JP2017185648A - シーラントフィルム、包装材料用フィルム及び包装体 - Google Patents

シーラントフィルム、包装材料用フィルム及び包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】剛性および耐衝撃性に優れたシーラントフィルムを提供する。
【解決手段】シーラントフィルム3は、第1の樹脂層1と第2の樹脂層2とが交互に10層以上積層された積層体を含む。積層体の最外層3aには第1の樹脂層1が配置され、第1の樹脂層1は、直鎖状ポリエチレン樹脂、分岐状ポリエチレン樹脂、又は直鎖状と分岐状とを混合したポリエチレン樹脂を主成分とし、平均樹脂密度が0.920g/cm以下の樹脂層であり、第2の樹脂層2はポリプロピレン樹脂層からなる。
【選択図】図1

Description

本発明はシーラントフィルム、シーラントフィルムを用いた包装材料用フィルム、及び包装体に関する。
包装材料には一般的にポリエチレンやポリプロピレンといった、他の積層基材との密着性やヒートシール性が良い安価なフィルムが使用されている。包装材料に求められる物性としては、内容物充填時の充填適性、包装材料に外力が加わった際の耐衝撃性、包装材料を開封する際の開封性、そして店頭における視認性の良化や、使用時にしっかりと包装形状を保つための剛性等が挙げられる。
近年では、包装材料のコストを下げるために、諸々の物性値はそのままに包装材料の厚みを薄くする試みが取り組まれている。フィルムの厚みを薄くすると、特に剛性面で支障が生じることが多く、課題となっている。
従来技術では高い剛性のフィルムを得るために、例えば特許文献1の様に製膜するフィルムを基材となる中心層を挟む形で、基材層上下に基材層より高密度の材料を用いることにより、剛性を得ている。
特許第1726952号明細書
一般に材料の密度と包装材の物性との関係としては、高密度な樹脂を使用するほど剛性を高くできることが知られている。
しかし、高密度樹脂を使用した場合、外部からの衝撃に脆い他、ヒートシールする際には多大な熱量が必要で低温でのヒートシール強度が著しく低下する。一方、使用する樹脂が低密度であるほど高い衝撃特性と低温でのヒートシール強度を得られるが、剛性が著しく低下してしまう関係にある。
ここで特許文献1では、高剛性の包装材料を得るために高い剛性層と基材層の3層構成となっている。そのため、包装材料として使用した際にヒートシール性能が低下するという問題がある。また、高剛性を有する材料を最外層に使用することで、フィルムの耐衝撃性能が失われ、実用上使用が困難であるという問題がある。
さらには、同種類の樹脂種では、基本的な物性向上には限界があり、飛躍的な物性向上は得られない。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、剛性及び耐衝撃性のバランスとヒートシール性とに優れたシーラントフィルム、包装材料用フィルム及び包装体を提供することを目的としている。
本願発明の一態様によれば、第1の樹脂層と第2の樹脂層とが交互に10層以上積層された積層体を含むシーラントフィルムであって、積層体の最外層に第1の樹脂層が配置され、第1の樹脂層は、直鎖状ポリエチレン樹脂、分岐状ポリエチレン樹脂、又は直鎖状と分岐状とを混合したポリエチレン樹脂を主成分とし、平均樹脂密度が0.920g/cm以下であり、第2の樹脂層はポリプロピレン樹脂層からなる、シーラントフィルムが提供される。
本発明の一態様におけるシーラントフィルムによれば、包装材料として用いる際に十分な剛性や耐衝撃性、ヒートシール性を持たせる事ができる。また、包装体として使用した際に、従来のシーラントフィルムに比較してより高い剛性及び耐衝撃性を持たせることができる。
本発明の第一実施形態に係るシーラントフィルムの構成例を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係るシーラントフィルムの構成例を示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係るシーラントフィルムの構成例を示す断面図である。 本発明に係る包装材料用フィルムの構成例を示す断面図である。 本発明に係る包装材料用フィルムを用いた包装体の一例を示す模式図である。 本発明に係るシーラントフィルムを用いたスタンディングパウチの一例を示す断面図である。 本発明に係るシーラントフィルムを用いたスタンディングパウチの製造工程を説明するための説明図である。
以下に、本発明の一実施形態に係るシーラントフィルムについて図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、各図面は説明を容易にするために適宜誇張して表現している。
さらに、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(全体構成)
図1は、本発明の第一の実施形態に係るシーラントフィルム3の断面構成の一例を示す図である。本発明のシーラントフィルム3は、第1の樹脂層1と第2の樹脂層2との積層体から成っており、第1の樹脂層1と第2の樹脂層2とは交互に10層以上積層されている。
また、シーラントフィルム3の最外層3aは第1の樹脂層1からなる。最外層3aを第1の樹脂層1とすることで、本発明のシーラントフィルム3を包装材料用フィルムや包装体として形成する際に良好な低温ヒートシールが可能となる。なお、シーラントフィルム3の2つの最外層3aが共に第1の樹脂層1である必要はなく、シーラントフィルム3の、後工程で基材と接着される側の最外層3aは第1の樹脂層1であっても第2の樹脂層2であってもよい。
本発明の第一の実施形態に係るシーラントフィルム3を構成する樹脂として、第1の樹脂層1は、最外層3aに配置され十分なヒートシール性を担保するために、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、又は低密度ポリエチレン(LDPE)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とを混合した樹脂を用いることが好ましい。さらに好ましくは、ヒートシール性及び耐衝撃性が良く加工性も良い点から、低密度ポリエチレン(LDPE)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とを混合した樹脂を用いる。低密度ポリエチレン(LDPE)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)との混合比(低密度ポリエチレン:直鎖状低密度ポリエチレン)は、5:95以上30:70以下が好ましく、この混合比は加工性や性能の面から適宜調整すればよい。
また、第1の樹脂層1に使用される主樹脂の密度は0.920g/cm以下であることが好ましい。
ここで、第1の樹脂層1に使用する主樹脂とは、第1の樹脂層1に含まれる低密度樹脂層及び高密度樹脂層を構成する材料のうちの重量比70%以上を満たす樹脂を指す。第1の樹脂層1の密度が0.920g/cmより大きい場合、本発明の一実施形態におけるシーラントフィルム3を包装体としてヒートシールした際、低温でのシール強度が不十分となる。
また、第2の樹脂層2には、ポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。ポリプロピレン樹脂はポリエチレン樹脂と比較して、剛性及び耐熱性が非常に優れており、加工性が良い。しかしながら、剛性に優れる反面、耐衝撃性が劣る性質がある。
ポリプロピレン樹脂には、ホモポリマーと、ランダムコポリマーと、ブロックランダムコポリマーを持つポリプロピレンとの3種類があるが、どのタイプでも十分に剛性を満足することができる。より剛性を強くするという観点では、ホモポリマーを持つポリプロピレンを使用することが好ましい。
シーラントフィルム3全体の厚みは50μm以上150μm以下であることが好ましい。シーラントフィルム3の厚みが50μmより薄いと、ヒートシールする際の樹脂が不足し、包装材としてのヒートシール性が低く不具合が発生する場合がある。また、シーラントフィルム3全体の厚みが150μmより厚い場合、全体的に引裂性が悪くなりすぎ、且つ材料コストが非常に高いものとなる。
第1の樹脂層1と第2の樹脂層2の一層毎の厚みはそれぞれ0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。各層が0.1μmより薄い場合、シーラントフィルム3全体の厚みが薄くなりすぎるため、製造時に金属壁面から受けるせん断応力により各層の界面が乱れやすくなる。また、フローマーク(流れムラ)が発生しやすく製造が困難なものとなる。ただし、第1の樹脂層1と第2の樹脂層2とを同じ膜厚とする必要はなく、各層がそれぞれ0.1μm以上10μm以下の範囲を満たせば良い。
上述のような条件を満たすことにより、剛性、耐衝撃性、ヒートシール性を兼ね備えたシーラントフィルム3を得ることができる。すなわち、最外層3aに第1の樹脂層1が備わることにより、ヒートシール性を満足することができる。また、第1の樹脂層1の密度を0.920g/cm以下とすることで、第1の樹脂層1は剛性が比較的低くなることから、低密度樹脂層の保有する柔軟性により耐衝撃特性も高めることができる。
さらには、第1の樹脂層1と第2の樹脂層2とを交互に10層以上積層形成し、第1の樹脂層1及び第2の樹脂層2の1層の厚みをそれぞれ0.1μm以上10μm以下とし、第1の樹脂層1の密度を0.920g/cm以下とし、さらに第1の樹脂層1をポリエチレン系樹脂層から構成し、第2の樹脂層2をポリプロピレン系樹脂層から構成することによって、高剛性且つ耐衝撃特性なシーラントフィルム3を得ることができる。
一般に高密度、高強度な樹脂を使用するほど剛性は高くなるが、脆く衝撃に弱い。これに対し、本願発明では、ポリプロピレン系樹脂層からなる比較的剛性の高い第2の樹脂層2の両側に、密度が0.920g/cm以下であり比較的剛性が低く柔らかい第1の樹脂層1を配置し、且つ第1の樹脂層1及び第2の樹脂層2それぞれの1層の厚みを薄くすることで、応力亀裂抵抗性能を向上させることができる。これは、剛性が比較的低く柔らかい第1の樹脂層1が、剛性が比較的高く硬い第2の樹脂層2の保護層のような役割を果たすことによる。
シーラントフィルム3の全層数は、第1の樹脂層1及び第2の樹脂層2の積層数が多いほど耐衝撃特性を保持しつつ高剛性となるが、一層あたりの膜厚が薄く、壊れやすくなるため、製造することが困難なものとなる。したがって、全層数は10層以上2000層以下程度となることが好ましい。10層以上であれば、効果は十分に発揮されるものとなり、比較的製造もし易い。シーラントフィルム3全体の厚みは50μm以上150μm以下であることが好ましいことから、層数が2000層を超えると、一層の厚みが薄すぎて製造が困難となってくる。
図2は、本発明の第二の実施形態に係るシーラントフィルム3の断面構成の一例を示す図である。
第二の実施形態に係るシーラントフィルム3は、図1に示す第一の実施形態に係るシーラントフィルム3において、第1の樹脂層1と第2の樹脂層2との間に、さらに第3の接着性樹脂層4を形成したものである。つまり、第二の実施形態に係るシーラントフィルム3は、第1の樹脂層1と第3の接着性樹脂層4と第2の樹脂層2とがこの順に繰り返し積層されてなる。
第1の樹脂層1と第2の樹脂層2との層間密着性が弱く剥離等が発生する場合には、第3の接着性樹脂層4を用いることで層間密着性を向上させることができる。なお、図2では第3の接着性樹脂層4は単層となっているが、複数層に分かれていてもよい。すなわち、第1の樹脂層1と第2の樹脂層2との間の、第1の樹脂層1側には第1の樹脂層1に密着のよい接着性樹脂層があり、第2の樹脂層2側には第2の樹脂層2に密着のよい接着性樹脂層があり、これら接着性樹脂層が接着されていてもよい。
図3は、本発明の第三の実施形態に係るシーラントフィルム3の断面構成の一例を示す図である。
第三の実施形態に係るシーラントフィルム3は、図1に示す第一の実施形態に係るシーラントフィルム3において、第2の樹脂層2の中に結晶核剤8が含まれているものである。第2の樹脂層2が結晶核剤8を含むことで結晶化が進行し結晶化度が高くなる。そのため、第2の樹脂層2の剛性をより高くすることができる。結晶核剤8の濃度は、0.01wt%以上10wt%以下が好ましく、所望の剛性を得るように調整することができる。結晶核剤8としては、リン酸エステル金属塩、ピメリン酸金属塩、ロジン金属塩、安息香酸金属塩、キナクリドン、ベンジリデンソルビトール、シアニンブルー、タルク、アルミナ等の金属酸化物、等が挙げられる。
(機能層)
第1から第3の実施形態に係るシーラントフィルム3は、シーラントフィルム3を基材6上に積層することによって、包装材料用フィルム7として使用することができる。
例えば、図4に示すように、包装材料用フィルム7における基材6とシーラントフィルム3との間に、さらに印刷層やバリア層といった機能層5を形成することができる。なお、図4では、第1実施形態に係るシーラントフィルム3を用いた場合を表している。
機能層5は、バリア層としてアルミ箔層が形成されていても良く、また蒸着層が形成されていても良い。蒸着層としては、アルミ、シリカのような一般的な金属蒸着を用いることもでき、また、アルミナのように、透明な蒸着層を形成することもできる。さらには、バリア層としてEVOH(エチレン・ ビニルアルコール共重合樹脂)層等も挙げられ、適宜使用することができるものである。
基材6に用いられる材料は、上質紙等の紙や、ナイロン樹脂やPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等のプラスチックを主とするフィルムが用いられ、内容物の種類や充填後の加熱処理の有無等使用条件によって適宜選択される。
(製造方法)
本発明の一実施形態に係るシーラントフィルム3を作製する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を使用する事ができる。例えば、フィードブロックによる共押出や、ドライラミネート、押出ラミネート等による方法を適用することができる。製造効率の観点からいえば、フィードブロックによる共押出方法により製造することが好ましい。また、積層後に延伸することで所望の厚さに調整してもよい。
(添加剤)
本発明の一実施形態に係るシーラントフィルム3を基材6上に積層して図4に示す包装材料用フィルム7や包装材料用シートを成形する場合、シーラントフィルム3及び基材6には、包装材料用のフィルム又はシート成形時の加工適性、またこのフィルム又はシートを使用する際の適性向上のため、フィルム又はシートに、一般的に使用する材料を適宜添加する事ができる。例えば、フィラー等のブロッキング防止剤、滑り性を向上させるための滑剤、また加工安定性を付与するための酸化防止剤等を適宜添加する事ができる。
フィラー等のブロッキング防止剤として、例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥岩、カオリン鉱物、ゼオライト等の粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等を適宜使用する事ができる。
滑り性をさらに向上させるための滑剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、合成樹脂系としては流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックス等の炭化水素系、ステアリン酸、ステアリルアルコール等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアルキレン脂肪酸アミド等を適用することができる。
包装材料用のフィルム又はシートとして成形時のハンドリング性を向上させるために上述した添加剤を添加すること以外でも、基材6の外表面に凹凸構造を付与すること等によって、ハンドリング性向上を図っても良い。
(包装体)
図4に示す、本発明の一実施形態に係る包装材料用フィルム7を包装体に使用する際の、包装体の製造方法を、図5を参照して説明する。
図5に示すように、まず、包装材料用フィルム7から包装体30を金型による形状付与等で2丁取りする。その後、最外層に配置した第1の樹脂層1同士が対向するように表裏を折り曲げる。最後に周縁をヒートシールし製袋を行うことで、高い剛性及び耐衝撃性を有する包装体30を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る包装材料用フィルム7を用いた包装体30としては、スタンディングパウチや、包装袋、口栓付きパウチ、ラミネートチューブ、バックインボックス等が挙げられるが、この他に様々な用途に使用できる。
(スタンディングパウチ)
包装体30の一例として、本発明の一実施形態に係る包装材料用フィルム7をスタンディングパウチに適用した場合の構造及びその製造方法を、図6及び図7を参照して説明する。
スタンディングパウチとは、液体洗剤、柔軟剤、シャンプー、リンス等のトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒー等の食品、等、液体、粉体、固体を問わず収納する容器の一種である。前述の包装体30と同様の製袋方法に加え、包装材料用フィルム7を底テープとし、底テープを、本体表面と本体裏面との間に挿入して周縁をシールすることで、容易に自立可能なスタンディングパウチを製造することができる。
図6はスタンディングパウチ10の断面図の一例を示す模式図、図7はスタンディングパウチ10として成形される前の、ウェブ搬送時の状態を示した模式図の一例である。
以下、本発明の一実施形態に係る包装材料用フィルム7を用いたスタンディングパウチ10について詳細に説明する。
図6に示すように、スタンディングパウチ10は、包装材料用フィルム7のシーラントフィルム3側を内側にして折り曲げることで、折り曲げられた包装材料用フィルム7の一方の面がパウチ表面12となり、他方の面がパウチ裏面13となる。包装材料用フィルム7を折り曲げる際に、図6中の網掛けで表示した左右のサイドシール部22とボトムシール部23からなる周縁シール部をヒ―トシールして包装体を形成する。
さらに、包装材料用フィルム7から底テープ20を別途形成し、この底テープ20を、パウチ表面12とパウチ裏面13との間に挿入して、底テープ20と共に、パウチ表面12とパウチ裏面13との周縁をシールすると共に、底テープ20の周縁をシールする。これによって、自立性を備えることができる。なお、底テープ20は、シーラントフィルム3が、スタンディングパウチ10の内側となるように形成する。
また、スタンディングパウチ10の上部には、パウチ表面12とパウチ裏面13と注出ノズルシール部24とにより、内容物を注ぎ出すための注出ノズル16が形成されている。注出ノズルシール部24は、サイドシール部22に連続して設けられたシール部であり、注出ノズル16の下側に設けられる。
注出ノズル16には、先端をヒートシールした注出ノズル先端シール部25が形成されており、注出ノズル先端シール部25は、注出ノズルシール部24に設けられた開封用切目線17によって分離形成された開封つまみ18として機能する。即ち、使用者は、開封つまみ18を持ち、予め形成されたハーフカット線19に沿って切り離すことにより注出口(図示せず)を形成することができる。なお、本方法に限らず、樹脂等で形成された口栓キャップを別途設けておき、蓋を開閉することで注出口の機能を付与してもかまわない。
ハーフカット線19は、パウチ表面12及びパウチ裏面13の表面それぞれに設けられている。ハーフカット線の形成方法は、刃物によって形成する方法や、レーザー加工によって形成する方法が一般に用いられているが、レーザー加工による方法の方が均一で安定した切れ目を形成できるので好ましい。レーザーの種類としては、炭酸ガスレーザーがより好ましい。
スタンディングパウチ10の製造方法の一例としては、図7に示すように、スタンディングパウチ10を自立させた際の高さの約2倍強の幅を持った包装材料用フィルム7をウェブ状に繰り出し、ハーフカット線19を形成する。その後、包装材料用フィルム7を折り曲げ部稜線21で折り曲げて、パウチ表面12とパウチ裏面13とを形成すると共に底テープ20を挿入して周縁部のヒートシールを行い、所定の形状に打ち抜くことにより、スタンディングパウチ10を構成することができる。
なお、その他にも、注出ノズル16に、折り曲げ部稜線21を経由してパウチ表面12からパウチ裏面13に至る一繋がりのエンボス加工部26を形成する等の他の特徴を備えていてもよい。即ち、本発明のシーラントフィルム3を使用することで、上述した効果を備えたスタンディングパウチ10を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態を例示したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の技術的思想を逸脱しない限り、包材としての用途を考慮し、要求されるその他の物性である剛性、強度、衝撃性等を向上する目的で、他の層や構造を任意に形成できることはいうまでもない。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(実施例1)
シーラントフィルム3の材料として、第1の樹脂層1に密度0.918g/cmのLLDPE樹脂(エボリューSP2040:株式会社プライムポリマー製)を、第2の樹脂層2にポリプロピレン樹脂(ノバテックPP FB3B:日本ポリプロ株式会社製)を使用した。第1の樹脂層1と第2の樹脂層2とを別々の単軸押出機に投入し、240℃に加熱溶融し、10層のフィードブロックを用いて共押出をした。Tダイからフィルムをキャストロール上に押出し、エアチャンバーでキャストロールと密着させ冷却をした。その後、巻取機でフィルムを巻取り、10層(第1の樹脂層:5層、第2の樹脂層:5層)のシーラントフィルム3のサンプルを作製した。なお、得られたシーラントフィルム3の厚みは100μmである。
(実施例2)
第1の樹脂層1の樹脂として、密度0.913g/cmのLLDPE(エボリューSP1540:株式会社プライムポリマー製)を用いて、10層(第1の樹脂層:5層、第2の樹脂層:5層)のシーラントフィルム3を作製した。それ以外は実施例1と同様の方法で、サンプルを作製した。
(実施例3)
シーラントフィルム3全体の膜厚を変えずに、全体の層数を100層(第1の樹脂層:50層、第2の樹脂層:50層)に変更した。それ以外は実施例1と同様の方法で、サンプルを作製した。
(実施例4)
第2の樹脂層2に結晶核剤としてタルク(粒径1μm)を5wt%混合してシーラントフィルム3を作製した。それ以外は実施例1と同様の方法で、サンプルを作製した。
(実施例5)
第1の樹脂層1と第2の樹脂層2の間に第3の接着性樹脂層4としてアドマー QF500(三井化学東セロ株式会社製)を用いて、シーラントフィルム3を共押出し作製した。それ以外は実施例1と同様の方法で、サンプルを作製した。
(比較例1)
第1の樹脂層1の樹脂のみを用いて単層で厚み100μmとした。それ以外は実施例1と同様の方法で、サンプルを作製した。
(比較例2)
第2の樹脂層2の樹脂のみを用いて単層で厚み100μmとした。それ以外は実施例1と同様の方法で、サンプルを作製した。
(比較例3)
第1の樹脂層1、第2の樹脂層2の樹脂を用い、全体厚みを変えずに、全体の層数を4層(第1の樹脂層1:2層、第2の樹脂層2:2層)に変更した。それ以外は実施例1と同様の方法で、サンプルを作製した。
(比較例4)
第1の樹脂層1の樹脂として、密度0.924g/cmのLLDPE(エボリューSP2540:株式会社プライムポリマー製)を用いて、10層(第1の樹脂層1:5層、第2の樹脂層2:5層)のシーラントフィルムを作製した。それ以外は実施例1と同様の方法で、サンプルを作製した。
(評価)
得られたシーラントフィルムに関して、剛性評価、耐衝撃性評価、ヒートシール性評価を実施した。
(剛性評価試験)
剛性の測定では、株式会社東洋精機製作所製のループステフネステスタを用いて、圧縮速度3.3mm/sec、サンプル幅を15mm、ループ長を100mmとし評価を実施した。剛性の評価として、20mN/15mm以上のものを「○」、それ以下のものを「×」とした。
(耐衝撃性評価試験)
耐衝撃性試験では、JIS K7124−1自由落下のダート法、第1部ステアケース法のA法による衝撃試験方法を用いてテスター産業株式会社製ダートインパクトテスター(型番IM−302)を用いて評価した。耐衝撃性の評価として、50%破壊重量が500g以上のものを「○」、それ以下のものを「×」とした。
(ヒ―トシール性評価試験)
ヒートシール性評価では、テスター産業株式会社製のヒートシーラー(型番:TP−701−B)を用いてシール圧力0.2MPa、シール時間を1秒、シール幅を10mmとし、シール温度を110℃、130℃でシール層同士をシールした。シールしたフィルムを15mm幅×80mmサイズに切り出し、チャック間距離を20mm、引っ張り速度を300mm/minとして、T字剥離法にてN=5で評価実施した。ヒートシール性評価として、実用上問題のないものを「○」、それ以外を「×」とした。なお、引張試験機は、株式会社島津製作所製の島津オートグラフAGS−Xを使用した。
また、総合評価として、全て良好なものを「○」、使用上問題があるものを「×」として評価した。
実施例1から実施例5、及び比較例1から比較例4のサンプルに関して物性評価を実施した結果を表1に記載する。
Figure 2017185648
表1に示すように、実施例1から実施例5では剛性が高く、また、耐衝撃性やヒートシール性能も良く、良好なサンプルが得られた。特に実施例4は結晶核剤を混合したため剛性が高い結果となることが確認された。また、実施例5は接着性樹脂による接着のため層間密着性は良好であった。
一方、比較例1及び比較例2のような単層膜では、所望とする全ての物性を満たすことができていない。また、比較例3では、比較例1及び比較例2と比べると積層による剛性の向上が見られたが、積層数が少なく不十分な結果であった。比較例4では最外層に配置した第1の樹脂層1の密度が高いため低温での十分なヒートシール性が得られず、また衝撃特性も少し劣る結果となった。
以上より、本発明の一実施形態におけるシーラントフィルムによれば、積層構造による剛性向上によって、包装材料として用いる際に十分な剛性や耐衝撃性、ヒートシール性を満足させることができる。また、本発明の一実施形態におけるシーラントフィルムを用いて包装体を形成すれば、従来使用されている同種のフィルムに対して高い剛性を持った包装体を提供することができる。
1 第1の樹脂層
2 第2の樹脂層
3 シーラントフィルム
4 第3の接着性樹脂層
5 機能層
6 基材
7 包装材料用フィルム
8 結晶核剤
10 スタンディングパウチ
12 パウチ表面
13 パウチ裏面
16 注出ノズル
17 開封用切目線
18 開封つまみ
19 ハーフカット線
20 底テープ
21 折り曲げ部稜線
22 左右のサイドシール部
23 ボトムシール部
24 注出ノズルシール部
25 注出ノズル先端シール部
26 エンボス加工部
30 包装体

Claims (8)

  1. 第1の樹脂層と第2の樹脂層とが交互に10層以上積層された積層体を含むシーラントフィルムであって、
    前記積層体の最外層に前記第1の樹脂層が配置され、
    前記第1の樹脂層は、直鎖状ポリエチレン樹脂、分岐状ポリエチレン樹脂、又は直鎖状と分岐状とを混合したポリエチレン樹脂を主成分とし、平均樹脂密度が0.920g/cm以下であり、
    前記第2の樹脂層はポリプロピレン樹脂層からなることを特徴とするシーラントフィルム。
  2. 前記第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、1層の厚みが0.1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のシーラントフィルム。
  3. 前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との間に、第3の接着性樹脂層を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシーラントフィルム。
  4. 前記第2の樹脂層は結晶核剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシーラントフィルム。
  5. 基材層と、
    当該基材層に積層されるシーラントフィルムと、
    前記基材層と前記シーラントフィルムとの間に、アルミ箔層、蒸着層及びEVOH層のうちのいずれかからなるバリア層又は印刷層を含む一層又は複数層からなる機能層と、を備え、
    前記シーラントフィルムとして、前記請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシーラントフィルムを用いたことを特徴とする包装材料用フィルム。
  6. 請求項5に記載の包装材料用フィルムからなることを特徴とする包装体。
  7. 前記包装体がスタンディングパウチであることを特徴とする請求項6に記載の包装体。
  8. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシーラントフィルムを、当該シーラントフィルムの最外層に配置された第1の樹脂層どうしが対向するように折り曲げ、端部をヒールシートして袋状に成形することを特徴とする包装体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022054887A1 (ja) * 2020-09-10 2022-03-17 株式会社クラレ 多層構造体、およびそれからなる包装容器

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