔料;C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、88、112、122、123、146、149、150、166、168、177、178、179、184、185、202、206、207、254、255、257、260、264、272等のレッド顔料;C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、25、60、66、80等のブルー顔料;C.I.Pigment Violet19、23、29、37、38、50等のバイオレット顔料;C.I.Pigment Orange13、16、68、69、71、73等のオレンジ〜ブラウン顔料;C.I.Pigment Green7、36、54等のグリーン顔料;C.I.Pigment Black 1等のブラック顔料が挙げられる。
体質顔料としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸バリウム、ホワイトカーボン等が挙げられる。これらの体質顔料は、粉体の流動性を向上させる目的で、無機顔料又は有機顔料と併用することができる。
分散染料としては、例えば、C.I.Dispers Yellow9、23、33、42、49、54、58、60、64、66、71、76、79、83、86、90、93、99、114、116、119、122、126、149、160、163、165、180、183、186、198、200、211、224、226、227、231、237等のイエロー染料;C.I.Dispers Red60、73、88、91、92、111、127、131、143、145、146、152、153、154、167、179、191、192、206、221、258、283等のレッド染料;C.I.Dispers Orange9、25、29、30、31、32、37、38、42、44、45、53、54、55、56、61、71、73、76、80、96、97等のオレンジ染料;C.I.Dispers Violet25、27、28、54、57、60、73、77、79、79:1、等のバイオレット染料;C.I.Dispers Blue27、56、60、79:1、87、143、165、165:1、165:2、181、185、197、202、225、257、266、267、281、341、353、354、358、364、365、368等のブルー染料;等が挙げられる。
前記インクの総質量中、着色剤の含有量は通常1〜30%、好ましくは1〜10%、より好ましくは2〜7%である。
着色剤の平均粒径(D50)は通常50nm〜150nm、好ましくは60nm〜120nmである。本明細書中において、平均粒径とは、レーザ光散乱法を用いて測定した粒子の平均粒径を意味する。
前記の着色剤は、着色剤と第1ポリマー、又は、着色剤と第1ポリマーと第2ポリマーとを用い、着色剤の分散液を調製した後、この分散液をインクの調製に使用するのが好ましい。分散液の調製方法は、公知の方法を使用することができる。
一例として、ポリマーが水に溶解しないときは、転相乳化法が使用できる。すなわち、2−ブタノン等の有機溶剤に第1ポリマーを溶解し、中和剤の水溶液を加えて乳化液を調製する。得られた乳化液に着色剤を加えて分散処理を行う。このようにして得られた液から有機溶剤と一部の水を減圧留去することにより、目的とする着色剤の分散液を得ることができる。
分散処理としては、例えば、着色剤とポリマーとをサンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等に入れて、分散を行う方法が挙げられる。一例として、サンドミルを用いるときは、粒子径が0.01mm〜1mm程度のビーズを使用し、ビーズの充填率を適宜設定して分散処理を行うことができる。
前記のようにして得られた分散液に対して、ろ過及び/又は遠心分離等の操作をすることができる。この操作により、分散液が含有する粒子の粒子径の大きさを揃えることができる。
前記インクは、着色剤の分散液と共に、インク調製剤を含有することができる。インク調製剤としては、水溶性有機溶剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、ワックス剤等挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール又は第三ブタノール、等の、ヒドロキシ基を1つ有するC1−C6アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン又はN−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素;アセトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン、エチレンカーボネート等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−へキシレングリコール、1,6−へキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量が400以上のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、チオジグリコール又はジチオジグリコール等の、C2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ジグリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、トリメチロールプロパン等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の、多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン又はジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
防腐剤の例としては、例えば有機硫黄、有機窒素硫黄、有機ハロゲン、ハロアリールスルホン、ヨードプロパギル、ハロアルキルチオ、ニトリル、ピリジン、8−オキシキノリン、ベンゾチアゾール、イソチアゾリン、ジチオール、ピリジンオキシド、ニトロプロパン、有機スズ、フェノール、第4アンモニウム塩、トリアジン、チアジン、アニリド、アダマンタン、ジチオカーバメイト、ブロム化インダノン、ベンジルブロムアセテート又は無機塩等の各化合物、及びこれらの誘導体が挙げられる。また、アーチケミカル社製、商品名プロクセルGXL(S)やプロクセルXL−2(S)等も挙げられる。
防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。
pH調整剤としては、インクのpHを通常5〜11、好ましくは7〜10に制御できる物質を使用することができる。その具体例としては、例えば、前記の中和剤;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;及び、リン酸二ナトリウム等の無機塩基;等が挙げられる。
キレート試薬の具体例としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、及びウラシル二酢酸ナトリウム等があげられる。
防錆剤の具体例としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、及びジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等があげられる。
水溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばスルホ化されたベンゾフェノン、ベンゾトリアゾ−ル、サリチル酸、桂皮酸、及びトリアジン等の各化合物、及びその誘導体が挙げられる。
酸化防止剤の例としては、例えば、褪色防止剤を使用することができる。前記褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン、アルコキシフェノール、ジアルコキシフェノール、フェノール、アニリン、アミン、インダン、クロマン、アルコキシアニリン、及び複素環等の各化合物、及びその誘導体が挙げられる。
界面活性剤の例としては、例えばアニオン、カチオン、ノニオン、両性、シリコーン系、フッ素系等の、公知の界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げらる。アニオン界面活性剤は、例えば第一工業製薬株式会社等から、様々な種類の製品を容易に購入することができる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;ポリグリコールエーテル系等が挙げられる。ノニオン界面活性剤は、例えば日信化学株式会社のサーフィノールシリーズ、オルフィンシリーズ等として、様々な種類の製品を容易に購入することができる。
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。その一例としては、エアープロダクツ社製のダイノール960、ダイノール980、日信化学株式会社製のシルフェイスSAG001、シルフェイスSAG002、シルフェイスSAG003、シルフェイスSAG005、シルフェイスSAG503A、シルフェイスSAG008、シルフェイスSAG009、シルフェイスSAG010、及びビックケミー社製のBYK−345、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−3455等が挙げられ、様々な種類の製品を容易に購入することができる。
また、シリコーン系界面活性剤としては、下記式(2)で表される化合物も好ましく挙げられる。
Figure 2017193607
前記式(2)中、aは0〜5の整数、bは1〜5の整数、cは3〜30の整数、dは0〜20の整数である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、例えばDuPont社、オムノバ社、DIC株式会社、及びビックケミー社等から、様々な種類の製品を容易に購入することができる。
前記インクに対して、精密濾過をすることができる。精密濾過をするときは、メンブランフィルター及び/又はガラス濾紙等を用いることができる。前記インクをインクジェット記録に用いるときは、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うときのフィルター等の孔径は通常0.5μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜10μmである。
前記インクの表面張力は通常10〜50mN/m、好ましくは20〜40mN/mである。インクの粘度は通常30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下である。下限は0.1mPa・s以上が好ましい。
前記インクをインクジェット記録に使用するときは、インク中の無機不純物を除去するのが好ましい。無機不純物としては、金属陽イオンの塩化物(例えば塩化ナトリウム)、及び硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム)等が挙げられる。インクが含有する着色剤の総質量に対して、無機不純物の含有量は1%以下が好ましい。、下限は分析機器の検出限界以下とすることができる。
無機不純物を除去する方法としては、例えば逆浸透膜を用いる方法;着色剤を水溶性有機溶剤と水との混合溶媒中で懸濁精製する方法;及び、イオン交換樹脂で無機不純物を吸着する方法;等が挙げられる。
前記インクは水性インクとして、各種の記録・印刷分野において使用することができる。例えば、筆記用インク、印刷インク、情報記録インク、捺染等に好適である。特に、インクジェット記録に用いることが好ましく、後述するインクジェット記録方法において好適に使用される。
前記インクジェット記録方法は、前記インクの液滴を、記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行う方法である。
記録の際に使用するインクノズル、及び吐出方式等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
吐出方式としては、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式ともいう。);電気信号を音響ビームに変えインクに照射し、その放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式;等が挙げられる。
前記の記録メディアは、前記インクが付着できる物質を意味する。前記インクが付着できるのであれば、その材質は制限されない。そのような記録メディアの中では、例えば、微塗工紙、アート紙、コート紙、マット紙、キャスト紙等の塗工紙;いずれもインク受容層を有しない、普通紙、グラビア印刷やオフセット印刷等に用いられるメディア;インク受容層を有するインクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、又は光沢フィルム等;繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等);皮革;カラーフィルター用基材;等が好ましい。前記インクが付着した記録メディアも、本発明の範囲に含まれる。
前記インクジェット記録方法で記録メディアに記録をするときは、前記インクを含有する容器を有するインクジェットプリンタを用いることができる。前記インクを含有する容器を有するインクジェットプリンタも、本発明の範囲に含まれる。
前記した全ての成分、及び構成等について、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいもの、より好ましいものとさらに好ましいものとの組み合わせ等についても、同様である。
本発明により得られる効果として、以下の効果を挙げることができる。すなわち、本発明のインクは保存安定性が優れ、様々な記録メディアに記録した画像の定着性も優れる。本発明のインクは、各種の記録メディアに記録してもモットリング現象を生じないため、高画質な記録画像を得ることができる。
また、本発明のインクを用いてインクジェット記録をしたとき、記録メディアに付着したときのインクドットの真円度が高く、平滑性があり、光沢感を損なわない記録画像が得られる。
さらに、本発明のインクで記録された画像は、耐水性、耐光性、耐熱性、耐酸化ガス(例えば耐オゾンガス)性等の各種堅牢性に優れる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。また、各合成反応及び晶析等の操作は、特に断りのない限り、いずれも攪拌下に行った。
[合成例1]:第1ポリマーの調製。
国際公開第2013/115071号の合成例3を追試することにより、酸価が104KOHmg/gの第1ポリマー138.2gを調製した。
[合成例2]:第2ポリマー(中和液)の調製。
第2ポリマーとしては、BASF社製のジョンクリル678を使用した。
ジョンクリル678(Mw:8500)25部、及びトリエタノールアミン14.3部をイオン交換水60.7部に溶解し、1時間攪拌することで第2ポリマーの中和液を調製した。
[合成例3]:第3ポリマーの調製。
国際公開第2015/147192号の調製例4に記載の方法を追試することにより、酸価が6KOHmg/g、Tgが0℃、固形分が25%の第3ポリマーのエマルションを調製した。
[合成例4]:第1ポリマー分散液1の調製。
第1ポリマー6部を、2−ブタノン30部に溶解させ、均一な溶液とした。この液に、0.44gの水酸化ナトリウムを41部のイオン交換水に溶解させた液を加え、1時間攪拌することで高分子分散剤が溶解した乳化溶液を調製した。得られた乳化溶液にC.I.Pigment Blue 15:3(大日精化工業社製シアニンブルー A220J)20部を加え、1500rpmの条件下で15時間、サンドグラインダーで分散処理を行った。得られた液にイオン交換水100部を滴下した後、この液をろ過して分散用ビーズを取り除いた。得られたろ液から2−ブタノン及び水をエバポレータで減圧留去することにより、顔料固形分12%のシアン分散液を得た。水溶液中の固形分測定には株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS−70を用いて、乾燥重量法により求めた。得られた着色分散液を、「第1ポリマー分散液1」とする。
[合成例5]:第2ポリマー分散液1の調製。
第2ポリマー中和液45部、イオン交換水67.5部にC.I.Pigment Blue 15:3(大日精化工業社製 シアニンブルー A220J)37.5部を加え、1500rpmの条件下で20時間、サンドグラインダーで分散処理を行った。得られた液にイオン交換水150部を滴下した後、この液をろ過して分散用ビーズを取り除くことにより、固形分の含有量が18.2%の分散液を得た。得られた分散液を「第2ポリマー分散液1」とする。
[実施例1〜3]インクの調製。
下記表2に記載の各成分を混合して液を得た。得られた液を3μmのメンブランフィルターでろ過することにより、実施例1〜3の各インクを得た。いずれのインクも顔料の濃度が5%になるように調整した。
[比較例1〜3]
下記表2の各成分を使用する以外は前記の実施例1〜3と同様にして、比較例1〜3の比較用インクを調製した。
得られた実施例、及び比較例の各インクを使用して、下記する評価試験を行った。
Figure 2017193607
[定着性試験]
セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタ(商品名 PX205)を使用して、OKトップコート(王子製紙製)に実施例及び比較例の各インクの100%Duty画像をベタ印刷した。得られた画像を室温で24時間乾燥することにより、試験片を得た。
試験片のベタ印刷面と、新品のOKトップコート紙とを重ねあわせた。この2枚重ねの紙に対して、500gの荷重を10往復させた。2枚重ねの紙を剥がし、試験片のベタ印刷面の反射濃度(Dk値)をX−rite社製の濃度計、商品名Spectro Eyeにて測定した。反射濃度の測定は、観測光源がD50、観測視野が2°、濃度がANSI Aの条件で行った。試験前後の反射濃度の変化を残存率(%)として下記式で計算し、下記する基準で評価した。評価結果を下記表3に示す。
残存率(%)=(試験後の印字濃度)/(試験前の印字濃度)x100。
[定着性の評価基準]
A:残存率が95%以上。
B:残存率が90%以上95%未満。
C:残存率が90%未満。
[保存安定性試験]
上記実施例及び比較例の各インクをサンプル瓶に50ml採取し、これを密閉して60℃の恒温槽内で1週間保存した。保存後の各インクを約25℃の室温に戻した後、各インクの粘度を測定し、保存前後の粘度の変化率(%)を以下の基準で評価した。結果を下記表3に示す。なお、粘度測定には回転型粘度計(R115型粘度計、東機産業株式会社製)を用いた。
[保存安定性の評価基準]
A:変化率が±0.5%以内。
B:変化率が±0.5%より大きく1%以内。
C:変化率が±1%より大きい。
Figure 2017193607
上記の結果から明らかなように、第1〜第3ポリマーのうち、2つしか含有しない各比較例は、定着性及び/又は保存安定性が「C」評価であった。一方、各実施例はいずれの評価も「A」であり、定着性及び保存安定性が極めて優れる。
本発明のインクは、定着性と保存安定性に優れるため、各種の記録用途、特にインクジェット記録用途に極めて好適である。

Claims (15)

  1. 着色剤、水、及び、モノマーの構成がそれぞれ異なる第1ポリマー、第2ポリマー、及び第3ポリマーを含有するインクであって、前記第1〜第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体から選択されるモノマーであるインク。
  2. 第1ポリマーを構成するモノマーがメタクリル酸誘導体から選択されるモノマーであり、
    第2ポリマーを構成するモノマーが、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーであり、
    第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体、及びアクリル酸誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーである、請求項1に記載のインク。
  3. 第1ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーである、請求項1に記載のインク。
  4. 第1ポリマーが、Aブロック及びBブロックの2つのブロックから構成される、A−Bブロックポリマーである請求項1に記載のインク。
  5. 第1ポリマーが、着色剤の分散剤である請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク。
  6. 第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーと、アクリル酸誘導体から選択される1種類のモノマーである請求項1に記載のインク。
  7. メタクリル酸誘導体から選択されるモノマーが、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸よりなる群から選択されるモノマーである請求項1に記載のインク。
  8. スチレン誘導体から選択されるモノマーが、スチレン及びα−メチルスチレンから選択されるモノマーである請求項1に記載のインク。
  9. アクリル酸誘導体から選択されるモノマーが、アラルキルアクリレート、アルキルアクリレート、及びアクリル酸よりなる群から選択されるモノマーである請求項1に記載のインク。
  10. 第1ポリマーを構成するモノマーが、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸である請求項1〜3に記載のインク。
  11. 前記Aブロックがアラルキルメタクリレート、若しくはアラルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成され、前記Bブロックがアルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成されるA−Bブロックポリマーである、請求項4に記載のインク。
  12. 第3ポリマーを構成するモノマーが、2種類のアルキルメタクリレート、メタクリル酸、及びアルキルアクリレートである請求項1〜3に記載のインク。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクの液滴を記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
  15. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクを含有する容器を有するインクジェットプリンタ。
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