JP6003380B2 - 易開封性多層容器 - Google Patents

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Description

本発明は、食品等を包装する容器に関するものであって、詳しくは、当該容器を開封する際にはさみ等を必要としない易開封性と、内部に充填した食品等が容器に付着することなくきれいに取り出すこととの両立をはかった、多層構成のシートを用いる容器に関するものである。
従来、食品をはじめとして、密閉が必要な工業用品、日用品、医薬衛生品等を内容物とする包装材としては、ポリオレフィン系樹脂等からなるシートを二次成形した容器や袋が使用されている。これらの包装体は、例えば充填口にフランジを設け、当該フランジ部分に蓋材をヒートシールしたり、シートの内面同士を重ねあわせて袋状にしたりすることにより、密封して使用されることが多いが、これらを使用する際には、はさみ等を使用せずに手で容易に開封できる易開封性の要求が高まっている。
易開封性を与える方法としては、例えば、蓋材として使用されるフィルムに、凝集破壊や層間剥離しやすい構成を取り入れた多層フィルムを用いることが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの技術では、汎用の容器への適用が可能であり、易開封性と密封性が保持されているものの、内容物が容器表面へ付着又は固着するような場合、例えば、充填豆腐、プリン、ゼリー等の場合には、蓋が取れても内容物を取り出せないという問題がある。
このような問題を解決する方法としては、容器の底面に開孔用突起を設け、当該孔をあけることによって外部より空気を流入させて容器と内容物との間に隙間を開ける方法が提案されているが、このような方法では容器の二次成形時に煩雑な工程を有することになり、コスト高に繋がることになる。また、包装材における表面層(内容物と接する層)に界面活性剤を添加したポリオレフィン樹脂層とすることにより、内容物との固着、付着を防ぐ方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、このような添加剤を用いた剥離性の向上の方法では、内容物、特には食品へ当該添加剤(界面活性剤)が移行することにより、風味や香りに悪影響を与えることがあり、さらなる改良が必要である。
特開2005−088283号公報 特開2006−256636号公報 特開2010−194781号公報 特開2006−306451号公報
本発明の課題は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、開封する際にはさみ等を必要としない易開封性と、界面活性剤等を使用しなくても内部に充填した食品等が容器に付着することなくきれいに取り出すこととの両立をはかった、多層構成のシートを用いる容器を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、プロピレン単独重合体と特定の高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとを特定比率で混合した混合物を含有する樹脂層を、容器の内容物と接する面に使用することにより、内容物の身離れ性(取り出し容易性)を付与できる程度にフィルム表面が荒らされると共に、汎用の蓋材をヒートシールしても易開封性を発現することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、ヒートシール樹脂層(A)、ラミネート用樹脂層(B)及び基材層(C)とが、(A)/(B)/(C)の順で積層されてなる多層フィルムを用いたヒートシール樹脂層(A)を内面とする多層容器であって、前記ヒートシール樹脂層(A)が、プロピレン単独重合体(a1)と、メルトフローレートが1g/10分以下の高密度ポリエチレン(a2)と、低密度ポリエチレン(a3)とを、当該樹脂層(A)を構成する樹脂中95質量%以上で含有するものであり、且つ、前記プロピレン単独重合体(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との使用割合(質量比)(a1)/(a2)が60/40〜40/60の範囲であり、前記プロピレン単独重合体(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との合計質量と前記低密度ポリエチレン(a3)との使用割合(質量比)〔(a1)+(a2)〕/(a3)が90/10〜65/35の範囲であり、前記ラミネート用樹脂層(B)がオレフィン系樹脂を含有する単層又は多層の樹脂層であり、前記基材層(C)が熱可塑性樹脂シートからなるものであることを特徴とする易開封性多層容器を提供するものである。
本発明の易開封性容器は、内容物と接する表面に適度な凹凸を付与したことによって、身離れ性を発現するものであり、特に水分が多く含まれるゲル状食品を内容物とする場合や、容器に充填してから殺菌等のために温度条件を変える場合などに好適に用いることができる。開口部のある容器とする場合には、汎用の蓋材を用いて密閉可能であると共に、易開封性を有するため、近年のユニバーサルデザインへの市場要請にも応じることが可能である。
本発明の多層容器は、ヒートシール層(A)、ラミネート層(B)、基材層(C)とが積層されてなる多層フィルムを用いるものであって、ヒートシール層(A)を内面とするものである。
前記ヒートシール層(A)には、プロピレン単独重合体(a1)と、メルトフローレートが1g/10分以下の高密度ポリエチレン(a2)と、低密度ポリエチレン(a3)を含有する。その使用割合としては、得られるフィルム表面に充分な凹凸を付与し、もって内容物との身離れ性を発現させるためと、易開封性を付与させるために、前記プロピレン単独重合体(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との使用割合(質量比)(a1)/(a2)が60/40〜40/60の範囲であり、前記プロピレン単独重合体(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との合計質量と前記低密度ポリエチレン(a3)との使用割合(質量比)〔(a1)+(a2)〕/(a3)が90/10〜65/35の範囲であることを必須とする。使用割合がこの範囲外では、身離れ性と易開封性の両立を図ることが困難である。
前記プロピレン単独重合体(a1)としては、MFR(230℃)が0.5〜30.0g/10分で、融点が120〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、MFR(230℃)が2.0〜15.0g/10分で、融点が125〜162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、製袋時のフィルムの収縮が少なく、更にフィルムの成膜性も向上する。
又、前記高密度ポリエチレン(a2)は、メルトフローレート(190℃、21.18N)が1g/10分以下であることを必須とするものである。メルトフローレートが1g/10分を超えると、身離れ性付与のための適正な凹凸が得られない。特に好ましいメルトフローレートは0.05〜0.8g/10分の範囲である。
更に前記高密度ポリエチレン(a2)の密度としては、0.935〜0.970g/cmの範囲であるが、得られる多層フィルムの機械的な強度・フィルムの均一性等の観点から0.940〜0.965g/cmの範囲であることがより好ましい。
また、前記低密度ポリエチレン(a3)としては、メルトフローレート(190℃、21.18N)が0.5〜30g/10分の範囲であることが好ましい。この範囲の低密度ポリエチレンを用いることで、後述するラミネート用樹脂層(B)との積層の際に、共押出積層法を適用することが容易になり、また易開封性の発現が容易となる。特に好ましいメルトフローレートは1.5〜20g/10分の範囲である。
また低密度ポリエチレン(a3)の密度としては、0.910〜0.960g/cmの範囲であるが、得られる多層フィルムの機械的な強度・フィルムの均一性等の観点から0.915〜0.945g/cmの範囲であることがより好ましい。
本発明で用いる多層フィルムにおけるヒートシール樹脂層(A)は、前述の成分を特定の使用割合で混合したものを用いるが、当該樹脂層(A)を構成する樹脂中、当該混合樹脂を95質量%以上で含有することを必須とする。即ち、当該混合樹脂を用いることで、易開封性と身離れ性とを兼備する容器とするものであり、ヒートシール樹脂層(A)にその他の樹脂を加えると、身離れ性を発現させるための適正な凹凸が得られにくくなることがあるためである。
このような特定のヒートシール樹脂層(A)とすることにより、その表面のJIS B−0601に基づく表面粗さ(Ra)は1.0〜2.0の範囲にすることが容易である。この範囲の表面粗さであることによって、その他の成分(界面活性剤や微粒子)を併用しなくても、表面滑り性に優れ、内容物との身離れ性が良好となるフィルムが得られる。
ヒートシール樹脂層(A)の厚みとしては、特に限定されないが、開口部のある容器とする場合に、易開封性を容易に発現できる観点から、3〜30μmの範囲であることが好ましく、ヒートシール樹脂層(A)とラミネート樹脂層(B)との合計の厚みに対して、ヒートシール樹脂層(A)の厚み比率が、10〜50%の範囲であることが好ましい。
本発明で用いる多層フィルムは、前述の特定のヒートシール樹脂層(A)と、オレフィン系樹脂を含有してなる単層または多層のラミネート樹脂層(B)とを積層する。この様な多層構造のフィルムとすることによって、後述する基材層(C)とのラミネートが容易になり、容器としての強度等を発現することが可能となる。
前記オレフィン系樹脂としては、前述のヒートシール樹脂層(A)との積層が可能であれば特に限定されず、炭素数2〜6のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。共重合形式は、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。ヒートシール樹脂層(A)との積層に際し、共押出積層法により製造することが容易である点より、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂としては、密度が0.910g/cm以上0.960g/cm未満のポリエチレン系樹脂を用いることが、後述する基材層(C)とのラミネート適正の観点から好ましいものである。
前記ポリエチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(VLLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられ、単独でも、2種以上を混合して使用しても良い。これらの中でも加工性(成膜性)等の観点からVLDPE、VLLDPE、LDPE、LLDPEが好ましい。
LDPEとしては高圧ラジカル重合法で得られる分岐状低密度ポリエチレンであれば良く、好ましくは高圧ラジカル重合法によりエチレンを単独重合した分岐状低密度ポリエチレンである。
VLLDPE、LLDPEとしては、シングルサイト触媒を用いた低圧ラジカル重合法により、エチレン単量体を主成分として、これにコモノマーとしてブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン等のα−オレフィンを共重合したものである。コモノマー含有率としては、0.5〜20モル%の範囲であることが好ましく、1〜18モル%の範囲であることがより好ましい。
前記シングルサイト触媒としては、周期律表第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せ等のメタロセン触媒系などの種々のシングルサイト触媒が挙げられる。また、シングルサイト触媒は活性点が均一であるため、活性点が不均一なマルチサイト触媒と比較して、得られる樹脂の分子量分布がシャープになるため、フィルムに成膜した際に低分子量成分の析出が少なく、積層フィルムとしたときの保存安定性(物性安定性)が良好となる。
前述のようにポリエチレン系樹脂の密度は0.910〜0.960g/cmであることが好ましい。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、耐ピンホール性等の機械強度も優れ、フィルム成膜性、押出適性が向上する。また、融点は、一般的には60〜130℃の範囲であることが好ましく、70〜120℃がより好ましい。融点がこの範囲であれば、加工安定性や共押出加工性が向上する。また、前記ポリエチレン系樹脂のMFR(190℃、21.18N)は0.5〜20g/10分であることが好ましく、3〜10g/10分であることがより好ましい。MFRがこの範囲であれば、押出成形性が向上する。
このようなポリエチレン系樹脂は接着性樹脂等を使用することなく、基材層(C)と押出ラミネートで積層することが可能であり、柔軟性も有しているため、耐ピンホール性も良好となる。さらに、耐ピンホール性を向上させる場合はVLDPE、LLDPEを用いることが好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、たとえばプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。これらのプロピレン系樹脂を用いた場合には、得られる積層フィルムの耐熱性が向上し、軟化温度を高くすることができるため、内容物を充填した後、100℃以下のボイル、あるいはホット充填、または100℃以上のレトルト殺菌等の蒸気・高圧加熱殺菌される場合にも好適に用いることが出来る。
また、これらのポリプロピレン系樹脂は、MFR(230℃)が0.5〜30.0g/10分で、融点が110〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、MFR(230℃)が2.0〜15.0g/10分で、融点が115〜162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、得られる積層フィルムの寸法安定性が良好で、更に成膜性も向上する。
多層容器として成形して用いる場合には、機械的強度とヒートシール性とのバランスに優れる点から、ラミネート樹脂層(B)が多層構造であることが好ましい。この時、当該多層構造における樹脂層がいずれも前述のオレフィン系樹脂からなるものであることが好ましい。
ラミネート樹脂層(B)の厚さとしては、特に限定されるものではないが、20〜70μmの範囲であることが好ましい。
前記の各樹脂層(A)又は(B)には、必要に応じて、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
前記の樹脂層(A)と(B)とを積層させる方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂層(A)、樹脂層(B)に用いる各樹脂又は樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で(A)/(B)の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。さらに、本発明で用いるプロピレン単独重合体(a1)と、高密度ポリエチレン(a2)には、両者間で融点の差が大きいため、共押出加工時にフィルム外観が劣化する場合がある。このような劣化を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロール法が好ましい。
さらに、ラミネート樹脂層(B)には、後述の基材層(C)との相間強度(接着強度)を向上させるために、前記樹脂層(B)に表面処理を施すこともできる。またヒートシール樹脂層(A)に対しても、同様に表面処理を施すこともでき、この場合は、(A)/(B)が積層してなるフィルムをロール状に巻いて保存する場合のブロッキングの防止に効果がある。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。
本発明で用いる多層フィルムは、容器としての強度や剛性の観点から、基材層(C)をラミネート樹脂層(B)に積層する。この時、基材層(C)は、熱可塑性樹脂からなるシートを用いる。
前記熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂としては、特に限定されず、容器とする時の用途や形状に応じて種々選択することができる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂や、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートを、単独で又はこれらを組み合わせて用いることができる。これらのシートの厚みとしては、特に限定されず、本発明の多層容器の用途に応じて選択できるが、容器としての二次加工性の観点からは、200〜600μmの範囲のものを用いることが一般的である。
前記で得られた樹脂層(A)と樹脂層(B)とが積層されてなるフィルムと、基材層(C)である熱可塑性樹脂シートとを貼り合せる方法としては特に限定されるものではなく、例えば接着剤を塗布することにより貼合するドライラミネート、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート等の方法が挙げられる。また加熱ロールの熱圧着で貼合する熱ラミネートや押出ラミネート等の各種積層法を適用し、本発明で用いる多層構成を有するフィルムとすることも可能である。さらに、熱可塑性樹脂シートを押出成形しながら、その余熱等で樹脂層(B)と貼りあわせてもよい。
前記ドライラミネートで用いる接着剤としては、例えば、ポリエーテル−ポリウレタン系接着剤、ポリエステル−ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。
熱ラミネートで積層する具体例としては、熱可塑性樹脂シートを加熱ロールで加熱し、この加熱ロールとフィルム側に配置したニップロールとで加圧して両者を熱接着できる。
本発明の易開封性容器は、前記で得られた多層フィルムを、ヒートシール樹脂層(A)が内面になるように、二次成形して各種包装体として用いるものであるが、その成形方法としては、多層フィルムを加熱ゾーンで加熱軟化した後、常法により成形するものである。成形方法としては、真空成形、圧空成形やこれらの応用として、リジッド成形、フリードローイング成形、プラグアンドリジッド成形、マッチドモールド成形、ストレート成形、エアスリップ成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等やこれらを組み合わせた方法が採用できる。
本発明の易開封性容器の適用範囲としては、特に限定されるものではなく、食品、医薬品、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いるトレーあるいは容器等が挙げられ、特に深絞り成形されてなる、開口部のある包装容器として好適に用いることができる。特に外周にフランジが設けられ、該フランジ部に蓋材(X)をヒートシールして密閉する容器に好適に用いることができる。内容物としては、内面に適度な凹凸を有する点から、充填豆腐、プリン、ゼリー等のゲル状食品に対して好適に用いることができる。
前記蓋材(X)としては特に限定されるものではなく、本発明の多層容器そのものが易開封性を発現するため、蓋材が単層あるいは多層のフィルムであっても良い。蓋材(X)の材質としても特に限定されず、ヒートシール樹脂層(A)とヒートシール可能なものであれば良いが、特に密閉性(シール性)が良好である点から、蓋材(X)のシール面がポリプロピレン系樹脂を主成分(樹脂成分として55質量%以上、好ましくは90質量%以上で含有することをいう)とする単層又は多層のフィルムであることが好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳しく説明する。以下、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
実施例1
樹脂層(A)用の樹脂としてプロピレン−エチレンブロック共重合体(密度:0.90g/cm3、メルトフローレート(以下MFRという)(230℃)2.0g/10min;以下BCOPPという〕を用い、樹脂層(B)用の樹脂としてプロピレン単独重合体(密度:0.90g/cm3、MFR(230℃):9g/10min;以下HOPPという)42.5部と高密度ポリエチレン(密度:0.955g/cm3、MFR(190℃):0.35g/10min;以下HDPE1という)42.5部と、低密度ポリエチレン(密度:0.918g/cm3、MFR(190℃):7g/10min;以下LDPEという)15部を用い、樹脂層(A)用押出機(口径40mm)と樹脂層(B)用押出機(口径40mm)のそれぞれに樹脂を供給し、共押出法により押出温度250℃でTダイから(A)/(B)の各層の厚さが21μm/9μmになるように押出し、40℃の水冷金属冷却ロールで冷却し、樹脂層(A)の濡れ張力が40mN/mとなるようにコロナ放電処理を施した後、ロールに巻き取り、35℃の熟成室で48時間熟成させて、全厚が30μmの共押出積層フィルムを得た。得られたフィルムのラミネート樹脂層(B)にウレタン系接着剤を使用して膜厚300μmのポリプロピレンシートをラミネートすることにより、積層シートを得た。この積層シートを真空成形し開口部にフランジを有する容器(88mm角、高さ35mm)を得た。
実施例2
樹脂層(B)用の樹脂としてHOPP40部とHDPE40部とLDPE20部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2の積層シート及び容器を得た。
実施例3
樹脂層(B)用の樹脂としてHOPP35部とHDPE35部とLDPE30部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2の積層シート及び容器を得た。
比較例1
樹脂層(B)用の樹脂としてHOPP50部とHDPE50部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1の積層シート及び容器を得た。
比較例2
樹脂層(B)用の樹脂としてHOPP30部とHDPE30部とLDPE40部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして比較例2の積層シート及び容器を得た。
比較例3
樹脂層(B)用の樹脂としてプロピレン由来成分の含有率が96%のプロピレン−エチレン共重合体(密度:0.90g/cm3、MFR(230℃):7g/10min)60部と高密度ポリエチレン(密度:0.958g/cm3、MFR(190℃):18g/10min;以下HDPE2という)40部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして比較例3の積層シート及び容器を得た。
得られた積層シート及び容器について、以下の方法で各種評価を実施した。
(1)易剥離性の評価
得られた積層シートにポリエチレンテレフタレート(PET:12μm)に40μmのポリプロピレンフィルムをドライラミネートしたもの(PET#12/DL/CPP#40)を蓋材として合わせ、精密ヒートシーラー(テスター産業製)を用いて温度160〜200℃(10℃刻み)、圧力0.2MPaで、1.0秒間ヒートシールした後、放冷し、次いでヒートシール部から15mm幅の試験片を切り取り、23℃、50%RHの恒温室において引張速度300mm/分の条件で、万能型引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー製)で180度方向に剥離して最大荷重を測定した。(単位:N/15mm)
(2)表面粗さ(Ra)の測定
得られた積層フィルムを用い、JIS B−0601に基づき、フィルム1枚について表面粗さ計(東京精密株式会社製SURFCOM 480A)を用いてヒートシール樹脂層表面の表面粗さ(Ra)を測定した(単位:μm)
(3)内容物取り出し性
得られた容器に豆腐原料(豆乳+にがり)を充填して蓋材(PET#12/DL/CPP#40)をヒートシールし、85℃で30分ボイルした後冷却した。ついで容器を開封し、豆腐が容器に残らずきれいに取り出せるかを確認した。
○:取り出し良好(目視で、容器に豆腐の付着がない)
△:容器からの取り出しの際に、容器を変形する等の操作が必要。
×:容器からの取り出しができない、あるいは、容器への豆腐の付着がある。(豆腐が崩れている)
Figure 0006003380

Claims (9)

  1. ヒートシール樹脂層(A)、ラミネート用樹脂層(B)及び基材層(C)とが、(A)/(B)/(C)の順で積層されてなる多層フィルムを用いたヒートシール樹脂層(A)を内面とする多層容器であって、
    前記ヒートシール樹脂層(A)が、プロピレン単独重合体(a1)と、メルトフローレートが1g/10分以下の高密度ポリエチレン(a2)と、低密度ポリエチレン(a3)とを、当該樹脂層(A)を構成する樹脂中95質量%以上で含有し、当該樹脂層(A)を構成する樹脂中の低密度ポリエチレン(a3)の含有量が15〜30質量%であり、且つ、前記プロピレン単独重合体(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との使用割合(質量比)(a1)/(a2)が60/40〜40/60の範囲であり、前記プロピレン単独重合体(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との合計質量と前記低密度ポリエチレン(a3)との使用割合(質量比)〔(a1)+(a2)〕/(a3)が90/10〜65/35の範囲であり、
    前記ラミネート用樹脂層(B)がオレフィン系樹脂を含有する単層又は多層の樹脂層であり、
    前記基材層(C)が熱可塑性樹脂シートからなるものであることを特徴とする易開封性多層容器。
  2. 前記ヒートシール樹脂層(A)のJIS B−0601に基づく表面粗さ(Ra)が1.0〜2.0である請求項1記載の易開封性多層容器。
  3. 前記多層容器が、その外周にフランジが設けられ、該フランジ部に蓋材(X)をヒートシールして密閉するものである請求項1又は2記載の易開封性多層容器。
  4. 前記蓋材(X)のシール面がポリプロピレン系樹脂を主成分とする単層又は多層のフィルムである請求項3記載の易開封性多層容器。
  5. 内部に充填するものが、ゲル状食品である請求項1〜4の何れか1項記載の易開封性多層容器。
  6. ヒートシール樹脂層(A)、ラミネート用樹脂層(B)及び基材層(C)とが、(A)/(B)/(C)の順で積層された易開封性多層容器の製造方法であって、
    前記ヒートシール樹脂層(A)用樹脂として、プロピレン単独重合体(a1)と、メルトフローレートが1g/10分以下の高密度ポリエチレン(a2)と、低密度ポリエチレン(a3)とを、当該樹脂層(A)を構成する樹脂中95質量%以上で含有し、且つ、前記プロピレン単独重合体(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との使用割合(質量比)(a1)/(a2)が60/40〜40/60の範囲であり、前記プロピレン単独重合体(a1)と前記高密度ポリエチレン(a2)との合計質量と前記低密度ポリエチレン(a3)との使用割合(質量比)〔(a1)+(a2)〕/(a3)が90/10〜65/35の範囲である樹脂を使用し、
    前記ラミネート用樹脂層(B)用樹脂として、オレフィン系樹脂を含有する樹脂を使用し、
    前記ヒートシール樹脂層(A)用樹脂とラミネート用樹脂層(B)用樹脂を使用して共押出積層法により、ヒートシール樹脂層(A)に表面凹凸を形成すると共に、ヒートシール樹脂層(A)とラミネート用樹脂層(B)とを有する多層フィルムを得た後、
    当該多層フィルムのラミネート用樹脂層(B)側に、熱可塑性樹脂シートからなる基材層(C)を積層することを特徴とする易開封性多層容器の製造方法。
  7. 前記多層フィルムと熱可塑性樹脂シートとの積層が、接着剤を用いた積層である請求項6に記載の易開封性多層容器の製造方法。
  8. 前記多層フィルムと熱可塑性樹脂シートとの積層が、押出ラミネート法を用いた積層である請求項6に記載の易開封性多層容器の製造方法。
  9. 前記多層フィルムと熱可塑性樹脂シートとの積層が、熱ラミネート法を用いた積層である請求項6に記載の易開封性多層容器の製造方法。
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