JP2017179316A - シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性に優れ、表面の皮膜に欠陥のないシリカ系絶縁被覆軟磁性粉末を得ることができるコーティング液とその製造方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明のコーティング液は、Siアルコキシドとシリコーンレジンが溶媒中に混合され、25℃、50rpmで測定した粘度が2.8〜5.5mPa・sであることを特徴とする。本発明のコーティング液の製造方法は、Siアルコキシドとシリコーンレジンを溶媒中に添加して撹拌、混合することにより25℃、50rpmで測定した粘度を2.8〜5.5mPa・sとすることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、高抵抗かつ高磁束密度の圧粉磁心の製造に好適なシリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液およびその製造方法に関する。
従来、モーター用コア、アクチュエーター、磁気センサーなどの磁心として、Fe粉末またはFe合金粉末などの軟磁性粉末に樹脂粉末を添加して混合粉末を作製し、この混合粉末を圧縮成形した後、熱処理して得られた圧粉磁心が知られている。
前記軟磁性粉末を用いて圧粉磁心を製造する場合、軟磁性粉末単体では比抵抗が低いため、軟磁性粉末の表面に絶縁皮膜の被覆を行うか、有機化合物や絶縁材を混合するなどして軟磁性粉末どうしの焼結を防止し、比抵抗を上げる対策が講じられている。例えば、この種の圧粉磁心において、渦電流損失を抑制するため、軟磁性粉末の表面を非鉄金属の下層絶縁皮膜と無機化合物を含む上層絶縁皮膜で2重に覆ってから成形し、熱処理した構造が知られている。
前記圧粉磁心の一例として、軟磁性粉末の表面にリン酸塩被覆を形成した後、バインダーとしてシリコーン樹脂を添加して混合し、シリコーン樹脂被覆軟磁性粉末としてから圧縮成形し、熱処理した圧粉磁心が知られている。
この圧粉磁心(複合軟磁性材)は、軟磁性粉末粒子どうしがシリコーン樹脂被覆を介し接合された組織を有し、樹脂被覆層により軟磁性粉末粒子どうしの絶縁が確保されているので渦電流損失を抑制できる。
また、この種の圧粉磁心(複合軟磁性材)の一例として、リン酸塩被覆鉄粉の表面にプライマ処理を施し、プライマ処理後の鉄粉にフッ素樹脂粉末を添加し混合して混合粉末を作製し、この混合粉末を圧縮成形した後、熱処理を施して複合軟磁性材を得る技術が提案されている(特許文献1参照)。前記プライマ処理とは、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド、シリコーン樹脂等の1種以上とポリテトラフルオロエチレンを溶解または分散した液をリン酸塩被覆鉄粉の表面に塗布し、乾燥する処理を意味する。
特開2006−049407号公報
ところで、電子機器用電磁気部品は、電子機器の小型化、高性能化に伴い、より優れた材料特性が求められ、更に実使用状態において問題を生じない電磁気部品であることが必要になってきている。このような電磁気部品に用いられる軟磁性材について検討すると、シリコーンレジンに代表される絶縁性樹脂で軟磁性粉末を覆った混合粉末を用いて製造した圧粉磁心は耐熱性に不足を生じ易く、比抵抗も十分に高くできないという問題がある。例えば、500〜600℃もの高温で焼成すると、絶縁性樹脂が劣化するので、軟磁性粉末粒子どうしを良好に絶縁することが難しくなり、比抵抗が低下する問題がある。
シリコーンレジンで覆った構造の軟磁性粉末は、通常、溶媒にシリコーンレジンを添加混合してコーティング液を作製し、このコーティング液を軟磁性粉末に塗布し、乾燥させることで得ている。このコーティング液中にはシリコーンレジンが含まれているので、塗布乾燥後に軟磁性粉末を覆った被覆層にはシリコーンレジンが含まれ、この被覆層が絶縁性を発揮するが、従来の被覆層では上述したように比抵抗を十分に高くできない問題があった。
本発明は前記の問題に鑑み創案されたものであり、その目的は、耐熱性に優れ比抵抗が高いシリカ系絶縁皮膜を形成するためのコーティング液の提供とその製造方法を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために本発明のコーティング液は、Siアルコキシドとシリコーンレジンが溶媒中に混合され、25℃、50rpmで測定した粘度が2.8〜5.5mPa・sであることを特徴とする。
Siアルコキシドとシリコーンレジンが溶媒中に含まれ、粘度を2.8〜5.5mPa・sの範囲としたコーティング液であるならば、比抵抗が高く、耐熱性に優れたシリカ系絶縁皮膜を得ることができる。25℃、50rpmで測定したコーティング液の粘度が2.8〜5.5mPa・sであるならば、粉末表面に塗布した場合、コーティング液の付き回り性が良く、この範囲の粘度値を有するコーティング液を表面に有する軟磁性粉末を用いて作製した圧粉磁心は比抵抗が高く、耐熱性に優れる。
この範囲の粘度に調整されているならば、Siアルコキシドとシリコーンレジンが溶媒中に十分緻密に分散されているので、この粘度範囲のコーティング液を乾燥して得た皮膜は欠陥が少なく緻密な皮膜となる。
(2)本発明のコーティング液において、前記溶媒に酸触媒と水が添加されたことが好ましい。
溶媒中に酸触媒と水が添加されていることで加水分解液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)とすることができ、溶媒中にSiアルコキシドとシリコーンレジンを均一分散できる。
(3)本発明のコーティング液において、溶媒にSiアルコキシドとシリコーンレジンが混合された液であって、粘度値が最終的な粘度到達値の±2%の範囲内であることが好ましい。
この範囲の粘度値であるならば、Siアルコキシドとシリコーンレジンが溶媒中に十分に均一混合されているので、コーティング液から形成した塗膜は耐熱性に優れた比抵抗の高いシリカ系絶縁皮膜となる。
(4)本発明のコーティング液の製造方法は、Siアルコキシドとシリコーンレジンを溶媒に添加して撹拌、混合することにより25℃、50rpmで測定した粘度を2.8〜5.5mPa・sとすることを特徴とする。
Siアルコキシドとシリコーンレジンが溶媒中に含まれ、粘度を2.8〜5.5mPa・sの範囲としたコーティング液であるならば、比抵抗が高く、耐熱性に優れたシリカ系絶縁皮膜を得ることができる。
(5)本発明のコーティング液の製造方法において、前記溶媒に酸触媒と水を添加することが好ましい。
溶媒中に酸触媒と水が添加されていることで加水分解液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)とすることができ、溶媒中にSiアルコキシドとシリコーンレジンを均一分散できる。
(6)本発明のコーティング液の製造方法は、前記Siアルコキシドとシリコーンレジンを溶媒に添加後、2時間以上撹拌混合することを特徴とする。
2時間以上混合撹拌することでSiアルコキシドとシリコーンレジンを溶媒中に十分に均一分散させ、混合することができる。2時間以上混合することにより粘度値を安定した範囲としたコーティング液にできる。
本発明のコーティング液によれば、比抵抗が高く、耐熱性に優れたシリカ系絶縁皮膜を提供できる。よって、このシリカ系絶縁皮膜を有する軟磁性粉末であれば、650℃などに高温加熱されても比抵抗の低下が少なく、耐熱性に優れる軟磁性粉末を提供できる。
また、本発明のコーティング液によるシリカ系絶縁皮膜を有する軟磁性粉末からなる圧粉磁心であるならば、高温の熱処理を経たとしても絶縁性に優れているので、比抵抗の高い耐熱性に優れた圧粉磁心を提供できる。
本発明のコーティング液から得られたシリカ系絶縁被覆粉末の外形と一部断面を示す拡大模式図。 同シリカ系絶縁被覆粉末を用いて製造されたシリカ系絶縁被覆圧粉磁心の組織構造を示す拡大模式図。 同シリカ系絶縁被覆粉末を用いて製造されたシリカ系絶縁被覆圧粉磁心をリアクトルコアに適用した一例を示す斜視図。 本発明に係るコーティング液を製造する工程の一例と、該コーティング液を用いてシリカ系絶縁被覆圧粉磁心を製造するための工程の一例を示す説明図。 シリコーンレジンとTEOSを混合してコーティング液を製造する工程の一例を示す説明図であり、(A)は溶媒にシリコーンレジンを添加する状態を示す図、(B)は溶媒中にTEOSを添加する状態を示す図、(C)は水と触媒を添加する状態を示す図、(D)はゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)を示す図。 実施例において得られたシリカ系絶縁被覆圧粉磁心の一部断面を電界放射型走査電子顕微鏡により低加速電圧で観察した結果を示す組織写真。 実施例において得られたシリカ系絶縁被覆軟磁性粉末の表面状態の一例を示す拡大写真。 実施例において得られたシリカ系絶縁被覆軟磁性粉末に対し減圧不活性ガス雰囲気中において650℃で30分間加熱した後の表面状態を示す拡大写真。 従来の絶縁被覆軟磁性粉末の表面状態の一例を示す拡大写真。 従来の絶縁被覆軟磁性粉末に対し減圧不活性ガス雰囲気中において650℃で30分間加熱した後の表面状態を示す拡大写真。 実施例において得られたシリカ系絶縁被覆軟磁性粉末に対し減圧不活性ガス雰囲気中において500℃到達時、600℃到達時、650℃到達時、650℃で0.5時間保持後のそれぞれの時点での粉末の表面状態を示す拡大写真。 比較例において得られたシリコーンレジン被覆軟磁性粉末とTEOSゾル‐ゲル被覆軟磁性粉末に対し減圧不活性ガス雰囲気中において500℃到達時、600℃到達時、650℃到達時にそれぞれ加熱した場合と650℃で0.5時間保持後のそれぞれの時点での粉末の表面状態を示す拡大写真。 実施例において製造方法の一部を改良して得られた2種類のシリカ系絶縁被覆軟磁性粉末に対し減圧不活性ガス雰囲気中において500℃到達時、600℃到達時、650℃到達時、650℃で0.5時間保持直後のそれぞれの時点での粉末の表面状態を示す拡大写真。 0.41%シリコーンレジンAを溶媒に溶解する場合の粘度と溶解・撹拌時間の関係を示すグラフ。 0.54%シリコーンレジンAを溶媒に溶解する場合の粘度と溶解・撹拌時間の関係を示すグラフ。 0.20%シリコーンレジンBを溶媒に溶解する場合の粘度と溶解・撹拌時間の関係を示すグラフ。
以下に本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明に係るコーティング液を用いて製造されたシリカ系絶縁被覆軟磁性粉末を示すもので、この形態のシリカ系絶縁被覆軟磁性粉末Bは、純鉄粉末などの軟磁性粉末5の周囲にリン酸塩皮膜6が被覆され、その周囲にシリカ系絶縁皮膜7が被覆されている。
軟磁性粉末5は一例として純鉄粉末粒子からなり、平均粒径(D50):5〜500μmの範囲内にある純鉄粉末5を主体とすることが好ましい。その理由は、平均粒径が5μmより小さすぎると、純鉄粉末粒子の圧縮性が低下し、純鉄粉末粒子の体積割合が低くなるために磁束密度の値が低下する傾向があり、一方、平均粒径が500μmより大きすぎると、純鉄粉末内部の渦電流が増大して高周波における透磁率が低下するなどの理由によるものである。
なお、純鉄系の軟磁性粉末の平均粒径はレーザー回折法による測定で得られる粒径である。
リン酸塩皮膜6は、例えば、リン酸鉄皮膜、リン酸亜鉛皮膜、リン酸マンガン皮膜、リン酸カルシウム皮膜などからなる。なお、このリン酸塩皮膜6は本実施形態において必須ではなく、略しても良い。
なお、軟磁性粉末5を構成する粒子は、純鉄粉末粒子に限るものではなく、Fe−Si系鉄基軟磁性合金粉末粒子、Fe−Si−Al系鉄基軟磁性合金粉末粒子、Fe−Ni系合金粉末粒子、Fe−Co系鉄基軟磁性合金粉末粒子、Fe−Co−V系鉄基軟磁性合金粉末粒子、Fe−P系鉄基軟磁性合金粉末粒子、Fe−Cr系Fe基合金粉末粒子などの軟磁性合金粒子一般に広く適用できるのは勿論である。
図2は図1に示す第1実施形態のシリカ系絶縁被覆軟磁性粉末Bを圧縮成形し、熱処理することで得られた圧粉磁心の組織構造の一例を示す模式図であり、この実施形態の圧粉磁心Aは、複数の軟磁性粉末粒子11をそれらの間に粒界層12を介在させて結合することで構成されている。また、各軟磁性粉末粒子11の外周には上述のリン酸塩皮膜からなる下地皮膜13が形成されている。
図2においては2つの軟磁性粉末粒子11の一部分とそれらの間に存在する粒界層12の一部分のみ表しているが圧粉磁心Aは多数の軟磁性粉末粒子11を個々に粒界層12を介し接合して一体化し、目的の形状に成形されている。
圧粉磁心Aの電磁気部品への適用例として図3に示す平面視レーストラック形状かつ環状のリアクトルコア14aを例示できる。リアクトルコア14aの直線部分に巻線によるコイル部14b、14bを形成し、リアクトル14が構成されている。
図2に示すリアクトルコア14aは、後述する複数のシリカ系絶縁被覆軟磁性粉末と結着材を混合して金型に投入し、金型を用いて目的の環状に圧縮成形し、成形後に焼成することで得られる。
圧粉磁心Aの粒界層12は、以下に説明する方法により製造されたシリカ系絶縁皮膜の焼成物からなる。圧粉磁心Aは、シリコーンレジンとTEOS(テトラエトキシシラン:Si(OC:Siアルコキシド)を溶媒に溶解または分散させた後述するコーティング液を下地皮膜付きの軟磁性粉末に塗布し、この粉末を乾燥後、潤滑剤とともに成形用の金型に必要量投入し、目的の形状に成形後、熱処理して得られる。
以下、圧粉磁心Aを製造する工程について詳しく説明する。
圧粉磁心Aを製造するには、まず、軟磁性粉末の外周に塗布するコーティング液を作製する。コーティング液を作製するには、図4、図5(A)に示すようにIPA(2−プロパノール)などの溶媒15を25〜50℃程度の温度に加熱しながらこの溶媒を2〜24時間程度攪拌しつつこの溶媒15にシリコーンレジン16を溶解する(溶解工程)。
この溶解工程で用いる溶媒15は、IPAの他にエタノール、1−ブタノールなどであっても良い。
加熱温度は、25℃未満であると、シリコーンレジン16の溶解が不十分となる可能性があり、50℃を超える場合は溶媒の蒸発が進みやすくなり、シリコーンレジン16が溶媒中に十分に分散しない状態となることが問題となる。
溶解撹拌時間は2時間以上とすることが望ましいが、溶解撹拌時間が短時間では溶解が不十分となり易く、24時間を超える溶解撹拌時間を設定しても、時間が無駄になる。このため、溶解撹拌時間は2〜12時間程度が望ましい。
溶媒15に対するシリコーンレジン16の溶解量は、溶媒1Lに対しシリコーンレジン20g〜350g程度が好ましい。
シリコーンレジン16を溶媒15に十分に溶解した後、図4、図5(B)に示すように溶媒15中にTEOS(テトラエトキシシラン:Si(OC)17を添加して混合し十分に攪拌する(TEOS添加工程)。
混合撹拌時間は4時間以上とすることが望ましいが、溶解時間が短時間では溶解が不十分となり易く、24時間を超える溶解時間を設定しても、時間が無駄になる。このため、混合撹拌時間は4〜12時間程度が望ましい。
このTEOS17の混合量は溶媒に対しモル比で[溶媒]/[TEOS]=4〜15程度、好ましくは7〜13の範囲であることが望ましい。溶媒15にTEOS17を溶解する場合の温度は室温で良いが前述のシリコーンレジン16を溶解する場合と同程度の温度域に加熱しても良い。
混合撹拌時間は、溶媒にシリコーンレジンを加えて2時間以上必要、その後にTEOSを加えて4時間以上必要である。レジン溶解・撹拌時間とは、シリコーンレジンの溶解撹拌時間のことである。
TEOS17を添加後、図4、図5(C)に示すように溶媒に酸触媒としての塩酸18と水19を添加後、25〜50℃、例えば35℃で4時間以上、例えば、4〜24時間程度攪拌する(触媒添加工程)。塩酸18を添加することで加水分解反応を優先的に進行させ、縮合重合反応を進行させる。ここで用いる酸触媒は、塩酸の他、硝酸、酢酸、ギ酸、リン酸等を用いることができる。
以上の工程により図4、図5(D)に示すようにゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)20を得ることができる。このゾル‐ゲルコーティング液20はTEOSを溶媒中に添加した液体中に目視できない程度の微細なシリコーンレジンの微粒子が分散された状態を呈する。
このコーティング液20は、TEOSとシリコーンレジンが溶媒中に十分かつ微細に分散混合され、25℃、50rpmで測定した粘度が2.8〜5.5mPa・sであることを特徴とする。
コーティング液20を作製したならば、図4の工程に示すように下地皮膜付きの軟磁性粉末21とともにヘンシェルミキサーなどの流動式混合機に投入して軟磁性粉末の外周に所定の厚さのコーティング液20を塗布する(塗布工程22)。
なお、この塗布工程22で用いる軟磁性粉末21は下地皮膜13を設けていない軟磁性粉末21でも良く、下地皮膜13は略しても差し支えない。
混合時の加熱温度は90℃〜105℃、例えば95℃に設定し、混合終了後、175〜250℃程度の温度、例えば200℃に数10分程度加熱して軟磁性粉末外周のコーティング液を乾燥させ、コーティング液の乾燥皮膜で軟磁性粉末の外周を覆った構造の成形用コーティング粉末を得ることができる(乾燥工程23)。
前記乾燥時に175℃未満の温度で乾燥すると乾燥時間が長くかかるので製造効率が悪く、250℃を超える温度で乾燥すると皮膜に亀裂が入りやすくなるという問題を生じる。
次に、前記コーティング粉末にシリコーンレジン粉末を0質量%〜0.9質量%の割合、例えば0.03質量%あるいは0.09質量%、0.18質量%の割合で混合し、成形用原料混合粉末を得、この成形用原料混合粉末に0質量%〜0.8質量%、例えば、0.4質量%あるいは0.6質量%の割合でワックス系潤滑剤を混合する(混合工程24)。
得られた原料混合粉末をプレス成形機の金型に投入し、目的の形状、例えば円環状、ロッド状、円盤状などの形状に圧縮成形する(成形工程25)。
成形時の加圧力は例えば700〜1570MPa程度の圧力、例えば790MPaで80℃温間成形により圧縮成形することができる。
得られた成形体に対し、真空雰囲気あるいは窒素ガス雰囲気などの非酸化性雰囲気中において、500℃〜900℃の温度範囲に、例えば、650℃に数10分〜数時間程度、例えば、30分間程度加熱して焼成する熱処理工程26により、複数の軟磁性粉末からなる軟磁性粉末粒子11を粒界層12で結合した組織を有する目的の圧粉磁心Aを得ることができる。
以上説明した製造方法により得られた圧粉磁心Aは、前述の溶媒中にシリコーンレジンを十分に溶解し、TEOSを十分に分散させたコーティング液の乾燥物が圧密され、この層を焼成して生成された粒界層12によって複数の軟磁性粉末粒子11が結合された組織を呈する。
溶媒中にシリコーンレジンを十分に溶解し、TEOSを十分に分散させたゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)の乾燥物を焼成してなる粒界層12は、層内にゾル‐ゲルコーティング液由来のSi−O骨格とシリコーンレジン由来の樹脂骨格の複合化がなされた複合酸化物層であると想定できる。
25℃、50rpmで測定したコーティング液の粘度が2.8〜5.5mPa・sであるならば、粉末表面に塗布した場合、コーティング液の付き回り性が良く、この範囲の粘度値を有するコーティング液を表面に有する軟磁性粉末を用いて作製した圧粉磁心は比抵抗が高く、耐熱性に優れる。
前述のゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)20であるならば、溶媒に対しシリコーンレジンとTEOSを十分に攪拌混合し、酸触媒と水を添加して加水分解反応と縮合重合反応を促進している。そして、シリコーンレジンとTEOSを有するゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)であれば必然的に分子間に樹脂であるシリコーンレジンが存在し、これが焼成時に部分的に焼失することで粒界層内に原子レベルの空孔を生み出している。ここに焼成時にFe系の軟磁性粉末からFeが拡散されて原子レベルの空孔に鉄原子が捕らわれる結果、Siの複合酸化物中にFeが拡散した構造の粒界層12が生成され、この粒界層12が原因となって軟磁性粉末粒子11を強固に接合した強度の高い圧粉磁心Aを得ることができる。なお、後述する実施例試料の解析から粒界層12の内部にFeが拡散されていることは確認できている。
また、この粒界層12で周囲を囲んでいる軟磁性粉末粒子11であるならば、減圧不活性ガス雰囲気中で500℃〜650℃の高温まで昇温しても軟磁性粉末粒子11の周面に酸化鉄の微結晶が生成し難くなり、これが原因となって高温で焼成された圧粉磁心Aであっても、比抵抗の低下を抑制できた圧粉磁心Aを提供できる。即ち、得られた軟磁性粉末粒子11の周面に酸化鉄の微結晶の析出が少ないため、高温になっても高い比抵抗を維持することができる。減圧不活性ガス雰囲気中での昇温時に酸化鉄の微結晶の析出が少ないことは、焼成前の皮膜に存在する欠陥の数が少ないことを意味している。
以上説明の如く製造された圧粉磁心Aは、高強度であり、比抵抗が高い特徴を有する。更に、圧粉磁心Aは500〜650℃に加熱されても比抵抗が低下し難い特徴を有し、耐熱性に優れる。
また、圧粉磁心Aを適用した図3に示すリアクトル14では、リアクトルコア14aの比抵抗が大きく、リアクトル14として高い性能を得ることができる。
なお、前記リアクトル14は本発明に係る圧粉磁心Aを電磁気回路部品に適用した一例であって、本発明に係る圧粉Aをその他種々の電磁気回路部品に適用できるのは勿論である。例えば、モーターコア、アクチュエーターのコア、トランスのコア、チョークコア、磁気センサコア、ノイズフィルターのコア、スイッチング電源用のコア、DC/DCコンバーター用のコア等、種々の電磁気回路部品に適用することができる。
平均粒径50μm(D50)の純鉄粉末にリン酸鉄被覆を施したリン酸鉄被覆鉄粉または純鉄粉を用意した。
前記リン酸鉄被覆純鉄粉末(軟磁性粉末)300gに対しTEOS由来のSiO皮膜厚として16.9nm、軟磁性粉末に対しコーティング液中のシリコーンレジンとして0.20質量%含有する第1実施例作製用の成形用原料混合粉末を以下の工程に従い作製した。
前記リン酸鉄被覆純鉄粉末(軟磁性粉末)300gに対しTEOS由来のSiO皮膜厚33.8nm、軟磁性粉末に対しコーティング液中のシリコーンレジンとして0.41質量%含有する第2実施例作製用または第3実施例作製用の成形用原料混合粉末を以下の工程に従い作製した。
前記リン酸鉄被覆純鉄粉末(軟磁性粉末)300gに対しTEOS由来のSiO皮膜厚67.5nm、軟磁性粉末に対しコーティング液中のシリコーンレジンとして0.54質量%含有する第4実施例作製用の成形用原料混合粉末を以下の工程に従い作製した。
前記純鉄粉末(軟磁性粉末)300gに対しTEOS由来のSiO皮膜厚33.8nm、軟磁性粉末に対しコーティング液中のシリコーンレジンとして0.41質量%含有する第5実施例作製用の成形用原料混合粉末を以下の工程に従い作製した。この粉末は下地皮膜を略した軟磁性粉末を用いた例に相当する。
各々の成形用原料混合粉末の作製手順を以下に説明する。
メチル系シリコーンレジンを液温45℃の2−プロパノール(IPA)に混合し2時間攪拌して溶解し、この溶液にテトラエトキシシラン(TEOS)を室温にて4時間攪拌して混合した。
撹拌はマグネチックスターラーを用い、攪拌子を150rpmで回転させる方法で実施した。
この後、12NHClを添加し、(マグネチックスターラーを用い、攪拌子を150 rpmで回転させる方法で24時間攪拌し(液温35℃保持)、シリカゾル‐ゲルコーティング液を得た。
第1実施例作製用のシリカゾル‐ゲルコーティング液は、シリコーンレジン:0.61g、IPA:6.70g、TEOS:1.86g、水:0.32g、12NHCl:0.008g、合計9.496gの割合で各成分を混合した。このコーティング液の粘度は3.87mPa・sであった。
第2実施例作製用と第3実施例作製用のシリカゾル‐ゲルコーティング液は、シリコーンレジン:1.22g、IPA:13.39g、TEOS:3.73g、水:0.65g、12NHCl:0.017g、合計18.992gの割合で各成分を混合した。これらのコーティング液の粘度は3.06mPa・sであった。
第4実施例作製用のシリカゾル‐ゲルコーティング液は、シリコーンレジン:1.62g、IPA:8.597g、TEOS:7.45g、水:1.288g、12NHCl:0.066g、合計19.021gの割合で各成分を混合した。このコーティング液の粘度は4.32mPa・sであった。
第5実施例作製用のシリカゾル‐ゲルコーティング液は、シリコーンレジン:1.22g、IPA:13.39g、TEOS:3.73g、水:0.65g、12NHCl:0.017g、合計18.992gの割合で各成分を混合した。このコーティング液の粘度は3.06mPa・sであった。
これらシリカゾル‐ゲルコーティング液中のシリコーンレジンは、鉄粉に対し0.20質量%(第1実施例作製用)、0.41質量%(第2、第3実施例作製用)、0.54質量%(第4実施例作製用)、0.41質量%(第5実施例作製用)に設定している。シリコーンレジンは粒径1mm以下のグレード品を用いた。
第2比較例作製用のシリカゾル‐ゲルコーティング液は、シリコーンレジン:3.60g、IPA:12.89g、TEOS:1.24g、水:0.22g、12NHCl:0.005g、合計17.955gの割合で各成分を混合した。このコーティング液の粘度は6.00mPa・sであった。
第3比較例作製用のシリカゾル‐ゲルコーティング液は、シリコーンレジン:0.98g、IPA:17.19g、TEOS:2.98g、水:1.03g、12NHCl:0.03g、合計22.21gの割合で各成分を混合した。このコーティング液の粘度は2.75mPa・sであった。
[IPA]/[TEOS]の割合は、第1〜第3実施例作製用のシリカゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)において順次モル比で12(第1実施例作製用)、12(第2、第3実施例作製用)、4(第4実施例作製用)、12(第5実施例作製用)に設定している。
TEOS添加量は、TEOS由来のSiO皮膜厚として計算し、比表面積が4.0×10−2/gの軟磁性粉末をベースに換算した。
TEOS由来のSiO皮膜の膜厚は、比表面積(BET3点法による測定値)、SiO密度(水晶の物性値2.65g/cm)を用いて以下の式から算出した。
SiO皮膜の膜厚(nm)=TEOSの物質量(mol)×SiO原子量(g/mol)/SiO密度(g/cm)/軟磁性粉末の比表面積(m/g)/軟磁性粉末重量(g)(*)
(計算例)
TEOS重量7.45g、鉄粉比表面積4.0×10−2/g、鉄粉重量300gの場合、上記計算式(*)にTEOS原子量208.1g/mol、SiO原子量60.1g/molを代入して、SiO被膜の膜厚=7.45(g)/208.1(g/mol)×60.1(g/mol)/2.65(g/cm)/4.0×10−2(m/g) /300(g)=6.76×10−8(m)=67.6(nm)
水の添加量は、[HO]/[TEOS]=2とした。
⇒(HO質量)=(TEOS質量/(208.33g/mol(TEOS原子量)))×2×18.016g/mol(HOの分子量)
希塩酸の添加量は、[12NHCl]/[TEOS]=0.025とした。
⇒[100%HCl]/[TEOS]=0.009
⇒(12NHCl質量)=(TEOS質量/(208.33g/mol(TEOS分子量)))×0.025×36.458g/mol(HClの分子量)
あるいは、(12NHCl質量)=(TEOS質量/(208.33g/mol(TEOS分子量)))×0.009×36.458g/mol(HClの分子量)×100/36で計算できる。
なお、12NHCl質量を表す二つ目の式は、塩酸試薬12NHClのHCl濃度を36%として計算する。
前記リン酸鉄被覆鉄粉もしくは前記純鉄粉にヘンシェルミキサーを用いて前記シリカゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)を塗布した。
95℃に加熱したヘンシェルミキサーの容器内で撹拌されているリン酸鉄被覆鉄粉(300g)に対し前述の工程で得たコーティング液9.496gの1/3(3.165g)を供給して減圧乾燥し、リン酸鉄被覆鉄粉温度がコーティング開始温度の例えば94℃まで回復してから撹拌と加熱をさらに3分間続ける一連の操作を繰り返した。上述の比率で鉄粉とコーティング液を用いることでTEOS由来のSiO皮膜厚16.9nmのコーティング鉄粉(実施例1作製用)を得た。
ヘンシェルミキサーでの鉄粉へのゾル‐ゲルコーティングにおいて、鉄粉表面を覆うゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)の塗布を大気中95℃で3分間加熱し続けると、繰り返しコーティング液を供給する度にゾル‐ゲルコーティング液膜が溶解することなく鉄粉上に塗り重ねられて定着していく。95℃3分間未満の加熱時間であると、ゾル‐ゲルコーティング液膜が鉄粉表面上に定着せずに剥離しやすくなるので、3分間以上処理することが好ましい。
次に、95℃に加熱したヘンシェルミキサーの容器内で撹拌されているリン酸鉄被覆鉄粉(300g)に対し前述の工程で得たコーティング液18.992gの1/6(3.165g)を供給し、上記と同等の処理により、上述の比率で鉄粉とコーティング液を用いることでTEOS由来のSiO皮膜厚33.8nmのコーティング鉄粉(実施例2、3作製用)を得た。
また、以下の手順で実施例4、5のコーティング鉄粉を得た。
95℃に加熱したヘンシェルミキサーの容器内で撹拌されているリン酸鉄被覆鉄粉(300g)に対し前述の工程で得たコーティング液19.021gの1/6(3.17g)を供給し、上記と同等の処理により、上述の比率で鉄粉とコーティング液を用いることでTEOS由来のSiO皮膜厚67.5nmのコーティング鉄粉(実施例4作製用)を得た。
95℃に加熱したヘンシェルミキサーの容器内で撹拌されている純鉄粉(300g)に対し前述の工程で得たコーティング液18.992gの1/6(3.165g)を供給し、上記と同等の処理により、上述の比率で鉄粉とコーティング液を用いることでTEOS由来のSiO皮膜厚33.8nmのコーティング鉄粉(実施例5作製用)を得た。
この後、ゾル‐ゲルコーティング液膜を塗布したリン酸鉄被覆鉄粉もしくは純鉄粉を大気中で200℃に0.5時間加熱し乾燥することでシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉を得た。
実施例1作製用のシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉に対しシリコーンレジン粉末を0.09質量%添加し、ワックス系潤滑剤を鉄粉に対し0.6質量%添加して実施例1の原料混合粉末を得た。
実施例2作製用のシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉に対しシリコーンレジン粉末を0.03質量%添加し、ワックス系潤滑剤を鉄粉に対し0.6質量%添加して実施例2の原料混合粉末を得た。
実施例3作製用のシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉に対しシリコーンレジン粉末を0.18質量%添加し、ワックス系潤滑剤を軟磁性粉末に対し0.6質量%添加して実施例3の原料混合粉末を得た。
実施例4作製用のシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉に対しシリコーンレジン粉末を0.03質量%添加し、ワックス系潤滑剤を軟磁性粉末に対し0.4質量%添加して実施例4の原料混合粉末を得た。
実施例5作製用のシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉に対しシリコーンレジン粉末を0.18質量%添加し、ワックス系潤滑剤を軟磁性粉末に対し0.6質量%添加して実施例5の原料混合粉末を得た。
これら実施例1〜5の原料混合粉末をそれぞれ用い、成形圧790MPa(8t/cm)で80℃温間成形によりリング状の成形体を得た。
前記リング状の成形体を窒素雰囲気中において650℃に加熱し30分間焼成し、焼成後徐冷して圧粉磁心を得た。リング状圧粉磁心のサイズは、OD35×ID25×H5mmである。
なお、純鉄粉末の表面に被覆したコーティング液膜は650℃の焼成により一部の成分が消失するが液膜中のSiが主体として残留し、SiとFeのそれぞれの酸化物あるいはSiとFeと酸素を含有する複合酸化物となって隣接する純鉄粉末粒子間の粒界に粒界層として残留する。
<比較例1>
また、比較例1として、シリコーンレジン皮膜のみを備えた試料を作製した。前記リン酸鉄被覆純鉄粉末(軟磁性粉末)300gに対し0.72質量%のシリコーンレジンを添加してコーティングを行いコーティング鉄粉を得た後、大気中で乾燥処理を施し、その後に潤滑剤添加、成形、熱処理して比較例1のリング状成形試料を得た。成形条件と熱処理条件は実施例1〜5と同等条件としている。
<比較例2>
比較例2として、コーティング液の条件:TEOS由来のSiO皮膜厚11.3nm、コーティング液中のシリコーンレジンとして1.2質量%、軟磁性粉末としてリン酸鉄被覆鉄粉を用い、比較例2作製用のシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉に対しシリコーンレジン粉末を0.18質量%添加し、ワックス系潤滑剤を軟磁性粉末に対し0.6質量%添加して原料混合粉末を得た。比較例2を製造する場合のコーティング条件、コーティング後の乾燥条件、成形条件、焼成条件等は、実施例と同等である。
この比較例2の粘度測定値は、6.00mPa・sであった。
<比較例3>
比較例3として、コーティング液の条件:TEOS由来のSiO皮膜厚27.0nm、コーティング液中のシリコーンレジンとして0.32質量%、軟磁性粉末としてリン酸鉄被覆鉄粉を用い、比較例3作製用のシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉に対しシリコーンレジン粉末を0.18質量%添加し、ワックス系潤滑剤を軟磁性粉末に対し0.6質量%添加して原料混合粉末を得た。比較例3を製造する場合のコーティング条件、コーティング後の乾燥条件、成形条件、焼成条件等は、実施例と同等である。
この比較例3の粘度測定値は、2.75mPa・sであった。
上述の如く得られた各リング状試料を用いて磁束密度(磁界10kA/m)と比抵抗(μΩm)と鉄損(W/kg)と抗折強度(MPa)を測定した。また、粒界層に存在するFeの平均値(at%)も測定した。
前記10kA/mでの磁束密度の測定は、リング状試料を用いてB−Hトレーサ(横河電機(株)製直流磁化測定装置B積分ユニット TYPE3257)で行った。
以上の結果を以下の表1に示す。
粒界層に存在するFe量は、それぞれの試料(圧粉磁心)断面の粒界層について10箇所の元素分析を実施した。粒界層に存在するFeの値は、10箇所での分析値の平均値である。なお、後述する実施例3のTEM分析結果は具体的な例として示しており、この他の実施例、比較例に示す粒界層に存在するFeの値は、10箇所の元素分析を行った平均値である。よって、実施例3において、粒界層に存在するFeの(平均)値は0.60at%となる。
表1に示す結果から、シリコーンレジンとTEOSを溶媒に添加したゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)を軟磁性粉末に塗布し、これを乾燥後、圧縮成形し焼成して得た圧粉磁心は、比抵抗が高く、磁束密度、鉄損ともに優れ、軟磁気特性に優れていることがわかる。
また、これらの試料はいずれも650℃に焼成して得られているので、耐熱性に優れ、500〜650℃程度に加熱しても、比抵抗が低下せず、優れた軟磁気特性を有することが明かである。
なお、粒界層に存在するFeの(平均)値が6at%を超過するほどに粒界層に多くのFeが拡散されていると、圧粉磁心の強度は向上するが、それに伴って圧粉磁心の比抵抗が低下し、磁気特性(鉄損)も悪化する傾向となることが判る。
図6は上述の実施例3の圧粉磁心の粒界層を含む軟磁性粒子の部分断面を低加速電圧走査電子顕微鏡により観察した結果(SEM観察結果)を示す組織写真である。
SEMは、Carl Zeiss製 Ultra55、EDSソフトウェア:NoranSystem Sevenを用い、観察条件:加速電圧 1kV、EDS面分析条件:加速電圧4kV、電流量1nA、WD3mmにて分析を行った。
図6から軟磁性粒子の周面に薄いリン酸鉄被覆が形成されており、隣接する軟磁性粒子間に粒界層が形成されていることがわかる。一例として挙げた図6の視野におけるこの実施例の粒界層は1〜2μm程度の厚さであることがわかる。また、粒界層の所々に最大径0.5μm程度の略楕円形状の濃淡模様が分散されていることがわかる。なお、図6に示す濃淡模様の略楕円形領域はEDS面分析(エネルギー分散型X線分析)結果から、Cの濃度が薄い領域であることがわかった。
図7は先の実施例4で作製したゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)を塗布したリン酸鉄被覆鉄粉を大気中で200℃に0.5時間加熱し乾燥することで得たシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉(シリカ系絶縁皮膜被覆鉄粉)のSEM拡大写真である。倍率を2000倍としてSEM画像一杯に1つのシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉が入る拡大率とした。
このシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉に対し、減圧不活性ガス雰囲気中で650℃に30分間加熱する熱処理を施したSEM画像を図8に示す。熱処理は、減圧不活性ガス雰囲気中(試料を収容したチャンバー内を300Pa程度となるように減圧し、常時微量(30cc/min)の窒素ガスを流入している雰囲気)において650℃に保持することで行った。昇温速度は2〜10℃/分としている。試料外周面の状態は殆ど変わらないが、詳細に観察すると、熱処理後の鉄粉外面の底部側には微細な凹凸部分が若干生成されている。
この微細な凹凸はシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉の表面に生成した酸化鉄の微結晶である。その個数を測定した。個数の計測方法は、試料の中から任意選択したシリカ系絶縁被覆鉄粉10個のそれぞれに対し、2000倍の写真から画像解析を行い、鉄粉の周面に存在する粒径500nm以上の酸化鉄微細結晶の数を計測し、その平均値を算出した。酸化鉄微結晶数の平均値は、不活性ガス雰囲気で加熱する前のシリカ系絶縁被覆鉄粉表面の皮膜に存在する欠陥の数と等価であると考えられる。
計測結果の平均値は52個であった。
図9は実施例4で用いたゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)の代わりに、溶媒にシリコーンレジンのみを添加し、TEOS、塩酸、水の添加を略し、その他は同等の工程を経て得た、従来のシリコーン被覆鉄粉のSEM拡大写真である。この鉄粉に対し、減圧不活性ガス雰囲気中で650℃に30分間加熱する熱処理を施したSEM画像を図10に示す。加熱条件は図8に示す試料の条件と同等である。
外周面の状態は容易に判別できるほど変化が現れ、熱処理後の鉄粉外面の底部側には微細な凹凸部分が多数新たに生成されている。
これらの微細凹凸は酸化鉄の結晶が成長したものである。このように純鉄の軟磁性粉末の外周面に微細な酸化鉄微結晶が多数生成すると、この軟磁性粉末の粒子からなる圧粉磁心では比抵抗が大幅に低下する原因になると推定できる。
このため、図8に示す熱処理後のシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉において酸化鉄微結晶の析出が殆ど見られないことから、このシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉を圧縮して粒界層と共に焼成した圧粉磁心は、650℃程度に加熱されたとしても、比抵抗の低下が起こりにくく、このため本発明の圧粉磁心は優れた耐熱性を具備していることがわかる。
前述のシリカゾル‐ゲル被覆鉄粉を製造する場合、メチル系シリコーンレジンを液温45℃の2−プロパノール(IPA)に混合し2時間攪拌して溶解し、この溶液にテトラエトキシシラン(TEOS)を室温にて4時間攪拌して混合していた。
これに対し、メチル系シリコーンレジンを液温45℃の2−プロパノール(IPA)に混合する場合の攪拌時間を30分に変更し、その他の処理は同等とした場合に得られた試料の昇温観察結果(ESEM画像)を図11に示す。図11は減圧不活性ガス雰囲気中において500℃到達時、600℃到達時、650℃到達時、650℃で0.5時間保持後のそれぞれの時点での試料の表面状態を示している。加熱条件は図8に示す試料の条件と同等である。
この試料の熱履歴において、650℃で0.5時間加熱する条件においては多少酸化鉄微結晶の析出を確認できた。この試料において先に説明した方法と同じ方法で酸化鉄微結晶の平均個数を求めた。その結果、酸化鉄微結晶の平均析出個数は268個であった。この結果から、シリカゾル‐ゲル被覆鉄粉を製造する場合、シリコーンレジンとテトラエトキシシラン(TEOS)を溶媒に混合する工程が重要であると思われる。
図12は比較のために、先の実施例を製造する工程において溶媒に対しシリコーンレジンのみを溶解し、この溶液をコーティング液としてリン酸鉄被覆鉄粉に塗布し、これを乾燥して得たコーティング鉄粉の加熱試験結果を示す。試料製造条件において、その他の条件は先の実施例の場合と同様である。
また、図12に先の実施例を製造する工程において溶媒に対しシリコーンレジンを略してTEOSゾル‐ゲルを混合撹拌し、この溶液をコーティング液としてリン酸鉄被覆鉄粉に塗布し、これを乾燥して得たコーティング鉄粉の加熱試験結果を示す。試料製造条件において、その他の条件は先の実施例の場合と同様である。
各試料とも、減圧不活性ガス雰囲気中において500℃到達時、600℃到達時、650℃到達時、650℃×0.5時間保持直後のそれぞれの時点での試料の表面状態を昇温観察したESEM画像で示す。昇温条件は図8に示す試料の条件と同等である。
図12に示すESEM画像では650℃到達時の段階から酸化鉄微細結晶が大量に生成していることがわかる。このことから、シリコーンレジンのみ、あるいは、TEOSのみを溶媒と混合撹拌して得たコーティング鉄粉は昇温とともに皮膜に欠陥が生じやすいため特性が低下すると想定できる。
図13は比較例2で用いたゾル‐ゲルコーティング液(シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液)の代わりに、シリコーンレジン添加量を0.54質量%、0.72質量%にそれぞれ設定し、(シリコーンレジンと溶媒との混合撹拌時間を2時間に変更し、さらにこれらにTEOSを添加した後の撹拌混合時間を4時間)に変更し、その他の条件は同等として製造したコーティング液を塗布し乾燥させたコーティング鉄粉のESEMでの昇温観察の結果を示す。昇温条件は先の例と同等である。
図13に示すESEM画像では500〜650℃加熱において酸化鉄微結晶の析出を殆ど確認できなかった。650℃×0.5時間加熱では多少の酸化鉄微結晶の析出を確認できたが、この試料の酸化鉄微細結晶の数は52個であり、極めて少ない数であった。
このことからも、溶媒に添加する際のシリコーンレジン、TEOSの攪拌混合を十分に行うことが重要であることがわかった。
次に、前述の如く製造されたコーティング液の粘度について説明する。
コーティング液を製造する場合、以下の3通りの条件にて組成例(1)、(2)、(3)のコーティング液を製造した。
○組成(1)
シリコーンレジンA:1.22g(6.42質量%)、IPA:13.39g(70.45質量%)、TEOS:3.73g(19.62質量%)、HO:0.65g(3.42質量%)、12NHCl:0.017g(0.09質量%)。TEOS由来のSiO膜厚:33.8nm、0.41%シリコーンレジンAと表記。
○組成(2)
シリコーンレジンA:1.62g(8.53質量%)、IPA:8.60g(45.28質量%)、TEOS:7.45g(39.23質量%)、HO:1.29g(6.79質量%)、12NHCl:0.033g(0.17質量%)。TEOS由来のSiO膜厚:67.5nm、0.54%シリコーンレジンAと表記。
○組成(3)
シリコーンレジンB:0.61g(6.42質量%)、IPA:6.70g(70.45質量%)、TEOS:1.86g(19.62質量%)、HO:0.32g(3.42質量%)、HCl:0.008g(0.09質量%)。TEOS由来のSiO膜厚:16.9nm、0.20%シリコーンレジンBと表記。
・[HO]/[TEOS]=2(モル比)
・[12NHCl]/[TEOS]=0.025(モル比)
前記組成(1)は先に記載の第2実施例作製用コーティング液、第3実施例作製用コーティング液、第5実施例作製用コーティング液に相当し、組成(2)は第4実施例作製用コーティング液に相当し、組成(3)は第1実施例作製用コーティング液に相当する。
TEOS由来のSiO皮膜の膜厚は、軟磁性粉末の比表面積(BET3点法による測定値)、SiO密度(水晶の物性値2.65g/cm)を用いて以下の式から算出した。 SiO皮膜の膜厚(nm)=TEOSの物質量(mol)×SiO分子量(g/mol)/SiO密度(g/cm)/軟磁性粉末の比表面積(m/g)/軟磁性粉末重量(g) (*)
(計算例)TEOS重量7.45g、鉄粉比表面積4.0×10−2/g、鉄粉重量300gの場合
上記計算式(*)にTEOS分子量208.1g/mol、SiO分子量60.1g/molを代入して、SiO被膜の膜厚=7.45(g)/208.1(g/mol)×60.1(g/mol)/2.65(g/cm)/4.0×10−2(m/g)/ 300(g)=6.76×10−8(m)=67.6(nm)。
それぞれのコーティング液を製造する場合、シリコーンレジンを溶媒に溶解するための撹拌時間と得られたコーティング液の粘度との関係を調べた。具体的には試料温度25℃、コーンスピンドル回転数50rpmの条件で粘度測定を行った。
粘度測定は、コーンプレート型粘度計(ブルックフィールド社製、LV−DV2T CP)、スピンドルはCPA−40Zを用い、循環恒温槽はフーバー社製、MPC−K6を用いた。
組成(1)、組成(2)、組成(3)のそれぞれのコーティング液の撹拌時間と粘度の関係を求めた。それらの関係を以下の表2に記載した。
表2に示す組成(1)、(2)、(3)のそれぞれの試料について、レジン溶解・撹拌時間の関係を以下の図14、図15、図16に示す。
図14は組成(1)の試料における粘度とレジン溶解・撹拌時間の関係を示し、図15は組成(2)の試料における粘度とレジン溶解・撹拌時間の関係を示し、図16は組成(3)の試料における粘度とレジン溶解・撹拌時間の関係を示す。
これらの図に示す結果から、いずれの組成においても、撹拌時間100分程度までは粘度の値が安定しないことがわかる。粘度が安定するのは120分程度以降と認識できるので、粘度を安定化するためのレジン溶解・撹拌時間は2時間以上必要であることがわかった。
また、いずれの組成においても、2時間以上経過後は、粘度が2.8〜5.5mPa・sの範囲内、より詳しくは、3.0〜4.5mPa・sの範囲内に収まっていることがわかる。粘度値がこの範囲になるならば、コーティング液内のシリコーンレジンとTEOSの分散状態が安定化状態に入ったと推定できる。更に、120分経過後はいずれの試料も粘度が安定しており、粘度値の偏差は±2%の範囲内に納まっていることが判る。
本明細書において、最終的な粘度到達値は、以下のように定義する。
最終的な粘度到達値:シリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液調製工程において、シリコーンレジンを溶媒に添加して混合撹拌(溶解撹拌)を24時間行うという操作(図5(A)に該当)を経た後の液にTEOS、塩酸、水を添加して得られたコーティング液の粘度値。
次に、前述の実施例3で得られた圧粉磁心の粒界層の一部を分析した結果を示す。
実施例3で得られた圧粉磁心の粒界層について、任意の10カ所を選択し、STEMでのEDSによる元素分析を行った結果を以下に示す。以下の分析値で%はat%を示す。
第1の分析位置「O:57.17%、Si:41.86%、Fe:0.97%」
第2の分析位置「O:65.40%、Si:33.96%、P:0.20%、Fe:0.44%」
第3の分析位置「O:64.16%、Si:35.41%、P:0.11%、Fe:0.32%」
第4の分析位置「O:64.20%、Si:35.40%、Fe:0.40%」
第5の分析位置「O:61.32%、Si:38.37%、Fe:0.31%」
第6の分析位置「O:67.64%、Si:31.6%、Fe:0.76%」
第7の分析位置「O:68.89%、Si:29.73%、Fe:1.37%」
第8の分析位置「O:68.26%、Si:31.36%、Fe:0.38%」
第9の分析位置「O:70.09%、Si:29.47%、Fe:0.44%」
第10の分析位置「O:70.36%、Si:29.06%、Fe:0.58%」
これらの分析結果から、粒界層のいずれの部分においてもFeの存在を確認することができ、粒界層にFeの軟磁性粒子からFeが拡散されていることで、圧粉磁心において上述の如く優れた磁気特性が得られたと推定できる。
A…圧粉磁心、B…シリカ系絶縁被覆軟磁性粉末、5…軟磁性粉末、6…リン酸塩被覆、7…シリカ系絶縁皮膜、11…軟磁性粉末粒子、12…粒界層、13…リン酸塩被覆、14…リアクトル(電磁気回路部品)、14a…リアクトルコア、14b…コイル部。

Claims (6)

  1. Siアルコキシドとシリコーンレジンが溶媒中に混合され、25℃、50rpmで測定した粘度が2.8〜5.5mPa・sであることを特徴とするシリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液。
  2. 前記溶媒に酸触媒と水が添加されたことを特徴とする請求項1に記載のシリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液。
  3. 溶媒にSiアルコキシドとシリコーンレジンが混合された液であって、粘度値が最終的な粘度到達値の±2%の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液。
  4. Siアルコキシドとシリコーンレジンを溶媒に添加して撹拌、混合することにより25℃、50rpmで測定した粘度を2.8〜5.5mPa・sとすることを特徴とするシリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液の製造方法。
  5. 前記溶媒に酸触媒と水を添加することを特徴とする請求項4に記載のシリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液の製造方法。
  6. 前記Siアルコキシドとシリコーンレジンを溶媒に添加後、2時間以上撹拌混合することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のシリカ系絶縁皮膜形成用コーティング液の製造方法。
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