JP2017193607A - インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、本願の出願人は、例えば特許文献5において、インクを乾燥させても、水を加えることにより容易に再分散できるインクを提案した。また、例えば特許文献6において、耐擦過性を有し、吐出性及び再分散性にも優れるインク組成物を提案した。
また、複数のポリマーを含有するインクは、例えば特許文献3及び4において提案されている。
しかしながら、これらの提案で得られたインクを用いても、耐擦過性と保存安定性を両立させることは困難であった。
着色剤、水、及び、モノマーの構成がそれぞれ異なる第1ポリマー、第2ポリマー、及び第3ポリマーを含有するインクであって、前記第1〜第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体から選択されるモノマーであるインク。
2)
第1ポリマーを構成するモノマーがメタクリル酸誘導体から選択されるモノマーであり、
第2ポリマーを構成するモノマーが、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーであり、
第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体、及びアクリル酸誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーである、前記1)に記載のインク。
3)
第1ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーである、前記1)に記載のインク。
4)
第1ポリマーが、Aブロック及びBブロックの2つのブロックから構成される、A−Bブロックポリマーである前記1)に記載のインク。
5)
第1ポリマーが、着色剤の分散剤である前記1)〜4)のいずれか一項に記載のインク。
6)
第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーと、アクリル酸誘導体から選択される1種類のモノマーである前記1)に記載のインク。
7)
メタクリル酸誘導体から選択されるモノマーが、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸よりなる群から選択されるモノマーである前記1)に記載のインク。
8)
スチレン誘導体から選択されるモノマーが、スチレン及びα−メチルスチレンから選択されるモノマーである前記1)に記載のインク。
9)
アクリル酸誘導体から選択されるモノマーが、アラルキルアクリレート、アルキルアクリレート、及びアクリル酸よりなる群から選択されるモノマーである前記1)に記載のインク。
10)
第1ポリマーを構成するモノマーが、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸である前記1)〜3)に記載のインク。
11)
前記Aブロックがアラルキルメタクリレート、若しくはアラルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成され、前記Bブロックがアルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成されるA−Bブロックポリマーである、前記4)に記載のインク。
12)
第3ポリマーを構成するモノマーが、2種類のアルキルメタクリレート、メタクリル酸、及びアルキルアクリレートである前記1)〜3)に記載のインク。
13)
前記1)〜12)のいずれか一項に記載のインクの液滴を記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
14)
前記1)〜12)のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
15)
前記1)〜12)のいずれか一項に記載のインクを含有する容器を有するインクジェットプリンタ。
前記ポリマーを構成するモノマーとしては、メタクリル酸誘導体、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体から選択されるモノマーが挙げられる。
前記ポリマーとしては、ブロック共重合、ランダム共重合、及びグラフト共重合等により得られるポリマーが挙げられる。
メタクリル酸誘導体としては、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸が好ましい。
アラルキルメタクリレート(アリールアルキルメタクリレート)としては、通常C6−C14アリールC1−C4アルキルメタクリレートが挙げられ、C6−C10アリールC1−C3アルキルメタクリレートが好ましい。その具体例としてはベンジルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、フェニルプロピルメタクリレート、フェニルブチルメタクリレート、ナフチルメチルメタクリレート、アントラセニルメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの中ではベンジルメタクリレートが好ましい。
アルキルメタクリレートとしては、アルキル部分が通常C1−C18、好ましくはC1−C12、より好ましくはC1−C8であり、飽和又は不飽和のアルキルメタクリレートが挙げられる。
飽和アルキルメタクリレートの具体例としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート等の直鎖アルキルメタクリレート;イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の分岐鎖アルキルメタクリレート;シクロプロピルメタクリレート、シクロブチルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の環状アルキルメタクリレート;が挙げられる。
不飽和アルキルメタクリレートとしては、不飽和C1−C4アルキルメタクリレートがさらに好ましい。その具体例としては、ビニルメタクリレート、アリルメタクリレート、プロペニルメタクリレート、ブテニルメタクリレート、ブタジエニルメタクリレート等が挙げられる。
アクリル酸誘導体としては、前記[メタクリル酸誘導体]における「メタクリル酸」を「アクリル酸」と読み替え、また「メタクリレート」を「アクリレート」に読み替えた化合物が挙げられる。
スチレン誘導体としては、スチレン及びα−メチルスチレンが挙げられる。
第1ポリマーを構成するモノマーは、メタクリル酸誘導体から選択されるモノマーが好ましく、
メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーがより好ましく、
アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸であるのがさらに好ましい。前記のモノマーのうち、第1ポリマーを構成するモノマーは、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸ブチル、及びメタクリル酸が特に好ましい。
第1ポリマーは、Aブロック及びBブロックの2つのブロックから構成される、A−Bブロックポリマーが好ましく、例えば国際公開2013/115071号ガゼットが開示するリビングラジカル重合法により得られるA−Bブロックポリマーがより好ましい。また、このガゼットがA−Bブロックポリマーとして好ましい、及びより好ましい等として開示する内容は、前記の第1ポリマーにおいても同様の意味を有する。
Aブロックはアラルキルメタクリレート、若しくはアラルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成されるのが好ましい。また、Bブロックはアルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成されるのが好ましい。
第1ポリマーは、例えば国際公開2013/115071号ガゼットが開示する合成方法により得ることができる。
第2ポリマーを構成するモノマーは、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーが好ましい。
第2ポリマーは合成することができる。しかし、市販品として容易に入手することもできる。市販品としては、例えばBASF社製のジョンクリルシリーズが挙げられる。その具体例としては、例えばジョンクリル61J、67、68、450、55、555、586、678、680、682、683、690;及び、B−36;等のジョンクリルシリーズが好ましく挙げられる。
第2ポリマーを分散剤として使用するときは、第1ポリマーも分散剤として併用するのが好ましい。第1及び第2ポリマーを分散剤として併用するときは、第1及び第2ポリマーの両方と着色剤との3つを混合して分散液を得ることができる。また、第1ポリマーと着色剤、及び、第2ポリマーと着色剤のそれぞれを含有する分散液を調製し、両方を混合して第1ポリマー、第2ポリマーの両方と着色剤を含有する分散液を得ることもできる。
また、第2ポリマーをインクの添加剤として使用するときは、第1ポリマーと着色剤とから着色剤の分散液を得た後、他の添加剤と同様に第2ポリマーを加えてインクを得ることができる。
第2ポリマーを使用するときは、その酸価を中和することができる。中和に用いる中和剤、及び中和剤の使用量(中和度)は、前記した第1ポリマーのときと同じである。
第3ポリマーを構成するモノマーは、メタクリル酸誘導体及びアクリル酸誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーが好ましく、
メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーと、アクリル酸誘導体から選択される1種類のモノマーがより好ましく、
2種類のアルキルメタクリレート、メタクリル酸、及びアルキルアクリレートがさらに好ましい。
第3ポリマーを構成する2種類のアルキルメタクリレートは、直鎖アルキルメタクリレート、及び不飽和アルキルメタクリレートのそれぞれから選択されるモノマーが好ましい。
直鎖アルキルメタクリレートは、前記のうち直鎖C1−C3アルキルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレートがさらに好ましい。
不飽和アルキルメタクリレートは、前記のうち不飽和C1−C4アルキルメタクリレートがより好ましく、アリルメタクリレートがさらに好ましい。
また、第3ポリマーを構成するアルキルアクリレートは、分岐鎖アルキルアクリレートが好ましく、分岐鎖C1−C8アルキルアクリレートがより好ましく、2−エチルヘキシルアクリレートがさらに好ましい。
第3ポリマーは、例えば国際公開2015/147192号ガゼットが開示する合成方法により得ることができる。また、第3ポリマーは、エマルジョンとして使用することもできる。
MA:メタクリル酸。
ScAM:直鎖アルキルメタクリレート。
BcAA:分岐鎖アルキルアクリレート。
UsAM:不飽和アルキルメタクリレート。
第3ポリマーのガラス転移点(TG)は通常−10℃〜20℃、好ましくは−5℃〜15℃である。
第3ポリマーの酸価は通常0〜25KOHmg/g、好ましくは5〜15KOHmg/gである。
第3ポリマーのテトラヒドロフランに対する不溶解度は通常80〜100%、好ましくは100%である。
アルカリ金属の水酸化物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属の水酸化物として、例えば水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化ストロンチウム等が挙げられる。
アルキルアミン化合物としては、C1−C6アルキル基を1つ〜3つ有するアミン化合物が挙げられる。その具体例としては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミンが挙げられる。
置換基としてヒドロキシ基を有するアミン化合物としては、前記アルキルアミン化合物のアルキル基の少なくとも1つが、置換基としてヒドロキシ基を有するアミン化合物が挙げられる。その具体例としては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン及びN−メチルジエタノールアミンが挙げられる。
前記の着色剤は、公知の顔料、及び染料から任意に選択することができる。着色剤は1種類を用いることも、2種類以上を併用することもできる。着色剤を併用するときは通常2〜6種類、好ましくは2〜4種類である。
着色剤は、水に難溶性、又は不溶性であるのが好ましい。1リットルの水に対する着色剤の溶解度は、25℃において通常5g以下、好ましくは3g以下、より好ましくは1g以下、さらに好ましくは500mg以下である。このような着色剤としては、顔料(代表的にはC.I.Pigment)、分散染料(代表的にはC.I.Disperse)、溶剤染料(代表的にはC.I.Solvent)等が挙げられる。
無機顔料としては、例えばカーボンブラック、金属酸化物、水酸化物、硫化物、フェロシアン化物、及び金属塩化物等が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、サーマルブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラック、及びチャンネルブラック等が挙げられる。カーボンブラックは、例えばコロンビア・カーボン社のRavenシリーズ、キャボット社のMonarchシリーズやRegalシリーズ、オリオンエンジニアドカーボン社のColorBlackシリーズ、Printexシリーズ、SpecialBlackシリーズ、Neroxシリーズ、及び三菱化学株式会社のMAシリーズ、MCFシリーズ等として、様々な種類の製品を容易に購入することができる。
有機顔料の具体例としては、例えばC.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、24、55、73、74、75、83、93、94、95、97、98、108、114、128、129、138、139、150、151、154、180、185、193、199、202、213等のイエロー顔料;C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、88、112、122、123、146、149、150、166、168、177、178、179、184、185、202、206、207、254、255、257、260、264、272等のレッド顔料;C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、25、60、66、80等のブルー顔料;C.I.Pigment Violet19、23、29、37、38、50等のバイオレット顔料;C.I.Pigment Orange13、16、68、69、71、73等のオレンジ〜ブラウン顔料;C.I.Pigment Green7、36、54等のグリーン顔料;C.I.Pigment Black 1等のブラック顔料が挙げられる。
一例として、ポリマーが水に溶解しないときは、転相乳化法が使用できる。すなわち、2−ブタノン等の有機溶剤に第1ポリマーを溶解し、中和剤の水溶液を加えて乳化液を調製する。得られた乳化液に着色剤を加えて分散処理を行う。このようにして得られた液から有機溶剤と一部の水を減圧留去することにより、目的とする着色剤の分散液を得ることができる。
分散処理としては、例えば、着色剤とポリマーとをサンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等に入れて、分散を行う方法が挙げられる。一例として、サンドミルを用いるときは、粒子径が0.01mm〜1mm程度のビーズを使用し、ビーズの充填率を適宜設定して分散処理を行うことができる。
前記のようにして得られた分散液に対して、ろ過及び/又は遠心分離等の操作をすることができる。この操作により、分散液が含有する粒子の粒子径の大きさを揃えることができる。
また、シリコーン系界面活性剤としては、下記式(2)で表される化合物も好ましく挙げられる。
前記インクに対して、精密濾過をすることができる。精密濾過をするときは、メンブランフィルター及び/又はガラス濾紙等を用いることができる。前記インクをインクジェット記録に用いるときは、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うときのフィルター等の孔径は通常0.5μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜10μmである。
無機不純物を除去する方法としては、例えば逆浸透膜を用いる方法;着色剤を水溶性有機溶剤と水との混合溶媒中で懸濁精製する方法;及び、イオン交換樹脂で無機不純物を吸着する方法;等が挙げられる。
記録の際に使用するインクノズル、及び吐出方式等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
吐出方式としては、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式ともいう。);電気信号を音響ビームに変えインクに照射し、その放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式;等が挙げられる。
前記の記録メディアは、前記インクが付着できる物質を意味する。前記インクが付着できるのであれば、その材質は制限されない。そのような記録メディアの中では、例えば、微塗工紙、アート紙、コート紙、マット紙、キャスト紙等の塗工紙;いずれもインク受容層を有しない、普通紙、グラビア印刷やオフセット印刷等に用いられるメディア;インク受容層を有するインクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、又は光沢フィルム等;繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等);皮革;カラーフィルター用基材;等が好ましい。前記インクが付着した記録メディアも、本発明の範囲に含まれる。
また、本発明のインクを用いてインクジェット記録をしたとき、記録メディアに付着したときのインクドットの真円度が高く、平滑性があり、光沢感を損なわない記録画像が得られる。
さらに、本発明のインクで記録された画像は、耐水性、耐光性、耐熱性、耐酸化ガス(例えば耐オゾンガス)性等の各種堅牢性に優れる。
国際公開第2013/115071号の合成例3を追試することにより、酸価が104KOHmg/gの第1ポリマー138.2gを調製した。
[合成例2]:第2ポリマー(中和液)の調製。
第2ポリマーとしては、BASF社製のジョンクリル678を使用した。
ジョンクリル678(Mw:8500)25部、及びトリエタノールアミン14.3部をイオン交換水60.7部に溶解し、1時間攪拌することで第2ポリマーの中和液を調製した。
[合成例3]:第3ポリマーの調製。
国際公開第2015/147192号の調製例4に記載の方法を追試することにより、酸価が6KOHmg/g、Tgが0℃、固形分が25%の第3ポリマーのエマルションを調製した。
第1ポリマー6部を、2−ブタノン30部に溶解させ、均一な溶液とした。この液に、0.44gの水酸化ナトリウムを41部のイオン交換水に溶解させた液を加え、1時間攪拌することで高分子分散剤が溶解した乳化溶液を調製した。得られた乳化溶液にC.I.Pigment Blue 15:3(大日精化工業社製シアニンブルー A220J)20部を加え、1500rpmの条件下で15時間、サンドグラインダーで分散処理を行った。得られた液にイオン交換水100部を滴下した後、この液をろ過して分散用ビーズを取り除いた。得られたろ液から2−ブタノン及び水をエバポレータで減圧留去することにより、顔料固形分12%のシアン分散液を得た。水溶液中の固形分測定には株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS−70を用いて、乾燥重量法により求めた。得られた着色分散液を、「第1ポリマー分散液1」とする。
第2ポリマー中和液45部、イオン交換水67.5部にC.I.Pigment Blue 15:3(大日精化工業社製 シアニンブルー A220J)37.5部を加え、1500rpmの条件下で20時間、サンドグラインダーで分散処理を行った。得られた液にイオン交換水150部を滴下した後、この液をろ過して分散用ビーズを取り除くことにより、固形分の含有量が18.2%の分散液を得た。得られた分散液を「第2ポリマー分散液1」とする。
下記表2に記載の各成分を混合して液を得た。得られた液を3μmのメンブランフィルターでろ過することにより、実施例1〜3の各インクを得た。いずれのインクも顔料の濃度が5%になるように調整した。
下記表2の各成分を使用する以外は前記の実施例1〜3と同様にして、比較例1〜3の比較用インクを調製した。
得られた実施例、及び比較例の各インクを使用して、下記する評価試験を行った。
セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタ(商品名 PX205)を使用して、OKトップコート(王子製紙製)に実施例及び比較例の各インクの100%Duty画像をベタ印刷した。得られた画像を室温で24時間乾燥することにより、試験片を得た。
試験片のベタ印刷面と、新品のOKトップコート紙とを重ねあわせた。この2枚重ねの紙に対して、500gの荷重を10往復させた。2枚重ねの紙を剥がし、試験片のベタ印刷面の反射濃度(Dk値)をX−rite社製の濃度計、商品名Spectro Eyeにて測定した。反射濃度の測定は、観測光源がD50、観測視野が2°、濃度がANSI Aの条件で行った。試験前後の反射濃度の変化を残存率(%)として下記式で計算し、下記する基準で評価した。評価結果を下記表3に示す。
残存率(%)=(試験後の印字濃度)/(試験前の印字濃度)x100。
A:残存率が95%以上。
B:残存率が90%以上95%未満。
C:残存率が90%未満。
上記実施例及び比較例の各インクをサンプル瓶に50ml採取し、これを密閉して60℃の恒温槽内で1週間保存した。保存後の各インクを約25℃の室温に戻した後、各インクの粘度を測定し、保存前後の粘度の変化率(%)を以下の基準で評価した。結果を下記表3に示す。なお、粘度測定には回転型粘度計(R115型粘度計、東機産業株式会社製)を用いた。
A:変化率が±0.5%以内。
B:変化率が±0.5%より大きく1%以内。
C:変化率が±1%より大きい。
Claims (15)
- 着色剤、水、及び、モノマーの構成がそれぞれ異なる第1ポリマー、第2ポリマー、及び第3ポリマーを含有するインクであって、前記第1〜第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体から選択されるモノマーであるインク。
- 第1ポリマーを構成するモノマーがメタクリル酸誘導体から選択されるモノマーであり、
第2ポリマーを構成するモノマーが、アクリル酸誘導体、及びスチレン誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーであり、
第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体、及びアクリル酸誘導体のそれぞれから少なくとも1種類ずつ選択されるモノマーである、請求項1に記載のインク。 - 第1ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーである、請求項1に記載のインク。
- 第1ポリマーが、Aブロック及びBブロックの2つのブロックから構成される、A−Bブロックポリマーである請求項1に記載のインク。
- 第1ポリマーが、着色剤の分散剤である請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク。
- 第3ポリマーを構成するモノマーが、メタクリル酸誘導体から選択される3種類のモノマーと、アクリル酸誘導体から選択される1種類のモノマーである請求項1に記載のインク。
- メタクリル酸誘導体から選択されるモノマーが、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸よりなる群から選択されるモノマーである請求項1に記載のインク。
- スチレン誘導体から選択されるモノマーが、スチレン及びα−メチルスチレンから選択されるモノマーである請求項1に記載のインク。
- アクリル酸誘導体から選択されるモノマーが、アラルキルアクリレート、アルキルアクリレート、及びアクリル酸よりなる群から選択されるモノマーである請求項1に記載のインク。
- 第1ポリマーを構成するモノマーが、アラルキルメタクリレート、アルキルメタクリレート、及びメタクリル酸である請求項1〜3に記載のインク。
- 前記Aブロックがアラルキルメタクリレート、若しくはアラルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成され、前記Bブロックがアルキルメタクリレート及びメタクリル酸から構成されるA−Bブロックポリマーである、請求項4に記載のインク。
- 第3ポリマーを構成するモノマーが、2種類のアルキルメタクリレート、メタクリル酸、及びアルキルアクリレートである請求項1〜3に記載のインク。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクの液滴を記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクを含有する容器を有するインクジェットプリンタ。
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