JP5302788B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ加工装置に関する。
従来のレーザ加工装置として、集光点でのレーザ光の強度が加工閾値を超え、且つ集光点での断面形状が楕円形状等の長尺形状となるように、レーザ光を加工対象物に照射するものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特表平10−506087号公報 特開2007−75886号公報
上述したようなレーザ加工装置は、加工対象物に対して一方向に延びるように加工領域を形成することができることから、極めて有効なものであり、更なる技術開発が期待されている。
そこで、本発明は、所望の形状に加工領域を形成することができるレーザ加工装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るレーザ加工装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光に対して透過性を有する加工対象物を支持する支持台と、平行光を光軸と直交する所定の方向において発散又は収束させる機能を有し、レーザ光源から出射されたレーザ光を所定の方向において発散又は収束させる第1の光学系と、平行光を光軸上の一点に収束させる機能を有し、第1の光学系から出射されたレーザ光を、光軸と直交する第1の方向において第1の点に収束させ、光軸及び第1の方向と直交する第2の方向において第2の点に収束させる第2の光学系と、第2の光学系に対して第1の光学系を光軸に沿って相対的に移動させる第1の移動機構と、第2の光学系に対して支持台を光軸に沿って相対的に移動させる第2の移動機構と、を備え、第1の移動機構及び第2の移動機構によって、第1の点及び第2の点を加工対象物の外表面又は内部に位置させて、加工対象物にレーザ光を照射することを特徴とする。
このレーザ加工装置では、レーザ光の断面形状が第1の点で第2の方向に延びる長尺形状となり、第2の点で第1の方向に延びる長尺形状となる。そのため、第1の移動機構及び第2の移動機構により、第1の点及び第2の点を加工対象物の外表面又は内部に位置させることで、加工対象物の外表面又は内部において第1の点が位置させられた部分に、第2の方向に延びる長尺形状の加工領域を形成することができ、第2の点が位置させられた部分に、第1の方向に延びる長尺形状の加工領域を形成することができる。従って、このレーザ加工装置によれば、所望の形状に加工領域を形成することが可能となる。
そして、第1の移動機構及び第2の移動機構によって、第1の点及び第2の点を加工対象物の内部に位置させて、加工対象物にレーザ光を照射することが好ましい。これによれば、例えば加工対象物を切断するための起点となる加工領域を形成する場合などに、加工対象物の内部に2列の加工領域を効率良く形成することができる。
或いは、第1の移動機構及び第2の移動機構によって、第1の点及び第2の点を加工対象物の外表面に位置させて、加工対象物にレーザ光を照射することが好ましい。これによれば、例えば加工対象物の表面及び裏面に加工領域として溝を形成する場合などに、加工対象物の表面及び裏面に加工領域を効率良く形成することができる。
或いは、第1の移動機構及び第2の移動機構によって、第1の点を加工対象物の内部に位置させ、第2の点を加工対象物の外表面に位置させて、加工対象物にレーザ光を照射することが好ましい。これによれば、例えば加工対象物を切断するための起点となる加工領域を形成する場合などに、加工対象物の内部に加工領域を形成することができると共に、加工対象物の表面又は裏面に加工領域として溝を形成することで、加工対象物の表面又は裏面に設けられた膜等を除去することができる。
また、直交するように第1の加工ライン及び第2の加工ラインが加工対象物に設定されている場合に、第1の加工ラインと第2の加工ラインとが直交する部分に第1の点及び第2の点を位置させて、加工対象物にレーザ光を照射することが好ましい。これによれば、例えば、加工対象物を切断するための起点となる加工領域を形成し、第1の加工ライン及び第2の加工ラインに沿って加工対象物を切断する場合などに、第1の加工ラインと第2の加工ラインとが直交する部分に、第1の加工ラインに沿って延びる長尺形状の加工領域、及び第2の加工ラインに沿って延びる長尺形状の加工領域を効率良く形成することができる。
また、第2の移動機構は、第2の光学系に対して支持台を第1の方向に相対的に移動させることが好ましい。これによれば、第1の点が位置させられた部分に、幅が広い加工領域を形成することができ、第2の点が位置させられた部分に、幅が狭い加工領域を形成することができる。或いは、第2の移動機構は、第2の光学系に対して支持台を第2の方向に相対的に移動させることが好ましい。これによれば、第1の点が位置させられた部分に、幅が狭い加工領域を形成することができ、第2の点が位置させられた部分に、幅が広い加工領域を形成することができる。
また、第1の光学系と第2の光学系との間の光軸上には、レーザ光を反射する光学部材が配置され、光学部材は、加工対象物を観察するための観察光を透過させることが好ましい。これによれば、第1の光学系の影響を受けることなく、平行光を光軸上の一点に収束させる機能を有する第2の光学系を介して、加工対象物を観察することができる。
本発明によれば、所望の形状に加工領域を形成することが可能となる。
本発明に係るレーザ加工装置の一実施形態の構成図である。 図1のレーザ加工装置におけるレーザ光の光路を示す図である。 図1のレーザ加工装置におけるレーザ光の光路を示す図である。 図1のレーザ加工装置によって加工領域が形成された加工対象物を示す図である。 図1のレーザ加工装置によって加工領域が形成された他の加工対象物を示す図である。 本発明に係るレーザ加工装置の実施例によってクラック領域が形成された加工対象物の写真を示す図である。 本発明に係るレーザ加工装置の他の実施形態におけるレーザ光の光路を示す図である。 本発明に係るレーザ加工装置の他の実施形態におけるレーザ光の光路を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係るレーザ加工装置の一実施形態の構成図である。図1に示されるように、レーザ加工装置1は、レーザ光L1を出射するレーザ発振器(レーザ光源)2と、レーザ光L1に対して透過性を有する加工対象物Sを支持する支持台3と、円柱凹面によって平行光を光軸と直交する所定の方向において発散させる機能を有するシリンドリカルレンズ(第1の光学系)4と、平行光を光軸上の一点に収束させる機能を有する対物レンズ(第2の光学系)5と、シリンドリカルレンズ4をその光軸に沿って移動させる移動機構(第1の移動機構)6と、支持台3を対物レンズ5の光軸に沿って移動させるXYZステージ(第2の移動機構)7と、を備えている。XYZステージ7は、対物レンズ5の光軸方向、すなわちZ軸方向だけでなく、Z軸方向と直交するX軸方向、並びにZ軸方向及びX軸方向と直交するY軸方向にも、支持台3を移動させる。
レーザ加工装置1は、更に、加工対象物Sを観察するための観察光L2を投光する照明部8と、加工対象物Sで反射された観察光L2の反射光を受光して加工対象物Sの像を取得する撮像部9と、を備えている。これにより、加工対象物Sの表面、内部又は裏面を観察することができる。
レーザ加工装置1においては、レーザ発振器2から出射されたレーザ光L1は、シリンドリカルレンズ4の光軸上を進行した後、ダイクロイックミラー(光学部材)11によって反射され、対物レンズ5の光軸上を進行して支持台3上の加工対象物Sに照射される。一方、照明部8によって投光された観察光L2は、ダイクロイックミラー12によって反射された後、ダイクロイックミラー11を透過し、対物レンズ5の光軸上を進行して支持台3上の加工対象物Sに照射される。そして、加工対象物Sで反射された観察光L2の反射光は、対物レンズ5の光軸上を進行し、ダイクロイックミラー11,12を透過して、撮像部9によって受光される。
なお、レーザ加工装置1においては、レーザ発振器2、シリンドリカルレンズ4、対物レンズ5、移動機構6、照明部8、撮像部9、ダイクロイックミラー11及びダイクロイックミラー12が筐体内に配置されて、レーザ照射装置10が構成されている。また、レーザ加工装置1には、レーザ発振器2、移動機構6、照明部8、撮像部9及びXYZステージ7等の装置全体を制御する制御部20が設けられている。制御部20は、対物レンズ5に対してシリンドリカルレンズ4を光軸に沿って相対的に移動させるために移動機構6を制御したり、対物レンズ5に対して支持台3(すなわち、加工対象物S)を光軸に沿って相対的に移動させるためにXYZステージ7を制御したりする。対物レンズ5と支持台3との距離(すなわち、対物レンズ5と加工対象物Sとの距離)の調節は、支持台3をZ軸方向(光軸方向)に移動させてもよいし、対物レンズ5、若しくは対物レンズ5を含むレーザ照射装置10をZ軸方向に移動させてもよいし、その両方を移動させるように制御してもよい。更に、制御部20は、レーザ発振器2や照明部8を制御したり、撮像部9で取得した画像に基づいてXYZステージ7を動作させ、加工対象物Sに対するレーザ光L1の焦点位置を制御したりする。
図2,3は、図1のレーザ加工装置におけるレーザ光の光路を示す図である。なお、図2,3においては、説明の便宜上、ダイクロイックミラー11の図示を省略する。図2,3に示されるように、シリンドリカルレンズ4は、レーザ発振器2から出射されたレーザ光L1を、Y軸方向(所定の方向)(すなわち、YZ平面内)において発散させ、X軸方向(すなわち、ZX平面内)において発散及び収束させない。そして、対物レンズ5は、シリンドリカルレンズ4から出射されたレーザ光L1を、Y軸方向(第1の方向)(すなわち、YZ平面内)において第1の点P1に収束させ、X軸方向(第2の方向)(すなわち、ZX平面内)において第2の点P2に収束させる。これにより、レーザ光L1の断面形状は、点P1でX軸方向に延びる長尺形状となり、点P2でY軸方向に延びる長尺形状となる。
ここで、シリンドリカルレンズ4の焦点距離をA、発散点距離(シリンドリカルレンズ4の焦点と対物レンズ5の主点との距離)をB、対物レンズ5の焦点距離をC、加工対象物Sの屈折率をnとすると、YZ平面内での集光点距離(対物レンズ5の主点と第1の点P1との距離)Z1及びZX平面内での集光点距離(対物レンズ5の主点と第2の点P2との距離)Z2は、それぞれ次の式(1),(2)で表される。
Z1=(G−H)+nH…(1)
Z2=(C−E)+nE…(2)
なお、式(1),(2)において、G=1/((1/C)−(1/B))であり、Hはn=1の場合における加工対象物Sの表面と集光点(YZ平面内でのレーザ光L1の集光点)との距離、Eはn=1の場合における加工対象物Sの表面と集光点(ZX平面内でのレーザ光L1の集光点)との距離である。加工対象物Sの上側(すなわち、加工対象物Sと対物レンズ5との間)や加工対象物の下側の空気中においては、n=1である。
上記の式(1),(2)より、YZ平面内での集光点距離Z1は発散点距離Bに依存し、ZX平面内での集光点距離Z2は発散点距離Bに依存しないことが分かる。つまり、移動機構6によってシリンドリカルレンズ4が光軸に沿って進退させられると、ZX平面内での集光点距離Z2は変化せずに、YZ平面内での集光点距離Z1、延いては非点距離Za(=Z1−Z2)が変化することになる。
次に、上述したレーザ加工装置1の動作の一例について説明する。図4は、図1のレーザ加工装置によって加工領域が形成された加工対象物を示す図である。なお、この例は、図4に示されるように、ガラス基板である加工対象物Sの加工ラインPLに沿って、パルス波であるレーザ光L1を照射し、切断の起点となるクラック領域CRを加工領域として加工対象物Sの内部に形成する例である。
まず、加工対象物Sの屈折率nに基づいて、加工対象物Sの表面(レーザ光入射面)から第2の距離(第2の距離<加工対象物Sの厚さd)だけ内側に第2の点P2が位置するように、XYZステージ7によって支持台3がZ軸方向に移動させられる(上記の式(2)参照)。そして、加工対象物Sの屈折率nに基づいて、加工対象物Sの表面(レーザ光入射面)から第1の距離(第2の距離<第1の距離<加工対象物Sの厚さd)だけ内側に第1の点P1が位置するように、移動機構6によってシリンドリカルレンズ4が光軸に沿って移動させられる(上記の式(1)参照)。
続いて、加工対象物Sの内部に位置させられた各点P1,P2でのレーザ光L1のピークパワー密度が加工閾値(例えば、多光子吸収、その他の光吸収が生じ得る閾値)を超えるように、レーザ発振器2からレーザ光L1が出射されると共に、XYZステージ7によって支持台3が移動させられ、加工ラインPLに沿ってレーザ光L1が照射される。これにより、加工対象物Sの内部において点P1が位置させられた部分に、1パルスのレーザ光L1の照射毎に1つのクラック領域CR1が形成され、点P2が位置させられた部分に、1パルスのレーザ光L1の照射毎に1つのクラック領域CR2が形成される。
このとき、XYZステージ7によって対物レンズ5に対して支持台3をY軸方向に相対的に移動させれば、図4(a)に示されるように、点P1が位置させられた部分に、幅が広いクラック領域CR1を形成することができ、点P2が位置させられた部分に、幅が狭いクラック領域CR2を形成することができる。また、XYZステージ7によって対物レンズ5に対して支持台3をX軸方向に相対的に移動させれば、図4(b)に示されるように、点P1が位置させられた部分に、幅が狭いクラック領域CR1を形成することができ、点P2が位置させられた部分に、幅が広いクラック領域CR2を形成することができる。
このように、加工ラインPLに沿って加工対象物Sの内部にクラック領域CRが形成されると、クラック領域CRが切断の起点となるので、加工対象物Sを加工ラインPLに沿って精度良く切断することができる。
なお、レーザ光L1をパルス発振させる際の繰り返し周波数、及び対物レンズ5に対する支持台3の移動速度を制御することで、加工ラインPLに沿って隣り合うクラック領域CR(すなわち、1パルスのレーザ光L1の照射によって形成されたクラック領域CR同士)を繋げたり、或いは離したりすることができる。また、移動機構6によってシリンドリカルレンズ4を光軸に沿って進退させ、非点距離Za(=Z1−Z2)を制御することで、点P1が位置させられた部分に形成されるクラック領域CR1と、点P2が位置させられた部分に形成されるクラック領域CR2とを繋げたり、或いは離したりすることができる。
以上説明したように、レーザ加工装置1においては、レーザ光L1の断面形状が第1の点P1でX軸方向に延びる長尺形状となり、第2の点P2でY軸方向に延びる長尺形状となる。そのため、移動機構6及びXYZステージ7により、点P1,P2を加工対象物Sの内部に位置させることで、加工対象物Sの内部において第1の点P1が位置させられた部分に、X軸方向に延びる長尺形状のクラック領域CR1を形成することができ、第2の点P2が位置させられた部分に、Y軸方向に延びる長尺形状のクラック領域CR2を形成することができる。従って、レーザ加工装置1によれば、所望の形状にクラック領域CRを形成することが可能となる。
しかも、加工ラインPLに沿ってのレーザ光L1の1回の照射によって、加工対象物Sの内部に2列のクラック領域CRを効率良く形成することができる。
また、レーザ加工装置1においては、シリンドリカルレンズ4と対物レンズ5との間の光軸上に、レーザ光L1を反射し、且つ観察光L2を透過させるダイクロイックミラー11が配置されている。これにより、シリンドリカルレンズ4の影響を受けることなく、平行光を光軸上の一点に収束させる機能を有する対物レンズ5を介して、加工対象物Sの表面、内部又は裏面を観察することができる。
なお、移動機構6及びXYZステージ7によって、第1の点P1及び第2の点P2を加工対象物Sの外表面に位置させて、加工対象物Sにレーザ光L1を照射してもよい。これによれば、例えば加工対象物Sの表面及び裏面にアブレーションによる加工領域として溝を形成する場合などに、加工対象物Sの表面及び裏面に加工領域を効率良く形成することができる。
また、移動機構6及びXYZステージ7によって、第1の点P1を加工対象物Sの内部に位置させ、第2の点P2を加工対象物Sの外表面に位置させて(又は、第1の点P1を加工対象物Sの外表面に位置させ、第2の点P2を加工対象物Sの内部に位置させて)、加工対象物Sにレーザ光L1を照射してもよい。これによれば、例えば加工対象物Sを切断するための起点となる加工領域を形成する場合などに、加工対象物の内部に加工領域を形成することができると共に、加工対象物の表面又は裏面にアブレーションによる加工領域として溝を形成することで、加工対象物の表面又は裏面に設けられたLow−k膜等を除去することができる。
次に、上述したレーザ加工装置1の動作の他の例について説明する。図5は、図1のレーザ加工装置によって加工領域が形成された他の加工対象物を示す図である。なお、この例は、図5に示されるように、シリコン基板である加工対象物Sに加工ラインPL1,PL2が格子状に設定されている場合(すなわち、直交するように第1の加工ラインPL1及び第2の加工ラインPL2が加工対象物Sに設定されている場合)に、第1の加工ラインPL1と第2の加工ラインPL2とが直交する部分に、パルス波であるレーザ光L1を照射し、切断の起点となる溶融処理領域MRを加工領域として加工対象物Sの内部に形成する例である。
まず、加工対象物Sの屈折率nに基づいて、加工対象物Sの表面(レーザ光入射面)から第2の距離(第2の距離<加工対象物Sの厚さd)だけ内側に第2の点P2が位置するように、XYZステージ7によって支持台3がZ軸方向に移動させられる(上記の式(2)参照)。そして、加工対象物Sの屈折率nに基づいて、加工対象物Sの表面(レーザ光入射面)から第1の距離(第2の距離<第1の距離<加工対象物Sの厚さd)だけ内側に第1の点P1が位置するように、移動機構6によってシリンドリカルレンズ4が光軸に沿って移動させられる(上記の式(1)参照)。
続いて、XYZステージ7によって支持台3が移動させられ、第1の加工ラインPL1と第2の加工ラインPL2とが直交する部分に第1の点P1及び第2の点P2を位置させると共に、加工ラインPL1がX軸方向に一致させられ、加工ラインPL2がY軸方向に一致させられる。そして、加工対象物Sの内部に位置させられた各点P1,P2でのレーザ光L1のピークパワー密度が加工閾値(例えば、多光子吸収、その他の光吸収が生じ得る閾値)を超えるように、レーザ発振器2からレーザ光L1が出射される。これにより、加工対象物Sの内部において第1の点P1が位置させられた部分に、1パルスのレーザ光L1の照射によって、加工ラインPL1に沿って延びる長尺形状の溶融処理領域MR1を形成することができ、第2の点P2が位置させられた部分に、1パルスのレーザ光L1の照射によって、加工ラインPL2に沿って延びる長尺形状の溶融処理領域MR2を形成することができる。
このように、第1の加工ラインPL1と第2の加工ラインPL2とが直交する部分に、加工ラインPL1に沿って延びる長尺形状の溶融処理領域MR1、及び加工ラインPL2に沿って延びる長尺形状の溶融処理領域MR2が形成されると、溶融処理領域MR1,MRが切断の起点となるので、加工対象物Sを加工ラインPL1,PL2に沿って精度良く切断することができる。
以上説明したように、レーザ加工装置1によれば、第1の加工ラインPL1と第2の加工ラインPL2とが直交する部分に対するレーザ光L1の1回の照射によって、加工ラインPL1に沿って延びる長尺形状の溶融処理領域MR1、及び加工ラインPL2に沿って延びる長尺形状の溶融処理領域MR2を効率良く形成することができる。
次に、本発明に係るレーザ加工装置の実施例について説明する。図6は、本発明に係るレーザ加工装置の実施例によってクラック領域が形成された加工対象物の写真を示す図である。なお、図6において、(a)は加工ラインに沿っての加工対象物の断面写真、(b)は加工対象物の表面に観察光の焦点を合わせたときの写真、(c)は加工対象物の内部において第2の点P2が位置させられた部分に観察光の焦点を合わせたときの写真、(d)は加工対象物の内部において第1の点P1が位置させられた部分に観察光の焦点を合わせたときの写真である。
この実施例における加工条件は次の通りである。
(A)加工対象物:パイレックス(登録商標)ガラス(厚さ700μm)
(B)レーザ
光源:Yb:KGW超短パルスレーザ
波長:1030nm
発振形態:再生増幅
繰り返し周波数:3kHz
パルス幅:3ps
出射レーザエネルギ:100μJ/パルス
出射レーザ光品質:TEM00
偏光特性:直線偏光
(C)対物レンズ
開口数(NA):0.55
レーザ光に対する透過率:70%
(D)照射条件
第2の点P2でのレーザ光の断面形状:100μm(Y軸方向の最大長さ)×5μm(X軸方向の最大長さ)
第2の点P2でのレーザ光の断面積:5×10−6cm
第2の点P2でのレーザ光のピークパワー密度:5.1×1012W/cm
第1の点P1でのレーザ光の断面形状:7μm(Y軸方向の最大長さ)×50μm(X軸方向の最大長さ)
第1の点P1でのレーザ光の断面積:3.5×10−6cm
第1の点P1でのレーザ光のピークパワー密度:1×1012W/cm
(E)対物レンズに対する支持台の移動速度:300mm/s
図6(c)に示されるように、加工対象物の内部において第2の点P2が位置させられた部分には、Y軸方向に延びる長尺形状のクラック領域CR2が形成されている。一方、図6(d)に示されるように、加工対象物の内部において第1の点P1が位置させられた部分には、X軸方向に延びる長尺形状のクラック領域CR1が形成されている。このように、点P1,P2を加工対象物の外表面や内部に位置させることで、延びる方向が直交する長尺形状の加工領域を加工対象物に同時に形成することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、図7,8に示されるように、円柱凸面によって平行光を光軸と直交する所定の方向において収束させる機能を有するシリンドリカルレンズ4を用いてもよい。そして、図7に示されるように、発散する状態でレーザ光L1を対物レンズ5に入射させてもよいし、図8に示されるように、収束する状態でレーザ光L1を対物レンズ5に入射させてもよい。
また、移動機構6に代えて、或いは移動機構6と共に、対物レンズ5を移動させたり、シリンドリカルレンズ4及び対物レンズ5の両方を移動させたりするなど、対物レンズ5に対してシリンドリカルレンズ4を光軸に沿って相対的に移動させるものを適用してもよい。同様に、XYZステージ7に代えて、或いはXYZステージ7と共に、対物レンズ5(若しくは、対物レンズ5を含むレーザ照射装置10)を移動させたり、支持台3及び対物レンズ5(若しくは、対物レンズ5を含むレーザ照射装置10)の両方を移動させたりするなど、対物レンズ5に対して支持台3を光軸に沿って相対的に移動させるものを適用してもよい。
また、平行光を光軸と直交する所定の方向において発散又は収束させる機能を有するものであれば、シリンドリカルレンズ4に代えて、複数のレンズから構成されるもの等、他の光学系を適用してもよい。同様に、平行光を光軸上の一点に収束させる機能を有するものであれば、対物レンズ5に代えて、複数のレンズから構成されるもの等、他の光学系を適用してもよい。
また、クラック領域や溶融処理領域の用途は、切断の起点となるものに限定されない。クラック領域の他の用途として、複数のクラック領域が連続させられて構成される光導波路、マイクロ流路、マイクロTAS(Total Analysis Systems)等がある。
更に、加工領域は、クラック領域や溶融処理領域に限定されない。加工領域は、クラック領域、絶縁破壊領域(例えば、加工対象物がガラスやLiTaO等の圧電材料からなる場合)、溶融処理領域(例えば、加工対象物がシリコン等の半導体材料からなる場合)の他に、屈折率変化領域(例えば、加工対象物がガラスからなる場合)等があり、これらが混在した領域もある。
本発明によれば、所望の形状に加工領域を形成することが可能となる。
1…レーザ加工装置、2…レーザ発振器(レーザ光源)、3…支持台、4…シリンドリカルレンズ(第1の光学系)、5…対物レンズ(第2の光学系)、6…移動機構(第1の移動機構)、7…XYZステージ(第2の移動機構)、11…ダイクロイックミラー(光学部材)。

Claims (8)

  1. レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光に対して透過性を有する加工対象物を支持する支持台と、
    平行光を光軸と直交する所定の方向において発散又は収束させる機能を有し、前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を前記所定の方向において発散又は収束させる第1の光学系と、
    平行光を光軸上の一点に収束させる機能を有し、前記第1の光学系から出射された前記レーザ光を、光軸と直交する第1の方向において第1の点に収束させ、光軸及び前記第1の方向と直交する第2の方向において第2の点に収束させる第2の光学系と、
    前記第2の光学系に対して前記第1の光学系を光軸に沿って相対的に移動させる第1の移動機構と、
    前記第2の光学系に対して前記支持台を光軸に沿って相対的に移動させる第2の移動機構と、を備え、
    前記第1の移動機構及び前記第2の移動機構によって、前記第1の点及び前記第2の点を前記加工対象物の外表面又は内部に位置させて、前記加工対象物に前記レーザ光を照射することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記第1の移動機構及び前記第2の移動機構によって、前記第1の点及び前記第2の点を前記加工対象物の内部に位置させて、前記加工対象物に前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第1の移動機構及び前記第2の移動機構によって、前記第1の点及び前記第2の点を前記加工対象物の外表面に位置させて、前記加工対象物に前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  4. 前記第1の移動機構及び前記第2の移動機構によって、前記第1の点を前記加工対象物の内部に位置させ、前記第2の点を前記加工対象物の外表面に位置させて、前記加工対象物に前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  5. 直交するように第1の加工ライン及び第2の加工ラインが前記加工対象物に設定されている場合に、前記第1の加工ラインと前記第2の加工ラインとが直交する部分に前記第1の点及び前記第2の点を位置させて、前記加工対象物に前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のレーザ加工装置。
  6. 前記第2の移動機構は、前記第2の光学系に対して前記支持台を前記第1の方向に相対的に移動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のレーザ加工装置。
  7. 前記第2の移動機構は、前記第2の光学系に対して前記支持台を前記第2の方向に相対的に移動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のレーザ加工装置。
  8. 前記第1の光学系と前記第2の光学系との間の光軸上には、前記レーザ光を反射する光学部材が配置され、
    前記光学部材は、前記加工対象物を観察するための観察光を透過させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のレーザ加工装置。
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