JP2017179605A - Taikoウエハ保護用テープ及びtaikoウエハの処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、5%引張強度が60MPa以下、かつ、JIS K7129に準拠したLyssy法で測定される水蒸気透過性が3g/m2・day以下である基材を用いたTAIKOウエハ保護用テープは、充分な段差追従性を発揮できるとともに、加熱しためっき処理液でも充分な粘着力を維持することができ、TAIKOウエハの保護を確実に行うことができることを見出し、本発明を完成した。
本明細書においてTAIKOウエハとは、外周部を残して内側の領域のみが研削されたウエハを意味する。上記外周部は、通常0.5〜1mm程度の幅を有し、上記外周部と内側の領域との段差は通常550〜650μm程度である。上記TAIKOウエハは、片面に回路が形成されたものであってもよい。
上記基材は、5%引張強度が60MPa以下である。これにより、TAIKOウエハの外周部の段差に充分に追従することができる。上記5%引張強度は、55MPa以下であることが好ましい。上記5%引張強度の下限は特に限定されないが、TAIKOウエハ保護用テープの取り扱い性等の観点からは、10MPa以上であることが好ましい。
なお、本明細書において5%引張強度とは、幅10mm、長さ15cmのサンプルを、80℃、チャッキング距離10cmの条件下で引張り試験機にて引張り試験を行ったときに、伸張率5%時の引張強度を意味する。
上記5%引張強度と水蒸気透過性とを満たすためには、上記材料を用いた単層の基材だけでなく、2層以上の積層体からなる基材を用いてもよい。例えば、比較的柔軟なポリプロピレンやポリエチレン等からなる柔軟層と、水蒸気透過性の低いエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂からなる水蒸気遮蔽層とを積層した基材は、上記5%引張強度と水蒸気透過性とを満たすことができる。
上記柔軟層を構成する樹脂としては、ポリプロピレンやポリエチレン等に加えて、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。上記柔軟層の厚みは特に限定されないが、5〜45μmが好ましい。上記水蒸気遮蔽層を構成する樹脂は特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂等が挙げられる。上記水蒸気遮断層の厚みは特に限定されないが、5μm以上が好ましい。
このような積層体タイプの基材としては、例えば、フタムラ化学社製の商品名「QH−1」(二軸延伸ポリプロピレン層/エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂層/二軸延伸ポリプロピレン層の3層構造体)等の市販品を用いることもできる。
上記柔軟層を構成する樹脂としては、ポリプロピレンやポリエチレン等に加えて、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。上記柔軟層の厚みは特に限定されないが、10〜50μmが好ましい。アルミ蒸着膜の厚みは特に限定されないが、1μm以下が好ましい。
上記アジド化合物としては特に限定されず、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド、3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー(GAP)等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。
また、特に優れた耐熱性を有することから、紫外線等の光を照射することにより気体(二酸化炭素ガス)を発生するカルボン酸化合物又はその塩や、テトラゾール化合物又はその塩も上記気体発生剤として用いることができる。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられる。このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5,000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
外周部を残して内側の領域のみが研削されたTAIKOウエハの無電解めっき処理を施さない側に本発明のTAIKOウエハ保護用テープを貼付する工程と、TAIKOウエハ保護用テープが貼付されたTAIKOウエハに無電解めっき処理を施す工程と、無電解めっき処理後のTAIKOウエハからTAIKOウエハ保護用テープを剥離する工程を有するTAIKOウエハの処理方法もまた、本発明の1つである。
(1)粘着剤の調製
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量50万の共重合体からなる光硬化性粘着剤Aの酢酸エチル溶液を得た。
エチルアクリレート 75重量部
メチルメタクリレート 20重量部
アクリル酸 3重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 2重量部
光重合開始剤 1重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた光硬化性粘着剤Aの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、アゾ化合物(和光純薬社製、VAM110)10重量部、ポリイソシアネート0.5重量部を混合し粘着剤層用組成物溶液を調製した。
基材としてガスバリアOPP(二軸延伸ポリプロピレン層/エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂層/二軸延伸ポリプロピレン層の3層構造体、厚み30μm、フタムラ化学社製、QH−1)を用いた。
該基材を、幅10mm、長さ15cmに細切してサンプルを調製し、80℃、チャッキング距離10cmの条件下で引張り試験機にて引張り試験を行い、伸張率5%時の引張強度である5%引張強度を測定したところ、53MPaであった。また、JIS K7129に準拠したLyssy法にて水蒸気透過性を測定したところ、2.7g/m2・dayであった。
粘着剤層用組成物溶液に混合するポリイソシアネート量を変えたこと以外は実施例1と同様にしてTAIKOウエハ保護用テープを得た。
(1)粘着剤の調製
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量25万の共重合体からなる光硬化性粘着剤Bの酢酸エチル溶液を得た。
エチルアクリレート 55重量部
メチルメタクリレート 25重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 10重量部
メタクリル酸 1重量部
光重合開始剤 1重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた光硬化性粘着剤Bの酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、アゾ化合物(和光純薬社製、VAM110)10重量部、ポリイソシアネート0.5重量部を混合し粘着剤層用組成物溶液を調製した。
基材としてガスバリアOPP(二軸延伸ポリプロピレン層/エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂層/二軸延伸ポリプロピレン層の3層構造体、厚み30μm、フタムラ化学社製、QH−1)を用いた。
該基材を、幅10mm、長さ15cmに細切してサンプルを調製し、80℃、チャッキング距離10cmの条件下で引張り試験機にて引張り試験を行い、伸張率5%時の引張強度である5%引張強度を測定したところ、53MPaであった。また、JIS K7129に準拠したLyssy法にて水蒸気透過性を測定したところ、2.7g/m2・dayであった。
粘着剤層用組成物溶液に混合するポリイソシアネート量を変えたこと以外は実施例4と同様にしてTAIKOウエハ保護用テープを得た。
表1に示す光硬化性粘着剤を用いるとともに基材として厚み50μmのアルミ蒸着されたポリエチレンフィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてTAIKOウエハ保護用テープを得た。
表1に示す光硬化性粘着剤を用いるとともに以下の基材を用いた以外は実施例1と同様にしてTAIKOウエハ保護用テープを得た。
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み25μm、ユニチカ社製、エンブレットS−25
ガスバリアPET:厚み25μm、三菱樹脂社製、
OPP:2軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚み50μm、フタムラ化学社製、FOS−BT
CPP:ポリプロピレンフィルム、厚み50μm、フタムラ化学社製、FHK2
PE:ポリエチレンフィルム、厚み30μm、タマポリ社製、GE−301
実施例及び比較例で得られたTAIKOウエハ保護用テープについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
図1にTAIKOウエハの段差への追従性の評価方法を説明する模式図を示した。図1においてTAIKOウエハ2は、外周部を残して内側の領域のみが研削されたTAIKOウエハであって、外周部とその内側の領域の差が0.55mmである。該TAIKOウエハ2の、外周部とその内側の領域を含むようにTAIKOウエハ保護用テープ1を置き、この状態で減圧することにより、TAIKOウエハ保護用テープ1がTAIKOウエハ2の段差部分に追従して貼り付く。この状態で段差部分を詳しく観察すると、TAIKOウエハ保護用テープ1が追従できていない僅かな領域が認められる。この領域の幅dを測定し、下記の基準にて段差追従性を評価した。
○:dが0.5mm以下
×:dが0.5mmを超える
得られたTAIKOウエハ保護用テープを、幅25mm、長さ10cmに細切してサンプルを調製した。該サンプルを、回路を形成していないシリコーンウエハの表面に貼り付け、90℃に加熱した蒸留水中に15分間浸漬した。浸漬後にシリコーンウエハからTAIKOウエハ保護用テープを剥離した後、シリコーンウエハとTAIKOウエハ保護用テープの剥離面を目視にて観察し、水の浸透が認められなかった場合を「○」と、水の浸透が認められた場合を「×」と評価した。
2 TAIKOウエハ
Claims (2)
- 外周部を残して内側の領域のみが研削されたTAIKOウエハに貼付して無電解めっき処理時の保護を行うためのTAIKOウエハ保護用テープであって、
基材と前記基材の片方の面に形成された粘着剤層からなり、
前記基材は、5%引張強度が60MPa以下、かつ、JIS K7129に準拠したLyssy法で測定される水蒸気透過性が3g/m2・day以下である
ことを特徴とするTAIKOウエハ保護用テープ。 - 外周部を残して内側の領域のみが研削されたTAIKOウエハの無電解めっき処理を施さない側に請求項1記載のTAIKOウエハ保護用テープを貼付する工程と、TAIKOウエハ保護用テープが貼付されたTAIKOウエハに無電解めっき処理を施す工程と、無電解めっき処理後のTAIKOウエハからTAIKOウエハ保護用テープを剥離する工程を有することを特徴とするTAIKOウエハの処理方法。
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