JP2017191193A - レーザパルスシャッター - Google Patents

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健人 宇佐美
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Abstract

【課題】レーザパルス間タイムウインドーがms台の繰り返し周波数にて発振するパルスレーザを用いたスキャン加工やステップアンドリピート加工において、任意の隣り合うパルスのいずれにも干渉することなく、そのタイムウインドー内にシャッター動作を開始し、終了させ、且つ、シャッターユニットの損傷による寿命の到来を遅らせることが可能なシャッター装置及び動作方法の提供を目的とする。【解決手段】パルスレーザビームを集光するレンズと、そのレーザビームの伝搬方向を変え、シフトし、又は遮蔽するための、光軸に対し斜面をなす光学素子(変向素子)を含むシャッターユニットと、当該変向素子が固定され、加工用ステージの位置情報に同期して移動するシャッターステージとを含む構成から成り、レンズ二より整形されたビームウエスト部の前記斜面への照射位置が、その先端部になるよう調整されたレーザパルスシャッター。【選択図】図10

Description

本発明は、レーザ加工に用いられるレーザパルスを選択的にオン、オフ又はゲーティングするシャッター装置に関する。
パルスレーザを用いたレーザ加工装置において、移動する加工ステージ上に載置された被加工対象物に対し、加工ステージを停止することなく1ショットずつ加工する、いわゆるスキャン加工を行う場合がある。この場合、各レーザパルスの持つパルスエネルギーは、一定且つ安定している必要がある。
これは、被加工対象物に複数のレーザパルスを照射し、エッチングレートに応じた加工深さを精度よく制御する必要のあるステップアンドリピート加工を行う場合においても同様である。
いずれの加工においても、光源のパルスレーザは、加工ステージの位置情報に基づき生成された外部トリガー発振用の信号を受信して発振するのが一般的であるが、レーザパルスのオン、オフ又はゲーティングは、この外部トリガー信号のオン、オフ又はゲーティングによるか、又は、一旦発振させたレーザパルス列を外部に設けた機械的シャッター動作によりオン、オフ、又はゲーティングすることにより、被加工対象物へのレーザパルスの照射を制御するのが一般的である。
しかし、外部トリガー信号のオン、オフ又はゲーティングを行う場合、パルスレーザの発振直後の数パルスから数十パルスのパルスエネルギー、又は発振直後の一定時間内のパルスエネルギーは不安定であることが知られているため、この不安定なパルスエネルギーを加工に用いることのないよう機械的シャッター動作によりこれを排除することが必要である。
加えて、特にパルスレーザが高繰り返し周波数にて発振する場合、機械的シャッター動作時においては、隣り合うレーザパルスとパルスの時間内(レーザパルス間タイムウインドー)にそのレーザパルスの横モード分布(ビームサイズ)領域を一気に高速移動できるシャッター動作が必要である。
具体的には、例えば200Hzで発振するエキシマレーザの場合、レーザパルス間タイムウインドーは約5msであり、その矩形ビームの短軸方向の長さ(幅)は約5mmである。よって、隣り合うパルスのいずれにも干渉せずにオン、オフできるシャッター動作に必要な速度は約1000mm/sとなる。しかし、加工装置の大型化を伴わず、また、前記ステップアンドリピート加工やスキャン加工において、任意のタイミング、特に短時間でオン、オフを繰り返すことは容易ではない。
これを解決するために、例えば、集光レンズ等を用いて前記5mmの幅を1mm以下に整形し、シャッター用部材が横切るべき距離を短くすることが考えられる。この集光位置(ビームウエスト)においてシャッター用部材を動作させることで、その動作に必要な速度は1000mm/sから200mm/sに抑えることができる。
一方、特許文献1には、主に連続波レーザ用に開発されたレーザシャッタユニットが開示されている。この機構をパルスレーザに応用した場合、例えば前述の200Hzの繰り返し周波数にて発振するエキシマレーザ、すなわち、レーザパルス間タイムウインドーが5ms程度の場合、反射ミラー等の回転駆動における応答速度がこれと同等の5ms程度では十分ではない。また、仮に応答速度が上がったとしても、前記ビームウエストにおいて繰り返しシャッター動作する反射ミラーへの損傷が懸念される。
さらに、特許文献2には、アパーチャを配した円筒形のシャッターユニット2台を同期して回転させることで、所定の数のパルス列を高速にてオン/オフするバーストモードの制御技術が開示されている。しかし、オンとオフの加工時間間隔が長く、且つそれぞれの時点で高速にてシャッター動作をする必要がある大型の被加工対象物に対するスキャン加工や、任意のタイミング且つ短時間にこれを繰り返す必要のあるステップアンドリピート加工に対しては、この回転体によるシャッター動作は適切な構成とはいえない。なお、回転体の代わりに直線ステージを用いることにも言及されているが、損傷への懸念は払拭されない。
特開2010−264501号報 特開2015−76537号報
本発明は、レーザパルス間タイムウインドーがms台の繰り返し周波数にて発振するパルスレーザを用いたスキャン加工やステップアンドリピート加工において、上記の背景技術が抱える問題に鑑みてなされたものであり、任意の隣り合うパルスのいずれにも干渉することなく、そのタイムウインドー内にシャッター動作を開始し、終了させ、且つ、シャッターユニットの損傷による寿命の到来を遅らせることが可能なシャッター装置及び動作方法の提供を目的とする。
第1の発明は、パルスレーザを用いたレーザ加工装置において、加工ステージ上に載置された被加工対象物の加工に用いるレーザビームを、レーザパルス単位でオン、オフ又はゲーティングするレーザパルスシャッターであって、前記レーザビームを集光する集光光学素子と、当該集光光学素子により集光される前記レーザビームの伝搬方向を変え、シフトし、又は遮蔽する変向素子とを含むシャッターユニットと、当該変向素子が固定され、前記加工ステージの位置情報に基づき移動するシャッターステージとを含む構成から成り、前記変向素子は、前記レーザビームの被照射面としてその光軸に対し垂直でない非垂直面を含み、当該非垂直面における前記レーザビームの照射位置は、前記シャッターステージの移動と共に前記光軸上を移動し、且つ、前記集光光学素子により形成されたビームウエスト部による照射を受ける位置が、当該非垂直面の先端に限定されていることを特徴とするレーザパルスシャッターである。
ここで、レーザパルス単位のオン/オフとは、レーザパルス間タイムウインドーが短い高繰り返し周波数にて発振する時間的に隣り合うレーザパルスのいずれにも干渉することなく、当該レーザパルスの通過状態(オン又はオープン)と遮断状態(オフ又はクローズ)の切り替えを行うことをいう。また、ゲーティングとは、オンとオフの組み合わせにより一定時間又は一定数のレーザパルスのみその伝搬方向を変え、シフトし、又は遮蔽することで、その間のレーザパルスを被加工対象物に照射されないようにし、それ以外のレーザパルスを被加工対象物に照射されるようにすることをいう。
また、レーザビームのビームウエスト部による非垂直面上への照射位置が、その非垂直面の先端に限定されているとは、シャッターステージにより移動する非垂直面がレーザビームに接触する位置又は離れる位置は、そのビームウエスト部に限定されているという意味である。このことは、レーザパルス間ウインドー内に非垂直面が横切るべきビームサイズに相当する距離を十分短くするために、集光光学素子により整形されたビームウエスト部にその位置を限定しているという意味である。なお、非垂直面とは、平面、曲面及び粗面を含む概念である。
第2の発明は、第1の発明において、前記非垂直面が、パルスレーザの発振波長に対し透明な部材からなる光学素子からなり、レーザパルスの伝搬方向を変え又はシフトさせる変向素子の一構成面であることを特徴とするレーザパルスシャッターである。
透明な部材としては、パルスレーザの発振波長に対する吸収率が十分低く、前記ビームウエスト部の照射による損傷を十分抑えられる材質を選択することができる。一例として、パルスレーザがエキシマレーザの場合は、合成石英からなるプリズム型の部材を選択するとよい(プリズム型透明部材)。
第3の発明は、第2の発明において、前記変向素子の前記光軸に対する位置及び向きが、前記シャッターステージの移動位置に拘わらず、前記ビームウエストが当該変向素子の内部に存在しない位置及び向きであることを特徴とする請求項2に記載のレーザパルスシャッターである。
ここで、ビームウエスト部が変向素子の内部に位置しない態様とは、一例として図1に示すように、レーザビーム41が集光されたビームウエスト部42の高いエネルギー密度により変向素子13(プリズム型透明部材15)の内部を損傷することのないよう、シャッターステージの移動(図1中の一点鎖線の矢印)により、当該ビームウエスト部42が変向素子13の外の空間に位置するような位置と向きにてシャッターユニットに固定されていることをいう。すなわち、ビームウエスト部42による非垂直面12への照射位置は、当該変向素子13(プリズム型透明部材15)がビームウエスト部42を横切る瞬間のその先端(エッジ部11)に限定される。
第4の発明は、第3の発明において、前記変向素子にその非垂直面を介して入射したレーザビームが、再びその外部に向かい伝搬する際の境界面の光軸に対する角度が、これを全反射する臨界角以上の角度であることを特徴とするレーザパルスシャッターである。
但し、二以上の非垂直面による全反射の組み合わせにより、一旦向きが変えられたレーザビームの伝搬方向が元に戻ってしまう場合は含まないよう設計されているものに限定される。
第5の発明は、第1乃至第4の発明において、前記集光光学素子が、その集光点における前記レーザビームの短軸方向が前記シャッターステージの移動方向と略平行の関係となる向きに設置された、シリンドリカルレンズであることを特徴とするレーザパルスシャッターである。
なお、変向素子の一態様として、前記集光光学素子による集光点以外の位置に前記レーザビームを透過しない不透明部材からなる部分を有し、これにプリズム型透明部材の非垂直面を結合してなる態様がある。
同じく、変向素子の一態様として、同じく、前記不透明部材からなる部分の両側にプリズム型透明部材の非垂直面が位置するように結合された態様も可能である。
本発明によれば、高繰り返し周波数にて発振するパルスレーザを用いたステップアンドリピート加工やスキャン加工において、隣り合うレーザパルスのいずれにも干渉することなく、そのレーザパルス間タイムウインドー内にてレーザパルスのオン又はオフを開始し、終了させるシャッター動作を長寿命にて実現できる。
シャッターステージ上の変向素子の移動とビームウエストの位置関係を示す。 レーザパルスシャッター装置を搭載したレーザ加工装置を示す。 平凸シリンドリカルレンズの組み合わせによるテレスコープを示す。 プリズム型の透明部材からなる変向素子を示す。 不透明部材の両端にプリズム型透明部材を有する変向素子の概略図を示す。 シャッターステージの移動方向と光軸を含む面における変向素子の概略断面図を示す。 図6と同様の断面図であって、プリズム型透明部材とビームウエスト部の位置関係が異なる変向素子の例を示す。 シャッターステージと変向素子の位置関係を示す。 レーザ加工装置におけるシャッターステージ及びシャッターユニットの位置関係を装置の上から見た様子として示す。 レーザ加工装置におけるシャッターステージ及びシャッターユニットの位置関係を立体図として示す。 被加工対象物に対するスキャン加工の様子を示す。 加工ステージ、シャッターステージ及びパルスレーザ間のタイミングチャートを示す。 シャッターステージの動きに伴い変向素子のエッジ部がビームウエストを横切る様子を示す。 不透明部材の片側にプリズム型透明部材を設けた変向素子をシャッターステージに2個設けた様子を示す。
以下、図面を参照して本発明に係るレーザパルスシャッター及びシャッター動作方法の一態様を詳細に説明する。
はじめに、本発明の実施に係るシャッターユニット及びシャッターステージを含むパルスレーザ加工装置全体の概略構成を図2に示す。本実施例においては、パルスレーザ光源として発振波長が248nmのエキシマレーザ4を用いた。パルスレーザ光源としては、この他QスイッチNd:YAGレーザやCOレーザ等を用いることもできるが、被加工対象物7の材質、特にパルスレーザ光源の発振波長に対する吸収特性に応じて、適切な組み合わせとなるパルスレーザを選択する必要がある。
エキシマレーザ4から出射した矩形の横モード分布を持つレーザビーム41を、焦点距離f=200mmの1枚目の平凸シリンドリカルレンズ3(合成石英製)及びf=600mmの2枚目の平凸シリンドリカルレンズの組み合わせによるテレスコープにより、その短軸方向を拡大し平行光に整形する構成とした
一般に、エキシマレーザ4のビーム整形のために用いられる通常のテレスコープとしては、1枚目に平凹シリンドリカルレンズ、2枚目に平凸シリンドリカルレンズとした組み合わせを用いる場合も多く、この場合、両シリンドリカルレンズの間に集光点はない。しかし、本実施例においては、この2枚の平凸シリンドリカルレンズの組み合わせにより、これらの間に集光点が形成される構成とした。具体的には図3に示すとおり、シリンドリカルレンズ3からのレーザビーム41は、2枚目のシリンドリカルレンズの手間にてビームウエスト部42を形成する。
また、本実施例においては、矩形ビーム且つパルスエネルギーの高いエキシマレーザ4を用いたため、テレスコープとしてシリンドリカルレンズを用い、前記集光点におけるエネルギー密度を可能な限り低く抑える構成としたが、低パルスエネルギーのパルスレーザを用いる場合は本実施例のようなシリンドリカルレンズである必要はない。
2枚目のシリンドリカルレンズを通過したレーザビーム41は、横モード分布において均一なエネルギー分布を得るために、その後段に位置するホモジナイザーへ入射する構成とした。なお、ホモジナイザー以降の光学系5については、一般の縮小結像光学系と同様であるためその詳細は省略する。
次に、本実施例において使用した変向素子13は、248nmに対する透過率が90%以上の図4に示す合成石英からなるプリズム型透明部材15と、248nmを吸収する不透明部材からなる厚さ5mmのタングステン板14からなる構成とし、当該タングステン板14は、その両側に対照に位置するプリズム型透明部材15を架橋するように設置されている。シリンドリカルレンズ3も含めたシャッターユニット1全体の様子を図5に示す。
ここで、変向素子13の光軸方向における位置については、プリズム型透明部材15のエッジ部11が光軸を横切る際、シリンドリカルレンズ3により整形されたビームウエスト部42の位置にそのエッジ部11が移動してくる様に調整した。
上記の構成においては、プリズム型透明部材15のエッジ部11が横切るビームウエスト部42付近の矩形ビームサイズは、長軸方向が約30mm、短軸方向が約400μm(いずれもFWHM)である。そして、このサイズはシリンドリカルレンズ3の焦点距離fを短くすることでさらに小さくすることができ、隣り合うパルスに干渉することなくエッジ部11による短軸方向の移動を容易にする。しかし、そのエネルギー密度に晒されるエッジ部11の損傷を抑える必要もあるため、本実施例程度のfとした。ここで、前記ビームウエスト部42におけるレーザパルスのエネルギー密度は2.9J/cmである。
図5において、このタングステン板14は光軸に対し垂直に設置してあるが、レーザ光源への戻り光対策として角度をつけた構成としてもよい。図6に、その一例として、変向素子13の断面図を示す。なお、シャッターステージ2及び各素子の固定用金具についてはその図示を省略した。
また、図7には、前記プリズム型透明部材15の内部から外部に向かい伝搬する際の境界面の光軸に対する角度が、これを全反射する臨界角以上の角度とする構成における変向素子13の構成例を示す。
変向素子13を一軸のリニアエンコーダ付きDCサーボモータ駆動のシャッターステージ2に固定した。このシャッターステージ2の移動方向は光軸に対し垂直であり、その速度及び加速度は、それぞれ200mm/s及び400mm/sである。そして、変向素子13の移動時、前記リニアエンコーダからは1mm移動する毎にその位置情報(信号5)をステージの駆動を司るステージモーションユニットに出力した。なお、シャッターステージ2は、変向素子の光軸方向における位置調整のために二軸構成としてもよい。
図8において、光軸に対する変向素子13の位置関係を示した。なお、その具体的な固定部材についてはその図示を省略し、図5に示す変向素子自体は立体の台形により簡易表示とした。また、図中、一点鎖線の矢印はシャッター動作におけるシャッターステージ2の移動方向を示し、二点鎖線は光軸を示す。
ところで、パルスレーザ加工装置の概略図である図2中に配置されるシャッターユニット1の向きとしては、装置の上面から見た様子は図9であり、これをオペレータ側から見た様子を立体的に示すと図10のようになる。(図中の曲線の矢印は、変向素子13により光軸が変向する向きを示す。)
200mm/sにて等速移動するシャッターステージ2に載置された、図4に記載のプリズム型透明部材のエッジ部11(この一辺は、シャッターステージ2の移動方向に対し直角である。)が、1枚目のシリンドリカルレンズ3によりシート状に整形されたビームウエスト部42の短軸方向の距離(400μm(FWHM))を横切るのに要する時間は、2msである。
一方、本実施例では、X、Y、Z及びθ軸駆動の加工ステージ上に載置された被加工対象物7を1mm間隔でY軸方向に1ショットスキャン加工した。その様子を図11に示す。被加工対象物7のサイズは300×300mmであり、加工箇所の総数は、15,625である。また図中に示す「Y」はY軸加工ステージ6にて、「X」はX軸ステージにより移動する方向である。
ここで、Y軸加工ステージ6として、シャッターステージ2と同一の200mm/sの等速移動及び400mm/sの移動加速度を持つリニアエンコーダ付きDCサーボモータ駆動のステージを用いた。そして、前記スキャン加工時、Y軸リニアエンコーダからは1mm移動する毎にその位置情報(信号3)をステージモーションユニットに出力した。この位置情報を受信したステージモーションユニットは、エキシマレーザ4に対し外部発振用のTTLトリガー信号6を生成し出力する。
エキシマレーザ4は、当該Y軸加工ステージ6の加減速時を除き、結果として、200Hzの繰り返し周波数にて発振することになる。そうすると、レーザパルス間タイムウインドーは、レーザのパルス幅(約25ns)を無視するならば5msとなる。これは、ビームウエストである前記400μmの距離を、変向素子13のエッジ部11が隣り合ういずれのパルスにも干渉することなく移動するのに要する2msという時間と比較して十分長い時間といえる。よって、パルス単位にてレーザパルスをオン、オフ又はゲーティングすることができる。
図12に示すトリガータイミングチャート及び各ステージの移動速度の変化の様子を用いて、より具体的な動作を説明する。また、本実施例においては、パルスエネルギーが不安定である最初の50パルスをゲーティングすることとした。
初めに、Y軸加工ステージ6を所定の位置に移動し、その後オペレータからの加工開始の指示(信号1)を待つ。ここで、Y軸加工ステージの所定の位置としては、被加工対象物7における最初の加工位置から50.0mm手前の位置とした。
一方、シャッターステージ2も所定の位置に移動し、前記オペレータからの加工開始の信号1を待つ。ここでシャッターステージ2の所定の位置は、図13に示すとおり、タングステン板14がレーザビーム41の光路(光軸)を遮断する位置であり、且つ、そのプリズム型透明部材15のエッジ部11と光軸との距離が50.2mmとなる位置である。
ステージモーションユニットは信号1を受信し、これに基づきY軸加工ステージ6を駆動する。Y軸加工ステージは移動を開始し、400mm/sの加速度により200mm/sの速度まで加速する。移動開始後は1mm移動するごとにリニアエンコーダからその位置信号3をステージモーションユニットに出力する。なお、200mm/sに到達するまでに要する距離が前記50mmであり、その時間は当該加速度によれば500msである。
また、ステージモーションユニットはオペレータによる加工開始の指示をPCを介して受け、これに基づきシャッターステージ2を駆動する。シャッターステージ2は、400mm/sの加速度により200mm/sの速度まで加速する。なお、200mm/sに到達するまでの移動距離はY軸加工ステージ6と同様50.0mmであり、さらに等速度200mm/sにて200μm、合計50.2mm移動する。なお、この移動に要するトータル時間は501msである。
Y軸加工ステージ6から位置情報を信号3により受信したステージモーションユニットは、これに基づきエキシマレーザ4への外部トリガー信号6を出力する。このとき、エキシマレーザ4は、外部トリガー発振モードでスタンバイしており、この外部トリガー信号6を受信してレーザ発振する。なお、通常、エキシマレーザの場合、外部発振用のTTL信号を受信してから実際のレーザパルスが発振されるまでの遅延時間は約1μsであるが、シャッター動作には影響を及ぼさない程度である。
図13に示すとおり、レーザ発振の直後、変向素子13は1枚目のシリンドリカルレンズ3を通過したレーザビーム41の光路を遮断する位置(イの位置)にあり、前記タングステン板14が当該光路を遮断している。
さらに、シャッターステージ2の移動が進むと、レーザビーム41の照射をプリズム型透明部材15の非垂直面12にて受ける位置への移動を経て、やがてレーザビーム41の照射をエッジ部11にて受ける位置(ロの位置)へと移動し、最後は完全に光路から離脱する(ハの位置)。
なお、スキャン加工中、レーザパルスの被加工対象物7への照射をオフする際のシャッター動作は、図13中の矢印の向きとは逆向きの動作であり、図13中、ハ、ロ、イの順で変向素子13は移動する。
前述したとおり、変向素子13の光軸方向(図13において二点鎖線で記載)における位置については、そのエッジ部11が光路を横切る際(ロの位置)、1枚目のシリンドリカルレンズ3により整形されたビームウエスト部42の位置にエッジ部11がくるよう変向素子13の光軸方向における位置を調整した。
そうすると、被照射面12のエッジ部11は光路を横切る際に集光による高いエネルギー密度のレーザビームに一瞬晒されるものの、それ以外の被照射面12においては、レーザビーム41は集光しないこととなる。
これにより、常に高エネルギー密度に晒されている反射型回転体によるシャッターユニットや偏光を利用したシャッター装置、さらには一定のエネルギー密度の照射を被照射面に受け続ける直線移動型のシャッター装置と比較し、その損傷による寿命を延ばすことができる。
本実施例の場合、プリズム型透明部材15は図13に示すように、1枚目シリンドリカルレンズ3により集光されたレーザビーム41のビームウエスト部42がプリズム型透明部材15の内部に位置することなく移動するよう、プリズム型透明部材15のa辺とエッジ部11の辺からなる面は光軸に対し直角よりも鋭角になるよう変向素子13に取り付けてある。
変向素子13の構成は、本実施例のほか、前述した図7に示すように、被照射面12からプリズム型透明部材15内部に屈折入射したレーザビーム41が、屈折率の低い外部(典型的には空気中)に出射する際、全反射されるようエッジ部11の角度を設計することも可能である。
以上のシャッター動作により、変向素子13は発振開始から50パルスのレーザパルスを遮断し、51パルス目からは当該遮断を解除し被加工対象物7へのレーザパルスの照射を可能とする。
なお、シャッターステージ2とY軸加工ステージ6は、同一の移動加速度をもつため、両ステージの移動開始時刻(信号2と信号4のタイミング)を合わせることで、シャッターステージ2は、Y軸加工ステージ6の移動開始から50mm移動するまでの時間(500ms)に発振される全50パルスのレーザパルスを変向素子13により遮断し、次の51パルス目(51mm移動時、すなわち移動開始から505ms経過時)に発振されるレーザパルスから当該遮断を解除し、この51パルス目から加工に利用する。
従って、シャッターステージ2とY軸加工ステージ6の移動加速度が異なる場合は、その差による移動距離の差を考慮して移動開始前の所定の位置を決定する、又は移動開始時刻を調整する。そして、この位置決定は、後述のギアモードの比を変えることによっても調整可能である。
さらに、本実施例において、Y軸加工ステージ6とシャッターステージ2の動特性の差異により、それぞれの移動速度と加速度が異なる値で動作した場合、エッジ部11がビームウエスト部42を横切るのに要する2msという時間を、レーザパルス間ウインドーの5ms内におさめることができなくなる可能性がある。そこで、両ステージがその標準機能として有するいわゆるギアモード同期動作によりこの問題を回避した。
本実施例においては、Y軸加工ステージ6の位置情報に基づきシャッターステージ2の位置を調整するギアモード運転とし、そのギア比は、両ステージの移動速度と加速度が同一であるため1:1とした。
さらに加えて、本実施例においては、前記の同期精度を高めるために、レーザ干渉計を両ステージに対し設置し、前記ギアモードが正しく機能しているかを監視、修正することとした。
最後に、本実施例とは異なる実施態様として、本実施例において採用した不透明部材14の両端にプリズム型透明部材15を設置する構成(図5)の代わりに、不透明部材14の片方にのみプリズム型透明部材15を設ける態様、さらには、図14に示すように、本実施例の変向素子13を複数用意し、両変向素子の間隔を調整できる構成としてもよい。
パルスレーザ光源を用いたレーザ加工装置全般に利用することができる。
1、 シャッターユニット
11、エッジ部
12、非垂直面(被照射面)
13、変向素子
14、タングステン板(不透明部材)
15、プリズム型透明部材
2、 シャッターステージ
3、 シリンドリカルレンズ
4、 エキシマレーザ(パルスレーザ)
41、レーザビーム
42、ビームウエスト部
5、 後段光学系
6、 Y軸加工ステージ
7、 被加工対象物

Claims (5)

  1. パルスレーザを用いたレーザ加工装置において、加工ステージ上に載置された被加工対象物の加工に用いるレーザビームを、レーザパルス単位でオン、オフ又はゲーティングするレーザパルスシャッターであって、
    前記レーザビームを集光する集光光学素子と、当該集光光学素子により集光される前記レーザビームの伝搬方向を変え、シフトし、又は遮蔽する変向素子とを含むシャッターユニットと、
    当該変向素子が固定され、前記加工ステージの位置情報に基づき移動するシャッターステージとを含む構成から成り、
    前記変向素子は、前記レーザビームの被照射面としてその光軸に対し垂直でない非垂直面を含み、
    当該非垂直面における前記レーザビームの照射位置は、前記シャッターステージの移動と共に前記光軸上を移動し、且つ、
    前記集光光学素子により形成されたビームウエスト部による照射を受ける位置は、当該非垂直面の先端に限定されているレーザパルスシャッター装置。
  2. 前記非垂直面は、パルスレーザの発振波長に対し透明な部材からなる光学素子からなり、レーザパルスの伝搬方向を変え又はシフトさせる変向素子の一構成面であることを特徴とする請求項1に記載のレーザパルスシャッター。
  3. 前記変向素子の前記光軸に対する位置及び向きは、前記シャッターステージの移動位置に拘わらず、前記ビームウエスト部が当該変向素子の内部に存在しない位置及び向きであることを特徴とする請求項2に記載のレーザパルスシャッター。
  4. 前記前記変向素子にその非垂直面を介して入射したレーザビームが再びその外部に向かい伝搬する際の境界面の光軸に対する角度は、これを全反射する臨界角以上の角度であることを特徴とする請求項3に記載のレーザパルスシャッター。
  5. 前記集光光学素子は、集光点における前記レーザビームの短軸方向が、前記シャッターステージの移動方向と略平行の関係となる向きに設置された、シリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のレーザパルスシャッター。

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